JP2009271847A - 位置入力装置、位置入力方法及び位置入力プログラム - Google Patents

位置入力装置、位置入力方法及び位置入力プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】多点同時入力を可能とする導光板を用いた場合であって、同じ座標位置に複数の接触点があっても、それぞれの接触点の入力位置を精度良く検出すること。
【解決手段】制御手段としての制御部5eにより、受光手段としての受光素子4によって散乱光が受光されたときの座標と、その受光素子4の受光時にたとえば点灯走査させた発光手段としての発光素子3の座標とから、接触物である指先10等のによるタッチエリア2aへの入力位置が特定され、さらに一座標及び/又は他座標の同一座標上に指先10等による複数の接触点があるとき、いずれかの接触点と発光素子3又は受光素子4との間に他の接触点がある場合はそのいずれかの接触点に対応する受光素子4の散乱光を受光する際のしきい値が低くなるように制御されるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、座標位置を示す位置データを入力する位置入力装置、位置入力方法及び位置入力プログラムに関する。
位置入力装置として、指や専用のペン等で画面に触れることにより、パソコン、ATM(Automatic Teller Machine)、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機等の操作を行うことができるタッチパネルと呼ばれるものが知られている。このタッチパネルは、指や専用のペン等が触れた位置を検知してパネル面上の位置(縦方向座標位置と横方向座標位置)を特定し、その特定した位置を入力信号(位置データ)として上述の各種機器に与えるものである。また、パネル面への接触の感知には、圧力の変化を感知する感圧式、静電気による電気信号を感知する静電式、発光素子と受光素子とを組み合わせた光学式等がある。
ここで、光学式によるものとして、特許文献1では、たとえば図10に示すように、表示面30の各辺に、複数の発光素子31,32と複数の受光素子33,34とを対向させて設け、順次発光を行う発光素子31,32から出射され、対向する受光素子33,34に入射される光の遮断状態を検出することにより、表示面30への入力位置を認識する際、隣接する発光素子31,32は連続して発光させないようにしたタッチパネルを提案している。
特開平07−20985号公報
上述した特許文献1に示されている光学式のタッチパネルでは、受光素子33,34が対向する発光素子31,32から放射された光を受光する際、その発光素子31,32に隣接する発光素子31,32から出射された光を受光しないことから、光学的ノイズが多い場所でタッチパネルを使用したり、操作者が正確にタッチ入力しなくても、誤動作することなく、タッチ入力が確実に検出できるようになっている。
ところで、このようなタッチパネルでは、それぞれ対向関係にある発光素子31,32と受光素子33,34とを結ぶ同一線上に複数の接触物がある場合、あるいはその同一線上でそれぞれの接触物の一部が重なっている場合、複数の接触物による多点同時入力を行うことができない場合があるという問題がある。
すなわち、図10において、たとえばA点とD点、B点とC点のように、発光素子31,32と受光素子33,34とを結ぶ同一線上でない個所にそれぞれ2個所に指等の接触物がある場合、それぞれ2個所の接触物に発光素子31,32からの光が届くため、それぞれの接触物の入力位置の特定を行うことができる。
ところが、A点とB点、A点とC点、B点とD点のように、発光素子31,32と受光素子33,34とを結ぶ同一線上のそれぞれ2個所に指等の接触物がある場合、受光素子33,34への光が遮られることで判別される座標はそれぞれ1つの一座標(たとえばX座標)及び他座標(たとえばY座標)となり、それぞれの入力位置の特定を行うことができないことになる。
しかも、たとえばA点、B点、D点のように3個所に指等の接触物がある場合を見ると、B点には発光素子31,32のいずれかからも光が届かないため、B点での接触物の入力位置の特定を行うことができないことになる。
このような問題を解消するためには、たとえば図11に示すように、導光板40のたとえばX座標方向に複数の発光素子41を並設し、これらの発光素子41をたとえば点灯走査(部分的な点灯)させて光を導光板40内に入射し、そのタッチエリア40aへの指先50等の接触位置下で生じる散乱光が導光板40のたとえばY座標方向に沿って設けられた複数の受光素子42により受光されるようにすることが考えられる。
このようにすると、たとえば同じY座標位置において、A点とB点、又はC点とD点とに同時に指先50等が接触された場合でも、発光素子41の順次点灯(点灯走査)に応じ、受光素子41aが点灯したときと、受光素子41bが点灯したときに、受光素子42によって受光が順次行われることで、それぞれの接触点である入力位置(A点とB点、又はC点とD点)が特定されるものと考えられる。
また、たとえば同じX座標位置において、A点とC点、又はB点とD点とに同時に指先50等が接触された場合でも、発光素子41の順次点灯(点灯走査)に応じ、受光素子42によって受光が順次行われることで、それぞれの接触点である入力位置(A点とC点、又はB点とD点)が特定されるものと考えられる。
当然に、A点〜D点に同時に指先50等が接触された場合でも、発光素子41の順次点灯(点灯走査)に応じ、受光素子42によって受光が順次行われることで、それぞれの接触点である入力位置(A点〜D点)が特定されるものと考えられる。
ところで、このような導光板40を用いる方法では、たとえば同じY座標位置において、A点とB点、又はC点とD点とに同時に指先50等が接触されているときに発光素子41aが点灯したとすると、A点又はC点の接触位置下での散乱光が受光素子42a又は42bによって受光されることになる。
この場合、A点又はC点の接触位置下での受光素子42a又は42b側に向かう散乱光は、タッチエリア40aとその反対側の面で反射を繰り返しながら受光素子42a又は42b側に進行するとき、受光素子42a又は42b側に近い位置のB点又はD点の指先50等の接触位置下で拡散してしまい、受光素子42a又は42bによる散乱光の受光量が低下してA点又はC点の位置検出精度の低下をもたらすおそれがある。
