JP2015052078A - コーティング組成物、積層ポリエステルフィルム、及び太陽電池バックシート - Google Patents

コーティング組成物、積層ポリエステルフィルム、及び太陽電池バックシート Download PDF

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Takatoshi Matsuo
高年 松尾
美穂 武田
Yoshio Takeda
美穂 武田
神山 達哉
Tatsuya Kamiyama
達哉 神山
香代子 福島
Kayoko Fukushima
香代子 福島
高橋 誠治
Seiji Takahashi
誠治 高橋
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Abstract

【課題】太陽電池用バックシートに使用する、耐久試験後の密着性が良好なポリエステルフィルムのコーティング剤の提供。
【解決手段】水酸基含有アクリルモノマーと、SP値が7.0〜9.0(cal/ml)1/2となるアクリル樹脂を与えるアクリル系モノマー類とを必須成分として共重合して得られる水酸基含有アクリル樹脂(I)とポリイソシアネート化合物(II)とを含有するコーティング組成物。該コーティング組成物の硬化皮膜1がポリエステル樹脂フィルム2上に積層された積層ポリエステルフィルム。該積層ポリエステル樹脂フィルムを含む多層構造の太陽電池バックシート。前記アクリル樹脂の水酸基価が1〜200mgKOH/g且つ、重量数平均分子量が5000〜500000であり、前記アクリル樹脂中の水酸基(a)と前記イソシアネート化合物中のイソアネート基(b)との当量比〔(b)/(a)〕が0.5〜5.0であるコーティング組成物。
【選択図】図1

Description

本発明はオーバーレイフィルムや、表面保護用フィルム、液晶ディスプレイ反射用シート、特に太陽電池用バックシートを形成するのに有用なコーティング組成物、該コーティング剤の被膜が形成された積層フィルム、これを含む太陽電池バックシートに関するものである。
高耐候性フィルム・シートは、共通して、物体を厳しい外部環境から遮断し保護することを目的としており、直射日光による紫外線暴露や大きな気温変化を受けたり、風雨に曝されるなどの環境変化があっても、長期間に亘り破れたりせずに、物体を確実に保護できることが必要となる。
例えば、太陽電池バックシートは、太陽電池本体を厳しい外部環境から遮断し保護することを目的とした裏面保護シートである。太陽電池パネルは、屋外に設置されることから、直射日光による紫外線暴露や大きな気温変化および風雨に曝されるなどの環境変化があっても、長期間に亘り安定稼動することが必要である。当然、バックシート自体にも、発電素子等を外部環境から長期間守る耐候性および耐久性が要求される。
このようなバックシートの基材としては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素系樹脂シートや金属箔等が組み合わされて、用いられることが多い。しかしながら、フッ素系樹脂シートは高価であると同時に太陽電池モジュールの長期高圧課電での耐久性の観点からは十分とは言えず、改良技術として様々な構成体が提案されている。
そこで、バックシートとして、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下PETフィルムと称す)等の汎用のプラスチックシートを利用する検討がなされている。
近年更に、このPETフィルム上にコーティング剤を塗布し、耐UV性、耐擦傷性や耐溶剤性といった機能性を付与する積層ポリエステル樹脂フィルムの開発検討が行われている。しかしながら、PETフィルムは、コーティング剤の密着性を確保するのが困難である。特に、太陽電池バックシートのような、耐久性を求められる用途においては、耐久試験後の密着性の低下が激しく、経時でコーティング層が剥離してしまうという課題が残されている。
コーティング層に関しては、例えば、後述する特許文献に、アクリル系ポリマーとポリイソシアネート化合物を組み合わせた組成物が記載されている。
コーティング剤として、例えば、紫外線吸収剤及び/又はヒンダードアミン系光安定剤を添加した、水酸基含有アクリル樹脂と有機ポリイソシアネート化合物からなるポリウレタン系硬化性表面コーティング(例えば、特許文献1参照。)が提案されているが該組成では、紫外線吸収剤の添加により耐候性が向上し、更に添加した紫外線吸収剤のブリードアウトを低減しているものの、耐久試験後の密着性の改善については未解決であった。
