JP2012043582A - 貼合構造体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】板状ワークに適度な張力が与えられるように微正圧を封止して、通常の使用範囲で気温変動や気圧変動が生じたとしても板状ワークが撓み変形しない貼合構造体を提供する。
【解決手段】板状ワーク1,2の接近移動に伴って表面1a,2aの間隔が圧力上昇開始ギャップG1になる直前まで、通気手段4によって内部空間ISから外部空間OSへの通気を確保することにより、板状ワーク1,2間の内部空間IS内に収容される流体が外部空間OSに排出され、これに続いて、表面1a,2aの間隔が圧力上昇開始ギャップG1から最終貼り合せキャップG2になるまで、内部空間ISを密閉することにより、内部空間ISの内圧が接着剤3を破壊しないレベルの微正圧に上昇し、この最終貼り合せキャップG2で接着剤3が硬化されることにより、内部空間ISに微正圧の流体を封止した状態で板状ワーク1,2同士が貼り合わされる。
【選択図】図1
【解決手段】板状ワーク1,2の接近移動に伴って表面1a,2aの間隔が圧力上昇開始ギャップG1になる直前まで、通気手段4によって内部空間ISから外部空間OSへの通気を確保することにより、板状ワーク1,2間の内部空間IS内に収容される流体が外部空間OSに排出され、これに続いて、表面1a,2aの間隔が圧力上昇開始ギャップG1から最終貼り合せキャップG2になるまで、内部空間ISを密閉することにより、内部空間ISの内圧が接着剤3を破壊しないレベルの微正圧に上昇し、この最終貼り合せキャップG2で接着剤3が硬化されることにより、内部空間ISに微正圧の流体を封止した状態で板状ワーク1,2同士が貼り合わされる。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば有機ELディスプレイ(OLED)などのフラットパネルディスプレイ(FPD)や、電子回路やチップなどの封止部材をカバープレートにより気密封止するカバープレート付きセルなどの貼合構造体と、その貼合構造体を生産するための製造方法に関する。
従来、この種の貼合構造体として、有機EL表示回路が形成された素子基板と、内側に凹部が形成されてシート状吸湿材を収容した封止基板(封止キャップ)と、これら素子基板と封止基板を封着するシール材とを備え、素子基板に対してシール材により封止基板を封止した際にシート状吸湿材が有機EL表示回路に接触しないように封止空間を設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
さらに、この貼合構造体の製造方法は、素子基板の有機EL素子が形成された主面に、封止基板の吸湿性物質を含む層を対向させて重ね合わせ、両基板を互いに押圧し、シール材に含有するスペーサの大きさ程度まで両基板を接近させ、この状態でシール材を硬化させて素子基板と封止基板を一体化している。
さらに、この貼合構造体の製造方法は、素子基板の有機EL素子が形成された主面に、封止基板の吸湿性物質を含む層を対向させて重ね合わせ、両基板を互いに押圧し、シール材に含有するスペーサの大きさ程度まで両基板を接近させ、この状態でシール材を硬化させて素子基板と封止基板を一体化している。
しかし乍ら、このような従来の貼合構造体及びその製造方法では、大気圧の環境で両基板の重ね合わせが行われると、シール材で封止される内圧も大気圧になるため、基板サイズの大型化に伴って基板が薄膜化されると、基板がたわみ変形し易くなり、例えば基板の一部に指などで圧力を加えると、加圧した部分が内側へ凹んで回路と接触するおそれがあり、実用的でないという問題があった。
特に、封止基板にシート状吸湿材を収容するための凹部(キャビティ、堀り込み)が形成される、例えばボトムエミッション型の有機ELディスプレイの場合には、封止基板が更に薄膜化されるため、更にたわみ変形し易くなって、基板サイズの大型化が非常に困難であった。
特に、封止基板にシート状吸湿材を収容するための凹部(キャビティ、堀り込み)が形成される、例えばボトムエミッション型の有機ELディスプレイの場合には、封止基板が更に薄膜化されるため、更にたわみ変形し易くなって、基板サイズの大型化が非常に困難であった。
本発明は、このような問題に対処することを課題とするものであり、板状ワークに適度な張力が与えられるように微正圧を封止して、通常の使用範囲で気温変動や気圧変動が生じたとしても板状ワークが撓み変形しない貼合構造体を提供すること、通気手段の構造を簡素化すること、板状ワークの接近移動に連動して内部空間を確実に密閉すること、板状ワークに適度な張力が与えられるように微正圧を封止して、通常の使用範囲で気温変動や気圧変動が生じたとしても板状ワークが撓み変形しない貼合構造体の製造方法を提供すること、などを目的とするものである。
このような目的を達成するために本発明による貼合構造体は、それぞれの表面が対向するように一対設けられて、相対的に互いに接近する方向へ移動自在に支持される板状ワークと、前記板状ワークの前記表面のいずれか一方又は両方に対し枠状に塗布されて、前記板状ワークの接近移動に伴って圧縮変形し、前記表面の間隔が最終貼り合せキャップとなった時に硬化して前記板状ワーク同士を貼り合わせる接着剤と、前記板状ワーク間の内部空間と外部空間との間で作用する通気手段とを備え、前記通気手段は、前記板状ワークの接近移動による前記表面の間隔変化に対応して、前記表面の間隔が前記接着剤の塗布厚さよりも狭い圧力上昇開始ギャップに至るまでは、前記内部空間から前記外部空間への通気を確保し、前記表面の間隔が前記圧力上昇開始ギャップよりも狭い前記最終貼り合せキャップに至るまで前記内部空間を密閉して、前記内部空間に前記接着剤が破壊しないレベルの微正圧の流体を封止させることを特徴とする。
ここでいう「微正圧」とは、外気圧よりも若干高い圧力であり、未硬化状態の接着剤3が破断せずに内部空間が密閉保持されると同時に、通常の使用範囲における気温変動や気圧変動などに関係なく常時、板状ワークに張力を与えて自重や部分的な加圧により撓み変形しないレベルをいう。
ここでいう「微正圧」とは、外気圧よりも若干高い圧力であり、未硬化状態の接着剤3が破断せずに内部空間が密閉保持されると同時に、通常の使用範囲における気温変動や気圧変動などに関係なく常時、板状ワークに張力を与えて自重や部分的な加圧により撓み変形しないレベルをいう。
前述した特徴に加えて、前記通気手段として、前記接着剤の塗布形状で通気口を形成し、前記板状ワークの接近移動に伴う前記接着剤の伸展で前記通気口が閉鎖されるように構成していることを特徴とする。
さらに前述した特徴に加えて、前記通気手段として、前記板状ワークの前記表面のいずれか一方を部分的に前記接着剤へ向け押圧変形させることで、前記内部空間が密閉されるように構成していることを特徴とする。
さらに前述した特徴に加えて、前記通気手段として、前記板状ワークの前記表面のいずれか一方に凹溝部を部分的に形成し、該凹溝部と対向して又は該凹溝部に沿って前記接着剤を塗布して通気口を開設したことを特徴とする。
さらに前述した特徴に加えて、前記通気手段として、前記板状ワークの前記表面のいずれか一方を部分的に弾性変形させて、前記表面の他方に塗布された前記接着剤との間に通気口を形成し、前記表面のいずれか一方の弾性変形部を復元させることで前記通気口が閉鎖されるように構成していることを特徴とする。
