JPH0751139B2 - 創傷被覆材 - Google Patents
創傷被覆材Info
- Publication number
- JPH0751139B2 JPH0751139B2 JP3104812A JP10481291A JPH0751139B2 JP H0751139 B2 JPH0751139 B2 JP H0751139B2 JP 3104812 A JP3104812 A JP 3104812A JP 10481291 A JP10481291 A JP 10481291A JP H0751139 B2 JPH0751139 B2 JP H0751139B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silicone
- wound
- wound dressing
- wound surface
- thin film
- Prior art date
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- Materials For Medical Uses (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱傷、床ずれおよび外傷
等を早急に治ゆする環境を備え、かつ長期間にわたって
使用可能な創傷被覆材に関するものである。
等を早急に治ゆする環境を備え、かつ長期間にわたって
使用可能な創傷被覆材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、火傷、熱傷や長期の寝たきりによ
る床ずれ、交通事故等による外傷を患う人が多く、その
治療には古くからガーゼに軟膏を塗布したものを患部に
張り付け毎日取り替えることにより患部の観察や患部へ
の措置を施すという方法が採られてきた。しかし、この
方法は手数がかかる上、治療面からも多くの問題を抱え
ていた。まず、火傷あるいは熱傷等の患部が正常な皮膚
と最も違うところは、その表面から体液や水が20倍近く
蒸発してくることである。また皮膚表面の角質がとれて
真皮等が出てきている場合には、そこが湿潤しているた
めに正常な皮膚に比べ創面へ細菌が侵入し易く、かつ増
殖し易い状況にあることである。これらのためには、被
覆材そのものに柔軟性があって創面に付着し易く、かつ
創面から水分を吸収して外部へ蒸発させ、創面の水分が
正常な時の皮膚と同じ状態に保てるものであることが必
要となる。また創面が治癒し被覆材を創面から引きはが
す際に、被覆材と創面の新生組織とが分離しにくいと、
折角再生した創面に機械的損傷を与えることになり、こ
れを防ぐために被覆材の機械的強度を弱めると、新生組
織内に被覆材の一部が残り、生体となじまないという問
題もあった。他方、最近は平均寿命の高令化に伴って高
令者人口も増し、加えて寝たきり老人の人口も増加して
いる。このため床ずれを患う人も多く、その多くは適切
な治療法も見出せないままに放置されているのが現状で
ある。
る床ずれ、交通事故等による外傷を患う人が多く、その
治療には古くからガーゼに軟膏を塗布したものを患部に
張り付け毎日取り替えることにより患部の観察や患部へ
の措置を施すという方法が採られてきた。しかし、この
方法は手数がかかる上、治療面からも多くの問題を抱え
ていた。まず、火傷あるいは熱傷等の患部が正常な皮膚
と最も違うところは、その表面から体液や水が20倍近く
蒸発してくることである。また皮膚表面の角質がとれて
真皮等が出てきている場合には、そこが湿潤しているた
めに正常な皮膚に比べ創面へ細菌が侵入し易く、かつ増
殖し易い状況にあることである。これらのためには、被
覆材そのものに柔軟性があって創面に付着し易く、かつ
創面から水分を吸収して外部へ蒸発させ、創面の水分が
正常な時の皮膚と同じ状態に保てるものであることが必
要となる。また創面が治癒し被覆材を創面から引きはが
す際に、被覆材と創面の新生組織とが分離しにくいと、
折角再生した創面に機械的損傷を与えることになり、こ
れを防ぐために被覆材の機械的強度を弱めると、新生組
織内に被覆材の一部が残り、生体となじまないという問
題もあった。他方、最近は平均寿命の高令化に伴って高
令者人口も増し、加えて寝たきり老人の人口も増加して
