JP2015055284A - 真空断熱材 - Google Patents

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Masahiro Imai
将博 今井
修弘 吉野
Nobuhiro Yoshino
修弘 吉野
祐司 兼子
Yuji Kaneko
祐司 兼子
直子 小笠原
Naoko Ogasawara
直子 小笠原
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Abstract

【課題】本発明は、屈曲等の加工が可能な真空断熱材を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、複数の芯材と、上記複数の芯材間に配置され、屈曲性を有する介在層と、上記複数の芯材および上記介在層を少なくとも内包する外包材と、を有することを特徴とする真空断熱材を提供することにより、上記目的を達成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、屈曲等の加工が可能な真空断熱材に関する。
近年、地球温暖化防止のため温室効果ガスの削減が推進されており、電気製品や車両、設備機器ならびに建物等の省エネルギー化が求められている。中でも、消費電力量の低減の観点から、電気製品等への真空断熱材の採用が進められている。電気製品等のように本体内部に発熱部を有する機器や、外部からの熱を利用した保温機能を有する機器においては、真空断熱材を備えることにより機器全体としての断熱性能を向上させることが可能となる。このため、真空断熱材の使用による電気製品等の機器のエネルギー削減の取り組みがなされている。
真空断熱材は、発泡樹脂や繊維材等の芯材が外包材に覆われて成るものであり、外包材に芯材を封入し内部を真空状態とし、上記外包材の端部が熱溶着により封止されることにより形成されるものである。真空断熱材は、その内部が真空状態であることにより、空気の対流による熱移動が遮断されるため、高い断熱性能を発揮することができる。
しかし、このような真空断熱材は、通常、平板形状で且つ高い剛性を有することから、屈曲等の加工性が悪いという問題があった。例えば、曲面や凹凸等の複雑な形状を有する部位に取り付ける際に、上記真空断熱材を当該部位の形状に追従させることができず、また、当該部位への取り付け後に、真空断熱材に元の形状に戻ろうとする復元力が働くことで、上記真空断熱材が当該部位から剥離したり破断する場合があった。さらに、油圧ローラー等を用いて上記真空断熱材の二次成型を行う際に、屈曲により端部の剥離や外包材の破断が生じ、内部の真空度が保持できずに真空断熱材の断熱性能が低下するという問題もあった。
そこで、曲面や凹凸等の複雑な形状を有する部位にも取り付けが可能となるように、屈曲性を備える真空断熱材の開発が進められてきた。
例えば、特許文献1では、凹凸溝を有する成型トレイを外装体として用い、内部に上記凹凸溝に沿って多数の棒状多孔断熱体を配置させた真空断熱材が開示されており、薄肉となっている上記凹凸溝部において上記真空断熱材の屈曲を可能としている。
また、特許文献2では、芯材と波板状の骨材とが外包材に覆われた真空断熱材が開示されており、上記真空断熱材が上記骨材の波板状に追従した凹凸形状を有することから、屈曲させて使用することができ、そのときに生じる上記真空断熱材の復元力を低減させることを可能としている。
さらに、特許文献3〜6には、外包材内に所望の間隔を空けて配置された複数の芯材と、上記芯材間の隙間において、対向して位置する外包材が熱溶着等により貼り合された部分(以下、熱溶着部と称する場合がある。)とを有する真空断熱材が開示されている。これらの真空断熱材は、複数の芯材がそれぞれ独立した空間内に配置され、熱溶着部により連結された形状を有し、上記熱溶着部において屈曲を可能としている。
特開平成7−151297号公報 特許第4671895号公報 特開平成7−19392号公報 特開平成7−98090号公報 特開2004−211905号公報 特開2004−197935号公報
しかし、特許文献1の真空断熱材では、外装体内に多数の棒状多孔断熱体を配置させる際に当該棒状多孔断熱体が配置されない空間が生じる。そのため、経時的に当該空間の真空度が低下すると、当該空間において空気の対流による熱移動が生じやすくなるため、断熱性能の低下が生じるという問題がある。
特許文献2の真空断熱材では、骨材として金属を使用する場合に上記骨材の熱伝導性が高いことから、真空断熱材の断熱性能が低下するという問題がある。また、金属以外の材質から成る骨材を用いる場合であっても、屈曲させる際に上記骨材の凸部によって外包材の破損が生じ、真空断熱材内部の真空度が低下して断熱性能の低下を招くという問題もある。
特許文献3〜6の真空断熱材では、芯材を含まない上記熱溶着部においては、断熱性能が発揮されないことから、屈曲性を向上させるために熱溶着部の数を増やす程、真空断熱材の断熱性能が低下するという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、屈曲等の加工が可能な真空断熱材を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、複数の芯材と、上記複数の芯材間に配置され、屈曲性を有する介在層と、上記複数の芯材および上記介在層を少なくとも内包する外包材と、を有することを特徴とする真空断熱材を提供する。
本発明によれば、外包材により内包された複数の芯材の間を、屈曲性を有する介在層が介在することで、上記介在層を起点とし、または、上記芯材および上記介在層の滑り性の違いを利用して、所望の方向へ屈曲が可能な真空断熱材とすることができる。
