JP2015048616A - 面材の保持構造及び建具 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラスパネルの熱割れを防止して、防火性を向上させる。
【解決手段】矩形状を成すガラスパネル24a,24bを備えた面材24の四周縁部に、それぞれ面材24の一方の表面から面材24の端面に渡る部分を覆うように框部材21,22,23を設けた面材の保持構造であって、框部材21,22,23には、その長手方向に沿って中空部21c,22c,23cを設けるとともに、中空部21c,22c,23cには、框部材21,22,23の長手方向に沿って金属製の防火部材40を配設し、防火部材40には、見込み方向において面材24の一方の表面から面材24の端面までの間を隙間をもって覆い、かつ面材24の一方の表面から面材24の端面に向かうに従って漸次面材24の一方の表面との間隔が減少するように傾斜した面材カバー部43を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、面材の保持構造及び建具に関するもので、ガラスパネルを備えた面材を保持する場合に好適な保持構造及び建具に関するものである。
建具には、ガラスパネルを備えた面材を保持する框部材や枠部材等の面材保持部材として、樹脂製のものを適用するものがある。この種の建具では、面材保持部材がアルミニウムやアルミニウム合金等の金属によって成形されたものに比べて断熱性が向上されるため、例えば室内外の気温差が大きい場合にも結露が防止される等の利点がある。反面、樹脂は、金属に比べて融点が低い。従って、火災が発生した時のように高温状態となった場合には、容易に面材が脱落する等の問題を招来する恐れがある。
このため、従来では、高温状態となった場合にも面材が脱落しないようにするため、面材保持部材の内部に鉄やステンレス等の金属から成る補強部材を設けるようにしたものが提供されている(例えば、特許文献1参照)。この建具によれば、たとえ火災が発生した場合であっても、補強部材が消失する恐れがなく、面材が脱落する事態を防止することができるようになる。また、面材の周縁部に耐熱性のガラス外れ止めを設けて火炎抜けを防止するようにしたものも提供されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−307572号公報 特開2012−140785号公報
昨今の建具には、さらなる防火性が求められている。具体的には、室内側が高温状態となった場合にも、建具の内部に室内外に貫通する貫通口ができないようにして防火性を高める必要がある。しかしながら、特許文献1に記載された建具では、補強部材と面材の端面との間には単に樹脂製の框部材が存在するだけである。このため、室内側が高温状態となった場合には、框部材が溶融あるいは焼失し、補強部材と面材の端面との間に見込み方向に沿った貫通口が形成される恐れがあり、防火性を考慮すると、必ずしも十分とはいえない。
こうした問題を解決するには、面材の端面の見込み方向に沿った延長上となる部分を覆うように補強部材を延長することが考えられる。すなわち、金属製の補強部材を延長するように設ければ、面材保持部材が溶融もしくは焼失したとしても建具に貫通口が形成される恐れがなくなる。
しかしながら、面材において補強部材によって覆われた部分は、覆われていない部分に比べて温度上昇の割合が極端に抑えられることとなる。この結果、面材のガラスパネルには、補強部材によって覆われた周縁部と、補強部材によって覆われていない中央部とで大きな温度差が生じるため、熱割れが発生する恐れがある。
本発明は、上記実情に鑑みて、ガラスパネルの熱割れを防止して、防火性を向上させることのできる面材の保持構造及び建具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る面材の保持構造は、矩形状を成すガラスパネルを備えた面材の四周縁部に、それぞれ面材の一方の表面から面材の端面に渡る部分を覆うように面材保持部材を設けた面材の保持構造であって、前記面材保持部材には、その長手方向に沿って中空部を設けるとともに、前記中空部には、前記面材保持部材の長手方向に沿って金属製の防火部材を配設し、前記防火部材には、見込み方向において面材の一方の表面から面材の端面までの間を隙間をもって覆い、かつ面材の一方の表面から面材の端面に向かうに従って漸次面材の一方の表面との間隔が減少するように傾斜した面材カバー部を設けたことを特徴とする。
この発明によれば、防火部材に設けた面材カバー部によって建具に見込み方向に沿った貫通口が形成される事態を防止することができる。しかも、面材カバー部が面材の端面に向かうに従って漸次面材の一方の表面との間隔が減少するように傾斜したものであるため、面材が高温状態となった場合、その熱が面材の周縁部まで容易に到達でき、ガラスパネルに大きな温度差が生じるのを防ぐことができる。
