JP2015053315A - キャパシタ用セパレータの製造方法、キャパシタ用セパレータ及びキャパシタ - Google Patents

キャパシタ用セパレータの製造方法、キャパシタ用セパレータ及びキャパシタ Download PDF

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Abstract

【課題】抄紙安定性に優れ、薄くて均一性が高く、内部短絡不良率が低いキャパシタ用セパレータの製造方法と、その製造方法によって製造されるキャパシタ用セパレータと、それを用いてなるキャパシタを提供することにある。【解決手段】キャパシタ用セパレータの製造方法において、複数の抄紙網を組み合わせた抄紙機を使用し、少なくとも1層を90メッシュの金属ワイヤーを備えた順流式円網で抄造されたキャパシタ用セパレータの製造方法と該製造方法によって製造されるキャパシタ用セパレータ及び該キャパシタ用セパレータを具備してなるキャパシタ。【選択図】なし

Description

本発明は、キャパシタ用セパレータ(以下、「セパレータ」と記す場合がある)の製造方法、キャパシタ用セパレータ及びキャパシタに関する。
近年、携帯型電子機器の発達により、それらの電子機器に搭載されるキャパシタも小型化が進んでいる。従来、電気二重層キャパシタには、セルロースからなる紙セパレータやガラスなどの無機繊維を主体とするセパレータが使用されている。また、再生セルロースや溶剤紡糸セルロース繊維を含有する紙セパレータを用いてなる電気二重層キャパシタ(例えば、特許文献1〜4参照)やセルロース系繊維織布又は不織布から構成されたキャパシタ用セパレータ(例えば、特許文献5参照)が開示されている。さらに、最大繊維太さが1000nm以下のセルロース繊維からなるセパレータ(例えば、特許文献6参照)が開示されている。
特許文献1〜4のセパレータは、坪量を10g/m程度まで軽くすると、ピンホールができやすくなり、耐電圧(絶縁破壊電圧)が低くなる問題、セル中で脱落した電極活物質が貫通して内部短絡しやすくなる問題があった。特許文献1〜4のセパレータは、叩解が進みすぎて、セルロース繊維の平均繊維長が短い場合は、繊維同士の絡み合いが不十分になるため、湿式抄造法で抄造する場合、抄紙網への繊維取られが発生しやすくなり、湿紙のフェルトへの転写不良が生じることや、透けやピンホールが生じることがあった。逆に、叩解が甘く、平均繊維長が長い場合は、太い繊維が多数含まれるため、もこついた地合になり、粗密斑ができるため、キャパシタ特性のばらつきが大きくなる問題があった。さらに、平均繊維長が短い短繊維を含有する繊維の湿式抄造法では、脱水のコントロールが難しく、不適切な脱水速度では湿潤シートの形成が乱され、細孔径の拡大や地合が著しく悪化する場合や短繊維間に気泡を巻き込み、泡地合となることがあった。これらスケ等の欠点や地合の悪化は、セパレータ強度を低下させるだけでなく、微細な厚みムラを招き、セパレータの内部短絡の原因となっていた。これらの理由で、生産速度を遅くしたり、粘剤等の添加剤を加えたり、抄造用ワイヤーとウェットフェルトとの速度差を微妙に制御する必要が生じる等、短繊維を含む繊維の抄造作業性は困難な状況であった。
特許文献1の実施例で使用されている紙セパレータの厚みは40μmと50μmであり、小型、薄型化が要求される用途の電気二重層キャパシタには不十分であった。特許文献1及び2のセパレータは、麻パルプを多く含有する場合は、麻パルプが皮膜を形成しやすく、繊維間の空隙を閉塞してしまう問題があった。麻パルプの含有量が少ない場合は、ピンホールが生じやすい問題があった。
特許文献3には、叩解されてなる再生セルロース繊維を10質量%以上含み、特定範囲の厚み、且つ特定範囲の密度、且つ特定範囲の引張強度を有する紙をセパレータとして用いることが開示されているが、再生セルロース繊維以外のセルロースについての記載がなく、特定範囲の厚み、密度、引張強度を同時に達成する方法について開示されていない。叩解されてなる再生セルロース繊維以外のセルロース成分が主体あるいは大半を占める場合は、そのセルロース成分の物理的、化学的特性の影響を無視することはできないが、該文献はこれらに関する技術態様を欠いている。また、実施例では、厚み60μm以上のセパレータしか示されていない。特許文献4におけるセパレータについても、叩解されてなる再生セルロース繊維以外の材料、構成比率についての記載がない。
特許文献5のセパレータは、再生セルロースの連続長繊維からなる場合は、地合斑や粗密斑ができやすく、厚みを薄くするほど、地合斑が顕著になる問題があった。また、連続長繊維ではない不織布の場合は、溶剤紡糸セルロース繊維の叩解度と平均繊維長とフェルトへの転写性の関係について考慮されていない。実施例で用いられている溶剤紡糸セルロース繊維は、叩解度が弱めであるため、繊維同士の絡み合いが不十分になり、ピンホールが生じやすい。そのため、実施例では25g/mという高坪量、且つ、高密度(低空孔率)のセパレータしか示されていない。特許文献6のセパレータは、微細なセルロース繊維のみで構成されるが、通常の乾燥方法では、セルロース繊維同士が結着して皮膜を形成するなどして繊維間の空隙が閉塞されてしまうため、湿紙の水分を有機溶媒に置換して低温乾燥させなければならないという制約があった。湿紙の水分を有機溶媒に置換する工程は時間がかかることと、溶媒置換により経時でバット内の有機溶媒の濃度が低くなっていき、経時で置換効率が低下するため、大量の湿紙を連続で処理することは難しく、バッチ式で作業せざるを得ず、巻き取りでの製造が困難という問題があった。
