JPH07209493A - 放射性廃棄物の選別装置およびその選別方法 - Google Patents

放射性廃棄物の選別装置およびその選別方法

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JPH07209493A
JPH07209493A JP6001240A JP124094A JPH07209493A JP H07209493 A JPH07209493 A JP H07209493A JP 6001240 A JP6001240 A JP 6001240A JP 124094 A JP124094 A JP 124094A JP H07209493 A JPH07209493 A JP H07209493A
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JP
Japan
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radioactive waste
ray
neutron
detector
waste container
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JP6001240A
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Inventor
Tetsuo Goto
哲夫 後藤
Nobuhide Kuribayashi
伸英 栗林
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】放射性廃棄物の非破壊による成分分析ができ、
作業員の放射線被曝と工数低減をはかる。 【構成】中性子源4から放射性廃棄物31へ熱中性子照射
する捕獲γ線分析装置AおよびX線発生装置23から放射
性廃棄物31へX線を照射する蛍光X線分析装置Bとの組
み合わせからなる。前者は放射性廃棄物31自体からの放
射線による窒息を軽元素フィルタ、コリメータ可変によ
り軽減する。後者はバックグランウンド補正を線源部の
変調と同期したメモリールータにより行う。軽元素の成
分については熱中性子による捕獲γ線分析のほか、中性
子の低減作用を組み合わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射性廃棄物の処理時
における材質の選別工程に用いられる放射性廃棄物の選
別装置およびその選別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所においては放射性廃棄物の
放射能レベルによる区分のほか放射性廃棄物を安全に保
管するため、放射性廃棄物の材質により選別する必要が
ある。従来は目視による選別を前提としており、既に放
射性廃棄物容器内に保管されているものについては開缶
して放射性廃棄物を取り出し、各々について個別に放射
線測定し選別を行っている。
【0003】材質を選別する技術の例として熱中性子の
捕獲にともなう即発γ線測定により石炭中の成分分析を
行う装置が知られている。この石炭中の成分分析用装置
は図13に示すような構成になっている。
【0004】すなわち、図13に示す装置はGe検出器1
を熱中性子吸収材2内に配置し、石炭3aを収納した石
炭容器3の反対側に中性子線源4を配置したもので、中
性子線源4は側面が中性子減速材5で覆われ、前部がγ
線遮蔽6で覆われ、後部が中性子遮蔽材7で覆われてい
る。高速中性子源4にはCF-252を用い、Ge検出器1に
より硫黄等の元素からの中性子捕獲即発γ線を測定す
る。
【0005】また、空港の手荷物検査において爆発物を
検知する場合、爆発物中に多量に含まれる窒素を対象と
し、手荷物の外部から高速中性子源および減速材の組み
合わせにより発生する熱中性子を照射し窒素の中性子捕
獲で発生する 10.8MeVの即発γ線をBGO検出器で測定
するシステム例が知られている。この例を図14により説
明する。
【0006】図14に示す空港の手荷物に用いられている
中性子捕獲即発γ線による爆発物検査装置は対向配置さ
れた一対の中性子源4がγ線遮蔽/中性子減速材14内に
設けられており、中性子源4間に手荷物13を挿入し、B
GO検出器8で放射線を検出し、その検出信号を線形増
幅器/波高弁別器9から計数回路11に入力しアラーム回
路12に出力する構成となっている。
【0007】X線の蛍光分析技術はX線源、検出器を組
み合わせたもので鉱物等の中の微量元素等に用いられて
いる。図15にその例を示す。すなわち、図15においては
円環状の放射線源を用いた蛍光X線分析装置で比較的エ
ネルギの低いγ線あるいはX線を放出する線減を円環状
に配置した円環状X線源47からの一次X線を被測定対象
物48に照射し、発生する蛍光X線を円環中央部に置かれ
た低エネルギ用Ge検出器49により測定するものであ
る。
【0008】円環状X線源47の種類は分析対象元素によ
り異なるが Co-57,Fe-55 などの核種が用いられてい
る。なお、図13から図15の装置はいずれも非放射性の物
質を対象とした放射線検出装置である。
