JP2015054073A - 絆創膏 - Google Patents

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Abstract

【課題】皮膚の再生を促す効果をもつ絆創膏の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、多孔質性クッションシートと、このクッションシートの表面側、裏面側又は内部に積層されるゲル層とを備え、上記ゲル層がゲル化剤、エラスチン及び亜鉛を含有し、上記ゲル化剤がコラーゲンを含む絆創膏である。上記ゲル化剤におけるコラーゲンの含有量が40質量%以上95質量%以下であるとよい。上記ゲル層におけるコラーゲンの含有量が1質量%以上50質量%以下であるとよい。上記ゲル層におけるエラスチンの含有量が0.1乾燥質量%以上20乾燥質量%以下であるとよい。上記ゲル層における亜鉛の含有量が0.001乾燥質量%以上0.1乾燥質量%以下であるとよい。上記ゲル層の裏面側を覆う粘着シートを備え、この粘着シートが表面側の粘着材層と裏面側の基材シートとを有するとよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、絆創膏に関する。
創傷は、生体の持つ自然治癒力によって、肉芽形成、繊維化の段階を経て治癒する。軽傷の場合、水による洗浄、殺菌や止血などの簡単な応急処置を行い、あとは自然治癒力にまかせて治している。一般的に、創傷治療は応急処置の後から包帯や絆創膏で創傷部を覆うことにより行われている。創傷部の殺菌や鎮痛を容易にするために、予め抗菌物質、鎮痛剤等を不織布等に含浸させた絆創膏が提案されている(特表2005−211147号公報等参照)。
また、創傷部の再生途中の肉芽組織は乾燥により容易に死滅するため、創傷部を適度な湿潤環境にしておくことが望ましい。このため、創傷部を適度な湿潤状態にしておくためにハイドロゲルを用いた絆創膏が提案されている(特開平5−7618号公報等参照)。
このような中、上記従来の絆創膏よりさらに創傷部の皮膚の再生を促す効果をもつものが望まれている。
特表2005−511147号公報 特開平5−7618号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、創傷部の皮膚の再生を促す効果をもつ絆創膏を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、多孔質性クッションシートと、このクッションシートの表面側、裏面側又は内部に積層されるゲル層とを備え、上記ゲル層がゲル化剤、エラスチン及び亜鉛を含有し、上記ゲル化剤がコラーゲンを含む絆創膏である。
人の皮膚は表皮とその下にある結合組織系の真皮から構成され、真皮は水分、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸といった成分から構成されている。当該絆創膏は、上記ゲル層を備え、このゲル層が真皮の構成成分と同様のコラーゲン、エラスチンを含有することから、再生途中の肉芽組織の活性が維持され、皮膚が新たに再生しやすい環境となる。また、このゲル層が、亜鉛を含有していることから、この亜鉛により皮膚の細胞生成を活性化させることができる。
さらに、当該絆創膏は上記多孔質性クッションシートを備えているため、創傷部に力が加わった場合でも痛みが和らげられる。また、上記多孔質性クッションシートは上記ゲル層を補強する効果があり、出血した血液や余分な体液を吸収たり、上記ゲル層の溶媒量を調整することもできる。
上記ゲル化剤におけるコラーゲンの含有量としては40質量%以上95質量%以下が好ましい。このように上記ゲル化剤におけるコラーゲンの含有量を上記範囲とすることで真皮のコラーゲンの構成比率に近い割合でゲル層のコラーゲンが皮膚を覆うことができる。これにより再生途中の肉芽組織がより多くのコラーゲンで活性が維持され、より皮膚が新たに再生しやすい環境となる。
上記ゲル層におけるコラーゲンの含有量としては1質量%以上50質量%以下が好ましい。このように上記コラーゲンの含有量を上記範囲とすることで、上記ゲル層中の上記コラーゲンの含有量の比率が皮膚中のコラーゲンの含有量の比率に近くなり好ましい。
