JP2015055853A - 貼合デバイスの製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
さらに、前記接着剤の塗布高さと該接着剤で囲まれた前記封止空間内の面積から重ね合わせ時の前記封止空間内に封止される気体の容積を計算するとともに、前記ウエハと前記カバープレートを貼り合わせて両者の間隔を所望のギャップに押し潰した時における前記封止空間内の封止気体の容積を計算することで、前記重ね合わせ時の封止気体容積を前記貼り合わせ後の封止気体の容積に圧縮するために必要な圧力差が前記閉鎖空間の大気開放時に発生するように前記封止空間の内圧を設定している。それにより、事前の計算値に基づいてウエハとカバープレートとの間のギャップを調整することができるようにしている。
したがって、図12(a)に示されるように、シール材3′の塗布高さに差が生じた時は、上基板1′及び下基板2′の重ね合わせ高さが、図12(b)に示されるように、上基板1′に対して一つでもシール材3′が接触していないと不十分である。つまり、図12(c)に示されるように、上吸引チャック11′で上基板1′を真空吸着したまま、全てのシール材3′とそれぞれ接触する位置まで下基板2′に対し接近移動させる必要がある。
しかし乍ら、図12(c)に示されるように、上吸引チャック11′が真空吸着した上基板1′で、大半のシール材3′が押し潰される位置まで押圧すると、上吸引チャック11′のチャック面と上基板1′の表面が密着したままなので、上基板1′の表面を上吸引チャック11′のチャック面から離すことができない。この状態においてシール材3′で囲まれる封止空間3s′と、閉鎖空間となる変圧室10′との間に圧力差が生じても、上基板1′及び下基板2′を全体的に均等に加圧して所定のギャップで貼り合わせることはできない。
すなわち、重ね合わせ状態の上基板1′の表面から上吸引チャック11′のチャック面を分離して両者間に隙間が形成されないと、圧力差による所定ギャップでの上基板1′及び下基板2′の貼り合わせを実現できないという問題があった。
そこで、このような問題点を解決するために、上吸引チャック11′のチャック面から圧縮空気などの流体を上基板1′の表面へ向けて吹き付けることで、重ね合わせ状態の上基板1′の表面から上吸引チャック11′のチャック面を強制的に分離させることが考えられる。
しかし、このような強制的な分離は、流体の吹き付けで未硬化のシール材3′が過剰に押し潰されて塗布パターン形状の乱れを起こしたり、過剰な押し潰しによってシール材3′に含まれるフィラーなどの固形成分と液状成分が分離したり、別な問題が発生するおそれもある。さらに、減圧された変圧室10′内で上吸引チャック11′のチャック面から圧縮空気などの流体を吹き出すと、上吸引チャック11′の管路内や変圧室10′内で強い空気振動が発生し、吸着した上基板1′への機械的な振動を引き起こすおそれもある。
したがって、重ね合わせ状態の一方の基板から一方の吸引チャックを未硬化のシール材に何らかの影響が与えられることなく分離させることで、シール材の形状を乱すことのない基板同士の貼り合わせを実現することができる。
その結果、シール材の高さにバラツキがあったとしても、圧力差により基板を所定のギャップに貼り合わせることができる。
さらに、チャック面から基板の表面へ向け圧縮空気などの流体を吹き付けて強制的に分離させるものに比べ、未硬化のシール材が過剰に押し潰されることがなく、シール材の塗布パターン形状の乱れ、シール材に含まれるフィラーなどの固形成分と液状成分の分離、一方の吸引チャックの管路内や変圧室内での空気振動の発生を防止することができて、基板の貼り合わせ精度の向上が図れる。
本発明の実施形態に係る貼合デバイスAの製造装置B及び製造方法は、図1〜図11に示すように、変圧室10内に一対の吸引チャック11,12が相対的に互いに接近する方向へ移動自在に設けられ、吸引チャック11,12に対して一対の基板1,2を、それらのいずれか一方又は両方に設けた未硬化のシール材3が挟み込まれるようにそれぞれ着脱自在に第一真空度で吸着保持し、第一真空度よりも低圧な第二真空度に減圧された変圧室10内で吸引チャック11,12の接近移動により基板1,2を重ね合わせる。これら重ね合わされた基板1,2の間には、シール材3で囲まれる封止空間3sが形成され、変圧室10の大気開放された内圧P2と封止空間3sとの間で発生する圧力差により、基板1,2を全体的に均等に加圧して所定のギャップで貼り合わせている。
詳しく説明すると、本発明の実施形態に係る貼合デバイスAの製造装置Bは、図2〜図8及び図10,図11に示すように、一対の基板1,2が出し入れ自在に収容される変圧室10と、変圧室10内において一対の基板1,2を未硬化のシール材3が挟み込まれるように着脱自在に吸着保持するように設けられる一対の吸引チャック11,12と、吸引チャック11,12のいずれか一方又は両方をZ方向へ相対的に接近移動させるように設けられる駆動手段13と、吸引チャック11,12のいずれか一方の吸引圧力を圧力調整する第一吸引圧調整手段14と、吸引チャック11,12の他方の吸引圧力を圧力調整する第二吸引圧調整手段15と、変圧室10を大気雰囲気から所定の真空圧まで圧力調整するように設けられる室圧調整手段16と、これら吸引チャック11,12の駆動手段13,第一吸引圧調整手段14,第二吸引圧調整手段15及び室圧調整手段16などをそれぞれ作動制御する制御部17と、を主要な構成要素として備えている。