上記発明においては、上記介在層は、上記真空断熱材の平面方向の上記芯材間に配置されることが好ましい。介在層が上記のように配置されることにより、上記介在層を起点として本発明の真空断熱材を所望の方向へ屈曲させることが可能となるからである。
上記発明においては、上記介在層は、上記真空断熱材の厚さ方向の上記芯材間に配置されることが好ましい。介在層が上記のように配置されることにより、上記芯材および上記介在層の滑り性の違いを利用して、本発明の真空断熱材を所望の方向へ屈曲させることが可能となる。
上記発明においては、上記介在層は、ガスおよび水分のいずれかを少なくとも吸収する微粒子を含むことが好ましい。真空断熱材の内部に水分やガス等の浸透が生じる場合であっても、上記介在層に含まれる微粒子により水分やガス等が吸収されるため、長期にわたり内部の真空度を高く保つことができ、本発明の真空断熱材の断熱性能を維持することが可能となるからである。
本発明においては、外包材内において複数の芯材間に屈曲性を有する介在層が配置されることにより、真空断熱材に対して屈曲等の加工を容易に行うことができるという効果を奏する。
本発明の真空断熱材の一例を示す概略斜視図および概略断面図である。 介在層による屈曲態様を説明するための説明図である。 本発明の真空断熱材の他の例を示す概略断面図である。 芯材と介在層との平面視上の配置パターンの例を示す概略平面図である。 本発明の真空断熱材の他の例を示す概略断面図である。 芯材と介在層との配置パターンの一例を示す概略斜視図である。 本発明の真空断熱材の製造方法の一例を示す工程図である。 実施例および比較例における芯材および介在層の配置パターンを示す概略断面図である。
以下、本発明の真空断熱材について説明する。
本発明の真空断熱材は、複数の芯材と、上記複数の芯材間に配置され、屈曲性を有する介在層と、上記複数の芯材および上記介在層を少なくとも内包する外包材と、を有することを特徴とするものである。
本発明の真空断熱材について図を用いて説明する。図1は本発明の真空断熱材の一例を示す概略斜視図(図1(a))および概略断面図(図1(b))である。なお、図1(b)は図1(a)のX−X線断面図に相当する。
本発明の真空断熱材10は、複数の芯材2および上記複数の芯材2間に配置された屈曲性を有する介在層3が、外包材1および1′により内包されて減圧密閉されたものである。真空断熱材10は、外包材1および1′の周縁が熱溶着により封止された端部4を有し、内部は所望の真空状態となっている。
なお、図1におけるY−Y線方向、すなわち真空断熱材の周囲に形成された端部の面に対して垂直方向が真空断熱材の厚さ方向であり、厚さ方向の上下に位置する外包材の表面を真空断熱材の平面方向とする。
本発明によれば、外包材により内包された複数の芯材の間に、屈曲性を有する介在層が配置されることで、上記介在層を起点とし、または、上記芯材および上記介在層の滑り性の違いを利用して、所望の方向へ屈曲が可能な真空断熱材とすることができる。
ここで、本発明の真空断熱材が介在層において屈曲が可能となるとは、介在層を起点として屈曲が可能となること、および、芯材および介在層の滑り性の違いを利用して屈曲が可能となることをいう。
具体的には、介在層を起点として屈曲するとは、図2(a)で示すように、真空断熱材に屈曲させようとする力Nが掛ると、芯材2自体は力Nにより屈曲しないが、上記介在層3が力Nにより伸縮することにより真空断熱材が曲がることをいう。
また、芯材および介在層の滑り性の違いを利用して屈曲するとは、図2(b)で示すように、芯材2と介在層3とはそれぞれ異なる滑り性を示し、層間において滑り性に差が生じることから、真空断熱材に屈曲させようとする力Nが掛ると、力Nに応じて伸縮しようとする介在層3に対して芯材2が滑ることで真空断熱材全体が曲がることをいう。
以下、本発明の真空断熱材の各構成について説明する。
1.介在層
本発明における介在層とは、複数の芯材間に配置され、屈曲性を有するものである。
(1)材料
介在層としては、屈曲させようとする力に対して伸縮が可能な可とう性を有するもの、または芯材と異なる滑り性を有するものであれば特に限定されない。例えば、微粒子層、弾性体等が挙げられる。
介在層が微粒子層である場合、上記微粒子層に含まれる微粒子としては、特に限定されるものではないが、中でも、ガスおよび水分のいずれかを少なくとも吸収する微粒子(以下、吸収性微粒子と称する場合がある。)であることが好ましい。ここで、上記微粒子が吸収するガスとは、例えば二酸化炭素、酸素、窒素等をいい、上記微粒子が吸収する水分とは、水蒸気等をいう。
上記吸収性微粒子としては、通常、真空断熱材においてゲッター剤として用いられる材料から成る微粒子等が挙げられる。具体的には、二酸化チタン、シリカ、アルミナ、パーライト、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、珪酸カルシウム等の微粒子、シリカゲル、エアロゲル、活性炭、珪藻土、活性白土、モレキュラーシーブ、ゼオライト微粒子、疎水性ゼオライト微粒子等の多孔質微粒子、アクリル、アクリルニトリル等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂等の合成樹脂を素材とする有機質中空粒子、シリカ、アルミナ等を主成分とする無機質中空粒子等が挙げられる。
