JP2015053384A - プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】抵抗フィルタがなくとも直流電源を高周波電力から保護する。
【解決手段】プラズマ処理装置1は、処理容器10と、処理容器10内に設けられた導電性の基台16と、基台16上に設けられた電極20を有する静電チャック18と、基台16に高周波電力を供給するための第1及び第2の高周波電源72,74と、静電チャック18に直流電圧を印加するための第1の直流電源22と、処理容器10内において処理ガスのプラズマを生成するプラズマ生成部と、を備える。当該プラズマ処理装置1を用いたプラズマ処理方法MT1は、静電チャック18の電極20に第1の直流電源22を接続する工程ST1と、当該接続を断つ工程ST2と、当該接続が断たれた状態で、第1及び第2の高周波電源72,74から基台16に高周波電力を供給し、処理容器10内においてプラズマを生成する工程ST3と、を含む。
【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置に関するものである。
電子デバイスの製造においては、プラズマ処理装置の処理容器内において発生させたプラズマによって被処理体を処理するプラズマ処理が行われることがある。一般的なプラズマ処理装置は、処理容器内に設けられた載置台を備えており、載置台は、基台、及び、当該基台上に設けられた静電チャックを有している。静電チャックは、電極を有しており、当該電極には直流電源が接続されている。また、基台には、高周波電源が接続されている。このようなプラズマ処理装置では、高周波電力から直流電源を保護するための抵抗フィルタが、当該直流電源と静電チャックの電極との間に設けられている。
また、プラズマ処理装置では、被処理体と基台との間の電位差が大きくなることにより、被処理体と基台との間で異常放電が発生することがある。この異常放電を防止するためには、被処理体と基台との電位差を低減させる必要がある。被処理体と基台との電位差を低減させることが可能なプラズマ処理装置は、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1のプラズマ処理装置は、基台に供給する高周波電力の電力値と被処理体表面の電位との関係を保持したテーブルデータを参照して、被処理体の表面の電位に応じた直流電圧を基台に印加するものである。
国際公開第03/009363号
ところで、プラズマ処理装置を用いたプラズマ処理では、基台に供給される高周波電力は、益々大きくなってきている。このように大きな高周波電力が基台に供給されると、抵抗フィルタの発熱が大きくなり、当該発熱が無視できないものとなる。
したがって、抵抗フィルタがなくとも直流電源を高周波電力から保護することが要請されている。
一側面においては、プラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法が提供される。該プラズマ処理装置は、処理容器と、処理容器内に設けられた導電性の基台と、基台上に設けられた静電チャックであり、電極を有する該静電チャックと、基台に高周波電力を供給するための高周波電源と、静電チャックに直流電圧を印加するための第1の直流電源と、処理容器内において処理ガスのプラズマを生成するプラズマ生成部と、を備える。該プラズマ処理方法は、(a)静電チャックの電極に第1の直流電源を接続する工程と、(b)静電チャックの電極と第1の直流電源との接続を断つ工程と、(c)静電チャックの電極と第1の直流電源との接続が断たれた状態で、高周波電源から基台に高周波電力を供給し、処理容器内においてプラズマを生成する工程と、を含む。
このプラズマ処理方法では、工程(a)において、静電チャックの電極と第1の直流電源とが接続され、静電チャックに電荷が蓄積される。このように電荷が蓄積されることにより、被処理体が静電チャックに吸着されて保持される。続く工程(b)では、静電チャックの電極と直流電源との接続が断たれ、静電チャックの電極が電気的なフローティング状態となる。そして、続く工程(c)において、静電チャックの電極と直流電源との接続が断たれた状態で、高周波電力が基台に供給され、プラズマが生成されるので、直流電源を高周波電力から保護することが可能となる。
一形態においては、プラズマ処理装置は、第1の直流電源に接続された第1の可動給電体を更に備えていてもよく、静電チャックの電極に第1の直流電源を接続する工程(a)では、第1の可動給電体が静電チャックの電極に接続され、静電チャックの電極と第1の直流電源との接続を断つ工程(b)では、第1の可動給電体と静電チャックの電極との接続を断つよう第1の可動給電体が移動されてもよい。なお、第1の直流電源と静電チャックの電極との接続は、スイッチによって切断されてもよい。
