JP2013251576A - 太陽電池バックシート用接着剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アクリルポリオール(a1)とイソシアネート化合物(a2)との反応で得られ、アクリルポリオール(a1)のガラス転移温度が20℃以下である太陽電池バックシート用接着剤は、太陽電池バックシート製造時のフィルムへの初期密着性及び養生後のフィルムへの接着強度が良好で、更に、長期的な耐候性、耐加水分解性に優れる。アクリルポリオール(a1)の水酸基価が0.5〜40mgKOH/gである太陽電池バックシート用接着剤がより好ましい。
【選択図】なし
Description
これらの太陽電池は、一般的に、太陽光が入射する側に、表面を保護する目的で表面保護シートが設けられている。太陽光が入射する面と反対側の面にも、太陽電池セルを保護する目的で裏面保護シート(バックシート)が設けられており、バックシートには太陽電池の長期的な性能劣化を最小限に抑えるために耐候性、耐水性、耐熱性、防湿性及びガスバリア性等の諸物性に優れることが求められている。
太陽電池のバックシートとして、更に性能を向上するために、これらのフィルムを積層した積層体も使用される。
フィルムの積層方法として、ドライラミネート法が一般的であり、接着剤13にはフィルム11及び12に対して十分な接着性を有することが要求される。
バックシート10は、封止材20、太陽電池セル30及びガラス板40等と一緒に太陽電池モジュール1を構成する(図3参照)。
特許文献1は、特定のポリエステルポリオールを用い、耐久性能が向上した屋外用ウレタン系接着剤を開示する(特許文献1特許請求の範囲、段落番号0014等参照)。特定のポリエステルポリオールを接着剤原料とすることで、ウレタン接着剤の耐加水分解性が向上し、太陽電池バックシート用途に有効な接着剤が得られることが記載されている(特許文献1段落番号0070〜0072等参照)。
特許文献2は、アクリルポリオールにイソシアネート硬化剤を配合して接着剤を製造し(特許文献2表1及び2参照)、この接着剤で太陽電池バックシートが製造されることを開示する(特許文献2段落番号0107等参照)。
特許文献1及び2は、ウレタン接着剤を用いて太陽電池バックシートを製造することで、太陽電池モジュールの外観が不良になることを防止できることを開示する。しかし、太陽電池バックシート用接着剤に求められる耐久性能は、年々高くなっている。
アクリルポリオール(a1)とイソシアネート化合物(a2)との反応で得られるウレタン樹脂を含み、アクリルポリオール(a1)はガラス転移温度が20℃以下である太陽電池バックシート用接着剤を提供する。
本発明は、一の態様において、アクリルポリオール(a1)は水酸基価が0.5〜40mgKOH/gである上記太陽電池バックシート用接着剤を提供する。
本発明は、好ましい態様において、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物を、更に含む上記太陽電池バックシート用接着剤を提供する。
本発明は、好ましい要旨において、上記太陽電池バックシートを用いて得られる太陽電池モジュールを提供する。
アクリルポリオール(a1)とイソシアネート化合物(a2)との反応で得られるウレタン樹脂を含み、アクリルポリオール(a1)はガラス転移温度が20℃以下であるので、優れた耐候性、耐加水分解性を維持したまま、フィルムへの初期密着性、養生後のフィルムへの接着強度が向上する。
アクリルポリオール(a1)の水酸基価が0.5〜40mgKOH/gである場合、養生後のフィルムへの接着強度が更に向上した太陽電池バックシート用接着剤が得られる。
本発明の太陽電池バックシート用接着剤は、更に、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物を含む場合、耐候性が著しく向上し、より好ましい。
近年、光吸収層に有機化合物を用いた有機系太陽電池が開発されており、有機系太陽電池に着色性や柔軟性を持たせることが要求されている。従って、有機系太陽電池のバックシートを構成するフィルムが透明化する傾向があるので、色差変化が小さい本発明の太陽電池バックシートは、かかる点からも有用である。
本発明に係る太陽電池モジュールは、上記太陽電池バックシートを用いて得られるので生産性に優れ、更に、外観、耐久性にも優れる。
本発明に係る(A)ウレタン樹脂は、アクリルポリオール(a1)と、イソシアネート化合物(a2)の反応によって得られるポリマーであって、ウレタン結合を有する。
本発明において、「アクリルポリオール」とは、水酸基を有する(メタ)アクリレートの付加重合反応によって得られる化合物をいい、「側鎖」にエステル結合を有する。
尚、本明細書においては、アクリル酸及びメタクリル酸を総称して「(メタ)アクリル酸」ともいい、「アクリル酸エステルとメタクリル酸エステル」又は「(メタ)アクリレート」ともいう。
(i):1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wn/Tgn
[前記式(i)中、Tgはアクリルポリオール(a1)のガラス転移温度を示し、W1、W2、・・・Wnは各単量体の質量分率を示し、Tg1、Tg2、・・・Tgnは対応する各単量体の単独重合体のガラス転移温度を示す。]