上記吸収性微粒子の平均粒径としては、ガスや水分等を吸収でき、介在層の滑り性が芯材の滑り性と差を有することが可能な大きさであればよく、例えば、100μm〜4mmの範囲内であればよく、中でも1mm〜3.5mmの範囲内であればよく、特に1.5mm〜3mmの範囲内であればよい。吸収性微粒子の平均粒径が上記範囲よりも大きいと、熱伝導の原因となり断熱性能が低下する場合があり、一方、上記範囲よりも小さいと、真空断熱材の屈曲性が得られない場合がある。
また、介在層がゴム層である場合、上記ゴム層を構成する材料としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、アクリロニトリルゴム、ポリビニレンジフルオライド等のゴム材料が挙げられる。
本発明における介在層は、中でも、微粒子層、すなわち吸収性微粒子を含むことが好ましく、特にシリカゲルを含むことが好ましい。真空断熱材の内部に水分やガス等の浸透が生じる場合であっても、上記介在層に含まれる吸収性微粒子により水分やガス等が吸収されるため、長期にわたり内部の真空度を高く保つことができ、本発明の真空断熱材の断熱性能を維持することが可能となるからである。
(2)介在層の配置態様およびその形状
介在層は、真空断熱材の平面方向の芯材間に配置される第1態様、真空断熱材の厚さ方向の芯材間に配置される第2態様、およびその他の態様に分けられる。
以下、各態様に分けて説明する。
(第1態様)
本態様における介在層は、真空断熱材の平面方向の芯材間に配置される。介在層が上記のように配置されることにより、上記介在層を起点として本発明の真空断熱材を所望の方向へ屈曲させることが可能となる。
本態様における介在層の断面パターンとしては、上述した図1(b)に示すように真空断熱材10の平面に対して垂直であってもよく、図3に示すように平面に対して斜めであってもよく、図示しないが一方の介在層と他方の介在層とが交差していてもよい。
なお、図3は本発明の真空断熱材の他の例を示す概略断面図であり、図1(a)のX−X線断面図に相当する。図3において説明しない符号については、図1と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本態様における介在層の平面視上のパターンとしては、平面方向の芯材間に配置されていれば特に限定されるものではない。介在層の当該パターンとして、具体的には、図4で示すように縦横の一方向、または対角のうち一方向に並列するパターン(図4(a)、(b))、縦横方向または対角方向に格子状となるパターン(図4(c)、(d))、三角格子状となるパターン(図4(e))、図示しないが同心円状となるパターン等とすることができる。
本態様における介在層の膜厚としては、真空断熱材の断熱性能を低下させず、介在層を起点として屈曲可能な膜厚であることが好ましく、通常、当該介在層に隣接する芯材の同一平面上における幅よりも小さい。介在層の膜厚としては、例えば1.5mm〜6.0mm程度とすることが好ましい。本態様の介在層の膜厚が厚過ぎると、内部に占める芯材の割合が減少し、所望の断熱性能が得られない場合がある。
なお、本態様における介在層の膜厚とは、介在層を介して隣接する2つの芯材間の長さをいい、図1(b)および図3においてT1で表示される部分である。また、介在層と隣接する芯材の同一平面上における幅とは、図1(b)および図3においてW1で表示される部分である。
本態様においては、所望の膜厚を有する一枚仕様の介在層を芯材間に配置してもよく、所望の膜厚を有する複数の介在層を並べて芯材間に配置してもよい。
(第2態様)
本態様における介在層は、真空断熱材の厚さ方向の芯材間に配置されるものである。介在層が上記のように配置されることにより、上記芯材および上記介在層の滑り性の違いを利用して、本発明の空断熱材を所望の方向へ屈曲させることが可能となる。
図5は本発明の真空断熱材の他の例を示す概略断面図であり、図1(a)のX−X線断面図に相当する。図5で示すように、本態様における介在層3は、真空断熱材10の厚さ方向の芯材2間に配置される。図5において説明しない符号については、図1と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本態様における介在層の膜厚としては、真空断熱材の断熱性能を低下させず、上記介在層において屈曲可能な膜厚であることが好ましく、通常、当該介在層に隣接する芯材の同一平面上における幅、すなわち隣接する芯材の高さよりも小さい。介在層の膜厚としては、例えば1.5mm〜6.0mm程度とすることが好ましい。なお、本態様における介在層の膜厚とは、介在層を介して隣接する2つの芯材間の長さをいい、図5においてT2で表示される部分である。また、介在層と隣接する芯材の同一平面上における高さとは、図5においてW2で表示される部分である。
本態様においては、所望の膜厚を有する一枚仕様の介在層を芯材間に配置してもよく、所望の膜厚を有する複数の介在層を並べて芯材間に配置してもよい。
(その他の態様)
介在層は、真空断熱材の平面方向の芯材間および厚さ方向の芯材間の両方に配置されてもよい。具体的には図6で示されるように、真空断熱材の平面方向の芯材2間に介在層3aが、厚さ方向の芯材2間に介在層3bが配置される態様とすることができる。本態様における介在層の平面視上のパターンについては、上述した第1態様と同様とすることができる。
なお、図6は、芯材と介在層との配置パターンの一例を示す概略斜視図であり、図6中のY−Y線方向は図1と同様に真空断熱材の厚さ方向を示す。
(3)その他
介在層は、吸収性微粒子を内袋等に入れた態様としてもよい。介在層を複数の芯材間に容易に配置できるからである。上記内袋としては、表面の滑り性がよく封止可能なものが好ましく、例えば、熱溶着が可能な合成樹脂フィルム等を用いることができる。
