JP2015052772A - 視力矯正装置 - Google Patents

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孝郎 林
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Abstract

【課題】 眼に屈折異常がある使用者が使用する視力矯正装置において、個々の使用者に合ったレンズを比較的容易に構成できる視力矯正装置を提供することができなかった。【解決手段】固体レンズ17、可変焦点レンズ27の両レンズが設けられた第1の光学系または第2の光学系において、眼に屈折異常がある使用者が固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して所定の視認対象物を視認した際に、使用者が所定の視認対象物を明瞭に視認できるように、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を構成する、あるいは、可変焦点レンズ27を備え、可変焦点レンズ27を駆動する電極47に印加電圧が印加されない状態において、使用者が可変焦点レンズ27を介して所定の視認対象物を視認した際に、使用者が所定の視認対象物を明瞭に視認できるように、使用者の視力に応じて、可変焦点レンズ27を構成する。【選択図】 図1

Description

本発明は、可変焦点レンズを用いた視力矯正装置に関する。
人間の目は、一般的に、加齢によって焦点調節機能が低下し、老視の症状が現れてくる。このため、老視である使用者は、老眼鏡を掛ける必要が生じるが、眼に屈折異常がある使用者が加齢して、老視の症状が現れた場合には、老眼鏡と遠用眼鏡(遠くのものを見る眼鏡)とを交互に掛け替えねばならなかった。そこで、これらの問題点を解決するために、可変焦点レンズを用いて遠近を視認する眼鏡が公開されている。
例えば、眼に屈折異常がある使用者が遠近を視認する眼鏡として、使用者の視力に合わせて遠方にある視認対象物を明瞭に視認できるように度数が処方された固体レンズと、液晶レンズとを貼り合わせた可変焦点レンズを用い、焦点切替スイッチを押して、プランジャをON接点側に切り替えると、液晶レンズに電圧が印加されて、近方視野に切り替えられ、プランジャをOFF接点側に切り替えると、液晶レンズに印加される電圧が停止されて、固体レンズの度数により、遠方視野に切り替えられる電子眼鏡(本願発明の視力矯正装置に相当)が公開されている。(例えば、特許文献1)
しかしながら、特許文献1の電子眼鏡は、可変焦点レンズに印加電圧が印加されない状態、あるいは所定(特定)の電圧が印加される状態において、
(1)可変焦点レンズのみを介して、使用者が所定の視認対象物を明瞭に視認しようとする場合、使用される可変焦点レンズによって、視認対象物までの距離が限定される
(2)可変焦点レンズのみを介して、所定の視認対象物を明瞭に視認しようとした場合に、使用される可変焦点レンズによって、可変焦点レンズに印加される印加電圧が限定される
など、可変焦点レンズ(レンズ系)を構成する際に自由度が制約されてしまうという課題があった。因みに、従来の液体式、あるいは外力式のうち、いずれかの方式による電子眼鏡においても、同様の課題があった。
ところで、特許文献1の電子眼鏡は、可変焦点レンズが、使用者の視力に合わせて遠方にある視認対象物を明瞭に視認できるように度数が処方された固体レンズの両レンズ面(使用者側のレンズ面、視認対象物側のレンズ面)のうち、使用者側のレンズ面に、液晶レンズが貼り合わされるように構成されている。つまり、固体レンズの使用者側のレンズ面形状が、使用者の視力に応じて異なる。このため、特許文献1の電子眼鏡は、電力の消費を押さえることができる反面、使用者毎に、固体レンズのレンズ面形状に合わせて、都度、液晶レンズを加工し、液晶レンズを固体レンズに貼り合わせなければならないので、可変焦点レンズの生産性が低いという課題を有している。
なお、特許文献1の電子眼鏡は、固体レンズが、使用者の視力に合わせて遠方にある視認対象物を明瞭に視認できるように度数が処方されているので、可変焦点レンズを用いて、使用者が遠方にある視認対象物を明瞭に視認するには、視認対象物から発せられ、固体レンズを通過する際に屈折して出射される光線を液晶レンズで屈折させることなく通過させて、使用者の網膜上で結像させないと、厳密には、個々の使用者は、遠方視野にある視認対象物を明瞭に視認することができない。
しかしながら、特許文献1の電子眼鏡は、使用者毎に異なるレンズ面形状をした固体レンズの使用者側レンズ面に、液晶レンズを貼り合わせなければならない制約がある。しかも、この制約下において、特許文献1の電子眼鏡は、単に、液晶レンズを固体レンズに貼り合わせただけであり、実際には、液晶レンズも一定の厚みを有して曲面状に形成されるために、度数が処方された、形状の異なる固体レンズから出射される光線を、印加電圧が印加されない状態で、液晶レンズで屈折させることなく通過させるように、都度、液晶レンズ(レンズ形状、液晶分子の配向など)を構成することは、容易ではない場合があった(改良の余地があった)。このため、特許文献1の電子眼鏡は、電力の消費を押さえることができるが、個々の使用者に合ったレンズを比較的容易に構成することができないという課題があった。特許文献1の電子眼鏡は、遠方にある視認対象物を明瞭に視認できるように、固体レンズが構成されているのであって、必ずしも、視力の異なる使用者毎に、遠方にある視認対象物を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズが構成されている訳ではない。
また、特許文献1の電子眼鏡は、固体レンズが設けられた眼鏡(あるいは眼鏡フレーム)に可変焦点レンズが設けられた眼鏡(あるいは眼鏡フレーム)を着脱自在、回動自在、後付け可能のいずれかに設けること、可変焦点レンズが設けられた眼鏡(あるいは眼鏡フレーム)に、固体レンズが設けられた眼鏡(あるいは眼鏡フレーム)を着脱自在、回動自在、後付け可能のいずれかに設けることができなかった。
特開2009−98649号公報
本願発明は上記点に鑑み、レンズ(レンズ系)を構成する際に自由度が大きい視力矯正装置を提供することを目的とする。また、電力の消費を押さえることができ、かつ可変焦点レンズの生産性の高い視力矯正装置を提供することを目的とする。また、眼に屈折異常がある個々の使用者に合ったレンズを比較的容易に構成することができる視力矯正装置を提供することを他の目的とする。また、固体レンズが設けられた眼鏡(あるいは眼鏡フレーム)に可変焦点レンズが設けられた眼鏡(あるいは眼鏡フレーム)を着脱自在、回動自在、後付け可能のいずれかに設けること、可変焦点レンズが設けられた眼鏡(あるいは眼鏡フレーム)に、固体レンズが設けられた眼鏡(あるいは眼鏡フレーム)を着脱自在、回動自在、後付け可能のいずれかに設けるようにできることを他の目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、眼に屈折異常がある使用者の視力を矯正する視力矯正装置において;
視力矯正装置のレンズ構成が、
(1)左右一対の固体レンズ、固体レンズと別体に設けられる左右一対の可変焦点レンズの両レンズを備えており、可変焦点レンズが、固体レンズの前方側および後方側のうち、前方側に設けられており、可変焦点レンズを駆動する駆動体に所定の駆動量が印加される状態において、使用者が固体レンズ、可変焦点レンズを介して所定の視認対象物を視認した際に、使用者が所定の視認対象物を明瞭に視認できるように、固体レンズ、可変焦点レンズが構成される第1のレンズ構成;
(2)左右一対の固体レンズ、固体レンズと別体に設けられる左右一対の可変焦点レンズの両レンズを備えており、可変焦点レンズが、固体レンズの前方側および後方側のうち、前方側に設けられており、可変焦点レンズを駆動する駆動体に駆動量が印加されない状態において、使用者が固体レンズ、可変焦点レンズを介して所定の視認対象物を視認した際に、使用者が所定の視認対象物を明瞭に視認できるように、固体レンズ、可変焦点レンズが構成される第2のレンズ構成;
(3)左右一対の固体レンズ、固体レンズと別体に設けられる左右一対の可変焦点レンズの両レンズを備えており、固体レンズが、可変焦点レンズの前方側および後方側のうち、前方側に設けられており、可変焦点レンズを駆動する駆動体に所定の駆動量が印加される状態において、使用者が固体レンズ、可変焦点レンズを介して所定の視認対象物を視認した際に、使用者が所定の視認対象物を明瞭に視認できるように、固体レンズ、可変焦点レンズが構成される第3のレンズ構成;
(4)左右一対の固体レンズ、固体レンズと別体に設けられる左右一対の可変焦点レンズの両レンズを備えており、固体レンズが、可変焦点レンズの前方側および後方側のうち、前方側に設けられており、可変焦点レンズを駆動する駆動体に駆動量が印加されない状態において、使用者が固体レンズ、可変焦点レンズを介して所定の視認対象物を視認した際に、使用者が所定の視認対象物を明瞭に視認できるように、固体レンズ、可変焦点レンズが構成される第4のレンズ構成;
(5)左右一対の固体レンズ、左右一対の可変焦点レンズのうち、可変焦点レンズのみを備えており、可変焦点レンズを駆動する駆動体に駆動量が印加されない状態において、使用者が可変焦点レンズを介して所定の視認対象物を視認した際に、使用者が所定の視認対象物を明瞭に視認できるように、使用者の視力に応じて、可変焦点レンズが構成される第5のレンズ構成;
の5つのレンズ構成のうち、いずれか1つのレンズ構成であることを特長とする。
これによれば、レンズ構成が第1のレンズ構成乃至第4のレンズ構成である場合には、固体レンズと、可変焦点レンズとが、別体に設けられ、しかも、固体レンズと、可変焦点レンズとを貼り合わせなくともよいので、特許文献1の電子眼鏡のような制約条件の下で、固体レンズ、可変焦点レンズを構成する必要がない。このため、視力の異なる個々の使用者に対するレンズ構成上の自由度が各段に向上し、個々の使用者に合った固体レンズ、可変焦点レンズを比較的容易に構成することができる。その結果、眼に屈折異常がある使用者であっても、個々の使用者に合ったレンズを比較的容易に構成できる視力矯正装置を提供することができる。また、(可変焦点レンズのみを介して、所定の視認対象物を視認した際に、使用者の網膜上に所定の視認対象物の像を結像させることができない場合であっても、)固体レンズ、可変焦点レンズを介して視認することにより、使用者の網膜上に所定の視認対象物の像を結像させることができる視力矯正装置を提供することができる。
また、固体レンズと、可変焦点レンズとが、別体に設けられ、しかも、固体レンズと、可変焦点レンズとを貼り合わせなくともよいので、加工が容易になり、生産性も向上する。
また、レンズ構成が第5のレンズ構成である場合には、わざわざ、特許文献1の電子眼鏡のような制約条件で可変焦点レンズを構成する必要がなく、固体レンズと、可変焦点レンズとを別々に加工して、貼り合わせなくともよい。また、使用者の視力に応じて、可変焦点レンズが構成されるので、使用者が、眼に屈折異常がある使用者であっても、個々の使用者に合ったレンズを比較的容易に構成できる視力矯正装置を提供することができる。
また、この視力矯正装置は、レンズ構成が第2のレンズ構成、第4のレンズ構成、第5のレンズ構成のいずれかである場合、駆動体に駆動量が印加されない状態において、使用者が所定の視認対象物(所定の距離にある視認対象物、遠方にある視認対象物、近方にある視認対象物のうち、いずれか1つの視認対象物)を明瞭に視認することができるように構成される。このため、使用者が所定の視認対象物を頻繁に視認する場合、電力の消費を押さえることができる視力矯正装置を提供することができる。
また、請求項2に記載の発明のように、請求項1において、各レンズ構成において記載した所定の視認対象物が、所定の距離にある視認対象物、遠方にある視認対象物、近方にある視認対象物のうち、いずれか1つの視認対象物であってもよい。
因みに、一般的に、使用者は、自動車の運転、あるいは日常の生活において、遠方を視認することが多いので、遠方にある視認対象物を明瞭に視認できるようにすることが望ましい。特に、レンズ構成が第2のレンズ構成、第4のレンズ構成、第5のレンズ構成のいずれかであり、駆動体に駆動量が印加されない状態において、使用者が遠方にある視認対象物を明瞭に視認できるようにした場合、日常生活等において、一般的な使用方法をすると、電力の消費を押さえることができる。しかも、駆動体に駆動量が印加されない状態において、遠方にある視認対象物を明瞭に視認することができるので、自動車運転時等において、安全性に優れている。
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載された5つのレンズ構成のうち、レンズ構成が、第1のレンズ構成、第2のレンズ構成、第3のレンズ構成、第4のレンズ構成のいずれか1つのレンズ構成である視力矯正装置において;
使用者が所定の視認対象物を明瞭に視認できるように、使用者の視力および可変焦点レンズの度数に応じて、固体レンズの度数が構成されることを特長とする。
これによれば、使用者の視力および可変焦点レンズの度数に応じて、固体レンズの度数が構成されるために、可変焦点レンズの度数に関わりなく、使用者が所定の視認対象物を明瞭に視認することができるようになる。したがって、量産化された可変焦点レンズを用いても、使用者は、所定の視認対象物を明瞭に視認することができる。また、量産化された可変焦点レンズを用いることができるので、生産性に優れ、コストを低減することができる。また、汎用性も高い。
請求項4に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載された5つのレンズ構成のうち、レンズ構成が、第5のレンズ構成である視力矯正装置において;
可変焦点レンズを駆動する駆動体に駆動量が印加されない状態において、使用者が可変焦点レンズを介して所定の視認対象物を視認した際に、使用者が所定の視認対象物を明瞭に視認できるように、使用者の視力に応じて、可変焦点レンズのレンズ面が加工されることを特長とする。
これによれば、視力の異なる使用者であっても、駆動体に駆動量が印加されない状態において、使用者毎に、所定の視認対象物を明瞭に視認することができる。しかも、量産化された可変焦点レンズを用いたとしても、使用者の視力に応じて、可変焦点レンズのレンズ面を加工すればよく、生産性が極めて向上する。
請求項5に記載の発明では、請求項1乃至請求項4のいずれか1つにおいて、左右の可変焦点レンズのうち、右側の可変焦点レンズを駆動する第1の駆動体と、
左右の可変焦点レンズのうち、左側の可変焦点レンズを駆動する第2の駆動体と、
第1の駆動体および第2の駆動体を制御する制御部と、
を備えており、
制御部が、第1の駆動体、第2の駆動体に対し、個別に駆動量を印加する機能を有しており、
使用者が、右眼毎、左眼毎に、所定の視認対象物を明瞭に視認できるように、制御部が、第1の駆動体、第2の駆動体に対し、個別に駆動量を印加することを特長とする。
これによれば、右の可変焦点レンズ毎、左の可変焦点レンズ毎に度数、焦点距離を変更できるので、左右の視力が異なる使用者であっても、使用者の左右視力に合った視力矯正装置を提供することができる。このため、左右の可変焦点レンズの焦点距離を一律に変化させる場合に比べて、さらに精緻な焦点距離合わせをすることができる。
請求項6に記載の発明では、請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載された視力矯正装置のうち、レンズ構成が、
(6)第1のレンズ構成、第2のレンズ構成の両レンズ構成のうち、いずれか1つのレンズ構成において、所定の視認対象物が所定の距離にある視認対象物である場合のレンズ構成であり、
さらに、固体レンズのみを介して、使用者が所定の距離にある視認対象物を視認した場合に、所定の距離にある視認対象物を明瞭に視認できるように、固体レンズが構成される第6のレンズ構成;
(7)第1のレンズ構成、第2のレンズ構成の両レンズ構成のうち、いずれか1つのレンズ構成において、所定の視認対象物が遠方にある視認対象物である場合のレンズ構成であり、
さらに、固体レンズのみを介して、使用者が遠方にある視認対象物を視認した場合に、遠方にある視認対象物を明瞭に視認できるように、固体レンズが構成される第7のレンズ構成;
(8)第1のレンズ構成、第2のレンズ構成の両レンズ構成のうち、いずれか1つのレンズ構成において、所定の視認対象物が近方にある視認対象物である場合のレンズ構成であり、
さらに、固体レンズのみを介して、使用者が近方にある視認対象物を視認した場合に、近方にある視認対象物を明瞭に視認できるように、固体レンズが構成される第8のレンズ構成;
(9)第1のレンズ構成、第2のレンズ構成の両レンズ構成のうち、いずれか1つのレンズ構成において、所定の視認対象物が遠方にある視認対象物である場合のレンズ構成であり、
さらに、固体レンズのみを介して、使用者が近方にある視認対象物を視認した場合に、近方にある視認対象物を明瞭に視認できるように、固体レンズが構成される第9のレンズ構成;
(10)第1のレンズ構成、第2のレンズ構成の両レンズ構成のうち、いずれか1つのレンズ構成において、所定の視認対象物が近方にある視認対象物である場合のレンズ構成であり、
さらに、固体レンズのみを介して、使用者が遠方にある視認対象物を視認した場合に、遠方にある視認対象物を明瞭に視認できるように、固体レンズが構成される第10のレンズ構成;
(11)第3のレンズ構成、第4のレンズ構成の両レンズ構成のうち、いずれか1つのレンズ構成において、所定の視認対象物が遠方にある視認対象物である場合のレンズ構成であり、
さらに、可変焦点レンズのみを介して、使用者が近方にある視認対象物を視認した場合に、近方にある視認対象物を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズが構成される第11のレンズ構成;
(12)第3のレンズ構成、第4のレンズ構成の両レンズ構成のうち、いずれか1つのレンズ構成において、所定の視認対象物が近方にある視認対象物である場合のレンズ構成であり、
さらに、可変焦点レンズのみを介して、使用者が遠方にある視認対象物を視認した場合に、遠方にある視認対象物を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズが構成される第12のレンズ構成;
の各レンズ構成のうち、いずれか1つのレンズ構成であることを特長とする。
これによれば、レンズ構成が第6のレンズ構成である場合には、固体レンズのみを介して、使用者が所定の距離にある視認対象物を視認した場合に、所定の距離にある視認対象物を明瞭に視認できる。また、レンズ構成が第7のレンズ構成である場合には、固体レンズのみを介して、使用者が遠方にある視認対象物を視認した場合に、遠方にある視認対象物を明瞭に視認できる。また、レンズ構成が第8のレンズ構成である場合には、固体レンズのみを介して、使用者が近方にある視認対象物を視認した場合に、近方にある視認対象物を明瞭に視認できる。この場合、可変焦点レンズを介さないで、視認対象物を明瞭に視認できるので、電力の消費を押さえることができる。
また、レンズ構成が第9のレンズ構成、第11のレンズ構成のいずれかである場合、使用者は、固体レンズ、可変焦点レンズの両方を介して遠方にある視認対象物を明瞭に視認でき、固体レンズのみを介して近方にある視認対象物を明瞭に視認できる。また、レンズ構成が第10のレンズ構成、第12のレンズ構成のいずれかである場合、使用者は、固体レンズ、可変焦点レンズの両方を介して近方にある視認対象物を明瞭に視認でき、固体レンズのみを介して遠方にある視認対象物を明瞭に視認できる。つまり、固定レンズを介して視認対象物を視認する場合と、固定レンズ、可変焦点レンズを介して視認対象物を視認する場合とで、遠近の使い分けをすることができる。
請求項7に記載の発明では、請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の視力矯正装置のうち、レンズ構成が第1のレンズ構成または第2のレンズ構成である視力矯正装置において;
固体レンズが、使用者の眼に装着するコンタクトレンズであることを特長とする。
これによれば、固体レンズが、使用者の眼に装着するコンタクトレンズであるので、固体レンズ、可変焦点レンズが眼鏡フレームに保持される場合と比べて、眼鏡フレームの構成を簡単にすることができる。
請求項8に記載の発明では、請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載されたレンズ構成のうち、所定の視認対象物が遠方にある視認対象物である場合のレンズ構成であり、
さらに、近方にある視認対象物を明瞭に視認する所定の操作を行う操作部を備えており、
使用者が近方にある視認対象物を明瞭に視認できる際に、駆動体に印加される駆動量を記憶する機能を有しており、
使用者が、操作部に対して、近方にある視認対象物を明瞭に視認する所定の操作をした場合に、記憶された駆動量が駆動体に印加されることを特長とする。
これによれば、所定の操作により、固体レンズ、可変焦点レンズを介して、遠方にある視認対象物を明瞭に視認できる状態から、近方にある視認対象物を明瞭に視認できる状態に切り換えることができる。
請求項9に記載の発明では、請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載されたレンズ構成のうち、所定の視認対象物が近方にある視認対象物である場合のレンズ構成であり、
さらに、遠方にある視認対象物を明瞭に視認する所定の操作を行う操作部を備えており、
使用者が遠方にある視認対象物を明瞭に視認できる際に、駆動体に印加される駆動量を記憶する機能を有しており、
使用者が、操作部に対して、遠方にある視認対象物を明瞭に視認する所定の操作をした場合に、記憶された駆動量が駆動体に印加されることを特長とする。
これによれば、所定の操作により、固体レンズ、可変焦点レンズを介して、近方にある視認対象物を明瞭に視認できる状態から、遠方にある視認対象物を明瞭に視認できる状態に切り換えることができる。
請求項10に記載の発明では、請求項1乃至請求項9のいずれか1つの視力矯正装置が、所定の視認対象物までの距離を測定する距離測定手段を備えており、
距離測定手段が、所定の視認対象物までの距離を測定し、
測定された距離が第1の距離を含む第1の範囲内にある場合には、事前に記憶された、第1の距離にある視認対象物を明瞭に視認できる駆動量が駆動体に印加され、
測定された距離が第2の距離を含む第2の範囲内にある場合には、事前に記憶された、第2の距離にある視認対象物を明瞭に視認できる駆動量が駆動体に印加されることを特長とする。
これによれば、自動的に駆動量が切り換えられる場合でも、視認対象物までの距離が変わる毎に、都度、駆動量が切り換えられることがないので、目が疲れない。
請求項11に記載の発明では、請求項5において、可変焦点レンズの焦点距離を連続的に変化させる所定の操作を行うスイッチを備えており、
スイッチの押圧時間、押圧時間に相関する一定の変化量のうち、いずれかの変化量に応じて変化する、個々の使用者が視認対象物を明瞭に視認できる視認駆動量を決定する機能を有しており、
使用者が、スイッチに対し、所定の操作をした場合には、視認駆動量が第1の駆動体および第2の駆動体に、同時に印加されることを特長とする。
これによれば、スイッチに対し、連続的に可変焦点レンズの焦点距離を変化させる所定の操作をした場合、駆動体に印加する駆動量が、同時に、視認駆動量となる状態を維持しながら、焦点距離を変化させることができる。視認駆動量は、可変焦点レンズの焦点距離が連続して変化する際に、使用者が、個々に、視認対象物を明瞭に視認できる駆動量であるから、駆動体に印加する駆動量を、同時に、視認駆動量となるようにすると、左右同時に、視認対象物を明瞭に視認できるようにすることができる。
このため、左右の可変焦点レンズの焦点距離が、所定の視認対象物を明瞭に視認できる焦点距離に達したところで、使用者は、左右同時に、所定の視認対象物を明瞭に視認することができる。
その結果、使用者が、可変焦点レンズの焦点距離を連続的に変化させて、視認対象物を視認しようとした場合に、使用者毎に、左右同時に、視認対象物を明瞭に視認できるようにすること(視認対象物の像を使用者の左右の網膜に、同時に結像させること、使用者の左右の網膜に、同時にピントを合わせること)ができる視力矯正装置を提供することができる。
請求項12に記載の発明では、請求項1乃至請求項6および請求項8乃至請求項11に記載の視力矯正装置のうち、
(a)レンズ構成が第1のレンズ構成または第2のレンズ構成である視力矯正装置において;
固体レンズが第1の眼鏡に保持されており、
可変焦点レンズが第2の眼鏡に保持されており、
第2の眼鏡が、第1の眼鏡に着脱自在、回動自在、後付け可能のいずれかに設けられる第1のレンズ保持構成;
(b)レンズ構成が第1のレンズ構成または第2のレンズ構成である視力矯正装置において;
固体レンズ、可変焦点レンズが1つの眼鏡フレームに保持される第2のレンズ保持構成;
(c)レンズ構成が第3のレンズ構成または第4のレンズ構成である視力矯正装置において;
可変焦点レンズが第1の眼鏡に保持されており、
固体レンズが第2の眼鏡に保持されており、
第2の眼鏡が、第1の眼鏡に着脱自在、回動自在、後付け可能のいずれかに設けられる第3のレンズ保持構成;
(d)レンズ構成が第3のレンズ構成または第4のレンズ構成である視力矯正装置において;
固体レンズ、可変焦点レンズが1つの眼鏡フレームに保持される第4のレンズ保持構成;
の4つのレンズ保持構成のうち、いずれか1つのレンズ保持構成であることを特長とする。
これによれば、レンズ保持構成が、第1のレンズ保持構成である場合には、第2の眼鏡を第1の眼鏡から脱着させ、あるいは第2の眼鏡を第1の眼鏡に対して回動させることによって、第1の眼鏡に保持された固体レンズのみを介して、視認対象物を視認することができる。また、可変焦点レンズが保持された第2の眼鏡を、固体レンズが保持された第1の眼鏡に後付けすることができる。
また、レンズ保持構成が、第3のレンズ保持構成である場合には、第2の眼鏡を第1の眼鏡から脱着させ、あるいは第2の眼鏡を第1の眼鏡に対して回動させることによって、第1の眼鏡に保持された可変焦点レンズのみを介して、視認対象物を視認することができる。また、固体レンズが保持された第2の眼鏡を、可変焦点レンズが保持された第1の眼鏡に後付けすることができる。また、レンズ保持構成が、第2のレンズ保持構成、第4のレンズ保持構成であってもよい。
請求項13に記載の発明のように、請求項1乃至請求項12のいずれか1つにおいて、可変焦点レンズが、
内部に封入された液晶分子の配向が変更されることにより、焦点距離が変更される液晶式可変焦点レンズ;
内部に充填された液体の充填量が変更されることにより、焦点距離が変更される液体式可変焦点レンズ;
レンズとして機能する柔軟な透明部材を備え、透明部材に外力が与えられることにより、透明部材が変形されて、焦点距離が変更される外力式可変焦点レンズ;
の3つの可変焦点レンズのうち、いずれか1つの可変焦点レンズであってもよい。
なお、可変焦点レンズが液晶式可変焦点レンズであり、レンズ構成が請求項1に記載された(2)のレンズ構成をしており、所定の視認対象物が遠方にある視認対象物である場合、遠方にある視認対象物を明瞭に視認できるように液晶を配置することが容易であり、特許文献1の電子眼鏡のような構成に比べて、可変焦点レンズを容易に構成することができる利点がある。
第1の実施形態乃至第3の実施形態、第13の実施形態乃至第16の実施形態、第25の実施形態、第26の実施形態による視力矯正装置の平面図である。 第1の実施形態乃至第3の実施形態、第13の実施形態乃至第16の実施形態、第25の実施形態、第26の実施形態による第1の眼鏡の平面図である。 第1の実施形態乃至第3の実施形態、第13の実施形態乃至第16の実施形態、第25の実施形態、第26の実施形態による第2の眼鏡の平面図である。 図3のA方向から見た第2の眼鏡の正面図である。 第1の実施形態乃至第27の実施形態による可変焦点眼鏡のブロック図である。 第1の実施形態乃至第3の実施形態、第13の実施形態乃至第16の実施形態による光学系の説明図である。 第4の実施形態乃至第6の実施形態、第17の実施形態乃至第20の実施形態による視力矯正装置の平面図である。 図7のA方向から見た視力矯正装置の正面図である。 第4の実施形態乃至第6の実施形態、第17の実施形態乃至第20の実施形態による光学系の説明図である。 第7の実施形態乃至第9の実施形態、第21の実施形態乃至第24の実施形態による視力矯正装置の平面図である。 第7の実施形態乃至第9の実施形態、第21の実施形態乃至第24の実施形態による光学系の説明図である。 第10の実施形態乃至第12の実施形態による視力矯正装置の平面図である。 図12のA方向から見た視力矯正装置の正面図である。 第10の実施形態乃至第12の実施形態による光学系の説明図である。 第26の実施形態による関数の説明図である。 第26の実施形態による関数の参考図である。 第27の実施形態による視力矯正装置の平面図である。 その他の実施形態の一例であり、可変焦点眼鏡のブロック図である。
最初に、以下の説明において、適宜、引用する視認対象物OB1、OB2、OB3について、図1を参照して、説明する。視認対象物OB1は、近方(例えば、視力矯正装置11から視認対象物OB1までの距離L1=30cm、50cmなど)にある視認対象物である。視認対象物OB2は、遠方(例えば、無限遠、例えば、視力矯正装置11から視認対象物OB2までの距離L2=10m、5mなど)にある視認対象物である。なお、近方、遠方は、上記例に関わりなく、近方を一般的な近用眼鏡(老眼鏡)と同程度に視認対象物を視認できる距離としてもよいし、遠方を固体レンズによる一般的な遠用眼鏡と同程度に視認対象物を視認できる距離としてもよい。また、相対的な位置関係で決定されてもよい。視認対象物OB3は、所定の距離にある視認対象物である。所定の距離は、視力矯正装置から視認対象物OB3までの距離であってよいし、使用者から視認対象物OB3までの距離であってもよい。なお、本願発明では、所定の距離が視力矯正装置から視認対象物OB3までの距離であるものとして、説明する。上述した距離L1は、一例として、手元の本の活字が読める程度の距離を想定している。所定の距離L3は、上述した距離L1、距離L2であってもよい。
