JP2015050906A - スイッチング電源回路および電子機器 - Google Patents

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弘太郎 山下
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Abstract

【課題】可聴域での発振による異音発生を抑えることが容易となるスイッチング電源回路を提供する。【解決手段】一次側と二次側の各コイルを有するトランスと、一次側の前記コイルに接続されるスイッチ素子と、を備え、前記スイッチ素子のスイッチング動作によって一次側に生成された電力を、前記トランスを介して二次側へ伝達するスイッチング電源回路であって、前記トランスの一次側のインダクタンスを切替えるインダクタンス切替部、を備えたスイッチング電源回路とする。【選択図】図2

Description

本発明は、トランスを有するスイッチング電源回路、およびこれを備えた電子機器に関する。
従来、トランスを有するスイッチング電源回路が広く利用されている。スイッチング電源回路によれば、例えば商用電源からの入力電力を用いて所望の出力電力を得ることが可能である。またスイッチング電源回路は、一般的に電力損失を低く抑えることが容易であり、電子機器の低消費電力化に有効である。
また昨今の省エネ関連法令等により、電源回路に対する省エネ要求が厳しくなってきている。このような事情からスイッチング電源回路については、スイッチング損失を出来るだけ低減させることが重要である。スイッチング損失を低減させる手法としては、バースト(間欠)発振を実行させる手法等が一般的に知られている。
特開2006−50760号公報
しかし、バースト発振の実行等によりスイッチング動作の周波数が下がると、スイッチング動作の周波数が可聴域に入る場合がある。これにより可聴域での発振が生じ、トランス等の部品より異音(トランス鳴き)が発生することがある。このような異音は、ユーザにとって耳障りとなるため抑制されるべきであるが、そのための対策は容易ではない。
本発明は上述した問題点に鑑み、可聴域での発振による異音発生を抑えることが容易となるスイッチング電源回路、およびこれを備えた電子機器の提供を目的とする。
本発明に係るスイッチング電源回路は、一次側と二次側の各コイルを有するトランスと、一次側の前記コイルに接続されるスイッチ素子と、を備え、前記スイッチ素子のスイッチング動作によって一次側に生成された電力を、前記トランスを介して二次側へ伝達するスイッチング電源回路であって、前記トランスの一次側のインダクタンスを切替えるインダクタンス切替部、を備えた構成とする。本構成によれば、可聴域での発振による異音発生を抑えることが容易となる。
また上記構成としてより具体的には、前記インダクタンス切替部は、前記スイッチ素子の接続先を、一次側の前記コイルにおける異なる複数の位置の間で切替える接続切替部を有し、前記接続先の切替により、前記インダクタンスを切替える構成としてもよい。本構成によれば、トランスの一次側のインダクタンスを容易に切替えることが可能となる。
また上記構成としてより具体的には、前記接続切替部は、前記スイッチ素子の接続先を、一次側の前記コイルの端点および中間点の間で切替える構成としてもよい。また上記構成としてより具体的には、前記二次側の電圧変動が抑制されるように、前記スイッチング動作が制御される構成としてもよい。本構成によれば、電圧変動の少ない電力を供給することが可能となる。
また本発明に係る電子機器は、上記構成のスイッチング電源回路を備え、前記二次側へ伝達された電力を用いて動作する電子機器であって、前記接続先の切替を制御する構成とする。また当該構成としてより具体的には、前記スイッチング動作の周波数が可聴域から外れるように、前記接続先の切替を制御する構成としてもよい。本構成によれば、異音の発生を抑制することが可能となる。
また複数種の動作モードの何れかが切替可能に設定され、設定された動作モードに応じて前記スイッチング動作が制御される上記構成の電子機器において、特定の前記動作モードへの切替に応じて、前記接続先の切替を制御する構成としてもよい。本構成によれば、当該接続先の切替を適切に制御することが容易となる。
また上記構成としてより具体的には、光ディスクの記録処理または再生処理を行う光ディスク装置である構成としてもよい。
本発明に係るスイッチング電源回路によれば、可聴域での発振による異音発生を抑えることが容易となる。
