JP2005106311A - 冷蔵庫及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 冷蔵庫において、真空断熱材を設置する外箱部分の強度を確保しつつ、真空断熱材を断熱箱体の交差部分にまたがって容易に設置することができるようにする。
【解決手段】
冷蔵庫は、外箱2と内箱4との間に真空断熱材20を配設すると共に発泡断熱材3を充填した断熱箱体1を備える。真空断熱材20は、剛性の芯材を有するほぼ平板状の剛性部20a、20cと、剛性部20a、20cの間に位置した可撓性を有する可撓部20bとを一体に併設して構成し、真空断熱材20の可撓部20bを変形させた状態で断熱箱体の交差部分に可撓部20bを配置すると共に外箱2の平面部分の裏面に剛性部20a、20cを配置している。
【選択図】 図2

Description

本発明は真空断熱材を使用した冷蔵庫及びその製造方法に関する。
従来の真空断熱材を使用した冷蔵庫としては、特開平10−205989号公報(特許文献1)に示されているように、外箱と内箱との間に真空断熱材を配設すると共に発泡断熱材を充填して断熱壁を形成した断熱箱体を備え、冷凍室の下方に位置する真空断熱材を断熱箱体の底壁の形状に沿って階段状に成形し、この真空断熱材を底壁の裏側に設置するようにしたものがある。
従来の真空断熱を使用した別の冷蔵庫としては、特開2001−165557号公報(特許文献2)に示されているように、外箱と内箱との間に真空断熱材を配設すると共に発泡断熱材を充填して断熱壁を形成した断熱箱体を備え、可撓性を有するシート状グラスウール集合体からなる芯材をガスバリア性フィルムによって被覆して可撓性を有するようにした真空断熱材を、機械室と冷凍室とを分離する断熱部に配設したものがある。
特開平10−205989号公報(図3)
特開2001−165557号公報(図1)
近年、ウレタン発泡断熱材で形成された断熱箱体内にウレタン発泡断熱材より断熱性能の良い真空断熱材を配設して、省エネルギーを図るようにした冷蔵庫が採用され始めてきた。冷蔵庫の省エネルギーの推進から考えれば、断熱箱体の出来るだけ多くの面積に真空断熱材を配設することが肝要である。そこで、冷蔵庫の断熱箱体の角部や曲がり部、即ち断熱壁が交差する部分についても真空断熱材を配設することが望まれる。これに配慮したものとして、上述した特許文献1及び特許文献2に示すものがある。
しかし、特許文献1の冷蔵庫は、断熱箱体の底壁の形状に沿った階段状の真空断熱材を使用するものであるため、このような複雑な形状で剛性を有する芯材を用いて真空断熱材を成形することは極めて困難である。そこで、真空断熱材全体に可撓性を有する芯材を用い、断熱箱体の底壁の形状に沿った階段状に変形することによって真空断熱材を形成することが考えられる。しかし、このような真空断熱材を用いた冷蔵庫では、真空断熱材自身の剛性が低いため、その真空断熱材を配設する底壁を十分に補強することができない。このため、冷蔵庫の製造時や輸送時などに、その底壁部分に外部荷重負荷が加わると、その底壁部分が容易に変形してしまうという問題が生ずる。
また、特許文献2の冷蔵庫は、芯材全体に可撓性を有するようにして真空断熱材を形成しているため、この真空断熱材を配設する部分の外箱を十分に補強することができない。このため、冷蔵庫の製造時や輸送時などに、その外箱部分に外部荷重負荷が加わると、その外箱部分が容易に変形してしまうという問題があった。
本発明の目的は、真空断熱材を設置する外箱部分の強度を確保しつつ、真空断熱材を断熱箱体の交差部分にまたがって容易に設置することができる冷蔵庫を提供することにある。
本発明の別の目的は、安価に真空断熱材を製作することができると共に、真空断熱材を設置する外箱部分の強度を確保しつつ、真空断熱材を断熱箱体の交差部分にまたがって容易に設置することができる冷蔵庫の製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、外箱と内箱との間に真空断熱材を配設すると共に発泡断熱材を充填した断熱箱体を備える冷蔵庫において、剛性の芯材を有するほぼ平板状の剛性部と前記剛性部の間に位置した可撓性を有する可撓部とを一体に併設して前記真空断熱材を構成し、前記真空断熱材の前記可撓部を変形させた状態で前記断熱箱体の交差部分に前記可撓部を配置すると共に前記外箱の平面部分の裏面に前記剛性部を配置したことを特徴とするものである。