【0009】放射性廃棄物を処理する場合においては材
質の選別が必要である。このため従来の材質選別装置に
ついては目視による確認を行う必要があり、作業者の放
射線被曝の観点、選別作業にともなう放射能汚染の拡大
の観点からも問題がある。また、放射性廃棄物の表面塗
装、錆、汚れ等がある場合には材質の識別は難しい。さ
らに、材質によっては目視による選別が困難なものがあ
る。また、最終的に容器内に保管されてしまった場合の
確認検査は不可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来例はいず
れも非放射性のものを測定するために開発されたもの
で、放射性廃棄物を測定する場合にはいくつかの問題が
ある。
【0011】熱中性子の捕獲にともなう即発γ線を利用
した装置は放射性廃棄物中の放射能自体から放出される
γ線の影響で妨害を受ける。図16は放射性廃棄物に熱中
性子を照射しGe検出器1でγ線のスペクトルを測定し
た例を示している。
【0012】測定されるγ線スペクトルは Co-60等の放
射性廃棄物中に含まれる放射能から放出される成分と、
熱中性子捕獲に起因する2MeV 以上の即発γ線を中心と
した成分との両者の和となる。
【0013】放射性廃棄物中の放射能量が多い場合には
放射性廃棄物から放出されるγ線に起因する信号による
高計数率になりGe検出器の検出部あるいは増幅部で信
号のパイルアップが起こり、放射性廃棄物中に含まれる
放射能から放出される本来の2MeV 以下のγ線エネルギ
領域より上方に尾を引いたスペクトルとなる。
【0014】測定対象となる熱中性子捕獲に起因する即
発γ線の検出下限を悪化させる。また、計数率が高くな
ると光電ピーク分解能の劣化、数え落としが増加し、最
終的には計数率が飽和し窒息に近い状態となる。
【0015】炭素、酸素といった有機物に含有される比
較的質量数の低い元素については中性子捕獲即発γ線の
放出に関わる断面積が低いため、少量の場合、検出は困
難である。
【0016】中性子による中性子捕獲即発γ線による分
析より感度の高い蛍光X線分析の場合、X線吸収端エネ
ルギは炭素に比べ原子番号の大きな酸素の場合で1.5KeV
しかなく、空気、放射性廃棄物容器、包装などで吸収さ
れてしまうため同様に検出は困難である。
【0017】ところで、放射性廃棄物の蛍光X線分析を
行うに当たっては測定対象自体が放射能を帯びているた
め、自分自身から発生するγ線あるいはX線により励起
された蛍光X線および放射性核種自体から放出されるX
線と外部の放射線源による励起による蛍光X線との弁別
が必要である。
【0018】この問題の解決法としては外部放射線放射
時および非照射時にそれぞれ測定し、前者のX線エネル
ギスペクトルから後者のそれを差し引く方法があるが放
射性廃棄物の測定対象面積が広い場合には同一試料に対
し動的走査を2回繰り返す必要性があり、処理時間の点
で不利である。
【0019】以上従来までの実用に供されている技術は
一次放射線および二次放射線の透過力の強さにより中性
子照射を用いた分析のように容器外から測定し得るもの
および蛍光X線分析技術のように放射性廃棄物本体自体
の分析にのみ適合し得る技術がある。しかしながら、前
者はメッキなどの表面にのみ微量に存在し得る元素の分
析については検出感度の点で不十分な課題がある。
【0020】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、例えば雑固体廃棄物の選別において人手によ
ることがなく自動的に選別でき、放射性廃棄物の非破壊
による成分分析ができ、作業員の放射線被曝低減と作業
工数の低減をはかることができる放射性廃棄物選別装置
およびその選別方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は放射性廃棄物容
器内に収納した放射性廃棄物に中性子線を照射する捕獲
γ線分析装置と、前記放射性廃棄物にX線を照射する蛍
光X線分析装置とからなり、前記捕獲線分析装置および
蛍光X線分析装置の検出器からの信号を増幅しA/D変
換して入力するプロセスメモリと、これらのプロセスメ
モリからの出力信号を入力する計算機と、この計算機か
らの出力信号を入力するアラーム発生回路とを具備した
ことを特徴とする。
【0022】また、前記捕獲γ線分析装置は中性子線源
および中性子減速材からなる熱中性子発生源により高速
中性子または中性子を前記放射性廃棄物容器外から放射
性廃棄物に照射し、Ge検出器により元素に固有なエネ
ルギを放出する中性子捕獲即発γ線を測定し、そのエネ
ルギおよび強度から前記放射性廃棄物容器内に含まれる
物質成分量を前記放射性廃棄物容器外から測定するもの
で、前記Ge検出器の前面に平均原子番号が29以下の遮
蔽板を設け、この遮蔽板により前記放射性廃棄物成分か
らの1.5MeV以上の中性子捕獲即発γ線の測定効率を前記
放射性廃棄物容器内に含有する放射能から放出されるγ
線に比べて損なうことなく減弱せしめるものであること
を特徴とする。
【0023】さらに、中性子減速材として重水を用い、
前記放射性廃棄物容器内に含有する放射能から放出され
るγ線の線束側測定器の測定値に応じて前記遮蔽板の厚
