JP2015047281A - 遊技機 - Google Patents

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JP2015047281A JP2013180412A JP2013180412A JP2015047281A JP 2015047281 A JP2015047281 A JP 2015047281A JP 2013180412 A JP2013180412 A JP 2013180412A JP 2013180412 A JP2013180412 A JP 2013180412A JP 2015047281 A JP2015047281 A JP 2015047281A
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雅文 宮本
Masafumi Miyamoto
雅文 宮本
田中 健一
Kenichi Tanaka
健一 田中
直之 玉村
Naoyuki Tamamura
直之 玉村
坪井 睦
Mutsumi Tsuboi
睦 坪井
長谷部 剛
Takeshi Hasebe
剛 長谷部
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Delight Co Ltd
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Abstract

【課題】複数の可動体が回転する際の単調さを解消することで興趣の低下を抑制し得る遊技機を提供する。【解決手段】本発明におけるスロットマシンは、図柄表示窓の外側に設けられた移動構造体を備えている。移動構造体は、図柄表示窓を通過して稼働可能であり、フリーズ制御が実行されている際に、移動構造体が稼働する。【選択図】図3

Description

本発明は、ぱちんこ遊技機(一般的に「パチンコ機」とも称される。)や回胴式遊技機
(一般的に「パチスロ機」とも称される。)等の遊技機に関するものである。
パチスロ遊技機として、従来、リールに付されている図柄を表示する図柄表示領域など
を備えるスロットマシンが知られている(例えば、特許文献1参照)。このスロットマシ
ンは、1ゲームの間において、回転しているリールが停止し、停止したリールに付された
図柄の組み合わせが表示されて当選役の当落が知らされる。
特開2013−146599号公報
上記特許文献1に開示されたスロットマシンでは、回転しているリールが停止して1ゲ
ームが実行される。あるいは、いわゆるフリーズ制御が実行された場合には、当選役の当
落の表示とは別にリールの回転が行われることがある。しかし、これらの場合においてリ
ールが回転する場合、回転時におけるリールの表示態様が単調であり、リール(複数の可
動体)の回転に対する楽しみが少なく、興趣の低下を招くおそれがあった。
そこで、本発明の課題は、複数の可動体が回転する際の単調さを解消することで興趣の
低下を抑制し得る遊技機を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明に係る遊技機は、複数の図柄がそれぞれに付されてい
る複数の可動体と、当選役に関する抽選を行う抽選手段と、所定の始動契機に基づいて、
前記複数の可動体を回転稼働させる可動体駆動手段と、回転中の前記複数の可動体を表示
する可動体表示手段と、を備える遊技機であって、前記複数の可動体とは異なる特定可動
体と、前記複数の可動体が回転稼働しているときに、前記特定可動体を駆動させ得る特定
可動体駆動手段と、を備え、前記特定可動体駆動手段は、前記特定可動体を回転稼働中の
前記複数の可動体と重畳連動させることにより、前記可動体駆動手段によって前記複数の
可動体を一の稼働態様で稼働させているにも拘わらず、前記可動体表示手段に表示される
前記複数の可動体の表示態様を複数種類の表示態様とし得る表示態様可変手段を有する、
ことを特徴とする。
本発明に係る遊技機によれば、複数の可動体が回転する際の単調さを解消することで興
趣の低下を抑制することができる。
スロットマシンの分解斜視図である。 扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの分解斜視図である。 スロットマシンの斜視図である。 扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの縦断面図である。 図4のZ1部拡大図である。 コネクタホルダーを移動させた状態を示す図4のZ1部拡大図である。 扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの横断面図である。 (a)は図7のZ2部拡大図、(b)はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図7のZ2部拡大図である。 図8(a)の要部を示す拡大図である。 背板側を示すスロットマシン要部の横断面図である。 ケース部材の分解斜視図である。 ケース部材を後ろから見た斜視図である。 (a),(b)はコネクタホルダーの仮止め状態を説明するケース部材の要部の斜視図である。 配線中継部材の分解斜視図である。 配線中継部材のカバー体を省略した正面図である。 コネクタホルダーの分解斜視図である。 コネクタホルダーの分解斜視図である。 ケース部材を止めるストッパーの斜視図である。 他の形態を示すストッパーの斜視図である。 ケース部材のガイド構造を示す要部の断面図である。 ケース部材のガイド構造を示す要部の断面図である。 把手の他の形態を示す図柄変動表示装置の部分斜視図である。 ケース部材と外本体側のストッパーとの関係を示す要部の斜視図である。 配線窓と図柄変動表示装置のリールとの関係を示す要部の断面図である。 スロットマシン上部の縦断面図である。 メダル放出装置を省略してスロットマシンの下半部を示す斜視図である。 図26の分解斜視図である。 スロットマシンの裏側から放熱口を見た背面図である。 電源装置を示すスロットマシンの一部断面部分正面図である。 電源装置を下から見上げた状態を示す斜視図である。 他の形態を示すもので外本体の側板と電源装置の要部断面図である。 他の形態を示す照明装置の概略断面図である。 透明板と発光ユニットを分解して示す扉形前面部材の斜視図である。 透明板を分解して示す扉形前面部材の斜視図である。 透明板を装着した扉形前面部材の図33A−A線相当断面図である。 ヒンジ金具の分解・組み立て斜視図である。 ヒンジ金具の連鎖を示す線図である。 扉形前面部材を示す要部の横断平面図である。 開く途中の扉形前面部材を示す要部の横断平面図である。 扉形前面部材の上半部を示す裏側から見た斜視図である。 連結具を縦方向に切断した断面斜視図である。 他のヒンジ金具の例を示す扉形前面部材の要部横断平面図である。 図42の扉形前面部材の開く途中を示す要部の横断平面図である。 機種ユニットにおいて画像表示体及び枠部材を開いた状態を示す斜視図である。 連結具を連結したまま扉形前面部材を開いた状態を示す斜視図である。 リール帯の図柄列を平面的に展開した展開図である。 図柄表示窓401部分の拡大図である。 スロットマシンに装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示す概略図である。 各入賞役についての当選確率を示す図である。 各当選役と、これら各当選役に対応して成立する条件装置を示す図である。 各条件装置に対応する図柄の組み合わせ及びメダルの払出数を示す図である。 図51から続く図であり、各条件装置に対応する図柄の組み合わせ及びメダルの払出数を示す図である。 図52から続く図であり、各条件装置に対応する図柄の組み合わせ及びメダルの払出数を示す図である。 スロットマシンにおける基本的な1ゲームの処理手順を示すフローチャートである。 始動処理の処理手順を示すフローチャートである。 遊技状態移行制御処理を示すフローチャートである。 ART移行判定テーブルである。 リール停止処理の処理手順を示すフローチャートである。 判定処理の処理手順を示すフローチャートである。 BBゲーム開始処理の処理手順を示すフローチャートである。 BBゲーム終了判定処理の処理手順を示すフローチャートである。 RBゲーム開始処理の処理手順を示すフローチャートである。 RBゲーム終了判定処理の処理手順を示すフローチャートである。 RTゲーム開始処理の処理手順を示すフローチャートである。 RTゲーム終了判定処理の処理手順を示すフローチャートである。 チャンスRTの進行状況を示す図である。 図66に続く進行状況を示す図である。 チャンスRTで押し順ミスを生じた場合の進行状況を示す図である。 図68に続く進行状況を示す図である。 他のチャンスRTの進行状況を示す図である。 図70に続く進行状況を示す図である。 図71に続く進行状況を示す図である。 図72に続く進行状況を示す図である。 (a)は低確率滞在時状態移行抽選テーブル、(b)は高確率滞在時状態移行抽選テーブルである。 (a)は低確率滞在時チャンスRT移行抽選テーブル、(b)は高確率滞在時チャンスRT移行抽選テーブルである。 出目変換制御の進行状況を示す図である。 図76に続く進行状況を示す図である。 スロットマシンを簡素化して示す正面図である。 移動構造体の移動可能タイミングを説明する説明図である。 移動構造体の可動態様を説明する説明図である。 移動構造体の他の可動態様を説明する説明図である。 他の例のスロットマシンを簡素化して示す正面図である。 さらに他の例のスロットマシンを簡素化して示す正面図である。 (a)は、図柄表示領域を示す説明図、(b)(c)は、図柄表示領域に図柄が表示された状態を示す説明図である。 スロットマシンを簡素化して示す正面図である。 スロットマシンを簡素化して示す正面図である。 スロットマシンにおける図柄表示領域の例を示す説明図である。 スロットマシンを簡素化して示す正面図である。 移動構造体の移動可能タイミングを説明する説明図である。 移動構造体の可動態様を説明する説明図である。 移動構造体の可動態様を説明する説明図である。 スロットマシンを簡素化して示す正面図である。 スロットマシンを簡素化して示す正面図である。
以下に本発明の実施の形態を遊技機たるスロットマシンを例に図面を参照しつつ説明す
る。なお、図1はスロットマシンの分解斜視図、図2は扉形前面部材を省略した状態を示
すスロットマシンの分解斜視図、図3はスロットマシンの斜視図、図4は扉形前面部材を
省略した状態を示すスロットマシンの縦断面図、図5は図4のZ1部拡大図、図6はコネ
クタホルダーを移動させた状態を示す図4のZ1部拡大図、図7は扉形前面部材を省略し
た状態を示すスロットマシンの横断面図、図8(a)は図7のZ2部拡大図、図8(b)
はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図7のZ2部拡大図、図9は図8(a)の要
部を示す拡大図、図10は背板側を示すスロットマシン要部の横断面図、図11はケース
部材の分解斜視図、図12はケース部材を後ろから見た斜視図、図13(a),(b)は
コネクタホルダーの仮止め状態を説明するケース部材の要部の斜視図、図14は配線中継
部材の分解斜視図、図15は配線中継部材のカバー体を省略した正面図、図16,図17
はコネクタホルダーの分解斜視図、図18はケース部材を止めるストッパーの斜視図、図
19は他の形態を示すストッパーの斜視図、図20,図21はケース部材のガイド構造を
示す要部の断面図、図22は把手の他の形態を示す図柄変動表示装置の部分斜視図、図2
3はケース部材と外本体側のストッパーとの関係を示す要部の斜視図、図24は配線窓と
図柄変動表示装置のリールとの関係を示す要部の断面図、図25はスロットマシン上部の
縦断面図、図26はメダル放出装置を省略してスロットマシンの下半部を示す斜視図、図
27は図26の分解斜視図、図28はスロットマシンの裏側から放熱口を見た背面図、図
29は電源装置を示すスロットマシンの一部断面部分正面図、図30は電源装置を下から
見上げた状態を示す斜視図、図31は他の形態を示すもので外本体の側板と電源装置の要
部断面図、図32は他の形態を示す照明装置の概略断面図、図33は透明板と発光ユニッ
トを分解して示す扉形前面部材の斜視図、図34は透明板を分解して示す扉形前面部材の
斜視図、図35は透明板を装着した扉形前面部材の図33A−A線相当断面図、図36は
ヒンジ金具の分解・組み立て斜視図、図37はヒンジ金具の連鎖を示す線図、図38は扉
形前面部材を示す要部の横断平面図、図39は開く途中の扉形前面部材を示す要部の横断
平面図、図40は扉形前面部材の上半部を示す裏側から見た斜視図、図41は連結具を縦
方向に切断した断面斜視図、図42は他のヒンジ金具の例を示す扉形前面部材の要部横断
平面図、図43は図42の扉形前面部材の開く途中を示す要部の横断平面図、図44は機
種ユニットにおいて前面開閉部材を開いた状態を示す斜視図、図45は連結具を連結した
まま扉形前面部材を開いた状態を示す斜視図である。
本発明のスロットマシン1は、図1及び図2に示すように、前面が開口する箱形の外本
体100と、該外本体100の前面に回転軸100aをもって横開きの扉状に回動可能に
取り付けた扉形前面部材200と、複数の図柄を駆動手段で変動させる図柄変動表示装置
300と、前記外本体100に対し着脱自在であって前面に開口部401を有するケース
部材400と、任意の画像を表示する画像表示体500と、を有する。
[外本体]
外本体100は、図1〜図4に示したように底板101の左右に側板102,102を
取着すると共に該側板102,102の頂部に天板103を設置して正面視縦長「口」字
形の枠状となし、その枠の背に背板104を固着して前面のみ開口する箱形に形成してな
る。左右の側板102,102は前縁が後傾状態に僅かに傾斜する台形になっており、従
って外本体100の開口は後傾状態の傾きを有する。また、天板103には、遊技機設置
島(図示せず)に設置した状態で該遊技機設置島の上桟600(図25想像線参照)と対
向する領域内に複数(実施形態では4個)の貫通孔132,132…が穿設されている。
[外本体−仕切板]
外本体100内には高さのほぼ中央に棚板状の仕切板105が設けられている。該仕切
板105は金属製であって、図1,図2に示したように中央に突段部106を有する正面
視略凸形であり、両端に形成した垂直な取付片107を外本体100の側板102,10
2内面に固着し、また、後端に形成した垂直な取付片108を外本体100の背板104
内面に固着して取り付けられる。なお、仕切板105の後端の取付片108にはバーリン
グ加工(下孔の孔径をポンチで広げながら短筒状の突起を立ち上げる金属加工)による筒
状突起(図示せず)が形成されており、該筒状突起を外本体100の背板104にプレ加
工した小孔(図示せず)に打ち込んで位置決めされる。また、仕切板105の両横の最奥
部には外本体100の背板104との間に配線用の開口109が形成されている。
[外本体−仕切板−下スペース]
外本体100内の前記仕切板105より下のスペースには、遊技媒体たるメダルを前記
扉形前面部材200の前面下部にあるメダル用受皿201に放出するメダル放出装置11
0と、メダル放出装置110からオーバーフローするメダルを貯めるメダル用補助収納箱
111と、電源装置112等が設けられている。
[外本体−仕切板−下スペース−メダル放出装置]
前記メダル放出装置110は、駆動手段を内蔵した装置本体110aにメダル貯留用の
ホッパ110bを取り付けたものであり、装置本体110aの前面にメダルの放出口11
0cが設けられていて、ホッパ110b内にあるメダルが前記駆動手段の作動により放出
口110cに向けて1枚ずつ送り出される。また、ホッパ110bには溢れたメダルを排
出させるオーバーフロー樋110dが設けてあり、そのオーバーフロー樋110dの突端
下方に前記したメダル用補助収納箱111が臨む。なお、メダル放出装置110のメダル
放出機構は、現在公知のどのようなものを採用してもよく、よって詳細な説明を省略する
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置]
前記電源装置112は、図26〜図30に示したように、外本体100の底板101と
、正面向かって左側の側板102と、背板104の三部材が直交する内側コーナー部分に
取り付けられている。電源装置112は、前記メダル放出装置110等の電気部品に電気
を供給するためのものであって発熱しやすい部品であり、従って外本体100の背板10
4には電源装置112の取付部位に放熱口104aが開設されている。
電源装置112の装置ケース112aは、透明な合成樹脂で形成されている。こうする
ことにより装置ケース112aの内部が見えるから、電源装置112の基板112s(図
30参照)等に対する不正工作の発見が容易になる。装置ケース112aは、上面をカバ
ーする上面板112bと、外本体100の背板104に対向する後面板112cと、該後
面板112cの反対側をカバーする正面板112dと、スロットマシン1の内部に向かう
側をカバーする側面板112eと、上面板112bと側面板112eの境界部分を面取り
形態にカバーする斜面板112fと、底部をカバーする底面板112r(図30参照)で
形成されている。一方、装置ケース112aの、外本体100の側板102に対向する側
の面はカバーされておらず開放状態にあるが、この開放面は外本体100に取り付けた状
態で外本体100の側板102によって塞がれる。
なお、外本体100の側板102には図26,図27に示したように凸面部102aを
設けて段状のガード部102bを形成し、該ガード部102bの下に装置ケース112a
の上面板112bの一側を潜り込ませる仕様になっている。これにより装置ケース112
aの一面をカバーしなくてもガード部102bによって装置ケース112aと側板102
の継ぎ目が塞がれるから異物の差込みが行えない。図31は前記ガード部102bを溝状
にした他の実施形態を示すものであり、この例では装置ケース112aの上面板112b
の縁を側板102側に若干突出させてその先をガード部102bの溝に嵌め込むようにな
っている。
このように電源装置112の装置ケース112aにおいて、外本体100の側板102
に当接する側の面をカバー無しの開放構造にして使用時に前記側板102で塞がるように
した場合は、装置ケース112a内への基板112s等の組み込みが開放面を使って行い
易く、また、装置ケース112aに基板112s等を組み込んだ後の開放面へのカバー付
けが不要であるから作業性が向上する。
前記装置ケース112aの上面板112b、側面板112e、斜面板112f、後面板
112c、底面板112rには多数の通気孔112g,112g…が形成されていて内部
に熱がこもらないようになっている。装置ケース112aは、底部に設けた脚部112h
,112h…によって高床式に持ち上げられており、装置ケース112aの底面板112
rと外本体100の底板101の間に通気空間112iが形成されている。従って、通気
空間112iから底面板112rの通気孔112g,112g…を通って低層の比較的冷
たい空気が装置ケース112a内に導入できる。実施形態の通気空間112iは、外本体
100の前記放熱口104aに連通するようになっているため、機裏の冷たい空気を通気
空間112iに導入することができる。なお、装置ケース112aの後面板112cと底
面板112rの境界部に前記通気空間112iを嵩上げする逆L字形の段部112j(図
30参照)を形成すれば、脚部112hの高さと放熱口104aの高さにズレがあっても
通気空間112iを放熱口104aに連通させることができる。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−固定]
電源装置112は、装置ケース112aの正面板112dの一側辺に対して直角である
取付片112kと、装置ケース112aの後面板112cから外本体100の背板104
に向けて突設した突部112mと、外本体100の背板104に開設した放熱口104a
と、の組合せにより外本体100に固定される。
すなわち、放熱口104aの輪郭は装置ケース112aの後面板112cの輪郭より小
さく形成されており、従って電源装置112は外本体100の背板104に当たって放熱
口104aを通らない。また、装置ケース112aの後面板112cに突設した突部11
2mは、前記放熱口104aに内接する位置にあり、電源装置112の浮き上がり動作に
抗すべく放熱口104aの上辺に内接する水平な突片112m−1と、電源装置112の
横転動作に抗すべく放熱口104aの縦辺に内接する垂直な突片112m−2で構成され
る。従って、電源装置112を外本体100の側板102の内面に沿わせて押し込み、放
熱口104aに突部112mを差し込むだけで、装置ケース112aの後面(奥側)の上
方向(浮き上がり)と図26において右方向(横転)への固定が完了する。もちろん電源
装置112は、下方向に対しては外本体100の底板101によって、また、図26にお
いて左方向に対しては外本体100の側板102によってその動きが規制されるため、放
熱口104aに突部112mを嵌め込むだけの単純な操作で、手前に引っ張る方向以外に
ついて電源装置112の動きが完全に規制できる。
一方、正面板112dに突設した取付片112kにはビス用の透孔112pが複数穿設
されており、該透孔112pの少なくとも1個に木ねじ112qを通して外本体100の
側板102に固定する。これにより手前に引っ張る方向についても電源装置112の動き
が規制されるため、1本の木ねじ112qで外本体100への電源装置112の確実な固
定が可能である。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−電源コード]
電源装置112には外部から電気の供給を受けるための電源コード(図示せず)が接続
されている。そして、従来は前記放熱口104aの横に膨出部を設けてそこから前記電源
コードを引き出すようにしていたが、この位置では電源コードを束ねても地面にすれる危
険性が高い。スロットマシン1は、製造途中で電源を投入する場合があり、そのときに備
