JP2015056627A - 半導体装置の評価方法、並びに半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置の評価方法、並びに半導体装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ショットキーリークを増加させずに、オン抵抗を低減しつつ電流コラプスを抑制して実機動作中の導通損失が増加しない半導体装置を得ること。
【解決手段】基板11上に、バッファ層12とC−GaN層13と窒化物系半導体からなる電子走行層14および電子供給層15を順次積層した半導体積層体とを設ける。半導体積層体上に、フィールドプレート層16およびパッシベーション膜17をそれぞれ選択的に設ける。アノード電極18は、パッシベーション膜17上に乗り上げて少なくとも2段の段差形状を有する。アノード電極18におけるパッシベーション膜17上に乗り上げた部分の段差の1段目の段差の直下におけるピンチオフ電圧が所定電圧以下、具体的に25V以下か否かによって半導体装置を評価する。カソード電極19は、半導体積層体を構成する少なくとも一部の層の上にアノード電極18と離間して設ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体装置の評価方法、並びに半導体装置およびその製造方法に関する。
ワイドバンドギャップ半導体は、高い絶縁破壊耐圧、良好な電子輸送特性、良好な熱伝導度を持つので、高温環境用、大パワー用、あるいは高周波用半導体デバイスの材料として非常に魅力的である。代表的なワイドバンドギャップ半導体として、GaN、AlN、InN、BNまたはこれらのうち2以上の混晶である窒化物系半導体がある。AlGaN/GaNヘテロ接合構造を有する半導体装置は、ピエゾ分極および自発分極によって、ヘテロ接合界面に2次元電子ガス(2DEG)が発生している。この2次元電子ガスは、高い電子移動度とキャリア密度を有している。そのため、このようなAlGaN/GaNヘテロ接合構造を有する半導体装置は、高耐圧、低いオン抵抗、および速いスイッチング速度を有し、パワースイッチング応用に非常に好適である。
また、半導体装置の耐圧をより高くするために、AlGaN/GaNヘテロ接合構造を有する素子において、ショットキー電極が、半導体層の表面に形成された絶縁体からなる表面保護膜上に乗り上げた階段形状を成し、フィールドプレート構造を形成しているものが知られている(非特許文献1参照)。
さらに、特許文献1に記載された窒化物半導体装置は、ショットキーバリアダイオード(SBD)であって、半導体積層部とショットキー接触するアノード電極と、半導体積層部とオーミック接触するカソード電極とを備える。そして、アノード電極は、下部電極層と上部電極層とによって構成される。アノード電極の下部電極層は、半導体積層部およびマグネシウム(Mg)からなるp型ドーパントがドープされた窒化ガリウム(GaN)からなるフィールドプレート層(GaN−FP層)とショットキー接触している。(特許文献1参照)。
特開2011−54845号公報
N. Zhang, U.K. Mishra, "High Breakdown GaN HEMT with Overlapping Gate Structure", IEEE Electron Device Letters, vol.21, no.9, 2000
上述したAlGaN/GaNヘテロ接合構造を有する半導体装置である高移動度トランジスタ(HEMT)やSBDにおいて、実機動作の効率の改善が求められている。この実機動作の効率を改善するためには、第1に、2DEGが発生する電子走行層を高品質化してオン抵抗を低減すること、第2に、電流コラプスを抑制して実機動作中に導通損失が増加するのを防ぐことの2点が重要である。しかしながら、本発明者の知見によれば、これらの2点の条件を満足させようとすると、ショットキーリークが増大するという問題が生じてしまう。
具体的に、特許文献1に記載された窒化物半導体装置によれば、電子走行層を構成するアンドープGaN層の膜厚が500nm程度であることから、電流コラプスを抑制できる。ところが、電子走行層が厚膜化されていることに起因して、ショットキーリークが増加するという問題が生じる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、ショットキーリークが増加することなく、オン抵抗が低減されているとともに、電流コラプスが抑制された半導体装置を得ることができる半導体装置の評価方法、並びに半導体装置およびその製造方法を提供することにある。
上述した課題を解決し、上記目的を達成するために、本発明に係る半導体装置の評価方法は、基体と、基体上に形成された窒化物系半導体からなる第1半導体層、および第1半導体層の上に形成され第1半導体層よりもバンドギャップが広い窒化物系半導体からなる第2半導体層を含む半導体積層体と、半導体積層体の少なくとも一部の上に選択的に設けられ、少なくとも1段の段差を有する階段状を成す絶縁膜と、絶縁膜の少なくとも1段の段差の上に乗り上げて少なくとも2段の段差を有する階段状を成す第1電極と、半導体積層体を構成する少なくとも一部の層の上に、第1電極と離間して設けられる第2電極と、を備えた半導体装置の評価方法において、第1電極における絶縁膜の上に乗り上げた段差のうちの1段目の段差部分の直下におけるピンチオフ電圧が所定電圧以下であるか否かによって、半導体装置の良否を評価することを特徴とする。
本発明に係る半導体装置の評価方法は、上記の発明において、所定電圧が25(V)であることを特徴とする。
本発明に係る半導体装置の評価方法は、上記の発明において、半導体積層体がさらに第3半導体層を含み、第3半導体層は、第2半導体層よりもバンドギャップが狭い窒化物系半導体からなるとともに、第2半導体層の上に選択的に設けられていることを特徴とする。
