JP2015052565A5 - - Google Patents

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放射線量測定装置
この発明は、放射線量測定装置に関し、特に例えば複数個の計測検体の放射量を鉛板等の遮蔽物で仕切ることなく正確に検出し測定する、放射線量測定装置に関する。
東日本大震災を契機として、食品や土壌,廃材(リサイクル物質を含む)等の計測検体(又は測定対象)にどの程度の量の放射性物質が含まれているか否かの検出・測定を求める要求が急速に高まっている。
特に、複数個の計測検体をまとめて検出し測定する場合は、1度にまとめて測定する計測検体の個数に対応してγ線検出器を設けて、複数個同時に計測するが、そのときに問題になるのがクロストークの問題である。ここで、クロストークとは、任意の計測検体の近くに存在する他の計測検体の放射線が、当該任意の計測検体に対応した検出器によって測定した計測検体の放射線量に影響を与える現象をいう。この問題は、隣接する計測検体を鉛板等の放射線を通さない遮蔽で仕切った上で計測すれば、解消できる筈であるが、多量の計測検体を短時間で検出し計測する場合には検出する度に鉛板等の遮蔽板を用いると非効率なため、現実的な方法ではない。
一方、放射線を含む多量の放射性物質を流れ作業で検出し測定する先行技術として、特許文献1が知られている。
特開平7−209493号
特許文献1は、放射線を含む多量の放射性物質を流れ作業で検出し測定することができるが、計測検体を複数個まとめて放射線量を検出し測定する用途には適用できない。
なぜならば、放射性物質を含む計測検体を複数個まとめて出荷用包装容器に入れた状態で放射線量を検出し測定する場合は、各計測検体の間で放射線のクロストークが生じるので、各計測検体を仕切るための鉛板等の遮蔽板又は遮蔽仕切りを用いなければクロストークによる検出誤差を防止できないためである。
ところが、各計測検体を仕切るための鉛板等の遮蔽板又は遮蔽仕切りを用いると、検査・測定作業の際に出荷用包装容器に遮蔽板を位置決めして入れるための人員が必要となり、作業が煩わしく、検査人員の増大を招き、検査コストが増大する問題点がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、複数の計測検体を出荷用包装容器に入れた状態で放射線量を計測する際に、鉛板等の遮蔽板又は遮蔽仕切りを用いることなく、個々の計測検体の放射線量を測定できる、放射線量測定装置を提供することである。
この発明の他の目的は、複数の計測検体を出荷用包装容器に入れた状態で放射線量を計測する際に、鉛板等の遮蔽板又は遮蔽仕切りを用いなくても、クロストークの問題を生じることなく、計測検体の放射線量の測定を効率よく行うことのできる、放射線量測定装置を提供することである。
(請求項1)
第1の発明の放射線量測定装置は、複数個の計測検体をセットにして包装容器に収納した状態で、計測位置において複数個の計測検体のそれぞれの放射線量を計測する放射線量検出装置であって、複数個のγ線検出器と、一時記憶手段と、登録データ(又は機器換算係数データ)記憶手段と、演算処理手段とを備える。
γ線検出器は、計測位置に配置され、かつ包装容器に収納された複数個の計測検体の配列位置に対応して複数個配設される。
一時記憶手段は、各γ線検出器によって計測された複数個の計測検体の配列位置別の放射線量を一時記憶する。
登録データ記憶手段は、放射線量が既知の複数個の標準物質を用いて、当該複数個の標準物質をセットにして包装容器に収納した状態で、各γ線検出器によって計測された複数個の標準物質の配列位置別の放射線量を機器換算係数(K)として予め計測しておき、複数個の標準物質の配列位置別の機器換算係数を機器換算係数テーブルとして登録している。
演算処理手段は、一時記憶手段に記憶されている複数個の計測検体の配列位置別の放射線量と、登録データ記憶手段に登録されている複数個の標準物質の配列位置別の機器換算係数に基づいて定量計算方法によるマトリクス演算処理を行う。そして、演算処理手段は、定量計算方法によるマトリクス演算処理を行うことによって、配列位置別の各計測検体の放射性物質濃度を算出することを特徴とする。
第1の発明によれば、複数の計測検体を出荷用包装容器に入れた状態で放射線量を計測する際に、鉛板等の遮蔽板又は遮蔽仕切りを用いることなく、個々の計測検体の放射線量を測定することができる。
第2の発明の放射線量測定装置は、第1の発明において、演算処理手段は、各γ線検出器の強度をI1,I,・・・Inのn個の成分からなる検出強度ベクトルを(→I)(但し、英文字の前の「→」の記号はベクトルを表し、英文字の上に付して表すことに代えて表記したものである。以下同じ。)とし、各γ線検出器の位置i(I−1〜n)に対応した計測検体の試料位置iの放射性物質の濃度Cを成分とするC,C,・・・Cnのn個の成分からなる放射性物質の濃度ベクトル(→C)(英文字の前の「→」の記号はベクトルを表し、英文字の上に付して表すことに代えて表記したものである。)の関係が計測検体の試料位置iに対するγ線検出器の位置jの機器換算係数Kjiの逆数1/Kjiを成分とするn行n列の行列(1/K)(ここで、「1/K」は1/Kjiを成分とする行列を表し、Kjiを成分とする行列の逆行列の意味ではない)の式(1)を用いて表し、各γ線検出器の強度ベクトル→Iを式(2)としたとき、
Figure 2015052565
(→I)=(1/K)×(→C) ・・・・ (2)
各γ線検出器の位置iに対応した放射性物質濃度Cは行列(1/K)の逆行列(1/K)−1を用いて、放射性物質濃度ベクトル→Cは、式(3)で表され、
(→C)=(1/K)−1×(→I) ・・・・ (3)
演算処理手段は、式(3)のi番目の成分として算出することにより、式(3)の連立方程式を解くためのマトリクス演算処理を行うことによって、配列位置別の各計測検体の放射性物質濃度Cを算出することを特徴とする。
第3の発明の放射線量測定装置は、第2の発明において、包装容器に収納される計測検体が2個であって、計測位置における第1の方向に配列して収納される。
γ線検出器は、計測位置における第1の方向に関連して2個配置される。
定量計算方法によるマトリクス演算処理のための式(3)は、下記のI,Iの連立方程式である式(4)で表される。
=C/K11+C/K21
=C/K12+C/K22 ・・・ (4)
演算処理手段は、式(4)のI,Iの連立方程式を解くためのマトリクス演算処理を行うことによって、配列位置別の2個の計測検体の放射性物質濃度C,Cを算出することを特徴とする。
第4の発明の放射線量測定装置は、第2の発明において、包装容器に収納される計測検体が4個であって、計測位置における第1の方向に2個と第1の方向に直交する第2の方向に2個の4個配列して収納される。γ線検出器は、第1の方向に2個と第1の方向に直交する第2の方向に2個の4個配置される。
定量計算方法によるマトリクス演算処理のための式(3)は、下記のI〜Iの連立方程式である式(5)で表される。
=C/K11+C/K21+C/K31+C/K41
=C/K12+C/K22+C/K32+C/K42
=C/K13+C/K23+C/K33+C/K43