また本発明による貼合構造体の製造方法は、一対の板状ワークの表面のいずれか一方又は両方に、変形可能な接着剤を枠状に塗布する塗布工程と、前記板状ワークのいずれか一方又は両方を相対的に互いに接近する方向へ移動させ、対向する前記表面の間に前記接着剤が挟まれるように重ね合わせる重ね合わせ工程と、前記板状ワークの更なる接近移動によって、前記板状ワーク間の前記内部空間から流体を前記外部空間に排出する排出工程と、前記板状ワークの更なる接近移動によって前記表面の間隔が前記接着剤の塗布厚さよりも狭い圧力上昇開始ギャップに至った時に、前記内部空間を密閉させる閉鎖工程と、前記板状ワークの更なる接近移動によって前記表面の間隔が前記圧力上昇開始ギャップよりも狭い最終貼り合せキャップに至るまで、前記内部空間の容積を減少させて、前記内部空間の内圧を前記接着剤が破壊しないレベルの微正圧になるまで上昇させる内圧上昇工程と、前記最終貼り合せキャップに至った時に、前記接着剤を硬化させて前記板状ワークの間隔を前記最終貼り合せキャップに保持する硬化工程とを含むことを特徴とする。
前述した特徴を有する本発明による貼合構造体は、板状ワークの接近移動に伴って表面の間隔が圧力上昇開始ギャップになる直前まで、通気手段によって内部空間から外部空間への通気を確保することにより、板状ワーク間の内部空間内に収容される流体が外部空間に排出され、これに続いて、表面の間隔が圧力上昇開始ギャップから最終貼り合せキャップになるまで、内部空間を密閉することにより、内部空間の内圧が接着剤を破壊しないレベルの微正圧に上昇し、この最終貼り合せキャップで接着剤が硬化されることにより、内部空間に微正圧の流体を封止した状態で板状ワーク同士が貼り合わされるので、板状ワークに適度な張力が与えられるように微正圧を封止して、通常の使用範囲で気温変動や気圧変動が生じたとしても板状ワークが撓み変形しない貼合構造体を提供することができる。
その結果、基板サイズの大型化に伴って基板が薄膜化されると基板がたわみ変形し易くなる従来のものに比べ、板状ワークを薄膜化したり、板状ワークのサイズを大型化しても板状ワークが凹むことがなく、回路の損傷などを防止できて、サイズの大型化を実現化できる。
さらに、例えば有機ELディスプレイのように、板状ワークとして板厚が約1mm以下の薄膜状ガラス板を、初期の塗布厚さが約20μm以下の接着剤を挟んで板状ワーク同士が貼り合わされる貼合構造体であっても、接着剤が破壊されない微正圧に相当する約1/100気圧程度の内圧上昇を確実に実現できる。
その結果、基板サイズの大型化に伴って基板が薄膜化されると基板がたわみ変形し易くなる従来のものに比べ、板状ワークを薄膜化したり、板状ワークのサイズを大型化しても板状ワークが凹むことがなく、回路の損傷などを防止できて、サイズの大型化を実現化できる。
さらに、例えば有機ELディスプレイのように、板状ワークとして板厚が約1mm以下の薄膜状ガラス板を、初期の塗布厚さが約20μm以下の接着剤を挟んで板状ワーク同士が貼り合わされる貼合構造体であっても、接着剤が破壊されない微正圧に相当する約1/100気圧程度の内圧上昇を確実に実現できる。
さらに、前記通気手段として、前記接着剤の塗布形状で通気口を形成し、前記板状ワークの接近移動に伴う前記接着剤の伸展で前記通気口が閉鎖されるように構成している場合には、通気手段の構造を簡素化することができる。
その結果、通気手段として機械構造を別に設ける必要がないので、全体の構造を簡素化でき、実現性が向上する。
その結果、通気手段として機械構造を別に設ける必要がないので、全体の構造を簡素化でき、実現性が向上する。
さらに、前記通気手段として、前記板状ワークの前記表面のいずれか一方を部分的に前記接着剤へ向け押圧変形させることで、前記内部空間が密閉されるように構成している場合には、板状ワークの接近移動により表面の間隔が圧力上昇開始ギャップになった時点で、板状ワークのいずれか一方の一部を接着剤へ向け押圧変形させて、通気手段が閉鎖されるので、板状ワークの接近移動に連動して内部空間を確実に密閉することができる。
その結果、微正圧封止の実現性が向上する。
その結果、微正圧封止の実現性が向上する。
さらに、前記通気手段として、前記板状ワークの前記表面のいずれか一方に凹溝部を部分的に形成し、該凹溝部と対向して又は該凹溝部に沿って前記接着剤を塗布して通気口を開設した場合には、板状ワークの接近移動に伴って表面の間隔が圧力上昇開始ギャップになる直前まで、凹溝部の段差分だけ接着剤の先端面との間に通気手段の通気口が開口しているので、通気手段の構造を簡素化することができる。
その結果、通気手段として機械構造を別に設ける必要がないので、全体の構造を簡素化でき、実現性が向上する。
また、接着剤の塗布状態を途中で微妙に変える必要が無いため、接着剤の塗布手段の制御が容易になって実現性が更に向上する。
その結果、通気手段として機械構造を別に設ける必要がないので、全体の構造を簡素化でき、実現性が向上する。
また、接着剤の塗布状態を途中で微妙に変える必要が無いため、接着剤の塗布手段の制御が容易になって実現性が更に向上する。
さらに、前記通気手段として、前記板状ワークの前記表面のいずれか一方を部分的に弾性変形させて、前記表面の他方に塗布された前記接着剤との間に通気口を形成し、前記表面のいずれか一方の弾性変形部を復元させることで前記通気口が閉鎖されるように構成している場合には、板状ワークの接近移動に連動して内部空間を確実に密閉することができる。
その結果、微正圧封止の実現性が向上する。
また、接着剤の塗布状態を途中で微妙に変える必要が無いため、接着剤の塗布手段の制御が容易になって実現性が更に向上する。
その結果、微正圧封止の実現性が向上する。
また、接着剤の塗布状態を途中で微妙に変える必要が無いため、接着剤の塗布手段の制御が容易になって実現性が更に向上する。
また、前述した特徴を有する本発明による貼合構造体の製造方法は、板状ワークの接近移動に伴って表面の間隔が圧力上昇開始ギャップになる直前まで、板状ワーク間の内部空間内に収容される流体が外部空間に排出され、これに続いて、表面の間隔が圧力上昇開始ギャップから最終貼り合せキャップになるまで、内部空間の内圧を接着剤が破壊しないレベルの微正圧に上昇させ、この最終貼り合せキャップで接着剤が硬化されることにより、内部空間に微正圧の流体を封止した状態で板状ワーク同士が貼り合わされるので、板状ワークに適度な張力が与えられるように微正圧を封止して、通常の使用範囲で気温変動や気圧変動が生じたとしても板状ワークが撓み変形しない貼合構造体の製造方法を提供することができる。
その結果、基板サイズの大型化に伴って基板が薄膜化されると基板がたわみ変形し易くなる従来のものに比べ、板状ワークを薄膜化したり、板状ワークのサイズを大型化しても板状ワークが凹むことがなく、回路の損傷などを防止できて、サイズの大型化を実現化できる。
さらに、例えば有機ELディスプレイのように、板状ワークとして板厚が約1mm以下の薄膜状ガラス板を、初期の塗布厚さが約20μm以下の接着剤を挟んで板状ワーク同士が貼り合わされる貼合構造体であっても、接着剤が破壊されない微正圧に相当する約1/100気圧程度の内圧上昇を確実に実現できる。
その結果、基板サイズの大型化に伴って基板が薄膜化されると基板がたわみ変形し易くなる従来のものに比べ、板状ワークを薄膜化したり、板状ワークのサイズを大型化しても板状ワークが凹むことがなく、回路の損傷などを防止できて、サイズの大型化を実現化できる。
さらに、例えば有機ELディスプレイのように、板状ワークとして板厚が約1mm以下の薄膜状ガラス板を、初期の塗布厚さが約20μm以下の接着剤を挟んで板状ワーク同士が貼り合わされる貼合構造体であっても、接着剤が破壊されない微正圧に相当する約1/100気圧程度の内圧上昇を確実に実現できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る貼合構造体Aは、それぞれの表面1a,2aが対向して相対的に接近する方向へ移動自在に設けられる一対の板状ワーク1,2と、板状ワーク1,2の表面1a,2aのいずれか一方又は両方に対し枠状に塗布されて密着する変形可能な接着剤3と、板状ワーク1,2間の内部空間ISと外部空間OSとの間で作用する通気手段4とを備えている。