えて外本体100の外に電源コードを出しておかなければならないから、製造ライン上で
の移動の際やライン間での移動の際に電源コードが地面にすれたり、スロットマシン1の
底板101の下に入って挟まるおそれがある。
これに対し実施形態の放熱口104aは、その上辺から上に向けてコード引出口104
bを拡張し、そこから電源コードを引き出すようにしている。これにより束ねた電源コー
ドを宙づり状態にぶら下げるに十分な高さが確保できる。よってスロットマシン1を製造
する工程で誤って電源コードを傷めてしまうトラブルが激減する。
以上のように本発明のスロットマシン1は、電源装置112を外本体100の内側コー
ナー部分にセットして1本の木ねじ112qをねじ込むだけで取り付けが完了するため、
従来に比べて電源装置112の取付作業の大幅な省力化が可能である。また、本発明では
、1つの面に対してネジ止めすれば固定が完了するので、特に、固定する部位を電源装置
112の前方(手前)に持ってきた場合は視認しやすく、確実に固定できる。ちなみに、
従来は電源装置112の複数の面或は部材に対してネジ止めする必要があり、特に、背板
104に固定するネジは視認しにくいため忘れる可能性があった。
また、放熱口104aは、電源装置112の冷却手段として必要なものであるから、こ
の放熱口104aを電源装置112の固定に利用しても余分な工程やコストは殆ど発生し
ない。却って、固定のために放熱口104aの位置と電源装置112の位置を一致させる
ことになるから冷却効率が向上する。加えて、装置ケース112aを実施形態のごとく合
成樹脂製にした場合には、取付用の突部112mも一体成形できるため殆どコストが掛か
らない。よって電源装置112の取り付けに要するトータルのコストも従来に比べて削減
できる。
さらにまた、装置ケース112aを合成樹脂製にした場合には、電源装置112の発熱
対策として有用な装置ケース112aの脚部112hや段部112jも殆どコストをかけ
ずに実施できるメリットがある。
[外本体−仕切板−上スペース]
一方、外本体100内の仕切板105より上のスペースには前記ケース部材400が納
められ、また、外本体100の背板104の内面には後述する配線手段の中核となる配線
中継部材113が取り付けられ(図1,図2参照)、さらに背板104には配線中継部材
113より上方に放熱用の通気口133が形成されている。
[扉形前面部材]
図3に扉形前面部材200の表側が、また、図1に扉形前面部材200の裏側が示され
ている。扉形前面部材200は、表側の下方にメダル用受皿201を有し、また、表側の
ほぼ中央に操作部202が設けられている。この操作部202には、メダル投入用の投入
口203と、後述するメイン基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダル
から1枚のみの投入(引き落と)を指示する1枚投入ボタン205と、同じく1回のゲー
ムで使用可能な最高枚数(例えば3枚)の投入を指示するMAX投入ボタン206と、後
述するメダルセレクタ207の中に詰まったメダルをメダル用受皿201に戻すためのメ
ダル返却ボタン208と、メイン基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメ
ダルの貯留解除命令(精算による放出命令)を入力するための貯留解除スイッチ209と
、前記図柄変動表示装置300を作動させる始動レバー210と、図柄変動表示装置30
0の各リール301a,301b,301cを停止させる3個のリール停止ボタン211
a,211b,211c等が設けられている。もちろんここに示した操作部202の構成
は1つの例示であり、これらに限定されるものではない。なお、3個のリール301a,
301b,301cは、解決手段に記載の複数の可動体に相当する。
また、前記投入口203の裏側にはメダルセレクタ207が設けられており、そのメダ
ルセレクタ207の横にメダル樋212が、また、下に返却樋213が接続している。メ
ダルセレクタ207は内蔵したソレノイド(図示せず)をON・OFFさせることによっ
て流路を切り替える公知のものであり、遊技者からのメダルの投入を待つ遊技状態のとき
には流路をメダル樋212側に、また、規定枚数を超えたメダルの投入など、メダルの投
入を拒否する遊技状態のときには流路を返却樋213側に設定する。前記メダル樋212
は、扉形前面部材200が外本体100の前面に被さる閉じ位置にあるときその突端がメ
ダル放出装置110のホッパ110b内に臨むようになっており、投入口203からメダ
ルセレクタ207を通ってメダル樋212に流れたメダルはホッパ110bに行き着く。
一方、前記返却樋213は表側のメダル用受皿201に繋がっており、投入口203から
メダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る
[扉形前面部材−透視窓]
扉形前面部材200は、外本体100の前面全体をカバーする大きさであって、その上
半部は、図33,図34に示したように、透明板214aで覆ったゲーム用の透視窓21
4になっている。実施形態の透視窓214並びに透明板214aは、前記画像表示体50
0と図柄変動表示装置300が上下に並んで見えるよう通常より大きくなっており、扉形
前面部材200と一体の額フレーム216によって画像表示体500と図柄変動表示装置
300の領域が視覚上、上下に区画されている。このように一枚の透明板214aを、画
像表示体500と図柄変動表示装置300の双方をカバーする大きさに設定しておけば、
画像表示体500と図柄変動表示装置300の配置が上下入れ替わっても、そのまま使用
することができる。
[扉形前面部材−透視窓−透明板]
透明板214aは、透明な合成樹脂(例えば耐衝撃性、耐擦傷性、光学特性に優れたゴ
ム入りのメタクリル樹脂、実施形態では三菱レイヨン株式会社製「アクリペット(登録商
標)IR D30」を使用)をほぼ逆さ台形にした上広がりの形態であって、底辺を除く
三辺(左右側辺と上辺)の周縁に、遊技者と向かい合う側を前面としてその前面側に膨出
する縁部材214b,214b,214bを、樹脂成型用型枠を用いての樹脂成型時に一
体成型してなる。このように平らな板状の透明板214aの周縁に縁部材214bを一体
に成型した場合には、縁部材214bが補強バーになって透明板214a全体の強度を高
めるため、透明板214aが上記のように画像表示体500と図柄変動表示装置300の
双方をカバーする程度に大きくても撓みや歪みが生じにくい。
前記縁部材214bは、図35に示したように、後面側に開口する殻構造(中実でなく
、内部に空間がある殻のような構造であり、各部の肉厚は任意である。)になっており、
その内部空間に発光ユニット217と、必要に応じて例えば表面に模様や文字を施した装
飾部材(図示せず)が組み込まれる。
なお、図34では、発光ユニット217が扉形前面部材200に取り付けられているよ
うに描かれているが、実際の発光ユニット217は、図35に示したように縁部材214
bの中に嵌め込まれている。従って、透明板214aと発光ユニット217は、一体の部
品として取り扱われる。
縁部材214bの形状は図示したものに限定されず、発光ユニット217や装飾部材の
デザインに合わせて任意に変更可能である。また、縁部材214bを設ける部位も実施形
態のように透明板214aの周縁の三辺に限定されず、最低限、何れかの一辺に設けるだ
けでもよい。
その他、図33,図34において符号218は、透明板214aの上の左右コーナー部
分に設けた固定部材であって、透明板214aの裏側から透孔214c(図33拡大図参
照)に通したビス(図示せず)により、縁部材214bと縁部材214bの間に嵌った図
34の状態で止められている。該固定部材218は、外見上コーナー飾りとしての役割を
果たす一方、扉形前面部材200と透明板214aの夫々の上のコーナー部分に設けた通
孔200a,214d(図33拡大図参照)に対し扉形前面部材200の裏側から通した
ビス(図示せず)に螺合し、もって透明板214aを扉形前面部材200に固定するナッ
ト的な役割を果たす。
また、図33〜図35において、符号217aは発光ユニット217の発光体、217
bは発光体217aを支持する反射部材である。左右に位置する発光ユニット217の反
射部材217bは、図35に示したように、棒状の発光体217aの光をスロットマシン
1の周囲に向けて多く反射するように角度が設定されている。なお、透明板214aの縁
部材214bの内部に発光ユニット217を組み込んだ形態は、発光体217aをスロッ
トマシン1の、より手前側に配置することができるから、あたかも岬の突端にある灯台の
ごとく、光を周囲に向けて放射させる場合に有利である。また、上に位置する発光ユニッ
ト217の反射部材217bは、発光体217a(光源217a−1と導光板217a−
2の組合せ)の光をスロットマシン1の上方に向けて多く反射するように設定されている
以上の構成である発光ユニット217は、遊技中、特に大当たりが出た場合などに点灯
して大当たりの発生を周囲にアピールする演出を行うことができる。このように周囲に対
しアピール度の高い演出を行うことによって、大当りを得た遊技者に注目させることがで
き、多くの者の視線が遊技者に優越感を抱かせるから、遊技がさらに盛り上がる。また、
大当たりが出ていることを周囲にアピールすることにより、その機種の人気が高まり、稼
働率が向上することも期待される。
実施形態の透明板214aは以上のような構成であって、扉形前面部材200の裏側に
設けた凹溝219(図34拡大図参照)に対し、板状の底辺を扉形前面部材200の前面
から斜めに差し入れて建具式に嵌め込み、その状態で透明板214aを直立させて扉形前
面部材200の前面に全ての縁部材214b,214b,214bを当接させ、さらに扉
形前面部材200の裏から通したビス603(図1参照)によって固定する。図35は、
このときの扉形前面部材200の要部を切断したものであり、この図35から明らかなよ
うに、もし仮に、遊技者が扉形前面部材200と縁部材214bの境から異物を無理矢理
差し込んだとしても、その異物の先が縁部材214bの内部を横断して透明板214aの
裏側に到達する余地は殆どない。従って、優れた防犯効果を発揮する。
[扉形前面部材−錠装置]
扉形前面部材200の自由端側の一側には専用キー(図示せず)を使って開閉操作する
錠装置215が設けてある。
[図柄変動表示装置]
図柄変動表示装置300はリール回転式表示装置であって、モータ等の駆動手段303
で個別に回転可能な例えば3個のリール301a,301b,301cと、該リール30
1a,301b,301cを組込み・収容する装置ケース302とを有し、リール301
a,301b,301cの周面に描いた複数の図柄(図示せず)の組合せで遊技を行う周
知のものである。
前記装置ケース302は、あたかも横倒しにした八角柱から正面(遊技者)に向かう3
面を除いた変形六角柱形態であって、底部板304と、天板部305と、図11において
向かって右側の右側板306と、同じく左側の左側板307と、後面を覆う垂直な後部板
308と、天板部305と後部板308の間に設けた上斜板309と、底部板304と後
部板308の間に設けた下斜板310で囲った箱形であり、前記リール301a,301
b,301cの円弧の一部が装置ケース302の正面からはみ出す状態になっている。
また、装置ケース302の天板部305には指掛可能な使用状態と、天板部305に伏
した不使用状態とに変化可能な把手311が設けられており、該把手311に指を掛けて
持ち運ぶようになっている。
このように装置ケース302の天板部305に上記のごとく変化可能な把手311を設
ける構成は、ケース部材400の強度アップ策と密接に関連する。すなわち、実施形態で
は後述するようにケース部材400の開口部401に補強桟402を設け、もってケース
部材400の開口部401に画像表示体500を片持ちさせるに十分な強度を付与してい
るが、そのような補強桟402は開口部401を横切るから装置ケース302のケース部
材400への出し入れに対し、明らかに障害となる。これに対し実施形態のように把手3
11を変化可能にして天板部305に伏させておけば、把手311の出っ張りがなくなる
から、装置ケース302が補強桟402の下を難なく通過できるのである。従って、装置
ケース302の天板部305に上記のように変化可能な把手311を設けてこそ、ケース
部材400の開口部401に該開口部401を横切る向きの補強桟402を設けることが
可能になる。ちなみに、従来の装置ケースは、天部板から把手が出っ張っていてそれが障
害になるため、ケース部材の開口部に補強桟を設ける余地がない。
なお、実施形態の把手311は、立てた使用状態と伏した不使用状態とに揺動して変化
させる構造としたが、把手311を使用状態と不使用状態とに変化させ得る構造は、実施
形態に限定されない。例えば図22に示したように、天板部305に2つのベルト通し3
14,314を切り起こし、該ベルト通し314,314に例えば合成樹脂や革製であっ
て両端に抜け止め部315,315を設けてなる帯状の把手311を挿通し、図22の伏
した不使用状態から中央を引き上げて指掛可能な使用状態に変化させる構造にするなど、
指掛可能な使用状態と、天板部305に伏した不使用状態とに変化可能であれば、どのよ
うな構造であってもよい。
また、実施形態の装置ケース302の底部板304には図4,図11に示したようにフ
ランジ状の下把手316が突設されており、該下把手316をつかんで装置ケース302
を押し込み又は引っ張ることにより、ケース部材400への出し入れが行い易くなってい
る。
[ケース部材]
ケース部材400は、前記外本体100の仕切板105から上のスペースにほぼ合致す
る大きさであって、底板403と、該底板403の左右両横に立設した側板404,40
4と、底板403の後縁に立設した後面板405と、該後面板405と前記側板404,
404の上面を覆う天板406とからなり、前面に開口部401を有する箱形である。
該ケース部材400は、底板403が金属製で、側板404,404、後面板405、
天板406が合成樹脂製であり、側板404,404と天板406の開口部401内面に
金属製の補強部材407,407,407が設けられ、さらに側板404,404の補強
部材407,407の間に開口部401を横切る金属製の補強桟402が掛け渡されてい
る。そして、この補強桟402を境にそれより下が前記図柄変動表示装置300の設置領
域として、また、補強桟402より上の開口部401が前記画像表示体500の設置領域
として、さらにまた、画像表示体500より後方のケース部材400で囲われた領域が配
線作業空間408として割り当てられ、その配線作業空間408の後面板405の内壁面
に、主たる制御基板であるメイン基板409が装着され、さらにメイン基板409以外の
制御基板等(例えば演出制御基板510(図44参))も配線作業空間408内に装着さ
れている。
ケース部材400の天板406には、図1に示したように天窓部443,443が形成
されている。この天窓部443,443は、天板406の強度を保つための補強帯444
を挟んで2つに分けられており、その夫々が前記外本体100の貫通孔132,132…
を通る軸線との交点を含む領域にあり、該貫通孔132,132…より十分に広く開口し
ている。もっとも天窓部443の前側の周縁は前側に位置する貫通孔132の近くに寄せ
られている。そうすることにより天窓部443の周縁を基準として手探りで貫通孔132
が見つけ出せるから、たとえ天窓部443の中を作業者が覗き込めなくとも貫通孔132
の位置が素早く簡単に割り出せる。ここで、天窓部443が本発明の開口部としても機能
している。つまり、ケース部材400の上面に開口部として複数の天窓部443を備える
ことにより、軽量化を図ることができ、輸送時や交換時における作業者の負担を一層軽減
することが可能になる。
ケース部材400の後面板405の外面には図2,図5,図6,図12に示したように
複数のボス410,410が突設されており、該ボス410を外本体100の背板104
にプレ加工したボス孔114,114に嵌めて位置決めされる。なお、このボス410,
410は、図2,図5に示したように後述する配線窓411近くに設けられており、一方
、外本体100側のボス孔114,114は前記配線中継部材113近くに設けられてお
り、これによりケース部材400の配線窓411と背板104の配線中継部材113の位
置決めが正確になる。
一方、ケース部材400の底板403の底面には、図2に示したように凹段部412が
形成されており、該凹段部412が前記仕切板105の突段部106に嵌まり合う。凹段
部412の後面板405側の端部には後方に向かって拡大する向きのテーパ部413が設
けてあり、該テーパ部413に案内され仕切板105の突段部106とケース部材400
の凹段部412との嵌め合わせが円滑に行える。このようにケース部材400の凹段部4
12と仕切板105の突段部106の嵌め合いによってケース部材400が仕切板105
の奥に真っ直ぐに案内されるが、例えば図20に示したように仕切板105に凹溝形態の
レール部材115を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の底板403
に車輪414を設置し、該車輪414をレール部材115の溝内で転がらせるようにして
もよい。或は、図21に示したように仕切板105に凸形態のレール部材116を敷設又
は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の前記車輪414の両端に鍔415,4
15を形成し、該車輪414の鍔415,415でレール部材116を挟ませるようにし
てもよい。
また、ケース部材400は、仕切板105上の所定の位置にセットした状態で、図1,
図2,図18,図23に示した揺動レバー形態のストッパー117で止められている。こ
のストッパー117は、図1,図2に示したように仕切板105の前端部と、天板103
に垂設した2つの取付具118,118とに軸着されており、図18実線のようにケース
部材400の一部に係合する作動姿勢と、図18想像線のようにケース部材400に係合
しない非作動姿勢とを手動で切り替えてケース部材400の仕切板105上における前方
向の動きを規制する。なお、ストッパー117を図19に示したように鍵形にしてケース
部材400に設けた引掛部416に係合させるようにすれば、ケース部材400の仕切板
105上における上方向の動きも規制することができる。
また、天板103の取付具118に軸着したストッパー117は、図23に示したよう
にケース部材400の側板404と天板406のコーナー部に貫設した係止孔442に臨
む位置にあり、ケース部材400を所定の位置に押し込んだ状態でケース部材400の内
側から作動姿勢と非作動姿勢の切り替えが行えるようになっている。
また、ケース部材400の後面板405には外本体100の背板104側に貫通する長
孔形態の配線窓411が開設されている。該配線窓411は、図4,図5,図24に示し
たようにケース部材400に設置した図柄変動表示装置300の装置ケース302の上斜
板309に対応し且つ前記メイン基板409の下側の位置にあり、上斜板309の上にあ
る横長の空きスペース417(或は上斜板309とメイン基板409の間に形成される横
長の三角スペース417と観念してもよい。)と背板104を結ぶ開口として機能する。
また、ケース部材400には図5,図12に示したように空きスペース417の高さの
ほぼ中間位置に棚板状の仮止め部材418(以下「仮止め棚」ともいう。)が設けられて
おり、また、後面板405の外側であって配線窓411の両横にケース部材400の左右
側面に抜ける配線通路たる凹み419,419が形成されている。
なお、前記配線窓411の配置を、図柄変動表示装置300のリール301a,301
b,301cを基準に特定するならば、配線窓411は、図24に示したように図柄変動
表示装置300のリール301a,301b,301cの回転中心を通る水平面HLと、
リール301a,301b,301cの最高高さ位置を通る水平面HHとの間の範囲を下
限とする状態、つまりその範囲内に下辺を置く高さに配置したものである、と言い換える
こともできる。
[画像表示体]
画像表示体500は、例えば、少なくとも液晶ディスプレイ(他にもプラズマディスプ
レイや有機ELディスプレイ等でもよい。)で構成される画像表示可能なパネル形のユニ
ットであり、ケース部材400の前面開口を開閉可能に閉鎖する前面開閉部材90(図4
4参照)としても機能している。なお、画像表示体500は、図11においてケース部材
400の左側の側板404に設けた補強部材407にヒンジ金具420を取り付けて(取
付位置は図11斜線部参照)、該ヒンジ金具420により回動自在に支持されている。
また、図44に示すように、画像表示体500の裏面側には、演出制御基板510が組
付けられている。このため、液晶ディスプレイ等の画像表示体500と演出制御基板51
0とを一体的に構成することが可能になり、取扱いが容易になるとともに、両者を繋ぐ配
線が省略でき、ケース部材400内における配線作業空間408の煩雑さを抑制できる。
また、画像表示体500が開かれると、演出制御基板510がケース部材400内から飛
び出すように出現するため、演出制御基板510に対する作業性を著しく向上させること
ができる。
[画像表示体−ヒンジ金具]
図36は、ヒンジ金具420の分解・組み立て斜視図である。なお、ヒンジ金具420
は、上下が対称な構造であるため、主として上部について説明する。ヒンジ金具420は
、前記ケース部材400の補強部材407に取り付く固定部材420aと、画像表示体5
00の裏側(図36の破線領域500s参照)に取り付く回動部材420bと、該回動部
材420bと固定部材420aを連結する短リンク420c及び長リンク420dで構成
される。
ヒンジ金具420の固定部材420aは、棚板形態である横向きの固定片420eを有
し、該固定片420eの上面に長リンク420dの一端をピンP1で、また、固定片42
0eの下面に短リンク420cの一端をピンP2で回動自在に軸着する。一方、ヒンジ金