=C/K14+C/K24+C/K34+C/K44
・・・・・ (5)
処理手段は、式(5)のI〜Iの連立方程式を解くためのマトリクス演算処理を行うことによって、配列位置別の4個の計測検体の放射性物質濃度C〜Cを算出することを特徴とする。
第5の発明の放射線量測定装置は、第2の発明において、包装容器に収納される計測検体が8個であって、第1の方向に4個と第1の方向に直交する第2の方向に2個の8個配列して収納される。γ線検出器は、第1の方向に4個と第1の方向に直交する第2の方向に2個の8個配置される。
定量計算方法によるマトリクス演算処理のための式(3)は、下記のI〜Iの連立方程式である式(6)で表される。
=C/K11+C/K21+C/K31+C/K41
+C/K51+C/K61+C/K71+C/K81
=C/K12+C/K22+C/K32+C/K42
+C/K52+C/K62+C/K72+C/K82
=C/K13+C/K23+C/K33+C/K43
+C/K53+C/K63+C/K73+C/K83
=C/K14+C/K24+C/K34+C/K44
+C/K54+C/K64+C/K74+C/K84
=C/K15+C/K25+C/K35+C/K45
+C/K55+C/K65+C/K75+C/K85
=C/K16+C/K26+C/K36+C/K46
+C/K56+C/K66+C/K76+C/K86
=C/K17+C/K27+C/K37+C/K47
+C/K57+C/K67+C/K77+C/K87
=C/K18+C/K28+C/K38+C/K48
+C/K58+C/K68+C/K78+C/K88
・・・・・ (6)
演算処理手段は、式(6)のI〜Iの連立方程式を解くためのマトリクス演算処理を行うことによって、配列位置別の8個の計測検体の放射性物質濃度C〜Cを算出することを特徴とする。
第6の発明によれば、配列位置別の8個の計測検体の放射性物質濃度を同時に計測でき、計測効率を高められる。
第6の発明の放射線量測定装置は、第1ないし第5のいずれかの発明において、登録データ記憶手段が計測検体の許容上限値(スクリーニングレベル)を記憶する許容上限値記憶領域をさらに含む。演算処理手段は、計測した配列位置別の各計測検体の放射性物質濃度が許容上限値記憶領域に記憶されている許容上限値以上であるとき、当該計測検体が放射能汚染している検体であることを判定する。
第6の発明によれば、放射能汚染の許容上限値以上の計測検体を検出できる。
第7の発明の放射線量測定装置は、第1ないし第5の何れかの発明において、演算処理手段は、計測した配列位置別の各計測検体の放射性物質濃度が許容上限値記憶領域に記憶されている許容上限値以下であるとき、当該計測検体が放射能汚染の許容範囲内の検体であることを判定することを特徴とする。
第7の発明によれば、放射能汚染の許容範囲内の計測検体を検出できる。
第8の発明の放射線量測定装置は、第1の発明ないし第7の発明において、γ線検出器は、所定の複数個がユニット化されて、計測位置における対向する上面と下面の両面に配置される。一時記憶手段には、平面配置位置の対応する上面と下面の2個のγ線検出器の検出出力を合成した値が平面配列位置に対応する領域に書き込まれる。
第8の発明によれば、計測時間を短縮でき、計測効率を一層高めることができる
第9の発明の放射線量測定装置は、第1の発明ないし第8の発明において、登録データ記憶手段は、複数個のγ線検出器の位置に複数個の計測検体が存在しない状態において、各γ線検出器によって計測された配列位置別の放射線量をバックグラウンドとして登録するバックグラウンドデータ登録領域を含む。
演算処理手段は、複数個の計測検体のそれぞれの放射線量を計測する動作に先立って、複数個の計測検体が存在しない状態において、各γ線検出器によって計測された配列位置別の放射線量をバックグラウンドデータ登録領域へ書込み処理するとともに、複数個の計測検体のそれぞれの放射線量を計測する際に、配列位置別の複数個の計測検体の放射性物質濃度から対応する位置のバックグラウンドデータを差し引くことによって、各計測検体の放射性物質濃度を算出することを特徴とする。
第9の発明によれば、放射線量測定装置を使用している周囲に存在する微量の放射線量の影響を軽減でき、高精度に放射線量を測定できる。
第10の発明の放射線量測定装置は、第1の発明ないし第9の発明において、放射線量測定装置が、複数個の計測検体をセットにして包装容器に収納した状態でコンベアによって移送する移送経路の途中の計測位置において、複数個の計測検体のそれぞれの放射線量を計測するものであって、γ線検出器がコンベアによる移送経路の途中の計測位置に配置されることを特徴とする。
第10の発明によれば、コンベアによる移送経路の途中で、放射線量を自動的に測定できる。
この発明によれば、複数の計測検体を出荷用包装容器に入れた状態で放射線量を計測する際に、鉛板等の遮蔽板又は遮蔽仕切りを用いることなく、個々の計測検体の放射線量を測定することのできる、放射線量測定装置が得られる。
またこの発明によれば、複数の計測検体を出荷用包装容器に入れた状態で放射線量を計測する際に、鉛板等の遮蔽板又は遮蔽仕切りを用いなくても、クロストークの問題を生じることなく、計測検体の放射線量を効率よく測定できるという、特有の効果が奏される。
この発明の一実施例の放射線量測定装置と隣接して設置されたコンベアの外観図である。 この発明の一実施例の放射線量測定装置における測定機構本体の内部構造の詳細を示す平面図であり、特に検出機構部の平面図である。 この発明の一実施例の放射線量測定装置における測定機構本体の内部構造の詳細を示す断面図であり、特に検出機構部と計測検体と包装容器との関係を示す断面図である。 この発明の一実施例の放射線量測定装置の電気系の構成を示すブロック図である。 鉛板による遮蔽板を用いることなく、8個の計測検体を包装容器に入れた状態で計測する場合のγ線検出器21a〜21h(25a〜25h)のそれぞれの位置と計測検体との関係を示す図である。 計測検体の平面配置位置(トレイ位置)と各γ線検出器との相互の関係によるクロストークの影響を解消するために、既知の標準物質を用いて実験的に求めた換算係数データの一例を示す図である。 この発明の一実施例の放射線量測定装置の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の一実施例の放射線量測定装置を用いた場合の効果を確認するための分析表の図である。 この発明の一実施例の放射線量測定装置を用いた場合の効果を確認するための50回繰り返して検証した結果を示す図である。
(実施例1)
図1において、この発明の一実施例の放射線量測定装置10は、測定機構本体11と測定用制御装置30を含んで構成される。
測定機構本体11は、外部からの微量の放射線による測定誤差を防止するために、円筒状又は箱状の筒状の筐体を有する遮蔽体からなる。測定機構本体11は、図1の正面から見て、左右側面に計測検体を複数個入れた出荷用包装容器(後述の図2,図3に示す6)を搬入し又は搬出するための開口部12a,12bを形成し、正面,背面,上面,下面の4面と、開口部12a,12bを除く左右側面が鉛板(図示せず)によって遮蔽された構造とされる。測定機構本体11の内部には、後述の図2,図3に示す検出機構部20が収納される。