上記ゲル層におけるエラスチンの含有量としては0.1乾燥質量%以上20乾燥質量%以下が好ましい。水分を除けば、真皮におけるコラーゲンの割合は70%であり、エラスチンの割合は5%である。上記ゲル層におけるエラスチンの含有量を上記範囲とすることで、人の真皮におけるコラーゲンとエラスチンの構成比率に近い当該比率で上記ゲル層がコラーゲンとエラスチンを含むこととなる。これに創傷を受けた皮膚が覆われると、真皮と同様の構成比率のコラーゲンとエラスチンにより肉芽組織の活性が維持され、さらに皮膚が新たに再生しやすい環境となる。
上記ゲル層における亜鉛の含有量としては0.001乾燥質量%以上0.1乾燥質量%以下が好ましい。このように適度な含有量の亜鉛により当該絆創膏は細胞生成を活性化させ皮膚の回復の効果を高めることができる。
上記ゲル層の裏面側を覆う粘着シートを備え、この粘着シートが表面側の粘着層と裏面側の基材シートとを有するとよい。この粘着シートの表面側の粘着層により、当該絆創膏を皮膚に貼り付けることができる。
上記ゲル層が容存した水素を有するとよい。このように上記ゲル層の水分に水素が容存していると殺菌作用を発現することができる。
上記ゲル層が油脂でコーティングされた水素発生剤を含有しているとよい。この水素発生剤は油脂コーティングされた状態では水分に接していないため水分中に水素を発生していない。当該絆創膏の使用時に油脂コーティングが溶融しこの水素発生剤が水分に触れる状態になると、この水素発生剤から水素が発生し上記水分中に水素が容存している状態にすることができる。
上記水素発生剤が水素化マグネシウム粉末であるとよい。水素化マグネシウムは単位質量あたりに多くの水素を含有することができる。また粉末状であるため表面積を大きくすることができ効率よく上記ゲル層に水素を溶存させることができる。
ここで、「創傷」とは切創、裂創、刺創、擦過傷、やけど、床ずれ等のすべての皮膚の損傷を含む概念である。
以上説明したように、本発明の絆創膏は、皮膚の細胞を活性化させ、皮膚の再生を促すことができる。
本発明の第一実施形態に係る絆創膏を示す模式的断面図である。 本発明の第二実施形態に係る絆創膏を示す模式的断面図である。 本発明の第三実施形態に係る絆創膏を示す模式的断面図である。 本発明の第四実施形態に係る絆創膏を示す模式的断面図である。 本発明の第五実施形態に係る絆創膏を示す模式的断面図である。
[第一実施形態]
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳説するが、まず本発明の第一実施形態の絆創膏を図1を参酌しつつ説明する。この図1に示す絆創膏1は、ゲル層2とこのゲル層2の裏面側に積層される多孔質性クッションシート3とを備えている。本実施形態においては、絆創膏1はゲル層2の裏面側にクッションシート3が積層されている。
<ゲル層>
上記ゲル層2はゲル化剤、エラスチン及び亜鉛を含有し、上記ゲル化剤がコラーゲンを含んでいる。これにより、コラーゲン、エラスチンで当該絆創膏1を貼付した皮膚を覆うことができ、コラーゲン、エラスチンで再生途中の肉芽組織の活性が維持され、皮膚が新たに再生しやすい環境となる。また、亜鉛により皮膚の細胞生成を活性化させることができる。
<ゲル化剤>
上記ゲル化剤としてはコラーゲンの他に、例えば、ゼラチン、ペクチン、カラギーナン、寒天、アルブミン、ファーセレラン、タマリンド、マルメロ、澱粉等を用いることができ、これらの中から1種もしくは2種以上を含んでもよい。
上記ゲル化剤としては、コラーゲン含有原料から抽出したものが使用できる。コラーゲンの抽出は、酸可溶化、アルカリ可溶化、中性塩可溶化、酵素可溶化などの公知の手法にて行うことができる。コラーゲン含有原料としては、コラーゲンを含有する原料であればいずれの原料でも使用でき、脊椎動物(例えば、ウシ、ブタ、カツオ、マグロ、サメ等)の皮、鱗、骨、軟骨、靱帯、臓器が挙げられる。これらのうち、コラーゲン含有原料としては、コラーゲンの含量の高い骨、軟骨、皮、鱗、靱帯、胎盤などを好適に使用できる。