また、本願発明の駆動体は、所定の制御装置、制御部等によって制御され、可変焦点レンズを駆動する。上述した所定の制御装置、制御部等は、駆動体を制御(駆動制御)し、可変焦点レンズの焦点距離、あるいは度数を制御する。駆動体は、可変焦点レンズに内蔵されていてもよく、外部に設けられていてもよい。後述する電極は、本願発明の駆動体の一例を構成するものであり、可変焦点レンズに内蔵されている。また、一般的な液体式の可変焦点眼鏡では、可変焦点レンズに液体を出し入れするためのモータ、ポンプなどが駆動体に該当し、通常、可変焦点レンズの外部に設けられる。上述した液体式の可変焦点眼鏡における駆動体には、可変焦点レンズに液体を出し入れするために必要な一定の可動部を含んでいてもよい。また、外力式の可変焦点眼鏡では、可変焦点レンズに外力を与えるアクチュエータなどが駆動体に該当する。本願発明の駆動量は、駆動体を制御するための物理量、あるいは駆動体に印加される物理量である。後述する印加電圧は、本願発明の駆動量の一例を構成する。
また、以下の説明では、固体レンズ、可変焦点レンズを併せて使用する視力矯正装置を、適宜、複レンズ式の視力矯正装置と称するものとする。また、固体レンズ、可変焦点レンズの両レンズからなる光学系のうち、可変焦点レンズが、固体レンズの前方側および後方側のうち、前方側に設けられる構成を第1の光学系を称するものとする。また、固体レンズ、可変焦点レンズの両レンズからなる光学系のうち、固体レンズが、可変焦点レンズの前方側および後方側のうち、前方側に設けられる構成を第2の光学系を称するものとする。また、固体レンズ、可変焦点レンズのうち、可変焦点レンズからなり、駆動体に駆動量が印加されていない状態において、可変焦点レンズを介して眼に屈折異常がある使用者が所定の距離にある視認対象物を視認した際に、使用者が所定の視認対象物(所定の距離にある視認対象物、遠方にある視認対象物、近方にある視認対象物のいずれか)を明瞭に視認できる光学系を第3の光学系を称するものとする。
(第1の実施形態)
視力矯正装置11の基本構成について、説明する。図1は、視力矯正装置の平面図、図2は、第1の眼鏡の平面図、図3は、第2の眼鏡の平面図、図4は、図3のA方向から見た第2の眼鏡の正面図、図5は、視力矯正装置のブロック図、図6は、光学系の説明図である。視力矯正装置11は、図1に示すように、第1の眼鏡13、第2の眼鏡15を備えている。
最初に、第1の眼鏡13について説明する。第1の眼鏡13は、図2に示すように、左右一対の固体レンズ17(17R、17L)、眼鏡フレーム19を備えている。眼鏡フレーム19には、第1の眼鏡13の前面部分を構成し、左右一対の固体レンズ17を保持するフロント21、フロント21に連なるテンプル23、磁石25が設けられている。眼鏡フレーム19は、本願発明の第1の眼鏡フレームの一例を構成する。
第2の眼鏡15について説明する。第2の眼鏡15は、図3、図4に示すように、左右一対の可変焦点レンズ27(27R、27L)、眼鏡フレーム29を備えている。眼鏡フレーム29は、第2の眼鏡15の前面部分を構成し、左右一対の可変焦点レンズ27を保持するフロント31、柔軟な連結部33、操作盤35(操作盤35R、35L)が設けられている。眼鏡フレーム29は、本願発明の第2の眼鏡フレームの一例を構成する。
第2の眼鏡15のフロント31には、磁石37が設けられており、磁石37を眼鏡フレーム19の磁石25に吸着させることで、第2の眼鏡15が第1の眼鏡13に装着されるように構成されている。第2の眼鏡15が第1の眼鏡13に装着されることで、第2の眼鏡15が、第1の眼鏡13の前方側(視認対象物側)、後方側(使用者側)のうち、前方側(視認対象物側)に配置され、可変焦点レンズ27が、固体レンズ17の前方側(視認対象物側)に、相対するように配置される。上述した可変焦点レンズ27、固体レンズ17は、第1の光学系の一例を構成する。第2の眼鏡15は、磁石25、磁石37により、第1の眼鏡13に対して、着脱自在に設けられる(第1のレンズ保持構成)。なお、可変焦点レンズ27が保持された第2の眼鏡15を、固体レンズ17が保持された第1の眼鏡13に後付けするようにしてもよい。上述した磁石25、磁石37は、着脱手段の一例を構成する。
なお、着脱手段は、第2の眼鏡15が、第1の眼鏡13に対して、着脱自在に設けられるものであれば、特に、磁石に限定されるものではない。例えば、第1の眼鏡13、第2の眼鏡15のうち、いずれか一方に他方を把持する把持機構あるいは係止手段を設けることで、着脱自在に構成してもよい。把持機構は、第1の眼鏡13、第2の眼鏡15の両眼鏡と別体に設けられてもよい。この場合、着脱手段は、第1の眼鏡13、第2の眼鏡15の両方を把持する。なお、把持機構あるいは係止手段を用い、一般的な度付き眼鏡に第2の眼鏡15(可変焦点眼鏡)を後付けしてもよい。また、所謂、アルバイトフレームのように、第2の眼鏡15を跳ね上げる(回動させる)ことにより、第1の眼鏡13のみ(つまり、固体レンズ17のみ)で視認対象物を視認できるようにしてもよい。この場合、第2の眼鏡15が、第1の眼鏡13に対して、着脱自在に設けられてもよく、第1の眼鏡13と第2の眼鏡15とが、連結されていてもよい。(第1のレンズ保持構成)
上記構成によれば、第2の眼鏡15を介さずに、第1の眼鏡13のみを介して、視認対象物を視認することができるようになる。(ここまで、視力矯正装置11の基本構成の説明)
操作盤35について、説明する。上述した操作盤35Rには、制御ブロック39に電力を供給する電力供給部41が設けられている。電力供給部41は、一次電池の他、二次電池が用いられてもよい。電力供給部41から供給される電力は、制御ブロック39に送電される。電力供給部41は、電源の一例を構成する。
また、操作盤35Lには、可変焦点レンズ27の焦点距離を制御する制御ブロック39が設けられている。制御ブロック39は、図5に示すように、レンズ駆動回路43(電極47Rに印加電圧を印加するレンズ駆動回路43R、電極47Lに印加電圧を印加するレンズ駆動回路43L)と、レンズ駆動回路43を含め、視力矯正装置11全体を制御する制御部45が設けられている。また、操作盤35R、35Lには、操作部75が設けられている。(ここまで、操作盤35の説明)
可変焦点レンズ27の基本構成について、説明する。可変焦点レンズ27は、液晶49に印加される印加電圧に応じて液晶分子の方向が変化することを利用して屈折率を変化させ、度数、焦点距離を変更することができるレンズであり、図6に示すように、使用者側から視認対象物側に向かって、前面レンズ27a、第1の電極47a、第1の絶縁パターン51、第1の配向膜53、液晶49、第2の配向膜55、第2の絶縁パターン57、第2の電極47b、後面レンズ27bが順次、配置される。可変焦点レンズ27は、固体レンズ17と別体に設けられる。なお、可変焦点レンズ27の構成、電極の構成は、上述した例に限定されるものではない。周知のように、種々の可変焦点レンズが公開されており、適宜、液晶の性質、用途などに応じて、使い分けるものとする。なお、以下の説明では、可変焦点レンズ27Rに設けられる電極47を電極47Rと称し、可変焦点レンズ27Lに設けられる電極47を電極47Lと称するものとする。上述した電極47Rは、本願発明の第1の駆動体を構成する。また、電極47Lは、本願発明の第2の駆動体を構成する。(ここまで、可変焦点レンズ27の基本構成の説明)
レンズ駆動回路43について説明する。レンズ駆動回路43は、図5に示すように、駆動制御回路59、ドライバ61、63、可変抵抗回路65を備えており、可変焦点レンズ27の電極47に所定の印加電圧を印加する電圧印加手段、可変焦点レンズ27を駆動する駆動手段として機能する。このレンズ駆動回路43は、可変焦点レンズ27Rの電極47R、可変焦点レンズ27Lの電極47Lに、個別に印加電圧を印加して、可変焦点レンズ27R、27L毎に、度数、焦点距離を個別に制御(変更)することができるよう構成されており、左右の可変焦点レンズ27R、27Lの焦点距離を一律に変化させる場合に比べて、より精緻な焦点距離合わせをすることができる。なお、電極47R、47Lに、同一の印加電圧を印加することもできる。ドライバ61の下流側には、印加電圧を可変する可変抵抗回路65が設けられており、電極47に印加する印加電圧を連続的に変化させることができる。なお、上述した「連続的に変化させる」概念には、「段階的に変化させる」概念を含んでいてもよい。(ここまで、レンズ駆動回路43の説明)
制御部45について、説明する。制御部45は、図5に示すように、CPU67、記憶部69、所定のインターフェース71を備えている。記憶部69は、制御プログラム、実行プログラムの一時記憶領域として、種々のフラグ、変数の値などを記憶する機能を有する。また、可変焦点レンズ27の電極47に印加する印加電圧を決定し、レンズ駆動回路43を制御する制御プログラム、後述するスイッチの操作により入力される信号を判定して各種制御を実行する実行プログラム、初期データなどが記憶されている。
また、上述した記憶部69は、視認対象物を使用者が視認し、視認した視認対象物を明瞭に視認できる際の、電極47に対する印加電圧を記憶する機能を有している。上述した印加電圧は、使用者が、後述する教示手段によって、教示することができる。使用者が教示を行うことによって、印加電圧が記憶部69(制御部45、広くは、視力矯正装置11)に記憶される。なお、上述した制御ブロック39の外部に記憶部(例えば、図5の記憶部73)を設けてもよい。(ここまで、制御部45の説明)
操作部75について説明する。右側の操作盤35R、左側の操作盤35Lには、操作部75が設けられている。操作部75のうち、右側の操作盤35Rには、電源をオン、オフする電源スイッチ77、タッチセンサ79、教示ボタン81が設けられている。また、操作部75のうち、左側の操作盤35Lには、モード切換ボタン83、タッチセンサ85、登録ボタン87が設けられている。上述した記憶部69、タッチセンサ79、教示ボタン81、タッチセンサ85、登録ボタン87は、教示手段の一例を構成する。
タッチセンサ79、タッチセンサ85に触れると、制御部45に所定の信号が入力される。タッチセンサ79、タッチセンサ85は、本願発明のスイッチの一例を構成する。スイッチは、上述したタッチセンサの他に、押ボタンスイッチ、近接スイッチなど、他のスイッチ、押ボタンであってもよい。
モード切換ボタン83は、モードの切り替えを行う。上述したモード切換ボタン83を押すと、視点切り替えモード、一定モード、任意モード、教示モードを切り換えることができる。(ここまで、操作部75の説明)
モードについて、説明する。視点切り替えモードとは、異なる距離にある複数の視認対象物に対し、個別に焦点距離を切り替えるモードであり、使用者が明瞭に視認対象物を視認できるように、電極47に印加する印加電圧を制御して、可変焦点レンズ27の焦点距離を変化させるモードである。一定モードとは、自動車を運転するときのように、焦点距離が変化しては不都合を生じる場合に、焦点距離を一定にするモードである。任意モードとは、任意の位置にある視認対象物に対して、都度、使用者が明瞭に視認対象物を視認できるように、手動制御によって、焦点距離を変化させるモードである。(ここまで、モードの説明)
レンズ構成について、説明する。視力矯正装置11は、使用者の視力を矯正するために、下記(1)項または(2)項のレンズ構成を取り得る。
(1)電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加される状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、使用者が所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した際に、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように、固体レンズ17、可変焦点レンズ27が構成されるレンズ構成(以下、レンズ構成C11と称するものとする)。
(2)電極47R、47Lに印加電圧が印加されない状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、使用者が所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した際に、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように、固体レンズ17、可変焦点レンズ27が構成されるレンズ構成(以下、レンズ構成C12と称するものとする)。
なお、レンズ構成がC11である場合において、固体レンズ17R、17Lは、使用者毎に、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認できるように処方された度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C11a)。この場合、可変焦点レンズ27は、電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加される状態において、可変焦点レンズ27に入射される光線を屈折させることなく通過させることができるように、あるいは実質的に屈折させることなく通過させることができるように構成される(後述する補足説明1参照)。この構成では、
(a)電極47に所定の印加電圧が印加される状態において、使用者が固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した場合
(b)使用者が固体レンズ17のみを介して所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した場合
のいずれにおいても、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認することができる。因みに、固体レンズ17R、17Lを、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成し、電極47に所定の印加電圧が印加される状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して視認対象物OB3を視認した際に、視認対象物OB3を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27を構成してもよい。
また、レンズ構成がC12である場合において、固体レンズ17R、17Lは、使用者毎に、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認できるように処方された度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C12a)。この場合、可変焦点レンズ27は、電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加されない状態において、可変焦点レンズ27に入射される光線を屈折させることなく通過させることができるように、あるいは実質的に屈折させることなく通過させることができるように構成される(後述する補足説明2参照)。この構成では、
(c)電極47に印加電圧が印加されない状態において、使用者が固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した場合
(d)使用者が固体レンズ17のみを介して所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した場合
のいずれにおいても、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認することができる。因みに、固体レンズ17R、17Lを、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成し、電極47に印加電圧が印加されない状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して視認対象物OB3を視認した際に、視認対象物OB3を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27を構成してもよい。
上述したレンズ構成C11、C11aは、本願発明の第1のレンズ構成の一例を構成する。上述したレンズ構成C12、C12aは、本願発明の第2のレンズ構成の一例を構成する。上述したレンズ構成C11a、C12aは、本願発明の第6のレンズ構成の一例を構成する。固体レンズ17R、17Lは、非球面レンズであってもよい。
レンズ構成がC11である場合、上述したように、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認する際、所定の印加電圧が電極47R、47Lに印加される。電極47R、47Lに印加される所定の印加電圧は、システム構成により、左右同じ印加電圧、異なる印加電圧のいずれかが採用される。なお、以下の説明では、レンズ構成がC11である場合、左右の可変焦点レンズ27R、27Lが同じ性能を有する可変焦点レンズであり、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認する際、所定の印加電圧V3が、電極47R、47L毎に、個別に印可されるものとする。因みに、電極47R、47Lに、異なる印加電圧が印可される場合、電極47Rには、印加電圧VR3が印可され、電極47Lには、印加電圧VL3が印可されるものとする。印加電圧V3、VR3、VL3は、製造段階で設定(決定)されるが、製品完成後に、使用者が、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認し、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できる際の印可電圧を、使用者が教示(記憶部69に記憶)したものを用いてもよい。
また、レンズ構成がC12である場合、所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認する際に、電極47R、47Lに印加される印加電圧は、0であるが、製品完成後に、使用者が、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認し、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できる際の印可電圧を、使用者が教示(記憶部69に記憶)したものを用いてもよい。(ここまで、レンズ構成の説明)
視力矯正装置11のレンズ構成を、上述したレンズ構成にするには、以下に説明する固体レンズ17の度数決定方法(あるいは焦点距離決定方法)により、固体レンズ17の度数(あるいは焦点距離)を決定する。
固体レンズ17(17R、17L)の度数決定方法(焦点距離決定方法)について、説明する。ただし、
(1)DFR:右側の可変焦点レンズ27Rの度数
(2)DSR:右側の固体レンズ17Rの度数
(3)DER:使用者の右眼の度数
(4)DFL:左側の可変焦点レンズ27Lの度数
(5)DSL:左側の固体レンズ17Lの度数
(6)DEL:使用者の左眼の度数
(7)FFR:右側の可変焦点レンズ27Rの焦点距離
(8)FSR:右側の固体レンズ17Rの焦点距離
(9)FER:使用者の右眼の焦点距離
(10)FFL:左側の可変焦点レンズ27Lの焦点距離
(11)FSL:左側の固体レンズ17Lの焦点距離
(12)FEL:使用者の左眼の焦点距離
であるものとする。
(a)レンズ構成がC11である場合、固体レンズ17Rの度数DSR(焦点距離FSR)は、電極47Rに所定の印加電圧V3が印加される状態において、使用者が固体レンズ17R、可変焦点レンズ27Rを介して、右眼で所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した際に、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように決定(あるいは設計、選定)され、加工され、構成される。また、固体レンズ17Lの度数DSL(焦点距離FSL)は、電極47Lに所定の印加電圧V3が印加される状態において、使用者が固体レンズ17L、可変焦点レンズ27Lを介して、左眼で所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した際に、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように決定(あるいは設計、選定)され、加工され、構成される。
(b)レンズ構成がC12である場合、固体レンズ17Rの度数DSR(焦点距離FSR)は、電極47Rに印加電圧が印加されない状態において、使用者が固体レンズ17R、可変焦点レンズ27Rを介して、右眼で所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した際に、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように決定(あるいは設計、選定)され、加工され、構成される。また、固体レンズ17Lの度数DSL(焦点距離FSL)は、電極47Lに印加電圧が印加されない状態において、使用者が固体レンズ17L、可変焦点レンズ27Lを介して、左眼で所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した際に、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように決定(あるいは設計、選定)され、加工され、構成される。
つまり、固体レンズ17Rの度数DSR(焦点距離FSR)は、可変焦点レンズ27Rの度数DFR(焦点距離FFR)に合わせて、決定(あるいは設計、選定)され、加工され、構成される。また、固体レンズ17Lの度数DSL(焦点距離FSL)は、可変焦点レンズ27Lの度数DFL(焦点距離FFL)に合わせて、決定(あるいは設計、選定)され、加工され、構成される。
なお、眼を含めた広い概念で説明すると、固体レンズ17Rの度数DSR(焦点距離FSR)は、使用者の右眼の度数DER(焦点距離FER)、可変焦点レンズ27Rの度数DFR(焦点距離FFR)に合わせて、決定(あるいは設計、選定)され、加工され、構成される。また、固体レンズ17Lの度数DSL(焦点距離FSL)は、使用者の左眼の度数DEL(焦点距離FEL)、可変焦点レンズ27Lの度数DFL(焦点距離FFL)に合わせて、決定(あるいは設計、選定)され、加工され、構成される。
固体レンズ17Rの度数DSR(焦点距離FSR)、固体レンズ17Lの度数DSL(焦点距離FSL)は、検査によって、決定される。最初に、自動視力測定用装置により、眼の屈折異常(近視、遠視、乱視)の度合いを右眼、左眼毎に検査する。次に、検眼機等により、使用者の眼の度数(度数、乱視度数、乱視の方向)が右眼、左眼毎に測定される。次に、仮枠の眼鏡で、検査用視認対象物を視認し、使用者が検査用視認対象物を明瞭に視認できる際の検査用固体レンズの度数が右眼、左眼毎に決定され、固体レンズ17Rの度数DSR(焦点距離FSR)、固体レンズ17Lの度数DSL(焦点距離FSL)が決定される(なお、乱視がある場合には、乱視度数、乱視の方向も反映される)。使用者が両眼で検査用視認対象物を視認し、使用者が検査用視認対象物を明瞭に視認できるか否かを確認して、問題がなければ、決定された度数に基づいて製造工程に移行する。
上述した仮枠の眼鏡について、説明する。仮枠の眼鏡のうち、前方側(視認対象物側)には、可変焦点レンズ27と同等性能の検査用可変焦点レンズが保持され、後方側(使用者側)には、検査用固体レンズが交換自在に保持され、さらに乱視検査用レンズを保持できるように構成されている。なお、検査用視認対象物までの距離は、視認対象物OB3までの距離(L3)と同じにすることが望ましい。
レンズ構成をC11にする場合、検査用可変焦点レンズの電極には、所定の印加電圧V3が印加される。また、レンズ構成をC12にする場合、検査用可変焦点レンズの電極には印加電圧が印加されない。そして、検査用視認対象物までの距離を、視認対象物OB3までの距離(L3)と同じようにすることで、実際に、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認できる状態を再現することができる。(ここまで固体レンズ17の度数決定方法(焦点距離決定方法)の説明)
製造工程(固体レンズ17のレンズ形状を決定した後の製造工程)について、一例を説明する。度数が決定されると、使用者が希望する眼鏡フレームの形状等から、固体レンズ17、可変焦点レンズ27のレンズ形状が決定(あるいは設計、選定)される。固体レンズ17については、乱視がある場合、乱視度数、乱視の方向も反映されて、決定される。そして、決定されたレンズ形状となるように、固体レンズ17の外周部およびレンズ面(17a、17b)が加工される。つまり、固体レンズ17は、可変焦点レンズ27の度数に合わせて加工される(より広い概念では、固体レンズ17は、使用者の視力、可変焦点レンズ27の度数に合わせて加工される)。次に、加工された固体レンズ17、可変焦点レンズ27を含む、視力矯正装置11の構成部品が組み立てられる。制御プログラムは、所定の段階で組み込まれる。なお、上述した製造工程は、全行程から抜粋したものである。
上述した製造工程により、レンズ構成がC11である場合では、電極47R、47Lに所定の印加電圧V3が印加される状態において、また、レンズ構成がC12である場合では、電極47R、47Lに印加電圧が印加されない状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、使用者が所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した際に、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27の度数に合わせて、固体レンズ17が構成される(より広い概念では、固体レンズ17は、使用者の視力、可変焦点レンズ27の度数に合わせて構成される)。(ここまで製造工程の説明)
次に、可変焦点レンズ27の作動について、説明する。レンズ構成がC11である場合、電極47R、47Lに所定の印加電圧V3が印加されると、使用者が、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、視認対象物OB3を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27R、27Lの液晶分子の楕円長軸が配向される。
また、レンズ構成がC12である場合、電極47R、47Lに印加電圧が印加されない状態では、使用者が、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、視認対象物OB3を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27R、27Lの液晶分子の楕円長軸が配向される。(ここまで、可変焦点レンズ27の作動の説明)
ここで、電極47R、47Lに印加する印加電圧を教示する教示方法について、説明する。なお、使用者が所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認する際、電極47R、47Lに対して同じ印加電圧V3を印可するように構成されている視力矯正システムと、異なる印加電圧VR3、VL3を印可するように構成されている視力矯正システムとでは、操作方法が異なる。
最初に、使用者が所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認する際、電極47R、47Lに対して同じ印加電圧V3を印可するように構成されている視力矯正システムの操作方法について、説明する。この視力矯正システム11は、タッチセンサ79の操作により、電極47R、47Lに、同じ印加電圧が印加されるように構成されている。教示を行うには、モード切換ボタン83を押して、教示モードにする。教示モード時に、使用者が指でタッチセンサ79に触れると、制御部45に所定の信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ79から指を離すと、上述した信号の入力が停止される。制御部45に信号が入力されるごとに、電極47R、47Lに印加する印加電圧が増加、減少を交互に繰り返すようにして、レンズ駆動回路43が電極47R、47Lに対して同じ印加電圧を印加する。タッチセンサ79を触れている間は、印加電圧の増加、減少が維持され、指を離すと、停止する。
印加電圧V3を教示する方法について、説明する。使用者が固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、所定の距離L3にある視認対象物OB3を両眼または片眼で視認する。次に、使用者がタッチセンサ79に指で触れて、あるいは指を離して、レンズ駆動回路43を駆動させ、視認対象物OB3が最も明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27R、27Lの度数、焦点距離を変化させる。そして、登録ボタン87を押す。この際、電極47R、47Lに印加された印加電圧V3が、記憶部69に記憶される。
