JP6005963B2 - アルミナバリア層を有する鋳造製品の製造方法 - Google Patents

アルミナバリア層を有する鋳造製品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6005963B2
JP6005963B2 JP2012067828A JP2012067828A JP6005963B2 JP 6005963 B2 JP6005963 B2 JP 6005963B2 JP 2012067828 A JP2012067828 A JP 2012067828A JP 2012067828 A JP2012067828 A JP 2012067828A JP 6005963 B2 JP6005963 B2 JP 6005963B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
barrier layer
cast product
alumina barrier
cast
treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012067828A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013199672A (ja
Inventor
国秀 橋本
国秀 橋本
暢平 遠城
暢平 遠城
実 日根野
実 日根野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2012067828A priority Critical patent/JP6005963B2/ja
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to ES13764409T priority patent/ES2784652T3/es
Priority to EP13764409.2A priority patent/EP2829628B1/en
Priority to CN201380016092.6A priority patent/CN104204268B/zh
Priority to CA3051675A priority patent/CA3051675C/en
Priority to PCT/JP2013/056240 priority patent/WO2013141030A1/ja
Priority to SG11201403895YA priority patent/SG11201403895YA/en
Priority to CA2868306A priority patent/CA2868306A1/en
Priority to KR1020147022660A priority patent/KR101965925B1/ko
Publication of JP2013199672A publication Critical patent/JP2013199672A/ja
Priority to US14/220,280 priority patent/US20140205802A1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP6005963B2 publication Critical patent/JP6005963B2/ja
Priority to US16/227,970 priority patent/US11072847B2/en
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Description