このようなことは、同じX座標位置に複数の指先50等が接触されている場合でも、同様に受光素子42による散乱光の受光量が低下して位置検出精度の低下をもたらすおそれがある。すなわち、同じX座標位置において、たとえばA点とC点とに同時に指先50等が接触されているときに発光素子41aが点灯したとすると、まず発光素子41aに近いC点の接触位置下での散乱光が受光素子42bによって受光されることになる。
このとき、発光素子41aからの光がC点の接触位置下で拡散してしまい、発光素子41aから遠い位置にあるA点の接触位置下での散乱光の光量が低下し、受光素子42aによって受光される散乱光の受光量が低下してしまうことになる。
このようなことから、多点同時入力を可能とする導光板40を用いた場合であって、同じ座標位置に複数の接触点があっても、それぞれの接触点の入力位置を精度良く検出することができる装置の開発が望まれていた。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、多点同時入力を可能とする導光板を用いた場合であって、同じ座標位置に複数の接触点があっても、それぞれの接触点の入力位置を精度良く検出することができる位置入力装置、位置入力方法及び位置入力プログラムを提供することを目的とする。
本発明の位置入力装置は、接触物によっての入力位置を示す位置データを入力する位置入力装置であって、一面側にタッチエリアを有し、該タッチエリアへの接触に応じて散乱光を発生させる導光板と、一座標を判別するために、前記導光板の一座標方向又は前記導光板の前記タッチエリアとは反対の面側の前記タッチエリアに対応する領域全体に設けられ、該導光板内に光を入射する発光手段と、他座標を判別するために、前記導光板の一辺に沿って設けられ、前記接触物による前記タッチエリアへの接触による接触点の接触位置下での散乱光を受光する受光手段と、前記発光手段を部分的に点灯させる点灯走査又は部分的に非点灯させる非点灯走査を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、前記受光手段によって前記散乱光が受光されたときの座標と、該受光手段の受光時に前記点灯走査又は非点灯走査させたときの前記発光手段の座標とから、前記接触物による前記タッチエリアへの入力位置を特定し、さらに前記一座標及び/又は前記他座標の同一座標上に前記接触物による複数の前記接触点がある場合であって、いずれかの前記接触点と前記発光手段又は前記受光手段との間に他の前記接触点があるとき、前記点灯走査又は前記非点灯走査の方向に応じていずれかの接触点に対応する前記受光手段の前記散乱光を受光する際のしきい値を変更するように制御することを特徴とする。
また、前記制御手段は、前記いずれかの接触点に対応する前記受光手段におけるしきい値を、前記発光手段又は前記受光手段から近い位置にある前記接触点に対応する前記受光手段から順に段階的に低く又は高くするように制御するようにしてもよい。
本発明の位置入力方法は、接触物によっての入力位置を示す位置データを入力する位置入力方法であって、導光板の一面側のタッチエリアへの接触部位への接触に応じて散乱光を発生させる、一座標を判別するために前記導光板の一座標方向又は前記導光板の前記タッチエリアとは反対の面側の前記タッチエリアに対応する領域全体に設けられた発光手段により、前記導光板内に光を入射する工程と、他座標を判別するために、前記導光板の一辺に沿って設けられた受光手段により、前記接触物による前記タッチエリアへの接触による接触点の接触位置下での散乱光を受光する工程と、制御手段により、前記発光手段を点灯走査又は非点灯走査させる工程とを有し、前記制御手段により、前記受光手段によって前記散乱光が受光されたときの座標と、該受光手段の受光時に前記点灯走査又は非点灯走査させたときの前記発光手段の座標とから、前記接触物による前記タッチエリアへの入力位置が特定され、さらに前記一座標及び/又は前記他座標の同一座標上に前記接触物による複数の前記接触点がある場合であって、いずれかの前記接触点と前記発光手段又は前記受光手段との間に他の前記接触点があるとき、場合、前記点灯走査又は前記非点灯走査の方向に応じていずれかの接触点に対応する前記受光手段の前記散乱光を受光する際のしきい値を変更するように制御されることを特徴とする。
本発明の位置入力プログラムは、入力位置を示す位置データを入力する位置入力方法をコンピュータに実行させるための位置入力プログラムであって、導光板の一面側のタッチエリアへの接触部位への接触に応じて散乱光を発生させる、一座標を判別するために前記導光板の一座標方向又は前記導光板の前記タッチエリアとは反対の面側の前記タッチエリアに対応する領域全体に設けられた発光手段により、前記導光板内に光を入射する工程と、他座標を判別するために、前記導光板の一辺に沿って設けられた受光手段により、前記接触物による前記タッチエリアへの接触による接触点の接触位置下での散乱光を受光する工程と、制御手段により、前記発光手段を点灯走査又は非点灯走査させる工程とを有し、前記制御手段により、前記受光手段によって前記散乱光が受光されたときの座標と、該受光手段の受光時に前記点灯走査又は非点灯走査させたときの前記発光手段の座標とから、前記接触物による前記タッチエリアへの入力位置が特定され、さらに前記一座標及び/又は前記他座標の同一座標上に前記接触物による複数の前記接触点がある場合であって、いずれかの前記接触点と前記発光手段又は前記受光手段との間に他の前記接触点があるとき、前記点灯走査又は前記非点灯走査の方向に応じていずれかの接触点に対応する前記受光手段の前記散乱光を受光する際のしきい値を変更するように制御されることを特徴とする。
本発明の位置入力装置、位置入力方法及び位置入力プログラムでは、制御手段によるたとえば点灯走査の制御により、導光板の一座標方向又は導光板の一面側のタッチエリアとは反対の面側のタッチエリアに対応する領域全体に設けられた発光手段からの光が導光板内に入射され、導光板の一辺に沿って設けられた受光手段により、接触物によるタッチエリアへの接触による接触点の接触位置下での散乱光が受光されると、制御手段により、受光手段によって散乱光が受光されたときの座標と、その受光手段の受光時にたとえば点灯走査させた発光手段の座標とから、接触物によるタッチエリアへの入力位置が特定され、さらに一座標及び/又は他座標の同一座標上に接触物による複数の接触点があるとき、いずれかの接触点と発光手段又は受光手段との間に他の接触点がある場合、発光手段の点灯走査又は非点灯走査の方向に応じていずれかの接触点に対応する受光手段の散乱光を受光する際のしきい値が変更される。
