JP2015049880A - タッチパネル入力装置、タッチパネル入力装置の制御方法、およびタッチパネル入力装置の制御プログラム - Google Patents

タッチパネル入力装置、タッチパネル入力装置の制御方法、およびタッチパネル入力装置の制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】検知精度が良好なタッチパネル入力装置、タッチパネル入力装置の制御方法、およびタッチパネル入力装置の制御プログラムを提供する。【解決手段】タッチパネル入力装置としての操作パネル装置は、マトリクス状の下面走査光路SL1を構成する走査光路形成部10aと、マトリクス状の上面走査光路SL2を構成する走査光路形成部10bとを備えている。操作パネル装置は、走査光路形成部10aを用いて下面走査光路SL1で操作部の有無を検知することにより、操作面CPへの操作部の入力座標を取得する。操作パネル装置は、走査光路形成部10bを用いて上面走査光路SL2で操作部の有無を検知することにより、操作面CPへの操作部の入力座標を取得する。操作パネル装置は、下面走査光路SL1での操作部の検知が途絶えた場合に、上面走査光路SL2での操作部の有無の検知を開始する。【選択図】図8

Description

本発明は、タッチパネル入力装置、タッチパネル入力装置の制御方法、およびタッチパネル入力装置の制御プログラムに関し、より特定的には、操作部の操作面への入力座標を光学的に取得するタッチパネル入力装置、タッチパネル入力装置の制御方法、およびタッチパネル入力装置の制御プログラムに関する。
MFP(Multifunction Peripheral)などの一般的な画像形成装置には、操作パネル(操作パネルユニット)が設けられている。操作パネルは、ソフトウェアキーなどを含む操作画面を表示する表示パネルと、表示パネル上に配置されたタッチパネル入力装置とを備えている。画像形成装置は、表示パネルに表示されたソフトウェアキーなどへのタッチを、タッチパネル入力装置にて検知し、検知した箇所のキーなどに割り当てられた処理を実行する。これにより、ユーザーは、表示パネルに表示された操作画面にタッチすることにより機器設定などの操作を行うことができるため、直感的な操作が可能となり、高い操作性が実現される。
タッチパネル入力装置がタッチを検知する方式としては、たとえば光学式、抵抗膜式、または静電容量式など、様々な形式がある。このうち光学式タッチパネル入力装置は、表示パネルの操作面上のX軸方向の両端部に互いに対向して配置された一組の発光素子列および受光素子列と、操作面上のY軸方向の両端部に互いに対向して配置された一組の発光素子列および受光素子列とを備えている。発光素子列は、複数のLED(Light Emitting Diode)により構成されており、受光素子列は複数のPD(Photodiode)により構成されている。光学式タッチパネル入力装置は、LEDの各々からの光(赤外線などの不可視光線)をPDの各々で受光することにより、操作面上を走査し、受光光量が低下したPDの位置(影の位置、遮光位置)に基づいて、入力座標を取得する。
現在、画像形成装置の操作パネルには、抵抗膜式または静電式の抵抗膜式タッチパネル入力装置が搭載されている。抵抗膜式タッチパネル入力装置は、安価で最も使用されているタッチパネル入力装置である一方で、マルチタッチ操作、フリック操作、またはドラッグ操作などを検知する性能に乏しい。このため、近年は静電式タッチパネル入力装置が搭載されることが多い。しかし、静電式タッチパネル入力装置は、構造が複雑であり、高価である。
光学式タッチパネル入力装置は、構造上、パネルの大型化が容易で、センサー部が直接触れられないため、耐久性が高いといった利点を有している。光学式タッチパネル入力装置は、ATM(Automated Teller Machine)や券売機になどに用いられており、マルチタッチ操作、フリック操作、またはドラッグ操作などを検知する性能が高い。近年、表示装置の大画面化への要求に応えるべく、画像形成装置の操作パネルに、大画面時のコストが有利な光学式タッチパネル入力装置を搭載することが検討されている。
従来の光学式タッチパネル入力装置に関する技術は、たとえば下記特許文献1に開示されている。
下記特許文献1には、対象物体が傾いている場合や対象物体のサイズが部分によって相違している場合でも、対象物体の位置を精度よく検出することのできる光学式位置検出装置が開示されている。この光学式位置検出装置は、検出用光源から検出光を出射し、検出対象空間の対象物体で反射した検出光の一部を光検出器で受光して対象物体の位置を検出する。また、光学式位置検出装置は、複数の検出対象空間のうち一部の空間については、この一部の空間から光検出器への反射光の入射が許容された選択状態とし、他の空間については他の空間から光検出器への反射光の入射が阻止された非選択状態とする。また、光学式位置検出装置は、選択状態とされる空間および非選択状態とされる空間をZ軸方向で切り換える。
特開2012−127836号公報
静電式タッチパネル入力装置は、装置内の導電膜と操作部との間の静電容量に基づいて操作部を検知するものであるため、操作部が表示パネルの操作面からある程度離れていても、操作部を検知することができる。一方、従来の光学式タッチパネル入力装置には、操作の検知精度が悪いという問題があった。
図16は、従来の光学式タッチパネル入力装置の検知範囲を模式的に示す断面図である。
図16を参照して、従来の光学式タッチパネル入力装置は、操作面CPに近接して設けられた走査光路SLから操作部が外れると、操作部を一切検知することができない。すなわち、線LNで示す軌跡で操作部を移動させる操作(たとえばフリック操作)を受け付けた場合に、線LNのうち実線で示された範囲では、操作部によって走査光路SLが遮光されるため、従来の光学式タッチパネル入力装置は、操作部を検知することができる。一方、線LNのうち点線で示された範囲では、操作部によって走査光路SLが遮光されないため、従来の光学式タッチパネル入力装置は、操作部を検知することができない。このため、従来の光学式タッチパネル入力装置は、操作部の移動距離を実際よりも小さいものとして検知していた。
特に、光学式タッチパネル入力装置がフリック操作を受け付けた場合には、光学式タッチパネル入力装置は、フリック速度(単位時間あたりの操作部の移動距離)を計算する必要がある。しかし、従来の光学式タッチパネル入力装置には、上述のように操作部の移動距離を実際よりも小さいものとして検知する傾向があるため、フリック速度を正確に計算することができなかった。