本発明は、アルミナバリア層を有する鋳造製品及びその製造方法に関するものであり、より具体的には、アルミナバリア層を有する鋳造製品に関するものである。
エチレン製造用反応管や分解管、浸炭熱処理炉のハースロール、ラジアントチューブ、耐メタルダスティング材などの耐熱鋳鋼品では、高温雰囲気に曝されるため、高温強度にすぐれるオーステナイト系の耐熱合金が用いられている。
この種オーステナイト形態熱合金では、高温雰囲気での使用中に表面に金属酸化物層が形成され、この酸化物層がバリアとなって、高温雰囲気下で母材を保護する。
一方、これら金属酸化物としてCr酸化物(主にCrからなる)が形成されてしまうと、緻密性が低いため、酸素や炭素の侵入防止機能が十分ではなく、高温雰囲気下で内部酸化を起こし、酸化物皮膜が肥大化する。また、これらCr酸化物は、加熱と冷却の繰り返しサイクルにおいて剥離し易く、剥離に到らない場合であっても、外部雰囲気からの酸素や炭素の侵入防止機能が十分でないから、皮膜を通じて母材に内部酸化や浸炭を生じる不都合がある。
これに対し、一般的なオーステナイト系耐熱合金よりもAlの含有量を増やすことで、緻密性が高く、酸素や炭素を透過し難いアルミナ(Al)を主体とする酸化物層を母材の表面に形成することが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
しかしながら、Alはフェライト生成元素であるため、含有量が多くなると材料の延性が劣化して高温強度が低下してしまう。この延性の低下傾向は、特にAlの含有量が4%を越えると観察される。
このため、上記特許文献のオーステナイト系耐熱合金は、Alによるバリア機能の向上を期待することはできても、母材の延性低下を招来する不都合がある。
そこで、Al含有量を4%超にすることなくアルミナバリア層の高温安定性を確保することができ、さらに、材料の延性を低下させることなく、高温雰囲気下ですぐれたバリア機能を発揮することのできる鋳造製品を提供するために、特許文献3では、鋳造体の表面粗さ(Ra)が0.05〜2.5μmとなるように内面加工を行なった後、酸化性雰囲気下で熱処理を施すことにより、鋳造体の内面にAlを含むアルミナバリア層が形成され、アルミナバリア層と鋳造体との界面に母材基地よりもCr濃度の高いCr基粒子が分散した鋳造製品を提案している(例えば、特許文献3参照)。
特許文献3の鋳造製品は、安定したアルミナバリア層の存在により、高温雰囲気下での使用において、すぐれた耐酸化性、耐浸炭性、耐窒化性、耐食性等を長期に亘って維持することができる。
特開昭51−78612号公報 特開昭57−39159号公報 国際公開第WO2010/113830号公報
しかしながら、鋳造体への内面加工を通常の仕上げ加工であるスカイビング加工により行なう場合、鋳造体の表面に引っ掻き傷が生ずることがある。この引っ掻き傷部分には、過度に加工歪みが付加され、さらに表面粗さが粗くなってしまうため、表面性状が母材の他の部分と異なることとなる。その結果、続いて行なわれる熱処理工程では、引っ掻き傷部分の最表面にCr酸化物が形成されてしまい、その直下に塊状のAl酸化物が形成されることとなる。
このように引っ掻き傷部分には均一なAlの皮膜が形成されず、Cr皮膜が主として形成されてしまうため、約1080℃以上の高温に長時間曝された場合、Alの皮膜が均一に形成された母材部分に比して、引っ掻き傷部分では酸化皮膜で母材を保護できないから、高温腐食が生じやすくなる。
そこで、これら引っ掻き傷を除去するために、ホーニング加工などの研磨を施すことが考えられるが、加工コストの増大、製造工期の長期化を招く結果となる。
また、上記のようにホーニング加工などの研磨は、鋳造製品が直管である場合、小径であったり長尺であったりすると、全長に亘って加工を行なうことができず、表面粗さの大きい部分が残ってしまうことがある。その結果、これら部分には所望のAl皮膜を形成できないことがある。
さらに、屈曲部分を有する所謂U字管では、予め表面処理及び熱処理を施した直管を加工により屈曲させて作製される。しかしながら、直管を屈曲させたときに屈曲部分に生じる歪み等に起因して、直管の表面に形成されていたアルミナバリア層が剥離してしまうことがある。この現象は特に屈曲部分の内側となる腹側で顕著に観察される。
本発明の目的は、表面全体にアルミナバリア層を形成することのできる鋳造製品及びその製造方法を提供することである。
本発明に係る表面にアルミナバリア層を有する鋳造製品の製造方法は、
高温雰囲気で使用される鋳造製品の製造方法であって、
質量%にて、Cr15%以上Ni18%以上を含有し、Alを2〜4%含有する耐熱合金の鋳造体の表面に多価アルコール液を含む酸溶液による酸処理を施すステップ、
上記酸処理を施した鋳造体に熱処理を施すことで、表面にAlを含むアルミナバリア層を形成する熱処理ステップと、
を含んでいる。
本発明の鋳造製品の製造方法によれば、鋳造体に多価アルコール液を含む酸溶液による酸処理を表面に施すことで表面粗さを調整することができる。
鋳造体は、例え小径、長尺の管体等の研磨加工等が難しいものであっても、対象となる部位の全体に亘って表面粗さを調整することができる。
このように表面粗さの調整を行なった後に熱処理を施すことで、対象となる部位の全体にAlを含むアルミナバリア層を形成することができる。
従って、得られた鋳造製品は、表面全体にAlを含むアルミナバリア層が形成されることとなるから、高温雰囲気での使用において、鋳造体表面だけでなく、接合部においても、酸素、炭素、窒素等の鋳造体内部への侵入を効果的に防止できる。
また、屈曲部を有する管体であっても、屈曲後に酸処理による表面処理を施して表面粗さを調整し、その後熱処理を施すことにより、全体に亘ってAlを含むアルミナバリア層を形成することができる。
本発明の鋳造製品は、鋳造体の耐熱合金が、Al含有量が4%を超えていないので、延性の低下が抑制され、高い高温強度を具える。
このように、本発明の鋳造製品は、対象となる部位の全体に亘って安定したAlを含むアルミナバリア層が存在するから、高温雰囲気下での使用において、すぐれた繰返し耐酸化性、耐浸炭性、耐窒化性、耐食性等を長期にわたって維持することができる。