また、アクリル系ポリマーとポリイソシアネート化合物を組み合わせた接着剤組成物を用いて、ポリエステルフィルムと各種フィルムを貼り合せた、耐侯性、耐絶縁性及び水分バリア性に優れた太陽電池バックシート(例えば、特許文献2参照。)、基材にアクリルウレタン樹脂層が形成された太陽電池モジュール用保護シート(例えば、特許文献3参照。)が提案されている。しかし、これらの技術は、コーティング層の密着性は向上するものの、太陽電池バックシートのような、耐久性を求められる用途については、耐久試験後の密着性の低下が激しく、経時でコーティング層が剥離してしまう問題があった。
特開2005−015557 特開2009−246360 特開2010−238815
従って、本発明の課題は、耐久試験後の密着性が良好なポリエステルフィルムのコーティング剤を提供することにある。
本発明の発明者は、前記の課題を解決すべく鋭意検討の結果、重合するとSP値が7.0〜9.0〔単位;(cal/ml)1/2〕(以下省略)となるアクリル樹脂を与えるアクリルモノマーを共重合成分にもつ水酸基含有アクリル樹脂とポリイソシアネート化合物とを組み合わせたコーティング組成物が、耐久試験後の密着性良好であることを見出し、発明を完成させた
即ち、本発明は、水酸基含有アクリルモノマーとSP値が7.0〜9.0となるアクリル樹脂を与えるアクリル系モノマー類とを必須成分とするラジカル重合性モノマー類を共重合して得られる水酸基含有アクリル樹脂(I)とポリイソシアネート化合物(II)とを含有することを特徴とするコーティング組成物、該コーティング組成物の硬化被膜が形成された積層ポリエステルフィルム、該積層ポリエステルフィルムを含む太陽電池バックシートを提供する。
本発明のコーティング剤をポリエステル樹脂フィルム上に塗布することで、耐久性に加え、耐UV性、耐擦傷性、耐溶剤性といった機能性を付与した積層ポリエステル樹脂フィルムを形成することが可能となる。
本発明の硬化性コーティング組成物を用いた太陽電池バックシートの層構成の一態様を示す図である。 本発明の硬化性コーティング組成物を用いた太陽電池バックシートの層構成の一態様を示す図である。 本発明の硬化性コーティング組成物を用いた太陽電池バックシートの層構成の一態様を示す図である。
本発明に用いる水酸基含有アクリルモノマーとSP値が7.0〜9.0となるアクリル樹脂を与えるアクリル系モノマー類とを必須成分とするラジカル重合性モノマー類(a)を共重合して得られる水酸基含有アクリル樹脂(I)に用いるSP値が7.0〜9.0となるアクリル樹脂を与えるアクリル系モノマー類としては、炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の例としては、具体的には、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル等が挙げられる。
それぞれのモノマーのSP値は、ケイ・エル・ホイ(K.L.Hoy)著の「ジャーナル・オブ・ペイント・テクノロジー(Journal of Paint Technology)」,第42巻,第541号,第76頁(1970)という文献に記載の値〔単位はいずれも(cal/ml)1/2〕、例えば、スチレンは9.35,メチルメタクリレートは9.23,エチルアクリレートは8.81,n−ブチルアクリレートは8.63,iso−ブチルメタクリレートは8.15,t−ブチルメタクリレートは8.05,2−エチルヘキシルアクリレートは7.87…という値を採用するが、一方で文献値として存在しないモノマーに対しては、次式によって求められる計算値(ただし、密度は1.0と仮定するものとする)を採用する。SP=(d・ΣG)/Mn[式中、SPはモノマーのSP(cal/ml)1/2 、dはモノマーの密度(g/ml)、Gは分子凝集定数(cal・ml)1/2/mol 、Mnはモノマーの分子量(g/mol)である。なお、上記Gの値は、Small,P.S.,J.Appl.Chem.3,P.75(1973)に記載の値を使用する。]
なお、前記SP値の計算方法において、コポリマーのSP値は、各モノマーのSP値に重量基準で以て、加成性が成立するものと仮定している。
前記水酸基含有(メタ)アクリレート(b)としては、例えば、えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、必要に応じて、前記モノマー類以外の重合性モノマー、例えば、前記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、前記以外の(メタ)アクリレート類、スチレン、メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物等が挙げられる。