紙セパレータとして、例えば、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維と麻パルプからなる場合は、麻パルプの混抄率が多くなると、麻パルプが皮膜を形成し、セパレータの空隙を閉塞してしまう問題があった。逆に麻パルプの混抄率が少ないと、ピンホールが生じやすい問題があった。例えば、叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維とエスパルトパルプからなる場合は、エスパルトパルプが堅く、繊維同士の絡み合いが少なくなるため、地合が不均一でピンホールが生じやすい問題があった。
従来、リチウムイオンキャパシタには、紙セパレータ、ポリエチレンやポリプロピレンからなる多孔質フィルムや不織布が使用されている。紙セパレータについては、厚みを薄くしていくと、ピンホールができやすくなり耐電圧(絶縁破壊電圧)が低くなる問題、セル中で脱落した電極活物質が貫通して内部短絡しやすくなる問題があった。リチウムイオンキャパシタは、充電に伴って発熱する。何らかの事情により、著しく過充電された場合には高温になり、ポリエチレンやポリプロピレンからなる多孔質フィルムや不織布は溶融してしまうことがあった。
特開平11−168033号公報 特開2000−3834号公報 特開2002−231580号公報 特開2002−270470号公報 特開2008−124064号公報 特開2006−49797号公報
本発明は、上記実情を鑑みたものであって、抄紙安定性に優れ、薄くて均一性が高く、内部短絡不良率が低いキャパシタ用セパレータの製造方法と、その製造方法によって製造されるキャパシタ用セパレータと、それを用いてなるキャパシタを提供することにある。
上記課題を解決するために鋭意研究した結果、
(1)湿式抄造法によるキャパシタ用セパレータの製造方法において、複数の抄紙網を組み合わせた抄紙機を使用し、少なくとも1層を90メッシュの金属ワイヤーを備えた順流式円網で抄造されることを特徴とするキャパシタ用セパレータの製造方法、
(2)上記(1)に記載のキャパシタ用セパレータの製造方法によって製造されるキャパシタ用セパレータ、
(3)上記(2)に記載のキャパシタ用セパレータを具備してなるキャパシタ、
を見出した。
本発明の湿式抄造法によるキャパシタ用セパレータの製造方法では、複数の抄紙網を組み合わせた抄紙機を使用し、少なくとも1層を90メッシュの金属ワイヤーを備えた順流式円網で抄造されることに特徴がある。湿潤シートを複数層に分けることで、繊維の脱水速度が好適となり、ピックアップ性が良好となる。また、泡地合や繊維のスケが激減し、地合が良好で均質な湿潤シートが得られる。また、少なくとも1層が90メッシュの金属ワイヤーを備えた順流式円網で抄造されることで、セパレータの地合や表面平滑性が良好であり、円網内部にサクションボックスを用いた強制脱水ではなく、脱水ゾーンが長い、マイルドな自然脱水のため、抄造用ワイヤーへの繊維の取られによるスケが皆無となり、ワイヤーマークが目立たず、細孔径が小さくなり、内部短絡がほとんど無い、信頼性の高いセパレータを得ることが可能である。
よって、本発明のキャパシタ用セパレータは、薄くて均一性が高く、引張強度が強く、細孔径が小さく、このセパレータを用いてなるキャパシタは、内部短絡不良が抑制されるという効果が得られる。
本発明のキャパシタ用セパレータの製造方法、キャパシタ用セパレータ及びキャパシタをより詳細に説明する。
本発明におけるキャパシタとは、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、レドックスキャパシタを指す。
電気二重層キャパシタは、電極と電解液との界面に電気二重層が形成され、蓄電される。電極は、一対の電気二重層型電極、一方が電気二重層型電極で、もう片方が酸化還元型電極の組み合わせのいずれでも良い。電気二重層型電極としては、活性炭や非多孔性炭素、黒鉛などの炭素材料からなる電極が挙げられる。ここで、非多孔性炭素とは、活性炭とは製法が異なり、黒鉛に類似の微結晶炭素を有する炭素を指す。活性炭の場合は、充放電に伴って細孔にイオンが入ったり出たりするが、非多孔性炭素の場合は、微結晶炭素の層間にイオンが入ったり出たりする。電極活物質としては、活性炭、カーボンブラック、カーボンエーロゲル、カーボンナノチューブ、非多孔性炭素などの炭素材料が主に用いられる。対となる電気二重層型電極は、それぞれ同一であっても異なっていても良い。