さらに、近年は、発光素子および受光素子の小型化に伴い、操作面と走査光路との距離が近くなる傾向にある。操作面と走査光路との距離が近くなると、ユーザーが押下しようとしている位置と、実際に押下された位置との視差が少なくなる。一方、操作面と走査光路との距離が近くなると、走査光路が操作部によって遮光されにくくなるので、操作部の移動距離が実際よりも小さく検知されやすくなる。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、検知精度が良好なタッチパネル入力装置、タッチパネル入力装置の制御方法、およびタッチパネル入力装置の制御プログラムを提供することである。
本発明の一の局面に従うタッチパネル入力装置は、操作部による操作を受け付ける平面である操作面上に配置され、操作面への操作部の入力座標を取得するタッチパネル入力装置であって、操作面から相対的に近い位置に存在するマトリクス状の下面走査光路を構成する下面走査光路形成部と、操作面から相対的に遠い位置に存在するマトリクス状の上面走査光路を構成する上面走査光路形成部と、下面走査光路形成部を用いて下面走査光路で操作部の有無を検知することにより、操作面への操作部の入力座標を取得する第1の取得手段と、上面走査光路形成部を用いて上面走査光路で操作部の有無を検知することにより、操作面への操作部の入力座標を取得する第2の取得手段とを備え、第2の取得手段は、下面走査光路での操作部の検知が途絶えた場合に、上面走査光路での操作部の有無の検知を開始する。
上記タッチパネル入力装置において好ましくは、第1の取得手段は、上面走査光路での操作部の有無の検知を停止した状態で、下面走査光路での操作部の有無の検知を開始し、第1の取得手段は、上面走査光路での操作部の有無の検知を開始した場合に、下面走査光路での操作部の有無の検知を停止する。
上記タッチパネル入力装置において好ましくは、第1および第2の取得手段の各々での操作部の有無の検知結果に基づいて、受け付けた操作の種類を判断する判断手段をさらに備える。
上記タッチパネル入力装置において好ましくは、第1の取得手段による操作部の検知が途絶えた場合に第1の取得手段にて最後に取得した入力座標と、第2の取得手段による操作部の検知が途絶えた場合に第2の取得手段にて最後に取得した入力座標との距離が所定値より大きい場合には、判断手段は、操作部を操作面上で移動させる操作であるフリック操作を受け付けたものと判断する。
上記タッチパネル入力装置において好ましくは、第1の取得手段による操作部の検知が途絶えた場合に第1の取得手段にて最後に取得した入力座標と、第2の取得手段による操作部の検知が途絶えた場合に第2の取得手段にて最後に取得した入力座標との距離が所定値より小さい場合には、判断手段は、操作部を操作面から離す操作であるリリース操作を受け付けたものと判断する。
上記タッチパネル入力装置において好ましくは、第1の取得手段による操作部の検知が途絶えた後で、第1の取得手段にて操作部を再び検知した場合には、判断手段は、操作部を操作面から離さない操作を受け付けたものと判断する。
上記タッチパネル入力装置において好ましくは、第1の取得手段による1度目の操作部の検知が途絶えた後で、第1の取得手段にて2度目の操作部を検知し、第1の取得手段による2度目の操作部の検知が途絶えた後で、第1の取得手段にて3度目の操作部を検知した場合には、判断手段は、操作部を操作面に2度接触させる操作であるダブルタップ操作を受け付けたものと判断する。
本発明の他の局面に従うタッチパネル入力装置の制御方法は、操作部による操作を受け付ける平面である操作面上に配置され、操作面への操作部の入力座標を取得するタッチパネル入力装置の制御方法であって、タッチパネル入力装置は、操作面から相対的に近い位置に存在するマトリクス状の下面走査光路を構成する下面走査光路形成部と、操作面から相対的に遠い位置に存在するマトリクス状の上面走査光路を構成する上面走査光路形成部とを備え、制御方法は、下面走査光路形成部を用いて下面走査光路で操作部の有無を検知することにより、操作面への操作部の入力座標を取得する第1の取得ステップと、上面走査光路形成部を用いて上面走査光路で操作部の有無を検知することにより、操作面への操作部の入力座標を取得する第2の取得ステップとを備え、第2の取得ステップにおいて、下面走査光路での操作部の検知が途絶えた場合に、上面走査光路での操作部の有無の検知を開始する。
本発明の他の局面に従うタッチパネル入力装置の制御プログラムは、操作部による操作を受け付ける平面である操作面上に配置され、操作面への操作部の入力座標を取得するタッチパネル入力装置の制御プログラムであって、タッチパネル入力装置は、操作面から相対的に近い位置に存在するマトリクス状の下面走査光路を構成する下面走査光路形成部と、操作面から相対的に遠い位置に存在するマトリクス状の上面走査光路を構成する上面走査光路形成部とを備え、制御プログラムは、下面走査光路形成部を用いて下面走査光路で操作部の有無を検知することにより、操作面への操作部の入力座標を取得する第1の取得ステップと、上面走査光路形成部を用いて上面走査光路で操作部の有無を検知することにより、操作面への操作部の入力座標を取得する第2の取得ステップとをコンピューターに実行させ、第2の取得ステップにおいて、下面走査光路での操作部の検知が途絶えた場合に、上面走査光路での操作部の有無の検知を開始する。
本発明によれば、検知精度が良好なタッチパネル入力装置、タッチパネル入力装置の制御方法、およびタッチパネル入力装置の制御プログラムを提供することができる。
