JP2015055224A - 均一予混合圧縮自着火エンジンの燃焼制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストのデバイスで、各運転状態に合わせて、HCCIエンジンの着火時期と圧力上昇率を効果的に制御する。【解決手段】各気筒の吸気ポート1に到るまでの混合気供給系統に設けられた非熱平衡プラズマ発生装置2は、混合気に対しパルス状の放電を印加することで、混合気中に易着火領域を形成する。制御回路4は、エンジンに装着されたクランク角センサと負荷センサの検出値に基づいて、非熱平衡プラズマ発生装置2に印加する放電電圧、放電タイミング及び放電期間を制御し、クランク角センサの検出値に基づき、易着火領域が、各気筒の吸気行程中に、当該気筒の燃焼室に吸入されるよう、放電タイミングを制御するとともに、エンジンの回転数、負荷に応じて、放電電圧、放電期間を制御することにより、各気筒における着火時期と圧力上昇率を制御するようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、均一予混合圧縮自着火エンジン(以下、「HCCIエンジン」という。)の燃焼制御装置に関し、特に、着火時期と圧力上昇率を制御するための燃焼制御装置に関する。
HCCIエンジンは、ガソリンエンジンと同様に燃料を予混合気として供給することを前提とするものの、点火プラグを使用せず、圧縮行程時の自己着火で燃焼を開始するもので、ガソリンエンジンの低エミッション性と、ディーゼルエンジン並みの高効率を両立できる、未来のエンジンとして期待されている。
特許文献1には、エンジンシリンダ内に最小着火エネルギ以下のプラズマを生成するプラズマ生成部と、プラズマにマイクロ波を照射するマイクロ波照射部と、マイクロ波照射手段及びプラズマ生成手段に発振信号を送る制御装置と、制御装置に着火時期信号を送る着火時期信号発信装置とを備え、制御装置は、着火時期信号が表す着火時期より前の所定のタイミングにおいて、プラズマの生成及びマイクロ波の照射を行うことによって、シリンダ内にプラズマを生成する均一予混合圧縮自着火エンジンが記載されている。
特許文献2には、吸気ポートと、より着火性の低い第1の燃料を吸気ポートに噴射する第1の燃料噴射手段と、より着火性の高い第2の燃料を該燃焼室に直接噴射する第2の燃料噴射手段とを備え、両燃料噴射手段から供給された燃料を含む燃料混合気を圧縮して自着火させる圧縮着火内燃機関が記載されている。この圧縮着火内燃機関は、オゾン発生手段により発生されたオゾンを吸気ポートに供給するオゾン供給手段を備えている。
特開2009−36201号公報 特開2011−157940号公報
HCCIエンジンにおいては、燃焼の開始が化学反応の進展に依存するため、回転数や負荷に代表される運転状態の変化に伴い着火時期が大きく変動し、安定した動作を維持することが困難である。
特にエンジンが高負荷状態で動作する場合には、圧力上昇率が急激に上昇する傾向にあり、ノッキング等の異常燃焼の原因となり、最悪の場合、内燃機関損傷に到ってしまう。
このため、吸気温度を上昇させたり、バルブタイミングを可変にする機構を取り入れたり、EGR量を調整する等の機構により、運転状態に応じて着火時期を制御することが検討されている。
その他、特許文献1のように、マイクロ波を照射したり、特許文献2のように、複数燃料や添加物を用いる手法もあるが、構造が複雑で、コストアップを招く。しかも、着火時期を各運転状態に合わせて緻密に制御することが困難であり、ノッキング等の異常燃焼の原因となる、圧力上昇率をいかに制御するかについての検討がなされていない。
そこで、本発明の目的は、低コストのデバイスで、各運転状態に合わせて、着火時期を緻密に制御するとともに、圧力上昇率を効果的に制御することができる、HCCIエンジン用の燃焼制御装置を実現することにある。
上記の課題を解決するため、本発明の予混合圧縮自着火(HCCI)エンジンにおいては、各気筒の吸気ポートに到るまでの混合気供給系統に設けられ、混合気に対しパルス状の放電を印加することで、混合気中に易着火領域を形成する非熱平衡プラズマ発生装置と、前記非熱平衡プラズマ発生装置に放電電圧を印加する放電駆動回路と、エンジンに装着されたクランク角センサと負荷センサの検出値に基づいて、前記放電駆動回路が出力する放電電圧、放電タイミング及び放電期間を制御する制御回路とを備え、前記制御回路は、クランク角センサの検出値に基づき、前記易着火領域が、各気筒の吸気行程中に当該気筒の燃焼室に吸入されるよう、放電タイミングを制御するとともに、エンジンの回転数、負荷に応じて、前記放電電圧及び前記放電期間の少なくともひとつを制御することにより、各気筒における着火時期と圧力上昇率を制御するようにした。