また、本発明は、上述した面材の保持構造において、面材の室内側に向いた内側表面から面材の端面に渡る部分を覆うように前記面材保持部材を構成し、面材よりも室内側となる部位に前記防火部材を配設したことを特徴とする。
この発明によれば、室内側が高温状態となった場合、その熱が面材の周縁部まで到達することを妨げないため、ガラスパネルの中央部と周縁部とに大きな温度差が生じるのを防ぐことができる。
また、本発明は、上述した面材の保持構造において、前記面材保持部材は、面材の端面に対向する部分に内周見込み壁部を有するとともに、前記内周見込み壁部を挟んで面材の外周側となる部分に補強中空部を有し、前記面材保持部材の補強中空部は、見付け方向に沿った隔壁部を介して前記中空部から離隔したものであり、前記補強中空部には、金属製の補強部材を配設したことを特徴とする。
この発明によれば、防火部材とは別の補強部材によって火災発生時に面材の脱落を防止することができる。
また、本発明は、上述した面材の保持構造において、前記面材保持部材は面材の室内側に向いた内側表面から面材の端面に渡る部分を覆うように構成し、かつ前記防火部材は面材よりも室内側となる部位に配設したものであり、前記防火部材は、前記隔壁部に沿って設けた防火基部と、前記防火基部の外周側縁部から室内側に向けて屈曲するように延在する枠対向部とを有するとともに、前記面材カバー部が前記防火基部の内周側縁部から面材の内側表面までの間を隙間をもって覆うように延在したものであり、前記枠対向部を介して前記面材保持部材にネジ止めしたことを特徴とする。
この発明によれば、面材保持部材において室内側の見付け面を構成する部分に防火部材が接触しないため、面材保持部材の断熱性が損なわれる恐れがない。
また、本発明は、上述した面材の保持構造において、前記面材保持部材は、開口枠の内部に面材を開閉可能に保持するための框部材であり、前記防火部材には、前記枠対向部において前記開口枠の見込み面に対向する部位に加熱膨張材を設けたことを特徴とする。
この発明によれば、火災発生時等の高温状態となった場合には防火部材に設けた加熱膨張材が膨張することにより、框と開口枠との隙間が塞がれる。
また、本発明に係る建具は、上述したいずれか一つに記載の保持構造を適用して面材を保持したことを特徴とする。
この発明によれば、防火部材に設けた面材カバー部によって建具に見込み方向に沿った貫通口が形成される事態を防止することができる。しかも、面材カバー部が面材の端面に向かうに従って漸次面材の一方の表面との間隔が減少するように傾斜したものであるため、面材が高温状態となった場合、その熱が面材の周縁部まで容易に到達でき、ガラスパネルの中央部と周縁部とに大きな温度差が生じるのを防ぐことができる。
本発明によれば、防火部材に設けた面材カバー部によって建具に見込み方向に沿った貫通口が形成される事態を防止することができるため、防火性を向上させることができる。しかも、面材カバー部が面材の端面に向かうに従って漸次面材の一方の表面との間隔が減少するように傾斜したものであるため、面材が高温状態となった場合、その熱が面材の周縁部まで容易に到達できるようになる。従って、ガラスパネルの中央部と周縁部とに大きな温度差が生じるのを防ぎ、熱割れを防止することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態である面材の保持構造を適用した建具の縦断面図である。 図2は、図1に示した建具の横断面図である。 図3は、図1に示した建具を室外側から見た図である。 図4は、図1に示した建具の要部を一部破断して示す拡大図である。 図5は、図1に示した建具の面材保持部材に設ける補強部材の要部斜視図である。 図6は、図5に示した補強部材を別の角度から見た要部斜視図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る面材の保持構造及び建具の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1〜図3は、本発明の実施の形態である面材の保持構造を適用した建具を示したものである。ここで例示する建具は、開口枠10及び障子20を備え、開口枠10に対して障子20を室外側に向けて面外方向に押し開くように構成したたてすべり出し窓と称されるものである。
開口枠10は、上枠部材11、下枠部材12及び左右の縦枠部材13を四周枠組みすることによって構成したものである。これらの枠部材11,12,13は、樹脂によって成形した押し出し形材であり、互いに端部を溶着接合して留め継ぎすることによって開口枠10を構成している。それぞれの枠部材11,12,13には、長手方向に沿って枠中空部11a,12a,13aが設けてあるとともに、枠中空部11a,12a,13aに枠補強部材14が配設してある。枠補強部材14は、枠部材11,12,13を形成する樹脂よりも融点の高い金属、例えばステンレスや鋼材によって成形したものである。
