JP2000274249A - ガソリン内燃機関 - Google Patents

ガソリン内燃機関

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JP2000274249A
JP2000274249A JP11076367A JP7636799A JP2000274249A JP 2000274249 A JP2000274249 A JP 2000274249A JP 11076367 A JP11076367 A JP 11076367A JP 7636799 A JP7636799 A JP 7636799A JP 2000274249 A JP2000274249 A JP 2000274249A
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engine
combustion chamber
electric field
fuel
frequency electric
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JP11076367A
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English (en)
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Takeshi Taniyama
剛 谷山
Kazuya Hasegawa
和也 長谷川
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02PIGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
    • F02P23/00Other ignition
    • F02P23/04Other physical ignition means, e.g. using laser rays
    • F02P23/045Other physical ignition means, e.g. using laser rays using electromagnetic microwaves

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  • Physics & Mathematics (AREA)
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  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料改質効果が高く低エミッション化を実現
できるガソリン内燃機関の提供を図る。 【解決手段】 高周波電界発生装置14によって圧縮行
程中に燃焼室4内に高周波電場を形成し、燃焼室4内の
混合気を誘電加熱して着火燃焼を行わせるため、誘電加
熱により燃料中の分子量の大きな炭化水素分子を分解し
て、分子量の小さい炭化水素分子に燃料改質できて燃料
消費率および排気性状の改善を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガソリン内燃機関に
関し、特に燃焼過程で燃料改質を行えて低エミッション
化を実現することができるガソリン内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】低エミッション化を目的として燃焼室に
供給された燃料を改質するようにした内燃機関として、
例えば特開平10−196471号公報に示されている
ように、圧縮行程中に炭化水素燃料を分解する波長のレ
ーザー光を照射するレーザー源を設けて、着火燃焼前に
レーザー光の照射によって炭化水素燃料の分解を行わせ
るようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】燃焼室内にレーザー光
を照射するためには該燃焼室に照射窓を設置する必要が
あるが、この照射窓は燃焼によって発生した煤等が付着
しやすいため、燃焼室内の炭化水素燃料へのレーザー光
エネルギーの伝達効率の低下は避けられない。
【0004】また、レーザー光が照射窓から反対側の燃