本発明に係る半導体装置は、基体と、基体上に形成された窒化物系半導体からなる第1半導体層、および第1半導体層の上に形成され第1半導体層よりもバンドギャップが広い窒化物系半導体からなる第2半導体層を含む半導体積層体と、半導体積層体の少なくとも一部の上に選択的に設けられ、少なくとも1段の段差を有する階段状を成す絶縁膜と、絶縁膜の少なくとも1段の段差の上に乗り上げて少なくとも2段の段差を有する階段状を成す第1電極と、半導体積層体を構成する少なくとも一部の層の上に、第1電極と離間して設けられる第2電極と、を備えた半導体装置において、第1電極における絶縁膜の上に乗り上げた段差のうちの1段目の段差部分の直下におけるピンチオフ電圧が所定電圧以下であることを特徴とする。
本発明に係る半導体装置は、上記の発明において、所定電圧が25(V)であることを特徴とする。
本発明に係る半導体装置は、上記の発明において、半導体積層体がさらに第3半導体層を含み、第3半導体層は、第2半導体層よりもバンドギャップが狭い窒化物系半導体からなるとともに、第2半導体層の上に選択的に設けられていることを特徴とする。本発明に係る半導体装置は、この構成において、第1電極が第3半導体層の上面の少なくとも一部と接していることを特徴とする。本発明に係る半導体装置は、この構成において、第3半導体層と第2電極とが離間して設けられていることを特徴とする。
本発明に係る半導体装置は、上記の発明において、第1電極が、第2半導体層とショットキー接触していることを特徴とする。
本発明に係る半導体装置は、上記の発明において、第2電極が、第2半導体層とオーミック接触していることを特徴とする。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、基体上に窒化物系半導体からなる第1半導体層を成長させるステップと、第1半導体層上に、第1半導体層よりもバンドギャップが広い窒化物系半導体からなる第2半導体層を成長させるステップとを含み、基体上に第1半導体層および第2半導体層を含む半導体積層体を形成するステップと、半導体積層体の上に、少なくとも1段の段差を有する絶縁膜を選択的に形成するステップと、絶縁膜上の少なくとも1段の段差に乗り上げて少なくとも2段の段差を有する階段状を成す電極を形成するステップと、を含み、電極における絶縁膜の上に乗り上げた段差のうちの1段目の段差部分の直下におけるピンチオフ電圧が所定電圧以下になるようにすることを特徴とする。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、上記の発明において、所定電圧が25(V)であることを特徴とする。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、上記の発明において、第2半導体層上に、第2半導体層よりも狭いバンドギャップの窒化物系半導体からなる第3半導体層を成長させるステップと、第3半導体層の一部をエッチング除去するステップと、をさらに含むことを特徴とする。
本発明に係る半導体装置の評価方法、並びに半導体装置およびその製造方法によれば、ショットキーリークを増大させることなく、オン抵抗が低減されているとともに、電流コラプスが抑制された半導体装置を得ることが可能となる。
図1は、従来の課題を説明するためのショットキーバリアダイオードの断面を示す構成図である。 図2は、本発明による、ショットキーリーク電流のフィールドプレート層直下のピンチオフ電圧依存性を示すグラフである。 図3は、本発明の実施の形態1によるフィールドプレート層を有するショットキーバリアダイオードを示す断面図である。 図4は、本発明の実施の形態1による半導体装置においてGaN−FP層が存在する場合と存在しない場合との、キャパシタンスの電圧依存特性を示すグラフである。 図5は、本発明の実施の形態2によるショットキーバリアダイオードを示す断面図である。 図6は、本発明の実施の形態3によるフィールドプレート層を有するHEMT型トランジスタを示す断面図である。 図7は、本発明の実施の形態4によるHEMT型トランジスタを示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一または対応する要素には適宜同一の符号を付し、重複した説明を適宜省略する。さらに、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。まず、本発明の実施の形態について説明するにあたり、本発明の理解を容易にするために、上述した課題を解決すべく本発明者が行った鋭意検討について説明する。
すなわち、本発明者は、半導体装置において、2DEGが発生する電子走行層を高品質化してオン抵抗を低減するとともに、電流コラプスを抑制して実機動作中の導通損失の増加を抑制することによる実機動作の効率の改善を、ショットキーリークの増大を防止しつつ行う方法について検討を行った。
まず、従来のシリコン(Si)系半導体装置のデバイス特性において、順方向電流Ifの逆方向電流Irに対する比率(If/Ir)は106程度である。このことから、従来のSi系半導体装置のデバイス特性と比較して、ショットキーリークについて同等以上のデバイス特性を得るためには、半導体装置において、以下の(1)式が成立するのが望ましい。
If/Ir>106 ……(1)
ところが、オン抵抗の低減および電流コラプスを抑制することによる実機動作の効率改善と、(1)式とを両立させることが困難であり、いわゆるトレードオフの関係にあった。本発明者の検討によれば、これらの両立の困難性は以下の4つの問題に起因する。