上記ゲル化剤におけるコラーゲンの含有量の下限は、40質量%であることが好ましく、50質量%がより好ましく、60質量%がさらに好ましい。一方、この含有量の上限は95質量%が好ましい。上記ゲル化剤におけるコラーゲンの含有量は、上記範囲にあることでより多くのコラーゲンで皮膚を覆うことができ好ましい。
上記ゲル層2におけるコラーゲン含有量の下限は、1質量%が好ましく、5質量%がより好ましく、10質量%がさらに好ましい。一方、この含有量の上限は、50質量%が好ましく、40質量%がより好ましく、30質量%がさらに好ましい。ゲル層2におけるコラーゲンの含有量が上記下限より小さいとコラーゲンによる皮膚の活性の維持効果が小さくなる。また、コラーゲンの含有量が上記上限より大きいとゲル層中の水分の含有量が小さくなり、ゲル層2の柔軟性が小さくなる。
上記ゼラチンはコラーゲンの加水分解タンパク質であり、牛骨、牛皮、豚皮、魚鱗等を原料とする。これらの中でも、生体への親和性を有する豚皮由来ゼラチン、魚鱗由来ゼラチンが好ましい。ゼラチンの製造方法については特に限定されず、公知のものを使用することができ、例えば、塩酸や硫酸などの無機酸に数十時間浸漬させて前処理した後にゼラチンを抽出する酸処理法、消石灰の懸濁液中に数ヶ月含浸させて前処理した後にゼラチンを抽出するアルカリ処理法等を用いることができる。さらに、上記酸処理法又はアルカリ処理法で製造したゼラチンを酵素処理によって低分子化したゼラチンを用いることもできる。
上記ゲル層2を形成している水分は、水道水等を用いることもできるが、純水を用いることが好ましい。純水を用いることにより、不純物や菌の混入を防ぐことができる。また、水分の中に少量のエタノール等を含んでもよい。ゲル層2が水分を含んでいることにより、当該絆創膏1を貼り付けた皮膚の保湿効果を高めることができる。
上記ゲル層2を形成する水分に対する上記ゲル化剤の含有量の下限としては0.1質量%が好ましく0.5質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましい。他方、ゲル化剤の含有量の上限としては50質量%が好ましく、40質量%がより好ましく、30質量%がさらに好ましい。ゲル化剤の含有量が上記下限より小さいと、ゲル層2の強度が低くなり、水分、エラスチン及び亜鉛を安定に保つことが困難になるおそれがある。逆に、ゲル化剤の含有量が上記上限より大きいと、上記ゲル層2の強度が高くなって当該絆創膏の皮膚への貼付時の感触が悪化するおそれがある。
上記ゲル層2の厚みの下限は一般に形状の保持性や機能性の観点から0.1mmであることが好ましく、0.3mmであることがより好ましい。また、ゲル層2の厚みの上限は1.5mmが好ましく、1.0mmがより好ましい。
<エラスチン>
エラスチンは動物の皮膚の真皮、靭帯、腱、血管壁等の結合組織の中にコラーゲンと共に存在するタンパク質である。
上記ゲル層2に含有されるエラスチンとしては、エラスチン含有原料から抽出したものが使用できる。エラスチンの抽出は、酸可溶化、アルカリ可溶化、中性塩可溶化、酵素可溶化などの公知の手法にて行うことができる。エラスチン含有原料としてはエラスチンを含有する原料であればいずれの原料でも使用でき、例えば、脊椎動物(例えば、ウシ、ブタ、イワシ、カツオ、マグロ、サメ等)の皮あるいは鱗、骨、軟骨、靱帯、臓器、血管が挙げられる。エラスチンの含量の高いことから、エラスチンの含量原料としては、項靱帯や大動脈血管などが好適に使用される。
上記ゲル層2における上記エラスチンの含有量の下限値は0.1乾燥質量%であることが好ましく、0.5乾燥質量%がより好ましく、1乾燥質量%がさらに好ましい。一方、この含有量の上限値は、20乾燥質量%が好ましく、10乾燥質量%がより好ましく、5乾燥質量%がさらに好ましい。上記ゲル化剤における上記エラスチンの含有量を、上記範囲とすることで上記ゲル層2のコラーゲンとエラスチンとの比率が、真皮のそれらの比率と近くなり肉芽組織の活性を低下させないので好ましい。
<亜鉛>
上記亜鉛は、亜鉛化合物を用いることができる。例えば、クエン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、アルギン酸亜鉛、アスパラギン酸亜鉛等が挙げられる。