本発明の好ましい例としては、前記可撓部を前記外箱の角部に隙間を有して配置し、前記隙間に前記発泡断熱材を充填したものである。
また、本発明の好ましい例としては、剛性の芯材を有する平板状の剛性部と前記剛性部の間に可撓性の芯材を有する可撓部とを一体に併設して前記真空断熱材を構成したものである。
また、本発明の好ましい例としては、2枚の外被材の間に剛性の芯材と粉体の芯材とを並置して収納して前記剛性部及び前記可撓部を構成し、前記可撓部の少なくとも一側に割り込みを形成したものである。
また、本発明の好ましい例としては、2枚の外被材の間に剛性の芯材と粉体の芯材とを並置して収納して前記剛性部及び前記可撓部を構成し、前記可撓部の少なくとも一側に割り込みを形成すると共に、前記可撓部の他側に凸部を形成し、前記凸部を前記外箱の角部側に収納して配置したものである。
前記別の目的を達成するために、本発明は、外箱と内箱との間に真空断熱材を配設した後に発泡断熱材を充填して断熱箱体を成形する冷蔵庫の製造方法において、剛性を有する剛性部とその剛性部の間に位置して可撓性を有する可撓部とを一体に併設して前記真空断熱材をほぼ平板状に形成し、この真空断熱材の前記可撓部を変形して、前記断熱箱体の交差部分に前記可撓部が位置し且つ前記外箱の平面部分の裏面に前記剛性部が位置するように前記真空断熱材を配設するようにしたことにある。
本発明の冷蔵庫によれば、剛性の芯材を有する平板状の剛性部と前記剛性部の間に可撓性を有する可撓部とを一体に併設して前記真空断熱材を構成し、前記真空断熱材の前記可撓部を変形させた状態で前記断熱箱体の交差部分に前記可撓部を配置すると共に前記外箱の平面部分の裏面に前記剛性部を配置したので、真空断熱材を設置する外箱部分の強度を確保しつつ、真空断熱材を断熱箱体の交差部分にまたがって容易に設置することができる。
本発明の好ましい例では、前記可撓部を前記外箱の角部に隙間を有して配置し、前記隙間に前記発泡断熱材を充填したので、外箱を組み立てるのに必要なフランジ部などを外箱の角部に設けていても真空断熱材の可撓部が邪魔にならず、しかも外箱の角部の強度を発泡断熱材により確保することができる。
本発明の好ましい例では、剛性の芯材を有する平板状の剛性部と前記剛性部の間に可撓性の芯材を有する可撓部とを一体に併設して前記真空断熱材を構成したので、真空断熱材の断熱面積を断熱箱体の交差部分まで拡大して断熱性能の向上を図ることができる。
本発明の好ましい例では、2枚の外被材の間に剛性の芯材と粉体の芯材とを並置して収納して前記剛性部及び前記可撓部を構成し、前記可撓部の少なくとも一側に割り込みを形成したので、可撓部の割り込みを利用して可撓部を容易に変形することができ、真空断熱材の設置作業を格段に向上することができる。
本発明の好ましい例では、2枚の外被材の間に剛性の芯材と粉体の芯材とを並置して収納して前記剛性部及び前記可撓部を構成し、前記可撓部の少なくとも一側に割り込みを形成すると共に、前記可撓部の他側に凸部を形成し、前記凸部を前記外箱の角部側に収納して配置したので、可撓部の割り込みを利用して可撓部を容易に変形することができ、真空断熱材の設置作業を格段に向上することができると共に、真空断熱材を断熱箱体の交差部分に面積を拡大して断熱性能を向上することができる。
本発明の冷蔵庫の製造方法によれば、剛性を有する剛性部とその剛性部の間に位置して可撓性を有する可撓部とを一体に併設して前記真空断熱材をほぼ平板状に形成し、この真空断熱材の前記可撓部を変形して、前記断熱箱体の交差部分に前記可撓部が位置し且つ前記外箱の平面部分の裏面に前記剛性部が位置するように前記真空断熱材を配設するので、安価に真空断熱材を製作することができると共に、真空断熱材を設置する外箱部分の強度を確保しつつ、真空断熱材を断熱箱体の交差部分にまたがって容易に設置することができる。
以下、本発明の複数の実施例を、図を用いて説明する。
本発明の第1実施例の冷蔵庫を、図1から図5を用いて説明する。
まず、本実施例の冷蔵庫の全体構成に関して図1を参照しながら説明する。図1は本発明の第1実施例を示す冷蔵庫の縦断面図である。