すなわち、第1に、オン抵抗の低減および電流コラプスを抑制するための手段として、2DEG濃度を増加させる手段が考えられる。ところが、2DEG濃度を増加させると、ショットキーリークが増大してしまい、電子走行層の高品質化とショットキーリークの低減とがトレードオフの関係になる。第2に、電流コラプスの対策としては、例えばu−GaN層からなる電子走行層を厚膜化するのが有効である。ところが、電子走行層を厚くするとショットキーリークが増大してしまう。第3に、さらなる電流コラプスの対策としては電界緩和が有効である。この電界緩和のためにフィールドプレート(FP)構造やステップフィールドプレート(SFP)構造が採用されており、その有用性は本発明者により確認されている一方、これらの構造を採用するとショットキーリークが増大してしまう。第4に、特許文献1に記載されているような従来公知のp−GaN層からなるFP構造を採用した場合においては、半導体装置の製造時におけるエッチングダメージや工程増加に伴うコストの増大が問題になる。
図1は、本発明における上述した問題点の検討対象としてのショットキーバリアダイオードの模式的な断面図である。図1に示すように、この半導体装置500は、基板21、バッファ層22、C−GaN層23、電子走行層24、電子供給層25、パッシベーション膜26、アノード電極27、およびカソード電極28を備える。
すなわち、基板21上に、バッファ層22およびC−GaN層23を介して電子走行層24が設けられている。また、電子走行層24上には電子供給層25が設けられている。さらに、電子供給層25の表面上に選択的に、パッシベーション膜26、アノード電極27、およびカソード電極28が設けられている。ここで、電子走行層24の電子供給層25との界面には2DEG層が発生する。パッシベーション膜26は、たとえば酸化シリコン(SiO2)から構成されるが、窒化シリコン(SiNx)から構成しても良い。絶縁膜としてのパッシベーション膜26は、少なくとも1段の段差を有する段差形状を有し、主にアノード電極27およびカソード電極28が形成されていない電子供給層25の表面を保護する。アノード電極27は、電子供給層25とショットキー接触するとともに、パッシベーション膜26上の少なくとも1段の段差に乗り上げて少なくとも2段の段差を成している。カソード電極28は、電子供給層25とオーミック接触する。
本発明者は、以上の半導体装置500において種々実験および検討をおこなった。その結果、半導体装置500のように、アノード電極27におけるフィールドプレート構造を2段以上にするとショットキーリークが増加することを見出した。そこで、本発明者がさらに検討および実験を重ねた結果、ショットキーリークとフィールドプレート構造の直下におけるピンチオフ電圧との関係に着目し、これらの間の相間関係を見出すに至った。
図2は、本発明者が種々の実験により導出した、FP構造の直下におけるショットキーリーク電流のピンチオフ電圧依存性を示すグラフである。図2から、半導体装置におけるショットキーリーク電流は、FP構造の直下のピンチオフ電圧に対して強い相間関係が存在していることが分かる。そして、本発明者が、ピンチオフ電圧とショットキーリーク電流との関係について検討をおこなったところ以下の原因を知見するに至った。
すなわち、以上のように構成された半導体装置500において、カソード電極28からアノード電極27に流れるショットキーリーク電流は、種々の経路を経る。これらの経路を図1中矢印A,B,C,Dで示す。矢印Aは、カソード電極28から電子走行層24と電子供給層25との界面を通じてアノード電極27に向けて流れるショットキーリーク電流を示す。矢印Bは、カソード電極28から電子走行層24と電子供給層25との界面を通じてアノード電極27の1段目の段差の屈曲部分に向けて流れるショットキーリーク電流を示す。矢印Cは、カソード電極28から電子走行層24と電子供給層25との界面を通じてアノード電極27の2段目の段差の屈曲部分の直下における電子供給層25内を通過後、電子供給層25とパッシベーション膜26との界面を通じて、アノード電極27の1段目の段差の屈曲部分に向けて流れるショットキーリーク電流を示す。矢印Dは、カソード電極28から電子走行層24と電子供給層25との界面を通じてパッシベーション膜26上のアノード電極27の端部の直下における電子供給層25内を通過後、電子供給層25とパッシベーション膜26との界面を通じて、アノード電極27の1段目の段差の屈曲部分に向けて流れるショットキーリーク電流を示す。なお、図1中、Vp1、Vp2、およびVp3はそれぞれ、各領域における、アノード電極27と、電子走行層24と電子供給層との界面との間の膜厚方向の電位差を示す。これらの電位差Vp1,Vp2,Vp3がショットキー電流を誘起する。そして、本発明者は、これらのショットキーリーク電流は、図1中の矢印(B)が支配的であることを想起した。これにより、本発明者は、1段の段差を有するパッシベーション膜26上において、SFP構造である2段の段差を有して階段状を成すアノード電極27の1段目の段差部分(電位差Vp2の領域)の直下におけるピンチオフ電圧が、ショットキーリーク電流に影響を及ぼすことを知見するに至った。
以上により、本発明者は、ショットキーリーク電流を低下させるには、FP構造の直下、具体的には少なくとも1段の段差を有する絶縁膜上での、少なくとも2段の段差を有するFP構造の電極の1段目の段差部分の直下におけるピンチオフ電圧を低下させることが極めて有効であることを想起するに至った。
次に、本発明者は、ピンチオフ電圧をどの程度まで低減するのが望ましいかについて検討をおこなった。まず、図2において(1)式に対応するのは、ショットキーリーク電流が1.0×10-8A以下の場合である。なお、図面において、αE±βの記載は、α×10±βを意味する。
