JP2015055073A - 機械式駐車場の庫内確認装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 検出可能な形状に制限を受けることなく入出庫用バース内の人等を検出する。
【解決手段】 機械式駐車場の入出庫用バース101に設けたカメラ2と、その撮影画像を入力させる画像処理装置3により庫内確認装置1を形成する。画像処理装置3では、カメラ2の撮影画像が入力されると、撮影画像を構成しているすべての画素データを、予め設定された画像簡略化ルールに則って複数の画素データのグループに分け、更に、各グループを構成している複数の画素データのうちの一つの画素データをそれぞれ抽出して、抽出された画素データによる簡略化画像を生成させる。画像処理装置3では、或る時間間隔で順次生成させる簡略化画像同士を比較して、同じ位置の画素データ同士に色彩の変化が生じているか否かに応じて、入出庫用バース101内に人や動物や移動された物が存在しているか否かを判断させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、機械式駐車場の入出庫用のバース内に人等が残っていないことを確認するための機械式駐車場の庫内確認装置に関するものである。
機械式駐車場は、車両の乗り入れを行うための入庫バースと、車両の乗り出しを行うための出庫バースを個別に備えた構成、あるいは、入庫と出庫共用のバースを備えた構成とされている。更に、この種の機械式駐車場における入庫や出庫を行うためのバース(以下、入出庫用バースと云う)は、通常、その出入口を開閉させるための扉が設けられている。
これにより、前記機械式駐車場では、車両を入庫させる場合に、空のパレットを前記入出庫用バースの床部に配置させるための機械動作や、前記入出庫用バースにてパレット上に乗り入れた車両を該パレットごと車両格納個所へ搬送させるための機械動作を行うときには、該入出庫用バースの出入口を扉で閉じるようにし、これにより、該入出庫用バース内に人が立ち入れないようにしてある。同様に、車両を出庫させる場合には、出庫車両を車両格納個所から前記入出庫用バースまで搬送させるための機械動作や、車両出庫後に空となるパレットを、次の出庫に備えて別の個所へ移動させるための機械動作を行うときには、該入出庫用バースの出入口を扉で閉じるようにし、これにより、該入出庫用バース内に人が立ち入れないようにしてある。
したがって、前記機械式駐車場では、前記入出庫用バースにおける車両の入庫や出庫のために該入出庫用バースの出入口の扉を一旦開放操作した場合は、該扉の閉止操作、及び、前記したような入庫や出庫に伴う機械動作を開始させる前に、該入出庫用バース内に、人や、該人が持ち込んだ前記各機械動作に障害となる物、更には、該入出庫用バース内に進入した動物が残っていないことを確認する必要がある。
このような入出庫用バース内における人や物の有無を自動的に確認できるようにするための庫内確認装置としては、たとえば、入出庫用バース内にパッシブセンサ(受動赤外線検知器、感熱式センサとも称す)や、光学式センサ等のセンサを設置した構成が多く採用されている。
又、前記庫内確認装置の別のものとしては、前記入出庫用バース内にカメラを設置して、画像解析により人等の検出を行うことも考えられてきている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2002−106197号公報
ところが、機械式駐車場の入出庫用バース内に前記パッシブセンサや光学式センサを設けた形式の庫内確認装置では、該入出庫用バース内に人が残っていても、その人が止まっていると、検出できない虞がある。又、前記入出庫用バース内に置かれた物は、動きがないために検出することができないというのが実状である。
更に、前記パッシブセンサや光学式センサでは、入庫車両の中に残っている人間は検出することが困難である。
又、前記入出庫用バース内にカメラを設置して画像解析を行う形式の庫内確認装置では、画像解析装置に検出対象となる人や物の形状(パターン)を予め登録しておき、前記カメラにより撮影された画像内のものの形状について、前記予め登録された形状のデータとの適合性の大小を基に、前記入出庫用バース内に人や物が存在しているか否かの判断を行わせる必要がある。
したがって、前記従来の画像解析を行う形式の庫内確認装置では、入出庫用バース内のものの形状が撮影画像上で明確になるようにするために、高精細な解像度のカメラが必要とされ、それに伴って、処理すべき画像のデータ量が大きくなることから、画像処理に高い処理速度が要求される。