本明細書では、下記の単量体の単独重合体のガラス転移温度は以下のとおりとする。
メチルメタクリレート:105℃
n−ブチルアクリレート:−54℃
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル:55℃
シクロヘキシルメタクリレート:83℃
n−ブチルメタクリレート:20℃
グリシジルメタクリレート:41℃
2エチルヘキシルアクリレート:−70℃
本発明では具体的には、下記式(ii)で算出される。
(ii):水酸基価=(水酸基を有する(メタ)アクリレートの重量/水酸基を有する(メタ)アクリレートの分子量)×水酸基を有する(メタ)アクリレート単量体1モルに含まれる水酸基のモル数×KOHの式量×1000/アクリルポリオール(a1)の重量
尚、本明細書では、芳香環は環状の炭化水素鎖に含まれない。
従って、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(OCN−C6H4−CH2−C6H4−NCO)は、イソシアネート基が芳香環に直接結合しているので、芳香族イソシアネートに該当する。一方、例えば、キシリレンジイソシアネート(OCN−CH2−C6H4−CH2−NCO)は、芳香環を有するが、イソシアネート基が芳香環に直接結合せず、メチレン基と結合しているので、脂肪族イソシアネートに該当する。
尚、芳香環は、二つ以上のベンゼン環が縮環していてもよい。
これらのイソシアネート化合物は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
そのような(B)ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物として、例えば、下記式(1)〜(5)で示される化合物及びその異性体を例示することができるが、これらに限定されることはない。
化学式(1)〜(5)の(B)ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物は、一般に、紫外線吸収剤として使用されており、本発明が目的とする太陽電池バックシート用接着剤を得ることができる限り、他の紫外線吸収剤を組み合わせて使用することができる。(B)ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物は、市販されているものを使用することができる。例えば、BASF株式会社から市販されている、チヌビン400、チヌビン405、チヌビン479、チヌビン477及びチヌビン460(いずれも商品名)等を例示できる。
「ヒンダードアミン系化合物」とは、一般にヒンダードアミン系化合物とされるものであり、本発明が目的とする太陽電池バックシート用接着剤を得られる限り、特に制限されるものではない。
シラン化合物として、例えば、(メタ)アクリロキシアルキルトリアルコキシシラン類、(メタ)アクリロキシアルキルアルキルアルコキシシラン類、ビニルトリアルコキシシラン類、ビニルアルキルアルコキシシラン類、エポキシシラン類、メルカプトシラン類及びイソシアヌレートシラン類を用いることができるが、これらのシラン化合物のみに限定されることはない。
「(メタ)アクリロキシアルキルアルキルアルコキシシラン類」として、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルエチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシエチルメチルジメトキシシラン等を例示できる。
「ビニルアルキルアルコキシシラン類」として、例えば、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルエチルジ(メトキシエトキシ)シラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジエチル(メトキシエトキシ)シラン等を例示できる。
「エポキシシクロヘキシル系シラン」は、3,4−エポキシシクロヘキシル基を有するもので、具体的には、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等を例示できる。
「イソシアヌレートシラン類」として、例えば、トリス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)イソシアヌレート等を例示できる。
「その他の成分」を、太陽電池バックシート用接着剤に添加する時期は、目的とする太陽電池バックシート用接着剤が得られる限り、特に制限されるものではない。その他の成分は、例えば、ウレタン樹脂を合成する際に、アクリルポリオール(a1)及びイソシアネート化合物(a2)と一緒に添加しても良く、また、まずアクリルポリオール(a1)とイソシアネート化合物(a2)とを反応させてウレタン樹脂を合成した後、(B)ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物を加えるときに、一緒に添加してもよい。
「粘着付与樹脂」として、例えば、スチレン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族石油樹脂、芳香族石油樹脂、ロジンエステル、アクリル樹脂及びポリエステル樹脂(ポリエステルポリオールを除く)等を例示できる。
