JP2014139555A - 放射線検知器 - Google Patents

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貴浩 平山
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Abstract

【課題】 γ線だけでなくβ線も同時に検知できる放射線検知器を提供する。
【解決手段】 放射線検知器100は第1〜第3の3つのセンサ104を有し、各センサ104はα線、β線、γ線を検知する機能を有している。第1のセンサ104Aはフィルタ無しである。第2のセンサ104Bにはα線を遮断するフィルタ120Bが配置されている。第3のセンサ104Cにはα線、β線を遮断するフィルタ120Cが配置されている。放射線検知器100に接続されたPCは、これら3つのセンサ104の出力に基づいてα線、β線、γ線の各々の放射線量を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、現場で放射線量を計測可能な放射線検知器に関し、より詳しくは、1台の測定器でα線、β線、γ線の放射線量を同時に検知することのできる放射線検知器に関する。
2011年3月の東北地方太平洋沖地震及び津波(東日本大震災)に伴って発生した福島原子力発電施設の事故は、今現在に至っても環境中に大量の放射性物質を放出し続けるという結果を招いており、広域に亘る放射能汚染が社会問題となっているのは周知の通りであり、近時になってようやく除染作業が本格化したところである。
放射線量の検知器として、電離箱(特許文献1)、GM計数管、半導体検知器、NaIシンチレーション検知器、CsIシンチレーション検知器などがある。
除染現場ではポータブル性が要求されるため、商品名「マルチ放射線モニタ」、「NaIシンチレーションサーベイメーター」、「GMパンケーキプローブ(東洋メディック株式会社販売)」、セイコー・イージーアンドジー株式会社が製造販売する「RadEye-B20」などが使われている。
福島原子力発電設備の事故によって拡散したと考えられる放射性物質を例示的に列挙すると次の通りである。なお、各放射性物質が発する放射線の種類を括弧書きで付記する。
キュリウム242(α線)、各種のプロトニウム(α線)、ヨウ素131(β線)、各種のテルル(β線)、ストロンチウム(β線)、セシウム134(β線、γ線)など。
上述したポータブル放射線検知器はγ線に有効であり、したがって除染現場での現在の放射線量の検知は事実上セシウムに限定されているのが現状である。
特開平8−211157号公報
人体への放射線の影響はチェルノブイリ事故から放射性物質による健康被害の研究が進み、例えばヨウ素は甲状腺に蓄積すると言われている。またストロンチウムは骨に蓄積すると言われている。セシウムは膀胱に蓄積すると言われている。
今現在の除染は外部被爆を誘発するセシウムの回収が目的とされている。しかし、放射性物質に接近する頻度が高い作業者、例えば除染作業者にとって様々な放射性核種の内部被爆から身を守るには、現場が放出しているγ線(セシウム)だけでなくα線、β線の放射線量も知りたい、という要請がある。
本発明は、γ線だけでなくβ線も同時に検知できる放射線検知器の提供を目的とする。
本発明の更なる目的は、α線、β線、γ線を同時に検知できる放射線検知器を提供することにある。
本発明の更なる目的は、汚染土壌などの汚染物や作業者が着用した手袋、マスク、着衣などを検体としてそのα線、β線、γ線を同時に且つ迅速に検知することのできる放射線検知器を提供することにある。
本発明の更なる目的は、α線、β線、γ線の同時検知を現場で行うことのできる放射線量測定装置を提供することにある。
上記の技術的課題は、本発明の一つの観点によれば、
α線、β線、γ線を検知可能な第1、第2、第3の少なくとも3つのセンサを有し、
前記第1のセンサがフィルタ無しであり、
前記第2のセンサにはα線の通過を阻止する第1のフィルタが設置され、
前記第3のセンサにはα線及びβ線の通過を阻止する第2のフィルタが設置されていることを特徴とする放射線検知器を提供することにより達成される。
すなわち、これら第1〜第3のセンサからの信号を受けて演算することで、これら第1〜第3のセンサが同時に受け取った放射線に基づいて測定対象物のα線、β線、γ線の夫々の線量を求めることができる。