一形態においては、(d)高周波電力を供給する工程の前に、基台に、第1の直流電源又は直流電圧を発生する別の直流電源である第2の直流電源を接続する工程と、(e)基台と第2の直流電源との接続を断つ工程と、を更に含み、プラズマを生成する工程(c)は、基台と第2の直流電源との接続が断たれた状態で、行われてもよい。この形態では、工程(d)において基台に第2の直流電源が接続されることにより、基台に電荷が蓄積される。続く工程(e)では、基台と第2の直流電源との接続が断たれ、静電チャックの電極が電気的なフローティング状態となる。続く工程(c)において高周波電力が基台に供給され、プラズマが生成されるときには、蓄積された電荷によって基台と被処理体との間の電位差が緩和される。したがって、基台と被処理体との間の異常放電を抑制することが可能となる。また、工程(c)での高周波電力の供給時には、基台と第2の直流電源との接続が断たれた状態が維持される。したがって、第2の直流電源を高周波電力から保護することが可能となる。
一形態においては、プラズマ処理装置は、第2の直流電源に接続された第2の可動給電体を更に備えていてもよく、第2の直流電源を接続する工程(d)では、第2の可動給電体が基台に接続され、基台と第2の直流電源との接続を断つ工程(e)では、第2の可動給電体と基台との接続を断つよう第2の可動給電体が移動されてもよい。なお、第2の直流電源と基台との接続は、スイッチによって切断されてもよい。
別の側面においては、プラズマ処理装置が提供される。このプラズマ処理装置は、処理容器と、処理容器内に設けられた導電性の基台と、基台上に設けられた静電チャックであり、電極を有する該静電チャックと、基台に高周波電力を供給するための高周波電源と、静電チャックに直流電圧を印加するための第1の直流電源と、処理容器内において処理ガスのプラズマを生成するプラズマ生成部と、静電チャックの電極と直流電源との接続及び非接続を切り換えるための第1の手段と、プラズマ生成部、高周波電源、及び第1の手段を制御する制御部と、を備える。制御部は、静電チャックの電極に第1の直流電源を接続するよう第1の手段を制御する第1制御と、静電チャックの電極に第1の直流電源との接続を断つよう第1の手段を制御する第2制御と、静電チャックの電極と第1の直流電源との接続が断たれた状態で、高周波電源から基台に高周波電力を供給し、処理容器内においてプラズマを生成するよう、プラズマ生成部及び高周波電源を制御する第3制御と、を実行する。
このプラズマ処理装置では、制御部により、静電チャックの電極に第1の直流電源を接続するよう第1の手段を制御する第1制御と、静電チャックの電極に第1の直流電源との接続を断つよう第1の手段を制御する第2制御と、静電チャックの電極と第1の直流電源との接続が断たれた状態で、高周波電源から基台に高周波電力を供給し、処理容器内においてプラズマを生成するよう、プラズマ生成部及び高周波電源を制御する第3制御と、が実行される。よって、このプラズマ処理装置によれば、上述した一側面に係るプラズマ処理方法を実施することが可能となる。
一形態においては、第1の手段は、第1の可動給電体と、該第1の可動給電体を移動させる第1の機構と、を含んでいてもよく、制御部は、第1制御において、第1の機構を制御して、第1の可動給電体を静電チャックの電極に接続させ、第2制御において、第1の機構を制御して、第1の可動給電体と静電チャックの電極との接続を断つよう第1の可動給電体を移動させてもよい。
一形態においては、直流電源又は該直流電源とは別の直流電源である第2の直流電源と基台との接続及び非接続を切り換えるための第2の手段を更に備えていてもよく、制御部は、第3制御の前に、基台に第2の直流電源を接続するよう第2の手段を制御する第4制御と、基台と第2の直流電源との接続を断つよう第2の手段を制御する第5制御と、を更に実行してもよく、第3制御は、基台と第2の直流電源との接続が断たれた状態で、実行されてもよい。
一形態においては、第2の手段は、第2の直流電源に接続された第2の可動給電体と、該第2の可動給電体を移動させる第2の機構と、を含んでいてもよく、制御部は、第4制御において、第2の機構を制御して、第2の可動給電体と基台に接続させ、第5制御において、第2の機構を制御して、第2の可動給電体と基台との接続を断つよう第2の可動給電体を移動させてもよい。
以上説明したように、本発明の種々の側面及び形態によれば、抵抗フィルタがなくとも直流電源を高周波電力から保護することが可能である。
一実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。 一実施形態に係るプラズマ処理装置の載置台に関連する配線構造を概略的に示す断面図である。 一実施形態に係るプラズマ処理方法を示す流れ図である。 別の実施形態に係るプラズマ処理装置の載置台に関連する配線構造を示す概略的に示す断面図である。 別の実施形態に係るプラズマ処理方法を示す流れ図である。
