JP2015052478A - 試験装置および水素脆化試験方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水素脆化試験において破断した金属試験片から逸脱する水素量を低減する試験装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る試験装置1は、金属試験片50を保持するための保持具2および保持具3と、応力発生手段4と、荷重測定手段14と、金属試験片50の一部と水素とを内部で接触させるための電解槽5と、金属試験片50のうちの電解槽5外に出ている部分の少なくとも一部を内部に保持し、冷媒が供給される冷却槽6とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属試験片の水素脆化試験を行うための試験装置、および水素脆化試験方法に関するものである。
近年、製造業等において、鋼材等の金属材料の軽量化および高強度化が求められている。しかしながら、金属材料は、高強度化に伴って水素脆化感受性が高くなる。そのため、水素脆化を抑えた材料の開発、および水素脆化のメカニズムの研究がさかんに行われている。
水素脆化評価の方法として、例えば、試験片中に水素を導入しながら、試験装置を用いて引張応力等の応力を負荷し、破断後の試験片を、昇温脱離分析装置(TDS)等を用いて分析して、破断時の水素量(限界拡散性水素量)を得る手法が知られている。試験片中への水素の導入方法として、例えば、非特許文献1には、電気化学装置を用いる方法が記載されている。また、非特許文献2には、オートクレーブを用いる方法が記載されている。
漆原亘ら,R&D 神戸製鋼技報, Vol.61, No.1 (2011), pp.47-51 高澤孝一ら, J. Japan Inst. Metals, Vol.74, No.8 (2010), pp.520-526
試験片中の拡散性水素は、常温では徐々に逸脱する。そのため、破断時の限界水素量の分析においては、破断試験後に破断試験片を素早く水素分析装置で分析をする必要がある。水素分析装置ですぐに分析できない場合は、拡散性水素の逸脱を抑えるために、できるだけ早く液体窒素中に浸漬する必要がある。
しかしながら、上述のような従来技術において、電気化学装置を用いる方法では、破断試験後に試験装置から破断試験片の取り外すためには、ポテンショスタットの停止、腐食槽内部の電解液の排出、腐食槽からの試験片の取り外し等の操作が必要である。また、オートクレーブを用いる方法では、オートクレーブ内の水素のパージ、オートクレーブからの試験片の取り外し等の操作が必要である。
これらの操作は通常すべて手作業で行っているため、大気中での作業時間が十分程度の時間を要する。そのため、水素分析装置で求められる水素量は、真の限界拡散性水素量よりも小さくなる。また、これらの作業時間は作業者の熟練度に依存し、不慣れな作業者が行うと、さらに長い時間を要する。そのため、水素分析装置で求められる水素量は、作業者によって異なってしまう。このように、従来の方法では、精度が十分ではない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、水素脆化試験において破断した試験片から逸脱する水素量を低減する試験装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る試験装置は、金属試験片の水素脆化試験を行うための試験装置であって、上記金属試験片の一端を保持するための第一の保持手段と、上記金属試験片の他端を保持するための第二の保持手段と、上記第一の保持手段に接続され、上記金属試験片に対して応力を負荷するための応力発生手段と、上記第一の保持手段に接続された荷重測定手段と、上記金属試験片の一部と水素とを内部で接触させるための水素添加処理槽と、上記金属試験片のうちの上記水素添加処理槽外に出ている部分の少なくとも一部を内部に保持し、冷媒が供給される冷却槽とを備える。