「顔料」として、例えば、酸化チタン及びカーボンブラック等を例示できる。
「難燃剤」として、例えば、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、アンチモン系難燃剤及び、金属水酸化物系難燃剤等を例示できる。
「ワックス」として、パラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックス等のワックスが好ましい。
図1は、本発明の太陽電池バックシートの断面図である。太陽電池バックシート10は、2枚のフィルムとその間の太陽電池バックシート用接着剤13から形成されており、2枚のフィルム11及び12は、太陽電池バックシート用接着剤13によって貼り合わされている。フィルム11及び12は、同一の材料であっても、異なる材料であってもよい。図1では、2枚のフィルム11及び12は、貼り合わされているが、3枚以上のフィルムが貼り合わされていてもよい。
1.アクリルポリオール(a1)とイソシアネート化合物(a2)との反応で得られるウレタン樹脂を含み、アクリルポリオール(a1)はガラス転移温度が20℃以下である太陽電池バックシート用接着剤。
2.アクリルポリオール(a1)は水酸基価が0.5〜40mgKOH/gである上記1に記載の太陽電池バックシート用接着剤。
3.アクリルポリオール(a1)は、重合性単量体が重合することで得られ、重合性単量体は、グリシジル基を有する単量体を含む上記1又は2に記載の太陽電池バックシート用接着剤。
4.ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物を、更に含む上記1〜3のいずれかに記載の太陽電池バックシート用接着剤。
5.上記1〜4のいずれかに記載の太陽電池バックシート用接着剤を用いて得られる太陽電池バックシート。
6.上記5に記載の太陽電池バックシートを用いて得られる太陽電池モジュール。
合成例1(アクリルポリオール(a1−1))
攪拌翼、温度計、及び還流冷却管を備えた四つ口フラスコに、酢酸エチル(和光純薬((株)製)150gを仕込み、約80℃で還流させた。このフラスコ内に、重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリルを1g加え、表1に示す量の単量体の混合物を1時間30分かけてフラスコ内に連続的に滴下した。さらに2時間加熱した後、アクリルポリオール(a1)の不揮発分が39.8重量%の溶液を得た。
アクリルポリオール(a1−1)の重合性単量体成分の組成及び得られたアクリルポリオール(a1−1)の物性を表1に示す。
合成例1において、アクリルポリオール(a1)の合成に用いる単量体等の組成を表1及び表2に示すように変更したことを除いて、合成例1と同様の方法を用いて、アクリルポリオール(a1−2)〜(a1−12)及びアクリルポリマー(a1’−13)及び(a1’−14)を得た。得られたアクリルポリオールの物性を表1及び表2に示す。
表1及び表2に示す重合性単量体及びその他の成分を以下に示す。
・メチルメタクリレート(MMA):和光純薬(株)製
・ブチルアクリレート(BA):和光純薬(株)製
・シクロヘキシルメタクリレート(CHMA):和光純薬(株)製
・ブチルメタクリレート(BA):和光純薬(株)製
・2−エチルへキシルアクリレート(2EHA):和光純薬(株)製
・グリシジルメタクリレート(GMA):和光純薬(株)製
・2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA):和光純薬(株)製
・2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN):大塚化学(株)製
・n−ドデシルメルカプタン(nDM):日油(株)製
ポリマー1〜14((a1)及び(a1’))のTgは、各ポリマーの原料である“重合性単量体”の単独重合体(ホモポリマー)のガラス転移温度を用いて、上述の式(i)を用いて計算した。
メチルメタクリレート等、各ホモポリマーのTgは、文献値を用いた。
実施例及び比較例で使用した太陽電池バックシート用接着剤の原料を以下に記載する。
(a1)アクリルポリオール
(a1−1)〜(a1−12)は、表1及び2に記載したポリマー1〜ポリマー12に対応する。
(a1’)ポリマー
(a1’−13)アクリルポリオールは、表2記載のポリマー13に対応する。
(a1’−14)アクリルポリマーは、表2記載のポリマー14に対応する。
(a1’−15)ポリエステルポリオールは、豊国製油社製のHS 2N-226P(商品名):無水フタル酸、2,4−ジブチル−1,5−ペンタンジオールから得られるポリエステルポリオール
(a2)イソシアネート化合物
(a2−1)住化バイエルウレタン社製のスミジュールN3300(商品名):脂肪族イソシアネート(1,6−ジイソシアナトヘキサン(HDI))
尚、成分(a1)と成分(a2)が反応することで(A)ウレタン樹脂が得られる。
(b−1)BASF社製のチヌビン479(商品名):2−[4−(オクチル−2−メチルエタノエート)オキシ−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−[ビス(2,4−ジメチルフェニル)]−1,3,5−トリアジン
(B’)ベンゾトリアゾール系化合物
