JP2015048499A - 表面処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐摩耗性を向上させつつも、耐食性低下を抑える。
【解決手段】Crを13wt%以上含む合金で形成れた母材の酸化皮膜を除去する皮膜除去工程(S2)と、皮膜除去工程後の母材に対して、300℃以上且つ500℃未満の雰囲気下で浸炭処理と窒化処理とのうち少なくとも一方を施す耐摩耗熱処理工程(S4)と、を実行する。
【選択図】図1
【解決手段】Crを13wt%以上含む合金で形成れた母材の酸化皮膜を除去する皮膜除去工程(S2)と、皮膜除去工程後の母材に対して、300℃以上且つ500℃未満の雰囲気下で浸炭処理と窒化処理とのうち少なくとも一方を施す耐摩耗熱処理工程(S4)と、を実行する。
【選択図】図1
Description
本発明は、Crを含む合金で形成れた母材の表面処理方法に関する。
金属の耐摩耗性を向上させる処理として、浸炭処理や窒化処理がある。浸炭処理は、金属母材の表層に炭素を浸透させる処理である。また、窒化処理は、金属母材の表層に窒素を浸透させる処理である。これらの処理は、いずれも高温雰囲気化で行われる。
例えば、以下の特許文献1では、650℃〜800℃の雰囲気下でオーステナイト系ステンレスを窒化処理する方法が開示されている。
ステンレス鋼等のCrを含む合金は、このCrと空気中の酸素とが結合した酸化皮膜が形成されている。このような合金は、この酸化皮膜が形成されているため、高い耐食性を示す。このため、Crを含む合金が用いられる場合には、耐食性が求められる場合が多い。
ところで、Crを含む合金に対して、熱処理を施すと、合金内の結晶粒界に沿ってCr濃度が低下することが知られている。この熱処理によるCr濃度の低下は、一般的に鋭敏化と呼ばれている。熱処理により鋭敏化した合金は、表層のCr濃度の低下により、耐食性が低下する。
このため、特許文献1に記載の技術のように、650℃〜800℃の高温雰囲気下で窒化処理を施すと、母材が備えている耐食性が低下するという問題点がある。
そこで、本発明は、耐摩耗性を向上させつつも、耐食性低下を抑えることができる表面処理方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための発明に係る第一態様としての表面処理方法は、
Crを13wt%以上含む合金で形成された母材の酸化皮膜を除去する皮膜除去工程と、前記皮膜除去工程後の前記母材に対して、300℃以上且つ500℃未満の雰囲気下で浸炭処理と窒化処理とのうち少なくとも一方を施す耐摩耗熱処理工程と、を実行する。
Crを13wt%以上含む合金で形成された母材の酸化皮膜を除去する皮膜除去工程と、前記皮膜除去工程後の前記母材に対して、300℃以上且つ500℃未満の雰囲気下で浸炭処理と窒化処理とのうち少なくとも一方を施す耐摩耗熱処理工程と、を実行する。
前記目的を達成するための発明に係る第二態様としての表面処理方法は、
第一態様としての表面処理方法において、前記耐摩耗熱処理工程では、400℃以上且つ500℃未満の雰囲気下で行う。
第一態様としての表面処理方法において、前記耐摩耗熱処理工程では、400℃以上且つ500℃未満の雰囲気下で行う。
前記目的を達成するための発明に係る第三態様としての表面処理方法は、
第一又は第二態様としての表面処理方法において、前記皮膜除去工程では、前記母材を加熱炉内に配置し、前記加熱炉内に前記酸化皮膜中の酸素に換わる元素を含む置換ガスを供給して、ガス置換法で前記酸化皮膜を除去し、前記皮膜除去工程後、前記加熱炉内の前記置換ガスを前記浸炭処理のための浸炭ガスと前記窒化処理のための窒化ガスとの少なくとも一方の耐摩耗熱処理ガスに置換して、前記耐摩耗熱処理工程を実行する。
第一又は第二態様としての表面処理方法において、前記皮膜除去工程では、前記母材を加熱炉内に配置し、前記加熱炉内に前記酸化皮膜中の酸素に換わる元素を含む置換ガスを供給して、ガス置換法で前記酸化皮膜を除去し、前記皮膜除去工程後、前記加熱炉内の前記置換ガスを前記浸炭処理のための浸炭ガスと前記窒化処理のための窒化ガスとの少なくとも一方の耐摩耗熱処理ガスに置換して、前記耐摩耗熱処理工程を実行する。
前記目的を達成するための発明に係る第四態様としての表面処理方法は、
第一から第三のいずか一態様としての表面処理方法において、前記母材が置かれる雰囲気温度を前記耐摩耗熱処理工程を実行する雰囲気温度にまで高める際の昇温速度は、10℃/min以下で、好ましくは、3〜5℃/minである。
第一から第三のいずか一態様としての表面処理方法において、前記母材が置かれる雰囲気温度を前記耐摩耗熱処理工程を実行する雰囲気温度にまで高める際の昇温速度は、10℃/min以下で、好ましくは、3〜5℃/minである。
前記目的を達成するための発明に係る第五態様としての表面処理方法は、
第一から第四のいずか一態様としての表面処理方法において、前記熱処理工程後、前記母材が置かれる雰囲気温度を低下させる降温速度は、5℃/min以下で、好ましくは、1〜3℃/minである。
第一から第四のいずか一態様としての表面処理方法において、前記熱処理工程後、前記母材が置かれる雰囲気温度を低下させる降温速度は、5℃/min以下で、好ましくは、1〜3℃/minである。
前記目的を達成するための発明に係る第六態様としての表面処理方法は、
第一から第四のいずか一態様としての表面処理方法において、前記母材は、ステンレス鋼又はニッケル基合金である。
第一から第四のいずか一態様としての表面処理方法において、前記母材は、ステンレス鋼又はニッケル基合金である。
前記目的を達成するための発明に係る第七態様としての表面処理方法は、
第一から第六のいずか一態様としての表面処理方法において、前記耐摩耗熱処理工程では、浸炭処理を施し、酸性環境下で使用する材料を形成する。
第一から第六のいずか一態様としての表面処理方法において、前記耐摩耗熱処理工程では、浸炭処理を施し、酸性環境下で使用する材料を形成する。
前記目的を達成するための発明に係る第八態様としての表面処理方法は、
第一から第六のいずか一態様としての表面処理方法において、前記耐摩耗熱処理工程では、浸炭処理を施し、塩酸と塩化ナトリウムを含む水溶液に接する環境下で使用する材料を形成する。