次に、使用者が所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認する際、電極47R、47Lに対して異なる印加電圧VR3、VL3を印可するように構成されている視力矯正システムの操作方法について、説明する。教示を行うには、モード切換ボタン83を押して、教示モードにする。教示モード時に、使用者が指でタッチセンサ79に触れると、制御部45に所定の信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ79から指を離すと、上述した信号の入力が停止される。制御部45に信号が入力されるごとに、電極47Rに印加する印加電圧が増加、減少を交互に繰り返すように、レンズ駆動回路43が印加電圧を制御する。タッチセンサ79を触れている間は、印加電圧の増加、減少が維持され、指を離すと、停止する。
また、教示モード時に、使用者が指でタッチセンサ85に触れると、制御部45に所定の信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ85から指を離すと、上述した信号の入力が停止される。制御部45に信号が入力されるごとに、電極47Lに印加する印加電圧が増加、減少を交互に繰り返すように、レンズ駆動回路43が印加電圧を制御する。タッチセンサ85を触れている間は、印加電圧の増加、減少が維持され、指を離すと、停止する。
印加電圧VR3を教示する方法について、説明する。最初に、使用者が固体レンズ17R、可変焦点レンズ27Rを介して、所定の距離L3にある視認対象物OB3を右眼で視認する。この際、左眼側は、手で覆うか、遮蔽体で遮蔽する。次に、使用者がタッチセンサ79に指で触れて、あるいは指を離して、レンズ駆動回路43Rを駆動させ、視認対象物OB3が最も明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27Rの度数、焦点距離を変化させる。そして、登録ボタン87を押す。この際、電極47Rに印加された印加電圧VR3が、記憶部69に記憶される。
印加電圧VL3を教示する方法について、説明する。使用者が固体レンズ17L、可変焦点レンズ27Lを介して、所定の距離L3にある視認対象物OB3を左眼で視認する。この際、右眼側は、手で覆うか、遮蔽体で遮蔽する。次に、使用者がタッチセンサ85に指で触れて、あるいは指を離して、レンズ駆動回路43Lを駆動させ、視認対象物OB3が最も明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27Lの度数、焦点距離を変化させる。そして、登録ボタン87を押す。この際、電極47Lに印加された印加電圧VL3が、記憶部69に記憶される。(ここまで、教示方法の説明)
上記構成によれば、視力矯正装置11は、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように、使用者の視力を矯正することができる。これより、使用者が、視認対象物OB3を明瞭に視認できるようになる。
また、上記構成によれば、固体レンズ17と、可変焦点レンズ27とが、別体に設けられ、しかも、固体レンズ17と、可変焦点レンズ27とを貼り合わせなくともよいので、特許文献2の電子眼鏡のような制約条件の下で、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を構成する必要がない。また、レンズ構成がC11、C12のうち、いずれか1つのレンズ構成である場合、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、使用者が所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した際に、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように、固体レンズ17の度数が決定される。したがって、特許文献2の電子眼鏡のように、固体レンズ17に貼り合わせて複雑な可変焦点レンズ27を構成する必要はなく、可変焦点レンズ27の度数に合わせて、固体レンズ17の度数が決定されるので、個々の使用者に合ったレンズを比較的容易に構成できる。なお、固体レンズ17の焦点距離、度数を変更することにより、可変焦点レンズ27を変更せずとも、レンズ系の焦点距離、度数を変更することができる。このため、可変焦点レンズのみを介して、所定の視認対象物OB3を視認した際に、使用者の網膜上に所定の視認対象物の像を結像させることができない場合であっても、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、使用者の網膜上に視認対象物の像を結像させることができる。その結果、視力の異なる個々の使用者に対するレンズ構成上の自由度が各段に向上する。また、眼に屈折異常がある使用者であっても、個々の使用者に合ったレンズを比較的容易に構成できる視力矯正装置を提供することができる。(第1の効果)
また、使用者の視力および可変焦点レンズ27の度数に応じて、固体レンズ17の度数が構成されるために、可変焦点レンズ27の度数に関わりなく、使用者が所定の距離L3にある視認対象物を明瞭に視認することができるようになる(固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介しても、必然的に視認対象物を明瞭に視認することができないような場合は除外される)。また、上述したように、固体レンズ17の焦点距離、度数を変更することにより、可変焦点レンズ27を変更せずとも、レンズ系の焦点距離、度数を変更することができるので、量産化された可変焦点レンズ27を用いても、使用者は、所定の距離L3にある視認対象物を明瞭に視認することができる。また、量産化された可変焦点レンズ27を用いることができるので、生産性が高く、コストを低減することができる。(第2の効果)
なお、第1の実施形態では、可変焦点レンズ27に、液晶式可変焦点レンズを用いている。可変焦点レンズ27が液晶式可変焦点レンズであり、レンズ構成がC12aである場合、特許文献2の電子眼鏡のような構成に比べて、比較的、容易に可変焦点レンズ27の液晶分子を配向することができ、可変焦点レンズを容易に構成することができる利点がある。(第3の効果)
また、固体レンズ17と、可変焦点レンズ27とが、別体に設けられ、しかも、固体レンズ17と、可変焦点レンズ27とを貼り合わせなくともよいので、加工も、容易になる。(第4の効果)
また、レンズ構成がC12である場合には、電極47に印加電圧が印加されない状態において、使用者が所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認することができる。したがって、使用者が所定の距離L3にある視認対象物OB3を頻繁に視認する場合、電力の消費を押さえることができる。(第5の効果)
また、第2の眼鏡15を第1の眼鏡13から脱着する、あるいは跳ね上げる(回動させる)ことができるので、レンズ構成がC11a、C12aである場合、使用者が固体レンズ17のみを介して、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認することができる。(第6の効果)
また、左右の可変焦点レンズ27R、27L毎に、度数、焦点距離を変更できるので、左右の可変焦点レンズ27R、27Lの度数、焦点距離を一律に変化させる場合に比べて、より精緻な焦点距離合わせをすることができる。(第7の効果)
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、使用者が所定の距離にある視認対象物を明瞭に視認できるようにしたが、使用者が遠方にある視認対象物を明瞭に視認できるようにしてもよい。また、使用者が近方にある視認対象物を明瞭に視認できるようにしてもよい。以下では、遠方にある視認対象物、近方にある視認対象物を、所定の操作により、明瞭に視認できる実施形態について、説明する。図1乃至図6を参照する。なお、第1の実施形態と同様に、可変焦点レンズ27は、固体レンズ17の前方側(視認対象物側)に配置される。上述した固体レンズ17、可変焦点レンズ27は、第1の光学系の一例を構成する。
視力矯正装置11の基本構成、操作盤35、可変焦点レンズ27の基本構成、レンズ駆動回路43、制御部45、操作部75、モードに関する説明は、第1の実施形態で説明した当該部分を引用する。
レンズ構成について、説明する。視力矯正装置11は、使用者の視力を矯正するために、下記(1)項または(2)項のレンズ構成を取り得る。
(1)電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加される状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、使用者が遠方にある視認対象物OB2を視認した際に、使用者が視認対象物OB2を明瞭に視認できるように、固体レンズ17、可変焦点レンズ27が構成されるレンズ構成(以下、レンズ構成C21と称するものとする。)
(2)電極47R、47Lに印加電圧が印加されない状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、使用者が遠方にある視認対象物OB2を視認した際に、使用者が視認対象物OB2を明瞭に視認できるように、固体レンズ17、可変焦点レンズ27が構成されるレンズ構成(以下、レンズ構成C22と称するものとする。)
なお、レンズ構成がC21である場合において、固体レンズ17R、17Lは、使用者毎に、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できるように処方された度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C21a)。この場合、可変焦点レンズ27は、電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加される状態において、可変焦点レンズ27に入射される光線を屈折させることなく通過させることができるように、あるいは実質的に屈折させることなく通過させることができるように構成される(後述する補足説明1参照)。この構成では、
(a)電極47に所定の印加電圧が印加される状態において、使用者が固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して遠方にある視認対象物OB2を視認した場合
(b)使用者が固体レンズ17のみを介して遠方にある視認対象物OB2を視認した場合
のいずれにおいても、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができる。因みに、固体レンズ17R、17Lを、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成し、電極47に所定の印加電圧が印加される状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して視認対象物OB2を視認した際に、視認対象物OB2を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27を構成してもよい。
また、レンズ構成がC22である場合において、固体レンズ17R、17Lは、使用者毎に、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できるように処方された度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C22a)。この場合、可変焦点レンズ27は、電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加されない状態において、可変焦点レンズ27に入射される光線を屈折させることなく通過させることができるように、あるいは実質的に屈折させることなく通過させることができるように構成される(後述する補足説明2参照)。この構成では、
(c)電極47に印加電圧が印加されない状態において、使用者が固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して遠方にある視認対象物OB2を視認した場合
(d)使用者が固体レンズ17のみを介して遠方にある視認対象物OB2を視認した場合
のいずれにおいても、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができる。因みに、固体レンズ17R、17Lを、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成し、電極47に印加電圧が印加されない状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して視認対象物OB2を視認した際に、視認対象物OB2を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27を構成してもよい。
上述したレンズ構成C21、C21aは、本願発明の第1のレンズ構成の一例を構成する。上述したレンズ構成C22、C22aは、本願発明の第2のレンズ構成の一例を構成する。上述したレンズ構成C21a、C22aは、本願発明の第7のレンズ構成の一例を構成する。固体レンズ17R、17Lは、非球面レンズであってもよい。
レンズ構成がC21である場合、上述したように、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認する際、所定の印加電圧が電極47R、47Lに印加される。電極47R、47Lに印加される所定の印加電圧は、システム構成により、左右同じ印加電圧、異なる印加電圧のいずれかが採用される。なお、以下の説明では、レンズ構成がC21である場合、左右の可変焦点レンズ27R、27Lが同じ性能を有する可変焦点レンズであり、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認する際、所定の印加電圧Vfが、電極47R、47L毎に、個別に印可されるものとする。因みに、電極47R、47Lに、異なる印加電圧が印可される場合、電極47Rには、印加電圧VRfが印可され、電極47Lには、印加電圧VLfが印可されるものとする。印加電圧Vf、VRf、VLfは、製造段階で設定(決定)されるが、製品完成後に、使用者が、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、遠方にある視認対象物OB2を視認し、使用者が視認対象物OB2を明瞭に視認できる際の印可電圧を、使用者が教示(記憶部69に記憶)したものを用いてもよい。
また、レンズ構成がC22である場合、遠方にある視認対象物OB2を視認する際に、電極47R、47Lに印加される印加電圧は、0であるが、製品完成後に、使用者が、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、遠方にある視認対象物OB2を視認し、使用者が視認対象物OB2を明瞭に視認できる際の印可電圧を、使用者が教示(記憶部69に記憶)したものを用いてもよい。(ここまで、レンズ構成の説明)
固体レンズ17(17R、17L)の度数決定方法(焦点距離決定方法)、製造工程に関する説明は、第1の実施形態で説明した当該部分を引用する。ただし、引用する文中、「所定の距離L3」が「遠方」に、「OB3」が「OB2」に、「距離(L3)」が「距離(L2)」に、「印加電圧V3」が「印加電圧Vf」に、「C11」が「C21」に、「C12」が「C22」に置き換えられるものとする。
次に、可変焦点レンズ27の作動について、説明する。レンズ構成がC21である場合、電極47R、47Lに所定の印加電圧Vfが印加されると、使用者が、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、視認対象物OB2を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27R、27Lの液晶分子の楕円長軸が配向される。つまり、レンズ構成がC21である場合、電極47R、47Lに所定の印加電圧Vfが印加される状態において、視力矯正装置11は、使用者が遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することがきる遠方明視状態となる。
また、レンズ構成がC22である場合、電極47R、47Lに印加電圧が印加されない状態では、使用者が、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、視認対象物OB2を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27R、27Lの液晶分子の楕円長軸が配向される。つまり、レンズ構成がC22である場合、電極47R、47Lに印加電圧が印加されない状態において、視力矯正装置11は、使用者が遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することがきる遠方明視状態となる。
また、レンズ構成がC21、C22である場合、電極47Rに所定の印加電圧VRnが印加され、電極47Lに所定の印加電圧VLnが印加されると、使用者が固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して近方にある視認対象物OB1を視認した際に、使用者が視認対象物OB1を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27R、27Lの液晶分子の楕円長軸が配向される。つまり、レンズ構成がC21、C22である場合、電極47Rに所定の印加電圧VRnが印加され、電極47Lに所定の印加電圧VLnが印加される状態において、視力矯正装置11は、使用者が近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することがきる近方明視状態となる。上述した印加電圧VRn、VLnは、製造段階で設定(決定)されるが、製品完成後に、使用者が、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、近方にある視認対象物OB1を視認し、使用者が視認対象物OB1を明瞭に視認できる際の印可電圧を、使用者が教示(記憶部69に記憶)したものを用いてもよい。(ここまで、可変焦点レンズ27の作動の説明)
ここで、電極47R、47Lに印加する印加電圧を教示する教示方法について、説明する。なお、使用者が遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認する際、電極47R、47Lに対して同じ印加電圧Vfを印可するように構成されている視力矯正システムと、異なる印加電圧VRf、VLfを印可するように構成されている視力矯正システムとでは、操作方法が異なる。
最初に、使用者が遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認する際、電極47R、47Lに対して同じ印加電圧Vfを印可するように構成されている視力矯正システムの操作方法について、説明する。この視力矯正システム11は、タッチセンサ79の操作により、電極47R、47Lに、同じ印加電圧が印加されるように構成されている。教示を行うには、モード切換ボタン83を押して、教示モードにする。教示モード時に、使用者が指でタッチセンサ79に触れると、制御部45に所定の信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ79から指を離すと、上述した信号の入力が停止される。制御部45に信号が入力されるごとに、電極47R、47Lに印加する印加電圧が増加、減少を交互に繰り返すようにして、レンズ駆動回路43が電極47R、47Lに対して同じ印加電圧を印加する。タッチセンサ79を触れている間は、印加電圧の増加、減少が維持され、指を離すと、停止する。
印加電圧Vfを教示する方法について、説明する。使用者が固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、遠方にある視認対象物OB2を両眼または片眼で視認する。次に、使用者がタッチセンサ79に指で触れて、あるいは指を離して、レンズ駆動回路43を駆動させ、視認対象物OB2が最も明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27R、27Lの度数、焦点距離を変化させる。そして、登録ボタン87を押す。この際、電極47R、47Lに印加された印加電圧Vfが、記憶部69に記憶される。
次に、使用者が遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認する際、電極47R、47Lに対して異なる印加電圧VRf、VLfを印可するように構成されている視力矯正システムの操作方法について、説明する。教示を行うには、モード切換ボタン83を押して、教示モードにする。教示モード時に、使用者が指でタッチセンサ79に触れると、制御部45に所定の信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ79から指を離すと、上述した信号の入力が停止される。制御部45に信号が入力されるごとに、電極47Rに印加する印加電圧が増加、減少を交互に繰り返すように、レンズ駆動回路43が印加電圧を制御する。タッチセンサ79を触れている間は、印加電圧の増加、減少が維持され、指を離すと、停止する。
また、教示モード時に、使用者が指でタッチセンサ85に触れると、制御部45に所定の信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ85から指を離すと、上述した信号の入力が停止される。制御部45に信号が入力されるごとに、電極47Lに印加する印加電圧が増加、減少を交互に繰り返すように、レンズ駆動回路43が印加電圧を制御する。タッチセンサ85を触れている間は、印加電圧の増加、減少が維持され、指を離すと、停止する。
印加電圧VRfを教示する方法について、説明する。最初に、使用者が固体レンズ17R、可変焦点レンズ27Rを介して、遠方にある視認対象物OB2を右眼で視認する。この際、左眼側は、手で覆うか、遮蔽体で遮蔽する。次に、使用者がタッチセンサ79に指で触れて、あるいは指を離して、レンズ駆動回路43Rを駆動させ、視認対象物OB2が最も明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27Rの度数、焦点距離を変化させる。そして、登録ボタン87を押す。この際、電極47Rに印加された印加電圧VRfが、記憶部69に記憶される。
印加電圧VLfを教示する方法について、説明する。使用者が固体レンズ17L、可変焦点レンズ27Lを介して、遠方にある視認対象物OB2を左眼で視認する。この際、右眼側は、手で覆うか、遮蔽体で遮蔽する。次に、使用者がタッチセンサ85に指で触れて、あるいは指を離して、レンズ駆動回路43Lを駆動させ、視認対象物OB2が最も明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27Lの度数、焦点距離を変化させる。そして、登録ボタン87を押す。この際、電極47Lに印加された印加電圧VLfが、記憶部69に記憶される。
次に、印加電圧VRnを教示する方法について、説明する。最初に、使用者が固体レンズ17R、可変焦点レンズ27Rを介して、近方にある視認対象物OB1を右眼で視認する。この際、左眼側は、手で覆うか、遮蔽体で遮蔽する。次に、使用者がタッチセンサ79に指で触れて、あるいは指を離して、レンズ駆動回路43Rを駆動させ、視認対象物OB1が最も明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27Rの度数、あるいは焦点距離を変化させる。そして、登録ボタン87を押す。この際、電極47Rに印加された印加電圧VRnが、記憶部69に記憶される。
印加電圧VLnを教示する方法について、説明する。使用者が固体レンズ17L、可変焦点レンズ27Lを介して、近方にある視認対象物OB1を左眼で視認する。この際、右眼側は、手で覆うか、遮蔽体で遮蔽する。次に、使用者がタッチセンサ85に指で触れて、あるいは指を離して、レンズ駆動回路43Lを駆動させ、視認対象物OB1が最も明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27Lの度数、焦点距離を変化させる。そして、登録ボタン87を押す。この際、電極47Lに印加された印加電圧VLnが、記憶部69に記憶される。(ここまで、教示方法の説明)
次に、遠近を視認する方法(視力矯正装置11を使用して、使用者が遠方にある視認対象物OB2、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認する方法)について、3例、説明する。なお、レンズ構成がC21の場合には、遠方にある視認対象物OB2を視認する際、電極47R、47Lには、同一の印加電圧Vfが印加されるものとする。また、レンズ構成がC22の場合には、遠方にある視認対象物OB2を視認する際、電極47R、47Lには、印加電圧が印加されないものとする。
(レンズ構成がC21であり、所定のスイッチにより、遠近を切り換える場合)
(1)使用者が電源スイッチ77を押して、制御ブロック39に電力を供給する。この際、視力矯正装置11のモードは、視点切り替えモードとなる。この状態で、使用者がタッチセンサ79、タッチセンサ85のうち、いずれかのタッチセンサを操作する(押す、触る)と、電極47R、47Lに印加電圧Vfが印加される。電極47R、47Lに印加電圧Vfが印加されると、使用者が遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できる遠方明視状態となる。つまり、所定の操作を行い、印加電圧Vfを再現することで、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができる。なお、電源スイッチ77をオンした際に、自動的に、電極47R、47Lに印加電圧Vfを印加してもよい。また、電源スイッチ77をオンした際に、自動的に、電極47Rに印加電圧VRnを印加し、電極47Lに印加電圧VLnを印加してもよい。
(2)電極47R、47Lに印加電圧Vfが印加されており、遠方明視状態にあるとき、タッチセンサ79、タッチセンサ85のうち、いずれかのタッチセンサを操作する(押す、触る)と、電極47Rに印加電圧VRnが印加され、電極47Lに印加電圧VLnが印加される。この際、液晶分子の楕円長軸の配向状態が変化し、視力矯正装置11は、使用者が近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できる近方明視状態となる。つまり、所定の操作を行い、印加電圧VRn、VLnを再現することで、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができる。
(3)電極47Rに印加電圧VRnが印加され、電極47Lに印加電圧VLnが印加されており、近方明視状態にあるとき、タッチセンサ79、タッチセンサ85のうち、いずれかのタッチセンサを操作する(押す、触る)と、電極47R、47Lに印加電圧Vfが印加される。この際、液晶分子の楕円長軸の配向状態が変化し、視力矯正装置11は、使用者が遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できる遠方明視状態となる。
このように、タッチセンサ79、タッチセンサ85のうち、いずれかのタッチセンサを操作する(押す、触る)ことで、電極47R、47Lに印加する印加電圧を切り換え、近方明視状態と、遠方明視状態とを切り換える。
(レンズ構成がC22であり、電源のオン、オフにより、遠近を切り換える場合)
(1)電源がオフになっている場合、制御ブロック39に電力が供給されず、電極47R、47Lに印加電圧が印加されない(印加電圧が0となる)。この場合、使用者が遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できる遠方明視状態となる。
(2)電極47R、47Lに印加電圧が印加されず、遠方明視状態にあるとき、使用者が電源スイッチ77を押すと、制御ブロック39に電力が供給され、自動的に、電極47Rに印加電圧VRnが印加され、電極47Lに印加電圧VLnが印加される。この際、液晶分子の楕円長軸の配向状態が変化し、視力矯正装置11は、使用者が近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できる近方明視状態となる。つまり、電力を供給する所定の操作を行うことで、印加電圧VRn、VLnが再現され、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができる。
(3)電極47Rに印加電圧VRnが印加され、電極47Lに印加電圧VLnが印加されており、近方明視状態にあるとき、使用者が電源スイッチ77を押して、制御ブロック39に供給されていた電力を停止すると、電極47R、47Lに印加電圧が印加されなくなる(印加電圧が0になる)。この際、液晶分子の楕円長軸の配向状態が変化し、視力矯正装置11は、使用者が遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できる遠方明視状態となる。つまり、電力を停止する所定の操作を行い、印加電圧0を再現することで、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができる。
このように、電源をオン、オフすることにより、近方明視状態と、遠方明視状態とを切り換える。
(レンズ構成がC22であり、所定のスイッチにより、遠近を切り換える場合)
(1)電源がオフになっている場合、制御ブロック39に電力が供給されず、電極47R、47Lに印加電圧が印加されない(印加電圧が0となる)。この場合、使用者が遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できる遠方明視状態となる。