測定機構本体11の正面には、測定用制御装置30の操作盤13が設けられる。この測定用制御装置30は、操作盤13に取付けられた液晶表示器31と、各種機器の制御のための測定用コンピュータ(図示せず、後述の30)とを含む。この測定用コンピュータ30は、専用コンピュータを用いるか、汎用のパーソナルコンピュータを用いてもよい。
また、複数個の計測検体の入れられた包装容器を移送するために、測定機構本体10の左右の開口部11a,11bに隣接して、コンベア1及びコンベア2が設置される。コンベア1は、計測検体の入れられた包装容器6を測定機構本体10の計測位置まで搬入するように移送するものである。また、コンベア1には、計測検体の重量を測定する重量計(例えば、1の下に図示する機器)が関連的に設けられる。コンベア2は、計測後の計測検体の入れられた包装容器6を搬出するように移送するものである。コンベア1の下部には、コンベア1,2を駆動するための駆動機構3が設置される。駆動機構3はモータ4を含む。
図2及び図3を参照して、検出機構部20の構成を説明する。
検出機構部20は、複数個のγ線検出器21a〜21hを含む。複数のγ線検出器21a〜21hは、例えば固体シンチレータと半導体素子の組み合わせや、固体シンチレータと光電子増倍管を組み合わせたγ線専用の検出器が用いられる。
ここで、γ線のエネルギー領域が被測定対象となる放射性物質の核種によって定まるため、この実施例では微量の放射性物質(例えば、カリウム,セシウム等)の核種(元素がKのうちのK−39,K−40,K−41、および/または元素がCsのうちのCs−133,Cs−134,Cs−135,Cs−137等)を分析可能な範囲よりも多少広い範囲として、おおむね50keV〜1.5MeV程度に選んでいる。
なお、γ線検出器21a〜21hの他の例として、CsI,NaI等のシンチレータと光電子増倍管又はホトダイオードとの組み合わせ、若しくはGe,CdTe等の素材を直接使用してもよい。
複数個のγ線検出器21a〜21hは、適宜の配置位置となるように適宜の間隔を空けて、測定機構本体11の下部に配置される取付板22の上面に取り付けられる。
これらのγ線検出器21a〜21hの配置位置(及び/又は取付間隔)は、複数個の計測検体(例えば、あんぽ柿等の食品)5を出荷用包装容器(厚みの薄い平らな形状をした段ボール箱、以下「段ボール箱」という)6に入れた状態のままで、複数個の計測検体5を鉛板等の遮蔽板で仕切ることなく、一括して個々の計測検体5の放射線量を個別に検出しかつ測定可能なように、段ボール箱6内における複数個の計測検体5の平面配置(後述の図5に示すトレイ位置A〜H)に対応するように選ばれる。
図2に示す実施例では、計測検体5が縦に2個と横に4個を配列(2×4個)して8個を段ボール箱6に入れた状態でまとめて計測する場合を示しているので、それに対応してγ線検出器21a〜21hが2個×4個の8個配列された場合を示している。
しかし、γ線検出器21a〜21hの数と配置関係は、段ボール箱6に収納される計測検体5の個数と配置関係によって異なる。
他の例として、計測検体5を少なくとも2個(例えば縦に2個)配置して計測する場合は、2個のγ線検出器21a,21bの検出出力を用いて各計測検体5の放射線量を計測し、他のγ線検出器21c〜21hの検出出力を計測に用いないようにすればよい。
また、計測検体5を少なくとも4個(例えば縦に2個、横に2個)配置して計測する場合は、4個のγ線検出器21a〜21dの検出出力を用いて各計測検体5の放射線量を計測し、他のγ線検出器21e〜21hの検出出力を計測に用いないようにすればよい。
さらに、10個以上の計測検体5を配置して計測する場合は、γ線検出器を計測検体の数に合わせて追加すればよい。
すなわち、計測すべき計測検体5の数と配置位置に合せて、γ線検出器の数と配置位置を選ぶように設計変更することになる。
複数個のγ線検出器21a〜21hの高さと同じ高さの位置であって、γ線検出器21a〜21hを囲む位置には、平面形状が矩形の枠体23が支柱24に支持された状態で、取付板22に取付けられる。
この枠体23は、その縦方向(図1の測定機構本体11の正面から見て奥行方向)の長さが複数個の計測検体5を入れた段ボール箱6の縦よりも若干短く、その横方向(図1の測定機構本体11の正面から見て段ボール箱6の移送方向)の長さが段ボール箱6の横よりも若干長い枠形状に選ばれる。
枠体23の縦方向長さを段ボール箱6の縦よりも若干短くしたのは、枠体23からはみ出た部分がベルト7の上面と略同じ面でかつベルト7に当接するようにして、ベルト7の移動によって段ボール箱6を移動させるためである。
枠体23の上辺と下辺の近傍には、ベルト7が段ボール箱6を横方向へ搬送するために、図2から見て横方向(図3の手前方向)に移動自在に設けられる。また、枠体23の近傍には、段ボール箱6の停止位置を検出するための位置検出センサ(図2,図3では省略しているが、図4に示す8)が設けられる。
より好ましくは、複数個のγ線検出器21a〜21hによる放射線量の検出又は測定時間を短縮するために、段ボール箱6の上部位置には、γ線検出器21a〜21hの配置位置に対応して、γ線検出器25a〜25h(図2では、括弧書で示す)が昇降自在に支持される。
具体的には、γ線検出器25a〜25hは、γ線検出器21a〜21hの配置位置に対応して取付板26に取付けられる。取付板26は、4隅が取付板22に取付けられた4つの支柱27によって支持されかつ昇降機構28によって昇降自在に支持される。これによって、取付板26に取付けられたγ線検出器25a〜25hが、段ボール箱6の上部位置から下降し又は上昇するように、昇降自在に支持される。
そして、取付板26に取付けられたγ線検出器25a〜25hは、段ボール箱6が計測位置に到来する前に、計測位置の上部で待機させ、段ボール箱6が計測位置に到来したことを検出したとき、昇降機構28によって下降される。
それによって、γ線検出器25a〜25hは、段ボール箱6に収納されている複数の計測検体5に近接した状態で、複数の計測検体5の放射線量を効率よく検出できる。
上述のように、下側の複数個のγ線検出器21a〜21hは固定的に設置しかつ上側の複数個のγ線検出器25a〜25hは昇降自在に構成することにより、下側の複数個のγ線検出器21a〜21hと上側の複数個のγ線検出器25a〜25hとの平面配置位置の対応する2個のγ線検出器(例えば21aと25a,21bと25b,・・・21hと25h)同士で合成した放射線量を計測すれば、計測時間を略1/2に短縮でき、作業効率を大幅に向上できる利点がある。
次に、図4を参照してこの発明の放射線量測定装置10の電気系の構成を説明する。
放射線量測定装置10は、γ線検出器21a〜21h,25a〜25hと、計測制御回路29と、測定用コンピュータ30を含んで構成される。
計測制御回路29は、計数記憶回路291と、計数記憶回路292と、駆動制御回路293と、インタフェース294とを含む。
計数記憶回路291は、γ線検出器21a〜21hのそれぞれに対応するカウンタ(図示せず)を含み、γ線検出器21a〜21hのそれぞれが所定の計測時間内に検出した放射線量を個別にかつ累積的に計数して、一時記憶するものである。