第一から第六のいずか一態様としての表面処理方法において、前記耐摩耗熱処理工程では、浸炭処理を施し、塩酸と塩化ナトリウムを含む水溶液に接する環境下で使用する材料を形成する。
前記目的を達成するための発明に係る第九態様としての表面処理方法は、
第一から第六のいずか一態様としての表面処理方法において、前記耐摩耗熱処理工程では、浸炭処理を施し、硝酸水溶液に接する環境下で使用する材料を形成する。
第一から第六のいずか一態様としての表面処理方法において、前記耐摩耗熱処理工程では、浸炭処理を施し、硝酸水溶液に接する環境下で使用する材料を形成する。
前記目的を達成するための発明に係る第十態様としての表面処理方法は、
第一から第六のいずか一態様としての表面処理方法において、前記母材として、SUS304を用いて、硝酸水溶液に接する環境下で使用する材料を形成する。
第一から第六のいずか一態様としての表面処理方法において、前記母材として、SUS304を用いて、硝酸水溶液に接する環境下で使用する材料を形成する。
前記目的を達成するための発明に係る第十一態様としての表面処理方法は、
第一から第六のいずか一態様としての表面処理方法において、前記耐摩耗熱処理工程では、浸炭処理を施し、硫酸水溶液に接する環境下で使用する材料を形成する。
第一から第六のいずか一態様としての表面処理方法において、前記耐摩耗熱処理工程では、浸炭処理を施し、硫酸水溶液に接する環境下で使用する材料を形成する。
前記目的を達成するための発明に係る第十二態様としての表面処理方法は、
第一から第六のいずか一態様としての表面処理方法において、前記耐摩耗熱処理工程では、浸炭処理を施し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液に接する環境下で使用する材料を形成する。
第一から第六のいずか一態様としての表面処理方法において、前記耐摩耗熱処理工程では、浸炭処理を施し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液に接する環境下で使用する材料を形成する。
本発明によれば、耐摩耗性を向上させつつも、耐食性低下を抑えることができる。
「実施形態」
以下、本発明に係る表面処理方法の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
以下、本発明に係る表面処理方法の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態の表面処理方法では、Crを13wt%以上含む合金で形成れた母材を処理対象とする。処理対象の母材としては、具体的に、以下のような合金がある。
(1)SUS304やSUS316に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼
(2)SUS403やSUS420に代表されるマルテンサイト系ステンレス鋼
(3)SUS405やSUS430に代表させるフェライト系ステンレス鋼
(4)インコネル690、インコネル625、インコネル600等のニッケル基合金
なお、インコネルは、スペシャルメタルズ社(Special Metals Corporation)(旧インコ社・International Nickel Company)の登録商標である。
(1)SUS304やSUS316に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼
(2)SUS403やSUS420に代表されるマルテンサイト系ステンレス鋼
(3)SUS405やSUS430に代表させるフェライト系ステンレス鋼
(4)インコネル690、インコネル625、インコネル600等のニッケル基合金
なお、インコネルは、スペシャルメタルズ社(Special Metals Corporation)(旧インコ社・International Nickel Company)の登録商標である。
但し、マルテンサイト系ステンレス鋼であるSUS403やフェライト系ステンレス鋼であるSUS405には、Crの含有率が13wt%未満のものある。本実施形態では、Crの含有率が13wt%未満のものは、処理対象としない。
Crを含む合金は、Crと空気中の酸素とが結合した酸化皮膜が表面に形成されている。このため、Crを含む合金は耐食性がある。合金表面の酸化皮膜は、合金中のCrの含有率が13wt%以上である場合に安定的に生成すると言われている。このため、本実施形態では、耐食性を得るため、Crの含有率が13wt%以上の合金を母材としている。
本実施形態では、以上の母材の耐摩耗性を高めるため、この母材に対して、浸炭処理、窒化処理、浸炭・窒化処理のいずれかの耐摩耗熱処理を施す。一般的に、これらの処理では、500℃以上、場合によっては800℃程度の高温の雰囲気下で、母材の表層に炭素や窒素を浸透させる。
Crを含む合金に対して、以上のような熱処理を施すと、鋭敏化と呼ばれる耐食性の劣化現象が生じる。Crを含む合金に対して熱処理を施すと、合金内の結晶粒界に沿ってCr濃度が低下する。これは、熱処理によって、合金中に含まれている炭素とCrとが結合したCr炭化物が成長し、この成長過程で、炭素の周囲のCrを集めてしまうためであると考えられている。このため、Crを含む合金に対して熱処理を施すと、Cr濃度が13wt%未満になるCr欠乏部が生じて、前述した鋭敏化と呼ばれる耐食性の劣化現象が生じる。
そこで、本実施形態では、耐摩耗熱処理での雰囲気温度を先に説明した一般的な耐摩耗熱処理の雰囲気温度よりも低い300℃以上で且つ500℃未満にする。しかしながら、雰囲気温度が300℃以上で且つ500℃未満の場合、母材の表面の酸化皮膜の存在により、母材中に炭素(浸炭処理の場合)や窒素(窒化処理の場合)が浸透しにくく、耐摩耗熱処理の時間が極めて長くなる。
本実施形態では、低温雰囲気下での耐摩耗熱処理の時間を短くするため、この耐摩耗熱処理に先立ち、母材表面の酸化皮膜の除去を実行する。母材表面の酸化皮膜を除去する方法としては、ガス置換法、溶液溶解法、塗布法等がある。