本実施形態に係る光ディスク装置の全体的な構成図である。 第1実施形態のスイッチング電源回路およびその周辺の構成図である。 スイッチ素子のON/OFFの時間変化を表すグラフである。 スイッチ素子のON/OFFの時間変化を表す別のグラフである。 第1実施形態の異音を抑えるための動作に関するフローチャートである。 第2実施形態のスイッチング電源回路およびその周辺の構成図である。 第2実施形態の異音を抑えるための動作に関するフローチャートである。 第3実施形態の異音を抑えるための動作に関するフローチャートである。
本発明の実施形態について第1実施形態から第3実施形態の各々を例に挙げ、以下に説明する。なお各実施形態では電子機器の一例として光ディスク装置を挙げるが、電子機器の種類はこれに限られるものではない。
1.第1実施形態
[光ディスク装置の全体構成]
まず第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る光ディスク装置9の全体的な構成図である。本図に示すように光ディスク装置9は、光ピックアップ部1、記録処理部2、再生処理部3、操作部4、スイッチング電源回路(電源部)5、および制御部6などを備えている。
光ピックアップ部1は、レーザダイオードや各種の光学部品等により構成されており、スピンドルモータの駆動力によって回転する光ディスクの情報記録面に、レーザ光を照射するように形成されている。
光ピックアップ部1は、光ディスクの記録処理(光ディスクへ情報を記録する処理)が行われるときには、光ディスクに記録用のレーザ光を照射し、記録処理部2から受取った情報を光ディスクへ記録する。また光ピックアップ部1は、光ディスクの再生処理(光ディスクに記録されている情報を再生させる処理)が行われるときには、光ディスクに再生用のレーザ光を照射し、光ディスクから読み取った情報を再生処理部3へ送出する。
記録処理部2は、光ディスクの記録処理が行われるときに、外部から入力された映像や音声の情報(例えば、テレビ放送番組の映像や音声の情報)を光ピックアップ部1へ送出する。当該送出された情報は、光ピックアップ部1によって光ディスクへ記録される。
再生処理部3は、光ディスクの再生処理が行われるときに、光ピックアップ部2から受取った情報(光ディスクから読み取られた情報)を外部へ送出する。当該送出された情報は、例えば外部のディスプレイやスピーカ等を用いて再生される。
操作部4は、押しボタンスイッチやリモコン装置等によって構成されており、ユーザによる各種の操作を受け付ける。ユーザによる操作の情報は制御部6へ伝送され、光ディスク装置9の動作に反映される。
スイッチング電源回路5は、交流電源(例えば商用電源)より入力された交流電力を用いて、光ディスク装置9の各部へ電源電力を供給する役割を果たす。光ディスク装置9は、スイッチング電源回路5から供給された電力を用いて動作することになる。なおスイッチング電源回路5の構成や動作については、改めて詳細に説明する。
制御部6は、例えばマイコンIC等を有しており、光ディスク装置9の動作制御を実行する。なお光ディスク装置9は、予め決められた複数種の動作モードの何れかが切替可能に設定され、そのときの動作モードに応じた動作を行う。なお当該複数種の動作モードには、待機モード、通常モード、再生モード、および記録モード等が含まれる。光ディスク装置9の動作モードは、ユーザの指示等に応じて、当該複数種の動作モードの間で切替えられる。
なお待機モードは、電源オフの状態となり、電源オンの指示を待機する動作モードである。待機モードのとき、光ディスク装置9の消費電力は非常に小さくなる。
通常モードは、電源オンの状態となり、光ディスクの記録処理や再生処理等の実行指示を待機する動作モードである。通常モードでは、光ディスクの記録処理や再生処理等を、実行指示に応じて直ちに開始させることが可能である。通常モードのとき、光ディスク装置9の消費電力は、待機モードに比べると大きくなる。
再生モードは、光ディスクの再生処理が行われる動作モードである。再生モードのとき、光ディスク装置9は、スピンドルモータを駆動して光ディスクを回転させる動作や、再生用のレーザ光を照射して光ディスクから情報を読取る動作等を実行する。そのため再生モードのとき、光ディスク装置9の消費電力は、通常モードより大きくなる。
記録モードは、光ディスクの記録処理が行われる動作モードである。記録モードのとき、光ディスク装置9は、スピンドルモータを駆動して光ディスクを回転させる動作や、記録用のレーザ光を照射して光ディスクに情報を記録させる動作等を実行する。記録モードのとき、再生用よりも高出力である記録用のレーザ光が使われること等から、光ディスク装置9の消費電力は再生モードよりも更に大きくなる。
