JP2015052533A - クロマトグラフィー装置およびクロマトグラフィー方法 - Google Patents

クロマトグラフィー装置およびクロマトグラフィー方法 Download PDF

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将行 上川
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Keisuke Shibuya
啓介 渋谷
靖彦 多田
Yasuhiko Tada
靖彦 多田
惟 杉田
Yui SUGITA
惟 杉田
優史 丸山
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優史 丸山
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俊明 松尾
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聖 村上
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Abstract

【課題】装置の安定運転を確保するとともに、目的物質の分離・回収の効率化を図る。
【解決手段】クロマトグラフィー装置100は、複数の分離カラム1A,1B,1Cと、複数の溶液リザーバー5,6,7,8,9と、選択バルブ15と、分離カラム1A,1B,1Cそれぞれの上流側に設けられた圧力センサ47,48,49と、制御装置40と、を備える。制御装置40は、圧力センサ47,48,49により異常圧力を検出したときには、選択バルブ15を介して、溶液リザーバー5,6,7,8,9からの異常が検出された分離カラムへの送液を停止するとともに、異常が検出されていない残余の分離カラムに、予め用意された異常時のプログラムに従って溶液リザーバー5,6,7,8,9からの溶液を供給し、目的物質の精製処理を継続させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、バイオ医薬品などの製造に好適なクロマトグラフィー技術に関する。
分離対象の物質を含む移動相を固定相に通過させることで移動相から必要な物質を分離するクロマトグラフィー装置は、例えば、細胞培養により生産した有用物質を分離する際に利用される。例えば、有用物質である抗体医薬は、抗体産生能を有する動物細胞を培養し、培養液に分泌された抗体を分離・精製することにより得ることができる。
すなわち、抗体医薬などの有用物質は、培養液から細胞を除去した後、クロマトグラフィー装置を用いて分離・精製される。また、微生物を用いて所定の有用物質を製造する場合、当該有用物質は細胞内に蓄積される場合が多い。この場合、有用物質は、細胞を破砕した後、溶液から固形物を除去し、その後、クロマトグラフィー装置を用いて分離・精製される。
一般に、抗体医薬は、清澄化工程、回収工程、中間精製工程および最終精製工程を経て製造される。これらの製造工程では、精製しようとする抗体の種類に応じて、各工程では様々な分離装置すなわちクロマトグラフィー装置が用いられる。なお、その分離装置のいずれもが、段階的に抗体の純度を高め、分離対象の抗体の選択性を高めていくプロセスを有する点では共通している。
清澄化工程では、培養液から抗体以外のタンパク質や固形物ができるだけ除去される。一般に、培養液は、抗体の種類ごとに、その成分が血清、腹水、ハイブリドーマ細胞培養液などと異なり、その含有物が異なっている。培養液は、塩析、フィルターによるろ過、遠心分離などにより清澄化される。
また、回収工程では、とくに抗体を分離・回収するような場合、一般的にアフィニティークロマトグラフィー装置が用いられる。例えば、分離対象の抗体がIgGの場合には、プロテインAやプロテインGをリガンドとした非常に特異性の高いアフィニティークロマトグラフィー技術が用いられ、その場合、ワンステップで純度90%以上の抗体精製が実現されている。一方、プロテインAやプロテインGとの親和性が低い抗体、例えばIgMやIgYを分離対象とする場合には、Thiophilic interactionを利用したアフィニティークロマトグラフィー技術が用いられる。また、IgA、IgDおよびIgEを分離対象とする場合は、血中濃度が低いことや、親和性の高いアフィニティーリガンドがないことから、その抗体を認識する二次抗体を固定したアフィニティークロマトグラフィー技術が用いられる。
この回収工程においては、処理スピードと処理容量が重要であり、分離対象の抗体を細胞抽出液などのクルードな状態から速やかに分離・濃縮することが求められる。以降の工程を容易とするためである。
次に、中間精製工程では、回収工程で分離対象の抗体とともに回収された夾雑物が除去される。この工程では、処理溶液量が多いので、処理量が大きいイオン交換クロマトグラフィー装置が一般的に用いられている。なお、処理溶液量が少ない場合は、回収工程と中間精製工程とをワンステップで行うことも可能である。
最後の最終精製工程は、高性能カラムを用いてわずかに残存する夾雑物を分離し、最終的な精製抗体とするための工程である。抗体を精製する最終精製工程では、高分離能なカラムによるゲルろ過クロマトグラフィー装置が一般的に用いられている。ゲルろ過クロマトグラフィー装置を用いることで、構造解析を阻害するレベルの低分子物質の除去とあわせて、バッファーの交換も行うことが可能である。
ところで、バイオ医薬品製造においては、一般に容量が約10mの培養槽を複数設置し、それら培養槽内で動物細胞を培養した後、バイオ医薬品(例えば、抗体)を含む大量の培養液(1バッチ10m以上)を処理する。このような大量の培養液処理でとくに問題となるのは、アフィニティークロマトグラフィー装置を用いた回収工程が挙げられる。アフィニティークロマトグラフィー装置で使用する、バイオ医薬品と特異的に結合するタンパク質(例えば、プロテインAなど)は非常に高価である。したがって、当該タンパク質を用いたカラムは、培養バッチ毎に繰返し再利用される。しかしながら、カラムの再利用は、前回処理における各種成分が残存する可能性があり、また、カラム劣化や不純物の凝集などに起因するカラム閉塞の可能性もある。そのため、培養バッチ毎にバイオ医薬品の精製品質が変動する恐れが生じ、また、カラムや配管などの破裂、液漏れといったトラブルが発生しやすくなる。そして、トラブルの発生箇所および発生時刻が判明しなければ正常な精製物と異常な精製物の特定が困難なため、運転を停止して当該ロットの精製物を廃棄することとなり、収率や運転コストの悪化の原因となっている。
また、バイオ医薬品製造用のアフィニティーカラムは、直径が1m程度、ベッド高が数10cm程度と、非常に大きく、設備としても場所をとる。さらに、処理すべき培養液も10m以上と大量であるため、大型の精製カラムを使用したとしても、1バッチの培養液を処理するには、回収工程を何度も繰り返す必要がある。
回収工程は、詳細には、(I)カラムの平衡化、(II)目的物質の吸着、(III)洗浄、(IV)目的物質の溶出、(V)カラムの再生の工程により構成される。中でも、培養液を処理する工程は、(II)目的物質の吸着の工程であり、(I)および(III)〜(V)の工程は、培養液を処理するための待ち時間の状態となる。大量の培養液を処理するために、これら(I)〜(V)の回収工程を数多く繰り返さなくてはならず、待ち時間の状態が多くなる。そのため、回収工程における処理時間が増大することになる。
例えば、特許文献1には、複数のカラムを設置し、それぞれのカラムで処理する工程をずらすことにより、培養液を処理する工程である(II)目的物質の吸着工程を連続的に処理する技術が開示されている。この技術を用いれば、回収工程における待ち時間を解消させることができる。
特開2011−214837号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、カラム劣化などにより閉塞、破損などの異常が生じたときや寿命を迎えた場合の処置については、とくに記載されていない。そのため、カラムの安定的な運用を確保するには、処理量に対して大きなマージンを持った大容量のカラムを複数台用意したり、設置スペースをより広く確保したりする必要があり、その結果、カラム充填剤の費用がかさむといった問題があった。
以上のような従来技術の問題点に鑑み、本発明は、装置の安定運転を確保することができ、かつ、目的物質の分離・回収の効率化が可能なクロマトグラフィー装置およびクロマトグラフィーを提供することにある。
本発明に係るクロマトグラフィー装置は、固定相が予め充填され、移動相を含む複数種の溶液が適宜通液され、前記移動相から目的物質を分離する精製処理をする複数の分離カラムと、移動相を含む複数種の溶液をそれぞれ貯留する複数の溶液槽と、前記複数の分離カラムそれぞれに対し、前記溶液槽の1つを自在に選択し、前記分離カラムと前記溶液槽との間の流路を形成する流路切り替え装置と、前記複数の分離カラムそれぞれの上流側に設けられ、前記分離カラムの異常を検出する異常検出装置と、前記流路切替え装置および前記異常検出装置に接続され、前記流路切替え装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記異常検出装置により前記分離カラムの異常を検出したときには、前記流路切替え装置を介して、前記溶液槽からの前記異常が検出された分離カラムへの送液を停止するとともに、前記異常が検出されていない残余の分離カラムに、予め用意された異常時のプログラムに従って前記溶液槽からの溶液を供給し、前記目的物質の精製処理を継続することを特徴とする。