本発明に係る試験装置において、上記冷却槽は、上記水素添加処理槽を挟んで上記第一の保持手段と対向する側に備えられていることが好ましい。
本発明に係る試験装置は、上記金属試験片の破断を感知するセンサーを備え、当該センサーの感知に応じて上記冷却槽に冷媒を供給することが好ましい。
本発明に係る試験装置において、上記水素添加処理槽は、内部の液体を外部へ排出するための排出手段を備える場合がある。
本発明に係る試験装置は、上記水素添加処理槽と上記冷却槽との間に断熱材を備えることが好ましい。
本発明に係る試験装置において、上記水素添加処理槽は、電極と、上記金属試験片および当該電極の間に電流を発生させる電流発生手段とを備える場合がある。
本発明に係る試験装置において、上記金属試験片の洗浄に用いる洗浄液を供給するための洗浄液供給手段を備えることが好ましい。
本発明に係る試験装置において、上記水素添加処理槽は、内部に乾燥エアーを供給するための乾燥エアー供給手段を備えることが好ましい。
本発明に係る水素脆化試験方法は、金属試験片の一部と水素とを内部で接触させるための水素添加処理槽に、金属試験片を、少なくとも一端が当該水素添加処理槽外に出るように配置し、当該金属試験片に水素を供給しながら試験装置により応力を負荷して、当該金属試験片を破断させる破断工程と、破断した金属試験片の断片を、上記水素添加処理槽に配置した状態で、上記水素添加処理槽外に出ている部分において冷却する冷却工程とを含む。
本発明に係る水素脆化試験方法において、上記金属試験片への水素の供給は、上記試験装置に備えられた電解槽内で電気化学的に行う場合がある。
本発明に係る水素脆化試験方法は、上記破断工程後で且つ上記冷却工程前に、上記水素の供給において用いた電解液を排出する排出工程を含む場合がある。
本発明に係る水素脆化試験方法において、上記冷却工程において冷却する上記断片は、上記試験装置に備えられた荷重測定手段に接続されていない断片であることが好ましい。
本発明に係る水素脆化試験方法において、上記冷却工程は、金属試験片のうちの上記水素添加処理槽外に出ている部分の少なくとも一部を内部に保持する冷却槽に、冷媒を供給することによって行われることが好ましい。
本発明に係る水素脆化試験方法は、上記排出工程後で且つ上記冷却工程前に、上記電解槽内で上記金属試験片の断片を洗浄する洗浄工程を含むことが好ましい。
本発明に係る水素脆化試験方法は、少なくとも上記冷却工程中に、上記電解槽内に乾燥エアーを供給することが好ましい。
本発明は、水素脆化試験において、破断した金属試験片から逸脱する水素量を低減することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る試験装置の概略構成を模式的に示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る試験装置の概略構成を模式的に示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る水素脆化試験方法を説明するフローチャートである。
〔実施形態1〕
本発明の試験装置に関する一実施形態について、図1〜3に基づいて説明すれば以下のとおりである。
(構成)
本実施形態の試験装置1の各構成について、図1および2を参照して説明する。
図1および2は、本実施形態における試験装置1の概略構成を模式的に示す正面図である。なお、図1および2は、本実施形態における試験装置1に、試験対象である金属試験片50がセットされた状態を示しており、図1は破断前の状態、図2は破断後の状態を示している。
試験装置1は、金属試験片の水素脆化試験を行うための試験装置である。図1に示されるように、試験装置1は、保持具(第一の保持手段)2、保持具(第二の保持手段)3、引張応力負荷装置(応力発生手段)4、電解槽(水素添加処理槽)5、冷却槽6、および荷重測定手段14を備えている。保持具2および保持具3は、上下に位置するように配置されており、試験装置1は垂直方向に引張応力を負荷する構成となっている。