このように光ディスク装置9の消費電力は、そのときの動作モードによって(つまり、実行される動作の内容によって)異なることになる。
[スイッチング電源回路]
次に、スイッチング電源回路5の構成等について説明する。図2は、スイッチング電源回路5およびその周辺の構成図である。本図に示すように、スイッチング電源回路5は、整流回路51、トランス52、接続切替部53、スイッチ素子54、およびコントロールIC55を備えている。スイッチング電源回路5は、前段側には交流電源が接続され、後段側には負荷(光ディスク装置9の各部)が接続される。
整流回路51は、例えばダイオードブリッジ等により構成されている。整流回路51は、交流電源から入力される交流電力に整流処理を施し、この処理済みの電力をトランス52へ送出する。
トランス52は、一次側コイル52aと二次側コイル52bを有する。一次側コイル52aは、一方の端点Paが整流回路51に接続されており、整流回路51から電力が供給される。また一次側コイル52の他方の端点Pbおよび中間点Pcは、接続切替部53に接続されている。この中間点Pcは、一次側コイル52aに設けられたセンタータップであっても良い。
接続切替部53は、例えばFET等を用いて形成されており、スイッチ素子54の接続先を、一次側コイル52aの端点Pbおよび中間点Pcの間で切替える。これにより、端点Pbおよび中間点Pcの何れか一方のみが、スイッチ素子54に接続されることになる。なお制御部6は、接続切替部53に制御信号Sc1を送出し、スイッチ素子54の接続先の切替を制御する。
スイッチ素子54は、接続切替部53と接地点の間の導通/遮断(ON/OFF)の切替を行う素子である。スイッチ素子54は、例えばNチャネル型のパワーMOSFETであり、ドレインが接続切替部53に接続され、ソースが接地されている。スイッチ素子54は、コントロールIC55からゲートに入力されるスイッチ制御信号SSWに応じて、ON/OFFの切替を行う。なおスイッチ素子54は、このような切替を繰返す動作(スイッチング動作)を行うことが可能である。
スイッチング動作によって、一次側コイル52aの電流状態が切替えられ、トランス52の二次側に所定電圧を発生させることが可能である。スイッチング電源回路5によれば、スイッチング動作によってトランス52を用いた電力の変換を実行し、変換された電力を負荷へ供給することが可能である。
コントロールIC55は、スイッチ制御信号SSWを出力することにより、スイッチ素子54のON/OFF切替が行われるようにする。なお制御部6は、スイッチング電源回路5の二次側の電圧VOの値を監視するようになっており、電圧VOの値の変動が抑えられるように(基本的には、電圧VOが一定となるように)、コントロールIC55へ制御信号Sc2を出す。
これによりコントロールIC55は、電圧VOの変動が抑えられるように、スイッチ制御信号SSWを出力することになる。このようにしてスイッチング電源回路5においては、電圧VOの変動が抑えられるように、スイッチング動作がフィードバック制御される。なおスイッチング電源回路5は、コントロールIC55が設けられる代わりに、スイッチ素子54の動作が制御部6によって直接制御される形態となっていても構わない。
なおスイッチング動作の制御形態としては、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態が採用され得る。ここで図3は、スイッチ素子54のON/OFFの時間変化を表すグラフとして、ONとなる期間(ON期間)が固定され、OFFとなる期間(OFF期間)が調節される場合のグラフを例示している。
このようにスイッチング動作が制御される場合には、基本的には負荷が小さいほど、OFF期間が長くなるように調節される。そしてOFF期間が長くなるほどスイッチング動作の周期は増大し、スイッチング周波数(スイッチング動作の周波数)は減少することになる。
また負荷が比較的小さくなる状況(例えば、待機モードとなる状況)では、バースト(間欠)発振が行われるように、スイッチング動作が制御されるようにしても良い。この場合には、連続発振となる期間(連続発振期間)と発振停止となる期間(発振停止期間)が交互に現れ、スイッチング損失を効果的に低減させることが可能である。なお、バースト発振が開始される際には、基本的には発振停止期間が設けられる分だけ、全体的に見たスイッチング周波数は減少することになる。
また図4は、スイッチ素子54のON/OFFの時間変化を表すグラフとして、バースト発振が行われる場合のグラフを例示している。この例のように、負荷の大きさ等に応じて、発振停止期間が調節されるようになっていても良い。なおこの場合には、発振停止期間が長くなるほど間欠の周期は増大し、全体的に見たスイッチング周波数は減少することになる。