すなわち、半導体装置のデバイス特性が(1)式を満足する場合、この範囲に対応するショットキーリーク電流の範囲は、1.0×10-8A以下である。そのため、本発明者は、FP構造の1段目の段差部分の直下におけるピンチオフ電圧は、このショットキーリーク電流の上限に対応する所定電圧以下、具体的には25V以下が望ましいことを知見した。換言すると、FP構造のアノード電極27の1段目の段差部分の直下におけるピンチオフ電圧が所定電圧以下、具体的には25V以下である半導体装置は、ショットキーリーク電流を1.0×10-8(A)以下にすることができるので、デバイス特性として(1)式を満たすことになる。これによって、半導体装置において、実機動作の効率改善と(1)式の両立が実現可能になる。
以上により、半導体装置における電子走行層の性能を向上させ、2DEGのキャリア密度を増加させてオン抵抗を低減しつつ電流コラプスを抑制できるとともに、ショットキーリークを低減できる。さらに本発明者は、以上の検討から、FP構造の1段目の段差部分の直下におけるピンチオフ電圧を、例えばCV特性により計測することにより、半導体装置においてショットキーリーク電流が抑制されているか否かを評価できることも想起した。以下に説明する実施の形態は、以上の鋭意検討に基づいて案出されたものである。
(実施の形態1)
次に、以上の鋭意検討に基づいた本発明の実施の形態1による半導体装置について説明する。図3は、本発明の実施の形態1による半導体装置としてのショットキーバリアダイオード(SBD)の模式的な断面図である。
図3に示すように、実施の形態1に係る半導体装置100は、基板11、バッファ層12、炭素(C)がドーピングされたGaN(C−GaN)層13、電子走行層14、電子供給層15、フィールドプレート層16、パッシベーション膜17、アノード電極18、およびカソード電極19を備える。
すなわち、基体として、基板11上にバッファ層12およびC−GaN層13が設けられている。また、C−GaN層13上に電子走行層14および電子供給層15が順次積層されて設けられている。さらに、電子供給層15上にそれぞれ、フィールドプレート層16、パッシベーション膜17、アノード電極18、およびカソード電極19が選択的に設けられている。
基板11は、主表面上にIII族窒化物系化合物半導体を形成できる材料、たとえばシリコン(Si)、炭化珪素(SiC)、サファイア、または酸化亜鉛(ZnO)等から構成されている。
バッファ層12は、基板11と、バッファ層12の上に積層すべき窒化物系半導体層との熱膨張係数差および格子定数差を緩和する機能を有し、基板11上にIII族窒化物系化合物半導体層を好適に形成するための層である。ここで、バッファ層12は、たとえば反りを制御する構成が互いに異なるバッファ層12aおよびバッファ層12bが順次積層されて構成される。バッファ層12aは、膜厚が例えば20nm〜60nmのAlN層の上に、量子サイズ効果を生じない程度に厚い膜厚100nm〜700nmであって炭素をドープしたGaNからなるC−GaN層と、量子サイズ効果を生じない程度に厚い膜厚20nm〜60nmのAlN層とを複数回繰り返し積層して構成されている。なお、C−GaN層およびAlN層にAlおよびGaがそれぞれ含まれていても良いが、含まれていない場合に最も反りを増加できる効果を生じる。また、バッファ層12bは、構造中にピエゾ分極と自発分極による意図しないキャリア(2DEG)発生による電界遮蔽層を生じさせないために量子サイズ効果を生ずる程度に薄い、膜厚が1nm〜10nmのAlGa1−uNと膜厚が15nm〜25nmのAlGa1−vN(ただし、v<u)とを複数回繰り返し積層した超格子構造を有する。C−GaN層13は、半導体装置100における電界を緩和する電界緩和層である。
第1半導体層としての電子走行層14は、たとえばアンドープのGaN(u−GaN)からなる。また、第2半導体層としての電子供給層15は、電子走行層14よりもバンドギャップが広いIII族窒化物系化合物半導体である、AlGaInN(0≦x,y,z≦1、x+y+z=1)からなる。AlGaInNのAl組成比xは、好適には0.20以上0.35以下、より好適には0.20以上0.30以下、具体的にはたとえば0.25である。また、電子供給層15の膜厚dAlGaNは、好適には15nm以上30nm以下、より好適には20nm以上25nm以下である。ここで、電子走行層14の電子供給層15との界面には2DEG層が発生する。
なお、電子供給層15は、AlGaInNの単層に限定されず、バンドギャップが異なる複数種類のIII族窒化物系化合物半導体を複数積層した構造でも良い。この場合、電子供給層15内に2DEGが発生しないように形成するのが好ましい。具体的に例えば、GaN層とAlN層とを順次複数回繰り返して積層した構造にしても良い。この場合の電子供給層15のバンドギャップは、平均バンドギャップであり、具体的には積層構造を構成する各半導体層の層厚比によって重み付け(積分)をしたバンドギャップの値である。
第3半導体層の少なくとも一部としてのフィールドプレート層16は、バンドギャップが電子供給層15のバンドギャップより狭い。このフィールドプレート層16はたとえばGaNから構成される。このフィールドプレート層16の膜厚は、たとえば10nm以上200nm以下が好ましく、たとえば30nmである。そして、電子走行層14、電子供給層15、およびフィールドプレート層16によって半導体積層体が構成される。
パッシベーション膜17は、たとえばSiO2やSiNxから構成され、フィールドプレート層16の一部を覆うようにしつつ少なくとも1段の段差を有する階段状を成している。パッシベーション膜17は、主に、フィールドプレート層16と、カソード電極19と、アノード電極18およびカソード電極19が形成されていない電子供給層15の表面とを保護する。