本発明の一実施の形態における画像形成装置の全体構成を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態における操作パネル装置1の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態における操作パネル装置1の下面入力部3または上面入力部4の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態における下面入力部3の走査光路形成部10aの構成を模式的に示す平面図である。 本発明の一実施の形態における上面入力部4の走査光路形成部10bの構成を模式的に示す平面図である。 走査光路形成部10aおよび10bのY軸方向に沿った断面図である。 下面走査光路SL1での入力座標の取得方法を模式的に示す図である。 走査する走査光路の切り替えを説明する断面図である。 フリック操作の軌跡を模式的に示す断面図である。 リリース操作の軌跡を模式的に示す断面図である。 バウンドの軌跡を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施の形態における操作パネル装置1の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の変形例における走査光路形成部10aの構成を模式的に示す平面図である。 本発明の第2の変形例における走査光路形成部10aの構成を模式的に示す平面図である。 本発明の第3の変形例における走査光路形成部10aの構成を模式的に示す平面図である。 従来の光学式タッチパネル入力装置の検知範囲を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図面に基づいて説明する。
本実施の形態においては、タッチパネル入力装置が、画像形成装置に搭載されている操作パネル装置である場合について示す。画像形成装置としては、たとえばMFP、ファクシミリ装置、複写機、またはプリンターなどがある。タッチパネル入力装置は、操作部による操作を受け付ける平面である操作面上に配置され、操作面への操作部の入力座標を取得するものであればよく、たとえばタブレット、PC(Personal Computer)、携帯電話、または券売機などの画像形成装置以外のものに搭載されていてもよい。
本明細書において、「走査光路」とは、発光素子からの光が受光素子で受光されるまでにたどる経路であって、操作部の検知に用いられる経路を意味している。「フリック操作」とは、操作部を操作面上で移動させる操作を意味している。「リリース操作」とは、操作部を操作面から離す操作を意味している。「ダブルタップ操作」とは、操作部を操作面に2度接触させる操作を意味している。
[画像形成装置の構成]
始めに、本実施の形態におけるタッチパネル入力装置が搭載される画像形成装置の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態における画像形成装置の全体構成を示す斜視図である。
図1を参照して、画像形成装置100は、ここではスキャナー機能、ファクシミリ機能、複写機能、ネットワーク機能、BOX機能、およびプリンターとしての機能などを備えたMFPである。画像形成装置100は、原稿を光学的に読取って画像データを得るスキャナー部110と、画像データに基づいて用紙上に画像を印刷するプリントエンジン120とを主に備えている。画像形成装置100の本体上面には、スキャナー部110に原稿を送る自動原稿送り装置(フィーダー)130が配置され、画像形成装置の下部には、プリントエンジン120に用紙を供給する複数の給紙カセット(給紙部)140が配置される。また、画像形成装置100の中央部には、プリントエンジン120によって画像を形成された用紙が排紙されるトレー150が設けられている。
画像形成装置100は、さらに、本実施の形態におけるタッチパネル入力装置としての操作パネル装置1を備えている。操作パネル装置1は、画像形成装置100の本体上面の前面側(ユーザーが位置する側)に装着されている。操作パネル装置1は、表示パネル93に表示された情報に基づいて、画像形成装置100に対してユーザーが設定や命令などを入力するための装置である。操作パネル装置1は、ユーザーからの各種の指示、数字、文字、または記号などの入力操作を受付けるための複数のハードウェアキー91と、表示パネル(表示装置)93と、タッチパネル10とを含んでいる。表示パネル93は、画像形成装置100に関する各種操作を受け付ける操作画面などの各種情報をユーザーに対して表示する。表示パネル93は、指でのタッチ(操作部による操作の一例)を受け付ける平面である操作面CP(図3)を有している。タッチパネル10は、操作面への指でのタッチを検知した場合に、その入力座標を取得する。
操作パネル装置1は、ユーザーが画像形成装置100の前に立った状態で操作しやすいように、操作面が水平面に対して傾斜するように取り付けられる。画像形成装置100によっては、車いすのユーザーなどにも配慮して、操作面の角度を調節可能であってもよい。
次に、操作パネル装置1の構成について説明する。
図2は、本発明の一実施の形態における操作パネル装置1の構成を示すブロック図である。
図2を参照して、操作パネル装置1は、制御部2と、下面入力部3と、上面入力部4と、記憶装置5とを含んでいる。
制御部2は、操作パネル装置1全体を制御する。制御部2は、操作パネル装置1全体の制御を行うCPU(Central Processing Unit)、CPUを動作させる為のプログラムを格納するROM(Read Only Memory)、およびCPUがプログラムを動作するために必要なデータや画像データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)などにより構成されている。制御部2は、下面入力部3および上面入力部4の各々の走査開始および走査停止を制御する。さらに制御部2は、下面入力部3および上面入力部4の各々から入力座標を受け取る。
下面入力部3および上面入力部4の各々は、ユーザーの指が操作面にタッチした位置を取得し、取得した位置の座標である入力座標を制御部2に送信する。下面入力部3は、操作面から相対的に近い位置に存在するマトリクス状の下面走査光路を構成する走査光路形成部10a(図4)を含んでおり、上面入力部4は、操作面から相対的に近い位置に存在するマトリクス状の下面走査光路を構成する走査光路形成部10b(図5)を含んでいる。
記憶装置5は、たとえばHDD(Hard Disk Drive)であり、各種情報を記憶する。
図3は、本発明の一実施の形態における操作パネル装置1の下面入力部3または上面入力部4の構成を示すブロック図である。なお、X軸とY軸とは互いに直交している。図3においては、図中下側に操作パネル装置1を操作するユーザーが存在しているものとする。以降、操作面CPにおけるユーザーに近い側(図3中下側)を手前側と呼び、ユーザーから遠い側(図3中上側)を操作面CPの奥側と呼ぶことがある。
