JP2015051964A - フェノール類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】生成したフェノールが中間体のジアゾニウム塩と反応することを回避、抑制して、フェノールの収率を改善する合理的かつ簡便な製造方法を提供する。【解決手段】芳香族アミン化合物を希硫酸水溶液中でジアゾ化し、得られたジアゾニウム塩を硫酸および硫酸と相分離する有機化合物からなる混合水溶液に供給し、加水分解して生成したフェノール類を有機相から回収するフェノール類の製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、樹脂モノマーや添加剤用に有用であるフェノール類の製造方法に関する。
フェノール誘導体は、ポリカーボネートやエポキシ樹脂等の原料、その他樹脂添加剤等、幅広く利用されている。
フェノール誘導体の製造方法として、芳香族アミンをジアゾ化し、次いで加水分解する方法はよく知られている。
例えば、特許文献1には、加水分解工程で、トルエン、キシレンおよびクロロベンゼンのなかから選ばれる一種または二種以上の溶媒と硫酸銅水溶液との混合溶媒を用いて行うことが記載されている。また、生成したフェノールの単離、精製は、それ自体公知の方法、例えば分液抽出、濃縮、蒸留等により容易に行うことができることが記載されている。
特許文献2には、硫酸溶液中での加水分解後、得られるフルオロフェノール類を、水と共沸蒸留して反応系より分離するフルオロフェノール類の製造方法が記載されている。
フェノール誘導体の製造方法として、芳香族アミンをジアゾ化し、次いで加水分解する方法はよく知られている。
例えば、特許文献1には、加水分解工程で、トルエン、キシレンおよびクロロベンゼンのなかから選ばれる一種または二種以上の溶媒と硫酸銅水溶液との混合溶媒を用いて行うことが記載されている。また、生成したフェノールの単離、精製は、それ自体公知の方法、例えば分液抽出、濃縮、蒸留等により容易に行うことができることが記載されている。
特許文献2には、硫酸溶液中での加水分解後、得られるフルオロフェノール類を、水と共沸蒸留して反応系より分離するフルオロフェノール類の製造方法が記載されている。
特許文献3には、アニリン誘導体に硫酸を加え、ジアゾ化剤を加えて対応するジアゾニウム塩に変換する。次いで、ジアゾ化反応終了後の反応液を加熱した水または酸性水溶液中へ添加して対応するアミンに変換し、加水分解してフェノールを得、反応終了後、トルエン、キシレン、酢酸エチルなどの水溶性の少ない溶媒によって抽出し、溶媒を溜去して目的物を得る方法が記載されている。また、特許文献4には、得られたジアゾニウム塩を硫酸銅水溶液中で加水分解することを特徴とする4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェノールの製法が記載されている。また、水と有機の二相が共存する系で、同様な方法により芳香族アミンを得、該アミンを有機相から濃縮等により回収する方法等が記載されている。特許文献5には、ジアゾ化反応、加水分解終了後の反応液から有機溶媒での抽出又は水蒸気蒸留により目的物を取得する方法が記載されている。
特許文献3に記載の方法は、反応系にフェノールが蓄積し、ジアゾニウム塩と反応して収率低下の原因となる。そこで特許文献5の方法のように、生成したフェノール類をただちに水蒸気蒸留で系外に留出させる方法が一般的にはよく実施される。しかしながら、基質によっては水蒸気蒸留では容易に留出しないものもある。その場合は、特許文献4にあるように、生成したフェノールは有機相に移行し、ジアゾニウム塩との反応を抑える方法もある。この方法は生成したフェノールを容易に反応系外に除去できない場合には有効であるが、有機相にトルエンを使用する場合は、ジアゾニウム塩の分解温度が高い場合や濃硫酸を使用する場合はトルエン自身と反応する可能性があるため、有機相として必ずしも適したものではない。
以上のように、フェノール類の製造方法では、芳香族アミンの硫酸溶液にジアゾ化剤を加えて対応するジアゾニウム塩に変換、次いで、高温の硫酸に該ジアゾニウム塩を添加して対応するフェノールに変換するのであるが、生成したフェノールを中間体のジアゾニウム塩と分離できず、結果、両者が反応することによる収率低下が課題となっていた。
従って、フェノールの収率を改善する合理的かつ簡便な製造方法が求められていた。
従って、フェノールの収率を改善する合理的かつ簡便な製造方法が求められていた。
上記目的は以下の発明によって達成される。即ち本発明は、芳香族アミン化合物を希酸水溶液中でジアゾ化し、得られたジアゾニウム塩を硫酸および硫酸と相分離する有機化合物からなる混合水溶液に供給し、加水分解して生成したフェノール類を有機相から回収することを特徴とするフェノール類の製造方法である。前記混合水溶液は硫酸銅を含まない。
すなわち本発明は、以下を提供する。