(2)この状態で電源をオンすると、制御ブロック39に電力が供給される。ただし、この段階では、電極47R、47Lに印加電圧が印加されない(印加電圧は0のままである)。
(3)制御ブロック39に電力が供給され、電極47R、47Lに印加電圧が印加されていない状態で、使用者がタッチセンサ79、タッチセンサ85のうち、いずれかのタッチセンサを操作する(押す、触る)と、印加電圧VRnが電極47Rに印加され、印加電圧VLnが電極47Lに印加されるように制御される。この際、液晶分子の楕円長軸の配向状態が変化し、視力矯正装置11は、使用者が近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できる近方明視状態となる。つまり、所定の操作を行い、印加電圧VRn、VLnを再現することで、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができる。
(4)印加電圧VRnが電極47Rに印加され、印加電圧VLnが電極47Lに印加されており、近方明視状態にあるとき、使用者がタッチセンサ79、タッチセンサ85のうち、いずれかのタッチセンサを操作する(押す、触る)と、電極47R、47Lに印加電圧が印加されなくなる(印加電圧が0となる)。この際、液晶分子の楕円長軸の配向状態が変化し、視力矯正装置11は、使用者が遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できる遠方明視状態となる。つまり、所定の操作を行い、印加電圧を0にすることで、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができる。
このように、タッチセンサ79、タッチセンサ85のうち、いずれかのタッチセンサを操作する(押す、触る)ことで、電極47R、47Lに印加する印加電圧を切り換え、近方明視状態と、遠方明視状態とを切り換える。
なお、遠方にある視認対象物OB2を視認する際に、教示された印加電圧VRf、VLfを印加することもできる。この場合、遠方にある視認対象物OB2を視認する際、電極47Rに教示された印加電圧VRfが印加され、電極47Lに教示された印加電圧VLfが印加される。(ここまで、遠近を視認する方法の説明)
上記構成によれば、視力矯正装置11は、使用者が視認対象物OB2、視認対象物OB1を明瞭に視認できるように、使用者の視力を矯正することができる。
また、上記構成によれば、第1の実施形態に記載した第1の効果乃至第7の効果と同様の効果を得ることができる。ただし、上記効果に記載された「第1の実施形態」が「第2の実施形態」に、「所定の距離L3」が「遠方」に、「OB3」が「OB2」に、「C11」が「C21」に、「C12」が「C22」に、「C11a」が「C21a」に、「C12a」が「C22a」に置き換えられるものとする。
引用後の第5の効果について補足する。一般的に、使用者は、自動車を運転する場合、あるいは日常の生活において、遠方を視認する時間が長いので、レンズ構成がC22である場合に、電力の消費を押さえることができる効果を有する。
また、レンズ構成がC22である場合には、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できる状態において電池切れしても、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できる状態が維持されるので、自動車運転時等において、安全性に優れている。
また、印加電圧VRn、VLnを再現する所定の操作(つまり、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認するための所定の操作)をすると、電極47Rに対して、印加電圧VRnが印加され、電極47Lに対して、印加電圧VLnが印加される。印加電圧VRn、VLnは、使用者が個別に、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できる際の印加電圧であるために、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者であっても、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができる。使用者は、この視力矯正装置を、老眼鏡、あるいは遠近両用眼鏡として使用することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、レンズ保持構成が、第1の光学系である場合の実施形態である。第3の実施形態のように、電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加される状態、あるいは可印加電圧が印加されない状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、使用者が近方にある視認対象物OB1を視認した際に、使用者が近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できるように、固体レンズ17が構成されてもよい。図1乃至図6を参照して、説明する。
レンズ構成について、説明する。視力矯正装置11は、使用者の視力を矯正するために、下記(1)項または(2)項のレンズ構成を取り得る。
(1)電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加される状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、使用者が近方にある視認対象物OB1を視認した際に、使用者が視認対象物OB1を明瞭に視認できるように、固体レンズ17、可変焦点レンズ27が構成されるレンズ構成(以下、レンズ構成C31と称するものとする。)
(2)電極47R、47Lに印加電圧が印加されない状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、使用者が近方にある視認対象物OB1を視認した際に、使用者が視認対象物OB1を明瞭に視認できるように、固体レンズ17、可変焦点レンズ27が構成されるレンズ構成(以下、レンズ構成C32と称するものとする。)
なお、レンズ構成がC31である場合において、固体レンズ17R、17Lは、使用者毎に、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できるように処方された度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C31a)。この場合、可変焦点レンズ27は、電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加される状態において、可変焦点レンズ27に入射される光線を屈折させることなく通過させることができるように、あるいは実質的に屈折させることなく通過させることができるように構成される(後述する補足説明1参照)。この構成では、
(a)電極47に所定の印加電圧が印加される状態において、使用者が固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して近方にある視認対象物OB1を視認した場合
(b)使用者が固体レンズ17のみを介して近方にある視認対象物OB1を視認した場合
のいずれにおいても、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができる。因みに、固体レンズ17R、17Lを、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成し、電極47に所定の印加電圧が印加される状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して視認対象物OB1を視認した際に、視認対象物OB1を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27を構成してもよい。
また、レンズ構成がC32である場合において、固体レンズ17R、17Lは、使用者毎に、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できるように処方された度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C32a)。この場合、可変焦点レンズ27は、電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加されない状態において、可変焦点レンズ27に入射される光線を屈折させることなく通過させることができるように、あるいは実質的に屈折させることなく通過させることができるように構成される(後述する補足説明2参照)。この構成では、
(c)電極47に印加電圧が印加されない状態において、使用者が固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して近方にある視認対象物OB1を視認した場合
(d)使用者が固体レンズ17のみを介して近方にある視認対象物OB1を視認した場合
のいずれにおいても、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができる。因みに、固体レンズ17R、17Lを、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成し、電極47に印加電圧が印加されない状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して視認対象物OB1を視認した際に、視認対象物OB1を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27を構成してもよい。
上述したレンズ構成C31、C31aは、本願発明の第1のレンズ構成の一例を構成する。上述したレンズ構成C32、C32aは、本願発明の第2のレンズ構成の一例を構成する。上述したレンズ構成C31a、C32aは、本願発明の第8のレンズ構成の一例を構成する。固体レンズ17R、17Lは、非球面レンズであってもよい。
レンズ構成がC31である場合、上述したように、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認する際、所定の印加電圧が電極47R、47Lに印加される。電極47R、47Lに印加される所定の印加電圧は、システム構成により、左右同じ印加電圧、異なる印加電圧のいずれかが採用される。なお、以下の説明では、レンズ構成がC31である場合、左右の可変焦点レンズ27R、27Lが同じ性能を有する可変焦点レンズであり、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認する際、所定の印加電圧Vnが、電極47R、47L毎に、個別に印可されるものとする。因みに、電極47R、47Lに、異なる印加電圧が印可される場合、電極47Rには、印加電圧VRnが印可され、電極47Lには、印加電圧VLnが印可されるものとする。印加電圧Vn、VRn、VLnは、製造段階で設定(決定)されるが、製品完成後に、使用者が、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、近方にある視認対象物OB1を視認し、使用者が視認対象物OB1を明瞭に視認できる際の印可電圧を、使用者が教示(記憶部69に記憶)したものを用いてもよい。
また、レンズ構成がC32である場合、近方にある視認対象物OB1を視認する際に、電極47R、47Lに印加される印加電圧は、0であるが、製品完成後に、使用者が、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、近方にある視認対象物OB1を視認し、使用者が視認対象物OB1を明瞭に視認できる際の印可電圧を、使用者が教示(記憶部69に記憶)したものを用いてもよい。(ここまで、レンズ構成の説明)
なお、第3の実施形態における視力矯正装置は、電極47に対する印加電圧を切り換えて、使用者が遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できるように構成する。つまり、使用者は、この視力矯正装置を、老眼鏡、あるいは遠近両用眼鏡として使用することができる。
(第4の実施形態)
第1の実施形態において説明した固体レンズが、コンタクトレンズであってもよい。図7は、視力矯正装置の平面図、図8は、図7のA方向から見た第1の眼鏡の正面図である。図9は、光学系の説明図である。視力矯正装置の機器構成は、図5を参照する。
視力矯正装置11の基本構成について、説明する。視力矯正装置11は、図7、図8に示すように、可変焦点眼鏡89、コンタクトレンズ91を備えている。可変焦点眼鏡89は、眼鏡フレーム93を備えている。この眼鏡フレーム93には、可変焦点眼鏡89の前面部分を構成し、左右一対の可変焦点レンズ27を保持するフロント21、フロント21に連なるテンプル23が設けられている。第1の実施形態において説明した第2の眼鏡は、不要となり、第1の眼鏡に相当する可変焦点眼鏡89に可変焦点レンズ27が設けられる。
一方、コンタクトレンズ91は、使用者の眼に装着される。したがって、可変焦点レンズ27は、コンタクトレンズ91の前方側(視認対象物側)に配置される。上述したコンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27は、第1の光学系の一例を構成する。(ここまで、視力矯正装置11の基本構成の説明)
また、操作盤35、可変焦点レンズ27の基本構成、レンズ駆動回路43、制御部45、操作部75、モードに関する説明は、第1の実施形態で説明した当該部分を引用する。ただし、引用する可変焦点レンズ27の基本構成の文中、「固体レンズ17」が「コンタクトレンズ91」に、「図6」が「図9」に置き換えられるものとする。
レンズ構成について、説明する。視力矯正装置11は、使用者の視力を矯正するために、下記(1)項または(2)項のレンズ構成を取り得る。
(1)電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加される状態において、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して、使用者が所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した際に、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27が構成されるレンズ構成(以下、レンズ構成C41と称するものとする。)
(2)電極47R、47Lに印加電圧が印加されない状態において、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して、使用者が所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した際に、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27が構成されるレンズ構成(以下、レンズ構成C42と称するものとする。)
なお、レンズ構成がC41である場合において、コンタクトレンズ91R、91Lは、使用者毎に、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認できるように処方された度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C41a)。この場合、可変焦点レンズ27は、電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加される状態において、可変焦点レンズ27に入射される光線を屈折させることなく通過させることができるように、あるいは実質的に屈折させることなく通過させることができるように構成される(後述する補足説明1参照)。この構成では、
(a)電極47に所定の印加電圧が印加される状態において、使用者がコンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した場合
(b)使用者がコンタクトレンズ91のみを介して所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した場合
のいずれにおいても、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認することができる。因みに、コンタクトレンズ91R、91Lを、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成し、電極47に所定の印加電圧が印加される状態において、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して視認対象物OB3を視認した際に、視認対象物OB3を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27を構成してもよい。
また、レンズ構成がC42である場合において、コンタクトレンズ91R、91Lは、使用者毎に、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認できるように処方された度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C42a)。この場合、可変焦点レンズ27は、電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加されない状態において、可変焦点レンズ27に入射される光線を屈折させることなく通過させることができるように、あるいは実質的に屈折させることなく通過させることができるように構成される(後述する補足説明2参照)。この構成では、
(c)電極47に印加電圧が印加されない状態において、使用者がコンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した場合
(d)使用者がコンタクトレンズ91のみを介して所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した場合
のいずれにおいても、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認することができる。因みに、コンタクトレンズ91R、91Lを、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成し、電極47に印加電圧が印加されない状態において、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して視認対象物OB3を視認した際に、視認対象物OB3を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27を構成してもよい。
上述したレンズ構成C41、C41aは、本願発明の第1のレンズ構成の一例を構成する。上述したレンズ構成C42、C42aは、本願発明の第2のレンズ構成の一例を構成する。上述したレンズ構成C41a、C42aは、本願発明の第6のレンズ構成の一例を構成する。コンタクトレンズ91R、91Lは、非球面レンズであってもよい。
レンズ構成がC41である場合、上述したように、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認する際、所定の印加電圧が電極47R、47Lに印加される。電極47R、47Lに印加される所定の印加電圧は、システム構成により、左右同じ印加電圧、異なる印加電圧のいずれかが採用される。なお、以下の説明では、レンズ構成がC41である場合、左右の可変焦点レンズ27R、27Lが同じ性能を有する可変焦点レンズであり、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認する際、所定の印加電圧V3が、電極47R、47L毎に、個別に印可されるものとする。因みに、電極47R、47Lに、異なる印加電圧が印可される場合、電極47Rには、印加電圧VR3が印可され、電極47Lには、印加電圧VL3が印可されるものとする。印加電圧V3、VR3、VL3は、製造段階で設定(決定)されるが、製品完成後に、使用者が、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して、所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認し、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できる際の印可電圧を、使用者が教示(記憶部69に記憶)したものを用いてもよい。
また、レンズ構成がC42である場合、所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認する際に、電極47R、47Lに印加される印加電圧は、0であるが、製品完成後に、使用者が、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して、所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認し、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できる際の印可電圧を、使用者が教示(記憶部69に記憶)したものを用いてもよい。(ここまで、レンズ構成の説明)
視力矯正装置11のレンズ構成を、上述したレンズ構成にするには、以下に説明するコンタクトレンズ91の度数決定方法(あるいは焦点距離決定方法)により、コンタクトレンズ91の度数(あるいは焦点距離)を決定する。
コンタクトレンズ91(123R、123L)の度数決定方法(焦点距離決定方法)について、説明する。ただし、
(1)DFR:右側の可変焦点レンズ27Rの度数
(2)DSR:右側のコンタクトレンズ91Rの度数
(3)DER:使用者の右眼の度数
(4)DFL:左側の可変焦点レンズ27Lの度数
(5)DSL:左側のコンタクトレンズ91Lの度数
(6)DEL:使用者の左眼の度数
(7)FFR:右側の可変焦点レンズ27Rの焦点距離
(8)FSR:右側のコンタクトレンズ91Rの焦点距離
(9)FER:使用者の右眼の焦点距離
(10)FFL:左側の可変焦点レンズ27Lの焦点距離
(11)FSL:左側のコンタクトレンズ91Lの焦点距離
(12)FEL:使用者の左眼の焦点距離
であるものとする。
(a)レンズ構成がC41である場合、コンタクトレンズ91Rの度数DSR(焦点距離FSR)は、電極47Rに所定の印加電圧V3が印加される状態において、使用者がコンタクトレンズ91R、可変焦点レンズ27Rを介して、右眼で所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した際に、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように決定(あるいは設計、選定)され、加工され、構成される。また、コンタクトレンズ91Lの度数DSL(焦点距離FSL)は、電極47Lに所定の印加電圧V3が印加される状態において、使用者がコンタクトレンズ91L、可変焦点レンズ27Lを介して、左眼で所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した際に、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように決定(あるいは設計、選定)され、加工され、構成される。
(b)レンズ構成がC42である場合、コンタクトレンズ91Rの度数DSR(焦点距離FSR)は、電極47Rに印加電圧が印加されない状態において、使用者がコンタクトレンズ91R、可変焦点レンズ27Rを介して、右眼で所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した際に、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように決定(あるいは設計、選定)され、加工され、構成される。また、コンタクトレンズ91Lの度数DSL(焦点距離FSL)は、電極47Lに印加電圧が印加されない状態において、使用者がコンタクトレンズ91L、可変焦点レンズ27Lを介して、左眼で所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した際に、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように決定(あるいは設計、選定)され、加工され、構成される。
つまり、コンタクトレンズ91Rの度数DSR(焦点距離FSR)は、可変焦点レンズ27Rの度数DFR(焦点距離FFR)に合わせて、決定(あるいは設計、選定)され、加工され、構成される。また、コンタクトレンズ91Lの度数DSL(焦点距離FSL)は、可変焦点レンズ27Lの度数DFL(焦点距離FFL)に合わせて、決定(あるいは設計、選定)され、加工され、構成される。
なお、眼を含めた広い概念で説明すると、コンタクトレンズ91Rの度数DSR(焦点距離FSR)は、使用者の右眼の度数DER(焦点距離FER)、可変焦点レンズ27Rの度数DFR(焦点距離FFR)に合わせて、決定(あるいは設計、選定)され、加工され、構成される。また、コンタクトレンズ91Lの度数DSL(焦点距離FSL)は、使用者の左眼の度数DEL(焦点距離FEL)、可変焦点レンズ27Lの度数DFL(焦点距離FFL)に合わせて、決定(あるいは設計、選定)され、加工され、構成される。
コンタクトレンズ91Rの度数DSR(焦点距離FSR)、コンタクトレンズ91Lの度数DSL(焦点距離FSL)は、検査によって、決定される。最初に、自動視力測定用装置により、眼の屈折異常(近視、遠視、乱視)の度合いを右眼、左眼毎に検査する。次に、検眼機等により、使用者の眼の度数(度数、乱視度数、乱視の方向)が右眼、左眼毎に測定される。次に、仮枠の眼鏡で、検査用視認対象物を視認し、使用者が検査用視認対象物を明瞭に視認できる際の検査用固定レンズの度数が右眼、左眼毎に決定され、コンタクトレンズ91Rの度数DSR(焦点距離FSR)、コンタクトレンズ91Lの度数DSL(焦点距離FSL)が決定される(なお、乱視がある場合には、乱視度数、乱視の方向も反映される)。使用者が両眼で検査用視認対象物を視認し、使用者が検査用視認対象物を明瞭に視認できるか否かを確認して、問題がなければ、決定された度数に基づいて製造工程に移行する。
上述した仮枠の眼鏡について、説明する。仮枠の眼鏡は、検査用固体レンズ、乱視検査用レンズを保持できるように構成されている。検査用固体レンズ、乱視検査用レンズは、仮枠の眼鏡の眼鏡フレームに、交換自在に保持される。なお、検査用視認対象物までの距離は、視認対象物OB3までの距離(L3)と同じにすることが望ましい。これにより、検査用固体レンズの度数が決定されると、これに対応するコンタクトレンズ91の度数Dc(焦点距離Fc)を決定することができる。(ここまでコンタクトレンズ91の度数決定方法(焦点距離決定方法)の説明)
製造工程(コンタクトレンズ91のレンズ形状を決定した後の製造工程)について、一例を説明する。度数が決定されると、使用者が希望する眼鏡フレームの形状等から、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27のレンズ形状が決定(あるいは設計、選定)される。コンタクトレンズ91については、乱視がある場合には、乱視度数、乱視の方向も反映されて、決定される。そして、決定されたレンズ形状となるように、コンタクトレンズ91の外周部およびレンズ面(91a、91b)が加工される。つまり、コンタクトレンズ91は、可変焦点レンズ27の度数に合わせて加工される。(より広い概念では、コンタクトレンズ91は、使用者の視力、可変焦点レンズ27の度数に合わせて加工される)次に、視力矯正装置11の構成部品が組み立てられる。制御プログラムは、所定の段階で組み込まれる。なお、上述した製造工程は、全行程から抜粋したものである。
上述した製造工程により、レンズ構成がC41である場合では、電極47R、47Lに所定の印加電圧V3が印加される状態において、また、レンズ構成がC42である場合では、電極47R、47Lに印加電圧が印加されない状態において、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して、使用者が所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した際に、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27の度数に合わせて、コンタクトレンズ91が構成される(より広い概念では、コンタクトレンズ91は、使用者の視力、可変焦点レンズ27の度数に合わせて構成される)。(ここまで製造工程の説明)
可変焦点レンズ27の作動、電極47R、47Lに印加する印加電圧を教示する教示方法は、第1の実施形態で説明した当該部分を引用する。ただし、引用する文中、「固体レンズ17」が「コンタクトレンズ91」に、「固体レンズ17R」が「コンタクトレンズ91R」に、「固体レンズ17L」が「コンタクトレンズ91L」に、「C11」が「C41」に、「C12」が「C42」に置き換えられるものとする。
上記構成によれば、視力矯正装置11は、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように、使用者の視力を矯正することができる。これより、使用者が、視認対象物OB3を明瞭に視認できるようになる。