具420の回動部材420bは、棚板形態である横向きの軸承片420fを有し、該軸承
片420fの上面に長リンク420dの一端をピンP3で、また、軸承片420fの下面
に短リンク420cの一端をピンP4で回動自在に軸着する。
こうして固定片420eと軸承片420fと長リンク420dと短リンク420c及び
ピンP1〜P4は、図37の線図に示したように四節回転連鎖を構成し、その連鎖の中で
も特に、最短リンクである軸承片420fに向かい合う固定片420eを固定リンクとす
る、いわゆる両てこ機構を構成する。この両てこ機構は、図37(a)〜(c)に示した
ように、画像表示体500の回動軌道を、扉形前面部材200の回転軸100aを中心と
する回動軌道に近似させるべく、それぞれのピン位置が設定されている。つまり、ヒンジ
金具420が回転中心移動機構として機能しており、扉形前面部材200の回動位置が変
化しても、扉形前面部材200の回動外縁側と画像表示体500の回動外縁側との距離が
略一定になるようにしている。
なお、長リンク420dと短リンク420cは、画像表示体500がほぼ90度回動し
た(開いた)状態で上下に重なり合うように重合領域420g,420hが設定されてお
り(例えば長リンク420dの重合領域420gを三角形に膨出させて短リンク420c
の重合領域420hに重なるようにする。)、その重合領域420g,420hの夫々に
ピン孔420i,420jが形成されている。このピン孔420i,420jは、両者を
同軸上に揃えて棒状の止めピン(図示せず)を差し込むことにより長リンク420dと短
リンク420cを連結し、もって両てこ機構をロックして画像表示体500を開いた位置
に固定するためのものである。
[画像表示体−ロック片]
図11,図12に示したように、ケース部材400の縦の補強部材407のうち前記ヒ
ンジ金具420を設けた補強部材407の反対側の補強部材407(図11において向か
って右側)にはロック片421が軸着されており、該ロック片421を図11の状態から
時計回りに回動させるとその先端が画像表示体500の裏側に突設した受部508に係合
し、この状態で画像表示体500がケース部材400の開口部401の上部を閉じた位置
にロックされる。一方、前記ロック片421をロック状態から逆向きに回動させると画像
表示体500のロックが解除され、ヒンジ金具420を中心に回動自在になる。通常、ケ
ース部材400を外本体100に装着する前の状態では画像表示体500を閉じ位置にロ
ックして無用な回動を防止し、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態で
は画像表示体500のロックを解除して回動自在とする。
[画像表示体−連結具]
ところで、外本体100の扉形前面部材200とは別に、ケース部材400に開閉可能
な画像表示体500が設けられることから、ケース部材400内を視認したりケース部材
400内で作業したりする場合には、まず手前側の扉形前面部材200を開放し、その後
さらに奥側の画像表示体500を開放しなければならず、これにより作業性を低下させた
り煩わしさを与えることが懸念される。
そこで、本例のスロットマシン1では、画像表示体500の回動方向を扉形前面部材2
00の回動方向と同方向にするとともに、扉形前面部材200と画像表示体500を適宜
な連結具700で連結し、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500も一緒
に開閉させるようにしてある。これによれば、扉形前面部材200を開放させると、連結
具700を介して画像表示体500も同方向に回動し、ケース部材400の前面が開放さ
れる。つまり、画像表示体500が扉形前面部材200に連れ回ることとなり、一回の横
開き操作によって外本体100内は勿論、ケース部材400の内部までも視認させること
が可能になる。
ここで、前記のように実施形態の扉形前面部材200と画像表示体500とは、ヒンジ
金具420の両てこ機構によって、画像表示体500の回動軌跡が扉形前面部材200の
回転軸100aを回転中心とする回動軌跡に近似するようになっているものの、それでも
なお両者の動きには相対的なずれが生じる。そこで、実施形態の連結具700は、図40
及び図41に示したように、画像表示体500の自由端側の裏面に固定鞘部材701を形
成し、該固定鞘部材701の内部に摺動自在な状態にロッド702を納め、そのロッド7
02の先端を扉形前面部材200の裏面(具体的には錠装置215のベース部材215a
)に対し、止め軸703で回転可能な状態に連結してある。こうすることにより、図39
のように、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500が扉形前面部材200
の付属部品であるかのごとく一緒に開閉し、その際生じる両者の動きの相対的なずれを連
結具700のロッド702が固定鞘部材701に出入りして吸収する。
なお、ロッド702が画像表示体500の回動外縁(自由端)から最も突出したときの
最大突出長さは、画像表示体500が開放位置である場合(例えば90°開放された場合
)の、扉形前面部材200の回動外縁(止め軸703の位置)と画像表示体500の回動
外縁との距離に基づいて設定されている。このため、ロッド702の長さを必要最小限の
長さとすることができ、連結具の大型化を抑制することが可能になる。
また、前記止め軸703は、錠装置215のベース部材215aの一部を曲げて形成し
た支持片215b,215b,215bに対し、上下動自在に装着されており、スプリン
グ703aにより常時下向きに付勢されている。よって、この止め軸703は、スプリン
グ703aの付勢に抗して上動させることが可能であり、上動させて下端を浮かせること
によって前記連結具700のロッド702の着脱が可能である。すなわち、ロッド702
の先端部分に形成された軸孔部702aに対し上方から止め軸703を挿入させ、スプリ
ング703aの付勢力によって保持することが可能になっている。
また、図40において、符号704は連結具700の固定鞘部材701の上面に設けた
弾性的な片持ち梁式のストッパであって、前記止め軸703から外したロッド702を固
定鞘部材701の内部に納めて保持するためのものであり、ロッド702の上面に形成し
た溝705の端部の引掛壁702bに係合してロッド702の盲動を防止する。ロッド7
02には、その側面に摺動方向と直交する方向に摘み片706が突設されており、該摘み
片706を摘んでロッド702を強制的に移動させることにより前記ストッパ704のロ
ックが外れるようになっている。また、固定鞘部材701の先端側底面には、抜止め防止
片701aが垂下され、ロッド702の溝705内に挿入されている。この抜止め防止片
701aは、ロッド702が最も突出した際に引掛壁702bと当接し、ロッド702が
固定鞘部材701から抜け出ることを阻止するものである。
また、図40において、連結具700の近傍にある符号509は、画像表示体500の
回動外縁側の裏面に突設した係合部である。該係合部509は、ケース部材400の開口
部401を横切る補強桟402に係合して、閉じ位置にある画像表示体500の自由端側
の荷重を支えるものである。なお、図11に示したように、補強桟402には、前記係合
部509を補強桟402の上面に円滑に導くべく、画像表示体500に向かって下り傾斜
する滑り台式の案内部402aが設けてある。また、画像表示体500の係合部509は
、画像表示体500とは別の潤滑性に優れた合成樹脂で形成されており、画像表示体50
0に対し着脱自在(交換自在)に装着されている。
ところで、扉形前面部材200と画像表示体500の回動軌跡の相違に起因する動きの
相対的なずれは、上記のような伸縮自在なロッド形式の連結具700の他、柔軟なワイヤ
ーにしても吸収することができる。但し、連結具が柔軟なワイヤー等であると、扉形前面
部材200を閉じる段階で扉形前面部材200が開いたまま停止している画像表示体50
0にぶつかることになって、円滑さを損なうおそれがある。これに対し、例えば画像表示
体500に巻バネなどの付勢手段を設けて常時閉じ方向に付勢するようにすればよい。そ
うすることにより扉形前面部材200の閉じ動作に際し、画像表示体500が上記付勢力
の作用で連結具を引っ張りつつ自力で閉じるから、扉形前面部材200と画像表示体50
0がぶつからない。もちろん扉形前面部材200と画像表示体500の連れ回りのための
手段は上記に限定されない。例えば、上記において連れ回りのための一要素たるヒンジ金
具420は、上記のような両てこ機構の構造に限定されず、図41,図42に示したよう
な、単独のピン420kを中心にして画像表示体500を回動させる単純なものであって
もよい。
ケース部材400に対する画像表示体500の取着手段をヒンジ構造にして該画像表示
体500を扉状に回動させ得る構成に、上記のように画像表示体500を閉じ位置にロッ
クするロック手段(上記のロック片421)を付加した場合には、ケース部材400を外
本体100に装着した状態で原則ロックを継続させ、配線作業空間408内のチェック等
、必要な時にのみロックを解除する、という取り扱いを選択することも可能であり、その
場合には画像表示体500によって配線作業空間408内の重要部品(例えばメイン基板
409や演出制御基板510)がブロックできるから、防犯性能の向上に効果がある。
ケース部材400の開口部401上縁と閉じた画像表示体500の上縁との前後間には
隙間10が設けられており、該隙間10に通した指で天板406の前記補強部材407が
掴めるようになっている。また、ケース部材400の天板406の前方中央部分(天窓部
443,443の間の補強帯444)には把手口422が形成されており、該把手口42
2に通した指で天板406の補強部材407が掴めるようになっている。従ってケース部
材400は、取り扱う場所や姿勢に応じて該把手口422と前記隙間10との適宜な使い
分けが可能である。例えば、ケース部材400を外本体100に組み込む前の搬送時には
把手口422を使って鞄形態に持ち運ぶ方がバランスがよく、一方、ケース部材400を
外本体100に装着した状態では、図4に示したように把手口422が外本体100の奥
に隠れて指が入らないため、前記隙間10から補強部材407に指を掛けてケース部材4
00を引っ張り出す、という具合である。なお、ケース部材400の底板403の正面中
央には前記した装置ケース302の下把手316(図4,図11参照)が突出しており、
該下把手316を持って押し込み又は引っ張ることで外本体100へのケース部材400
の出し入れが容易に行える。この場合の下把手316は、装置ケース302がケース部材
400にビスで固着されていることよりケース部材400と一体であり、従ってケース部
材400の底板403の正面に下把手316が突設されているに等しい。
[画像表示体−枠部材]
画像表示体500は、ケース部材400の開口部401の前記補強桟402から上の領
域のほぼ全部を覆う大きさである。また、画像表示体500の下側には、ケース部材40
0の開口部401の前記補強桟402から下の領域、つまり図柄変動表示装置300の前
方領域を額縁状に囲う枠部材501が一体に垂設されており、該枠部材501により前記
図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cが縁取られる。この枠部
材501の表面は装飾面になっており、適宜な模様等が描かれている。なお、図示しない
が、枠部材501にはLED等の発光源と、その発光源を制御する発光制御基板と、発光
源の前方に配置され光を透過可能な装飾部材とから構成された電飾部が設けられている。
ここで、画像表示体500と枠部材501とを組合せたものを、以下、前面開閉部材90
(図44参照)として説明する。
[画像表示体−枠部材−照明装置]
前記枠部材501の裏側上下には、図4に示したように、照明装置502が設けられて
おり、該照明装置502によって図柄変動表示装置300の図柄が明るく照らされる。枠
部材501は画像表示体500の下に垂設されていて図柄変動表示装置300に近いから
、そのような枠部材501に照明装置502を組み込むことで光源を図柄変動表示装置3
00に近づけることができる。従って枠部材501に照明装置502を組み込む手段は、
従来の照明装置に比べて低光量でも十分な明るさが確保できる、という特徴がある。
実施形態として例示した照明装置502は、図4に示したように、図の紙面と直交する
方向(スロットマシン1の幅方向であってリール301a…の回転軸と同方向)に細長い
帯状の基板503に多数の発光ダイオード(以下LEDという。)504を並べたもので
あり、下側の照明装置502は、上面を例えば乳白色の透光性蓋板505で塞いだチュー
ブ枠506の中にLED504を上向きにして配置し、一方、上側の照明装置502は、
断面上向きコ字状の例えば乳白色である透光性カバー507内にLED504を下向きに
して配置してなる。
なお、上側の照明装置502は、照明方向を図4に示したように真下より遊技者側、す
なわち透明板214a側に向かう斜め下向きに設置してある。実施形態では比較的強い指
向性を持ったLED504の主たる照射領域の中心線L(図4拡大図参照)を透明板21
4aに対し斜めに向かわせるべく、基板503のLED取付面の向きが、前記透明板21
4a側に向けて斜め下向きに傾けられている。
また、もし照明装置502の光源として蛍光灯のような棒状発光体を採用した場合には
、図4の基板503を板状又は光源を包むような凹面状の反射部材に変更し、直射光と反
射光の総和により方向付けられる主たる照射領域の中心線が、透明板214a側の裏面に
斜めに当たるように設定すればよい。以上のように照明装置502の照射照準を透明板2
14aに設定すれば、漏れた一部の光がリール301a,301b,301cの外周面を
照らしても殆ど影響はない。
実験によれば、照明装置502の照明方向をリール301a,301b,301cの周
面側に向けた場合には、湾曲するリール301a,301b,301cの特定部分が強く
反射して見辛くなるのに対し、上記のように主たる照射領域の中心線Lを透明板214a
に対し斜めに向かわせた場合には、透明板214aを介してリール外周面が照らされるこ
とにより、リール301a,301b,301cの広い範囲が明るく見え易くなることが
確認できた。その理由として、照明装置502から照射した光が扉形前面部材200の透
視窓214に嵌めた透明板214aに当たって反射し全体に拡散するか、或は透明板21
4aが明るく照らされることでリール301a,301b,301cの広い範囲が明るく
見えるか、或はそれらの相乗作用によるものと推測される。
以上のような上側の照明装置502の構造は、下側の照明装置502にも採用すること
ができ、もちろん図32に示したように下側の照明装置502にのみ採用することもでき
る。なお、図32は図4の上側の照明装置502を下側に配置し、下側の照明装置502
を上側に配置したものであるため、上記照明装置502の説明の「上」を「下」に読み替
え、「下」を「上」に読み替えればよい。
ところで照明装置502の光源として実施形態のようにLEDを採用した場合には、(
a)低電圧で駆動するため約200Vの高電圧で駆動する従来の冷陰極管より安全性が高
い、(b)冷陰極管より寿命が長い、(c)ガラス管である冷陰極管より丈夫である、(
d)多色発光が可能であるため演出の幅を広げることができる、(e)インバータと組み
合わせて使用する冷陰極管より軽く、従って画像表示体500を支えるヒンジ金具420
の負担が少ない、というメリットがある。
[配線手段]
前記外本体100に取り付けられている例えばメダル放出装置110や電源装置112
及び扉形前面部材200の操作部202にある例えば各投入ボタン205,206や始動
レバー210(以下、これらの総称として単に「本体側電気部品」という場合もある。)
と、ケース部材400にある例えばメイン基板409等(ケース部材側の電気部品の総称
として単に「ケース部材側電気部品」という場合もある。)とは電気的に接続されている
。そして、実施形態のスロットマシン1は、前面開閉部材90とケース部材400とから
なる機種ユニット50(図44及び図45参照)が外本体100に対し着脱自在であるた
め、機種ユニット50の交換等に際して本体側電気部品(筐体側電気部品)とケース部材
側電気部品とを簡単に接続又は切り離すための合理的な配線手段が設けられている。
[配線手段−配線中継部材]
前記のように外本体100の背板104の内面上部には、図14に示した配線中継部材
113が取り付けられている。該配線中継部材113は図4,図5に示したように、前記
ケース部材400の配線窓411に対応する位置にあって該配線窓411からケース部材
400の空きスペース417に臨むようになっている。配線中継部材113は、前記本体
側電気部品につながる本体側配線類119と、前記ケース部材側電気部品につながるケー
ス側配線類423とを中継するものであって、外本体100の背板104にビス止めされ
る取付板120と、該取付板120の前面に被さるカバー体121と、該カバー体121
と前記取付板120の間に納められる複数(実施形態では大小2枚)のコネクタ基板(以
下「コネクタ接続用端子基板」という場合もある。)122,123とからなる。
前記2枚のコネクタ基板122,123のうち、図14,図15において左側に位置す
る大きい方のコネクタ基板122は取付板120に対して固定的に取り付けられており、
前記メイン基板409につながっているハーネス424の先端のコネクタ425と対をな
すコネクタ124が設けられている。
一方、図14,図15において右側に位置する小さい方のコネクタ基板123は、取付
板120とカバー体121の間の隙間に非固定的な遊動可能状態に取り付けられており、
従って図15拡大図に示したように上下方向に移動可能であり、また、左右方向にも移動
し得る。この小さいコネクタ基板123には、メイン基板409以外のケース部材側電気
部品につながっているハーネス426の先端のコネクタ427と対をなすコネクタ125
が設けられている。なお、該コネクタ125と前記コネクタ124は、プリント基板にハ
ンダ付け等の固着手段で固着する基板固着型であり、安価なDIN規格のものが使われて
いる。
また、取付板120の前面に被さるカバー体121は、前記コネクタ124,125が
通る大小2つの開口126,127と、該開口126,127と横並びの位置に突設した
支持筒128と、下半部前方に張り出すトンネル状の配線ダクト129と、を有する。
配線中継部材113に接続する本体側配線類119は、前記配線ダクト129の内部を
通るか、または配線中継部材113の取付板120の下側前面に突設したフック形状の配
線止め130に束ねられた状態で、図1一点鎖線Lに示したように外本体100の側板1
02,102側に振り分けられ、該側板102,102と背板104のコーナー付近でほ
ぼ垂直に向きを変え、その多くは仕切板105の奥に設けた配線用の開口109を通って
本体側電気部品に夫々接続される。もちろん仕切板105より上の領域に本体側電気部品
(例えば図1において側板102の内面に設けた外部中継端子板131)がある場合には
、仕切板105の配線用の開口109とは無関係にそのまま接続される。
ここまでで説明した配線手段から、次のような技術的思想が把握できる。
(a)ケース部材400の後面板405に、図柄変動表示装置300のリール301a,
301b,301cの回転中心を通る水平面とリール301a,301b,301cの最
高高さ位置を通る水平面との間に自己の下辺が位置する高さにして配線窓411を形成す
る。
(b)外本体100の背板104に、本体側電気部品につながる本体側配線類119と、
ケース部材側電気部品につながるケース側配線類423とを中継する配線中継部材113
を設置する。
(c)外本体100の側板102,102の内面沿いに配線を通す上下方向の配線経路を
形成する。
(d)配線中継部材113につながる本体側配線類119をケース部材400の側方に導
き、そこから前記配線経路を通って本体側電気部品に接続する。
以上(a)〜(d)の構成要素を備えた遊技機は、図柄変動表示装置300のリール3
01a,301b,301cの後ろを本体側配線類119が通らず、外本体100の側板
102,102沿い(背板104とのコーナーを含む(図10参照)。)に設けた配線経
路を迂回するため、リール301a,301b,301cを外本体100の背板104近
くにまで寄せることが可能になり、従来の構成、すなわち、本体側配線類119が背板1
04のほぼ中央を下ってリール301a,301b,301cの後ろを通っていた従来の
構成に比べて、リール301a,301b,301cの径を大きくすることができる。な
お、リール301a,301b,301cの径は大きい方が、回転時の迫力が増す。
[配線手段−コネクタ425,427]
上記のように配線中継部材113に設けられている2つのコネクタ124,125には
、ケース部材400のメイン基板409につながっているハーネス424の先のコネクタ
425と、メイン基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス42
6の先のコネクタ427がそれぞれ接続されている。
この2つのコネクタ425,427は、図16に示したように1つのコネクタホルダー
428に一体に取り付けられている。該コネクタホルダー428は、コネクタ425,4
27がビス止めされるホルダー主体429と、ほぼ中央に透孔430を有し前記ホルダー
主体429の両横に突設した板状の取着片431と、該取着片431の透孔430に装着
した周知のボタン形パネルファスナー432(商品名「ナイラッチ」:登録商標)と、か
らなり、図5,図8(a)に示したように配線中継部材113の前記支持筒128の先に
取着片431を当て、該取着片431のボタン形パネルファスナー432を支持筒128
に差し込んでロックしてある。従ってコネクタホルダー428が固定手段たる支持筒12
8に固定され、ひいては配線中継部材113に固定されるため、コネクタ425,427