更に、前記従来の画像解析を行う形式の庫内確認装置は、前記したように予め形状が登録されているものしか検出できないため、検出対象に制限が生じると共に、検出範囲にも制限が生じるというのが実状である。更に、該庫内確認装置における人や物の存在の検出は、撮影画像内のものの形状と、登録されている形状とが適合するか否かが判断基準であるために、誤検知が生じ易い。
そこで、本発明は、機械式駐車場の入出庫用バース内における人の存在の有無を、カメラによる撮影画像を基に検出することができ、且つ、検出可能な形状に制限を受けることがなく、更に、前記従来の画像解析を行う形式の庫内確認装置に比して、画像処理すべきデータ量を大幅に削減することができて、画像処理装置に要求される処理速度を前記従来の庫内確認装置に比して低減させることができる機械式駐車場の庫内確認装置を提供しようとするものである。
本発明は、前記課題を解決するために、請求項1に対応して、機械式駐車場の入出庫用バースに設けたカメラと、該カメラの撮影画像を入力させる画像処理装置とを備え、且つ前記画像処理装置は、前記カメラの撮影画像が入力されると、該撮影画像を構成しているすべての画素データを、予め設定された画像簡略化ルールに則って複数の画素データのグループに分けると共に、該各グループを構成している複数の画素データのうちの一つの画素データをそれぞれ抽出して、該抽出された画素データによる簡略化された画像を生成させる機能と、前記抽出された画素データによる簡略化された画像を、一旦記憶し、予め設定された或る時間間隔で順次生成される簡略化画像と、以前保存された簡略化画像について、同じ位置の画素データ同士を比較する機能と、前記比較により、同じ位置の画素データ同士に色彩の変化が生じる場合は、前記入出庫用バース内に人や動物や移動された物が存在していると判断し、一方、予め設定した或る期間、同じ位置の画素データ同士に色彩の変化が生じない場合は、前記入出庫用バース内に人や動物や移動された物が存在しないと判断する機能と、を備えてなる構成とした機械式駐車場の庫内確認装置とする。
又、請求項2に対応して、前記請求項1に対応する構成において、画像処理装置に備える画像簡略化ルールは、カメラより、該カメラによる入出庫用バース内での最大撮影距離となる位置に、予め設定した最小検出対象サイズに対応する縦横寸法を有する仮想の平面を配置した状態を想定し、この状態で前記カメラの撮影画像を構成する画素データのうちで、前記仮想の平面の像の形成に使用されることになる画素データの個数を予め算出し、該算出された個数の画素データが一つのグループに含まれるように、前記カメラの撮影画像を構成しているすべての画素データを複数のグループに分け、該各グループを構成している複数の画素データのうちの一つの画素データをそれぞれ抽出して、該抽出された画素データによる簡略化された画像を生成させるものとする構成とする。
本発明によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)請求項1に示した構成を有する機械式駐車場の庫内確認装置では、機械式駐車場の入出庫用バース内にて、人や動物や物の存在を検出することができる。
(2)前記人や動物や物の存在の検出は、カメラにより撮影される撮影画像より前記画像簡略化ルールに則って抽出した画素データによる簡略化画像を、時系列に沿って定期的に生成させ、生成時刻が前後する簡略化画像同士を比較するという画像処理により行うため、従来の画像解析を行う形式の庫内確認装置に比して、画像処理すべきデータ量を大幅に削減することができる。よって、本発明では、前記画像処理装置に要求される処理速度を、前記従来の画像解析を行う形式の庫内確認装置に比して低減させることができる。
(3)本発明の機械式駐車場の庫内確認装置では、前記入出庫用バース内における人や動物や物の検出について、検出可能な形状に制限が生じることはない。
本発明の機械式駐車場の庫内確認装置の実施の一形態を示す概要図である。 図1の庫内確認装置の画像処理装置で行う画像解析において、カメラによる撮影画像から画素データを抽出するための画像簡略化ルールを説明するための図で、(a)はカメラの撮影領域と最小検出対象サイズとの関連を示す概要図、(b)はカメラによる撮影画像から画素データを抽出する処理の概要を示す図である。 図1の庫内確認装置の画像処理装置で得られる画像データの概要を示すもので、(a)は車両が入庫した時点でのカメラによる撮影画像を示す図面代用写真、(b)は(a)の撮影画像を基に画像簡略化ルールに則って抽出された画素データにより生成される画像の概要を示す図面代用写真、(c)は入出庫用バースに人及び動物が存在している状態のカメラによる撮影画像を示す図面代用写真、(d)は(c)の撮影画像を基に画像簡略化ルールに則って抽出された画素データにより生成される画像の概要を示す図面代用写真である。