(b’−1)BASF社製のチヌビン328(商品名):2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール)
ヒンダードフェノール系化合物
BASF社製のイルガノックス1330(商品名):1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン
下記の実施例1〜14及び比較例1〜4の太陽電池バックシート用接着剤を、上記成分を用いて製造し、得られた太陽電池バックシート用接着剤の性能を評価した。以下に製造方法及び評価方法を示す。
<太陽電池バックシート用接着剤の製造>
表3に示すように、
90.7gの(a1−1)ポリマー1[228gのポリマー1の酢酸エチル溶液(固形分39.8重量%)]、
9.3gの(a2−1)住化バイエルウレタン社製のスミジュールN3300(商品名)、
0.5gの(b−1)BASF社製のチヌビン479(商品名)及び
0.2gのBASF社製のイルガノックス1330(商品名)
を秤量して混合し、接着剤溶液を調整した。この調製液を太陽電池バックシート用接着剤として、以下の試験を行った。
先ず、実施例1の太陽電池バックシート用接着剤を透明ポリエチレンテレフタレート(PET)シート(三菱化学ポリエステルフィルム社製のO300EW36(商品名))に固形分重量が10g/m2となるように塗布し、80℃で10分間乾燥させ、接着剤塗布PETシート1を得た。
その後、接着剤塗布PETシート1の接着剤塗布面に、表面処理透明ポリオレフィンフィルム(フタムラ化学社製のリニアローデンシティポリエチレンフィルム LL−XUMN #30(商品名))の表面処理された面を被せ、平面プレス機(神藤金属工業社製のASF−5(商品名))を用いて、圧締圧1.0MPa 50℃で30分間、両フィルムをプレスした。プレスしたまま、両フィルムを50℃で1週間養生し、フィルム積層物2を得た。
太陽電池バックシート用接着剤の評価を以下の方法で行った。
1.フィルムへの初期密着性の評価
室温環境下、接着剤塗布シート1を15mm幅に切りだし、接着剤塗布シート1の接着剤塗布面に、表面処理透明ポリオレフィンフィルム(フタムラ化学社製のリニアローデンシティポリエチレンフィルム LL−XUMN #30(商品名))の表面処理された面を被せ2kgローラーで1往復し貼りあわせた。その後、引っ張り強度試験機(オリエンテック社製のテンシロンRTM-250(商品名))を用いて、室温環境下、引っ張り速度100mm/min、180°の剥離試験を行った。評価基準は以下のとおりである。
◎:剥離強度が1N/15mm以上
○:剥離強度が0.1N/15mm以上1N/15mm未満
×:剥離強度が0.1N/15mm未満
フィルム積層物2を15mm幅に切り出し、引っ張り強度試験機(オリエンテック社製のテンシロンRTM-250(商品名))を用いて、室温環境下、引っ張り速度100mm/min、180°の剥離試験を行った。評価基準は以下のとおりである。
◎:剥離強度が8N/15mm以上
○:剥離強度が6N/15mm以上8N/15mm未満
×:剥離強度が6N/15mm未満
加圧蒸気を用いた促進評価法により評価を行った。フィルム積層物2を15mm幅に切り出し、ハイプレッシャークッカー(ヤマト科学社製 オートクレーブSP300(商品名))を用いて120℃、0.1MPa加圧環境下で100時間放置した後とりだし、室温環境下にて一日養生した。サンプルのポリオレフィンフィルム及びPETフィルムの浮き、剥がれを目視にて観察した。評価基準は以下のとおりである。
◎:フィルムの浮き、剥がれなし
×:フィルムの浮き、剥がれあり
フィルム積層物2のポリオレフィンフィルム側を照射面として、UV照射試験機(岩崎電気社製のアイスーパーUVテスター W13(商品名)))にセットし、照度1000W/m2、60℃50%RHの条件下で15時間の照射を行った。色差計にて照射前後の色差(Δb)を測定し、黄変度を評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:Δbが8未満
○:Δbが8以上 10未満
△:Δbが10以上 15未満
×:Δbが15以上
表3〜5に示される組成で太陽電池バックシート用接着剤を実施例1と同様の方法で製造した。
特に、実施例2、3、6、10、12及び13の太陽電池バックシート用接着剤は、フィルムへの初期密着性、養生後のフィルムへの接着(剥離)強度、耐加水分解性、耐候性の全てに優れるので、有機系(色素増感)太陽電池のバックシート用接着剤としてより好適である。
比較例2は、アクリルポリオール(a1)の代わりに、その他の重合性単量体のみからなる重合体(a1’−14)を用いた接着剤であるので、剥離強度及び耐加水分解性に劣る。
比較例3及び4は、アクリルポリオール(a1)の代わりに、ポリエステルポリオール(a1’−15)を用いた接着剤であるので耐加水分解性、耐候性が劣る。更に、比較例4は、(b−1)ヒドロキシフェニルトリアジンを含まないので、著しく耐候性が劣る。
10 バックシート
11 フィルム
11a 蒸着薄膜
12 フィルム
13 接着剤層
20 封止材(EVA)
30 太陽電池セル
40 ガラス板
50 スペーサ
