JP2015055000A - 光化学電極、水素生成装置、水素生成方法、二酸化炭素還元装置及び二酸化炭素還元方法 - Google Patents

光化学電極、水素生成装置、水素生成方法、二酸化炭素還元装置及び二酸化炭素還元方法 Download PDF

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Abstract

【課題】励起光による表面プラズモンの励起効率を高めることによる反応促進の効率向上を実現する光化学電極を提供する。【解決手段】金属または金属化合物を有する金属領域と、金属または金属化合物を有し、前記金属領域により表面の一部が表面プラズモンを励起するよう周期的に被膜される金属薄膜層と、を備える光化学電極。前記金属薄膜層は、前記金属領域により表面の一部が200nm以上900nm以下の周期で被膜されていても良い。【選択図】図3

Description

本発明は、光照射により化学反応を促進する光化学電極、水素生成装置、水素生成方法、二酸化炭素還元装置及び二酸化炭素還元方法に関する。
非特許文献1には、Agからなる電極へ光照射することにより、二酸化炭素の還元が促進されることが開示されている。非特許文献2には、AgまたはAuのナノ粒子へ光照射することにより、色素分解などの反応が促進されることが開示されている。
これらの現象の原理は、非特許文献2に記載されている。具体的には、始めに、光照射により表面プラズモンまたは局在プラズモンが励起される(電子の集団励起)。次に、励起された表面プラズモン(「局在プラズモン」とも称する)により金属における電子が励起される(電子の個別励起)。次に、励起された電子のエネルギーにより化学反応が促進される。以上が、現象の原理説明である。
R. KOSTECK, J. AUGUSTYNSKI, "Photon−driven reduction reactions on silver", Journal of Applied Electrochemistry, 23巻, 1993年, p. 567−572 Suljo Linic, Phillip Christopher, David B. Ingram, "Plasmonic−metal nanostructures for efficient conbersion of solar to chemical energy", Nature Materials, 10巻, 2011年, p. 911−921
しかしながら、さらなる反応促進の効率向上が望まれていた。
そこで本開示は、励起光による表面プラズモンの励起効率を高めることによる反応促進の効率向上を実現する光化学電極を提供する。
本開示は、金属または金属化合物を有する金属領域と、前記金属領域とは異なる金属または金属化合物を有し、前記金属領域により表面の一部が表面プラズモンを励起するよう周期的に被膜される金属薄膜層と、を備える光化学電極。
本開示は、励起光による表面プラズモンの励起効率を高めることによる反応促進の効率向上を実現する光化学電極を提供する。
本開示に係る光化学電極を示す断面図である。 本開示に係る他の形態に係る光化学電極を示す断面図である。 本開示に係る光化学電極を示す平面図である。 本開示に係る他の形態に係る光化学電極を示す平面図である。 本開示に係る他の形態に係る光化学電極を示す平面図である。 本開示に係る他の形態に係る光化学電極を示す平面図である。 本開示に係る他の形態に係る光化学電極を示す断面図である。 本開示に係る他の形態に係る光化学電極を示す平面図である。 本開示に係る水素生成装置を示す概略図である。 本開示に係る二酸化炭素還元装置を示す概略図である。 実施例1及び比較例1において、光が金属領域103に照射される前後の電流変化を示すグラフである。
本開示の第1態様に係る光化学電極は、金属または金属化合物を有する金属領域と、金属または金属化合物を有し、前記金属領域により表面の一部が表面プラズモンを励起するよう周期的に被膜される金属薄膜層と、を備える。
本開示の第2態様に係る光化学電極は、上記第1態様において、前記金属薄膜層は、前記金属領域により表面の一部が200nm以上900nm以下の周期で被膜される。
本開示の第3態様に係る光化学電極は、上記第1または第2態様において、前記金属薄膜層は、前記金属領域により表面の一部が表面プラズモンを励起するよう周期的かつマトリクス状に被膜される。
本開示の第4態様に係る光化学電極は、上記第1または第2態様において、前記金属薄膜層は、前記金属領域により表面の一部が表面プラズモンを励起するよう周期的かつドット状に被膜される。