冷蔵庫の断熱箱体1は、鋼板製の外箱2と合成樹脂製の内箱4との間に真空断熱材20、30、30Aを配設すると共に発泡断熱材3を充填して形成されている。発泡断熱材3はそれ自身が接着力を持ったウレタン等により構成され、外箱2、真空断熱材20、30、30A、及び内箱4に接着されている。
真空断熱材20は、平板状で剛性を有する二つの剛性部20a、20cと、その二つの剛性部20a、20cの間に位置して可撓性を有する可撓部20bとを一体に併設されている。また、真空断熱材20は、その可撓部20bを変形させた状態で、断熱箱体1の交差部分に可撓部20bを配置すると共に、外箱2の平面部分の裏面に剛性部20a、20cを配置するように、断熱箱体1内に設けられている。具体的には、冷蔵室5a、野菜室5bを形成する断熱箱体1の断熱壁内に、冷蔵室5aを覆うように、かつ、前述の発泡断熱材3と積層にして、発泡断熱材3より断熱性能の良い真空断熱材20を配設して、冷蔵室5aの周囲の断熱壁3a、3cからの熱漏洩量を低減している。
真空断熱材20の剛性部20aは、断熱箱体1の天井断熱壁3aからの熱漏洩量低減のため及び補強のために、外箱2の天井面2a内面に密着して設置されている。つまり、外箱2の天井面2aを物置として使用して、天井面2aに外部荷重負荷を与えた場合でも、天井面2aがその外部荷重負荷に耐えられるように、真空断熱材20の剛性部20aを天井面2aの内側に設置して補強する構成にしてある。
また、真空断熱材20の剛性部20cは、冷蔵室背面を形成する断熱箱体1の背面断熱壁3c内に、背面断熱壁3cからの熱漏洩量低減のため及び冷蔵庫運搬時等の補強部材として、背面板7内面に密着して設置されている。つまり、冷蔵庫運搬時等に冷蔵庫の背面板7に外部荷重負荷を与えた場合でも、背面板7がその外部荷重負荷に耐えられるように、背面断熱壁3c内の背面板7の内面に設置して補強する構成にしてある。
そして、真空断熱材20の剛性部20a、20cは、断熱箱体1の断熱壁の交差する近傍で、真空断熱材20の可撓部20bに一体に形成されている。
真空断熱材30は、平板状で剛性を有する二つの剛性部30a、30cと、その二つの剛性部30a、30cの間に位置して可撓性を有する可撓部30bとを一体に併設されている。また、真空断熱材30は、その可撓部30bを変形させた状態で、断熱箱体1の交差部分に可撓部30bを配置すると共に、外箱3の平面部分の裏面に剛性部30a、30cを配置することにより、断熱箱体1内に設けられている。具体的には、冷凍室6a、6bを形成する断熱箱体1の断熱壁内には、野菜室5b、冷凍室6aを覆うように、かつ、前述の発泡断熱材3と積層にして、発泡断熱材3より断熱性能の良い真空断熱材30を配設し、野菜室5b、冷凍室6aの周囲の断熱壁3d、3fからの熱漏洩量を低減している。
真空断熱材30の剛性部30a、30cは、野菜室5b、冷凍室6aを形成する断熱箱体1の背面断熱壁3dや底面断熱壁3fからの熱漏洩量の低減のため及び冷蔵庫運搬時等の補強のために、外箱2の背面板7及び底板8の内面に密着して設置されている。つまり、冷蔵庫運搬時等に冷蔵庫の背面板7や底板8に外部荷重負荷を与えた場合でも、背面板7や底板8がその外部荷重負荷に耐えられるように、背面板7内面や底板8の内側に設置して補強する構成にしてある。そして、真空断熱材30の剛性部30a、30cは、断熱箱体1の断熱壁の交差する近傍で、真空断熱材30の可撓部30bに一体に形成されている。
真空断熱材30Aは、冷凍室6bの下方に断熱壁を構成するように配置され、内箱4の裏面に密着している。
断熱箱体1は、天井断熱壁3a、背面断熱壁3c、3d、底面断熱壁3e、及び側面断熱壁の各断熱壁を有して構成されている。断熱箱体1には、前面を開口した複数の貯蔵室が形成されている。これらの貯蔵室は内箱4及び仕切り壁によって形成される。これらの貯蔵室は上下に配置され、上から冷蔵室5a、野菜室5b、冷凍室6a及び冷凍室6bの順に4段にそれぞれが区画形成されている。これらの貯蔵室5a、5b、6a、6bは、冷却器61によりそれぞれに適した所定の低温度に冷却される。なお、断熱箱体1の各面の壁厚は、20mmから50mm程度である。