(1)芳香族アミン化合物を希硫酸水溶液中でジアゾ化し、得られたジアゾニウム塩を硫酸および硫酸と相分離する有機化合物からなる混合水溶液に供給し、加水分解して生成したフェノール類を有機相から回収することを特徴とするフェノール類の製造方法。
(2)前記硫酸と相分離する有機化合物が、ニトロベンゼンおよび/またはクロロベンゼンである(1)に記載のフェノール類の製造方法。
(3)前記芳香族アミン化合物が、2以上の芳香環またはその縮合環を有し、アミノ基以外は炭素、酸素および水素からなる群から選択される元素から構成される(1)または(2)に記載のフェノール類の製造方法。
(1)芳香族アミン化合物を希硫酸水溶液中でジアゾ化し、得られたジアゾニウム塩を硫酸および硫酸と相分離する有機化合物からなる混合水溶液に供給し、加水分解して生成したフェノール類を有機相から回収することを特徴とするフェノール類の製造方法。
(2)前記硫酸と相分離する有機化合物が、ニトロベンゼンおよび/またはクロロベンゼンである(1)に記載のフェノール類の製造方法。
(3)前記芳香族アミン化合物が、2以上の芳香環またはその縮合環を有し、アミノ基以外は炭素、酸素および水素からなる群から選択される元素から構成される(1)または(2)に記載のフェノール類の製造方法。
(4)前記芳香族アミン化合物が4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシベンジジンまたは1,5−ジアミノナフタレンである(1)〜(3)のいずれか1項に記載のフェノール類の製造方法。
(5)1)芳香族アミンの硫酸水溶液を得る第1の工程、
2)得られた液中にジアゾ化剤を添加して、ジアゾニウム塩の反応液を得る第2の工程、
3)ジアゾニウム塩の反応液を、硫酸および硫酸と相分離する有機化合物からなる混合水溶液に供給する第3の工程および
4)前記混合水溶液の有機層からフェノール類を回収する工程、
を有する、芳香族アミンをジアゾ化し、加水分解してフェノール類を製造する方法。
(5)1)芳香族アミンの硫酸水溶液を得る第1の工程、
2)得られた液中にジアゾ化剤を添加して、ジアゾニウム塩の反応液を得る第2の工程、
3)ジアゾニウム塩の反応液を、硫酸および硫酸と相分離する有機化合物からなる混合水溶液に供給する第3の工程および
4)前記混合水溶液の有機層からフェノール類を回収する工程、
を有する、芳香族アミンをジアゾ化し、加水分解してフェノール類を製造する方法。
本発明の製造方法は、副反応を抑制して、目的のフェノールを高収率で製造することができる。
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。本発明はこれらの実施の形態には限定されない。
本発明における芳香族アミンは限定するものではないが、好ましくは、前記芳香族アミン化合物が、2以上の芳香環または2以上の芳香環の縮合環を有し、アミノ基以外は炭素、酸素および水素からなる群から選択される元素から構成される。
芳香族アミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシベンジジンまたは1,5−ジアミノナフタレンを挙げることができる。
本発明における芳香族アミンは限定するものではないが、好ましくは、前記芳香族アミン化合物が、2以上の芳香環または2以上の芳香環の縮合環を有し、アミノ基以外は炭素、酸素および水素からなる群から選択される元素から構成される。
芳香族アミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシベンジジンまたは1,5−ジアミノナフタレンを挙げることができる。
以下に本発明の製造方法を各工程毎に説明する。
1)芳香族アミンの硫酸水溶液を得る第1の工程、
芳香族アミンのジアゾ化で用いられる硫酸の濃度は、好ましくは1〜90質量%、より好ましくは5〜40質量%である。芳香族アミンの濃度は特に限定されないが、0.05モル/L〜2モル/Lが好ましい。
2)得られた硫酸水溶液中にジアゾ化剤を添加して、ジアゾニウム塩の反応液を得る第2の工程、
本発明におけるジアゾ化で用いられるジアゾ化剤としては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等の亜硝酸塩、亜硝酸メチル、亜硝酸エチル等の亜硝酸アルキルおよび硫酸水素ニトロシルなどが挙げられる。通常は、亜硝酸塩を使用するのが経済的にも好ましい。しかしながら、基質によってはアミンの塩基性が弱くジアゾ化されにくい場合もあり、その場合は、硫酸水素ニトロシルなどを用いることが好ましい。ジアゾ化剤の使用量は、芳香族アミンに対し1.0〜5.0当量、特に1.0〜2.0当量の範囲が好ましい。
1)芳香族アミンの硫酸水溶液を得る第1の工程、
芳香族アミンのジアゾ化で用いられる硫酸の濃度は、好ましくは1〜90質量%、より好ましくは5〜40質量%である。芳香族アミンの濃度は特に限定されないが、0.05モル/L〜2モル/Lが好ましい。
2)得られた硫酸水溶液中にジアゾ化剤を添加して、ジアゾニウム塩の反応液を得る第2の工程、