本発明によれば、装置の安定運転を確保することができ、かつ、目的物質の分離・回収の効率化が可能なクロマトグラフィー装置およびクロマトグラフィーを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係るクロマトグラフィー装置の全体構成の例を示した図。 本発明の第1の実施形態に係るクロマトグラフィー装置を用いて分離対象物質を精製する連続処理工程の時間割の例を示した図。 本発明の第1の実施形態に係るクロマトグラフィー装置において、圧力センサで圧力異常を検出した場合の制御フローの例を示した図 本発明の第1の実施形態に係るクロマトグラフィー装置において、UVセンサで吸光度異常を検出した場合の制御フローの例を示した図。 本発明の第1の実施形態に係るクロマトグラフィー装置において、UVセンサの2つで同時に吸光度異常を検出した場合の制御フローの例を示した図。 本発明の第1の実施形態の変形例に係るクロマトグラフィー装置の全体構成の例を示した図。 本発明の第1の実施形態の変形例に係るクロマトグラフィー装置において、流量計で流量異常を検出した場合の制御フローの例を示した図。 本発明の第2の実施形態に係るクロマトグラフィー装置の全体構成の例を示した図。 本発明の第2の実施形態において、分離カラムの数が2つの場合のクロマトグラフィー装置の構成を、各種溶液の流路制御を説明するための例として示した図。 本発明の第2の実施形態において、分離カラムの数が3つの場合のクロマトグラフィー装置の構成を、各種溶液の流路制御を説明するための例として示した図。 図10に示したクロマトグラフィー装置において、圧力センサで圧力異常を検出した場合の制御フローの例を示した図。 図10に示したクロマトグラフィー装置において、1つの分離カラムからの流出溶液で吸光度異常を検出した場合の制御フローの例を示した図。 図10に示したクロマトグラフィー装置において、2つの分離カラムからの流出溶液で吸光度異常を検出した場合の制御フローの例を示した図。 分離カラムの耐圧限界値でのカラムベッド高と線速度との関係の例を示した図。 動的結合容量測定の実験例における吸光度の時間推移のグラフの例を示した図。 カラム分割の例を示した図で、(a)は、断面積は同じで、高さ方向に分割した例、(b)は高さおよび断面積を分割した例。 本発明の実施形態に係るクロマトグラフィー装置を適用したバイオ医薬品精製プラントの構成の例を示した図。
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るクロマトグラフィー装置100の全体構成の例を示した図である。図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係るクロマトグラフィー装置100は、分離対象の物質を含む溶液(以下、移動相、サンプル溶液ともいう)を連続的に処理する分離カラム1A,1B,1Cと、サンプル溶液を含め分離処理で使用される各種溶液を貯留する溶液槽(以下、溶液リザーバーという)5,6,7,8,9と、送液ポンプ3,4a,4b,4c,4dと、配管の流路を切り替える選択バルブ15,38と、配管の流路を開閉するスイッチバルブ41,42,43,50,51,52,53,54と、コンピュータ39と、制御装置40と、を含んで構成される。
本実施形態では、分離カラム1A,1B,1Cは、アフィニティークロマトグラフィー用のカラムであるとするが、それに限定されるわけではない。また、図1では、分離カラム1A,1B,1Cの数は、3つとなっているが、必要に応じて2つでも4つ以上であってもよい。また、図1では、溶液リザーバー5,6,7,8,9の数は、5つとなっているが、5つに限定されない。
図1に示すように、溶液リザーバー5,6,7,8,9それぞれの出口側(下流側) の配管には、送液のための送液ポンプ3,4a,4b,4c,4dが設置されている。そして、溶液リザーバー5,6,7,8,9それぞれに貯留されたサンプル溶液または各種溶液は、送液ポンプ3,4a,4b,4c,4dにより、選択バルブ15およびスイッチバルブ50,51,52を介して分離カラム1A,1B,1Cへ通液される。
なお、図1において、矢印付の実線は、通液方向を示した配管を表し、破線は、コンピュータ39または制御装置40からの制御信号を表している。
分離カラム1A,1B,1Cそれぞれをつなぐ配管は、互いに直列に連結されており、さらに、最下流の分離カラム1Cの下流側配管は、最上流の分離カラム1Aの上流側配管につなげられている。
例えば、リザーバー5から選択バルブ15を介して供給されるサンプル溶液は、スイッチバルブ50を介して分離カラム1Aに通液され、目的物質を分離する精製処理などがされる。次に、分離カラム1Aで精製処理されたサンプル溶液は、スイッチバルブ41,53を介して分離カラム1Bに通液され、精製処理などがされる。次に、分離カラム1Bで処理されたサンプル溶液は、スイッチバルブ42,54を介して分離カラム1Cに通液され、精製処理などがされる。さらに、分離カラム1Cで処理されたサンプル溶液は、スイッチバルブ43,50を介して、再び分離カラム1Aに通液可能となっている。すなわち、本実施形態に係るクロマトグラフィー装置100は、サンプル溶液を循環させて処理することが可能な構成となっている。
また、分離カラム1A,1B,1Cそれぞれの下流側に設けられたスイッチバルブ41,42,43を介して選択バルブ38に通液可能なように構成され、さらに、選択バルブ38から廃液用配管や精製溶液用配管へつながるように構成されている。
また、分離カラム1A,1B,1Cそれぞれの入口近傍の上流側配管には、圧力センサ47,48,49が設置され、出口近傍の下流側配管には、UV(Ultraviolet)センサ44,45,46が設置されている。なお、圧力センサ47,48,49の設置位置については、分離カラム1A,1B,1Cとスイッチバルブ50,51,52の間であればどこでもよいが、分離カラム1A,1B,1Cの閉塞をいち早く検出するためには、分離カラム1A,1B,1Cにより近い位置に設置することが望ましい。
圧力センサ47,48,49により、分離カラム1A,1B,1Cの入口近傍の溶液の圧力を検出することが可能になるので、配管や分離カラム1A,1B,1Cの経時劣化などによる破損や詰まりなどに基づく溶液の流れの異常などを検出することができるようになる。また、UVセンサ44,45,46により、分離カラム1A,1B,1Cの出口近傍の溶液の吸光度を検出することが可能になるので、溶液中のタンパク質の量を検出することができるようになる。従って、分離カラム1A,1B,1Cで目的物質が適切に回収されているかを知ることができるようになる。
また、分離カラム1A,1B,1Cそれぞれの入口部分には、上流側配管との着脱を容易化するためのカラム連結ジョイント61a,62a,63aが配設され、さらに、出口部分には、下流側配管との着脱を容易化するためのカラム連結ジョイント61b,62b,63bが配設されている。そのため、バッチ処理の開始時や終了時、あるいは、分離カラム1A,1B,1Cなどに異常が生じたときに、分離カラム1A,1B,1Cを短時間に交換することが可能となる。その結果、クロマトグラフィー装置100による分離対象物質の実質的な回収時間が短縮される。
溶液リザーバー5,6,7,8,9に貯留された各種溶液(サンプル溶液を含む)は、ポンプ3,4a,4b,4c,4dを駆動することにより選択バルブ15に送液される。選択バルブ15は、予め定められた工程の時間割(例えば、図2参照)に従って、それぞれの溶液が必要とされる適切な分離カラム1A,1B,1Cに送液されるよう、流路の切り替えを行う。ここで、選択バルブ15は、溶液リザーバー5,6,7,8,9と分離カラム1A,1B,1Cとの流路接続の1対1の組み合わせがすべて可能なように構成されている。すなわち、分離カラム1A,1B,1Cにおけるそれぞれの処理を同時に行うことができる。
なお、以上の説明において、分離カラム1A,1B,1Cに適宜送液されない工程があってもよい。その場合、選択バルブ15が、適宜溶液を分離カラム1A,1B,1Cに送液せず、バイパス配管を経由してリザーバー5,6,7,8,9に還流させてもよい。あるいは、適宜、送液ポンプ3,4a,4b,4c,4dを作動させず、送液しないようにしてもよい。
また、それぞれの分離カラム1A,1B,1Cから出てきた溶液が、溶出液により分離された目的物質である場合には、精製溶液として精製用配管を通して回収され、それ以外の場合には、廃液として廃液用配管から回収される。このとき、選択バルブ38は、予め定められた工程の時間割(例えば、図2参照)に従って、それぞれの分離カラム1A,1B,1Cと精製用配管または廃液用配管とを接続する。
制御装置40は、次に図2に示すような予め定められた工程の時間割に従って、送液ポンプ3,4a,4b,4c,4dを駆動し、また、選択バルブ15,38およびスイッチバルブ41,42,43,50,51,52,53,54を制御して、それぞれの工程に応じた流路を形成する。コンピュータ39は、これらの制御を実現する制御プログラムを有し、その制御プログラムに従って制御装置40に制御を実施させる。