みを変える機構を有することを特徴とする。
【0024】また、前記蛍光X線分析装置は一次X線源
の前面に回転式または可動式スリットを設け、パルス状
に一次X線ビームを変調し、これに同期する形でスリッ
トの開口状態および非開口状態の両者の蛍光X線スペク
トルをX線エネルギスペクトル測定器により平行して測
定し、前者のX線エネルギスペクトルからの後者のX線
エネルギスペクトルを引き去ることにより一次X線源に
よる励起成分のみを取得するように構成されていること
を特徴とする。
【0025】
【作用】まず、中性子照射およびGe検出器による中性
子捕獲即発γ線測定技術を組み合わせた分析技術におい
て、放射性廃棄物が放射能を帯びているため、放射性廃
棄物から放出される放射線による窒息現象が生じること
に対する解決手段の一つとして、鉛等のコリメータによ
り検出器の開口部面積を狭くするか、または測定対象と
対象との距離をとることにより検出部へ到達するγ線の
数を制限する。
【0026】例えば、裸状態のGe検出器の場合、良好
な測定性能を持たせるには放射性廃棄物表面での線量当
量率0.01mSv/hr程度が測定の上限である。このため、例
えば放射性廃棄物中の想定される線量当量率上限を1mS
v/hrとした場合には、測定対象と検出器間の距離を取る
か、またはコリメーションによる絞りを入れることによ
りγ線の測定効率を1/100 程度まで低くする必要があ
る。
【0027】本発明においてはまず、放射性廃棄物中の
放射能量に応じて開口部を変化させる。これにより、測
定対象の多くを占める含有放射能の低い放射性廃棄物に
関しては開口部を広げ、含有放射能量の多い放射性廃棄
物に対しては開口部を狭め、その代わり測定時間を長く
取ることにより一定の計数率を得られるようにする。
【0028】例えば50mm径のGe検出器の前面に置かれ
た厚み 100mmの平行コリメータの場合、検出効率を1/10
に低下するには開口幅を10mmに減じる必要がある。この
場合、測定される計数を一定にするには10倍の測定時間
が必要である。また、検出器と放射性廃棄物の距離を含
有放射能の量に応じ変えることによっても同様な効果が
期待できる。
【0029】しかしながら、このような方法は、熱中性
子捕獲による即発γ線についても同様な割合で測定効率
が低下してしまうことになる。実際の放射性廃棄物につ
いては放射性廃棄物中の放射能は極めて低いものが大部
分であり、こうした形で感度を低下させる方法は多くの
対象に対して成分に対する分析感度を低下させる。
【0030】即ち、放射性廃棄物中の放射能から放出さ
れる放射線に起因する計数率とともに中性子捕獲即発γ
線に起因する計数率についても同様な割合で減少するた
め、検出し得る成分量の検出下限が悪化する。この対策
として中性子源の強度を必要感度の増加分に応じて増加
させるか、測定効率の低下分に応じて測定時間を延ばす
必要性がある。
【0031】この結果、前者の場合には被曝の観点、線
源の取扱上の観点から課題を生じる。特に中性子源およ
び照射部周辺の遮断を十分取る必要性が生じ、コストや
全体のスペースが増大するため好ましくない。また、後
者については処理時間の低下を招く課題を生じる。
【0032】熱中性子の捕獲にともなう即発γ線を利用
した放射性廃棄物用成分分析装置に対する上記の課題の
解決手段としては比較的軽い元素によりGe検出器にフ
ィルタをかける方法である、これが適用可能な理由を以
下に示す。
【0033】原子力施設で発生する放射性核種でかつ比
較的長い半減期を持つ核種より放出されるγ線のエネル
ギは高々1.5MeVである。一方、下記表1に示すように主
要な元素の中性子捕獲即発γ線のエネルギについては2M
eV以上で、10MeV 程度のものまである。
【0034】
【表1】 本発明はかかる背景に基づくもので、コリメータ開口部
を放射性廃棄物容器内に含有される放射能強度により可
変とするのでなく、γ線用コリメータあるいは遮蔽材と
して通常使用されない原子番号の低い元素からなる吸収
板を放射性廃棄物容器内に含有される放射能強度に応じ
てGe検出器の前面に順次設け、放射性廃棄物容器内の
放射性核種から放出される中性子捕獲即発γ線に比べて
比較的エネルギの低いγ線を選択的に減衰せしめて放射
性廃棄物容器内の放射能強度が強い場合に検出器の検出
器の計数率負荷を減らし良好な測定を可能にする。
【0035】原子番号の低い元素がγ線吸収板として良
好な理由は次の通りである。通常γ線に対して良好な遮
蔽体である鉛や銅等の重金属についてはγ線エネルギが
2MeV以上になると電子対生成の影響が増大し質量吸収係
数はエネルギの増加に伴い、増加する。
【0036】しかしながら、原子番号29以下の軽元素に
ついては質量吸収係数はエネルギの増加に伴い減少す
る。下記表2は一次γ線が1/10になるのに必要な厚みを
放射性廃棄物中に含有する核種から放出が測定されるエ
ネルギー(1MeV )に対して求め、その厚みに対する2
および8MeV のγ線に対しての透過率を計算したもので
ある。
【0037】これからわかるのように通常遮蔽材(吸収
材)として用いられる鉛などの金属についてはエネルギ