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
(第1実施形態)
まず、図1を参照して、一実施形態に係るプラズマ処理装置の概要を説明する。図1は、一実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。図1に示すプラズマ処理装置1は、容量結合型平行平板プラズマ処理装置であり、略円筒状の処理容器10を備えている。処理容器10は、例えば、その表面は陽極酸化処理されたアルミニウムから構成されている。この処理容器10は保安接地されている。
処理容器10内には、載置台PD1が設けられている。この載置台PD1は、基台16と静電チャック18を含んでいる。基台16は、導電性の部材であり、下部電極を構成している。基台16は、例えば、アルミニウムから構成されている。一実施形態においては、処理容器10の底部上には、セラミックス等により構成された絶縁板12が設けられており、当該絶縁板12上には円柱状の支持台14が配置されている。基台16は、この支持台14上に設けられている。また、支持台14の側面及び基台16の側面に沿うように、筒状の内壁部材29が設けられている。内壁部材29は、例えば、石英製である。
基台16の上面には、静電力によりウエハWを吸着保持する静電チャック18が設けられている。静電チャック18は、導電膜である電極20を一対の絶縁層又は絶縁シート間に配置した構造を有している。この電極20には、第1の直流電源22からの直流電圧が印加されるようになっている。
基台16の上面であって、静電チャック18の周囲には、フォーカスリング(補正リング)30が配置されている。フォーカスリング30は、導電性を有するものであり、例えばシリコンから構成され得る。このフォーカスリング30は、ウエハWに対するプラズマ処理の均一性を向上させ得る。
支持台14の内部には、冷媒室32が設けられている。この冷媒室32とチラーユニットとの間では、冷媒が管30a及び30bを介して循環される。また、プラズマ処理装置1には、ガス供給ライン33が設けられている。ガス供給ライン33は、伝熱ガス供給機構からの伝熱ガス、例えばHeガスを、静電チャック18の上面とウエハWの裏面との間に供給する。
下部電極である基台16の上方には、基台16と対面するように上部電極34が設けられている。基台16と上部電極34とは、互いに略平行に配置されている。これら上部電極34と基台16との間には、ウエハWにプラズマ処理を行うための処理空間Eが画成されている。
上部電極34は、絶縁性遮蔽部材42を介して、処理容器10の上部に支持されている。上部電極34は、電極板36及び電極支持体38を含み得る。電極板36は、基台16との対向面を構成し、当該電極板36には複数のガス吐出孔37が形成されている。電極板36は、ジュール熱の少ない低抵抗の導電体又は半導体から構成され得る。後述するようにレジストを強化する観点からは、電極板36は、シリコンやSiCといったシリコン含有物質から構成されていてもよい。
電極支持体38は、電極板36を着脱自在に支持するものであり、例えばアルミニウムといった導電性材料から構成されている。この電極支持体38は、水冷構造を有し得る。電極支持体38の内部には、ガス拡散室40が設けられている。このガス拡散室40からは、ガス吐出孔37に連通する複数のガス通流孔41が下方に延びている。また、電極支持体38にはガス拡散室40に処理ガスを導くガス導入口62が形成されており、このガス導入口62は、ガス供給管64が接続されている。
ガス供給管64には処理ガス供給部66が接続されている。ガス供給管64には、上流から順にマスフローコントローラといった流量制御器68及び開閉バルブ70が設けられている。処理ガス供給部66は、プラズマ処理のための処理ガスを供給する。この処理ガス供給部66からの処理ガスは、ガス供給管64からガス拡散室40に至り、ガス通流孔41及びガス吐出孔37を介して処理空間Eに吐出される。すなわち、上部電極34は、処理ガスを供給するためのシャワーヘッドとして機能する。
また、プラズマ処理装置1は、接地導体10aを更に備え得る。接地導体10aは、略円筒状の接地導体であり、処理容器10の側壁から上部電極34の高さ位置よりも上方に延びるように設けられている。
また、プラズマ処理装置1では、処理容器10の内壁に沿ってデポシールド11が着脱自在に設けられている。また、デポシールド11は、内壁部材29の外周にも設けられている。デポシールド11は、処理容器10にエッチング副生物(デポ)が付着することを防止するものであり、アルミニウム材にY等のセラミックスを被覆することにより構成され得る。