とコネクタ124,125の結合が外れない。
[配線中継基板−コネクタ425,427−仮止め棚]
上記のようにコネクタ425,427は配線中継部材113のコネクタ124,125
に接続されているが、ケース部材400が外本体100に組み込まれる前、つまり工場出
荷から設置完了までの間、コネクタ425,427は、ケース部材400に設けた仮止め
棚418に仮止めされている。
前記仮止め棚418は、図5,図6,図12,図13に示したようにケース部材400
の内側から前記配線窓411に向かわせた棚板状の部材であり、図6に示したようにコネ
クタホルダー428を載置するほぼ水平なベンチ部433と、そのベンチ部433の両端
に立設したベンチ側板434と、各ベンチ側板434に突設した3本の内向き爪片435
,435,435とを有する。この内向き爪片435,435,435の中央の1本と他
の上下の2本との間にはコネクタホルダー428の取着片431が嵌まり得る間隔が設け
てある。なお、一方のベンチ側板434は、先端に指掛部436を延設した薄板構造であ
って、指掛部436に指を掛け図8(b)矢示X方向に力を加えることにより一端支持の
板バネのごとく外向きに反らせ得るようになっており、その反らせた状態で内向き爪片4
35,435,435からコネクタホルダー428の取着片431が簡単に外れるように
なっている。図8(a)の想像線は指掛部436の先を鍵形に折り曲げた例を示したもの
であり、こうすることにより矢示Yのようにボタンを押す感覚でコネクタホルダー428
の取外しが楽に行える。
しかして、図6に示したように前記仮止め棚418のベンチ部433にコネクタホルダ
ー428を載置し、該コネクタホルダー428の取着片431を図7に示すベンチ側板4
34の内向き爪片435,435,435の間に嵌めることによってコネクタホルダー4
28が仮止め棚418に仮止めされる。もちろん仮止めと言っても、ケース部材400の
輸送中にコネクタホルダー428が仮止め棚418から外れない強度を有する設定になっ
ており、従ってケース部材400が外本体100に組み込まれる前までは、コネクタホル
ダー428と一体のコネクタ425,427はケース部材400に設けた仮止め棚418
に仮止めされて動かない。よってケース部材400を輸送したり、ケース部材400を外
本体100に組み込む作業の最中に、ハーネス424,426の先にあるコネクタ425
,427が、ケース部材400内の部品に当たってその部品はもちろん、自らも損傷する
、というようなおそれがない。
そして、図8(b)→図8(a)に示したように、ケース部材400を外本体100に
固定した後の配線工程で、上記のように一方のベンチ側板434を外向きに反らせてコネ
クタホルダー428を仮止め棚418から外し、そのコネクタホルダー428を自己の取
着片431が配線中継部材113の支持筒128に当たる位置まで移動させれば、コネク
タ425,427が配線中継部材113のコネクタ124,125に嵌まるから(その詳
細は後述する。)、その状態で取着片431のボタン形パネルファスナー432を押し込
んで取着片431を支持筒128にロックする。なお、このとき図5,図6に二点鎖線で
示したように、ベンチ部433にガイド用の案内レール440を設けておけば、コネクタ
ホルダー428を奥に押し込むだけでよいため、作業性が向上する。
以上のようにして配線中継部材113に取り付けたコネクタホルダー428は、外本体
100の背板104を支持基盤として安定し、ケース部材から離間していて接触しないた
め、輸送時の振動等で外本体100と機種ユニット50が相対的に動いても無理な負荷が
加わらない。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。
(a)前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を
備えた外本体と、
(b)前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装
置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、
(c)前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につな
がるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、
(d)前記ケース側配線類の先端に取り付けたコネクタと、
(e)該コネクタに取り付けたコネクタホルダーと、
(f)該コネクタホルダーを仮止めするためケース部材に設けた仮止め部材と、
(g)前記コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、を有し、
(h)機種ユニットを外本体に装着する前の状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材に
仮止めし、機種ユニットを外本体に装着した状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材か
ら固定手段に付け替えてコネクタホルダーのコネクタを配線中継部材に接続するようにし
たことを特徴とする
(i)遊技機。
上記の遊技機は、機種ユニット50の外本体100への装着とコネクタ同士の結合とを
別々に行うようにしたものであるが、これとは対照的に、例えば機種ユニット50に直接
コネクタを取り付け、機種ユニット50を外本体100に押し込む動作で自動的にコネク
タ同士を結合させる、という方式が考えられる。しかしこの方式は、質量の大きな機種ユ
ニット50が輸送中などに外本体100の内部で振動した場合、大きな負担がコネクタ結
合部に掛かるため信頼性に不安があり、その対策にコストが掛かる課題がある。
また、上記の遊技機は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形
前面部材200に対して機種ユニット50を物理的に独立させた構成であるが、これとは
対照的に、扉形前面部材を上下2段に分割し、上部の扉形前面部材を機種ユニット50側
の部品とする遊技機も考えられる。しかし、このような遊技機では、遊技中に興奮した遊
技者が上部の扉形前面部材を叩いた場合にコネクタ結合部に直接衝撃が加わるためコネク
タの結合が不安定になるおそれがあり、さらに上下の扉形前面部材同士の継ぎ目に対し新
たな防犯構造を要する課題がある。
これに対し上記の遊技機は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該
扉形前面部材200に対して機種ユニット50を物理的に独立させた構成であり、さらに
、コネクタホルダー428を配線中継部材113に接続した後、該コネクタホルダー42
8は、図5に示したように外本体100に固定した部品(配線中継部材113)と結合し
機種ユニット50から離間した独立構造になっているため、プリント基板にハンダ付けし
て用いる低コストで一般的なコネクタを使用した場合でも、輸送中においても、遊技中に
おいても信頼性・耐久性に不安がない。また、機種ユニット50のみが機種変更時の交換
対象であり、扉形前面部材200は交換対象とならないため、機種変更のための遊技場の
負担も軽くなる。
[コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合]
前記のようにコネクタ425とコネクタ427は、1つのコネクタホルダー428に取
り付けられている。こうすることによりコネクタホルダー428を配線中継部材113の
所定の位置にセットする1回の動作で2つのコネクタ425,427の接続が完了する。
しかし現実の問題として、2つのコネクタ425,427とコネクタホルダー428とい
う独立した要素を寄せ集めて一体にする構造では、コネクタ425,427とコネクタ1
24,125の「正確な位置決め」という困難な問題に直面する。すなわち2つのコネク
タ425,427と配線中継部材113側のコネクタ124,125の4要素の位置決め
が全て正確でなければ、コネクタ425,124とコネクタ427,125の一括結合は
不可能であるのに、そのような位置決めの精度を量産品レベルのコストで達成するのは困
難だからである。そのような問題を解決する1つの手段として、プリント基板にハンダ付
けすることなく結合時の融通性を高める機構を施したいわゆるドロワーコネクタを使用す
る方法が考えられるが、ドロワーコネクタ自体が高価であるため、まだコスト面の負担が
大きい。
これに対し実施形態の配線手段では、基板支持部材たる配線中継部材113のコネクタ
基板122,123を分割してそれぞれにコネクタ124,125を装着し、そのコネク
タ基板122,123の少なくとも一方を、配線中継部材113の取付板120とカバー
体121の間の隙間に非固定的に納めてコネクタ427とコネクタ125の結合方向と直
交する方向(ここでの「直交」は、厳密な90度にこだわらず、社会通念上のほぼ90度
という程度の意味である。)に遊動可能状態にする手段を講じている。かかる構成におい
てコネクタホルダー428の結合照準をコネクタ425とコネクタ124に定めた場合、
もう一方のコネクタ427とコネクタ125の相対位置に若干の狂いがあっても、コネク
タ基板123が遊動してその狂いを矯正すべく移動するから、コネクタ427とコネクタ
125の結合も可能になる。これにより基板固着型で安価なDIN規格のコネクタで十分
に対応できる。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。
(1)「2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネ
クタとを有する遊技機において、一方のコネクタグループを1つのコネクタホルダーに固
着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループをコネクタ基板に装着し、さらにそ
のコネクタ基板をコネクタ毎に分割してその1つを基板支持部材に固定すると共に他のコ
ネクタ基板を基板支持部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に
取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
(2)「前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品
を備えた外本体と、前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図
柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、前記本体側電気
部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類と
を中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、前記ケース側配線類の先端
に取り付けた2系統以上のコネクタと、該2系統以上のコネクタをコネクタグループとし
て一括支持するコネクタホルダーと、該コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定する
ための固定手段と、前記2系統以上のコネクタグfの各コネクタと対をなしプリント基板
に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、前記背板に取
り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着して
なるコネクタ接続用端子基板と、を有し、該コネクタ接続用端子基板をコネクタ毎に分割
してその1つを前記配線中継部材に固定すると共に他のコネクタ接続用端子基板を配線中
継部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにし
たことを特徴とする遊技機。
(3)「2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネ
クタとを有する遊技機において、一方のコネクタグループをコネクタ基板を介して基板支
持部材に固着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループを1つのコネクタホルダ
ーに装着し、さらにそのコネクタホルダーに対しコネクタグループの中の1つのコネクタ
を固定すると共に他のコネクタをコネクタホルダーに対しコネクタの結合方向と直交する
方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
(4)「前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品
を備えた外本体と、前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図
柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、前記本体側電気
部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類と
を中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、前記ケース側配線類の先端
に取り付けた2系統以上のコネクタと、該2系統以上のコネクタをコネクタグループとし
て一括支持するコネクタホルダーと、該コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定する
ための固定手段と、前記2系統以上のコネクタグループの各コネクタと対をなしプリント
基板に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、前記背板
に取り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着
してなるコネクタ接続用端子基板と、を有し、
前記コネクタホルダーに対しコネクタグループの中の1つのコネクタを固定すると共に他
のコネクタをコネクタホルダーに対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状
態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
以上の遊技機は、固定したコネクタ接続用端子基板のコネクタに照準を合わせてコネク
タホルダーを操作するようにすれば、他のコネクタ同士の相対位置に製造誤差等で若干の
狂いがあっても、非固定のコネクタ接続用端子基板がコネクタごと遊動してその狂いを矯
正すべく移動し誤差を吸収するから、結合照準でないコネクタ同士の結合も可能になる。
従って1つのコネクタホルダーを用いて複数系統のコネクタの一括接続が可能である。し
かも使用しているコネクタは、プリント基板にハンダ付けして用いるような汎用的で安価
な例えばDIN規格のものであり、コストも安い。
また、コネクタホルダーは、ナイラッチ(登録商標)等の固定手段で配線中継部材、ひ
いては該配線中継部材を介して外本体の背板に確実に固定される。一方、コネクタホルダ
ーと機種ユニットの間では、フレキシブルなハーネスを介してつながっているのみであり
、機種ユニットが動いたとしても、その動きはフレキシブルなハーネスが吸収するので、
コネクタホルダーに動きは伝わらない。このため、たとえ輸送中の振動により外本体と機
種ユニットの間に相対的な動きが生じても、コネクタホルダーは、外本体のみと一緒に動
き、機種ユニットの干渉を受けないから、コネクタの結合部には全く負荷が掛からない。
よってコネクタ結合の信頼性が非常に高い。
なお、実施形態のように、小さいコネクタ125に対応する小さいコネクタ基板123
を遊動可能とし、大きいコネクタ425,コネクタ124同士を結合の基準に定める構成
は、その逆の構成に比べてコネクタ425,124,427,125の結合が楽に行える
。小さいコネクタ基板123の方が軽い力で扱えるため、狂いの自動矯正が容易だからで
ある。また、実施形態では、図9のようにコネクタ425,124の方がもう一方のコネ
クタ427,125より先に結合するようになっており、そうすることにより結合照準の
コネクタ同士が合わせやすい。
また、図9に拡大して示したように凸形のコネクタ425,427の凸部先端の周縁角
部及び/又は凹形のコネクタ124,125の差込口の周縁角部に面取り部C(直線的な
面取り、曲線的な面取りのいずれも可)を形成しておけば、面取り部Cのテーパに沿った
誘導作用が、コネクタ同士の結合性をより良好にする。
また、実施形態のように、配線中継部材113のコネクタ基板122,123を遊動可
能にする構成の他、コネクタホルダー428側のコネクタ425,427の何れか一方を
遊動可能にすることも可能であり、その場合も上記と同様の作用効果が得られる。なお、
かかるコネクタホルダー428の具体例を図17に示した。この例では、コネクタホルダ
ー428のホルダー主体429に雌ねじ付きの受筒429aを突設し、一方、コネクタ4
27の両横に遊孔427aを有する耳片427bを形成し、コネクタホルダー428の受
筒429aにコネクタ427の遊孔427aを遊嵌させ、座金付きのビス427cをもっ
て耳片427bの抜け止めとしている。そうすることによりコネクタ427は、コネクタ
ホルダー428に対し、遊孔427aと受筒429aの径の差の範囲で自由に遊動し得る
。この場合のコネクタ基板122,123は、一体にして取付板120に固定すればよい
。また、実施形態では2つのコネクタを1つのコネクタグループとして取り扱ったが、1
つのコネクタグループのコネクタ数は2以上でもよい。
また、実施形態では図4,図12に示したように、ケース部材400の後面板405の
裏側であって、前記図柄変動表示装置300の装置ケース302の下斜板310に向けて
凹ませたケーブル溝437が形成され、該ケーブル溝437の両端近傍にケース部材40
0の側板404(又は後面板405)を貫く配線口438,438が開設されている。こ
の配線口438,438とケーブル溝437は、図柄変動表示装置300とメイン基板4
09等とを接続するためのものであり、図11において図柄変動表示装置300の装置ケ
ース302の向かって右側面(扉形前面部材200の非ヒンジ側の側面)に設けたリール
基板312のケーブル313(図12参照)を1つの配線口438からケース部材400
の外に引き出し、そのケーブル313を図12のようにケーブル溝437に納め、さらに
そのケーブル313の先を他の配線口438からケース部材400の中に戻してメイン基
板409等につなぐようにしてある。なお、ケーブル溝437には所定の間隔でケーブル
止め439が設けられていて、ケーブル溝437からケーブル313が脱落しないように
なっている。
しかしてメイン基板409等とリール基板312は、共にケース部材400の中にある
ケース部材側電気部品であり、本来、ケース部材400の外にケーブル313を引き出す
要はない。それを敢えてケース部材400に配線口438,438とケーブル溝437を
設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにした理由は次のとおりである。
リール基板312の設置場所は、限られたスペースの中でコネクタを抜き差しする配線
の作業性を考慮すると、図柄変動表示装置300(装置ケース302)の側面のうち扉形
前面部材200の非ヒンジ側に相当する側が好ましい。もし逆に、扉形前面部材200の
ヒンジ側に相当する装置ケース302の側面にリール基板312を設けると、開ききった
扉形前面部材200(図1参照。)とリール基板312が近接位置で向かい合うため、コ
ネクタの抜き差しに必要な広い作業空間が確保できないからである。
しかし一方、リール基板312の接続対象たる基板類(メイン基板409,演出制御基
板510,画像表示体500等)の接続部がケース部材400の扉形前面部材200のヒ
ンジ側に相当する側にあると、ケーブル313がケース部材400の内部を横切る格好に
なる。そうすると前記装置ケース302をケース部材400に装着する際にケーブル31
3を噛み込んだり、逆に装置ケース302を引き出す際にケーブル313を引っ掛けるお
それがある。
これに対し上記の実施形態のように、ケース部材400に配線口438,438とケー
ブル溝437を設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにすれば、上記したよう
なケーブル313のトラブルは生じない。また、配線作業は、装置ケース302を所定の
位置から若干引き出した状態で行う方が作業性がよく、それに伴って配線口438からリ
ール基板312までのケーブル313の長さは、配線代とでも言うべき余裕が設けられて
いる。従って装置ケース302を所定の位置にセットした状態でケーブル313に弛みが
生じ、引き出し量によってはケーブル313の弛みが大きくなる。そのようなケーブル3
13の弛みが大きい場合には、配線口438と横並びの位置にある、装置ケース302の
下斜板310とケース部材400の奥のコーナー部分との間に出来る三角スペースにケー
ブル313の弛んだ部分を逃がすことができる。
また、実施形態のようにケーブル溝437を装置ケース302の下斜板310に向かわ
せて膨らませるようにした場合には、ケース部材400の奥と装置ケース302の下斜板
310との間にできるデッドスペースの有効活用に役立つ。なお、配線口438,438
とケーブル溝437を使った配線は、リール基板312のケーブル313に限定する必要
はなく、ケース部材400の内部を横切るケーブル全てに適用できる。
その他、図11中、符号441は機能分離中継端子板である。
以上のように構成されるスロットマシン1は、ケース部材400を外本体100に装着
し、必要な配線を完了した完成品の状態で工場から出荷される。そして、その完成品のま
ま遊技場の遊技機設置島に取り付けられるが、このとき図25想像線のように、外本体1