図3を参照して、下面入力部3および上面入力部4は、同様の構成を有しているため、ここでは下面入力部3の構成について説明する。下面入力部3は、走査光路形成部10a(下面走査光路形成部の一例)と、走査部(スキャン回路)30と、接触判断部31と、座標検出部32とを含んでいる。なお、上面入力部4は、走査光路形成部10aの代わりに走査光路形成部10b(上面走査光路形成部の一例)を含んでいる。
走査光路形成部10aは、操作面CP上に配置されている。走査光路形成部10aは、X軸方向に直線状に配列した複数の発光素子によって構成される発光素子列と、X軸方向に直線状に配列した複数の受光素子によって構成される受光素子列と、Y軸方向に直線状に配列した複数の発光素子によって構成される発光素子列と、Y軸方向に直線状に配列した複数の受光素子によって構成される受光素子列とを含んでいる。走査光路形成部10aおよび10bの具体的な構成については、図4および図5を用いて後述する。
走査部30は、走査光路形成部10aを構成する全ての発光素子および受光素子の各々に接続されている。走査部30は、走査光路形成部10aを構成する発光素子および受光素子の組を順次走査し、各発光素子に対応する各受光素子の入力(受光光量)を接触判断部31および座標検出部32に送信する。
接触判断部31は、走査部30から受信した各受光素子の入力に基づいて、操作面CPへのタッチの有無の検知(操作面CPがタッチされたか否かの判断)を行う。接触判断部31は、操作面CPへのタッチを検知した場合に、接触検知信号を座標検出部32に送信する。
座標検出部32は、接触判断部31からの接触検知信号をトリガとし、走査部30から受信した各受光素子の入力に基づいて、走査光路が指によって塞がれた部分(遮光された部分)を特定する。座標検出部32は、遮光された部分に基づいて、入力座標(操作面CPへのタッチ位置の座標)を決定し、制御部2に送信する。
図4は、本発明の一実施の形態における下面入力部3の走査光路形成部10aの構成を模式的に示す平面図である。
図4を参照して、下面入力部3の走査光路形成部10aは、X軸方向に直線状に配列した複数の発光素子A1〜An(nは自然数)によって構成された発光素子列11と、X軸方向に直線状に配列した複数の受光素子B1〜Bnによって構成された受光素子列12と、Y軸方向に直線状に配列した複数の発光素子C1〜Cm(mは自然数)によって構成された発光素子列13と、Y軸方向に直線状に配列した複数の受光素子D1〜Dmによって構成された受光素子列14とを含んでいる。
発光素子列11および受光素子列12は、対向しており、複数の走査光路L1を形成する。発光素子列11は操作面CPの奥側端部に配置されており、受光素子列12は操作面CPの手前側端部に配置されている。複数の走査光路L1の各々は、発光素子列11を構成する複数の発光素子A1〜Anの各々からの光が、受光素子列12を構成する複数の受光素子B1〜Bnの各々で受光されるまでにたどる経路であり、Y軸方向に延在している。
発光素子列13および受光素子列14は、対向しており、複数の走査光路L2を形成する。発光素子列13は操作面CPの左端部に配置されており、受光素子列14は操作面CPの右端部に配置されている。複数の走査光路L2の各々は、発光素子列13を構成する複数の発光素子C1〜Cmの各々からの光が、受光素子列14を構成する複数の受光素子D1〜Dmの各々で受光されるまでにたどる経路であり、X軸方向に延在している。複数の走査光路L1および複数の走査光路L2は、互いに直交しており、操作面CPに対して平行なマトリクス状の下面走査光路SL1を構成している。
図5は、本発明の一実施の形態における上面入力部4の走査光路形成部10bの構成を模式的に示す平面図である。
図5を参照して、上面入力部4の走査光路形成部10bは、X軸方向に直線状に配列した複数の発光素子E1〜Enによって構成された発光素子列21と、X軸方向に直線状に配列した複数の受光素子F1〜Fnによって構成された受光素子列22と、Y軸方向に直線状に配列した複数の発光素子G1〜Gmによって構成された発光素子列23と、Y軸方向に直線状に配列した複数の受光素子H1〜Hmによって構成された受光素子列24とを含んでいる。
発光素子列21および受光素子列22は、対向しており、複数の走査光路L3を形成する。発光素子列21は操作面CPの奥側端部に配置されており、受光素子列22は操作面CPの手前側端部に配置されている。複数の走査光路L3の各々は、発光素子列21を構成する複数の発光素子E1〜Enの各々からの光が、受光素子列22を構成する複数の受光素子F1〜Fnの各々で受光されるまでにたどる経路であり、Y軸方向に延在している。
発光素子列23および受光素子列24は、対向しており、複数の走査光路L4を形成する。発光素子列23は操作面CPの左端部に配置されており、受光素子列24は操作面CPの右端部に配置されている。複数の走査光路L4の各々は、発光素子列23を構成する複数の発光素子G1〜Gmの各々からの光が、受光素子列24を構成する複数の受光素子H1〜Hmの各々で受光されるまでにたどる経路であり、X軸方向に延在している。複数の走査光路L3および複数の走査光路L4は、互いに直交しており、操作面CPに対して平行なマトリクス状の上面走査光路SL2を構成している。上面走査光路SL2は、下面走査光路SL1よりも操作面CPから遠い位置に存在している。
図6は、走査光路形成部10aおよび10bのY軸方向に沿った断面図である。
図4〜図6を参照して、走査光路形成部10aおよび10bを構成する発光素子および受光素子の各々は、操作面CPに対して垂直な方向に複数段(ここでは2段)に配置されている。発光素子列21は発光素子列11の上部に積み重ねられており、受光素子列22は受光素子列12の上部に積み重ねられている。発光素子列23は発光素子列13の上部に積み重ねられており、受光素子列24は受光素子列14の上部に積み重ねられている。言い換えれば、発光素子A1〜Anの各々と受光素子B1〜Bnの各々との組は、発光素子E1〜Enの各々と受光素子F1〜Fnの各々との組よりも低い位置(操作面CPに近い位置)に配置されている。下面走査光路SL1は、上面走査光路SL2よりも低い位置に配置されている。走査光路形成部10aおよび10bのX軸方向に沿った断面図も、図6とほぼ同様の構成となっている。
なお、下面走査光路SL1および上面走査光路SL2のうち少なくともいずれか一方が、操作面CPに対して傾斜していてもよい。
[操作パネル装置の動作]
続いて、操作パネル装置1の動作について説明する。
図7は、下面走査光路SL1での入力座標の取得方法を模式的に示す図である。