ガス置換法とは、表面に酸化皮膜が形成されている対象金属を所定のガス雰囲気内に配置し、酸化皮膜中の酸素をガスに含まれている元素に置換する方法である。このガス置換法に使うガスとしては、例えば、塩素系ガス(例えば、HCl)や、フッ素系ガス(例えば、NF3、BF3、CF4、HF、SF6、C2F6、WF6、CHF3、SiF4、ClF3の単独ガス、又はこれらの混合ガス)がある。例えば、置換ガスとしてHClを用いる場合、200〜300℃の温度で、数分から数十分程度、1〜5g/m3のHClを対象金属に供給する。また、例えば、置換ガスとしてNF3を用いる場合、200〜300℃の温度で、数分から数十分程度、30000〜50000ppmのNF3を対象金属に供給する。
溶液溶解法とは、対象金属を所定の溶液に浸す方法である。この溶液溶解法に使う溶液としては、硝酸・フッ酸混合溶液、塩酸水溶液、フッ化水素酸水溶液等がある。硝酸・フッ酸混合溶液を用いる場合、60wt%HNO3−0.058wt%HF−0.35wt%HCLの組成で60℃の水溶液中に対象金属を3分ほど浸す。塩酸水溶液を用いる場合、5〜10wt%の塩酸水溶液中に対象金属を3分ほど浸す。フッ化水素酸水溶液を用いる場合、0.5wt%のフッ化水素酸水溶液中に対象金属を1分ほど浸す。
塗布法とは、アミノ系樹脂を対象金属の表面に塗布して、加熱処理する方法である。
次に、図1に示すフローチャートに従って、本実施形態の表面処理手順について、具体的に説明する。
まず、先の述べた母材の表面を洗浄する。この洗浄では、例えば、有機溶剤等で母材の表面を脱脂する(S1:表面洗浄工程)。
母材の表面に形成されている酸化皮膜除を除去する(S2:酸化皮膜除工程)。酸化皮膜除去には、先に説明したように、ガス置換法、溶液溶解法、塗布法等がある。
酸化皮膜除去にガス置換法を採用する場合、図2に示すように、まず、母材1を加熱炉10内に配置する。この加熱炉10には、例えば、電気ヒータ11が設けられている。また、この加熱炉10には、ガスを導入するガス導入管12及びガスを排気するガス排気管13が設けられている。ガス導入管12には、ガス導入ライン14が接続されている。このガス導入ライン14には、このガス導入ライン14を通るガスの流量を調節する流量調節弁15が設けられている。さらに、このガス導入ライン14には、加熱炉10内に導入するガスが充填されているガスボンベ16が接続されている。ガス排気管13には、ガス排気ライン17が接続されている。このガス排気ライン17には、加熱炉10内からガスを吸引するための真空ポンプ19と、このガス排気ライン17を通るガスの流量を調節する流量調節弁18が設けられている。母材1を加熱炉10内に配置すると、加熱炉10内を200〜300℃に加熱しつつ、この加熱炉10内に置換ガスを供給する。具体的には、ガス導入ライン14に置換ガスが充填されているガスボンベ16を接続した後、加熱炉10内の加熱、真空ポンプ19の駆動による加熱炉10内の空気等の排気、ガスボンベ16から加熱炉10内への置換ガスの導入を行う。
また、酸化皮膜除に溶液溶解法を採用する場合、まず、前述した溶液を準備する。続いて、この溶液中に母材を浸す。
酸化皮膜除去に塗布法を採用する場合、まず、アミノ系樹脂を母材に塗布する。その後、この母材を加熱する。
酸化皮膜除去工程(S2)が完了すると、耐摩耗熱処理への移行処理を開始する(S3)。この移行処理では、酸化皮膜が除去された母材を加熱炉10に入れ、耐摩耗熱熱処理で必要な雰囲気温度(300〜500℃)になるまで徐々に加熱炉10内を加熱しつつ、加熱炉10内のガスを耐摩耗熱処理用のガスに置換する。この加熱炉10内の雰囲気温度に関する昇温速度は、母材の劣化を抑えるために10℃/min以下で、好ましくは、3〜5℃/minとする。耐摩耗熱処理として浸炭処理を採用する場合、CO、CO2、CH4等の炭素を含むガス単体又はこれらの混合ガスを浸炭ガスとして、加熱炉10内に供給する。具体的に、浸炭ガスとして(CO2+H2)のガスを用いる場合、CO2が2〜10vol%、H2が30〜40vol%の割合になることが好ましい。また、浸炭ガスとして(RX+CO2)のガスを用いる場合、RXが80〜90vol%、CO2が3〜7vol%の割合になることが好ましい。なお、RXは、(CO2(1vol%)+H2(31vol%)+H2O(1vol%)+N2(残分))のガスである。また、浸炭ガスとして(CO+CO2+H2)のガスを用いる場合、COが32〜43vol%、CO2が2〜3vol%、H2が55〜65vol%の割合になることが好ましい。
また、耐摩耗熱処理として窒化処理を採用する場合、NH3を加熱炉10内に供給する。窒化ガスとしては、(NH3+N2)や(NH3+RX)を用いる。(NH3+N2)のガスの場合、50vol%NH3+50vol%N2、75vol%NH3+25vol%N2のガスの割合になることが好ましい。(NH3+RX)のガスの場合、50vol%NH3+50vol%RXが好ましい。
また、耐摩耗熱処理として浸炭・窒化処理を採用する場合、浸炭ガスと窒化ガスとのうち一方、又は両ガスの混合ガスを加熱炉10内に供給する。浸炭ガスと窒化ガスとの混合ガスとしては、例えば、浸炭ガス(CO2+H2)と窒化ガス(NH3+N2)の混合ガスを用いる。浸炭・窒化処理では、50vol%(CO2+H2)+50vol%(NH3+N2)が好ましい。
加熱炉10内の温度が300℃以上且つ500℃未満になり、且つ加熱炉10内のガスが耐摩耗熱処理用のガスに置換されると、加熱炉10内の母材に対して耐摩耗熱処理が施される(S4:耐摩耗熱処理工程)。なお、実際には、前述の移行処理(S3)の過程でも母材に対して耐摩耗熱処理が施されている。
この耐摩耗熱処理工程(S4)では、加熱炉10内が300℃以上且つ500℃未満の温度で、且つ加熱炉10内が以上で説明した耐摩耗熱処理用のガスで満たされている状態を所定時間維持する。なお、耐摩耗熱処理として、浸炭・窒化処理を採用し、耐摩耗熱処理への移行処理工程(S3)で、浸炭ガスとNH3とのうち一方のガスのみを供給した場合、加熱炉10内が一方のガスで満たされている状態を所定時間維持した後、この一方のガスを他方のガスに置換し、加熱炉10内が他方のガスで満たされている状態を所定時間維持することになる。