本発明の実施形態に係る貼合構造体Aは、それぞれの表面1a,2aが対向して相対的に接近する方向へ移動自在に設けられる一対の板状ワーク1,2と、板状ワーク1,2の表面1a,2aのいずれか一方又は両方に対し枠状に塗布されて密着する変形可能な接着剤3と、板状ワーク1,2間の内部空間ISと外部空間OSとの間で作用する通気手段4とを備えている。
板状ワーク1,2は、例えば有機ELディスプレイ(OLED)などフレキシブルディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ(FPD)や、電子回路やチップなどの封止部材をカバープレートにより気密封止するカバープレート付きセルなどに用いられるガラス製基板又はPES(Poly-Ether-Sulphone)などのプラスチックフィルムや合成樹脂製基板である。
必要に応じて、板状ワーク1,2の対向する平坦な表面1a,2aのいずれか一方又は両方には、シート状吸湿材を収容するための凹部(キャビティ、堀り込み)を形成することも可能である。
また、板状ワーク1,2は、後述する貼り合わせ機10によって表面1a,2aが対向するように着脱自在に保持され、板状ワーク1,2のどちらか一方又は両方を相対的に互いに接近する方向へ移動させ、表面1a,2aの間隔が後述する接着剤3の塗布厚さ(塗布高さ)と同じになる位置まで加圧することにより、接着剤3を挟んで板状ワーク1,2が重ね合わされ、その後の接近移動によって表面1a,2aの間隔が、後述する接着剤3の塗布厚さよりも若干狭い圧力上昇開始ギャップG1と、それよりも更に若干狭い最終貼り合せキャップG2になるまで段階的に加圧される。
必要に応じて、板状ワーク1,2の対向する平坦な表面1a,2aのいずれか一方又は両方には、シート状吸湿材を収容するための凹部(キャビティ、堀り込み)を形成することも可能である。
また、板状ワーク1,2は、後述する貼り合わせ機10によって表面1a,2aが対向するように着脱自在に保持され、板状ワーク1,2のどちらか一方又は両方を相対的に互いに接近する方向へ移動させ、表面1a,2aの間隔が後述する接着剤3の塗布厚さ(塗布高さ)と同じになる位置まで加圧することにより、接着剤3を挟んで板状ワーク1,2が重ね合わされ、その後の接近移動によって表面1a,2aの間隔が、後述する接着剤3の塗布厚さよりも若干狭い圧力上昇開始ギャップG1と、それよりも更に若干狭い最終貼り合せキャップG2になるまで段階的に加圧される。
接着剤3は、変形し易い低粘度で且つ例えば紫外線などの光に反応して硬化する光硬化型接着剤や熱に反応して硬化する熱硬化型接着剤などからなり、後述する塗布手段(図示しない)によって、板状ワーク1,2の表面1a,2aのいずれか一方又は両方に対し所定形状の枠状に塗布され、板状ワーク1,2の接近移動に伴って圧縮変形するとともに、表面1a,2aの間隔が圧力上昇開始ギャップG1になった時点で、表面1a,2aの間に空気などの流体を封止するための内部空間ISが区画形成され、最終貼り合せキャップG2になった時点で、後述する硬化手段5により板状ワーク1,2同士が貼り合わされて板状ワーク1,2の間隔を最終貼り合せキャップG2に保持する。
さらに、接着剤3の中には、板状ワーク1,2の表面1a,2aの間に形成される最終貼り合せキャップG2と同じ高さ寸法のスペーサ3aを混入させることが好ましい。
さらに、接着剤3の中には、板状ワーク1,2の表面1a,2aの間に形成される最終貼り合せキャップG2と同じ高さ寸法のスペーサ3aを混入させることが好ましい。
通気手段4は、接着剤3の一部又は板状ワーク1,2の表面1a,2aのいずれか一方と接着剤3との間に開閉自在に構成しておくもので、板状ワーク1,2の接近移動による表面1a,2aの間隔変化に対応して、表面1a,2aの間に形成される内部空間ISと、内部空間ISの外側に接着剤3を挟んで配置される外部空間OSとを選択的に連通するものであり、その連通時には、内部空間ISから外部空間OSへ空気などの流体が排出可能であるが、不連通時には、内部空間ISが接着剤3によって密閉され、内部空間ISから外部空間OSへ空気などの流体が排出不能になる。
通気手段4の具体例としては、接着剤3の塗布形状によって通気口を部分的に開設したり、板状ワーク1,2の表面1a,2aのいずれか一方に凹部を部分的に形成して、該凹部上又は対向するように接着剤3を塗布することにより通気口を開設したり、板状ワーク1,2のいずれか一方を部分的に弾性変形させて、表面1a,2aの他方に塗布された接着剤3との間に通気口を開設したり、板状ワーク1,2の表面1a,2aのいずれか一方において接着剤3の塗布位置よりも内側に貫通する通気口を開設するなどがある。
通気手段4の具体例としては、接着剤3の塗布形状によって通気口を部分的に開設したり、板状ワーク1,2の表面1a,2aのいずれか一方に凹部を部分的に形成して、該凹部上又は対向するように接着剤3を塗布することにより通気口を開設したり、板状ワーク1,2のいずれか一方を部分的に弾性変形させて、表面1a,2aの他方に塗布された接着剤3との間に通気口を開設したり、板状ワーク1,2の表面1a,2aのいずれか一方において接着剤3の塗布位置よりも内側に貫通する通気口を開設するなどがある。
また、通気手段4は、板状ワーク1,2の接近移動によって表面1a,2aの間隔が接着剤3の塗布厚さよりも若干狭い圧力上昇開始ギャップG1に至るまで、内部空間ISから外部空間OSへの通気を確保するが、それよりも若干遅れて表面1a,2aの間隔が圧力上昇開始ギャップG1よりも若干狭い最終貼り合せキャップG2に至るまで内部空間ISを密閉して、内部空間ISに接着剤3が破壊しないレベルの微正圧の流体を封止させるように構成される。
ここでいう「微正圧」とは、外気圧よりも若干高い圧力であり、未硬化状態の接着剤3が破断せずに内部空間ISが密閉保持されると同時に、通常の使用範囲における気温変動や気圧変動などに関係なく常時、板状ワーク1,2に張力を与えて自重や部分的な加圧により撓み変形しないレベルをいう。
微正圧の具体例としては、板状ワーク1,2の厚さや接着剤3の塗布厚さを含む内部空間ISの容積などによっても異なるが、外部空間OSの雰囲気、すなわち外気圧力よりも約0.3%〜1%程度高くすることが好ましい。
ここでいう「微正圧」とは、外気圧よりも若干高い圧力であり、未硬化状態の接着剤3が破断せずに内部空間ISが密閉保持されると同時に、通常の使用範囲における気温変動や気圧変動などに関係なく常時、板状ワーク1,2に張力を与えて自重や部分的な加圧により撓み変形しないレベルをいう。
微正圧の具体例としては、板状ワーク1,2の厚さや接着剤3の塗布厚さを含む内部空間ISの容積などによっても異なるが、外部空間OSの雰囲気、すなわち外気圧力よりも約0.3%〜1%程度高くすることが好ましい。
詳しく説明すれば、通気手段4は、板状ワーク1,2の接近移動によって表面1a,2aの間隔が、少なくとも接着剤3の塗布厚さとなった時点から、それよりも若干狭い圧力上昇開始ギャップG1に至るまで、内部空間IS内の空気などの流体が内部空間ISに排出可能になる。
その後、表面1a,2aの間隔が上昇開始ギャップG1になった時点で、内部空間ISが密閉され、それより若干遅れて、表面1a,2aの間隔が圧力上昇開始ギャップG1よりも若干狭い最終貼り合せキャップG2に至るまで、内部空間ISを密閉し続けることにより、内部空間IS内の空気などの流体が圧縮されて、その内圧を接着剤3が破壊しないレベルの微正圧となるまで上昇させる。
その後、表面1a,2aの間隔が上昇開始ギャップG1になった時点で、内部空間ISが密閉され、それより若干遅れて、表面1a,2aの間隔が圧力上昇開始ギャップG1よりも若干狭い最終貼り合せキャップG2に至るまで、内部空間ISを密閉し続けることにより、内部空間IS内の空気などの流体が圧縮されて、その内圧を接着剤3が破壊しないレベルの微正圧となるまで上昇させる。
