JP2000249902A - 自動焦点調節眼鏡 - Google Patents
自動焦点調節眼鏡Info
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Abstract
調節眼鏡の提供 【解決手段】自動焦点調節眼鏡200は、左眼および右
眼の視線方向検出器222および224と、焦点距離を
変化できる可変焦点レンズ242および244とから構
成されている。レンズ232および234は、それぞれ
眼鏡の主レンズで、必要があれば、可変焦点レンズ24
2および244と組み合わされてレンズ系を構成してい
る。この構成により、視線方向検出器222および22
4からの視線方向信号により、可変焦点レンズ242お
よび244の焦点を調節する。
Description
距離に応じて変化させることができる自動焦点調節眼鏡
に関する。
じて水晶体の厚さが変化して網膜上に鮮明な像が投影さ
れるようになっている(図1(a)I)。しかし、遠視
(図1(a)II)や近視(図1(a)III)の場合
には、網膜上に像が投影できない。
したがってその調節可能範囲が狭くなる。そのため、日
常の生活においても見ようとする対象物の距離が、焦点
調節可能な範囲を超えてしまう場合がしばしば生じ、種
々の作業が困難となる。眼球における焦点調節能力を補
うためには眼鏡が用いられている(図1(b)参照)。
まってきた場合には、近見用と遠見用の2種類の眼鏡を
選択使用する方法が使用されている。また、眼鏡レンズ
の上側の領域を遠見用に下側の領域を近見用にとレンズ
焦点距離を1つのレンズの中で異ならせたものを介在さ
せ、必要に応じて眼鏡に対する視線方向を意図的に変化
させて遠見用、近見用を使い分ける法が用いられてい
る。
るとき、その絶対距離と焦点調節には一対一の関係が存
在する。眼が物体を見るときの角度である輻輳角は、物
体までの絶対距離と比例しているので、輻輳角と焦点調
節もまた一対一の関係にある。したがって、輻輳角は距
離感覚、もしくは焦点調整の手がかりの一つとされてい
る。そのため、輻輳角と焦点距離の不一致は視覚への負
担や疲労を引き起こすと考えられている。しかし、立体
視の場合には、立体的に見ている物体から得られる距離
感覚と、輻輳角との整合性が得られない。これを図2で
説明する。図2において、左眼用の画像132および右
眼用の画像134をそれぞれ左眼110および右眼12
0で見て、その画像の立体像130を見ていることを表
している。右眼120および左眼110は、画像132
および134に焦点を合わせているが、立体像130は
その手前に見えることになり、距離感が、眼が実際に合
わせている輻輳角や焦点距離と合わない。このように整
合性がとれないことにより、「立体視酔い」や「VR酔
い」などを生じる原因となっている。
用する方法では、作業のため両手を使用しするような場
合には作業の続行が困難となる。また、近見用と遠見用
のレンズを1つのレンズの中に組み込んだものでは、眼
鏡レンズに対する視線の移動と視線が注視点に合致させ
るように補正するための頭部運動が必要となるため、意
識を連続的に集中して行う作業等の場合には、しばしば
作業に支障が生ずるなどの困難を伴う。さらに、両眼立
体視により3次元対象物を表示する場合などに生ずる両
眼の輻輳と焦点調節との間での矛盾を解消して立体視酔
いを低減させるなどの目的には適用できない。
作業等におけるこのような困難を軽減するために両眼で
の注視点までの距離を検知し、それに応じてレンズ焦点
距離を自動的に調整して眼鏡の交換や意図的な視線移動
および頭部運動等を行わなくとも遠見、近見の両範囲に
わたり鮮明な像が観察できるように焦点調節機能を補助
できる眼鏡を実現することである。さらに両眼立体視に
より3次元対象物を表示する場合などに、両眼の輻輳と
焦点調節との間での矛盾を緩和し、従来のステレオ視シ
ステムに比べてより自然な形態観察でき、「立体視酔
い」や「VR酔い」などを著しく軽減できるステレオ視
システムを実現することも本発明の目的である。
め、本発明においては両眼がそれぞれどの方向を向いて
いるかを検出して両眼が注視している位置までの距離の
情報を推定する手段と焦点距離を調節できるレンズ系と
を備え、前記検知された注視点までの距離情報に応じて
前記レンズ系の焦点距離を自動的に調節するように構成
する。
視線の方向が検出されれば両眼の視線が交差する点とし
て注視する位置までの距離を推定することができる。両
眼が注視する位置までの距離が分かればそれに応じて可
変焦点距離レンズの焦点距離を注視点位置にある対象物
が鮮明に見えるような状態に調節することができる。し