本発明によれば、放電制御装置により、非熱平衡プラズマ発生装置がクランク角に同期して易着火領域を生成し、これが各シリンダの燃焼室に取り込まれ、圧縮行程時の自己着火で燃焼を開始する際の核となる。そして、非熱平衡プラズマ発生装置に印加する放電電圧、放電時間により、燃焼室内における易着火領域の強度、分布を制御することで、低コストの機器追加で、各気筒における着火時期と圧力上昇率を効果的に制御することができる。
なお、混合気だけではなく、吸入空気に対し、上記のように非熱平衡プラズマ発生装置による放電制御を行ってもよい。
図1は、実施例に係るHCCIエンジンの概略図を示す図である。 図2は、非熱平衡プラズマ発生装置による放電タイミングと、エンジンの吸入行程との関係を示す図である。 図3は、エンジン負荷及びエンジン回転数と、非熱平衡プラズマ発生装置による放電電圧、放電時間の制御目標値との関係を示す図である。 図4は、最適な燃焼時期にフィードバック制御を行う際の処理フロー図である。 図5は、実験装置の概略図である。 図6は、実験に用いた誘電体バリア放電の構造を示す図である。 図7は、非熱平衡プラズマ発生装置による放電の有無による着火特性の相違を示す図である。 図8は、非熱平衡プラズマ発生装置による放電電圧の相違による着火特性の相違を示す図である。 図9は、非熱平衡プラズマ発生装置によるパルス放電電圧の印加タイミングの相違による圧力上昇率特性の相違を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例について説明する。
まず、本発明の基本原理について説明する。
図1は、本実施例によるHCCIエンジンの概略図であり、吸気ポート1の上流側の吸気系統に、誘電体バリア放電(DBD)や、ストリーマ放電、グロー放電といった非熱平衡プラズマ発生装置2を設置し、内部を流れる混合気、あるいは、吸入空気に対して、非熱平衡プラズマを発生させる。
なお、非熱平衡プラズマは、電子温度は数万度以上という高温に達しているが、発生するイオンや中性分子、原子の温度はほとんど室温状態である非熱平衡状態にあり、吸気系統や非熱平衡プラズマ発生装置2が極度に温度上昇することはない。そのため、通常、混合気が吸気系統の内部で着火する危険性はきわめて少ないが、長時間の運転に備え、非熱平衡プラズマ発生装置2に冷却装置を組み込んで、一定の温度以下に維持することが好ましい。
非熱平衡プラズマ発生装置2に放電電圧を印加する放電駆動回路3は、エンジン負荷(アクセル開度等)、クランク角等の検出信号が入力される制御回路4により、放電電圧のタイミング、放電電圧、放電時間が制御されるようになっている。
ここで、非熱平衡プラズマ発生装置2としてDBD等を用いる場合には、制御回路により、例えば、60kHzの高電圧正弦波を所定のタイミングで所定の時間幅で、非熱平衡プラズマ発生装置より放電を行う。
次に非熱平衡プラズマが、混合気、吸入空気に与える化学変化について説明する。
(1)混合気の場合
吸気系統中を流れる混合気に非熱平衡プラズマが照射された場合、非熱平衡プラズマによる電子衝突等により、一部燃料分子の低温酸化反応が惹起されたり、水素が解離され、圧縮行程時、低温酸化反応が早期に開始され、燃焼室内に自己着火の核となる易着火領域が形成される。
(2)吸入空気の場合
直噴エンジン等の場合には、燃料が含まれていない吸入空気に非熱平衡プラズマが照射され、酸素がプラズマより解離し、オゾンに富んだ領域が形成される。このオゾン領域が、圧縮行程時に伴う加熱により酸素ラジカルに解離し、燃焼室内に直接噴射された燃料分子に作用し、燃焼室内に自己着火の核となる易着火領域が形成される。
吸気系統で形成された易着火領域あるいはオゾン領域を、各気筒の吸気行程時に燃焼室内に吸入させるため、図2に示されるように、非熱平衡プラズマ発生装置に放電電圧を印加するタイミングと、各気筒の吸気行程とを同期させる。
混合気あるいは吸入空気に非熱平衡プラズマを照射する場合、例えば、気筒♯1の吸気行程に同期して、非熱平衡プラズマ発生装置を放電させ、混合気中に易着火領域あるいはオゾン領域を形成し、これが、気筒♯1の吸気ポート、吸気バルブを通り、その燃焼室内に取り込まれる必要がある。