同様に、計数記憶回路292は、γ線検出器25a〜25hのそれぞれに対応するカウンタ(図示せず)を含み、γ線検出器25a〜25hのそれぞれが所定の計測時間内に検出した放射線量を個別にかつ累積的に計数して、一時記憶するものである。
なお、計数記憶回路291,292に替えて、γ線検出器21a〜21h及び25a〜25hのそれぞれのγ線検出器1個ごとに対応して計数記憶回路を独立して設けてもよい。
駆動制御回路293には、位置検出センサ8と、コンベア1,2を駆動するモータ4と、昇降機構28に含まれるモータ28aが接続される。
インタフェース294は、送受信機能を有し、1回の測定に際して計数記憶回路291,292によって計測された段ボール箱6内の複数個の計測検体5の計測値を測定用コンピュータ30へ送り、測定用コンピュータ30から与えられる各種制御信号を駆動制御回路293に与える、
なお、インタフェース293は駆動制御回路293を含む各種制御回路用と計数記憶回路291,292用の2つに分かれても構わない。また、計数記憶回路がγ線検出器1個ごとに独立して設けられる場合は、インタフェースもγ線検出器1個ごとに独立して設けてもよい。
測定用コンピュータ30は、CPU33を含む。CPU33には、計測処理のためのプログラムを記憶したプログラム記憶用メモリ(例えば、ROM、ハードディスク等)34と、書込み読出し可能なメモリ(例えばRAM)35がバスを介して接続されるとともに、インタフェース36が接続される。
プログラム記憶用メモリ34には、後述の図7に示すフローチャートの処理を実行するためのプログラム等が予め記憶されている。また、プログラム記憶用メモリ34には、許容上限値(スクリーニングレベル)が記憶されている。
書込み読出し可能なメモリ(以下、「RAM」と略称する)35は、ワーキングRAM(又はW−RAM)領域35aと、テーブルデータ記憶領域35bを含む。記憶領域35bは、換算データテーブル記憶領域35b1と、バックグラウンドデータ記憶領域35b2を含む。
記憶領域35b1には、実験的に求められた換算係数データが予め設定登録される。
換算係数データは、複数の計測検体5の相互間を鉛板等の遮蔽で遮蔽しないことによって発生するクロストークを補正するためのデータであり、後述の図6を参照して詳細に説明する。
記憶領域35b2には、バックグラウンドデータが設定登録される。バックグラウントデータは、所定期間(例えば1月)毎に定期的に計測して、放射線量測定装置10の設置されている周囲環境に依存する微量の放射線量による影響を補正するために用いられる。例えば、段ボール箱6内に計測検体5を入れない状態において、γ線検出器21a〜21h(及び25a〜25h)が長い時間(例えば数時間)かけて放射線量を計測し、各γ線検出器21a〜21h(及び25a〜25h)の計測値を計測時間で除算することによって単位時間(1秒)当たりのバックグラウンドの値を算出して、各γ線検出器21a〜21h(及び25a〜25h)の配置位置毎のバックグラウンドを補正するためのバックグラウンドデータテーブルとして求める。
次に、図5及び図6を参照して、この発明の原理と換算係数データの作成方法について説明する。
まず、この発明が複数の計測検体の相互の間を鉛板等で遮蔽しなくてもクロストークの影響を受けずに放射線量を測定することのできる原理を説明する。
図5に示すように、段ボール箱6には、複数(図示では8個の例を示す)の計測検体5が小売店における販売時の最小単位として食品用トレイに収納されてパックされるか、真空パック包装されて、平面配置位置が大きく重ならないように入れられる。計測検体5は、例えばあんぽ柿(干柿)等であって、1つのトレイ又はパックに200g〜250g程度入っている。段ボール箱6に入れられた8個の計測検体5の放射性セシウム(Cs)濃度Cを測定する場合、定量計算方法を用いる。
定量計算方法を用いる場合に、γ線検出器21a〜21hとトレイ位置A〜Hとの相互の関係は、次のようにして表すことができる。
標準物質の位置におけるγ線検出器21a〜21h毎の機器換算係数(以下、「換算係数」と略称することもある)Kを求めるには、1つの標準物質を各トレイ位置A〜Hの順において、各γ線検出器21a〜21hの機器換算係数Kijを算出する。ここで、iはトレイの位置番号(図5の例では、位置A〜Hの1〜8)であり、jはγ線検出器の番号(21a〜21hの1〜8)とする。
この場合、濃度と強度の関係は下記式(7)及び式(8)で表せる。
C=K×I ・・・・ (7)
I=C/K ・・・・ (8)
但し、C=放射性Csの濃度、K=機器換算係数、I=強度[cps]である。
上記式(7)(8)から、1つのγ線検出器21aの強度Iは各トレイの位置i(但し、iは、A=1,B=2,・・・H=8とする)からの強度の総和となるため、下記式(9)で表される。
=C/K11+C/K21+C/K31+C/K41
+C/K51+C/K61+C/K71+C/K81 ・・・(9)
ここで、Ci(i=1〜8)は、各トレイ位置での放射性Cs濃度である。
式(9)を他のγ線検出器21b〜21hについての強度I〜Iも考慮して、全てのγ線検出器21a〜21hについての強度I〜Iを連立方程式で表すと、式(6)で表すことができる。
=C/K11+C/K21+C/K31+C/K41
+C/K51+C/K61+C/K71+C/K81
=C/K12+C/K22+C/K32+C/K42
+C/K52+C/K62+C/K72+C/K82
=C/K13+C/K23+C/K33+C/K43
+C/K53+C/K63+C/K73+C/K83
=C/K14+C/K24+C/K34+C/K44
+C/K54+C/K64+C/K74+C/K84
=C/K15+C/K25+C/K35+C/K45
+C/K55+C/K65+C/K75+C/K85
=C/K16+C/K26+C/K36+C/K46
+C/K56+C/K66+C/K76+C/K86
=C/K17+C/K27+C/K37+C/K47
+C/K57+C/K67+C/K77+C/K87
=C/K18+C/K28+C/K38+C/K48
+C/K58+C/K68+C/K78+C/K88
・・・・ (6)
上記機器換算係数Kijは、1つの標準物質をトレイ位置A〜H(i=1〜8)の順に位置をずらせながら配置して、それぞれ実験的に測定した値を代入する。
また、強度Ii〜は、実測時のバックグラウンドを差し引いた強度を代入して、濃度Ciについての連立方程式を解くことにより、定量値を求める。
この連立方程式を解くために、測定用コンピュータ30のCPU33がマトリクス演算処理を行う。
上述の定量計算方法を前提とする場合、複数の計測検体5の相互の間を鉛板等で遮蔽しなくてもクロストークの影響を防止するために、本願発明の計測対象となる計測検体5の放射線量の測定に先だって、機器換算係数を実験的に求めて、機器換算係数データテーブル(図6)を作成しておく必要がある。
換算係数データテーブルは、図2,図3に示す測定機構11に含まれる複数のγ線検出器21a〜21hと図4に示す計測制御回路29及び測定用コンピュータ30を用いて、機器換算係数データを測定し、それに基づいて作成される。