いる。このため床ずれを患う人も多く、その多くは適切
な治療法も見出せないままに放置されているのが現状で
ある。
【0003】そこで、近年は1)凍結乾燥豚皮、2)コ
ラーゲンまたはキチン不織布等の異種の皮膚で再構成し
た生体材料、3)ナイロン織物とシリコーン膜のラミネ
ート材の表面に微量のコラーゲンを塗布したもの、4)
ゼラチンとビニル樹脂との複合体にポリウレタンフォー
ムをつけたもの等の高分子材料と生体適合材料との複合
体、あるいは5)抗菌剤含有軟膏塗布ガーゼや抗菌剤含
浸豚皮等の抗菌剤を含んだ被覆材などが使われるように
なってきたが、1)凍結乾燥豚皮は異種皮膚のための拒
否反応がある、2)コラーゲンやキチン不織布には不織
布構造のため被覆材の表面まで新生組織で一体化してし
まうので剥離時の損傷が多い、3)ナイロン織物とシリ
コーン膜とのラミネート材の表面にコラーゲンを塗布し
たものは新生組織がシリコーン膜にまで達して剥離時に
著しい機械的創傷を与える、4)ゼラチンとビニル樹脂
との複合体にポリウレタンフォームをつけたものでは、
この現象が最も著しい、5)抗菌剤含有軟膏塗布ガーゼ
は、これらの損傷はないものの、軟膏のため長期間の使
用が困難で毎日取替えなければならないという問題があ
った。このように、この種の創傷被覆材には、柔軟性、
付着性、吸水性、水分蒸発性などの物理特性;滅菌可
能、無毒、無刺激性、生体内劣化による無毒、無刺激性
などの化学特性;炎症起因性、抗原性、生体適合性、感
染防止能力、治癒促進能力などの生物学特性に加えて、
安価に生産できるという要件を完全に満足することが必
要とされるが、この要求に適うものは現在見出されてい
ない状態にある。
ラーゲンまたはキチン不織布等の異種の皮膚で再構成し
た生体材料、3)ナイロン織物とシリコーン膜のラミネ
ート材の表面に微量のコラーゲンを塗布したもの、4)
ゼラチンとビニル樹脂との複合体にポリウレタンフォー
ムをつけたもの等の高分子材料と生体適合材料との複合
体、あるいは5)抗菌剤含有軟膏塗布ガーゼや抗菌剤含
浸豚皮等の抗菌剤を含んだ被覆材などが使われるように
なってきたが、1)凍結乾燥豚皮は異種皮膚のための拒
否反応がある、2)コラーゲンやキチン不織布には不織
布構造のため被覆材の表面まで新生組織で一体化してし
まうので剥離時の損傷が多い、3)ナイロン織物とシリ
コーン膜とのラミネート材の表面にコラーゲンを塗布し
たものは新生組織がシリコーン膜にまで達して剥離時に
著しい機械的創傷を与える、4)ゼラチンとビニル樹脂
との複合体にポリウレタンフォームをつけたものでは、
この現象が最も著しい、5)抗菌剤含有軟膏塗布ガーゼ
は、これらの損傷はないものの、軟膏のため長期間の使
用が困難で毎日取替えなければならないという問題があ
った。このように、この種の創傷被覆材には、柔軟性、
付着性、吸水性、水分蒸発性などの物理特性;滅菌可
能、無毒、無刺激性、生体内劣化による無毒、無刺激性
などの化学特性;炎症起因性、抗原性、生体適合性、感
染防止能力、治癒促進能力などの生物学特性に加えて、
安価に生産できるという要件を完全に満足することが必
要とされるが、この要求に適うものは現在見出されてい
ない状態にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、創面から出る水分を吸収、蒸発させて正常の皮膚
と同じ状況とし、外部からの細菌の侵入を防ぐと共に創
面での細菌の増殖を防ぎ、創面に柔軟に付着して治癒後
に創面からの新生組織によって硬化しても何ら機械的損
傷を創面に与えることなく剥離することの可能な創傷被
覆材を提供することである。
的は、創面から出る水分を吸収、蒸発させて正常の皮膚
と同じ状況とし、外部からの細菌の侵入を防ぐと共に創
面での細菌の増殖を防ぎ、創面に柔軟に付着して治癒後
に創面からの新生組織によって硬化しても何ら機械的損
傷を創面に与えることなく剥離することの可能な創傷被
覆材を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者ら種々検討の結
果、全体として柔軟性があって創面に付着し易く、か
つ水分の透過が可能で、外部からの細菌の侵入を阻止で
き、かつ疎水性である材料、創面が治癒し剥離する際