一方の基板1は、例えばタッチパネルやカバーガラスやカバーフィルムなど、他方の基板2を覆うように接着されることで、FPDやセンサーデバイスなどを構成するものである。
さらに、基板1,2は、図1〜図7及び図9,図10に示されるように、通常、Z方向(上下方向)へ配置され、上方の基板1を以下「上基板1」といい、下方の基板2を以下「下基板2という。
シール材3の配置方法としては、上基板1と下基板2を重ね合わせる前に、上基板1及び下基板2の対向面のいずれか一方又は両方に対し、例えばディスペンサなどの定量吐出ノズルを用いて、その内側に封止空間3sが区画形成されるように所定形状の枠状に塗布され、封止空間3sを囲む全周に亘りほぼ同じ高さで連続するように配置することが好ましい。上基板1及び下基板2の貼り合わせ後には、例えば紫外線の照射や加熱などによって硬化させることが好ましい。また、その他の例として、シール材3を印刷などで配置することも可能である。
シール材3の配置例としては、図1〜図7及び図9,図10に示されるように、上基板1及び下基板2に対して、複数の封止空間3sが所定間隔毎で配置され、その貼り合わせ後に各封止空間3sが気密封止されたデバイスに分割して使用することが好ましい。
チャンバー10aの具体例としては、図1〜図7及び図9,図10に示されるように、チャンバー10aの一部に扉10bを開閉自在に設けることにより、変圧室10が開閉自在で且つ密封構造となるように構成している。
また、その他の例として図示しないが、開閉扉式に代えて、チャンバー10aがZ方向へ分割され、Z方向へ相対的に接近又は離隔するように往復動させることで、変圧室10が開閉自在で且つ密封構造となるように変更することも可能である。
上基板1の吸引チャック11を以下「上吸引チャック」といい、上吸引チャック11が具備される保持部材11aを以下「上保持部材」という。下基板2の吸引チャック12を以下「下吸引チャック」といい、下吸引チャック12が具備される保持部材12aを以下「下保持部材」という。
上保持部材11aと下保持部材12aは、例えば金属やセラミックスなどの剛体で歪み(撓み)変形しない厚さの平板状に形成された定盤などからなり、それらの対向面がそれぞれチャンバー10a内で互いにZ方向へ対向するように平行に配設されている。
上保持部材11aの対向面には、上吸引チャック11が設けられ、下保持部材12aの対向面には、下吸引チャック12が設けられる。さらに、上保持部材11a及び下保持部材12aの対向面は、上吸引チャック11や下吸引チャック12による真空吸引で上基板1や下基板2に歪みを起こさないような微細の穴や溝の吸着構造を有している。
また必要に応じて、上保持部材11a及び下保持部材12aの対向面には、上吸引チャック11や下吸引チャック12に加えて、粘着チャックや静電チャックなどを設けることも可能である。
駆動手段13は、アクチュエーターなどから構成され、後述する制御部17により上基板1及び下基板2の重ね合わせ時において、上保持部材11a又は下保持部材12aのいずれか一方か若しくは両方をZ方向へ相対的に接近移動させるように作動制御している。
また、上保持部材11a又は下保持部材12aのいずれか一方か若しくは両方には、位置合わせ用駆動部(図示しない)が備えられ、上保持部材11aと下保持部材12aをXYθ方向へ相対的に移動させることで、上基板1と下基板2を位置合わせしている。
第一吸引圧調整手段14は、電空制御式の真空レギュレータなどが用いられ、上基板1及び下基板2の重ね合わせ時における真空圧力から大気圧までを計画的に昇圧させる過程として、予め昇圧曲線を1点から多点の段階的な減圧目標値として設定することにより、真空圧力から大気圧までの昇圧過程の昇圧速度を制御することが好ましい。
詳しく説明すると、第一吸引圧調整手段14は、上吸引チャック11のチャック面から例えば真空ポンプなどの吸引源14aに向けてそれぞれ連通する第一吸引管路14bと、第一吸引管路14bの途中に設けられる第一流量調整部14cと、を有している。
第一流量調整部14cは、第一吸引管路14bを開閉させる開閉弁や通過流量を調整するための調圧器などから構成される。
下吸引チャック12には、その吸引圧力を大気雰囲気から所定の真空度まで調整するための第二吸引圧調整手段15が設けられている。
第二吸引圧調整手段15は、下吸引チャック12のチャック面から例えば真空ポンプなどの吸引源14aに向けてそれぞれ連通する第二吸引管路15bと、第二吸引管路15bの途中に設けられる第二流量調整部15cと、を有している。
第二流量調整部15cは、第二吸引管路15bを開閉させる開閉弁などから構成される。