本開示の第5態様に係る水素生成装置は、水を還元することにより水素を生成する水素生成装置であって、第1電解液を収容するための陰極室と、第2電解液を収容するための陽極室と、前記陰極室と前記陽極室との間に挟まれるプロトン透過膜と、請求項1から4のいずれかに記載の光化学電極と、金属または金属化合物を有する対極電極と、前記光化学電極の電位に対して前記対極電極が正電位となるよう電圧を印加するための外部電源と、を備える。
本開示の第6態様に係る水素生成方法は、水を還元することにより水素を生成する水素生成方法であって、第1電解液を収容するための陰極室と、第2電解液を収容するための陽極室と、前記陰極室と前記陽極室との間に挟まれるプロトン透過膜と、請求項1から4のいずれかに記載の光化学電極と、金属または金属化合物を有する対極電極と、前記光化学電極の電位に対して前記対極電極が正電位となるよう電圧を印加するための外部電源とを備える水素生成装置を準備する工程(a)と、前記光化学電極における前記金属領域の少なくとも一部に250nm以上400nm以下の波長を有する光を照射し、かつ、前記外部電源により前記光化学電極に電圧を印加して、前記第1電解液中の水を還元することにより水素を生成する工程(b)と、を有する。
本開示の第7態様に係る二酸化炭素還元装置は、二酸化炭素を含有する第3電解液を収容するための陰極室と、第4電解液を収容するための陽極室と、前記陰極室と前記陽極室との間に挟まれるプロトン透過膜と、請求項1から4のいずれかに記載の光化学電極と、金属または金属化合物を有する対極電極と、前記光化学電極の電位に対して前記対極電極が正電位となるよう電圧を印加するための外部電源と、を備える。
本開示の第8態様に係る二酸化炭素還元方法は、二酸化炭素を含有する第3電解液を収容するための陰極室と、第4電解液を収容するための陽極室と、前記陰極室と前記陽極室との間に挟まれるプロトン透過膜と、請求項1から4のいずれかに記載の光化学電極と、金属または金属化合物を有する対極電極と、前記光化学電極の電位に対して前記対極電極が正電位となるよう電圧を印加するための外部電源とを備える二酸化炭素還元装置を準備する工程(c)と、前記光化学電極における前記金属領域の少なくとも一部に250nm以上400nm以下の波長を有する光を照射し、かつ、前記外部電源により前記光化学電極に電圧を印加して、前記第1電解液に含有されている二酸化炭素を還元する工程(d)と、を有する。
本開示の第9態様に係る光化学電極は、表面プラズモンを励起するよう周期的な開口部を有する金属薄膜層と、表面の一部を前記金属薄膜層に被膜される基板と、を備える。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
<光化学電極>
図1A及び図1Bは、本開示に係る光化学電極201を示す断面図である。光化学電極201は、金属薄膜層102と基板101とが積層された構造を有する。また、金属薄膜層102の表面の一部は、金属領域103により周期的に被膜されている。
基板101の材料として、例えば、ガラス基板、サファイア基板、GaN基板、GaAs基板、Si基板などが挙げられる。
光化学電極201には光が照射される。基板101が照射される光を透過する場合は、金属薄膜層102側または基板101側いずれからも光が照射されることが可能である。基板101が照射される光を透過しない場合は、金属薄膜層102側から光が照射されることになる。
金属薄膜層102の材料として、Ni、Pt、Ag、Au、In若しくはCuなどの金属、またはこれらの合金などが挙げられる。金属薄膜層102の材料として、遷移金属が望ましい。遷移金属は、フェルミ・エネルギー近傍がd電子により電子密度が高い。そのため、遷移金属は、表面プラズモンによる電子の個別励起の効率が高く光化学電極として有用である。また、遷移金属は、分子吸着が強いため触媒としても有用である。
図1A及び図1Bに示されるように、金属薄膜層102の表面の一部は、金属領域103により周期的に被膜されている。より正確には、金属薄膜層102の表面には、金属領域103が周期的に複数設けられている。
金属領域103の材料は、金属薄膜層102と同じ金属であっても良く、例えば、Ni、Pt、Ag、Au、In若しくはCuなどの金属、またはこれらの合金などが挙げられる。
図1Cは、光化学電極201を金属薄膜層102側からみた平面図である。金属領域103は、金属薄膜層102の表面に、格子状(マトリクス状)に複数設けられている。金属領域103の形状は、正方形である。しかし、金属領域103の形状は、正方形に限定されない。図1Dに示すように、金属領域103の形状は、円形であっても良い。