00の天板103と遊技機設置島の上桟600とを木ねじ等の固定部材601で止める場
合は、扉形前面部材200と画像表示体500を開放し、外本体100の貫通孔132に
対しケース部材400の内側から天窓部443越しに固定部材601を挿通させ、さらに
ドライバー等の工具602で天窓部443越しに固定部材601を締め付けて外本体10
0の天板103と遊技機設置島の上桟600とを固定的に連結する。なお、貫通孔132
は複数設けられているため、必要に応じてその中から任意に選択して使用することができ
る。例えば、上桟600の位置やサイズにばらつきがあってもその上桟600に対応する
貫通孔132を選択することができる。また、遊技機をまるごと入れ替える場合に、使用
する貫通孔132を変更すれば、上桟600の同じ位置に固定部材601の穴が開く弊害
(いわゆる、ばか穴化)が防止できる。
ところで、図25に示したように外本体100とケース部材400の間には隙間Sが形
成されており、画像表示体500等から発生した熱が画像表示体500の冷却ファン(図
示せず)で煽られ、ケース部材400の天窓部443から前記隙間Sを通って背板104
の通気口133に至り、そこから遊技機設置島の内部に抜ける。このとき背板104とケ
ース部材400の間に配線中継部材113がありこれが障壁のごとく作用して前記隙間S
を広範囲に塞ぐから、隙間Sを流れる熱気がこの部分で遮られ、配線中継部材113より
上方にある背板104の通気口133から積極的に外部に放出される。従って放熱効果が
高い。
[各リールの図柄、図柄列]
各リール301a,301b,301cには、図46に示すように、複数種類の図柄が
一定間隔に配置されることで構成された図柄列(配列番号1番から21番までで示した合
計21個の図柄)が表記されたリール帯(図柄帯)が付されている。図46では、各リー
ル301a,301b,301cに付されたそれぞれのリール帯321a,321b,3
21cに表記された図柄列を平面的に展開した状態を示す。なお、図柄列中に配置された
図柄を識別するために上記配列番号を便宜的に記している。
そして、各リール301a,301b,301cは、各々の図柄列中に配置された図柄
のうち、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が開口部401(図柄表示窓ともいう、
以下では図柄表示窓401として統一する)を介して視認可能となるように配置されてい
る(次に説明する図47参照)。
また、図柄の種類は、図46に示すように、「赤で塗りつぶされている「7」図柄(第
1リール配列番号6番等、以下「赤7図柄」という)、「青で塗りつぶされている「7」
図柄(第1リール配列番号17番等、以下「青7図柄」という」)、「BAR図柄」、「
チェリーの図柄が施された「チェリー図柄」」、「リプレイ図柄」、「ベル1図柄」、「
ベル2図柄」、「スイカ図柄」、「義」と記載された図柄(以下では「義図柄」という)
、「正」と記載された図柄(以下では「正図柄」という)がある。
図46において、「赤7図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号3番・6番の
2つ、リール帯321bにおいては配列番号12番の1つ、リール帯321cにおいては
配列番号10番の1つが相当する。「青7図柄」は、リール帯321aにおいては配列番
号16番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号3番の1つ、リール帯321cに
おいては配列番号15番の1つが相当する。「BAR図柄」は、リール帯321aにおい
ては配列番号11番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号6・9番の2つ、リー
ル帯321cにおいては配列番号2番の1つが相当する。「チェリー図柄」」は、リール
帯321aにおいては配列番号10番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号1番
・14番・17番の3つ、リール帯321cにおいては配列番号7番・14番の2つが相
当する。「リプレイ図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号1番・4番・7番・
12番・17番の5つ、リール帯321bにおいては配列番号0番・5番・8番・11番
・16番・の5つ、リール帯321cにおいては配列番号1番・5番・8番・13番・1
7番の5つが相当する。「ベル1図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号13番
・15番・18番の3つ、リール帯321bにおいては配列番号2番・7番・10番・1
5番・18番の5つ、リール帯321cにおいては配列番号9番・12番・16番の3つ
が相当する。「ベル2図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号2番・5番・8番
の3つ、リール帯321cにおいては配列番号0番・4番の2つが相当する。「スイカ図
柄」は、リール帯321aにおいては配列番号9番・14番・19番の3つ、リール帯3
21bにおいては配列番号4番・13番の2つ、リール帯321cにおいては配列番号3
番・6番・11番・20番の4つが相当する。「義図柄」は、リール帯321aにおいて
は配列番号20番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号19番の1つ、リール帯
321cにおいては配列番号18番の1つが相当する。「正図柄」は、リール帯321a
においては配列番号0番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号20番の1つ、リ
ール帯321cにおいては配列番号18番の1つが相当する。なお、図柄の種類は一例で
あって、これらの種類に限られるものではない。
[枠部材]
図47は、図柄表示窓401を含む枠部材501の部分を拡大したところを示している
。図柄表示窓401からは、各リール301a,301b,301cの図柄列中の図柄の
うち、連続する3つの図柄が視認可能となっている。この図柄が表示されている3つの位
置を上から「上段(または上段位置)」(例えば、リール301aの「ベル1図柄」が表
示されている位置)、「中段(または中段位置)」(例えば、リール301bの「リプレ
イ図柄」が表示されている位置)、「下段(または下段位置)」(例えば、リール301
cの「ベル1図柄」が表示されている位置)という。
上記のことから、図柄表示窓401内では、「段数×リールの数」個の図柄を表示させ
ることが可能である。従って、スロットマシン1では「段数(3)×リールの数(3)」
より図柄表示窓401内には最大で9個の図柄を表示させることができる。
枠部材501(表示パネルともいう、以下では表示パネル501として統一する)の左
側端(図柄表示窓401から見て左側には、各種のランプが備えられており、そのうち、
「BET1」,「BET2」,「BET3」と記されているのがBETランプ(ベットラ
ンプ)614である。BETランプの数字(上記の「BET1」,「BET2」,「BE
T3」の1,2,3の数字)はそれぞれベット数(賭け数のこと、賭けたメダルの枚数に
応じた数のこと)に対応している。すなわち、「1」は1ベット(賭けたメダルの枚数は
1枚)、「2」は2ベット(賭けたメダルの枚数は2枚)、「3」は3ベット(MAXベ
ットともいう、賭けたメダルの枚数は3枚)に対応しているということである。
ベット数に応じて有効となる並びが決められている。この「有効となる並び」は有効ラ
インとも呼ばれる。有効ラインは、解決手段に記載の有効表示領域に相当する。以下では
有効ラインと統一して称する。後述する所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ(出目
)は、一つの有効ライン上に並んで表示されてはじめて当該当選役に対応する図柄の組み
合わせ態様として表示されたと判断されるものである。すなわち、所定の当選役に対応す
る図柄を構成する各図柄が図柄表示窓401内に個々に表示されたとしても、それぞれの
図柄がいずれかの有効ライン上に並んでいなければ(すなわち所定の当選役に対応する図
柄の組み合わせが有効ライン上に並んでいなければ)、所定の当選役に対応する図柄の組
み合わせ態様が表示されたとは判断されないことになる。有効ラインは、図柄表示窓40
1に表示された所定個数分、ここでは3個の図柄群を3本のリール301a,301b,
301cにまたがって見た場合に、リール301a,301b,301cのそれぞれにお
いて、複数の図柄から少なくとも1つの図柄を選び出してできる図柄組み合わせ態様のう
ち、当選役に対応する図柄組み合わせ態様が表示されたときに当該図柄組み合わせ態様を
有効とするラインである。なお、このように、所定の当選役に対応する図柄の組合せが有
効ライン上に並んでいない場合は、バラバラな図柄の組み合わせ態様(すなわちハズレの
図柄の組み合わせ)が表示されたと判断される。
次に、ベット数及び有効ラインについて具体的に説明する。本実施形態のスロットマシ
ン1は、3枚賭け専用機であり、通常ゲームでは、メダルを3枚投入するとゲームを実行
することが可能となる。このとき、右上がりの直線型の並び及び右下がりの直線型の並び
が有効ラインとなる。
なお、有効ラインは上記のような右上がりの直線型の並びや右下がりの直線型の並びに
限られるものではない。さらに、本実施形態のスロットマシン1は3枚賭け専用機である
が、これに代えて、ベット数に応じて有効ライン数が変化するようにしてもよい。
本実施形態のスロットマシン1では、上述したとおり、賭け数は3ベット(MAXベッ
ト)のみとし、有効ラインを図47の図柄表示窓401内で「BAR図柄−リプレイ図柄
−義図柄」が表示されているライン(すなわち右上がりライン)623bと、「ベル1図
柄−リプレイ図柄−ベル1図柄」が表示されているライン(すなわち右下がりライン62
3a)の2つのラインのみを有効ラインとしている。
図47の図柄表示窓401内に表示されている図柄の組み合わせは、有効ラインの一つ
である右下がりライン623aに表示されている「ベル1図柄−リプレイ図柄−ベル1図
柄」であり、この図柄の組み合わせは、リプレイ役(再遊技役)に対応する図柄の組み合
わせであるから、次ゲームにおいて、メダルを投入することなく自動ベットされ、前回の
ゲームと同様のゲームを再び実行することが可能となる。なお、有効ライン上に「ベル1
図柄−リプレイ図柄−ベル1図柄」が表示されたとしても、遊技者は、いずれの役の図柄
の組み合わせが表示されたのか、一見して把握し難い。しかし、有効ラインではない中段
ラインに「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」の図柄の組み合せが表示される
ことで、遊技者は、リプレイに入賞したことを把握することが可能となる。
その他、表示パネル501には、スロットマシン1の遊技状態に合わせて点灯(あるい
は点滅)可能なランプ及びLED類が設けられている。これらのランプ類は図の上から、
「ERR」という文字の描かれたエラーランプ604、上記BETランプ614のすぐ下
に位置する、「REP」という文字の描かれたリプレイランプ606、「STR」という
文字の描かれたスタートランプ608、「INS」という文字の描かれたメダルINラン
プ610、及び2つの横並びの7セグメントLEDを備えた払出枚数表示LED612が
それぞれ備えられている。なお、これらの他に後述するボーナスゲームの当選を告知する
ボーナス告知ランプや、ボーナスゲームなどでのメダルの累計払い出し枚数を表示したり
、ボーナスゲームをカウントしたりする7セグメントLED等を別途設けてもよい。
エラーランプ604は、スロットマシン1の遊技中に何かトラブル、故障等が生じた場
合に点灯(あるいは点滅)を開始し、現在トラブル等が生じていることを遊技者等(ホー
ルの係員なども含む)に知らせる役割を持っている。
リプレイランプ606は、ゲーム結果がリプレイ(後述する)となった場合に、再遊技
(新たにメダルを賭けずにもう一度遊技ができること)ができることを遊技者に知らせる
役割を持っている。
スタートランプ608は、ベット数がMAXベットに達すると点灯(あるいは点滅)を
開始し、遊技者に始動レバー210の操作(始動操作)を促す役割を持っている。
メダルINランプ610は、ベット数が最大(MAXベット)になるまで点灯(あるい
は点滅)を続けることにより、遊技者にベットを促す役割を持っている。
払出枚数表示LED612は、ゲーム結果に伴うメダルの払い出しがある場合に、その
払い出し数(払出されるメダルの枚数)を表示することにより、遊技者にメダルの払出枚
数を知らせる役割を持っている。
[スロットマシンの内部構成]
図48は、スロットマシン1に装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材
等の構成を概略的に示している。スロットマシン1は遊技の進行を統括的に制御するため
のメイン基板409を有しており、このメイン基板409にはCPU1110をはじめR
OM1112、RAM1114、入出力インタフェース1116等が実装されている。
前述した1枚投入ボタン205,206や始動レバー210、リール停止ボタン211
a,211b,211c、貯留解除スイッチ209等はいずれもメイン基板409に接続
されており、これら操作ボタン類は図示しないセンサを用いて遊技者による操作を検出し
、検出された操作信号をメイン基板409に出力することができる。具体的には、始動レ
バー210が操作されると前述した図柄変動表示装置300を始動させる(リール301
a,301b,301cの回転を開始させる)操作信号がメイン基板409に出力され、
リール停止ボタン211a,211b,211cが操作されると、リール301a,30
1b,301cをそれぞれ停止させる操作信号がメイン基板409に出力される。メイン
基板409では、始動レバー210の操作信号を検出した場合に、内部当選役を決定する
ための内部抽選を行う。メイン基板409は、解決手段に記載の抽選手段に相当する。
なお、以下では必要に応じて、リール301a,301b,301cをそれぞれ左リー
ル301a,中リール301b,右リール301cと呼ぶ。そして、これに対応するそれ
ぞれのリール停止ボタン211a,211b,211cを左リール停止ボタン211a,
中リール停止ボタン211b,右リール停止ボタン211cと呼ぶ。
またスロットマシン1にはメイン基板409とともにその他の機器類が収容されており
、これら機器類からメイン基板409に各種の信号が入力されている。機器類には、図柄
変動表示装置300のほか、メダル放出装置110等がある。
図柄変動表示装置300はリール301a,301b,301cをそれぞれ回転させる
ためのリール駆動モータ341a,341b,341cを備えている(左リール駆動モー
タ341a、中リール駆動モータ341b、右リール駆動モータ341c)。このリール
駆動モータはステッピングモータからなり、それぞれのリール301a,301b,30
1cは独立して回転、停止することができ、その回転時には図柄表示窓401にて複数種
類の図柄が上から下へ連続的に変化しつつ表示される。リール駆動モータ341a,34
1b,341cは、解決手段に記載の停止制御手段に相当し、リール301a,301b
,301cは、解決手段に記載の図柄表示手段に相当する。
また各リール301a,301b,301cの回転に関する基準位置を検出するための
位置センサ331a,331b,331cを有しており、各リール301a,301b,
301cにはそれぞれ位置センサ331a,331b,331cがリール内に対応して設
けられている(左リール位置センサ331a、中リール位置センサ331b、右リール位
置センサ331c)。これら位置センサからの検出信号(インデックス信号)がメイン基
板409に入力されることで、メイン基板409では各リールの停止位置情報を得ること
ができる。
メダルセレクタ207内には、前述したソレノイド207aや投入センサ207bが設
置されている。投入センサ207bは、メダル投入口203から投入されたメダルを検出
し、メダルの検出信号をメイン基板409に出力する。ソレノイド207aがOFFの状
態のとき、投入されたメダルは投入センサ207bで検出される。逆にソレノイド207
aがONの状態のときは、メダルセレクタ207内で投入センサ207bに到達する通路
がロックアウトされてメダルの投入が受け付けられなくなり、遊技者がメダルを投入して
も、メダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に
戻る。このとき合わせて投入センサ207bの機能が無効化されるので、メダル投入によ
るベットまたはメダルの貯留のいずれも行われなくなる。
メダル放出装置110は、払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ110e
を放出口110c内に有しており、この払出センサ110eからメダル1枚ごとの払出メ
ダル信号がメイン基板409に入力されている。また、遊技メダル用補助収納箱111に
はメダル満タンセンサ111aが設けられており、内部に貯留されたメダルの貯留数が所
定数量を超えた場合、メダルが所定数量を超えた検出信号をメイン基板409に出力する
。このとき画像表示体500、エラーランプ604等によりメダル貯留の異常を知らせる
エラー表示が行われ、遊技者やホール従業員等に異常が発生したことが報知される。
一方、メイン基板409からは、図柄変動表示装置300やメダル放出装置110に対
して制御信号が出力される。すなわち、前述した各リール駆動モータ341a,341b
,341cの起動及び停止を制御するための駆動パルス信号がメイン基板409から出力
される。またメダル放出装置110には、有効ライン上に停止した図柄の組み合わせの種
類に応じてメイン基板409から駆動信号が入力され、これを受けてメダル放出装置11
0はメダルの払い出し動作を行う。このときメダル放出装置110内に払い出しに必要な
枚数のメダルが不足しているか、あるいはメダルが全く無い状態であった場合、払出セン
サ110eによる枚数検出が滞ることとなる。そして所定時間(例えば3秒間)が経過す
ると、払出センサ110eより払い出しメダルの異常信号がメイン基板409へ出力され
、これを受けてメイン基板409は、メダルの払い出しに異常が発生したことを知らせる
内容をエラーランプ604や画像表示体500等に表示させて遊技者やホール従業員等に
異常が発生したことを報知する。
スロットマシン1は、メイン基板409の他に演出制御基板510を備えており、この
演出制御基板510にはCPU1118やROM1120、RAM1122、入出力イン
タフェース1130、VDP(Video Display Processor)11
24、AMP(オーディオアンプ)1126、音源IC1128等が実装されている。演
出制御基板510はメイン基板409から各種の指令信号を受け、画像表示体500の表
示や照明装置502等の発光(または点灯、点滅、消灯等)及びスピーカ512の作動を
制御している。
さらに、メイン基板409に外部中継端子板131を設けた場合には、スロットマシン
1はこの外部中継端子板131を介して遊技場のホールコンピュータ1200に接続され
る。外部中継端子板131はメイン基板409から送信される各種信号(投入メダル信号
や払出メダル信号、遊技ステータス等)をホールコンピュータ1200に中継する役割を
担っている。
その他、電源装置112には、設定キースイッチ112tやリセットスイッチ112u
、電源スイッチ112v等が付属している。これらスイッチ類はいずれもスロットマシン
1の外側に露出しておらず、扉形前面部材200を開けることではじめて操作可能となる
。このうち電源スイッチ112vは、スロットマシン1への電力供給をON−OFFする
ためのものであり、設定キースイッチ112tはスロットマシン1の設定(例えば設定1
〜6)を変更するためのものである。またリセットスイッチ112uはスロットマシン1
で発生したエラーを解除するためのものであり、更には設定キースイッチ112tととも
に設定を変更する際にも操作される。
以上がスロットマシン1の内部構成例である。スロットマシン1によるゲームは、遊技
者がメダルの賭け数を決定した状態で始動レバー210を操作すると各リール301a,
301b,301cが回転し、この後、遊技者がリール停止ボタン211a,211b,
211cを操作すると、対応する各リール301a,301b,301cが停止制御され
、そして、全てのリール301a,301b,301cが停止すると、有効ライン上での
図柄の組み合わせ態様からゲーム結果を判断し、必要に応じて該当する当選役に対応する
規定数のメダルが付与される。
前述したとおり、各リール301a,301b,301cには、それぞれリール帯32
1a,321b,321cが付されている(図46参照)。そして、全てのリール301
a,301b,301cを停止させた際に図柄表示窓401内に表示される表示内容(有
効ライン上に表示された図柄の組み合わせ態様)から所定の当選役に対応する図柄の組み
合わせ態様が表示されたか否かが判断される。具体的には、図柄表示窓401内で前述の
有効ライン(右上がりライン623b及び右下がりライン623a)のうち少なくともい
ずれか1つのラインに所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか
否かが判断される。このとき、右上がりライン623bと右下がりライン623aとで、
別の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して表示された場合には、複数の当選
役に対応する図柄の組み合わせ態様が同時に表示されたと判断されて、それぞれの払出数
を合算した数量のメダルの払い出しが行われる。すなわち、複数の当選役に対応する図柄
の組み合わせ態様が重複して図柄表示窓401内の有効ライン上に表示されるものとなる