焼室内面に直接照射されるため、燃焼室内面が損傷する
可能性が高く、しかもレーザー光の発生・制御装置が非
常に高価でかつ小型軽量化が困難である等の問題が残さ
れている。
【0005】そこで、本発明は、燃焼室内面を損傷する
おそれがなく、しかも、燃料を確実に改質できて低エミ
ッション化を実現できるガソリン内燃機関を提供するも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にあって
は、燃焼室に高周波電界発生装置を設け、機関の圧縮行
程中に該高周波電界発生装置により燃焼室内に高周波電
場を形成し、該燃焼室内の混合気を誘電加熱して着火燃
焼するようにしたことを特徴としている。
【0007】請求項2の発明にあっては、請求項1に記
載の高周波電界発生装置としてマグネトロンを用いたこ
とを特徴としている。
【0008】請求項3の発明にあっては、請求項1,2
に記載の燃焼室に連なる吸気通路に電子制御スロットル
弁を備えていることを特徴としている。
【0009】請求項4の発明にあっては、請求項3に記
載のガソリン内燃機関の定常運転時は、電子制御スロッ
トル弁を全開保持させて、燃焼室への燃料供給量の調整
のみで負荷制御を行うようにしたことを特徴としてい
る。
【0010】請求項5の発明にあっては、請求項3に記
載の燃焼室に点火プラグを設けると共に、機関圧縮比を
10〜15に設定し、機関の低・中回転時は電子制御ス
ロットル弁を全開保持させて、燃焼室への燃料供給量の
調整のみで負荷制御を行うと共に、高周波電界発生装置
による誘電加熱で着火燃焼を行わせる一方、機関の高回
転時は燃料供給量に応じて電子制御スロットル弁の弁開
度調整を行うと共に、高周波電界発生装置を停止して点
火プラグにによる火花着火燃焼を行わせるようにしたこ
とを特徴としている。
【0011】請求項6の発明にあっては、請求項1〜5
に記載の燃焼室に燃料噴射弁を設けて、燃焼室内に直接
燃料を噴射供給するようにしたことを特徴としている。
【0012】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、高周波
電界発生装置によって圧縮行程中に燃焼室内に高周波電
場を形成し、燃焼室内に封入された混合気を誘電加熱し
て着火燃焼するため、この誘電加熱により燃料中のベン
ゼン等の分子量の大きな炭化水素分子を分解して、NO
x還元作用や煤の発生メカニズムを絶つ作用を持つ分子
量の小さい炭化水素分子を多量に発生させる燃料改質を
行うことができ、燃料消費率(熱効率)および排気性状
の改善を実現することができる。
【0013】また、高周波電界(マイクロ波)は、一般
に石油系燃料のような誘電率の大きな炭化水素系物質に
吸収されやすい性質をもっているため、高周波電界のエ
ネルギーを効率よく燃料に伝達することができて、高周
波電界発生に要する電気的エネルギーを最小限に抑える
ことができるから、機関全体での熱効率を高く維持する
ことができる。
【0014】しかも、高周波電界(マイクロ波)は燃焼
室内面を構成している金属面に対してはエネルギーを失
うことなく反射する性質を有し、燃料にエネルギー吸収
されるまで何度も燃焼室内を往復するため、エネルギー
伝達効率が非常に良好となって燃料改質効果を一段と高
められ、かつ、燃焼室内面に損傷を与える心配がないの
で機関の信頼性および耐久性を高めることができる。
【0015】また、誘電加熱の量とタイミングは電気的
に容易に制御できるため、どのような運転状態であって
も着火時期やその後の燃焼進行を最適になるように制御
することができ、しかも、火花点火と火炎伝播による通
常の燃焼形態と異なり、混合気が燃焼室内で全体的に一
挙に燃焼する圧縮自己着火機関と同様の燃焼形態が得ら
れて、燃焼を安定化できると共に燃料消費率および排気
性状の飛躍的な改善を図ることができる。
【0016】更に、従来混合気の着火性を高めるために
混合気を過濃にすることが行われているが、誘電加熱量
を十分高めることで着火性を向上できるため混合気を過
濃にしなくても良好な着火性が得られ、従って、特に排
気性状の改善が非常に困難である冷機始動時であっても
暖機後と同程度のクリーンな排気性状とすることができ
る。