上記ゲル層2における上記亜鉛の含有量の下限値は0.001乾燥質量%がより好ましく、0.005乾燥質量%がより好ましい。上記亜鉛の含有量の上限値は、0.1乾燥質量%が好ましく、0.05乾燥質量%がより好ましい。上記範囲の適度な含有量の亜鉛により細胞生成を活性化させることができる。
<多孔質性クッションシート>
上記多孔質性クッションシート3としては、例えば、不織布、織布、紙、発泡樹脂等を用いることができ、これらの中から1種あるいは2種以上を積層して使用することができる。多孔質性クッションシート3はクッション性を有するので、創傷部に外から加わる物理的刺激をやわらげる。また、ゲル層2の水分量を調整する作用もある。
上記不織布は、繊維を織らずに絡み合わせたシート状のものをいい、原料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ナイロン等の合成繊維、綿、麻、ジュート等の植物繊維、羊毛、絹等の動物繊維、レーヨン等が挙げられる。これらのうち一種をあるいは2種以上組み合わせて用いることができる。柔軟性及び吸水性に優れたレーヨンが好適に用いられる。
上記不織布の製造方法としては、水流交絡(スパンレース)法、サーマルボンド法、ケミカルボンド法等の一般的な方法を採用することができる。サーマルボンド法、ケミカルボンド法では不織布を構成する繊維間が接着されるため、繊維の自由度が低減してしまう。このため、これらの中でも特に柔軟性、弾力性の得られる水流交絡法が好適である。
上記織布は繊維を織った布であり、原料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ナイロン等の合成繊維、綿、麻、ジュート等の植物繊維、羊毛、絹等の動物繊維、レーヨン等が挙げられる。これらのうち一種をあるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記発泡樹脂は内部に細かな孔が無数に空いた多孔質の柔らかい物質であり、ポリウレタン等の合成樹脂を発泡形成して作られるポリウレタンの発泡樹脂、メラミン樹脂を原料としたメラミンスポンジ、ゴムを原料としたゴムスポンジ等がある。
これらの中でも柔軟性、弾力性が高く、保水性及び透湿性を有するレーヨンを原料とする不織布が好ましい。また、医療用として用いられるものが好ましい。
上記多孔質性クッションシート3の厚みの下限は、一般にクッション性や取扱性の観点から0.1mmであることが好ましく、0.3mmであることがより好ましい。また、多孔質性クッションシート3の厚みの上限は1.5mmが好ましく、1.0mmがより好ましい。多孔質性クッションシート3の厚みが上記下限より小さいとクッション性等が小さくなる。多孔質性クッションシート3の厚みが上記上限より大きいとかさばり取扱性が劣る。
当該絆創膏1を実際に使用する際の形状は特に制限はないが、テープ状でロール状に巻いた形状で提供されてもよく、一枚一枚独立した個別のシートであってもよい。個別シートの場合、その形状は任意であり使用目的、使用部位に応じて適宜選択される。例えば、円形、楕円形、半円形、正方形、長方形、三角形、あるいはこれらが組み合わされた形状でもよい。また、使用目的に沿った形状、使用部位に最も適切に貼り付けられる形状を適宜選択してもよい。
<水素水>
上記ゲル層2が溶存した水素を有するとよい。ゲル層の水分に水素が容存していると、殺菌作用を有するため好ましい。ゲル層2の水分に水素水を使用することにより、ゲル層2に水素を溶存させることができる。
上記ゲル層2が油脂でコーティングされた水素発生剤を含有しているとよい。この油脂コーティングの融点は室温より高く体温より低いことが好ましい。水素発生剤は油脂コーティングされた状態では水分に接していないため水分中に水素を発生していない。体温でこの油脂コーティングが溶融しこの水素発生剤が水分に触れる状態になれば、この水素発生剤から水素が発生し上記水分中に水素が容存している状態にすることができる。
油脂コーティング用の油脂としては常温で固体の油脂を使用することができ、例えば、ココアバター、パーム油、パラフィン等が挙げられる。これらのうち32℃以上36℃以下の融点を有するココアバターは上記油脂コーティングに好適に使用することができる。