このような通気手段4の具体例としては、板状ワーク1,2の接近移動に伴う接着剤3の伸展によって通気口を閉鎖したり、板状ワーク1,2のいずれか一方を部分的に接着剤3へ向け押圧変形させて通気口を閉鎖したり、板状ワーク1,2のいずれか一方の部分的な弾性変形部を復元させて通気口を閉鎖したり、板状ワーク1,2の表面1a,2aのいずれか一方において接着剤3の塗布位置よりも内側に開設された通気口を封止するなどがある。
そして、本発明の実施形態に係る貼合構造体Aを生産するための製造方法は、図2に示すフローチャートように、接着剤3の塗布工程と、板状ワーク1,2の重ね合わせ工程と、内部流体の排出工程と、内部空間ISの閉鎖工程と、内部空間ISの内圧上昇工程と、接着剤3の硬化工程とを含んでいる。
接着剤3の塗布工程は、一対の板状ワーク1,2の表面1a,2aのいずれか一方又は両方に対し、後述する塗布手段(図示しない)によって変形可能な接着剤3を所定形状の枠状に塗布するようになっている。
板状ワーク1,2の重ね合わせ工程は、板状ワーク1,2のどちらか一方又は両方を相対的に互いに接近する方向へ移動させることにより、これらの対向する表面1a,2aの間に接着剤3が挟まれるように重ね合わせ、この時点では通気手段4によって、板状ワーク1,2の間に形成される内部空間ISとその周囲に配置される外部空間OSとを連通させている。
内部流体の排出工程は、板状ワーク1,2のどちらか一方又は両方を更に接近移動させることにより、内部空間ISの容積を減少させて、そこに収容される空気などの流体を通気手段4から外部空間OSに排出するようになっている。
内部空間ISの閉鎖工程は、板状ワーク1,2のどちらか一方又は両方を更に接近移動させることにより、接着剤3を圧縮変形させて、表面1a,2aの間隔が接着剤3の塗布厚さよりも若干狭い圧力上昇開始ギャップG1に至った時に、通気手段4によって内部空間ISを密閉させるようになっている。
内部空間ISの内圧上昇工程は、板状ワーク1,2のどちらか一方又は両方を更に接近移動させることにより、接着剤3を更に圧縮変形させて、表面1a,2aの間隔が圧力上昇開始ギャップG1よりも若干狭い最終貼り合せキャップG2に至るまで、内部空間ISの容積を減少させて、内部空間ISの内圧を接着剤3が破壊しないレベルの微正圧になるまで上昇させるようになっている。
接着剤3の硬化工程は、最終貼り合せキャップG2になった時に、後述する硬化手段5によって接着剤3を硬化させることにより、板状ワーク1,2の間隔を最終貼り合せキャップG2に保持するようになっている。
板状ワーク1,2の重ね合わせ工程は、板状ワーク1,2のどちらか一方又は両方を相対的に互いに接近する方向へ移動させることにより、これらの対向する表面1a,2aの間に接着剤3が挟まれるように重ね合わせ、この時点では通気手段4によって、板状ワーク1,2の間に形成される内部空間ISとその周囲に配置される外部空間OSとを連通させている。
内部流体の排出工程は、板状ワーク1,2のどちらか一方又は両方を更に接近移動させることにより、内部空間ISの容積を減少させて、そこに収容される空気などの流体を通気手段4から外部空間OSに排出するようになっている。
内部空間ISの閉鎖工程は、板状ワーク1,2のどちらか一方又は両方を更に接近移動させることにより、接着剤3を圧縮変形させて、表面1a,2aの間隔が接着剤3の塗布厚さよりも若干狭い圧力上昇開始ギャップG1に至った時に、通気手段4によって内部空間ISを密閉させるようになっている。
内部空間ISの内圧上昇工程は、板状ワーク1,2のどちらか一方又は両方を更に接近移動させることにより、接着剤3を更に圧縮変形させて、表面1a,2aの間隔が圧力上昇開始ギャップG1よりも若干狭い最終貼り合せキャップG2に至るまで、内部空間ISの容積を減少させて、内部空間ISの内圧を接着剤3が破壊しないレベルの微正圧になるまで上昇させるようになっている。
接着剤3の硬化工程は、最終貼り合せキャップG2になった時に、後述する硬化手段5によって接着剤3を硬化させることにより、板状ワーク1,2の間隔を最終貼り合せキャップG2に保持するようになっている。
また、このような貼合構造体Aを生産するための製造装置は、板状ワーク1,2の表面1a,2aのいずれか一方又は両方に接着剤3を所定形状の枠状に塗布するための塗布手段(図示しない)と、接着剤3が塗布された板状ワーク1,2を搬入・搬出するためのワーク移送手段(図示しない)と、板状ワーク1,2を表面1a,2aが対向するように着脱自在に保持して相対的に互いに接近する方向へ移動させるための貼り合わせ機10と、接着剤3を硬化させるための硬化手段5などを具備している。
接着剤3の塗布手段としては、例えばディスペンサなどの液体定量吐出機を用い、板状ワーク1,2の表面1a,2aに向け変形可能な接着剤3を連続した線状又は非連続の線状若しくは点状に吐出して、所定形状の枠状に塗布することが好ましい。
また、塗布手段の他の例として、例えばスクリーン印刷などの印刷により所定形状の枠状に塗布することも可能である。
また、塗布手段の他の例として、例えばスクリーン印刷などの印刷により所定形状の枠状に塗布することも可能である。
接着剤3の硬化手段5としては、接着剤3に向けて例えば紫外線などを照射して硬化させる光照射装置を用いることが好ましい。
また、接着剤3の硬化手段5の他の例として、接着剤3を温度変化により硬化させるヒータなどを用いることも可能である。
また、接着剤3の硬化手段5の他の例として、接着剤3を温度変化により硬化させるヒータなどを用いることも可能である。
貼り合わせ機10は、例えば図1(a)〜(c)に示すように、板状ワーク1,2を着脱自在に保持する上下一対の保持板11,12と、これら上下の保持板11,12のいずれか一方又は両方を相対的に互いに接近する方向へ移動させて板状ワーク1,2を重ね合わせる昇降駆動部13と、少なくとも昇降駆動部13などを作動制御する制御部14などを備えている。
上下の保持板11,12は、例えば金属やセラミックスなどの剛体で歪み(撓み)変形しない厚さの平板状に形成され、その平滑な保持面11a,12aを互い対向するように設け、これら保持面11a,12aには、板状ワーク1,2をそれぞれ着脱自在に保持するワーク保持手段(図示しない)として、例えば静電チャックや吸引チャックや粘着チャック又はそれらの組み合わせなどが設けられる。
さらに、上下の保持板11,12は、少なくともそれらのいずれか一方又は両方が上下方向(Z方向)へ保持面11a,12aを平行状態で互いに接近又は離隔するように往復動自在に支持される。
図示例の場合には、上保持板11のみを上下移動させる昇降駆動部13が設けられている。
その他の例として、昇降駆動部13で下保持板12のみを上下移動させたり、上下保持板11,12の両方を上下移動させることも可能である。
図示例の場合には、上保持板11のみを上下移動させる昇降駆動部13が設けられている。
その他の例として、昇降駆動部13で下保持板12のみを上下移動させたり、上下保持板11,12の両方を上下移動させることも可能である。
また、上保持板21及び下保持板22の周囲には、気圧調整可能な閉空間(図示しない)を形成し、該閉空間が所定の気圧に調整された雰囲気の環境下で、保持板11,12を互いに接近移動して板状ワーク1,2を貼り合わせることも可能である。
制御部14は、保持板11,12のワーク保持手段、昇降駆動部13や接着剤3の塗布手段、接着剤3の硬化手段5だけでなく、必要に応じて、通気手段4や上下の保持板11,12へ向け板状ワーク1,2を搬入・搬出するワーク移送手段(図示しない)などとも電気的に接続され、それらを予め設定されたプログラムに従って順次作動制御するコントローラーである。
プログラムの一例としては、先ず、図1(a)の実線に示されるように、塗布手段による接着剤3の塗布工程が終了した板状ワーク1,2を、ワーク搬送手段により上下保持板11,12へ向け搬入して、保持面11a,12aの所定位置に対し、ワーク保持手段によりセットする。