障子20は、上框部材(面材保持部材)21、下框部材(面材保持部材)22及び左右の縦框部材(面材保持部材)23を四周框組みすることによって構成し、その内部に面材24を保持したものである。本実施の形態では、矩形状を成すフロートガラスパネル24aと、内部に金網を封入した矩形状を成す網入りガラスパネル24bとを備え、これら2枚のガラスパネル24a,24bがスペーサ24cを介して内外に配置された複層ガラスと称される面材24を適用している。2枚のガラスパネルは、フロートガラスパネル24aが室外側に配置され、網入りガラスパネル24bが室内側に配置される。図には明示していないが、面材24の周縁部には、金属製のガラス外れ止め24dが設けてある。
面材24を保持する框部材21,22,23は、枠部材11,12,13と同様、樹脂によって成形した押し出し形材であり、互いの端部が45°の傾斜面21a,22a,23aを介して留め継ぎにより溶着接合してある。それぞれの框部材21,22,23は、長手方向に沿った框基部21A,22A,23A、外方カバー部21B,22B,23B及び内方カバー部21C,22C,23Cを有するように構成してある。
框基部21A,22A,23Aは、面材24の端面を覆う中空部分であり、面材24の見込み寸法に対してわずかに大きな幅を有するように構成してある。框基部21A,22A,23Aの面材24に対向する内周見込み壁部21Aa,22Aa,23Aaにおいて室外側に位置する部分には、押縁25を装着するための装着溝21Ab,22Ab,23Abが形成してある。
外方カバー部21B,22B,23Bは、框基部21A,22A,23Aの開口枠10に対向する外周見込み壁部21Ac,22Ac,23Acにおいて室外側に位置する部分から外方に突出した中空部分である。この外方カバー部21B,22B,23Bは、開口枠10に対して障子20を閉めた場合に開口枠10の室外側に向いた見付け面に対向するものである。外方カバー部21B,22B,23Bの室外側に向いた見付け面は、框基部21A,22A,23Aの室外側に向いた見付け面と同一の平面上となるように設けてある。
内方カバー部21C,22C,23Cは、框基部21A,22A,23Aよりも室内側に位置する部位に框基部21A,22A,23Aに隣接するように設けた中空部分であり、面材24の周縁部において室内側に向いた内側表面を覆うように框基部21A,22A,23Aの内周見込み壁部21Aa,22Aa,23Aaよりも内周側に突出している。
これら框基部21A,22A,23A、外方カバー部21B,22B,23B及び内方カバー部21C,22C,23Cは、一体に成形してある一方、それぞれの中空部分が隔壁部によって互いに隔離している。框基部21A,22A,23Aの中空部(以下、「補強中空部21b,22b,23b」という)には、長手方向に沿って補強部材30が配設してあり、内方カバー部21C,22C,23Cの中空部21c,22c,23cには、長手方向に沿って防火部材40が配設してある。補強部材30及び防火部材40は、いずれも樹脂よりも融点の高い金属、例えばステンレスや鋼材、あるいはアルミニウム合金によって成形したものである。
補強部材30は、図4〜図6に示すように、平板状を成す補強基部31を有したもので、補強基部31が見付け方向に沿う状態で個々の補強中空部21b,22b,23bに配設してある。補強基部31の両端面には、框部材21,22,23の端面に沿って45°の角度となるように傾斜した傾斜延在部31aが設けてある。図からも明らかなように、補強部材30の全長は、框部材21,22,23の全長よりも短く構成してある。
それぞれの補強部材30には、補強基部31の外周側となる縁部に外周壁部32が設けてあるとともに、補強基部31の内周側となる縁部に内周壁部33が設けてある。外周壁部32及び内周壁部33は、補強基部31から室内側に向けて屈曲するように延在した平板状部分である。隣接する補強部材30の間は、内周壁部33を介して連結部材50により互いに連結してある。連結部材50は、補強部材30と同様、ステンレスや鋼材等の金属によって成形したものである。本実施の形態では、L字状を成す連結基部50aを有した連結部材50を例示している。連結基部50aには、それぞれ係合片50bが面外方向に突出するように設けてあるとともに、ネジ挿通孔50cが設けてある。この連結部材50は、係合片50bを内周壁部33に形成した溝孔33aに挿通させ、さらにネジ挿通孔50cを介して内周壁部33にネジ部材51を螺合させることにより、隣接する補強部材30の間を連結している。また、補強部材30の内周壁部33には、面材24に設けたガラス外れ止め24dがネジ止めしてある。