上記水素発生剤が水素化マグネシウム粉末であるとよい。水素化マグネシウムは単位質量あたりに多くの水素を含有することができる。また粉末状であるため表面積を大きくすることができ効率よくゲル層に水素を発生させることができる。
<他の成分>
当該絆創膏1は、上記成分の他に絆創膏に要求される種々の効果に応じて、防腐剤、酸化防止剤、抗菌剤、鎮痛剤、消炎剤、抗炎症剤、保湿剤、ビタミン類、界面活性剤、pH調整剤等の他の成分を含むこともできる。
<製造方法>
当該絆創膏の製造方法は、一般に行なわれるゲルを製造する方法等に従って製造することができる。具体的には、ゲル層に含まれる各成分を加熱混合してゾル状物(ゲル形成用配合液)とした後に、多孔質性クッションシート上に、このようにして得られたゲル層形成用溶液を塗布等し、続いて、常温雰囲気下に静置するか、冷却することによりゲル化を完了させて、ゲル層を成形する方法をとることができる。ゾル状物を容器に入れ上から多孔質性クッションシートを浸し、ゾル状物を多孔質性クッションシートに付着させ、続いて冷却等することによりゲル層を成形することもできる。また、ゲルシートを単体で作成しそれを多孔質クッションシートに貼り付けることもできる。このように、多孔質クッションシートに積層されたゲル層を備える絆創膏を製造することができる。
融解したゾル状物を塗布する手段としては周知の方法が使用でき、例えば、スリットコート法、ロールコート法、ブレードコート法、エアーナイフコート法、フローコート法、グラビアコート法、スプレー法、バーコート法等を用いることができる。さらには、ゲル層の形成材料を塗布する手段としては、例えば、ゲル層の形成材料を充填機から基材層に滴下し、さらにゲル層の形成材料が滴下された基材層を振動させて形成材料を均一な層状に形成することも可能である。
なお、ゲル層2及び多孔質性クッションシート3の平均厚さはJIS K7130に準拠して測定される。
[第二実施形態]
本発明の第二実施形態の絆創膏を図2を参酌しつつ説明する。この図2に示す絆創膏11は、ゲル層2とこのゲル層の裏面側に積層される多孔質性クッションシート3とを備え、このゲル層の一部がこの多孔質性クッションシートの一部に含浸した含浸層12を有する。本実施形態においては、絆創膏11は、ゲル層2の裏面側に多孔質性クッションシート3が積層され、その間に含浸層12を有している。
第二実施形態における絆創膏11は、ゲル層2の一部が多孔質性クッションシート3に含浸して含浸層12が形成されている。これにより、ゲル層2と多孔質性クッションシート3とが剥がれにくくなる。また、ゲル層2の湿潤な部分から多孔質性クッションシート3の乾燥した部分へと水分量が連続的に変化していることから、多孔質性クッションシート3がゲル層2の水分をスムーズに調整でき、創傷部から滲出した血液や体液を吸収して、ゲル層2の水分が過剰とならないようにできる。
[第三実施形態]
本発明の第三実施形態の絆創膏を図3を参酌しつつ説明する。この図3に示す絆創膏21は、ゲル層2とこのゲル層2に積層される多孔質性クッションシート3とを備え、ゲル層2の全体が多孔質性クッションシート3の全体に含浸することにより含浸層22を形成している。本実施形態においては、絆創膏21は、ゲル層2が多孔質性クッションシート3の全体に含浸した含浸層22からなる。
第三実施形態における絆創膏21は、ゲル層2が多孔質性クッションシート3に含浸した含浸層22からなるので、ゲル層2が多孔質性クッションシート3により補強されている。このためゲル層2の強度が小さい場合においても使用することができる。また、当該絆創膏21を皮膚から剥がした際、ゲル層2の一部が剥落して皮膚に残るおそれが少なくなる。このため、絆創膏21はゲル層2の水分の量を多くする等の方法により、ゲル層を柔らかくできることから、皮膚表面の形状によりフィットすることができる。
[第四実施形態]
本発明の第四実施形態の絆創膏を図4を参酌しつつ説明する。この図4に示す絆創膏31は、ゲル層2とこのゲル層2の表面側に積層される多孔質性クッションシート3とを備えている。本実施形態においては、絆創膏31は、ゲル層2の表面側にクッションシート3が積層されている。第四実施形態における絆創膏31は、ゲル層2と皮膚の間に多孔質性クッションシート3が存在する。