扉5c、5d、6c、6dは貯蔵室5a、5b、6a、6bの前面開口を開閉するように設けられている。最上部に位置する冷蔵室5aの前面開口を開閉可能に閉鎖する扉5cは、断熱箱体1に回動可能に取り付けられている。野菜室5b、冷凍室6a及び冷凍室6bの開口前面を開閉可能に閉鎖する引き出し式扉5d、6c及び6dは、それぞれその背面に食品貯蔵容器を装着している。扉5c、5d、6c、6dにも必要に応じて真空断熱材が設置される。
冷凍サイクルは、圧縮機62、凝縮器63、減圧装置、冷却器61等を順次接続することにより構成されている。圧縮機62、凝縮器63は、断熱箱体1の背面下部に設けられた機械室内に配置されている。冷却器61は冷蔵庫の庫内に配置されている。送風機64は、貯蔵室5a、5b、6a、6bへ冷気を供給してそれぞれを冷却するためのものであり、冷蔵庫の庫内に配置されている。
次に、真空断熱材20と断熱箱体1との関係を、図2を参照しながら説明する。図2は図1のA部拡大断面図である。
天井断熱壁3aと冷蔵室の背面断熱壁3cとが交差する部分である交差部3bには、交差部3bの発泡断熱材3より断熱性能の良好な可撓部20bが設置されている。これにより、交差部3bからの熱漏洩量を低減することができる。可撓部20bは、外箱2の天井面2aと背面板7とで形成される角部との間に、隙間を有するように円弧状に配置されている。この隙間には、発泡断熱材3が充填される。従って、外箱2の角部に障害物(例えば、外箱2を組み立てるのに必要なフランジ部など)があっても、可撓部を有する真空断熱材20を配置することができると共に、隙間に充填された発泡断熱材3によって外箱2の角部を補強することができる。
なお、真空断熱材20の厚さ寸法T2は、断熱箱体の強度上から、断熱箱体の断熱壁厚さ寸法T1の二分の一から三分の一としている。なお、冷蔵庫の省エネルギー推進上から、断熱箱体の強度が許せば、真空断熱材の厚さ寸法T2を断熱箱体の断熱壁厚さ寸法T1とほぼ同じ厚さに設定しても良い。また、製造コスト低減上からは、真空断熱材の厚さ寸法T2をより小さくすることが望ましい。
次に、真空断熱材20の構成及び製作に関して図3を参照しながら説明する。図3は図1の冷蔵庫に組み込む冷蔵室側真空断熱材20の単独状態の断面図である。図3における真空断熱材20は冷蔵庫の断熱箱体1に組み込む前の状態を示している。なお、この真空断熱材20は、周縁部を平面投影面側に折り曲げられた後に、図2に示すように外箱2内に組み込まれる。
真空断熱材20は製造上容易な形状である略平板形状に製作される。剛性部20a、20cは真空断熱材の剛性を有する部分であり、天井面2aの内面及び背面板7の内面に密着するように設置され、外部荷重負荷が加わっても、その外部荷重負荷に耐えるだけの剛性を有するように形成されたほぼ平板状の剛性部である。
真空断熱材の可撓部20bは剛性部20aと剛性部20cとを両側に連結して形成されている。また、可撓部20bは、その製造が容易なように、製造時は図3に示すような略平板状に形成されるが、冷蔵庫組み込み時に可撓部20b自身を撓ませて所定の角度θ(図2参照)と成るように折り曲げられるような可撓性を有して構成されている。つまり、折り曲げ部の内側には、割り込み22a、22b、22cの如き平板状真空断熱材の板厚中央側に入り込む割り込みが複数箇所設けられ、折り曲げ部の外側には、上記割り込みに対応する窪み21a、21b、21cが設けられている。換言すると、可撓部20bは、折り曲げるときに引っ張り力の働く側に外被材21の窪み21a、21b、21cを設置し、折り曲げるときに圧縮力の働く側に外被材22の割り込み22a、22b、22cを設置してある。これによって、可撓部20bを所定の角度θに容易に折り曲げられるようになっている。
外被材22の割り込み22a、22b、22cは、それぞれ所定の割り込み深さD、D、D、及び所定の割り込み角度θ、θ、θに設定されている。即ち、割り込み角度θ、θ、θがそれぞれ零になるまで折り曲げたときに、可撓部20b全体の角度が図2に示すθと成るように構成されており、かつ、折り曲げた状態でも外被材22が損傷しないような割り込み深さD、D、Dに形成されている。また、外被材21の窪み21a、21b、21cは、可撓部20bを所定の角度θに折り曲げたときでも、引っ張り力により窪み部分の外被材21自身が延びることにより、外被材21自身が損傷しないように、窪み深さD、D、及びDを所定の寸法に設定してある。