また、上記構成によれば、第2の眼鏡フレームが不要であるので、可変焦点レンズが眼鏡フレームに保持される場合と比べて、眼鏡フレームの構成を簡単にすることができる。また、第1の実施形態に記載した第1の効果乃至第7の効果と同様の効果を得ることができる。ただし、引用する文中、「第1の実施形態」が「第4の実施形態」に、「固体レンズ17」が「コンタクトレンズ91」に、「C11」が「C41」に、「C12」が「C42」に、「C11a」が「C41a」に、「C12a」が「C42a」に置き換えられるものとする。
(第5の実施形態)
第4の実施形態では、使用者が所定の距離にある視認対象物を明瞭に視認できるようにしたが、使用者が遠方にある視認対象物を明瞭に視認できるようにしてもよい。また、使用者が近方にある視認対象物を明瞭に視認できるようにしてもよい。なお、第4の実施形態と同様に、可変焦点レンズ27は、コンタクトレンズ91の前方側(視認対象物側)に配置される。上述したコンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27は、第1の光学系の一例を構成する。図7乃至図9、図5を参照して、説明する。
視力矯正装置11の基本構成は、第4の実施形態で説明した当該部分を引用する。また、操作盤35は、第1の実施形態で説明した当該部分を引用する。可変焦点レンズ27の基本構成は、第1の実施形態で説明した当該部分を引用する。ただし、引用する可変焦点レンズ27の基本構成の文中、「固体レンズ17」が「コンタクトレンズ91」に、「図6」が「図9」に置き換えられるものとする。レンズ駆動回路43、制御部45、操作部75、モードに関する説明は、第1の実施形態で説明した当該部分を引用する。
レンズ構成について、説明する。視力矯正装置11は、使用者の視力を矯正するために、下記(1)項または(2)項のレンズ構成を取り得る。
(1)電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加される状態において、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して、使用者が遠方にある視認対象物OB2を視認した際に、使用者が視認対象物OB2を明瞭に視認できるように、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27が構成されるレンズ構成(以下、レンズ構成C51と称するものとする。)
(2)電極47R、47Lに印加電圧が印加されない状態において、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して、使用者が遠方にある視認対象物OB2を視認した際に、使用者が視認対象物OB2を明瞭に視認できるように、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27が構成されるレンズ構成(以下、レンズ構成C52と称するものとする。)
なお、レンズ構成がC51である場合において、コンタクトレンズ91R、17Lは、使用者毎に、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できるように処方された度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C51a)。この場合、可変焦点レンズ27は、電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加される状態において、可変焦点レンズ27に入射される光線を屈折させることなく通過させることができるように、あるいは実質的に屈折させることなく通過させることができるように構成される(後述する補足説明1参照)。この構成では、
(a)電極47に所定の印加電圧が印加される状態において、使用者がコンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して遠方にある視認対象物OB2を視認した場合
(b)使用者がコンタクトレンズ91のみを介して遠方にある視認対象物OB2を視認した場合
のいずれにおいても、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができる。因みに、コンタクトレンズ91R、17Lを、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成し、電極47に所定の印加電圧が印加される状態において、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して視認対象物OB2を視認した際に、視認対象物OB2を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27を構成してもよい。
また、第5の実施形態では、レンズ構成がC52である場合において、コンタクトレンズ91R、17Lは、使用者毎に、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できるように処方された度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C52a)。この場合、可変焦点レンズ27は、電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加されない状態において、可変焦点レンズ27に入射される光線を屈折させることなく通過させることができるように、あるいは実質的に屈折させることなく通過させることができるように構成される(後述する補足説明2参照)。この構成では、
(c)電極47に印加電圧が印加されない状態において、使用者がコンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して遠方にある視認対象物OB2を視認した場合
(d)使用者がコンタクトレンズ91のみを介して遠方にある視認対象物OB2を視認した場合
のいずれにおいても、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができる。因みに、コンタクトレンズ91R、17Lを、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成し、電極47に印加電圧が印加されない状態において、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して視認対象物OB2を視認した際に、視認対象物OB2を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27を構成してもよい。
上述したレンズ構成C51、C51aは、本願発明の第1のレンズ構成の一例を構成する。上述したレンズ構成C52、C52aは、本願発明の第2のレンズ構成の一例を構成する。上述したレンズ構成C51a、C52aは、本願発明の第7のレンズ構成の一例を構成する。コンタクトレンズ91R、17Lは、非球面レンズであってもよい。
レンズ構成がC51である場合、上述したように、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認する際、所定の印加電圧が電極47R、47Lに印加される。電極47R、47Lに印加される所定の印加電圧は、システム構成により、左右同じ印加電圧、異なる印加電圧のいずれかが採用される。なお、以下の説明では、レンズ構成がC51である場合、左右の可変焦点レンズ27R、27Lが同じ性能を有する可変焦点レンズであり、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認する際、所定の印加電圧Vfが、電極47R、47L毎に、個別に印可されるものとする。因みに、電極47R、47Lに、異なる印加電圧が印可される場合、電極47Rには、印加電圧VRfが印可され、電極47Lには、印加電圧VLfが印可されるものとする。印加電圧Vf、VRf、VLfは、製造段階で設定(決定)されるが、製品完成後に、使用者が、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して、遠方にある視認対象物OB2を視認し、使用者が視認対象物OB2を明瞭に視認できる際の印可電圧を、使用者が教示(記憶部69に記憶)したものを用いてもよい。
また、レンズ構成がC52である場合、遠方にある視認対象物OB2を視認する際に、電極47R、47Lに印加される印加電圧は、0であるが、製品完成後に、使用者が、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して、遠方にある視認対象物OB2を視認し、使用者が視認対象物OB2を明瞭に視認できる際の印可電圧を、使用者が教示(記憶部69に記憶)したものを用いてもよい。(ここまで、レンズ構成の説明)
コンタクトレンズ91(91R、91L)の度数決定方法(焦点距離決定方法)、製造工程に関する説明は、第4の実施形態で説明した当該部分を引用する。ただし、引用する文中、「所定の距離L3」が「遠方」に、「OB3」が「OB2」に、「距離(L3)」が「距離(L2)」に、「印加電圧V3」が「印加電圧Vf」に、「C41」が「C51」に、「C42」が「C52」に置き換えられるものとする。
また、可変焦点レンズ27の作動、教示方法、遠近を視認する方法は、第2の実施形態で説明した、可変焦点レンズ27の作動、教示方法、遠近を視認する方法を引用する。ただし、「固体レンズ17」が「コンタクトレンズ91」に、「固体レンズ17R」が「コンタクトレンズ91R」に、「固体レンズ17L」が「コンタクトレンズ91L」に、「C21」が「C51」に、「C22」が「C52」に置き換えられるものとする。
上記構成によれば、視力矯正装置11は、使用者が視認対象物OB1、視認対象物OB2を明瞭に視認できるように、使用者の視力を矯正することができる。
また、上記構成によれば、第2の眼鏡フレームが不要であるので、可変焦点レンズが眼鏡フレームに保持される場合と比べて、眼鏡フレームの構成を簡単にすることができる。また、上記構成によれば、第1の実施形態に記載した効果と同様の効果を得ることができる。ただし、上記効果に記載された「第1の実施形態」が「第5の実施形態」に、「所定の距離L3」が「遠方」に、「OB3」が「OB2」に、「C11」が「C51」に、「C12」が「C52」に、「C11a」が「C51a」に、「C12a」が「C52a」に置き換えられるものとする。
また、印加電圧VRn、VLnを再現する所定の操作(つまり、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認するための所定の操作)をすると、電極47Rに対して、印加電圧VRnが印加され、電極47Lに対して、印加電圧VLnが印加される。印加電圧VRn、VLnは、使用者が個別に、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できる際の印加電圧であるために、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者であっても、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができる。使用者は、この視力矯正装置を、老眼鏡、あるいは遠近両用眼鏡として使用することができる。
(第6の実施形態)
第6の実施形態は、レンズ保持構成が、第1の光学系である場合の実施形態である。第6の実施形態のように、電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加される状態、あるいは可印加電圧が印加されない状態において、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して、使用者が近方にある視認対象物OB1を視認した際に、使用者が視認対象物OB1を明瞭に視認できるように、コンタクトレンズ91が構成されてもよい。図7乃至図9、図5を参照して、説明する。
レンズ構成について、説明する。視力矯正装置11は、使用者の視力を矯正するために、下記(1)項または(2)項のレンズ構成を取り得る。
(1)電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加される状態において、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して、使用者が近方にある視認対象物OB1を視認した際に、使用者が視認対象物OB1を明瞭に視認できるように、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27が構成されるレンズ構成(以下、レンズ構成C61と称するものとする。)
(2)電極47R、47Lに印加電圧が印加されない状態において、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して、使用者が近方にある視認対象物OB1を視認した際に、使用者が視認対象物OB1を明瞭に視認できるように、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27が構成されるレンズ構成(以下、レンズ構成C62と称するものとする。)
なお、レンズ構成がC61である場合において、コンタクトレンズ91R、91Lは、使用者毎に、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できるように処方された度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C61a)。この場合、可変焦点レンズ27は、電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加される状態において、可変焦点レンズ27に入射される光線を屈折させることなく通過させることができるように、あるいは実質的に屈折させることなく通過させることができるように構成される(後述する補足説明1参照)。この構成では、
(a)電極47に所定の印加電圧が印加される状態において、使用者がコンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して近方にある視認対象物OB1を視認した場合
(b)使用者がコンタクトレンズ91のみを介して近方にある視認対象物OB1を視認した場合
のいずれにおいても、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができる。因みに、コンタクトレンズ91R、91Lを、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成し、電極47に所定の印加電圧が印加される状態において、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して視認対象物OB1を視認した際に、視認対象物OB1を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27を構成してもよい。
また、レンズ構成がC62である場合において、コンタクトレンズ91R、91Lは、使用者毎に、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できるように処方された度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C62a)。この場合、可変焦点レンズ27は、電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加されない状態において、可変焦点レンズ27に入射される光線を屈折させることなく通過させることができるように、あるいは実質的に屈折させることなく通過させることができるように構成される(後述する補足説明2参照)。この構成では、
(c)電極47に印加電圧が印加されない状態において、使用者がコンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して近方にある視認対象物OB1を視認した場合
(d)使用者がコンタクトレンズ91のみを介して近方にある視認対象物OB1を視認した場合
のいずれにおいても、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができる。因みに、コンタクトレンズ91R、91Lを、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成し、電極47に印加電圧が印加されない状態において、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して視認対象物OB1を視認した際に、視認対象物OB1を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27を構成してもよい。
上述したレンズ構成C61、C61aは、本願発明の第1のレンズ構成の一例を構成する。上述したレンズ構成C62、C62aは、本願発明の第2のレンズ構成の一例を構成する。上述したレンズ構成C61a、C62aは、本願発明の第8のレンズ構成の一例を構成する。コンタクトレンズ91R、91Lは、非球面レンズであってもよい。
レンズ構成がC61である場合、上述したように、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認する際、所定の印加電圧が電極47R、47Lに印加される。電極47R、47Lに印加される所定の印加電圧は、システム構成により、左右同じ印加電圧、異なる印加電圧のいずれかが採用される。なお、以下の説明では、左右の可変焦点レンズ27R、27Lが同じ性能を有する可変焦点レンズであり、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認する際、所定の印加電圧Vnが、電極47R、47L毎に、個別に印可されるものとする。因みに、電極47R、47Lに、異なる印加電圧が印可される場合、電極47Rには、印加電圧VRnが印可され、電極47Lには、印加電圧VLnが印可されるものとする。印加電圧Vn、VRn、VLnは、製造段階で設定(決定)されるが、製品完成後に、使用者が、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して、近方にある視認対象物OB1を視認し、使用者が視認対象物OB1を明瞭に視認できる際の印可電圧を、使用者が教示(記憶部69に記憶)したものを用いてもよい。
また、レンズ構成がC62である場合、近方にある視認対象物OB1を視認する際に、電極47R、47Lに印加される印加電圧は、0であるが、製品完成後に、使用者が、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して、近方にある視認対象物OB1を視認し、使用者が視認対象物OB1を明瞭に視認できる際の印可電圧を、使用者が教示(記憶部69に記憶)したものを用いてもよい。(ここまで、レンズ構成の説明)
なお、第6の実施形態における視力矯正装置は、電極47に対する印加電圧を切り換えて、使用者が遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できるように構成する。つまり、使用者は、この視力矯正装置を、老眼鏡、あるいは遠近両用眼鏡として使用することができる。
(第7の実施形態)
第1の実施形態では、可変焦点レンズが固体レンズの前方側(視認対象物側)に配置されたが、固体レンズが可変焦点レンズの前方側(視認対象物側)に配置されてもよい。なお、視力矯正装置のブロック図は図5を参照する。
視力矯正装置11の基本構成について、説明する。最初に、第1の眼鏡13について説明する。第1の眼鏡13は、図10に示すように、眼鏡フレーム19、左右一対の可変焦点レンズ27、柔軟な連結部33、操作盤35(操作盤35R、35L)を備えている。眼鏡フレーム19には、第1の眼鏡13の前面部分を構成し、左右一対の可変焦点レンズ27を保持するフロント21、フロント21に連なるテンプル23、磁石25が設けられている。眼鏡フレーム19は、本願発明の第1の眼鏡フレームの一例を構成する。
第2の眼鏡15について説明する。第2の眼鏡15は、図10に示すように、左右一対の固体レンズ17、眼鏡フレーム29を備えている。眼鏡フレーム29には、第2の眼鏡15の前面部分を構成し、左右一対の固体レンズ17を保持するフロント31が設けられている。眼鏡フレーム29は、本願発明の第2の眼鏡フレームの一例を構成する。
第2の眼鏡15のフロント31には、磁石37が設けられており、磁石37を眼鏡フレーム19の磁石25に吸着させることで、第2の眼鏡15が第1の眼鏡13に装着されるように構成されている。磁石37を眼鏡フレーム19の磁石25に吸着させることで、第2の眼鏡15が、第1の眼鏡13の前方側(視認対象物側)、後方側(使用者側)のうち、前方側(視認対象物側)に配置され、固体レンズ17が、可変焦点レンズ27の前方側(視認対象物側)に、相対するように配置される。上述した可変焦点レンズ27、固体レンズ17は、第2の光学系の一例を構成する。第2の眼鏡15は、磁石25、磁石37により、第1の眼鏡13に対して、着脱自在に設けられる(第3のレンズ保持構成)。なお、固体レンズ17が保持された第2の眼鏡フレームを、可変焦点レンズが保持された第1の眼鏡フレームに後付けするようにしてもよい。上述した磁石25、磁石37は、着脱手段の一例を構成する。なお、第1の実施形態のように、第2の眼鏡15を跳ね上げる(回動させる)ことにより、第1の眼鏡13のみ(つまり、可変焦点レンズ27のみ)で視認対象物を視認できるようにしてもよい。なお、固体レンズ17が保持された第2の眼鏡15を、可変焦点レンズ27が保持された第1の眼鏡13に後付けするようにしてもよい。また、把持機構あるいは係止手段を用い、一般的な度付き眼鏡に第2の眼鏡15(可変焦点眼鏡)を後付けしてもよい。(第3のレンズ保持構成)。(ここまで、視力矯正装置11の基本構成の説明)。
操作盤35、可変焦点レンズ27の基本構成、レンズ駆動回路43、制御部45、操作部75、モードに関する説明は、第1の実施形態で説明した当該部分を引用する。ただし、引用する可変焦点レンズ27の基本構成の文中、「図6」が「図11」に置き換えられるものとする。
レンズ構成について、説明する。視力矯正装置11は、使用者の視力を矯正するために、下記(1)項または(2)項のレンズ構成を取り得る。
(1)電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加される状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、使用者が所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した際に、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように、固体レンズ17、可変焦点レンズ27が構成されるレンズ構成(以下、レンズ構成C71と称するものとする)。
(2)電極47R、47Lに印加電圧が印加されない状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、使用者が所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した際に、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように、固体レンズ17、可変焦点レンズ27が構成されるレンズ構成(以下、レンズ構成C72と称するものとする)。
なお、レンズ構成がC71である場合において、固体レンズ17R、17Lは、使用者毎に、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認できるように処方された度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C71a)。この場合、可変焦点レンズ27は、電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加される状態において、可変焦点レンズ27に入射される光線を屈折させることなく通過させることができるように、あるいは実質的に屈折させることなく通過させることができるように構成される(後述する補足説明1参照)。この構成では、
(a)電極47に所定の印加電圧が印加される状態において、使用者が固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した場合
(b)使用者が固体レンズ17のみを介して所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した場合
のいずれにおいても、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認することができる。因みに、固体レンズ17R、17Lを、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成し、電極47に所定の印加電圧が印加される状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して視認対象物OB3を視認した際に、視認対象物OB3を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27を構成してもよい。
また、レンズ構成がC72である場合において、固体レンズ17R、17Lは、使用者毎に、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認できるように処方された度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C72a)。この場合、可変焦点レンズ27は、電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加されない状態において、可変焦点レンズ27に入射される光線を屈折させることなく通過させることができるように、あるいは実質的に屈折させることなく通過させることができるように構成される(後述する補足説明2参照)。この構成では、
(c)電極47に印加電圧が印加されない状態において、使用者が固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した場合
(d)使用者が固体レンズ17のみを介して所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した場合
のいずれにおいても、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認することができる。因みに、固体レンズ17R、17Lを、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成し、電極47に印加電圧が印加されない状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して視認対象物OB3を視認した際に、視認対象物OB3を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27を構成してもよい。
上述したレンズ構成C71、C71aは、本願発明の第3のレンズ構成の一例を構成する。上述したレンズ構成C72、C72aは、本願発明の第4のレンズ構成の一例を構成する。固体レンズ17R、17Lは、非球面レンズであってもよい。
レンズ構成がC71である場合、上述したように、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認する際、所定の印加電圧が電極47R、47Lに印加される。電極47R、47Lに印加される所定の印加電圧は、システム構成により、左右同じ印加電圧、異なる印加電圧のいずれかが採用される。なお、以下の説明では、レンズ構成がC71である場合、左右の可変焦点レンズ27R、27Lが同じ性能を有する可変焦点レンズであり、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認する際、所定の印加電圧V3が、電極47R、47L毎に、個別に印可されるものとする。因みに、電極47R、47Lに、異なる印加電圧が印可される場合、電極47Rには、印加電圧VR3が印可され、電極47Lには、印加電圧VL3が印可されるものとする。印加電圧V3、VR3、VL3は、製造段階で設定(決定)されるが、製品完成後に、使用者が、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認し、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できる際の印可電圧を、使用者が教示(記憶部69に記憶)したものを用いてもよい。
また、レンズ構成がC72である場合、所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認する際に、電極47R、47Lに印加される印加電圧は、0であるが、製品完成後に、使用者が、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認し、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できる際の印可電圧を、使用者が教示(記憶部69に記憶)したものを用いてもよい。(ここまで、レンズ構成の説明)
固体レンズ17の度数決定方法(焦点距離決定方法)、製造工程に関する説明は、第1の実施形態で説明した当該部分を引用する。ただし、引用する文中、「C11」が「C71」に、「C12」が「C72」に置き換えられるものとする。また、引用する仮枠の眼鏡の説明部分において、仮枠の眼鏡のうち、前方側(視認対象物側)に、検査用固体レンズが交換自在に保持され、後方側(使用者側)に、可変焦点レンズ27と同等性能の検査用可変焦点レンズが保持されるものとする。