また、その他の例として図示しないが、上基板1と下基板2の重ね合わせ後に、下吸引チャック12のチャック面から下基板2が離れるように構成することも可能である。
さらに、上吸引チャック11の第一吸引圧調整手段14には、連絡管路14dを介して後述する室圧調整手段16の排気管路16bと連通させることも可能である。連絡管路14dの途中には、均圧調整部14eが設けられ、均圧調整部14eは、連絡管路14dを開閉させる均圧用開閉弁などから構成される。
上基板1及び下基板2の重ね合わせ時において、上吸引チャック11の吸引圧力P1と下吸引チャック12の吸引圧力は、それぞれ第一真空度に設定されている。上基板1及び下基板2の重ね合わせ後は、上吸引チャック11の吸引圧力P1が、第一真空度からそれよりも低圧な第二真空度へ、第二真空度からそれよりも高圧で且つ大気圧よりも低圧な第三真空度へ、第三真空度から大気圧までそれぞれ段階的に昇圧するように設定されている。
下吸引チャック12の吸引圧力は、上基板1及び下基板2の貼り合わせが完了し貼合デバイスAとなって変圧室10から搬出される前まで第一真空度に維持し、搬出の直前に大気圧まで一気に昇圧するように設定されている。
これら第一真空度、第二真空度及び三真空度の具体例としては、図8及び図11に示されるように、第一真空度が例えば1万Pa又は1万Pa前後の高真空圧(以下「高真空圧」という)であり、第二真空度が例えば5万Pa又は5万Pa前後の中真空圧(以下「中真空圧」という)であり、第三真空度が例えば7万Pa又は7万Pa前後の低真空圧(以下「低真空圧」という)である。
なお、ここでは、大気圧を約10万Paとしている。
室圧調整手段16は、変圧室10から例えば真空ポンプなどの排気源16aに向けて連通する排気路16bと、排気路16bの途中に設けられる室圧調整部16cと、を有している。
室圧調整部16cは、排気路16bを開閉させる開閉弁や通過流量を調整するための調圧器などから構成され、後述する制御部17により作動制御され、変圧室10の内圧P2を次のように設定している。
上基板1及び下基板2の重ね合わせ時において、変圧室10の内圧P2は、第一真空度(高真空圧)よりも低圧な第二真空度(中真空圧)に設定されている。上基板1及び下基板2の重ね合わせ後は、変圧室10の内圧P2が、第二真空度(中真空圧)よりも低圧で且つ大気圧よりも負圧の第三真空度(低真空圧)を経て大気圧まで段階的に昇圧するように設定されている。
図示例では、上吸引チャック11の吸引管路14bと連絡管路14dを介して連通する変圧室10の排気路16bにブロー弁16dを配置し、下吸引チャック12の吸引管路15bにブロー弁15dを配置している。
制御部17による上吸引チャック11の第一吸引圧調整手段14の制御は、上基板1及び下基板2の重ね合わせ時における真空圧力から大気圧までの段階的な昇圧過程において、上吸引チャック11のチャック面を上基板1の表面から離脱させるために、離脱面内に負圧が生じないように、該チャック面の内部と変圧室10の内圧P2との均圧を考慮した微速での離脱を開始する制御を行うことが好ましい。
制御部17となるコントローラーは、その制御回路(図示しない)に予め設定されたプログラムに従って、予め設定されたタイミングで順次それぞれ作動制御している。
詳しく説明すると、制御部17は、駆動手段13により基板1,2がシール材3を挟んで重ね合わされた状態で、第一吸引圧調整手段14により吸引チャック11,12のいずれか一方(上吸引チャック11)の吸引圧力P1を、第一真空度からそれよりも低圧な変圧室10の第二真空度へ向けて上昇させ、その後、第一吸引圧調整手段14及び室圧調整手段16により、吸引チャック11,12のいずれか一方の吸引圧力P1と変圧室10の内圧P2を、変圧室10内の第二真空度よりも低圧で且つ大気圧よりも負圧の第三真空度までそれぞれ上昇させた後、第三真空度から大気圧まで上昇させるように制御している。
本発明の実施形態に係る貼合デバイスAの製造方法は、上基板1と下基板2の重ね合わせ工程S1と、上吸引チャック11又は下吸引チャック12のいずれか一方(上吸引チャック11)の吸引圧力P1を第一真空度(高真空圧)から第二真空度(中真空圧)へ向けて上昇させる均圧化工程S2と、変圧室10の内圧P2及び上吸引チャック11又は下吸引チャック12のいずれか一方(上吸引チャック11)の吸引圧力P1を第三真空度(低真空圧)まで上昇させる昇圧工程S4と、変圧室10の内圧P2及び上吸引チャック11又は下吸引チャック12のいずれか一方(上吸引チャック11)の吸引圧力P1を大気圧まで上昇させる大気開放工程S6と、を主要な工程として含んでいる。
特に、昇圧工程S4において、変圧室10の内圧P2及び上吸引チャック11又は下吸引チャック12のいずれか一方(上吸引チャック11)の吸引圧力P1を、第二真空度(中真空圧)から第三真空度(低真空圧)へ向けて徐々に上昇させることが好ましい。
また、上吸引チャック11又は下吸引チャック12の他方(下吸引チャック12)の吸引圧力は、重ね合わせ工程S1から均圧化工程S2、昇圧工程S4、大気開放工程S6までの全工程において、第一真空度(高真空圧)に維持している。