また、上記内袋は、吸収性微粒子の平均粒径よりも小さい通気口を有していてもよい。内包される吸収性微粒子が真空断熱材内部に浸透した水分、ガス等を吸収することができるからである。
介在層は、複数の芯材間に少なくとも1つ配置されるものであり、その数は限定されないが、複数あることが好ましい。介在層が第1態様で配置される場合、介在層が複数配置されることで屈曲の起点となる箇所が増えることから、本発明の真空断熱材はより高い屈曲性を示すものとなる。また、介在層が第2態様で配置される場合、介在層が複数配置されることで芯材との接触部分が多くなり、芯材が介在層上を滑る箇所が増えることから、本発明の真空断熱材はより高い屈曲性を示すものとなる。
さらに、介在層が吸収性微粒子を含む場合、外部から水分、ガス等が内部に浸透した際に、配置態様に因らず複数の介在層においてこれらを十分に吸収させることができるため、長期にわたり内部の真空度を高く維持することが可能となる。
介在層の形成方法としては、所望の膜厚となる層形成が可能な方法であれば特に限定されない。例えば、上述したように、所望の膜厚となるように介在層の材料を内袋等に入れて封止することで、介在層を形成することができる。また、後述する「5.製造方法」で説明するように、外包材からなる袋体に直接、介在層の材料を入れて所望の膜厚となるまで堆積させることで、介在層とすることができる。
2.芯材
本発明における芯材は、複数有するものであり、外包材により内包されるものである。
芯材の材料としては、一般的に真空断熱材の芯材に用いられるものであれば特に限定されないが、例えば、粉体、発泡体、繊維体等を用いることができる。
上記粉体としては、無機系、有機系のいずれでもよく、例えば、乾式シリカ、湿式シリカ、凝集シリカ粉末、導電性粉体、炭酸カルシウム粉末、パーライト、クレー、タルク等を用いることができる。中でも乾式シリカと導電性粉体との混合物は、真空断熱材の内圧上昇に伴う断熱性能の劣化が小さいため、内圧上昇が生じる温度範囲で使用する際に有利である。さらに、上述の粉体に酸化チタンや酸化アルミニウムやインジウムドープ酸化錫等の赤外線吸収率が低い物質を輻射抑制材として添加すると、芯材の赤外線吸収率を低くすることができる。なお、芯材としての粉体は、上述した介在層における微粒子よりも粒径が大きく、外包材で内包して内部を減圧密閉する際に、大気圧の力により加圧されることで剛性を有するものとなるため、粉体からなる芯材は屈曲させることができない。
上記発泡体としては、ウレタンフォーム、スチレンフォーム、フェノールフォーム等があり、これらの中でも連続気泡を形成する発泡体が好ましい。
上記繊維体としては、無機繊維でもよく有機繊維でもよいが、断熱性能の観点から無機繊維を用いることが好ましい。このような無機繊維としては、グラスウールやグラスファイバー等のガラス繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、セラミック繊維、ロックウール等を挙げることができる。これらの無機繊維は、熱伝導率が低く、粉体よりも取り扱いが容易である点で使用が好ましい。
上述した芯材の材料は、単体で用いてもよく2種以上の材料を混合した複合材をであってもよい。
また、芯材には、外部から浸透する微量の水分やガス等による経時的な断熱性能低下を防止するために、ガス吸着剤や水分吸着剤等のゲッター剤を含んでいてもよい。ゲッター剤としては、真空断熱材に用いられる一般的な材料を用いることができ、例えば、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、金属水酸化物、モレキュラーシーブス、シリカゲル、酸化カルシウム、ゼオライト、疎水性ゼオライト、活性炭等が挙げられる。なお、上述した介在層が吸収性微粒子を含む微粒子層である場合、芯材に含有されるゲッター剤と介在層中の吸収性微粒子とが同一であってもよい。
芯材としては、熱伝導率の低いものであることが好ましい。中でも、芯材空隙率が50%以上、特に90%以上の多孔質材であることが好ましい。
芯材は複数有するものであるが、本発明の真空断熱材が所望の断熱性能を示すことが可能であればその数は限定されない。また、芯材の形状についても特に限定されないが、通常は、直方体、立方体等が用いられる。
3.外包材
本発明における外包材は、複数の芯材および介在層を少なくとも内包するものである。
外包材の構成としては、芯材および介在層を内包することができ、長期に渡り真空断熱材内部の真空度を保持することが可能なガスバリア性を有するものであればよく、中でも保護層、ガスバリア層および熱溶着層が少なくともこの順で積層されたものであることが好ましい。
以下、上記外包材の各構成について説明する。
(1)熱溶着層
熱溶着層は、通常、外包材の最内層として位置し、複数の芯材および介在層と接する層である。
熱溶着層を構成する樹脂材料としては、本発明の真空断熱材が長期高温下で曝露されても、端部において剥離が生じない程度の接着力を有するものであればよく、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、具体的に、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。また、ポリエステル系樹脂としては、例えばポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
熱溶着層は、上述した樹脂材料の他に、アンチブロッキング剤、滑剤、難燃化剤、有機充填剤等の他の材料を含むものであってもよい。
