JP2015056951A - ブレーキ付モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストを低減可能であると共に、磁気損失を抑えて吸引力を向上させることが可能なブレーキ付モータを提供する。【解決手段】ブレーキ付モータ10は、モータ軸50と、モータ用ロータ40と、ステータ30と、ステータ30で生じる磁界によってモータ用ロータ40との間に磁力による吸引力を生じさせ、その吸引力によってブレーキユニット60における制動力を解除させる吸引部材63とを備え、モータ用ロータ40は、ロータ部41と、ロータ部41の端面側から突出する突出部44と、ステータ30および吸引部材63と対向配置され、突出部44が挿入される挿入孔45aを有すると共に、突出部44の塑性変形によってロータ部41に取り付けられる磁性部材45と、を具備する。【選択図】図1

Description

本発明は、ブレーキ付モータに関する。
たとえば、電動式のチェーンブロックや、ロープホイストには、荷揚げ用や走行用の駆動力を与えるモータが用いられるが、かかるモータとして、ブレーキ付きのモータ(以下、ブレーキ付モータとする)が広く用いられている。
このようなブレーキ付モータとしては、例えば特許文献1および特許文献2に示すものがある。特許文献1には、非磁性材料からなる円板2の外周の軸方向に、磁性材料からなる複数の桿体3が埋設されている構成が開示されている。また、特許文献2には、アルミダイキャストによって磁性体が埋め込まれたプルロータ9が開示されている。
特開昭58−201556号公報 特開2000−125509号公報
ところで、特許文献1、2に示す構成では、磁性体(桿体)を機械加工した後に、アルミダイキャスト等のような一体成型を行い、その成型後に機械加工を行っている。そのため、製造コストが高くなってしまう、という問題がある。また、特許文献1、2に開示の構成においては、ステータに対しては、磁性体(桿体)のみで対向してはおらず、アルミニウムのような非磁性の部分もステータと対向している。そのため、磁気損失が生じてしまい、ブレーキ盤等に押し当てる際の吸引力が弱くなってしまう、という問題もある。
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、製造コストを低減可能であると共に、磁気損失を抑えて吸引力を向上させることが可能なブレーキ付モータを提供しよう、とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によると、制動力を生じさせるブレーキユニットを備えるブレーキ付モータであって、モータ軸と、モータ軸に取り付けられるモータ用ロータと、モータ用ロータの外周側に対向配置されるステータと、磁性材料から構成され、ステータで生じる磁界によってモータ用ロータとの間に磁力による吸引力を生じさせ、その吸引力によってブレーキユニットにおける制動力を解除させる吸引部材と、を備え、モータ用ロータは、回転力を生じさせるロータ部と、ロータ部の端面側から突出する突出部と、磁性材料から構成される複数の磁性部材であって、外周側においてステータに対向配置され、モータ軸の軸線方向において吸引部材と対向配置され、突出部が挿入される挿入孔を有すると共に、互いに接触しない状態で配置され、突出部の塑性変形によってロータ部に取り付けられている磁性部材と、を具備することを特徴とするブレーキ付モータが提供される。
また、本発明の他の側面は、上述の発明において、挿入孔の断面積は、ロータ部とは反対側の磁性部材の端面側の方が、ロータ部側よりも、広く設けられている、ことが好ましい。
さらに、本発明の他の側面は、上述の発明において、磁性部材は、カシメ加工によってロータ部に取り付けられている、ことが好ましい。
また、本発明の他の側面は、上述の発明において、ブレーキ付モータは、かご型誘導モータであり、ロータ部の端部側には、突出部が突出するエンドリングが設けられていて、エンドリングは、非磁性材料であって磁性部材よりも電流を良好に導通させる材質から形成されている、ことが好ましい。
さらに、本発明の他の側面は、上述の発明において、挿入孔および突出部は、その中心から外周側までの距離が周方向の部位によって異なる形状に形成されていて、それら挿入孔および突出部の間の嵌め合いによって磁性部材のロータ部に対する回転が阻止される、ことが好ましい。