昇圧工程S4と大気開放工程S6の間には、変圧室10の内圧P2及び上吸引チャック11又は下吸引チャック12のいずれか一方の吸引圧力P1を所定時間に亘って維持する第二の待機工程S5を含むことが好ましい。
つまり、上吸引チャック11又は下吸引チャック12のいずれか一方の吸引圧力P1と、変圧室10の内圧P2を第三真空度(低真空圧)までそれぞれ上昇させた後、第三真空度(低真空圧)のまま所定時間に亘って維持し、その後、第三真空度(低真空圧)から大気圧まで上昇させるように制御することが好ましい。
上吸引チャック11の吸引圧力P1は、第一吸引圧調整手段14の第一流量調整部14cとなる開閉弁を開き、調圧器によって第一真空度(高真空圧)に圧力調整される。下吸引チャック12の吸引圧力は、第二吸引圧調整手段15の第二流量調整部15cとなる開閉弁を開いて、第一真空度(高真空圧)に圧力調整される。それにより、上基板1と下基板2は、上吸引チャック11及び下吸引チャック12に対して、第一真空度(高真空圧)でそれぞれ移動不能に吸着保持される。
さらに、変圧室10が密閉状態となった後は、室圧調整手段16の圧力調整部16cとなる排気弁を開いて、調圧器によって変圧室10の内圧P2が第一真空度(高真空圧)よりも低圧な第二真空度(中真空圧)まで減圧される。そのため、上吸引チャック11のチャック面から上基板1が落下せず且つXY方向へ位置ズレしないと同時に、下吸引チャック12のチャック面にお下基板2がXY方向へ位置ズレしない。
それにより、上基板1と下基板2の間には、シール材3で囲まれる封止空間3sが形成され、封止空間3s内の圧力は、第二真空度(中真空圧)となる。
均圧化工程S2の終了時には、図4に示されるように、上吸引チャック11の第一吸引圧調整手段14が、上吸引チャック11の吸引管路14bと変圧室10の排気管路16bを連絡管路14dで連通されるように制御することが好ましい。
それにより、上吸引チャック11の吸引圧力P1と変圧室10の内圧P2が、それぞれ均等な第二真空度(中真空圧)となる。そのため、この頃になると、上吸引チャック11のチャック面からの圧力差による上基板1の真空吸着が解消される。
さらに、上基板1の真空吸着を確実に解消させるため、第一の待機工程S3により所定時間に亘って、上吸引チャック11の吸引圧力P1と変圧室10の内圧P2を第二真空度(中真空圧)に維持することが好ましい。
これと同時に、第一吸引圧調整手段14の第一流量調整部14cや均圧調整部14eの作動によって、上吸引チャック11の吸引圧力P1を、第二真空度(中真空圧)から第三真空度(低真空圧)まで上昇させている。
その具体例として図示例の場合には、上吸引チャック11の第一流量調整部14cが、連絡管路14dを介して上吸引チャック11の吸引管路14bと変圧室10の排気管路16bが連通されることにより、上吸引チャック11の吸引圧力P1が、変圧室10の内圧P2の上昇と連動して同圧で第三真空度(低真空圧)へ上昇するように制御している。
また、その他の例として図示しないが、上吸引チャック11の第一吸引圧調整手段14の第一流量調整部14cの作動によって、上吸引チャック11の吸引圧力P1を、変圧室10の内圧P2の上昇とほぼ同時に第三真空度(低真空圧)まで徐々に上昇させることも可能である。
そのため、昇圧工程S4が終了する頃になると、この圧力差で未硬化のシール材3が圧縮変形して、上吸引チャック11のチャック面から上基板1の表面が離脱し始める。
この際、変圧室10内の第三真空度(低真空圧)と、基板1,2間の第二真空度(中真空圧)の封止空間3sとの圧力差で、未硬化のシール材3を十分且つ確実に圧縮変形させるため、第二の待機工程S5により所定時間に亘って、変圧室10の内圧P2と上吸引チャック11の吸引圧力P1を第三真空度(低真空圧)に維持することが好ましい。
その具体例として図示例の場合には、上吸引チャック11の吸引管路14bから吸引源14aへの経路を閉じ、均圧調整部14eにより連絡管路14dを介して上吸引チャック11の吸引管路14bと変圧室10の排気管路16bが連通されることで、上吸引チャック11の吸引圧力P1が、変圧室10の内圧P2の上昇と同時に大気圧まで徐々に上昇するように制御している。
また、その他の例として図示しないが、上吸引チャック11の第一吸引圧調整手段14の第一流量調整部14cの作動によって、上吸引チャック11の吸引圧力P1を、変圧室10の内圧P2の上昇とほぼ同時に大気圧まで徐々に上昇させることも可能である。
この拡大した圧力差で未硬化のシール材3が更に圧縮変形して、上吸引チャック11のチャック面から上基板1の表面が完全に離れるとともに、上基板1及び下基板2が全体的に均等に押し潰されて所望のギャップで貼り合わされる。
そして、変圧室10の内圧P2が大気圧又は大気圧の近くまで上昇したところで、室圧調整手段16の圧力調整部16cとなる排気弁を閉じ、変圧室10の排気路16bに設けられたブロー弁16dを開いて、変圧室10の排気路16b及び上吸引チャック11の吸引管路14b内の圧力を開放している。