が高い場合でも減衰の度合いは2MeV γ線に比べて変化
はない。一方、軽元素を用いた場合には放射性廃棄物か
らのγ線に比べ8MeV のγ線の減衰割合は少なくS/N
比はγ線吸収板を設けることにより向上が得られること
がわかる。
【0038】
【表2】 放射性廃棄物中の放射能量のばらつきが少ない場合に
は、γ線吸収板は固定にしてもGe検出器のダイナミッ
クレンジを広くとれるため対応可能である。
【0039】しかしながら、放射能強度の弱いものにつ
いてはγ線吸収板を固定することは材質の検出感度を犠
牲にする結果となり、得策ではない。また、放射能強度
の範囲が広いものに対しては適用できない。こうした場
合にはγ線吸収板の厚みを放射性廃棄物中の放射能強度
に応じて変える必要がある。
【0040】上記の手段は、測定対象成分の中性子捕獲
即発γ線の断面積が比較的高い場合には有効であるが
C,0といった比較的質量数の低い元素については中性
子捕獲即発γ線の放出に関わる断面積が低いため検出限
界量が高くなる。したがって、こうした元素を対象とし
た場合には高速中性子の減速効果の利用が必要である。
【0041】容器外から高速中性子を容器内の放射性廃
棄物に照射する。中性子の減速効果は軽元素ほど著し
く、熱中性子まで減速される比率は軽元素の成分比に大
きく影響される。したがって、高速中性子の線束および
熱中性子の線束の比率を取ることにより放射性廃棄物内
の軽元素の比率が求められる。
【0042】熱化される中性子の高速中性子との線束比
率と軽元素の重量とは図17に示すように比例関係にあ
る。したがって、熱中性子用検出器による熱中性子束の
測定により軽元素の含有量の計測が行える。
【0043】金属が主体の放射性廃棄物の場合、熱中性
子が内部で吸収される比率が大きい場合もあり、熱外中
性子を照射した方がより感度のよい測定ができる場合が
ある。この場合には単なる中性子減速材の代わりに熱中
性子の吸収材を含む中性子減速材を照射方向に設け、熱
外中性子検出器による測定を行った方が有効である。
【0044】放射性廃棄物の性状は対象によって極めて
多岐に亘る場合があり、成分分析の対象もメッキなどの
金属表面に微量に付着したものが対象となる可能性があ
る。こうした対象については中性子を用いた方法では、
検出感度の点で不十分な恐れがあるため、容器外へ取り
出し後、蛍光X線分析による表面測定を行うのが有効で
ある。
【0045】但し、軽元素については特性X線のエネル
ギが数KeVしかないので、検出器の入射窓による吸
収、空気の吸収とによる減衰が著しく測定効率が低下し
てしまうか、あるいは対象放射性廃棄物から検出器まで
の距離がとれない点の両者で適用性は少なく、亜鉛、カ
ドミウム等の重金属が分析対象となる。
【0046】X線用検出器として用いるSi検出器およ
びGe検出器は検出部の結晶厚が薄いため、放射性廃棄
物からの比較的高いγ線に対する感度は低く、検出器の
信号のパイルアップによる悪影響、窒息減少は通常のG
e検出器に比較して起こりにくい。
【0047】蛍光X線分析技術を放射性廃棄物の成分分
析に使用する際の問題点は放射性廃棄物中の放射能から
放出する放射線により自発的に発生する蛍光X線による
妨害である。
【0048】このため、X管照射部自体または前面に置
かれたコリメータの開閉により時間的変調をかけ開閉と
同期したルータにより照射等および非照射時のスペクト
ルを同時に測定し、それぞれのデータを差し引くことに
よりX線照射にともなう正味の蛍光X線スペクトルが求
められる。
【0049】以上、効果的に材質の選別を行うためには
上記放射性廃棄物を対象とした選別法を有効に組み合わ
せる必要がある。
【0050】中性子を用いた測定技術は、中性子または
中性子の捕獲により発生するγ線とも透過力が強いた
め、放射性廃棄物容器外からの計測が可能である。しか
しながら、上述したように対象によっては上面だけに付
着した微量成分の測定が要求されることがあり、このよ
うな場合は蛍光X線分析の併用が必要である。
【0051】蛍光分析は原子番号の大きい元素について
は有効であり、検出感度も高いが軽元素については適用
できず、また、測定対象から発生する特性X線のエネル
ギが低いため容器外からの測定は不可能である。
【0052】両者の特徴を生かし、かつできるだけ広い
対象元素、放射性廃棄物形態の自動選別を可能とするた
め、選別プロセスに熱中性子即発γ線測定に基づく容器
外からの計測システムおよび容器から取り出し後、蛍光
X線検査装置を組み合わせることによりそれぞれ放射性
廃棄物の成分分析の自動化が可能となる。
【0053】
【実施例】図1から図3を参照しながら本発明に係る放
射性廃棄物の選別装置の実施例を説明する。図1(a)
はGe検出器1と中性子線源4を組込んでなる中性子捕
獲即発γ線を用いた捕獲γ線分析装置Aと、X線発生装
置23とX線検出器24を組込んでなる蛍光X線分析装置B
とを直列に配置して構成した放射性廃棄物の選別装置を
示している。
【0054】放射性廃棄物31は板状体でローラコンベア
32上に載置されて移動できるようになっている。中性子
線源4は前面が中性子減速材5で覆われ、全体が中性子
遮蔽材7で包囲されている。