ここで先述したように、光ディスク装置9の消費電力(スイッチング電源回路5の負荷の大きさに相当する)は、そのときの動作モードによって異なる。そのため制御部6は、適切な電源電力が供給されるように、そのときの動作モードに応じてスイッチング動作を制御する。スイッチング動作がどのように制御されるかは、動作モードごとに予め決められている。
また光ディスク装置9における各動作モードのうちの少なくとも一つは、異音発生モードとなっている。この異音発生モードは、スイッチング周波数が可聴域に入ることになる動作モードである。なお本願での「可聴域」は、人間の耳に聴こえる音の周波数の範囲であり、概ね20〜20000Hzの範囲である。
そのため光ディスク装置9が異音発生モードになると、そのままでは、トランス52等の部品よる異音(トランス鳴き)の発生が問題となる。しかし光ディスク装置9は、このような異音を抑えることが出来るように工夫されている。この点については、後述の説明により明らかとなる。
動作モードごとのスイッチング周波数は予め決まっているため、どの動作モードが異音発生モードに該当するかは予め判明している。そしてその情報は、予め制御部6に登録されている。そのため制御部6は、動作モードが切替えられる際に、異音発生モードとなるか、或いは異音発生モードから脱することになるかを、判別することが可能である。
[インダクタンスの切替]
先述した通りスイッチング電源回路5においては、接続切替部53によって、スイッチ素子54の接続先の切替が実行される。そしてこの接続先の切替が実行されることにより、トランス52の一次側のインダクタンス(L値)が切替えられる。
すなわち、スイッチ素子54が一次側コイル52aの端点Pbに接続された状態では、一次側コイル52aの全体(端点Paから端点Pbまでの領域)が、トランス52の一次側のコイルとして機能する。一方で、スイッチ素子54が一次側コイル52aの中間点Pcに接続された状態では、一次側コイル52aの一部(端点Paから中間点Pcまでの領域)のみが、トランス52の一次側のコイルとして機能する。
そのためスイッチ素子54が中間点Pcに接続された状態では、スイッチ素子54が端点Pbに接続された状態に比べ、トランス52の一次側のコイルとして機能する一次側コイル52aの範囲が減少し、トランス52の一次側のインダクタンスが低減する。従って、上述した接続先の切替が実行されることにより、トランス52の一次側のインダクタンスが実質的に切替えられることになる。
なおスイッチング電源回路5においてトランス52(1次側のコイル)に蓄えられるエネルギーPは、FCC方式などの場合、次の(1)式に示す通りとなる。
P = 1/2×L×I2 ・・・(1)
但し、Lはトランス52(1次側のコイル)のインダクタンスであり、Iはトランス52(1次側のコイル)の電流値である。この場合、エネルギーPはインダクタンスLに比例する。
このような理由から、上述したインダクタンスが低減すると、これに伴ってエネルギーPが低減する。そのため、先述したようにスイッチング動作がフィードバック制御されると、スイッチング周波数が増大することになる。その結果、トランス52の一次側のインダクタンスを切替えることにより、スイッチング周波数を変化させることが可能である。
光ディスク装置9はこの原理を利用して、先述した異音を抑えるように動作する。異音を抑えるための動作について、図5のフローチャートを参照しながら以下に説明する。
通常状態(異音発生モードではない状態)において、接続切替部53は、スイッチ素子54を一次側コイル52aの端点Pbに接続させた状態となっている(ステップS10)。またこの通常状態において、制御部6は、異音発生モードとなったか否かを監視する(ステップS11)。
そして異音発生モードになると(ステップS11のY)、制御部6は、スイッチ素子54の接続先が一次側コイル52aの中間点Pcへ切替わるように、接続切替部53を制御する(ステップS12)。これにより、トランス52の一次側のインダクタンスが切替えられ、スイッチング周波数が変化する。
なおスイッチング周波数の変化量は、トランス52の一次側のインダクタンスの変化量に依拠する。そして当該インダクタンスの変化量は、一次側コイル52aの中間点Pcの位置(換言すれば、端点Pbからの距離)等に依拠する。そこで中間点Pcの位置等は、ステップS12の動作の実行によってスイッチング周波数が可聴域から外れるように、予め適切に設定されている。