金属領域103は、金属薄膜層102の表面に、周期Λ(ラムダ)となるよう複数設けられている。周期Λとは、図1Aに示すように、金属領域103aから最近傍の金属領域103bまでの距離である。より具体的には、周期Λは、金属領域103aの周縁のうち金属領域103bと最も遠い位置にある端点から、金属領域103bの周縁のうち金属領域103aと最も近い位置にある端点までの距離である。
周期Λは、促進したい化学反応及び金属材料などに依存する。周期Λは、化学反応促進に必要なエネルギーをE(eV)とすると、800/E(nm)〜900/E(nm)となる。エネルギーEの範囲は、約1〜4(eV)である。よって、周期Λは、200nm以上900nm以下が望ましい。
周期Λの数は、特に限定されない。周期Λの数は、図1Eに示すように4であっても良く、図1Fに示すように3であっても良い。
金属領域103の断面形状は、矩形に限定されない。図1Bに示すように、金属領域103の断面形状は、半円形であっても良い。
図2Aは、本開示の他の形態に係る光化学電極301を示す断面図である。図2Bは、光化学電極301を金属薄膜層102側からみた平面図である。
光化学電極301は、開口部104を周期的に有する金属薄膜層102と基板101とが積層された構造を有する。
開口部104を周期的に有する金属薄膜層102の作製方法について説明する。基板101上に、蒸着法またはスパッタ法などにより金属薄膜層102を形成する。次に、光露光、電子ビーム露光又はナノインプリントなどの一般的な半導体プロセスを用いて、開口部104を周期的に有する金属薄膜層102を作製する。
<実施の形態1>
(水素生成装置)
図3は、水素生成装置200を示す概略図である。水素生成装置200は、陰極室202、陽極室205、およびプロトン透過膜206を具備する。
陰極室202の内部には、第1電解液207が保持されていると共に、光化学電極201を具備する。光化学電極201は、作用電極として機能する。
光化学電極201は第1電解液207に接している。具体的には、光化学電極201は第1電解液207に浸漬されている。第1電解液207は、例えば、炭酸水素カリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、塩化カリウム水溶液、硫酸カリウム水溶液、またはリン酸カリウム水溶液である。
また、陰極室202内部に参照電極212が保持され、第1電解液207に浸漬されている。参照電極212は、例えば、Ag/飽和AgCl電極または飽和カロメル電極である。
陽極室205の内部には、第2電解液208が保持されていると共に、対極電極204を具備する。
対極電極204は第2電解液208に接している。具体的には、対極電極204は第2電解液208に浸漬されている。第2電解液208は、第1電解液207と同一の電解液でも良いが、異なる電解液の方が望ましい。第2電解液は、例えば、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液などである。
対極電極204の材料は、例えば、Ptを主成分とする金属材料である。対極電極204は、Ptを含有する基板材料との積層構造でも良い。対極電極204は、例えば、グラッシーカーボンなどの導電性基板上にPtを薄膜状に形成したもの、または微粒子状のPtを導電性基板上に多数担持したものでも良い。
第1電解液207を第2電解液208から分離するために、プロトン透過膜206が陰極室202および陽極室205の間に挟まれている。すなわち水素生成装置200では、第1電解液207および第2電解液208は混ざらない。プロトン透過膜206は、プロトンのみが通過し、かつ他の物質が通過できない限り、特に限定されない。プロトン透過膜206の例は、ナフィオン(登録商標)である。
光化学電極201及び対極電極204には、それぞれ電極端子209及び210を具備する。これら電極端子と参照電極212は、ポテンショスタット、直流電源、または太陽電池などの外部電源213を介して、導線211により電気的に接続されている。
(水素の生成方法)
水素生成装置200を用いて水素を生成する方法について説明する。
水素生成装置200は室温かつ大気圧下に置かれ得る。外部電源213により、光化学電極201及び対極電極204の間に電位差が与えられる。
図3に示されるように、光源203から、光化学電極201に光が照射される。正確には、金属領域103を周期的に有する金属薄膜層102を有する光化学電極201の少なくとも一部に光が照射される。このように、光は、金属領域103にも照射される。金属領域103に遮られない光は、金属薄膜層102に到達する。光源203は、例えば、キセノンランプである。光源からの光は、250nm以上400nm以下の波長を有することが望ましい。光は、250nm以上365nm以下の波長を有することがより望ましい。