金属試験片50は、丸棒型で、保持具2および保持具3に取り付けるための雄ネジ溝を両端に有している。また、金属試験片50は、中央よりずれた位置に平行部50aが設けられている。すなわち、金属試験片50は、平行部50aからそれぞれの端までの長さが異なっている。金属試験片50は、その両端が電解槽5外に突き出すとともに、平行部50aは電解槽5内に位置するように、セットされる。
保持具2は、金属試験片50の一端を保持するための部材である。保持具2は、荷重測定手段14を介して、引張応力負荷装置4に接続されている。保持具2は、金属試験片50を取り付けるための雌ネジ溝を有している。
保持具3は、金属試験片50の他端を保持するための部材である。保持具3は、接続ピン26を介して架台15に取り付けられている。保持具3は、金属試験片50を取り付けるための雌ネジ溝を、架台15への取り付け位置と反対側に有している。また、保持具3には、センサー7が取り付けられている。接続ピン26は、金属製である。
引張応力負荷装置4は、金属試験片50に対して引張応力を負荷するための部材である。引張応力負荷装置4は、荷重測定手段14を介して、保持具2に接続されている。
荷重測定手段14は、金属試験片50にかかる応力を測定するための部材である。荷重測定手段14は、保持具2に接続されている。荷重測定手段14は、例えば、ロードセル、歪ゲージ等である。
電解槽5は、金属試験片50の一部と水素とを内部で接触させるための容器である。電解槽5は、保持具2と保持具3との間に配置されている。電解槽5は、側面がガラス製であり、上面および下面がフッ素樹脂製である。電解槽5は、下面に排出口(排出手段)11を備え、上面に洗浄液供給口(洗浄液供給手段)12および乾燥エアー供給口(乾燥エアー供給手段)22を備えている。また、電解槽5は、上面中央および下面中央に、金属試験片50を貫通させるための貫通孔を備えている。さらに、電解槽5は、下面外側に断熱材8を備えている。また、電解槽5は、内部に電極9を備えている。
排出口11は、電解槽5内の液体を電解槽5外へ排出するための開口である。排出口11には、電解槽5の外側からチューブ17が取り付けられている。チューブ17には、遮断弁18が備えられている。遮断弁18は、例えば、電磁弁である。排出口11は、金属試験片50の破断後に、電解槽5内の電解液を排出したり、後述の洗浄液を排出したりする。
洗浄液供給口12は、金属試験片50を洗浄するための洗浄液を供給するための開口である。洗浄液供給口12には、電解槽5の外側からチューブ19が取り付けられている。チューブ19は、洗浄液タンク21と接続されており、電解槽5と洗浄液タンク21とを連通している。チューブ19には、遮断弁20が備えられている。遮断弁20は、例えば、電磁弁である。洗浄液は、例えば、水(純水)、有機溶媒等であり、破断後の金属試験片50を洗浄するために用いられる。
乾燥エアー供給口22は、電解槽5内に乾燥エアーを供給するための開口である。乾燥エアー供給口22には、電解槽5の外側からチューブ23が取り付けられている。
断熱材8は、例えば、発砲スチロール、ウレタン、グラスウール等の公知の断熱材である。断熱材8は、電解槽5の下面外側にドーナツ形に配置されている。また、断熱材8には、チューブ17を通すための穴が設けられている。
ポテンショスタット(電流発生手段)10は、金属試験片50および電極9の間に電流を発生させるための装置である。ポテンショスタット10と金属試験片50とは、電線で接続されている。また、ポテンショスタット10と電極9とは、電線で接続されている。
電極9は、金属試験片50に水素を電気化学的にチャージする際の陽極である。電極9の材料、大きさ、形状等は、当該分野で一般的に用いられているものとすればよい。電極9は、例えば、白金である。