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3(a)(b)(c)(d)は本発明の機械式駐車場の庫内確認装置の実施の一形態を示すものである。
ここで、本発明の機械式駐車場の庫内確認装置(以下、単に本発明の庫内確認装置と云う)1を適用する機械式駐車場の入出庫用バース101の構成について概説する。
前記入出庫用バース101は、図1に示すように、車両105及び人(図示せず)が出入りするための出入口102を備え、且つ該出入口102には、該出入口102を開閉するための扉103が設けられた構成としてある。前記入出庫用バース101の床の中央部には、車両105を乗り入れさせるためのパレット104が配置されている。
なお、前記機械式駐車場は、前記したような入出庫用バース101を備えていれば、エレベータ方式、垂直循環方式、地下式(水平循環方式)、平面往復方式等のいかなる車両格納方式の機械式駐車場であってもよい。したがって、図示してないが、前記機械式駐車場は、その車両格納方式に応じた車両格納個所と、該車両格納個所と前記入出庫用バース101との間で前記パレット104を搬送するための搬送手段を備えているものとする。
更に、前記機械式駐車場は、制御装置106を備えて、該制御装置106により、前記パレット104の搬送手段(図示せず)の制御と、前記出入口102の扉103の開閉を制御するようにしてあるものとする。
以上の構成としてある機械式駐車場の入出庫用バース101に適用する本発明の庫内確認装置1は、図1に示すように、該入出庫用バース101の内部を撮影するためのカメラ2と、該カメラ2による撮影画像を画像処理するための画像処理装置3とを備えてなる構成とする。
なお、前記カメラ2は、前記入出庫用バース101内に死角となる個所が生じないようにするという観点から考えて、図1に示すように、複数台のカメラ2を、該入出庫用バース101内の複数個所に、撮影方向を互いに相違させた姿勢で設けることが望ましい。図1では、前記入出庫用バース101内の四隅部に4台のカメラ2が設けられた構成が示してある。
上記画像処理装置3は、前記機械式駐車場の制御装置106に接続されている。
次に、前記画像処理装置3における処理の説明に則して、本発明の庫内確認装置1の機能について説明する。
前記画像処理装置3は、前記カメラ2より撮影画像が入力されるようにしてあり、該カメラ2からの撮影画像が入力されると、先ず、撮影画像全体から、後述するように設定された画像簡略化ルールに則って画素データを抽出し、この抽出された画素データによる簡略化された画像(以下、簡略化画像と云う)を生成させる処理を行うようにしてある。
前記画像簡略化ルールは、予め、以下のように導出されて設定されている。
すなわち、前記画像簡略化ルールを設定する場合は、予め、前記入出庫用バース101内に設けたカメラ2について、該カメラ2の撮影範囲内において最も遠距離となる個所までの最大撮影距離L(図1参照)を求める。該最大撮影距離Lは、前記入出庫用バース101の形状及びサイズと、前記カメラ2の配置及び撮影方向等に関する設計データとを基にした幾何学的な計算により、あるいは、実測により求めることができる。なお、前記機械式駐車場の入出庫用バース101は、該機械式駐車場の建屋内にて、前記パレット104を配置するためのスペースの周囲に人が乗降するためのスペースを設けてなる有限の空間であるため、前記最大撮影距離Lは、数メートルから、大きくても十数メートルの値となり、無限大になることはない。
次に、前記画像簡略化ルールを設定するためには、予め、入出庫用バース101内で検出することを望む検出対象の最も小さいサイズ(以下、最小検出対象サイズと云う)を、縦横寸法xとして定めるようにする。
上記のようにして最大撮影距離Lと、最小検出対象サイズの縦横寸法xが定められた後は、図2(a)に示すように、前記カメラ2より前記最大撮影距離Lとなる位置に、前記最小検出対象サイズに対応する縦横寸法xの仮想の平面4が配置された状態を想定(仮想)し、この状態で、前記カメラ2の画角から求められる該カメラ2から前記最大撮影距離Lとなる位置での撮影領域5に対して、前記縦横寸法xの仮想の平面4が占める割合Pを求める。