本発明によると、製造コストを低減可能であると共に、磁気損失を抑えて吸引力を向上させることが可能なブレーキ付モータを提供することが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係るブレーキ付モータの全体構成を示す側断面図である。 図1のブレーキ付モータにおけるモータ用ロータの構成を示す平面図である。 図1のブレーキ付モータにおけるモータ用ロータの構成を示す側断面図である。 図1のブレーキ付モータにおけるロータ部の構成を示す平面図である。 図1のブレーキ付モータにおけるロータ部の構成を示す側断面図である。 図1のブレーキ付モータにおける磁性ピースの構成を示す平面図である。 図1のブレーキ付モータにおける磁性ピースの構成を示す側断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るブレーキ付モータの全体構成を示す側断面図である。 図8のブレーキ付モータにおけるモータ用ロータの構成を示す平面図である。 図8のブレーキ付モータにおけるモータ用ロータの構成を示す側断面図であり、図9のA−A線に沿って切断した状態を示す図である。 図8のブレーキ付モータにおけるロータ部の構成を示す平面図である。 図8のブレーキ付モータにおけるロータ部の構成を示す側断面図であり、図11のB−B線に沿って切断した状態を示す図である。 図8のブレーキ付モータにおける磁性ピースの構成を示す平面図である。 図8のブレーキ付モータにおける磁性ピースの構成を示す側断面図である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態に係るブレーキ付モータ10Aについて、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、X方向とは、モータ軸50の延伸方向を指し、X1側とは軸受B1が位置する側(図1の右側)を指し、X2側とは軸受B2が位置する側(図1の左側)を指す。
<1.ブレーキ付モータ10Aの構成について>
図1は、ブレーキ付モータ10Aの全体構成を示す側断面図である。なお、以下で説明するブレーキ付モータ10Aは、かご型誘導電動機である。図1に示すように、ブレーキ付モータ10Aは、ケース20を備え、そのケース20によって内部空間を封止する状態で覆っているが、ケース20の一端側(X1側)には軸孔21が設けられていて、その軸孔21からは、後述するモータ軸50の一端側が突出している。
ブレーキ付モータ10Aは、上述したケース20の内部空間に、ステータ30と、モータ用ロータ40と、モータ軸50と、ブレーキユニット60を備えている。ケース20の内壁には、コイル31が巻回されているステータ30が設けられている。ステータ30は、円筒形状に設けられていて、その内周側がモータ用ロータ40と対向する状態で配置されている。
また、モータ用ロータ40の径方向の中心には、ローレット加工されたモータ軸50が挿通している。モータ用ロータ40には、上記のようにローレット加工されたモータ軸50が、圧入または焼嵌め(固着)されることで、両者が一体的に回転するように設けられている。また、モータ軸50のX2側には、軸側スプライン51が形成されていて、その軸側スプライン51は、可動部材62のコア側スプライン62cと嵌合している。それにより、可動部材62は、モータ軸50に対して摺動可能な状態で、当該モータ軸50と一体的に回転するように設けられている。なお、モータ軸50には、後述するブレーキバネ66を受け止めるためのバネ受部52が設けられ、そのバネ受部52は、一端寄り(X1寄り)の部分よりも、モータ軸50の他端寄り(X2寄り)の部分を、若干小径にすることで形成されている。
図1に示すように、モータ軸50のX1側およびX2側は、たとえばベアリング(ラジアルベアリングやスラストベアリング等)のような軸受B1,B2が配置されていて、かかる軸受B1,B2によってモータ軸50が回転自在に支持されている。
次に、ブレーキユニット60について説明する。ブレーキユニット60は、ドラムユニット61と、ブレーキシュー65と、ブレーキバネ66とを備えている。ドラムユニット61は、モータ軸50と一体的に回転する部分であり、このドラムユニット61のブレーキドラム64が、ブレーキシュー65との間で、制動力を生じさせる。このドラムユニット61は、可動部材62と、ロータ側受部63と、ブレーキドラム64とを備えている。