本発明におけるジアゾ化で用いられるジアゾ化剤としては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等の亜硝酸塩、亜硝酸メチル、亜硝酸エチル等の亜硝酸アルキルおよび硫酸水素ニトロシルなどが挙げられる。通常は、亜硝酸塩を使用するのが経済的にも好ましい。しかしながら、基質によってはアミンの塩基性が弱くジアゾ化されにくい場合もあり、その場合は、硫酸水素ニトロシルなどを用いることが好ましい。ジアゾ化剤の使用量は、芳香族アミンに対し1.0〜5.0当量、特に1.0〜2.0当量の範囲が好ましい。
本発明におけるジアゾ化の方法は、硫酸溶媒に芳香族アミンを溶解し、ジアゾ化剤を添加していくものである。反応温度は、原料アミン、その基質濃度、硫酸濃度ならびに使用量、ジアゾ化剤などによって特に限定されるものではないが、好ましくは−30℃〜50℃の範囲であり、特に−10℃〜20℃の範囲が好ましい。反応時間も、特に限定するものではないが、発熱を抑えながら設定温度の範囲で速やかに行う方が望ましい。
3)ジアゾニウム塩の反応液を、硫酸および硫酸と相分離する有機化合物からなる混合水溶液に供給する第3の工程、
本発明で用いる硫酸および硫酸と相分離する有機化合物からなる混合水溶液は、硫酸銅を含まない。硫酸銅を含む必要はなく、含むとコストアップとなる。
硫酸と相分離する有機化合物は、硫酸と反応せず、かつ分解温度で安定なニトロベンゼン、クロロベンゼンが好ましい。
硫酸および硫酸と相分離する有機化合物からなる混合水溶液の濃度は、硫酸水溶液は、ジアゾニウム塩1質量部に対して1〜100質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましい。また、有機化合物は、ジアゾニウム塩1質量部に対して1〜100質量部が好ましく、5〜30質量部がより好ましい。
本発明の方法において、ジアゾニウム塩の反応液を、硫酸と有機化合物からなる混合水溶液中へ少量ずつ添加していくことにより加水分解を進行する。反応の際の温度は、80℃〜150℃、さらには85℃超〜150℃、より好ましくは90℃〜150℃の範囲が好ましいが、これに限定するものではない。また、ジアゾニウム塩の添加時間についても特に限定するものではない。
本発明によって得られたジアゾニウム塩は、混合水溶液中で熱分解することにより、対応するフェノールに導かれ、該フェノールはただちに共存する有機相に移行する。
ジアゾニウム塩を添加した混合水溶液は、1〜60分間反応の際の温度範囲で静置して熟成させるのが好ましい。
本発明で用いる硫酸および硫酸と相分離する有機化合物からなる混合水溶液は、硫酸銅を含まない。硫酸銅を含む必要はなく、含むとコストアップとなる。
硫酸と相分離する有機化合物は、硫酸と反応せず、かつ分解温度で安定なニトロベンゼン、クロロベンゼンが好ましい。
硫酸および硫酸と相分離する有機化合物からなる混合水溶液の濃度は、硫酸水溶液は、ジアゾニウム塩1質量部に対して1〜100質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましい。また、有機化合物は、ジアゾニウム塩1質量部に対して1〜100質量部が好ましく、5〜30質量部がより好ましい。
本発明の方法において、ジアゾニウム塩の反応液を、硫酸と有機化合物からなる混合水溶液中へ少量ずつ添加していくことにより加水分解を進行する。反応の際の温度は、80℃〜150℃、さらには85℃超〜150℃、より好ましくは90℃〜150℃の範囲が好ましいが、これに限定するものではない。また、ジアゾニウム塩の添加時間についても特に限定するものではない。
本発明によって得られたジアゾニウム塩は、混合水溶液中で熱分解することにより、対応するフェノールに導かれ、該フェノールはただちに共存する有機相に移行する。
ジアゾニウム塩を添加した混合水溶液は、1〜60分間反応の際の温度範囲で静置して熟成させるのが好ましい。
以下の工程は、フェノールの回収工程であり、異なる公知の工程によって置き換えることもできる。
4)前記混合水溶液の下相の有機層を分液により回収する工程、
反応終了後、製造されたフェノールを下相の有機層を分液により回収して得る。
5)得られたフェノール類を塩基性水溶液で抽出する工程、
フェノールを含む水溶液を水酸化カリウム等で塩基性にしてフェノールを抽出する。
6)水相を酸性にして析出固体をろ取する工程、
次に、水相を塩酸酸性にして析出した固体をろ取してフェノールを得る。
例えば、4)前記混合水溶液の下相の有機層を分液により回収する工程、の後に、有機層から直接フェノールを蒸留、昇華精製等によって得ることもできる。
4)前記混合水溶液の下相の有機層を分液により回収する工程、
反応終了後、製造されたフェノールを下相の有機層を分液により回収して得る。
5)得られたフェノール類を塩基性水溶液で抽出する工程、
フェノールを含む水溶液を水酸化カリウム等で塩基性にしてフェノールを抽出する。