本発明に従う放射線検知器は典型的には遮蔽体の中で使用される。すなわち、遮蔽体の中に放射線検知器と測定対象物とを入れて、周囲環境から隔絶した状態で測定対象物の放射線量の計測を行うのがよい。放射線検知器と測定対象物との間の間隔は小さい方がよい。この間隔を保つために放射線検知器と測定対象物との離間距離を一定に保つためのスペーサを設けるのがよい。
また、本発明の好ましい実施形態によれば、前記第1、第2、第3のセンサは、これら各センサと測定対象物との間の間隔が調整可能である。この調整機能を確保するための方法の一例は、第1〜第3のセンサを例えば可撓性部材に支持させ、この可撓性部材を適当に折り曲げることで各センサと測定対象物との間の間隔を調整することを例示的に挙げることができる。他の例として、前記第1、第2、第3の少なくとも3つのセンサを備えた検知ユニットを複数有し、隣接する検知ユニットをヒンジ連結してもよい。
前述した技術的課題は、本発明の他の観点によれば、
上述した本発明に従う放射線検知器と、
該放射線検知器及び測定対象物を外部環境から遮蔽する遮蔽体と、
前記放射線検知器からの信号を受けて、前記第1のセンサからの信号と前記第2のセンサからの信号とに基づいてβ線とγ線に関する放射線量に相当する値を求める第1演算処理と、
前記放射線検知器からの信号を受けて、前記第2のセンサからの信号と前記第3のセンサからの信号とに基づいてγ線に関する放射線量に相当する値を求める第2演算処理と、
前記第1演算処理によるβ線とγ線に関する放射線量に相当する値と、前記第2演算処理によるγ線に関する放射線量に相当する値とからβ線に関する放射線量に相当する値を求める第3演算処理と、
前記第1のセンサからの信号に基づいてα線、β線、γ線に関する放射線量に相当する値と、前記第2、第3の演算処理によって求めたγ線、β線の各々に相当する値とからα線に関する放射線量に相当する値を求める第4演算処理とを行う演算手段と、
該演算手段によって求めたα線、β線、γ線の各々の値を表示する表示手段とを有することを特徴とする放射線量測定装置を提供することにより達成される。
本発明に従う放射線量測定装置は、好ましくは、前記遮蔽体の中を真空状態にする真空源を更に有し、前記遮蔽体の中を真空にした状態で該遮蔽体の中に収容した測定対象物の放射線量を計測する装置であるのがよい。これにより、放射線量の測定精度を高めることができる。
本発明に従う放射線量測定装置をワンボックスカーに搭載することで、空気調和装置を備えたワンボックスカーを移動する放射線量測定室として利用することができる。ワンボックスカーが乗員のために備えている空気調和装置を使うことで、この移動する放射線量測定室の温度を一定に保つことができ、温度による測定誤差を低減することができる。
実施例の放射線検知器を含む放射線量測定装置の全体概要を示すブロック図である。 実施例の放射線検知器の外観図を説明するための図である。 実施例の放射線検知器の平面図である。 実施例の放射線検知器の部分断面図である。 実施例の放射線検知器を使ったα線、β線、γ線の各々の放射線量の計測方法の具体的な一例を説明するためのフローチャートである。 遮蔽体の中に設置した放射線検知器及び測定対象物を断面して示す図である。 変形例の放射線検知器の平面図である。 ワンボックスカーを使った移動する放射線量計測室の全体構成を説明するための図である。 ワンボックスカーに搭載された遮蔽体の中に設置された放射線検知器の構成を説明するための平面図である。 具体例の遮蔽体の平面図である。 図10に図示の遮蔽体の正面図である。 図10に図示の遮蔽体の右側面図である。 図10に図示の遮蔽体の左側面図である。 図10に図示の遮蔽体の背面図である。 図10に図示の遮蔽体の底面図である。 図10に図示の遮蔽体の斜視図である。 図10に図示の遮蔽体の使用状態を説明するための断面図である。
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。図1は実施例の放射線検知器のブロック図である。実施例の放射線検知器100は、第1〜第3の3つの放射線検知部102A、102B、102Cを有している。これら3つの放射線検知部102A、102B、102Cは同じ構成及び機能を有していることから、これらを総称するときには参照符号102を使用して説明する。
放射線検知部102はセンサ104を有している。センサ104はα線、β線、γ線を検出する機能を有している。具体的には、センサ104は、米国のLND社が販売するパンケーキ形ガイガーミューラ管(Pancake style mica window tube)(型番「LND7311」)で構成されている。