ところで、図2(b)に示すように、前記カメラ2による撮影画像6は、該カメラ2の解像度(縦横に配列された画素の数)に対応する画素データ7の集合によって形成されているものである。そこで、該カメラ2の解像度に、前記割合Pを掛けることにより、該カメラ2の撮影画像6を構成するすべての画素データ7のうち、前記最大撮影距離Lに配置された仮想の平面4の像の形成に使用される画素データ7の縦横の個数y(図2(b)参照)が、算出される。
前述したような手順で前記yの値が予め求められると、前記画像簡略化ルールは、図2(b)に示すように、前記カメラ2による撮影画像6のすべての画素データ7を、縦横に前記y個ずつの間隔で分割して複数のグループに分けると共に、該各グループを形成している複数の画素データ7のうちの一つの画素データ7、たとえば、図2(b)にてハッチングを付した位置の一つの画素データ7を、それぞれのグループを代表する画素データ7として抽出するように設定してある。
これにより、たとえば、前記カメラ2による撮影画像6が、図3(a)に示す如きパレット104に載置された車両105の画像である場合は、前記画像簡略化ルールに則って抽出された画素データ7により、図3(b)に示す如き簡略化画像8が生成されるようになる。なお、図3(b)では、図3(a)と対比させる便宜上、個々の画素データ7のサイズを、その画素データ7が含まれていた前記グループのサイズに対応するように拡大して、簡略化画像8が、図3(a)の撮影画像6と同様のサイズになるように表示してある。
前記図3(b)に示された簡略化画像8は、前記図2(b)に示した画素データ7の各グループにおいて、抽出された一つの画素データ7以外の残りの画素データ7は間引かれているため、該図3(b)の簡略化画像8を構成している画素データ7の数は、図3(a)の撮影画像6を構成している画素データの数に比して大幅に低減されている。
更に、前述したように、前記仮想の平面4の縦横寸法xは、前記最小検出対象サイズの縦横寸法xと一致させてあることから、縦横y個ずつの画素データ7により形成させた前記グループは、前記カメラ2から前記最大撮影距離Lの位置に存在する最小検出対象サイズに対応している。このため、前記入出庫用バース101内において、前記カメラ2からの距離が前記最大撮影距離Lとなる位置で前記最小検出対象サイズと同等以上のサイズを有する人や、人の身体の一部や、物が、前記最小検出対象サイズに設定した縦横寸法xを超えて移動(変位)すると、該移動した人や人の一部や物が有する色彩に応じて、図2(b)に示した撮影画像6では、各画素データ7のグループのうち、少なくとも一つのグループには、該グループ全体に色彩の変化が生じるようになる。したがって、図3(b)の簡略化画像8においても、前記色彩の変化が生じたグループより抽出された少なくとも1つの画素データについては、色彩の変化が生じるようになる。
このように、前記最小検出対象サイズの縦横寸法xは、人や、人の身体の一部や、物の有無を判断するための判断基準となるものであることから、前記xの値は、x=50〜500mmとすることが望ましい。これは、x>500mmに設定することは、人(大人)の胴体の幅寸法が凡そ500mmであり、人が該入出庫用バース101に存在していても、該人がカメラ2より前記最大撮影距離L近く離れた位置にいて、且つその動きが小さいと、前記寸法xに応じて縦横y個ずつの間隔で分けられる画素データ7のグループ全体に色彩の変化が生じず、簡略化画像8の生成のために抽出される画素データ7の配置によっては、該画素データ7の色彩の変化として捉えられない虞が生じるために、好ましくないためである。
又、x<50mmに設定することは、人の手足の太さが凡そ50mm以上であることから、50mm未満のサイズのものを検出するようにしても、入出庫用バース101内における人の存在の有無の検出を行う精度には特に反映されない一方、前記画像簡略化ルールにより抽出される画素データ7の数の増加につながるため、簡略化画像8を生成する画素データ7の量について、撮影画像6の画素データ7の量からの削減効果が小さくなってしまい、あまり好ましくないためである。
なお、前記最小検出対象サイズの縦横寸法xについては、入出庫用バース101内に存在する人の検出を、人の頭部の動きに着目して行う場合には、前記xの値が人の頭部の凡そのサイズよりも小さくなるように、x=50〜200mmに設定することがより望ましい。更に、入出庫用バース101内に存在する人の検出を、人の手足の動きに着目して行う場合には、前記xの値が人の手足の凡その太さよりも小さくなるように、x=50mm付近に設定することがより望ましい。