冷却槽6は、金属試験片50を冷却するための容器である。冷却槽6は、金属試験片50のうちの電解槽5外に出ている部分の少なくとも一部を内部に保持する位置に配置されている。また、冷却槽6は、電解槽5の下面側に配置されている。すなわち、冷却槽6は、電解槽5を挟んで保持具2と対向している。また、冷却槽6は、保持具3に取り付けられている。冷却槽6と保持具3とは、溶接等によって一体化されていてもよいし、ネジまたはボルト等によって取り外し可能に取り付けられていてもよい。冷却槽6は、冷媒保存タンク13とチューブ24を介して連結しており、冷却槽6には、冷媒保存タンク13に保存されている冷媒が必要に応じて供給されるようになっている。チューブ24には、遮断弁25が備えられている。冷媒は、例えば、液体窒素、液体ヘリウム等である。また、冷却槽6は、例えば、ステンレス、アルミニウム等の材質である。冷却槽6の上面には、金属試験片50を通すための穴が設けられている。
冷媒保存タンク13は、冷却槽6に供給される冷媒を保存している容器である。冷媒保存タンク13の材質、大きさ、形状等は、冷媒の種類に応じて適宜選択すればよい。冷媒保存タンク13は、例えば、サイフォン式の自動供給システム等の公知の冷媒供給システムにおける冷媒保存タンクであり得る。
センサー7は、金属試験片50の破断を感知するためのセンサーである。センサー7は、金属試験片50の破断の感知結果を、信号線を介して制御部16に通知する。センサー7は、保持具3に取り付けられている。
制御部16は、センサー7による金属試験片50の破断の感知によって、冷媒保存タンク13の冷媒が冷却槽6に供給されるように制御する。さらに、制御部16は、センサー7による金属試験片50の破断の感知によって、ポテンショスタット10からの電流供給を遮断、遮断弁18の開閉、および遮断弁20の開閉も制御する。制御部16は信号線を介してセンサー7に接続されている。また、ポテンショスタット10、遮断弁18および遮断弁20は、それぞれ信号線(不図示)を介して、制御部16に接続されている。
(動作および作用)
試験装置1を用いて水素脆化試験を行う場合の動作および作用について、図1〜3を参照して説明する。なお、以下の説明は、本発明の一実施形態に係る水素脆化試験方法の説明も兼ねている。
まず、試験装置1に、水素脆化試験の対象である金属試験片50をセットする。具体的には、金属試験片50の一方の雄ネジ溝を保持具2の雌ネジ溝に取り付け、金属試験片50の他方の雄ネジ溝を保持具3の雌ネジ溝に取り付ける。このとき、平行部50aから端までの長さが長い方の雄ネジ溝を保持具3に取り付け、短い方の雄ネジ溝を保持具2に取り付ける。金属試験片50の一部は電解槽5内に配置され、金属試験片50の両端は電解槽5外に配置される。これによって、破断される平行部50aを電解槽5内に配置させつつ、金属試験片50の一部を冷却槽6内に配置することができる。
保持具2および保持具3に金属試験片50を取り付けた後、冷却槽6の上面に設けられた穴と金属試験片50との隙間を、シール材等で塞ぐことが好ましい。これによって、冷却槽6内に供給される冷媒の冷気が隙間から漏れ出ることを防ぐことができる。
次いで、金属試験片50に水素を供給しながら引張応力を負荷して、金属試験片50を破断させる(破断工程)。金属試験片50への水素の供給は、電解槽5に電解液を入れ、電極9および金属試験片50に接続されたポテンショスタット10を用いて電流を発生させることによって行われる(陰極水素チャージ)。電解液は、破断の条件等により適宜公知のものを選択すればよく、例えば、NaClとNHSCNとを含む水溶液である。また、乾燥エアー供給口22から電解槽5内に乾燥エアーを供給し、電解液相上部にある気相を乾燥エアーで満たす。金属試験片50への引張応力の負荷は、引張応力負荷装置4を用いて行われる。また、金属試験片50にかかる引張応力の測定は、荷重測定手段14によって行われる。