これらの太陽電池は、一般的に、太陽光が入射する側に、表面を保護する目的で表面保護シートが設けられている。太陽光が入射する面と反対側の面にも、太陽電池セルを保護する目的で裏面保護シート(バックシート)が設けられており、バックシートには太陽電池の長期的な性能劣化を最小限に抑えるために耐候性、耐水性、耐熱性、防湿性及びガスバリア性等の諸物性に優れることが求められている。
太陽電池のバックシートとして、更に性能を向上するために、これらのフィルムを積層した積層体も使用される。
フィルムの積層方法として、ドライラミネート法が一般的であり、接着剤13にはフィルム11及び12に対して十分な接着性を有することが要求される。
バックシート10は、封止材20、太陽電池セル30及びガラス板40等と一緒に太陽電池モジュール1を構成する(図3参照)。
特許文献1は、特定のポリエステルポリオールを用い、耐久性能が向上した屋外用ウレタン系接着剤を開示する(特許文献1特許請求の範囲、段落番号0014等参照)。特定のポリエステルポリオールを接着剤原料とすることで、ウレタン接着剤の耐加水分解性が向上し、太陽電池バックシート用途に有効な接着剤が得られることが記載されている(特許文献1段落番号0070〜0072等参照)。
特許文献2は、アクリルポリオールにイソシアネート硬化剤を配合して接着剤を製造し(特許文献2表1及び2参照)、この接着剤で太陽電池バックシートが製造されることを開示する(特許文献2段落番号0107等参照)。
特許文献1及び2は、ウレタン接着剤を用いて太陽電池バックシートを製造することで、太陽電池モジュールの外観が不良になることを防止できることを開示する。しかし、太陽電池バックシート用接着剤に求められる耐久性能は、年々高くなっている。
アクリルポリオール(a1)とイソシアネート化合物(a2)との反応で得られるウレタン樹脂を含み、アクリルポリオール(a1)はガラス転移温度が20℃以下である太陽電池バックシート用接着剤を提供する。
本発明は、一の態様において、アクリルポリオール(a1)は水酸基価が0.5〜40mgKOH/gである上記太陽電池バックシート用接着剤を提供する。
本発明は、好ましい態様において、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物を、更に含む上記太陽電池バックシート用接着剤を提供する。
本発明は、好ましい要旨において、上記太陽電池バックシートを用いて得られる太陽電池モジュールを提供する。
アクリルポリオール(a1)とイソシアネート化合物(a2)との反応で得られるウレタン樹脂を含み、アクリルポリオール(a1)はガラス転移温度が20℃以下であるので、優れた耐候性、耐加水分解性を維持したまま、フィルムへの初期密着性、養生後のフィルムへの接着強度が向上する。
アクリルポリオール(a1)の水酸基価が0.5〜40mgKOH/gである場合、養生後のフィルムへの接着強度が更に向上した太陽電池バックシート用接着剤が得られる。
本発明の太陽電池バックシート用接着剤は、更に、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物を含む場合、耐候性が著しく向上し、より好ましい。
近年、光吸収層に有機化合物を用いた有機系太陽電池が開発されており、有機系太陽電池に着色性や柔軟性を持たせることが要求されている。従って、有機系太陽電池のバックシートを構成するフィルムが透明化する傾向があるので、色差変化が小さい本発明の太陽電池バックシートは、かかる点からも有用である。
本発明に係る太陽電池モジュールは、上記太陽電池バックシートを用いて得られるので生産性に優れ、更に、外観、耐久性にも優れる。
本発明に係る(A)ウレタン樹脂は、アクリルポリオール(a1)と、イソシアネート化合物(a2)の反応によって得られるポリマーであって、ウレタン結合を有する。
本発明において、「アクリルポリオール」とは、水酸基を有する(メタ)アクリレートの付加重合反応によって得られる化合物をいい、「側鎖」にエステル結合を有する。
尚、本明細書においては、アクリル酸及びメタクリル酸を総称して「(メタ)アクリル酸」ともいい、「アクリル酸エステルとメタクリル酸エステル」又は「(メタ)アクリレート」ともいう。
(i):1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wn/Tgn
[前記式(i)中、Tgはアクリルポリオール(a1)のガラス転移温度を示し、W1、W2、・・・Wnは各単量体の質量分率を示し、Tg1、Tg2、・・・Tgnは対応する各単量体の単独重合体のガラス転移温度を示す。]
本明細書では、下記の単量体の単独重合体のガラス転移温度は以下のとおりとする。
メチルメタクリレート:105℃
n−ブチルアクリレート:−54℃
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル:55℃
シクロヘキシルメタクリレート:83℃
n−ブチルメタクリレート:20℃
グリシジルメタクリレート:41℃
2エチルヘキシルアクリレート:−70℃
本発明では具体的には、下記式(ii)で算出される。
(ii):水酸基価=(水酸基を有する(メタ)アクリレートの重量/水酸基を有する(メタ)アクリレートの分子量)×水酸基を有する(メタ)アクリレート単量体1モルに含まれる水酸基のモル数×KOHの式量×1000/アクリルポリオール(a1)の重量
尚、本明細書では、芳香環は環状の炭化水素鎖に含まれない。