この耐摩耗熱処理の処理時間は、この耐摩耗熱処理で生じる硬化層の形成速度と、最終的に硬化層の厚さ(深さ)をどの程度にするかに応じて定まる。よって、この処理時間は、一概に定めることはできない。但し、本実施形態では、硬化層の厚さを20〜30μmに設定しているため、処理時間を12〜48時間にしている。
以上のように、耐摩耗熱処理工程(S4)は、加熱炉10内で行われる。このため、耐摩耗熱処理工程(S4)の前に行う酸化皮膜除去工程(S2)も加熱炉10内で行うガス置換法を採用すると、酸化皮膜除去工程(S2)から耐摩耗熱処理工程(S4)へ移行する際、母材を加熱炉内から移動する必要がなくなり、母材の表面に酸化皮膜が再形成されることを防ぐことができる。さらに、母材のハンドリングを軽減することができる。よって、酸化皮膜除去工程(S2)では、耐摩耗熱処理工程(S4)で用いる加熱炉内で酸化皮膜を除去するガス置換法を採用することが好ましい。
耐摩耗熱処理工程(S4)が完了すると、加熱炉10内の温度を徐々に低下させる(S5:降温)。この加熱炉10内の雰囲気温度に関する降温速度は、母材の劣化を抑えるために、5℃/min以下で、好ましくは、1〜3℃/minとする。
加熱炉10内及び母材の温度がほぼ常温になると、耐摩耗熱処理が施された母材を加熱炉から取り出し、必要に応じて、この耐摩耗処理合金の表面を研磨又は研削する(S6:研磨又は研削工程)。耐摩耗熱処理が施された母材は、その表面が黒又は灰色にくすんでいる上に、熱処理により表面が荒れている。そこで、ここでは、耐摩耗熱処理が施された母材の表面を軽く研磨又は研削することで仕上げることもある。
以上で、本実施形態の表面処理は終了する。
次に、耐摩耗熱処理での雰囲気温度による影響について、図3を用いて説明する。
耐摩耗熱処理で生じる硬化層の形成速度は、耐摩耗熱処理での雰囲気温度が高くなれば高くなる。具体的に、形成速度は、雰囲気温度が300℃のあたりから急激に速まる。雰囲気温度が300℃〜500℃の間では、雰囲気温度の高まりに伴って形成速度が速くなる。但し、雰囲気温度が400℃を超えたあたりから、雰囲気温度の高まりに対する形成速度の速まりが徐々に鈍化し、雰囲気温度が500℃を超えると、雰囲気温度の高まりに対する形成速度の速まりがより鈍化する。雰囲気温度が600℃を超えると、雰囲気温度が高まっても形成速度はほとんど速くならない。
このため、硬化層の厚さ(深さ)寸法は、図3(a)に示すように、耐摩耗熱処理での処理時間が一定の場合、雰囲気温度が300℃のあたりから、硬化層の厚さ(深さ)寸法が急激に増加する。雰囲気温度が300℃〜500℃の間では、雰囲気温度の高まりに伴って硬化層の厚さ(深さ)寸法が増加する。但し、雰囲気温度が400℃を超えたあたりから、雰囲気温度の高まりに対する硬化層の厚さ(深さ)寸法の増加が鈍化し、雰囲気温度が500℃を超えると、雰囲気温度の高まりに対する形成速度の速まりがより鈍化する。硬化層の厚さ(深さ)寸法の増加がより鈍化する。雰囲気温度が600℃を超えると、雰囲気温度が高まっても硬化層の厚さ(深さ)寸法はほとんど増加しない。
また、耐摩耗熱処理での施工(処理)時間は、図3(b)に示すように、硬化層の厚さ(深さ)寸法が一定の場合、雰囲気温度が300℃のあたりから処理時間は急激に短くなる。雰囲気温度が300℃〜500℃の間では、雰囲気温度の高まりに伴って処理時間が短くなる。但し、雰囲気温度が400℃を超えたあたりから、雰囲気温度の高まりに対する処理時間の短縮が鈍化し、雰囲気温度が500℃を超えると、雰囲気温度の高まりに対する処理時間の短縮がより鈍化する。雰囲気温度が600℃を超えると、雰囲気温度が高まっても処理時間はほとんど短くならない。
よって、耐摩耗処理金属の製造性の観点からは、耐摩耗熱処理での雰囲気温度は、硬化層の形成速度が急激に速まる300℃以上が好ましく、硬化層の形成速度の速まりが鈍化し始める400℃以上がより好ましく、600℃以上が最も好ましい。
耐摩耗処理金属の耐摩耗性は、図3(c)に示すように、耐摩耗熱処理での雰囲気温度が300〜600℃の間ではほとんど変化しない。このため、耐摩耗処理金属の耐摩耗性の観点からは、耐摩耗熱処理での雰囲気温度は、300〜600℃の間のいずれの温度でもよい。なお、耐摩耗性についてはどのような指標を用いたかについては、後述する。
耐摩耗処理金属の材料強度は、図3(d)に示すように、耐摩耗熱処理での雰囲気温度が300〜600℃の間では、雰囲気温度の高まりに伴ってわずかずつ低下する。雰囲気温度が600℃を超えると、雰囲気温度の高まりに対する材料強度の低下が大きくなり、以降、雰囲気温度の高まりに伴って材料強度の低下が低下する。このため、材料強度の観点からは、耐摩耗熱処理での雰囲気温度は、600℃以下であることが好ましい。なお、材料強度についてどのような指標を用いたかについては、後述する。
耐摩耗処理金属の表面粗さ(例えば、中心線平均粗さ(Ra)及び十点平均高さ(Rz))は、図3(e)に示すように、耐摩耗熱処理での雰囲気温度が高まるに連れて次第に粗くなる。この耐摩耗処理金属の表面粗さは、耐摩耗熱処理工程(S4)後で研磨又は研削工程(S6)前の表面粗さである。このため、表面粗さの観点からは、雰囲気温度は、できる限り低い方が好ましい。
耐摩耗処理金属の耐食性は、図3(f)に示すように、耐摩耗熱処理での雰囲気温度が450℃以下では、雰囲気温度の変化に対してほとんど変わらず高い値である。雰囲気温度が450℃を過ぎたあたりから、雰囲気温度の高まりに伴って耐食性が低下し、雰囲気温度が500以上になると急激に耐食性が低下する。このため、耐食性の観点からは、耐摩耗雰囲気温度は、500℃未満であることが好ましい。なお、耐食性についてどのような指標を用いたかについては、後述する。
耐摩耗熱処理での雰囲気温度による以上で説明した各パラメータ(処理時間や耐摩耗性等)の値は、同一雰囲気温度であっても母材の種類が異なれば異なる。しかしながら、雰囲気温度の変化に対する各パラータの値の変化傾向は、母材の種類が異なっても同一傾向である。また、各パラメータ(処理時間や耐摩耗性等)の値は、同一雰囲気温度であっても耐摩耗熱処理内容(浸炭処理、窒化処理、浸炭・窒化処理)が異なれば異なる。しかしながら、雰囲気温度の変化に対する各パラータの値の変化傾向は、耐摩耗熱処理内容が異なっても同一傾向である。