なお、放電タイミングは、図2に示すように、「易着火領域」あるいは「オゾン領域」が、吸気バルブが閉弁する直前に燃焼室内に導入されるようタイミングに合わせることが好ましい。
これは、吸気バルブの開弁当初に合わせて放電タイミングを設定した場合、シリンダー内部の流動で、易着火領域あるいはオゾン領域が分散し、自己着火の核としての作用が低減する可能性があるためである。
また、易着火領域を各気筒の限定された空間領域に形成するため、バルブ開閉タイミングだけではなく、バルブ部分の形状を工夫して流体的に易着火領域の拡散を防ぐ必要がある。
ここで、非熱平衡プラズマ発生装置の設置位置から気筒♯1の吸気ポートまでの距離をL、この間の混合気の平均流速をVとしたとき、易着火領域が吸気ポートに到達するまでの時間は、L/Vとなる。したがって、吸気バルブが開状態となるタイミング(クランク角センサ)から逆算して、L/Vだけ先だって、非熱平衡プラズマ発生装置による放電を開始する必要がある。なお、例えば、易着火領域を、吸気行程の終了間際(吸気バルブが閉弁する直前)に燃焼室内に注入させるために、吸気行程終了間際のタイミングから放電タイミングを逆算する。
ただし、Vは、特に回転数や負荷に関係するため、これらのパラメータに対応して、予め実験等で定めたデータベースからVを呼び出し、非熱平衡プラズマ発生装置の放電電圧印加タイミングを定める必要がある。
これは、吸入空気に非熱平衡プラズマを照射して、オゾン領域を形成する場合も同様である。
次に非熱平衡プラズマ発生装置への放電電圧と放電時間により、着火時期、圧力上昇率がどのように制御されるかについて説明する。
混合気に非熱平衡プラズマを照射する場合、非熱平衡プラズマ発生装置による放電電圧が高いときは、易着火領域が活性化された状態となり、着火時期を進角することができる。
非熱平衡プラズマ発生装置による放電時間が長いときには、「易着火領域」が拡大するため、やはり、着火時期を進角することができる。
このように、混合気中に放電を印加し、プラズマが照射されることにより生成された易着火領域がシリンダーに導入され、圧縮行程時に、易着火領域が核となり自己着火が発生する。
回転速度が高くなると、流速が増大し、吸気バルブの開弁時間が短くなるため、易着火領域に及ぼすエネルギー密度が減少するので、これを補完して着火を促進するため、放電電圧を高くする必要がある。
一方、高負荷運転状態では、圧力上昇率が急速に高まって、ノッキング等の異常燃焼が発生する可能性が高くなるため、放電電圧の印加時間を短縮する必要がある。
これにより、易着火領域を局所化し、異常燃焼を発生させることなく、着火時期を所期の値に制御することが可能となる。
逆に、自己着火が発生しにくい低負荷時や、あるいは、エンジンが低温状態となっている始動時、暖機等では、易着火領域を、燃焼室全体に行き渡らせることで、所期の着火時期と安定燃焼が得られるようにするため、放電電圧の印加時間を長くすることが必要となる。
以上から、横軸をエンジン負荷、縦軸を回転数とした動作マップ中における放電の制御パラメータは、図3のように設定される。
運転状態を、負荷と回転数に応じて、低負荷低回転領域、低負荷高回転領域、高負荷低回転領域、高負荷高回転領域の4つの領域に大きく分けると、一般的には、低負荷では、予混合気が希薄になるので着火が不安定、かつ遅角する傾向がある。そこで、全体の化学反応が進むように、印加する放電電圧のパルス幅を長くしたり、あるいは吸気行程の前半にパルスを印加することにより、シリンダー全体に易着火領域が均一に分布するようにする。
一方、高回転領域では、低回転時に比べて吸気弁が閉じてから圧縮、上死点に至る時間が短いので、印加電圧を高くして、化学反応が速く進むようにする。
また、高負荷領域においては、予混合気は比較的濃くなるため、圧縮自着火後に急激燃焼を惹起する傾向がある。そこで、化学反応が空間的に限定された領域から進展するように放電電圧のパルス幅を短くしたり、あるいは、放電電圧の印加タイミングを、易着火領域が、各気筒における吸気行程末期(吸気バルブの閉タイミング)に燃焼室内に導入されるよう、遅角させるようにする。
すなわち、基本的には高回転に対して高電圧化を、エンジン負荷の増大に対しては印加パルス幅の短パルス化を図る必要があり、実際の運用においては、さらに吸気温度の上昇などが基本的に着火の早期化をもたらすので、電圧を下げることによって対応することとなる。