酸化還元型電極としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアセン、インドール三量体、ポリフェニルキノキサリン、これらの誘導体(例えば、ポリフルオロフェニルチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)など)などの導電性高分子や金属錯体高分子、酸化ルテニウム、酸化インジウム、酸化タングステンなどの金属酸化物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ハイブリッドキャパシタとは、キャパシタ(非ファラデー反応)と電池反応(ファラデー反応)とを折衷させ、正極か負極のどちらかにファラデー反応を利用したキャパシタである。ファラデー反応には電位平坦性があるが、非ファラデー反応には電位平坦性はないため、ハイブリッドキャパシタ自体には電圧平坦性は現れない。電極活物質としては、例えば、活性炭、カーボンブラック、カーボンエーロゲル、カーボンナノチューブ、非多孔性炭素、イオン吸蔵炭素、二酸化マンガン、コバルト酸リチウム、酸化ルテニウム、チタン酸リチウムなどが挙げられる。
リチウムイオンキャパシタは、負極活物質がリチウムイオンを可逆的に担持可能な物質であり、正極活物質がリチウムイオン及び/又はアニオンを可逆的に担持可能な物質であり、予め負極及び/又は正極にリチウムイオンが担持されてなるキャパシタである。負極活物質としては、例えば黒鉛、難黒鉛化炭素、ポリアセン系有機半導体、チタン酸リチウムなどが挙げられる。正極活物質としては、例えばポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレンなどの導電性高分子、活性炭、ポリアセン系有機半導体などが挙げられる。
レドックスキャパシタは、蓄電と放電の機構が、電極活物質の酸化還元、電極表面でのイオンの吸脱着、電気二重層における充放電のすべてあるいは一部を利用してなるものである。電極活物質としては、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニッケル、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化コバルトなどの金属酸化物、これら金属酸化物の複合物、これら金属酸化物の水和物、これら金属酸化物と炭素材料との複合物、窒化モリブデン、窒化モリブデンと金属酸化物との複合物などが挙げられる。
電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、レドックスキャパシタに用いられる電解液としては、イオン解離性の塩を溶解させた水溶液、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルソルブ、これらの混合溶媒などの有機溶媒にイオン解離性の塩を溶解させたもの、イオン性液体(固体溶融塩)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のキャパシタ用セパレータの製造方法は、複数の抄紙網を組み合わせた抄紙機を使用し、少なくとも1層を90メッシュの金属ワイヤーを備えた順流式円網で抄造される。順流式は円網内部にサクションボックスを用いた強制脱水ではなく、脱水ゾーンが長い、マイルドな自然脱水のため、地合や表面平滑性が良好であり、抄造用ワイヤーへ繊維の取られによるスケが少なく、ワイヤーマークが目立たず、細孔径が小さくなる。順流式の他には、逆流式、底棚付順流式、棚掛順流式、サクション式がある。生産性の面では、サクション式が優れているが、低坪量で抄造した場合、サクション真空度を調整しても、ワイヤーマークが強く残るため、細孔径が拡大しやすい。逆流式は地合調整がしにくく、棚掛式順流式は坪量調整がしにくい問題点がある。
本発明のキャパシタ用セパレータの製造方法では、順流式円網の他に、傾斜型短網、長網、短網等を組み合わせてなるコンビネーション抄紙機等を用いて製造する。生産性と設置スペースと1層目の湿紙含水量の調整の点からは、1層目を傾斜型短網とし、2層目を順流式円網にするのが好ましい。
本発明の順流式円網に使用される抄造用ワイヤーは、平織の金属製で、材質はステンレス、亜鉛メッキ鉄線、鉄線、真鍮等があり、ステンレス製が好ましい。メッシュ数は、地合、ワイヤー跡の転写、脱水性のバランスの点から、90メッシュが好ましい。80メッシュでは、脱水によるワイヤー跡が残りやすく、細孔径が拡大しやすいため、坪量を下げることができない。また、抄造用ワイヤーへ繊維の取られによるスケが発生することがあり、シャワー水により抄造用ワイヤーの洗浄が必要となる。100メッシュでは、脱水性が低下し、湿紙水分過多による地合崩れが発生することがあり、抄造速度を下げる必要が出てくるため、生産性が低下する。