次に、図1(a)〜(c)に示されるように、昇降駆動部13により上下保持板11,12のいずれか一方又は両方を、互い接近する方向へ移動開始させる。
それにより、板状ワーク1,2の表面1a,2aの間隔が、図1(a)の二点鎖線に示されるように、接着剤3の塗布厚さとほぼ同じ寸法に至った時点で、表面1a,2aの間に接着剤3を挟んで板状ワーク1,2が重ね合わされる。
その後、図1(b)に示されるように、表面1a,2aの間隔が、接着剤3の塗布厚さよりも若干狭い圧力上昇開始ギャップG1に至った時点で、接着剤3により内部空間ISが密閉される。
これに続いて、図1(c)に示されるように、表面1a,2aの間隔が、圧力上昇開始ギャップG1よりも若干狭い最終貼り合せキャップG2に至った時点で、昇降駆動部13による上下保持板11,12の接近移動を完了させる。
その後、硬化手段5により接着剤3を硬化させて板状ワーク1,2が貼り合わされ、その後、この貼り合わせ工程が終了した板状ワーク1,2を、ワーク搬送手段で搬出させる。
プログラムの一例としては、先ず、図1(a)の実線に示されるように、塗布手段による接着剤3の塗布工程が終了した板状ワーク1,2を、ワーク搬送手段により上下保持板11,12へ向け搬入して、保持面11a,12aの所定位置に対し、ワーク保持手段によりセットする。
次に、図1(a)〜(c)に示されるように、昇降駆動部13により上下保持板11,12のいずれか一方又は両方を、互い接近する方向へ移動開始させる。
それにより、板状ワーク1,2の表面1a,2aの間隔が、図1(a)の二点鎖線に示されるように、接着剤3の塗布厚さとほぼ同じ寸法に至った時点で、表面1a,2aの間に接着剤3を挟んで板状ワーク1,2が重ね合わされる。
その後、図1(b)に示されるように、表面1a,2aの間隔が、接着剤3の塗布厚さよりも若干狭い圧力上昇開始ギャップG1に至った時点で、接着剤3により内部空間ISが密閉される。
これに続いて、図1(c)に示されるように、表面1a,2aの間隔が、圧力上昇開始ギャップG1よりも若干狭い最終貼り合せキャップG2に至った時点で、昇降駆動部13による上下保持板11,12の接近移動を完了させる。
その後、硬化手段5により接着剤3を硬化させて板状ワーク1,2が貼り合わされ、その後、この貼り合わせ工程が終了した板状ワーク1,2を、ワーク搬送手段で搬出させる。
このような本発明の実施形態に係る貼合構造体A及びその製造方法並びにその製造装置によると、図1(a)に示されるように、板状ワーク1,2の接近移動により表面1a,2aの間隔が圧力上昇開始ギャップG1になる直前まで、通気手段4によって内部空間ISから外部空間OSへの通気が確保されており、そのために内部空間ISの容積が減少して、内部空間IS内に収容される空気などの流体が外部空間OSに排出される。これに続いて、図1(b)に示されるように、表面1a,2aの間隔が圧力上昇開始ギャップG1になると、内部空間ISが密閉され、図1(c)に示されるように、この閉鎖状態が最終貼り合せキャップG2になるまで続くため、内部空間ISの容積が更に減少して、内部空間ISの内圧が接着剤3を破壊しないレベルの微正圧(外部空間OSの外気圧力よりも約0.3%〜1%程度高い状態)まで上昇する。これに続いて、この最終貼り合せキャップG2で接着剤3が硬化されるため、内部空間ISに微正圧の流体を封止した状態で板状ワーク1,2同士が接着剤3によって貼り合わされる。
それにより、板状ワーク1,2には微正圧による適度な張力が与えられて、通常の使用範囲で気温変動や気圧変動が生じたとしても板状ワーク1,2が撓み変形することを防止することができ、板状ワーク1,2を更に薄膜化したり、板状ワーク1,2のサイズを大型化しても板状ワーク1,2が凹むことがなく、回路の損傷などを防止できて、サイズの大型化を実現化できる。
それにより、板状ワーク1,2には微正圧による適度な張力が与えられて、通常の使用範囲で気温変動や気圧変動が生じたとしても板状ワーク1,2が撓み変形することを防止することができ、板状ワーク1,2を更に薄膜化したり、板状ワーク1,2のサイズを大型化しても板状ワーク1,2が凹むことがなく、回路の損傷などを防止できて、サイズの大型化を実現化できる。
ところで、貼合構造体Aが薄型の有機ELディスプレイのように、板状ワーク1,2として板厚が約1mm以下の薄膜状ガラス板を用い、初期の塗布厚さが約20μm以下の接着剤3を挟んで板状ワーク1,2同士が貼り合わされるものの場合において、「内部空間ISに接着剤3を破壊しないレベルの微正圧の流体を封止させる」とは、内部空間ISの内圧を約1/100気圧程度上昇させることに相当する。
しかし、このような微正圧の封止は、現状の技術において正確に実現することが非常に困難である。
これに対し、本発明の実施形態によれば、板状ワーク1,2を接近移動させる過程において、内部空間ISの容積などによっても異なるが、通気手段4により内部空間ISが密閉される圧力上昇開始ギャップG1から最終貼り合せキャップG2まで約10μm程度だけ更に圧縮すると、内部空間ISの内圧を、微正圧に相当する、外部空間OSの外気圧力よりも約0.3%〜1%程度だけ高くすることができ、接着剤3が破壊されない微正圧の封止を確実に実現できる。
特に、接着剤3の中に、予め最終貼り合せキャップG2と同じ高さ寸法のスペーサ3aを混入しておけば、表面1a,2aの間隔が最終貼り合せキャップG2になった瞬間に、板状ワーク1,2の接近移動を確実に停止させることが容易になり、圧力上昇開始ギャップG1から最終貼り合せキャップG2までの約10μm程度の圧縮制御を正確に実行できて、更に実現性が向上する。
以下、本発明の各実施例を図面に基づいて説明する。
しかし、このような微正圧の封止は、現状の技術において正確に実現することが非常に困難である。
これに対し、本発明の実施形態によれば、板状ワーク1,2を接近移動させる過程において、内部空間ISの容積などによっても異なるが、通気手段4により内部空間ISが密閉される圧力上昇開始ギャップG1から最終貼り合せキャップG2まで約10μm程度だけ更に圧縮すると、内部空間ISの内圧を、微正圧に相当する、外部空間OSの外気圧力よりも約0.3%〜1%程度だけ高くすることができ、接着剤3が破壊されない微正圧の封止を確実に実現できる。
特に、接着剤3の中に、予め最終貼り合せキャップG2と同じ高さ寸法のスペーサ3aを混入しておけば、表面1a,2aの間隔が最終貼り合せキャップG2になった瞬間に、板状ワーク1,2の接近移動を確実に停止させることが容易になり、圧力上昇開始ギャップG1から最終貼り合せキャップG2までの約10μm程度の圧縮制御を正確に実行できて、更に実現性が向上する。
以下、本発明の各実施例を図面に基づいて説明する。
この実施例1は、図1(a)〜(c)に示すように、通気手段4として、接着剤3の塗布形状によって通気口4aを部分的に開設し、板状ワーク1,2の接近移動に伴う接着剤3の伸展で通気口4aが閉鎖されるように構成した場合を示すものである。
詳しくは、接着剤3の塗布形状によって接着剤3の一部か、又は板状ワーク1,2の表面1a,2aのいずれか一方と接着剤3の端面との間に、通気口4aが部分的に形成される。
接着剤3は、板状ワーク1,2の接近移動により押し潰されて上下方向へ圧縮変形すると、板状ワーク1,2の表面1a,2aに沿って拡張伸展する。実施例1では、このように板状ワーク1,2の接近移動に伴う接着剤3の押し潰しによって発生する伸展部4bが、内部空間ISの密閉手段として利用されている。
詳しくは、接着剤3の塗布形状によって接着剤3の一部か、又は板状ワーク1,2の表面1a,2aのいずれか一方と接着剤3の端面との間に、通気口4aが部分的に形成される。
接着剤3は、板状ワーク1,2の接近移動により押し潰されて上下方向へ圧縮変形すると、板状ワーク1,2の表面1a,2aに沿って拡張伸展する。実施例1では、このように板状ワーク1,2の接近移動に伴う接着剤3の押し潰しによって発生する伸展部4bが、内部空間ISの密閉手段として利用されている。