図2は、本発明の第1の実施形態に係るクロマトグラフィー装置100を用いて分離対象物質を精製する連続処理工程の時間割の例を示した図である。一般に、アフィニティークロマトグラフィー技術を用いて分離対象の物質(以下、目的物質ともいう)を精製する工程は、(I) カラムの平衡化、(II) 目的物質の吸着、(III) 洗浄、(IV) 目的物質の溶出、(V) カラムの再生、の各工程により構成される。
サンプル溶液は、(II) 目的物質の吸着の工程で処理される。言い換えると、他の(I)、(III)、(IV)、(V)の工程は、サンプル溶液を処理する工程ではない。そこで、本実施形態に係るクロマトグラフィー装置100では、図2に示すように、複数の分離カラム1A,1B,1Cの間で、サンプル溶液を処理する吸着工程をずらすことにより、連続的にサンプル溶液を処理することができる。これにより、大量のサンプル溶液を短時間で効率よく処理することが可能になり、目的物質の分離・精製を効率よく行うことができる。
また、本実施形態に係るクロマトグラフィー装置100では、同一の分離カラム1A,1B,1Cをそれぞれ使用限度回数、繰り返し使用することができる。
なお、図2に示した工程の時間割では、分離カラム数が5つとなっているが、分離カラム数は、5つに限定されない。図1に示したクロマトグラフィー装置100では、分離カラム数が3つであるので、3つにした場合の工程表を利用することになる。実は、分離カラム数は、各工程の処理時間などに応じて適切な数が存在するが、このことについては、後記にて詳しく説明する。
ところで、本実施形態に係るクロマトグラフィー装置100では、疑似移動床式プロセスを行うことができ、その具体的な工程を以下に説明する。
工程1:少なくとも1つの標的化合物を含むサンプル溶液(溶液リザーバー5)を、分離カラム1Aを横断して通過させ、その流出物を分離カラム1Aから分離カラム1Bへ移動させる。
工程2:サンプル溶液(溶液リザーバー5)を分離カラム1Bへ送液するとともに、洗浄液(溶液リザーバー6)を標的化合物が結合した分離カラム1Aを横断して通過させる。
工程3:分離カラム1Aからの洗浄液流出物を分離カラム1Cへ移動させ、その後、分離カラム1Bからの流出物を分離カラム1Cへ移動させる。
工程4:分離カラム1Aを再生させる。
工程5:サンプル溶液(溶液リザーバー5)を分離カラム1Cへ振り向け、洗浄液(溶液リザーバー6)を標的化合物が結合した分離カラム1Bを横断して通過させる。
工程6:分離カラム1Bからの洗浄液流出物を分離カラム1Aへと移動させ、その後、分離カラム1Cからの流出物を分離カラム1Aへ移動させる。
工程7:分離カラム1Bを再生させる。
工程8:サンプル溶液(溶液リザーバー5)を分離カラム1Aへ振り向け、洗浄液(溶液リザーバー6)を標的化合物が結合した分離カラム1Cを横断して通過させる。
工程9:分離カラム1C洗浄液からの流出物を分離カラム1Bへ移動させ、その後、分離カラム1Aからの流出物を分離カラム1Bへと移動させる。
工程10:分離カラム1Cを再生させる。そして、図2に示す工程に従って、工程2から工程10を繰り返す。
ここで、少なくとも1つの分離対象の物質は、工程4、工程7および/または工程10で回収される。なお、溶液の供給については、送液ポンプ3,4a,4b,4c,4dの始動および停止やその流量の変更で行なってもよいが、頻繁な始動および停止は、送液ポンプ3,4a,4b,4c,4dに不具合を生じさせる可能性があり、また、ポンプ流量の変更については、追従性に問題が生じる可能性がある。そのため、ポンプ流量を一定にして必要な量を分離カラム1A,1B,1Cへ送液し、残余を溶液リザーバー5,6,7,8,9に還流させるようにすることが望ましい。
図3は、本発明の第1の実施形態に係るクロマトグラフィー装置100において、圧力センサ47,48,49で圧力異常を検出した場合の制御フローの例を示した図である。コンピュータ39は、所定の時間毎に(例えば、10秒毎に)分離カラム1A,1B,1Cの上流側に設置された圧力センサ47,48,49を介して配管内の溶液の圧力を検出する(ステップS11)。そして、圧力センサ47,48,49により検出される検出圧力のすべてが、分離カラムの耐圧限界値を超えていなかった場合には(ステップS12でNo)、そのまま、定常運転を継続する(ステップS13)。すなわち、コンピュータ39は、ステップS11へ戻り、ステップS11以下の処理を繰り返し実行する。
一方、前記の検出圧力のいずれか1つが分離カラムの耐圧限界値を超えていた場合には(ステップS12でYes)、コンピュータ39は、その耐圧限界値を超えた圧力を検出した圧力センサ47,48,49が設けられた位置の配管または分離カラムが閉塞したものと判断する。そして、その閉塞したと判断した分離カラムへの送液を停止させるとともに、当該分離カラムをバイパスするように流路を切り替え、工程の制御処理を異常時用プログラムAに切り替える(ステップS14)。
例えば、分離カラム1Bが閉塞した場合には、コンピュータ39は、選択バルブ15またはスイッチバルブ51を制御して、分離カラム1Bへの送液を停止させるとともに、スイッチバルブ53およびスイッチバルブ54を制御して、分離カラム1Aで処理した溶液を分離カラム1Cへバイパスさせる。すなわち、分離カラム1Bを強制閉塞させる。コンピュータ39には、予め2つの分離カラムで所定の工程を処理する異常時用プログラムAが組み込まれており、コンピュータ39は、前記の分離カラム1Bの強制閉塞処理をすると同時に、異常時用プログラムAの実行を開始する。すなわち、コンピュータ39は、分離カラム1Bをバイパスして、前記の工程2から工程10の実施を制御する。
閉塞した分離カラムは、その間に正常な分離カラムに交換されることになる。そこで、コンピュータ39は、正常な分離カラムへの交換が完了したか否かを判定し(ステップS15)、その交換が完了した場合には(ステップS15でYes)、元の定常運転制御へ復帰する(ステップS16)。
なお、その復帰に際しては、コンピュータ39は、例えば、選択バルブ15、スイッチバルブ51,53,54を操作して流路を切り替えると同時に、3つの分離カラム1A,1B,1Cで工程を処理する定常運転時用プログラムに復帰させる。そして、連続精製開始時と同様に、正常なすべての分離カラム1A,1B,1Cを平衡化しておいてから定常運転制御に復帰させることが肝要である。
一方、閉塞した分離カラムの交換の作業中は、正常な残余の分離カラムの寿命消尽までの時間を表示しておき、寿命消尽までに分離カラム交換および復帰作業を終了させることが望ましい。ただし、正常な分離カラムの寿命が残余の供給液量の処理に十分な場合には、異常時用プログラムAにより、2つの分離カラムで供給量全量を処理させてもよい。
そこで、コンピュータ39は、ステップS15の判定で、正常な分離カラムへの交換が完了していない場合には(ステップS15でNo)、2つの分離カラムでの運転を行い、その間に、さらに、その2つの分離カラムのいずれかに異常が発生していないか、または、寿命が消尽していないかを判定する(ステップS17)。そして、2つの分離カラムのいずれにも異常が発生しておらず、かつ、寿命も消尽していなかった場合には(ステップS17でNo)、2つの分離カラムでの運転を継続する(ステップS18)。なお、ここでいう異常とは、圧力センサ47,48,49で検出される圧力異常をいう。
一方、ステップS17の判定で、2つの分離カラムのいずれかに異常が発生した場合、または、寿命が消尽した場合には(ステップS17でYes)、コンピュータ39は、その異常が発生したまたは寿命が消尽した分離カラムへの送液を停止させるとともに、当該分離カラムをバイパスするように流路を切り替え、工程の処理を異常時用プログラムBに切り替える(ステップS19)。なお、異常時用プログラムBは、1つの分離カラムで所定の工程を処理するためのプログラムである。また、このとき、正常な分離カラムの寿命が残余の供給液量の処理に十分な場合、1つの分離カラムおよび異常時用プログラムBで残余の供給量全量を処理させてもよい。
閉塞した分離カラムは、その間に正常な分離カラムに交換されることになる。そこで、コンピュータ39は、正常な分離カラムへの交換が完了したか否かを判定し(ステップS20)、その交換が完了した場合には(ステップS20でYes)、2つの分離カラムでの運転制御へ復帰する(ステップS21)。
一方、正常な分離カラムへの交換が完了していない場合には(ステップS20でNo)、コンピュータ39は、残余の1つの分離カラムでの運転制御を行い、その間に、さらに、その残余の1つの分離カラムに異常が発生していないか、または、寿命が消尽していないかを判定する(ステップS22)。そして、残余の1つの分離カラムに異常が発生しておらず、かつ、寿命も消尽していなかった場合には(ステップS22でNo)、1つの分離カラムでの運転を継続する(ステップS23)。なお、ここでいう異常とは、圧力センサ47,48,49で検出される圧力異常をいう。
一方、残余の1つの分離カラムに異常が発生したか、または、寿命が消尽した場合には(ステップS22でYes)、クロマトグラフィー装置100の運転を停止する(ステップS24)。