傾斜型短網、長網、短網用の抄造用ワイヤーは、通常抄造で使用する抄造用ワイヤーであって、パルプや合成繊維を主成分とする原料スラリーから紙を漉き上げる工程で使用される抄造用ワイヤーを適用できる。抄造用ワイヤーの材質としては例えばプラスチック製、金属製等があり、形態としては、天然繊維、再生繊維、ポリエステル等の合成繊維等から選ばれる繊維からなるモノフィラメント、マルチフィラメント、より糸等から構成された織物やフェルト状等の網を適用できる。本発明で使用する場合、ポリエステル、ポリアミド等の合成樹脂からなるプラスチックワイヤーが好ましい。また、プラスチックワイヤーの種類としては、1重織、多重織(2重織、2.5重織、3重織、3.5重織)等があるが、いずれの使用も可能である。
本発明において、傾斜型短網、長網、短網用の抄造用ワイヤーの通気度は、230〜280cm/cm/sec(JIS L−1096 6.27.1 Aに準じて測定)が好ましい。この範囲の通気度を持つ抄造用ワイヤーを用いた場合、短繊維を含有する繊維の湿式抄造は、作業性及び抄造シートの品質が格段に向上し、同時にセパレータ特性も優れたものになる。具体的には、短繊維を含有する繊維の湿式抄造では、先ず、抄造用ワイヤー上に形成された湿潤シートを該ワイヤーから剥離し、ウェットフェルトへ移行するピックアップにおいて、短繊維が抄造用ワイヤーに絡まる問題や湿潤シートの脱水が不十分となり抄造用ワイヤーから剥離できない問題や、過多の脱水で湿潤シートが次工程のウェットフェルトに移行しない問題等の問題が発生しにくい。また、上記の傾斜型短網、長網、短網用の抄造用ワイヤーによって形成されたセパレータは、地合が良好である。これはヘッドボックスより放出された分散繊維が集合体(フロック)を形成する前に、適切な脱水速度により適正にシート化されたものと考えられる。よって、該シートは地合や緻密性が良好なため、シート強度も十分にあり、これもピックアップ性向上に寄与している。このように地合が良好で、十分なシート強度を持った湿潤シートは、結果としてピックアップ時に紙片が抄造用ワイヤーへ取られることで生じる「スケ」を防止できる。さらに、泡地合が減少できる。短繊維を含む紙料スラリーは分散剤等の添加剤の影響もあり、泡を持ち込みやすい傾向にあるが、脱水時間が長いと「泡の発泡と破裂を繰り返す一連の動作」が起こりやすく、よって、この状態のまま抄き取ると抄造シートが「泡地合」となる。上記の抄造用ワイヤーでは、繊維の脱水時間が比較的短いため、泡地合が発生し難い。230cm/cm/secより小さいと、繊維の脱水バランスが不適切で、ピックアップ性に劣り、泡地合やスケの発生があり、地合や緻密性が不良となる。逆に、280cm/cm/secより大きいと脱水速度が速く、地合が乱れる場合があり、また、ワイヤー本数が少ないため、抄造用ワイヤー表面の平滑性に劣り、抄造用ワイヤーの窪みに短繊維が入り込むことで、ボイド(シート表面の凹み)が発生し、セパレータの表面平滑性が劣ることになる。さらには、短繊維の歩留まりも低下する傾向にある。
本発明のキャパシタ用セパレータの製造方法にて生産するキャパシタ用セパレータの原料としては、セパレータ用途の湿式抄造という性格上、合成樹脂の短繊維、セルロースの短繊維が挙げられる。これらは、単独又は適宜組み合わせて用いることができる。これらの原料による効果としては、短繊維がセパレータ内部に細密構造を形成することにより、電解液の保液性が向上すること、細孔が小さくなり、内部短絡が起こり難くなること等が挙げられる。
本発明において、短繊維を構成する合成樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリビニルケトン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ジエン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、フラン系樹脂、尿素系樹脂、アニリン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、アルキド樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。このうち、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂を使用すると、セパレータの破損抑制効果が高く、緻密性に優れたキャパシタ用セパレータを得ることができる。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系、ポリブチレンテレフタレート系、ポリトリメチレンテレフタレート系、ポリエチレンナフタレート系、ポリブチレンナフタレート系、ポリエチレンイソフタレート系等が挙げられる。これらの中でも、キャパシタ用セパレータに使用する場合には、耐熱性に優れているポリエチレンテレフタレート系が好ましい。
アクリル系樹脂としては、アクリロニトリル100%の重合体からなるもの、アクリロニトリルに対して、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の(メタ)アクリル酸誘導体、酢酸ビニル等を共重合させたもの等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、オレフィン系共重合体等が挙げられる。耐熱性の観点から、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、オレフィン系共重合体等を挙げることができる。