可動部材62は、筒状部分62aを有し、その筒状部分62aの内周側には、コア側スプライン62cが形成され、当該コア側スプライン62cは軸側スプライン51と嵌合している。また、可動部材62には、大径のフランジ部62bも設けられている。フランジ部62bの一方の面側(X1側)にはロータ側受部63が固定され、フランジ部62bの他方の面側(X2側)にはブレーキドラム64が固定されている。また、可動部材62の筒状部分62aのX1側には、筒状の内径側が段差状に窪んだ凹形状のバネ受部62dが設けられている。バネ受部62dには、ブレーキバネ66の他端側(X2側)が挿入される。
ロータ側受部63は、上述したフランジ部62bに面接触して取り付けられる取付固定部63aを有している。また、ロータ側受部63は、取付固定部63aよりもX1側に位置すると共に後述する磁性ピース45に面的に衝突する(径方向に沿う)係合部63bを有している。ここで、取付固定部63aと係合部63bとの位置がX方向で異なることにより、後述する磁性ピース45のカシメ部46との干渉を防いでいる。なお、ロータ側受部63は、吸引部材に対応し、磁性材料から形成されているが、かかる磁性材料は、いわゆる強磁性体であって、鉄、またはコバルト、ニッケルなどの金属を含む合金等がある。本実施の形態では、磁性材料としては、たとえばS35Cのような鉄系の磁性鋼材を用いている。
ブレーキドラム64も、上述したロータ側受部63の取付固定部63aと同様の取付固定部64aを有している。ブレーキドラム64は、フランジ状のシュー係合部64bを有している。シュー係合部64bは、ブレーキシュー65に衝突する部分であり、このブレーキシュー65との間の摩擦によって制動力を生じさせる部分である。
<2.モータ用ロータ40について>
続いて、モータ用ロータ40の詳細について説明する。図2は、モータ用ロータ40の構成を示す平面図である。図3は、モータ用ロータ40の構成を示す側断面図である。なお、図2および図3では、一部のみにカシメ部46が形成されている状態を示している。図4は、ロータ部41の構成を示す平面図である。図5は、ロータ部41の構成を示す側断面図である。
図1から図3に示すように、モータ用ロータ40は、ロータ部41と、磁性ピース45とを有している。図2および図3に示すように、ロータ部41は、径方向の中心側に、モータ軸50を挿通させる挿通孔41aを有している。また、ロータ部41は、図示を省略するかご型誘導部(導体部)と、磁性体部42とを有している。かご型誘導部(導体部)は、X方向に若干傾斜しつつ延伸するロータバーおよびそのロータバーの両端側に接続されているエンドリング43を有し、そのうちロータバーが磁性体部42で覆われている。かご型誘導部(導体部)は、ロータバーや後述するエンドリング43およびボス部44と一体的に設けられていて、これらは、たとえばアルミニウムやアルミニウム系合金のような非磁性で電気伝導性の良好な材質から形成されている。
また、磁性体部42は、上述したロータバーを覆う円筒状の部分であり、磁性材料から形成されているが、かかる磁性材料は、いわゆる強磁性体であって、鉄、またはコバルト、ニッケルなどの金属を含む合金等がある。本実施の形態では、磁性材料としては、たとえばS35Cのような鉄系の磁性鋼材を用いている。
エンドリング43は、かご型誘導部(導体部)のうち、一端側(X1側、図示省略)および他端側(X2側)において円盤状に露出している部分であり、リング状に設けられている。
また、ロータ部41(エンドリング43)の端面側からは、他端側(X2側)に向かいボス部44(突出部に対応)が突出している。ボス部44は、磁性ピース45の挿入孔45aに挿入される部分であり、図4に示すように、円形状部44aと、直線状部44bとを備える略D形の平面形状を有している。かかる略D形の平面形状により、磁性ピース45がボス部44に対して回転するのを阻止している。ボス部44は、エンドリング43の周方向に沿って、所定の間隔毎(本実施の形態では45度間隔毎)に配置されている。
図1から図3に示すように、ボス部44には、磁性ピース45が取り付けられる。磁性ピース45は、磁性材料から構成されているが、かかる磁性材料としては、上述した磁性体部42と同様の材質としても良い。磁性ピース45は、リング形状を所定角度に分割した形状に設けられている。また、磁性ピース45は、図6および図7に示すような形状に、焼結合金で一体成型されている。