外部電源213より光化学電極201に電圧が印加されつつ、光源203より光化学電極201に光が照射された場合は、外部電源213より光化学電極201に電圧が印加されただけの場合と比較して、第1電解液207に含有される水がより効率的に還元される。水が還元されることにより、光化学電極の表面上より水素が発生する。
<実施の形態2>
(二酸化炭素還元装置)
図4は、二酸化炭素還元装置300を示す概略図である。実施の形態1の水素生成装置200と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
二酸化炭素還元装置300は、陰極室202にガス導入管214を有する。ガス導入管214の一端は、第1電解液207に浸漬されている。
(二酸化炭素の還元方法)
二酸化炭素還元装置300を用いて二酸化炭素を還元する方法について説明する。
二酸化炭素還元装置300は室温かつ大気圧下に置かれ得る。外部電源213により、光化学電極201及び対極電極204の間に電位差が与えられる。
図4に示されるように、光源203から、光化学電極201に光が照射される。正確には、金属領域103を周期的に有する金属薄膜層102を有する光化学電極201の少なくとも一部に光が照射される。このように、光は、金属領域103にも照射される。金属領域103に遮られない光は、金属薄膜層102に到達する。光源203は、例えば、キセノンランプである。光源からの光は、250nm以上400nm以下の波長を有することが望ましい。光は、250nm以上365nm以下の波長を有することがより望ましい。
外部電源213より光化学電極201に電圧が印加されつつ、光源203より光化学電極201に光が照射された場合は、外部電源213より光化学電極201に電圧が印加されただけの場合と比較して、第1電解液207に含有される二酸化炭素がより効率的に還元される。二酸化炭素が還元されることにより、光化学電極の表面上より一酸化炭素、炭化水素およびギ酸が発生する。
ガス導入管214を通じて二酸化炭素が陰極室202に供給されながら、第1電解液207に含有される二酸化炭素が還元されることが望ましい。二酸化炭素の還元を開始する前に、ガス導入管214を通じて十分な量の二酸化炭素を第1電解液207に溶解しておくことも望ましい。
<実施例1>
以下の実施例を参照して、本開示における水素生成装置をより詳細に説明する。
(光化学電極の作製)
基板101としてガラス基板を用いた。
金属薄膜層102は、基板101上にTiを蒸着し、その上にNiを蒸着することにより形成した。TiおよびNiの厚みは、それぞれ10nmおよび400nmであった。つまり、金属薄膜層102の厚みは、410nmであった。その後、電子ビーム露光によりレジストをパターニングした後に、再度Niを100nm蒸着した。その後、リフトオフすることにより、図1Aおよび図1Fに示すような金属領域103を周期的に有する金属薄膜層102を作製した。作製された金属領域103の周期Λは500nm、厚みは100nmであった。
上記の方法によって、光化学電極201を作製した。
(装置の組み立て)
光化学電極201を用いて、図3に示す水素生成するための水素生成装置を組み立てた。当該装置の詳細は以下の通りである。
対極電極 : 白金板
参照電極 : Ag/飽和AgCl
第1電解液 : 0.5mol/Lの濃度を有する炭酸水素カリウム水溶液
第2電解液 : 1.0mol/Lの濃度を有する水酸化ナトリウム水溶液
プロトン透過膜 : ナフィオン膜(デュポン社より入手、商品名:ナフィオン117)
外部電源 : ポテンショスタット
光源 : キセノンランプ(出力:300W)。
<比較例1>
光化学電極201に金属領域103を設けなかったこと以外は、実施例1と同様の実験を行なった。
(水素の生成)
外部電源213により、光化学電極201を分極した。分極電位は、比較例1での水素生成の過電圧(例えば、−1.6V vs Ag/AgCl)以上に設定した。その後、陰極室202に配された光照射窓(図示せず)を介して、光源203からの光を動作電極に照射した。
図5は、当該動作電極に光を照射した際に得られた反応電流の変化を示すグラフである。図5において、符号(a)は実施例1、符号(b)は比較例1の実験結果である。
図5に示されるように、実施例1の場合、光化学電極201に光が照射されると導線211に流れる反応電流が増加した。また光照射を止めると、反応電流は比較例1と同じ値に戻った。これは光照射により、対極電極204および光化学電極201において、何らかの反応が増強していることを意味する。