図1は、発明例である供試No.1の酸処理後熱処理前の表面写真である。 図2は、発明例である供試No.2の酸処理後熱処理前の表面写真である。 図3は、発明例である供試No.3の酸処理後熱処理前の表面写真である。 図4は、発明例である供試No.4の酸処理後熱処理前の表面写真である。 図5は、発明例である供試No.5の酸処理後熱処理前の表面写真である。 図6は、発明例である供試No.6の酸処理後熱処理前の表面写真である。 図7は、発明例である供試No.7の酸処理後熱処理前の表面写真である。 図8は、参考例である供試No.11の酸処理後熱処理前の表面写真である。 図9は、参考例である供試No.12の酸処理後熱処理前の表面写真である。 図10は、比較例である供試No.21の熱処理前の表面写真(酸処理せず)である。 図11は、発明例である供試No.1の熱処理後の表面写真である。 図12は、発明例である供試No.2の熱処理後の表面写真である。 図13は、発明例である供試No.3の熱処理後の表面写真である。 図14は、発明例である供試No.4の熱処理後の表面写真である。 図15は、発明例である供試No.5の熱処理後の表面写真である。 図16は、発明例である供試No.6の熱処理後の表面写真である。 図17は、発明例である供試No.7の熱処理後の表面写真である。 図18は、参考例である供試No.11の熱処理後の表面写真である。 図19は、参考例である供試No.12の熱処理後の表面写真である。 図20は、比較例である供試No.21の熱処理後の表面写真である。 図21は、発明例である供試No.1の断面SEM写真である。 図22は、発明例である供試No.2の断面SEM写真である。 図23は、発明例である供試No.3の断面SEM写真である。 図24は、発明例である供試No.4の断面SEM写真である。 図25は、発明例である供試No.5の断面SEM写真である。 図26は、発明例である供試No.6の断面SEM写真である。 図27は、発明例である供試No.7の断面SEM写真である。 図28は、参考例である供試No.11の断面SEM写真である。 図29は、参考例である供試No.12の断面SEM写真である。 図30は、比較例である供試No.21の断面SEM写真である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明は、Cr15%以上Ni18%以上を含有し、Alを2〜4%含有する耐熱合金について、酸処理による表面処理を施し、その後、熱処理を施すことにより、表面にAlを含む所謂「アルミナバリア層」の形成された鋳造製品を得るものである。なお、本明細書において、「%」は、特に表示がないときは、全て質量%である。
Cr:15%以上
Crは、高温強度及び繰返し耐酸化性へ寄与のため、Crを15%以上含有させる。しかし、含有量があまり多くなると高温クリープ破断強度の低下を招くので上限は50%とする。なお、Crの含有量は23〜35%がより望ましい。
Ni:18%以上
Niは、繰返し耐酸化性及び金属組織の安定性の確保に必要な元素である。また、Niの含有量が少ないと、Feの含有量が相対的に多くなる結果、鋳造体の表面にCr−Fe−Mn酸化物が生成され易くなるため、アルミナバリア層の生成が阻害される。このため、少なくとも18%以上含有させるものとする。70%を超えて含有しても増量に対応する効果が得られないので、上限は70%とする。なお、Niの含有量は28〜45%がより望ましい。
Al:2〜4%
Alは耐浸炭性及び耐コーキング性の向上に有効な元素である。また、本発明では、鋳造体の表面にアルミナバリア層を生じさせるために必要不可欠の元素である。このため、少なくとも2%以上含有させる。しかし、含有量が4%を超えると、前述したように延性が劣化するため、本発明では上限を4%に規定する。なお、Alの含有量は2.5〜3.8%がより望ましい。
その他、下記の成分を含有することが好適である。
C:0.05〜0.7%
Cは、鋳造性を良好にし、高温クリープ破断強度を高める作用がある。このため、少なくとも0.05%を含有させる。しかし、含有量があまり多くなると、Crの一次炭化物が幅広く形成され易くなり、アルミナバリア層を形成するAlの移動が抑制されるため、鋳造体の表面部へのAlの供給不足が生じて、アルミナバリア層の局部的な寸断が起こり、アルミナバリア層の連続性が損なわれる。また、二次炭化物が過剰に析出するため、延性、靱性の低下を招く。このため、上限は0.7%とする。なお、Cの含有量は0.3〜0.5%がより望ましい。
Si:0%を超えて2.5%以下
Siは、溶湯合金の脱酸剤として、また溶湯合金の流動性を高めるために含有させるが、含有量があまり多くなると高温クリープ破断強度の低下を招くので上限は2.5%とする。なお、Siの含有量は2.0%以下がより望ましい。
Mn:0%を超えて3.0%以下
Mnは、溶湯合金の脱酸剤として、また溶湯中のSを固定するために含有させるが、含有量があまり多くなると高温クリープ破断強度の低下を招くので上限は3.0%とする。なお、Mnの含有量は1.6%以下がより望ましい。
希土類元素:0.005〜0.4%
希土類元素とは、周期律表のLaからLuに至る15種類のランタン系列に、YとScを加えた17種類の元素を意味するが、本発明の耐熱合金に含有させる希土類元素は、Ce、La及びNdからなる群のうち少なくとも一種以上が含まれることが好ましい。この希土類元素は、アルミナバリアの生成と安定化の促進に寄与する。
アルミナバリア層の生成を高温の酸化性雰囲気下での加熱処理によって行なう場合は、希土類元素を0.005%以上含有させることでアルミナバリア層生成に有効に寄与する。
一方、あまりに多く含有すると、延性、靱性が悪化するので、上限は0.4%とする。
W:0.5〜10%及び/又はMo:0.1〜5%
W、Moは、基地中に固溶し、基地のオーステナイト相を強化することにより、クリープ破断強度を向上させる。この効果を発揮させるために、W及びMoの少なくとも一種を含有させるものとし、Wの場合は0.5%以上、Moの場合は0.1%以上含有させる。
しかし、W及びMoは、含有量があまり多くなると、延性の低下や、耐浸炭性の劣化を招く。また、Cが多い場合と同じように、(Cr,W,Mo)の幅が幅広く形成され易くなり、アルミナバリア層を形成するAlの移動が抑制されるため、鋳造体の表面部分へのAlの供給不足が生じ、アルミナバリア層の局部的な寸断が起こり、アルミナバリア層の連続性が損なわれ易くなる。また、WやMoは原子半径が大きいため、基地中に固溶することにより、AlやCrの移動を抑制してアルミナバリア層の生成を妨げる作用がある。
このため、Wは10%以下、Moは5%以下とする。なお、両元素を含有する場合でも、合計含有量は10%以下とすることが好ましい。
Ti:0.01〜0.6%、Zr:0.01〜0.6%及びNb:0.1〜3.0%の少なくとも一種
Ti、Zr及びNbは、炭化物を形成し易い元素であり、WやMoほど基地中には固溶しないため、アルミナバリア層の形成には特段の作用は認められないが、クリープ破断強度を向上させる作用がある。必要に応じて、Ti、Zr及びNbの少なくとも一種を含有させることができる。含有量は、Ti及びZrが0.01%以上、Nbが0.1%以上である。