図6は、磁性ピース45の構成を示す平面図である。図7は、磁性ピース45の構成を示す側断面図である。図2、図6および図7に示すように、磁性ピース45には、挿入孔45aが設けられている。挿入孔45aは、上述したボス部44を挿入する孔部分であり、ボス部44に対応した形状に設けられている。そのため、挿入孔45aの断面形状は、略D形の平面形状に設けられている。また、挿入孔45aの内壁は、X方向に対して傾斜するように設けられている。かかる傾斜は、挿入孔45aのうち一端側(X1側)から他端側(X2側)に向かうにつれて、徐々に広がるように傾斜している。すなわち、挿入孔45aの断面積は、ロータ部41とは反対側の端面側(X2側)の方が、ロータ部41側よりも広く設けられている。このため、ボス部44を挿入後に、後述するカシメ部46を形成すると、磁性ピース45がボス部44から抜けるのを防止可能となる。
挿入孔45aにボス部44を挿入する場合、磁性ピース45のボス部44に対する回転は阻止される。しかし、磁性ピース45は、ボス部44(ロータ部41)に対して若干ガタ付いてしまう。そこで、本実施の形態では、ボス部44を挿入孔45aに挿入した後に、カシメ加工を行う。このカシメ加工では、ボス部44のうち磁性ピース45よりも突出した部分を押し潰すと共に、挿入孔45aの内部に位置するボス部44の一部を塑性変形させる。それにより、磁性ピース45は、ボス部44に対してガタ付かない状態となる。
以下の説明では、カシメ加工によるボス部44の塑性変形の部分をカシメ部46とする。
また、隣接する磁性ピース45の間には、隙間部47が設けられている。すなわち、隣り合う磁性ピース45は、互いに接触していなく、磁気抵抗が大きくなっている。一方で、ブレーキバネ66によって磁性ピース45と係合部63bとが離れている場合でも、磁性ピース45と係合部63bとの間の隙間は、隣り合う磁性ピース45の間の隙間(隙間部47の間隔)よりも、小さい。このため、コイル31への通電によってステータ30が励磁されると、その磁束は磁性ピース45を通り、さらに係合部63bに向かい、ブレーキユニット60を一方側(X1側)に移動させる構成となっている。
<3.ブレーキ動作について>
次に、ブレーキ付モータ10Aの動作について説明する。コイル31への通電を遮断している状態では、コイル31は励磁されず、そのためモータ用ロータ40は回転を停止している。このとき、ブレーキバネ66は、ドラムユニット61を他端側(X2側)へ向かって付勢し、その付勢力によってシュー係合部64bは、ブレーキシュー65を押圧し、両者の間に大きな摩擦力が作用する。それにより、モータ用ロータ40の停止状態を維持する。
この状態で、コイル31に通電し、コイル31への通電の切り替えによってステータ30が回転磁界を生じさせると、モータ用ロータ40を回転させる力が与えられて、モータ用ロータ40は回転を開始する。この回転の際に、ステータ30からの磁束は、ロータ部41のみならず、磁性ピース45を介して、ロータ側受部63の係合部63bへも向かい、これらステータ30、磁性ピース45および係合部63bの間で磁路を形成する。それにより、ドラムユニット61は、ブレーキバネ66の付勢力に抗しながら磁性ピース45側(X1側)に引き寄せられ、シュー係合部64bはブレーキシュー65から離れる。なお、図2に示すように、磁性ピース45は、周方向において分割された状態となっている。そのため、磁束による鉄損(渦電流損失)を小さくすることが可能となる。
ここで、ドラムユニット61が磁性ピース45側(X1側)に引き寄せられていくと、シュー係合部64bとブレーキシュー65との間の摩擦力も徐々に小さくなり、ある時点でモータ用ロータ40およびドラムユニット61は、回転を開始する。
この回転状態で、通電を遮断すると、ステータ30から生じていた回転磁界もなくなるので、モータ用ロータ40を回転させる力が与えられない状態となる。一方、ステータ30から磁性ピース45を介して、係合部63bへ向かう磁束もなくなり、磁性ピース45と係合部63bとの間での磁気吸引力がなくなる。そのため、ドラムユニット61は、ブレーキバネ66の付勢力によって他端側(X2側)へと押し込まれ、シュー係合部64bは、ブレーキシュー65を押圧し、両者の間に大きな摩擦力が作用する。それにより、ドラムユニット61およびモータ用ロータ40は、大きな制動力によって回転を停止させられる。
以上のようにして、磁性ピース45とロータ側受部63(係合部63b)との間には、コイル31への通電による磁気吸引力が働き、通電時にはブレーキの解除を行うことができ、また通電停止によってブレーキを利かせることが可能となる。なお、かかる構成のブレーキ付モータ10Aは、たとえば電気チェーンブロック用のモータ、電気ホイストの横行用や荷上げ用のモータとして有効である。しかしながら、ブレーキ付モータ10Aは、それ以外の用途に用いても良い。