図7を参照して、操作パネル装置1の下面入力部3は、走査光路形成部10aを用いて、操作面CPへの入力座標を以下の方法により取得する。下面入力部3は、走査光路形成部10aを用いて下面走査光路SL1の走査を行うことにより、操作面CPへのタッチ(ユーザーの指)の有無を検知する。下面入力部3は、X軸方向に配列したn本の走査光路L1と、Y軸方向に配列したm本の走査光路L2との合計(m+n)本の走査光路を走査する。
具体的には、下面入力部3は、走査部30を用いて、発光素子A1および受光素子B1の組、発光素子A2および受光素子B2の組、発光素子A3および受光素子B3の組・・・という順番で、操作面CPの左側から右側に向かって発光素子A1〜Anおよび受光素子B1〜Bnの各々の組をオンし、それぞれの受光素子B1〜Bnで受光した光量を入手する。
続いて下面入力部3は、走査部30を用いて、発光素子C1および受光素子D1の組、発光素子C2および受光素子D2の組、発光素子C3および受光素子D3の組・・・という順番で、操作面CPの奥側から手前側に向かって発光素子C1〜Cmおよび受光素子D1〜Dmの各々の組をオンし、それぞれの受光素子D1〜Dmで受光した光量を入手する。
次に下面入力部3は、受光素子B1〜BnおよびD1〜Dmの各々で受光した光量を、接触判断部31または座標検出部32に送信する。これにより、下面走査光路SL1の1回の走査が完了する。
なお、走査光路の本数を減らした場合には、走査光路の走査周期は短くなる。たとえば、走査光路L1および走査光路L2の合計の本数を2分の1に削減した場合には、走査周期も2分の1になる。一方で、走査光路L1または走査光路L2の本数を減らした場合には、下面走査光路SL1での操作部の検知感度は悪くなる。
ここでは、下面走査光路SL1内の領域ARが、ユーザーの指によって遮光された(塞がれた)場合を想定する。この場合、走査光路L1のうち、発光素子A8から受光素子B8へ向かう走査光路L1aと、発光素子A9から受光素子B9へ向かう走査光路L1bとが遮光される。同様に、走査光路L2のうち、発光素子C6ら受光素子D6へ向かう走査光路L2aと、発光素子C7から受光素子D7へ向かう走査光路L2bとが遮光される。その結果、受光素子B8、B9、D6、およびD7の受光光量が、受光光量の閾値(たとえば受光素子の最大の受光光量の70%)を下回る。
下面入力部3での1回の走査の結果、受光光量が閾値を下回る受光素子が発生すると、下面入力部3は、下面走査光路SL1での遮光を検知し、受光光量が閾値を下回った受光素子の位置に基づいて遮光面積を算出する。遮光面積は、X軸方向に配列した受光素子のうち受光光量の閾値を下回ったものが占める幅と、Y軸方向に配列した受光素子のうち受光光量の閾値を下回ったものが占める幅との積として検出される。ここでは、受光素子B8、B9、D6、およびD7が占める幅に基づいて、遮光面積が「4S」と算出される。
なお、遮光面積は、受光光量が閾値を下回った受光素子に近接する他の受光素子の受光光量にさらに基づいて算出されてもよい。この場合には、算出する遮光面積の分解能を向上することができる。
算出した遮光面積が基準面積(たとえば「2S」)以上である場合には、下面入力部3は、操作面CPへのタッチを検知し、接触判断部31から座標検出部32に接触検知信号を送信する。一方、算出した遮光面積が基準面積未満である場合には、下面入力部3は、操作面CPに異物が付着したものと判断し(操作面CPへのタッチが無いものと判断し)、接触検知信号を送信しない。
下面入力部3は、座標検出部32で接触検知信号を受信すると、受光素子B8、B9、D6、およびD7の位置に基づいて、遮光された領域である領域ARを特定する。そして下面入力部3は、領域ARの中心の座標(領域ARのX軸方向の遮光部分の中点と、Y軸方向の遮光部分の中点とで特定される座標)を入力座標として取得し、制御部2に送信する。
操作パネル装置1の上面入力部4は、上述の動作と同様の動作により、走査光路形成部10bを用いて上面走査光路SL2で操作面CPへのタッチの有無を検知し、操作面CPへの入力座標を制御部2に送信する。
図8は、走査する走査光路の切り替えを説明する断面図である。なお、図8における線LN1は、操作パネル装置1が指を検知可能な範囲を示している。
図8を参照して、操作パネル装置1は、下面走査光路SL1と上面走査光路SL2との間で走査する走査光路を切り替える。操作パネル装置1の電源(画像形成装置100の電源)がオンされると、下面入力部3は、上面走査光路SL2でのタッチの有無の検知を停止した状態(走査光路形成部10bを構成する全ての発光素子および受光素子をオフした状態)で、走査光路形成部10aを用いて下面走査光路SL1の走査を開始し、下面走査光路SL1でのタッチの有無の検知を開始する。下面走査光路SL1でタッチを検知した場合に、下面入力部3は、操作面CPへの入力座標を取得する。操作パネル装置1は、通常時には、走査光路形成部10aを用いて操作面CPへの入力座標を取得する。
下面入力部3による下面走査光路SL1でのタッチの検知が途絶えた場合(下面入力部3で操作部を一端検知した後、操作部を検知しなくなった場合)に、上面入力部4は、走査光路形成部10bを用いて上面走査光路SL2の走査を開始し、上面走査光路SL2でタッチの有無を検知する。上面走査光路SL2でタッチを検知した場合、上面入力部4は、操作面CPへの入力座標を取得する。
上面走査光路SL2の走査を開始した場合に、下面入力部3は下面走査光路SL1の走査を停止する(走査光路形成部10aを構成する全ての発光素子および受光素子をオフする)。操作パネル装置1は、下面走査光路SL1の走査と上面走査光路SL2の走査とが重複しないように、走査を行うタッチパネルを切り替えてもよい。また操作パネル装置1は、上面走査光路SL2の走査を開始した後で、しばらくの間、下面走査光路SL1の走査を継続し、下面走査光路SL1および上面走査光路SL2の各々の走査を行ってもよい。
なお、静電式タッチパネル入力装置においても、タッチ判定に用いる静電容量の閾値を下げる(タッチの感度を上げる)ことにより、複数段階でタッチの有無を検知することは可能である。しかし、静電式タッチパネル入力装置では、操作面から操作部が離れると検知する入力座標の精度が著しく低下するため、複数段階でタッチの有無を検知することは現実的には難しい。
[操作の種類の判断方法]
操作パネル装置1は、下面入力部3および上面入力部4の各々でのタッチの有無の検知結果に基づいて、操作パネル装置1が受け付けた操作の種類を判断してもよい。次に、操作の種類の判断方法について説明する。