また、比較例1の光化学電極では光照射による反応電流変化はほとんど見られなかった。この要因として、実施例1においては、金属領域103に光照射されることにより表面プラズモンが励起された。その結果、水素生成が促進され、同じ分極電圧においても反応電流が比較例1より増加したと考えられる。
以上のように、金属領域103を周期的に有する金属薄膜層102を具備する光化学電極201は、水素生成用の光化学電極として有用であることが示唆された。
そこで本発明者らは、さらに以下のような方法で当該反応を詳細に調査した。具体的には、陰極室202を密閉した状態で光化学電極201に光を照射し、陰極室202に生成した水素生成量をガスクロマトグラフィにより測定した。また、光照射によって得られた反応電流量から、水素生成反応に関与した電荷量(クーロン量)を算出した。
その結果、水素生成量は反応に関与した電荷量(クーロン量)に比例することが確認された。さらに陽極室側では、陰極室での発生水素量に対応する量の酸素が、水の酸化反応により発生していた。一方、比較例1においても、水素と酸素の生成は確認されたが、生成量は実施例1より少なかった。
以上より、光化学電極201への光照射により、光化学電極201側で水素生成が促進されることが確認された。
<実施例2>
金属薄膜層102および金属領域103を変更した以外は、実施例1と同様の実験を行なった。
金属薄膜層102は、基板101上にTiを蒸着することにより形成した。Tiの厚みは、10nmであった。金属領域103は、金属薄膜層102上にPtを蒸着することにより形成した。Ptの厚みは200nmであった。作製された金属領域103の周期Λは、400nmであった。
上記の方法によって、光化学電極を作製した。
<比較例2>
光化学電極201に金属領域103を設けなかったこと以外は、実施例2と同様の実験を行なった。
(水素の生成)
実施例1と同様、外部電源213を用いて、比較例2での水素生成の過電圧(例えば、−1.6V vs Ag/AgCl)以上の分極電位を印加した。実施例1と同様、光化学電極201に電圧を印加しつつ、光を照射した。
その結果、図5に示した実験結果と同様に、比較例2では光照射による反応電流の変化はほぼ0であったのに対し、実施例2では光照射により反応電流が増加することが観測された。また、実施例2及び比較例2いずれも水素生成量は反応に関与した電荷量に比例していた。すなわち、実施例2の方が比較例2よりも水素生成量が増加していた。
以上より、Ptを金属材料として用いた光化学電極201においても、光照射により光化学電極201側で水素生成が促進されることが確認された。
<実施例3>
以下の実施例を参照して、本開示における二酸化炭素還元装置をより詳細に説明する。
(光化学電極の作製)
金属薄膜層102および金属領域103を変更した以外は、実施例1と同様の実験を行なった。
金属薄膜層102は、基板101上にTiを蒸着し、その上にAgを蒸着することにより形成した。Ti及びAgの厚みは、それぞれ10nm及び300nmであった。つまり、金属薄膜層102の厚みは、310nmであった。その後、実施例1と同様、再度Agを50nm蒸着し、リフトオフすることにより、金属領域103を周期的に有する金属薄膜層102を作製した。作製された金属領域103の周期Λは200nm、厚みは50nmであった。
上記の方法によって、光化学電極を作製した。
(装置の組立て)
陰極室202にガス導入管214を設けた以外は、実施例1と同様の装置を組み立てた。
<比較例3>
光化学電極201に金属領域103を設けなかったこと以外は、実施例3と同様の実験を行なった。
(二酸化炭素の還元)
ガス導入管214を通じて、二酸化炭素を30分間、第1電解液207にバブリングにより供給した。
実施例1と同様、外部電源213を用いて、比較例3での二酸化炭素還元の過電圧(例えば、−1.8V vs Ag/AgCl)以上の分極電位を印加した。実施例1と同様、光化学電極201に電圧を印加しつつ、光を照射した。
その結果、図5に示した実験結果と同様に、比較例3では光照射による反応電流の変化はほぼ0であったのに対し、実施例3では光照射により反応電流が増加することが観測された。
本発明者らは、以下のように、当該反応を詳細に調査した。具体的には、陰極室202を密閉した後、再度、金属領域103に光を照射した。陰極室202において生じた気体成分はガスクロマトグラフィにより分析された。陰極室202において生じた液体成分は液体クロマトグラフィにより分析された。さらに、光照射による反応電流量より還元反応に関与した電荷量(クーロン量)を算出した。
その結果、実施例3では、陰極室202には一酸化炭素、蟻酸、が生成されていることが確認された。つまり、二酸化炭素が還元されていることが確認された。また、各反応生成物の生成量は算出された電荷量に比例していることが確認された。さらに、陽極室205では、水の酸化反応生成物量に対応する量の酸素が生成されていたことが確認された。