また、可変焦点レンズ27の作動、教示方法は、第1の実施形態で説明した、可変焦点レンズ27の作動、教示方法を引用する。ただし、「C11」が「C71」に、「C12」が「C72」に置き換えられるものとする。
上記構成によれば、視力矯正装置11は、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように、使用者の視力を矯正することができる。これより、使用者が、視認対象物OB3を明瞭に視認できるようになる。
また、上記構成によれば、第1の実施形態に記載した第1の効果、第2の効果、第4の効果乃至第7の効果と同様の効果を得ることができる。ただし、上記効果に記載されている「C11」が「C71」に、「C12」が「C72」に、「C11a」が「C71a」に、「C12a」が「C72a」に置き換えられるものとする。
(第8の実施形態)
第7の実施形態では、使用者が所定の距離にある視認対象物を明瞭に視認できるようにしたが、使用者が遠方にある視認対象物を明瞭に視認できるようにしてもよい。また、使用者が近方にある視認対象物を明瞭に視認できるようにしてもよい。以下、図10、図11、図5を参照して説明する。なお、第7の実施形態と同様に、固体レンズが、可変焦点レンズの前方側(視認対象物側)に配置される。上述した固体レンズ17、可変焦点レンズ27は、第2の光学系の一例を構成する。
視力矯正装置11の基本構成は、第7の実施形態で説明した当該部分を引用する。また、操作盤35は、第1の実施形態で説明した当該部分を引用する。可変焦点レンズ27の基本構成、レンズ駆動回路43、制御部45、操作部75、モードに関する説明は、第1の実施形態で説明した当該部分を引用する。ただし、引用する可変焦点レンズ27の基本構成の文中、「図6」が「図11」に置き換えられるものとする。
レンズ構成について、説明する。視力矯正装置11は、使用者の視力を矯正するために、下記(1)項または(2)項のレンズ構成を取り得る。
(1)電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加される状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、使用者が遠方にある視認対象物OB2を視認した際に、使用者が視認対象物OB2を明瞭に視認できるように、固体レンズ17、可変焦点レンズ27が構成されるレンズ構成(以下、レンズ構成C81と称するものとする。)
(2)電極47R、47Lに印加電圧が印加されない状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、使用者が遠方にある視認対象物OB2を視認した際に、使用者が視認対象物OB2を明瞭に視認できるように、固体レンズ17、可変焦点レンズ27が構成されるレンズ構成(以下、レンズ構成C82と称するものとする。)
なお、レンズ構成がC81である場合において、固体レンズ17R、17Lは、使用者毎に、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できるように処方された度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C81a)。この場合、可変焦点レンズ27は、電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加される状態において、可変焦点レンズ27に入射される光線を屈折させることなく通過させることができるように、あるいは実質的に屈折させることなく通過させることができるように構成される(後述する補足説明1参照)。この構成では、
(a)電極47に所定の印加電圧が印加される状態において、使用者が固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して遠方にある視認対象物OB2を視認した場合
(b)使用者が固体レンズ17のみを介して遠方にある視認対象物OB2を視認した場合
のいずれにおいても、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができる。因みに、固体レンズ17R、17Lを、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成し、電極47に所定の印加電圧が印加される状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して視認対象物OB2を視認した際に、視認対象物OB2を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27を構成してもよい。
また、レンズ構成がC82である場合において、固体レンズ17R、17Lは、使用者毎に、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できるように処方された度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C82a)。この場合、可変焦点レンズ27は、電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加されない状態において、可変焦点レンズ27に入射される光線を屈折させることなく通過させることができるように、あるいは実質的に屈折させることなく通過させることができるように構成される(後述する補足説明2参照)。この構成では、
(c)電極47に印加電圧が印加されない状態において、使用者が固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して遠方にある視認対象物OB2を視認した場合
(d)使用者が固体レンズ17のみを介して遠方にある視認対象物OB2を視認した場合
のいずれにおいても、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができる。因みに、固体レンズ17R、17Lを、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成し、電極47に印加電圧が印加されない状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して視認対象物OB2を視認した際に、視認対象物OB2を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27を構成してもよい。
上述したレンズ構成C81、C81aは、本願発明の第3のレンズ構成の一例を構成する。上述したレンズ構成C82、C82aは、本願発明の第4のレンズ構成の一例を構成する。上述したレンズ構成C81a、C82aは、本願発明の第8のレンズ構成の一例を構成する。固体レンズ17R、17Lは、非球面レンズであってもよい。
レンズ構成がC81である場合、上述したように、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認する際、所定の印加電圧が電極47R、47Lに印加される。電極47R、47Lに印加される所定の印加電圧は、システム構成により、左右同じ印加電圧、異なる印加電圧のいずれかが採用される。なお、以下の説明では、レンズ構成がC81である場合、左右の可変焦点レンズ27R、27Lが同じ性能を有する可変焦点レンズであり、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認する際、所定の印加電圧Vfが、電極47R、47L毎に、個別に印可されるものとする。因みに、電極47R、47Lに、異なる印加電圧が印可される場合、電極47Rには、印加電圧VRfが印可され、電極47Lには、印加電圧VLfが印可されるものとする。印加電圧Vf、VRf、VLfは、製造段階で設定(決定)されるが、製品完成後に、使用者が、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、遠方にある視認対象物OB2を視認し、使用者が視認対象物OB2を明瞭に視認できる際の印可電圧を、使用者が教示(記憶部69に記憶)したものを用いてもよい。
また、レンズ構成がC82である場合、遠方にある視認対象物OB2を視認する際に、電極47R、47Lに印加される印加電圧は、0であるが、製品完成後に、使用者が、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、遠方にある視認対象物OB2を視認し、使用者が視認対象物OB2を明瞭に視認できる際の印可電圧を、使用者が教示(記憶部69に記憶)したものを用いてもよい。(ここまで、レンズ構成の説明)
また、固体レンズ17の度数決定方法(焦点距離決定方法)、製造工程に関する説明は、第1の実施形態で説明した当該部分を引用する。ただし、引用する文中、「所定の距離L3」が「遠方」に、「OB3」が「OB2」に、「距離(L3)」が「距離(L2)」に、「印加電圧V3」が「印加電圧Vf」に、「C11」が「C81」に、C12」が「C82」に置き換えられるものとする。さらに、引用する仮枠の眼鏡の説明部分において、仮枠の眼鏡のうち、前方側(視認対象物側)に、検査用固体レンズが交換自在に保持され、後方側(使用者側)に、可変焦点レンズ27と同等性能の検査用可変焦点レンズが保持されるものとする。
また、可変焦点レンズ27の作動、教示方法、遠近を視認する方法は、第2の実施形態で説明した当該部分を引用する。ただし、「C21」が「C81」に、「C22」が「C82」に置き換えられるものとする。
上記構成によれば、視力矯正装置11は、使用者が視認対象物OB2、視認対象物OB1を明瞭に視認できるように、使用者の視力を矯正することができる。
また、上記構成によれば、第1の実施形態に記載した第1の効果、第2の効果、第4の効果乃至第7の効果と同様の効果を得ることができる。ただし、上記効果において、「所定の距離L3」が「遠方」に、「OB3」が「OB2」に、「C11」が「C81」に、「C12」が「C82」に、「C11a」が「C81a」に、「C12a」が「C82a」に置き換えられる。
引用後の第5の効果について補足する。一般的に、使用者は、自動車を運転する場合、あるいは日常の生活において、遠方を視認する時間が長いので、レンズ構成がC82である場合に、電力の消費を押さえることができる効果を有する。
また、レンズ構成がC82である場合には、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できる状態において電池切れしても、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できる状態が維持されるので、自動車運転時等において、安全性に優れている。
また、印加電圧VRn、VLnを再現する所定の操作(つまり、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認するための所定の操作)をすると、電極47Rに対して、印加電圧VRnが印加され、電極47Lに対して、印加電圧VLnが印加される。印加電圧VRn、VLnは、使用者が個別に、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できる際の印加電圧であるために、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者であっても、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができる。使用者は、この視力矯正装置を、老眼鏡、あるいは遠近両用眼鏡として使用することができる。
(第9の実施形態)
第9の実施形態は、レンズ保持構成が、第2の光学系である場合の実施形態である。第9の実施形態のように、電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加される状態、あるいは可印加電圧が印加されない状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、使用者が近方にある視認対象物OB1を視認した際に、使用者が視認対象物OB1を明瞭に視認できるように、固体レンズ17が構成されてもよい。図10、図11、図5を参照して、説明する。
レンズ構成について、説明する。視力矯正装置11は、使用者の視力を矯正するために、下記(1)項または(2)項のレンズ構成を取り得る。
(1)電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加される状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、使用者が近方にある視認対象物OB1を視認した際に、使用者が視認対象物OB1を明瞭に視認できるように、固体レンズ17、可変焦点レンズ27が構成されるレンズ構成(以下、レンズ構成C91と称するものとする。)
(2)電極47R、47Lに印加電圧が印加されない状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、使用者が近方にある視認対象物OB1を視認した際に、使用者が視認対象物OB1を明瞭に視認できるように、固体レンズ17、可変焦点レンズ27が構成されるレンズ構成(以下、レンズ構成C92と称するものとする。)
なお、レンズ構成がC91である場合において、固体レンズ17R、17Lは、使用者毎に、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できるように処方された度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C91a)。この場合、可変焦点レンズ27は、電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加される状態において、可変焦点レンズ27に入射される光線を屈折させることなく通過させることができるように、あるいは実質的に屈折させることなく通過させることができるように構成される(後述する補足説明1参照)。この構成では、
(a)電極47に所定の印加電圧が印加される状態において、使用者が固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して近方にある視認対象物OB1を視認した場合
(b)使用者が固体レンズ17のみを介して近方にある視認対象物OB1を視認した場合
のいずれにおいても、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができる。因みに、固体レンズ17R、17Lを、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成し、電極47に所定の印加電圧が印加される状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して視認対象物OB1を視認した際に、視認対象物OB1を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27を構成してもよい。
また、レンズ構成がC92である場合において、固体レンズ17R、17Lは、使用者毎に、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できるように処方された度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C92a)。この場合、可変焦点レンズ27は、電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加されない状態において、可変焦点レンズ27に入射される光線を屈折させることなく通過させることができるように、あるいは実質的に屈折させることなく通過させることができるように構成される(後述する補足説明2参照)。この構成では、
(c)電極47に印加電圧が印加されない状態において、使用者が固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して近方にある視認対象物OB1を視認した場合
(d)使用者が固体レンズ17のみを介して近方にある視認対象物OB1を視認した場合
のいずれにおいても、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができる。因みに、固体レンズ17R、17Lを、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成し、電極47に印加電圧が印加されない状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して視認対象物OB1を視認した際に、視認対象物OB1を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27を構成してもよい。
上述したレンズ構成C91、C91aは、本願発明の第3のレンズ構成の一例を構成する。上述したレンズ構成C92、C92aは、本願発明の第4のレンズ構成の一例を構成する。固体レンズ17R、17Lは、非球面レンズであってもよい。
レンズ構成がC91である場合、上述したように、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認する際、所定の印加電圧が電極47R、47Lに印加される。電極47R、47Lに印加される所定の印加電圧は、システム構成により、左右同じ印加電圧、異なる印加電圧のいずれかが採用される。なお、以下の説明では、レンズ構成がC91である場合、左右の可変焦点レンズ27R、27Lが同じ性能を有する可変焦点レンズであり、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認する際、所定の印加電圧Vnが、電極47R、47L毎に、個別に印可されるものとする。因みに、電極47R、47Lに、異なる印加電圧が印可される場合、電極47Rには、印加電圧VRnが印可され、電極47Lには、印加電圧VLnが印可されるものとする。印加電圧Vn、VRn、VLnは、製造段階で設定(決定)されるが、製品完成後に、使用者が、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して、近方にある視認対象物OB1を視認し、使用者が視認対象物OB1を明瞭に視認できる際の印可電圧を、使用者が教示(記憶部69に記憶)したものを用いてもよい。
また、レンズ構成がC92である場合、近方にある視認対象物OB1を視認する際に、電極47R、47Lに印加される印加電圧は、0であるが、製品完成後に、使用者が、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して、近方にある視認対象物OB1を視認し、使用者が視認対象物OB1を明瞭に視認できる際の印可電圧を、使用者が教示(記憶部69に記憶)したものを用いてもよい。(ここまで、レンズ構成の説明)
なお、第9の実施形態における視力矯正装置は、電極47に対する印加電圧を切り換えて、使用者が遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できるように構成する。つまり、使用者は、この視力矯正装置を、老眼鏡、あるいは遠近両用眼鏡として使用することができる。
(第10の実施形態)
第1の実施形態乃至第9の実施形態の視力矯正装置は、複レンズ式の視力矯正装置式であったが、第10の実施形態のように、視力矯正装置が、単レンズ式の視力矯正装置であってもよい。第10の実施形態の視力矯正装置は、可変焦点レンズの電極(駆動体)に印加電圧(駆動量)が印加されていない状態において、可変焦点レンズを介して眼に屈折異常がある使用者が所定の距離にある視認対象物を視認した際に、使用者が所定の距離にある視認対象物を明瞭に視認できるように、使用者の視力に合わせて、可変焦点レンズが構成(あるいは加工)される(レンズ構成C101)。可変焦点レンズは、使用者の視力に合わせて、左右の可変焦点レンズ毎に構成(あるいは加工)する。上述したレンズ構成(レンズ構成C101)は、第5のレンズ構成の一例を構成する。また、上述した可変焦点レンズは、第3の光学系の一例を構成する。
視力矯正装置11の基本構成について、説明する。図12は、視力矯正装置の平面図、図13は、視力矯正装置の正面図、図14は、可変焦点レンズの説明図である。視力矯正装置のブロック図は、図5を参照する。図12、図13に示すように、視力矯正装置11は、左右一対の可変焦点レンズ27、眼鏡フレーム93の前面部分を構成し、可変焦点レンズ27を保持するフロント21、フロント21に連なるテンプル23を備えている。テンプル23には、操作部75が一体に設けられている。(ここまで、視力矯正装置11の基本構成の説明)
操作盤35、レンズ駆動回路43、制御部45、操作部75モードの説明は、第1の実施形態の当該部分を引用する。ただし、引用する文中、「図6」が「図14」に置き換えられるものとする。
可変焦点レンズ27の基本構成について、説明する。可変焦点レンズ27は、液晶49に印加される印加電圧に応じて液晶分子の方向が変化することを利用して屈折率を変化させ、度数、焦点距離を変更することができるレンズであり、右側の可変焦点レンズ27R、左側の可変焦点レンズ27Lを備えている。右側の可変焦点レンズ27R、左側の可変焦点レンズ27Lは、それぞれ、図14に示すように、使用者側から視認対象物側に向かって、前面レンズ27a、第1の電極47a、第1の絶縁パターン51、第1の配向膜53、液晶49、第2の配向膜55、第2の絶縁パターン57、第2の電極47b、後面レンズ27bが順次、配置される。可変焦点レンズ27は、固体レンズ17と別体に設けられる。なお、可変焦点レンズ27の構成、電極の構成は、上述した例に限定されるものではない。周知のように、種々の可変焦点レンズが公開されており、適宜、液晶の性質、用途などに応じて、使い分けるものとする。
なお、以下の説明では、可変焦点レンズ27Rに設けられる電極47を電極47Rと称し、可変焦点レンズ27Lに設けられる電極47を電極47Lと称するものとする。上述した電極47Rは、本願発明の第1の駆動体を構成する。また、電極47Lは、本願発明の第2の駆動体を構成する。通常、前面レンズ27a、後面レンズ27bは、所定の曲率を有するが、前面レンズ27a、後面レンズ27bのうち、少なくとも一方が平面状に加工されていてもよい。液晶49は、所定の状態に配向される。(ここまで、可変焦点レンズ27の基本構成の説明)
上述した可変焦点レンズ27のうち、可変焦点レンズ27Rは、電極47Rに印加電圧が印加されない状態において、使用者が右眼で可変焦点レンズ27Rを介して所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した際に、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように(視認対象物OB3の像が、使用者の網膜に結像するように)、後面レンズ27bのレンズ面27eが加工される。レンズ面27eの加工は、完成された量産品の後加工でもよい。また、上述した可変焦点レンズ27のうち、可変焦点レンズ27Lは、電極47Lに印加電圧が印加されない状態において、使用者が左眼で可変焦点レンズ27Lを介して所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した際に、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように(視認対象物OB3の像が、使用者の網膜に結像するように)、後面レンズ27bのレンズ面27eが加工される。レンズ面27eの加工は、完成された量産品の後加工でもよい。
例えば、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認するのに、度数2Dが必要な場合、可変焦点レンズ27の度数が2Dとなるように、後面レンズ27bのレンズ面27eを加工する。度数2.5Dが必要な場合、可変焦点レンズ27の度数が2.5Dとなるように、後面レンズ27bのレンズ面27eを加工する。加工は、使用者の左右の視力に合わせて、可変焦点レンズ27R、27L毎に行われる。なお、レンズ面27eの代わりに、レンズ面27cを加工してもよい。レンズ面27cの加工は、完成された量産品の後加工でもよい。また、レンズ面27c、レンズ面27eの両方を加工してもよい。
このように、可変焦点レンズ27は、電極47(駆動体)に印加電圧(駆動量)が印加されない状態において、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズとなる。(ここまで、可変焦点レンズ27の作動の説明)
なお、所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認する際に、電極47R、47Lに印加される印加電圧は、0であるが、製品完成後に、使用者が、可変焦点レンズ27を介して、所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認し、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できる際の印可電圧を、使用者が教示(記憶部69に記憶)したものを用いてもよい。
上記構成によれば、視力の異なる使用者であっても、電極47に印加電圧が印加されない状態において、使用者毎に、所定の距離L3にある視認対象物OB3を明瞭に視認することができる。また、特許文献2のように、固体レンズと液晶レンズの両方を加工して、貼り合わせる必要がない。また、量産化された可変焦点レンズを用いたとしても、使用者の視力に応じて、可変焦点レンズのレンズ面を加工(あるいは後加工)すればよく、生産性が極めて向上する。その結果、眼に屈折異常がある使用者であっても、個々の使用者に合ったレンズを比較的容易に構成できる視力矯正装置を提供することができる。
なお、前面レンズ27a、後面レンズ27bに屈折度の違う材質を用いて、必要とする度数となるように、内面27d、内面27fを加工してもよい。また、その他の方法として、第1の配向膜53、第2の配向膜55の形状を変更してもよい。
(第11の実施形態)
第10の実施形態では、可変焦点レンズの電極に印加電圧が印加されない状態において、可変焦点レンズを介して使用者が所定の距離にある視認対象物を視認した際に、使用者が所定の距離にある視認対象物を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズが構成(加工)されたが、可変焦点レンズの電極(駆動体)に印加電圧(駆動量)が印加されない状態において、可変焦点レンズを介して使用者が遠方にある視認対象物を視認した際に、使用者が遠方にある視認対象物を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズが構成(あるいは加工)されてもよい(レンズ構成C102)。上述したレンズ構成(レンズ構成C102)は、第5のレンズ構成の一例を構成する。また、上述した可変焦点レンズは、第3の光学系の一例を構成する。
視力矯正装置11の基本構成、可変焦点レンズ27の基本構成は、第10の実施形態で説明した当該部分を引用する。操作盤35、レンズ駆動回路43、制御部45、操作部75モードの説明は、第1の実施形態の当該部分を引用する。ただし、引用する文中、「図6」が「図14」に置き換えられるものとする。
上述した可変焦点レンズ27のうち、可変焦点レンズ27Rは、電極47Rに印加電圧が印加されない状態において、使用者が右眼で可変焦点レンズ27Rを介して遠方にある視認対象物OB2を視認した際に、使用者が視認対象物OB2を明瞭に視認できるように(視認対象物OB2の像が、使用者の網膜に結像するように)、後面レンズ27bのレンズ面27eが加工される。また、上述した可変焦点レンズ27のうち、可変焦点レンズ27Lは、電極47Lに印加電圧が印加されない状態において、使用者が左眼で可変焦点レンズ27Lを介して遠方にある視認対象物OB2を視認した際に、使用者が視認対象物OB2を明瞭に視認できるように(視認対象物OB2の像が、使用者の網膜に結像するように)、後面レンズ27bのレンズ面27eが加工される。
例えば、使用者が視認対象物OB2を明瞭に視認するのに、度数2Dが必要な場合、可変焦点レンズ27の度数が2Dとなるように、後面レンズ27bのレンズ面27eを加工する。度数2.5Dが必要な場合、可変焦点レンズ27の度数が2.5Dとなるように、後面レンズ27bのレンズ面27eを加工する。レンズ面27eの加工は、完成された量産品の後加工でもよい。加工は、使用者の左右の視力に合わせて、可変焦点レンズ27R、27L毎に行われる。なお、レンズ面27eの代わりに、レンズ面27cを加工してもよい。レンズ面27cの加工は、完成された量産品の後加工でもよい。また、レンズ面27c、レンズ面27eの両方を加工してもよい。
上記構成によれば、視力矯正装置11は、電極47R、47Lに印加電圧が印加されない状態において、使用者が遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することがきる遠方明視状態となる。この場合、可変焦点レンズ27は、電極47(駆動体)に印加電圧(駆動量)が印加されない状態において、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズとなる。
なお、前面レンズ27a、後面レンズ27bに屈折度の違う材質を用いて、必要とする度数となるように、内面27d、内面27fを加工してもよい。また、その他の方法として、第1の配向膜53、第2の配向膜55の形状を変更してもよい。