熱溶着層の融点としては、本発明の真空断熱材の使用環境下における最高温度よりも高いことが好ましく、例えば80℃〜300℃の範囲内であることが好ましく、中でも100℃〜250℃の範囲内であることが好ましい。熱溶着層の融点を上記範囲内とすることにより、本発明の真空断熱材が長期高温下で曝されても、端部における接着力の経時的な低下を抑え、剥離の発生を抑制することができる。
熱溶着層の厚さとしては、本発明の真空断熱材の端部において所望の接着力を有することが可能な厚さであればよく、例えば20μm〜100μmの範囲内が好ましく、中でも25μm〜90μmの範囲内が好ましく、特に30μm〜80μmの範囲内が好ましい。熱溶着層の厚さが上記範囲よりも大きいと、真空断熱材の外観が悪化する場合や、上記端部からの水分やガス等の浸透によりガスバリア性が悪化し、長期にわたり真空断熱材の内部の真空状態が保てない場合がある。一方、上記範囲よりも小さいと、所望の接着力が得られず、長期高温下での使用の間に真空断熱材の端部において剥離等が生じる場合がある。
熱溶着層は、フィルムであってもよくシートであってもよい。また、上記熱溶着層は、延伸されていてもよく、無延伸のものであってもよく、使用する樹脂材料等に応じて適宜選択することができる。なお、上記熱溶着層を構成する樹脂材料がポリプロピレンである場合、無延伸であることが好ましく、且つ、JIS−Z−1707の規格に基づいて測定される引張強度が15N以上、中でも20N以上を示すものが好ましい。所望の引張強度を示す無延伸ポリプロピレンから成る熱溶着層と後述する層間接着剤とを併用する際に、上記層間接着剤の組成を選択することにより、本発明の真空断熱材が長期高温下で曝されても上記端部における接着力の経時的な低下がより抑えられ、剥離の発生を抑制することができる。
(2)ガスバリア層
ガスバリア層は、通常、熱溶着層と保護層との間に形成される層である。また、上記ガスバリア層は上記熱溶着層よりも融点が高く、芯材にガスや水分等が浸透するのを阻止するガスバリア性を有する。
ガスバリア層としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、チタニウム等の金属箔等が挙げられる。また、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂フィルム、ポリアミド(PA)樹脂フィルム、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム等の樹脂フィルムを基材として、片面に金属、金属酸化物、酸化珪素等の蒸着層を積層した蒸着フィルム等を用いることもできる。
さらに、上述の蒸着フィルムにポリビニルアルコール系樹脂およびエチレンビニルアルコール共重合体の少なくともいずれかを含有するガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けたもの等を用いることもできる。
ガスバリア層として金属箔を使用する場合には、金属箔の厚さは、一般には、5μm〜40μm程度であることが好ましい。金属箔の厚さを上記範囲内とすることにより、熱伝導を回避し、断熱性を高く維持することができる。
また、樹脂フィルムに金属等の蒸着層を成膜する方法としては、一般的な方法を用いることができ、例えば、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等を用いることができる。
ガスバリア層は、単層であってもよく多層であってもよい。上記ガスバリア層が多層の場合は、同一材料から成る層を積層させたものであってもよく、異なる材料から成る層を積層させたものであってもよい。
ガスバリア層の厚さとしては、特に限定されるものではないが、一般には9μm〜100μm程度である。
ガスバリア層は、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理が施されていてもよい。ガスバリア層表面を上述の方法で表面処理することにより、ガスバリア性能の向上や、他の層との密着性の向上を図ることができるからである。
ガスバリア層のガスバリア性としては、酸素透過度が0.5cc/m・day以下であることが好ましく、中でも0.1cc/m・day以下であることが好ましい。また、水蒸気透過度が0.5cc/m・day以下であることが好ましく、中でも0.1cc/m・day以下であることが好ましい。上記ガスバリア層の酸素および水蒸気透過度が上述の範囲内であることにより、外部より浸透した水分やガス等を内部の芯材まで浸透しにくくすることができる。
なお、上記酸素透過度は、JIS−K−7126Bに基づき、温度23℃、湿度90%RHの条件下において酸素透過度測定装置(米国モコン(MOCON)社製、オクストラン(OXTRAN))を用いて測定した値である。 また、上記水蒸気透過度は、温度40℃、湿度90%RHの条件で、水蒸気透過度測定装置(米国モコン(MOCON)社製、パ−マトラン(PERMATRAN))を用いて測定した値である。
(3)保護層
保護層は、通常、外包材の最外層、すなわち、真空断熱材の最表層となる層である。上記保護層は、本発明の真空断熱材の内部を保護するに十分な強度を有し、耐熱性、防湿性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性等に優れたものであることが好ましい。