なお、平板状真空断熱材20の板厚中央側に入り込む窪み21a、21b、21cと、割り込み22a、22b、22cとの頂部間の肉厚寸法D,D、Dは、平板状真空断熱材20の板厚寸法Tの約二分の一以下にするのが折り曲げ性の上で望ましい。
次に、真空断熱材20の具体的構成に関して、図3を参照しながら説明する。
外被材21及び22は、金属箔の両面を有機材等で被覆したガスバリア性フィルムから成っている。2枚の外被材21及び22の内部には、後述する芯材23、24及び25を密閉して、内部を所定の真空度に減圧保持することにより、真空断熱材としての良好な断熱性能を有する構成にしてある。
芯材23及び25は、剛性部20a部及び剛性部20c部内に設けられた芯材であり、ガラス繊維(JISA9504の人造鉱物繊維保温材)等に珪酸ソーダ等無機系のバインダー剤を配合して、加熱圧縮して成形した剛性を有する芯材である。この剛性を有する芯材23及び25は、天井面2aの内面や背面板7の内面に設置して、外部荷重負荷が加わっても、その外部荷重負荷に耐えるだけの剛性を有するように形成された芯材である。
芯材24は、可撓部20b部内に設けられた芯材であり、シリカパウダーやガラス繊維の端材を粉砕したもの等の粉体で形成された可撓性を有する芯材である。この可撓性を有する芯材24は、製造時は図3に示すように略平板状に形成され、冷蔵庫に組み込むときは図2に示すように、所定の角度θに折り曲げられるような可撓性を有している。芯材24はシリカパウダーやガラス繊維の端材を粉砕したもの等の粉体のみで形成するのが望ましいが、製造後に折り曲げる所定の角度θの程度により、珪酸ソーダ等無機系のバインダー剤を少量添加しても良い。
なお、外被材の割り込み22a、22b及び22cの深さ寸法D、D及びD、または割り込み角度θ、θ及びθは、可撓部20bの芯材24の可撓性の程度により、また、真空断熱材自身の厚さT寸法により、その深さ寸法または割り込み角度を設定するものである。また、本実施例では、図3の所定の角度θが約90度近辺であるので、真空断熱材20を製造時に図3に示すように略平板状(即ち、θが約180度)にして成形したが、図2の角度θが90度より鋭角の場合は、可撓部20bをある程度折り曲げた所定の角度θ{この場合は(θ)<(180度)}としても良い。
本実施例の冷蔵庫は、平板状の真空断熱材中に、剛性を有する剛性部20a、20cと可撓性を有する可撓部20bとを併設し、断熱壁3a、3cが交差する部分3bに可撓部20bを配設した真空断熱材20としたので、断熱箱体1の平面状断熱壁3a、3cは勿論、断熱壁3a、3cが交差する部分3bまで、断熱性能の良好な真空断熱材20で覆えるため、真空断熱材20のカバー率が向上し、断熱箱体1の熱漏洩量の少ない省エネルギー型冷蔵庫を提供できる。
また、真空断熱材20の可撓性を有する部分20bをほぼ平板状で製造するので、製造コストの割安な真空断熱材を提供できる。
また、真空断熱材20の剛性を有する剛性部20a、20cを、外箱2の内面に配設したので、剛性を有する真空断熱材20が補強となり、外部荷重負荷が加わっても断熱箱体1の外表面が変形し難いものとすることができる。
また、真空断熱材20の可撓部分に粉体からなる芯材24を充填し、粉体の芯材24充填する部分の厚さを局部的に減少し、その減少部をもって真空断熱材20を所定角度に折り曲げるようにしたので、冷蔵庫に組み込む時に折り曲げても、あるいはハンドリング時に折り曲がっても、真空断熱材20の外被材21、22が損傷され難く、長期間断熱性能の良い状態を保持できる。そして、必要に応じて可撓部分を曲げられるので、運搬性や保管性の良好な真空断熱材20を提供できる。
次に、真空断熱材30と断熱箱体1との関係を、図4を参照しながら説明する。図4は図1のB部拡大断面図である。
冷凍室6aの背面断熱壁3dと底面断熱壁3fとが交差する交差部3eには、交差部3eの発泡断熱材より断熱性能の良好な真空断熱材30の可撓部30bが設置されている。これにより、交差部3eからの熱漏洩量を低減することができる。交差部3eの背面板下部7aと底板奥部8aとの角部(換言すれば、交差部3eの隅部)に発泡断熱材等の未充填部が生じないように、真空断熱材30に凸部30eを設けて設置してある。つまり、断熱壁3d、3fの交差する交差部3eに真空断熱材30を設置した後に、ウレタン等の発泡断熱材5を現場発泡しても、交差部3eの隅部に発泡断熱材3の未充填部が生じないように、可撓性部30bの一部に背面板下部7aと密着する凸面32cおよび、底板奥部8aと密着する凸面32bを形成している。