【0017】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
の発明の効果に加えて、高周波電界発生装置として電子
レンジ等の家庭用電気調理器で広く普及している部品で
あるマグネトロンを用いているため、吸気ヒーターやレ
ーザー装置等に較べて極めて低コストで、かつ、高い応
答性と信頼性とを得ることができる。
【0018】また、マグネトロンは比較的小型、軽量部
品であるため機関設計が容易となりコスト的に非常に有
利であり、かつ、機関の総重量増加を抑制できるため、
燃料消費率を更に改善することができる。
【0019】請求項3に記載の発明によれば、請求項
1,2の発明の効果に加えて、電子制御スロットル弁に
よって吸入空気量を応答性よく制御できるため、より一
層安定した燃焼性を得ることができる。
【0020】請求項4に記載の発明によれば、請求項3
の発明の効果に加えて、機関の定常運転時は電子制御ス
ロットル弁を全開保持させて、燃焼室への燃料供給量の
調整のみで負荷制御を行わせるため、吸気損失のない圧
縮自己着火機関により近似した燃焼形態が得られて燃料
消費率をより一層向上できると共に、稀薄混合気での着
火燃焼が可能であるため筒内温度が低く、NOxの発生
を抑制できて排気性状をより一層向上することができ
る。
【0021】また、圧縮自己着火機関では機関圧縮比を
非常に高めなければ圧縮自己着火が成立しないが、前述
のように誘電加熱によって着火燃焼を良好に行えるた
め、機関圧縮比を通常の火花点火式ガソリン機関と同様
に低く設定できることから、機関の剛性を圧縮自己着火
機関のように殊更高める必要がなく、従って、高負荷運
転時のノッキング発生を回避できると共に通常の圧縮自
己着火機関と較べて低騒音・低振動の実現と軽量化によ
る燃料消費率の改善を実現できる。
【0022】請求項5に記載の発明によれば、請求項3
の発明の効果に加えて、燃焼室に点火プラグを設けると
共に、機関圧縮比を高回転時にノッキング発生のない1
0〜15の圧縮比に設定し、そして、高周波電界発生装
置と前記点火プラグとによる着火燃焼の切替え制御と、
電子制御スロットル弁の開度制御とによって、機関の低
・中回転時には誘電加熱で着火燃焼を行って低圧縮比で
ありながら圧縮自己着火機関と同様の燃焼形態とさせる
一方、機関の高回転時は低圧縮比設定によるノッキング
回避の下に点火プラグで火花着火燃焼を行わせて、それ
ぞれの回転域に合わせて最適な燃焼方式の運転を行わせ
ることができ、従って、低・中回転時の低燃費・低エミ
ッション化と、高回転時の高出力の確保との両立を図る
ことができる。
【0023】また、2つの燃焼運転方式を持つため、ど
ちらか一方の系統が故障しても容易に残りの一方の運転
方式に切り替えることができるため、安全性を高めるこ
とができる。
【0024】更に、低・中回転時はスロットル全開状態
であるため、高回転時における火花着火燃焼運転への切
替え時には、吸入空気量を瞬時に適切な量に変化させる
必要があるが、これを電子制御スロットル弁で可能にす
ることができるため運転切替え時にトルクショックを伴
うことがなく、機関の運転性を向上することができる。
【0025】請求項6に記載の発明によれば、請求項1
〜5の発明の効果に加えて、燃焼室内に直接燃料を噴射
供給する燃料噴射弁を設けてあるため、燃焼室内での空
気と燃料の混合を制御することが可能となり、その結
果、燃焼状態をより細かく制御することができて、燃料
消費率および排気性状をより一層改善することができ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面と
共に詳述する。
【0027】図1において、1はシリンダブロック、2
はシリンダヘッド、3はピストン、4はこれらシリンダ
ブロック1,シリンダヘッド2,およびピストン3で形
成された燃焼室、5は吸気ポート、6は吸気ポート5に
設けた吸気バルブ、7は排気ポート、8は排気ポート7
に設けた排気バルブを示す。
【0028】吸気ポート5の上流には吸気通路9が接続
されており、該吸気通路9に上流側から吸入空気量を検
出するエアフローメータ10と、スロットル弁としてエ
ンジンコントロールユニット13により開度制御される
電子制御スロットル弁11と、吸気ポート5内に燃料を