第1電極としてのアノード電極18は、電子供給層15とショットキー接触する。すなわちアノード電極18は、たとえばNi/Auの積層構造を有する。これにより、アノード電極18は、電子供給層15を介して電子走行層14に発生した2DEG層とショットキー接触する。
また、アノード電極18は、フィールドプレート層16の側面および上面の一部に接触しつつ乗り上げて設けられているとともに、カソード電極19側に向かって延伸している。また、アノード電極18は、フィールドプレート層16上においてさらに、パッシベーション膜17上で少なくとも2段の段差を成すように乗り上げて設けられている。すなわち、この実施の形態1においては、アノード電極18は、フィールドプレート層16およびパッシベーション膜17上に乗り上げて、少なくとも3段の段差をなして設けられている。
第2電極としてのカソード電極19は、電子供給層15とオーミック接触する。すなわちカソード電極19は、たとえば下部電極層がTi層で上部電極層がAl層(以下、Ti/Al)からなる積層構造を有する。これにより、カソード電極19は、電子供給層15を介して電子走行層14に発生した2DEG層とオーミック接触する。
(半導体装置の製造方法)
以上のように構成された半導体装置100は、次のように製造することができる。まず、基板11上に、たとえばMOCVD法等の結晶成長法を用いて、バッファ層12、C−GaN層13、電子走行層14、および電子供給層15を順次成長させる。
次に、電子供給層15上に、フィールドプレート層16となるべき第3半導体層を成長させる。ここで、この第3半導体層の成長は、具体的に次のようにして行うことができる。すなわち、たとえば有機金属化学気相成長法(MOCVD:Metal Organic CVD)法により、トリメチルガリウム(TMGa)とアンモニア(NH)とを、それぞれ所定の流量(それぞれたとえば58μmol/min、12L/min)で導入して、半導体層をエピタキシャル成長させる。その後、選択エッチングを行って、所望の領域以外の第3半導体層を除去することにより、第3半導体層の一部からなるフィールドプレート層16を形成する。
その後、たとえば電子線蒸着法およびリフトオフ法によりカソード電極19を形成する。次に、たとえばプラズマエンハンスト化学気相成長(PECVD:Plasma Enhanced CVD)法とフォトリソグラフィ技術とエッチングとを用いて、少なくとも1段の段差を有するパッシベーション膜17を形成する。次に、電子線蒸着法およびリフトオフ法により、フィールドプレート層16およびパッシベーション膜17上に乗り上げるようにして、FP構造のアノード電極18を形成する。以上の工程により、この実施の形態1による半導体装置100を製造する。
(半導体装置の評価方法)
以上のように製造された半導体装置100に対し、例えばCV測定装置を用いて、アノード電極18のパッシベーション膜17上に乗り上げた部分(図3中、計測位置)における1段目の段差部分の直下のCV特性を計測する。これにより、ピンチオフ電圧を測定して半導体装置100の評価を行う。そして、このピンチオフ電圧が所定電圧以下、具体的には25V以下の半導体装置100についてのみ抽出し、製品として採用する。これにより、実機動作の効率の改善と、(1)式が成立するデバイス特性とがともに成立した半導体装置が得られる。
以上の半導体装置100におけるピンチオフ電圧の低圧化は、これに影響する種々のパラメータを設定することで実現可能である。具体的なパラメータとしては、アノード電極18側からの空乏化を考慮すると、2DEG濃度に影響する電子供給層15における膜厚や平均Al組成またはフィールドプレート層16の膜厚がある。同様に、アノード電極18側からの空乏化においては、電圧の分担に影響するパッシベーション膜17の膜厚やフィールドプレート層16の膜厚などもパラメータとなる。また、バッファ層12側から生じる空乏化を考慮すると、電子走行層14に残留するキャリアの空乏化に影響する、電子走行層14の膜厚やキャリア濃度がパラメータとなる。同様に、バッファ層12側から生じる空乏化を考慮すると、バッファ層12からのチャネルの空乏化に影響する、チャネルとバッファ層12の等電位面の距離がパラメータとなる。
これらのパラメータの具体的数値の一例を挙げる。すなわち、ピンチオフ電圧VPを計測する位置、具体的にはアノード電極18におけるパッシベーション膜17上に乗り上げた段差の1段目の段差部分の位置におけるパッシベーション膜17の膜厚dSiO2は、10nm以上200nm以下である。また、フィールドプレート層16の膜厚dFPは、10nm以上100nm以下である。そして、フィールドプレート層16が設けられていない部分の直下の2DEG濃度は、7.0×1012cm-2以上1.0×1013cm-2以下である。さらに、電子走行層14においては、膜厚du-GaNは500nm以上700nm以下、キャリア濃度nu-GaNは1×1016cm-3以下である。電子供給層15の膜厚dAlGaNは、15nm以上30nm以下である。これらのパラメータの設定によって半導体装置100を構成することにより、ピンチオフ電圧が所定電圧以下、具体的には25V以下の半導体装置100を得ることができる。なお、バッファ層12の膜厚は例えば4.6μm程度であるが、ピンチオフ電圧の低圧化に影響しないことから、バッファ層12の膜厚は種々の膜厚とすることが可能である。
また、ピンチオフ電圧の低圧化には、特にフィールドプレート層16の構造が影響する。図4は、半導体装置100において、例えばGaNからなるフィールドプレート層16が設けられている場合と、設けられていない場合とにおける、半導体装置のキャパシタンスCp(F)の電圧依存特性を示すグラフである。なお、比較される半導体装置100においてフィールドプレート層16の有無以外の条件は同一であり、ここでは、パッシベーション膜17にアノード電極18が乗り上げる1段目の位置において、パッシベーション膜の膜厚を100nmとしている。