また、前記水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基価;1〜200mgKOH/g、重量平均分子量;5,000〜500000、ガラス転移温度;20〜110℃であることが好ましい。
前記アクリル系モノマー類(a)の含有率は、水酸基含有アクリル樹脂中の50〜90重量%であることが好ましい。
また、前記水酸基含有(メタ)アクリレート(b)の含有率は、SP値が前述の範囲を外れない範囲で使用してもよく、その際の使用量は、水酸基含有アクリル樹脂中の5〜20重量%であることが好ましい。
本発明に用いる水酸基含有アクリル樹脂(I)は、例えば、前記ラジカル重合性モノマーをベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、t−ブチルパーオクトエート、ジ−t−ブチルパーオキシドまたはt−ブチルパーベンゾエート等のラジカル開始剤を用い、種々のラジカル重合反応方法に従って製造できる。また、このようなラジカル重合反応は、通常、60〜150℃の範囲で、トルエン、キシレンまたは酢酸ブチルなどの有機溶媒中で行なうことが好ましい。
本発明で用いるポリイソシアネート化合物(II)としては、活性なイソシアネート基を2個以上有する化合物は何れも使用可能である。このようなポリイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族系ポリイソシアネート、芳香族系ポリイソシアネート等が挙げられる。
前記脂肪族系ポリイソシアネートとしては、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8−オクタメチレンジイソシアネート、L−リジンジイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネート或いは脂環式系ポリイソシアネートが挙げられる。
前記脂環式系ポリイソシアネートとしては、例えば、水素化4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(水素化MDI)、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環式系ジイソシアネート等が挙げられる。
前記芳香族系ポリイソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ビフェニルジイソシアネートトリデンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、p−テトラメチルキシレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネート等が挙げられる
また、3官能以上のポリイソシアネートも挙げられ、具体的には、例えば、トリフェニルメタントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、4,4',4''−トリフェニルメタントリイソシアネート、2,4,4'−ビフェニルトリイソシアネート、2,4,4’−ジフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンフェニルイソシアネート等が挙げられる。
更に、前記ポリイソシアネート化合物を用いて得られるイソシアヌレート型ポリイソシアネート、アダクト型ポリイソシアネート、ビュレット型ポリイソシアネート等もポリイソシアネート化合物として用いることができる。
本発明で用いるポリイソシアネート化合物の中でも、脂肪族ジイソシアネートおよび/または脂環族ジイソシアネート等の無黄色変型のポリイソシアネートを用いるのが、外観に優れる塗膜を作成することができることが好ましく、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、水素化4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(水素化MDI)、イソホロンジイソシアネートがより好ましい。また、ポリイソシアネート化合物は各々を単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