【0055】しかして、図1(b)の測定回路に示した
ように、本実施例では捕獲γ線分析装置A側と蛍光X線
分析装置B側ともに中性子捕獲即発γ線および蛍光X線
からのGe検出器1およびX線検出器24で測定された信
号パルスを前置増幅器50、線形増幅器26、AD変換器25
を経てプロセスメモリ28にエネルギスペクトルの形でス
トアし、計算機21により光電ピーク計数率がそれぞれ計
算され、アラーム発生回路45に入力する。
【0056】一方、選別の対象となる元素についてはそ
れぞれのX線もしくはγ線エネルギがリスト化されてお
り光電ピークが該当するエネルギとの照合により各光電
ピークがどの元素に起因するかの照合が行われる。
【0057】光電ピーク計数率は中性子による即発γ線
の測定においては放射性廃棄物中の該当元素の濃度に相
当し、一方、蛍光X線分析装置Bにおいては蛍光X線の
エネルギが低く透過力が弱いため、放射性廃棄物の表面
における単位表面あたりの元素密度に相当する値とな
る。
【0058】選別のしきい値はその後の処理の安全性な
どを考慮し予め、濃度、表面密度、あるいは放射性廃棄
物あたりの全量で制限されており、上記の光電ピーク計
数率を放射性廃棄物の重量で除した値、表面積で除した
値あるいは光電ピーク計数率そのものの値の上限値とし
てリスト化されている。これらピーク計数値などの値が
上限値を超した場合はアラームとしてアラーム発生回路
45から警報を発生するようになっている。
【0059】図2および図3は上記に述べた非破壊によ
る放射性廃棄物用成分分析装置を組み合わせた放射性廃
棄物選別フローを示す。図3は全て開缶し取り出し後、
放射性廃棄物あるいは補助的な容器、梱包袋単位で蛍光
X線もしくは中性子照射による選別を行うことを前提と
したフローである。
【0060】図2における放射性廃棄物選別方法は放射
性廃棄物容器外から中性子を照射させ、中性子の減速,
散乱線強度および捕獲にともなう即発γ線の組み合わせ
により放射性廃棄物の元素組成を放射性廃棄物容器内に
含まれる物質の成分量を放射性廃棄物容器外から分析す
る工程によりまず選別が必要な放射性廃棄物容器を選別
する。
【0061】そして、放射性廃棄物容器外から取り出し
後の放射性廃棄物に対しては、人手または蛍光X線およ
び中性子の中性子捕獲即発γ線を用いたした成分分析工
程の組み合わせにより放射性廃棄物を成分による選別す
る。
【0062】すなわち、図2において、非破壊分析装置
において放射性廃棄物の選別方法は、放射性廃棄物容器
外からの測定により除外すべき成分の有無を判定し、有
りの場合には放射性廃棄物容器を開缶して内容物を取り
出し、選別/再充填する。そして、再度放射性廃棄物容
器外から測定し、除去すべき成分の有無を測定し終了す
る。
【0063】図3における放射性廃棄物の選別方法では
放射性廃棄物容器を開缶して内容物を取り出し、蛍光X
線分析/中性子分析を行い、除外すべき成分を判断す
る。除去すべき成分がNOの場合、再充填し、放射性廃
棄物容器外からの測定を行い、除外すべき成分なしの場
合をもって終了とする。最初の除外すべき成分がYES
の場合は除外し、最後の除外成分が有りの場合は最初に
戻る。
【0064】しかして、本実施例によれば熱中性子照射
による捕獲γ線分析および蛍光X線分析の組合わせを基
本とし、前者については放射性廃棄物自体からの放射線
による窒素を後述する軽元素フィルタ、コリメータの可
変等により軽減し、後者については後述するようにバッ
クグランド補正を線源部の変調と同期したメモリルータ
により解決する。よって、放射性廃棄物の非破壊による
成分分析が可能となり、作業員の放射線被曝,工数の低
減がはかれる。
【0065】次に図4から図12により上記実施例で使用
するγ線分析装置と蛍光X線分析装置の具体化例につい
て個々に説明する。図4はCf-252等の中性子源4からの
高速中性子を放射性廃棄物容器22外から放射性廃棄物に
照射させ、放射性廃棄物容器22の周囲に置かれた熱中性
子用検出器15および高速中性子用検出器19により内部
で減速され熱中性子線束および高速中性子をそれぞれ測
定する放射性廃棄物分析装置である。
【0066】放射性廃棄物容器22は全体を平均して照射
するため、回転テーブル上に置かれる。大型のものにつ
いては回転台ごと昇降台におかれ螺旋状に走査させる機
構が必要である。熱中性子用検出器15としてはBF3
例計数管、B10比例計数等が使用可能である。
【0067】一方、高速中性子用検出器19としては周囲
に熱中性子吸収板であるCd板等を巻き、さらにパラフ
ィン、ポリエチレン等の中性子減速材を巻いた熱中性子
用検出器が使用し得る。各検出器からの計数信号はカウ
ンタ/タイマ18によりデジタル化されカウンタースキャ
ナー20を通じてそれぞれ計算機21に取り込まれる。
【0068】計算機21では熱中性子用検出器15および高
速中性子用検出器19のそれぞれの計数の比率が求めら
れ、あらかじめ軽元素の量に対して校正された校正曲線
により放射性廃棄物容器22内に含まれる軽元素の成分量
軽元素の量が求められる。
【0069】また、図5は図4と同様な構成であるが、
図4と異なる点は熱中性子用検出器15の代わりに熱外中