この場合、いずれかの接触点と発光手段又は受光手段との間に他の接触点があるとき、そのいずれかの接触点に対応する受光手段の散乱光を受光する際のしきい値がたとえば低くなるように制御されたとすると、いずれかの接触点と発光手段又は受光手段との間に他の接触点が存在していて、発光手段からの光がその他の接触点によって拡散されたり、いずれかの接触点の接触位置下で発生した散乱光がその他の接触点によって拡散されたりしてしまい、受光手段による散乱光の受光量が低下しても、その受光手段の受光感度がしきい値のたとえば下げに伴って上げられるため、いずれかの接触点の接触位置下で発生した散乱光の受光が確実に行われる。
本発明の位置入力装置、位置入力方法及び位置入力プログラムによれば、制御手段により、受光手段によって散乱光が受光されたときの座標と、その受光手段の受光時にたとえば点灯走査させた発光手段の座標とから、接触物によるタッチエリアへの入力位置が特定され、さらに一座標及び/又は他座標の同一座標上に接触物による複数の接触点があるとき、いずれかの接触点と発光手段又は受光手段との間に他の接触点がある場合はそのいずれかの接触点に対応する受光手段の散乱光を受光する際のしきい値がたとえば低くなるように変更されるようにしたので、いずれかの接触点と発光手段又は受光手段との間に他の接触点が存在していて、発光手段からの光がその他の接触点によって拡散されたり、いずれかの接触点の接触位置下で発生した散乱光がその他の接触点によって拡散されたりしてしまい、受光手段による散乱光の受光量が低下しても、その受光手段の受光感度がしきい値のたとえば下げに伴って上げられることにより、いずれかの接触点の接触位置下で発生した散乱光の受光が確実に行われることから、多点同時入力を可能とする導光板を用いた場合であって、同じ座標位置に複数の接触点があっても、それぞれの接触点の入力位置を精度良く検出することができる。
本実施形態では、制御手段により、受光手段によって散乱光が受光されたときの座標と、その受光手段の受光時にたとえば点灯走査させた発光手段の座標とから、接触物によるタッチエリアへの入力位置が特定され、さらに一座標及び/又は他座標の同一座標上に接触物による複数の接触点があるとき、いずれかの接触点と発光手段又は受光手段との間に他の接触点がある場合はそのいずれかの接触点に対応する受光手段の散乱光を受光する際のしきい値がたとえば低くなるように制御されるようにした。
この場合、いずれかの接触点と発光手段又は受光手段との間に他の接触点があるとき、そのいずれかの接触点に対応する受光手段の散乱光を受光する際のしきい値がたとえば低くなるように制御されたとすると、いずれかの接触点と発光手段又は受光手段との間に他の接触点が存在していて、発光手段からの光がその他の接触点によって拡散されたり、いずれかの接触点の接触位置下で発生した散乱光がその他の接触点によって拡散されたりしてしまい、受光手段による散乱光の受光量が低下しても、その受光手段の受光感度がしきい値のたとえば下げに伴って上げられるため、いずれかの接触点の接触位置下で発生した散乱光の受光が確実に行われることから、多点同時入力を可能とする導光板を用いた場合であって、同じ座標位置に複数の接触点があっても、それぞれの接触点の入力位置が精度良く検出されることになる。
また、制御手段により、いずれかの接触点に対応する受光手段におけるしきい値が、発光手段又は受光手段から近い位置にある接触点に対応する受光手段から順に段階的にたとえば低くするように制御されることで、いずれかの接触点と発光手段又は受光手段との間に他の接触点が多く存在していて、発光手段からの光がその他の接触点によって拡散されたり、いずれかの接触点の接触位置下で発生した散乱光がその他の接触点によって拡散されたりしてしまうことにより、受光手段による散乱光の受光量が段階的に低下してしまうことに合わせ、受光手段の受光感度が段階的に上げられる。
以下、本発明の実施例の詳細について説明する。図1は本発明の位置入力装置の一実施例を示す図であり、図2は図1の導光板のタッチエリアのたとえば同じY座標位置に複数の接触点がある場合の入力位置の特定について説明するための図であり、図3は図1の導光板のタッチエリアのたとえば同じX座標位置に複数の接触点がある場合の入力位置の特定について説明するための図である。
まず、図1に示すように、位置入力装置1は、導光板2と、複数の発光素子3と、複数の受光素子4と、入力位置検出部5とを備えている。
導光板2は、複数の発光素子3からの光を導くものであり、その表面がタッチエリア2aとなっている。また、導光板2は、タッチエリア2aに指先10等が接触すると、その接触位置下を進行する光を散乱させる。ここで、タッチエリア2aに指先10等が接触して生じる散乱は、そのタッチエリア2aでの指先10等の接触点における境界面での屈折率が変化することによって生じるものである。また、その散乱による散乱光は、複数の受光素子4のいずれかで受光されるが、その詳細については後述する。
複数の発光素子3は、一座標方向の座標位置であるたとえばX座標位置を判別するために設けられているものである。また、複数の発光素子3は、導光板2内に光を入射できるように、導光板2の1辺側の側端面(図1では下辺側の側端面)に並設されている。そして、それぞれの発光素子3からの光が1辺側の側端面から導光板2内に入射されると、その光が導光板2内をその入射方向に沿って、タッチエリア2aとその反対側の面で反射を繰り返しながら進行し、タッチエリア2aに指先10等が接触されると、その接触位置下で散乱する。
複数の受光素子4は、他座標方向の座標位置であるたとえばY座標位置を判別するために設けられているものである。また、複数の受光素子4は、導光板2内からの光(散乱光)を受光できるように、導光板2の他辺側の側端面(図1では右辺側の側端面)に並設されている。
ここで、複数の受光素子4が並設される他辺側は、複数の発光素子3が併設されている1辺側とは対向しない辺側である。これにより、それぞれの受光素子4は、タッチエリア2aでの指先10等の接触位置下で発生する散乱光のうち、発光素子3からの光の進行方向に対してほぼ直交する方向に進む散乱光を受光することになる。