補強基部31の両端面には、直交延在部31bが設けてあるとともに、補強基部31の見付け面において直交延在部31bの相互間となる部位に加熱膨張材60が貼り付けてある。直交延在部31bは、補強基部31の長手に直交する方向に沿って延在するもので、補強基部31の外周側となる部位に形成してある。直交延在部31bの見付け方向に沿った寸法は、加熱膨張材60の幅と同一となるように設定してある。加熱膨張材60は、膨張黒鉛等、高温状態となった場合に膨張する不燃材である。この加熱膨張材60は、一定の幅を有した長尺状を成しており、補強基部31の全長に渡る部位に貼り付けてある。図1に示すように、加熱膨張材60は、上框部材21、下框部材22及び左右の縦框部材23のそれぞれの補強部材30において補強基部31の室内側に向いた見付け面に設けてある。
防火部材40は、図1及び図2に示すように、防火基部41、枠対向部42及び面材カバー部43を有したもので、枠対向部42を介して内方カバー部21C,22C,23Cの外周見込み壁部21Cc,22Cc,23Ccにネジ止めしてある。防火基部41は、補強中空部21b,22b,23bと中空部21c,22c,23cとの間の隔壁部21d,22d,23dに沿った平板状を成す部分である。枠対向部42は、防火基部41の外周側縁部から室内側に向けて屈曲するように延在した部分である。この枠対向部42は、見込み方向の中央となる部位が厚肉となるように構成してあり、この厚肉部分を介して内方カバー部22C,23Cの外周見込み壁部22Cc,23Ccにネジ止めしてある。枠対向部42において厚肉部分の両側に構成される外周見込み壁部23Acとの隙間には、それぞれ加熱膨張材60が設けてある。
防火部材40の面材カバー部43は、防火基部41の内周側縁部から面材24の室内側に向いた内側表面に対向するように延在し、見込み方向において面材24の内側表面から面材24の端面までの間を隙間をもって覆うように配置される部分である。図からも明らかなように、面材カバー部43は、個々の延在端部から面材24の端面に向かうに従って漸次面材24の内側表面との間隔が減少するように傾斜したものである。すなわち、面材カバー部43の延在端部と面材24の内側表面との間には、面材24の端面に至る隙間が大きく開口している。
尚、本実施の形態では、上框部材21の内方カバー部21Cに配設した防火部材40を鋼材によって成形し、下框部材22の内方カバー部22C及び縦框部材23の内方カバー部23Cに配設した防火部材40をそれぞれアルミニウム合金で成形するようにしている。これは、火災時に火炎が上方に向かう傾向があり、上框部材21が他の框部材22,23に比較してより高温に曝される恐れがあるため、内方カバー部21Cに配設した防火部材40に、アルミニウム合金よりも融点の高い鋼材を用いたものである。
上記のように構成した建具では、框部材21,22,23を樹脂によって成形しているため、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属によって成形されたものに比べて断熱性が向上され、例えば室内外の気温差が大きい場合にも結露が防止される等の利点がある。しかも、框部材21,22,23の補強中空部21b,22b,23bには、樹脂よりも融点の高い金属製の補強部材30を配設し、補強部材30にガラス外れ止め24dをネジ止めしているため、火災が発生した場合にも面材24の脱落を防止することができる。さらに、補強部材30に加熱膨張材60を設けるようにしているため、火災発生時には框部材21,22,23の補強中空部21b,22b,23bが膨張した加熱膨張材60によって塞がれることになり、室内外が貫通される事態を防止することができるようになる。
ここで、上述した建具によれば、補強部材30の補強基部31に45°の傾斜角度をもった傾斜延在部31aを設けているため、互いの間にできるだけ隙間が無い状態で補強部材30の相互間を接合させることができ、防火性能上有利となる。しかも、補強基部31において加熱膨張材60を貼り付ける部分については、補強基部31の長手に直交する方向に沿って延在するように直交延在部31bを設けるようにしている。従って、長尺状の加熱膨張材60を適用する場合にも、常に長手に直交する方向に沿って切断すれば良く、不要部分が生じないため歩留まりが向上する。さらに、直交延在部31bの幅が加熱膨張材60の幅に一致しているため、加熱膨張材60を貼り付ける際に位置決め作業がきわめて容易となり、また、貼り付け箇所の間違いを防止することが可能となる。