次に、真空断熱材30の構成及び製作に関して図5を参照しながら説明する。図5は図1の冷蔵庫に組み込む冷凍室側真空断熱材30の単独状態の断面図である。図5における真空断熱材30は冷蔵庫の断熱箱体1に組み込む前の状態を示している。なお、この真空断熱材30は、周縁部を平面投影面側に折り曲げられた後に、図4に示すように外箱2内に組み込まれる。
真空断熱材30は、製造上容易な形状である略平板形状(θをほぼ180度)に製作される。剛性部30a及び30cは真空断熱材30の剛性を有する部分であり、冷蔵庫運搬時等の外部荷重負荷に耐えられるように、背面板7の内面及び底板8の内面に密着するように設置されている。剛性部30a及び30cは、その内部に、ガラス繊維等に珪酸ソーダ等無機系のバインダー剤を配合して、加熱圧縮して成形した剛性を有する芯材33及び35を有している。
真空断熱材20の可撓部30bは、剛性部30aと剛性部30cとを両側に連結して形成されている。可撓部30bは、その内部に、シリカパウダーやガラス繊維の端材を粉砕したもの等の粉体で形成された可撓性を有する芯材34を有している。また、可撓部30bは、その製造が容易なように、製造時は図5に示すような略平板状に形成されるが、冷蔵庫組み込み時に可撓部30b自身を撓ませて、所定の角度θ(図4参照)と成るように折り曲げられるような可撓性を有して構成されている。つまり、可撓部30bは、折り曲げるときに引っ張り力の働く側に外被材32の窪み32a及び32dが設けられ、折り曲げるときに圧縮力の働く側に外被材31の割り込み31a及び31bが設けられており、可撓部30bを所定の角度θに容易に折り曲がるように構成されている。
外被材31の割り込み31a及び31bは、それぞれ所定の割り込み深さと所定の割り込み角度θ及びθに設定されている。即ち、割り込み角度θ及びθがそれぞれ零になるまで折り曲げたときに、可撓部30b全体の角度が図4に示すθと成るように構成されており、かつ、折り曲げた状態でも外被材31が損傷しないような割り込み深さに形成されている。また、外被材32の窪み32a及び32dは、可撓部30bを所定の角度θに折り曲げたときでも、引っ張り力により窪み部分の外被材32自身が延びることにより、外被材32自身が損傷しないような窪み深さに設定してある。これらを換言すれば、図5に示すように、折り曲げ部の内側には、割り込み31a、31bの如き平板状真空断熱材の板厚側に入り込む割り込みが複数箇所設けられ、折り曲げ部の外側には、割り込み31a、31bに対応する窪み32a、32bが平板状真空断熱材30の板厚中央側に入り込む形状に設けられている。
また、可撓部30bの凸部30eは、図5に示すθを図4に示すθに変形させた時に、凸面32bと剛性部30aの外被材表面32eとがほぼ同一平面と成って底板8の内面に密着し、同時に、凸面32cと剛性部30cの外被材表面32fとがほぼ同一平面と成って、背面板7の内面に密着するように形成されている。
本実施例においては、真空断熱材30の可撓部30bに粉体からなる芯材34を充填し、粉体の芯材34の充填部の厚さを局部的に増加し、その増加した粉体の芯材34の充填部を断熱壁3d、3fが交差する所に配設するようにしたので、断熱壁3d、3fが交差する角部や曲がり部まで断熱性能の良好な真空断熱材を設置した省エネルギー型の冷蔵庫を提供できる。
次に、本発明の第2実施例の冷蔵庫を、図6を用いて説明する。図6は本発明の第2実施例の冷蔵庫の説明図である。図6(a)は同冷蔵庫の縦断面図、(b)、(c)は同冷蔵庫に用いる真空断熱材の成形工程を示す図である。なお、第2実施例の説明において、第1実施例と共通する部分の重複する説明は省略する。この第2実施例の冷蔵庫において、第1実施例と共通する構成においては同じ効果を奏するものである。