以上のように、圧力異常を検知することで異常の発生箇所および発生時刻を特定することができるため異常な精製物の混入を防止することができる。さらには、クロマトグラフィー装置100の運転を継続したまま異常を解消することが可能となるため、目的物質の収率を向上させ、装置運転の安定性を向上させることができる。
図4は、本発明の第1の実施形態に係るクロマトグラフィー装置100において、UVセンサ44,45,46で吸光度異常を検出した場合の制御フローの例を示した図である。なお、この制御フローは、図3に示した制御フローによく似た構造をしているので、以下、相違する部分について主に説明する。
コンピュータ39は、所定の時間毎に(例えば、10秒毎に)分離カラム1A,1B,1Cの下流側に設置されたUVセンサ44,45,46を介して配管内の溶液の吸光度を検出し(ステップS11a)、さらに、その吸光度からタンパク質の量を算出する。そして、それぞれの分離カラム1A,1B,1Cについて、その流出液に含まれるタンパク質の量が他の分離カラムと比較して著しく増大または減少しているか否かを判定する(ステップS12a)。
その判定の結果、分離カラム1A,1B,1Cのいずれについても、その流出液に含まれるタンパク質の量が定常運転時と比較して著しく増大も減少もしていない場合には(ステップS12aでNo)、そのまま、定常運転を継続する(ステップS13)。すなわち、コンピュータ39は、ステップS11aへ戻り、ステップS11a以下の処理を繰り返し実行する。
一方、分離カラム1A,1B,1Cのいずれかについて、その流出液に含まれるタンパク質の量が定常運転時と比較して著しく増大または減少している場合には(ステップS12aでYes)、当該分離カラムが劣化し寿命を迎えたものとみなし、当該分離カラムへの送液を停止させるとともに、当該分離カラムをバイパスするように流路を切り替え、工程を制御する処理を異常時用プログラムAに切り替える(ステップS14)。
例えば、分離カラム1Bが劣化または寿命を迎えた場合には、コンピュータ39は、選択バルブ15またはスイッチバルブ51を制御して、分離カラム1Bへの送液を停止させるとともに、スイッチバルブ53およびスイッチバルブ54を制御して、分離カラム1Aで処理した溶液を分離カラム1Cへバイパスさせる。すなわち、分離カラム1Bを強制閉塞させ、前記の工程2から工程10の実施を制御する。なお、タンパク質の量の増大または減少については、他の分離カラムの平均と比較して±20%、望ましくは±10%の増減があった場合、当該分離カラムが劣化し寿命を迎えたと判断する。
次に、劣化し寿命を迎えた分離カラムは交換される。従って、ステップS15〜ステップS24までの処理は、図3におけるステップS15〜ステップS24までの処理と同じなので、その説明を省略する。ただし、ステップS17およびステップS22でいう分離カラムの異常は、吸光度の異常、つまり、タンパク質の量の異常を意味する。
なお、UVセンサ44,45,46の設置位置については、分離カラム1A,1B,1Cの下流側の配管でスイッチバルブ41,42,43までの間であればどこでもよい。また、分離カラム1A,1B,1Cそれぞれに1つずつUVセンサを設けることは、必ずしも必要ではなく、異常が発生した分離カラムを特定できるものであれば、複数の分離カラムから流出するタンパク質の検出を1つのUV検出センサで行なってもよい。ただし、分離カラムの異常をいち早くかつ精度よく検出するためには、分離カラムにより近い位置に、分離カラム1つにつき1つのUVセンサを設置することが望ましい。
以上のように、タンパク質の量の異常などを検知することで異常の発生箇所および発生時刻を特定することができるため、異常な精製物の混入を防止することができ、かつ運転を継続したまま異常を解消することが可能となる。よって、精製目的物質の収率の向上を図ることができ、クロマトグラフィー装置の運転の安定性が向上する。
図5は、本発明の第1の実施形態に係るクロマトグラフィー装置100において、UVセンサ44,45,46の2つで同時に吸光度異常を検出した場合の制御フローの例を示した図である。なお、この制御フローは、図4に示した制御フローによく似た構造をしているので、以下、相違する部分について主に説明する。
コンピュータ39は、所定の時間毎に(例えば、10秒毎に)分離カラム1A,1B,1Cの下流側に設置されたUVセンサ44,45,46を介して配管内の溶液の吸光度を検出し(ステップS11a)、さらに、その吸光度からタンパク質の量を算出する。そして、それぞれの分離カラム1A,1B,1Cについて、タンパク質の量が定常運転時と比較して著しく増大または減少しているか否かを判定する(ステップS12b)。
その判定の結果、分離カラム1A,1B,1Cのいずれについても、その流出液に含まれるタンパク質の量が定常運転時と比較して著しく増大も減少もしていない場合には(ステップS12bでNo)、そのまま、定常運転を継続する(ステップS13)。すなわち、コンピュータ39は、ステップS11aへ戻り、ステップS11a以下の処理を繰り返し実行する。
一方、分離カラム1A,1B,1Cのいずれかについて、その流出液に含まれるタンパク質の量が定常運転時と比較して著しく増大または減少している場合には(ステップS12bでYes)、コンピュータ39は、さらに、そのタンパク質の量が他の分離カラムと連続して定常運転時よりも著しく増大または減少しているか否かを判定する(ステップS31)。
その判定の結果、タンパク質の量が他の分離カラムと連続して定常運転時よりも著しく増大または減少している場合には(ステップS31でYes)、培養液のタンパク質濃度に異常が生じていると判断してすべての分離カラムへの送液を停止し、クロマトグラフィー装置100の運転を停止する(ステップS32)。
なお、UVセンサは、培養液タンクの、例えば、溶液リザーバー5の下流側で、かつ、分離カラム1A,1B,1Cの上流側の位置に設置され、分離カラム上流のUVセンサで検出された吸光度と分離カラム1A,1B,1Cの下流側のUVセンサ44,45,46で検出された吸光度とを比較して培養液の異常を判断してもよい。
次に、ステップS31の判定の結果、タンパク質の量が他の分離カラムと連続し定常運転時よりも著しく増大または減少していなかった場合には(ステップS31でNo)、当該分離カラムが劣化し寿命を迎えたものとみなし、当該分離カラムへの送液を停止させるとともに、当該分離カラムをバイパスするように流路を切り替え、工程を制御する処理を異常時用プログラムAに切り替える(ステップS14)。
例えば、分離カラム1Bが劣化または寿命を迎えた場合には、コンピュータ39は、選択バルブ15またはスイッチバルブ51を制御して、分離カラム1Bへの送液を停止させるとともに、スイッチバルブ53およびスイッチバルブ54を制御して、分離カラム1Aで処理した溶液を分離カラム1Cへバイパスさせる。
次に、劣化し寿命を迎えた分離カラムは交換される。従って、ステップS15〜ステップS24までの処理は、図4におけるステップS15〜ステップS24までの処理と同じなので、その説明を省略する。ただし、ステップS17およびステップS22でいう分離カラムの異常は、吸光度の異常、つまり、タンパク質の量の異常を意味する。
以上のように、タンパク質の量の異常などを検知することで異常の発生箇所および発生時刻を特定することができるため、異常な精製物の混入を防止することができ、かつ運転を継続したまま異常を解消することが可能となる。よって、精製目的物質の収率の向上を図ることができ、クロマトグラフィー装置の運転の安定性が向上する。
以上、本発明の第1の実施形態によれば、分離カラム1A,1B,1Cそれぞれの上流側に圧力センサ47,48,49を設置し、また、下流側にUVセンサ44,45.46を設置したことにより、分離カラム1A,1B,1Cそれぞれの閉塞、破損、性能劣化などの異常を検出することが可能になった。また、そのような異常が検出されたとき、コンピュータ39による制御により、速やかに異常が検出された分離カラムをバイパスするように流路を切り替えることができる。従って、第1の実施形態に係るクロマトグラフィー装置100は、ある分離カラムに異常が検出されても、残余の正常な分離カラムを用いて目的物質の精製工程を停止させることなく継続することができる。よって、本実施形態では、クロマトグラフィー装置100の安定的な稼働を確保することができる。
さらに、本発明の第1の実施形態によれば、分離カラム1A,1B,1Cそれぞれの入口部分および出口部分には、送液用の配管との着脱を容易化するためのカラム連結ジョイント61a,61b,62a,62b,63a,63bが配設されているので、異常が検出された分離カラムを短時間に正常な分離カラムに交換することが可能となる。従って、ある分離カラムに異常が生じ、流路切り替えによってその分離カラムが使用されなくなった場合であっても、その分離カラムを正常なものと交換し、速やかに使用可能な状態に戻すことができる。
よって、本発明の第1の実施形態によれば、クロマトグラフィー装置100による目的物質の分離・精製時間の短縮を図ることができ、目的物質の精製効率を向上させることができる。
<第1の実施形態の変形例>