図1(a)〜(c)に示される例では、板状ワーク1,2が、表面1a,2aのいずれか一方の中央部分に、シート状吸湿材(図示しない)を収容するための凹部2bが形成されたボトムエミッション型の有機ELディスプレイである場合を示している。
また、その他の例として図示しないが、板状ワーク1,2が、表面1a,2aのいずれか一方に凹部2bが形成されないトップエミッション型の有機ELディスプレイであったり、電子回路やチップなどの封止部材をカバープレートにより気密封止するカバープレート付きセルなどであっても良い。
また、その他の例として図示しないが、板状ワーク1,2が、表面1a,2aのいずれか一方に凹部2bが形成されないトップエミッション型の有機ELディスプレイであったり、電子回路やチップなどの封止部材をカバープレートにより気密封止するカバープレート付きセルなどであっても良い。
さらに、接着剤3の塗布形状についてその変形例を図3(a)〜(h)に示す。
図3(a)(b)に示される例では、板状ワーク1,2の表面1a,2aのいずれか一方に対する接着剤3の塗布形状が、塗布パターンの一部において塗布厚さを薄く(低く)することにより、表面1a,2aの他方との間に通気手段4として通気口4aを形成している。
図3(a)に示される例における通気口4aの形成方法は、接着剤3の塗布手段として例えばディスペンサなどの液体定量吐出機を用い、板状ワーク1,2の表面1a,2aに向け変形可能な接着剤3を連続した線状に吐出して枠状に塗布するとともに、その直線部分又はコーナー部分の一部に、接着剤3の吐出量を減少させて細い線の「くびれ」を部分的に作ることにより、塗布膜厚を一部だけ薄くしている。
図3(b)に示される例では、接着剤3の塗布形状が、塗布パターンの一部において平行な細い線を複数配置することにより、液体定量吐出機からの接着剤3の吐出量を途中で微妙に変えることなく、塗布膜厚が一部だけ薄い通気口4aを形成している。
図3(a)(b)に示される例では、板状ワーク1,2の表面1a,2aのいずれか一方に対する接着剤3の塗布形状が、塗布パターンの一部において塗布厚さを薄く(低く)することにより、表面1a,2aの他方との間に通気手段4として通気口4aを形成している。
図3(a)に示される例における通気口4aの形成方法は、接着剤3の塗布手段として例えばディスペンサなどの液体定量吐出機を用い、板状ワーク1,2の表面1a,2aに向け変形可能な接着剤3を連続した線状に吐出して枠状に塗布するとともに、その直線部分又はコーナー部分の一部に、接着剤3の吐出量を減少させて細い線の「くびれ」を部分的に作ることにより、塗布膜厚を一部だけ薄くしている。
図3(b)に示される例では、接着剤3の塗布形状が、塗布パターンの一部において平行な細い線を複数配置することにより、液体定量吐出機からの接着剤3の吐出量を途中で微妙に変えることなく、塗布膜厚が一部だけ薄い通気口4aを形成している。
図3(c)〜(f)に示される例では、接着剤3の塗布形状が、塗布パターンの一部において不連続部分を配置することにより、通気手段4として通気口4aを形成している。
図3(c)に示される例における通気口4aの形成方法は、液体定量吐出機からの接着剤3の吐出を一時停止させることにより、枠状に塗布された接着剤3の直線部分又はコーナー部分の一部に、不連続部分として切れ目(スリット)からなる通気口4aを形成している。
図3(d)に示される例では、接着剤3の塗布形状が、塗布パターンの一部において塗布線の位置を並行状にずらして配置することにより、液体定量吐出機からの接着剤3の吐出量を途中で微妙に変えることなく、不連続部分として切れ目(ドット)からなる通気口4aを形成している。
図3(e)に示される例では、接着剤3の塗布形状が、塗布パターンの一部において液体定量吐出機から接着剤3を点状に吐出させることにより、枠状に塗布された接着剤3の直線部分又はコーナー部分の一部に、不連続部分として切れ目(スリット)からなる通気口4aを形成している。
図3(f)に示される例では、接着剤3の塗布形状が、塗布パターンの一部において塗布位置を並行状にずらしながら点状に吐出させることにより、枠状に塗布された接着剤3の直線部分又はコーナー部分の一部に、不連続部分として切れ目(スリット)からなる通気口4aを形成している。
図3(c)に示される例における通気口4aの形成方法は、液体定量吐出機からの接着剤3の吐出を一時停止させることにより、枠状に塗布された接着剤3の直線部分又はコーナー部分の一部に、不連続部分として切れ目(スリット)からなる通気口4aを形成している。
図3(d)に示される例では、接着剤3の塗布形状が、塗布パターンの一部において塗布線の位置を並行状にずらして配置することにより、液体定量吐出機からの接着剤3の吐出量を途中で微妙に変えることなく、不連続部分として切れ目(ドット)からなる通気口4aを形成している。
図3(e)に示される例では、接着剤3の塗布形状が、塗布パターンの一部において液体定量吐出機から接着剤3を点状に吐出させることにより、枠状に塗布された接着剤3の直線部分又はコーナー部分の一部に、不連続部分として切れ目(スリット)からなる通気口4aを形成している。
図3(f)に示される例では、接着剤3の塗布形状が、塗布パターンの一部において塗布位置を並行状にずらしながら点状に吐出させることにより、枠状に塗布された接着剤3の直線部分又はコーナー部分の一部に、不連続部分として切れ目(スリット)からなる通気口4aを形成している。
図3(g)(h)に示される例では、塗布パターンの一部において例えばスクリーン印刷などの印刷により接着剤3の不連続部分を配置することで、通気手段4として通気口4aを形成している。
図3(g)に示される例では、印刷で枠状に塗布された接着剤3の直線部分又はコーナー部分の一部に、不連続部分としてくびれからなる通気口4aを形成している。
図3(h)に示される例では、印刷で枠状に塗布された接着剤3の直線部分又はコーナー部分の一部に、不連続部分として切れ目(スリット)からなる通気口4aを形成している。
図3(g)に示される例では、印刷で枠状に塗布された接着剤3の直線部分又はコーナー部分の一部に、不連続部分としてくびれからなる通気口4aを形成している。
図3(h)に示される例では、印刷で枠状に塗布された接着剤3の直線部分又はコーナー部分の一部に、不連続部分として切れ目(スリット)からなる通気口4aを形成している。
このような本発明の実施例1に係る貼合構造体A及びその製造方法並びにその製造装置によると、図1(a)に示されるように、板状ワーク1,2の接近移動により表面1a,2aの間隔が圧力上昇開始ギャップG1になる直前まで、通気手段4の通気口4aが開口しており、そのために内部空間ISの容積が減少して、内部空間IS内に収容される空気などの流体が外部空間OSに排出される。これとほぼ同時に、板状ワーク1,2の接近移動に伴う接着剤3の押し潰しにより伸展部4bが発生して、通気口4aの開口面積が徐々に減少する。これに続いて、図1(b)に示されるように、表面1a,2aの間隔が圧力上昇開始ギャップG1になると、この頃には板状ワーク1,2の接近移動に伴う接着剤3の伸展(伸展部4b)で通気口4aが完全に閉鎖され、この閉鎖状態が最終貼り合せキャップG2になるまで続くため、内部空間ISの容積が更に減少して、内部空間ISの内圧が接着剤3を破壊しないレベルの微正圧まで上昇する。
それにより、通気手段4の構造を簡素化でき、通気手段4として機械構造を別に設ける必要がないので、全体の構造を簡素化できるという利点がある。
特に、図3(b)(d)に示される例では、液体定量吐出機からの接着剤3の吐出量を途中で微妙に変える必要が無いため、液体定量吐出機の制御が容易になって実現性が更に向上するという利点がある。