なお、上述の発光素子3としては、たとえば赤外線波長(ピーク発光波長)が870nmで、半値角が±5°の赤外線LEDを用いることができる。また、上述の受光素子4としては、たとえば赤外線ピーク感度波長が870nmで、半値角が±15°のフォトトランジスタを用いることができる。また、導光板2としては、たとえばアクリル板(屈折率約1.49;全反射角(臨界角)42.2°)等を用いることができる。この場合、発光素子3の後述の入射角θを臨界角42.2°に近い値に設定することができる。また、アクリル板の厚さは、良好な入力位置感度が得られる例として2mmに設定することができる。
発光素子駆動部5aは、制御部5eの制御により、発光素子3をたとえば順次点灯(点灯走査)させる。ここで、発光素子3の順次点灯(点灯走査)に際しては、図中右端の発光素子3から順に、又は図中左端の発光素子3から順に行わせることができる。また、発光素子3の順次点灯(点灯走査)に際しては、複数の発光素子3をランダムに点灯させるようにしてもよい。また、発光素子3を順次点灯(点灯走査)させるタイミングは、たとえば全ての発光素子3を点灯させておいて、受光素子4のいずれかによって受光があった場合とすることができる。
ここで、たとえば発光素子3を順次点灯(点灯走査)させるとき、全ての発光素子3を一旦消灯させてから、発光素子3を順次点灯(点灯走査)させるようにする。これにより、いずれかの発光素子3の点灯時にいずれかの受光素子4によっての受光があれば、その発光素子3によるX座標位置とその受光素子4によるY座標位置とが判別され、これらの座標位置から指先10等が接触したタッチエリア2aにおける単一の接触点である単一の入力位置(A点又はB点)等が特定されることになる。
また、発光素子3の順次点灯(点灯走査)によって複数の受光素子4による受光があれば、それぞれの発光素子3による複数のX座標位置とそれぞれの受光素子4による複数のY座標位置とが判別され、タッチエリア2aにおける複数の接触点である複数の入力位置(A点及びB点)等が特定されることになる。これは、発光素子3の順次点灯(点灯走査)に応じ、受光素子4によって受光が順次行われることで、それぞれの接触点の入力位置が特定されることによるためである。
また、たとえば同じY座標位置において、B点とC点とに同時に指先10等が接触された場合でも、発光素子3の順次点灯(点灯走査)に応じ、受光素子4によって受光が順次行われることで、それぞれの入力位置(B点及びC点)が特定されることになる。
また、たとえば同じX座標位置において、A点とC点とに同時に指先10等が接触された場合でも、それぞれの接触位置下で散乱光が生じるため、それぞれの入力位置(A点及びC点)が特定されることになる。このようなことから、タッチエリア2aのいずれの位置に複数の接触点があっても、それぞれの接触位置下で散乱光が生じるため、多点同時入力が可能となる。
なお、発光素子3の走査にあっては順次点灯(点灯走査)に限らず、図中右端の発光素子3から順に、又は図中左端の発光素子3から順に順次消灯(消灯走査)させることでも、上記同様に、単一又は複数のX座標位置と単一又は複数のY座標位置とを判別してタッチエリア2aにおける単一の入力位置(A点、B点又はC点)又は複数の入力位置(A点、B点及びC点)を特定することが可能である。
すなわち、このような順次消灯(消灯走査)にあっては、全ての発光素子3が一旦点灯しているため、いずれかの受光素子4によって上述した散乱光の受光が行われているとすると、いずれかの発光素子3が消灯されたときに、散乱光を受光中のいずれかの受光素子4の受光量が低下すれば、その受光量が低下したときの発光素子3と受光素子4とから単一又は複数のX座標位置と単一又は複数のY座標位置とを判別することができるためである。
受光素子駆動部5bは、制御部5eの制御により、全ての受光素子4による受光動作を行わせる。このとき、受光素子駆動部5bは、制御部5eの制御により、X座標位置及び/又はY座標位置の同一座標上に指先10等の複数の接触点による多点同時入力があるとき、発光素子3又は受光素子4から遠い位置にある接触点に対応する受光素子4の散乱光を受光する際のしきい値を、発光素子3又は受光素子4から近い位置にある接触点に対応する受光素子4におけるしきい値より低くし、発光素子3又は受光素子4から遠い位置にある接触点に対応する受光素子4における受光感度を上げるように駆動する。
この場合、それぞれの接触点に対応する受光素子4におけるしきい値を、発光素子3又は受光素子4から近い位置にある接触点に対応する受光素子4から段階的に低くすることができる。
これにより、X座標位置及び/又はY座標位置の同一座標上において、任意の接触点と発光素子3又は受光素子4との間に他の接触点が存在し、その他の接触点によって発光素子3からの光が拡散されたり、任意の接触点の接触位置下での散乱光がその他の接触点によって拡散されたりしてしまうことによる受光素子4による散乱光の受光量の低下に伴った位置検出精度の低下が解消されるようになっている。
すなわち、図2に示すように、たとえば同じY座標位置において、A点、B点、C点に同時に指先10等が接触されているときに発光素子3がたとえば右端から順次点灯(点灯走査)されたとすると、まず発光素子3aの順次点灯(点灯走査)によりC点の接触位置下での散乱光が受光素子4aによって受光されることになる。このとき、C点と受光素子4aとの間に他の接触点が無いため、C点の接触位置下での散乱光が他の接触点にて拡散されずに受光素子4aにより受光されるため、受光素子4aによる受光量の低下が生じない。
これに対し、発光素子3bの順次点灯(点灯走査)によりB点の接触位置下での散乱光が受光素子4aによって受光されるとき、B点と受光素子4aとの間にC点の接触点があるため、B点の接触位置下での散乱光がC点の接触点にて拡散されて受光素子4aにより受光されることにより、受光素子4aによる受光量の低下が生じることになる。この場合、受光素子4aでの散乱光を受光する際のしきい値がC点からの散乱光を受光するときのしきい値より下げられることで、その受光素子4の受光感度を上げられる。
また、発光素子3cの順次点灯(点灯走査)によりA点の接触位置下での散乱光が受光素子4aによって受光されるとき、A点と受光素子4aとの間にB点及びC点の接触点があるため、A点の接触位置下での散乱光がB点及びC点の各接触点にて拡散されて受光素子4aにより受光されることになり、受光素子4aによる受光量がさらに低下してしまうことになる。この場合、受光素子4aでの散乱光を受光する際のしきい値がB点からの散乱光を受光するときのしきい値より下げられることで、その受光素子4の受光感度がさらに上げられる。