図6は、本発明の第1の実施形態の変形例に係るクロマトグラフィー装置100aの全体構成の例を示した図である。図6に示すように、この変形例に係るクロマトグラフィー装置100aの構成は、図1に示したクロマトグラフィー装置100とほとんど同じであるので、以下、相違箇所についてのみ説明する。なお、本変形例では、図1に示したクロマトグラフィー装置100と同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図6に示すように、クロマトグラフィー装置100aの構成は、図1のクロマトグラフィー装置100の構成要素のうち、圧力センサ47,48,49を流量計55,56,57で置き換えた構成となっている。ここで、流量計55,56,57の役割は、圧力センサ47,48,49と同じであり、配管や分離カラム1A,1B,1Cの経時劣化などによる破損や詰まりなどに基づく溶液の流れの異常などを検出する。
図7は、本発明の第1の実施形態の変形例に係るクロマトグラフィー装置100aにおいて、流量計55,56,57で流量異常を検出した場合の制御フローの例を示した図である。なお、この制御フローは、図3に示した制御フローによく似た構造をしているので、以下、相違する部分について主に説明する。
コンピュータ39は、所定の時間毎に(例えば、10秒毎に)分離カラム1A,1B,1Cの上流側に設置された流量計55,56,57を介して分離カラム1A,1B,1Cそれぞれの流入する溶液の流量を検出する(ステップS11b)。そして、流量計55,56,57それぞれにより検出される流量が上流に設けられたポンプの流量と比較して著しく増大も減少もしていなかった場合には、(ステップS12cでNo)、そのまま、定常運転を継続する(ステップS13)。すなわち、コンピュータ39は、ステップS11bへ戻り、ステップS11b以下の処理を繰り返し実行する。
一方、前記検出された流量のいずれか1つがポンプの流量と比較して著しく増大または減少していた場合には(ステップS12cでYes)、コンピュータ39は、その異常な流量を検出した流量計55,56,57が設けられた位置の配管または分離カラムが閉塞したものと判断する。そして、その閉塞したと判断した分離カラムへの送液を停止させるとともに、当該分離カラムをバイパスするように流路を切り替え、工程を制御する処理を異常時用プログラムAに切り替える(ステップS14)。
次に、この閉塞したと判断された分離カラムは交換される。従って、ステップS15〜ステップS24までの処理は、図3におけるステップS15〜ステップS24までの処理と同じなので、その説明を省略する。ただし、ステップS17およびステップS22でいう分離カラムの異常は、流量の異常を意味する。なお、検出流量が、ポンプ流量から導出される当該流量計に流れるべき流量の10%以下、望ましくは30%以下となった場合、下流側の分離カラムが閉塞したものとみなす。
また、UVセンサ44,45.46で吸光度異常(タンパク質の量の異常)が検出されたときの制御処理は、図4および図5に示した制御処理と同じであるので、重複する説明を省略する。
以上の通り、本変形例に係るクロマトグラフィー装置100aの構成は、第1の実施形態に係るクロマトグラフィー装置100の構成とほとんど同じであるので、本変形例でも、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
<第2の実施形態>
図8は、本発明の第2の実施形態に係るクロマトグラフィー装置100bの全体構成の例を示した図である。以下、第2の実施形態の説明では、第1の実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図8に示すように、本発明の第2の実施形態に係るクロマトグラフィー装置100bは、分離対象の物質を含む溶液(以下、移動相、サンプル溶液ともいう)を連続的に処理する分離カラム1A,1B,1Cと、サンプル溶液を含め分離処理で使用される各種溶液を貯留する溶液槽5,6,7,8,9(以下、溶液リザーバという)と、送液ポンプ3,4a,4b,4c,4dと、配管の流路を切り替える選択バルブ15,38と、配管の流路を開閉するスイッチバルブ41,42,43,50,51,52と、コンピュータ39と、制御装置40と、を含んで構成される。
本実施形態では、分離カラム1A,1B,1Cは、アフィニティークロマトグラフィー用のカラムであるとするが、それに限定されるわけではない。また、図8では、分離カラム1A,1B,1Cの数は、3つとなっているが、必要に応じて2つでも4つ以上であってもよい。また、図5では、溶液リザーバー5,6,7,8,9の数は、5つとなっているが、5つに限定されない。
以上の本実施形態に係るクロマトグラフィー装置100bの構成は、分離カラム1A,1B,1Cが直列ではなく、並列につながれている点で、第1の実施形態に係るクロマトグラフィー装置100bの構成と相違している。
図8において、溶液リザーバー5,6,7,8,9に貯留されたサンプル溶液を含む各種溶液は、送液ポンプ3,4a,4b,4c,4dを駆動することにより選択バルブ15まで送液される。このとき、選択バルブ15は、例えば、図2に示した工程の時間割に従い、各種溶液が適切な分離カラム1A,1B,1Cに送液されるように流路の切り替えを行う。従って、選択バルブ15は、すべての分離カラム1A,1B,1Cでの工程を同時に処理するため、各種溶液と各分離カラム1A,1B,1Cへの流路接続の1対1の組み合わせがすべて実施可能なように構成されている。ただし、分離カラム1A,1B,1Cに対して、送液されない工程がある場合、分離カラム1A,1B,1Cに送液せず、バイパスラインを経由して溶液リザーバー5,6,7,8,9に還流させてもよい。または、送液ポンプ3,4a,4b,4c,4dを駆動せず、送液しないようにしてもよい。
また、各分離カラム1A,1B,1Cから出てきた溶液は、溶出液により分離された目的物質の場合は、精製溶液として回収用配管を通して回収され、それ以外は廃液として、廃液用配管から回収される。このとき、選択バルブ38は、例えば、図2に示した工程の時間割に従い、各分離カラム1A,1B,1Cと各配管(精製用及び廃液用配管)とを接続する。
従って、本実施形態に係るクロマトグラフィー装置100bを用いることによって、サンプル溶液を連続的に処理し、目的物質を連続的に回収することができる。
また、本実施形態においても、分離カラム1A,1B,1Cそれぞれの入口近傍の上流側配管には、圧力センサ47,48,49が設置され、出口近傍の下流側配管には、UVセンサ44,45,46が設置されている。従って、圧力センサ47,48,49により配管または分離カラム1A,1B,1Cの閉塞や破損などの異常を検知することができ、また、UVセンサ44,45,46により、目的物質が適切に回収されているかを確認することができる。
図9は、本発明の第2の実施形態において、分離カラムの数が2つの場合のクロマトグラフィー装置100cの構成を、各種溶液の流路制御を説明するための例として示した図である。図9に示すように、クロマトグラフィー装置100cは、2つの分離カラム1A,1Bと、2つの送液ポンプ3,4と、5つの溶液リザーバー5,6,7,8,9と、スイッチバルブ10,11,12,13と、選択バルブ14,15と、それらをつなぐ配管を含んで構成される。
溶液リザーバー5内に貯留された溶液は、ポンプ3により選択バルブ15へ送液され、溶液リザーバー6,7,8,9に貯留された溶液は、選択バルブ14でその1つが選択され、ポンプ4により選択バルブ15へ送液される。選択バルブ15では、スイッチバルブ21およびスイッチバルブ23によりポンプ3からの配管またはポンプ4からの配管の一方が選択される。同様に、選択バルブ15では、スイッチバルブ22およびスイッチバルブ24によりポンプ4からの配管またはポンプ3からの配管の一方が選択される。ただし、スイッチバルブ21とスイッチバルブ23との組、および、スイッチバルブ22とスイッチバルブ24との組のそれぞれにおいては、ポンプ3からの配管およびはポンプ4からの配管が同時に選択されることはない。
次に、スイッチバルブ10では、分離カラム1A側の配管または廃液側の配管(ブロック矢印側の配管)の一方が選択され、スイッチバルブ11では、分離カラム1B側の配管または廃液側の配管(ブロック矢印側の配管)のいずれか一方が選択される。
分離カラム1Aは、スイッチバルブ10と反対側の配管を介してスイッチバルブ12と連結されている。また、分離カラム1Bは、スイッチバルブ11と反対側の配管を介してスイッチバルブ13と連結されている。スイッチバルブ12およびスイッチバルブ13のそれぞれでは、回収用容器25側の配管または廃液側の配管(ブロック矢印側の配管)のいずれか一方が選択される。
以上のように構成されたクロマトグラフィー装置100cにおいては、すべてのポンプ3,4、選択バルブ14,15およびスイッチバルブ10,11,12,13は、送液タイミング、送液速度、送液時間などの送液条件が予めプログラムされた制御装置40により制御される。すなわち、制御装置40により、ポンプ3,4、選択バルブ14,15およびスイッチバルブ10,11,12,13を所定の順番に従って作動させることで、分離カラム1A,1Bに目的物質の回収工程を自動的かつ連続的に行わせることができる。なお、この例では、選択バルブ14を介してポンプ4につなげられている溶液リザーバー6,7,8,9としては、4つとしたが、これより多くても少なくてもよい。
図8において、分離カラム1A,1Bに通液する溶液を切り替える場合には、分離カラム1A,1Bのすぐ上流側に配設されたスイッチバルブ10,11の廃液側に、これから通液しようとしている溶液を予め流しておく。こうすることにより、通液する溶液の切り替えに際して生じる溶液の混合を最小にするようにすることができる。