より具体的には、複数の計測検体5を段ボール箱6に配置すべき位置(以下、「トレイ位置」という)は、γ線検出器21a〜21hの配置位置(=トレイ位置)に対応し、その位置を特定するためにA〜Hの記号を付している。このトレイ位置(例えば1回目の計測ではA)には、放射線量が既知の1個の標準物質が置かれて、標準物質を載置したトレイ位置(A)のγ線検出器(例えば21a)と、それ以外のγ線検出器(例えば21b〜21h)のそれぞれによって各トレイ位置A〜Hの放射線量が計測される。
同様に、2回目〜8回目の計測では、放射線量が既知の1個の標準物質がトレイ位置B〜Hの順にずらして置かれて、標準物質を載置した位置のγ線検出器(例えば21b・・・21h)と、それ以外のγ線検出器(トレイ位置がBの場合は21a,21c〜21h、トレイ位置がCの場合は21a〜21b,21d〜21h、・・・トレイ位置がHの場合は21a〜21g)によって、各トレイ位置別の放射線量が計測される。
つまり、1つの標準物質によって影響を受けるトレイ位置A〜H別の放射線量が、標準物質の置く位置を変えて8回に亘って、各γ線検出器21a〜21hによって計測される。それによって、標準物質を載置した位置とそれ以外のトレイ位置に及ぼす影響も含めて、トレイ位置A〜Hとγ線検出器21a〜21hとの相互の関係が分かるように、放射線量が計測される。
言い換えると、段ボール箱6内に鉛板等の遮蔽板を用いない状態において、標準物質を載置する位置をトレイ位置A〜Hのそれぞれの位置に順次ずらせながら、標準物質を載置したトレイ位置とそれ以外のトレイ位置の放射線量を計測することにより、クロストークによって影響を受ける放射線量も含めて計測することになる。
このようにして計測した結果、図6に示すような機器換算係数テーブルデータとして設定登録される。
図6を参照して、γ線検出器21a〜21hの配置位置とトレイ位置A〜Hと機器換算係数テーブルデータとの関係を説明する。
γ線検出器21a〜21hの配置位置とトレイ位置A〜Hとの関係は、γ線検出器21a〜21hの配置位置に対応するトレイ位置A〜Hの放射線量(すなわち、図6において、トレイ位置Aとγ線検出器21a、トレイ位置Bと21b、・・・トレイ位置Hと21hのそれぞれの交点となる斜め中央の枠内の値)が、各γ線検出器の測定下限値(25Bq/kg)に近い22〜23であった。そして、トレイ位置A〜Hとγ線検出器21a〜21hの配置位置との相互間の距離が離れるに従って、大きな値となる(例えばトレイ位置Aに対するγ線検出器21g,21hの値)。
例えば、γ線検出器21aから見れば、図6の「21a」の列(縦)方向に、トレイ位置A〜Hとの関係を示しており、トレイ位置Aに標準物質5を置いたときに、γ線検出器21aが最も大きな強度を検出するので機器換算係数は最小となり、当該トレイ位置Aから離れる(B・・・H)に従って他のγ線検出器21b〜21hの検出する強度が小さくなり、大きな機器換算係数値になる。
これは、放射線量の強度、すなわち検出値がγ線検出器からの距離の2乗に反比例することと、γ線検出器自体によってもγ線が遮蔽および検出されるので、γ線検出器が並ぶ方向ではその効果においても検出値が減少するためである。従って、標準物質から遠くのγ線検出器では、減衰して小さくなった放射線量が検出値、もしくは単位時間当たりの検出値である計測率と対応する。ここでの機器換算係数は標準物質5の放射線濃度を検出器の計測率で割った値なので、離れたγ線検出器程、一般的に機器換算係数が大きくなる。
このようにして、標準物質を用いて実験的に求めた、トレイ位置A〜H別かつγ線検出器21a〜21h別の機器換算係数値が、行と列のマトリクス状に分布した機器換算係数データ(図6に示す換算値)として、機器換算係数データテーブル記憶領域35b1に登録される。
上述の説明では、段ボール箱6内に8個の計測検体5を入れて計測する場合の例を説明したが、この発明の技術思想は上記例に限らず、計測すべき計測検体5の販売又は出荷の単位によって種々の数量に選ばれる場合にも適用可能である。その場合、一度に測定する計測検体5の数によって、マトリクス演算の式が次のように異なる。
例えば、段ボール箱6内に2個の計測検体5を入れて計測する場合は、次のように構成されて、式(4)で表すことができる。
すなわち、2個のγ線検出器21a,21bは、コンベアの移送方向に直交する方向(又は沿う方向でも可)に2個配置される。なお、移送方向に沿う方向の場合は、γ線検出器21a,21cを用いるようにすればよい。
定量計算方法によるマトリクス演算処理のための式は、下記のI,Iの連立方程式である式(4)で表される。
=C/K11+C/K21
=C/K12+C/K22 ・・・ (4)
測定用コンピュータ30のCPU33は、式(4)のI,Iの連立方程式を解くためのマトリクス演算処理を行うことによって、配列位置別の2個の計測検体の放射性物質濃度C,Cを算出する。
また、段ボール箱6内に4個の計測検体5を入れて計測する場合は、次のように構成されて、式(5)で表すことができる。
すなわち、4個のγ線検出器21a〜21dは、コンベアの移送方向に2個と移送方向に直交する方向に2個の合計4個配置される。
定量計算方法によるマトリクス演算処理のための式は、下記のI〜Iの連立方程式である式(5)で表される。
=C/K11+C/K21+C/K31+C/K41
=C/K12+C/K22+C/K32+C/K42
=C/K13+C/K23+C/K33+C/K43
=C/K14+C/K24+C/K34+C/K44
・・・・・ (5)
上記式(4),式(5)又は式(6)を一般式化すると、(各)γ線検出器の強度は式(1)、(各)γ線検出器の強度Iは式(2)で表すことができ、放射性物質濃度ベクトルC(→C;ここで、英文字の前の「→」の記号はベクトルを表し、英文字の上に付して表すことに代えて表記したものである。以下同じ。)は式(3)で表される。
すなわち、各γ線検出器の強度をI,I,・・・Inのn個の成分からなる検出強度ベクトルを「→I」とする。
各γ線検出器の位置i(I−1〜n)に対応した計測検体の試料位置iの放射性物質の濃度Cを成分とするC,C,・・・Cnのn個の成分からなる放射性物質の濃度ベクトル(→C)の関係が計測検体の試料位置iに対するγ線検出器の位置jの機器換算係数Kjiの逆数1/Kjiを成分とするn行n列の行列(1/K)(但し、「1/K」は1/Kjiを成分とする行列を表し、Kjiを成分とする行列の逆行列の意味ではない)の式(1)を用いて表し、各γ線検出器の強度ベクトル(→I)を式(2)で表す。
Figure 2015052565
(→I)=(1/K)×(→C) ・・・・ (2)
各γ線検出器の位置iに対応した放射性物質濃度Cは、行列Kの逆行列K−1を用いて、放射性物質濃度ベクトル(→C)は、式(3)で表される。
(→C)=(1/K)−1×(→I) ・・・・ (3)
上記式(3)のi番目の成分として算出して、式(3)の連立方程式を解くためのマトリクス演算処理を行うことによって、配列位置別の各計測検体の放射性物質濃度Cを算出する。
次に、図6に示す換算係数データテーブルを用いて、放射線量を測定する場合の動作及び演算処理の方法を、図7のフローチャートに沿って説明する。
操作盤13のキーボード32を操作して計測スタートの指示入力があると、CPU33は内部レジスタ(図示せず),W−RAM35及び計数記憶回路291,292を初期クリアしたのち、図7のフローチャートに示す処理を開始する。