一方、障子20の面材24に対しては、框部材21,22,23の中空部21c,22c,23cに防火部材40を配設し、見込み方向において面材24の内側表面から面材24の端面までの間を隙間をもって覆うようにしているため、框部材21,22,23が溶融もしくは焼失したとしても建具に貫通口が形成される恐れがなく、防火性を向上させることができる。しかも、面材24の内側表面から面材24の端面までの間を覆う面材カバー部43を、個々の延在端部から面材24の端面に向かうに従って漸次面材24の内側表面との間隔が減少するように傾斜させている。従って、面材24に設けられたガラスパネル24a,24bの中央部が高温状態となった場合、その熱が周縁部に到達することができ、大きな温度差が生じるのを防ぎ、ガラスパネル24a,24bに熱割れを防止ることができる。さらに、防火部材40として、補強中空部21b,22b,23bと中空部21c,22c,23cとの間の隔壁部21d,22d,23dに沿った平板状を成す防火基部41に対して枠対向部42及び面材カバー部43がそれぞれ室内側に向けて屈曲するように延在したものを適用しているため、框部材21,22,23において室内側の見付け面を構成する部分と防火部材40との接触部分がほとんどない。これにより、防火部材40が框部材21,22,23の断熱性を損なう恐れがない。
尚、上述した実施の形態では、たてすべり出し窓を適用対象として例示しているが、本発明は必ずしもたてすべり出し窓に限らず、はめ殺し窓等、その他の建具にも適用することが可能である。はめ殺し窓に適用した場合には、面材保持部材が枠部材となる場合がある。
また、上述した実施の形態では、2枚のガラスパネルを備えた面材を例示しているが、必ずしも面材が2枚のガラスパネルを備えている必要はない。
10 開口枠、20 障子、21,22,23 框部材、21A,22A,23A 框基部、21Aa,22Aa,23Aa 内周見込み壁部、21Ab,22Ab,23Ab 装着溝、21Ac,22Ac,23Ac 外周見込み壁部、21B,22B,23B 外方カバー部、21C,22C,23C 内方カバー部、21Cc,22Cc,23Cc 外周見込み壁部、21a,22a,23a 傾斜面、21b,22b,23b 補強中空部、21c,22c,23c 中空部、21d,22d,23d 隔壁部、24 面材、24a,24b ガラスパネル、30 補強部材、31 補強基部、31a 傾斜延在部、31b 直交延在部、32 外周壁部、33 内周壁部、40 防火部材、41 防火基部、42 枠対向部、43 面材カバー部、50 連結部材、60 加熱膨張材

Claims (6)

  1. 矩形状を成すガラスパネルを備えた面材の四周縁部に、それぞれ面材の一方の表面から面材の端面に渡る部分を覆うように面材保持部材を設けた面材の保持構造であって、
    前記面材保持部材には、その長手方向に沿って中空部を設けるとともに、前記中空部には、前記面材保持部材の長手方向に沿って金属製の防火部材を配設し、
    前記防火部材には、見込み方向において面材の一方の表面から面材の端面までの間を隙間をもって覆い、かつ面材の一方の表面から面材の端面に向かうに従って漸次面材の一方の表面との間隔が減少するように傾斜した面材カバー部を設けたことを特徴とする面材の保持構造。
  2. 面材の室内側に向いた内側表面から面材の端面に渡る部分を覆うように前記面材保持部材を構成し、面材よりも室内側となる部位に前記防火部材を配設したことを特徴とする請求項1に記載の面材の保持構造。
  3. 前記面材保持部材は、面材の端面に対向する部分に内周見込み壁部を有するとともに、前記内周見込み壁部を挟んで面材の外周側となる部分に補強中空部を有し、
    前記面材保持部材の補強中空部は、見付け方向に沿った隔壁部を介して前記中空部から離隔したものであり、
    前記補強中空部には、金属製の補強部材を配設したことを特徴とする請求項1に記載の面材の保持構造。
  4. 前記面材保持部材は面材の室内側に向いた内側表面から面材の端面に渡る部分を覆うように構成し、かつ前記防火部材は面材よりも室内側となる部位に配設したものであり、
    前記防火部材は、前記隔壁部に沿って設けた防火基部と、前記防火基部の外周側縁部から室内側に向けて屈曲するように延在する枠対向部とを有するとともに、前記面材カバー部が前記防火基部の内周側縁部から面材の内側表面までの間を隙間をもって覆うように延在したものであり、前記枠対向部を介して前記面材保持部材にネジ止めしたことを特徴とする請求項3に記載の面材の保持構造。
  5. 前記面材保持部材は、開口枠の内部に面材を開閉可能に保持するための框部材であり、
    前記防火部材には、前記枠対向部において前記開口枠の見込み面に対向する部位に加熱膨張材を設けたことを特徴とする請求項4に記載の面材の保持構造。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一つに記載の保持構造を適用して面材を保持したことを特徴とする建具。
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