そこで、制御回路には、まず、回転数と負荷に応じて、放電タイミング(クランク角度)、放電電圧、放電時間をそれぞれをデータベース化したマップを記録したメモリを接続し、入力されたアクセル開度、スロットル開度、吸入空気量(Q)を回転数(N)で除した値(Q/N)、吸気管負圧に代表される負荷センサからの情報、クランク角等の検出信号に基づいて、これらのマップから、放電タイミング、放電電圧、放電時間を呼び出し、基本制御量を設定とする。
これに加え、実際の運転時に、エンジン筒内圧力、失火やノッキングを検出し、失火した場合には、放電時間を長くする方向に、着火時期が遅かった場合には、放電電圧を増大させる方向に、また、ノッキングが検出された場合には、印加パルス幅を短く方向に、放電電圧、放電時間の制御量を補正したり、各マップのデータを修正するなどの学習制御を行うことが好ましい。なお、こうした学習補正には、排気ガスの酸素濃度や、ノッキングセンサーなどの検出値を利用することもできる。
さらに、着火時期は、冷却水温度、燃焼室温度に加え、吸入空気の温度、圧力等によっても変化するので、上述の基本制御に加え、図4のフローチャートにあるように、圧力上昇率を、燃焼室圧力センサ、クランク角速度の変動率、エンジンに装着した振動センサなどで検出し、最適な燃焼時期にフィードバックするとともに、得られたフィードバック制御量により、基本制御量を学習制御するといった手段を採用することが好ましい。
ここで、エンジンの圧縮膨張行程を再現できる急速圧縮膨張装置(RCEM)を用いた実験結果について説明する。
この実験装置においては、図5に示すように、気化器(計量された吸入空気と燃料から混合気を形成する装置)の上流(吸入空気側)にDBD−1、下流(混合気側)にDBD−2を取り付け、各DBDによる放電の有無、放電時間、放電タイミングを変更することで、燃焼がどのように変化するかを観測した。
この実験では、非熱平衡プラズマ発生装置として、誘電体バリア放電(DBD)を利用し、図6に示すように気化器の上流側及び下流側に接続される銅製の混合気導入管5に孔を明け、シリコン樹脂被覆配線6を約5cmの長さに挿入し、接着剤で封止した簡易なものを、図5におけるDBD−1、DBD−2として用いた。
このシリコン樹脂被覆配線に、±3kV程度で60kHzの高電圧正弦波を印加すると、シリコン樹脂が誘電体バリアとなり、金属配管とシリコン樹脂配線の間で放電を生じる。
DBD駆動回路はTTLシグナルの入力によって発信部が動作し、それをトランスにより昇圧して高電圧を出力するもので、高電圧正弦波はTTL信号がONになっている時間帯において継続して出力されている。
DBD−1、DBD−2の印加の有無による着火の状態を図7に示す。本実験では、急速圧縮膨張装置において、ピストンが下死点にある状態で、容積1リットルのシリンダ内部に、1分間充填した後、圧縮行程、爆発行程を行わせたものである。
実験条件は次のとおりである。
燃料:ノルマルヘプタン、圧縮比:5.8、λ(空燃比):2.6、初期温度:72℃
この実験条件では、急速圧縮膨張装置による全充填時間にわたって、DBD1(気化器上流)に±2.5kVの放電電圧を充填時間全体にわたり印加する実験を複数回繰り返した結果、燃焼開始に伴う圧力上昇は、左側2つの点線で示す上昇曲線の範囲となった。
すなわち、いずれの場合も、0.03秒付近で着火に伴う圧力上昇が開始され、その0.05(s)過ぎまで徐々に圧力が低下し、その後0.07(s)に到るまで急速に圧力が低下しており、実験間の変動が小さく、安定した着火時期、圧力上昇率が得られたことが確認できる。
これに対しDBD1に放電電圧を印加しないときは、右側の実線で示すように、燃焼開始に伴う圧力上昇が0.04〜0.05(s)と実験間で変動が大きく、不安定な着火時期、圧力上昇率となっている。
次に、DBD2を用いた実験例を示す。実験条件は前と同様な燃料、圧縮比を用い、λ:2.5である。印加する放電電圧と、着火時期・圧力波形との関係を、図8に示す。
放電電圧が6.2kVppのとき、着火に伴う圧力上昇が最も早く発生し、着火時期は0.042(S)前後となり、5.9kVppのとき、若干着火時期が遅れる。
放電電圧を5.4kVppに低下させたとき、着火時期は0.05(s)前後、5.0kVppに低下させたとき、0.055(s)前後となり、放電電圧を印加しないときは、薄い点線で示すように、着火が発生しなかった。