本発明において、合成樹脂の短繊維には、バインダーとして機能する熱融着性短繊維を使用することができる。熱融着性短繊維としては、芯鞘型、偏芯型、分割型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型、多重バイメタル型の複合繊維、あるいは単一成分からなる繊維(単繊維)等が挙げられるが、特に未延伸ポリエステル系短繊維や芯部に非熱接着成分、鞘部に熱接着成分を配した芯鞘型熱融着性短繊維を含有することが好ましい。未延伸ポリエステル系短繊維は均一性を向上させる点において好適であり、芯鞘型熱融着性短繊維は、芯部の繊維形状を維持しつつ、鞘部のみを軟化、溶融又は湿熱溶解させて繊維同士を熱接着させるため、セパレータの緻密な構造を損なわずに繊維同士を接着させるのに好適である。熱融着性短繊維を、加熱又は湿熱加熱により、軟化、溶融又は湿熱溶解させて、繊維同士を熱接着させることによって、高い機械的強度が得られる。
合成樹脂短繊維の繊度は、0.007〜1.3dtexが好ましく、0.02〜1.1dtexがより好ましく、0.04〜0.5dtexがさらに好ましい。合成樹脂短繊維の繊度が1.3dtexを超えた場合、厚さ方向における繊維本数が少なくなるため、必要とされる緻密性が確保できなくなる場合がある。また、凹凸が大きくなって、シート表面に厚みムラが生じ、セパレータが破断しやすくなる。合成樹脂短繊維の繊度が0.007dtex未満の場合、繊維の安定製造が困難になる。
合成樹脂短繊維の繊維長としては、1mm以上7mm以下が好ましく、1mm以上5mm以下がより好ましく、1mm以上3mm以下がさらに好ましい。繊維長が7mmを超えた場合、地合不良となる場合があり、繊維長が1mm未満の場合には、セパレータの機械的強度が低くなって、ハンドリング時や電池組み立て時にセパレータが破損する場合がある。
本発明において、短繊維を構成するセルロースとしては、溶剤紡糸セルロース、天然セルロース、バクテリアセルロース、レーヨン、及び各セルロースを微細化した微細化セルロース繊維が挙げられる。微細化溶剤紡糸セルロース繊維は、繊維長軸方向に分子が高度に配列しているため、湿潤状態で摩擦等の機械的な力が加えられると、微細化しやすく、細くて長い微細繊維が生成する。この微細繊維間に電解液を強固に保持するため、天然セルロース、バクテリアセルロース、レーヨンの微細化セルロース繊維に比べ、微細化溶剤紡糸セルロース繊維は、電解液の保液性に優れる。
本発明において、微細化セルロース繊維を作製する方法としては、リファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、高速の回転刃により剪断力を与える回転刃式ホモジナイザー、高速で回転する円筒形の内刃と固定された外刃との間で剪断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、繊維懸濁液に少なくとも20MPaの圧力差を与えて小径のオリフィスを通過させて高速度とし、これを衝突させて急減速することにより繊維に剪断力、切断力を加える高圧ホモジナイザー等が挙げられる。この中でも特にリファイナーが好ましい。
微細化セルロース繊維の変法濾水度は75〜220mlであることが好ましく、90〜175mlであることがより好ましく、90〜120mlであることがさらに好ましい。変法濾水度が220mlより大きいと、セパレータの緻密性が不十分になり、内部短絡不良率が高くなる場合がある。
変法濾水度とは、ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度を0.1質量%にした以外はJIS P8121に準拠して測定した値のことである。
セルロースの短繊維の長さ加重平均繊維長は0.2〜3.0mmであることが好ましく、0.2〜2.0mmであることがより好ましく、0.2〜1.6mmであることがさらに好ましい。繊維長が0.2mmより短いと、セパレータから脱落する場合があり、3.0mmより長いと、繊維がもつれてダマになることがあり、厚みムラが生じる場合がある。
短繊維は、単一の組成からなる繊維(単繊維)であっても良いし、2種以上の組成からなる繊維(複合繊維)であっても良い。また、本発明のキャパシタ用セパレータに含まれる短繊維は、1種でも良いし、2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
本発明のキャパシタ用セパレータの製造方法では、少なくとも順流式円網を用い、傾斜型短網、長網、短網等の抄紙機を組み合わせてなるコンビネーション抄紙機等を用いて抄造する湿式抄造法によってセパレータを製造する。原料スラリーには、繊維原料の他に、必要に応じて、分散剤、増粘剤、無機填料、有機填料、消泡剤等を適宜添加し、5〜0.001質量%程度の固形分濃度に原料スラリーを調製する。この原料スラリーをさらに所定濃度に希釈して抄造して得られた湿潤シートを乾燥してキャパシタ用セパレータを得る。得られたキャパシタ用セパレータは、必要に応じて、カレンダー処理、熱カレンダー処理、熱処理等が施される。