に、創面に機械的損傷を与えない材料、創面において
強い異物反応を起さず、一部が新生組織に取り込まれた
ときに分解生成物が毒性を示さず、また創面に侵入する
細菌に対して抗菌性を示す材料の3つの要件を、それぞ
れ満足する材料を重ね合せた3層構造の被覆材であれば
上記目的を達成出来ることを見出し、本発明を完成した
ものである。すなわち本発明による創傷被覆材は、合成
繊維織物の表裏を抗菌剤含有のシリコーン薄膜層で被覆
し、その片面に同様のシリコーンスポンジ層で覆い、さ
らにその外側表面をキトサンの膜で被覆してなるものと
したことを要旨とするものである。
果、全体として柔軟性があって創面に付着し易く、か
つ水分の透過が可能で、外部からの細菌の侵入を阻止で
き、かつ疎水性である材料、創面が治癒し剥離する際
に、創面に機械的損傷を与えない材料、創面において
強い異物反応を起さず、一部が新生組織に取り込まれた
ときに分解生成物が毒性を示さず、また創面に侵入する
細菌に対して抗菌性を示す材料の3つの要件を、それぞ
れ満足する材料を重ね合せた3層構造の被覆材であれば
上記目的を達成出来ることを見出し、本発明を完成した
ものである。すなわち本発明による創傷被覆材は、合成
繊維織物の表裏を抗菌剤含有のシリコーン薄膜層で被覆
し、その片面に同様のシリコーンスポンジ層で覆い、さ
らにその外側表面をキトサンの膜で被覆してなるものと
したことを要旨とするものである。
【0006】以下、本発明の創傷被覆材の詳細を図1に
例示した実施態様に基づいて説明する。図において、1
は合成繊維織物、2はこの表裏両面を被覆して設けられ
た抗菌剤を含有するシリコーン薄膜層、3はシリコーン
薄膜層2の片面を覆う同様に抗菌剤を含有するシリコー
ンスポンジ層、4はシリコーンスポンジ層3の外側表面
を、さらに被覆するキトサンの膜である。
例示した実施態様に基づいて説明する。図において、1
は合成繊維織物、2はこの表裏両面を被覆して設けられ
た抗菌剤を含有するシリコーン薄膜層、3はシリコーン
薄膜層2の片面を覆う同様に抗菌剤を含有するシリコー
ンスポンジ層、4はシリコーンスポンジ層3の外側表面
を、さらに被覆するキトサンの膜である。
【0007】本発明の創傷被覆材において基材として用
いられる合成繊維織物1は、ナイロン、ポリエステルな
どの織物で、通常は通気性、耐水性の点からナイロンメ
ッシュが用いられる。ナイロンメッシュとしては線径 1
27〜 280μm、目開き度30〜61%、オープニング 155〜
990μmのナイロンメッシュ番号 #20〜 #90のもの、と
くには経径 200μm、目開き度37%、オープニング 308
μm、メッシュ番号 #50のものが好ましい。
いられる合成繊維織物1は、ナイロン、ポリエステルな
どの織物で、通常は通気性、耐水性の点からナイロンメ
ッシュが用いられる。ナイロンメッシュとしては線径 1
27〜 280μm、目開き度30〜61%、オープニング 155〜
990μmのナイロンメッシュ番号 #20〜 #90のもの、と
くには経径 200μm、目開き度37%、オープニング 308
μm、メッシュ番号 #50のものが好ましい。
【0008】合成繊維織物1の表裏両面に設けられるシ
リコーン薄膜層2は、ポリジメチルシロキサンなどの医
療用シリコーン樹脂、シリコーンゴムなどを用いて、浸
漬法あるいはコーティングにより、常温で厚さ10〜70μ
m、好ましくは20〜30μmとして形成される。次に、シ
リコーン薄膜層2の片面に、二液型常温加熱のシリコー
ンゴムおよび発泡材を混合したものを塗布し、シリコー
ンゴムスポンジ層3を作成する。発泡倍率は創面に出来
た新生組織と被覆材を取り除く際に、創面に機械的損傷
を与えずに取り除くことができるように3〜10倍、とく
には5〜7倍とするのが好ましく、発泡後の厚みで2〜
10mm好ましくは2〜4mmとなるようにする。シリコーン
薄膜層2およびシリコーンスポンジ層3に含有される抗
菌剤としては、例えばシルバースルファダイアジン、ピ
ペラシリンソジウム、セフスロジンソジウム、抗菌性を
有する無機物等を用いることができ、これらはそのまま
上記シリコーン樹脂、シリコーンゴムなどに混入添加さ
れる。これら抗菌剤の添加量は15〜50重量%が好まし