たがって、両眼が注視している位置にある対象物の像が
常に鮮明に観察できるようにすることができる。
では注視点すなわち両眼視線が交差する位置に焦点を合
わせるのが自然である。したがって、画像が表示されて
いる位置が自然に焦点合わせして、観察できる位置から
ずれている分だけ補正するように可変焦点距離レンズを
調節し、視覚としては自然な状態で鮮明な画像として観
察できる。
応じて、遠見用の眼鏡が必要な距離から近見用の眼鏡が
必要となる範囲にわたって、眼鏡を遠見用から近見用へ
と交換すること無く、また、両眼の視線方向と頭部の姿
勢とを意識的に変化することなく、注視点位置にある対
象物の像を鮮明に観察できる。したがって、遠見用眼鏡
および近見用眼鏡の両方が必要とされるような作業に際
して、自然で効率の良い作業を行えるようになる。
て説明する。図3および図4は、本発明に基づいて実現
される自動焦点調節眼鏡の構成の概念図である。図3に
示すように、本発明の自動焦点調節眼鏡200は、左眼
および右眼の視線方向検出器222および224と、焦
点距離を変化できる可変焦点レンズ242および244
とから構成されている。レンズ232および234は、
それぞれ眼鏡の主レンズで、必要があれば、可変焦点レ
ンズ242および244と組み合わされてレンズ系を構
成している。図4は、本発明の自動焦点調節眼鏡200
の制御系を示している。図4において、左眼および右眼
の視線方向検出器222および224から得られた左眼
および右眼の視線方向信号は、それぞれ注視点距離の算
出部520へ出力する。注視点距離算出部520は、入
力された視線方向信号により両眼が見ている注視点(図
3の250)を算出して、眼鏡のレンズ系の焦点距離を
計算する。そして、これに基づき、レンズ系の焦点距離
制御部530において、可変焦点レンズ242および2
44への制御信号を生成する。焦点距離制御部530で
生成された制御信号により、可変焦点レンズ242およ
び244を制御し、注視点までの距離を眼鏡を構成する
レンズ系の焦点距離とする。
の実現法は種々ある。したがって、本発明の実施形態
は、これらの組み合わせとして実現できるのでその種類
は極めて多種となる。以下ではまず、これらの構成要素
ごとの実現法について述べ、それらの組み合わせとして
構成される一つの実施形態について詳述することにす
る。
距離の算出を説明する図である。図5に示すように、注
視点は、両眼眼球の向いている方向、すなわち視線方向
を検知できれば、両眼の視線が交差する位置を算出して
推定できる。すなわち、左眼110と右眼120と間隔
をdとして、視線方向を示すそれぞれの角度をθLおよ
びθRとすると、眼から注目点250との距離Lは、
々の眼球運動計測法が開発されており、それらが用いて
いるものと同様の原理に基づて実現できる。しかし、本
発明による自動焦点調節型眼鏡を実現するための視線方
向の検知装置にはより簡便で小型軽量であることが望ま
しい。また、本発明による自動焦点調節型眼鏡は装着が
簡便でしかも人間の動作を制限しないものであることが
望ましい。したがって、本発明において採用する両眼視
線検出法も非接触で小型軽量であることが望ましく、そ
れを実現できる代表的な方法としては、まず第一に、光
学的方法がある。
出する方法としては、瞳孔の位置を検出して視線方向を
検知する方法がある。この方法によって視線方向を検出
する装置も製品化されている。図6はこの方法を説明す
る図である。図6(a)において、CCDカメラ等の撮
像器622および624を用いて眼球部分(黒目)を画
像として取り込む(図6(b)参照)。取り込んだ画像
を、図6(c)に示すような画像の明暗を利用した画像
処理技術を用いて、暗い部分である瞳孔部分を抽出し
て、その位置を検出するものである。この方法は、撮像
手段が大きくなること、および撮像時間、画像処理時間
などのため眼球の高速な運動を検知できないなどの改良
すべき課題が残されている。
を高速に検知できる検出素子として半導体像位置検出素
子(PSD)がある(例えば、特開平6−104861
号公報参照)。この検出素子においては、輝点像が投射
された位置において生成された光電流を分割抵抗に流入
させ、その両端に設けられた電極からの出力信号を演算
することによって輝点像の重心的位置を高速に得ること
ができる。従って、眼球の像から半導体像位置検出素子
(PSD)を用いて、瞳孔部分の位置を検出することが
できる。
式半導体像位置検出素子(Direction Sensitive Devic
e:DSD)を用いた方法がある。DSDは、マイクロレ
ンズと微少PSDとを組み合わせたものを多数配列し、