放射線検知部102は、センサ104に高電圧を印加する高圧モジュール106を有し、センサ104中の不活性ガスはセンサ104を通過する放射線によって分離してセンサ104が内蔵する電極間にパルス電流が流れる。この現象つまり不活性ガスの分離に伴う電極間の通電の回数はマイクロコンピュータ108によって求められ、マイクロコンピュータ108は単位時間(例えば1秒間)当たりのカウント数を出力する。
第1〜第3の3つの放射線検知部102A、102B、102Cを備えた放射線検知器100はパーソナルコンピュータPCに接続され、このパーソナルコンピュータPCに接続されることにより放射線量測定装置Rが構成される。この実施例の放射線量測定装置Rは作業台やパーソナルな机の上に設置して作業することのできる比較的コンパクトな大きさであり、主に現場の室内で使用される。
放射線検知器100の出力はパーソナルコンピュータPCに入力され、パーソナルコンピュータPCを使って生成した所望の情報がモニタ110に表示される。勿論、パーソナルコンピュータPCには必要に応じてプリンタ(図示せず)が接続され、このプリンタを使って紙に印刷することも可能である。
図2〜図4は放射線検知器100を示す図である。放射線検知器100はボックス状のケース112の一つの矩形の平らな面112aにおいて、その長手方向に並んで3つの円形開口114を有し、各センサ104(パンケーキ形ガイガーミューラ管)の円形検出窓(マイカ窓)は各円形開口114に臨んで配置されている。図中、参照符号116はセンサ104のマイカ窓を保護するための金属ネットを示す。
変形例として、センサ104はパンケーキ形ガイガーミューラ管に限定されず、例えばプラスティックシンチレーションのようなα線、β線、γ線を検知する機能を有していれば他のセンサを採用してもよい。
ボックス状ケース112の各円形開口114にはフィルタ120が脱着可能であり、この実施例では、各円形開口114を挟んで左右に配置された一対のレール122に対してプレート124がスライド挿入される。このプレート124には、フィルタ120が交換可能に取り付けられる。各円形開口114に対するフィルタ120の脱着構造は任意であり、上述したスライド式に限定されないのは勿論である。
放射線検知器100は典型的には次のやり方で使用される。ボックス状ケース112の3つの円形開口114を識別するためにA、B、Cを付記し、図1を参照して説明した第1〜第3の3つの放射線検知部102A、102B、102Cの夫々に第1〜第3の円形開口114A、114B、114Cが対応している。
第1の円形開口114Aはフィルタ無しである。第2の円形開口114Bには紙片や合成樹脂製の薄いシートからなるフィルタ120Bが配置され、このフィルタ120B(紙)によって、第2の円形開口114Bへのα線の浸透が遮断される。第3の円形開口114Cには例えば1cmの厚さのプラスティック板や薄い金属板(例えばアルミニウム板)からなるフィルタ120Cが配置され、このフィルタ120C(例えばアルミニウム薄板)によってγ線以外の放射線つまりα線及びβ線の浸透が遮断される。α線を遮断するフィルタ(「α線遮断フィルタ」という。上記の例で言えばフィルタ120Bが相当する。)、α線及びβ線を遮断するフィルタ(「β線遮断フィルタ」という。上記の例で言えばフィルタ120Cが相当する。)をどの開口114A〜114Cに配置するかは任意である。
フィルタ無しの第1の円形開口114Aに臨んで位置する第1のセンサ104Aはα線、β線、γ線を検知することができる。α線遮断フィルタ120B(紙片)を配置した第2の円形開口114Bに臨んで位置する第2のセンサ104Bは、β線、γ線を検知することができる。β線遮断フィルタ120C(例えばアルミニウム薄板)を配置した第3の円形開口114Cに臨んで位置する第3のセンサ104Cはγ線を検知することができる。
パーソナルコンピュータPCは、第1〜第3の3つの放射線検知部102A、102B、102Cからの信号(カウント数)を受け取って、α線、β線、γ線の線量を求め、その情報をモニタ110に表示する。パーソナルコンピュータPCにおける具体的な処理の一例を図5に示すフローチャートを参照して説明すると、ステップS1で放射線検知部102A、102B、102Cからのカウント信号を取込むと、次のステップS2において演算処理が行われる。この演算処理は次の式1、式2に従って行われる。この演算処理は1秒毎に行われる。
式1:α線に関連するカウント値=(第1放射線検知部102Aのカウント値)−(第2放射線検知部102Bのカウント値)