く、これが15%未満では薬効がなく、50重量%を超える
と、それ以上の効力の増加が期待できないので経済的で
ない。
リコーン薄膜層2は、ポリジメチルシロキサンなどの医
療用シリコーン樹脂、シリコーンゴムなどを用いて、浸
漬法あるいはコーティングにより、常温で厚さ10〜70μ
m、好ましくは20〜30μmとして形成される。次に、シ
リコーン薄膜層2の片面に、二液型常温加熱のシリコー
ンゴムおよび発泡材を混合したものを塗布し、シリコー
ンゴムスポンジ層3を作成する。発泡倍率は創面に出来
た新生組織と被覆材を取り除く際に、創面に機械的損傷
を与えずに取り除くことができるように3〜10倍、とく
には5〜7倍とするのが好ましく、発泡後の厚みで2〜
10mm好ましくは2〜4mmとなるようにする。シリコーン
薄膜層2およびシリコーンスポンジ層3に含有される抗
菌剤としては、例えばシルバースルファダイアジン、ピ
ペラシリンソジウム、セフスロジンソジウム、抗菌性を
有する無機物等を用いることができ、これらはそのまま
上記シリコーン樹脂、シリコーンゴムなどに混入添加さ
れる。これら抗菌剤の添加量は15〜50重量%が好まし
く、これが15%未満では薬効がなく、50重量%を超える
と、それ以上の効力の増加が期待できないので経済的で
ない。
【0009】次にこのシリコーンスポンジ層3の外側、
即ち創面に直接接触する面に、キトサンを1〜6μm、
好ましくは2〜3μm塗布し、常温乾燥させてキトサン
の膜4を作成する。しかしこのキトサンを塗布する前
に、ナイロンメッシュにシリコーンおよびシリコーンス
ポンジを塗布したものを滅菌機にて滅菌を行ってから、
キトサンを無菌環境にて塗布し常温乾燥させて作成する
とよい。なお、ここで用いられるキトサンは、カニ殻や
エビ殻、昆虫類など自然界に広く分布している成分であ
るキチンを脱アセチル化して酸に可溶性にしたアミノ酸
を含んだ天然高分子である。
即ち創面に直接接触する面に、キトサンを1〜6μm、
好ましくは2〜3μm塗布し、常温乾燥させてキトサン
の膜4を作成する。しかしこのキトサンを塗布する前
に、ナイロンメッシュにシリコーンおよびシリコーンス
ポンジを塗布したものを滅菌機にて滅菌を行ってから、
キトサンを無菌環境にて塗布し常温乾燥させて作成する
とよい。なお、ここで用いられるキトサンは、カニ殻や
エビ殻、昆虫類など自然界に広く分布している成分であ
るキチンを脱アセチル化して酸に可溶性にしたアミノ酸
を含んだ天然高分子である。
【0010】
【作用】本発明による創傷被覆材は、キトサン膜の付着
している面を創面に直接当てサージカルテープのような
もので固着させておけば、1)キトサン膜が創面の水分
を吸収し、これをシリコーンスポンジ層、シリコーン薄
膜層、合成繊維織物等を通して外部へ蒸発させる、2)
ナイロンメッシュの外側、すなわち最外表面のシリコー
ン薄膜層、ナイロンメッシュの内側のシリコーン薄膜
層、シリコーンスポンジ層の各層によって外部からの細
菌の侵入を防ぐ、3)これらのシリコーン各層中に含ま
れる抗菌剤が徐々に放出されて、侵入して来た細菌を長
期間にわたって殺す、4)創面に直接当たるキトサンは
水分を吸収するだけでなく、抗菌作用の外に、創傷治癒
促進効果、表皮化促進効果、良性肉芽形成効果も有する
ので、長期間にわたって使用でき、創傷を早期に治癒さ
せる環境を備える。
している面を創面に直接当てサージカルテープのような
もので固着させておけば、1)キトサン膜が創面の水分
を吸収し、これをシリコーンスポンジ層、シリコーン薄
膜層、合成繊維織物等を通して外部へ蒸発させる、2)
ナイロンメッシュの外側、すなわち最外表面のシリコー
ン薄膜層、ナイロンメッシュの内側のシリコーン薄膜
層、シリコーンスポンジ層の各層によって外部からの細
菌の侵入を防ぐ、3)これらのシリコーン各層中に含ま
れる抗菌剤が徐々に放出されて、侵入して来た細菌を長
期間にわたって殺す、4)創面に直接当たるキトサンは
水分を吸収するだけでなく、抗菌作用の外に、創傷治癒
促進効果、表皮化促進効果、良性肉芽形成効果も有する
ので、長期間にわたって使用でき、創傷を早期に治癒さ
せる環境を備える。
【0011】
【実施例】以下本発明を実施例および比較例により説明
する。 実施例:経径 200μm、目開き度37%、オープニング 3