保護層としては、熱溶着層よりも高融点の樹脂を用いたものであればよく、シート状でもフィルム状でもよい。このような保護層として、例えば、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のシートまたはフィルム、ナイロン系樹脂とエチレン−ビニルアルコール共重合体とナイロン系樹脂とがこの順に積層された共押出延伸フィルムなどを一軸延伸または二軸延伸したフィルム等が挙げられる。
保護層は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。上記保護層が多層構造を有する場合は、同一材料から成る層を積層させて多層構造としたものであってもよく、異なる材料から成る層を積層させて多層構造としたものであってもよい。
また、上記保護層は、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理が施されていてもよい。保護層表面を上述の方法で表面処理することにより、他の層との密着性の向上を図ることができるからである。
保護層の厚さとしては、熱溶着層およびガスバリア層を保護することができる厚さであれば特に限定されるものではないが、一般的に5μm〜80μm程度である。
(4)その他の部材
本発明における外包材は、上述した熱溶着層、ガスバリア層および保護層に加え、他の部位を有するものであってもよい。以下、想定される他の部位について説明する。
(a)層間接着剤
外包材は、各層を積層させる際に貼り合せるための層間接着剤を有していてもよい。
上記層間接着剤は、通常、主剤および硬化剤を含む2液硬化型接着剤であるが、主剤および主剤と混合しても反応しないようにブロック化した潜在性硬化剤を混ぜ合せた1液硬化型接着剤や、硬化剤と混合しても反応しないようにブロック化した潜在性主剤および硬化剤を混ぜ合わせた1液硬化型接着剤であってもよい。
層間接着剤は、本発明の真空断熱材の端部において、剥離が生じない程度の接着力を有するものであれば特に限定されない。例えば、ポリエステルウレタンを主成分とするエポキシ系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、アミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル酸系接着剤、無機ゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケート、低融点ガラスなどからなる無機系接着剤等を用いることができる。中でも、ポリエステルウレタンを主成分とするエポキシ系接着剤が好適である。本発明の真空断熱材が長期高温下で曝されても、端部において高い接着力を保持することができるため、剥離等が生じにくく、内部の真空度を保持することが可能である。また、上述した熱溶着層との併用、特にJIS−Z−1707の規格に基づいて測定される引張強度が15N以上を示す無延伸ポリプロピレンから成る熱溶着層との併用により、外包材自体の劣化を抑制することができ、真空断熱材の耐久性を向上させることが可能となる。
なお、上記層間接着剤としてポリエステルウレタンを主成分とするエポキシ系接着剤を用いる場合、主剤としてポリエステルウレタンとエポキシ成分とを少なくとも含み、硬化剤として少なくとも2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート、特にウレタン結合を有する芳香族系ポリイソシアネートを含むものであることが好ましい。上述した熱溶着層がハイレトルト性を有する無延伸ポリプロピレン、またはポリブチレンテレフタレートから成る場合に、上述の組成を有する層間接着剤との併用により、高温時に本発明の真空断熱材の端部における接着力の経時的な低下を特に効果的に抑えることができる。
層間接着剤は、硬化促進剤、触媒、酸化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤等の任意の材料を含有していてもよい。
層間接着剤の融点としては、本発明の真空断熱材の使用温度よりも高いことが好ましく、200℃〜600℃の範囲内であることが好ましく、中でも250℃〜500℃の範囲内であることが好ましい。また、層間接着剤のガラス転移温度(Tg)としては、−60℃〜30℃の範囲内であることが好ましく、中でも−50℃〜20℃の範囲内であることが好ましい。
層間接着剤の融点およびガラス転移温度を上記範囲内とすることにより、上記層間接着剤が柔軟性および弾性を有するため、真空断熱材を形成する際に芯材の形状に合わせて追従させることができる。また、使用温度下において外包材を構成する各層の濡れ性が良好となるため、高い接着力を有することができ、真空断熱材の端部において剥離等の発生を防止することができる。さらに、低温と高温とが繰り返されるヒートサイクル(熱衝撃)が生じる環境下においても、外包材自体の劣化を抑制することができる。なお、層間接着剤の融点およびガラス転移温度は、示差操作熱量測定(DSC)によって測定された値である。
また、層間接着剤の分解温度としては、200℃〜600℃の範囲内であることが好ましく、中でも250℃〜550℃の範囲内であることが好ましい。層間接着剤の分解温度を上記範囲内とすることにより、本発明の真空断熱材の使用温度下において、層間接着剤が熱劣化して接着力が低下するのを防ぐことができる。なお、上記層間接着剤の分解温度は、示差熱−熱重量同時測定(TG−DTA)によって測定した値である。
層間接着剤の接着力としては、0.5N以上であることが好ましく、中でも3N以上であることが好ましく、特に5N以上であることが好ましい。層間接着剤の接着力が上記範囲内にあることにより、本発明の真空断熱材の端部における剥離の発生を抑制することができる。なお、上記接着力は、JIS−Z−1707に基づいて測定された値である。