図9は、フリック操作の軌跡を模式的に示す断面図である。
図9を参照して、ユーザーが操作面CP上でフリック操作を行う場合、ユーザーの指は線LN2で示す軌跡を描く。下面入力部3は、下面走査光路SL1で検知したタッチに基づいて、点P11→点P12→点P13という順序で、入力座標を取得する。点P13の入力座標X1は、下面入力部3が最後に取得した入力座標であり、点P13を検知した後、下面入力部3によるタッチの検知は途絶える。
上面入力部4は、下面入力部3によるタッチの検知が途絶えた場合に、上面走査光路SL2での走査を開始する。上面入力部4は、上面走査光路SL2で検知したタッチに基づいて、点P13→点P14という順序で、入力座標を取得する。点P14の入力座標X2は、上面入力部4が最後に取得した入力座標であり、点P14を検知した後、上面入力部4によるタッチの検知は途絶える。
操作パネル装置1は、上面入力部4によるタッチの検知が途絶えた場合に距離ΔXを算出する。距離ΔXは、下面入力部3によるタッチの検知が途絶えた場合に下面入力部3が最後に取得した入力座標と、上面入力部4によるタッチの検知が途絶えた場合に上面入力部4が最後に取得した入力座標との距離に相当する。フリック操作は、操作部を操作面上で移動させる操作であるので、距離ΔXは比較的大きい値となる。従って、操作パネル装置1は、距離ΔXが所定値より大きい場合には、フリック操作を受け付けたものと判断する。
図10は、リリース操作の軌跡を模式的に示す断面図である。
図10を参照して、ユーザーが操作面CP上でリリース操作を行う場合、ユーザーの指は線LN3で示す軌跡を描く。下面入力部3は、下面走査光路SL1で検知したタッチに基づいて、点P21→点P22という順序で、入力座標を取得する。点P22の入力座標X1は、下面入力部3が最後に取得した入力座標であり、点P22を検知した後、下面入力部3によるタッチの検知は途絶える。
上面入力部4は、下面入力部3によるタッチの検知が途絶えた場合に、上面走査光路SL2での走査を開始する。上面入力部4は、上面走査光路SL2で検知したタッチに基づいて、点P22→点P23という順序で、入力座標を取得する。点P23の入力座標X2は、上面入力部4が最後に取得した入力座標であり、点P23を検知した後、上面入力部4によるタッチの検知は途絶える。
操作パネル装置1は、上面入力部4によるタッチの検知が途絶えた場合に、入力座標X1と入力座標X2との距離ΔXを算出する。リリース操作は、操作部を操作面から離す操作であるので、距離ΔXは比較的小さい値となる。従って、操作パネル装置1は、距離ΔXが所定値より小さい場合には、リリース操作を受け付けたものと判断する。
図11は、バウンドの軌跡を模式的に示す断面図である。
図11を参照して、長い時間操作部を操作面CPに接触させる操作であるロングタッチ操作などをユーザーが行う場合、ユーザーの指はわずかながらバウンドする(操作面CPから離れる)ことがある。バウンドした指は、典型的には線LN4で示す軌跡を描く。下面入力部3は、下面走査光路SL1で検知したタッチに基づいて、点P31→点P32という順序で、入力座標を取得する。点P32を検知した後、下面入力部3によるタッチの検知は途絶える。
上面入力部4は、下面入力部3によるタッチの検知が途絶えた場合に、上面走査光路SL2での走査を開始する。上面入力部4は、上面走査光路SL2で検知したタッチに基づいて、点P32→点P33という順序で、入力座標を取得する。
下面入力部3は、上面入力部4がタッチの有無の検知を開始した後(下面入力部3がタッチを検知しなくなった後)たとえば数ms程度の間、タッチの有無の検知を継続する。
操作パネル装置1は、下面入力部3によるタッチの検知が途絶えた後であって下面入力部3によるタッチの有無の検知を停止する前に、下面入力部3がタッチを再び検知した場合には、指がバウンドしたものとみなし、操作部を操作面から離さない操作を受け付けたものと判断する(リリース操作ではなく、ロングタッチが継続しているものと判断する)。この場合、下面入力部3は、下面走査光路SL1で検知したタッチに基づいて、点P34→点P35という順序で、入力座標を取得する。
なお、操作パネル装置1は、指がバウンドしたことを2回連続で検知した場合には、ダブルタップ操作を受け付けたものと判断してもよい。具体的には、下面入力部3による1度目の操作部の検知が途絶えた後で、下面入力部3が2度目の操作部を検知し、下面入力部3による2度目の操作部の検知が途絶えた後で、下面入力部3が3度目の操作部を検知した場合には、操作パネル装置1は、ダブルタップ操作を受け付けたものと判断してもよい。
また、下面入力部3および上面入力部4でタッチを検知し(1回目のタッチに相当)、上面入力部4のみでタッチを検知した後で、下面入力部3および上面入力部4でタッチを検知し(2回目のタッチに相当)、上面入力部4のみでタッチを検知した後で、下面入力部3および上面入力部4のいずれでもタッチを検知しなくなった場合に、操作パネル装置1は、ダブルタップ操作を受け付けたものと判断してもよい。
図12は、本発明の一実施の形態における操作パネル装置1の動作を示すフローチャートである。
図12を参照して、電源がオンされると(S101)、操作パネル装置1の制御部2は、初期化を行い(S103)、下面入力部3(下段)でタッチを検知したか否かを判別する(S105)。下面入力部3でタッチを検知したと判別するまで、制御部2はステップS105の処理を繰り返す。
ステップS105において、下面入力部3でタッチを検知したと判別した場合(S105でYES)、制御部2は、下面入力部3で取得した入力座標を制御部2に送信させる(S107)。次に制御部2は、下面入力部3でのタッチの検知が途絶えたか否か(リリースを検知したか否か)を判別する(S109)。
ステップS109において、下面入力部3でのタッチの検知が途絶えたと判別した場合(S109でYES)、制御部2は、下面入力部3で最後に取得した入力座標(リリース位置の入力座標)X1を記憶装置5などに保存する(S111)。続いて制御部2は、上面入力部4(上段)でタッチを検知し(S113)、上面入力部4で取得した入力座標を制御部2に送信させる(S115)。次に制御部2は、上面入力部4でのタッチの検知が途絶えたか否か(リリースを検知したか否か)を判別する(S117)。