噴射する燃料噴射弁12とを、この順に配設してある。
【0029】燃焼室4には、該燃焼室4内に高周波電界
を発生させる高周波電界発生装置14を配設してある。
【0030】この高周波電界発生装置14は機関の圧縮
行程中に燃焼室4内に高周波電界を発生し得る位置、例
えば燃焼室4の吸気ポート5の開口部近傍位置に、その
出力部を燃焼室4内に臨ませて配設してある。
【0031】エンジンコントロールユニット13には、
機関運転条件を示す信号として、機関の回転数信号、負
荷信号、油水温信号、空気量信号等が各種センサから入
力されている。
【0032】該エンジンコントロールユニット13では
これら各種の入力信号にもとづいて演算処理を行い、電
子制御スロットル弁11、燃料噴射弁12に制御信号を
出力してスロットル開度を制御すると共に燃料噴射量と
噴射時期を制御する一方、高周波電界発生装置14の駆
動回路15に高周波電界信号を出力して、圧縮行程中に
該駆動回路15からの高電圧電流によって燃焼室4内に
高周波電場を形成し、該燃焼室4内の混合気を誘電加熱
して着火燃焼させるようにしてある。
【0033】前記高周波電界発生装置14としては、例
えば電子レンジ等の家庭用電気調理器で広く普及してい
る小型・軽量なマグネトロンを用いている。
【0034】図2の(イ),(ロ)は前記高周波電界発
生装置14の機関回転数、負荷による誘電加熱量のマッ
プを示している。
【0035】この高周波電界発生装置14により圧縮行
程中に誘電加熱で燃焼室4内の混合気を着火燃焼させる
場合、機関が高回転域になると1サイクル中の誘電加熱
時間の絶対長さが必然的に短くなってしまって加熱量が
不十分になりやすく、燃料の着火遅れ期間がクランク角
に対して相対的に長くなるので、燃料の殆どが圧縮上死
点後の膨張行程でピストン3が下降して行く時に燃焼し
てしまい、クランク軸を回転させる有効な仕事を取り出
すことが困難となりやすい傾向となる可能性がある。
【0036】従って、最適な着火開始時期とするために
は、機関が高回転になるほど燃料の着火遅れ時間を短縮
する必要から図2の(イ)に示すように高回転になるに
したがって誘電加熱量を大きくし、また、機関の負荷が
低くなるほど燃料供給量が少なくなるため圧縮行程中の
燃料の化学反応による発生熱が下がってしまうことか
ら、同図の(ロ)に示すように低負荷になるにしたがっ
て誘電加熱量を大きくしている。
【0037】このような誘電加熱量の制御マップをエン
ジンコントロールユニット13内にソフトウェア的に組
込んでおくことで、どのような回転数、負荷でも最適な
誘電加熱を高周波電界発生装置14によって行わせるこ
とができる。
【0038】また、機関の冷機時には燃料の気化が不十
分となって着火燃焼性が悪化することから、該冷機時に
は前記誘電加熱量を大きくする必要がある。
【0039】そこで、例えば図3に示すような機関の油
水温条件による誘電加熱量の補正係数マップを用いて、
エンジンコントロールユニット13により前記図2の
(イ),(ロ)に示した基本的な誘電加熱量を油水温条
件に応じて補正計算し、機関温度条件を加味した誘電加
熱量を決定する。
【0040】図4の(イ),(ロ)は前述の誘電加熱量
を具体的に変化させる場合の制御パラメータを示す図
で、誘電加熱量は電界発生時間、発生周波数、電界の強
さ、の3つのパラメータを変化させることで制御可能と
なる。
【0041】以上の実施形態の装置では、吸気バルブ6
が閉じている時期に燃料噴射弁12から該吸気バルブ6
に向けて燃料を噴射させ、燃焼室4より伝わる熱により
十分に熱せられた吸気バルブ6により燃料の気化促進が
図られる。
【0042】吸気行程で吸気バルブ6が開弁すると、こ
の気化が促進された燃料は新気と共に燃焼室4内に吸入
され、新気と十分に混合されて燃焼室4内の全体に広が
って分布される。
【0043】そして、圧縮行程に移行してピストン3の
上動によって燃焼室4内の混合気が圧縮されると、該混
合気は高温高圧にされるが、この圧縮行程中に高周波電
界発生装置1によって燃焼室4内に高周波電場が形成さ
れ、該燃焼室4内に封入された混合気は誘電加熱されて
外部着火エネルギーが付与されることによって着火燃焼
される。
【0044】ここで、前述のように圧縮行程中に燃焼室
4内に封入された混合気を誘電加熱するため、燃料中の