層間接着剤は、少なくとも熱溶着層と上記熱溶着層上に直接積層される他の層との層間に有することが好ましく、中でも外包材を構成する各層の層間に有することが好ましい。長期高温下においても高い接着力を示すことができるからである。熱溶着層上に直接積層される他の層とは、通常、ガスバリア層であることが多いが、例えば、アンカーコート層や耐ピンホール層等の他の層であってもよい。
(b)他の部材
上記外包材は、さらにアンカーコート層、耐ピンホール層等を有していてもよい。
(5)外包材
外包材は、保護層またはガスバリア層を複数有するものであってもよい。例えば、熱溶着層と保護層との間にガスバリア層を2層以上設けてもよく、熱溶着層およびガスバリア層の上に、保護層を2層以上設けてもよい。また、最外層として有する保護層の他に、熱溶着層とガスバリア層との間に別の保護層が設けられてもよい。
外包材は所望の引張強度を有することが好ましい。芯材および介在層を封入し、減圧密閉する際に芯材に密着させることが可能となり、また、本発明の真空断熱材を屈曲させる際に破断等を生じにくいものとなるからである。上記外包材の引張強度としては、具体的には50N以上であることが好ましく、中でも80N以上であることが好ましい。なお、上記引張強度は、JIS−Z−1707に基づいて測定した値である。
外包材の積層方法としては、特に限定されるものではなく、最外層を保護層とし、最内層を熱溶着層となるように、保護層、ガスバリア層および熱溶着層を少なくとも積層できる方法であればよく、公知の積層方法を用いることができる。上記積層方法としては、予め成膜した各層を上述した層間接着剤を使用して貼り合せるドライラミネーション法や、熱溶融させた保護層およびガスバリア層の各材料をTダイ等により押出して積層し、得られた積層体に層間接着剤を介して熱溶着層を貼り合せる方法等が挙げられる。
4.真空断熱材
本発明の真空断熱材は、複数の芯材間に屈曲性を有する介在層が配置されるものであるが、複数の芯材間の全てに上記介在層が配置されていてもよく、複数の芯材間のうち一部の芯材間に配置されていてもよい。すなわち、複数の芯材のうち一部の芯材同士は、介在層を介さずに直に接して配置されていてもよい。
また、本発明の真空断熱材においては、内部に占める介在層の割合が大きすぎると、相対的に芯材の占める割合が減少するため、上記真空断熱材が所望の断熱性能を示すことができない場合がある。そのため、真空断熱材の内部を占める介在層の割合は、芯材の占める割合よりも小さいことが好ましく、真空断熱材が後述する熱伝導率を示すことが可能となる範囲内で介在層の占有率を設定することができる。
本発明の真空断熱材は、内部が真空状態となるものであるが、具体的には内部の真空度が5Pa以下であることが好ましい。真空断熱材内部の真空度を上記範囲内とすることにより、内部に残存する空気の対流による熱伝導を小さいものとすることができ、優れた断熱性を発揮することが可能となる。
また、本発明の真空断熱材の熱伝導率は低いことが好ましく、例えば、25℃における熱伝導率(初期熱伝導率)が15mW/m・K以下であることが好ましく、中でも10mW/m・K以下であることが好ましく、特に5mW/m・K以下であることが好ましい。真空断熱材の熱伝導率を上記範囲とすることにより、上記真空断熱材は熱を外部に伝導しにくくなることから、高い断熱効果を奏することができるからである。なお、上記熱伝導率は、JIS−A−1412−3に従い熱伝導率測定装置オートラムダ(HC−074 英弘精機製)を用いた熱流計法により測定された値である。
本発明の真空断熱材はガスバリア性が高いことが好ましい。外部からの水分や酸素等の浸透による真空度の低下を防止することができるからである。真空断熱材のガスバリア性については、上述した「3.外包材」の項で説明したガスバリア性と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明の真空断熱材は、介在層の配置態様に応じて、好適に使用可能な部位が異なる。
介在層が第1態様で配置された真空断熱材は、上記介在層において屈曲角度の調節が可能となることから、例えば凹凸形状を有する部位、角度を有する部位等に好適とされる。
一方、介在層が第2態様で配置された真空断熱材は、芯材および介在層の滑り性の差の大小に応じて、湾曲可能な曲率の範囲が定まることから、例えば、曲面を有する部位等に好適である。
5.製造方法
本発明の真空断熱材の製造方法としては、複数の芯材間に介在層を配置し、上記複数の芯材および介在層を外包材により内包して減圧密閉し、内部を所望の真空度とすることが可能な方法であれば特に限定されるものではない。
図7は、本発明の真空断熱材の製造方法の一例を示す工程図である。図7で示されるように、まず、外包材1および1´を重ねて周縁のうち三方を封止した袋体Aを作成し(図7(a))、上記袋体Aの中に芯材2と、介在層を構成する微粒子3´とを交互に入れる(図7(b))。このとき、微粒子3´が堆積した部分が介在層3となる。次に、上記袋体Aの開口部から内部の空気を脱気および減圧Pし(図7(c))、最後に上記開口部を熱溶着して封止することにより、本発明の真空断熱材10を製造することができる。また、図示しないが、予め所望のパターンに成型した介在層の各空間に芯材を嵌め込んだもの、介在層と芯材とを接着剤等を用いて貼り合せたもの等を、外包材からなる袋体に入れて減圧密閉を行ってもよい。介在層と芯材とを貼り合せる場合の接着剤としては、例えば「3.外包材」の項で説明した層間接着剤を用いることができる。
6.用途