ステップ1において、計測検体の重量を測定し、その重量を測定用コンピュータ30のワーキングRAM35aに記憶した後に、モータ4を制御してコンベア1を駆動させて、計測検体5の入った段ボール箱6を計測機構本体11の計測位置まで搬送させる。そして、ステップ2において、計測検体5の入った段ボール箱6が下側のγ線検出器21a〜21hの配置された測定位置に来たか否かが判断される。段ボール箱6が測定位置に来てなければ、測定位置に来るまで待機する。
測定位置に来たことが検出されると、ステップ3において、コンベア1を停止させた後、モータ28aを駆動して昇降機28を降下させて、上側のγ線検出器25a〜25hを降下させて段ボール箱6内の計測検体5に近接させる。
続くステップ4において、CPU33から計数記憶回路291,292に命令を与えて、下側のγ線検出器21a〜21h及び上側のγ線検出器25a〜25hを作動させる。これに応じて、下側のγ線検出器21a〜21h及び上側のγ線検出器25a〜25hが対応するトレイ位置A〜Hにおける単位時間(例えば1秒間)当たりの強度I〜Iを検出し、対応する計数記憶回路291,292へ与える。
ステップ5において、下側の各γ線検出器21a〜21hによって検出された単位時間(例えば1秒間)当たりの強度I1〜I8が、所定の計測時間中(例えば80秒)に計数記憶回路291によってトレイ位置A〜Hに対応して個別に累計される。同様にして、上側の各γ線検出器25a〜25hによって検出された単位時間(例えば1秒間)当たりの強度I1〜I8が、所定の計測時間(例えば80秒)中に計数記憶回路291によってトレイ位置A〜Hに対応して個別に累計される。
ステップ6において、所定の計測時間(例えば80秒)が経過したか否かが判断され、計測時間が経過していなければステップ4へ戻り、ステップ4〜6の動作が繰り返される。
ステップ6において、所定の計測時間の経過したことが判断されると、次のステップ7において、計数記憶回路291によって累計されている各γ線検出器21a〜21hの検出強度の累計値と、計数記憶回路292によって累計されている各γ線検出器25a〜25hの検出強度の累計値が、CPU33に読み込まれて、ワーキングRAM35aに書き込まれる。
ステップ8において、算出された検出検体5a〜5h毎の濃度C〜Cからバックグラウンドを差し引いた濃度C´〜C´が算出される。これによって、バックグラウンドの補正が行われる。
ステップ9において、下側の各γ線検出器21a〜21hによって検出された強度の累計値と、上側の各γ線検出器25a〜25hによって検出された強度の累計値が、トレイ位置A〜Hに対応するγ線検出器同士(21aと25a,21bと25b,・・・21hと25h)で加算されて、トレイ位置A〜Hに対応する強度I〜Iが算出される。
ステップ10において、換算係数テーブルを参照して、トレイ位置A〜Hに対応する位置の上下2組のγ線検出器をペアにした組合せ(21aと25a,21bと25b,・・・21hと25hの合計した強度I1〜I8別)の式(6)の連立方程式をマトリクス演算して、各マトリクス位置A〜Hに置かれた検出検体5(トレイ位置との対応では、5a〜5h)毎の濃度C1〜C8を算出する。
より具体的には、上下2組のγ線検出器21aと25a,21bと25b,・・・21hと25hの合計した強度I〜Iと、換算係数テーブルに登録されている換算係数Kijを式(6)に代入する。この場合、換算係数Kijは、強度Iの式のK11,K21,・・K81が図6の21aに対応する1列目の値(23,232,121,・・・2692)となり、強度Iの式のK12,K22,・・・K82が2列目の値となり、以下同様である。そして、式(6)をマトリクス演算することと、計測検体重量で規格化することによって、濃度C〜Cを求める。この濃度C〜Cがトレイ位置A〜Hに置かれた検出検体5a〜5hの測定したい濃度となる。
ステップ11において、ステップ8でバックグラウンド補正された後の検出検体5a〜5h毎の濃度C´〜C´を、ステップ9で算出したトレイ位置別の合計値がワーキングRAM35aの1番目の段ボール箱に対応する領域に書き込まれる。
ステップ12において、測定下限値が所定値以下か否かが判断される。ここでいう測定下限値は、例えば基準値の1/4等に選ばれる。測定下限値が所定値以下でない場合は、時間をかけて計測する必要があるので、ステップ4へ戻る。一方、測定下限値が所定値以下の場合は、ステップ13へ進む。
ステップ13において、CPU33の内部のカウンタ(図示せず)に、数値「1」が設定される。これは、トレイ位置A〜Hにそれぞれ置かれた8個の計測検体5a〜5hについて、バックグラウンド補正後の計測濃度C´〜C´が基準値を超えているか否かを順次判断するために、判断する計測検体5a〜5hを区別するためである。
ステップ14において、内部カウンタの計数値(CT)によって特定される計測検体(始めはCT=1で、計測検体5a)の濃度が基準値を超えているか否かが判断される。
この判定基準値は、例えば計測検体が食品であり、かつスクリーニング検査であれば、厚生労働省が定めた食品衛生法の規格基準として定めた一般食品の基準値のスクリーニングレベル、基準値の1/2以上の値(測定値の分散、バラつきで決まる値)であって、一般食品中の放射性セシウムの基準値100Bq/kgに対して、スクリーニングレベルは50Bq/kg以上となる。この実施例では50Bq/kgを判定の基準値として取り扱っている。
基準値を超えていることが検出(判断)されると、ステップ15において、判定結果(例えば、計測検体5aの計測値と基準値を超過したことを示す記号等)が記憶される。一方、基準値を超えていないことが判断されると、ステップ16において、判定結果(例えば、計測検体5aの超過の無いことを示す記号、「ND」等)が記憶される。
ステップ17において、内部カウンタの計数値に1が加算される(1+1=2)ことによって、判定対象となる次の計測検体5bに対応する数値(2)を計数させる。
ステップ18において、内部カウンタの計数値が8か否かを判断することによって、段ボール箱6内の8個の計測検体5a〜5hの全ての判定が終わったか否かが判断される。内部カウンタの計数値が7以下であれば、ステップ14へ戻り、ステップ14〜18の動作が8回繰り返される。これによって、1つの段ボール箱6に収納された全ての計測検体5a〜5hについて、基準値以内かどうかの判定が行われる。
前述のステップ17において、8個全ての計測検体の判定が終了すると、次のステップ19へ進む。
ステップ19において、計測結果が一括して出力される。計測結果の出力は、段ボール箱6のトレイ位置A〜H別に一括して液晶表示器31の画面に表示したり、所定の用紙に印刷する等によって行われる。また、計測結果の他の出力方法としては、段ボール箱6に入っている計測検体のうちの基準値を超えるものにマーキングを付けるとか、基準値以下のものに合格(基準値以下)を示すマーキングを付けるかシールを張る方法でもよい。