しかし、過剰に添加すると、延性の低下を招く。Nbは、さらに、アルミナバリア層の耐剥離性を低下させる。このため、上限は、Ti及びZrは0.6%、Nbは3.0%とする。
B:0.1%以下
Bは、鋳造体の粒界を強化する作用があるので、必要に応じて含有させることができる。なお、含有量が多くなるとクリープ破断強度の低下を招くため、添加する場合でも0.1%以下とする。
本発明の鋳造体を構成する耐熱合金は、上記成分を含み、残部Feであるが、合金の溶製時に不可避的に混入するP、Sその他の不純物は、この種の合金材に通常許容される範囲であれば存在しても構わない。
<鋳造体>
本発明の鋳造製品を構成する鋳造体は、溶湯を溶製し、金型遠心力鋳造、静置鋳造等により上記組成に鋳造される。
鋳造体の形状は、直管、直管を屈曲してなる屈曲部分を有するU字管等を例示できる。なお、直管の場合、研磨加工等による表面処理が困難な内径、長さのものに特に好適であり、この種の鋳造体として、例えば、内径40mm以下及び/又は長さ3000mm以上の直管を例示できる。また、必要に応じて内面加工や内面ホーニング等の所謂仕上げ加工を施すこともできる。
上記鋳造体には、製品使用時に高温雰囲気と接触することとなる対象部位に酸処理による表面処理を行ない、該部位の表面粗さを調整した上で、酸化雰囲気中での加熱処理を行なうようにしている。
<表面処理(酸処理)>
表面処理は、多価アルコール液を含む酸溶液による酸処理である。この酸処理による表面処理は、製品使用時に高温雰囲気と接触することとなる対象部位の全体に行なうことが望ましい。なお、直管やU字管について、研磨加工などにより仕上げ加工等が行なわれている部分については、研磨加工の届かない部分や、U字管の屈曲部分とその近傍のみに酸処理を施すこともできる。
酸処理は、対象部位の表面粗さが0.05〜2.5(Ra:μm)となるように実施することができる。より望ましくは、表面粗さは0.5〜1.0(Ra:μm)とする。これにより、Cr酸化物スケールの生成を抑えることができ、続く熱処理によりより好適にAlを含むアルミナバリア層を形成することができる。
酸処理は、多価アルコール液を含む酸溶液に対象部位を所定時間浸漬したり、多価アルコール液を含む酸溶液を対象部位に塗布することで行なうことができる。なお、酸処理の後、対象部位に付着している腐食液は水洗い等により洗浄することが望ましい。
酸溶液として、グリセリジア液(硝酸:塩酸:グリセロール=1:3:1)、グリコール液(硝酸:塩酸:エチレングリコール=1:3:1)を例示できる。後述する実施例にて示すとおり、王水(硝酸:塩酸=1:3)のような強酸のみによる酸処理では、表面層が粗くなり、Alは形成され難い。
多価アルコール液として、グリセロールやグリコール等の多価のアルコールを例示できる。酸処理をする際に、強酸のみでは酸化力が強く、対象部位の表面が腐食されすぎて逆に表面粗さが粗くなってしまう。このため、多価アルコール液を酸溶液に添加している。多価アルコール液を添加することで、酸溶液による対象部位の酸化や腐食の度合いを制御、抑制でき、表面粗さを調整できる。1価アルコールに比して、多価アルコール液を用いることで、酸化力を抑制でき、表面粗さの調整をより容易とすることができる。
<熱処理>
上記酸処理が施された鋳造体に、以下の条件の熱処理を行なう。
熱処理は、酸化性雰囲気下にて加熱処理を施すことで実施される。
酸化性雰囲気とは、酸素を20体積%以上含む酸化性ガス、又はスチームやCOが混合された酸化性環境である。また、加熱処理は、900℃以上、好ましくは1000℃以上の温度で行ない、より好ましくは1050℃以上の温度で行ない、加熱時間は1時間以上である。
<鋳造製品>
上記のように、酸処理の後に熱処理を順に行なうことで、対象部位の全体にアルミナバリア層が安定して形成された鋳造製品を得ることができる。
<アルミナバリア層>
本発明の鋳造製品に形成されるアルミナバリア層は、緻密性が高く、外部から酸素、炭素、窒素の侵入を防ぐバリアとしての作用を有する。本発明では、上述のように、鋳造体を、製品使用時に高温雰囲気と接触することとなる部位に酸処理による表面処理を行ない、該部位の表面粗さを調整し、その後に、前記部位を酸化性雰囲気中で加熱処理することにより、鋳造製品の前記表面にアルミナバリア層として連続してAlが形成されるようにする。これにより、鋳造体の対象部位の表面全体にアルミナバリア層を形成することができる。
鋳造体に形成されるアルミナバリア層の厚さは、バリア機能を効果的に発揮するために、0.05μm以上3μm以下に形成され、より望ましくは、アルミナバリア層の厚さは、0.5μm以上1.5μm以下である。
上記Cr−Ni−Al系耐熱合金の組成を有する鋳造体は、小径及び/又は長尺であり研磨加工等により表面処理を施すことができない部位を有する直管は、酸化性雰囲気下で加熱処理を行なうと、表面処理のできなかった部位は表面粗さが大きく、アルミナバリア層が形成されない。このため、これら箇所から酸化や浸炭等の影響を受ける。
また、直管を屈曲してなるU字管については、直管に表面処理、熱処理を施してアルミナバリア層を形成した後、曲げ加工を施すと、屈曲部分に生じる歪み等に起因して、直管の表面、特に屈曲部分の腹側に形成されていたバリア層が剥離してしまうことがある。
さらに、鋳造体の表面にCrを主体とするCr酸化物スケールが分散して形成されて、前述したように剥離し易く、剥離する際にその下にあるアルミナバリア層が一緒に剥がれることもある。
そこで、本発明では、上述のとおり、酸処理により鋳造体の対象となる部位に表面処理を施して表面粗さを調整することにより、対象部位の全体にアルミナバリア層を安定して形成することができる。
なお、本発明の鋳造製品では、製品の表面をSEM/EDXで調べたとき、アルミナバリア層の上に点在するCr酸化物スケールが製品表面の20面積%未満となるようにし、アルミナバリア層が80面積%以上を占めるようにすることが好適である。
また、直管を酸処理の前に屈曲加工し、その後、上記多価アルコール液を含む酸処理を施すことで、アルミナバリア層は屈曲部分の50%以上を被覆し、厚みが0.05μm以上となるようにすることが望ましい。
高周波誘導溶解炉の大気溶解により溶湯を溶製し、金型遠心力鋳造により、質量%にてC:0.4%、Si:1.3%、Mn:1.1%、Cr:24.3%、Ni:34.7%、Al:3.36%、希土類元素:0.25%、W:2.9%、Ti:0.12%、残部Fe及び不可避的不純物である供試管(外径59mm、肉厚8mm、長さ3000mm)を鋳造した。供試No.1〜9は発明例、供試No.11〜12は参考例、供試No.21は比較例である。