従って、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(OCN−C6H4−CH2−C6H4−NCO)は、イソシアネート基が芳香環に直接結合しているので、芳香族イソシアネートに該当する。一方、例えば、キシリレンジイソシアネート(OCN−CH2−C6H4−CH2−NCO)は、芳香環を有するが、イソシアネート基が芳香環に直接結合せず、メチレン基と結合しているので、脂肪族イソシアネートに該当する。
尚、芳香環は、二つ以上のベンゼン環が縮環していてもよい。
これらのイソシアネート化合物は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
そのような(B)ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物として、例えば、下記式(1)〜(5)で示される化合物及びその異性体を例示することができるが、これらに限定されることはない。
化学式(1)〜(5)の(B)ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物は、一般に、紫外線吸収剤として使用されており、本発明が目的とする太陽電池バックシート用接着剤を得ることができる限り、他の紫外線吸収剤を組み合わせて使用することができる。(B)ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物は、市販されているものを使用することができる。例えば、BASF株式会社から市販されている、チヌビン400、チヌビン405、チヌビン479、チヌビン477及びチヌビン460(いずれも商品名)等を例示できる。
「ヒンダードアミン系化合物」とは、一般にヒンダードアミン系化合物とされるものであり、本発明が目的とする太陽電池バックシート用接着剤を得られる限り、特に制限されるものではない。
シラン化合物として、例えば、(メタ)アクリロキシアルキルトリアルコキシシラン類、(メタ)アクリロキシアルキルアルキルアルコキシシラン類、ビニルトリアルコキシシラン類、ビニルアルキルアルコキシシラン類、エポキシシラン類、メルカプトシラン類及びイソシアヌレートシラン類を用いることができるが、これらのシラン化合物のみに限定されることはない。
「(メタ)アクリロキシアルキルアルキルアルコキシシラン類」として、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルエチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシエチルメチルジメトキシシラン等を例示できる。
「ビニルアルキルアルコキシシラン類」として、例えば、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルエチルジ(メトキシエトキシ)シラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジエチル(メトキシエトキシ)シラン等を例示できる。
「エポキシシクロヘキシル系シラン」は、3,4−エポキシシクロヘキシル基を有するもので、具体的には、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等を例示できる。
「イソシアヌレートシラン類」として、例えば、トリス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)イソシアヌレート等を例示できる。
「その他の成分」を、太陽電池バックシート用接着剤に添加する時期は、目的とする太陽電池バックシート用接着剤が得られる限り、特に制限されるものではない。その他の成分は、例えば、ウレタン樹脂を合成する際に、アクリルポリオール(a1)及びイソシアネート化合物(a2)と一緒に添加しても良く、また、まずアクリルポリオール(a1)とイソシアネート化合物(a2)とを反応させてウレタン樹脂を合成した後、(B)ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物を加えるときに、一緒に添加してもよい。
「粘着付与樹脂」として、例えば、スチレン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族石油樹脂、芳香族石油樹脂、ロジンエステル、アクリル樹脂及びポリエステル樹脂(ポリエステルポリオールを除く)等を例示できる。
「顔料」として、例えば、酸化チタン及びカーボンブラック等を例示できる。
「難燃剤」として、例えば、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、アンチモン系難燃剤及び、金属水酸化物系難燃剤等を例示できる。
「ワックス」として、パラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックス等のワックスが好ましい。
図1は、本発明の太陽電池バックシートの断面図である。太陽電池バックシート10は、2枚のフィルムとその間の太陽電池バックシート用接着剤13から形成されており、2枚のフィルム11及び12は、太陽電池バックシート用接着剤13によって貼り合わされている。フィルム11及び12は、同一の材料であっても、異なる材料であってもよい。図1では、2枚のフィルム11及び12は、貼り合わされているが、3枚以上のフィルムが貼り合わされていてもよい。