この多孔質性クッションシート3は創傷部から滲出した血液や体液を吸収し、ゲル層2に連続する湿潤した層を形成する。ゲル層2は多孔質性クッションシート3中の体液に含まれる細胞の活性維持に資する結果創傷治癒の効果が奏される。ゲル層2の表面側に多孔質性クッションシート3を備えているため、当該絆創膏を皮膚から剥がした際、ゲル層の一部が剥落し皮膚に残るおそれがない。このため、ゲル層の水分の量を多くする等し、ゲル層13の強度が小さい場合においても使用することができる。また、ゲル層を柔らかくできることから、皮膚表面の形状によりフィットすることができる。
上記多孔質性クッションシート3の厚みの下限は、一般にクッション性や取扱性の観点から0.1mmであることが好ましく、0.3mmであることがより好ましい。また、多孔質性クッションシート3の厚みの上限は1.0mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。多孔質性クッションシート3の厚みが上記下限より小さいとクッション性及び吸湿性等が小さくなる。多孔質性クッションシート3の厚みが上記上限より大きいと、創傷部から滲出した血液や体液がゲル層2まで浸透しにくくなり創傷治癒の効果が小さくなる。
[第五実施形態]
本発明の第五実施形態の絆創膏を図5を参酌しつつ説明する。この図5に示す絆創膏41は、第1実施形態の絆創膏1と粘着シート42とを備え、この粘着シート42が粘着剤層43と基材シート44を有している。本実施形態においては、絆創膏41は、絆創膏1の裏面側に粘着シート42が積層されている。
<粘着シート>
上記粘着シート42はゲル層2及び多孔質性クッションシート3から延出し、ゲル層2及び多孔質性クッションシート3の外側で創傷の周囲の皮膚に貼着される。このようにして絆創膏を保持することができる。粘着シート42は基材シート44の表面側に粘着層43が積層されている。この粘着シート42は、絆創膏1を皮膚に貼り付けた場合の密着性等の観点から、可撓性を有することが好ましい。また、ゲル層の水分の蒸発を調整する観点から、適度な透湿性を有することが好ましい。
(基材シート)
基材シート44としては不織布、織布、フィルム、紙等の公知のシートを用いることができる。不織布、織布を構成する素材としては特に制限はなく、例えば、綿、絹、羊毛、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリウレタン等が挙げられる。
フィルムを用いる場合には、その素材は例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等の単層又は多層の合成樹脂フィルムが挙げられる。
これらのうち、衣服やシーツなどが接触した際の滑り性、防水性などの点から、綿、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタンの不織布、織布又は、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンのフィルムが好ましい。また、粘着シートの一部あるいは全面にわたって液透過用の開口部が形成されたシート、多孔質シート、メッシュ状のシートなどを用いることもできる。
上記粘着シート42の厚みの下限は30μmが好ましく、50μmがより好ましい。粘着シート42の厚みの上限は150μmが好ましく、100μmがより好ましい。上記粘着シートの厚みが、これらの範囲のものを用いることによって柔軟性を阻害せず、貼付時の違和感を極力抑えた絆創膏を得ることができる。
(粘着材層)
上記粘着シート42に形成される粘着剤層43の粘着剤は、一般に医療用粘着剤として用いられるものであれば特に限定されるものではなく、例えばアクリルエステル系粘着剤やゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤などの疎水性粘着剤を適宜用いることができる。