よって、耐摩耗性を向上させつつも、母材の耐食性低下を抑えるためには、耐摩耗熱処理の雰囲気温度は、この温度が500℃以上の場合と比べて処理時間が長くなるものの、500℃未満であるとよい。しかしながら、耐摩耗熱処理の雰囲気温度が300℃未満になると、処理時間が極めて長くなる。よって、耐摩耗性を向上させつつも、母材の耐食性低下を抑えるために、耐摩耗熱処理の雰囲気温度は300℃以上で且つ500℃未満であることが好まく、400℃以上で且つ500℃未満であることがより好ましい。
次に、母材に対して以上の表面処理を施して出来た耐摩耗処理金属の実施例と共に、耐摩耗処理金属の比較例について説明する。
「実施例1」
実施例1の耐摩耗処理金属は、以下の母材に対して以下の表面処理を施したものである。
母材:SUS316
酸化皮膜除去:フッ素系ガスによるガス置換法
耐摩耗熱処理:浸炭処理
浸炭処理条件:雰囲気温度470℃、処理時間22時間
実施例1の耐摩耗処理金属は、以下の母材に対して以下の表面処理を施したものである。
母材:SUS316
酸化皮膜除去:フッ素系ガスによるガス置換法
耐摩耗熱処理:浸炭処理
浸炭処理条件:雰囲気温度470℃、処理時間22時間
「実施例2」
実施例2の耐摩耗処理金属は、以下の母材に対して以下の表面処理を施したものである。
母材:SUS316
酸化皮膜除去:フッ素系ガスによるガス置換法
耐摩耗熱処理:窒化処理
窒化処理条件:雰囲気温度410℃、処理時間48時間
実施例2の耐摩耗処理金属は、以下の母材に対して以下の表面処理を施したものである。
母材:SUS316
酸化皮膜除去:フッ素系ガスによるガス置換法
耐摩耗熱処理:窒化処理
窒化処理条件:雰囲気温度410℃、処理時間48時間
「実施例3」
実施例3の耐摩耗処理金属は、以下の母材に対して以下の表面処理を施したものである。
母材:SUS304
酸化皮膜除去:フッ素系ガスによるガス置換法
耐摩耗熱処理:浸炭処理
浸炭処理条件:雰囲気温度470℃、処理時間22時間
実施例3の耐摩耗処理金属は、以下の母材に対して以下の表面処理を施したものである。
母材:SUS304
酸化皮膜除去:フッ素系ガスによるガス置換法
耐摩耗熱処理:浸炭処理
浸炭処理条件:雰囲気温度470℃、処理時間22時間
「実施例4」
実施例4の耐摩耗処理金属は、以下の母材に対して以下の表面処理を施したものである。
母材:SUS304
酸化皮膜除去:フッ素系ガスによるガス置換法
耐摩耗熱処理:窒化処理
窒化処理条件:雰囲気温度410℃、処理時間48時間
実施例4の耐摩耗処理金属は、以下の母材に対して以下の表面処理を施したものである。
母材:SUS304
酸化皮膜除去:フッ素系ガスによるガス置換法
耐摩耗熱処理:窒化処理
窒化処理条件:雰囲気温度410℃、処理時間48時間
「比較例1」
比較例1の耐摩耗処理金属は、以下の母材に対して以下の表面処理を施したものである。
母材:SUS316
酸化皮膜除去:フッ素系ガスによるガス置換法
耐摩耗熱処理:浸炭処理
浸炭処理条件:雰囲気温度500℃、処理時間16時間
比較例1の耐摩耗処理金属は、以下の母材に対して以下の表面処理を施したものである。
母材:SUS316
酸化皮膜除去:フッ素系ガスによるガス置換法
耐摩耗熱処理:浸炭処理
浸炭処理条件:雰囲気温度500℃、処理時間16時間
「比較例2」
比較例2の耐摩耗処理金属は、以下の母材に対して以下の表面処理を施したものである。
母材:SUS316
酸化皮膜除去:フッ素系ガスによるガス置換法
耐摩耗熱処理:窒化処理
窒化処理条件:雰囲気温度570℃、処理時間2時間
比較例2の耐摩耗処理金属は、以下の母材に対して以下の表面処理を施したものである。
母材:SUS316
酸化皮膜除去:フッ素系ガスによるガス置換法
耐摩耗熱処理:窒化処理
窒化処理条件:雰囲気温度570℃、処理時間2時間
「各実施例の評価」
(1) 耐摩耗性
耐摩耗性に関しては、ASTM G99−05や、JIS R1613−1993に規定されているピンオンディスク式の試験で評価した。このピンオンディスク式の摩耗試験は、図4に示すように、円盤22に対して丸棒状の試験片21の端面を押し当て、試験片21に対して円盤22を相対回転させ、所定時間後の試験片21の摩耗量を測る方法である。
(1) 耐摩耗性
耐摩耗性に関しては、ASTM G99−05や、JIS R1613−1993に規定されているピンオンディスク式の試験で評価した。このピンオンディスク式の摩耗試験は、図4に示すように、円盤22に対して丸棒状の試験片21の端面を押し当て、試験片21に対して円盤22を相対回転させ、所定時間後の試験片21の摩耗量を測る方法である。
ここでは、以下の条件で摩耗試験を行った。
円盤:直径60mm、厚さ5mm
試験片(丸棒):直径8mm、長さ23mm
負荷荷重:7kgf(面圧:0.124kgf/mm2)
摩擦速度(試験片に対する円盤の相対回転速度):25rpm
試験時間:5時間
試験環境:大気中、常温
円盤:直径60mm、厚さ5mm
試験片(丸棒):直径8mm、長さ23mm
負荷荷重:7kgf(面圧:0.124kgf/mm2)
摩擦速度(試験片に対する円盤の相対回転速度):25rpm
試験時間:5時間
試験環境:大気中、常温
図5に、以上で説明した摩耗試験結果を示す。なお、図5中の縦軸は、単位負荷荷重当りの摩耗量である比摩耗量である。この比摩耗量は、その値が小さいほど摩耗が少ないことを示し、耐摩耗性が良好であることを示すパラメータである。図3(c)に示した耐摩耗性は、この比摩耗量を指標としている。
浸炭処理又は窒化処理を施した実施例1〜4、比較例1,2は、いずれも、それらの母材(SUS316又はSUS304)より、耐摩耗性が向上している。浸炭処理における雰囲気温度が異なる実施例1(□)の耐摩耗性と比較例1(◇)の耐摩耗性とは、ほぼ同じである。また、窒化処理における雰囲気温度が異なる実施例2(△)の耐摩耗性と比較例2(▽)の耐摩耗性とは、ほぼ同じである。以上の結果、耐摩耗性は、耐摩耗熱処理における雰囲気温度の変化の影響をほとんど受けないことが分かる。
(2)表面硬さ
実施例1〜4、比較例1,2の表面硬さを調べた結果を図6に示す。なお、図6中の縦軸は、図5中の縦軸と同じく比摩耗量であり、図6中の横軸は、表面硬さ(Hv)である。