この頃には、図6に二点鎖線で示されるように、駆動手段13の作動により上吸引チャック11と下吸引チャック12をZ方向へ相対的に離隔移動させて、シール材3を挟んで貼り合わされた上基板1及び下基板2が下吸引チャック12のチャック面に移動不能に吸着保持される。
この状態で、変圧室10内から外部へ、上基板1及び下基板2を所望のギャップで貼り合わせた貼合デバイスAが搬出される。
それ以降は前述した作動が繰り返される。
その後の昇圧工程S4で、低真空圧(7万Pa)まで変圧室10の内圧P2を上昇させると、基板1,2に対してシール材3の内外差圧分(2万Pa)が必然的に生じる。
その後の大気開放工程S6で、大気圧(10万Pa)では約1000g/cm2の真空差圧の密着力が得られるので、シール材3の内外差圧分(2万Pa)では、およそ200g/cm2の密着力が得られることになる。
それにより、未硬化のシール材3は厚み方向へ圧縮変形して、その分だけ基板1,2の厚みが全体的に薄くなるため、圧力差で基板1,2が所望のギャップに貼り合わせされる。
実験によれば、貼り合せ前の上基板1及び下基板2において、シール材3の塗布高さのバラツキが平均60μmあり、重ね合わせ工程S1の駆動手段13によるシール材3の押し潰し寸法を10μmとした場合は、昇圧工程S4の終了時に低真空圧(7万Pa)まで昇圧されると、シール材3が平均20μmの潰れて、上基板1及び下基板2のギャップが平均40μmまで圧縮変形した。さらに、大気開放工程S6の終了時に大気圧(10万Pa)まで昇圧されると、シール材3が平均35μmの潰れて、上基板1及び下基板2のギャップが目標となる25μmまで圧縮変形された。このように作製された貼合デバイスAは、封止セル内との間に差圧が生じても、シール材3と上基板1及び下基板2の接触界面に差圧による空気貫通が起きない安定封止状態であることが確認でき、目的を達成できた。
その結果、シール材3の高さにバラツキがあったとしても、圧力差により基板1,2を所定のギャップに貼り合わせることができる。
さらに、チャック面から基板の表面へ向け圧縮空気などの流体を吹き付けて強制的に分離させるものに比べ、未硬化のシール材3が過剰に押し潰されることがなく、シール材3の塗布パターン形状の乱れ、シール材3に含まれるフィラーなどの固形成分と液状成分の分離、一方の吸引チャック(上吸引チャック)11の管路内や変圧室10内での空気振動の発生を防止することができて、基板1,2の貼り合わせ精度の向上が図れる。
したがって、重ね合わせ状態の一方の基板(上基板)1から一方の吸引チャック(上吸引チャック)11をより確実に分離させることができる。
その結果、一方の基板(上基板)1からの一方の吸引チャック(上吸引チャック)11の分離性能が向上し、基板1,2の貼り合わせ精度の更なる向上が図れる。
したがって、一方の基板(上基板)1を介して未硬化のシール材3に影響を全く与えることなく、一方の基板(上基板)1から一方の吸引チャック(上吸引チャック)11をより確実に分離させることができる。
その結果、一方の基板(上基板)1からの一方の吸引チャック(上吸引チャック)11の分離性能が向上し、基板1,2の貼り合わせ精度の更なる向上が図れる。
この実施例1は、図4及び図8に示すように、均圧化工程S2の終了時に、一方の吸引チャック(上吸引チャック)11の第一吸引圧調整手段14が、一方の吸引チャック(上吸引チャック)11の吸引管路14bと変圧室10の排気管路16bを連絡管路14dで連通されるように制御している。
図4に示される例では、上吸引チャック11の第一流量調整部14cとなる開閉弁を閉じて吸引源14aへの通路を遮断すると同時に、均圧調整部14eとなる均圧用開閉弁が開くことで、連絡管路14dを介して上吸引チャック11の吸引管路14bと変圧室10の排気管路16bが連通され、室圧調整手段16の圧力調整部16cとなる調圧器によって、第三真空度(低真空圧)まで徐々に上昇させている。
それにより、変圧室10の排気管路16bは、連絡管路14dを介して上吸引チャック11の吸引管路14bと連通しているため、上吸引チャック11の吸引圧力P1も、変圧室10の内圧P2の上昇と同時に第三真空度(低真空圧)まで徐々に上昇する。
したがって、簡単な構造及び制御で一方の吸引チャック(上吸引チャック)11から一方の基板(上基板)1を確実に離脱させることができる。
その結果、低コストで一方の吸引チャック(上吸引チャック)11と一方の基板(上基板)1の分離性能が向上し、基板1,2の貼り合わせ精度の更なる向上が図れるという利点がある。
さらに、変圧室10の圧力調整用の室圧調整手段16を用いることで、変圧室10の内圧P2と共に一方の吸引チャック(上吸引チャック)11の吸引圧力P1を同時に且つ正確に調整することができる。
その結果、圧力センサーなどの測定誤差と関係なく、一方の吸引チャック(上吸引チャック)11の吸引圧力P1と変圧室10の内圧P2を精密に制御できて、操作性と経済性に優れるという利点がある。
また、その他の例として図示しないが、昇圧工程S4を実施例1の図5及び図8と同様に、一方の吸引チャック(上吸引チャック)11の吸引圧力P1を、変圧室10の内圧P2の上昇と連動して同圧で第三真空度(低真空圧)へ上昇させるように制御することも可能である。