金属試験片50が破断すると、センサー7がそれを感知する。具体的には、金属試験片50の破断時の戻り動作をセンサー7が感知する。そして、センサー7から制御部16にその旨が通知される。制御部16はその通知を受け取ると、まず、ポテンショスタット10からの電流供給を遮断する。これによって、金属試験片50への水素の供給が停止する。次いで、制御部16は、遮断弁18を開く。これによって、電解槽5内の電解液が排出口11およびチューブ17を介して排出される(排出工程)。次いで、制御部16は、遮断弁20を開く。これによって、洗浄液タンク21から洗浄液がチューブ19および洗浄液供給口12を介して電解槽5内に供給され、金属試験片50の断片50b・50cが洗浄される(洗浄工程)。洗浄後の排液は、排出口11およびチューブ17を介して排出される。遮断弁20を開くタイミングは、電解液の体積に応じて、適宜設定し得る。例えば、電解槽5から電解液が全て排出されたと同時に遮断弁20が開くように設定することができる。次いで、一定時間経過した後、制御部16は、遮断弁20を閉じる。これによって、洗浄液の供給が停止する。このとき、遮断弁18は開いた状態であるため、排液は排出されて、電解槽5内は乾燥エアーで満たされる。
次いで、制御部16は、冷媒保存タンク13から冷却槽6に冷媒を供給させる。これによって、冷却槽6に冷媒が供給される。図2に示すように、金属試験片50は、平行部50aから保持具3までの距離が長くなっている。そのため、冷却槽6は、金属試験片50のうちの電解槽5外に出ている部分の一部を保持している。すなわち、金属試験片50の一部は電解槽5内にある。したがって、当該金属試験片50の一部が、冷媒に接触する。すると、金属試験片50は冷媒に接触している部分から冷却されていき、冷媒に接触していない部分も即座に冷却される。このとき、図2に示すように、破断した金属試験片50の断片50b・50cのうち、保持具3に保持された断片50cのみが冷却槽6内にある。また、上述のように電解槽5は、内部の液体が排出されている。そのため、断片50b・50cのうち、断片50cのみが冷却され、断片50bは実質的に冷却されない。なお、続いて行う水素量測定には、通常、破断した断片のうちの一方、あるいは当該一方から切り出した一部を用いる。そのため、断片50cのみ冷却すれば足りる。このようにして、破断した金属試験片50を、電解槽5に配置した状態、すなわち試験装置1に保持した状態で、断片50cを冷却することができる(冷却工程)。
断片50bを保持する保持具2には、荷重測定手段14が接続されている。上述のように、断片50bは実質的に冷却されないため、荷重測定手段14はほとんど影響を受けることがない。そのため、荷重測定手段14が冷却によって不具合が生じたり故障したりすることを回避することができる。
また、冷却槽6と電解槽5との間には断熱材8が存在するため、冷却槽6と電解槽5との間の空気を介して電解槽5が冷却されることが抑制される。
また、電解槽5内には乾燥エアーが供給されるため、霜が発生することが抑制される。
その後、冷却した断片50cを試験装置1から取り外す。具体的には、まず、断片50cを冷却槽6に浸漬したまま(すなわち、冷却槽6に冷媒が満たされた状態で)、電解槽5およびその上部にある構成を断片50cから取り外す。次いで、断片50cを保持具3から取り外す。
試験装置1から取り外した断片50cは、例えば、別の容器に入れた冷媒(液体窒素等)に移し、冷媒に浸漬した状態で切断・研磨して水素量の測定に用いればよい。切断および研磨は、公知の方法で行えばよい。また、水素量の測定には、公知の水素量測定装置を用いればよく、例えば、昇温脱離分析装置、ガスクロマトグラフィー、大気圧イオン化質量分析装置、不活性ガス融解水素分析装置等を用いればよい。
また、断片50cを切断することなく、そのまま水素量の測定に用いてもよい。その場合、水素量の測定には、例えば、電子科学製低温TDSを用いることができる。電子科学製低温TDSは、大きいサイズの金属試験片を測定することができ、また0℃以下の低温状態から分析することができる。このような装置を用いれば、金属試験片から逸脱する水素量をより低減することができる。
(利点)