一方、比較例3においても、陰極室202内に一酸化炭素、蟻酸などが生成されていたが、その量は実施例3と比べて半分以下であり、生成効率が低かった。つまり、比較例3では、二酸化炭素の還元が非効率的であった。
以上より、光化学電極201への光照射により、二酸化炭素の還元が促進されていることが確認された。
本発明は、光照射により化学反応を促進する光化学金属電極を提供する。
101 基板
102 金属薄膜層
103,103a,103b 金属領域
104 開口部
200 水素生成装置
201,301 光化学電極
202 陰極室
203 光源
204 対極電極
205 陽極室
206 プロトン透過膜
207 第1電解液
208 第2電解液
209,210 電極端子
211 導線
212 参照電極
213 外部電源
214 ガス導入管
300 二酸化炭素還元装置

Claims (9)

  1. 金属または金属化合物を有する金属領域と、
    金属または金属化合物を有し、前記金属領域により表面の一部が表面プラズモンを励起するよう周期的に被膜される金属薄膜層と、
    を備える光化学電極。
  2. 前記金属薄膜層は、前記金属領域により表面の一部が200nm以上900nm以下の周期で被膜される、
    請求項1に記載の光化学電極。
  3. 前記金属薄膜層は、前記金属領域により表面の一部が表面プラズモンを励起するよう周期的かつマトリクス状に被膜される、
    請求項1または2に記載の光化学電極。
  4. 前記金属薄膜層は、前記金属領域により表面の一部が表面プラズモンを励起するよう周期的かつドット状に被膜される、
    請求項1または2に記載の光化学電極。
  5. 水を還元することにより水素を生成する水素生成装置であって、
    第1電解液を収容するための陰極室と、
    第2電解液を収容するための陽極室と、
    前記陰極室と前記陽極室との間に挟まれるプロトン透過膜と、
    請求項1から4のいずれかに記載の光化学電極と、
    金属または金属化合物を有する対極電極と、
    前記光化学電極の電位に対して前記対極電極が正電位となるよう電圧を印加するための外部電源と、
    を備える水素生成装置。
  6. 水を還元することにより水素を生成する水素生成方法であって、
    第1電解液を収容するための陰極室と、第2電解液を収容するための陽極室と、前記陰極室と前記陽極室との間に挟まれるプロトン透過膜と、請求項1から4のいずれかに記載の光化学電極と、金属または金属化合物を有する対極電極と、前記光化学電極の電位に対して前記対極電極が正電位となるよう電圧を印加するための外部電源とを備える水素生成装置を準備する工程(a)と、
    前記光化学電極における前記金属領域の少なくとも一部に250nm以上400nm以下の波長を有する光を照射し、かつ、前記外部電源により前記光化学電極に電圧を印加して、前記第1電解液中の水を還元することにより水素を生成する工程(b)と、
    を有する水素生成方法。
  7. 二酸化炭素を含有する第3電解液を収容するための陰極室と、
    第4電解液を収容するための陽極室と、
    前記陰極室と前記陽極室との間に挟まれるプロトン透過膜と、
    請求項1から4のいずれかに記載の光化学電極と、
    金属または金属化合物を有する対極電極と、
    前記光化学電極の電位に対して前記対極電極が正電位となるよう電圧を印加するための外部電源と、
    を備える二酸化炭素還元装置。
  8. 二酸化炭素を含有する第3電解液を収容するための陰極室と、第4電解液を収容するための陽極室と、前記陰極室と前記陽極室との間に挟まれるプロトン透過膜と、請求項1から4のいずれかに記載の光化学電極と、金属または金属化合物を有する対極電極と、前記光化学電極の電位に対して前記対極電極が正電位となるよう電圧を印加するための外部電源とを備える二酸化炭素還元装置を準備する工程(c)と、
    前記光化学電極における前記金属領域の少なくとも一部に250nm以上400nm以下の波長を有する光を照射し、かつ、前記外部電源により前記光化学電極に電圧を印加して、前記第1電解液に含有されている二酸化炭素を還元する工程(d)と、
    を有する二酸化炭素還元方法。
  9. 表面プラズモンを励起するよう周期的な開口部を有する金属薄膜層と、
    表面の一部を前記金属薄膜層に被膜される基板と、
    を備える光化学電極。
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