すべての供試管について、内面にスカイビング加工を行ない、表面粗さ(Ra)が0.6μmとなるように調整した。
<酸処理>
表1に示すように、発明例である供試No.1〜No.9は、多価アルコール液を含む酸溶液に3分又は10分間浸漬した。
参考例である供試No.11及びNo.12は、多価アルコール液を含まない酸溶液に同様の要領で浸漬した。
酸処理を施した上記発明例及び参考例は、酸処理後に水洗いを行なった。
なお、比較例である供試No.21には酸処理は行なわなかった。
<表面粗さ(Ra)>
上記各供試管から、幅20mm×長さ30mmの供試片を切り出し、各供試片の内面の表面粗さ(Ra)を測定した。また、供試No.1〜No.7、No.11、No.12及びNo.21について、供試片の内面の表面写真を撮影した。
表面粗さ(Ra)の測定結果を表1に、また、供試片の表面写真を図1乃至図10に示す。
表1を参照すると、発明例である供試No.1〜No.9は、酸処理を行なうことで、表面粗さ(Ra)が0.42〜0.74μmの範囲で調整されていることがわかる。また、表面写真の図1乃至図7を参照すると、何れの供試片も表面に光沢があり、スカイビング加工による引っ掻き傷も多価アルコール液を含む酸溶液による酸処理により平滑化されていることがわかる。
供試No.1及びNo.2は、酸処理を行なっていない比較例の供試No.21に比して、表面粗さ(Ra)が大きくなっている。しかしながら、供試No.1及びNo.2の表面写真(図1及び図2)と、比較例である供試No.21の表面写真(図10)を比較すると、供試No.21は、スカイビング加工による引っ掻き傷が縦方向に多数付いているのに対し、供試No.1及びNo.2は、これらの引っ掻き傷がほとんどなくなっていることがわかる。
また、多価アルコール液を含まない酸溶液(王水)に浸漬した参考例である供試No.11及びNo.12は、1.0μmを越える表面粗さ(Ra)であり、その表面写真である図8及び図9を参照すると、表面に光沢がないことがわかる。これは、強酸のみの処理により、表面が腐食により浸食されすぎて、逆に凹凸が生じてしまったためである。
上記より、多価アルコール液を含む酸処理により、表面粗さ(Ra)が適度に調整され、引っ掻き傷のない供試管が得られたことがわかる。
<熱処理>
上記表面処理を施した供試管に対し、大気中(酸素約21%)で1050℃、10時間の加熱を施し、加熱後、炉冷する処理を行なった。
<表面測定>
前記熱処理を行なった後の各供試片について、形成されたアルミナバリア層の層厚(μm)と試験片表面のAl皮膜の面積率(%)を測定した。その測定結果を前述の表1に記載している。
アルミナバリア層の層厚の測定は、SEMにより行なった。なお、アルミナバリア層が生成されなかったもの、アルミナバリア層の一部に厚さ0.5μm未満(厚さゼロを含む)の箇所が断続的に存在するものは、表1中、N(No)の文字を付している。
また、試験片表面のAl皮膜の面積率は、SEM/EDX測定試験機を用い、試験片表面の1.35mm×1mmの領域について、Alの分布状況を面分析によって測定し、その分布量を面積率に換算した。
さらに、熱処理を施した供試No.1〜No.7、No.11、No.12及びNo.21について、供試片の内面の表面写真撮影及び断面SEM分析を行なった。なお、断面SEM分析に際し、供試片にNiメッキを施して、ステンレス鋼シートで覆い、さらにその上から樹脂被覆を施した。
供試No.1〜No.7の表面写真を図11〜図17、断面SEM写真を図21〜図27、供試No.11、No.12及びNo.21の表面写真を図18〜図20、断面SEM写真を図28〜30に夫々示している。
表1を参照すると、発明例である供試No.1〜No.9は、何れも皮膜厚さが0.1〜0.9μmであり、好適なアルミナバリア層が形成されていることがわかる。また、図11乃至図17、図21〜図27を参照しても、表面全体に均一なアルミナバリア層が形成されていることがわかる。これは、多価アルコール液を含む酸溶液により、表面粗さ(Ra)が調整され、スカイビング加工による引っ掻き傷等も平滑となったためである。
発明例どうしを比較すると、多価アルコール液が10%である供試No.1及びNo.2、多価アルコール液が60%である供試No.7は、皮膜の面積率が80%未満であり、他の発明例に比して若干劣っている。
多価アルコール液が10%である供試No.1及びNo.2の皮膜の面積率が低いのは、酸溶液が多くなった結果、多価アルコール液による酸化力の調整を十分行なうことができず、腐食により凹凸が形成されて表面粗さ(Ra)が他の発明例よりも大きくなったためであると考えられる。
また、多価アルコール液が60%である供試No.7の皮膜の面積率が低いのは、多価アルコール液が多くなった結果、酸溶液の酸化力が低下し、腐食による十分な表面粗さ(Ra)の調整ができなかったためと考えられる。
上記より、酸溶液に含まれる多価アルコール液は、10%を越えて40%以下とすることが好適であることがわかる。
一方、参考例である供試No.11及びNo.12は、表1、図18及び図19を参照すると、皮膜の形成が殆んど認められないことがわかる。これは、図28及び図29に示すように、強酸のみによって酸処理を行なった結果、基材の表面が粗くなり、アルミナバリア層の形成が阻害されたためである。
また、比較例である供試No.21については、表1、図20及び図30に示すように、表面粗さ(Ra)は好適であり、皮膜は形成されるが、その形成された皮膜は連続していないことがわかる。これは、スカイビング加工により生じた引っ掻き傷により、アルミナバリア層の形成が阻害されたためである。
上記実施例に示されるように、本発明の鋳造製品は、高い延性を具備しつつ、鋳造体の表面に均一なアルミナバリア層が生成されるから、加熱と冷却の繰り返しサイクルを受けても剥離し難く、また、アルミナバリア層は緻密であることから、高温雰囲気下での使用において、すぐれた繰返し耐酸化性を発揮すると共に、外部雰囲気からの酸素、炭素、窒素等の侵入は効果的に防止され、高温におけるすぐれた繰返し耐酸化性、耐浸炭性、耐窒化性、耐食性等を長期にわたって維持することができる。
本発明は、長尺の鋳造製品や、曲げ加工等を施した鋳造製品などのように、ホーニング加工等を実施できない鋳造製品に対しても適用でき、これにより、好適なアルミナバリア層を形成できる。
本発明は、対象部位の全体にアルミナバリア層が形成された鋳造製品及びその製造方法として有用である。