キャパシタ用セパレータの厚みは、6〜50μmであることが好ましく、8〜45μmであることがより好ましく、10〜30μmであることがさらに好ましい。6μm未満では、十分な機械的強度が得られなかったり、正極と負極との間の絶縁性が不十分で、内部短絡不良率、放電特性のバラツキが高くなったり、容量維持率やサイクル特性が悪くなったりする場合がある。50μmより厚いと、キャパシタの内部抵抗が高くなる場合や、放電特性が低くなる場合がある。
キャパシタ用セパレータの坪量は、5〜24g/mであることが好ましく、7〜20g/mであることがより好ましく、10〜15g/mであることがさらに好ましい。5g/m未満では、十分な機械的強度が得られない場合や、正極と負極との間の絶縁性が不十分で、内部短絡不良率や放電特性のバラツキが高くなる場合がある。24g/mを超えると、キャパシタの内部抵抗が高くなる場合や、放電特性が低くなる場合がある。
キャパシタ用セパレータは、引張強度が4.0N/15mm以上であることが好ましく、5.0N/15mm以上であることが好ましい。4.0N/15mm未満だと、巻回時などにセパレータが切断してしまう場合がある。
キャパシタ用セパレータは、ASTM−F316−86で規定される最大孔径が0.50〜3.00μmであることが好ましく、1.00〜2.50μmであることがより好ましい。0.50μm未満だと、電解液浸透性が悪くなる場合がある。3.00μmより大きいと、セパレータにピンホールができ、内部短絡不良率や放電特性のバラツキが高くなる場合がある。キャパシタ用セパレータの平均孔径は、0.20〜0.90μmが好ましく、0.30〜0.75μmがより好ましい。平均孔径が0.20μm未満だと、電解液浸透性が悪くなる場合がある。0.90μm超だと、セパレータにピンホールができる場合がある。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における部や百分率は断りの無い限り、すべて質量によるものである。
実施例1
繊度0.1dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維25部、リファイナーを用いて平均繊維径10μm、繊維長4mmの溶剤紡糸セルロース繊維を微細化した変法濾水度90mlの微細化溶剤紡糸セルロース繊維70部、高圧ホモジナイザーを用いてリンターを微細化して得た変法濾水度270mlのフィブリル化天然セルロース繊維5部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な原料スラリー(0.5%濃度)を調製した。この原料スラリーを、1層目として傾斜型短網を、2層目として90メッシュの金属ワイヤーを備えた順流式円網の2台の抄紙網を組み合わせた抄紙機を使用し、傾斜型短網と円網の坪量比を50:50として積層させ、湿潤シートを得て、ヤンキードライヤー温度130℃で乾燥した後、カレンダー処理を施して、坪量12.2g/m、厚さ20μmのキャパシタ用セパレータを得た。
実施例2
実施例1で、1層目と2層目を90メッシュの金属ワイヤーを備えた順流式円網を用い、1層目と2層目の坪量比を50:50として積層させ、湿潤シートを得て、ヤンキードライヤー温度130℃で乾燥した後、カレンダー処理を施して、坪量12.0g/m、厚さ20μmのキャパシタ用セパレータを得た。
実施例3
繊度0.1dtex、繊維長3mmのアクリル系短繊維25部、リファイナーを用いて平均繊維径10μm、繊維長4mmの溶剤紡糸セルロース繊維を微細化した変法濾水度90mlの微細化溶剤紡糸セルロース繊維70部、高圧ホモジナイザーを用いてリンターを微細化して得た変法濾水度270mlのフィブリル化天然セルロース繊維5部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な原料スラリー(0.5%濃度)を調製した。この原料スラリーを、1層目として傾斜型短網を、2層目として90メッシュの金属ワイヤーを備えた順流式円網の2台の抄紙網を組み合わせた抄紙機を使用し、傾斜型短網と円網の坪量比を50:50として積層させ、湿潤シートを得て、ヤンキードライヤー温度130℃で乾燥した後、カレンダー処理を施して、坪量12.0g/m、厚さ21μmのキャパシタ用セパレータを得た。
比較例1
実施例1で、1層目として傾斜型短網を、2層目として80メッシュの金属ワイヤーを備えた順流式円網の2台の抄紙網を用い、傾斜型短網と円網の坪量比を50:50として積層させ、湿潤シートを得て、ヤンキードライヤー温度130℃で乾燥した後、カレンダー処理を施して、坪量12.1g/m、厚さ20μmのキャパシタ用セパレータを得た。
比較例2