ベンゼン等の分子量の大きな炭化水素分子を分解して、
NOx還元作用や煤の発生メカニズムを絶つ作用を持つ
分子量の小さい炭化水素を多量に生成させる燃料改質を
行うことができ、従って、燃料消費率を改善することが
できると共に排気性状を改善できて低エミッションを実
現することができる。
【0045】特に、高周波電界(マイクロ波)は、一般
に石油系燃料のような誘電率の大きな炭化水素系物質に
吸収されやすい性質を持っているため、高周波電界のエ
ネルギーを効率よく燃料に伝達することができて、高周
波電界発生に要する電気的エネルギーを最小限に抑える
ことができるから、機関全体での熱効率を高く維持する
ことができる。
【0046】また、この高周波電界(マイクロ波)は、
燃焼室4の内面を構成している金属面に対してはエネル
ギーを失うことなく反射する性質を有しており、燃料に
エネルギー吸収されるまで何度も燃焼室4内を往復する
ため、エネルギー伝達効率が非常に良好となることから
前述の燃料改質効果が一段と高められ、しかも、燃焼室
4の内面に損傷を与える心配がないので機関の信頼性お
よび耐久性を高めることができる。
【0047】前記高周波電界発生装置14による誘電加
熱量と誘電加熱タイミングは、機関の運転条件に応じて
前述のようにエンジンコントロールユニット13および
駆動回路15によって適切に制御される。
【0048】このように、誘電加熱量および誘電加熱タ
イミングは電気的に容易に制御できるため、どのような
運転状態であっても着火時期やその後の燃焼進行を最適
になるように制御することができ、しかも、点火プラグ
による火花点火と火炎伝播とによる通常の火花着火燃焼
と異なり、混合気が燃焼室4内で全体的に一挙に燃焼し
て、圧縮自己着火機関と同様な燃焼形態が得られるた
め、燃焼を安定化できると共に混合気の稀薄化を行え
て、燃料消費率および排気性状の飛躍的な改善を図るこ
とができる。
【0049】また、誘電加熱量を十分に高めることで着
火性を向上できるため、特に排気性状の改善が非常に困
難であった冷機始動時であっても、暖機後と同程度のク
リーンな排気性状を実現することができる。
【0050】更に、本実施形態では電子制御スロットル
弁11によって吸入空気量を応答性よく制御できるた
め、より一層安定した燃焼性を得ることができる。
【0051】また、前述の高周波電界発生装置14とし
て電子レンジ等の家庭用電気調理器で広く普及している
部品であるマグネトロンを用いているため、吸気ヒータ
ーやレーザー装置等で外部着火エネルギーを付与するも
のと較べて極めて低コストで、かつ、高い応答性と信頼
性とを得ることができる。
【0052】しかも、マグネトロンは比較的小型、軽量
部品であるため機関設計が容易となりコスト的に非常に
有利であり、かつ、機関の総重量増加を抑制できるた
め、燃料消費率を更に改善することができる。
【0053】ここで、前記実施形態の構成において、機
関の定常運転時には電子制御スロットル弁11を全開保
持させて、燃料噴射弁12の燃料噴射量のみで負荷制御
を行わせるようにすることによって、吸気損失のない圧
縮自己着火機関により近似した燃焼形態が得られて燃料
消費率をより一層向上できると共に、稀薄混合気での着
火燃焼が可能であるため筒内温度が低く、NOx発生を
抑制できて排気性状をより一層向上することができる。
【0054】また、圧縮自己着火機関では機関圧縮比を
非常に高めなければ圧縮自己着火が成立しないが、前述
のように誘電加熱によって着火燃焼を良好に行えるた
め、機関圧縮比を通常の火花点火式ガソリン機関と同様
に低く設定できることから、機関の剛性を圧縮自己着火
機関のように殊更高める必要がなく、従って、高負荷運
転時のノッキング発生を回避できると共に通常の圧縮自
己着火機関と較べて低騒音・低振動の実現と軽量化によ
る燃料消費率の改善を実現することができる。
【0055】図5は本発明の第2実施形態を示すもの
で、この実施形態にあっては前記図1に示した第1実施
形態におけるシリンダヘッド2に、燃焼室4の中心部分
に臨んで点火プラグ16を設け、エンジンコントロール
ユニット13からの点火制御信号によって、点火回路1
7を介して該点火プラグ16で火花点火可能な構成とし
てある。
【0056】この第2実施形態では機関圧縮比を、高回