Claims (8)

  1. アルミナバリア層を有する鋳造製品の製造方法であって、
    質量%にて、Cr15%以上Ni18%以上を含有し、Alを2〜4%含有する耐熱合金の鋳造体の表面に多価アルコール液を含む酸溶液による処理を施すステップ、
    上記酸処理を施した鋳造体に熱処理を施すことで、表面にAlを含むアルミナバリア層を形成する熱処理ステップと、
    を含んでいる表面にアルミナバリア層を有する鋳造製品の製造方法。
  2. 上記酸処理は、硝酸、塩酸及びグリセロールを含むグリセリジア液またはグリコールを含むグリコール液により行なわれる請求項1に記載の鋳造製品の製造方法。
  3. 上記グリセリジア液またはグリコール液に含まれる多価アルコール液が10%を越えて40%以下である請求項1に記載の鋳造製品の製造方法。
  4. 鋳造体は屈曲部を有する管体であって、酸処理の前に、屈曲加工が施される請求項1乃至請求項3の何れかに記載の鋳造製品の製造方法。
  5. 熱処理により、鋳造製品の表面に、厚み0.05μm以上のAlを含むアルミナバリア層が形成される請求項1乃至請求項4に記載の鋳造製品の製造方法。
  6. 鋳造体は、質量%にて、C:0.05〜0.7%、Si:0%を越えて2.5%以下、Mn:0%を越えて3.0%未満、Cr:15〜50%、Ni:18〜70%、Al:2〜4%、希土類元素:0.005〜0.4%、並びに、W:0.5〜10%及び/又はMo:0.1〜5%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる請求項1乃至請求項5の何れかに記載の鋳造製品の製造方法。
  7. 鋳造体は、さらに、質量%にて、Ti:0.01〜0.6%、Zr:0.01%〜0.6%及びNb:0.1〜3.0%の少なくとも一種を含有する請求項6に記載の鋳造製品の製造方法。
  8. 鋳造体は、さらに、質量%にて、B:0.1%を越えて0.1%以下を含有する請求項6又は請求項7に記載の鋳造製品の製造方法。
JP2012067828A 2012-03-23 2012-03-23 アルミナバリア層を有する鋳造製品の製造方法 Active JP6005963B2 (ja)