実施例1で、1層目として傾斜型短網を、2層目として100メッシュの金属ワイヤーを備えた順流式円網の2台の抄紙網を組み合わせた抄紙機を使用し、傾斜型短網と円網の坪量比を50:50として積層させ、湿潤シートを得て、ヤンキードライヤー温度130℃で乾燥した後、カレンダー処理を施して、坪量12.2g/m、厚さ19μmのキャパシタ用セパレータを得た。
比較例3
実施例1で、1層目として傾斜型短網を、2層目として90メッシュの金属ワイヤーを備えた逆流式円網の2台の抄紙網を組み合わせた抄紙機を使用し、傾斜型短網と円網の坪量比を50:50として積層させ、湿潤シートを得て、ヤンキードライヤー温度130℃で乾燥した後、カレンダー処理を施して、坪量12.0g/m、厚さ20μmのキャパシタ用セパレータを得た。
比較例4
実施例1で、1層目として傾斜型短網を、2層目として80メッシュの金属ワイヤーを備えたサクション式円網の2台の抄紙網を組み合わせた抄紙機を使用し、傾斜型短網と円網の坪量比を50:50として積層させ、湿潤シートを得て、ヤンキードライヤー温度130℃で乾燥した後、カレンダー処理を施して、坪量12.2g/m、厚さ20μmのキャパシタ用セパレータを得た。
比較例5
実施例1で、80メッシュの金属ワイヤーを備えたサクション式円網1台の抄紙機を使用した以外は、実施例1と同様にして、坪量12.3g/m、厚さ21μmのキャパシタ用セパレータを得た。
比較例6
実施例3で、1層目として傾斜型短網を、2層目として80メッシュの金属ワイヤーを備えた順流式円網の2台の抄紙網を組み合わせた抄紙機を使用し、傾斜型短網と円網の坪量比を50:50として積層させ、湿潤シートを得て、ヤンキードライヤー温度130℃で乾燥した後、カレンダー処理を施して、坪量12.0g/m、厚さ20μmのキャパシタ用セパレータを得た。
比較例7
実施例3で、1層目として傾斜型短網を、2層目として80メッシュの金属ワイヤーを備えたサクション式円網の2台の抄紙網を組み合わせた抄紙機を使用し、傾斜型短網と円網の坪量比を50:50として積層させ、湿潤シートを得て、ヤンキードライヤー温度130℃で乾燥した後、カレンダー処理を施して、坪量12.2g/m、厚さ20μmのキャパシタ用セパレータを得た。
<電気二重層キャパシタ>
[電極の作製]
ポリフッ化ビニリデン10質量部をN−メチル−2−ピロリドン90質量部に溶解し、これにフェノール樹脂を出発原料とする平均粒径5.0μm、比表面積2000m/gの粉末状活性炭80質量部と、平均粒径200nmのアセチレンブラック10質量部と、N−メチル−2−ピロリドン300質量部を添加し、混合撹拌機にて十分混合して、電極スラリーを得た。塩酸により表面をエッチング処理した厚み30μmのアルミニウム箔集電体に、アプリケータを用いて上記の電極スラリーを塗布・乾燥した後に、ロールプレス装置を用いてプレス処理を行い、厚み150μmの電極を作製した。
[電気二重層キャパシタの作製]
電極を30mm×50mm角に2枚カッティングし、実施例1〜3及び比較例1〜7のセパレータが電極間に介するようにそれぞれ積層した。これをアルミニウム製収納袋に収納し、150℃で10時間真空加熱を行った後、アルミニウム製収納袋内に電解液を注入し、注入口を密栓して実施例1〜3及び比較例1〜7の電気二重層キャパシタを作製した。電解液には、プロピレンカーボネートに1.5mol/lになるように(C(CH)NBFを溶解させたものを用いた。
実施例及び比較例のセパレータ及びキャパシタについて、下記評価を行い、結果を表1に示した。
[坪量]
JIS P8124に準拠して坪量を測定した。
[厚み]
JIS B7502に規定された方法、つまり、5N荷重時の外側マイクロメーターにより、厚みを測定した。
[表面平滑性]
作製したセパレータに斜光を当てて、表面のワイヤーマークや凹凸を観察し、以下の基準で評価を行った。
◎:ワイヤーマークや凹凸がほとんど無く、面質は良好であった。
○:ワイヤーマークや凹凸の軽微なものが一部に見られるが、面質は概ね良好であった。
△:ワイヤーマークや凹凸が一部に見られ、面質がやや劣っていた。
×:ワイヤーマークや凹凸がシート全面に見られ、面質が著しく劣っていた。
本発明の効果は「○」以上とする。
[泡地合・スケ]
作製したセパレータに透過光を当てて、泡地合(微小円形状の繊維の薄い部分の集合体)及びスケ(不定形の繊維の脱落部分)があるか目視観察し、以下の基準で評価を行った。
◎:泡地合やスケが全く無く、面質は良好であった。
○:泡地合やスケの軽微なものが一部に見られるが、面質は概ね良好であった。
△:泡地合やスケが一部に見られ、面質がやや劣っていた。
×:泡地合やスケが数カ所以上に見られ、面質が著しく劣っていた。
本発明の効果は「○」以上とする。
[地合]
作製したセパレータに透過光を当てて、繊維の分散状態を目視観察し、以下の基準で評価を行った。
◎:繊維の凝集がほとんど無く、均一性に優れていた。
○:繊維の凝集が一部に見られるが、概ね均一性に優れていた。
△:繊維の凝集が数カ所見られ、均一性がやや劣っていた。
×:繊維の凝集が全体的に見られ、均一性が著しく劣っていた。