08μmのメッシュ番号 #50(NBC工業社製)のナイロ
ンメッシュを、10cm×10cmの大きさに切取り、ステンレ
ス鋼製の金属枠に取りつける。次に医療用シリコーンゴ
ムの常温加熱型の二液型のもの、例えばMDX-4210(ダウ
コーニング社製)を、ナイロンメッシュの両面にそれぞ
れ塗布して厚み2μmのシリコーン薄膜層を形成した
後、その一方の面に医療用シリコーンゴムの常温加熱型
の二液型シリコーン発泡体 X-31-1029(信越化学社製)
をよく混合して直ちに厚さ 0.6mm程で塗布し、発泡後の
厚さが3mmでスポンジの表面に発泡時の孔が出ているシ
リコーンスポンジ層を形成した。なおシリコーン薄膜お
よびシリコーンスポンジ用の原料には、これの30重量%
の抗菌剤としてのシルバースルファダイアジンを予め添
加・混合した。このようにして作成したナイロンメッシ
ュとシリコーンとの複合体を 180℃、30分で乾熱滅菌し
た後、無菌箱に入れ、内部でキトサンを厚さ6μmで塗
布し自然乾燥させて本発明の創傷被覆材を得た。
する。 実施例:経径 200μm、目開き度37%、オープニング 3
08μmのメッシュ番号 #50(NBC工業社製)のナイロ
ンメッシュを、10cm×10cmの大きさに切取り、ステンレ
ス鋼製の金属枠に取りつける。次に医療用シリコーンゴ
ムの常温加熱型の二液型のもの、例えばMDX-4210(ダウ
コーニング社製)を、ナイロンメッシュの両面にそれぞ
れ塗布して厚み2μmのシリコーン薄膜層を形成した
後、その一方の面に医療用シリコーンゴムの常温加熱型
の二液型シリコーン発泡体 X-31-1029(信越化学社製)
をよく混合して直ちに厚さ 0.6mm程で塗布し、発泡後の
厚さが3mmでスポンジの表面に発泡時の孔が出ているシ
リコーンスポンジ層を形成した。なおシリコーン薄膜お
よびシリコーンスポンジ用の原料には、これの30重量%
の抗菌剤としてのシルバースルファダイアジンを予め添
加・混合した。このようにして作成したナイロンメッシ
ュとシリコーンとの複合体を 180℃、30分で乾熱滅菌し
た後、無菌箱に入れ、内部でキトサンを厚さ6μmで塗
布し自然乾燥させて本発明の創傷被覆材を得た。
【0012】比較例:現在市販されている創傷被覆材、
凍結真空乾燥豚皮、コラーゲン不織布(メイパック)、
抗菌剤含有軟膏塗布ガーゼ(ソフラチュール)、バイオ
プレンおよびベスキチンを比較対照試料とした。本発明
の創傷被覆材とこれらの比較対照試料とについて、創傷
被覆材としての各特性を測定し、その結果を表1に示し
た。なお、抗菌性試験および長期使用試験は下記の方法
で行った。 抗菌性試験:緑膿菌を接種して経過時間後の菌の残留程
度を調べた。 長期使用 :抗菌性試験の結果及び吸湿状況から判断し
た。
凍結真空乾燥豚皮、コラーゲン不織布(メイパック)、
抗菌剤含有軟膏塗布ガーゼ(ソフラチュール)、バイオ
プレンおよびベスキチンを比較対照試料とした。本発明
の創傷被覆材とこれらの比較対照試料とについて、創傷
被覆材としての各特性を測定し、その結果を表1に示し
た。なお、抗菌性試験および長期使用試験は下記の方法
で行った。 抗菌性試験:緑膿菌を接種して経過時間後の菌の残留程
度を調べた。 長期使用 :抗菌性試験の結果及び吸湿状況から判断し
た。
【0013】
【表1】
【0014】
【発明の効果】本発明による創傷被覆材は、従来品に比
べ、抗菌性、付着性、吸湿性、生体適合性に優れ、除去
時の機械的損傷がないほか、感染防止能力、治癒促進能
力にも優れているため、熱傷、床ずれ等の外傷等を早急
に治癒する環境を備え、長期にわたって使用することが
できる。
べ、抗菌性、付着性、吸湿性、生体適合性に優れ、除去
時の機械的損傷がないほか、感染防止能力、治癒促進能
力にも優れているため、熱傷、床ずれ等の外傷等を早急
に治癒する環境を備え、長期にわたって使用することが
できる。
【図1】本発明の創傷被覆材の一例を示す断面説明図で
ある。
ある。
1…合成繊維織物、2…シリコーン薄膜層、3…シリコ
ーンスポンジ層、4…キトサン膜。
ーンスポンジ層、4…キトサン膜。
Claims (1)
- 【請求項1】合成繊維織物の表裏を抗菌剤を含有するシ
リコーン薄膜層で被覆し、その片面を同様のシリコーン