前記画像処理装置3では、前記画像簡略化ルールに則って図3(b)に示した如き簡略化画像8が生成されると、該簡略化画像8を一旦記憶した後、予め設定された或る時間間隔、たとえば、500ミリ秒ごとに、前記カメラ2による撮影画像6を基に、前記画像簡略化ルールに則って簡略化画像8を順次生成し、該新たに生成された簡略化画像8と、前回保存した簡略化画像8とについて、同じ位置の画素データ7同士を比較するようにしてある。
これにより、たとえば、当初図3(a)に示したように、パレット104上に車両105が載置された状態から、図3(c)にカメラ2による撮影画像6を示す如く、前記車両105の周辺に人9a,9b,9c,9dや動物9eが存在する状態になると、該図3(c)の撮影画像6を基に前記画像簡略化ルールに則って生成される簡略化画像8は図3(d)に示す如きものとなる。
よって、前記図3(d)に示した簡略化画像8を、前回保存されている図3(b)に示した如き簡略化画像8と比較することにより、前記人9a,9b,9c,9dや動物9eが新たに存在するようになった個所では、図3(d)に二点鎖線で示した各領域10a,10b,10c,10d,10eのように、画素データ7に色彩の変化が生じるようになる。
したがって、前記画像処理装置3では、前記のように定期的に順次保存される図3(b)(d)に示したような簡略化画像8同士を、時系列に沿って順次比較することにより、入出庫用バース101内にて移動している人や動物を検出することができるようになる。
更に、該画像処理装置3では、或る時点で静止しているとしても、入出庫用バース101内に新たに存在するようになった人や物、あるいは、元の位置から位置が変化した人や物の存在を、検出することができるようになる。
なお、前記画像処理装置3では、カメラ2による撮影画像6を基に生成される前記簡略化画像8について、画素データ7に色彩の変化が生じるか否かに基づいて、人や動物や物の存在を検出するようにしてあるため、たとえ、車両105の内部に存在する人や動物であっても、その動いているところがフロントガラスやサイドガラス越しにカメラ2で撮影することができれば、その存在を検出することができるようになる。
更に、前記画像処理装置3では、図3(b)(d)に示した如き簡略化画像8を、時系列に沿って或る期間保存するようにしておき、この期間中にいずれかの位置の画素データ7について色彩の変化が生じると、入出庫用バース101内に人や動物や移動された物が存在すると判断させるようにしてもよい。
一方、前記画像処理装置3は、図3(b)に示した如き簡略化画像8について、時系列に沿って予め設定した或る期間、いずれの画素データ7にも色彩の変化が生じない場合には、入出庫用バース101内に、人や動物や移動された物が存在しないと判断するようにしてある。
その後、前記画像処理装置3は、前記入出庫用バース101内に人や動物や物が検出されるか、あるいは、検出されないかの結果を、前記機械式駐車場の制御装置106に送るようにしてある。これにより、前記機械式駐車場の制御装置106では、前記画像処理装置3より入出庫用バース101内に人や動物や移動されたものがあると判断された信号が入力される間は、該入出庫用バース101の出入口102の扉103を解放させた状態に保持するようにしてある。その後、前記画像処理装置3より入出庫用バース101内に人や動物や移動した物体が存在していない、という結果が入力されるようになると、前記制御装置106は、乗降者の図示しない扉閉止操作用スイッチの操作に伴い、前記入出庫用バース101の出入口102の扉103の閉止操作を開始させるようにしてある。更に、前記制御装置は、前記入出庫用バース101の出入口102の扉の閉止操作が終了すると、図示しない搬送装置による前記パレット104の搬送を開始させるようにしてある。
このように、本発明の庫内確認装置によれば、機械式駐車場の入出庫用バース101内について、前記最小検出対象サイズに設定した縦横寸法xよりも大きなサイズを有する人や動物や物の存在を検出することができる。
この際、前記人や動物や物の存在の検出は、カメラ2により撮影される撮影画像6より所定の画像簡略化ルールに則って抽出した画素データ7による簡略化画像8を、時系列に沿って定期的に生成させると共に、生成時刻が前後する簡略化画像8同士を比較するという画像処理によって行うようにしてあるため、従来の画像解析を行う形式の庫内確認装置に比して、画像処理すべきデータ量を大幅に削減することができる。よって、本発明では、前記画像処理装置3に要求される処理速度を、前記従来の画像解析を行う形式の庫内確認装置に比して低減させることができる。