したがって、簡単な制御で一方の基板(上基板)1を介して未硬化のシール材3に影響を全く与えることなく、一方の吸引チャック(上吸引チャック)11から一方の基板(上基板)1をより確実に分離させることができる。
その結果、低コストで一方の基板(上基板)1からの一方の吸引チャック(上吸引チャック)11の分離性能が向上し、基板1,2の貼り合わせ精度の更なる向上が図れるという利点がある。
さらに、図示例のように昇圧工程S4でも、一方の吸引チャック(上吸引チャック)11の吸引圧力P1を、変圧室10の内圧P2よりも僅かに高く第二真空度(中真空圧)から第三真空度(低真空圧)まで上昇させるように制御した場合には、昇圧工程S4において、一方の吸引チャック(上吸引チャック)11の吸引圧力P1の上昇と、変圧室10の内圧P2の上昇との僅かな圧力差により、一方の吸引チャック(上吸引チャック)11のチャック面から一方の基板(上基板)1の表面へ向け微量の空気が流れて、一方の吸引チャック(上吸引チャック)11のチャック面と一方の基板(上基板)1の表面の隙間が必然的に広がる。
そのため、図示例の場合には、昇圧工程S4に進行すると、一方の吸引チャック(上吸引チャック)11のチャック面から一方の基板(上基板)1の表面が離脱し始める。
したがって、図1〜図8に示した実施例1よりも、一方の吸引チャック(上吸引チャック)11から一方の基板(上基板)1を更に容易且つ確実に分離させることができるという利点がある。
2 基板(下基板) 3 シール材
3s 封止空間 B 製造装置
10 変圧室 11 吸引チャック(上吸引チャック)
12 吸引チャック(下吸引チャック) 13 駆動手段
14 第一吸引圧調整手段 14b 吸引管路
14d 連絡管路 15 第二吸引圧調整手段
16 室圧調整手段 16b 排気管路
17 制御部 P1 一方の吸引チャックの吸引圧力
P2 変圧室の内圧 S2 均圧化工程
S4 昇圧工程 S6 大気開放工程
したがって、重ね合わせ状態の一方の基板から一方の吸引チャックを未硬化のシール材に何らかの影響が与えられることなく分離させることで、シール材の形状を乱すことのない基板同士の貼り合わせを実現することができる。
その結果、シール材の高さにバラツキがあったとしても、圧力差により基板を所定のギャップに貼り合わせることができる。
さらに、チャック面から基板の表面へ向け圧縮空気などの流体を吹き付けて強制的に分離させるものに比べ、未硬化のシール材が過剰に押し潰されることがなく、シール材の塗布パターン形状の乱れ、シール材に含まれるフィラーなどの固形成分と液状成分の分離、一方の吸引チャックの管路内や変圧室内での空気振動の発生を防止することができて、基板の貼り合わせ精度の向上が図れる。
本発明の実施形態に係る貼合デバイスAの製造装置B及び製造方法は、図1〜図11に示すように、変圧室10内に一対の吸引チャック11,12が相対的に互いに接近する方向へ移動自在に設けられ、吸引チャック11,12に対して一対の基板1,2を、それらのいずれか一方又は両方に設けた未硬化のシール材3が挟み込まれるようにそれぞれ着脱自在に第一真空度で吸着保持し、第一真空度よりも高圧な第二真空度に減圧された変圧室10内で吸引チャック11,12の接近移動により基板1,2を重ね合わせる。これら重ね合わされた基板1,2の間には、シール材3で囲まれる封止空間3sが形成され、変圧室10の大気開放された内圧P2と封止空間3sとの間で発生する圧力差により、基板1,2を全体的に均等に加圧して所定のギャップで貼り合わせている。
詳しく説明すると、本発明の実施形態に係る貼合デバイスAの製造装置Bは、図2〜図8及び図10,図11に示すように、一対の基板1,2が出し入れ自在に収容される変圧室10と、変圧室10内において一対の基板1,2を未硬化のシール材3が挟み込まれるように着脱自在に吸着保持するように設けられる一対の吸引チャック11,12と、吸引チャック11,12のいずれか一方又は両方をZ方向へ相対的に接近移動させるように設けられる駆動手段13と、吸引チャック11,12のいずれか一方の吸引圧力を圧力調整する第一吸引圧調整手段14と、吸引チャック11,12の他方の吸引圧力を圧力調整する第二吸引圧調整手段15と、変圧室10を大気雰囲気から所定の真空圧まで圧力調整するように設けられる室圧調整手段16と、これら吸引チャック11,12の駆動手段13,第一吸引圧調整手段14,第二吸引圧調整手段15及び室圧調整手段16などをそれぞれ作動制御する制御部17と、を主要な構成要素として備えている。
上基板1及び下基板2の重ね合わせ時において、上吸引チャック11の吸引圧力P1と下吸引チャック12の吸引圧力は、それぞれ第一真空度に設定されている。上基板1及び下基板2の重ね合わせ後は、上吸引チャック11の吸引圧力P1が、第一真空度からそれよりも高圧な第二真空度へ、第二真空度からそれよりも高圧で且つ大気圧よりも低圧な第三真空度へ、第三真空度から大気圧までそれぞれ段階的に昇圧するように設定されている。