また、電極47Rに所定の印加電圧VRnが印加され、電極47Lに所定の印加電圧VLnが印加されると、使用者が固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して近方にある視認対象物OB1を視認した際に、使用者が視認対象物OB1を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27R、27Lの液晶分子の楕円長軸が配向される。つまり、視力矯正装置11は、電極47Rに所定の印加電圧VRnが印加され、電極47Lに所定の印加電圧VLnが印加される状態において、使用者が近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することがきる近方明視状態となる。上述した印加電圧VRn、VLnは、製造段階で設定(決定)されるが、製品完成後に、使用者が、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、近方にある視認対象物OB1を視認し、使用者が視認対象物OB1を明瞭に視認できる際の印可電圧を、使用者が教示(記憶部69に記憶)したものを用いてもよい。(ここまで、可変焦点レンズ27の作動の説明)
ここで、印加電圧VRn、VLnを教示する教示方法について、説明する。教示を行うには、モード切換ボタン83を押して、教示モードにする。教示モード時に、使用者が指でタッチセンサ79に触れると、制御部45に所定の信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ79から指を離すと、上述した信号の入力が停止される。制御部45に信号が入力されるごとに、電極47Rに印加する印加電圧が増加、減少を交互に繰り返すように、レンズ駆動回路43Rが印加電圧を制御する。タッチセンサ79を触れている間は、印加電圧の増加、減少が維持され、指を離すと、停止する。
また、教示モード時に、使用者が指でタッチセンサ85に触れると、制御部45に所定の信号が入力される。そして、使用者がタッチセンサ85から指を離すと、上述した信号の入力が停止される。制御部45に信号が入力されるごとに、電極47Lに印加する印加電圧が増加、減少を交互に繰り返すように、レンズ駆動回路43Lが印加電圧を制御する。タッチセンサ85を触れている間は、印加電圧の増加、減少が維持され、指を離すと、停止する。
印加電圧VRnを教示する方法について、説明する。最初に、使用者が可変焦点レンズ27Rを介して、近方にある視認対象物OB1を右眼で視認する。この際、左眼側は、手で覆うか、遮蔽体で遮蔽する。次に、使用者がタッチセンサ79に指で触れて、あるいは指を離して、レンズ駆動回路43Rを駆動させ、視認対象物OB1が最も明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27Rの度数、あるいは焦点距離を変化させる。そして、登録ボタン87を押す。この際、電極47Rに印加された印加電圧VRnが、記憶部69に記憶される。
印加電圧VLnを教示する方法について、説明する。使用者が可変焦点レンズ27Lを介して、近方にある視認対象物OB1を左眼で視認する。この際、右眼側は、手で覆うか、遮蔽体で遮蔽する。次に、使用者がタッチセンサ85に指で触れて、あるいは指を離して、レンズ駆動回路43Lを駆動させ、視認対象物OB1が最も明瞭に視認できるように、可変焦点レンズ27Lの度数、焦点距離を変化させる。そして、登録ボタン87を押す。この際、電極47Lに印加された印加電圧VLnが、記憶部69に記憶される。
なお、遠方にある視認対象物OB2を視認する際に、電極47R、47Lに印加される印加電圧は、0であるが、製品完成後に、使用者が、可変焦点レンズ27を介して、遠方にある視認対象物OB2を視認し、使用者が視認対象物OB2を明瞭に視認できる際の印可電圧を、使用者が教示(記憶部69に記憶)したものを用いてもよい。教示方法については、省略する。
次に、遠近を視認する方法(使用者が遠方にある視認対象物OB2、近方にある視認対象物OB1を視認する方法)について、説明する。
(電源のオン、オフにより、遠近を切り換える場合)
(1)電源がオフになっている場合、制御ブロック39に電力が供給されず、電極47に印加電圧が印加されない(印加電圧が0となる)。この場合、使用者が遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できる遠方明視状態となる。
(2)電極47R、47Lに印加電圧が印加されず、遠方明視状態にあるとき、使用者が電源スイッチ77を押すと、制御ブロック39に電力が供給され、自動的に、電極47Rに印加電圧VRnが印加され、電極47Lに印加電圧VLnが印加される。この際、液晶分子の楕円長軸の配向状態が変化し、視力矯正装置11は、使用者が近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できる近方明視状態となる。つまり、電力を供給する所定の操作を行うことで、印加電圧VRn、VLnが再現され、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができる。
(3)電極47Rに印加電圧VRnが印加され、電極47Lに印加電圧VLnが印加されており、近方明視状態にあるとき、使用者が電源スイッチ77を押して、制御ブロック39に供給されていた電力を停止すると、電極47R、47Lに印加電圧が印加されなくなる(印加電圧が0になる)。この際、液晶分子の楕円長軸の配向状態が変化し、視力矯正装置11は、使用者が遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できる遠方明視状態となる。つまり、電力を停止する所定の操作を行い、印加電圧0を再現することで、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができる。
このように、電源をオン、オフすることにより、近方明視状態と、遠方明視状態とを切り換える。
(所定のスイッチにより、遠近を切り換える場合)
(1)電源がオフになっている場合、制御ブロック39に電力が供給されず、電極47R、47Lに印加電圧が印加されない(印加電圧が0となる)。この場合、使用者が遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できる遠方明視状態となる。
(2)この状態で電源をオンすると、制御ブロック39に電力が供給される。ただし、この段階では、電極47R、47Lに印加電圧が印加されない(印加電圧は0のままである)。
(3)制御ブロック39に電力が供給され、電極47R、47Lに印加電圧が印加されていない状態で、使用者がタッチセンサ79、タッチセンサ85のうち、いずれかのタッチセンサを操作する(押す、触る)と、電極47Rに印加電圧VRnが印加され、電極47Lに印加電圧VLnが印加されるように制御される。この際、液晶分子の楕円長軸の配向状態が変化し、視力矯正装置11は、使用者が近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できる近方明視状態となる。つまり、所定の操作を行い、印加電圧VRn、VLnを再現することで、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができる。
(4)電極47Rに印加電圧VRnが印加され、電極47Lに印加電圧Vnが印加されており、近方明視状態にあるとき、使用者がタッチセンサ79、タッチセンサ85のうち、いずれかのタッチセンサを操作する(押す、触る)と、電極47R、47Lに印加電圧が印加されなくなる(印加電圧が0となる)。この際、液晶分子の楕円長軸の配向状態が変化し、視力矯正装置11は、使用者が遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できる遠方明視状態となる。つまり、所定の操作を行い、印加電圧を0にすることで、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができる。
このように、タッチセンサ79、タッチセンサ85のうち、いずれかのタッチセンサを操作する(押す、触る)ことで、電極47R、47Lに印加する印加電圧を切り換え、近方明視状態と、遠方明視状態とを切り換える。
上記構成によれば、視力の異なる使用者であっても、電極47に印加電圧が印加されない状態において、使用者毎に、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができる。また、特許文献2のように、固体レンズと液晶レンズの両方を加工して、貼り合わせる必要がない。また、量産化された可変焦点レンズを用いたとしても、使用者の視力に応じて、可変焦点レンズのレンズ面を加工すればよく、生産性が極めて向上する。その結果、眼に屈折異常がある使用者であっても、個々の使用者に合ったレンズを比較的容易に構成できる視力矯正装置を提供することができる。
しかも、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認する際に、電極47(駆動体)に印加電圧(駆動量)が印加されないので、電力の消費を押さえることができる視力矯正装置を提供することができる。
また、印加電圧VRn、VLnを再現する所定の操作(つまり、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認するための所定の操作)をすると、電極47Rに対して、印加電圧VRnが印加され、電極47Lに対して、印加電圧VLnが印加される。印加電圧VRn、VLnは、使用者が個別に、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できる際の印加電圧であるために、視力の異なる使用者、左右の視力が異なる使用者であっても、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができる。使用者は、この視力矯正装置を、老眼鏡、あるいは遠近両用眼鏡として使用することができる。
(第12の実施形態)
第11の実施形態では、可変焦点レンズの電極(駆動体)に印加電圧(駆動量)が印加されない状態において、可変焦点レンズを介して使用者が遠方にある視認対象物を視認した際に、使用者が遠方にある視認対象物を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズが構成(あるいは加工)されたが、可変焦点レンズの電極(駆動体)に印加電圧(駆動量)が印加されない状態において、可変焦点レンズを介して使用者が近方にある視認対象物を視認した際に、使用者が近方にある視認対象物を明瞭に視認できるように、可変焦点レンズが構成(あるいは加工)されてもよい(レンズ構成C103)。上述したレンズ構成(レンズ構成C103)は、第5のレンズ構成の一例を構成する。また、上述した可変焦点レンズは、第3の光学系の一例を構成する。
なお、第12の実施形態における視力矯正装置は、電極47に対する印加電圧を切り換えて、使用者が遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できるように構成する。つまり、使用者は、この視力矯正装置を、老眼鏡、あるいは遠近両用眼鏡として使用することができる。
(第13の実施形態)
レンズ構成がC21であるレンズ構成(第2の実施形態に記載)において、固体レンズ17が、近方にある視認対象物を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C21b)。図1乃至図6を参照して、説明する。視力矯正装置11の基本構成は、第1の実施形態に記載された当該部分を引用する。
このレンズ構成(レンズ構成C21b)では、使用者は、固体レンズ17のみを介して、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができ、可変焦点レンズ27に所定の印加電圧が印加される状態で、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができる。上述したレンズ構成C21bは、本願発明の第9のレンズ構成の一例を構成する。
(第14の実施形態)
レンズ構成がC22であるレンズ構成(第2の実施形態に記載)において、固体レンズ17が、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C22b)。図1乃至図6を参照して、説明する。視力矯正装置11の基本構成は、第1の実施形態に記載された当該部分を引用する。
このレンズ構成(レンズ構成C22b)では、使用者は、固体レンズ17のみを介して、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができ、可変焦点レンズ27に印加電圧が印加されない状態で、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができる。上述したレンズ構成C22bは、本願発明の第9のレンズ構成の一例を構成する。
(第15の実施形態)
レンズ構成がC31であるレンズ構成(第3の実施形態に記載)において、固体レンズ17が、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C31b)。図1乃至図6を参照して、説明する。視力矯正装置11の基本構成は、第1の実施形態に記載された当該部分を引用する。視力矯正装置11の基本構成は、第1の実施形態に記載された当該部分を引用する。
このレンズ構成(レンズ構成C31b)では、使用者は、固体レンズ17のみを介して、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができ、可変焦点レンズ27に所定の印加電圧が印加される状態で、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができる。上述したレンズ構成C31bは、本願発明の第10のレンズ構成の一例を構成する。
(第16の実施形態)
レンズ構成がC32であるレンズ構成(第3の実施形態を参照)において、固体レンズ17が、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C32b)。図1乃至図6を参照して、説明する。視力矯正装置11の基本構成は、第1の実施形態に記載された当該部分を引用する。
このレンズ構成(レンズ構成C32b)では、使用者は、固体レンズ17のみを介して、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができ、可変焦点レンズ27に印加電圧が印加されない状態で、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができる。上述したレンズ構成C32bは、本願発明の第10のレンズ構成の一例を構成する。
(第17の実施形態)
レンズ構成がC51であるレンズ構成(第5の実施形態に記載)において、コンタクトレンズ91が、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C51b)。図7、図8、図9、図5を参照して、説明する。視力矯正装置11の基本構成は、第4の実施形態に記載された当該部分を引用する。
このレンズ構成(レンズ構成C51b)では、使用者は、コンタクトレンズ91のみを介して、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができ、可変焦点レンズ27に所定の印加電圧が印加される状態で、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができる。上述したレンズ構成C51bは、本願発明の第9のレンズ構成の一例を構成する。
(第18の実施形態)
レンズ構成がC52であるレンズ構成(第5の実施形態に記載)において、コンタクトレンズ91が、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C52b)。図7、図8、図9、図5を参照して、説明する。視力矯正装置11の基本構成は、第4の実施形態に記載された当該部分を引用する。
このレンズ構成(レンズ構成C52b)では、使用者は、固体レンズ17のみを介して、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができ、可変焦点レンズ27に印加電圧が印加されない状態で、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができる。上述したレンズ構成C52bは、本願発明の第9のレンズ構成の一例を構成する。
(第19の実施形態)
レンズ構成がC61であるレンズ構成(第6の実施形態に記載)において、コンタクトレンズ91が、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C61b)。図7、図8、図9、図5を参照して、説明する。視力矯正装置11の基本構成は、第4の実施形態に記載された当該部分を引用する。
このレンズ構成(レンズ構成C61b)では、使用者は、コンタクトレンズ91のみを介して、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができ、可変焦点レンズ27に所定の印加電圧が印加される状態で、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができる。上述したレンズ構成C61bは、本願発明の第10のレンズ構成の一例を構成する。
(第20の実施形態)
レンズ構成がC62であるレンズ構成(第6の実施形態を参照)において、コンタクトレンズ91が、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C62b)。図7、図8、図9、図5を参照して、説明する。視力矯正装置11の基本構成は、第4の実施形態に記載された当該部分を引用する。
このレンズ構成では、使用者は、コンタクトレンズ91のみを介して、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができ、可変焦点レンズ27に印加電圧が印加されない状態で、コンタクトレンズ91、可変焦点レンズ27を介して、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができる。上述したレンズ構成C62bは、本願発明の第10のレンズ構成の一例を構成する。
(第21の実施形態)
レンズ構成がC81であるレンズ構成(第8の実施形態に記載)において、固体レンズ17が、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C81b)。図10、図11、図5を参照して説明する。視力矯正装置11の基本構成は、第7の実施形態に記載された当該部分を引用する。
このレンズ構成(レンズ構成C81b)では、使用者は、固体レンズ17のみを介して、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができ、可変焦点レンズ27に所定の印加電圧が印加される状態で、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができる。上述したレンズ構成C81bは、本願発明の第11のレンズ構成の一例を構成する。
(第22の実施形態)
レンズ構成がC82であるレンズ構成(第8の実施形態に記載)において、固体レンズ17が、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C82b)。図10、図11、図5を参照して説明する。視力矯正装置11の基本構成は、第7の実施形態に記載された当該部分を引用する。視力矯正装置11の基本構成は、第7の実施形態に記載された当該部分を引用する。
このレンズ構成(レンズ構成C82b)では、使用者は、固体レンズ17のみを介して、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができ、可変焦点レンズ27に印加電圧が印加されない状態で、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができる。上述したレンズ構成C82bは、本願発明の第11のレンズ構成の一例を構成する。
(第23の実施形態)
レンズ構成がC91であるレンズ構成(第9の実施形態に記載)において、固体レンズ17が、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C91b)。図10、図11、図5を参照して説明する。視力矯正装置11の基本構成は、第7の実施形態に記載された当該部分を引用する。
このレンズ構成では、使用者は、固体レンズ17のみを介して、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができ、可変焦点レンズ27に所定の印加電圧が印加される状態で、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができる。上述したレンズ構成C91bは、本願発明の第12のレンズ構成の一例を構成する。
(第24の実施形態)
レンズ構成がC92であるレンズ構成(第9の実施形態参照)において、固体レンズ17が、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できるように処方された、度入りレンズになるように構成されてもよい(レンズ構成C92b)。図10、図11、図5を参照して説明する。視力矯正装置11の基本構成は、第7の実施形態に記載された当該部分を引用する。
このレンズ構成(レンズ構成C92b)では、使用者は、固体レンズ17のみを介して、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認することができ、可変焦点レンズ27に印加電圧が印加されない状態で、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認することができる。上述したレンズ構成C92bは、本願発明の第12のレンズ構成の一例を構成する。
(第25の実施形態)
異なる距離にある3点以上の視認対象物を、個別に、明瞭に視認できるようにしてもよい。通常は、使用者の左右の視力に合わせて、電極47R、左側の電極47Lに対し、個別に印加電圧を印加する。第25の実施形態は、複レンズ式の視力矯正装置、単レンズ式の視力矯正装置(可変焦点レンズのみを用いた視力矯正装置)のいずれにも適用される。なお、使用者の視力、システム構成等により、電極47R、左側の電極47Lに対し、同じ印加電圧を印加することもある。図1乃至図6を参照して、説明する。なお、第1の光学系の他、第2の光学系、第3の光学系であってもよい。
第25の実施形態では、異なる距離にある視認対象物が3点であり、電極47R、左側の電極47Lに対し、個別に印加電圧を印加する場合について、説明する。なお、視認対象物は、図1に示す近方(距離L1)にある視認視認対象物OB1、遠方(距離L2)にある視認対象物OB2、距離L3に有る視認対象物OB3であるものとし、距離L3は、距離L1、距離L2ではない、視認対象物OB3を明瞭に視認できる距離であるものとする。
教示をして、近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できる際の電極47Rに対する印加電圧VRn、電極47Lに対する印加電圧VLn、遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できる際の電極47Rに対する印加電圧VRf、電極47Lに対する印加電圧VLf、第3の距離にある視認対象物OB3を明瞭に視認できる際の電極47Rに対する印加電圧VR3、電極47Lに対する印加電圧VL3が決定される。
教示を行った後、視認対象物OB1、視認対象物OB2、視認対象物OB3を、順次、明瞭に視認する制御方法について説明する。なお、電源スイッチ77は、オン状態であるものとする。また、タッチセンサ79、タッチセンサ85のうち、タッチセンサ79を用いるものとする。
モード切換ボタン83を押して、視点切り替えモードにし、使用者がタッチセンサ79に触るごとに、順次、電極47R、47Lに対する印加電圧が後述する(1)項、(2)項、(3)項の印加電圧となるように、レンズ駆動回路43Rが、電極47Rに対して印加し、レンズ駆動回路43Lが、電極47Lに対して印加する。これにより、使用者は、視認対象物OB1、視認対象物OB2、視認対象物OB3を、順次、明瞭に視認することができる。つまり、第25の実施形態の視力矯正装置11は、教示された印加電圧を再現して、視認対象物OB1、視認対象物OB2、視認対象物OB3に対し、焦点を合わせることができる。
(1)右側:印加電圧VRn、左側:印加電圧VLn
(2)右側:印加電圧VRf、左側:印加電圧VLf
(3)右側:印加電圧VR3、左側:印加電圧VL3
(第26の実施形態)
上述した各実施形態の視力矯正装置において、レンズ駆動回路を駆動させて連続的に可変焦点レンズの焦点距離を変化させる所定の操作、あるいは段階的に可変焦点レンズの焦点距離を変化させる所定の操作を行った場合に、駆動体に対する印加電圧が、スイッチの押圧時間または押圧時間に相関する一定の変化量に応じて、都度、個々の使用者が視認対象物を明瞭に視認できる視認駆動量となるように、レンズ駆動回路が、駆動体に対して印加電圧を印加する(以下、焦点距離連続変更制御と称するものとする。)ようにする。第26の実施形態は、複レンズ式の視力矯正装置、単レンズ式の視力矯正装置(可変焦点レンズのみを用いた視力矯正装置)のいずれにも適用される。なお、以下では、代表例として、電極47R、47Lに所定の印加電圧が印加される状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、使用者が所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した際に、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように、固体レンズ17が構成される視力矯正システムについて、説明する。
なお、第26の実施形態では、使用者の左右の視力に合わせて、電極47R、左側の電極47Lに対し、個別に印加電圧を印加する。図1乃至図6、図15を参照して、説明する。
視認距離Lxについて、説明する。可変焦点レンズの電極47R、47Lに対して、所定の視認駆動量を印加した場合に、使用者が視認対象物を明瞭に視認できる所定の距離がある。以下では、使用者が視認対象物を明瞭に視認できる距離を、視認距離、あるいは視認距離Lxと称するものとする。
ところで、焦点距離連続変更制御をするには、一定の関数が用いられる。この関数は、使用者毎に、左右同時に、視認対象物を明瞭に視認できる(あるいは、視認対象物の像を使用者の左右の網膜に、同時に結像させる、あるいは、使用者の左右の網膜に、同時にピントを合わせる)ように、電極47R、47Lに対する視認駆動量を決定する機能を有している。
関数は、教示により導出されるか、あるいは予め準備されている。以下では、一例として、各視認対象物を視認する際の印加電圧を教示して、関数を導出する方法について、説明する。なお、関数は、
(1)使用者が近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できる際の右側の電極47Rに対する印加電圧VRn、パルス数pRn
(2)使用者が近方にある視認対象物OB1を明瞭に視認できる際の左側の電極47Lに対する印加電圧VLn、パルス数pLn
(3)使用者が遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できる際の右側の電極47Rに対する印加電圧VRf、パルス数pRf
(4)使用者が遠方にある視認対象物OB2を明瞭に視認できる際の左側の電極47Lに対する印加電圧VLf、パルス数pLf
から導出されるものとする。
教示の手順について、説明する。図1において、使用者が、右側の可変焦点レンズ27Rを遮蔽し、近方にある視認対象物OB1を視認する。次に、使用者が、上述したタッチセンサ85に指で触れて、あるいは指を離して、レンズ駆動回路43Lを駆動させ、近方にある視認対象物OB1が最も明瞭に視認できるように、左側の可変焦点レンズ27Lの焦点距離を変化させる。そして、登録ボタン87を押す。この際、左側の電極47Lに印加した印加電圧VLn、パルス数pLnが、記憶部69に記憶される。
次に、使用者が、左側の可変焦点レンズ27Lを遮蔽し、近方にある視認対象物OB1を視認する。次に、使用者が、上述したタッチセンサ79に指で触れて、あるいは指を離して、レンズ駆動回路43Rを駆動させ、近方にある視認対象物OB1が最も明瞭に視認できるように、右側の可変焦点レンズ27Rの焦点距離を変化させる。そして、登録ボタン87を押す。この際、右側の電極47Rに印加した印加電圧VRn、パルス数pRnが、記憶部69に記憶される。
次に、使用者が、右側の可変焦点レンズ27Rを遮蔽し、遠方にある視認対象物OB2を視認する。次に、使用者が、上述したタッチセンサ85に指で触れて、あるいは指を離して、レンズ駆動回路43Lを駆動させ、近方にある視認対象物OB2が最も明瞭に視認できるように、左側の可変焦点レンズ27Lの焦点距離を変化させる。そして、登録ボタン87を押す。この際、左側の電極47Lに印加した印加電圧VLf、パルス数pLfが、記憶部69に記憶される。
次に、使用者が、左側の可変焦点レンズ27Lを遮蔽し、遠方にある視認対象物OB2を視認する。次に、使用者が、上述したタッチセンサ79に指で触れて、あるいは指を離して、レンズ駆動回路43Rを駆動させ、近方にある視認対象物OB2が最も明瞭に視認できるように、右側の可変焦点レンズ27Rの焦点距離を変化させる。そして、登録ボタン87を押す。この際、右側の電極47Rに印加した印加電圧VRf、パルス数pRfが、記憶部69に記憶される。印加電圧VRn、パルス数pRn、印加電圧VLf、パルス数pLfが教示されると、関数が導出される。