すなわちスイッチ素子54の接続先が端点Pbである異音発生モードでのスイッチング周波数をfとし、当該接続先を中間点Pcへ切替えたときのスイッチング周波数の変化量をΔfとすると、ステップS12の動作によりスイッチング周波数はf+Δfとなる。中間点Pcの位置等は、この周波数f+Δfが可聴域から外れるように設定されている。このような設定は、スイッチング電源回路5の設計段階における実験や計算等により実現され得る。
そのためステップS12の動作が実行されることにより、スイッチング周波数が可聴域から外れることとなり、異音の発生が抑えられる。またその後に制御部6は、異音発生モードから脱したか否かを監視する(ステップS13)。
そして異音発生モードから脱すると(ステップS13のY)、制御部6は、スイッチ素子54の接続先が一次側コイル52aの端点Pbへ切替わるように、接続切替部53を制御する(ステップS14)。これにより、再び一次側コイル52aの全体を、トランス52の一次側のコイルとして機能させることが出来る。その後はステップS11の動作が繰り返される。
なお本実施形態の光ディスク装置9は、異音発生モードとなるときにトランス52の一次側のインダクタンスを低減させ、スイッチング周波数を増大させることによって、スイッチング周波数が可聴域から外れるようにする。但し光ディスク装置9は、異音発生モードとなるときにトランス52の一次側のインダクタンスを増大させ、スイッチング周波数を低減させることによって、スイッチング周波数が可聴域から外れるようにしても構わない。
2.第2実施形態
次に第2実施形態について説明する。なお第2実施形態は、スイッチ素子の接続先の切替に関する点を除き、基本的には第1実施形態と同様である。以下の説明では、第1実施形態と異なる部分の説明に重点をおき、共通する部分については説明を省略することがある。
図6は、第2実施形態のスイッチング電源回路5およびその周辺の構成図である。本図に示すようにスイッチング電源回路5は、整流回路51、トランス52、接続切替部53、スイッチ素子54、およびコントロールIC55を備えている。
またトランス52は、一次側コイル52aと二次側コイル52bを有している。一次側コイル52aは、一方の端点Paが整流回路51に接続されており、整流回路51から電力が供給される。そして一次側コイル52の他方の端点Pbおよび二つの中間点(Pc、Pc´)が、接続切替部53に接続されている。なお中間点Pc´は、端点Pbと中間点Pcの間に位置している。
また接続切替部53は、スイッチ素子54の接続先を、一次側コイル52aの端点Pbおよび二つの中間点(Pc、Pc´)の間で切替える。これにより、端点Pbおよび二つの中間点(Pc、Pc´)の何れか一つだけが、スイッチ素子54に接続されることになる。なお制御部6は、接続切替部53に制御信号Sc1を送出し、スイッチ素子54の接続先の切替を制御する。
スイッチ素子54が中間点Pc´に接続された状態では、スイッチ素子54が端点Pbに接続された状態に比べ、トランス52の一次側のコイルとして機能する一次側コイル52aの範囲が減少し、トランス52の一次側のインダクタンスが低減する。そのためスイッチ素子54が中間点Pc´に接続された状態では、スイッチ素子54が端点Pbに接続された状態に比べ、第1実施形態の場合と同様の原理により、スイッチング周波数は増大する。
なお以下の説明では、スイッチ素子54が中間点Pc´に接続されたときのスイッチング周波数と、スイッチ素子54が端点Pbに接続されたときのスイッチング周波数の差を、Δf1とする。
またスイッチ素子54が中間点Pcに接続された状態では、スイッチ素子54が端点Pbや中間点Pc´に接続された状態に比べ、トランス52の一次側のコイルとして機能する一次側コイル52aの範囲が減少し、トランス52の一次側のインダクタンスが低減する。そのためスイッチ素子54が中間点Pcに接続された状態では、スイッチ素子54が端点Pbや中間点Pc´に接続された状態に比べ、スイッチング周波数は増大する。
なお以下の説明では、スイッチ素子54が中間点Pcに接続されたときのスイッチング周波数と、スイッチ素子54が端点Pbに接続されたときのスイッチング周波数の差を、Δf2(>Δf1)とする。
また光ディスク装置9における各動作モードの少なくとも一つは、第1異音発生モードとなっている。また更に各動作モードの少なくとも一つは、第2異音発生モードとなっている。これらの異音発生モードは、スイッチ素子54の接続先が一次側コイル52の端点Pbであるときに、スイッチング周波数が可聴域に入ることになる動作モードである。