冷蔵庫の断熱箱体9の天井断熱壁及び背面断熱壁は、図6(a)に示すように、ウレタン等の発泡断熱材13と、発泡断熱材13より断熱性能の良い真空断熱材40Aとの積層壁で形成されている。真空断熱材40Aは、第1実施例の真空断熱材20の背面側の剛性部が下方に延びて形成されたものに相当している。
冷蔵庫の断熱箱体9の底部断熱壁9aは、図6(a)に示すように、ウレタン等の発泡断熱材13と、発泡断熱材13より断熱性能の良い真空断熱材40との積層壁で形成されている。底部断熱壁9aの底面板は、第一の底面板10と、第二の底面板12と、第一の底面板10と第二の底面板12とを所定の角度で連結する傾斜底面板11と、により構成されている。これによって、断熱箱体9の底部断熱壁は、水平上部断熱壁と、傾斜断熱壁と、水平下部断熱壁とから構成されることとなり、それぞれの断熱壁にまたがって真空断熱材40が配置されている。
底面板の発泡断熱材側に設置される真空断熱材40は、図6(b)に示すように、底部断熱壁9aの底面板の形状に沿う状態に変形されて設置されるが、冷蔵庫組み込み以前の状態は図6(c)に示すように略平板状である。真空断熱材40は、剛性を有する剛性部40a、40c、及び40eと、可撓性を有する可撓部40b、40dとを備えて構成されている。
剛性部40a、40c、及び40eは、その内部に、ガラス繊維等に珪酸ソーダ等無機系のバインダー剤を配合して、加熱圧縮して成形した剛性を有する芯材を有している。可撓部40bは剛性部40aと40cとを連結する部分であり、可撓部40dは剛性部40cと40eを連結する部分である。可撓部40b及び40dは、その内部に、シリカパウダーやガラス繊維の端材を粉砕したもの等の粉体で形成された可撓性を有する芯材を有している。
可撓部40b及び40dは、その製造工程においては図6(c)に示すように、ほぼ平板状に形成されており、冷蔵庫の断熱壁内に組み込まれたときは、図6の(b)に示すような階段状に形成できるように、割り込み部42aあるいは41b及び窪み部41aあるいは42bを一体に構成している。つまり、図6(c)に示す可撓部40bあるいは40dの割り込み角度θ10あるいはθ11が零に成るように、可撓部40bあるいは40dを折り曲げることにより、図6(b)に示す設置角度θ12あるいはθ13と成るように構成されている。
なお、窪み41aあるいは42bは、可撓部40bあるいは40dを折り曲げても、真空断熱材40が損傷しないようにするために設けたものである。換言すれば、図6(c)に示すように、折り曲げ部の内側には、割り込み42a、41bの如き平板状真空断熱材40の板厚中央側に入り込む割り込みが複数箇所設けられ、折り曲げ部の外側には、割り込み42a、41bに対応する窪み41a、42bが平板状真空断熱材40の板厚中央側に入り込むように設けられている。
本実施例によれば、複数の可撓部40b及び40dを有しているため、複雑な形状の断熱壁に真空断熱材40を適用することができる。そのような場合であっても、真空断熱材40を略平板状に製作するので、容易に且つ安価に製作することができる。
次に、本発明の第3実施例の冷蔵庫を、図7及び図8を用いて説明する。なお、第3実施例の説明において、第1実施例と共通する部分の重複する説明は省略する。この第3実施例の冷蔵庫において、第1実施例と共通する構成においては同じ効果を奏するものである。
図7は本発明の第3実施例の冷蔵庫の要部断面図である。図7に示すように、交差部3Lは、冷蔵庫の天井断熱壁3Kと背面断熱壁3Mとが交差する部分である。この交差部3Lには、交差部3Lの発泡断熱材3より断熱性能の良好な真空断熱材50が設置されている。これにより、交差部3Lからの熱漏洩量を低減することができる。つまり、真空断熱材50は第一の剛性部50aと第二の剛性部50cとを可撓部50bで連結し、その剛性部50a、50cの稜線部50a1と50c1とを近接して設置することにより、断熱壁の交差部3Lからの熱漏洩量をより一層低減するようにしている。
なお、真空断熱材50の厚さ寸法Tは、通常は断熱箱体壁の強度上から、断熱箱体の断熱壁厚さ寸法Tの二分の一から三分の一とするが、冷蔵庫の省エネルギー推進上から、真空断熱材の厚さ寸法Tを断熱箱体の断熱壁厚さ寸法Tとほぼ同じ厚さに設定しても良く、また、製造コスト低減上からは、真空断熱材の厚さ寸法Tをより小さくしても良い。