6)水相を酸性にして析出固体をろ取する工程、
次に、水相を塩酸酸性にして析出した固体をろ取してフェノールを得る。
例えば、4)前記混合水溶液の下相の有機層を分液により回収する工程、の後に、有機層から直接フェノールを蒸留、昇華精製等によって得ることもできる。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
(実施例1)
容積200mlで、温度計、マグネティックスターラー付きのナス型フラスコに20質量%濃度の硫酸100mlを入れ、撹拌しながら4,4’−ジアミノジフェニルエーテル10g(0.05モル)を加えた後、液温を0℃まで冷却した。ここに亜硝酸ナトリウム7.2g(0.105モル)を同温度を保持しながら少量ずつ添加しジアゾニウム塩の反応液を得た。一方、容積500mlで、温度計、マグネティックスターラー、および滴下ロート付きのフラスコに20質量%濃度の硫酸を200ml、ニトロベンゼン100ml仕込み、130℃に保持した。ここに、先に調製済みのジアゾニウム塩反応液を30分かけて添加し、その後同温度で10分間熟成し、ジアゾニウム塩の加水分解反応を行った。
反応終了後、下相の有機相を分液により回収し、5%水酸化カリウム水溶液170gで抽出し、水相をトルエン50mlで2回洗浄した。最後に、水相を塩酸酸性にして析出した固体を濾取、水洗、乾燥して4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル8.2g(収率81.2%)を得た。結果を表1に示す。
(実施例1)
容積200mlで、温度計、マグネティックスターラー付きのナス型フラスコに20質量%濃度の硫酸100mlを入れ、撹拌しながら4,4’−ジアミノジフェニルエーテル10g(0.05モル)を加えた後、液温を0℃まで冷却した。ここに亜硝酸ナトリウム7.2g(0.105モル)を同温度を保持しながら少量ずつ添加しジアゾニウム塩の反応液を得た。一方、容積500mlで、温度計、マグネティックスターラー、および滴下ロート付きのフラスコに20質量%濃度の硫酸を200ml、ニトロベンゼン100ml仕込み、130℃に保持した。ここに、先に調製済みのジアゾニウム塩反応液を30分かけて添加し、その後同温度で10分間熟成し、ジアゾニウム塩の加水分解反応を行った。
反応終了後、下相の有機相を分液により回収し、5%水酸化カリウム水溶液170gで抽出し、水相をトルエン50mlで2回洗浄した。最後に、水相を塩酸酸性にして析出した固体を濾取、水洗、乾燥して4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル8.2g(収率81.2%)を得た。結果を表1に示す。
(実施例2)
3,4’−ジアミノジフェニルエーテルを使用したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行い、3,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル7.5g(収率74.3%)を得た。結果を表1に示す。
(実施例3)
3,3’−ジヒドロキシベンジジン10.8gを使用したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行い、3,3’,4,4’−テトラヒドロキシジフェニル6.9g(収率63.3%)を得た。結果を表1に示す。
3,4’−ジアミノジフェニルエーテルを使用したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行い、3,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル7.5g(収率74.3%)を得た。結果を表1に示す。
(実施例3)
3,3’−ジヒドロキシベンジジン10.8gを使用したこと以外は、実施例1と同様にして反応を行い、3,3’,4,4’−テトラヒドロキシジフェニル6.9g(収率63.3%)を得た。結果を表1に示す。
(実施例4)
ジアゾニウム塩の分解温度を100℃で実施したこと以外は、実施例1と同様な方法にて行なった。4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル7.4g(収率73.3%)を得た。結果を表1に示す。
ジアゾニウム塩の分解温度を100℃で実施したこと以外は、実施例1と同様な方法にて行なった。4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル7.4g(収率73.3%)を得た。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1のジアゾニウム塩の加水分解にニトロベンゼンに代えて、クロロベンゼンを使用した以外は実施例1と同様な方法にて反応を行なった。4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル6.9g(収率68.3%)を得た。