また、分離カラム1A,1Bのすぐ下流側に配設されたスイッチバルブ12,13は、分離カラム1A,1Bから流出する溶液を廃液容器に通液するか、回収用容器25に通液するかを切り替えることができる。
溶液リザーバー5,6,7,8,9には、目的物質の精製工程で必要な各種溶液が貯留されている。例えば、溶液リザーバー5には、目的物質を含む溶液(サンプル溶液、移動相ともいう)が貯留され、送液ポンプ3を介して選択バルブ15に送液される。また、溶液リザーバー6には、平衡化用溶液が、溶液リザーバー7には、洗浄用溶液が、溶液リザーバー8には、溶出用溶液が、溶液リザーバー9には、再生用溶液が貯留されている。これらの溶液は、送液ポンプ4を介して選択バルブ15に送液される。
選択バルブ15は、ポンプ3側から送液される溶液とポンプ4側から送液される溶液を、分離カラム1Aまたは分離カラム1Bに、互いに同時に同じ分離カラムを選択しないように、流路を選択しながら切り替えるためのバルブである。例えば、ポンプ3側からの溶液を分離カラム1A側に流れるようにした場合には、ポンプ4側からの溶液を分離カラム1B側に流れるように、選択バルブ15内のスイッチバルブ21,22,23,24を制御する。また、ポンプ3側からの溶液を分離カラム1B側に流れるようにした場合には、ポンプ4側からの溶液をカラム1A側に流れるように、選択バルブ15内のスイッチバルブ21,22,23,24を制御する。
分離カラム1A,1Bにより分離され、精製された目的物質、例えば、精製タンパク質は、スイッチバルブ12,13で、回収したいときだけ回収用容器25に送ることにより、間歇的に回収することができる。
また、分離カラム1A,1Bそれぞれの上流側配管には、圧力センサ47,48が設置され、下流側配管には、UVセンサ26が設置されている。従って、圧力センサ47,48により分離カラム1A,1Bの閉塞や破損などの異常を検知することができ、また、UVセンサ26により、目的物質が適切に回収されているかを確認することができる。
なお、図9では、移動相としてのサンプル溶液以外の各種溶液としては、溶液リザーバー6,7,8,9に貯留される4種類の溶液が想定されているが、その種類は、5種類以上であってもよい。5種類以上の溶液を使用する場合には、図9に示した構成に準じて、使用する溶液の数に応じた溶液リザーバーおよび選択バルブおよびスイッチバルブを使用すればよい。そのような場合でも、ポンプのオン/オフ制御、流速制御、スイッチバルブの切り替えなどは、コンピュータ39および制御装置40により予め設定した順序で制御することができる。
従って、クロマトグラフィー装置100cは、サンプル溶液の送液を開始した後は、サンプル溶液が尽きるまで、連続的に作動し、完全自動化により、目的物質の分離、例えば、タンパク質の精製を行うことができる。なお、溶液の供給については、ポンプのオン/オフや、ポンプ流量を変更することで制御してもよいが、頻繁なポンプのオン/オフは、ポンプに不具合を生じさせる可能性が高く、また、ポンプ流量の変更については追従性に問題が生じる可能性がある。従って、ポンプ流量を一定なものとし、必要な液量を分離カラム1A,1Bに送り、残余は溶液リザーバーに還流させることが望ましい。
図10は、本発明の第2の実施形態において、分離カラムの数が3つの場合のクロマトグラフィー装置100dの構成を、各種溶液の流路制御を説明するための例として示した図である。ここで、図10に示すクロマトグラフィー装置100dは、図9に示したクロマトグラフィー装置100cと、その構成も動作もほとんど同じなので、その詳細な説明を省略し、以下では、相違する構成についてのみ説明する。
図10では、選択バルブ14および送液ポンプ4は、溶液リザーバー6,7に貯留された溶液を選択して送液する。また、選択バルブ33および送液ポンプ34は、溶液リザーバー8,9に貯留された溶液を選択して送液する。また、選択バルブ15,35,36は、送液ポンプ3,4,34それぞれから送液される溶液を互いに種類が相違する組み合わせで選択し、選択したそれぞれの溶液を10,11,37を介して分離カラム1A,1B,1Cへ送液する。
図11は、図10に示したクロマトグラフィー装置100dにおいて、圧力センサ47,48,49で圧力異常を検出した場合の制御フローの例を示した図である。この制御フローは、図3に示した制御フローとほとんど同じなのでその説明を省略するが、ステップS14およびステップS19dは、次の点で相違している。
図3では、ステップS12の判定で、圧力センサ47,48,49により検出される検出圧力のいずれか1つが分離カラムの耐圧限界値を超えていた場合には(ステップS12でYes)、コンピュータ39は、その耐圧限界値を超えた圧力を検出した圧力センサ47,48,49が設けられた位置の分離カラムへの送液を停止させるとともに、当該分離カラムをバイパスするように流路を切り替え、工程の制御処理を異常時用プログラムAに切り替える(ステップS14)、としている。一方、図11では、コンピュータ39は、その耐圧限界値を超えた圧力を検出した圧力センサ47,48,49が設けられた位置の分離カラムへの送液を停止させ、工程の制御処理を異常時用プログラムAに切り替える(ステップS14d)、となる。すなわち、図13のステップS14cでは、流路を切り替えることが省略されている。
また、ステップS19dについても同様である。
これらの相違は、図3の制御フローが適用されるクロマトグラフィー装置100では、分離カラム1A,1B,1Cが直列につながれているのに対し、図10の制御フローが適用されるクロマトグラフィー装置100dでは、分離カラム1A,1B,1Cが並列につながれているという相違に由来する。すなわち、分離カラム1A,1B,1Cが並列につながれている場合には、閉塞した分離カラムを使用できないようにするだけでよく、閉塞した分離カラムをバイパスさせるための流路変更はそもそも必要がない。
図12は、図10に示したクロマトグラフィー装置100dにおいて、1つの分離カラムからの流出溶液で吸光度異常を検出した場合の制御フローの例を示した図である。この制御フローは、図4に示した制御フローとほとんど同じなので(ただし、ステップS14dおよびステップS19dのみ相違)、その説明を省略する。また、その相違の由来も、図11で説明した由来と同じである。
図13は、図10に示したクロマトグラフィー装置100dにおいて、2つの分離カラムからの流出溶液で吸光度異常を検出した場合の制御フローの例を示した図である。この制御フローは、図5に示した制御フローとほとんど同じなので(ただし、ステップS14dおよびステップS19dのみ相違)、その説明を省略する。また、その相違の由来も、図11で説明した由来と同じである。
以上、本発明の第2の実施形態では、第1の実施形態の場合と同様に、そのクロマトグラフィー装置100b、100c、100dは、ある分離カラムに異常が検出されても、残余の正常な分離カラムを用いて目的物質の精製工程を停止させることなく継続することができる。また、分離カラム1A,1B,1Cのそれぞれには、連結ジョイント61a,61b,62a,62b,63a,63b(図8参照)が配設されていることから、異常が生じた分離カラムを短時間に正常な分離カラムに交換することが可能となる。
よって、本発明の第2の実施形態でも、クロマトグラフィー装置100b、100c、100dの安定稼働を確保することができるとともに、目的物質の精製所要時間の短縮を図ることができ、その結果、目的物質の精製効率を向上させることができる。
<連続処理に向けたカラム設計および制御方法>
以上説明した本発明の実施形態(第1および第2の実施形態)で、目的物質を精製する工程は、前記したように(図2参照)、(I) カラムの平衡化、(II) 目的物質の吸着、(III) 洗浄、(IV) 目的物質の溶出、(V) カラムの再生、の各工程により構成される。そして、複数の分離カラムを用いる場合、各処理工程をずらすこと(図2参照)により、全体として連続的にサンプル溶液を処理することができる。その結果、大量のサンプル溶液を短時間で効率よく処理することができ、目的物質の分離・精製の効率を向上させることができる。
2つ以上の分離カラムを用いる場合、各分離カラムは、処理するサンプル溶液の量や前記(I)から(V)の各工程の処理時間を考慮して設計する必要がある。以下、具体的な設計方法について説明する。
(1)カラム数の決定方法
培養液(サンプル溶液)に含まれる物質を分離する工程(前記(I)〜(V))を連続的に処理するためには、2つ以上の分離カラムを用いる場合、 (II) 目的物質の吸着工程を、各分離カラムで時間をずらして行う必要がある(図2参照)。ここで、分離カラムの数をN、分離カラムの平衡化の時間をT1、目的物質の吸着時間をT2、洗浄時間をT3、目的物質の溶出時間をT4、分離カラムの再生時間をT5とした場合、次の式(1)を満たすようなカラム数Nとすることにより、培養液を連続的に処理する工程を組み立てることができる。
N×T2≧(T1+T2+T3+T4+T5) 式(1)
ここで、T1〜T5の時間は、次のようにして決定することができる。ただし、以下に示す方法は一例であり、他の方法で決定してもよい。
(1.1)分離カラムの平衡化の時間T1の決定方法