また、図3に示すように、たとえば同じX座標位置において、A点、B点、C点に同時に指先10等が接触されているときに発光素子3がたとえば右端から順次点灯(点灯走査)されたとすると、発光素子3cの順次点灯(点灯走査)が行われたとき、A点、B点、C点のそれぞれの接触位置下での散乱光がそれぞれの接触点に対応する受光素子4a,4b,4cによって受光されることになる。
このとき、C点と発光素子3cとの間に他の接触点が無いため、C点の接触位置下での散乱光がそのC点に対応する受光素子4cによって光量の低下を生じることなく受光される。
これに対し、B点では、C点の接触位置下で拡散した発光素子41aからの光で散乱光が生じるため、そのB点に対応する受光素子4bによる受光量の低下が生じることになる。この場合、受光素子4bでの散乱光を受光する際のしきい値がC点に対応する受光素子4cでの散乱光を受光するときのしきい値より下げられることで、その受光素子4bの受光感度を上げられる。
また、A点では、C点及びB点での接触位置下で拡散した発光素子41aからの光で散乱光が生じるため、そのA点に対応する受光素子4aによる受光量がさらに低下してしまうことになる。この場合、受光素子4aでの散乱光を受光する際のしきい値がB点に対応する受光素子4bでの散乱光を受光するときのしきい値より下げられることで、その受光素子4aの受光感度が上げられる。
受光量計測部5cは、制御部5eの制御により、上述の散乱光を受光した受光素子4における受光量を計測する。
入力位置データ出力部5dは、制御部5eの制御により、順次点灯(点灯走査)又は順次消灯(消灯走査)によって判別される単一又は複数のX座標位置と単一又は複数のY座標位置とに基づいて特定されたタッチエリア2aにおける入力位置を示すデータを出力する。なお、タッチエリア2aにおける入力位置が複数である場合は、それぞれの入力位置を示すデータが出力されることになる。
制御部5eは、タッチエリア2aにおける入力位置の特定の判定を行うために、上述した発光素子駆動部5a、受光素子駆動部5b及び受光量計測部5cを駆動させるとともに、その特定及び判定した単一又は複数の入力位置を示すデータを入力位置データ出力部5dから出力させる。
また、制御部5eは、多点同時入力があるとき、受光素子駆動部5bに対し、発光素子3又は受光素子4から遠い位置にある接触点に対応する受光素子4の散乱光を受光する際のしきい値を段階的に下げて、その受光素子4の受光感度を上げるように駆動させる。
なお、上述したそれぞれの発光素子3及び受光素子4にあっては、X座標位置及びY座標位置を判別する必要性から、指向性があることが望ましい。また、それぞれの発光素子3及び受光素子4の数にあっては、位置入力装置1の用途に応じて適宜決定すればよく、それぞれの数を増やすことで、タッチエリア2aにおける入力位置の判定を行う際の分解能を高めることが可能となる。
また、複数の発光素子3にあっては、1つの光源をシャッター機構等によって走査できるような構成としてもよい。また、複数の受光素子4にあっては、一つのラインセンサやイメージセンサで置き換え、受光状況の解析結果からY座標位置の識別の判定ができるようにしてもよい。
次に、図4を参照し、位置入力装置1の導光板2の基本原理について説明する。まず、図4(a)に示すように、導光板2の側端部2bを入射面として発光素子3を配置すると、発光素子3から出射された赤外線光(図では入射角θの場合で示している)は、導光板2内に入射されて全反射を繰り返しながら導光板2内を直進する。
導光板2は、入射される赤外線光の波長に比べて十分に大きい厚さを有するものであり、図4(a)のように、タッチエリア2aにたとえば指先10等が接触していないとき、入射された赤外線光は幅方向に散乱することなく直線的に進行する。
これに対し、図4(b)に示すように、導光板2のタッチエリア2aにたとえば指先10等が接触すると、その接触点下の導光板2の相対屈折率が変化し、入射された赤外線光がその接触点下で散乱を起こす。そして、導光板2に入射された赤外線光の進行方向に対し、直交方向(図1参照)に進んだ散乱光は受光素子4によって受光される。
ここで、タッチエリア2aでの入力位置の特定を行う際の感度を上げるためには、指先10等の接触によって確実に散乱光が生じるようにする必要があり、全反射の繰り返し回数が多い方がよい。そのためには、導光板2をある程度板厚を薄くする(2〜5mm程度)ことが好ましい。
また、発光素子3からの赤外線光を導光板2の側端部2bから導光板2内に入射させるには、導光板2の屈折率や周囲の屈折率等によって決められるスネルの法則に従い、入射角θに向けた光の入射が必要となる。そこで、導光板2内に赤外線光を損失無く入射させるためには、図4(c)に示すように、側端部2bの端面に対して入射角θだけ光出射方向を傾けて発光素子3を配置することが好ましい。
この場合、図4(d)に示すように、導光板2の側端部2bを、上記の入射角θに応じた傾斜面とすれば、発光素子3の光出射方向と側端部2bとの位置合わせを容易に行うことができるばかりか、導光板2内に赤外線光を損失無く入射させることが可能となる。また、タッチエリア2a内での接触点での感度を向上させるために、図4(e)に示すように、光出射方向の角度を変えた複数の発光素子3からの赤外線光を導光板2内に入射するようにしてもよい。
次に、図5のフローチャートを参照し、1個の受光素子4上、すなわち同じY座標位置に複数の接触点が存在する場合の入力位置の特定について説明する。ここでは、図2で説明したように、たとえば同じY座標位置において、A点、B点、C点に同時に指先10等が接触されているものとする。
まず、タッチエリア2aでの接触点の入力位置を特定するとき、発光素子3による順次点灯(点灯走査)が行われる。このとき、たとえば右端の発光素子3から順に順次点灯(点灯走査)が行われるものとすると、その右端の発光素子3がONされ(ステップS1)、全ての受光素子4によって受光される散乱光が測定されて(ステップS2)、ONしている発光素子3がOFFされる(ステップS3)。