それにより、通気手段4の構造を簡素化でき、通気手段4として機械構造を別に設ける必要がないので、全体の構造を簡素化できるという利点がある。
特に、図3(b)(d)に示される例では、液体定量吐出機からの接着剤3の吐出量を途中で微妙に変える必要が無いため、液体定量吐出機の制御が容易になって実現性が更に向上するという利点がある。
この実施例2は、図4(a)〜(c)に示すように、通気手段4として、板状ワーク1,2のいずれか一方を部分的に接着剤3へ向け押圧変形させることで、内部空間ISを密閉させる構成が、図1に示した実施例1とは異なり、それ以外の構成は図1に示した実施例1と同じものである。
すなわち、通気手段4は、板状ワーク1,2のいずれか一方を部分的に接着剤3へ向け押圧変形させることにより、板状ワーク1,2の接近移動に伴う接着剤3の押し潰しによる伸展と関係なく、内部空間ISを強制的に密閉させるものである。
すなわち、通気手段4は、板状ワーク1,2のいずれか一方を部分的に接着剤3へ向け押圧変形させることにより、板状ワーク1,2の接近移動に伴う接着剤3の押し潰しによる伸展と関係なく、内部空間ISを強制的に密閉させるものである。
図4(a)〜(c)に示される例では、貼り合わせ機10の保持板11,12の少なくとも一方に、内部空間ISの密閉手段として例えばエアーシリンダや油圧シリンダなどのアクチュエータからなる加圧手段4cを、板状ワーク1,2のいずれか一方へ向けて出没自在に設け、加圧手段4cの突出動で板状ワーク1,2のいずれか一方の一部を、接着剤3へ向けて押圧変形させることにより、その表面1a,2aの一方が接着剤3の先端面に密着して内部空間ISが密閉される。
さらに、図示例では、実施例1と同様に、通気手段4として、接着剤3の塗布形状によって通気口4aを部分的に開設している。
さらに、図示例では、実施例1と同様に、通気手段4として、接着剤3の塗布形状によって通気口4aを部分的に開設している。
このような本発明の実施例2に係る貼合構造体A及びその製造方法並びにその製造装置によると、図4(b)に示されるように、板状ワーク1,2の接近移動により表面1a,2aの間隔が圧力上昇開始ギャップG1になった時点で、加圧手段4cが突出して板状ワーク1,2のいずれか一方の一部を接着剤3へ向け押圧変形させて、板状ワーク1,2の接近移動に伴う接着剤3の押し潰しによる伸展と関係なく、通気口4aが強制的に閉鎖される。
それにより、板状ワーク1,2の接近移動に連動して内部空間ISを確実に密閉でき、微正圧封止の実現性を向上させることができるという利点がある。
それにより、板状ワーク1,2の接近移動に連動して内部空間ISを確実に密閉でき、微正圧封止の実現性を向上させることができるという利点がある。
この実施例3は、図5(a)〜(c)に示すように、通気手段4として、板状ワーク1,2の表面1a,2aのいずれか一方に凹溝部4dを部分的に形成し、凹溝部4dと対向して又は凹溝部4dに沿って接着剤3を同一の塗布厚さで連続状に塗布することにより、通気口4eを開設した構成が、図1に示した実施例1又は図4に示した実施例2とは異なり、それ以外の構成は図1に示した実施例1又は図4に示した実施例2と同じものである。
図5(a)〜(c)に示される例では、板状ワーク1,2の表面1a,2aのいずれか一方に凹溝部4dを、他方に塗布された接着剤3と対向するように部分的に形成することにより、これら凹溝部4dと接着剤3の先端面との間に通気口4eを形成している。
また、その他の例として図示しないが、板状ワーク1,2の表面1a,2aのいずれか一方に凹溝部を部分的に形成し、他方と対向するように凹溝部に沿って接着剤3を塗布することにより、これら接着剤3の先端面と表面1a,2aの他方との間に通気口4eを形成することも可能である。
また、その他の例として図示しないが、板状ワーク1,2の表面1a,2aのいずれか一方に凹溝部を部分的に形成し、他方と対向するように凹溝部に沿って接着剤3を塗布することにより、これら接着剤3の先端面と表面1a,2aの他方との間に通気口4eを形成することも可能である。
図示例では、実施例3における内部空間ISの密閉手段として、実施例1に示されるような、板状ワーク1,2の接近移動に伴う接着剤3の伸展(伸展部4b)で通気口4eを閉鎖させる場合を示している。
その他の例として図示せぬが、内部空間ISの密閉手段として、実施例2に示されるような、加圧手段の突出動で板状ワーク1,2のいずれか一方の一部を、接着剤3へ向け押圧変形させて、その表面1a,2aの一方が接着剤3の先端面に密着して通気口4eを閉鎖させることも可能である。
その他の例として図示せぬが、内部空間ISの密閉手段として、実施例2に示されるような、加圧手段の突出動で板状ワーク1,2のいずれか一方の一部を、接着剤3へ向け押圧変形させて、その表面1a,2aの一方が接着剤3の先端面に密着して通気口4eを閉鎖させることも可能である。
このような本発明の実施例3に係る貼合構造体A及びその製造方法並びにその製造装置によると、図5(a)に示されるように、板状ワーク1,2の接近移動により表面1a,2aの間隔が圧力上昇開始ギャップG1になる直前まで、凹溝部4dの段差分だけ接着剤3の先端面との間に通気手段4の通気口4eが開口している。これに続いて、図5(b)に示されるように、表面1a,2aの間隔が圧力上昇開始ギャップG1になると、板状ワーク1,2の接近移動に伴う接着剤3の伸展(伸展部4b)で通気口4eが完全に閉鎖されるか、又は加圧手段の突出動で板状ワーク1,2のいずれか一方の一部を、接着剤3へ向け押圧変形させて、その表面1a,2aの一方が接着剤3の先端面に密着して通気口4eが閉鎖される。
それにより、通気手段4の構造を簡素化でき、通気手段4として機械構造を別に設ける必要がないので、全体の構造を簡素化できるという利点がある。
さらに、液体定量吐出機からの接着剤3の吐出量を途中で微妙に変える必要が無いため、液体定量吐出機の制御が容易になって実現性が更に向上するという利点がある。
それにより、通気手段4の構造を簡素化でき、通気手段4として機械構造を別に設ける必要がないので、全体の構造を簡素化できるという利点がある。
さらに、液体定量吐出機からの接着剤3の吐出量を途中で微妙に変える必要が無いため、液体定量吐出機の制御が容易になって実現性が更に向上するという利点がある。
この実施例4は、図6(a)〜(c)に示すように、通気手段4として、板状ワーク1,2のいずれか一方を部分的に弾性変形させて、表面1a,2aの他方に塗布された接着剤3との間に通気口4fを開設し、表面1a,2aのいずれか一方の部分的な弾性変形部4gを元の形状に復元させることで、接着剤3の先端面と密着して通気口4fを閉鎖させる構成が、図1に示した実施例1とは異なり、それ以外の構成は図1に示した実施例1と同じものである。
図6(a)〜(c)に示される例では、貼り合わせ機10の保持板11,12の少なくとも一方の一部に、内部空間ISの密閉手段として例えば吸引チャックなどからなる吸着手段4hを、板状ワーク1,2のいずれか一方へ向けて凹状に設け、この吸着手段4hの吸引によって板状ワーク1,2のいずれか一方が、接着剤3から離れる方向へ部分的に弾性変形させることにより、その表面1a,2aの一方に接着剤3の先端面と対向する凹みが形成されて、それらの間に通気手段4の通気口4fを開口させている。さらに、この開口状態で、吸着手段4hの吸引を解除させて、板状ワーク1,2のいずれか一方の凹状の弾性変形部4gを元の平坦形状に復元することにより、接着剤3の先端面と密着して通気口4fが閉鎖される。
また、その他の例として図示しないが、内部空間ISの密閉手段として板状ワーク1,2の表面1a,2aの間に出入りする楔部材を設け、この楔部材を挿入によって板状ワーク1,2のいずれか一方が、接着剤3から離れる方向へ部分的に弾性変形させることにより、接着剤3との間に通気口4fが開口され、楔部材の抜き取りによって板状ワーク1,2のいずれか一方の弾性変形部4gを元の平坦形状に復元することにより、接着剤3の先端面と密着して通気口4fが閉鎖されるように構成することも可能である。