以下では、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様がいずれか一つの有効ライン
上に表示された場合のことを、(所定の)当選役に対応する図柄(これを当選役図柄とい
う)の組み合わせが揃う、あるいは当選役図柄が揃った、という。
スロットマシン1の図柄には、「赤7図柄」、「青7図柄」、「BAR図柄」、「チェ
リー図柄」、「リプレイ図柄」、「ベル1図柄」、「ベル2図柄」、「スイカ図柄」、「
義図柄」及び「正図柄」があることは既に述べたとおりであるが、このうち、「赤7図柄
」、「青7図柄」、「BAR図柄」、「義図柄」、及び「正図柄」は他の図柄に比べて目
立ち易く、識別しやすい図柄となっている。ここでいう識別のし易さとは、リールの回転
中や、リールの停止した状態を含めて遊技者が容易に図柄を識別することができる度合い
の高さのことをいう。これらの図柄はリールの回転中もその色彩や図柄の大きさから、遊
技者が停止操作する際に、これらの図柄が図柄表示窓401内に停止されるように狙って
停止操作することが容易となっている(すなわち目押しすることが容易である)。さらに
「義図柄」及び「正図柄」についても、図46を見ても分かるように、「義図柄」と「正
図柄」との2つの図柄で円状を形成するかたちで「正義」と読めるように互いに上下に隣
接して配置されているとともに、各リール301a,301b,301cにおいて1つし
か配置されていないので、目押しすることが容易である。
これらの図柄はそれだけでは象徴的な図柄(図柄1つだけでは当選役に対応しない)に
過ぎないものであるが、所定の組み合わせとなることにより当選役に対応する図柄の組み
合わせとなるものである。すなわち、所定の遊技特典が付与される。以下に、図49に示
された各当選役に対応して許容される図柄の組み合わせ態様について説明する。
[当選役と図柄の組み合わせ]
ここで、スロットマシン1の当選役(入賞役と呼ばれるものを含む)と、これに対応す
る図柄の組み合わせについて、図49、図50及び図51〜53を用いて説明する。図4
9は、スロットマシン1の各入賞役についての当選確率を示す図であり、当たり値判定テ
ーブルとして予めROM1112等に格納されているものである。図50は、各当選役と
、これら各当選役に対応して成立する条件装置を示す図であり、予めROM1112等に
格納されているものである。図51〜53は、各条件装置に対応する図柄の組み合わせ及
びメダルの払出数を示す図であり、これについても予めROM1112等に格納されてい
るものである。
本実施形態のスロットマシン1における遊技状態としては、一般状態、準備RT、準R
T、チャンスRT、ボーナス内部中、及びボーナス中が用意されている。これらの遊技状
態は、メイン基板409及び演出制御基板510によって制御されている。メイン基板4
09では、内部抽選の結果として決定された内部当選役に基づく特典を付与する。さらに
は、演出制御基板510においては、メイン基板409で実行される内部抽選の結果に基
づいて、特典を付与する。ここでの特典としては、当選役に応じたメダルの払出や有利な
遊技状態への移行などがある。メイン基板409及び演出制御基板510は、解決手段に
記載の特典付与手段に相当する。スロットマシン1では、一般状態またはボーナス内部中
においてボーナスに入賞した場合にボーナス中に移行し、ボーナス中が終了した後、一般
状態に移行する。また、一般状態の際、ART付与抽選に当選した場合に準備RTに移行
し、準備RTの際に昇格リプレイに入賞した場合にチャンスRT(ART)に移行する。
ARTでは、移行時にARTの継続ゲーム数が決定され、転落リプレイに入賞した場合、
準RTまたは一般状態に移行する。さらに、ARTの際にゲーム数上乗せ抽選に当選した
場合には、ARTの継続ゲーム数が上乗せされる。
各当選役についての当選確率は、図49に示されるように、遊技状態毎に決められてい
る。なお、図49において「RB1」と記載されている条件装置については、「RB1+
チャンス目1」、「RB1+チャンス目2」、「RB1+スイカ1」、「RB1+スイカ
2」、「RB1+チェリー1」、「RB1+チェリー2」、「RB1+ベル2」があるが
、これらをまとめて「RB1」と記載している。同様に、「BB2」については「BB2
+チャンス目1」、「BB2+チャンス目2」、「BB2+スイカ1」、「BB2+スイ
カ2」、「BB2+チェリー1」、「BB2+チェリー2」、「BB2+ベル2」をまと
めて「BB2」と記載している。さらに、「BB1」については「BB1+チャンス目1
」、「BB1+チャンス目2」、「BB1+スイカ1」、「BB1+スイカ2」、「BB
1+チェリー1」、「BB1+チェリー2」、「BB1+ベル2」をまとめて「BB1」
と記載している。
そして、抽選の結果として何らかの役に当選すると、当選役に応じた条件装置が作動し
、作動した条件装置に基づいた図柄組み合わせが有効ライン上に表示されるように、後述
するリール停止処理が行われる。本実施形態のスロットマシン1では、一の条件装置とリ
ール制御のパターンとが1対1で対応しているので、一の当選役に対して複数のリール制
御パターンを用意したい場合には、一の当選役に対して複数の条件が成立する場合もある
。こうすることで、一の当選役に対して、複数パターンの停止出目(有効ライン上に表示
される図柄の組み合わせ)を用意することが可能となる。ここで、有効ライン上に表示さ
れる図柄組み合わせについて、図49に示される「RB1」のうちの「RB1+ベル2」
、「スイカ」、「AT1」〜「AT10」、「ALL」、「昇格リプ5+転落リプ5」を
例に挙げて説明する。
「RB1+ベル2」は、RB1とベル2とが同時に重複して当選する重複役である。こ
のとき、RB1及びベル2の両方に対応する条件装置が作動し、これらに対応する図柄の
組み合わせが有効ライン上に表示されることが許容され、これに基づいて、後述するステ
ップS5のリール停止処理が行われる。そして、ベル2に対応する図柄の組み合わせが有
効ライン上に表示されると、賞として例えば9枚のメダルが払い出され、RB1に対応す
る図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、後述するRB1ゲームが開始される
。ただし、RB1に対応する図柄の組み合わせ及びベル2に対応する図柄の組み合わせの
両方について有効ライン上に表示されることが許容されたとしても、ベル2に対応する図
柄の組み合わせが優先して有効ライン上に表示されるようにリール停止処理が行われる。
ここで、ベル2に対応する図柄の組み合わせは、当選した当該ゲームに限って、有効ライ
ン上に表示されることが許容される。一方、RB1に対応する図柄の組み合わせは、当選
した当該ゲームだけに限らず、次ゲーム以降においても、RB1に対応する図柄の組み合
わせが有効ライン上に表示されるまで継続して、有効ライン上に表示されることが許容さ
れる。
なお、重複役とは、1回の抽選機会において複数の役が同時に選び出される役であるこ
とを意味する。例えば、当選成立状態が次ゲーム以降に持ち越される持ち越し役が1ゲー
ム目に選び出されたもののこの持ち越し役に対応する図柄組み合わせが表示されなかった
場合において、例えば2ゲーム目で第1の役が選び出されたときは、持ち越し役と第1の
役との両方が当選成立している状態となるが、この場合は、互いに別の抽選機会において
選び出されているから、重複役に該当しない。これとは逆に、単独役とは、1回の抽選機
会において一つの役のみが選び出される役を意味する。
また、BB1、BB2、RB1及びRB2をボーナス役とし、図51〜53においてメ
ダルの払い出しがある役(例えばチェリー、スイカ、ベル1、ベル2等)を小役とし、前
回ゲームと同じゲームを実行できる役(例えば通常リプ等)をリプレイ役とし、複数の図
柄組み合わせについて有効ライン上に表示されることが同時に許容されたとき、リプレイ
役、小役、ボーナス役の優先順位で、これらに対応する図柄の組み合わせが有効ライン上
に表示されるように、後述するリール停止処理が行われる。
また、「スイカ」は、スイカの単独当選役である。このとき、有効ライン上にはスイカ
に対応する図柄の組み合わせが表示されることが許容され、これに基づいて、後述するス
テップS5のリール停止処理が行われる。そして、スイカに対応する図柄の組み合わせが
有効ライン上に表示されると、賞として例えば5枚のメダルが払い出される。
なお、抽選の結果、いずれかの役に当選したとしても、当該当選役に対応する図柄の組
み合わせは、後述する引き込み制御を実行可能な範囲で図柄表示窓401内(すなわち有
効ライン上)に停止されるように狙って停止操作(リール停止ボタン211a,211b
,211cを押す操作)が行われないと、有効ライン上に当選役に対応する図柄の組み合
わせを表示させることができない。したがって、抽選の結果、いずれかの役に当選したに
もかかわらず、この当選役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されなけれ
ば、後述するステップS6においてゲーム結果がハズレである旨が判定される。
「AT1」〜「AT10」は、いずれも、各々に決められた適正な押し順でリール停止
ボタン211a〜211cが操作された場合と、各々に決められた適正な押し順でリール
停止ボタン211a〜211cが操作されなかった場合とで、賞として払い出されるメダ
ル枚数が異なっている。
具体的には、「AT1」及び「AT2」についての適正な押し順は、「左→中→右」(
以下「順押し」と称する)である。そして、この適正な押し順でリール停止ボタン211
a〜211cが操作された場合には、作動している条件装置のうち小物17の図柄組み合
わせが有効ライン上に表示されることが許容され、これに基づいて、後述するステップS
5のリール停止処理が行われる。そして、小物17の図柄組み合わせが有効ライン上に表
示されると、賞として例えば9枚のメダルが払い出される。なお、小物17の図柄組み合
わせを構成する図柄は、リールの引き込み制御を実行可能な範囲内に配置されているので
、抽選の結果が「AT1」又は「AT2」であるときには、適正な押し順でリール停止ボ
タン211a〜211cが操作される限り必ず、小物17の図柄組み合わせが有効ライン
上に表示される。
また、すべての押し順が不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作
された場合には、適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作される
と、1の有効ライン上に賞として1枚のメダルが払い出される図柄の組み合わせ(以下「
1枚払出図柄組み合わせ」という)が表示され、他の有効ライン上に賞として2枚のメダ
ルが払い出される図柄の組み合わせ(以下「2枚払出図柄組み合わせ」という)が表示さ
れる。すべての押し順が不適正な押し順としては、例えば「AT1」及び「AT2」の場
合には、「右→左→中」、「中→右→左」となる。ただし、不適正なタイミングでリール
停止ボタン211a〜211cが操作されると、ハズレの図柄組み合わせが有効ライン上
に表示される。このとき、賞としてのメダルは払い出されない。
すなわち、抽選の結果が「AT1」又は「AT2」であるとき、適正な押し順でリール
停止ボタン211a〜211cが操作される限り必ずベル1の図柄組み合わせが有効ライ
ン上に表示される。ただし、不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操
作された場合には、適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作され
ると、1枚払出図柄組み合わせ及び2枚払出図柄組み合わせが各有効ライン上に表示され
、不適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、ハズレの
図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることとなる。
なお、不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合におけ
る上記の「適正なタイミング」は、抽選の結果が「AT1」であるときと「AT2」であ
るときとで異なっている。より具体的には、抽選の結果が「AT1」であるときにおける
「適正なタイミング」は、抽選の結果が「AT2」であるときにおける「不適正なタイミ
ング」となり、抽選の結果が「AT1」であるときにおける「不適正なタイミング」は、
抽選の結果が「AT2」であるときにおける「適正なタイミング」となる。
さらに、一部の押し順が不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作
された場合には、適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作される
と、1の有効ライン上に2枚払出図柄組み合わせ(以下「2枚払出図柄組み合わせ」とい
う)が表示され、他の有効ライン上に賞として4枚のメダルが払い出される図柄の組み合
わせ(以下「4枚払出図柄組み合わせ」という)が表示される。一部の押し順が不適正な
押し順としては、例えば「AT1」及び「AT2」の場合には、「左→右→中」、「左→
中→右」、「中→右→左」となる。ただし、不適正なタイミングでリール停止ボタン21
1a〜211cが操作されると、ハズレの図柄組み合わせが有効ライン上に表示される。
このとき、賞としてのメダルは払い出されない。
また、「AT3」及び「AT4」についての適正な押し順は「左→右→中」(以下「は
さみ押し」と称する)であり、「AT5」及び「AT6」についての適正な押し順は「中
→左→右」又は「中→右→左」(以下これらを「中押し」と称する)であり、「AT7」
及び「AT8」についての適正な押し順は「右→左→中」(以下「逆押し」と称する)で
あり、「AT9」及び「AT10」についての適正な押し順は「右→左→中」(以下「逆
はさみ押し」と称する)である。そして、この適正な押し順でリール停止ボタン211a
〜211cが操作された場合には、小物17の図柄組み合わせが有効ライン上に表示され
ることが許容され、これに基づいて、後述するステップS5のリール停止処理が行われる
。ただし、不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には
、適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、1枚払出図
柄組み合わせ及び2枚払出図柄組み合わせ、あるいは2枚払出図柄組み合わせ及び4枚払
出図柄組み合わせが各有効ライン上に表示され、不適正なタイミングでリール停止ボタン
211a〜211cが操作されるとハズレの図柄組み合わせが有効ライン上に表示される
こととなる。ここで、抽選の結果が「AT3」、「AT5」、「AT7」及び「AT9」
である場合における「適正なタイミング」は、それぞれ、抽選の結果が「AT4」、「A
T6」、「AT8」及び「AT10」である場合における「不適正なタイミング」となり
、抽選の結果が「AT3」、「AT5」、「AT7」及び「AT9」である場合における
「不適正なタイミング」は、それぞれ、抽選の結果が「AT4」、「AT6」、「AT8
」及び「AT10」である場合における「不適正なタイミング」となる。
なお、抽選の結果が「AT1」〜「AT10」のうちいずれかであるときに、不適正な
押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作され、さらに不適正なタイミングで
リール停止ボタン211a〜211cが操作されたことによって有効ライン上に表示され
たハズレの図柄組み合わせは、この実施形態において「ベルこぼ目」と称する。また、「
AT5」及び「AT6」についての適正な押し順は「中→左→右」又は「中→右→左」で
あり、すべての押し順が不適正な押し順は存在せず、「中→左→右」又は「中→右→左」
以外の押し順は、一部の押し順が不適正な押し順となる。
「ALL」は、ボーナスゲーム中に限って抽選対象となる役であり、抽選の結果が「A
LL」であるとき、いかなる押し順で且ついかなるタイミングでリール停止ボタン211
a〜211cが操作された場合であっても、小物17の図柄組み合わせが有効ライン上に
表示されることが許容され、これに基づいて、後述するステップS5のリール停止処理が
行われる。上述したとおり、小物17の図柄組み合わせを構成する図柄は、リールの引き
込み制御を実行可能な範囲内に配置されているので、抽選の結果が「ALL」であるとき
には、常に、小物17の図柄組み合わせが有効ライン上に表示される。そして、小物17
の図柄組み合わせが有効ライン上に表示されると、賞として例えば9枚のメダルが払い出
される。
「昇格リプ5+転落リプ5」〜「昇格リプ1+転落リプ1」は、いずれも、昇格リプレ
イと転落リプレイとが同時に重複して当選する役であり、一般状態、ボーナス内部中、及
びボーナス中では抽選対象とならず、準備RT、準RT、およびチャンスRTであるとき
に限り、抽選対象とされる。「昇格リプ5+転落リプ5」〜「昇格リプ1+転落リプ1」
に当選したとき、各々に決められた適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211c
が操作された場合と、各々に決められた適正な押し順でリール停止ボタン211a〜21
1cが操作されなかった場合とで入賞する役が異なっている。
ここで、ボーナス役(BB1、BB2、RB1、RB2)、リプレイ役(再遊技役とも
呼ばれる)、小役(ベル役(ベル1、ベル2)、チェリー役(チェリー1、チェリー2)
、スイカ役、AT専用役、ALL役、ボーナスゲーム専用役)、シングルボーナス役(S
B1、SB2、SB3)について説明する。
[ボーナス役]
本実施形態のスロットマシン1では、BB1、BB2、RB1又はRB2といったボー
ナス役に当選し、これらいずれかの役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示
されると、BB1ゲーム、BB2ゲーム、RB1ゲーム又はRB2ゲームといったボーナ
スゲームが実行される。このボーナスゲームは、複数ゲームにわたって、遊技者がメダル
を集中して獲得できる機会が設けられるゲームである。ただし、遊技者が大量のメダルを
獲得することが可能なものは、図50に示されるように、BB1ゲーム及びBB2ゲーム
だけである。
また、スロットマシン1では、右上がりライン623b及び右下がりライン623aの
うち少なくともいずれかの有効ラインに、作動した条件装置に対応する図柄組み合わせ(
図50に示された図柄組み合わせ)が停止すると、1回のゲーム結果として、有効ライン
に停止した図柄組み合わせに応じた賞が付与される。ただしこの場合、右上がりライン6
23b及び右下がりライン623aといった二つの有効ラインに、同時に重複して二つの
当選役に対応する図柄の組み合わせが表示された場合には、この二つの図柄の組み合わせ
に応じたメダルが賞として払い出される。なお、本実施形態のスロットマシン1では有効
ラインの数が二つであるが、有効ラインの数を三つ以上とし、この三つの有効ラインに、
同時に重複して三つ以上の当選役に対応する図柄の組み合わせが表示された場合に、この
三つ以上の図柄の組み合わせに応じたメダルが賞として払い出されるようにしてもよい。
ただし、1回のゲームで払い出されるメダルの最大枚数(例えば、15枚)が予め決めら
れており、1回のゲーム結果として払い出されるメダルの枚数はこの最大枚数を超えない
ものとなっている。
なお、本実施形態のスロットマシン1には、上述したとおり、SB1、SB2及びSB
3といったシングルボーナス役も用意されている。このシングルボーナス役に当選すると
、次ゲームに限り、当選したSB役に応じて、図49に示されるSB中に制御されるとと
もに、抽選の結果が「AT1」〜「AT10」のいずれかであるときに適正な押し順が遊
技者に教えられるATゲームの上乗せ抽選が行われる。
[リプレイ役]
本実施形態のスロットマシン1には、リプレイ役(再遊技役ともいう)として、通常リ
プレイ(図49では「通常リプ」と記載)、昇格リプレイ1〜5(図49では「昇格リプ
1」〜「昇格リプ5」と記載)、及び転落リプレイ1〜5(図49では「転落リプ1」〜
「転落リプ5」と記載)とが用意されている。このリプレイ役に対応する図柄の組み合わ
せ態様は、図53に示されるとおりである。そして、リプレイ役に対応する図柄の組み合
わせが有効ライン上に表示されると、リプレイの図柄組み合わせが揃ったと判定される。
なお、上記のリプレイ役のうち、通常リプレイに対応する図柄の組み合わせは、図49を
見ても分かるように遊技者がすぐに把握し難いものであるが、有効ラインではないものの
中段ラインに「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」の図柄の組み合せが表示さ
れることで、遊技者は、リプレイに入賞したことを把握することが可能となる。なお、昇
格リプレイに対応する図柄の組み合わせとしては、右上がりライン623aに「リプレイ
図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」の図柄の組み合せが表示される。さらに、転落リプ
レイに対応する図柄の組み合わせとしては、右上がりライン623aに「リプレイ図柄−
リプレイ図柄−スイカ図柄/青7図柄」の図柄の組み合せ、または右上がりライン623
aに「赤7図柄/青7図柄/スイカ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」が表示される。
リプレイの図柄組み合わせが有効ライン上に表示されると、リプレイゲームという遊技
特典が付与される。このリプレイゲームでは、改めてメダルを投入もしくはベット操作を
することなく、リプレイの図柄組み合わせが表示されたゲームと同じゲームを、再遊技と