ステップS117において、上面入力部4でのタッチの検知が途絶えたと判別した場合(S117でYES)、制御部2は、上面入力部4で最後に取得した入力座標(リリース位置の入力座標)X2を記憶装置5などに保存する(S119)。続いて制御部2は、入力座標X1と入力座標X2との距離ΔXが所定値以下であるか否かを判別する(S121)。
ステップS121において、距離ΔXが所定値以下であると判別した場合(S121でYES)、制御部2は、リリース操作を受け付けたと判断し(S123)、処理を終了する。
ステップS121において、距離ΔXが所定値より大きいと判別した場合(S121でNO)、制御部2は、フリック操作を受け付けたと判断し(S125)、処理を終了する。
ステップS117において、上面入力部4でのタッチの検知が途絶えないと判別した場合(S117でNO)、制御部2は、下面入力部3でタッチを検知したか否かを判別する(S127)。
ステップS127において、下面入力部3でタッチを検知しないと判別した場合(S127でNO)、制御部2はステップS115の処理へ進む。
ステップS127において、下面入力部3でタッチを検知したと判別した場合(S127でYES)、制御部2は、ロングタッチが継続しているものと判断し(S129)、処理を終了する。
[実施の形態の効果]
上述の実施の形態によれば、操作パネル装置1は、操作面CPからユーザーの指が離れ、下面走査光路SL1でタッチを検知できなくなった場合でも、上面走査光路SL2でのタッチの検知結果に基づいて入力座標を引き続き取得することができる。これにより、指の移動距離を実際の移動距離に近い値で検知することができ、操作の検知精度が良好になる。
上述の実施の形態によれば、フリック操作、リリース操作、またはバウンドなどの互いの相違点が少ない操作を受け付けた場合にも、下面入力部3および上面入力部4の各々でのタッチの検知結果に基づいて、受け付けた操作の種類を正確に判断することができる。
上述の実施の形態によれば、下面入力部3が最後に取得した入力座標X1と、上面入力部4が最後に取得した入力座標X2との距離ΔXに基づいて、受け付けた操作がフリック操作であるか否かを判断するので、フリック操作の検知精度を向上することができる。
さらに、上述の実施の形態によれば、上面走査光路SL2での操作部の有無の検知を停止した状態で、下面走査光路SL1での操作部の有無の検知を開始し、上面走査光路SL2での操作部の有無の検知を開始した場合に、下面走査光路SL1での操作部の有無の検知を停止するので、省電力化を図ることができる。
[その他]
上述の実施の形態において、対向する発光素子列の位置と受光素子列の位置とは、入れ替えられてもよい。
図13は、本発明の第1の変形例における走査光路形成部10aの構成を模式的に示す平面図である。
図13を参照して、第1の変形例の走査光路形成部10aにおいては、図4に示す走査光路形成部10aにおける対向する発光素子列の位置と受光素子列の位置とが入れ替えられている。発光素子列11は、操作面CPの手前側端部に設けられおり、受光素子列12は、操作面CPの奥側端部に設けられている。発光素子列13は、操作面CPの右端部に設けられおり、受光素子列14は、操作面CPの左端部に設けられている。走査光路形成部10bにおいても同様に、対向する発光素子列の位置と受光素子列の位置とが入れ替えられてもよい。
上述の実施の形態において、1つの走査光路を形成する発光素子および受光素子の組は、互いに対向して配置されていなくてもよい。発光素子および受光素子は、たとえばミラーを用いることにより操作面CP上の任意の位置に配置することが可能となる。ミラーとしては、全反射ミラーの他、透過ミラーを用いることができる。
図14は、本発明の第2の変形例における走査光路形成部10aの構成を模式的に示す平面図である。
図14を参照して、第2の変形例の走査光路形成部10aにおいては、発光素子列11および受光素子列12が、いずれも操作面CPの奥側端部に設けられている。発光素子列11を構成する発光素子A1〜Anの各々と、受光素子列12を構成する受光素子B1〜Bnの各々とは、X軸方向に交互に配置されている。操作パネル装置1は、操作面CP上において操作面CPの手前側端部に設けられたミラー(全反射ミラー)15を含んでいる。発光素子列11を構成する発光素子A1〜Anの各々の光は、ミラー15で反射され、受光素子列12を構成する受光素子B1〜Bnの各々で受光される。走査光路形成部10bにおいても同様に、対となる発光素子および受光素子が一方の側のみに配列されていてもよい。
上述の実施の形態において、タッチパネル入力装置は、1つの発光素子に対応する受光素子を複数個含んでいてもよい。
図15は、本発明の第3の変形例における走査光路形成部10aの構成を模式的に示す平面図である。
図15を参照して、第3の変形例の走査光路形成部10aにおいて、発光素子列11は発光素子A1〜Ap(pはnよりも小さい自然数)によって構成されており、受光素子列12は受光素子B1〜Bnによって構成されている。
本変形例の走査光路形成部10aにおいては、1つの発光素子に対して3つの受光素子が対応している。下面走査光路SL1のスキャンを行う場合、操作パネル装置1は、発光素子を1つずつ順番にオンし、1つの発光素子をオンした状態でその発光素子に対応する受光素子を1つずつ順番にオンする。具体的には、操作パネル装置1は、発光素子A1をオンした状態で、発光素子A1に対応する受光素子B1〜B3を1つずつ順番にオンし、受光素子B1〜B3の各々で受光した光量を入手する。次に操作パネル装置1は、発光素子A2をオンした状態で、発光素子A2に対応する受光素子B4〜B6を1つずつ順番にオンし、受光素子B4〜B6の各々で受光した光量を入手する。その後、操作パネル装置1は、発光素子A3〜Apおよび受光素子B7〜Bnについても同様の制御を行う。本変形例によれば、走査光路形成部10aに搭載する発光素子の個数を削減することができる。
なお、図13〜図15では、第1〜第3の変形例の各々を走査光路形成部10aに適用した場合について示したが、第1〜第3の変形例の各々は走査光路形成部10bに適用されてもよい。
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアにより行なっても、ハードウェア回路を用いて行なってもよい。また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザーに提供することにしてもよい。プログラムは、CPUなどのコンピューターにより実行される。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 操作パネル装置