但し第1異音発生モードは、スイッチ素子54の接続先が一次側コイル52の中間点Pc´になると、スイッチング周波数が可聴域から外れる動作モードである。すなわち第1異音発生モードにおいて、スイッチ素子54の接続先が端点Pbのときのスイッチング周波数をf1とすると、周波数f1+Δf1は可聴域から外れることになる。
一方で第2異音発生モードは、当該接続先が中間点Pc´になってもスイッチング周波数が可聴域から外れないが、当該接続先が中間点Pcになると、スイッチング周波数が可聴域から外れる動作モードである。すなわち第2異音発生モードにおいて、スイッチ素子54の接続先が端点Pbのときのスイッチング周波数をf2とすると、周波数f2+Δf1は可聴域から外れないが、周波数f2+Δf2は可聴域から外れることになる。
どの動作モードが第1異音発生モード或いは第2異音発生モードに該当するかの情報は、予め制御部6に登録されている。そのため制御部6は、動作モードが切替えられる際に、第1異音発生モードとなるか、第2異音発生モードとなるか、或いは何れの異音発生モードともならないかを、判別することが可能である。
光ディスク装置9はこの原理を利用して、異音を抑えるように動作する。異音を抑えるための動作について、図7のフローチャートを参照しながら以下に説明する。
通常状態(何れの異音発生モードでもない状態)において、接続切替部53は、スイッチ素子54を一次側コイル52aの端点Pbに接続させた状態となっている(ステップS20)。この状態において制御部6は、第1異音発生モードとなったか否か(ステップS21)、および第2異音発生モードとなったか否か(ステップS22)を監視する。
そして第1異音発生モードになると(ステップS21のY)、制御部6は、スイッチ素子54の接続先が一次側コイル52aの中間点Pc´へ切替わるように、接続切替部53を制御する(ステップS23)。これにより、トランス52の一次側のインダクタンスが切替えられ、スイッチング周波数が変化する。ステップS23の動作が実行されることによって、第1異音発生モードであってもスイッチング周波数が可聴域から外れることとなり、異音の発生が抑えられる。
一方で第2異音発生モードになると(ステップS22のY)、制御部6は、スイッチ素子54の接続先が一次側コイル52aの中間点Pcへ切替わるように、接続切替部53を制御する(ステップS24)。これにより、トランス52の一次側のインダクタンスが切替えられ、スイッチング周波数が変化する。ステップS24の動作が実行されることによって、第2異音発生モードであってもスイッチング周波数が可聴域から外れることとなり、異音の発生が抑えられる。
ステップS23の動作の実行後には、制御部6は、第2異音発生モードとなったか否か(ステップS25)、および第1異音発生モードから脱したか否か(ステップS26)を監視する。
第2異音発生モードとなった場合には(ステップS25のY)、制御部6は、ステップS24の動作を実行する。これにより、第2異音発生モードであってもスイッチング周波数が可聴域から外れることとなり、異音の発生が抑えられる。
一方で第1異音発生モードから脱した場合には(ステップS26のY)、制御部6は、スイッチ素子54の接続先が一次側コイル52aの端点Pbへ切替わるように、接続切替部53を制御する(ステップS29)。これにより、再び一次側コイル52aの全体を、トランス52の一次側のコイルとして機能させることが出来る。その後はステップS21の動作が繰り返される。
ステップS24の動作の実行後には、制御部6は、第1異音発生モードとなったか否か(ステップS27)、および第2異音発生モードから脱したか否か(ステップS28)を監視する。
第1異音発生モードとなった場合には(ステップS27のY)、制御部6は、ステップS23の動作を実行する。これにより、第1異音発生モードであってもスイッチング周波数が可聴域から外れることとなり、異音の発生が抑えられる。
一方で第2異音発生モードから脱した場合には(ステップS28のY)、制御部6は、ステップS29の動作を実行する。これにより、再び一次側コイル52aの全体を、トランス52の一次側のコイルとして機能させることが出来る。
上述したように第2実施形態では、スイッチ素子54の接続先が一次側コイル52aにおける3箇所(Pb、Pc、Pc´)の間で切替えられるようにし、トランス52の一次側のインダクタンスを3段階に切替えることが可能である。そのため2段階に切替えられる第1実施形態に比べ、トランス52の一次側のインダクタンスを細かく制御することが可能である。
なおスイッチング電源回路5においては、スイッチ素子54の接続先が、一次側コイル52aにおける4箇所以上の間で切替えられるようにしても良い。この場合には、トランス52の一次側のインダクタンスの切替が4段階以上で行われるようにし、当該インダクタンスをより細かく制御することが可能となる。