転時にノッキングを発生しない10〜15の範囲に設定
してあり、機関の低・中回転時には電子制御スロットル
弁11を全開保持させて、燃料噴射弁12の燃料噴射量
の調整のみで負荷制御を行わせると共に、高周波電界発
生装置14による混合気の誘電加熱で着火燃焼を行わせ
る一方、機関の高回転時は燃料供給量(負荷)に応じて
電子制御スロットル弁11の弁開度調整を行うと共に、
高周波電界発生装置14を停止して点火プラグ16によ
る火花着火燃焼を行わせるようにしている。
【0057】即ち、高周波電界発生装置14と点火プラ
グ16とによる着火燃焼の切替え制御と、電子制御スロ
ットル弁11の開度制御とによって、機関の低・中回転
時には誘電加熱で着火燃焼を行って低圧縮比でありなが
ら圧縮自己着火機関と同様の燃焼形態とさせる一方、機
関の高回転時は点火プラグ16で火花着火燃焼を行わせ
て、それぞれの回転域に合わせて最適な燃焼方式の運転
を行わせるようにしている。
【0058】図6は前記誘電加熱着火燃焼運転領域と火
花着火燃焼運転領域、およびこれら各運転領域における
要求スロットル弁開度を示しており、電子制御スロット
ル弁11は誘電加熱着火燃焼運転領域では全開位置に制
御され、運転切替え回転数を超えて火花着火燃焼運転領
域になると燃料供給量(負荷)に応じて適切な吸入空気
量が得られるスロットル弁開度に適正に開度制御され
る。
【0059】即ち、火花着火燃焼運転ではその着火燃焼
が火炎伝播が可能な稀薄限界空燃比以内の混合気でしか
成立しないため、燃料供給量(負荷)に応じて吸入空気
量を調整する必要がある一方、誘電加熱着火燃焼運転で
は要求スロットル弁開度は常に全開のままの状態が基本
となっているため、この誘電加熱着火燃焼運転から火花
着火燃焼運転へ切替え移行した際には、吸入空気量を瞬
時に適切な量に変化させなければならないが、これを電
子制御スロットル弁11によって適正に行わせることが
可能となる。
【0060】図7にこの第2実施形態の装置における運
転切替え制御の一例をフローチャートで示す。
【0061】図7のフローチャートにおいて、ステップ
1で図外の回転センサの検出信号にもとづいて、機関の
回転数が切替え回転数を超過しているか否かが判断され
る。
【0062】ステップ1で肯定(Yes)の場合、火花
着火燃焼運転領域と判断して、電子制御スロットル弁1
1を火炎伝播可能限界の空燃比(A/F)以内の空気量
となる弁開度に制御される(ステップ2)と共に、点火
プラグ16による火花着火燃焼が開始され(ステップ
3)、かつ、高周波電界装置14が停止される(ステッ
プ4)。
【0063】ステップ1で否定(No)の場合、誘電加
熱着火燃焼運転領域と判断して、高周波電界発生装置1
4により圧縮行程中に燃焼室4内に高周波電場を形成し
て誘電加熱を行う着火燃焼が開始される(ステップ5)
と共に、電子制御スロットル弁11が全開位置に開度制
御され(ステップ6)、かつ、点火プラグ16による火
花着火作動が停止される(ステップ7)。
【0064】前記ステップ3〜4にかけて、およびステ
ップ5〜7にかけては、何れも該誘電加熱による着火燃
焼と点火プラグ16による火花着火燃焼の両方が作用す
るようになるため、運転切替え時の失火が回避される。
【0065】このように第2実施形態の装置では、前述
のように高周波電界発生装置14と点火プラグ16とに
よる着火燃焼の切替え制御と、電子制御スロットル弁1
1の開度制御とによって、機関の低・中回転時には誘電
加熱で着火燃焼を行って低圧縮比でありながら圧縮自己
着火機関と同様の燃焼形態とさせる一方、機関の高回転
時は低圧縮比(ε=10〜15)設定の下に点火プラグ
16で火花着火燃焼を行わせて、それぞれの回転域に合
わせて最適な燃焼方式の運転を行わせることができる。
【0066】この結果、低・中回転時の低燃費・低エミ
ッション化と、高回転時の高出力の確保との両立を図る
ことができる。
【0067】また、2つの燃焼運転方式を持つため、ど
ちらか一方の系統が故障しても容易に残りの一方の運転
方式に切り替えることができるため、安全性を高めるこ
とができる。
【0068】更に、低・中回転時はスロットル全開状態
であるため、高回転時における火花着火燃焼運転への切
替え時には、前述の理由により吸入空気量を瞬時に適切