Priority Applications (11)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012067828A JP6005963B2 (ja) 2012-03-23 2012-03-23 アルミナバリア層を有する鋳造製品の製造方法
KR1020147022660A KR101965925B1 (ko) 2012-03-23 2013-03-07 알루미나 배리어층을 가지는 주조 제품
CN201380016092.6A CN104204268B (zh) 2012-03-23 2013-03-07 具有氧化铝阻挡层的铸造产品及其制造方法
CA3051675A CA3051675C (en) 2012-03-23 2013-03-07 Cast product having alumina barrier layer and method for producing same
PCT/JP2013/056240 WO2013141030A1 (ja) 2012-03-23 2013-03-07 アルミナバリア層を有する鋳造製品及びその製造方法
SG11201403895YA SG11201403895YA (en) 2012-03-23 2013-03-07 Cast product having alumina barrier layer, and method for manufacturing same
ES13764409T ES2784652T3 (es) 2012-03-23 2013-03-07 Producto colado que tiene capa de barrera de alúmina y método para fabricar el mismo
EP13764409.2A EP2829628B1 (en) 2012-03-23 2013-03-07 Cast product having alumina barrier layer, and method for manufacturing same
CA2868306A CA2868306A1 (en) 2012-03-23 2013-03-07 Cast product having alumina barrier layer and method for producing same
US14/220,280 US20140205802A1 (en) 2012-03-23 2014-03-20 Cast product having alumina barrier layer
US16/227,970 US11072847B2 (en) 2012-03-23 2018-12-20 Cast product having alumina barrier layer