下吸引チャック12の吸引圧力は、上基板1及び下基板2の貼り合わせが完了し貼合デバイスAとなって変圧室10から搬出される前まで第一真空度に維持し、搬出の直前に大気圧まで一気に昇圧するように設定されている。
これら第一真空度、第二真空度及び三真空度の具体例としては、図8及び図11に示されるように、第一真空度が例えば1万Pa又は1万Pa前後の高真空圧(以下「高真空圧」という)であり、第二真空度が例えば5万Pa又は5万Pa前後の中真空圧(以下「中真空圧」という)であり、第三真空度が例えば7万Pa又は7万Pa前後の低真空圧(以下「低真空圧」という)である。
なお、ここでは、大気圧を約10万Paとしている。
室圧調整手段16は、変圧室10から例えば真空ポンプなどの排気源16aに向けて連通する排気路16bと、排気路16bの途中に設けられる室圧調整部16cと、を有している。
室圧調整部16cは、排気路16bを開閉させる開閉弁や通過流量を調整するための調圧器などから構成され、後述する制御部17により作動制御され、変圧室10の内圧P2を次のように設定している。
上基板1及び下基板2の重ね合わせ時において、変圧室10の内圧P2は、第一真空度(高真空圧)よりも高圧な第二真空度(中真空圧)に設定されている。上基板1及び下基板2の重ね合わせ後は、変圧室10の内圧P2が、第二真空度(中真空圧)よりも高圧で且つ大気圧よりも負圧の第三真空度(低真空圧)を経て大気圧まで段階的に昇圧するように設定されている。
制御部17による上吸引チャック11の第一吸引圧調整手段14の制御は、上基板1及び下基板2の重ね合わせ時における真空圧力から大気圧までの段階的な昇圧過程において、上吸引チャック11のチャック面を上基板1の表面から離脱させるために、離脱面内に負圧が生じないように、該チャック面の内部と変圧室10の内圧P2との均圧を考慮した微速での離脱を開始する制御を行うことが好ましい。
制御部17となるコントローラーは、その制御回路(図示しない)に予め設定されたプログラムに従って、予め設定されたタイミングで順次それぞれ作動制御している。
詳しく説明すると、制御部17は、駆動手段13により基板1,2がシール材3を挟んで重ね合わされた状態で、第一吸引圧調整手段14により吸引チャック11,12のいずれか一方(上吸引チャック11)の吸引圧力P1を、第一真空度からそれよりも高圧な変圧室10の第二真空度へ向けて上昇させ、その後、第一吸引圧調整手段14及び室圧調整手段16により、吸引チャック11,12のいずれか一方の吸引圧力P1と変圧室10の内圧P2を、変圧室10内の第二真空度よりも高圧で且つ大気圧よりも負圧の第三真空度までそれぞれ上昇させた後、第三真空度から大気圧まで上昇させるように制御している。
上吸引チャック11の吸引圧力P1は、第一吸引圧調整手段14の第一流量調整部14cとなる開閉弁を開き、調圧器によって第一真空度(高真空圧)に圧力調整される。下吸引チャック12の吸引圧力は、第二吸引圧調整手段15の第二流量調整部15cとなる開閉弁を開いて、第一真空度(高真空圧)に圧力調整される。それにより、上基板1と下基板2は、上吸引チャック11及び下吸引チャック12に対して、第一真空度(高真空圧)でそれぞれ移動不能に吸着保持される。
さらに、変圧室10が密閉状態となった後は、室圧調整手段16の圧力調整部16cとなる排気弁を開いて、調圧器によって変圧室10の内圧P2が第一真空度(高真空圧)よりも高圧な第二真空度(中真空圧)まで減圧される。そのため、上吸引チャック11のチャック面から上基板1が落下せず且つXY方向へ位置ズレしないと同時に、下吸引チャック12のチャック面にお下基板2がXY方向へ位置ズレしない。
均圧化工程S2の終了時には、図4に示されるように、上吸引チャック11の第一吸引圧調整手段14が、上吸引チャック11の吸引管路14bと変圧室10の排気管路16bを連絡管路14dで連通されるように制御することが好ましい。
それにより、上吸引チャック11の吸引圧力P1と変圧室10の内圧P2が、それぞれ均等な第二真空度(中真空圧)となる。そのため、この頃になると、上吸引チャック11のチャック面からの圧力差による上基板1の真空吸着が解消される。
さらに、上基板1の真空吸着を確実に解消させるため、第一の待機工程S3により所定時間に亘って、上吸引チャック11の吸引圧力P1と変圧室10の内圧P2を第二真空度(中真空圧)に維持することが好ましい。
これと同時に、第一吸引圧調整手段14の第一流量調整部14cや均圧調整部14eの作動によって、上吸引チャック11の吸引圧力P1を、第二真空度(中真空圧)から第三真空度(低真空圧)まで上昇させている。
その具体例として図示例の場合には、上吸引チャック11の第一流量調整部14cが、連絡管路14dを介して上吸引チャック11の吸引管路14bと変圧室10の排気管路16bが連通されることにより、上吸引チャック11の吸引圧力P1が、変圧室10の内圧P2の上昇と連動して同圧で第三真空度(低真空圧)へ上昇するように制御している。