次に、パルス放電電圧印加時間と圧力波形における上昇率との関係を図9に示す。充填完了の15秒前に±3.2kV放電電圧を1秒間印加した場合の圧力波形を実線、充填完了直前に1秒間照射した場合の圧力波形を点線で示す。
充填完了の15秒前に放電電圧を印加した場合は、圧力が急激に立ち上がり、ピーク部分には、ノッキング特有の振動波形が明確に現れている。これは、易着火領域が早期に充填されたことから、燃焼室内に分散し、各所で燃焼が一斉に発生したことによる。
これに対し、充填完了直前に放電電圧を印加した場合には、充填完了の15秒前に放電電圧を印加した場合と比較して、圧力上昇が緩やかであり、ピーク部分の振動波形も、振幅が非常に小さくなっている。これは、易着火領域が吸気行程の末期に充填されたことにより、燃焼室内で分散することなく、易着火領域を核として広がる、安定した燃焼が発生したことによる。
以上説明したように、本発明によれば、エンジンの回転数、負荷に応じて、非熱平衡プラズマ発生装置に印加する放電電圧及び放電期間を制御するという、低コストの機器追加で、燃焼室内における易着火領域の強度、分布を制御することによって各気筒における着火時期と圧力上昇率を効果的に制御することができるので、予混合圧縮着火エンジンの実用化に向け、広く採用されることが期待できる。
1 吸気ポート
2 非熱平衡プラズマ発生装置
3 放電駆動回路
4 制御回路
5 銅製の混合気導入管
6 シリコン樹脂被覆配線


Claims (5)

  1. 予混合圧縮着火エンジンにおいて、
    各気筒の吸気ポートに到るまでの混合気供給系統に設けられ、混合気に対しパルス状の放電を印加することで、混合気中に易着火領域を形成する非熱平衡プラズマ発生装置と、
    前記非熱平衡プラズマ発生装置に放電電圧を印加する放電駆動回路と、
    エンジンに装着されたクランク角センサと負荷センサの検出値に基づいて、前記放電駆動回路が出力する放電電圧、放電タイミング及び放電期間を制御する制御回路とを備え、
    前記制御回路は、クランク角センサの検出値に基づき、前記易着火領域が、各気筒の吸気行程中に当該気筒の燃焼室に吸入されるよう、放電タイミングを制御するとともに、
    エンジンの回転数、負荷に応じて、前記放電電圧及び前記放電期間の少なくともひとつを制御することにより、各気筒における着火時期と圧力上昇率を制御するようにしたことを特徴とする予混合圧縮自着火エンジン。
  2. 予混合圧縮着火エンジンにおいて、
    各気筒の吸気ポートに到るまでの吸入空気供給系統に設けられ、吸入空気に対しパルス状の放電を印加することで、吸入空気中にオゾン領域を形成する非熱平衡プラズマ発生装置と、
    前記非熱平衡プラズマ発生装置に放電電圧を印加する放電駆動回路と、
    エンジンに装着されたクランク角センサと負荷センサの検出値に基づいて、前記放電駆動回路が出力する放電電圧、放電タイミング及び放電期間を制御する放電制御装置とを備え、
    前記放電制御装置は、クランク角センサの検出値に基づき、前記オゾン領域が、各気筒の吸気行程中に燃焼室に吸入されるよう、放電タイミングを制御するとともに、
    エンジンの回転数、負荷に応じて、前記放電電圧及び前記放電期間の少なくともひとつを制御することにより、各気筒における着火時期と圧力上昇率を制御するようにしたことを特徴とする予混合圧縮自着火エンジン。
  3. 前記制御回路は、エンジン負荷が低いほど、かつ、回転数が高いほど、前記非熱平衡プラズマ発生装置に印加する放電電圧を高めるようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の予混合圧縮自着火エンジン。
  4. 前記制御回路は、エンジン負荷が高いほど、かつ、回転数が高いほど、前記非熱平衡プラズマ発生装置に印加する放電時間を短縮するようにしたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の予混合圧縮自着火エンジン。
  5. 前記制御回路は、筒内圧力センサ、ノッキングセンサ、排気ガス中の酸素濃度を検出するOセンサの少なくともひとつの検出値に基づいて、前記放電電圧及び前記放電期間の制御量を補正する補正手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の予混合圧縮自着火エンジン。

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