<4.効果について>
以上のような構成のブレーキ付モータ10Aによると、ロータ部41の端面側に位置するエンドリング43からは、複数のボス部44が突出して設けられている。そして、それぞれのボス部44に磁性ピース45が、互いに隙間部47を有する状態で取り付けられている。したがって、磁性ピース45は、所定角度毎に細かく分割されることになり、それぞれの磁性ピース45で発生する鉄損(渦電流損失)を小さくすることが可能となる。その結果、磁束の流れが良好となり、磁性ピース45が係合部63bを吸引する力が強くなり、ブレーキの制動解除を短時間で行うことが可能となる。
また、ボス部44が磁性ピース45の挿入孔45aに挿入された後に、カシメ部46を形成している。そのため、従来のように、アルミダイキャストによって磁性体が埋め込まれたプルロータを形成する場合と比較して、簡易に製作することが可能となり、製造コストを低減することが可能となる。
また、磁性ピース45は、ステータ30と対向配置され、非磁性の部分がほとんど対向していない配置となっている。このため、磁性ピース45を流れる磁束を大きくすることが可能となり、それによって大きな吸引力を生じさせることが可能となる。
また、上述のように磁力による吸引力を大きくすることが可能となるため、ブレーキバネ66のバネ力(付勢力)を大きくすることが可能となる。そのため、安価な構成でありながら、十分なブレーキの制動力を得ることが可能となる。また、ブレーキユニット60は、ブレーキシュー65とシュー係合部64bとの間で、フラットに衝突する構成を採用している。このため、円錐型(コーン型)のブレーキ構造と比較して、ブレーキの食い付きを防止可能となると共に、ブレーキ鳴きも抑制可能となる。
また、本実施の形態では、挿入孔45aの断面積は、ロータ部41とは反対側(X2側)の方が、ロータ部41側(X1側)よりも、広く設けられている。そのため、カシメ部46を形成した後には、挿入孔45aの内部に、ボス部44の塑性変形部分が入り込むため、磁性ピース45がボス部44から脱落し難くなる。
さらに、本実施の形態では、磁性ピース45は、カシメ加工によってロータ部41に取り付けられている。このため、簡易に、かつ安価にモータ用ロータ40を形成することが可能となる。
また、本実施の形態では、ブレーキ付モータ10Aは、かご型誘導モータであるので、モータ用ロータ40は、ステータ30からの回転磁界によって良好に回転可能となる。また、ロータ部41の端部側には、ボス部44が突出するエンドリング43が設けられていて、エンドリング43は、非磁性材料であって磁性ピース45よりも電流を良好に導通させる材質から形成されている。そのため、エンドリング43およびボス部44は、ステータ30からの磁束の影響をほとんど受けないものとすることが可能となる。
さらに、本実施の形態では、挿入孔45aおよびボス部44は、その中心から外周側までの距離が周方向の部位によって異なる形状に形成されていて、それら挿入孔45aおよびボス部44の間の嵌め合いによって磁性ピース45のロータ部41に対する回転が阻止される。そのため、磁性ピース45の取り付けに際して、磁性ピース45同士が近接したり離間してしまうような傾斜を防止可能となり、隙間部47の間隔を維持可能となる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態のブレーキ付モータ10Bは、上述した第1の実施の形態におけるブレーキ付モータ10Aと基本的な構成は同様となっている。したがって、以下の説明では、第1の実施の形態から相違する点について、主として説明する。
<1.ブレーキ付モータ10Bの構成について>
図8は、第2の実施の形態に係るブレーキ付モータ10Bの全体構成を示す側断面図である。図9は、モータ用ロータ40Bの構成を示す平面図である。なお、図9では、一部のみにカシメ部46が形成されている状態を示している。図10は、モータ用ロータ40Bの構成を示す側断面図であり、図9のA−A線に沿って切断した状態を示す図である。図11は、ロータ部41Bの構成を示す平面図である。図12は、ロータ部41Bの構成を示す側断面図であり、図11のB−B線に沿って切断した状態を示す図である。