当該絆創膏は、使用時までゲル層2の水分や含有成分を保持する目的で保護シートを設けると良い。当該絆創膏の全体を保護シートで覆い密閉することにより、ゲル層2の水分や有効成分を保持することができる。保護シートの材質としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、PETフィルム等を使用することが好ましい。また、これらのシートがアルミニウム等の金属膜を有してもよい。これらのうちポリエチレンフィルムを使用することが好ましく、厚みは20μm以上500μm以下が好ましい。強度、取扱性の観点から保護シートの厚みを上記範囲とすることが好ましい。
また当該絆創膏41が粘着シート42を備えている場合、粘着シート42の表面側を剥離シートで覆うように貼り付けてもよい。粘着シート42と保護シートでゲル層2と多孔質性クッションシート3を覆うことができるためゲル層2の水分や含有成分を保持することができる。剥離シートの材質としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、PETフィルム、紙等を使用することが好ましい。保護シートの表面に剥離しやすいよう剥離加工されていることが好ましい。
[その他の実施形態]
また、上記各実施形態においては、当該絆創膏がゲル層と片面に多孔質性クッションシートを積層したものについて説明したが、本発明はこれらの形態に限定されるものではなく、例えば、当該絆創膏がゲル層とこのゲル層の両面に積層した多孔質性クッションシートとを備えてもよい。また、ゲル層が吸水率の高いポリマー含み、余分な血液や体液を吸収できるようにしてもよい。さらに、ゲル層が複数のマイクロ層を有しそれぞれのマイクロ層が異なる機能を有するものも本発明の意図する範囲である。止血剤を有するマイクロ層、鎮痛剤、消炎剤、抗炎症剤等を含有するマイクロ層、粘着剤を有するマイクロ層等をさらに積層することも適宜設計変更可能な事項である。その他にも、当該絆創膏が第二実施形態、第三実施形態又は四実施形態あるいは他の実施形態のゲル層と多孔質性クッションシートとの積層体に第五実施形態の粘着シート又は他の粘着シートを備えてもよい。
以上のように、本発明の絆創膏は、創傷部の皮膚の回復の効果を高めることができ創傷治療に好適に用いることができる。
1 絆創膏
2 ゲル層
3 多孔質性クッションシート
11 絆創膏
12 含浸層
21 絆創膏
22 含浸層
31 絆創膏
41 絆創膏
42 粘着シート
43 粘着剤層
44 基材シート

Claims (9)

  1. 多孔質性クッションシートと、このクッションシートの表面側、裏面側又は内部に積層されるゲル層とを備え、
    上記ゲル層がゲル化剤、エラスチン及び亜鉛を含有し、
    上記ゲル化剤がコラーゲンを含む絆創膏。
  2. 上記ゲル化剤におけるコラーゲンの含有量が40質量%以上95質量%以下である請求項1に記載の絆創膏。
  3. 上記ゲル層におけるコラーゲンの含有量が1質量%以上50%以下である請求項1又は請求項2に記載の絆創膏。
  4. 上記ゲル層におけるエラスチンの含有量が0.1乾燥質量%以上20乾燥質量%以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の絆創膏。
  5. 上記ゲル層における亜鉛の含有量が0.001乾燥質量%以上0.1乾燥質量%以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の絆創膏。
  6. 上記ゲル層の裏面側を覆う粘着シートを備え、
    この粘着シートが表面側の粘着剤層と裏面側の基材シートとを有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の絆創膏。
  7. 上記ゲル層が溶存した水素を有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の絆創膏。
  8. 上記ゲル層が油脂でコーティングされた水素発生剤を含有する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の絆創膏。
  9. 上記水素発生剤が水素化マグネシウム粉末である請求項8に記載の絆創膏。
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