性子検出器16を使用してこの検出器16の周囲に熱中性子
吸収板17を設けた例である。熱外中性子用検出器16とし
てはHe-3検出器が適用可能である。
【0070】図6は蛍光X線を用いた蛍光X線分析装置
の構成例である。X線発生装置23またはγ線放射線源前
面に回転式スリット33を設けてある。スリット33の開口
部と遮蔽部の境界は回転方向位置検出器34によって検知
され、X線検出器24の一部が遮蔽される遷移部の前後に
おける位置信号が取り出される。
【0071】一方、放射性廃棄物から放出される蛍光X
線測定のためのX線エネルギスペルクトル検出器24はS
i検出器あるいはGe検出器等の数mm程度の厚みの結晶
を有する検出器が用いられる。
【0072】X線エネルギスペルトル検出器24からの信
号は前置増幅器37、線形増幅器26を経てAD変換器27で
ディタル信号に変換され、ルータ27を通じて2系統のプ
ロセスメモリ28に分配される。位置信号は論理回路によ
りルータ27の切り替え信号およびプロセスメモリ28のO
N−OFF信号に変換される。
【0073】この結果、スリットが開の状態および閉状
態のそれぞれに対応する蛍光X線エネルギスペクトルが
2つのプロセスメモリ28に平行して取得される。スリッ
トの開状態および閉状態の両者の蛍光X線スペクトルは
計算機により取り込まれ、スペクトル間の減算処理が行
われ元素に固有な光電ピークの高さから元素の定量が可
能となる。
【0074】本実施例によればX線発生装置またはγ線
放射線源による励起成分のみのX線成分の取得が可能に
なる。また、スリットは回転式の他、平行に振動する機
構を有し開口部と閉鎖部が交互する構造でもよい。
【0075】また、同様な効果は図7に示すようにX線
発生装置23の電源をクロック発生回路により一定周期で
ON−OFFすることによっても達成し得る。この場合
はX線発生回路の高圧部のON−OFFに同期する形で
プロセスメモリ用ルータ27により照射時および非照射時
のX線エネルギスペクトル検出器X線からのエネルギス
ペクトルが2つのプロセスメモリ28にそれぞれ平行して
ストアされる。
【0076】図8は中性子捕獲即発γ線を用いた分析装
置の実施例の基本体系である。放射性廃棄物容器22外
に置かれた高速中性子線源4および中性子減速材5から
なる熱中性子発生源およびGe検出器1から構成され
る。放射性廃棄物容器22は全体を平均して照射するため
回転テーブル35上に置かれる。大型のものについては回
転台ごと昇降台に置かれ、螺旋状に走査される機構が必
要である。
【0077】Ge検出器1は放射性廃棄物の散乱中性子
線が検出器外周辺構造材、Ge結晶に入射し、中性子捕
獲即発γ線を発生する影響を防ぐ意味から炭化リチウム
等の熱中性子捕獲材を含むパラフィン等の減速材からな
る中性子遮蔽材で覆うことが望ましい。
【0078】放射性廃棄物の中性子照射により発生した
中性子捕獲即発γ線はGe検出器1により測定され前置
増幅器37、線形増幅器26およびAD変換器25を経てγ線
エネルギスペクトルとしてプロセスメモリ28にストアさ
れる。測定完了後プロセスメモリ28から計算機21にγ線
のエネルギスペクトルが取得される。
【0079】さらにこのデータからγ線エネルギ、光電
ピーク計数率が計算され、元素に固有なエネルギを放出
する中性子捕獲即発γ線を測定し、事前に取得されたエ
ネルギおよび光電ピーク計数率−元素量校正曲線から放
射性廃棄物中の対象元素量が計算される。
【0080】上記構成においては、放射性廃棄物容器内
の放射性廃棄物中の汚染放射能の強度が強い場合にはパ
ルスのパイルアップの影響でγ線スペクトルの形状が悪
影響を受ける場合がある。このため図9はGe検出器1
の前面に平均原子番号が低い(29以下)のγ線吸収板
(遮蔽板)36を設けたものである。
【0081】γ線吸収板36は SiO2 、アルミニウム板等
が想定されるが散乱中性子線による中性子捕獲即発γ線
の影響を避けるため、評価対象となる放射性廃棄物成分
が含まれているものは避けることが望ましい。
【0082】γ線吸収板36としては例えば SiO2 を用い
た場合には 280mm厚のγ線吸収板36を設けることにより
1MeV 以下のγ線については 1/100程度の減衰効果が得
られるが例えば8MeV の中性子捕獲即発γ線に対しては
1/5弱の減衰に留まる。
【0083】放射性廃棄物容器22内に含有する放射能に
ついては1MeV 程度のものが多く、このため、放射性廃
棄物中に含まれる主要な元素が放出する中性子捕獲即発
γ線を放射性廃棄物から放出されるγ線に比べて相対的
に損なうことなく減弱させることができる。
【0084】対象放射性廃棄物の放射能量範囲が極めて
広く放射能量が非常に多いものまで対象となることが想
定される場合にはγ線吸収板(遮蔽板)36は図10に示す
ように可変とすることが測定上望ましい。
【0085】すなわち、放射性廃棄物容器22内に含有す
る放射能から放出されるγ線の強度を測定するγ線束測
定器39を図11に示すように放射性廃棄物容器22外に設
け、放射性廃棄物容器22内の放射能強度に応じてステッ
プ状に検出器用遮蔽板つまり、くさび状γ線吸収板38の