処理容器10の底部側においては、内壁部材29と処理容器10の内壁との間に排気プレート83が設けられている。排気プレート83は、例えば、アルミニウム材にY等のセラミックスを被覆することにより構成され得る。この排気プレート83の下方において処理容器10には、排気口80が設けられている。排気口80には、排気管82を介して排気装置84が接続されている。排気装置84は、ターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有しており、処理容器10内を所望の真空度まで減圧することができる。また、処理容器10の側壁にはウエハWの搬入出口85が設けられており、この搬入出口85はゲートバルブ86により開閉可能となっている。
また、処理容器10の内壁には、導電性部材(GNDブロック)88が設けられている。導電性部材88は、高さ方向においてウエハWと略同じ高さに位置するように、処理容器10の内壁に取り付けられている。この導電性部材88は、グランドにDC的に接続されており、異常放電防止効果を発揮する。なお、導電性部材88はプラズマ生成領域に設けられていればよく、その設置位置は図1に示す位置に限られるものではない。例えば、導電性部材88は、基台16の周囲に設けられる等、基台16側に設けられてもよく、また上部電極34の外側にリング状に設けられる等、上部電極34近傍に設けられてもよい。
また、プラズマ処理装置1は、第1の高周波電源72及び第2の高周波電源74を更に備えている。第1の高周波電源72は、プラズマ生成用の第1の高周波(RF:Radio Frequency)電力を発生する電源であり、27〜100MHzの周波数、一例においては40MHzの高周波電力を発生する。第1の高周波電源72は、整合器73を介して下部電極である基台16に接続されている。整合器73は、第1の高周波電源72の出力インピーダンスと負荷側(下部電極である基台16側)の入力インピーダンスを整合させるための回路である。
第2の高周波電源74は、ウエハWにイオンを引き込むための第2の高周波電力、即ち高周波バイアス電力を発生する電源であり、400kHz〜13.56MHzの範囲内の周波数、一例においては3MHzの高周波電力を発生する。第2の高周波電源74は、整合器75を介して下部電極である基台16に接続されている。整合器75は、第2の高周波電源74の出力インピーダンスと負荷側(下部電極である基台16側)の入力インピーダンスを整合させるための回路である。なお、第1の高周波電源72、開閉バルブ70、及び、処理ガス供給部66は、一実施形態におけるプラズマ生成部を構成している。
また、プラズマ処理装置1は、制御部Cntを更に備え得る。この制御部Cntは、プロセッサ、記憶部、入力装置、表示装置等を備えるコンピュータであり、プラズマ処理装置1の各部、例えば電源系やガス供給系、駆動系及び電源系等を、制御する。この制御部Cntでは、入力装置を用いて、オペレータがプラズマ処理装置1を管理するためにコマンドの入力操作等を行うことができ、また、表示装置により、プラズマ処理装置1の稼働状況を可視化して表示することができる。さらに、制御部Cntの記憶部には、プラズマ処理装置1で実行される各種処理をプロセッサにより制御するための制御プログラムや、処理条件に応じてプラズマ処理装置1の各構成部に処理を実行させるためのプログラム、即ち、処理レシピが格納される。
次に、図2を参照して、一実施形態に係るプラズマ処理装置の載置台に関連する配線構造について詳細に説明する。図2は、一実施形態に係るプラズマ処理装置の載置台に関連する配線構造を概略的に示す断面図であり、載置台の一部分の断面を拡大して示している。図2に示すように、プラズマ処理装置1には、第1の直流電源22と静電チャック18の電極20との電気的な接続と非接続とを切り換えることが可能な配線構造が設けられている。以下、かかる配線構造の一例について、詳細に説明する。
基台16には、鉛直方向に当該基台16を貫通する貫通孔16aが形成されている。貫通孔16a内では、導線50が延在している。この導線50の一端、即ち上端には金属製の端子部材52が取り付けられており、導線50の他端、即ち下端には金属製の端子部材54が取り付けられている。端子部材52は、静電チャック18の電極20の端子部20tと結合されている。端子部材52と端子部20tとの間の結合には、例えば、ロウ付け、半田接合、又は導電性接着剤を用いた接合を用いることができる。
また、支持台14には、鉛直方向に当該支持台14を貫通する貫通孔14aが、貫通孔16aに連続するように形成されている。プラズマ処理装置1は、この貫通孔16a内において鉛直方向に移動可能な第1の可動給電体24を更に備えている。第1の可動給電体24は、その先端に端子56を有しており、また、当該第1の可動給電体24には、第1の直流電源22が電気的に接続されている。また、第1の可動給電体24は、駆動機構26に取り付けられている。駆動機構26は、当該第1の可動給電体24を鉛直方向に移動させる駆動力を発生する。この駆動機構26は、一実施形態の第1の機構を構成しており、当該駆動機構26と第1の可動給電体24は、一実施形態の第1の手段を構成している。