して実行できる。なお、リプレイの図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたとしても
、賞としてのメダルは払い出されない。
このリプレイゲームの遊技特典の特徴は、メダルの払出しを行わない代わりに次回のゲ
ームで新たにメダルを消費する(新たにメダルを賭ける)必要がないことである。またリ
プレイはメダルの払い出しを伴わない当選役であるため、例えばその当選確率を高くする
ことにより、当選頻度が高くなったとしてもホールにとって不利益となることは非常に少
ないといえる。従って、スロットマシン1では、一般状態において、概ね6〜7回に1回
程度は当選する確率としている(詳細は後述)。これにより、遊技者が消費するメダルの
量(一定時間当たりにつき消費するメダル数)をある程度一定の範囲に保つことが可能と
なる。つまり、リプレイという当選役にゲーム進行における過剰なメダルの消費を抑える
役割を持たせることができるということになる。
また、各リール301a,301b,301cにリプレイ役に対応する図柄の組み合わ
せ態様を構成する図柄をそれぞれ満遍なく配置する(例えば、リプレイ役に対応する図柄
の組み合わせ態様を構成する図柄と、同じくリプレイ役に対応する図柄の組み合わせ態様
を構成する図柄との間に配置される他の図柄(リプレイ役に対応する図柄の組み合わせ態
様を構成しない図柄)を1個から最大でも4個までにする)ことにより、リプレイ役に対
応する図柄の組み合わせ態様を目押しの必要なく揃えることのできるものとすることがで
きる。
なお、通常リプレイに対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示された場合には
、通常リプレイに対応する図柄の組み合わせが表示されたゲームと同じゲームを再遊技と
して実行できるだけである。また、準備RTまたは準RTの際に昇格リプレイ1〜5に基
づいた図柄の組み合わせが有効ライン上に表示された場合には、チャンスRTへ移行する
契機として機能している。さらに、チャンスRTの際に転落リプレイ1〜5に基づいた図
柄の組み合わせが有効ライン上に表示された場合には、準RTまたは一般状態へ移行する
契機として機能している。
[ベル役]
本実施形態のスロットマシン1には、ベル役として、上述したとおり、「ベル1」と「
ベル2」とが用意されている。このベル役に対応する図柄の組み合わせ態様は、図51〜
53に示されるとおりである。そして、ベル役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン
上に表示されると、ベル役の図柄組み合わせが揃ったと判定され、賞としてのメダル(例
えば9枚)が払い出される。なお、ベル2に対応する図柄の組み合わせは、図49を見て
も分かるように遊技者がすぐに把握し難いものであるが、有効ラインではないものの中段
ラインに「ベル1図柄orベル2図柄−ベル1図柄−ベル1図柄orベル2図柄」の組み
合せが表示されることで、遊技者は、ベル2に入賞したことを把握することが可能となる
。なお、ベル1図柄とベル2図柄とは形態に若干違いがあるものの、ベルといった同じ観
念を遊技者に生じさせる点で両図柄は共通する。
ベル1に対応する図柄の組み合わせ又はベル2に対応する図柄の組み合わせが有効ライ
ン上に表示されると、規定枚数(例えば9枚)のメダルの払い出しが行われる。このとき
のメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。このように、ベル1又はベル2に対応す
る図柄の組み合わせは、ゲームを進めるうえでメダルの増加を期待できたり、メダルの消
費を抑えることが期待できたりする。ただし、ベル1に対応する図柄の組み合わせ又はベ
ル2に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示される頻度が高くなると、遊技者
はゲームを進めていくだけでメダルを増加させることが可能となる。なお、ベル1に対応
する図柄の組み合わせ及びベル2に対応する図柄の組み合わせを構成する図柄は、目押し
することなく有効ライン上に表示することができるように、各リール上に配置されている
[チェリー役]
本実施形態のスロットマシン1には、チェリー役として、上述したとおり、「チェリー
1」と「チェリー2」とが用意されている。このチェリー役に対応する図柄の組み合わせ
態様は、図51〜53に示されるとおりである。そして、チェリー役に対応する図柄の組
み合わせが有効ライン上に表示されると、チェリー役の図柄組み合わせが揃ったと判定さ
れ、賞としてのメダル(例えば2枚)が払い出される。
[スイカ役]
スイカ役に対応する図柄の組み合わせ態様は、図51〜53に示されるとおりである。
このスイカ役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、スイカ役の図
柄組み合わせが揃ったと判定され、賞としてのメダル(例えば5枚)が払い出される。
[AT専用役]
本実施形態のスロットマシン1には、AT専用役として、上述したとおり、「AT1」
〜「AT10」が用意されている。これらAT専用役に対応する図柄の組み合わせ態様は
、図51〜53に示されるとおりである。すなわち、抽選の結果が「AT1」〜「AT1
0」のうちのいずれかであって且つ適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211c
が操作されると、作動した条件装置のうち小物17に対応する図柄の組み合わせが有効ラ
イン上に表示される。ただし、抽選の結果が「AT1」〜「AT10」のうちのいずれか
であったとしても、適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作されず、
すべての押し順が不適正な押し順および適正なタイミングで操作された場合には、1枚払
出図柄組み合わせ及び2枚払出図柄組み合わせが2ラインにそれぞれ表示される。また、
一部の押し順が不適正な押し順および適正なタイミングで操作された場合には、2枚払出
図柄組み合わせ及び4枚払出図柄組み合わせが2ラインにそれぞれ表示されることとなる
[ALL役]
ALL役に対応する図柄組み合わせは、図51〜53に示されるとおりである。ただし
、いかなる押し順で且ついかなるタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操
作されたとしても、作動した条件装置のうち小物17に対応する図柄の組み合わせが有効
ライン上に表示されるように、リール制御される。
[ボーナスゲーム専用役]
さらに、ボーナスゲーム中(BB1ゲーム中、BB2ゲーム中、RB1ゲーム中及びR
B2ゲーム中)にのみ有効となる当選役としてボーナスゲーム専用役がある。このボーナ
スゲーム専用役は、図49の「ロゴ」に相当し、これらに対応する図柄(ボーナスゲーム
専用役図柄)の組み合わせは、図49に示されるとおりである。
ボーナスゲーム中にボーナスゲーム専用役図柄が揃うと、規定枚数(例えば10枚)の
メダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。
つまり、ボーナスゲーム専用役図柄が揃うと10枚のメダルの払出しという遊技特典が付
与される。そして、ボーナスゲーム中はこのボーナスゲーム専用役を揃いやすくすること
により、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームを集中して実行することができる。
従って、ボーナスゲーム専用役図柄の組み合わせを構成する各図柄は、目押しを行うこと
なく有効ライン上に揃えることができるものとなっている。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、ボーナスゲームにおいて、上記ボーナスゲ
ーム専用役とALL役とが抽選対象とされているが、これらとは異なる当選役を設けても
よい。さらには、ボーナスゲーム専用役のようなボーナスゲーム中限定の当選役を設けず
に、ベル役やスイカ役を代わりに用いるものとしてもよい。この場合、一般状態中とボー
ナスゲーム中とで、メダルの払い出し枚数を変えるようにしてもよい。
[ハズレ]
図51〜53に示された図柄の組み合わせのいずれにも該当しない場合は、ハズレとな
る。そして、ハズレとなった当該ゲームでは、メダルの付与は行われず、また次回以降の
ゲームに変化を及ぼすこともない。なお、ハズレは遊技者に当該ゲーム及び次回以降のゲ
ームにおいて何の遊技特典も付与しない役であるともいえる。また、一般状態の際にハズ
レとなった場合には、その一部、具体的には、2/37263の割合で確定役となる。確
定役の図柄組み合わせは、ハズレと同一の手順で決定される。この確定役となった場合に
は、後に説明するチャンスRT移行抽選の当選確率が高くされる。
以上がスロットマシン1におけるそれぞれの当選役と、それぞれの当選役に対応する図
柄の組み合わせ態様である。
なお、これらの図柄は上記で説明した図柄や図柄の組み合わせ態様に限定されるもので
はない。また、上記の図柄に加えて複数種類の図柄を新たに設けることもできる。そして
、当選役の種類をさらに増やすことや、あるいは減らすこともできる。さらに、上記で述
べた当選役は全てを必ず設けることに限定されるものではなく、適宜必要な種類の当選役
を選ぶこととしてもよい。
[ゲーム処理]
次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処
理は、メイン基板409(主にCPU1110等)にて実行される制御プログラム上の処
理手順に沿って進行する。
図54は、スロットマシン1における基本的な1ゲームの処理手順を一通り示している
。先ずステップS1では、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する。特に電源
の立ち上げ時等においては、前述した各種装置の接続及び作動状況を確認するとともに、
バックアップデータの有無を確認し、バックアップデータが存在する場合には、電源断前
の状態に復帰させる処理を実行する。
次のステップS2では、投入口203から投入されたメダルの枚数により、あるいはす
でに貯留されているメダルがある場合にはMAX投入ボタン206(あるいは1枚投入ボ
タン205)の押下操作により賭け数が決定され、始動レバー210の操作待ちの状態と
なる。すなわち、1回のゲームの賭け数が決定され、始動レバー210の操作が可能な状
態となるまでがBET処理にて実行される。なお、本実施形態のスロットマシン1は、3
枚のメダルを投入することによってゲームの実行が可能となる3枚賭け専用機である。し
たがって、1枚投入ボタン205を備えていなくてもよい。
ステップS3では、ステップS2において操作待ちの状態となった始動レバー210の
操作によりゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を内部抽選の結果とする
か否かを決定するための内部抽選処理を実行する。この内部抽選処理とは、次のステップ
S4にて回転を開始する全てのリール301a,301b,301cが停止状態(遊技者
の停止操作により停止状態となること)となる前の段階において、いずれかの当選役を当
該ゲームの抽選結果とするかを決定するために実行されるものである。すなわち、この抽
選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、リール301a,301b,3
01cの停止操作が行われたときに、該当する当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラ
イン上に停止することが許容されるのである。
次にステップS4では、ステップS3の内部抽選処理の終了に伴い全てのリール301
a,301b,301cの回転を開始させるリール回転処理を実行する。このリール回転
処理においては、全てのリール301a,301b,301cの回転が開始された時点で
リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作を有効とし、リール停止ボタ
ン211a,211b,211cが有効になったことを知らせる操作有効ランプ(図示し
ない)を点灯させるとともに、次回のリール回転処理が実行されるまでのタイマカウント
を開始する。なお、操作有効ランプは各リール停止ボタン211a,211b,211c
にそれぞれ内蔵されるランプである。
ステップS5では、遊技者によるリール停止ボタン211a,211b,211cの押
下操作が受け付けられて、その受け付け順に操作有効ランプを消灯させるとともに、対応
するリール301a,301b,301cの回転を停止させるリール停止処理を実行する
次のステップS6では、ステップS5において、「バー図柄−リプレイ図柄−正図柄」
が表示されているライン(すなわち右上がりライン)623bと、「ベル1図柄−リプレ
イ図柄−ベル1図柄」が表示されているライン(すなわち右下がりライン623a)の2
つのラインのみを有効ラインとして全てのリール301a,301b,301cが停止状
態になったと判定した時点で、有効ライン上に表示された表示内容(図柄の組み合わせ態
様)と、上記のステップS3において決定された内部抽選の結果として許容されているも
のを照合して当選役の判定を行う判定処理を実行する。
ステップS7では、ステップ6において判定された当選役に対応する遊技特典の内容に
基づくメダルの払出処理を実行する。また当選役がBB1、BB2、RB1、RB2、S
B1、SB2、リプレイの場合には、それぞれ遊技状態の変更(図49に示される遊技状
態の変更)や再遊技等の各種遊技特典に付与を実行する。
以上が、スロットマシン1の基本的な1ゲームの処理手順である。ここで、ステップS
2(BET処理)、ステップS3(内部抽選処理)、ステップS4(リール回転処理)は
、一連の外部操作として遊技者により行われるものである。従って、これらの処理(ステ
ップS2、ステップS3、ステップS4)をまとめて始動処理と呼ぶ。以下ではこの始動
処理の具体的な説明をする。
[始動処理]
図55は、始動処理で行われる各処理を具体的に示したものである。
始動処理では、まずステップS101にてメダルの投入または1枚投入ボタン205、
MAX投入ボタン206の操作が待ち受けられる。MAXベット操作またはメダル投入が
あると、ステップS101の判定が満たされ、ステップS102に移る。なお、この判定
はMAXベットに相当するメダルの投入(つまり、3枚以上のメダルの投入)やMAXベ
ットとなる1枚投入ボタン205、MAX投入ボタン206の操作が有った場合にのみ満
たされるものとしている。
次のステップS102では、受付処理として、ベット数(この例ではMAXベットのみ
)を決定するとともに、ベット数に応じた有効ラインランプを点灯させる。本実施形態の
スロットマシン1は、3枚賭け専用機であり、3枚のメダルが投入されると、右上がりラ
イン623bと、右下がりライン623aの2つのラインが有効ラインとなり、これを示
す有効ラインランプを点灯させる。
ステップS103では、始動レバー210の操作を有効化する。始動レバー210の操
作が有効化されると、この始動レバー210の操作が受け付けられるまで操作待ちの状態
となり、次のステップS104に移る。
次のステップS104では、始動レバー210の操作が有効化されているか、またその
場合は始動レバー210の操作が受け付けられたかを判定する。先のステップS103に
て始動レバー210の操作が有効化されている場合、遊技者による始動レバー210の操
作が受け付けられると、この判定が満たされ、次のステップS105へ移る。
また、上記のステップS101にて遊技者がベット操作またはメダル投入をしない、あ
るいはMAXベットに至らないうちはステップS101の判定が満たされず、ステップS
104に移る。このときはステップS104の判定も満たされず、ステップS101に戻
り、以降の処理を繰り返す。
また、リプレイゲームでは、新たにメダルのベットを必要としない。これは、後述する
リプレイゲーム処理にてMAXベットコマンドがRAM1114に格納されている場合、
自動的にMAXベット状態にする。これにより、ステップS101の判定が満たされるこ
とになる。
ステップS105では、ステップS104での始動レバー210の操作を受けて、始動
レバー210の操作を無効化する。
次に、ステップS106では、出目変換制御処理を行う。出目変換制御処理では、フリ
ーズフラグがセットされているか否かを判定し、フリーズフラグがセットされていると判
定したときに、フリーズタイマをセットしてスタートさせる。フリーズタイマがカウント
されている間にフリーズ制御が実行され、このフリーズ制御が実行されている間に出目変
換制御処理が実行される。その後、ステップS107に移る。出目変換制御処理の詳細に
ついては、後にさらに説明する。また、フリーズフラグがセットされていないと判定した
ときには、フリーズタイマをセットすることなくステップS107に移る。
ステップS107では、始動レバー210の操作があると、この始動レバー210の操
作に基づいて乱数の抽出を行う。乱数の抽出を行った後、次のステップS108に移る。
なお、このときの乱数を抽出するタイミングについては、始動レバー210の操作後直ぐ
に行っても所定時間(例えば0.5秒後など)後に行うなど、プログラミングの過程で適
切な抽出タイミングを設定することができる。
ステップS108では、抽出された乱数値(以下では、抽出乱数値という)からいずれ
の当選役に該当するかの当たり判定(乱数値の照合)を行う。この当たり判定では、後述
する当たり値判定テーブルにて抽出乱数値を照合する。ここで行われる乱数値の照合とは
、予め決められた当選役の乱数値に、抽出乱数値が該当(合致、一致)するか否かを判定
することである。このとき抽出乱数値がいずれかの当選役に該当すると判定された場合、
該当する当選役に対応する条件装置をON(=1)にする(図50を参照)。なお、抽出
された乱数値と当たり判定テーブルとを照合して行われる当たり判定における各当選役に
ついての当選確率は、図49に示されるとおりである。
そして、フラグ処理では、当該ゲームにて抽出乱数値の照合を行う際に、判定の基準と
なる当たり値判定テーブルを決定する場合、後述するBBゲーム中フラグなどのゲーム状
態フラグを参照して当該ゲームにおける当たり値判定テーブルを決定する。すなわち、当
該ゲームにてON(=1)状態となっているゲーム状態フラグに対応する当たり値判定テ
ーブルをセットして抽出乱数値の照合を行う。ゲーム状態フラグには、準備RTフラグ、
準RTフラグ、チャンスRTフラグ、ボーナス内部中フラグ、ボーナス中フラグがある。
そして、これらのゲーム状態フラグのいずれもOFF(=0)状態となっている場合には
、常に一般状態中フラグをON(=1)状態とする。
一方、ステップS108にて、抽出乱数値がいずれの当選役にも該当しないと判定され
た場合、いずれの当選役にも該当しない「ハズレ」となり、いずれの条件装置も作動させ
ない(図50を参照)。ここで、いずれかの条件装置がONになっているとき(成立して
いるとき)には、その成立している条件装置に対応する図柄組み合わせを揃えることが可
能となる。各条件装置に対応する図柄組み合わせは、図51〜53に示されるとおりであ
る。従って、いずれの条件装置も成立していないハズレである場合は、いずれの当選役に
対応する図柄組み合わせも、有効ライン上に揃えることができないことになる。上記のス
テップS107及びステップS108はスロットマシン1の内部にて乱数抽選を行っても
のであり、以下ではこれらのステップのことを、まとめて内部抽選、あるいは内部抽選を
行う等という。なお、この乱数の抽出からフラグ処理までは内部抽選(前述の図54のス
テップS3)に相当する。
次のステップS109では、前回の始動処理(具体的には当該ゲームの1回前のゲーム
)にてスタートさせたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否か
を判定する。なお、このウェイトタイマと呼ばれるタイマは、当該ゲームにおいてリール
の回転が開始されたときから次回のゲームでリールの回転が開始されるまでの所定時間(
例えば、4.1秒)の経過を計測するものである。ここで、ウェイトタイマがタイムアッ
プ(既に4.1秒経過した)となった場合にはこの判定が満たされ、次のステップS11
0に移る。また、この判定はウェイトタイマがタイムアップするまでループする。
ステップS110では、出目変換制御処理にてスタートさせたフリーズタイマがタイム
アップしたか否かを判定する。なお、フリーズタイマがタイムアップとなる時間は、後に
説明するフリーズ時間決定処理によって決定される、このフリーズタイマがタイムアップ
するまでの間に、出目変換制御が実行される。また、この判定はフリーズタイマがタイム
アップするまでループする。
ステップS111では、全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させ
る。そして全てのリール301a,301b,301cの回転の速さが一定となると、そ
れぞれのリール停止ボタン211a,211b,211cの操作有効ランプを点灯させる
。この点灯により、遊技者はリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作
が有効になったことを知ることとなる。
なお、スロットマシン1では、回転を開始したリールは遊技者による停止操作(リール
停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)が受け付けられるまで上記の一定
の速さで回転を維持し続けるものである。
次にステップS112では、ウェイトタイマをリセットするとともに、次回の始動処理
までウェイトタイマをスタートさせ始動処理は終了となる。
[内部抽選確率]
上記のとおり、スロットマシン1では、内部抽選の結果(抽出乱数値の照合の結果)が
当該ゲームで該当する当選役(以下では、該当当選役をいう)として許容される。ここで
該当当選役が許容されると、該当当選役に対応する条件装置を作動させて、この作動した