従来の試験装置では、電解槽の分解、および保持具からの金属試験片の取り外し等の操作を行った後に、取り出した金属試験片を冷媒に浸漬していた。一方、本実施形態に係る試験装置1では、これらに操作を行う前に、金属試験片50を冷却することができる。そのため、従来よりも早い段階で水素の逸脱を抑えることができる。したがって、続く水素量測定で求められる水素量と真の限界拡散性水素量との誤差が、従来と比較して小さくなる。また、本実施形態に係る試験装置1では、作業者の熟練度に依存することなく、同じタイミングで冷却を行うことができる。そのため、従来と比較して、作業者に関係なく、同じ結果を得ることができる。このように、本実施形態に係る試験装置1では、従来の試験装置と比較して、高い精度を得ることができる。
さらに、従来では、作業者が破断時にその場にいない場合、金属試験片をすぐには冷却することができず、試験が無駄になることがある。一方、本実施形態の試験装置1では、金属試験片50の破断後、冷却までの操作が全て自動で行われる。そのため、作業者がその場にいない間に金属試験片50が破断した場合であっても、破断後すぐに冷却を行うことができる。したがって、従来と比較して、ロスがないという利点がある。
〔その他の実施形態〕
(変形例)
試験装置1では、センサー7は保持具3に取り付けられていたが、他の実施形態において、センサー7は金属試験片50の破断を感知できる位置であれば、どこに設けられていてもよい。
また、他の実施形態において、制御部16を介さずに、センサー7から直接、ポテンショスタット10からの電流供給、遮断弁18、および遮断弁20をオン・オフさせてもよい。この場合、例えば、センサー7を構成する部材が、金属試験片50の破断時の戻り動作で、ポテンショスタット10からの電流を遮断するような仕掛けにすればよい。
また、他の実施形態において、センサー7および制御部16の何れも有さず、手動で行うこともできる。その場合、例えば、金属試験片50の破断後に、遮断弁18を開いて、電解液を排出する。また、手動で遮断弁20を開いて、洗浄液を供給する。その後、手動で冷却槽6に冷媒を供給する。手動で行う場合でも、電解槽5の分解、ならびに保持具2および3からの金属試験片50の取り外し等の操作前に、金属試験片50の冷却を行うことができる。そのため、上述のように、従来の試験装置と比較して、高い精度を得ることができる。
試験装置1は、垂直方向に引張応力を負荷する構成であるが、他の実施形態において、水平方向に引張応力を負荷する構成であってもよい。また、他の実施形態において、試験装置1は圧縮試験または疲労試験等を行うものであってもよく、応力発生手段として、例えば、公知の定荷重引張応力負荷装置、定歪引張応力負荷装置、圧縮応力負荷装置、または疲労試験装置等を備えていてもよい。
試験装置1では、金属試験片50に水素を導入する方法として、電気化学装置(電極9、ポテンショスタット10、電線)を用いる方法を採用しているが、他の実施形態において、オートクレーブを用いる方法であってもよい。その場合、水素添加処理槽はオートクレーブであり、試験装置はさらに、オートクレーブ内に水素ガスを供給するための水素ガス供給手段を備え得る。
また、金属試験片は、丸棒型に限られず、平板型であってもよい。また、金属試験片は、平行部からそれぞれの端までの長さが同じものであってもよく、その場合、何れか一端が冷却槽に浸漬するように試験装置にセットすればよい。
(水素脆化試験システム)
応用例として、本発明に係る試験装置と、破断した金属試験片の水素量を測定するための水素量測定装置とを備える水素脆化試験システムが挙げられる。水素量測定装置は、例えば、公知の昇温脱離分析装置、ガスクロマトグラフィー、大気圧イオン化質量分析装置、不活性ガス融解水素分析装置等である。
このような構成の水素脆化試験システムは、上述のように、試験装置において従来よりも早い段階で水素の逸脱を抑えることができる。そのため、水素量測定装置を用いて求められる水素量と真の限界拡散性水素量との誤差が、従来と比較して小さくなる。また、試験装置において、作業者の熟練度に依存することなく、同じタイミングで冷却を行うことができる。そのため、従来と比較して、作業者に関係なく、同じ結果を得ることができる。したがって、このような構成の水素脆化試験システムでは、従来と比較して、高い精度を得ることができる。
本発明は、例えば、金属材料の水素脆化の評価に利用することができる。
1 試験装置
2 保持具