微少PSDの出力が加算されて出力されるように構成さ
れている(例えば、特開昭7−286813号公報参
照)。これにより、光学系を小さくしても、等価的にレ
ンズの開口がマイクロレンズの開口部の合計となるよう
にして、レンズ系を小さくすることによるS/N比の低
下を回避している。瞳孔の位置検出は、前述のPSDと
同様に行うことができる。
中にある暗点像を高速に検出できる素子が、本発明の発
明者により考案されている(特願平10−330362
号出願参照)。このこの素子を用いることにより、瞳孔
の暗い部分の重心的な位置を高速に検出できる。この半
導体暗点像検出素子を図7(a)を用いて説明する。図
7(a)において、半導体暗点像検出素子900は、入
射光に応じた光電流を生成する光電素子920、光電素
子で生成された光電流が光投射位置に対応して流入する
負荷抵抗910、負荷抵抗に流入する電流分布がほぼ一
様になるように、光電流の不足分を補充するために分割
抵抗940とダイオード930から構成されている。実
際の構造では、光電素子920、負荷抵抗910、ダイ
オード930、および分割抵抗940はそれぞれ層構造
を有し、全体として多層構造となっている。光電流の不
足分を補充するための手段が分割抵抗940の光電素子
の位置に対応した部分から供給され(図7(b)参
照)、その光電流の不足分を補充する電流が分割抵抗9
40上の光電素子920の位置に対応した部分と両端の
信号電極間の抵抗値に応じて分配される。それが補充電
流供給区間全域にわたり加え合わされた電流として、分
割抵抗940の両端より信号電流として出力(供給)さ
れるように構成される。検出された信号電流を従来のP
SDにおけると同じように演算処理することによって、
明るい背景中の暗い像の位置を検出できる。すなわち、
補充電流を供給する分割抵抗の抵抗率が一様であるとす
ると、抵抗値は端子との間の距離に比例するので光の入
射位置xの情報(中心位置からのずれ率に相当)は次式
で求められる。
分(瞳孔部分)が検出できる。
したプルキンエ像を用いた方法がある。眼球は白目(強
膜)と黒目(角膜)の部分に分かれている。角膜部分
は、ガラス面と同様で透明体であり、光に対しては鏡面
としての作用する。プルキンエ像とは、眼の外部にある
光源(例えば、図8に示したLED820)が角膜を鏡
として映されて眼球内にあるように見える輝点像のこと
である。図8に示されているように、眼球においては、
眼球の回転中心に対して角膜表面の中心が偏心してい
る。このため、眼球の向きが変化すると鏡に相当する面
が回転し、プルキンエ像の位置が眼球の向きに対応して
移動する。この移動を像位置検出器830により検出す
ることにより、眼球の向きすなわち視線方向を検出する
ことができる。この像位置検出器には、上述で説明した
検出器(例えばPSD等)を用いることができる。
行うためには、瞳孔位置およびプルキンエンエ像の位置
を検出して行うことができる。その他にも、白目と瞳孔
境界位置や、コンタクトをはめ、それに付されたマーク
位置を検知することによっても、視線方向を検出するこ
とができる。
りにある筋肉を用いて動いている。図9(a)はこの眼
球の周りの筋肉について示している。この眼球運動を生
成する筋肉の動きは、動くと発生する皮膚電位を検出す
ることにより検出できるので、この皮膚電位を検出する
ことにより眼球の動きを推定することができる。図9
(b)は、この皮膚電位の検出を示している。図9
(b)において、眼鏡の内側に複数の電極812,81
4,816,817を取り付け、この電極により、その
部分の皮膚電位を検出する。通常は、眼球の左右に取り
付けた電極からの信号の差が、眼球の動きの向きに応じ
て変化する。このため、予め既知の位置を凝視して、こ
の位置との相対的な位置を筋肉の動きを検出することで
眼球の向きを推定する。
変焦点型レンズについてもいろいろな方法がある。周知
である方法としては、光学レンズの位置を変化させる方
法である。本発明の自動焦点調節型眼鏡の実現には小型
軽量で応答速度が速いことが望まれ、それらの点でこの
方法はそれほど好ましいものではないが、この方法によ
って、眼鏡を構成するレンズの焦点距離変えることによ
り、本発明を実現できる。
間の眼球においては水晶体の厚さを変化させることによ
って焦点調節が行なわれている。以下においては眼球の
水晶体におけると同様あるいはそれに類するような原
理、すなわち、レンズ形状を変化させる型の方法による
可変焦点レンズの実現法を、図10に示すことにする。
302の間に、外部環境媒体(すなわち空気)の屈折率
と異なる屈折率を有する変形可能な透明体304を充満