前記水酸基含有アクリル樹脂(I)とポリイソシアネート(II)との配合割合は、前記アクリル樹脂(I)中の水酸基(i)と前記イソシアネート化合物(II)中のイソアネート基(ii)との当量比〔(ii)/(i)〕が0.5〜5.0であることが好ましい。
本発明の硬化性コーティング組成物には、更に、二酸化チタン、紫外線吸収剤、酸化防止剤及び/または光安定剤等を含有させることができる。
例えば、二酸化チタンとしては、平均粒子径0.1〜1.5μmの粒子径のものが好ましい。平均粒子径1.5μm以下の二酸化チタンは、硬化塗膜の表面平滑性が良好なことから好ましい。
平均粒子径0.1〜1.5μmの二酸化チタンは、目的とする耐候性の水準に応じて、硬化塗膜自体の強靭性、コーティングを行う基材の可とう性に追従できる密着性を考慮して、主剤及び/又は硬化剤に添加すればよいが、全硬化性成分の不揮発分重量換算での合計100重量部当たり25〜900重量部であることが耐候性に優れる点で好ましく、なかでも更に、フッ素樹脂を用いたときの様な白色である高い白色度とすることが出来る点で、60〜400重量部であることが用いることがより好ましい。
また、本発明の硬化性コーティング組成物には、必要に応じて、有機溶媒を用いることができる。該有機溶媒としては、前記の各配合成分との反応性を有さず、各配合成分を溶解するものが使用可能である。具体的には、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族系炭化水素等が挙げられる。
本発明の硬化性コーティング組成物は、通常、硬化剤である有機ポリイソシアネート化合物以外の各成分をあらかじめ配合した主剤プレミックスを調製しておき、これと有機ポリイソシアネート化合物とを混合して調製することが出来る。
本発明の硬化性コーティング組成物は、種々の基材に塗布して乾燥することで、基材上に密着性のある硬化塗膜を積層することが出来る。基材への塗布量は、特に制限されるものではないが、例えば、1〜20g/m、中でも5〜10g/mの範囲から選択することが、少量で優れた耐候性が付与できる点で好ましい。この塗布には、例えば、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、リバースコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター等を用いることが出来る。
この際の基材としては、例えば、紙、オレフィン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、カーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂やポリエステル系樹脂から得られた合成樹脂フィルム、銅箔、アルミニウム箔の様な金属箔等を挙げることが出来る。基材の厚みは、特に制限されるものではなく、例えば、10〜400μmから選択出来るが、本発明の硬化性コーティング組成物は、少量の塗布かつ低温短時間の乾燥で、基材に反りやヘタリ等、何ら影響を与えることなく優れた密着性を奏し、優れた耐候性を付与出来ることから、30〜80μmで軟化温度180℃以下の基材への適用が最適である。
低温かつ短時間の乾燥より、基材を反らせたり塗膜剥離したりするなどの不都合が発生することなく、基材への優れた密着性が得られ積層体の劣化をより効果的に防止することが出来る点で、基材としては、ポリエステル樹脂フィルムを用いることが好ましい。本発明の硬化性コーティング組成物の硬化塗膜がポリエステル樹脂フィルム上に積層された、積層ポリエステル樹脂フィルムは、上記した優れた性質を有したものとなる。
この際のポリエステル樹脂フィルムとしては、例えば、PET、PBT、PENや、1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート(PET−G)等の共重合ポリエステル樹脂のフィルムなどが挙げられる。また、延伸フィルム、無延伸フィルムのいずれでも構わない。ポリエステル樹脂フィルムは、白色または着色していても良いが、本発明の硬化性コーティング組成物の硬化塗膜が透明となる様に原料を選択して調製した場合や用途として透明性が要求される場合には、このポリエステル樹脂フィルムとしても透明なものを選択して用いることで、積層ポリエステル樹脂フィルムも透明なものとすることが出来るので好ましい。むろん、必要であれば、ポリエステル樹脂フィルムとしては、硬化塗膜の積層前後において、その表面に絵柄を施すことも出来る。