な量に変化させる必要があるが、これを電子制御スロッ
トル弁11で可能にしているため運転切替え時にトルク
ショックを伴うことがなく、機関の運転性を向上するこ
とができる。
【0069】前記第1,第2実施形態では何れも燃料噴
射弁12を吸気通路9に配設した燃料予混合タイプの機
関を示しているが、例えば図5に仮想線で示すように燃
料噴射弁12を燃焼室4に設け、該燃料噴射弁12によ
り燃料を直接燃焼室4内に噴射するようにすることもで
き、この場合、燃焼室4内での空気と燃料の混合を制御
することが可能となって、燃焼状態をより細かく制御す
ることができ、燃料消費率および排気性状をより一層改
善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す略示的説明図。
【図2】同実施形態の制御系で用いられる誘電加熱量の
制御マップ図。
【図3】同実施形態の制御系で用いられる誘電加熱量の
補正マップ図。
【図4】図2,3のマップにもとづく誘電加熱量制御の
制御パラメータ変化を示す説明図。
【図5】本発明の第2実施形態を示す略示的説明図。
【図6】同実施形態の制御運転領域を示す説明図。
【図7】同実施形態の制御動作を示すフローチャート
図。
【符号の説明】
1 シリンダブロック 2 シリンダヘッド 3 ピストン 4 燃焼室 9 吸気通路 12 燃料噴射弁 13 エンジンコントロールユニット 14 高周波電界発生装置 16 点火プラグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/02 310 F02D 41/02 310A Fターム(参考) 3G023 AA02 AA03 AA18 AB01 AB09 AC02 AC04 3G092 AA01 AA05 AA06 AB02 AB15 BB01 BB06 DC01 DE01S EA01 EA02 EA03 EA04 FA15 HA01Z HA06X HA06Z HA11Z HB01X HB01Z HB02X HB02Z HE01Z HE08Z 3G301 HA01 HA04 JA21 LA01 LB01 LB04 MA11 MA18 NC02 PA01Z PA11A PA11Z PA17Z PB03A PB03Z PB05A PB05Z PE01Z PE08Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室に高周波電界発生装置を設け、機
    関の圧縮行程中に該高周波電界発生装置により燃焼室内
    に高周波電場を形成し、該燃焼室内の混合気を誘電加熱
    して着火燃焼するようにしたことを特徴とするガソリン
    内燃機関。
  2. 【請求項2】 高周波電界発生装置としてマグネトロン
    を用いたことを特徴とする請求項1に記載のガソリン内
    燃機関。
  3. 【請求項3】 燃焼室に連なる吸気通路に電子制御スロ
    ットル弁を備えていることを特徴とする請求項1,2に
    記載のガソリン内燃機関。
  4. 【請求項4】 機関の定常運転時は、電子制御スロット
    ル弁を全開保持させて、燃焼室への燃料供給量の調整の
    みで負荷制御を行うようにしたことを特徴とする請求項
    3に記載のガソリン内燃機関。
  5. 【請求項5】 燃焼室に点火プラグを設けると共に、機
    関圧縮比を10〜15に設定し、機関の低・中回転時は
    電子制御スロットル弁を全開保持させて、燃焼室への燃
    料供給量の調整のみで負荷制御を行うと共に、高周波電
    界発生装置による誘電加熱で着火燃焼を行わせる一方、
    機関の高回転時は燃料供給量に応じて電子制御スロット
    ル弁の弁開度調整を行うと共に、高周波電界発生装置を
    停止して点火プラグによる火花着火燃焼を行わせるよう
    にしたことを特徴とする請求項3に記載のガソリン内燃
    機関。
  6. 【請求項6】 燃焼室に燃料噴射弁を設けて、燃焼室内
    に直接燃料を噴射供給するようにしたことを特徴とする
    請求項1〜5の何れかに記載のガソリン内燃機関。
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