図8〜図12に示すように、本実施の形態では、エンドリング43Bの形状が、第1の実施の形態におけるエンドリング43と相違している。具体的には、エンドリング43Bには、仕切り部48が設けられている。図11および図12に示すように、仕切り部48は、エンドリング43の表面43aから突出している部分である。この仕切り部48は、隣り合う磁性ピース45Bの位置を規定する部分であり、そのため、磁性ピース45Bがエンドリング43に取り付けられた場合には、仕切り部48は隙間部47に位置する。
図9から図12に示す構成では、仕切り部48は、エンドリング43の外周寄りの部分に設けられていて、その長手が径方向に沿った配置となっている。なお、仕切り部48は、エンドリング43と一体的であり、その材質もエンドリング43と同様に、たとえばアルミニウムやアルミニウム系合金のような非磁性の材質から形成されている。
また、本実施の形態では、図9、図11等に示すように、ボス部44は、第1の実施の形態におけるボス部44よりも外径側に位置している。これは、次の理由による。すなわち、アルミダイキャストを行う前の状態では、磁性体部42には、かご型誘導部(導体部)のロータバーに対応する空洞部分が存在しているが、かかる空洞部分は、外径寄りの配置となっている。しかし、外径寄りの空洞部分に対して、ボス部44が内径寄りの配置となると、アルミダイキャスト時の湯回りが良好とはならず、鋳巣等の不具合が発生する虞がある。そこで、本実施の形態では、ボス部44は、第1の実施の形態におけるボス部44よりも外径側に位置している。
しかしながら、ボス部44を外径寄りの配置とした場合、カシメ部46が外径側に位置し、係合部63bと干渉してしまう。かかる干渉を防止するため、磁性ピース45Bには、X2側に突出する係合突出部45cを設けている。図13は、磁性ピース45Bの構成を示す平面図である。図14は、磁性ピース45Bの構成を示す側断面図である。図9、図13および図14に示すように、係合突出部45cには、円弧状に切り欠いた切欠部45c1が設けられていて、この切欠部45c1によって係合突出部45cとカシメ部46との干渉を防いでいる。なお、切欠部45c1と比較して、切欠部45c1以外の係合突出部45cは、径方向の寸法が大きく設けられている。
<2.効果について>
以上のような構成のブレーキ付モータ10Bによると、仕切り部48は、隣接する磁性ピース45Bの間の隙間部47に位置する状態となる。そのため、磁性ピース45Bを配置する位置を規定することが可能となり、磁性ピース45Bが傾いた配置となるのを防止可能となる。それにより、磁性ピース45Bの傾きを防止するための特別な作業が不要となり、工数を削減することが可能となる。また、ボス部44を挿入孔45aに挿入し、仕切り部48の間に磁性ピース45Bを位置させるだけでも、エンドリング43への磁性ピース45Bの取付精度を向上させることが可能となる。
また、磁性ピース45Bには係合突出部45cが設けられている。このため、係合部63bとの干渉を防止しつつ、係合突出部45cに対して係合部63bを衝突させることが可能となり、磁性ピース45Bとロータ側受部63との間で良好に磁気吸引力を作用させることが可能となる。
<変形例>
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
上述の各実施の形態では、磁性ピース45は合計8つ設けられている。しかしながら、磁性ピース45の個数は、これに限定されるものではなく、2つ以上であれば、幾つ設けられていても良い。
また、上述の各実施の形態では、ブレーキ付モータ10A,10Bは、かご型誘導電動機として説明している。しかしながら、ブレーキ付モータは、かご型誘導電動機以外のモータであっても良い。たとえば、ブレーキ付モータは、各種の同期電動機、整流子型電動機であっても良い。
また、上述の各実施の形態では、突出部としてのボス部44について説明している。しかしながら、突出部は、ボス部44には限られず、リブ等、種々の突出部分としても良い。また、上述の実施の形態では、磁性部材としての磁性ピース45について説明している。しかしながら、磁性部材は、磁性ピース45には限られず、種々の形状および種々の配置を採用することが可能である。なお、ボス部44および挿入孔45aは、その断面形状が略D形には限られず、矩形状、長円形状他、種々の形状を採用可能であるが、ボス部44および挿入孔45aは、その中心から外周側までの距離が周方向の部位によって異なる形状に形成されていることが好ましい。このように形成すれば、磁性ピース45のロータ部41に対する回転が阻止される。