カラムの平衡化の時間T1は、カラム平衡化の工程で分離カラムからの溶出する溶液の吸光度をモニタリングし、ベースラインが安定するまでに要する時間と定めることができる。あるいは、溶媒置換時の送液量が、カラム体積の10倍量となるまでに要する時間と定めてもよい。
(1.2)目的物質の吸着時間T2の決定方法
カラムへ送液する線速度が決定すれば、目的物質の吸着に要する時間を次の式(2)で決定することができる。
(吸着時間)=(カラムのベッド高)/(線速度) 式(2)
図14は、分離カラムの耐圧限界値でのカラムベッド高と線速度との関係の例を示した図である。図14において、横軸はカラムベッド高、縦軸は線速度を表す。また、曲線Pは、分離カラムの耐圧限界値でのカラムベッド高と線速度との関係を表している。従って、線速度を決定するに当たっては、その線速度およびカラムベッド高は、曲線P以下の範囲に含まれるものでなければならない。なお、線速度は、線流速ともいう。
そこで、曲線P以下の範囲内で、カラムベッド高と線速度を様々に変えた条件で、目的物質の回収率を実験により測定し、回収率が一定値(例えば95%)を維持するカラムベッド高、線速度を求める。このとき、カラムベッド高が定められていれば、そのカラムベッド高から線速度を決定することができる。
線速度測定の実験例を以下に示す。この実験では、プロテインA分離カラムを用いて適切な線速度を検討した。様々な線速度の条件でIgGサンプルを添加後、300mM塩化ナトリウム溶液を含むリン酸ナトリウム(pH7.0)、1.88カラム容量(CV)で洗浄後、300mM塩化ナトリウム溶液を含む20mMリン酸ナトリウム(pH2.8)、6.31CVを用いてステップワイズ溶出を行った。各線速度におけるIgG回収量を定量し、添加IgGサンプル量との比をとることで、回収率を導出した。本実験では回収率が90%以上を維持する線速度を適正線速度とした。
あるいは、回収率の測定の代わりに、動的結合容量を計測しても構わない。固定相の担体の結合容量には、最大結合容量と動的結合容量の2種類ある。前者は担体が目的分子を回収できる上限の量をあらわし、後者は精製するサンプルが流れている状態で、どのくらい効率よく回収できるかをあらわす数値である。動的結合容量が高い担体は高流速でたくさんの目的分子を回収できるため、短時間で効率よく目的の分子を精製できる。一方、最大結合容量は、標準タンパク質溶液を分離カラムに添加し、溶出液の吸光度をモニターする。溶出液の吸光度が添加サンプルと同じになるまで送液を続け、「溶出したタンパク質の量」から結合量を求めることができる。このとき、最大結合容量は添加流速の影響は受けない。
動的結合容量測定の実験例を次に示す。動的結合容量を以下の手順に従って測定した。PBS(リン酸緩衝生理食塩水)で希釈した10mg/mL濃度のIgGをシリンジポンプにて、500cm/hの線流速度で10mL送液した。流路の出口から溶液の吸光度を測定した。結果を図15に示す。図15は、動的結合容量測定の実験例における吸光度の時間推移のグラフの例を示した図である。図15において、横軸は経過時間、縦軸は吸光度を表す。
動的結合容量は、一般に、添加したサンプルの吸光度の5%またはタンパク質の量の5%の漏出が見られた時点の添加タンパク質の量とされる。従って、図15から、動的結合容量は、21.5mg/mLであることがわかる。
なお、参考のため線速度(cm/h)の求め方を以下に示す。
線流速(cm/h)=流速(ml/min)×60/カラムの断面積(cm
=[Z×60×4]/[π×d
ここで、Z:流速、d:カラム内径(cm))
(1.3)洗浄時間T3の決定方法
洗浄の効果は、洗浄前後の圧力を測定することで確認することが可能である。例えば、溶出バッファーから洗浄液に置き換える前や洗浄液での洗浄後に、超純水に一度置換して超純水を流したときの圧力を比較し、圧力が下がるまでの時間を洗浄時間として決めることができる。別の方法としては、洗浄工程で溶出液の吸光度を測定し、ベースラインが安定するまでの時間を洗浄時間と定めることもできる。あるいは、分離カラムの体積の一定倍数(例えば10倍)量の洗浄液が流れるまでに要する時間を洗浄時間として決めることもできる。
カラムの洗浄は、製品の完全性/安全性、精製用担体の寿命を考慮して検討する必要がある。カラム洗浄を目的として、次の洗浄剤が利用できる。ただし、これらの洗浄剤に限定されず、他の洗浄剤を用いることも可能である。すなわち、洗浄剤としては、塩酸グアニジンを使用できる。塩酸グアニジンは、疎水性相互作用を破壊し、沈殿・変性したタンパクを溶解する特徴がある。また、洗浄剤としては、有機溶媒(イソプロパノールなど)を使用することができる。有機溶剤は、脂質や疎水性の不純物を除去するが、沈殿した原料は除去困難といった特徴がある。さらに、洗浄剤としては水酸化ナトリウムを使用することができる。水酸化ナトリムは、沈殿タンパクを可溶化し、アルカリ加水分解により脂質を可溶化し、担体から核酸を除去し、殺菌作用があり、タンパクリガンドを劣化させるといった特徴がある。とくに水酸化ナトリウムは、洗浄、殺菌、パイロジェン不活化、ウイルス不活化に効果的であるため好ましい洗浄剤である。
(1.4)目的物質の溶出時間T4の決定方法
分離カラム内の固定相に目的物質を吸着させておき、溶出液を流し始めてから、目的物質が溶出して吸光度が減少し、ベースラインに戻るまでの時間を溶出時間として定めることができる。
(1.5)分離カラムの再生の時間T5
例えば、10カラム体積(CV)の20mMリン酸バッファー、0.5MのNaCl溶液、50mMのEDTA溶液(pH7.4)を送液して金属イオンを除去した後、15CVの超純水を送液するのに要する時間をカラムの再生時間とすることができる。カラムの汚れがひどい場合は、さらに5CVの1MのNaOH溶液をゆっくりと送液して洗浄し、15CV以上の中性バッファーを送液してカラムを中性に戻すのに要する時間とすることができる。
なお、酸やアルカリ溶液で洗浄した後に超純水を流しただけでは分離カラム内に酸やアルカリが残存し、担体へダメージを与えることがあるため、酸やアルカリによる洗浄後にNaClでの洗浄ステップを入れることで担体へのダメージを低減することができる。
(2)カラム容積の決定方法
培養液中の目的物質の濃度をCt、1バッチ当たりの培養液の容積をVb、単位容量当りの分離カラムの目的物質の動的吸着量をAm、1カラム当りの容量をVc、分離カラムの数のN、分離カラムの再利用回数をRとすると、次の式(3)の関係が成り立つ。
Ct・Vb≦Am・Vc・R・N 式(3)
カラム数Nを大きくすることで、式(1)(3)を満たすことができるが、カラム数Nが多くなるにつれ、精製装置の制御系が複雑になるため、式(1)(3)を満たし、カラム数Nが最小数となることが望ましい。分離カラム中の固定相は、通常、繰り返し利用するが、再生工程でのNaOHなどのアルカリ処理で徐々に固定相でのプロテインAなどが劣化(脱離もしくは変性)し、徐々に目的物質の回収量が低下する。そこで、目的の回収量を得られなくなるまでの再利用回数を寿命(寿命回数)とする。固定相ごとに寿命が異なる場合は、使用する毎に回収量をモニタリングしておき、ユーザーが決定する所定の回収量を得られなくなるまでを寿命とすることもできる。また、メーカーが保障する再利用回数を寿命としてもよい。式(3)の中のRは、カラムの再利用回数(寿命)であるため、分離カラム容量は通常のカラムの(1/R)となる。
(3)カラムの分割
必要カラム容積は、1カラム当りの容量Vcとカラムの数Nの積である。Vc・Nの容積のカラムをN個に分割するが、カラムベッド高さを同じにして、カラム断面積を1/Nに分割したカラムは、圧損が分割前のカラムより大きくなる。そのため、カラムベッド高さ方向に少なくとも2分割以上にすることが望ましい。圧力損失が設計の上限値より小さくなるようにカラムベッド高さ、断面積を分割すればよい。図16は、カラム分割の例を示した図で、(a)は、断面積は同じで、高さ方向に分割した例、(b)は高さおよび断面積を分割した例である。
(4)カラム材質(充填剤およびカラムホルダー)
分離カラムには、処理対象の移動相の全量を処理可能な量の固定相が充填されている。よって、所定のバッチについて、分離カラムを使用した後、当該分離カラム自体を交換して、新たな分離カラムを用いて次のバッチを処理することができる。とくに、前記のように、複数の分離カラムを使用する場合には、処理対象の移動相が大容量であっても、カラムにかかる圧力を低減することができる。よって、このような場合、他分野でディスポーザブル素材として使用されているアクリルアミド、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートなどをカラムホルダーの材料とすることができる。なお、分離カラムとしては、従来から使用されていたガラスやステンレスをカラムホルダーの材質としてもよい。
また、固定相の母体としては、従来使用されている如何なる材料を使用することができる。例えば、アガロース、シリカゲルのいずれかもしくはその組み合わせを使用することができる。また、分離対象の物質を特異的に捕捉できるリガンドとしてもとくに限定されず、例えば、プロテインAやプロテインG、Thiophilic interactionを利用することができる。
<バイオ医薬品精製工程への適用例>