図4から、フィールドプレート層16が設けられていない場合には、パッシベーション膜上17においてアノード電極18の1段目の段差部分の直下におけるピンチオフ電圧が200Vを超えることがあるのに対し、フィールドプレート層16が設けられている場合には、パッシベーション膜17上においてアノード電極18の1段目の段差部分の直下におけるピンチオフ電圧が19.6V程度であることが分かる。すなわち、半導体装置100がフィールドプレート層16を有する場合、ショットキーリーク電流は、上述したピンチオフ電圧の所定値である25V以下に収まることが分かる。
なお、半導体装置100において、フィールドプレート層16の直下の2DEG濃度Nsは、具体的には以下の関係式から算出可能である。
Figure 2015056627
(e:素電荷量、ε0:真空の比誘電率、εSiO2:SiO2の比誘電率、εGaN:GaNの比誘電率、dAlGaN:電子供給層の膜厚、dFP:フィールドプレート層の膜厚、dSiO2:パッシベーション膜の膜厚、du-GaN:電子走行層の膜厚、nu-GaN:電子走行層のキャリア濃度、VP:ピンチオフ電圧)
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、ピンチオフ電圧が低圧化しやすい構成を採用することによって、2DEG濃度の増加に伴うリークの増加、電子走行層の厚膜化に伴うリークの増加、およびSFP構造を採用した場合におけるリークの増加の各要因と、ショットキーリークとの間におけるトレードオフを改善することができる。これによって、実機動作の効率が改善されつつ(1)式を満足する半導体装置を得ることができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2による半導体装置としてのショットキーバリアダイオードについて説明する。図5は、この実施の形態2によるショットキーバリアダイオードの模式的な断面図である。
図5に示すように、実施の形態2による半導体装置200は、基板11、バッファ層12aおよびバッファ層12bからなるバッファ層12、C−GaN層13、電子走行層14、電子供給層15、パッシベーション膜17、アノード電極18、およびカソード電極19を備える。すなわち、実施の形態1に対して、電子供給層15の表面上にフィールドプレート層16が設けられておらず、半導体積層体は、電子走行層14および電子供給層15から構成される。また、パッシベーション膜17上においてアノード電極18の1段目の段差部分の直下のピンチオフ電圧VPが、所定電圧以下、具体的には25V以下になるように構成される。その他の構成は、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
ここで、この実施の形態2による半導体装置200における、ピンチオフ電圧の低圧化のためのパラメータの一例を挙げると、ピンチオフ電圧VPを計測する段差形状のパッシベーション膜17上におけるアノード電極18の1段目の位置(図5中、計測位置)において、パッシベーション膜17の膜厚dSiO2が、10nm以上50nm以下、この位置の直下の2DEG濃度が7.0×1012cm-2以上1.0×1013cm-2以下である。なお、図4のGaN−FP層なしの特性を示す半導体装置100の構成は、半導体装置200の構成には含まれないことに留意する必要がある。さらに、電子走行層14において、膜厚du-GaNは500nm以上700nm以下、キャリア濃度nu-GaNは1×1016cm-3以下である。電子供給層15の膜厚dAlGaNは、15nm以上30nm以下である。これらのパラメータの設定によって半導体装置200を構成することにより、ピンチオフ電圧が所定電圧以下、具体的には25V以下の半導体装置200を得ることができる。なお、バッファ層12においては、ピンチオフ電圧の低圧化には影響しないため、その膜厚は種々の膜厚にすることが可能である。
この実施の形態2による半導体装置によれば、パッシベーション膜17上においてアノード電極18の2段の段差部分における1段目の直下の部分のピンチオフ電圧が、所定電圧以下、具体的には25V以下であることにより、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3による半導体装置としてのHEMT型のトランジスタについて説明する。図6は、この実施の形態3によるHEMT型のトランジスタの模式的な断面図である。
図6に示すように、実施の形態3に係る半導体装置300は、基板11、異なる構造のバッファ層12a,12bが順次積層されたバッファ層12、C−GaN層13、電子走行層14、電子供給層15、フィールドプレート層16、パッシベーション膜31、ゲート電極32、ドレイン電極33、およびソース電極34を備える。
ドレイン電極33およびソース電極34は、電子供給層15上に形成され、たとえばTi/Alの積層構造から構成される。これにより、第2電極としてのドレイン電極33および第3電極としてのソース電極34は、電子供給層15を介して、電子走行層14に発生した2DEG層とオーミック接触する。第1電極としてのゲート電極32は、ドレイン電極33とソース電極34との間に配置され、電子供給層15、フィールドプレート層16、およびパッシベーション膜31上に形成されている。ゲート電極32は、たとえばNi/Auの積層構造から構成される。これによって、ゲート電極32は、電子供給層15を介して、電子走行層14に発生した2DEG層とショットキー接触する。また、フィールドプレート層16は、少なくともドレイン電極33と離間して設けられている。その他の構成は、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