厚みを切り替える。γ線束測定器39としてはNaI検出
器、電離箱式検出器等の線量当量率測定値が用いられ
る。
【0086】γ線束測定器39からの信号は増幅器37、2
6、シングルチャンネル波高弁別器、計数率計、AD変
換器25等を経て計算機21へ取り込まれる。
【0087】計算機21では予め求められた切り替え条件
にしたがって放射能強度に応じフィルタ位置情報を出力
しGe検出器1の前面に置かれたγ線吸収板36の厚みを
増す。γ線吸収板についてはγ線遮蔽板とも称すが、図
11に示すようなくさび状γ線吸収板38を移動させるか、
または数枚の薄いγ線吸収板36を設置しておき適宜数枚
を増減する方式が適用できる。
【0088】また、同様な効果は別途設けられた放射性
廃棄物容器内に含有する放射能から放出されるγ線束測
定器39の測定値に応じてGe検出器1と放射性廃棄物容
器22との距離を可変することによっても得られる。
【0089】これを実現するためには放射性廃棄物容器
22用の回転テーブル35を移動可能な台車上に設置し、G
e検出器1との距離をγ線束測定器39の測定値により可
変とする、また、Ge検出器1を移動可能な台車上に設
置し放射性廃棄物容器22との距離を可変としても同様な
効果が得られる。
【0090】しかしながら、γ線吸収板を用いた場合と
比べ距離を変えた場合の感度の低減効果は放射性廃棄物
中の汚染放射能から発生するγ線に対しても対象元素か
らの中性子捕獲即発γ線に対するのと同様な感度の低下
が生じ、軽元素遮蔽板のような選択的効果は望めない。
【0091】また、同様な効果を生むものとしては図12
に示す実施例のようにγ線束測定器39の測定値に応じて
開口部面積を可変とするコリメータ44をGe検出器1の
前面に設けてもよい。放射性廃棄物の放射能強度が高い
場合には計算機により予め記憶してある感度−コリメー
タ44幅の最適条件関係にしたがって駆動モータ43により
開口幅を狭め、弱い場合には広める。
【0092】また、成分の分析対象に水素が入っている
場合には、減速材中に水素を含有する中性子減速材を用
いた場合、水素の中性子捕獲即発γ線の影響により測定
対象放射性廃棄物中の水素の測定を妨害する可能性があ
る。一方、重水は捕獲にともなうγ線の放出がないた
め、このような可能性はなく、重水を減速材として用い
ることは有効である。
【0093】
【発明の効果】本発明によれば、中性子を利用した放射
性廃棄物用γ線分析装置と蛍光X線を用いた分析装置の
両者を組み合わせることにより軽元素から重金属までの
広範な元素を対象とした非破壊により分別測定ができ
る。また、その際、放射性廃棄物自体の影響が少ない分
別測定ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る放射性廃棄物選別装置の
第1の実施例を示す概念図、(b)は(a)における装
置の測定回路を示すブロック図。
【図2】本発明に係る放射性廃棄物選別方法の一実施例
を説明するための流れ線図。
【図3】図2において他の装置を組み合わせた例を説明
するための流れ線図。
【図4】本発明で使用する放射性廃棄物用分析装置の第
1の例の測定回路を示すブロック図。
【図5】図4において熱中性子用検出器の代りに熱外中
性子用検出器を使用した例の測定回路を示すブロック
図。
【図6】本発明で使用する蛍光X線分析装置を用いた放
射性廃棄物用分析装置の第1の例を示す装置配置図。
【図7】本発明で使用する蛍光X線分析装置を用いた放
射性廃棄物用分析装置の第2の例を示す装置配置図。
【図8】本発明で使用する中性子線源およびGe検出器
を用いた放射性廃棄物用分析装置の例を示す装置配置
図。
【図9】図8において、Ge検出器の前面にγ線吸収板
を配置した例の測定回路と装置配置を示す配置図。
【図10】図8においてγ線吸収板を多重に配置した例
の測定回路と装置配置図。
【図11】図10において遮蔽体厚みを放射性廃棄物容
器の表面線量率可変機構と測定回路を示す装置配置図。
【図12】図11における他の例の測定回路と装置配置
図。
【図13】従来の放射線測定により石炭中の成分を分析
する装置を概略的に示す装置配置図。
【図14】従来の放射線測定による手荷物検査装置の概
要を示す装置配置図。
【図15】従来の蛍光X線分析装置を示す装置配置図。
【図16】放射性廃棄物に熱中性子を照射してγ線を測
定したγ線スペクトル線図。
【図17】放射性廃棄物容器内面の軽元素の重量と熱中
性子/高速中性子比との関係を示す線図。
【符号の説明】
1…Ge検出器、2…熱中性子吸収材、3…石炭容器、
3a…石炭、4…中性子線源、5…中性子減速材、6…
γ線遮蔽、7…中性子遮蔽材、8…BGO検出器、9…
線形増幅器/波高弁別器、10…高圧電源、11…計数回
路、12…アラーム回路、13…手荷物、14…γ線遮蔽/中
性子減速材、15…熱中性子用検出器、16…熱外中性子用
検出器、17…熱中性子吸収板、18…カウンタ&タイマ、
19…高速中性子用検出器、20…カウンタスキャナ、21…
計算機、22…放射性廃棄物容器、23…X線発生装置、24
…X線(エネルギスペクトル)用検出器、25…AD変換