式2:β線に関連するカウント値=(第2放射線検知部102Bのカウント値)−(第3放射線検知部102Cのカウント値)
次のステップS3では、α線、β線、γ線の各々に対応するカウント値(CPS)が求められる。また、α線の線量、β線の線量、γ線の線量の各々及び全放射線量に関するCPM(毎分計数率)が求められる。更に、α線、β線、γ線の1分毎の線量等量率が求められる。そして、次のステップS4において、α線、β線、γ線の各々に関するCPS、CPM並びに線量等量率をモニタ110に表示する処理が行われる。また、モニタ110の表示値はパーソナルコンピュータPCの記録媒体に時系列に保存される。
勿論、α線、β線、γ線の個々の線量やこれらを合算した線量をμSv/hに換算した値を求めて、これをモニタ110に表示するようにしてもよい。
放射線量測定装置Rはα線、β線、γ線の各々の線量を計測する上記の基本モードの他に例えば次に列挙するモードの少なくとも一つのモードを有していてもよい。
(1)第2、第3の放射線検知部102B、102Cからフィルタ120B、120Cを取り外した状態つまり第1〜第3の放射線検知部102A〜102Cでα線、β線、γ線の全てを検知するモード;
(2)第1〜第3の放射線検知部102A〜102Cの全てに紙片からなるフィルタ120Bを装着した状態で放射線検出器100を使用するモード;
(3)第1〜第3の放射線検知部102A〜102Cの全てに例えばアルミニウム薄板からなるフィルタ120Cを装着した状態で放射線検出器100を使用するモード。
放射線量測定装置Rは、また、中性子線を検出するセンサを付加的に有していてもよい。すなわち、放射線検知器100に中性子を検出する第4のセンサを設け、α線、β線、γ線に加えて中性子線の線量を検知するようにしてもよい。
図6は、放射線検知器100と一緒に使用して被測定物(測定対象物O)の放射線量を計測するのに都合の良い遮蔽体200を示す。遮蔽体200は、遮蔽底板202と、この遮蔽底板202の上に載置される遮蔽筒204と、遮蔽筒204の上に載置される遮蔽上蓋206とを有し、遮蔽筒204の上端縁には切り欠いた形状の凹部、つまり配線通路204aが形成されている。勿論、遮蔽体200は、例えばステンレス鋼板で包囲した鉛などの放射線遮蔽機能を備えた材料で構成される。放射線検知器100から延びるケーブル100aは配線通路204aを通じて遮蔽筒204の内部から外部に取り出され、このケーブル100aによってパーソナルコンピュータPCに接続される。
遮蔽体200の変形例として、遮蔽底板202と遮蔽筒204とを一体化した有底の筒体で構成してもよい。例えば手袋、マスク、乾燥した土壌などの測定対象物Oはプラスティック製のトレー210に収容した状態で遮蔽底板202の上に載置された状態で遮蔽筒204と遮蔽上蓋206によって周囲環境から隔絶される。
放射線検知器100は測定対象物Oの上方域に位置決めされる。具体的には、放射線検知部102を下方つまり測定対象物Oに向けた状態で遮蔽体200の内部に設置される。好ましくは、放射線検知器100は測定対象物Oに近接した状態で位置決めするのがよい。線図が錯綜するため図示を省略したが、高さの異なる複数種類のスペーサが予め用意される。スペーサは遮蔽底板202と放射線検知器100との間に配置され、このスペーサによって放射線検知器100の検知部102と測定対象物Oとの間の間隔が数cm好ましくは数mmに調整される。この放射線検知部102と測定対象物Oとの間の間隔は小さければ小さいほど良い。
具体的な測定手順を説明すると次のとおりである。
(第1工程)
トレー210の中の測定対象物Oの上表面を極力平らにする。
(第2工程)
遮蔽底板202の上に置いた遮蔽筒204の中にトレー210(測定対象物O)を入れる。
(第3工程)
高さの異なるスペーサ群の中から適当なスペーサを選択して放射線検知器100の高さが所望の高さ位置になるように調整をする。
(第4工程)
遮蔽筒204の上に遮蔽上蓋206を置いて測定対象物O及び放射線検知器100を外部環境から遮蔽する。
(第5工程)
測定を開始する。
放射線検知器100の変形例を図7に示す。上述した実施例の放射線検知器100に含まれる3つのセンサ104A〜104Cは横並びに配置されているが、3つのセンサ104A〜104Cの配置は任意であり、図7に図示の変形例の検知器300は、3つのセンサ104A〜104Cが正面視三角形の頂点に配置されている。