この実施の形態3によれば、ピンチオフ電圧が低圧化しやすい構成を採用することによって、2DEG濃度の増加に伴うリークの増加、電子走行層の厚膜化に伴うリークの増加、およびSFP構造を採用した場合におけるリークの増加の各要因と、ショットキーリークとの間におけるトレードオフを改善することができる。これによって、実機動作の効率が改善されつつ(1)式を満足する半導体装置を得ることができる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4による半導体装置としてのHEMT型のトランジスタについて説明する。図7は、この実施の形態4によるHEMT型のトランジスタの模式的な断面図である。
図7に示すように、実施の形態4に係る半導体装置400は、基板11、異なる構造のバッファ層12a,12bが順次積層されたバッファ層12、C−GaN層13、電子走行層14、電子供給層15、パッシベーション膜31、ゲート電極32、ドレイン電極33、およびソース電極34を備える。すなわち、半導体装置400は、実施の形態3による半導体装置300に対して、実施の形態2と同様にフィールドプレート層16が設けられていない構成である。その他の構成は、実施の形態2,3と同様なので、説明を省略する。
この実施の形態4によれば、実施の形態3と同様の構成を有していることにより、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の一実施の形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いても良い。
上述の実施の形態において挙げた、ピンチオフ電圧を25V以下にするパラメータについては、必ずしも上述したパラメータに限定されるものではなく、種々のパラメータを採用することが可能である。
また、上述の実施の形態においては、電子供給層15がAlGaInN(0≦x,y,z≦1、x+y+z=1)から構成され、電子走行層14およびフィールドプレート層16がGaNから構成されている。しかしながら、これらの層の構成材料は上記のものに限定されない。すなわち、電子供給層15は、電子走行層14よりもバンドギャップが広いIII族窒化物系化合物半導体から構成されていれば良い。また、フィールドプレート層16は、電子供給層15よりもバンドギャップが狭いIII族窒化物系化合物半導体から構成されていれば良い。ここで、III族窒化物系化合物半導体は、化学式AlInGa1−x−yAs1−u−v(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1、0≦u<1、0≦v<1、0≦u+v<1)で表されるものである。
また、ダイオードのアノード電極18およびトランジスタのゲート電極32の下部電極層は、電子供給層15とショットキー接触する電極である。そのため、上述したチタン(Ti)以外にも、たとえばニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)のうち少なくとも1つを含む金属膜、または、Ti、Ni、Pt、Pd、W、Au、Ag、Cu、Ta、Alのうち少なくとも1つを含む合金よりなる金属膜のうち、少なくとも1つを含む金属膜など、上記条件を満たす金属材料であれば種々のものを用いても良い。
また、ダイオードのアノード電極18およびトランジスタのゲート電極32の上部電極層は、下部電極層より仕事関数の小さい金属からなり、この条件を満たす金属材料であれば種々のものを用いても良い。
また、ダイオードのカソード電極19、およびトランジスタのソース電極34およびドレイン電極33は、電子供給層15とオーミック接触する、または接触抵抗が十分に小さい状態で接触する電極である。ただし、本発明においてはこれに限定されず、たとえばTi、Al、シリコン(Si)、鉛(Pb)、クロム(Cr)、インジウム(In)、Taのうち少なくとも1つを含む金属膜、Ti、Al、Si、Pb、Cr、In、Taのうち少なくとも1つを含む合金よりなる金属膜、または、Ti、Al、Si、Taのうち少なくとも1つを含むシリサイド合金よりなる金属膜のうち、少なくとも1つを含む金属膜など、上記条件を満たす金属材料であれば如何なるものを用いても良い。
また、上述の実施の形態においては、本発明による半導体装置として、SBDおよびHEMTを例に挙げたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明は、MESFET(Metal Semiconductor FET)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor FET)、MISFET(Metal Insulator Semiconductor FET)などの、種々の半導体装置に対して適用することができる。そして、本発明をこれらのFETに適用する場合、ゲート電極32とフィールドプレート層16との間には酸化膜などの絶縁膜を設けることも可能である。
また、上述の実施の形態においては、電子供給層15の表面に電極を形成しているが、必ずしもこれらに限定されるものではなく、電子走行層14、電子供給層15、およびフィールドプレート層16を含み、必要に応じてその他の層を含む半導体積層体のうちの少なくとも1層の上に電極を設けることが可能である。すなわち、半導体積層体を構成するその他の層の上に電極を設けても良い。具体的には、電子供給層15の表面に、絶縁層、フィールドプレート層16などの窒化物系半導体層、またはこれらの積層膜を介して、アノード電極18、カソード電極19、ゲート電極32、ドレイン電極33、またはソース電極34を設けることも可能である。また、電子供給層15の電極の形成領域の一部を電子走行層14に達するまでエッチング除去してリセス部を形成し、このリセス部の表面、またはリセス部表面に所定の膜を介して、アノード電極18、カソード電極19、ゲート電極32、ドレイン電極33、またはソース電極34を設けることも可能である。