導線50の他端に設けられた端子部材52は、貫通孔16aと貫通孔14aとの間の境界近傍に位置している。この端子部材52は、基台16及び支持台14から絶縁された状態で、当該基台16又は支持台14に支持されている。
図2の(a)に示すように、駆動機構26によって第1の可動給電体24を上方へ移動させて、当該第1の可動給電体24の先端の端子56を端子部材54に接触させると、第1の直流電源22と静電チャック18の電極20とを電気的に接続することができる。また、図2の(b)に示すように、駆動機構26によって第1の可動給電体24を下方へ移動させて、端子部材54から第1の可動給電体24の端子56を引き離すと、第1の直流電源22と静電チャック18の電極20との接続を断つことができる。
上述した制御部Cntは、かかる配線構造を有するプラズマ処理装置1において第1制御、第2制御、及び第3制御を順に実行することができる。第1制御において、制御部Cntは、静電チャック18の電極20に第1の直流電源22を電気的に接続するよう、駆動機構26を制御する。具体的には、制御部Cntは、第1の可動給電体24を上方に移動させるよう、駆動機構26を制御する。これによって、図2の(a)に示すように、第1の可動給電体24の端子56が端子部材54に接触する。その結果、静電チャック18の電極20と第1の直流電源22とが電気的に接続され、静電チャック18の電極20に直流電圧が印加される。また、この第1制御の結果、静電チャック18に電荷が蓄積される。
続く第2制御において、制御部Cntは、静電チャック18の電極20と第1の直流電源22との電気的な接続を断つよう、駆動機構26を制御する。具体的には、制御部Cntは、第1の可動給電体24を下方に移動させるよう駆動機構26を制御する。これによって、第1の可動給電体24の端子56が端子部材54から引き離される。その結果、静電チャック18の電極20と第1の直流電源22との電気的な接続が断たれ、静電チャック18は電気的なフローティング状態となる。この状態では、静電チャック18上に載置されたウエハWは、静電チャック18に蓄積された電荷に基づくクーロン力によって当該静電チャック18に吸着保持された状態を維持する。
続く第3制御において、制御部Cntは、静電チャック18の電極20と第1の直流電源22との電気的な接続が断たれた状態で、処理容器10内において処理ガスのプラズマを生成し、且つ基台16に高周波電力を供給するよう、流量制御器68、開閉バルブ70、処理ガス供給部66、第1の高周波電源72及び第2の高周波電源74を制御する。具体的には、制御部Cntは、処理ガスが処理容器10内に供給されるよう、流量制御器68、開閉バルブ70、及び処理ガス供給部66を制御し、高周波電力が第1の高周波電源72から基台16に供給されるよう、第1の高周波電源72を制御する。これにより、処理容器10内で処理ガスのプラズマが生成される。また、第3制御において、制御部Cntは、高周波電力が第2の高周波電源74から基台16に供給されるよう、第2の高周波電源74を制御する。これによって、プラズマ中の電子がウエハWに向けて引きつけられる。この第3制御の実行時には、第1の直流電源22と静電チャック18の電極20との電気的な接続は断たれた状態であるので、高周波電力の第1の直流電源22への流入を防止することができる。即ち、抵抗フィルタを用いなくとも、高周波電力から第1の直流電源22を保護することが可能である。
次に、図3を参照して、プラズマ処理装置1を用いて実施することが可能なプラズマ処理方法の一実施形態について説明する。図3は、一実施形態に係るプラズマ処理方法を示す流れ図である。図3に示す方法MT1は、工程ST1、工程ST2、及び工程ST3を含んでいる。
工程ST1では、静電チャック18の電極20と第1の直流電源22とが電気的に接続される。プラズマ処理装置1にて工程ST1を実施する場合には、図2の(a)に示すように、第1の可動給電体24の端子56が端子部材54に当接することにより、静電チャック18の電極20と第1の直流電源22とが電気的に接続される。
続く工程ST2では、静電チャック18の電極20と第1の直流電源22との電気的な接続が断たれる。プラズマ処理装置1にて工程ST2を実施する場合には、図2の(b)に示すように、第1の可動給電体24の端子56が端子部材54から引き離されることにより、静電チャック18の電極20と第1の直流電源22との電気的な接続が断たれる。