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012067828A JP6005963B2 (ja) 2012-03-23 2012-03-23 アルミナバリア層を有する鋳造製品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013199672A JP2013199672A (ja) 2013-10-03
JP6005963B2 true JP6005963B2 (ja) 2016-10-12

Family

ID=49520131

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012067828A Active JP6005963B2 (ja) 2012-03-23 2012-03-23 アルミナバリア層を有する鋳造製品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6005963B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6247977B2 (ja) * 2014-03-28 2017-12-13 株式会社クボタ アルミナバリア層を有する鋳造製品
US11674212B2 (en) 2014-03-28 2023-06-13 Kubota Corporation Cast product having alumina barrier layer
JP6571937B2 (ja) * 2015-01-21 2019-09-04 株式会社クボタ 耐熱管の溶接構造

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59107040A (ja) * 1982-12-09 1984-06-21 Daido Steel Co Ltd 耐食・耐熱合金の製造方法
JPS61210634A (ja) * 1985-03-15 1986-09-18 Toshiba Corp 真空内処理装置
JPH0254751A (ja) * 1988-08-17 1990-02-23 Tadahiro Omi 金属酸化処理装置及び金属酸化処理方法並びに金属装入方法
JP2000008152A (ja) * 1998-06-23 2000-01-11 Sumitomo Metal Ind Ltd デルタアルミナ被覆鋼およびその製造方法
CN102365381B (zh) * 2009-03-31 2013-12-25 株式会社久保田 具有氧化铝阻挡层的铸造制品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013199672A (ja) 2013-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11072847B2 (en) Cast product having alumina barrier layer
JP5451751B2 (ja) アルミナバリア層を有する鋳造製品
JP6068158B2 (ja) アルミナバリア層を有する鋳造製品
JP5500038B2 (ja) 皮膜に対する密着性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼
JP6309576B2 (ja) アルミナバリア層を有するエチレン製造用反応管
JP6037882B2 (ja) 耐スケール剥離性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法
JP6196453B2 (ja) 耐スケール剥離性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法
AU2016321009B2 (en) Steel sheet and enameled product
JP6005963B2 (ja) アルミナバリア層を有する鋳造製品の製造方法
JP6247977B2 (ja) アルミナバリア層を有する鋳造製品
JP5782753B2 (ja) 高Cr高Ni合金管の製造方法および高Cr高Ni合金
WO2019087539A1 (ja) 鋼材と接触して使用される鉄鋼製品
JP5977054B2 (ja) アルミナバリア層を有する鋳造製品の製造方法
JP5491968B2 (ja) 条鋼の製造方法
JP6505415B2 (ja) 加工性と耐食性に優れたFe−Cr−Ni系合金材料の表面処理方法
JP7465955B2 (ja) 拡管加工性が向上した低Crフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法
JP6534721B2 (ja) アルミナバリア層を有する鋳造製品の製造方法
JPH06145900A (ja) 耐酸化性に優れたガラス金型材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140918

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150901

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160405

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160414

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160415

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160823

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160908

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Ref document number: 6005963

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150