実施例1〜4、比較例1,2の表面硬さを調べた結果を図6に示す。なお、図6中の縦軸は、図5中の縦軸と同じく比摩耗量であり、図6中の横軸は、表面硬さ(Hv)である。
浸炭処理又は窒化処理を施した実施例1〜4、比較例1,2は、いずれも、それらの母材(SUS316(■)又はSUS304(●))より、表面硬さが向上している。浸炭処理における雰囲気温度が異なる実施例1(□)の硬さと比較例1(◇)の硬さとは、ほぼ同じである。また、窒化処理における雰囲気温度が異なる実施例2(△)の硬さと比較例2(▽)の硬さとは、ほぼ同じである。
また、図6から、耐摩耗性と表面硬さとは、正の相関性があり、表面硬さが向上するに連れて、耐摩耗性が向上することが分かる。
(2) 強度特性
強度特性に関しては、90°曲げ試験で評価した。この曲げ試験では、図7に示すように、ほぼ直方体形状の2個のブロック32と、2個のブロック32間に配置した2枚の当て金板33とで構成される試験装置を用いた。2枚の当て金板33の第一端33aは、いずれも、2個のブロック32間に挟まれている。2枚の当て金板33の第二端33b側は、2個のブロック32の互いに対向している面と隣接した面32bに沿って折り曲げられている。2枚の当て金板33の折曲部は、予め定まられた半径Rの曲面を成している。この曲げ試験では、板状の試験片31の第一端側を2枚の当て金板33で挟み、試験片31の第二端側を折り曲げて、一方の当て金板33の第二端33b側に密着させる。そして、試験片31を折り曲げた状態での表面の割れの有無を調べた。
強度特性に関しては、90°曲げ試験で評価した。この曲げ試験では、図7に示すように、ほぼ直方体形状の2個のブロック32と、2個のブロック32間に配置した2枚の当て金板33とで構成される試験装置を用いた。2枚の当て金板33の第一端33aは、いずれも、2個のブロック32間に挟まれている。2枚の当て金板33の第二端33b側は、2個のブロック32の互いに対向している面と隣接した面32bに沿って折り曲げられている。2枚の当て金板33の折曲部は、予め定まられた半径Rの曲面を成している。この曲げ試験では、板状の試験片31の第一端側を2枚の当て金板33で挟み、試験片31の第二端側を折り曲げて、一方の当て金板33の第二端33b側に密着させる。そして、試験片31を折り曲げた状態での表面の割れの有無を調べた。
90°曲げ試験の結果、実施例1〜4のいずれに関しても、表面の割れはなかった。一方、比較例1に関しては母材が破断し、比較例2に関しては表面の割れが確認された。
よって、材料の曲げ強度(材料強度)は、耐摩耗熱処理における雰囲気温度が低い方が高いことが分かる。
よって、材料の曲げ強度(材料強度)は、耐摩耗熱処理における雰囲気温度が低い方が高いことが分かる。
なお、この曲げ試験で、曲げ強度(材料強度)として定量的な値を得る場合には、例えば、当て金板の折曲部における曲げ半径Rを変えて、割れが発しなかった最大曲げ半径を試料片の厚さで割った値を得ることができる。図3(d)における材料強度は、例えば、このような定量的な値を指標としている。
(3)表面粗さ
実施例1〜4、比較例1,2の表面粗さを調べた結果を図8に示す。なお、ここでは、表面粗さとして、中心線平均粗さ(Ra)及び十点平均高さ(Rz)について調べた。また、ここでの表面粗さは、耐摩耗熱処理工程(S4)後で仕上げのための研磨又は研削工程(S6)前の表面粗さである。
実施例1〜4、比較例1,2の表面粗さを調べた結果を図8に示す。なお、ここでは、表面粗さとして、中心線平均粗さ(Ra)及び十点平均高さ(Rz)について調べた。また、ここでの表面粗さは、耐摩耗熱処理工程(S4)後で仕上げのための研磨又は研削工程(S6)前の表面粗さである。
浸炭処理又は窒化処理を施した実施例1〜4、比較例1,2の表面粗さ(中心線平均粗さ(Ra)及び十点平均高さ(Rz))は、いずれも、それらの母材より大きかった。浸炭処理における雰囲気温度が異なる実施例1と比較例1の表面粗さは、比較例1の方が大きかった。また、同様に、窒化処理における雰囲気温度が異なる実施例2と比較例2の表面粗さは、比較例2の方が大きかった。
よって、表面粗さは、耐摩耗熱処理における雰囲気温度が低い方が小さくなることが分かる。
よって、表面粗さは、耐摩耗熱処理における雰囲気温度が低い方が小さくなることが分かる。
(4)耐食性1(腐食電位)
実施例1〜4、比較例1,2の試験片を所定の腐食雰囲気内に配置して、試験片に電圧をかけ、試験片に電流が流れ始める電位である腐食電位について調べた。この腐食電位は、その値が高いほど耐食性に優れることを示す。
実施例1〜4、比較例1,2の試験片を所定の腐食雰囲気内に配置して、試験片に電圧をかけ、試験片に電流が流れ始める電位である腐食電位について調べた。この腐食電位は、その値が高いほど耐食性に優れることを示す。
ここで、以下の腐食雰囲気で腐食電位について調べた。
腐食雰囲気を形成する溶液:(0.5mol HCl− 0.5mol NaCl)水溶液
腐食雰囲気温度:常温
腐食雰囲気を形成する溶液:(0.5mol HCl− 0.5mol NaCl)水溶液
腐食雰囲気温度:常温
図9に、実施例1〜4、比較例1,2に関する腐食電位を示す。
浸炭処理又は窒化処理を施した実施例1〜4の腐食電位は、いずれも、母材の腐食電位よりも高かった。浸炭処理を高温雰囲気に施した比較例1の腐食電位は、同じ浸炭処理を施した実施例1の腐食電位よりもやや低かった。窒化処理を高温雰囲気に施した比較例2の腐食電位は、同じ窒化処理を施した実施例2の腐食電位よりも低かった。よって、腐食電位は、耐摩耗熱処理における雰囲気温度が低い方が高くなる(耐摩耗性が高くなる)ことが分かる。
浸炭処理又は窒化処理を施した実施例1〜4の腐食電位は、いずれも、母材の腐食電位よりも高かった。浸炭処理を高温雰囲気に施した比較例1の腐食電位は、同じ浸炭処理を施した実施例1の腐食電位よりもやや低かった。窒化処理を高温雰囲気に施した比較例2の腐食電位は、同じ窒化処理を施した実施例2の腐食電位よりも低かった。よって、腐食電位は、耐摩耗熱処理における雰囲気温度が低い方が高くなる(耐摩耗性が高くなる)ことが分かる。