続く工程ST3では、図2の(b)に示すように静電チャック18の電極20と第1の直流電源22との接続が断たれた状態で、基台16に高周波電源74からの高周波電力が供給され、処理容器10内でプラズマが生成される。
かかるプラズマ処理方法MT1によれば、工程ST1において、静電チャック18の電極20と第1の直流電源22とが電気的に接続され、静電チャック18に電荷が蓄積される。この工程ST1により、ウエハWが静電チャック18に吸着されて保持される。続く工程ST2では、静電チャック18の電極20と第1の直流電源22との電気的な接続が断たれ、静電チャック18の電極20が電気的なフローティング状態となる。方法MT1では、工程ST2以降、静電チャック18の電極20と第1の直流電源22との電気的な接続は断たれた状態となるが、工程ST1において静電チャック18に蓄積された電荷によって、ウエハWは引き続き静電チャックに吸着保持される。そして、続く工程ST3において、静電チャック18の電極20と第1の直流電源22との接続が断たれた状態で、高周波電力が基台16に供給され、プラズマが生成される。この方法MT1では、工程ST3の実施時、即ち、基台16に高周波電力が供給されているときに、第1の直流電源22と静電チャック18の電極との電気的な接続は断たれているので、高周波電力から直流電源22を保護することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、図4を参照して、別の実施形態に係るプラズマ処理装置を説明する。以下では、第2実施形態に関し、上記第1実施形態との相違点について主に説明する。図4は、別の実施形態に係るプラズマ処理装置の載置台に関連する配線構造を概略的に示す断面図であり、載置台の一部分の断面を拡大して示している。本実施形態に係るプラズマ処理装置は、上記第1実施形態に係るプラズマ処理装置1とほぼ同様の構成であるが、第1の直流電源22に加えて直流電圧を発生する別の直流電源である第2の直流電源43を備えている。また、第1の可動給電体24及び駆動機構26に加えて、第2の可動給電体44及び駆動機構45を備えている。なお、駆動機構45は、一実施形態の第2の機構を構成し、当該駆動機構45と第2の可動給電体44は、一実施形態の第2の手段を構成している。
この実施形態のプラズマ処理装置の配線構造は、第1の直流電源22と静電チャック18の電極20との接続と非接続とを切り換えることが可能であることに加えて、第2の直流電源43と基台16との電気的な接続と非接続とを切り換えることが可能である。具体的には、図4に示すように、載置台PD2の支持台14には、貫通孔14aに加えて、当該支持台14を鉛直方向に貫通する貫通孔14bが形成されている。本実施形態のプラズマ処理装置は、この貫通孔14b内において鉛直方向に移動可能な第2の可動給電体44を更に備えている。
第2の可動給電体44は、その先端に端子58を有しており、また、当該第2の可動給電体44には、第2の直流電源43が電気的に接続されている。また、第2の可動給電体44は、駆動機構45に取り付けられている。駆動機構45は、第2の可動給電体44を鉛直方向に移動させるための駆動力を発生する。
本実施形態のプラズマ処理装置の制御部Cntは、第1〜第3制御に加え、第4制御及び第5制御を更に実行し得る。一実施形態では、制御部Cntは、第4制御及び第5制御を第3制御の前に実行する。第4制御において、制御部Cntは、基台16に第2の直流電源43を電気的に接続するよう、駆動機構45を制御する。具体的には、制御部Cntは、第2の可動給電体44を上方に移動させるよう駆動機構45を制御する。これによって、第2の可動給電体44の端子58が基台16の下面に接触する。その結果、第2の直流電源43と基台16とが電気的に接続され、基台16に電荷が蓄積される。
続く第5制御において、制御部Cntは、基台16と第2の直流電源43との電気的な接続を断つよう、駆動機構45を制御する。具体的には、制御部Cntは、第2の可動給電体44を下方に移動させるよう駆動機構45を制御する。これによって、第2の可動給電体44の端子58が基台16の下面から引き離される。その結果、第2の直流電源43と基台16との電気的な接続が断たれ、基台16は電気的なフローティング状態となる。その後、制御部Cntは、第3制御を実行する。本実施形態のプラズマ処理装置では、第3制御の実行によりプラズマが生成されているときには、第4制御の実行時に蓄積された電荷によってウエハWと基台16との間の電位差が緩和される。その結果、ウエハWと基台16との間の異常放電を抑制することが可能となる。また、第3制御の実行時には、第2の直流電源43と基台16との間の電気的な接続が断たれているので、基台16に供給される高周波電力から第2の直流電源43を保護することが可能である。