器、26…線形増幅器、27…メモリィ・ルータ、28…プロ
セスメモリ、29…高圧制御回路、30…同期信号発生回
路、31…放射性廃棄物、32…ローラコンベア、33…回転
スリット、34…回転方向位置検出器、35…回転テーブ
ル、36…γ線吸収板(遮蔽板)、37…前置増幅器、38…
くさび状γ線吸収板、39…γ線束測定器、40…位置制御
器、41…計数回路、42…インターフェイス、43…駆動モ
ータ、44…コリメータ、45…アラーム発生回路、46…遮
蔽板、47…円環状X線源、48…被測定対象物、49…低エ
ネルギ用Ge検出器、50…前置増幅器、A…捕獲γ線分
析装置、B…蛍光X線分析装置。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射性廃棄物容器内に収納した放射性廃
    棄物に中性子線を照射する捕獲γ線分析装置と、前記放
    射性廃棄物にX線を照射する蛍光X線分析装置とからな
    り、前記捕獲γ線分析装置および蛍光X線分析装置の検
    出器からの信号を増幅しA/D変換して入力するプロセ
    スメモリと、これらのプロセスメモリからの出力信号を
    入力する計算機と、この計算機からの出力信号を入力す
    るアラーム発生回路とを具備したことを特徴とする放射
    性廃棄物の選別装置。
  2. 【請求項2】 前記捕獲γ線分析装置は中性子線源およ
    び中性子減速材からなる熱中性子発生源により高速中性
    子または中性子を前記放射性廃棄物容器外から放射性廃
    棄物に照射し、Ge検出器により元素に固有なエネルギ
    を放出する中性子捕獲即発γ線を測定し、そのエネルギ
    および強度から前記放射性廃棄物容器内に含まれる物質
    成分量を前記放射性廃棄物容器外から測定するもので、
    前記Ge検出器の前面に平均原子番号が29以下の遮蔽板
    を設け、この遮蔽板により前記放射性廃棄物成分からの
    1.5MeV以上の中性子捕獲即発γ線の測定効率を前記放射
    性廃棄物容器内に含有する放射能から放出されるγ線に
    比べて損なうことなく減弱せしめることを特徴とする請
    求項1記載の放射性廃棄物の選別装置。
  3. 【請求項3】 前記中性子減速材として重水を用い、前
    記放射性廃棄物容器内に含有する放射能から放出される
    γ線の線束側測定器の測定値に応じて前記遮蔽板の厚み
    を変える機構を有することを特徴とする請求項2記載の
    放射性廃棄物の選別装置。
  4. 【請求項4】 前記蛍光X線分析装置は一次X線源の前
    面に回転式または可動式スリットを設け、パルス状に一
    次X線ビームを変調し、これに同期する形で前記スリッ
    トの開口状態および非開口状態の両者の蛍光X線スペク
    トルをX線エネルギスペクトル測定器により平行して測
    定し、前者のX線エネルギスペクトルからの後者のX線
    エネルギスペクトルを引き去ることにより一次X線源に
    よる励起成分のみを取得するように構成されていること
    を特徴とする請求項1記載の放射性廃棄物の選別装置。
  5. 【請求項5】 前記蛍光X線分析装置は外部クロック信
    号によりX線発生装置の高圧発生回路をオン−オフし、
    同時にX線エネルギスペクトル測定器からの波高デジタ
    ル信号を外部クロック信号に同期する形で2つ以上のメ
    モリに切り替え、X線発生装置の照射状態および非照射
    状態の両者の蛍光X線スペクトルを平行して測定し、前
    者のX線エネルギスペクトルから後者のX線エネルギス
    ペクトルを引き去りを可能としX線発生装置による励起
    成分のみを取得するように構成されていることを特徴と
    する請求項1記載の放射性廃棄物の選別装置。
  6. 【請求項6】 高速中性子を放射性廃棄物容器外からこ
    の放射性廃棄物容器内に収納した放射性廃棄物に照射
    し、前記放射性廃棄物容器の周囲に配置された熱中性子
    用検出器および高速中性子用検出器により前記放射性廃
    棄物容器内で減速された熱中性子線束および散乱を受け
    ることなく透過した高速中性子をそれぞれ測定し、両者
    の比率を測定することにより前記放射性廃棄物容器内の
    放射性廃棄物中に含まれる軽元素の成分量を前記放射性
    廃棄物容器外から測定することを特徴とする放射性廃棄
    物の選別方法。
  7. 【請求項7】 放射性廃棄物容器外からこの放射性廃棄
    物容器内に収納した放射性廃棄物に中性子を照射し、中
    性子の減速,散乱線強度および捕獲にともなう中性子捕
    獲即発γ線の組み合わせにより前記放射性廃棄物中に含
    まれる元素組成を前記放射性廃棄物容器外から成分分析
    する工程と、前記放射性廃棄物容器外から取り出し後の
    前記放射性廃棄物に対しては蛍光X線および中性子捕獲
    即発γ線を用いて成分分析する工程とからなることを特
    徴とする放射性廃棄物の選別方法。
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