本発明の真空断熱材は、熱源部もしくは被保温部を有し、断熱性が求められる機器または、住宅等に用いることができる。なお、「熱源部」とは、機器自体が駆動することにより、当該機器本体または機器内部において発熱する部位をいうものであり、例えば電源やモーター等をいう。また、「被保温部」とは、機器本体または内部に熱源部を有さないが、上記機器が外部の熱源から熱を受けて、高温になる部位をいう。
熱源部もしくは被保温部を有し、断熱性が求められる機器等として、例えば、自然冷媒ヒートポンプ給湯機(登録商標「エコキュート」)、冷蔵庫、炊飯ジャー、ポット、電子レンジ、業務用オーブン、IHクッキングヒーター、OA機器等の電化機器、自動販売機、自動車等に用いること好ましい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(外包材の準備)
<層間接着剤の調製>
ポリエステルを主成分とする主剤と脂肪族系ポリイソシアネートを含む硬化剤、および酢酸エチルを、重量配合比が主剤:硬化剤:酢酸エチル=10:1:10となるように混合し、2液硬化型接着剤(以下、層間接着剤と称する。)を調製した。
<外包材の形成>
第1保護層として、両面に易接着処理が施された膜厚25μmのナイロンフィルム(ユニチカ株式会社製 製品名:ONM)の易接着面に、上述の配合比で調製した層間接着剤を塗布量3.5g/mとなるようにダイコーターを用いて塗布し乾燥させた。その後、第2保護層として両面を易接着処理された膜厚12μmのPETフィルム(ユニチカ株式会社製 製品名:PET)を、層間接着剤が塗布された第1保護層の表面にラミネートした。
次に、得られた2層フィルムのPETフィルム(第2保護層)面に、同様に層間接着剤を塗布量3.5g/mで塗布し乾燥させた。ガスバリア層として膜厚6μmのAl箔(住軽アルミ箔株式会社製 製品名:1N30)を、層間接着剤が塗布された第2保護層の表面にラミネートした。
続いて、得られた3層フィルムのAl箔(ガスバリア層)面に、同様に層間接着剤を塗布量3.5g/mで塗布し乾燥させた。熱溶着層として膜厚50μmの直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(三井化学東セロ株式会社製 製品名:FC−D)を、層間接着剤が塗布されたAl箔の表面にラミネートし、外包材を得た。
(封入工程)
上述した外包材を2枚重ねた周縁のうち三方を熱溶着により封止し、一方を開口部とした袋体を作成した。次に、芯材として、長さ35cm、幅12.5cm、高さ3cmのガラスウールを2枚準備し、図8(a)に示すように、真空断熱材における平面方向の2枚の芯材2(グラスウール)間に、減圧密閉後の厚さが0.6cmとなる介在層3が配置されるように粒径3mmのシリカゲルを上記袋体の開口部から挿入した。
続いて、袋内を減圧して脱気することにより内部の真空度を1.0Pa以下にし、上記開口部を熱溶着により封止して真空断熱材を得た。
[実施例2]
芯材として、長さ35cm、幅25cm、高さ1.5cmのガラスウールを2枚準備し、図8(b)に示すように、真空断熱材における厚さ方向の2枚の芯材2(グラスウール)間に、減圧密閉後に厚さが0.6cmとなる介在層3が配置されるように粒径3mmのシリカゲルを上記袋体の開口部から挿入したこと以外は、実施例1と同様にして真空断熱材を得た。
[比較例]
図8(c)に示すように、長さ35cm、幅25cm、高さ3cmの芯材2を用い、介在層となる材料を挿入しなかったこと以外は、実施例1と同様にして真空断熱材を得た。
なお、図8(a)〜(c)は、図1のX−X線断面に相当し、図8(a)〜(c)中のxで示す長さを芯材の幅、yで示す長さを芯材の高さとする。表1に減圧密閉前後の芯材の幅および高さ、ならびに減圧密閉後の介在層の厚さを示す。
[評価]
実施例1〜2および比較例で得られた真空断熱材について、熱伝導率および屈曲性の評価を行った。熱伝導率は、JIS−A−1412−3に従い熱伝導率測定装置 オートラムダ(HC−074、英弘精機製)を用いた熱流計法により測定した。
また、屈曲性については、直径10cmの円筒に手で巻きつけることができたものを○(屈曲性有り)、巻きつけることができなかったものを×(屈曲性無し)として判定した。評価結果を表1に示す。
Figure 2015055284
表1より、厚さ方向および平面方向の芯材間に介在層を設けた実施例1〜2の真空断熱材については屈曲させることができたが、介在層を設けなかった比較例の真空断熱材については屈曲させることができず、芯材間に介在層を設けることによる効果が示唆された。
1 … 外包材
2 … 芯材
3、3a、3b … 介在層
10 … 真空断熱材

Claims (4)

  1. 複数の芯材と、
    前記複数の芯材間に配置され、屈曲性を有する介在層と、
    前記複数の芯材および前記介在層を少なくとも内包する外包材と、
    を有することを特徴とする真空断熱材。
  2. 前記介在層は、前記真空断熱材の平面方向の前記芯材間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材。
  3. 前記介在層は、前記真空断熱材の厚さ方向の前記芯材間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材。
  4. 前記介在層は、ガスおよび水分のいずれかを少なくとも吸収する微粒子を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の真空断熱材。
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