次に、図5を参照して、第2実施形態に係るプラズマ処理装置を用いて実施することが可能なプラズマ処理方法の一実施形態について説明する。図5は、別の実施形態に係るプラズマ処理方法を示す流れ図である。図5に示す方法MT2は、方法MT1における工程ST1、工程ST2、及び工程ST3に加えて、工程ST4及び工程ST5を含んでいる。
工程ST4では、第2の直流電源43と基台16とが電気的に接続される。第2実施形態のプラズマ処理装置にて工程ST4を実施する場合には、第2の可動給電体44の端子58が基台16の下面に当接することにより、第2の直流電源43が基台16に電気的に接続される。この工程ST4により、基台16に、電荷が蓄積される。
続く工程ST5では、第1の直流電源22と基台16との電気的な接続が断たれる。第2実施形態のプラズマ処理装置にて工程ST5を実施する場合には、第2の可動給電体44の端子58が基台16の下面から引き離されことにより、第1の直流電源22と基台16との電気的な接続が断たれる。これにより、基台16は電気的なフローティング状態となり、基台16に蓄積された電荷が維持される。
次いで、方法MT2では、上述の工程ST1〜ST3が実施される。かかる方法MT2では、工程ST3においてプラズマが生成されているときには、工程ST4において基台16に蓄積された電荷によってウエハWと基台16との間の電位差が緩和される。その結果、ウエハWと基台16との間の異常放電を抑制することが可能となる。また、工程ST3の実施時には、第2の直流電源43と基台16との間の電気的な接続が断たれているので、基台16に供給される高周波電力から第2の直流電源43を保護することが可能である。
以上、種々の実施形態について説明したが、上記実施形態に限定されることなく、種々の変形態様が構成され得る。
例えば、上記実施形態においては、高周波電力から第1及び第2の直流電源22,43をそれぞれ保護するための抵抗フィルタが設けられていない。しかしながら、第1の直流電源22と静電チャック18の電極との間の電気的パス中に抵抗フィルタが設けられていてもよい。また、第2の直流電源43と基台16との間の電気的パス中に抵抗フィルタが設けられていてもよい。かかる変形態様においては、工程ST3の実施時(第3制御の実行時)、即ち、プラズマを生成し、基台16に高周波電力を印加し、プラズマを生成しているときに、第1の直流電源22と静電チャック18の電極20とを電気的に接続し、第2の直流電源43と基台16とを電気的に接続することも可能である。
また、方法MT2では、工程ST4及び工程ST5が工程ST1及び工程ST2の前に行われているが、工程ST4及び工程ST5は、工程ST1及び工程ST2の後に行われてもよく、工程ST1及び工程ST2と少なくとも部分的に並列して実施されてもよい。また、工程ST1及び工程ST2が行われず、工程ST4及び工程ST5の後に続けて工程ST3が行われてもよい。
また、第1の直流電源22と静電チャック18の電極20との接続及び非接続は、スイッチによって切り換え可能であってもよい。同様に、第2の直流電源43と基台16との接続及び非接続は、スイッチによって切り換えられてもよい。
また、第2実施形態では、第1の直流電源22と第2の直流電源43は、別個の直流電源であるが、一つの直流電源を第1の直流電源及び第2の直流電源として共有してもよい。
また、プラズマ処理装置は、容量結合型プラズマ処理装置に限定されるものではなく、被処理体を載置するための載置台内の導電体に高周波電力が印加されるものであれば、誘導結合型プラズマ処理装置であってもよく、或いは、マイクロ波をプラズマ源として用いるプラズマ処理装置であってもよい。
1…プラズマ処理装置、10…処理容器、16…基台、18…静電チャック、22…第1の直流電源、24…第1の可動給電体、26…駆動機構(第1の機構)、43…第2の直流電源、44…第2の可動給電体、45…駆動機構(第2の機構)、72…第1の高周波電源、74…第2の高周波電源、Cnt…制御部、MT1,MT2…プラズマ処理方法。

Claims (8)

  1. プラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法であって、
    該プラズマ処理装置は、
    処理容器と、
    前記処理容器内に設けられた導電性の基台と、
    前記基台上に設けられた静電チャックであり、電極を有する該静電チャックと、
    前記基台に高周波電力を供給するための高周波電源と、
    前記静電チャックに直流電圧を印加するための第1の直流電源と、
    前記処理容器内において処理ガスのプラズマを生成するプラズマ生成部と、
    を備え、
    該プラズマ処理方法は、
    前記静電チャックの前記電極に前記第1の直流電源を接続する工程と、
    前記静電チャックの前記電極と前記第1の直流電源との接続を断つ工程と、