また、腐食電位は、耐摩耗熱処理として、窒化処理を施した場合よりも浸炭処理を施した場合の方が高かった。
(5)耐食性2(活性溶解ピーク密度電流密度)
実施例1〜4、比較例1,2の試験片を所定の腐食雰囲気内に配置して、試験片に電圧をかけ、試験片に電流が流れる活性溶解ピーク電流密度について調べた。この活性溶解ピーク電流密度は、図10に示すように、試験片に各種電圧をかけ、電流密度がピークを示すときの電流密度である。この活性溶解ピーク電流密度は、その値が低いほど耐食性が高いことを示す。
実施例1〜4、比較例1,2の試験片を所定の腐食雰囲気内に配置して、試験片に電圧をかけ、試験片に電流が流れる活性溶解ピーク電流密度について調べた。この活性溶解ピーク電流密度は、図10に示すように、試験片に各種電圧をかけ、電流密度がピークを示すときの電流密度である。この活性溶解ピーク電流密度は、その値が低いほど耐食性が高いことを示す。
ここで、以下の腐食雰囲気でピーク電流密度について調べた。
腐食雰囲気を形成する溶液:(0.5mol HCl− 0.5mol NaCl)水溶液
腐食雰囲気温度:常温
腐食雰囲気を形成する溶液:(0.5mol HCl− 0.5mol NaCl)水溶液
腐食雰囲気温度:常温
図11に、実施例1〜4、比較例1,2に関する活性溶解ピーク電流密度を示す。
耐摩耗性熱処理を施した実施例1〜4の活性溶解ピーク電流密度は、耐摩耗性熱処理を高温雰囲気で施した比較例1,2の活性溶解ピーク電流密度よりも低かった。よって、活性溶解ピーク電流密度は、耐摩耗熱処理における雰囲気温度が低い方が低くなる(耐食性が優れる)ことが分かる。
耐摩耗性熱処理を施した実施例1〜4の活性溶解ピーク電流密度は、耐摩耗性熱処理を高温雰囲気で施した比較例1,2の活性溶解ピーク電流密度よりも低かった。よって、活性溶解ピーク電流密度は、耐摩耗熱処理における雰囲気温度が低い方が低くなる(耐食性が優れる)ことが分かる。
また、活性溶解ピーク電流密度は、耐摩耗熱処理として、窒化処理を施した場合よりも浸炭処理を施した場合の方が低かった。よって、先に説明した腐食電位の試験結果と併せると、塩酸と塩化ナトリウムを含む水溶液に接する環境下で使用される材料を製造する場合には、耐摩耗熱処理として浸炭処理を行うことが好ましい。
(6)耐食性3(HNO3に対する腐食速度)
実施例1〜4、比較例1,2の試験片をHNO3(硝酸)水溶液中に浸漬して、単位時間当たりの試験片の重量減少量である腐食速度について調べた。この腐食速度は、その値が低いほど耐食性に優れることを示す。図3における耐食性は、例えば、この腐食速度、又は後述の腐食減少重量を指標としている。
実施例1〜4、比較例1,2の試験片をHNO3(硝酸)水溶液中に浸漬して、単位時間当たりの試験片の重量減少量である腐食速度について調べた。この腐食速度は、その値が低いほど耐食性に優れることを示す。図3における耐食性は、例えば、この腐食速度、又は後述の腐食減少重量を指標としている。
ここで、以下の条件でHNO3水溶液中での腐食速度について調べた。
水溶液中のHNO3濃度:3wt%
水溶液の温度:85℃
水溶液中のHNO3濃度:3wt%
水溶液の温度:85℃
図12に、実施例1〜4、比較例1,2に関するHNO3水溶液中での腐食速度を示す。
耐摩耗性熱処理を施した実施例1〜4の腐食速度は、母材の腐食速度とほとんど同じであった。一方、SUS316に対して窒化処理を高温雰囲気で施した比較例2の腐食速度は、母材や、実施例1〜4の腐食速度よりも非常に大きかった。
耐摩耗性熱処理を施した実施例1〜4の腐食速度は、母材の腐食速度とほとんど同じであった。一方、SUS316に対して窒化処理を高温雰囲気で施した比較例2の腐食速度は、母材や、実施例1〜4の腐食速度よりも非常に大きかった。
よって、SUS316に対して窒化処理を施した場合、HNO3水溶液に対する腐食速度は、窒化処理における雰囲気温度が低い方が低くなる(耐食性が優れる)、言い換えると、窒化処理における雰囲気温度が高い方が高くなる(耐食性に乏しい)ことが分かる。一方、浸炭処理を施した場合、母材の種類や耐摩耗熱処理の態様に関わらず、HNO3水溶液に対する腐食速度は、母材の腐食速度とほぼ同じである。このため、HNO3水溶液に接する環境下で使用される材料を製造する場合には、耐摩耗熱処理として浸炭処理を行うことが好ましい。
また、SUS304を母材とした場合、HNO3水溶液に対する腐食速度は、浸炭処理を施した実施例3、窒化処理を施した実施例4とSUS304自体の腐食速度とがほぼ同じである。このため、HNO3水溶液に接する環境下で使用される材料を製造する場合には、母材をSUS304にすることが好ましい。
(7)耐食性4(H2SO4に対する腐食減少重量)
実施例1〜4、比較例1,2の試験片をH2SO4(硫酸)水溶液中に配置して、所定時間当たりの減少重量である腐食減少重量について調べた。この腐食減少重量は、その値が低いほど耐食性が高いことを示す。
実施例1〜4、比較例1,2の試験片をH2SO4(硫酸)水溶液中に配置して、所定時間当たりの減少重量である腐食減少重量について調べた。この腐食減少重量は、その値が低いほど耐食性が高いことを示す。
ここで、以下の条件でH2SO4水溶液中で腐食減少重量について調べた。
水溶液中のH2SO4濃度:50wt%
水溶液の温度:25℃
浸漬時間:2時間
水溶液中のH2SO4濃度:50wt%
水溶液の温度:25℃
浸漬時間:2時間
図13に、実施例1〜4、比較例1,2に関するH2SO4水溶液中で腐食減少重量を示す。耐摩耗性熱処理を施した実施例1〜4の腐食減少重量は、母材の腐食減少重量より小さかった。
また、浸炭処理を施した場合、窒化処理を施した場合と比べて、腐食減少量が小さいことが分かった。よって、HCl−NaCl水溶液やHNO3水溶液に対する試験結果と併せると、酸性環境下で使用される材料を製造する場合には、耐摩耗性熱処理工程では浸炭処理を施すことが好ましいことが分かる。
(8)耐食性5(NaClOに対する腐食速度)
実施例1〜4、比較例1,2の試験片をNaClO(次亜塩素酸ナトリウム)水溶液中に配置して、試験片の腐食速度について調べた。この腐食速度は、その値が低いほど耐食性に優れることを示す。