また、上述の各実施の形態では、塑性変形として、カシメ加工を行う場合について説明している。しかしながら、カシメ以外の塑性変形を利用して、ボス部44に対して磁性ピース45を固定しても良い。たとえば、ボス部を管状に形成し、磁性ピース45の挿入孔45aにボス部を挿入した後に、管状のボス部を拡径させるような塑性変形により、磁性ピース45を固定しても良い。また、塑性変形以外に、挿入孔45aに溶融した金属や樹脂を流し込んで、磁性ピース45をエンドリング43に対して固定するようにしても良い。
また、上述の各実施の形態では、磁性ピース45の1つにつき、ボス部44が1つ存在する構成について説明している。しかしながら、磁性ピース45の1つにつき、ボス部44を複数設けるようにしても良い。なお、ボス部44を複数設ける場合には、磁性ピース45が傾斜するのを抑えられるので、仕切り部48を省略する構成を採用しても良い。
また、上述の各実施の形態では、ブレーキシュー65は、ケース20側に取着(ビス止め)されている。しかしながら、ブレーキシュー65は、ブレーキドラム64側に取り付ける構成を採用しても良い。
10A,10B…ブレーキ付モータ、20…ケース、21…軸孔、30…ステータ、31…コイル、40,40B…モータ用ロータ、41,41B…ロータ部、41a…挿通孔、42…磁性体部、43,43B…エンドリング、43a…表面、44…ボス部(突出部に対応)、44a…円形状部、44b…直線状部、45,45B…磁性ピース(磁性部材に対応)、45a…挿入孔、45c…係合突出部、45c1…切欠部、46…カシメ部、47…隙間部、48…仕切り部、50…モータ軸、51…軸側スプライン、52…バネ受部、60…ブレーキユニット、61…ドラムユニット、62…可動部材、62a…筒状部分、62b…フランジ部分、62c…コア側スプライン、62d…バネ受部、63…ロータ側受部(吸引部材に対応)、63a…取付固定部、63b…係合部、64…ブレーキドラム、64a…取付固定部、64b…シュー係合部、65…ブレーキシュー、66…ブレーキバネ、B1,B2…軸受

Claims (5)

  1. 制動力を生じさせるブレーキユニットを備えるブレーキ付モータであって、
    モータ軸と、
    前記モータ軸に取り付けられるモータ用ロータと、
    前記モータ用ロータの外周側に対向配置されるステータと、
    磁性材料から構成され、前記ステータで生じる磁界によって前記モータ用ロータとの間に磁力による吸引力を生じさせ、その吸引力によって前記ブレーキユニットにおける制動力を解除させる吸引部材と、
    を備え、
    前記モータ用ロータは、
    回転力を生じさせるロータ部と、
    前記ロータ部の端面側から突出する突出部と、
    磁性材料から構成される複数の磁性部材であって、外周側において前記ステータに対向配置され、前記モータ軸の軸線方向において前記吸引部材と対向配置され、前記突出部が挿入される挿入孔を有すると共に、互いに接触しない状態で配置され、前記突出部の塑性変形によって前記ロータ部に取り付けられている磁性部材と、
    を具備することを特徴とするブレーキ付モータ。
  2. 請求項1記載のブレーキ付モータであって、
    前記挿入孔の断面積は、前記ロータ部とは反対側の前記磁性部材の端面側の方が、前記ロータ部側よりも、広く設けられている、
    ことを特徴とするブレーキ付モータ。
  3. 請求項1または2記載のブレーキ付モータであって、
    前記磁性部材は、カシメ加工によって前記ロータ部に取り付けられている、
    ことを特徴とするブレーキ付モータ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のブレーキ付モータであって、
    前記ブレーキ付モータは、かご型誘導モータであり、
    前記ロータ部の端部側には、前記突出部が突出するエンドリングが設けられていて、前記エンドリングは、非磁性材料であって前記磁性部材よりも電流を良好に導通させる材質から形成されている、
    ことを特徴とするブレーキ付モータ。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のブレーキ付モータであって、
    前記挿入孔および前記突出部は、その中心から外周側までの距離が周方向の部位によって異なる形状に形成されていて、
    それら前記挿入孔および前記突出部の間の嵌め合いによって前記磁性部材の前記ロータ部に対する回転が阻止される、
    ことを特徴とするブレーキ付モータ。


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