関数を例示する。図15を参照して説明する。(式1)は、(x1,y1)=(パルス数pRf,印加電圧VRf)、(x2,y2)=(パルス数pRn,印加電圧VRn)を通過する関数、(式2)は、(x3,y3)=(パルス数pLf,印加電圧VLf)、(x4,y4)=(パルス数pLn,印加電圧VLn)を通過する関数であり、本願発明の関数の一例を示す。
(式1) VRx=fR(x)=((VRn−VRf)/(pRn−pRf))・pRx
(式2) VLx=fL(x)=((VLn−VLf)/(pLn−pLf))・pLx
ただし、
VRx:パルス数がnRxである場合の右側の電極47Rに対する印加電圧(視認駆動量)(ボルト)
VLx:パルス数がnRyである場合の左側の電極47Lに対する印加電圧(視認駆動量)(ボルト)
VRn:視認対象物OB1を、明瞭に視認できる際の、右側の電極47Rに対する印加電圧(ボルト)。
VRf:視認対象物OB2を、明瞭に視認できる際の、右側の電極47Rに対する印加電圧(ボルト)。
VLn:視認対象物OB1を、明瞭に視認できる際の、左側の電極47Lに対する印加電圧(ボルト)。
VLf:視認対象物OB2を、明瞭に視認できる際の、左側の電極47Lに対する印加電圧(ボルト)。
pRn:視認対象物OB1を、右眼において、明瞭に視認できる際のパルス数(パルス)
pRf:視認対象物OB2を、右眼において、明瞭に視認できる際のパルス数(パルス)
pLn:視認対象物OB1を、左眼において、明瞭に視認できる際のパルス数(パルス)
pLf:視認対象物OB2を、左眼において、明瞭に視認できる際のパルス数(パルス)
pRx:現状のパルス数に、新しくカウントしたパルス数が加えられ、あるいは減じられた右側のパルス数(パルス)
pLx:現状のパルス数に、新しくカウントしたパルス数が加えられ、あるいは減じられた左側のパルス数(パルス)
制御方法について、説明する。最初に、右側の可変焦点レンズ27R側の制御について、説明する。使用者がタッチセンサ79を押圧すると、制御部45に所定の押圧信号が入力される。制御部45は、押圧信号が入力されている時間をパルス数でカウントする。そして、現状のパルス数に、新しくカウントしたパルス数が加えられたパルス数pRxを、一定のサンプリング時間毎に、都度、(式1)に代入する。(式1)の演算結果を受けて、レンズ駆動回路43Rは、可変焦点レンズ27Rの焦点距離が、連続的に短くなるように、右側の電極47Rに対して印加電圧(視認駆動量)VRxを印加する。
左側の可変焦点レンズ27L側の制御について、説明する。使用者がタッチセンサ79を押圧すると、制御部45に所定の押圧信号が入力される。制御部45は、押圧信号が入力されている時間をパルス数でカウントする。そして、現状のパルス数に、新しくカウントしたパルス数が加えられたパルス数pLxを、一定のサンプリング時間毎に、都度、(式2)に代入する。(式2)の演算結果を受けて、レンズ駆動回路43Lは、可変焦点レンズ27Lの焦点距離が、連続的に短くなるように、可変焦点レンズ27Lの電極47Lに対して印加電圧(視認駆動量)VLxを印加する。
この際、印加電圧を左右同時にVRx、VLxとなるように制御する(視認対象物OBxを左右同時に、使用者の網膜に結像させる)ことで、違和感なく、ピント合わせすることができる。
また、使用者がタッチセンサ85を押圧すると、制御部45に所定の押圧信号が入力される。制御部45は、押圧信号が入力されている時間をパルス数でカウントする。そして、現状のパルス数から、新しくカウントしたパルス数を減じたパルス数pRxを、一定のサンプリング時間毎に、都度、(式1)に代入する。(式1)の演算結果を受けて、レンズ駆動回路43Rは、可変焦点レンズ27Rの焦点距離が、連続的に長くなるように、右側の電極47Rに対して印加電圧(視認駆動量)VRxを印加する。
左側の可変焦点レンズ27L側の制御について、説明する。使用者がタッチセンサ85を押圧すると、制御部45に所定の押圧信号が入力される。制御部45は、押圧信号が入力されている時間をパルス数でカウントする。そして、現状のパルス数から、新しくカウントしたパルス数を減じたパルス数pLxを、一定のサンプリング時間毎に、都度、(式2)に代入する。(式2)の演算結果を受けて、レンズ駆動回路43Lは、可変焦点レンズ27Lの焦点距離が、連続的に長くなるように、左の電極47Lに対して印加電圧(視認駆動量)VLxを印加する。
この際、印加電圧を左右同時にVRx、VLxとなるように制御する(視認対象物OBxを左右同時に、使用者の網膜に結像させる)ことで、違和感なく、ピント合わせすることができる。
上記構成によれば、タッチセンサ79またはタッチセンサ85を押すと、押圧時間に応じて、都度、印加電圧VRx、VLxが変更される。その結果、可変焦点レンズ27の焦点距離が変更されて、使用者が視認対象物を明瞭に視認できる視認距離Lxが変更される。仮に、変更される視認距離Lxに沿って、所定の視認対象物OBx(図示せず)が移動したものとすると、視認対象物OBxの像が使用者の左右の網膜に同時に結像される状態が維持されたまま、使用者は、変化する視認距離Lxに沿って移動する視認対象物OBxを、連続して、明瞭に視認することができる。
また、視認対象物OBxが移動せず、視認対象物OBxが、所定の距離にある場合、タッチセンサ79またはタッチセンサ85を押して、視認対象物OBxを明瞭に視認できるところで、押圧を停止すると、視認対象物OBxの像が、使用者の網膜に、左右同時に結像され、使用者は、視認距離Lxにある視認対象物OBxを明瞭に視認することができる。因みに、この視力矯正装置11は、印加電圧VRx、VLxを維持することで、視認対象物OBxを明瞭に視認できる状態を維持することができる。
なお、上述した例では、印加電圧VRf、パルス数pRf、印加電圧VLf、パルス数pLfは、製造工程の段階で決定されたものを用いたが、製品完成後に、印加電圧VRf、パルス数pRf、印加電圧VLf、パルス数pLfを教示してもよい。また、教示対象となる視認対象物は、視認対象物OB1、OB2に限定されるものではない。他の距離にある視認対象物を教示対象としてもよい。
また、上述した関数は、一例を示したものであり、電極47Rに対する印加電圧VRx、電極47Lに対する印加電圧VLxが決定できる関数であればよく、(式1)、(式2)に限定されるものではない。また、予めプログラムに組み込まれた関数を用いてもよい。この場合、開発段階において、視力矯正装置の機種毎に、多数の被験者からデータを収集し、そのデータを基にして、関数を導出するようにしてもよい。また、複数の関数から、最も使用者に合う関数を、使用者が選択できるようにしてもよい。
なお、電極47R、47Lに印加電圧が印加されない状態において、固体レンズ17、可変焦点レンズ27を介して、使用者が所定の距離L3にある視認対象物OB3を視認した際に、使用者が視認対象物OB3を明瞭に視認できるように、固体レンズ17が構成される場合、印加電圧VRf、パルス数pRf、印加電圧VLf、パルス数pLfは0となる。また、使用者の左右の視力が同じである場合、左右の可変焦点レンズの性能が同じであれば、印加電圧VRf、VLfは、同じ印加電圧となる。
因みに、使用者の視力、システム構成等により、電極47R、左側の電極47Lに対し、同じ印加電圧を印加することもある。この場合の関数の一例を、次に示す(図16参照)。
(式3) Vx=f(x)=((Vn−Vf)/(pn−pf))・px
ただし、
Vx:パルス数がnxである場合の電極47R、47Lに対する印加電圧(視認駆動量)(ボルト)
Vn:視認対象物OB1を、明瞭に視認できる際の、電極47R、47Lに対する印加電圧(視認駆動量)(ボルト)
Vf:視認対象物OB2を、明瞭に視認できる際の、電極47R、47Lに対する印加電圧(視認駆動量)(ボルト)
pn:視認対象物OB1を、明瞭に視認できる際のパルス数(パルス)
pf:視認対象物OB2を、明瞭に視認できる際のパルス数(パルス)
px:現状のパルス数に、新しくカウントしたパルス数が加えられ、あるいは減じられた右側のパルス数(パルス)
(第27の実施形態)
上述した視力矯正装置が、視認対象物までの距離を測定する距離測定手段(例えば、測距センサ、光電センサなど)を備え、この距離測定手段により測定された距離に応じて、焦点距離を変更する視力矯正装置であってもよい。第27の実施形態は、複レンズ式の視力矯正装置、単レンズ式の視力矯正装置(可変焦点レンズのみを用いた視力矯正装置)のいずれにも適用される。
なお、第27の実施形態では、使用者の左右の視力に合わせて、電極47R、左側の電極47Lに対し、個別に印加電圧を印加する。なお、使用者の視力、システム構成等により、電極47R、左側の電極47Lに対し、同じ印加電圧を印加することもある。以下では、図17、図5を参照して、複レンズ式の視力矯正装置について、説明する。
第1の距離にある視認対象物OB1を明瞭に視認できる際の、右側の電極47Rに対する印加電圧をVRn、右側の電極47Lに対する印加電圧をVLn、第2の距離にある視認対象物OB2を明瞭に視認できる際の、右側の電極47Rに対する印加電圧をVRf、右側の電極47Lに対する印加電圧をVLfとする。
距離測定手段95により測定された距離が第1の距離を含む所定の範囲A内にある場合には、レンズ駆動回路43Rが、印加電圧VRnを可変焦点レンズ27Rに印加し、レンズ駆動回路43Lが、印加電圧VLnを可変焦点レンズ27Lに印加する。また、測定された距離が第2の距離を含む所定の範囲B内にある場合には、レンズ駆動回路43Rが、印加電圧VRfを可変焦点レンズ27Rに印加し、レンズ駆動回路43Lが、印加電圧VLfを可変焦点レンズ27Lに印加する。
(その他の実施形態)
上述した視力矯正装置では、レンズ駆動回路43が、右側の可変焦点レンズ27Rを駆動するレンズ駆動回路43Rと、左側の可変焦点レンズ27Lを駆動するレンズ駆動回路43Lとを備え、レンズ駆動回路43Rと電極47R、レンズ駆動回路43Lと電極47Lが個別に接続されるようにして、電極47R、47Lに、個別に異なる印加電圧あるいは同じ印加電圧を印加できるようにした(図5参照)。これに代わり、図18に示すように、レンズ駆動回路43から共通の印加電圧が、電極47R、47Lに印加されるようにしてもよい。この構成は、上述した、全ての実施形態に適応可能である。
本願発明の視力矯正装置は、液晶式の視力矯正装置に限定されない。例えば、第1の実施形態乃至第27の実施形態で説明した液晶式の可変焦点レンズの代わりに、レンズホルダー(容器)内に所定の可撓膜を隔てて、導電性液体と、絶縁性流体とを封入し、導電性液体に印加電圧を印加させて、界面を変化させ、焦点距離を変更する可変焦点レンズ(特表2007−519969:コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌウィ)、電子ウェッティング現象の原理を利用した可変焦点レンズ(フランス:バリオプティック社)を用いてもよい。
また、第1の実施形態乃至第27の実施形態で説明した液晶式の可変焦点レンズの代わりに、透明な液体を出し入れしてレンズの焦点を可変させる液体式の可変焦点レンズ(例えば、特許第5255152)を用いてもよい。
また、上述した例は、モータにより可動するピストンで可変焦点レンズに充填された透明液体を出し入れするようにしたが、ポンプにより、可変焦点レンズに充填された透明液体を出し入れするようにしてもよい。なお、上述した液体式の可変焦点レンズにおいて、固体レンズと、可変焦点レンズの位置関係が入れ替わっていてもよい。
また、可変焦点レンズが柔軟な透明部材で構成されており、この透明部材(レンズ)に外力を加え、レンズ厚を変化させて焦点距離を変化させる視力矯正装置(あるいは電子眼鏡、可変焦点眼鏡)であってもよい。
また、固体レンズを備えた眼鏡、あるいは固体レンズに、直接、可変焦点レンズを着脱するようにしてもよい。また、可変焦点レンズを備えた眼鏡、あるいは可変焦点レンズに、直接、固体レンズを着脱するようにしてもよい。
また、1つの眼鏡フレームに、固体レンズ、可変焦点レンズの両方が保持されてもよい。この場合、光学系が第1の光学系であってもよく、第2の光学系であってもよい(第2のレンズ保持構成、第4のレンズ保持構成)。なお、固体レンズ、可変焦点レンズは、眼鏡フレームから、個別に着脱ができるようにしてもよい。
また、第1の実施形態乃至第3の実施形態、第7の実施形態乃至第9の実施形態における仮枠の眼鏡は、検査用固体レンズのみを備えた、一般的な仮枠の眼鏡を用いてもよい。検査用固体レンズは、仮枠の眼鏡の眼鏡フレームに、交換自在に保持される。これにより、検査用固体レンズの度数が決定されると、これに対応する、固体レンズ、可変焦点レンズからなる光学系の度数が決定される。そして、可変焦点レンズの度数(焦点距離)は一定であるので、可変焦点レンズの度数(焦点距離)から固体レンズの度数(焦点距離)を決定することができる。
また、第1の実施形態、第2の実施形態では、第2の眼鏡の眼鏡フレームに操作盤が設けられたが、第1の眼鏡の眼鏡フレームに操作盤が設けられてもよい。この場合、第2の眼鏡の眼鏡フレームに設けられた可変焦点レンズの電極に連なる接続部と、第1の眼鏡の眼鏡フレームに設けられた操作盤に設けられた接続部もしくは操作盤に連なる接続部とを設け、両接続部を接続するとよい。両接続部は、例えば、コネクタ、プローブ(接触子)などで接続し、ワンタッチで着脱できることが望ましい。
また、所定の屈折率を得るために、固体レンズにフレネルレンズを用い、フレネルレンズの形状を変えてもよいし、固体レンズに屈折率分布レンズを用い、使用者が視認対象物を明瞭に視認できるように、レンズ内部に屈折率をつけてもよい。なお、固体レンズが素材から最終完成品として製品化されるまでの加工工程には、成型、切削、研磨、コーティングなど、種々の工程があり、必要な工程が選択される。
また、可変焦点レンズの度数、焦点距離を変更する手動操作部を設け、使用者が手動操作部を操作することにより、可変焦点レンズの度数、焦点距離を変更するようにしてもよい。この場合、可変焦点レンズの度数、焦点距離を自動制御する自動制御部、所定の操作によって可変焦点レンズの度数、焦点距離を制御する半自動制御部は、有ってもよく、無くてもよい。
また、各実施形態で説明した電極は、液晶パネルに設けられる電極のように、マトリクス状に形成されてもよい。この場合、電極が交差する部分毎に、印加電圧を制御することにより、度数、焦点距離を変更する。
なお、本願発明は、上記実施例のみに限定されるものではなく、請求項の範囲に記載された技術的思想の中で、自由に変形が可能である。
(補足説明1)
このレンズ構成では、一例として、可変焦点レンズ27の両レンズ面が、平行かつ平面状に加工される。上述した可変焦点レンズ27は、電極47に所定の印加電圧が印加される状態において、可変焦点レンズ27に入射される光線を屈折させることなく通過させる、あるいは実質的に屈折させることなく通過させることができるように、液晶分子の楕円長軸が配向される。なお、可変焦点レンズ27は、電極47に所定の印加電圧が印加される状態において、可変焦点レンズに入射される光線を屈折させることなく通過させる可変焦点レンズ、あるいは実質的に屈折させることなく通過させることができる可変焦点レンズであれば、上述した構成に限定されるものではない。例えば、両レンズ面、あるいは両レンズ面のどちらか一方のレンズ面が曲面であってもよい。因みに、可変焦点レンズ27に入射される光線がごく僅かに屈折する場合でも、使用者の眼自体にピント調整能力によっては、視認対象物を明瞭に視認することができる。
(補足説明2)
このレンズ構成では、一例として、可変焦点レンズ27の両レンズ面が、平行かつ平面状に加工される。上述した可変焦点レンズ27は、電極47に所定の印加電圧が印加されない状態において、可変焦点レンズ27に入射される光線を屈折させることなく通過させる、あるいは実質的に屈折させることなく通過させることができるように、液晶分子の楕円長軸が配向される。なお、可変焦点レンズ27は、電極47に所定の印加電圧が印加されない状態において、可変焦点レンズに入射される光線を屈折させることなく通過させる可変焦点レンズ、あるいは実質的に屈折させることなく通過させることができる可変焦点レンズであれば、上述した構成に限定されるものではない。例えば、両レンズ面、あるいは両レンズ面のどちらか一方のレンズ面が曲面であってもよい。因みに、可変焦点レンズ27に入射される光線がごく僅かに屈折する場合でも、使用者の眼自体にピント調整能力によっては、視認対象物を明瞭に視認することができる。
11…視力矯正装置
13…第1の眼鏡
15…第2の眼鏡
17…固体レンズ
19…眼鏡フレーム(第1の眼鏡フレーム)
25…磁石
27…可変焦点レンズ
29…眼鏡フレーム(第2の眼鏡フレーム)
35…操作盤
37…磁石
39…制御ブロック
41…電力供給部(電源)
43…レンズ駆動回路
45…制御部
47…電極
49…液晶

Claims (13)

  1. 眼に屈折異常がある使用者の視力を矯正する視力矯正装置において;
    前記視力矯正装置のレンズ構成が、
    (1)左右一対の固体レンズ、前記固体レンズと別体に設けられる左右一対の可変焦点レンズの両レンズを備えており、前記可変焦点レンズが、前記固体レンズの前方側および後方側のうち、前方側に設けられており、前記可変焦点レンズを駆動する駆動体に所定の駆動量が印加される状態において、前記使用者が前記固体レンズ、前記可変焦点レンズを介して所定の視認対象物を視認した際に、前記使用者が所定の視認対象物を明瞭に視認できるように、前記固体レンズ、前記可変焦点レンズが構成される第1のレンズ構成;
    (2)左右一対の固体レンズ、前記固体レンズと別体に設けられる左右一対の可変焦点レンズの両レンズを備えており、前記可変焦点レンズが、前記固体レンズの前方側および後方側のうち、前方側に設けられており、前記可変焦点レンズを駆動する駆動体に駆動量が印加されない状態において、前記使用者が前記固体レンズ、前記可変焦点レンズを介して所定の視認対象物を視認した際に、前記使用者が所定の視認対象物を明瞭に視認できるように、前記固体レンズ、前記可変焦点レンズが構成される第2のレンズ構成;
    (3)左右一対の固体レンズ、前記固体レンズと別体に設けられる左右一対の可変焦点レンズの両レンズを備えており、前記固体レンズが、前記可変焦点レンズの前方側および後方側のうち、前方側に設けられており、前記可変焦点レンズを駆動する駆動体に所定の駆動量が印加される状態において、前記使用者が前記固体レンズ、前記可変焦点レンズを介して所定の視認対象物を視認した際に、前記使用者が所定の視認対象物を明瞭に視認できるように、前記固体レンズ、前記可変焦点レンズが構成される第3のレンズ構成;
    (4)左右一対の固体レンズ、前記固体レンズと別体に設けられる左右一対の可変焦点レンズの両レンズを備えており、前記固体レンズが、前記可変焦点レンズの前方側および後方側のうち、前方側に設けられており、前記可変焦点レンズを駆動する駆動体に駆動量が印加されない状態において、前記使用者が前記固体レンズ、前記可変焦点レンズを介して所定の視認対象物を視認した際に、前記使用者が所定の視認対象物を明瞭に視認できるように、前記固体レンズ、前記可変焦点レンズが構成される第4のレンズ構成;
    (5)左右一対の固体レンズ、左右一対の可変焦点レンズのうち、前記可変焦点レンズのみを備えており、前記可変焦点レンズを駆動する駆動体に駆動量が印加されない状態において、前記使用者が前記可変焦点レンズを介して所定の視認対象物を視認した際に、前記使用者が所定の視認対象物を明瞭に視認できるように、前記使用者の視力に応じて、前記可変焦点レンズが構成される第5のレンズ構成;
    の5つのレンズ構成のうち、いずれか1つのレンズ構成であることを特長とする視力矯正装置。
  2. 前記各レンズ構成において記載した所定の視認対象物が、所定の距離にある視認対象物、遠方にある視認対象物、近方にある視認対象物のうち、いずれか1つの視認対象物であることを特長とする請求項1に記載の視力矯正装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載された前記5つのレンズ構成のうち、レンズ構成が、前記第1のレンズ構成、前記第2のレンズ構成、前記第3のレンズ構成、前記第4のレンズ構成のいずれか1つのレンズ構成である視力矯正装置において;
    前記使用者が所定の視認対象物を明瞭に視認できるように、前記使用者の視力および前記可変焦点レンズの度数に応じて、前記固体レンズの度数が構成されることを特長とする視力矯正装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載された前記5つのレンズ構成のうち、レンズ構成が、前記第5のレンズ構成である視力矯正装置において;
    前記可変焦点レンズを駆動する駆動体に駆動量が印加されない状態において、前記使用者が前記可変焦点レンズを介して所定の視認対象物を視認した際に、前記使用者が所定の視認対象物を明瞭に視認できるように、前記使用者の視力に応じて、前記可変焦点レンズのレンズ面が加工されることを特長とする視力矯正装置。
  5. 前記左右の可変焦点レンズのうち、右側の可変焦点レンズを駆動する第1の駆動体と、
    前記左右の可変焦点レンズのうち、左側の可変焦点レンズを駆動する第2の駆動体と、
    前記第1の駆動体および前記第2の駆動体を制御する制御部と、
    を備えており、
    前記制御部が、前記第1の駆動体、前記第2の駆動体に対し、個別に駆動量を印加する機能を有しており、
    前記使用者が、右眼毎、左眼毎に、所定の視認対象物を明瞭に視認できるように、前記制御部が、前記第1の駆動体、前記第2の駆動体に対し、個別に駆動量を印加することを特長とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の視力矯正装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載された視力矯正装置のうち、レンズ構成が、
    (6)前記第1のレンズ構成、前記第2のレンズ構成の両レンズ構成のうち、いずれか1つのレンズ構成において、所定の視認対象物が所定の距離にある視認対象物である場合のレンズ構成であり、
    さらに、前記固体レンズのみを介して、前記使用者が前記所定の距離にある視認対象物を視認した場合に、前記所定の距離にある視認対象物を明瞭に視認できるように、前記固体レンズが構成される第6のレンズ構成;
    (7)前記第1のレンズ構成、前記第2のレンズ構成の両レンズ構成のうち、いずれか1つのレンズ構成において、所定の視認対象物が遠方にある視認対象物である場合のレンズ構成であり、
    さらに、前記固体レンズのみを介して、前記使用者が前記遠方にある視認対象物を視認した場合に、前記遠方にある視認対象物を明瞭に視認できるように、前記固体レンズが構成される第7のレンズ構成;
    (8)前記第1のレンズ構成、前記第2のレンズ構成の両レンズ構成のうち、いずれか1つのレンズ構成において、所定の視認対象物が近方にある視認対象物である場合のレンズ構成であり、
    さらに、前記固体レンズのみを介して、前記使用者が前記近方にある視認対象物を視認した場合に、前記近方にある視認対象物を明瞭に視認できるように、前記固体レンズが構成される第8のレンズ構成;
    (9)前記第1のレンズ構成、前記第2のレンズ構成の両レンズ構成のうち、いずれか1つのレンズ構成において、所定の視認対象物が遠方にある視認対象物である場合のレンズ構成であり、
    さらに、前記固体レンズのみを介して、前記使用者が近方にある視認対象物を視認した場合に、前記近方にある視認対象物を明瞭に視認できるように、前記固体レンズが構成される第9のレンズ構成;
    (10)前記第1のレンズ構成、前記第2のレンズ構成の両レンズ構成のうち、いずれか1つのレンズ構成において、所定の視認対象物が近方にある視認対象物である場合のレンズ構成であり、
    さらに、前記固体レンズのみを介して、前記使用者が遠方にある視認対象物を視認した場合に、前記遠方にある視認対象物を明瞭に視認できるように、前記固体レンズが構成される第10のレンズ構成;
    (11)前記第3のレンズ構成、前記第4のレンズ構成の両レンズ構成のうち、いずれか1つのレンズ構成において、所定の視認対象物が遠方にある視認対象物である場合のレンズ構成であり、
    さらに、前記可変焦点レンズのみを介して、前記使用者が近方にある視認対象物を視認した場合に、前記近方にある視認対象物を明瞭に視認できるように、前記可変焦点レンズが構成される第11のレンズ構成;
    (12)前記第3のレンズ構成、前記第4のレンズ構成の両レンズ構成のうち、いずれか1つのレンズ構成において、所定の視認対象物が近方にある視認対象物である場合のレンズ構成であり、
    さらに、前記可変焦点レンズのみを介して、前記使用者が遠方にある視認対象物を視認した場合に、前記遠方にある視認対象物を明瞭に視認できるように、前記可変焦点レンズが構成される第12のレンズ構成;
    の各レンズ構成のうち、いずれか1つのレンズ構成であることを特長とする視力矯正装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の視力矯正装置のうち、レンズ構成が前記第1のレンズ構成または前記第2のレンズ構成である視力矯正装置において;
    前記固体レンズが、前記使用者の眼に装着するコンタクトレンズであることを特長とする視力矯正装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載されたレンズ構成のうち、所定の視認対象物が遠方にある視認対象物である場合のレンズ構成であり、
    さらに、近方にある視認対象物を明瞭に視認する所定の操作を行う操作部を備えており、
    前記使用者が近方にある視認対象物を明瞭に視認できる際に、前記駆動体に印加される駆動量を記憶する機能を有しており、
    前記使用者が、前記操作部に対して、近方にある視認対象物を明瞭に視認する所定の操作をした場合に、記憶された前記駆動量が前記駆動体に印加されることを特長とする視力矯正システム。
  9. 請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載されたレンズ構成のうち、所定の視認対象物が近方にある視認対象物である場合のレンズ構成であり、
    さらに、遠方にある視認対象物を明瞭に視認する所定の操作を行う操作部を備えており、
    前記使用者が遠方にある視認対象物を明瞭に視認できる際に、前記駆動体に印加される駆動量を記憶する機能を有しており、
    前記使用者が、前記操作部に対して、遠方にある視認対象物を明瞭に視認する所定の操作をした場合に、記憶された前記駆動量が前記駆動体に印加されることを特長とする視力矯正システム。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1つの視力矯正装置が、所定の視認対象物までの距離を測定する距離測定手段を備えており、
    前記距離測定手段が、所定の視認対象物までの距離を測定し、
    測定された距離が前記第1の距離を含む第1の範囲内にある場合には、事前に記憶された、第1の距離にある視認対象物を明瞭に視認できる駆動量が前記駆動体に印加され、
    測定された距離が前記第2の距離を含む第2の範囲内にある場合には、事前に記憶された、第2の距離にある視認対象物を明瞭に視認できる駆動量が前記駆動体に印加されることを特長とする視力矯正装置。
  11. 前記可変焦点レンズの焦点距離を連続的に変化させる所定の操作を行うスイッチを備えており、
    前記スイッチの押圧時間、前記押圧時間に相関する一定の変化量のうち、いずれかの変化量に応じて変化する、個々の使用者が前記視認対象物を明瞭に視認できる視認駆動量を決定する機能を有しており、
    前記使用者が、前記スイッチに対し、前記所定の操作をした場合には、前記視認駆動量が前記第1の駆動体および前記第2の駆動体に、同時に印加されることを特長とする請求項5に記載の視力矯正装置。
  12. 請求項1乃至請求項6および請求項8乃至請求項11に記載の視力矯正装置のうち、
    (a)レンズ構成が前記第1のレンズ構成または前記第2のレンズ構成である視力矯正装置において;
    前記固体レンズが第1の眼鏡に保持されており、
    前記可変焦点レンズが第2の眼鏡に保持されており、
    前記第2の眼鏡が、前記第1の眼鏡に着脱自在、回動自在、後付け可能のいずれかに設けられる第1のレンズ保持構成;
    (b)レンズ構成が前記第1のレンズ構成または前記第2のレンズ構成である視力矯正装置において;
    前記固体レンズ、前記可変焦点レンズが1つの眼鏡フレームに保持される第2のレンズ保持構成;
    (c)レンズ構成が前記第3のレンズ構成または前記第4のレンズ構成である視力矯正装置において;
    前記可変焦点レンズが第1の眼鏡に保持されており、
    前記固体レンズが第2の眼鏡に保持されており、
    前記第2の眼鏡が、前記第1の眼鏡に着脱自在、回動自在、後付け可能のいずれかに設けられる第3のレンズ保持構成;
    (d)レンズ構成が前記第3のレンズ構成または前記第4のレンズ構成である視力矯正装置において;
    前記固体レンズ、前記可変焦点レンズが1つの眼鏡フレームに保持される第4のレンズ保持構成;
    の4つのレンズ保持構成のうち、いずれか1つのレンズ保持構成であることを特長とする視力矯正装置。
  13. 前記可変焦点レンズが、
    内部に封入された液晶分子の配向が変更されることにより、焦点距離が変更される液晶式可変焦点レンズ;
    内部に充填された液体の充填量が変更されることにより、焦点距離が変更される液体式可変焦点レンズ;
    レンズとして機能する柔軟な透明部材を備え、前記透明部材に外力が与えられることにより、前記透明部材が変形されて、焦点距離が変更される外力式可変焦点レンズ;
    の3つの可変焦点レンズのうち、いずれか1つの可変焦点レンズであることを特長とする請求項1乃至請求項12のいずれか1つに記載の視力矯正装置。
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