3.第3実施形態
次に第3実施形態について説明する。なお第3実施形態は、異音を抑えるための動作に関する点を除き、基本的には第1実施形態と同様である。以下の説明では、第1実施形態と異なる部分の説明に重点をおき、共通する部分については説明を省略することがある。
第1実施形態では、異音発生モードとなったか否かが監視され、異音発生モードとなったことをトリガーとして、スイッチ素子54の接続先が端点Pbから中間点Pcへ切替えられる。そのため異音の発生が抑制されるように、適切なタイミングで当該切替が行われる。
第3実施形態ではその代わりに、スイッチング周波数が可聴域に入ったことを検出する手段が光ディスク装置9に備えられ、スイッチング周波数が可聴域に入ったことをトリガーとして、スイッチ素子54の接続先が切替えられる。なお当該手段は、例えば、スイッチ制御信号SSWの波形やスイッチング電源回路5上の電力波形に基づいて、スイッチング周波数を検出するようになっていても良い。
第3実施形態の光ディスク装置9が行う異音を抑えるための動作について、図8のフローチャートを参照しながら以下に説明する。
初期状態において、接続切替部53は、スイッチ素子54を一次側コイル52aの端点Pbに接続させた状態となっている(ステップS30)。またこの状態において、制御部6は、スイッチング周波数が可聴域に入ったか否かを監視する(ステップS31)。
そしてスイッチング周波数が可聴域に入ると(ステップS31のY)、制御部6は、スイッチ素子54の接続先が一次側コイル52aの中間点Pcへ切替わるように、接続切替部53を制御する(ステップS32)。これにより、トランス52の一次側のインダクタンスが減少する方向に切替えられ、スイッチング周波数が増加する方向へ変化する。そのためスイッチング周波数が可聴域から外れることとなり、異音の発生が抑えられる。
またその後に制御部6は、スイッチング周波数が可聴域に入ったか否かを監視する(ステップS33)。そしてスイッチング周波数が可聴域に入ると(ステップS33のY)、制御部6は、スイッチ素子54の接続先が一次側コイル52aの端点Pbへ切替わるように、接続切替部53を制御する(ステップS34)。
これにより、トランス52の一次側のインダクタンスが増加する方向に切替えられ、スイッチング周波数が減少する方向へ変化する。そのためスイッチング周波数が可聴域から外れることとなり、異音の発生が抑えられる。その後はステップS31の動作が繰り返される。
このように第3実施形態では、スイッチング周波数が可聴域に入る度に、スイッチ素子54の接続先が一次側コイル52aの端点Pbと中間点Pcの間で切替えられる。そのためスイッチング周波数が可聴域に入る度に、スイッチング周波数が可聴域から外れるようにトランス52の一次側のインダクタンスが切替えられ、異音の発生が抑えられる。なお中間点Pcの位置等は、このようにしてスイッチング周波数を可聴域から外すことが可能となるように、適切に設定されている。
また第3実施形態の光ディスク装置9には、スイッチング周波数が可聴域に入ったことを検出する手段の代わりに、異音を検出する手段(マイクロフォン等から構成される手段)が備えられても良い。そしてこの場合に光ディスク装置9は、異音が検出される度に、スイッチ素子54の接続先を一次側コイル52aの端点Pbと中間点Pcの間で切替えるようにしても良い。このようにすれば、異音が検出される度に、スイッチング周波数が可聴域から外れるようにトランス52の一次側のインダクタンスが切替えられ、異音の発生を抑えることが可能となる。
4.その他
以上に説明した通り、各実施形態のスイッチング電源回路5は、一次側と二次側の各コイル(52a、52b)を有するトランス52と、一次側コイル52aに接続されるスイッチ素子54と、を備えている。またスイッチング電源回路5は、スイッチ素子54のスイッチング動作によって一次側に生成された電力を、トランス52を介して二次側へ伝達する。
そしてスイッチング電源回路5は、トランス52の一次側のインダクタンスを切替える機能部(インダクタンス切替部)を備えている。そのためスイッチング電源回路5によれば、可聴域での発振による異音発生を抑えることが容易となっている。
より具体的に説明するとインダクタンス切替部は、スイッチ素子54の接続先を、一次側コイル52aにおける異なる複数の位置の間で切替える接続切替部53を有している。そしてインダクタンス切替部は、前記接続先の切替により、前記インダクタンスを切替えるようにする。これにより、トランス52の一次側のインダクタンスを容易に切替えることが可能である。