特に、160℃以下という比較的低温で1分間以下という短時間の乾燥により、薄膜の基材に上記した様な不都合を発生させず、基材への優れた密着性が得られ積層体の耐湿熱性と耐加水分解性に基づく劣化をより効果的に防止することが出来る点で、基材としては、PETフィルムを用いることがより好ましい。本発明のコーティング組成物の硬化塗膜がPETフィルム上に積層された、積層ポリエステル樹脂フィルムは、上記した優れた性質を有したものとなる。
ポリエステル樹脂フィルムと硬化塗膜との密着性を向上させるために、ポリエステル樹脂フィルムの硬化塗膜を形成する方の面に表面処理を行ってもよい。この表面処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、火炎処理、放射線処理等が挙げられる
本発明の硬化性コーティング組成物の硬化塗膜がポリエステル樹脂フィルム上に積層された積層ポリエステル樹脂フィルムを得るに当たっては、この硬化塗膜1を、ポリエステル樹脂フィルム2の片面のみに設けても良いし、両面に設けても良い。硬化塗膜1を、ポリエステル樹脂フィルム2の片面に設けた積層ポリエステル樹脂フィルムの層構成は、図1に示した通りである。図1の積層ポリエステル樹脂フィルムの本発明のコーティング組成物の硬化塗膜1と反対側のPET表面2に、ポリエステル樹脂系、ポリウレタン樹脂系の易接着性コート剤3を塗布し、その他の各種基材と接着させることが出来る、図2の様な、積層ポリエステル樹脂フィルムを得ることも出来る。流通に当たっては、易接着性コート剤3の外側には剥離紙(離型フィルム)を更に積層した上、使用時には、それを剥がすことで、積層ポリエステル樹脂フィルムを基材に貼着させることが出来る。これら図1及び図2の積層ポリエステル樹脂フィルムは、太陽電池バックシートに用いることが出来る。
劣化の原因となる光・熱・水などの作用を片面のみから受ける用途であれば、一般的には、ポリエステル樹脂フィルムの二つの表面のうち当該面のみに硬化塗膜を設ければ十分な効果がある。しかし、光、熱又は水の作用を両面から受ける可能性がある場合には、両面に設けることが望ましい。
本発明の硬化性コーティング組成物の硬化物皮膜がポリエステル樹脂フィルム上に積層された、積層ポリエステル樹脂フィルムを少なくとも含む、多層構造の積層ポリエステル樹脂フィルムも、太陽電池バックシートとして用いることが出来る。
太陽電池バックシートに更に優れたガスバリア性を付与する場合には、中間層に、例えば、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム等の薄膜を設けることが好ましい。例えば、図1の積層ポリエステル樹脂フィルムの本発明のコーティング組成物の硬化塗膜1と反対側のポリエステル樹脂フィルム2表面に、ポリエステル樹脂フィルムとガスバリア性のある中間層との密着性に優れる接着剤4を介して、軟質アルミニウム層の様な上記したガスバリア性のある金属または金属酸化物のフレキシブルな薄膜(中間層)5を積層し、更にその中間層5の外側に、ポリエステル樹脂フィルムとガスバリア性のある中間層との密着性に優れる接着剤4を介して、別のポリエステル樹脂フィルム2を積層することで、ガスバリア性のある中間層5がポリエステル樹脂フィルムでサンドイッチされた構造を含み、少なくとも一方のポリエステル樹脂フィルム表面が、本発明のコーティング組成物の硬化塗膜で被覆された、太陽電池バックシートを得ることが出来る(図3参照。)。
尚、表面が未処理のポリエステル樹脂フィルムに代えて、片面にアルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム等の蒸着薄膜が設けられたポリエステル樹脂フィルム二つを用いることで、PETフィルム層2と中間層5との間に接着剤層4を設けずに、その蒸着薄膜表面とは逆の表面に本発明のコーティング組成物の硬化塗膜を積層し、各蒸着薄膜側同士を接着剤で貼合することでも、上記図3に類する太陽電池バックシートを得ることが出来る。
以下、本発明を実施例により、一層具体的に説明する。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」、「%」は「重量%」である。
製造例1〜3
温度計、攪拌機、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、酢酸イソブチルの60部を仕込んで、90℃にまで昇温した。同温度に達した処で、下記表1に示すラジカル重合性モノマーの混合物と、パーブチルO(日油株式会社製、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート)の0.3部を20部の酢酸イソブチルに溶解したものを、同時に、4時間かけて滴下した。その後も、同温度で、反応を続け、滴下終了後2時間の間、攪拌を続け、酢酸イソブチルの40部とパーブチルOの0.2部を投入。