11,21 基板
12,12a,12b,22 バッファ層
13,23 C−GaN層
14,24 電子走行層
15,25 電子供給層
16 フィールドプレート層
17,26,31 パッシベーション膜
18,27 アノード電極
19,28 カソード電極
32 ゲート電極
33 ドレイン電極
34 ソース電極
100,200,300,400,500 半導体装置

Claims (13)

  1. 基体と、
    前記基体上に形成された窒化物系半導体からなる第1半導体層、および前記第1半導体層の上に形成され前記第1半導体層よりもバンドギャップが広い窒化物系半導体からなる第2半導体層を含む半導体積層体と、
    前記半導体積層体の少なくとも一部の上に選択的に設けられ、少なくとも1段の段差を有する階段状を成す絶縁膜と、
    前記絶縁膜の少なくとも前記1段の段差の上に乗り上げて少なくとも2段の段差を有する階段状を成す第1電極と、
    前記半導体積層体を構成する少なくとも一部の層の上に、前記第1電極と離間して設けられる第2電極と、
    を備えた半導体装置の評価方法において、
    前記第1電極における前記絶縁膜の上に乗り上げた段差のうちの1段目の段差部分の直下におけるピンチオフ電圧が所定電圧以下であるか否かによって、前記半導体装置の良否を評価する
    ことを特徴とする半導体装置の評価方法。
  2. 前記所定電圧が25(V)であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の評価方法。
  3. 前記半導体積層体がさらに第3半導体層を含み、前記第3半導体層は、前記第2半導体層よりもバンドギャップが狭い窒化物系半導体からなるとともに、前記第2半導体層の上に選択的に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置の評価方法。
  4. 基体と、
    前記基体上に形成された窒化物系半導体からなる第1半導体層、および前記第1半導体層の上に形成され前記第1半導体層よりもバンドギャップが広い窒化物系半導体からなる第2半導体層を含む半導体積層体と、
    前記半導体積層体の少なくとも一部の上に選択的に設けられ、少なくとも1段の段差を有する階段状を成す絶縁膜と、
    前記絶縁膜の少なくとも前記1段の段差の上に乗り上げて少なくとも2段の段差を有する階段状を成す第1電極と、
    前記半導体積層体を構成する少なくとも一部の層の上に、前記第1電極と離間して設けられる第2電極と、
    を備えた半導体装置において、
    前記第1電極における前記絶縁膜の上に乗り上げた段差のうちの1段目の段差部分の直下におけるピンチオフ電圧が所定電圧以下である
    ことを特徴とする半導体装置。
  5. 前記所定電圧が25(V)であることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記半導体積層体がさらに第3半導体層を含み、前記第3半導体層は、前記第2半導体層よりもバンドギャップが狭い窒化物系半導体からなるとともに、前記第2半導体層の上に選択的に設けられていることを特徴とする請求項4または5に記載の半導体装置。
  7. 前記第1電極が前記第3半導体層の上面の少なくとも一部と接していることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
  8. 前記第3半導体層と前記第2電極とが離間して設けられていることを特徴とする請求項6または7に記載の半導体装置。
  9. 前記第1電極が、前記第2半導体層とショットキー接触していることを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の半導体装置。
  10. 前記第2電極が、前記第2半導体層とオーミック接触していることを特徴とする請求項4〜9のいずれか1項に記載の半導体装置。
  11. 基体上に窒化物系半導体からなる第1半導体層を成長させるステップと、前記第1半導体層上に、前記第1半導体層よりもバンドギャップが広い窒化物系半導体からなる第2半導体層を成長させるステップとを含み、基体上に前記第1半導体層および前記第2半導体層を含む半導体積層体を形成するステップと、
    前記半導体積層体の上に、少なくとも1段の段差を有する絶縁膜を選択的に形成するステップと、
    前記絶縁膜上の前記少なくとも1段の段差に乗り上げて少なくとも2段の段差を有する階段状を成す電極を形成するステップと、
    を含み、
    前記電極における前記絶縁膜の上に乗り上げた段差のうちの1段目の段差部分の直下におけるピンチオフ電圧が所定電圧以下になるようにする
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 前記所定電圧が25(V)であることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記第2半導体層上に、前記第2半導体層よりも狭いバンドギャップの窒化物系半導体からなる第3半導体層を成長させるステップと、前記第3半導体層の一部をエッチング除去するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項11または12に記載の半導体装置の製造方法。
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