また、その他の例として図示しないが、内部空間ISの密閉手段として板状ワーク1,2の表面1a,2aの間に出入りする楔部材を設け、この楔部材を挿入によって板状ワーク1,2のいずれか一方が、接着剤3から離れる方向へ部分的に弾性変形させることにより、接着剤3との間に通気口4fが開口され、楔部材の抜き取りによって板状ワーク1,2のいずれか一方の弾性変形部4gを元の平坦形状に復元することにより、接着剤3の先端面と密着して通気口4fが閉鎖されるように構成することも可能である。
このような本発明の実施例4に係る貼合構造体A及びその製造方法並びにその製造装置によると、図6(a)に示されるように、板状ワーク1,2の接近移動により表面1a,2aの間隔が圧力上昇開始ギャップG1になる直前まで、弾性変形部4gと接着剤3の先端面との間に通気手段4の通気口4fが開口している。これに続いて、図6(b)に示されるように、表面1a,2aの間隔が圧力上昇開始ギャップG1になると、吸着手段4hの吸引が解除され、弾性変形部4gを元の形状に復元させることで通気口4fが閉鎖される。
それにより、板状ワーク1,2の接近移動に連動して内部空間ISを確実に密閉でき、微正圧封止の実現性を向上させることができるという利点がある。
さらに、液体定量吐出機からの接着剤3の吐出量を途中で微妙に変える必要が無いため、液体定量吐出機の制御が容易になって実現性が更に向上するという利点がある。
それにより、板状ワーク1,2の接近移動に連動して内部空間ISを確実に密閉でき、微正圧封止の実現性を向上させることができるという利点がある。
さらに、液体定量吐出機からの接着剤3の吐出量を途中で微妙に変える必要が無いため、液体定量吐出機の制御が容易になって実現性が更に向上するという利点がある。
なお、本発明は前示された各実施例に限定されず、板状ワーク1,2の表面1a,2aのいずれか一方において接着剤3の塗布位置よりも内側に貫通する通気口(図示しない)を開設し、表面1a,2aの間隔が圧力上昇開始ギャップG1になる直前までは、貫通する通気口を開口させ、圧力上昇開始ギャップG1になった時点で、貫通する通気口を閉鎖させても良い。
さらに、貼り合わせ機10を気圧調整可能な閉空間を形成し、該閉空間が予め微正圧に調整された雰囲気の環境下で、保持板11,12を互いに接近移動して板状ワーク1,2同士を貼り合せ、その後、この貼合構造体Aを閉空間から取り出すことにより、内部空間ISに接着剤3が破壊しないレベルの微正圧の流体を封止しても良い。
さらに、貼り合わせ機10を気圧調整可能な閉空間を形成し、該閉空間が予め微正圧に調整された雰囲気の環境下で、保持板11,12を互いに接近移動して板状ワーク1,2同士を貼り合せ、その後、この貼合構造体Aを閉空間から取り出すことにより、内部空間ISに接着剤3が破壊しないレベルの微正圧の流体を封止しても良い。
1,2 板状ワーク 1a,2a 表面
3 接着剤 4 通気手段
4a,4e,4f 通気口 4d 凹溝部
4g 弾性変形部 G1 圧力上昇開始ギャップ
G2 最終貼り合せキャップ IS 内部空間
OS 外部空間
3 接着剤 4 通気手段
4a,4e,4f 通気口 4d 凹溝部
4g 弾性変形部 G1 圧力上昇開始ギャップ
G2 最終貼り合せキャップ IS 内部空間
OS 外部空間
Claims (6)
- それぞれの表面が対向するように一対設けられて、相対的に互いに接近する方向へ移動自在に支持される板状ワークと、
前記板状ワークの前記表面のいずれか一方又は両方に対し枠状に塗布されて、前記板状ワークの接近移動に伴って圧縮変形し、前記表面の間隔が最終貼り合せキャップとなった時に硬化して前記板状ワーク同士を貼り合わせる接着剤と、
前記板状ワーク間の内部空間と外部空間との間で作用する通気手段とを備え、
前記通気手段は、前記板状ワークの接近移動による前記表面の間隔変化に対応して、前記表面の間隔が前記接着剤の塗布厚さよりも狭い圧力上昇開始ギャップに至るまでは、前記内部空間から前記外部空間への通気を確保し、前記表面の間隔が前記圧力上昇開始ギャップよりも狭い前記最終貼り合せキャップに至るまで前記内部空間を密閉して、前記内部空間に前記接着剤が破壊しないレベルの微正圧の流体を封止させることを特徴とする貼合構造体。 - 前記通気手段として、前記接着剤の塗布形状で通気口を形成し、前記板状ワークの接近移動に伴う前記接着剤の伸展で前記通気口が閉鎖されるように構成していることを特徴とする請求項1記載の貼合構造体。
- 前記通気手段として、前記板状ワークの前記表面のいずれか一方を部分的に前記接着剤へ向け押圧変形させることで、前記内部空間が密閉されるように構成していることを特徴とする請求項1記載の貼合構造体。
- 前記通気手段として、前記板状ワークの前記表面のいずれか一方に凹溝部を部分的に形成し、該凹溝部と対向して又は該凹溝部に沿って前記接着剤を塗布して通気口を開設したことを特徴とする請求項1記載の貼合構造体。
- 前記通気手段として、前記板状ワークの前記表面のいずれか一方を部分的に弾性変形させて、前記表面の他方に塗布された前記接着剤との間に通気口を形成し、前記表面のいずれか一方の弾性変形部を復元させることで前記通気口が閉鎖されるように構成していることを特徴とする請求項1記載の貼合構造体。
- 一対の板状ワークの表面のいずれか一方又は両方に、変形可能な接着剤を枠状に塗布する塗布工程と、
前記板状ワークのいずれか一方又は両方を相対的に互いに接近する方向へ移動させ、対向する前記表面の間に前記接着剤が挟まれるように重ね合わせる重ね合わせ工程と、
前記板状ワークの更なる接近移動によって、前記板状ワーク間の前記内部空間から流体を前記外部空間に排出する排出工程と、
前記板状ワークの更なる接近移動によって前記表面の間隔が前記接着剤の塗布厚さよりも狭い圧力上昇開始ギャップに至った時に、前記内部空間を密閉させる閉鎖工程と、
前記板状ワークの更なる接近移動によって前記表面の間隔が前記圧力上昇開始ギャップよりも狭い最終貼り合せキャップに至るまで、前記内部空間の容積を減少させて、前記内部空間の内圧を前記接着剤が破壊しないレベルの微正圧になるまで上昇させる内圧上昇工程と、
前記最終貼り合せキャップに至った時に、前記接着剤を硬化させて前記板状ワークの間隔を前記最終貼り合せキャップに保持する硬化工程とを含むことを特徴とする貼合構造体の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2010182464A JP2012043582A (ja) | 2010-08-17 | 2010-08-17 | 貼合構造体及びその製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015079587A (ja) * | 2013-10-15 | 2015-04-23 | 常陽工学株式会社 | 封止装置、封止方法および機能材料デバイス |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001155854A (ja) * | 1999-11-24 | 2001-06-08 | Toyota Motor Corp | 有機el素子の封止方法 |
JP2001210465A (ja) * | 2000-01-25 | 2001-08-03 | Tohoku Pioneer Corp | 表示パネル装置とその製造方法 |
-
2010
- 2010-08-17 JP JP2010182464A patent/JP2012043582A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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