また接続切替部53は、スイッチ素子54の接続先を、一次側コイル52aの端点および中間点の間で切替えるようになっている。なおこの形態には、当該中間点が一つである形態だけでなく、当該中間点が複数個設けられた形態も含まれる。またスイッチング電源回路5は、二次側の電圧変動が抑制されるようにスイッチング動作が制御される。これによりスイッチング電源回路5は、電圧変動の少ない電力を供給することが可能である。
また各実施形態の光ディスク装置9は、このようなスイッチング電源回路5を備え、その二次側へ伝達された電力を用いて動作する電子機器である。そして光ディスク装置9は、スイッチング動作の周波数が可聴域から外れるように、スイッチ素子54の接続先の切替を制御する。そのため光ディスク装置9によれば、異音の発生を抑制することが可能である。
なお光ディスク装置9は、複数種の動作モードの何れかが切替可能に設定され、設定された動作モードに応じてスイッチング動作が制御される。そして第1および第2実施形態の光ディスク装置9は、特定の動作モード(異音発生モード)への切替に応じて、スイッチ素子54の接続先の切替を制御する。そのため光ディスク装置9によれば、スイッチ素子54の接続先の切替を適切に制御することが容易となっている。
また本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。本発明は、各種の電子機器に備えられるスイッチング電源回路等に利用することができる。
1 光ピックアップ部
2 記録処理部
3 再生処理部
4 操作部
5 スイッチング電源回路
51 整流回路
52 トランス
52a 一次側コイル
52b 二次側コイル
53 接続切替部
54 スイッチ素子
55 コントロールIC
6 制御部
9 光ディスク装置(電子機器)

Claims (8)

  1. 一次側と二次側の各コイルを有するトランスと、
    一次側の前記コイルに接続されるスイッチ素子と、を備え、
    前記スイッチ素子のスイッチング動作によって一次側に生成された電力を、前記トランスを介して二次側へ伝達するスイッチング電源回路であって、
    前記トランスの一次側のインダクタンスを切替えるインダクタンス切替部、を備えたことを特徴とするスイッチング電源回路。
  2. 前記インダクタンス切替部は、
    前記スイッチ素子の接続先を、一次側の前記コイルにおける異なる複数の位置の間で切替える接続切替部を有し、
    前記接続先の切替により、前記インダクタンスを切替えることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  3. 前記接続切替部は、
    前記スイッチ素子の接続先を、一次側の前記コイルの端点および中間点の間で切替えることを特徴とする請求項2に記載のスイッチング電源回路。
  4. 前記二次側の電圧変動が抑制されるように、前記スイッチング動作が制御されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のスイッチング電源回路。
  5. 請求項2から請求項4の何れかに記載のスイッチング電源回路を備え、前記二次側へ伝達された電力を用いて動作する電子機器であって、
    前記接続先の切替を制御することを特徴とする電子機器。
  6. 前記スイッチング動作の周波数が可聴域から外れるように、前記接続先の切替を制御することを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
  7. 複数種の動作モードの何れかが切替可能に設定され、設定された動作モードに応じて前記スイッチング動作が制御される請求項6に記載の電子機器であって、
    特定の前記動作モードへの切替に応じて、前記接続先の切替を制御することを特徴とする電子機器。
  8. 光ディスクの記録処理または再生処理を行う光ディスク装置であることを特徴とする、請求項5から請求項7の何れかに記載の電子機器。
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CN106208620A (zh) * 2015-04-29 2016-12-07 群光电能科技股份有限公司 脉冲间歇模式电源供应方法及脉冲间歇模式电源供应装置
JP2017011792A (ja) * 2015-06-17 2017-01-12 群光電能科技股▲ふん▼有限公司 バーストモード電源供給方法及びバーストモード電源供給装置

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