2 制御部
3 下面入力部
4 上面入力部
5 記憶装置
10 タッチパネル
10a,10b 走査光路形成部
11,13,21,23 発光素子列
12,14,22,24 受光素子列
15 ミラー
30 走査部
31 接触判断部
32 座標検出部
91 ハードウェアキー
93 表示パネル
100 画像形成装置
110 スキャナー部
120 プリントエンジン
130 自動原稿送り装置
140 給紙カセット
150 トレー
AR 領域
A1〜An,C1〜Cm,E1〜En,G1〜Gm 発光素子
B1〜Bn,D1〜Dm,F1〜Fn,H1〜Hm 受光素子
CP 操作面
L1,L1a,L1b,L2,L2a,L2b,L3,L4 走査光路
LN,LN1,LN2,LN3,LN4 線
P11,P12,P13,P14,P21,P22,P23,P31,P32,P33,P34,P35 点
SL 走査光路
SL1 下面走査光路
SL2 上面走査光路
X1,X2 入力座標
ΔX 入力座標間の距離

Claims (9)

  1. 操作部による操作を受け付ける平面である操作面上に配置され、前記操作面への操作部の入力座標を取得するタッチパネル入力装置であって、
    前記操作面から相対的に近い位置に存在するマトリクス状の下面走査光路を構成する下面走査光路形成部と、
    前記操作面から相対的に遠い位置に存在するマトリクス状の上面走査光路を構成する上面走査光路形成部と、
    前記下面走査光路形成部を用いて前記下面走査光路で操作部の有無を検知することにより、前記操作面への操作部の入力座標を取得する第1の取得手段と、
    前記上面走査光路形成部を用いて前記上面走査光路で操作部の有無を検知することにより、前記操作面への操作部の入力座標を取得する第2の取得手段とを備え、
    前記第2の取得手段は、前記下面走査光路での操作部の検知が途絶えた場合に、前記上面走査光路での操作部の有無の検知を開始する、タッチパネル入力装置。
  2. 前記第1の取得手段は、前記上面走査光路での操作部の有無の検知を停止した状態で、前記下面走査光路での操作部の有無の検知を開始し、
    前記第1の取得手段は、前記上面走査光路での操作部の有無の検知を開始した場合に、前記下面走査光路での操作部の有無の検知を停止する、請求項1に記載のタッチパネル入力装置。
  3. 前記第1および第2の取得手段の各々での操作部の有無の検知結果に基づいて、受け付けた操作の種類を判断する判断手段をさらに備えた、請求項1または2に記載のタッチパネル入力装置。
  4. 前記第1の取得手段による操作部の検知が途絶えた場合に前記第1の取得手段にて最後に取得した入力座標と、前記第2の取得手段による操作部の検知が途絶えた場合に前記第2の取得手段にて最後に取得した入力座標との距離が所定値より大きい場合には、前記判断手段は、操作部を前記操作面上で移動させる操作であるフリック操作を受け付けたものと判断する、請求項3に記載のタッチパネル入力装置。
  5. 前記第1の取得手段による操作部の検知が途絶えた場合に前記第1の取得手段にて最後に取得した入力座標と、前記第2の取得手段による操作部の検知が途絶えた場合に前記第2の取得手段にて最後に取得した入力座標との距離が所定値より小さい場合には、前記判断手段は、操作部を前記操作面から離す操作であるリリース操作を受け付けたものと判断する、請求項3または4に記載のタッチパネル入力装置。
  6. 前記第1の取得手段による操作部の検知が途絶えた後で、前記第1の取得手段にて操作部を再び検知した場合には、前記判断手段は、操作部を前記操作面から離さない操作を受け付けたものと判断する、請求項3〜5のいずれかに記載のタッチパネル入力装置。
  7. 前記第1の取得手段による1度目の操作部の検知が途絶えた後で、前記第1の取得手段にて2度目の操作部を検知し、前記第1の取得手段による2度目の操作部の検知が途絶えた後で、前記第1の取得手段にて3度目の操作部を検知した場合には、前記判断手段は、前記操作部を前記操作面に2度接触させる操作であるダブルタップ操作を受け付けたものと判断する、請求項3〜6のいずれかに記載のタッチパネル入力装置。
  8. 操作部による操作を受け付ける平面である操作面上に配置され、前記操作面への操作部の入力座標を取得するタッチパネル入力装置の制御方法であって、
    前記タッチパネル入力装置は、
    前記操作面から相対的に近い位置に存在するマトリクス状の下面走査光路を構成する下面走査光路形成部と、
    前記操作面から相対的に遠い位置に存在するマトリクス状の上面走査光路を構成する上面走査光路形成部とを備え、
    前記制御方法は、
    前記下面走査光路形成部を用いて前記下面走査光路で操作部の有無を検知することにより、前記操作面への操作部の入力座標を取得する第1の取得ステップと、
    前記上面走査光路形成部を用いて前記上面走査光路で操作部の有無を検知することにより、前記操作面への操作部の入力座標を取得する第2の取得ステップとを備え、
    前記第2の取得ステップにおいて、前記下面走査光路での操作部の検知が途絶えた場合に、前記上面走査光路での操作部の有無の検知を開始する、タッチパネル入力装置の制御方法。
  9. 操作部による操作を受け付ける平面である操作面上に配置され、前記操作面への操作部の入力座標を取得するタッチパネル入力装置の制御プログラムであって、
    前記タッチパネル入力装置は、
    前記操作面から相対的に近い位置に存在するマトリクス状の下面走査光路を構成する下面走査光路形成部と、
    前記操作面から相対的に遠い位置に存在するマトリクス状の上面走査光路を構成する上面走査光路形成部とを備え、
    前記制御プログラムは、
    前記下面走査光路形成部を用いて前記下面走査光路で操作部の有無を検知することにより、前記操作面への操作部の入力座標を取得する第1の取得ステップと、
    前記上面走査光路形成部を用いて前記上面走査光路で操作部の有無を検知することにより、前記操作面への操作部の入力座標を取得する第2の取得ステップとをコンピューターに実行させ、
    前記第2の取得ステップにおいて、前記下面走査光路での操作部の検知が途絶えた場合に、前記上面走査光路での操作部の有無の検知を開始する、タッチパネル入力装置の制御プログラム。
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