ステップ20において、計測済の計測検体の入った段ボール箱6が搬出される。具体的には、モータ28aを駆動して昇降機構28を上昇させて、上側のγ線検出器25a〜25hを段ボール箱6から遠ざけた後に、モータ4を駆動させて、コンベア7及びコンベア2を駆動することにより、段ボール箱6を計測機構本体11から外へ移動させて、出荷可能とする。
続く、ステップ21において、計測すべき全ての段ボール箱6の計測が終了したか否かの判断が行われる。この判断は、計測作業者が操作盤13に含まれる計測終了を示す「測定終了スイッチ」(図示せず)を操作したことに基づいて行われる。全ての計測が終了していないときは、ステップ2へ戻り、ステップ2〜21の処理を計測すべき段ボール箱6毎に繰り返して計測することになる。
一方、全ての計測が終了すると、計測作業者が操作盤13の測定終了スイッチを押圧操作するので、一連の計測作業が終了する。
図8はこの発明の効果を実証するための放射性セシウム濃度のスクリーニング測定結果の分析表である。
効果の実証のために実測した際の計測条件は次の通りである。
計測検体として、放射性物質で汚染された干し柿のトレイ(又はパック包装したもの)と、汚染されていない干し柿のトレイ等を多数(例えば12個)準備し、それぞれに番号1〜12を付けて、両方の種類の干し柿を8個選択して、段ボール箱6内のトレイ位置A〜Hに置いた。このとき、干し柿を置くトレイ位置はランダムに選んだ。
また、放射線量測定装置(本装置)10を用いて複数回測定するが、測定の度に干し柿の置く位置を適宜入れ替えて配置することとし、図8では、4回測定した結果を図8(a)〜(d)に並べて測定した。同じ柿番号については、トレイ位置A〜Hのうちの置く位置を変えて測定したことを示す。
そして、柿番号の右横の括弧記号[]の中には、本装置10が判定の基準値、スクリーニングレベル(法定の100Bq/kgの1/2の50Bq/kg)以下と判定したものには「ND」の記号を示している。本装置10が基準値以上と判定した柿については、高精度の別の放射線量計測装置を使って1個ずつ計測した場合の計測値を柿番号の右横の括弧記号([])の中に記載している。
柿番号の下段には、鉛板等の遮蔽を使わずに、本装置10を用いて段ボール箱6内の柿を一度に計測した場合において、右に計測値を記載し、左に誤差(±の数値)を示している。ここでいう誤差の数値(±の数値)は、検出器の計測値から算定される分散σの3倍の3σを示したものである。
以上の計測条件において、本装置10が基準値以上と判定した柿をグレーで示す。
この実測結果を分析すると、柿番号1,3,6,8については、トレイ位置A〜Hの何れの位置に置いて測定した場合も、基準値以上であることを検出している(グレー部分)。一方、柿番号9,10,11,12については、トレイ位置A〜Hの何れの位置に置いて測定した場合であっても、基準値以下であることを検出している(記号「ND」を付けたもの)。
つまり、基準値以上と判定された柿は、トレイ位置を変更しても、基準値以上と判定されている。逆に、基準値以下と判定された柿は、トレイ位置を変更しても、基準値以下と判定されており、トレイ位置を変更することによる判定誤りは全くない。
また、柿6については、他の柿と比べて、計測値のバラつきはやや大きいものの全て、スクリーニングレベル(判定の基準値)以上であり、かつ3σの範囲内に収まっている。この結果より、スクリーニングレベル50Bq/kgとした際、基準値の100Bq/kgを超える柿が[ND]と判定されることはほとんどないことが分かる。
従って、スクリーニングレベルを最小の50Bq/kgとした際でも、本装置10が十分な精度で計測検体の放射線量を計測できることを実証できることになる。
図9は、図8(d)に示すように、柿1,10,9,8,6,12,11,3をトレイ位置A〜Hに配置した状態において、本装置10を用いて50回計測したときの平均値,繰り返し精度(3σ)と、高精度の放射線量測定装置(出願人の販売に係る製品番号「Cs500」)による測定値を示す。
この計測データより、本装置10を用いれば、直感的にも誤差30Bq/kg程度の範囲で計測できることが分かる。正確には自由度49(=50−1)の99%片側信頼区間の値は2.4で、これに繰り返し測定の分散σの値(10〜12Bq/kg)をかけたものを、法的基準値(100Bq/kg)から引くと70Bq/kg程度がスクリーニングレベルの上限となる。γ線検出器の計測下限値が20〜25Bq/kgであることを考慮すると、計測下限値の2倍程度の値から法的基準値の70%程度の値をスクリーニングレベル(判定基準値)として選定でき、本装置10が放射線量測定装置として極めて実用性の高いことが明らかである。
上述の説明では、計測検体の一例として、あんぽ柿等の食品の例を説明したが、この発明の技術思想は食品に限定する必然性がなく、瓦礫や鉱物等にも適用できる。計測検体が瓦礫の場合は、原子力発電所の事故の発生した周辺地域の土壌や植物等を採取してトレイ又はビニール袋に詰めて。それを段ボール箱に所定数入れて、この放射線量測定装置10に用いて測定すればよい。
この発明は、段ボール箱に入れられた複数の計測検体の放射線量を、鉛板等の遮蔽で各計測検体を遮蔽することなく、放射線量を測定できるので、放射性物質が含まれている計測検体をクロストークの影響を受けずに測定でき、放射線量測定装置としての産業上の利用性が高い。
1,2 コンベア
5,5a〜5h 計測検体
10 放射線量測定装置
11 計測機構本体
21a〜21h,25a〜25h γ線検出器
28 昇降機構
29 計測制御回路
30 測定用コンピュータ
33 CPU
34 プログラム記憶用メモリ
35 RAM(メモリ)
35a ワーキングRAM
35b テーブル記憶領域

Claims (10)

  1. 複数個の計測検体をセットにして包装容器に収納した状態で、計測位置において複数個の計測検体のそれぞれの放射線量を計測する放射線量測定装置であって、
    前記計測位置に配置され、かつ前記包装容器に収納された前記複数個の計測検体の配列位置に対応して複数個配設されたγ線検出器、
    前記各γ線検出器によって計測された前記複数個の計測検体の配列位置別の放射線量を一時記憶する一時記憶手段、
    放射線量が既知の複数個の標準物質を用いて、当該複数個の標準物質をセットにして包装容器に収納した状態で前記計測位置において、前記各γ線検出器によって計測された複数個の標準物質の配列位置別の放射線量を機器換算係数(K)として予め計測しておき、複数個の標準物質の配列位置別の機器換算係数を機器換算係数テーブルとして登録した登録データ記憶手段、
    前記一時記憶手段に記憶されている前記複数個の計測検体の配列位置別の放射線量と、前記登録データ記憶手段に登録されている複数個の標準物質の配列位置別の機器換算係数に基づいて定量計算方法によるマトリクス演算処理を行う演算処理手段を備え、
    前記演算処理手段は、定量計算方法によるマトリクス演算処理を行うことによって、前記配列位置別の各計測検体の放射性物質濃度を算出することを特徴とする、放射線量測定装置。
  2. 前記各γ線検出器の強度をI,I,・・・Iのn個の成分からなる検出強度ベクトルを(→I)(ここで、英文字の前の「→」の記号はベクトルを表し、英文字の上に付して表すことに代えて表記したものである。以下同じ。)とし、