更に、本発明の庫内確認装置では、前記入出庫用バース101内における人や動物や物の検出は、前記したように簡略化画像8における画素データ7の色彩の変化に基づいて行うようにしてあるため、予め登録した人や物の形状(パターン)は不要であり、検出可能な形状に制限が生じることはない。
しかも、前記カメラ2は、予め設定された前記最小検出対象サイズの縦横寸法xを有する仮想の平面4が該カメラ2から最大撮影距離Lの位置に存在している場合に、該カメラ2による撮影画像6上で前記仮想の平面4の像の形成に使用される画素データ7の縦横の個数yが1以上であれば、前記した本発明の庫内確認装置1の機能が成立することは明らかである。よって、本発明の庫内確認装置1では、使用するカメラ2を、従来の画像解析を行う形式の庫内確認装置で使用するカメラに比して、より低い解像度のカメラ2とすることができる。これにより、本発明の庫内確認装置1は、前記カメラ2に要するコストを低く抑えることが可能になる。
なお、本発明は、前記実施の形態にのみ限定されるものではなく、機械式駐車場の入出庫用バース101内に設けるカメラ2の数や配置は、該入出庫用バース101の形状やサイズ、該入出庫用バース101内における各種機器の配置などに応じて適宜変更してもよい。
前記画像処理装置3は、たとえば、インターネット回線のようなデータ通信可能な回線を介して機械式駐車場の管理を行う会社のコールセンターのコンピュータに接続できるようにしておき、該コールセンターのコンピュータによる前記回線を介した遠隔操作により、カメラ2による撮影画像6を、画像簡略化ルールに従った画素データを抽出する以前のまま前記コールセンターのコンピュータへ出力させる機能を備えるようにしてもよい。このようにすれば、駐車場内で何らかの問題が生じて利用者から前記コールセンターへ連絡があるときに、該コールセンター側から、本発明の庫内確認装置1で用いるカメラ2を利用して、前記機械式駐車場の様子を確認することができて、適切な対応を迅速に実施することが可能になる。
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
1 庫内確認装置
2 カメラ
3 画像処理装置
4 仮想の平面
6 撮影画像
7 画素データ
8 簡略化画像
9a〜9d 人
9e 動物
101 入出庫用バース
L 最大撮影距離
x 最小検出対象サイズの縦横寸法

Claims (2)

  1. 機械式駐車場の入出庫用バースに設けたカメラと、該カメラの撮影画像を入力させる画像処理装置とを備え、
    且つ前記画像処理装置は、
    前記カメラの撮影画像が入力されると、該撮影画像を構成しているすべての画素データを、予め設定された画像簡略化ルールに則って複数の画素データのグループに分けると共に、該各グループを構成している複数の画素データのうちの一つの画素データをそれぞれ抽出して、該抽出された画素データによる簡略化された画像を生成させる機能と、
    前記抽出された画素データによる簡略化された画像を、一旦記憶し、予め設定された或る時間間隔で順次生成される簡略化画像と、以前保存された簡略化画像について、同じ位置の画素データ同士を比較する機能と、
    前記比較により、同じ位置の画素データ同士に色彩の変化が生じる場合は、前記入出庫用バース内に人や動物や移動された物が存在していると判断し、一方、予め設定した或る期間、同じ位置の画素データ同士に色彩の変化が生じない場合は、前記入出庫用バース内に人や動物や移動された物が存在しないと判断する機能と、を備えてなる構成としたこと を特徴とする機械式駐車場の庫内確認装置。
  2. 画像処理装置に備える画像簡略化ルールは、
    カメラより、該カメラによる入出庫用バース内での最大撮影距離となる位置に、予め設定した最小検出対象サイズに対応する縦横寸法を有する仮想の平面を配置した状態を想定し、この状態で前記カメラの撮影画像を構成する画素データのうちで、前記仮想の平面の像の形成に使用されることになる画素データの個数を予め算出し、
    該算出された個数の画素データが一つのグループに含まれるように、前記カメラの撮影画像を構成しているすべての画素データを複数のグループに分け、該各グループを構成している複数の画素データのうちの一つの画素データをそれぞれ抽出して、該抽出された画素データによる簡略化された画像を生成させるものとする
    請求項1記載の機械式駐車場の庫内確認装置。
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