実施例1のジアゾニウム塩の加水分解にニトロベンゼンに代えて、クロロベンゼンを使用した以外は実施例1と同様な方法にて反応を行なった。4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル6.9g(収率68.3%)を得た。
(実施例6)
実施例1の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルに代えて、1,5−ジアミノナフタレン7.9g(0.05モル)を使用した以外は実施例1と同様な方法にて反応を行なった。1,5−ジヒドロキシナフタレン6.2g(収率77.3%)を得た。
実施例1の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルに代えて、1,5−ジアミノナフタレン7.9g(0.05モル)を使用した以外は実施例1と同様な方法にて反応を行なった。1,5−ジヒドロキシナフタレン6.2g(収率77.3%)を得た。
(比較例1)
ジアゾニウム塩の加水分解反応にニトロベンゼンを使用しないで、硫酸のみを使用したこと以外は、実施例1と同様な方法にて反応を行なった。4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル2.9g(収率28.7%)を得た。結果を表1に示す。
ジアゾニウム塩の加水分解反応にニトロベンゼンを使用しないで、硫酸のみを使用したこと以外は、実施例1と同様な方法にて反応を行なった。4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル2.9g(収率28.7%)を得た。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例5のジアゾニウム塩の加水分解反応に、硫酸に代えて20%硫酸銅(II)水溶液390gを使用したこと以外は実施例5と同様な方法にて行ったが、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルは生成しなかった。
実施例5のジアゾニウム塩の加水分解反応に、硫酸に代えて20%硫酸銅(II)水溶液390gを使用したこと以外は実施例5と同様な方法にて行ったが、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルは生成しなかった。
表1の結果から、加水分解反応に使用する混合水溶液に有機化合物を用いる実施例の製造方法では得られるフェノール類の収率が高いことがわかる。一方加水分解反応に用いる混合水溶液に有機化合物を用いない比較例1では、得られるフェノールの収率が低いことがわかる。また、加水分解に用いる混合水溶液に硫酸銅とクロロベンゼンを用いた比較例2では、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルは得られなかった。
以上のように、本発明の製造方法によれば、芳香族アミン化合物を酸水溶液中ジアゾ化し、得られたジアゾニウム塩を硫酸および硫酸と相分離する有機化合物からなる混合水溶液に供給し、加水分解して生成したフェノール類を有機相から回収することにより、生成したフェノールが中間体のジアゾニウム塩の反応を回避、抑制し、フェノールの収率を改善することができる。得られるフェノール類は、ポリカーボネートやエポキシ樹脂等の原料、その他樹脂添加剤等幅広く利用される。
Claims (5)
- 芳香族アミン化合物を希硫酸水溶液中でジアゾ化し、得られたジアゾニウム塩を硫酸および硫酸と相分離する有機化合物からなる混合水溶液に供給し、加水分解して生成したフェノール類を有機相から回収することを特徴とするフェノール類の製造方法。
- 前記硫酸と相分離する有機化合物が、ニトロベンゼンおよび/またはクロロベンゼンである請求項1に記載のフェノール類の製造方法。
- 前記芳香族アミン化合物が、2以上の芳香環またはその縮合環を有し、アミノ基以外は炭素、酸素および水素からなる群から選択される元素から構成される請求項1または2に記載のフェノール類の製造方法。
- 前記芳香族アミン化合物が4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシベンジジンまたは1,5−ジアミノナフタレンである請求項1〜3のいずれか1項に記載のフェノール類の製造方法。
- 1)芳香族アミンの硫酸水溶液を得る第1の工程、
2)得られた液中にジアゾ化剤を添加して、ジアゾニウム塩の反応液を得る第2の工程、
3)ジアゾニウム塩の反応液を、硫酸および硫酸と相分離する有機化合物からなる混合水溶液に供給する第3の工程および
4)前記混合水溶液の有機層からフェノール類を回収する工程、
を有する、芳香族アミンをジアゾ化し、加水分解してフェノール類を製造する方法。
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