ここで、接触点の有無を判別するが(ステップS4)、全ての受光素子4によって受光が無ければ、接触点が無いと判断され(ステップS4:NO)、全ての発光素子3による順次点灯(点灯走査)の処理が行われたかどうかが判断される(ステップS6)。
ここでは、全ての発光素子3による順次点灯(点灯走査)の処理が行われていないため(ステップS6:NO)、ステップS1に戻り、次の発光素子3がONされて上記同様に、全ての受光素子4により受光される散乱光が測定され、ONしている発光素子3がOFFされる(ステップS2,S3)。
そして、たとえば図2の発光素子3aの順次点灯(点灯走査)の処理が行われているときに接触点があると判断されると(ステップS4:YES→たとえば図2のC点があると判断される)、その接触点があった受光素子4(たとえば図2の受光素子4a)の散乱光を受光する際のしきい値が一段下げられる(ステップS5)。これにより、その受光素子4(たとえば図2の受光素子4a)の受光感度が一段上げられる。
次に、全ての発光素子3による順次点灯(点灯走査)の処理が行われたかどうかが判断される(ステップS6)。ここでは、全ての発光素子3による順次点灯(点灯走査)の処理が行われていないため(ステップS6:NO)、ステップS1に戻り、次の発光素子3がONされて上記同様に、全ての受光素子4により受光される散乱光が測定され、ONしている発光素子3がOFFされる(ステップS2,S3)。
ここで、たとえば図2の発光素子3bの順次点灯(点灯走査)の処理が行われると、接触点があると判断される(ステップS4:YES→たとえば図2のB点があると判断される)。このとき、B点の接触位置下での散乱光が受光素子4aによって受光される際、受光素子4aの散乱光を受光する際のしきい値が一段下げられて、その受光素子4aの受光感度が一段上げられているため、B点と受光素子4aとの間のC点の接触点で、B点の接触位置下での散乱光が拡散されしまい、受光素子4aによる受光量が低下しても、そのB点の接触位置下での散乱光が受光素子4aにより確実に受光される。
そして、そのB点の接触点があると判断されると、その接触点があった受光素子4aの散乱光を受光する際のしきい値がさらに一段下げられる(ステップS5)。これにより、その受光素子4aの受光感度がさらに一段上げられる。
次に、全ての発光素子3による順次点灯(点灯走査)の処理が行われたかどうかが判断されるが(ステップS6)、ここでも全ての発光素子3による順次点灯(点灯走査)の処理が行われていないため(ステップS6:NO)、ステップS1に戻り、次の発光素子3がONされて上記同様に、全ての受光素子4により受光される散乱光が測定され、ONしている発光素子3がOFFされる(ステップS2,S3)。
ここで、たとえば図2の発光素子3cの順次点灯(点灯走査)の処理が行われると、接触点があると判断される(ステップS4:YES→たとえば図2のA点があると判断される)。このとき、A点の接触位置下での散乱光が受光素子4aによって受光される際、受光素子4aの散乱光を受光する際のしきい値がさらに一段下げられて、その受光素子4aの受光感度がさらに一段上げられているため、A点と受光素子4aとの間のB点及びC点の接触点で、A点の接触位置下での散乱光が拡散されしまい、受光素子4aによる受光量が低下しても、そのA点の接触位置下での散乱光が受光素子4aにより確実に受光される。
以上のようにして、全ての発光素子3による順次点灯(点灯走査)の処理が行われると(ステップS6:YES)、順次点灯(点灯走査)された発光素子3毎の受光データが解析され、タッチエリア2aにおけるX座標位置とY座標位置とに基づくA点、B点、C点の入力位置が特定される。
次に、図6のフローチャートを参照し、1個の発光素子3上、すなわち同じX座標位置に複数の接触点が存在する場合の入力位置の特定について説明する。ここでは、図3で説明したように、たとえば同じX座標位置において、A点、B点、C点に同時に指先10等が接触されているものとする。
まず、タッチエリア2aでの接触点の入力位置を特定するとき、発光素子3による順次点灯(点灯走査)が行われる。このとき、たとえば右端の発光素子3から順に順次点灯(点灯走査)が行われるものとすると、その右端の発光素子3がONされ(ステップS1)、受光素子4によって受光される散乱光が測定され(ステップS2)、接触点の有無が判別される(ステップS3)。
ここで、受光素子4による受光処理の順序にあっては、発光素子3に近い側から発光素子3に遠い側に向けて順に行われるものとすると、図3において、まず下方の受光素子4での受光の有無が検出されることになる。
そして、下方の受光素子4によっての受光が無ければ、接触点が無いと判断され(ステップS3:NO)、全ての受光素子4による受光処理が終了していないため(ステップS5:NO)、ステップS2に戻り、次の受光素子4によって受光される散乱光が測定され、接触点の有無が判別される(ステップS3)。
このようにして、全ての受光素子4による受光処理が終了すると(ステップS5:YES)、ONしている発光素子3がOFFされる(ステップS6)。ここでは、全ての受光素子4による散乱光の受光の測定により接触点が無いと判断され(ステップS7:NO)、全ての発光素子3による順次点灯(点灯走査)が終了していないため(ステップS9:NO)、ステップS1に戻り、次の発光素子3の順次点灯(点灯走査)が行われる。
そして、たとえば図3において、発光素子3cによる順次点灯(点灯走査)が行われたとき、C点、B点、A点のそれぞれの接触位置下で散乱光が発生することになる。ここで、ステップS2からの処理で、下方の受光素子4から順に受光の有無が検出され、図3の受光素子4cによって散乱光が受光されることにより、接触点があると判断される(ステップS3:YES→たとえば図3のC点があると判断される)。
このとき、その接触点があった受光素子4c以外(受光素子4cに続いて受光処理が行われる残りの受光素子4)の受光素子4の散乱光を受光する際のしきい値が一段下げられる(ステップS4)。これにより、受光素子4c以外(受光素子4cに続いて受光処理が行われる残りの受光素子4)の受光素子4の受光感度が一段上げられる。
ここでは、全ての受光素子4による受光処理が終了していないため(ステップS5:NO)、ステップS2に戻り、このステップS2からの処理が繰り返される。そして、図3の受光素子4bによって散乱光が受光されると、接触点があると判断される(ステップS3:YES→たとえば図3のB点があると判断される)。