    各γ線検出器の位置i(I−1〜n)に対応した計測検体の試料位置iの放射性物質の濃度Cを成分とするC,C,・・・Cnのn個の成分からなる放射性物質の濃度ベクトル(→C)の関係が
    前記計測検体の試料位置iに対するγ線検出器の位置jの機器換算係数Kjiの逆数1/Kjiを成分とするn行n列の行列(1/K)(但し、「1/K」は1/Kjiを成分とする行列を表し、Kjiを成分とする行列の逆行列の意味ではない)は一般式(1)を用いて表し、強度ベクトル(→I)を式(2)で表し、
    Figure 2015052565
    (→I)=(1/K)×(→C) ・・・・ (2)
    前記各γ線検出器の位置iに対応した放射性物質濃度Ciは行列Kの逆行列K−1を用いて、放射性物質濃度ベクトル(→C)は、式(3)で表され、
    (→C)=(1/K)−1×(→I) ・・・・ (3)
    前記演算処理手段は、式(3)のi番目の成分として算出することにより、前記配列位置別の各計測検体の放射性物質濃度Cを算出することを特徴とする、請求項1に記載の放射線量測定装置。
  3. 前記包装容器に収納される計測検体は、2個であって、前記計測位置における第1の方向に配列して収納され、
    前記γ線検出器は、前記計測位置における第1の方向に関連して2個配置され、
    定量計算方法によるマトリクス演算処理のための前記式(2)は、連立方程式(4)で表され、
    =C/K11+C/K21
    =C/K12+C/K22 ・・・・ (4)
    前記演算処理手段は、前記式(4)のI,Iの連立方程式を解くためのマトリクス演算処理を行うことによって、前記配列位置別の2個の計測検体の放射性物質濃度C,Cを算出することを特徴とする、請求項2に記載の放射線量測定装置。
  4. 前記包装容器に収納される計測検体は、4個であって、前記計測位置における第1の方向に2個と第1の方向に直交する第2の方向に2個の4個配列して収納され、
    前記γ線検出器は、第1の方向に2個と前記第2の方向に2個の4個配置され、
    定量計算方法によるマトリクス演算処理のための前記式(2)は、連立方程式(5)で表され、
    =C/K11+C/K21+C/K31+C/K41
    =C/K12+C/K22+C/K32+C/K42
    =C/K13+C/K23+C/K33+C/K43
    =C/K14+C/K24+C/K34+C/K44 ・・・・ (5)
    演算処理手段は、上記式(5)のI〜Iの連立方程式を解くためのマトリクス演算処理を行うことによって、前記配列位置別の4個の計測検体の放射性物質濃度C〜Cを算出することを特徴とする、請求項2に記載の放射線量測定装置。
  5. 前記包装容器に収納される計測検体は、8個であって、前記第1の方向に4個と前記第2の方向に2個の8個配列して収納され、
    前記γ線検出器は、第1の方向に4個と第2の方向に2個の8個配置され、
    定量計算方法によるマトリクス演算処理のための前記式(2)は、連立方程式(6)で表され、
    =C/K11+C/K21+C/K31+C/K41
    +C/K51+C/K61+C/K71+C/K81
    =C/K12+C/K22+C/K32+C/K42
    +C/K52+C/K62+C/K72+C/K82
    =C/K13+C/K23+C/K33+C/K43
    +C/K53+C/K63+C/K73+C/K83
    =C/K14+C/K24+C/K34+C/K44
    +C/K54+C/K64+C/K74+C/K84
    =C/K15+C/K25+C/K35+C/K45
    +C/K55+C/K65+C/K75+C/K85
    =C/K16+C/K26+C/K36+C/K46
    +C/K56+C/K66+C/K76+C/K86
    =C/K17+C/K27+C/K37+C/K47
    +C/K57+C/K67+C/K77+C/K87
    =C/K18+C/K28+C/K38+C/K48
    +C/K58+C/K68+C/K78+C/K88 ・・・・ (6)
    演算処理手段は、前記式(6)のI〜Iの連立方程式を解くためのマトリクス演算処理を行うことによって、前記配列位置別の8個の計測検体の放射性物質濃度C〜Cを算出することを特徴とする、請求項2に記載の放射線量測定装置。
  6. 前記登録データ記憶手段は、前記計測検体の許容上限値を記憶する許容上限値記憶領域をさらに含み、
    前記演算処理手段は、計測した前記配列位置別の各計測検体の放射性物質濃度が前記許容上限値記憶領域に記憶されている許容上限値以上であるとき、当該計測検体が放射能汚染している検体であることを判定する、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の放射線量測定装置。
  7. 前記演算処理手段は、計測した前記配列位置別の各計測検体の放射性物質濃度が前記許容上限値記憶領域に記憶されている許容上限値以下であるとき、当該計測検体が放射能汚染の許容範囲内の検体であることを判定する、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の放射線量測定装置。
  8. 前記γ線検出器は、所定の複数個がユニット化されて、前記計測位置の対向する上面と下面の両面に配置され、
    前記一時記憶手段には、前記計測位置の平面配置位置の対応する上面と下面の2個のγ線検出器の検出出力を合成した値が平面配列位置に対応する領域に書き込まれる、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の放射線量測定装置。
  9. 前記登録データ記憶手段は、前記複数個のγ線検出器の位置に前記複数個の計測検体が存在しない状態において、各γ線検出器によって計測された配列位置別の放射線量をバックグラウンドとして登録するバックグラウンドデータ登録領域を含み、
    前記演算処理手段は、
    前記複数個の計測検体のそれぞれの放射線量を計測する動作に先立って、前記複数個の計測検体が存在しない状態において、各γ線検出器によって計測された配列位置別の放射線量を前記バックグラウンドデータ登録領域へ書込み処理し、
    前記複数個の計測検体のそれぞれの放射線量を計測する際に、前記配列位置別の複数個の計測検体の放射性物質濃度から対応する位置のバックグラウンドデータを差し引くことによって、各計測検体の放射性物質濃度を計測することを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の放射線量測定装置。
  10. 放射線量測定装置は、複数個の計測検体をセットにして包装容器に収納した状態でコンベアによって移送する移送経路の途中の計測位置において、複数個の計測検体のそれぞれの放射線量を計測するものであって、
    前記γ線検出器は、コンベアによる移送経路の途中の計測位置に配置される、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の放射線量測定装置。
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