図17は、本発明の実施形態に係るクロマトグラフィー装置を適用したバイオ医薬品精製プラント1000の構成の例を示した図である。図17に示すように、バイオ医薬品精製プラント1000は、バイオ医薬品である例えば抗体を分泌生産する細胞を培養した培養液を貯留した培地受けタンク101と、分離・精製対象の抗体を特異的に捕捉する固定相を有するアフィニティーカラム102A,102Bと、固定相に捕捉された抗体を溶出する溶離液が充填された溶離液タンク106とを備えている。
そして、アフィニティーカラム102A,102Bの上流側には圧力センサ111A,111B、スイッチバルブ112Aおよび112B、下流側にはUV検出装置113Aおよび113B、スイッチバルブ114A,114Bが配置されている。また、アフィニティーカラム102A,102Bの下流には、画分タンク109、UF濾過装置105、除菌フィルター108、受けタンク110、陰イオン交換カラム103、画分タンク109、陽イオン交換カラム104、画分タンク109が順に設置されている。また、アフィニティーカラム102A,102Bの上流には、冷却装置107が配設されている。
バイオ医薬品精製プラント1000では、先ず、抗体などのバイオ医薬品を含む培養液は、遠心処理などにより細胞の成分が取り除かれ清澄化される。その後、バイオ医薬品精製プラント1000では、目的とする抗体などのバイオ医薬品を回収する。この回収工程において、アフィニティーカラム102A,102Bは、図2に示したような工程処理の時間割に従い、培養液を連続的に処理する。この間、アフィニティーカラム102A,102Bの充填剤は、図2に示したような工程処理の時間割に従い、再利用することができる。アフィニティーカラム102A,102Bに充填された固定相は、培養液の全量を処理可能な容量であり、好ましくは培養液の全量が利用上限量となる。ここで、利用上限量とは、固定相の分離性能を維持できる、移動相の最大通過量である。
そして、回収工程を経た培養サンプル溶液は、中間精製、最終精製を経て、バイアルに充填される。培養液について1バッチが終了した後、アフィニティーカラム102A,102Bを取り外し、そのまま焼却処分を行うことができる。次の培養液については、新しいアフィニティーカラム102Aおよび102Bをラインにつなぐことで、容易に次の準備を行うことができる。このように、本発明の実施形態に係るクロマトグラフィー装置を適用することによって、分離カラムの劣化が生じた場合に、充填剤の交換を行う必要がなく処理時間を短縮することができる。また、大量の充填剤を大型のカラムに充填するための特別な装置や手技を必要とせず、極めて容易に多くの培養液を処理することができる。
なお、本発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものでなく、さらに様々な変形例が含まれる。例えば、前記の実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために、詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成の一部で置き換えることが可能であり、さらに、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成の一部または全部を加えることも可能である。
1A,1B,1C 分離カラム
3,4,4a,4b,4c,4d,34 送液ポンプ
5,6,7,8,9 溶液リザーバー(溶液槽)
10,11,12,13,21,22,23,24,41,43,50,51,53,54 スイッチバルブ(流路切り替え装置)
14,15,33,38 選択バルブ
26,44,45,46 UVセンサ(計測装置)
47,48,49 圧力センサ(異常検出装置)
55,56,57 流量計 (異常検出装置)
61a,61b,62a,62b,63a,63b カラム連結ジョイント
100,100a,100b,100c,100d クロマトグラフィー装置
25 回収用容器
39 コンピュータ
40 制御装置
101 培地受けタンク
102A アフィニティーカラム
103 陰イオン交換カラム
104 陽イオン交換カラム
105 UF濾過装置
106 溶離液タンク
107 冷却装置
108 除菌フィルター
109 画分タンク
110 受けタンク
111A,111B 圧力センサ
112A,114A スイッチバルブ
113A,113B UV検出装置
1000 バイオ医薬品精製プラント

Claims (12)

  1. 固定相が予め充填され、移動相を含む複数種の溶液が適宜通液され、前記移動相から目的物質を分離する精製処理をする複数の分離カラムと、
    移動相を含む複数種の溶液をそれぞれ貯留する複数の溶液槽と、
    前記複数の分離カラムそれぞれに対し、前記溶液槽の1つを自在に選択し、前記分離カラムと前記溶液槽との間の流路を形成する流路切り替え装置と、
    前記複数の分離カラムそれぞれの上流側に設けられ、前記分離カラムの異常を検出する異常検出装置と、
    前記流路切替え装置および前記異常検出装置に接続され、前記流路切替え装置を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記異常検出装置により前記分離カラムの異常を検出したときには、前記流路切替え装置を介して、前記溶液槽からの前記異常が検出された分離カラムへの送液を停止するとともに、前記異常が検出されていない残余の分離カラムに、予め用意された異常時のプログラムに従って前記溶液槽からの溶液を供給し、前記目的物質の精製処理を継続すること
    を特徴とするクロマトグラフィー装置。
  2. 前記異常検出装置は、圧力センサであること
    を特徴とする請求項1に記載のクロマトグラフィー装置。
  3. 前記異常検出装置は、流量計であること
    を特徴とする請求項1に記載のクロマトグラフィー装置。
  4. 前記分離カラムの下流側に、前記分離カラムにおける目的物質の分離性能を計測する計測装置を、さらに、備え、
    前記制御装置は、前記計測装置により前記分離カラムによる目的物質の分離性能の低下を検出したときには、前記流路切替え装置を介して、前記溶液槽からの前記性能低下が検出された分離カラムへの送液を停止するとともに、前記性能低下が検出されていない残余の分離カラムに、予め用意された異常時のプログラムに従って前記溶液槽からの溶液を供給し、前記目的物質の精製処理を継続すること
    を特徴とする請求項1に記載のクロマトグラフィー装置。
  5. 前記目的物質の分離性能を計測する計測装置は、UVセンサであること
    を特徴とする請求項4に記載のクロマトグラフィー装置。
  6. 前記分離カラムは、前記流路を構成する配管に容易に着脱可能なカラム連結ジョイントを備えていること
    を特徴とする請求項1に記載のクロマトグラフィー装置。
  7. 固定相が予め充填され、移動相を含む複数種の溶液が適宜通液され、前記移動相から目的物質を分離する精製処理をする複数の分離カラムと、
    移動相を含む複数種の溶液をそれぞれ貯留する複数の溶液槽と、
    前記複数の分離カラムそれぞれに対し、前記溶液槽の1つを自在に選択し、前記分離カラムと前記溶液槽との間の流路を形成する流路切り替え装置と、
    前記複数の分離カラムそれぞれの上流側に設けられ、前記分離カラムの異常を検出する異常検出装置と、
    前記流路切替え装置および前記異常検出装置に接続され、前記流路切替え装置を制御する制御装置と、
    を備えたクロマトグラフィー装置の前記制御装置が
    前記異常検出装置により前記分離カラムの異常を検出したときには、前記流路切替え装置を介して、前記溶液槽からの前記異常が検出された分離カラムへの送液を停止するとともに、前記異常が検出されていない残余の分離カラムに、予め用意された異常時のプログラムに従って前記溶液槽からの溶液を供給し、前記目的物質の精製処理を継続すること
    を特徴とするクロマトグラフィー方法。
  8. 前記異常検出装置は、圧力センサであること
    を特徴とする請求項7に記載のクロマトグラフィー方法。
  9. 前記異常検出装置は、流量計であること
    を特徴とする請求項7に記載のクロマトグラフィー方法。
  10. 前記クロマトグラフィー装置は、前記分離カラムの下流側に、前記分離カラムにおける目的物質の分離性能を計測する計測装置を、さらに、備え、
    前記制御装置は、前記計測装置により前記分離カラムによる目的物質の分離性能の低下を検出したときには、前記流路切替え装置を介して、前記溶液槽からの前記性能低下が検出された分離カラムへの送液を停止するとともに、前記性能低下が検出されていない残余の分離カラムに、予め用意された異常時のプログラムに従って前記溶液槽からの溶液を供給し、前記目的物質の精製処理を継続すること
    を特徴とする請求項7に記載のクロマトグラフィー方法。
  11. 前記目的物質の分離性能を計測する計測装置は、UVセンサであること
    を特徴とする請求項10に記載のクロマトグラフィー方法。
  12. 前記分離カラムは、前記流路を構成する配管に容易に着脱可能なカラム連結ジョイントを備えていること
    を特徴とする請求項7に記載のクロマトグラフィー方法。
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