このとき、B点の接触位置下での散乱光が受光素子4bによって受光される際、受光素子4bの散乱光を受光する際のしきい値が一段下げられて、その受光素子4bの受光感度が一段上げられているため、B点と発光素子3cとの間のC点の接触点で、発光素子3cからの光が拡散されしまい、B点の接触位置下での散乱光の量が少なくなって受光素子4bによる受光量が低下しても、そのB点の接触位置下での散乱光が受光素子4bにより確実に受光される。
ここで、B点の接触点が検出されると、その接触点があった受光素子4b以外(受光素子4bに続いて受光処理が行われる残りの受光素子4)の受光素子4の散乱光を受光する際のしきい値がさらに一段下げられる(ステップS4)。これにより、受光素子4b以外(受光素子4bに続いて受光処理が行われる残りの受光素子4)の受光素子4の受光感度がさらに一段上げられる。
ここでは、全ての受光素子4による受光処理が終了していないため(ステップS5:NO)、ステップS2に戻り、このステップS2からの処理が繰り返される。そして、図3の受光素子4aによって散乱光が受光されると、接触点があると判断される(ステップS3:YES→たとえば図3のA点があると判断される)。
このとき、A点の接触位置下での散乱光が受光素子4aによって受光される際、受光素子4aの散乱光を受光する際のしきい値がさらに一段下げられて、その受光素子4aの受光感度がさらに一段上げられているため、A点と発光素子3cとの間のC点及びB点の接触点で、発光素子3cからの光が拡散されしまい、A点の接触位置下での散乱光の量がさらに少なくなって受光素子4aによる受光量が低下しても、そのA点の接触位置下での散乱光が受光素子4aにより確実に受光される。
このようにして、全ての受光素子4による受光処理が終了すると(ステップS5:YES)、ONしている発光素子3がOFFされる(ステップS6)。そして、全ての発光素子3による順次点灯(点灯走査)の処理が行われると(ステップS6:YES)、順次点灯(点灯走査)された発光素子3毎の受光データが解析され、タッチエリア2aにおけるX座標位置とY座標位置とに基づくA点、B点、C点の入力位置が特定される。
このように、本実施例では、制御手段としての制御部5eにより、受光手段としての受光素子4によって散乱光が受光されたときの座標と、その受光素子4の受光時にたとえば点灯走査させた発光手段としての発光素子3の座標とから、接触物である指先10等のによるタッチエリア2aへの入力位置が特定され、さらに一座標及び/又は他座標の同一座標上に指先10等による複数の接触点があるとき、いずれかの接触点と発光素子3又は受光素子4との間に他の接触点がある場合はそのいずれかの接触点に対応する受光素子4の散乱光を受光する際のしきい値が低くなるように制御されるようにした。
これにより、いずれかの接触点と発光素子3又は受光素子4との間に他の接触点が存在していて、発光素子3からの光がその他の接触点によって拡散されたり、いずれかの接触点の接触位置下で発生した散乱光がその他の接触点によって拡散されたりしてしまい、受光素子4による散乱光の受光量が低下しても、その受光素子4の受光感度が上げられていることにより、いずれかの接触点の接触位置下で発生した散乱光の受光が確実に行われることから、多点同時入力を可能とする導光板2を用いた場合であって、同じ座標位置に複数の接触点があっても、それぞれの接触点の入力位置を精度良く検出することができる。
また、制御部5eにより、いずれかの接触点に対応する受光素子4におけるしきい値が、発光素子3又は受光素子4から近い位置にある接触点に対応する受光素子4から順に段階的に低くするように制御されることで、いずれかの接触点と発光素子3又は受光素子4との間に他の接触点が多く存在していて、発光素子3からの光がその他の接触点によって拡散されたり、いずれかの接触点の接触位置下で発生した散乱光がその他の接触点によって拡散されたりしてしまうことにより、受光素子4による散乱光の受光量が段階的に低下してしまうことに合わせ、受光素子4の受光感度を段階的に上げることができる。
なお、本実施例では、複数の発光素子3を導光板2の一座標方向に沿って設け、導光板2のタッチエリア2aでの指先10等の接触物の接触による接触位置下からの散乱光を、導光板2の他辺側の側端面(図1では右辺側の側端面)に並設されている複数の受光素子4によって受光するようにした場合について説明したが、導光板2は透明な部材で構成することができるため、たとえば図7に示すように、その導光板2をたとえばタッチエリア2aへの入力位置に応じた内容を表示するディスプレイ面6に重ねても、ディスプレイ面6での映像に影響を及ぼすことがなくなる。この場合、それぞれの発光素子3からの光が非可視光である赤外線光とされているため、ディスプレイ面6からの可視光に影響を及ぼすことがない。
また、本実施例では、複数の発光素子3を導光板2の一座標方向に沿って設けた場合で説明したが、この例に限らず、図8及び図9(a)に示すように、複数の発光素子3を導光板2の一面側のタッチエリア2aとは反対の面側のタッチエリア2aに対応する領域全体に設けるようにしてもよい。また、この場合、図9(b)に示すように、それぞれの発光素子3を、透明EL等の面発光部材3Aとしてもよい。
また、本実施例では、発光素子3からの光を赤外線光とした場合について説明したが、これに限らず紫外線光等のような他の光としてもよい。また、たとえば図6に示したディスプレイ面6を設ける必要が無い場合、あるいはディスプレイ面6での映像に影響を及ぼすことがない場合は、発光素子3からの光を可視光としてもよい。
また、本実施例では、たとえば図2で説明したように、同じY座標位置において、A点、B点、C点に同時に指先10等が接触されているときに、発光素子3をたとえば右端から順次点灯(点灯走査)させ、それぞれの接触点に対応する受光素子4におけるしきい値を、発光素子3又は受光素子4から近い位置にある接触点に対応する受光素子4から段階的に低くするようにした場合として説明したが、この例に限らず、それぞれの接触点に対応する受光素子4におけるしきい値を、発光素子3又は受光素子4から遠い位置にある接触点に対応する受光素子4から段階的に高にするようにしてもよい。
この場合、発光素子3をたとえば左端、すなわち、受光素子4から遠い側から順次点灯(点灯走査)させて受光素子4から一番遠い位置にある接触点を検出してゆき、これに併せて、次に順次検出される接触点に対応する受光素子4におけるしきい値が段階的に高くなるようにする。