また、その他の例として図示しないが、上吸引チャック11の第一吸引圧調整手段14の第一流量調整部14cの作動によって、上吸引チャック11の吸引圧力P1を、変圧室10の内圧P2の上昇とほぼ同時に第三真空度(低真空圧)まで徐々に上昇させることも可能である。
その具体例として図示例の場合には、上吸引チャック11の吸引管路14bから吸引源14aへの経路を閉じ、均圧調整部14eにより連絡管路14dを介して上吸引チャック11の吸引管路14bと変圧室10の排気管路16bが連通されることで、上吸引チャック11の吸引圧力P1が、変圧室10の内圧P2の上昇と同時に大気圧まで徐々に上昇するように制御している。
また、その他の例として図示しないが、上吸引チャック11の第一吸引圧調整手段14の第一流量調整部14cの作動によって、上吸引チャック11の吸引圧力P1を、変圧室10の内圧P2の上昇とほぼ同時に大気圧まで徐々に上昇させることも可能である。
Claims (6)
- 減圧された変圧室内で一対の基板を重ね合わせて、それらの間に未硬化のシール材で囲まれる封止空間が形成され、前記変圧室の大気開放された内圧と前記封止空間の間で発生する圧力差により、前記基板を全体的に均等に加圧して所定のギャップで貼り合わせる貼合デバイスの製造装置であって、
前記基板が出し入れ自在に収容される前記変圧室と、
前記変圧室内において前記基板を前記シール材が挟み込まれるようにそれぞれ着脱自在に第一真空度で吸着保持する一対の吸引チャックと、
前記第一真空度よりも低圧な第二真空度に減圧された前記変圧室内で、前記吸引チャックのいずれか一方又は両方をZ方向へ相対的に接近移動させて前記基板を重ね合わせる駆動手段と、
前記吸引チャックのいずれか一方の吸引圧力を圧力調整する第一吸引圧調整手段と、
前記吸引チャックの他方の吸引圧力を圧力調整する第二吸引圧調整手段と、
前記変圧室内を大気雰囲気から所定の真空圧まで圧力調整する室圧調整手段と、
前記駆動手段,前記第一吸引圧調整手段,前記第二吸引圧調整手段及び前記室圧調整手段をそれぞれ作動制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記駆動手段により前記基板が前記シール材を挟んで重ね合わされた状態で、前記第一吸引圧調整手段により前記吸引チャックのいずれか一方の吸引圧力を、前記第一真空度からそれよりも低圧な前記変圧室の前記第二真空度へ上昇させ、その後、前記第一吸引圧調整手段及び前記室圧調整手段により、前記吸引チャックのいずれか一方の吸引圧力と前記変圧室の内圧を、前記第二真空度からそれよりも低圧で且つ大気圧よりも負圧の第三真空度までそれぞれ上昇させた後、前記第三真空度から大気圧まで上昇させることを特徴とする貼合デバイスの製造装置。 - 前記吸引チャックのいずれか一方の吸引圧力及び前記変圧室の内圧を前記第三真空度までそれぞれ上昇させた後、該第三真空度のまま所定時間に亘って維持し、その後、前記第三真空度から前記大気圧まで上昇させるように制御することを特徴とする請求項1記載の貼合デバイスの製造装置。
- 前記第一吸引圧調整手段及び前記室圧調整手段により、前記吸引チャックのいずれか一方の吸引圧力と前記変圧室の内圧を、前記第二真空度から前記第三真空度へ向けて段階的に上昇させるように制御することを特徴とする請求項1記載の貼合デバイスの製造装置。
- 前記第一吸引圧調整手段が、前記吸引チャックのいずれか一方の吸引管路と前記変圧室の排気管路を連絡管路で連通させるように制御することを特徴とする請求項1、2又は3記載の貼合デバイスの製造装置。
- 前記吸引チャックのいずれか一方の吸引圧力を、前記変圧室の内圧よりも僅かに高く前記第三真空度から大気圧まで上昇させるように制御することを特徴とする請求項1、2又は3記載の貼合デバイスの製造装置。
- 変圧室内に一対の吸引チャックが相対的に互いに接近する方向へ移動自在に設けられ、前記吸引チャックに対して一対の基板を未硬化のシール材が挟み込まれるようにそれぞれ着脱自在に第一真空度で吸着保持し、前記第一真空度よりも低圧な第二真空度に減圧された前記変圧室内で前記吸引チャックの接近移動により前記基板を重ね合わせて、それらの間に前記シール材で囲まれる封止空間が形成され、前記変圧室の大気開放された内圧と前記封止空間の間で発生する圧力差により、前記基板を全体的に均等に加圧して所定のギャップで貼り合わせる貼合デバイスの製造方法であって、
前記基板の重ね合わせ後に、前記基板のいずれか一方に対する前記吸引チャックのいずれか一方の吸引圧力を、前記第一真空度からそれよりも低圧な前記変圧室の前記第二真空度へ向けて上昇させる均圧化工程と、
前記均圧化工程の後に、前記吸引チャックのいずれか一方の吸引圧力及び前記変圧室の内圧を、前記変圧室内の前記第二真空度よりも低圧で且つ大気圧よりも負圧の第三真空度までそれぞれ上昇させる昇圧工程と、
前記昇圧工程の後に前記変圧室の内圧及び前記吸引チャックのいずれか一方の吸引圧力を、前記第三真空度から大気圧まで上昇させる大気開放工程と、を含むことを特徴とする貼合デバイスの製造方法。
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