    前記静電チャックの前記電極と前記第1の直流電源との接続が断たれた状態で、前記高周波電源から前記基台に前記高周波電力を供給し、前記処理容器内においてプラズマを生成する工程と、
    を含むプラズマ処理方法。
  2. 前記プラズマ処理装置は、前記第1の直流電源に接続された第1の可動給電体を更に備え、
    前記静電チャックの前記電極に前記第1の直流電源を接続する前記工程では、前記第1の可動給電体が前記静電チャックの前記電極に接続され、
    前記静電チャックの前記電極と前記第1の直流電源との接続を断つ前記工程では、前記第1の可動給電体と前記静電チャックの前記電極との接続を断つよう前記第1の可動給電体が移動される、請求項1に記載のプラズマ処理方法。
  3. 前記高周波電力を供給する前記工程の前に、前記基台に、前記第1の直流電源又は直流電圧を発生する別の直流電源である第2の直流電源を接続する工程と、
    前記基台と前記第2の直流電源との接続を断つ工程と、
    を更に含み、
    前記プラズマを生成する前記工程は、前記基台と前記第2の直流電源との接続が断たれた状態で、行われる、
    請求項1又は2に記載のプラズマ処理方法。
  4. 前記プラズマ処理装置は、前記第2の直流電源に接続された第2の可動給電体を更に備え、
    前記第2の直流電源を接続する前記工程では、前記第2の可動給電体が前記基台に接続され、
    前記基台と前記第2の直流電源との接続を断つ前記工程では、前記第2の可動給電体と前記基台との接続を断つよう前記第2の可動給電体が移動される、
    請求項3に記載のプラズマ処理方法。
  5. 処理容器と、
    前記処理容器内に設けられた導電性の基台と、
    前記基台上に設けられた静電チャックであり、電極を有する該静電チャックと、
    前記基台に高周波電力を供給するための高周波電源と、
    前記静電チャックに直流電圧を印加するための第1の直流電源と、
    前記処理容器内において処理ガスのプラズマを生成するプラズマ生成部と、
    前記静電チャックの前記電極と前記直流電源との接続及び非接続を切り換えるための第1の手段と、
    前記プラズマ生成部、前記高周波電源、及び前記第1の手段を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記静電チャックの前記電極に前記第1の直流電源を接続するよう前記第1の手段を制御する第1制御と、
    前記静電チャックの前記電極に前記第1の直流電源との接続を断つよう前記第1の手段を制御する第2制御と、
    前記静電チャックの前記電極と前記第1の直流電源との接続が断たれた状態で、前記高周波電源から前記基台に前記高周波電力を供給し、前記処理容器内においてプラズマを生成するよう、前記プラズマ生成部及び前記高周波電源を制御する第3制御と、
    を実行する、プラズマ処理装置。
  6. 前記第1の手段は、前記第1の可動給電体と、該第1の可動給電体を移動させる第1の機構と、を含み、
    前記制御部は、
    前記第1制御において、前記第1の機構を制御して、前記第1の可動給電体を前記静電チャックの前記電極に接続させ、
    前記第2制御において、前記第1の機構を制御して、前記第1の可動給電体と前記静電チャックの前記電極との接続を断つよう前記第1の可動給電体を移動させる、
    請求項5に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記直流電源又は該直流電源とは別の直流電源である第2の直流電源と前記基台との接続及び非接続を切り換えるための第2の手段を更に備え、
    前記制御部は、
    前記第3制御の前に、前記基台に前記第2の直流電源を接続するよう前記第2の手段を制御する第4制御と、
    前記基台と前記第2の直流電源との接続を断つよう前記第2の手段を制御する第5制御と、
    を更に実行し、
    前記第3制御は、前記基台と前記第2の直流電源との接続が断たれた状態で、実行される、請求項5又は6に記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記第2の手段は、前記第2の直流電源に接続された第2の可動給電体と、該第2の可動給電体を移動させる第2の機構と、を含み、
    前記制御部は、
    前記第4制御において、前記第2の機構を制御して、前記第2の可動給電体と前記基台に接続させ、
    前記第5制御において、前記第2の機構を制御して、前記第2の可動給電体と前記基台との接続を断つよう前記第2の可動給電体を移動させる、
    請求項7に記載のプラズマ処理装置。
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