するように介在させ、2つの板状対象物302の表面形
状及び変形可能な透明体304の形状をアクチュエータ
306により変化させて、2つの板状対象物302を通
過する光の屈折状態を変化させる。
明体304を液体等の流動体で構成し、そのアクチュエ
ータ306により、流動体を密閉した板状対象物302
の間に送り込むことを行えばよい。
て、特にアクチュエータ306により板状対象物等を変
化させる他の方法等については、同日に出願した同じ発
明者による特許出願を参照されたい。焦点を変化させる
他の方法には、例えば、圧電体で構成した板状対象物を
変形させる、アクチュエータの厚みを変化させる等があ
る。
両眼立体視により3次元対象物を表示する場合などに、
立体が見える位置までの距離と画面までの距離が異なる
ため人間の目にとって焦点調節が不自然な状態、すなわ
ち両眼の輻輳と焦点調節との間でも矛盾が生じる。この
ため、長時間立体視を行うと所謂「立体視酔い」とか
「VR酔い」などと呼ばれる状態となりひどい場合には
頭痛や吐き気をもようすことがある。このような場合に
視線方向を検知し、それに応じて結果的に焦点が自然に
画面上に合うように調整することにすれば、従来の立体
視システムに比べてより自然な形態で、「立体視酔い」
を著しく軽減できるステレオ視システムが実現される。
これを図11を用いて説明する。
び右眼の視線方向検出器222および224と、焦点距
離を変化できる可変焦点レンズ242および244は、
本発明の自動焦点調節眼鏡を構成している。レンズ23
2および234は、それぞれ眼鏡の主レンズで、必要が
あれば、可変焦点レンズ242および244と組み合わ
されてレンズ系を構成している。
像をみて立体視を行い、130にその立体画像が見えて
いるとする。このような場合に、立体視画像130を見
ている視線方向を検知し、それに応じて結果的に焦点が
スクリーン140上に合うように調整する。このように
眼鏡の焦点距離を調節して、眼の焦点が立体視画像13
0に合わせられていても、実際に見る必要のあるスクリ
ーン140上に焦点を合わせることができる。これによ
り、両眼の輻輳と焦点調節との間の矛盾による「立体視
酔い」を著しく軽減できる。
は、人間が見ようとする距離にある対象物に容易に焦点
を合わせられる様に、焦点調節可能なレンズ系の焦点距
離を注視点距離に応じて変化させることができる。
作業や工業における組立作業等の様に、腕が届く程度の
範囲での作業において、近い対象物および離れた対象物
を明瞭に観察し判断して操作するような場合に、老眼の
人でも眼鏡を掛け替える必要がなく、作業効率を著しく
高めることができる。さらに、両眼立体視により3次元
対象物を表示する場合に、長時間立体視を行うと生じる
所謂「立体視酔い」とか「VR酔い」を防ぐためも使用
することができる。
る図である。
を説明する図である。
である。
ブロック図である。
る図である。
る。
明する図である。
である。
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 両眼で注視する位置までの距離を検知
する手段と、 焦点距離を調節できるレンズと、 前記検知された距離情報に基づいて、前記レンズ系の焦
点距離を調節する手段とを備えたことを特徴とする自動
焦点調節眼鏡。 - 【請求項2】 請求項1に記載された自動焦点調節眼
鏡において、両眼で注視する位置までの距離を検知する
手段が、両眼の視線方向を光学的に検出するものである
ことを特徴とする自動焦点調節眼鏡。 - 【請求項3】 請求項1に記載された自動焦点調節眼
鏡において、両眼の注視する位置までの距離を検知する
手段が眼球を動かす筋肉の筋電として検出される信号に
基づくものであることを特徴とする自動焦点調節眼鏡。 - 【請求項4】 請求項1〜3いずれかに記載された自
動焦点調節眼鏡において、前記焦点距離が調節できるレ
ンズは、焦点距離が固定されたレンズと焦点距離が調節
できるレンズの組み合わせとして構成されていることを
特徴とする自動焦点調節眼鏡。 - 【請求項5】 請求項1〜4いずれかに記載された自
動焦点調節眼鏡において、 前記焦点距離が調整できるレンズは、2つの透明な板状
対象物間に外部環境媒体の屈折率と異なる屈折率を有す
る変形可能な透明体を充満するように介在させ、2つの
板状対象物の表面形状及び変形可能な透明体形状を変化
させて、2つの板状対象物を通過する光の屈折状態を変
化させる可変焦点レンズであることを特徴とする自動焦
点調節型眼鏡。
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