図8は本実施例に用いる真空断熱材50の製造時の断面図であり、冷蔵庫の断熱箱体に組み込む前の状態を示している。真空断熱材50は、製造上容易な形状であるようにθ14をほぼ180度に形成してある。
真空断熱材50の可撓部50bの両側に、第一の剛性部50aと第二の剛性部50cとを一体に連結形成している。従って、第一の剛性部50aと第二の剛性部50cとは可撓部50bを介して一体に形成されている。可撓部50bは真空断熱材50の可撓性を有する外被材51及び52が互いに密着して形成されており、図7に示すような形状に折り曲げ可能に形成されている。可撓部50bは、断熱性能の良好な芯材53或いは芯材55を内包する剛性部の稜線部50a1と50c1とが、冷蔵庫に組み込んだときに近接できるように所定の幅W2を有して構成されている。
なお、真空断熱材50の外被材51及び52は、アルミ箔等の金属箔にポリエチレン樹脂等を被覆したガスバリア性と可撓性を有する有機材フィルムにより形成されるが、可撓部50bの幅W2のうちの所定寸法W1寸法(この場合W1<W2)のみはアルミ箔等の金属箔を除去した有機材フィルムのみの部分51a及び52aとして、可撓部50bの可撓性を更に向上させる構成にしてもよい。
本発明の第1実施例を示す冷蔵庫の縦断面図である。 図1のA部拡大断面図である。 図1の冷蔵庫に組み込む冷蔵室側真空断熱材20の単独状態の断面図である。 図1のB部拡大断面図である。 図1の冷蔵庫に組み込む冷凍室側真空断熱材30の単独状態の断面図である。 本発明の第2実施例の冷蔵庫の説明図である。 本発明の第3実施例の冷蔵庫の要部断面図である。 図7の冷蔵庫に用いる真空断熱材の単独状態の断面図である。
符号の説明
1…断熱箱体、2…外箱、3…発泡断熱材、3a…天井断熱壁、3c、3d…背面断熱壁、3f…底面断熱壁、4…内箱、7…外箱の背面板、8…外箱の底板、20、30、40、50…真空断熱材、20a、20c…真空断熱材の剛性部、20b…真空断熱材の可撓部、21、22…外被材、23、25…剛性を有する芯材、24…可撓性を有する芯材。

Claims (6)

  1. 外箱と内箱との間に真空断熱材を配設すると共に発泡断熱材を充填した断熱箱体を備える冷蔵庫において、
    剛性の芯材を有するほぼ平板状の剛性部と前記剛性部の間に位置した可撓性を有する可撓部とを一体に併設して前記真空断熱材を構成し、前記真空断熱材の前記可撓部を変形させた状態で前記断熱箱体の交差部分に前記可撓部を配置すると共に前記外箱の平面部分の裏面に前記剛性部を配置した
    ことを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記可撓部を前記外箱の角部に隙間を有して配置し、前記隙間に前記発泡断熱材を充填したことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 剛性の芯材を有する平板状の剛性部と前記剛性部の間に可撓性の芯材を有する可撓部とを一体に併設して前記真空断熱材を構成したことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  4. 2枚の外被材の間に剛性の芯材と粉体の芯材とを並置して収納して前記剛性部及び前記可撓部を構成し、前記可撓部の少なくとも一側に割り込みを形成したことを特徴とする請求項3に記載の冷蔵庫。
  5. 2枚の外被材の間に剛性の芯材と粉体の芯材とを並置して収納して前記剛性部及び前記可撓部を構成し、前記可撓部の少なくとも一側に割り込みを形成すると共に、前記可撓部の他側に凸部を形成し、前記凸部を前記外箱の角部側に収納して配置したことを特徴とする請求項3に記載の冷蔵庫。
  6. 外箱と内箱との間に真空断熱材を配設した後に発泡断熱材を充填して断熱箱体を成形する冷蔵庫の製造方法において、
    剛性を有する剛性部とその剛性部の間に位置して可撓性を有する可撓部とを一体に併設して前記真空断熱材をほぼ平板状に形成し、この真空断熱材の前記可撓部を変形して、前記断熱箱体の交差部分に前記可撓部が位置し且つ前記外箱の平面部分の裏面に前記剛性部が位置するように前記真空断熱材を配設する
    ことを特徴とする冷蔵庫の製造方法。
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