本発明の効果は「○」以上とする。
[ポア径測定]
作製したセパレータについて、PMI社製パームポロメーターCFP−1500Aを用いて、JIS K3832、ASTM F316−86、ASTM E1294−89に準じて測定を行い、各セパレータの最大ポア径を測定した。
[セパレータ強度]
作製したセパレータについて、卓上型材料試験機(株式会社オリエンテック製、商品名STA−1150)を用いて、JIS P8113に準じて縦方向の引張強さを測定した。試験片のサイズは、縦方向250mm、幅50mmとし、2個のつかみ具の間隔を100mm、引張速度を300mm/minとした。
[内部短絡不良率]
実施例及び比較例のキャパシタ用セパレータを用いて製作したキャパシタに2.5Vの直流電圧を72時間印加した後、2.5Vまで充電し、充電直後の漏れ電流を測定し、10mA以上の漏れ電流が観察されたものを内部短絡不良と見なし、100個当たりの内部短絡不良率を求め、内部短絡不良率とした。
Figure 2015053315
表1において、「傾斜」は傾斜型短網、「順円90」は90メッシュの金属ワイヤーを備えた順流式円網、「順円80」は80メッシュの金属ワイヤーを備えた順流式円網、「順円100」は100メッシュの金属ワイヤーを備えた順流式円網、「逆円90」は90メッシュの金属ワイヤーを備えた逆流式円網、「SC円80」は80メッシュの金属ワイヤーを備えたサクション式円網を表している。
実施例1〜3及び比較例1〜7のキャパシタ用セパレータは、坪量が12g/mで、厚みが19〜21μmであり、短繊維を含有し、湿式抄造法で製造されたセパレータである。厚さ当たり、そして、1m当たりの繊維本数が減少するため、抄造用ワイヤーの表面平滑性や泡や繊維取られ、繊維分散による地合の影響を強く受けるようになる。表1に示したとおり、実施例1〜3のキャパシタ用セパレータは、少なくとも1層が90メッシュの金属ワイヤーを備えた順流式円網を用いて抄造されているため、表面平滑性、地合に優れ、泡地合やスケがないため、結果として、セパレータ強度が強く、最大ポア径が縮小し、内部短絡不良もなかった。
比較例1及び2は、順流式円網の金属ワイヤーのメッシュ数を80メッシュ及び100メッシュにした場合である。80メッシュにすると、ワイヤーマークによる凹凸が見られるようになった。一方、100メッシュにすると、脱水性が悪くなるために、泡地合が見られるようになり、湿紙水分率が多くなり、地合が崩れ気味になった。その結果、最大ポア径の拡大を招き、内部短絡不良率が高くなる結果となった。
比較例3は、円網を逆流式にした場合であるが、繊維がフロック状になり、濃淡地合となった。その結果、最大ポア径の拡大と引張強度の低下を招き、内部短絡不良率が高くなる結果となった。
比較例4と比較例5は、サクション式円網を用いた場合であるが、サクションで脱水した場合、ワイヤーマークが強くなり、その結果、最大ポア径の拡大を招き、内部短絡不良率が高くなる結果となった。また、比較例5は1層で抄造した場合であるが、脱水を進めるため、サクション真空度を上げる必要があり、ワイヤーマークが強くなり、ヘッドボックス濃度が上がるため、泡の巻き込みや地合の悪化があり、その結果、最大ポア径の拡大と引張強度の低下を招き、内部短絡不良率が高くなる結果となった。
比較例6と比較例7は、アクリル短繊維で構成した場合であるが、円網の金属ワイヤーのメッシュを80メッシュにした場合や、サクションで脱水した場合、ワイヤーマークが強くなり、その結果、最大ポア径の拡大を招き、内部短絡不良率が高くなる結果となった。
このように、キャパシタ用セパレータの湿式抄造において、複数の抄紙網を組み合わせた抄紙機を使用し、少なくとも1層が90メッシュの金属ワイヤーを備えた順流式円網を用いて抄造された場合、セパレータ強度が強く、内部短絡不良率がゼロである等、セパレータ特性に優れたキャパシタ用セパレータが得られる。
本発明のキャパシタ用セパレータは、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、レドックスキャパシタ、ハイブリッドキャパシタなどに利用可能である。

Claims (3)

  1. 湿式抄造法によるキャパシタ用セパレータの製造方法において、複数の抄紙網を組み合わせた抄紙機を使用し、少なくとも1層を90メッシュの金属ワイヤーを備えた順流式円網で抄造されることを特徴とするキャパシタ用セパレータの製造方法。
  2. 請求項1に記載のキャパシタ用セパレータの製造方法によって製造されるキャパシタ用セパレータ。
  3. 請求項2に記載のキャパシタ用セパレータを具備してなるキャパシタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114541176A (zh) * 2022-01-19 2022-05-27 浙江凯恩新材料有限公司 一种高抗张强度的低紧度电解电容器纸及其制备方法和应用

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