1.アクリルポリオール(a1)とイソシアネート化合物(a2)との反応で得られるウレタン樹脂を含み、アクリルポリオール(a1)はガラス転移温度が20℃以下である太陽電池バックシート用接着剤。
2.アクリルポリオール(a1)は水酸基価が0.5〜40mgKOH/gである上記1に記載の太陽電池バックシート用接着剤。
3.アクリルポリオール(a1)は、重合性単量体が重合することで得られ、重合性単量体は、グリシジル基を有する単量体を含む上記1又は2に記載の太陽電池バックシート用接着剤。
4.ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物を、更に含む上記1〜3のいずれかに記載の太陽電池バックシート用接着剤。
5.上記1〜4のいずれかに記載の太陽電池バックシート用接着剤を用いて得られる太陽電池バックシート。
6.上記5に記載の太陽電池バックシートを用いて得られる太陽電池モジュール。
合成例1(アクリルポリオール(a1−1))
攪拌翼、温度計、及び還流冷却管を備えた四つ口フラスコに、酢酸エチル(和光純薬((株)製)150gを仕込み、約80℃で還流させた。このフラスコ内に、重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリルを1g加え、表1に示す量の単量体の混合物を1時間30分かけてフラスコ内に連続的に滴下した。さらに2時間加熱した後、アクリルポリオール(a1)の不揮発分が39.8重量%の溶液を得た。
アクリルポリオール(a1−1)の重合性単量体成分の組成及び得られたアクリルポリオール(a1−1)の物性を表1に示す。
合成例1において、アクリルポリオール(a1)の合成に用いる単量体等の組成を表1及び表2に示すように変更したことを除いて、合成例1と同様の方法を用いて、アクリルポリオール(a1−7)〜(a1−12)及びアクリルポリマー(a1’−13)及び(a1’−14)を得た。得られたアクリルポリオールの物性を表1及び表2に示す。
表1及び表2に示す重合性単量体及びその他の成分を以下に示す。
・メチルメタクリレート(MMA):和光純薬(株)製
・ブチルアクリレート(BA):和光純薬(株)製
・シクロヘキシルメタクリレート(CHMA):和光純薬(株)製
・ブチルメタクリレート(BMA):和光純薬(株)製
・2−エチルへキシルアクリレート(2EHA):和光純薬(株)製
・グリシジルメタクリレート(GMA):和光純薬(株)製
・2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA):和光純薬(株)製
・2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN):大塚化学(株)製
・n−ドデシルメルカプタン(nDM):日油(株)製
ポリマー1、7〜14((a1)及び(a1’))のTgは、各ポリマーの原料である“重合性単量体”の単独重合体(ホモポリマー)のガラス転移温度を用いて、上述の式(i)を用いて計算した。
メチルメタクリレート等、各ホモポリマーのTgは、文献値を用いた。
実施例及び比較例で使用した太陽電池バックシート用接着剤の原料を以下に記載する。
(a1)アクリルポリオール
(a1−1)、(a1−7)〜(a1−12)は、表1及び2に記載したポリマー1、ポリマー7〜ポリマー12に対応する。
(a1’)ポリマー
(a1’−13)アクリルポリオールは、表2記載のポリマー13に対応する。
(a1’−14)アクリルポリマーは、表2記載のポリマー14に対応する。
(a1’−15)ポリエステルポリオールは、豊国製油社製のHS 2N-226P(商品名):無水フタル酸、2,4−ジブチル−1,5−ペンタンジオールから得られるポリエステルポリオール
(a2)イソシアネート化合物
(a2−1)住化バイエルウレタン社製のスミジュールN3300(商品名):脂肪族イソシアネート(1,6−ジイソシアナトヘキサン(HDI))
尚、成分(a1)と成分(a2)が反応することで(A)ウレタン樹脂が得られる。
(b−1)BASF社製のチヌビン479(商品名):2−[4−(オクチル−2−メチルエタノエート)オキシ−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−[ビス(2,4−ジメチルフェニル)]−1,3,5−トリアジン
(B’)ベンゾトリアゾール系化合物
(b’−1)BASF社製のチヌビン328(商品名):2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール)
ヒンダードフェノール系化合物
BASF社製のイルガノックス1330(商品名):1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン
下記の参考例1、実施例8〜14及び比較例1〜4の太陽電池バックシート用接着剤を、上記成分を用いて製造し、得られた太陽電池バックシート用接着剤の性能を評価した。以下に製造方法及び評価方法を示す。
<太陽電池バックシート用接着剤の製造>
表3に示すように、
90.7gの(a1−1)ポリマー1[228gのポリマー1の酢酸エチル溶液(固形分39.8重量%)]、