スポンジ層で覆い、さらにその外表面をキトサンの膜で
被覆してなる創傷被覆材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3104812A JPH0751139B2 (ja) | 1991-04-10 | 1991-04-10 | 創傷被覆材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3104812A JPH0751139B2 (ja) | 1991-04-10 | 1991-04-10 | 創傷被覆材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04312458A JPH04312458A (ja) | 1992-11-04 |
JPH0751139B2 true JPH0751139B2 (ja) | 1995-06-05 |
Family
ID=14390830
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3104812A Expired - Lifetime JPH0751139B2 (ja) | 1991-04-10 | 1991-04-10 | 創傷被覆材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0751139B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008032697A1 (fr) | 2006-09-11 | 2008-03-20 | Kaneka Corporation | Mousse et procédé pour la produire |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5827610A (en) * | 1997-01-10 | 1998-10-27 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Chitosan-coated pulp, a paper using the pulp, and a process for making them |
KR20010100252A (ko) * | 2000-03-29 | 2001-11-14 | 임창준 | 수용성 키토산 막의 제조방법 및 그를 이용한 일회용 밴드 |
GB0606661D0 (en) | 2006-04-03 | 2006-05-10 | Brightwake Ltd | Improvements relating to dressings |
CN104524642B (zh) * | 2010-04-13 | 2017-09-19 | 凯希特许有限公司 | 具有活性成分的组合物以及伤口敷料、设备和方法 |
JP2013099543A (ja) * | 2012-12-27 | 2013-05-23 | Trustees Of Columbia Univ In The City Of New York | 医用物品を被覆するための亜鉛塩含有組成物 |
WO2017207676A1 (en) * | 2016-06-03 | 2017-12-07 | Koninklijke Philips N.V. | Cushion member and method of manufacturing same |
-
1991
- 1991-04-10 JP JP3104812A patent/JPH0751139B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008032697A1 (fr) | 2006-09-11 | 2008-03-20 | Kaneka Corporation | Mousse et procédé pour la produire |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04312458A (ja) | 1992-11-04 |
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