3 保持具
4 引張応力負荷装置(応力発生手段)
5 電解槽(水素添加処理槽)
6 冷却槽
7 センサー
8 断熱材
9 電極
10 ポテンショスタット(電流発生手段)
11 排出口(排出手段)
12 洗浄液供給口(洗浄液供給手段)
13 冷媒保存タンク
14 荷重測定手段
15 架台
16 制御部
17 チューブ
18 遮断弁
19 チューブ
20 遮断弁
21 洗浄液タンク
22 乾燥エアー供給口(乾燥エアー供給手段)
23 チューブ
24 チューブ
25 遮断弁
26 接続ピン
50 金属試験片

Claims (15)

  1. 金属試験片の水素脆化試験を行うための試験装置であって、
    上記金属試験片の一端を保持するための第一の保持手段と、
    上記金属試験片の他端を保持するための第二の保持手段と、
    上記第一の保持手段に接続され、上記金属試験片に対して応力を負荷するための応力発生手段と、
    上記第一の保持手段に接続された荷重測定手段と、
    上記金属試験片の一部と水素とを内部で接触させるための水素添加処理槽と、
    上記金属試験片のうちの上記水素添加処理槽外に出ている部分の少なくとも一部を内部に保持し、冷媒が供給される冷却槽とを備える、試験装置。
  2. 上記冷却槽は、上記水素添加処理槽を挟んで上記第一の保持手段と対向する側に備えられている、請求項1に記載の試験装置。
  3. 上記金属試験片の破断を感知するセンサーを備え、当該センサーの感知に応じて上記冷却槽に冷媒を供給する、請求項1および2に記載の試験装置。
  4. 上記水素添加処理槽は、内部の液体を外部へ排出するための排出手段を備える、請求項1〜3の何れか1項に記載の試験装置。
  5. 上記水素添加処理槽と上記冷却槽との間に断熱材を備える、請求項1〜4の何れか1項に記載の試験装置。
  6. 上記水素添加処理槽は、電極と、上記金属試験片および当該電極の間に電流を発生させる電流発生手段とを備える、請求項1〜5の何れか1項に記載の試験装置。
  7. 上記水素添加処理槽は、上記金属試験片の洗浄に用いる洗浄液を供給するための洗浄液供給手段を備える、請求項1〜6の何れか1項に記載の試験装置。
  8. 上記水素添加処理槽は、内部に乾燥エアーを供給するための乾燥エアー供給手段を備える、請求項1〜7の何れか1項に記載の試験装置。
  9. 金属試験片の一部と水素とを内部で接触させるための水素添加処理槽に、金属試験片を、少なくとも一端が当該水素添加処理槽外に出るように配置し、当該金属試験片に水素を供給しながら試験装置により応力を負荷して、当該金属試験片を破断させる破断工程と、
    破断した金属試験片の断片を、上記水素添加処理槽に配置した状態で、上記水素添加処理槽外に出ている部分において冷却する冷却工程とを含む、金属試験片の水素脆化試験方法。
  10. 上記金属試験片への水素の供給は、上記試験装置に備えられた電解槽内で電気化学的に行う、請求項9に記載の水素脆化試験方法。
  11. 上記破断工程後で且つ上記冷却工程前に、上記水素の供給において用いた電解液を排出する排出工程を含む、請求項10に記載の水素脆化試験方法。
  12. 上記冷却工程において冷却する上記断片は、上記試験装置に備えられた荷重測定手段に接続されていない断片である、請求項9〜11の何れか1項に記載の水素脆化試験方法。
  13. 上記冷却工程は、金属試験片のうちの上記水素添加処理槽外に出ている部分の少なくとも一部を内部に保持する冷却槽に、冷媒を供給することによって行われる、請求項9〜12の何れか1項に記載の水素脆化試験方法。
  14. 上記排出工程後で且つ上記冷却工程前に、上記電解槽内で上記金属試験片の断片を洗浄する洗浄工程を含む、請求項9〜13の何れか1項に記載の水素脆化試験方法。
  15. 少なくとも上記冷却工程中に、上記電解槽内に乾燥エアーを供給する、請求項9〜14の何れか1項に記載の水素脆化試験方法。
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