α線は飛行距離が4cmと小さく且つ透過能力も低い。したがってα線を検知するには、放射線検知器100の検知部102と測定対象物Oとの間の間隔がα線の飛行距離よりも小さくなるように遮蔽体200内部での放射線検知器100の検知部102と測定対象物Oとの間の間隔を設定すればよい。
実際に遮蔽体200を使って放射線検知器100の検知部102と線源(241Am(アメリシウム))との間隔を変化させて放射線を計測した結果を示す。アメリシウム241はα線を放出することが知られている。
Figure 2014139555
表1の数値は30秒毎に計測した6回分の平均値である。この実験例から、α線の検知のためには、放射線検知器100の検知部102と測定対象物Oとの間の間隔を極力小さくする必要があることが分かる。
次に、遮蔽体200を使って放射線検知器100の検知部102と線源(ストロンチウム90(Sr90))との間隔を変化させて放射線を計測した結果を示す。ストロンチウム90はβ線を放出することが知られている。
Figure 2014139555
表2の数値は30秒毎に計測した6回分の平均値である。この実験例から、β線の検知のためには、α線と同様に、放射線検知器100の検知部102と測定対象物Oとの間の間隔を極力小さくするのが望ましいことが分かる。
図8、図9は、他の実施例の放射線検知器400は比較的大型であり、これを包囲する遮蔽体450は約800Kgの重量物である。放射線検知器400を収容した遮蔽体450は、空気調和システム502を備えた自動車500に搭載され、この自動車500の中で作業が行われる。外気温が低温になる冬期での適用を念頭に置いたときには、遮蔽体450の壁面での結露を回避するために遮蔽体450の壁を加熱することのできる電熱ヒーター(図示せず)を遮蔽体450に組み込むのが好ましい。
適用する自動車500は比較的大きなワンボックスカーであるのが望ましい。自動車500が乗員のために設置されている空気調和システム502によって車室504内の温度を適温に維持することができる。図8の参照符号510は跳ね上げ式のバックドアを示す。
遮蔽体450は開閉可能なスライド式の遮蔽ドア452を有し、この遮蔽ドア452を開けることにより測定対象物Oを遮蔽体450から出し入れすることができる。測定対象物Oを遮蔽体450の中に入れる前に、測定対象物Oの温度が車室504内の温度と同じになるまで車室504内に一時保管される。つまり、空気調和システム502によってほぼ一定温度に維持される車室504は、計測前の測定対象物Oに対して恒温室として機能する。これにより計測結果に対する測定対象物Oの温度誤差の問題を解消することができる。勿論、遮蔽体450の温度も車室504内の温度と同じである。
自動車500には、遮蔽体450に対する真空源としての真空ポンプ506が搭載され、この真空ポンプ506は自動車500のエンジン(図示せず)によって駆動される。真空ポンプ506にはその排気口に除染フィルタ508を設置するのがよい。
自動車500に搭載された放射線量測定装置Rに含まれる放射線検知器400は、図9に示すように、複数の検知ユニット402で構成され、各検知ユニット402に上述した3つのセンサ104が設置され、これに加えて任意であるが中性子を検出するための第4のセンサ404が設置される。
各検知ユニット402に含まれる3つのセンサ104及び第4のセンサ404は測定対象物Oに対する離間距離を調整することができる。また、各検知ユニット402を単位に測定対象物Oに対する離間距離を調整することができる。
この点について具体的に説明すると、各検知ユニット402のベースプレート406つまりセンサ104、404を支持するためのプレート406は、これに隣接するベースプレート406とヒンジ結合され、このヒンジ408によって隣接する2つのプレート406は手で任意の角度に屈曲させることができ、また、手を離したときの角度に維持することができる。これにより、各検知ユニット402を単位に測定対象物Oに対する離間距離を調整することができる。また、各検知ユニット402を単位に測定対象物Oに対する離間距離を調整することで、各検知ユニット402に含まれる3つのセンサ104及び第4のセンサ404と測定対象物Oとの間の間隔が実質的に調整される。勿論、各検知ユニット402に含まれるセンサ104、404を単位にヒンジ連結して、各センサ104、404を単位に測定対象物Oとの間の間隔を調整できるようにしてもよい。
各検知ユニット402に含まれる3つのセンサ104及び第4のセンサ404と測定対象物Oとの間の間隔を更に積極的に調整できるようにするために、複数の検知ユニット402のベースプレートを一枚の可撓性材料で構成するようにしてもよいし、各検知ユニット402のベースプレート406を可撓性材料で構成してもよい。