次いで、それぞれのアクリル樹脂が、不揮発分50%における粘度(ガードナー)が、下記の値となるまで反応を進め、その後、酢酸エチルを加え、室温にまで冷却して、不揮発分35%のビニル系共重合体(1)〜(3)の有機溶剤溶液を得た。
ビニル系共重合体(1)の粘度Y−Z
ビニル系共重合体(2)の粘度X
ビニル系共重合体(3)の粘度Z−Z
Figure 2015052078
前記表中の略号は、下記の化合物を表す。
IBA=イソブチルアクリレート、iBMA=イソブチルメタクリレート、tBMA=t−ブチルメタクリレート、HEMA=2−ヒドロキシエチルメタクリレート、MAA=メタクリル酸、MMA=メチルメタクリレート、CHMA=シクロヘキシルメタクリレート、EA=エチルアクリレート、HEA=2−ヒドロキシエチルアクリレート
下記の表2及び表3に示す通り、合成したアクリル樹脂、ポリイソシアネート化合物で構成する二液型硬化性コーティング組成物を調製した(表2、3の配合量は、固形分換算値。)。
塗布量7g/m(乾燥時)となる様にバーコーターにて、得られた各硬化性コーティング組成物を直ちに、東洋紡績(株)製コロナ処理PETフィルム(E5001:厚さ50μm)および東レ(株)製耐侯性PETフィルム(X10S:厚さ125μm)のコロナ処理面に塗布し、100℃で30秒乾燥させ、次いで、40℃で3日間エージングして、図1の層構成を有した各積層ポリエステル樹脂フィルムを得た。
Figure 2015052078
Figure 2015052078
前記表中のデスモジュールN−3200は、多量化1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(住化バイエルウレタン社製、ビュレットタイプ)、スミジュールN−3300は、多量化1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(住化バイエルウレタン社製、イソシアヌレートタイプ)をそれぞれ表す。
前記表中の評価項目における試験片の作成は下記の条件で行った・
塗布:バーコーター
基材−1:コロナ処理ポリエステルフィルム「E5001」50μm(東洋紡株式会社)
基材−2:耐侯性ポリエステルフィルム「X10S」125μm(東レ株式会社)
乾燥条件:100℃、30秒
塗布量:7g/m
密着性a−1(基材−1):初期のセロハンテープ密着
密着性A−1(基材−1):PCT試験121℃100%48時間後のセロハンテープ密着
密着性b−2(基材−2):初期のセロハンテープ密着
密着性B−2(基材−2):PCT試験121℃ 100%72時間後のセロハンテープ密着
(評価基準)クロスカットを入れたコート剤層に対して、セロハンテープで繰り返し剥離試験を行い、剥離するまでの回数で評価する。
○;5回で剥離なし、△;4〜5回で剥離した、×;3回以下で剥離した
○;5回で剥離なし、△;4〜5回で剥離した、×;3回以下で剥離した
1 本発明のコーティング組成物の硬化物(硬化塗膜)
2 PETフィルム
3 易接着コート剤
4 接着剤
5 軟質アルミニウム

Claims (5)

  1. 水酸基含有アクリルモノマーと、SP値が7.0〜9.0〔単位;(cal/ml)1/2〕となるアクリル樹脂を与えるアクリル系モノマー類とを必須成分とするラジカル重合性モノマー類を共重合して得られる水酸基含有アクリル樹脂(I)とポリイソシアネート化合物(II)とを含有することを特徴とするコーティング組成物。
  2. 前記アクリル樹脂の水酸基価が1〜200mgKOH/g、且つ、重量数平均分子量が5000〜500000である請求項1記載のコーティング組成物。
  3. 前記アクリル樹脂中の水酸基(a)と前記イソシアネート化合物中のイソアネート基(b)との当量比〔(b)/(a)〕が0.5〜5.0である請求項1又は2記載のコーティング組成物。
  4. 請求項1〜3の何れか1つに記載のコーティング組成物の硬化皮膜がポリエステル樹脂フィルム上に積層された積層ポリエステルフィルム。
  5. 請求項4記載の積層ポリエステル樹脂フィルムを少なくとも含む、多層構造の太陽電池バックシート。
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