実施例1〜4、比較例1,2の試験片をNaClO(次亜塩素酸ナトリウム)水溶液中に配置して、試験片の腐食速度について調べた。この腐食速度は、その値が低いほど耐食性に優れることを示す。
ここで、以下の条件でNaClO水溶液中での腐食速度について調べた。
水溶液中のNaClO濃度:200ppm
水溶液の温度:25℃
水溶液中のNaClO濃度:200ppm
水溶液の温度:25℃
図14に、実施例1〜4、比較例1,2に関するNaClO水溶液中での腐食速度を示す。耐摩耗性熱処理を施した実施例1〜4の腐食速度は、母材の腐食速度とほとんど同じであった。一方、SUS316に対して窒化処理を高温雰囲気で施した比較例2の腐食速度は、母材や、実施例1〜4の腐食速度よりも非常に大きかった。
よって、SUS316に対して窒化処理を施した場合、NaClO水溶液に対する腐食速度は、窒化処理における雰囲気温度が低い方が低くなる(耐食性が優れる)、言い換えると、窒化処理における雰囲気温度が高い方が高くなる(耐食性に乏しい)ことが分かる。一方、浸炭処理を施した場合、母材の種類や耐摩耗熱処理の態様に関わらず、NaClO水溶液に対する腐食速度は、母材の腐食速度とほぼ同じか若干低くなる。このため、NaClO水溶液に接する環境下で使用される材料を製造する場合には、耐摩耗熱処理として浸炭処理を行うことが好ましい。
(9)耐食性6(NaOHに対する腐食速度)
実施例1〜4、比較例1,2の試験片をNaOH(水酸化ナトリウム)水溶液中に配置して、試験片の腐食速度について調べた。この腐食速度は、その値が低いほど耐食性が高いことを示す。
実施例1〜4、比較例1,2の試験片をNaOH(水酸化ナトリウム)水溶液中に配置して、試験片の腐食速度について調べた。この腐食速度は、その値が低いほど耐食性が高いことを示す。
ここで、以下の条件でNaOH水溶液中での腐食速度について調べた。
水溶液中のNaOH濃度:3wt%
水溶液の温度:85℃
水溶液中のNaOH濃度:3wt%
水溶液の温度:85℃
図15に、実施例1〜4、比較例1,2に関するNaOH水溶液中での腐食速度を示す。
耐摩耗性熱処理を施した実施例1〜4の腐食速度は、母材の腐食速度とほとんど同じかやや低くなった。また、耐摩耗熱処理における雰囲気温度が異なるもの相互での腐食速度もほぼ同じであった。
耐摩耗性熱処理を施した実施例1〜4の腐食速度は、母材の腐食速度とほとんど同じかやや低くなった。また、耐摩耗熱処理における雰囲気温度が異なるもの相互での腐食速度もほぼ同じであった。
よって、NaOH水溶液に接する環境下で使用される材料を製造する場合には、硬化層の形成速度を高めるため、耐摩耗熱処理における雰囲気温度を300℃以上で且つ500℃未満の範囲内で高めの温度にすることが好ましい。
1:母材、10:加熱炉、11:電気ヒータ、16:ガスボンベ、21,31:試験片
Claims (12)
- Crを13wt%以上含む合金で形成れた母材の酸化皮膜を除去する皮膜除去工程と、
前記皮膜除去工程後の前記母材に対して、300℃以上且つ500℃未満の雰囲気下で浸炭処理と窒化処理とのうち少なくとも一方を施す耐摩耗熱処理工程と、
を実行する表面処理方法。 - 前記耐摩耗熱処理工程では、400℃以上且つ500℃未満の雰囲気下で行う、
請求項1に記載の表面処理方法。 - 前記皮膜除去工程では、前記母材を加熱炉内に配置し、前記加熱炉内に前記酸化皮膜中の酸素に換わる元素を含む置換ガスを供給して、ガス置換法で前記酸化皮膜を除去し、
前記皮膜除去工程後、前記加熱炉内の前記置換ガスを前記浸炭処理のための浸炭ガスと前記窒化処理のための窒化ガスとの少なくとも一方の耐摩耗熱処理ガスに置換して、前記耐摩耗熱処理工程を実行する、
請求項1又は2に記載の表面処理方法。 - 前記母材が置かれる雰囲気温度を前記耐摩耗熱処理工程を実行する雰囲気温度にまで高める際の昇温速度は、10℃/min以下である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の表面処理方法。 - 前記耐摩耗熱処理工程後、前記母材が置かれる雰囲気温度を低下させる降温速度は、5℃/min以下である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の表面処理方法。 - 前記母材は、ステンレス鋼又はニッケル基合金である、
請求項1から5のいずれか一項に記載の表面処理方法。 - 前記耐摩耗熱処理工程では、浸炭処理を施し、酸性環境下で使用する材料を形成する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の表面処理方法。 - 前記耐摩耗熱処理工程では、浸炭処理を施し、塩酸と塩化ナトリウムを含む水溶液に接する環境下で使用する材料を形成する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の表面処理方法。 - 前記耐摩耗熱処理工程では、浸炭処理を施し、硝酸水溶液に接する環境下で使用する材料を形成する、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の表面処理方法。 - 前記母材として、SUS304を用いて、硝酸水溶液に接する環境下で使用する材料を形成する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の表面処理方法。 - 前記耐摩耗熱処理工程では、浸炭処理を施し、硫酸水溶液に接する環境下で使用する材料を形成する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の表面処理方法。 - 前記耐摩耗熱処理工程では、浸炭処理を施し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液に接する環境下で使用する材料を形成する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の表面処理方法。
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-
2013
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