図示を省略したが、各検知ユニット402に設置された3つのセンサ104に関し、前述したようにその1つのセンサはフィルタ無しであり、他の一つのセンサには紙などのフィルタが設置され、残るセンサにはプラスティック板や薄い金属板(例えばアルミニウム板)などのフィルタが設置される。すなわち、各検知ユニット402に設置された3つのセンサ104に関し、一つのセンサはα線、β線、γ線を検知し、他のセンサはβ線、γ線を検知し(α線を遮蔽)、残るセンサはγ線を検知する(α線、β線を遮蔽)。
複数の検知ユニット402の互いに隣接するユニット402間の角度を任意に設定することができるため、図8に示すように例えば曲面の隆起した表面を備えた測定対象物Oの表面形状に沿った形状に放射線検知器400を設定することにより、測定対象物Oとセンサ104、404の離間距離をほぼ一定に保つことができる。
ワンボックスカー500に放射線量測定装置R及び遮蔽体450を搭載することにより、このワンボックスカー500を移動する測定室として使うことができる。また、比較的大型の遮蔽体450を搭載することにより、比較的大きな測定対象物Oも現場で測定することができる。
また、ワンボックスカー500が本来的に搭載している空気調和システム502を使って車室504の温度をほぼ一定の温度に維持することにより、放射線量の測定における温度誤差を小さくすることができる。
また、測定する前に測定対象物Oを車室504内に待機させることで、放射線測定時の測定対象物Oの温度をほぼ一定に保つことができる。また、遮蔽体450を真空ポンプ506によって可能な限りの真空状態にした遮蔽環境で測定対象物Oの放射線量を計測することで、ヘリウム原子核であるα線及び電子で構成されるβ線が空気の分子に衝突する頻度を低減でき、これにより一層正確な放射線量の検出が可能となる。
ワンボックスカー500を移動する測定室として用いることで、立ち入り禁止区域で作業している作業員の作業服や立ち入り禁止区域内の土壌などを立ち入り禁止区域の近くの駐車エリアで放射線量の測定が可能となる。
具体的には、ワンボックスカー500を現地の近くまで移動させ、バックドア510を開けて測定対象物Oを車室504内に入れ、車室504の温度を一定に保った状態でしばらくの間、測定対象物Oを車室504内に放置して測定対象物Oの温度が車室504内の温度とほぼ同じになったら、遮蔽体450の中に入れ、そして遮蔽体450の内部を真空状態にした後に測定対象物Oの放射線量の測定を行う。前述したように放射線量測定装置Rはα線、β線、γ線の夫々を検知できるため、各線量を個別にモニタ110に表示できると共にプリンタ112を使って紙に印刷することができる。
移動測定室であるワンボックスカー500を使った放射線量測定方法の具体な手順を説明すると次の通りである。
(1)ワンボックスカー500で現地に向かう。
(2)ワンボックスカー500を現地に駐車する。
(3)遮蔽体450の壁を加熱するヒーターをONして、遮蔽体450の壁に結露が発生しない状態まで遮蔽体450の壁を加熱する。
(4)ワンボックスカー500の空気調和システム502の動作を継続して車室504の温度を適温に維持し続ける。
(5)測定対象物Oを車室504内に入れて測定対象物Oが車室504内の温度とほぼ同じなるまで測定対象物Oを車室504内に放置する(測定対象物Oの一時保管)。
(6)車室504内に一時保管した測定対象物Oを遮蔽体450の中に入れて測定を開始する。
(7)遮蔽体450の内部を真空にする。
(8)測定結果をパーソナルコンピュータPCのメモリに記憶させると共にプリンタ112を使って出力する。
勿論、数多くの測定対象物Oをワンボックスカー500に収容し、車室504の温度と同じ温度になった測定対象物Oから順次、遮蔽体450の中に入れて測定を行うようにしてもよい。
図10〜図17は、測定対象物Oが発する放射線量を計測するのに好適に適用可能な遮蔽体600を示す。図10は平面図である。図11は正面図である。図12は右側面図である。図13は左側面図である。図14は背面図である。図15は底面図である。図16は斜視図である。図17は、使用状態を説明するための断面図である。
遮蔽体600は、上方に向けて開放したボックス体602と、平板状のスライド式上蓋604とを備え、この上蓋604を閉じることによりボックス体602の内部602aを遮蔽空間にすることができる。図16に示す参照符号606は左右一対のレールを示し、この2本のレール606、606は互いに平行であり、この2本のレール606、606に案内されて上蓋604を開閉動作させることができる。ボックス体602及び上蓋604は、例えばステンレス鋼板で包囲した鉛などの放射線遮蔽機能を備えた材料で構成される。