9.3gの(a2−1)住化バイエルウレタン社製のスミジュールN3300(商品名)、
0.5gの(b−1)BASF社製のチヌビン479(商品名)及び
0.2gのBASF社製のイルガノックス1330(商品名)
を秤量して混合し、接着剤溶液を調整した。この調製液を太陽電池バックシート用接着剤として、以下の試験を行った。
先ず、参考例1の太陽電池バックシート用接着剤を透明ポリエチレンテレフタレート(PET)シート(三菱化学ポリエステルフィルム社製のO300EW36(商品名))に固形分重量が10g/m2となるように塗布し、80℃で10分間乾燥させ、接着剤塗布PETシート1を得た。
その後、接着剤塗布PETシート1の接着剤塗布面に、表面処理透明ポリオレフィンフィルム(フタムラ化学社製のリニアローデンシティポリエチレンフィルム LL−XUMN #30(商品名))の表面処理された面を被せ、平面プレス機(神藤金属工業社製のASF−5(商品名))を用いて、圧締圧1.0MPa 50℃で30分間、両フィルムをプレスした。プレスしたまま、両フィルムを50℃で1週間養生し、フィルム積層物2を得た。
太陽電池バックシート用接着剤の評価を以下の方法で行った。
1.フィルムへの初期密着性の評価
室温環境下、接着剤塗布シート1を15mm幅に切りだし、接着剤塗布シート1の接着剤塗布面に、表面処理透明ポリオレフィンフィルム(フタムラ化学社製のリニアローデンシティポリエチレンフィルム LL−XUMN #30(商品名))の表面処理された面を被せ2kgローラーで1往復し貼りあわせた。その後、引っ張り強度試験機(オリエンテック社製のテンシロンRTM-250(商品名))を用いて、室温環境下、引っ張り速度100mm/min、180°の剥離試験を行った。評価基準は以下のとおりである。
◎:剥離強度が1N/15mm以上
○:剥離強度が0.1N/15mm以上1N/15mm未満
×:剥離強度が0.1N/15mm未満
フィルム積層物2を15mm幅に切り出し、引っ張り強度試験機(オリエンテック社製のテンシロンRTM-250(商品名))を用いて、室温環境下、引っ張り速度100mm/min、180°の剥離試験を行った。評価基準は以下のとおりである。
◎:剥離強度が8N/15mm以上
○:剥離強度が6N/15mm以上8N/15mm未満
×:剥離強度が6N/15mm未満
加圧蒸気を用いた促進評価法により評価を行った。フィルム積層物2を15mm幅に切り出し、ハイプレッシャークッカー(ヤマト科学社製 オートクレーブSP300(商品名))を用いて120℃、0.1MPa加圧環境下で100時間放置した後とりだし、室温環境下にて一日養生した。サンプルのポリオレフィンフィルム及びPETフィルムの浮き、剥がれを目視にて観察した。評価基準は以下のとおりである。
◎:フィルムの浮き、剥がれなし
×:フィルムの浮き、剥がれあり
フィルム積層物2のポリオレフィンフィルム側を照射面として、UV照射試験機(岩崎電気社製のアイスーパーUVテスター W13(商品名)))にセットし、照度1000W/m2、60℃50%RHの条件下で15時間の照射を行った。色差計にて照射前後の色差(Δb)を測定し、黄変度を評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:Δbが8未満
○:Δbが8以上 10未満
△:Δbが10以上 15未満
×:Δbが15以上
表4〜5に示される組成で太陽電池バックシート用接着剤を参考例1と同様の方法で製造した。
特に、実施例10、12及び13の太陽電池バックシート用接着剤は、フィルムへの初期密着性、養生後のフィルムへの接着(剥離)強度、耐加水分解性、耐候性の全てに優れるので、有機系(色素増感)太陽電池のバックシート用接着剤としてより好適である。
比較例2は、アクリルポリオール(a1)の代わりに、その他の重合性単量体のみからなる重合体(a1’−14)を用いた接着剤であるので、剥離強度及び耐加水分解性に劣る。
比較例3及び4は、アクリルポリオール(a1)の代わりに、ポリエステルポリオール(a1’−15)を用いた接着剤であるので耐加水分解性、耐候性が劣る。更に、比較例4は、(b−1)ヒドロキシフェニルトリアジンを含まないので、著しく耐候性が劣る。
10 バックシート
11 フィルム
11a 蒸着薄膜
12 フィルム
13 接着剤層
20 封止材(EVA)
30 太陽電池セル
40 ガラス板
50 スペーサ
Claims (5)
- アクリルポリオール(a1)とイソシアネート化合物(a2)との反応で得られるウレタン樹脂を含み、
アクリルポリオール(a1)はガラス転移温度が20℃以下である太陽電池バックシート用接着剤。 - アクリルポリオール(a1)は水酸基価が0.5〜40mgKOH/gである請求項1に記載の太陽電池バックシート用接着剤。
- ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物を、更に含む請求項1又は2に記載の太陽電池バックシート用接着剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池バックシート用接着剤を用いて得られる太陽電池バックシート。
- 請求項4に記載の太陽電池バックシートを用いて得られる太陽電池モジュール。
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