ゲーム機、PDA、携帯電話、ATM、券売機等の入力装置、PC(パーソナルコンピュータ)等の情報処理装置、カーナビ等の地図表示装置等に適用可能である。
本発明の位置入力装置の一実施例を示す図である。 図1の導光板のタッチエリアのたとえば同じY座標位置に複数の接触点がある場合の入力位置の特定について説明するための図である。 図1の導光板のタッチエリアのたとえば同じX座標位置に複数の接触点がある場合の入力位置の特定について説明するための図である。 図1の位置入力装置の導光板の基本原理について説明するための図である。 図1の導光板のタッチエリアのたとえば同じY座標位置に複数の接触点がある場合の入力位置の特定について説明するためのフローチャートである。 図1の導光板のタッチエリアのたとえば同じX座標位置に複数の接触点がある場合の入力位置の特定について説明するためのフローチャートである。 図1の位置入力装置の導光板をディスプレイ面に重ねた場合の一例を示す図である。 図1の位置入力装置の構成を変えた場合の他の実施例を説明するための斜視図である。 図1の位置入力装置の構成を変えた場合の他の実施例を説明するための側面図である。 従来の光学式によるタッチパネルを説明するための平面図である。 図10のタッチパネルの不具合の解消例を説明するための図である。
符号の説明
1 位置入力装置
2 導光板
2a タッチエリア
2b 側端部
3 発光素子
4 受光素子
5 入力位置検出部
5a 発光素子駆動部
5b 受光素子駆動部
5c 受光量計測部
5d 入力位置データ出力部
5e 制御部
6 ディスプレイ面

Claims (4)

  1. 接触物によっての入力位置を示す位置データを入力する位置入力装置であって、
    一面側にタッチエリアを有し、該タッチエリアへの接触に応じて散乱光を発生させる導光板と、
    一座標を判別するために、前記導光板の一座標方向又は前記導光板の前記タッチエリアとは反対の面側の前記タッチエリアに対応する領域全体に設けられ、該導光板内に光を入射する発光手段と、
    他座標を判別するために、前記導光板の一辺に沿って設けられ、前記接触物による前記タッチエリアへの接触による接触点の接触位置下での散乱光を受光する受光手段と、
    前記発光手段を部分的に点灯させる点灯走査又は部分的に非点灯させる非点灯走査を行う制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記受光手段によって前記散乱光が受光されたときの座標と、該受光手段の受光時に前記点灯走査又は非点灯走査させたときの前記発光手段の座標とから、前記接触物による前記タッチエリアへの入力位置を特定し、さらに前記一座標及び/又は前記他座標の同一座標上に前記接触物による複数の前記接触点がある場合であって、いずれかの前記接触点と前記発光手段又は前記受光手段との間に他の前記接触点があるとき、前記点灯走査又は前記非点灯走査の方向に応じていずれかの接触点に対応する前記受光手段の前記散乱光を受光する際のしきい値を変更するように制御する
    ことを特徴とする位置入力装置。
  2. 前記制御手段は、前記いずれかの接触点に対応する前記受光手段におけるしきい値を、前記発光手段又は前記受光手段から近い位置にある前記接触点に対応する前記受光手段から順に段階的に低く又は高くするように制御することを特徴とする請求項1に記載の位置入力装置。
  3. 接触物によっての入力位置を示す位置データを入力する位置入力方法であって、
    導光板の一面側のタッチエリアへの接触部位への接触に応じて散乱光を発生させる、一座標を判別するために前記導光板の一座標方向又は前記導光板の前記タッチエリアとは反対の面側の前記タッチエリアに対応する領域全体に設けられた発光手段により、前記導光板内に光を入射する工程と、
    他座標を判別するために、前記導光板の一辺に沿って設けられた受光手段により、前記接触物による前記タッチエリアへの接触による接触点の接触位置下での散乱光を受光する工程と、
    制御手段により、前記発光手段を点灯走査又は非点灯走査させる工程とを有し、
    前記制御手段により、前記受光手段によって前記散乱光が受光されたときの座標と、該受光手段の受光時に前記点灯走査又は非点灯走査させたときの前記発光手段の座標とから、前記接触物による前記タッチエリアへの入力位置が特定され、さらに前記一座標及び/又は前記他座標の同一座標上に前記接触物による複数の前記接触点がある場合であって、いずれかの前記接触点と前記発光手段又は前記受光手段との間に他の前記接触点があるとき、場合、前記点灯走査又は前記非点灯走査の方向に応じていずれかの接触点に対応する前記受光手段の前記散乱光を受光する際のしきい値を変更するように制御される
    ことを特徴とする位置入力方法。
  4. 入力位置を示す位置データを入力する位置入力方法をコンピュータに実行させるための位置入力プログラムであって、
    導光板の一面側のタッチエリアへの接触部位への接触に応じて散乱光を発生させる、一座標を判別するために前記導光板の一座標方向又は前記導光板の前記タッチエリアとは反対の面側の前記タッチエリアに対応する領域全体に設けられた発光手段により、前記導光板内に光を入射する工程と、
    他座標を判別するために、前記導光板の一辺に沿って設けられた受光手段により、前記接触物による前記タッチエリアへの接触による接触点の接触位置下での散乱光を受光する工程と、
    制御手段により、前記発光手段を点灯走査又は非点灯走査させる工程とを有し、
    前記制御手段により、前記受光手段によって前記散乱光が受光されたときの座標と、該受光手段の受光時に前記点灯走査又は非点灯走査させたときの前記発光手段の座標とから、前記接触物による前記タッチエリアへの入力位置が特定され、さらに前記一座標及び/又は前記他座標の同一座標上に前記接触物による複数の前記接触点がある場合であって、いずれかの前記接触点と前記発光手段又は前記受光手段との間に他の前記接触点があるとき、前記点灯走査又は前記非点灯走査の方向に応じていずれかの接触点に対応する前記受光手段の前記散乱光を受光する際のしきい値を変更するように制御される
    ことを特徴とする位置入力プログラム。
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