測定対象物Oは、トレー608の上に置いた状態でボックス体602の中に収容され(図17)、その上に、好ましい検出器として前述の第1〜第3の3つの放射線検知部102A、102B、102Cを備えた放射線検知器100が配置される(図16、図17)。
遮蔽体600を使った放射線測定において、入手可能な携帯式の放射線検知器、典型的にはサーベイメータ型の検知器を使用してもよい。また、図示を省略したが遮蔽体600の壁面を加熱する熱源を設けるのがよい。特にボックス体602の壁面を加熱する電気式の熱源を付設又はボックス体602に内蔵させて、ボックス体602を加熱することにより結露の発生を防止するのがよい。更に、ボックス体602の壁面温度を検出する温度センサを設け、遮蔽体600の温度、特にボックス体602の壁面温度を一定に維持するのが好ましい。
遮蔽体600は、上述したように自動車500に搭載して現場又は現場近くで測定対象物Oの放射線量を計測するのに用いてもよく、又は、室内に設置して、運び込んだ測定対象物Oの放射線量をサーベイメータ型の検出器を使って計測するのに用いてもよい。
100 放射線検知器
120B 紙片や合成樹脂製の薄いシートからなるフィルタ
120C 例えば1cmの厚さのプラスティック板や薄い金属板(例えばアルミニウム板)からなるフィルタ
408 ヒンジ
450 遮蔽体
500 ワンボックスカー
502 空気調和システム
506 真空ポンプ
PC パーソナルコンピュータ
R 放射線量測定装置

Claims (8)

  1. α線、β線、γ線を検知可能な第1、第2、第3の少なくとも3つのセンサを有し、
    前記第1のセンサがフィルタ無しであり、
    前記第2のセンサにはα線の通過を阻止する第1のフィルタが設置され、
    前記第3のセンサにはα線及びβ線の通過を阻止する第2のフィルタが設置されていることを特徴とする放射線検知器。
  2. 前記第1、第2のフィルタが脱着可能である、請求項1に記載の放射線検知器。
  3. 前記第1、第2、第3のセンサは、これら各センサと測定対象物との間の間隔が調整可能である、請求項1に記載の放射線検知器。
  4. 前記第1、第2、第3の少なくとも3つのセンサを備えた検知ユニットを複数有し、
    隣接する検知ユニットがヒンジ連結されている、請求項3に記載の放射線検知器。
  5. 中性子を検知する第4のセンサを更に有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の放射線検知器。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の放射線検知器と、
    該放射線検知器及び測定対象物を外部環境から遮蔽する遮蔽体と、
    前記放射線検知器からの信号を受けて、前記第1のセンサからの信号と前記第2のセンサからの信号とに基づいてβ線とγ線に関する放射線量に相当する値を求める第1演算処理と、
    前記放射線検知器からの信号を受けて、前記第2のセンサからの信号と前記第3のセンサからの信号とに基づいてγ線に関する放射線量に相当する値を求める第2演算処理と、
    前記第1演算処理によるβ線とγ線に関する放射線量に相当する値と、前記第2演算処理によるγ線に関する放射線量に相当する値とからβ線に関する放射線量に相当する値を求める第3演算処理と、
    前記第1のセンサからの信号に基づいてα線、β線、γ線に関する放射線量に相当する値と、前記第2、第3の演算処理によって求めたγ線、β線の各々に相当する値とからα線に関する放射線量に相当する値を求める第4演算処理とを行う演算手段と、
    該演算手段によって求めたα線、β線、γ線の各々の値を表示する表示手段とを有することを特徴とする放射線量測定装置。
  7. 前記演算手段によって求めたα線、β線、γ線の各々の値を紙に印刷するプリンタを更に有する、請求項6に記載の放射線量測定装置。
  8. 前記遮蔽体の中を真空状態にする真空源を更に有し、
    前記遮蔽体の中を真空にした状態で該遮蔽体の中に収容した測定対象物の放射線量を計測する、請求項6又は7に記載の放射線量測定装置。
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