条件装置の情報は、内部抽選の結果を示す情報コマンドとして以降の処理(リール停止処
理、判定処理、払出処理等)に反映されることになる。
スロットマシン1では、乱数抽出を行う際の乱数値の範囲(これを抽出範囲という)を
予め決めておくものである。この抽出範囲は、例えば、0から16383までの整数値(
つまり、214=16384個の乱数)と決めることができる。なお、本実施形態のスロ
ットマシン1では、抽出範囲の乱数値を、便宜上、0から59999までとしているが、
これに限られないことはいうまでもない。この乱数の抽出範囲を拡大すると、その分だけ
抽出可能な乱数値の範囲(いわゆる分母)が大きくなるので特定の乱数値が偏って抽出さ
れるといった事象が起こりにくくなる。
上記の抽出範囲内においては、さらにそれぞれの当選役に対応する乱数値が予め割り当
てられている。例えば、抽出範囲(本実施形態のスロットマシン1では0から59999
)内の乱数値のうち、RB2に対応する乱数値を「1」とすれば、抽出乱数値が「1」と
なった場合に、内部抽選の結果は「RB2に当選した」ということになり、RB2の条件
装置が当該ゲームでの情報コマンドとして処理されることになる。また、これを利用する
と、抽出範囲及びRB2に対応する乱数値から、RB2の当選確率(RB2が内部抽選の
結果として選び出される確率、抽選確率)を算出することができる。上記の例(RB2)
でいえば、
〔 RB2に対応する乱数値の総個数/抽出範囲内の乱数値の総個数 〕
が、2/60000となり、RB2の当選確率は1/30000であるということになる
このように全ての当選役にはそれぞれ対応する乱数値が決められており、これらの乱数
値は、それぞれの当選役に対応する当たり値と呼ばれる。上記の例(RB2)では、抽出
範囲内の乱数値「1」がRB2に対応する当たり値ということになる。また、当たり値が
複数存在する場合、例えば、所定役の当たり値を抽出範囲内の連続する乱数値「1」、「
2」、「3」、「4」とすれば、この所定役の当たり値の範囲は乱数値「1」から「4」
までとなる。そして、抽出乱数値が乱数値「1」から「4」までのいずれかに該当すると
判定される(照合される)と、内部抽選の結果として「所定役に当選した」ということに
なる。なお、本実施形態のスロットマシン1では、一の当選役のみに当選する単独役(例
えばRB2、ベル1、ベル2等)の他に、複数の当選役が同時に当選する重複役(例えば
「RB1+ベル2」、「BB2+ベル1」等)が用意されている。したがって、このよう
な重複役については、重複役の当たり値についても、上記の当たり値に含まれる。
このことから全ての当選役はその当たり値の範囲が決められ、内部抽選で抽出乱数値が
いずれかの当選役の当たり値の範囲に該当するか否かが判定されることになる。このとき
、抽出乱数値がいずれの当選役の当たり値の範囲にも該当しない場合は、ハズレ、となる
。すなわち、ハズレの当たり値の範囲は、全ての当選役の当たり値の範囲以外ということ
になる。なお、当たり値は当選許容値とも呼ばれることもある。
ところで、単独役とは、1つの抽出乱数値に対して1つの当選役が対応するものであり
、重複役とは、1つの抽出乱数値に対して、複数(この場合2つ)の当選役が対応するも
のである。つまり、抽出された乱数値が重複役の当たり値に該当する場合、複数の当選役
のいずれにも当選したということになる。例えば、抽出された乱数値が図49に示された
「昇格リプ5+転落リプ5」に該当する当たり値に該当する場合、前述したフラグ処理(
図55のステップS107参照)にて、図50に示されるように、昇格リプ5に対応する
条件装置及び転落リプ5に対応する条件装置を同時に成立させるということである。
また、図49に示すように、ボーナス中は、ALL役とボーナスゲーム専用役(ロゴ)
の当たり値が抽出範囲の大半以上を占めている。従って、ボーナスゲームが実行されると
、このボーナスゲームが実行されている期間内に多量のメダルが払い出されることとなる
[遊技状態の遷移]
図56は、メイン基板409に搭載されたCPU1110により実行される遊技状態移
行制御処理を示すフローチャートである。
先ず、BB1ゲーム、BB2ゲーム、RB1ゲーム、RB2ゲームなどのボーナスゲー
ム(BG)中であるか否かが判定され(ステップS151)、ボーナスゲーム中であると
判定されたときにボーナスゲームが終了したか否か(BGE)を判定する(ステップS1
52)。ここで、ボーナスゲームが終了したと判定すると(ステップS152におけるY
ES)、ボーナスゲームまたはボーナス内部中に移行する前の遊技状態、例えば一般状態
(GGC)に移行される(ステップS153)。ボーナスゲームが終了していないと判定
した場合には、ボーナスゲームが終了するまでこの判定をループする。
ステップS151においてボーナスゲーム(BB1ゲーム、BB2ゲーム、RB1ゲー
ム、RB2ゲーム)中でないと判定されると(ステップS151におけるNO)、ボーナ
ス内部(BI)中であるか否かが判定される(ステップS154)。すなわち、内部抽選
においてボーナス役(BB1、BB2、RB1、RB2)に当選すると、ボーナス役に対
応する条件装置が作動するが、このボーナス役に対応する条件装置は、内部抽選に当選し
たゲームにおいてボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインに表示されなかった
としても、次ゲーム以降においても、ボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ライン
に表示されるまで継続して作動する。そして、ボーナス役に対応する図柄組み合わせが有
効ラインに表示されたと判定される(BG)と(ステップS155におけるYES)、ボ
ーナス中に移行し(ステップS156)、ボーナスゲーム(BG)が実行される。
ステップS154においてボーナス内部中でないと判定されると(ステップS154に
おけるNO)、準備RT(PRT)または準RT(SRT)であるか否かが判定される(
ステップS157)。準備RTまたは準RTであると判定されたときには(ステップS1
57におけるYES)、昇格リプレイ(PRP)に入賞したか否かが判定される(ステッ
プS158)。
ここで、昇格リプレイに入賞したと判定されると(ステップS158におけるYES)
、チャンスRT(CRT)に移行される(SステップS159)。また、昇格リプレイに
入賞していないと判定されると(ステップS158におけるNO)、転落リプレイに入賞
したか否か(DRP)が判定される(ステップS160)。転落リプレイに入賞したと判
定された場合は(ステップS160におけるYES)、遊技状態を一般状態(GGC)に
移行させる(ステップS161)。また、転落リプレイに入賞していないと判定された場
合は(ステップS160におけるNO)、ステップS158に戻り、昇格リプレイまたは
転落リプレイに入賞するまでステップS158、ステップS160の判定をループする。
ステップS157において準備RTまたは準RTでないと判定されると(ステップS1
57におけるNO)、チャンスRT(CRT)であるか否かが判定される(S162)。
チャンスRTであると判定されたときには(ステップS162におけるYES)、転落リ
プレイ(DRP)に入賞したか否かが判定される(ステップS163)。
転落リプレイに入賞したと判定されると(ステップS163におけるYES)、転落リ
プレイに入賞したゲームにおいて、適正な押し順が教示(NAVI)されていたか否かが
判定される(ステップS164)。適正な押し順が教示されていたと判定されると(ステ
ップS164におけるYES)、準RT(SRT)に移行する(ステップS165)。そ
の一方、適正な押し順が教示されていないと判定されると(ステップS164におけるN
O)、一般状態(GGC)に移行される(ステップS166)。また、転落リプレイに入
賞していないと判定されると(ステップS163におけるNO)、転落リプレイに入賞し
たと判定されるまで、ステップS163をループする。
ステップS162においてチャンスRTでないと判定されると(ステップS162にお
けるNO)、遊技状態が一般状態にあることとなる。このとき、ART付与抽選に当選し
た(ARTGL)か否かを判定する(ステップS167)。ART付与抽選は、図57に
示すように、チェリー2(強チェリー),チェリー1(弱チェリー)、スイカ、確定役と
いったいわゆる小役に当選した場合に実行される抽選である。各小役に当選した場合、図
57に示す割合でART付与抽選に当選する。また、ART付与抽選は、出目変換制御で
各小役等が表示された場合等にも実行される。ART付与抽選については、後にさらに説
明する。ART付与抽選に当選した場合には(ステップS167におけるYES)、準備
RTに遊技状態が移行する(ステップS168)。また、ART付与抽選に当選していな
い場合には(ステップS167におけるNO)、一般状態が維持される。他方、準備RT
、準RT、チャンスRT、及び一般状態中にボーナスゲームに当選すると、ボーナス内部
中に移行する。
なお、一般状態では、一定期間にわたってゲームを実行したときに、この一定期間内に
、ゲームの結果として払い出されるメダル枚数よりも遊技者がゲームを実行するために賭
けるメダル枚数の方が多くなる。すなわち、一般状態は、遊技者がゲームを実行すると、
それに伴ってメダル枚数が減少していく遊技状態である。また、準備RT及び準RTでは
、一般状態と同様に、一定期間にわたってゲームを実行したときに、この一定期間内に、
ゲームの結果として払い出されるメダル枚数よりも遊技者がゲームを実行するために賭け
るメダル枚数の方が多くなる。すなわち、準備RT及び準RTは、一般状態と同様に、遊
技者がゲームを実行すると、それに伴ってメダル枚数が減少していく遊技状態である。
さらに、一般状態、準備RT、準RT、チャンスRT、ボーナス内部中及びボーナス中
の各遊技状態における内部抽選において、各入賞役が当選する確率は、図49に示される
とおりである。
ところで、本実施形態のスロットマシン1では、上述したとおり、メイン基板409か
ら内部抽選の結果情報が情報コマンドとして演出制御基板510のCPU1118に向け
て出力される。メイン基板409から出力された内部抽選の結果情報を受信した演出制御
基板510のCPU1118は、この結果情報に基づいて、例えば画像表示体500又は
/及びスピーカ512を用いた演出を実行する手段を備える。例えば、準備RT、準RT
、チャンスRTでは、内部抽選の結果が「AT1」〜「AT10」のうちのいずれかであ
るとき、リール停止ボタン211a〜211cについての適正な押し順が、例えば画像表
示体500又は/及びスピーカ512を用いた演出のナビゲートによって教示される。こ
の適正な押し順のナビゲート(以下「押し順ナビ」という)については,後に詳しく説明
する。また、押し順ナビについては、例えば一般状態やボーナスゲーム中には行われない
。したがって、内部抽選の結果が「AT1」〜「AT10」のうちのいずれかであるとき
、一般状態に制御されているときよりもチャンスRTに制御されているときの方が、「A
T1」〜「AT10」に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に表示させることが遊技
者にとって容易となる。この点で、チャンスRTは、一般状態と比べて遊技者にとって有
利な遊技状態であるといえる。
ところで、本実施形態のスロットマシン1では、適正な押し順でリール停止ボタン21
1a〜211cが操作されることを、上記の特定条件としている。具体的には、昇格リプ
レイ1〜5と転落リプレイ1〜5との重複役が内部抽選にて選び出された場合には、「左
→中→右」の順押し、「左→右→中」のはさみ押し、「中→左→右」または「中→右→左
」の中押し、「右→左→中」の逆押し、及び、「右→左→中」の逆はさみ押しの5通りの
押し順のうち、いずれか一の押し順が適正な押し順に決定される。この場合、適正な押し
順とは異なるが、一部の押し順が適正な押し順と共通する一部の押し順が不適正な押し順
が2通り決められ、全部の押し順が不適正な押し順が2通りに決められる。ただし、中押
しの場合には、適正な押し順が「中→左→右」または「中→右→左」の2通りあるので、
中押しの場合の一部の押し順が不適正な押し順は、「中→左→右」の押し順を基準として
定められる。その結果、一部の押し順が不適正な押し順が2通り決められ、全部の押し順
が不適正な押し順が2通りに決められる。そして、適正な押し順または一部の押し順が不
適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、昇格リプレ
イ1〜5のいずれかに入賞する。さらに、全部の押し順が不適正な押し順でリール停止ボ
タン211a〜211cが操作された場合には、転落リプレイ1〜5のいずれかに入賞す
る。
なお、転落リプレイ役と通常リプレイ役との重複役が内部抽選にて選び出された場合に
は、上記5通りの押し順のうちいずれか一の押し順に決定されるようにしたが、決定され
る押し順の通り数は1に限られず、2以上の通り数であってもよい。
また、昇格リプレイに入賞させるための手順は、適正な押し順でリール停止ボタン21
1a〜211cが操作されることに限られないことは言うまでもない。例えば、三つのリ
ール301a〜301cのうち少なくとも一のリール又は全てのリールが適正なタイミン
グで停止されるように、リール停止ボタン211a〜211cが停止操作されたこととし
てもよい。
本実施形態のスロットマシン1は、上述したとおり、遊技状態として、一般状態のほか
、準備RT、準RT、及びチャンスRTゲームが設けられている。以下に、これらのRT
ゲームについて説明する。
[準備RT]
準備RTとは、一般状態において所定のART付与抽選に当選した場合に移行する遊技
状態であり、図49を見ても分かるように、リプレイの当選確率が一般状態に比べて当選
しやすくされている。また、準備RT中は、昇格リプレイ1〜昇格リプレイ5のいずれか
に当選した場合に、チャンスRTに移行する。また、準備RT中に「AT1」〜「AT1
0」のいずれかに当選すると、適正な押し順を教示する押し順ナビが実行され、実行され
た押し順ナビにしたがってリール停止ボタン211a,211b,211cを操作するこ
とにより、容易に9枚の払出が行わせる図柄組み合わせを表示させることができる。
[準RT]
準RTとは、チャンスRTにおいて転落リプレイに入賞した場合に移行する遊技状態で
あり、チャンスRT以外の遊技状態から準RTに移行することはないものである。また、
図49を見ても分かるように、リプレイの当選確率が一般状態に比べて当選しやすくされ
ている。さらに、準RT中は、昇格リプレイ1〜昇格リプレイ5のいずれかに当選した場
合に、チャンスRTに移行する。準RTは、準備RTと比較して、リプレイの当選確率は
同一とされているものの、昇格リプレイ1〜5の当選確率は高く設定されている。このた
め、準RTは、準備RTよりもチャンスRTへの移行しやすくなっている。また、一般状
態では、準備RTを経てチャンスRTに移行するものであり、準備RT及び準RTは、一
般状態よりもチャンスRTへ移行しやすくなっている。また、準RT中に「AT1」〜「
AT10」のいずれかに当選すると、適正な押し順を教示する押し順ナビが実行され、実
行された押し順ナビにしたがってリール停止ボタン211a,211b,211cを操作
することにより、容易に9枚の払出が行わせる図柄組み合わせを表示させることができる
[チャンスRT]
チャンスRTとは、チャンスRTが開始されてから継続ゲーム数が0となるまでのゲー
ム期間におけるゲームであり、このチャンスRTでは、図49を見ても分かるように、リ
プレイの当選確率が一般状態に比べて当選しやすくされている。さらに、チャンスRT中
に「AT1」〜「AT10」のいずれかに当選すると、適正な押し順を教示する押し順ナ
ビが実行され、実行された押し順ナビにしたがってリール停止ボタン211a,211b
,211cを操作することにより、容易に9枚の払出が行わせる図柄組み合わせを表示さ
せることができる。
また、チャンスRTが開始されるときに、チャンスRTの継続ゲーム数が決定される。
チャンスRTでは、継続ゲーム数が0となる以前に転落リプレイに当選することにより、
準RTに移行し、継続ゲーム数が0となった後に転落リプレイに当選することにより一般
状態に移行する。継続ゲーム数が0となる以前では、準RTへの移行を避けるべく、転落
リプレイが入賞することを回避するために、演出制御基板510のCPU1118により
、例えば画像表示体500又は/及びスピーカ512を用いた押し順ナビの演出が実行さ
れる。すなわち、内部抽選の結果が「AT1」〜「AT10」のうちいずれかであるとき
に、転落リプレイが入賞しないように、適正な押し順でのリール停止ボタン211a〜2
11cの操作を促す演出、又は、適正なタイミングでのリール停止ボタン211a〜21
1cの操作を促すが実行される。押し順ナビにしたがったリール停止ボタン211a〜2
11cの操作が実行されることによって、継続ゲーム数の間、転落リプレイの入賞を回避
してチャンスRTを継続させることが可能となる。
そして、継続ゲーム数が消化されると、押し順ナビの演出が実行されなくなる。その後
、「昇格リプ+転落リプ」の条件装置が作動した場合には、遊技者の勘によって適正な押
し順または押し順の一部が不適正な押し順でリール停止ボタン211a,211b,21
1cを操作することにより、チャンスRTから一般状態への転落(移行)を回避できる。
しかしながら、勘が外れて全部の押し順が不適正な押し順でリール停止ボタン211a,
211b,211cを操作してしまった場合に、遊技状態がチャンスRTから一般状態に
転落する。
また、チャンスRT中は、遊技者に向けてその遊技状態がチャンスRT中であることを
認識(識別)できる態様にて実行させる。具体的には、チャンスRT中であることの表示
(画像表示体500等による)や、効果音(スピーカ512等による)により識別可能な
ものとする。
なお、スロットマシン1には複数の設定値(設定値1から6までの6段階)を設けてい
る(それぞれ図示はしない)。そして、それぞれの設定値では内部抽選確率に格差(段階
的な差、極端な差など)がつけられている。この設定値は、設定値1<設定値2<設定値
3<設定値4<設定値5<設定値6、というように設定値が高くなるほどボーナス当選役
やチャンスRT(ART)への移行確率が優遇されるようにするとよい。例えば、設定値
1に比べると設定値4ではBB1の当選確率が高く決められているのでBB1に当選する
可能性が高いといったようなことである。このように段階的な設定値を設けることにより
、設定値ごとに特徴を持たせて遊技者が設定値の推測する際の手掛かりとしたり、ホール
等の経営に合わせた設定値にてスロットマシン1の運用をしたり、といったことが可能と
なる。なお、上記のような設定値に限られることはない。
[リール停止処理]
始動処理が終了すると、一定速度で回転を続けているリールを停止させるための操作(
停止操作、つまりリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)待ちの状
態となる。図58では、一例として「テーブル方式」によるリール停止処理の内容を示し
ている。以下では、リール停止制御の処理の流れを説明する。
リール停止処理では、まずステップS201で、当該ゲームでの内部抽選の結果に対応
して作動した条件装置にしたがってリール停止制御テーブルを選択する。このリール停止
制御テーブルは予め全ての条件装置に1対1で対応するパターンが用意されており、これ
らは読み出し専用のテーブルデータとしてメイン基板409のROM1112に格納され
ている。
上記のステップS201にて成立している条件装置に基づいてリール停止制御テーブル
が選択された状態になると、各リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操
作が受け付けられるまで待ち受け状態となる(ステップS202,S210,S217)
。これらの待ち受け状態で、左リール301a、中リール301b、右リール301cの
各リールがすでに停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグがONとなってい
ない状態(F=0、つまりOFFの状態)であるか否かを判定するとともに、合わせてリ
ール停止ボタン211a,211b,211cのいずれかが押下されたかについても判定
する。全てのリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられ
るまでは、ステップS209の判定が満たされず、ステップS202以降の処理を繰り返
す。
ここで、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の受け付けられた
順番(停止操作手順)を、それぞれ「順押し」、「はさみ押し」、「逆押し」、「逆はさ
み押し」、「中押し」と呼ばれる停止操作手順(または押し順ともいう)に分ける。
上記の「順押し」の停止操作手順とは、左リール301aを第1番目に停止させ、続い
て中リール301bを第2番目に停止させ、最後に右リール301cを第3番目に停止さ
せる操作手順をいう。また、「はさみ押し」の停止操作手順とは、左リール301aを第
1番目に停止させ、続いて右リール301cを第2番目に停止させ、最後に中リール30
1bを第3番目に停止させる操作手順をいう。なお、「順押し」と「はさみ押し」とをま
とめて「順押し」と表す場合もある。
上記の「逆押し」の停止操作手順とは、「順押し」と反対に右リール301cを第1番
目に停止させ、続いて中リール301bを第2番目に停止させ、最後に左リール301a
を第3番目に停止させる操作手順をいう。また、「逆はさみ押し」の停止操作手順とは、
右リール301cを第1番目に停止させ、続いて左リール301aを第2番目に停止させ
、最後に中リール301bを第3番目に停止させる操作手順をいう。なお、「逆押し」と
「逆はさみ押し」とをまとめて「逆押し」と表す場合もある。
上記の「中押し」の停止操作手順とは、中リール301bを第1番目に停止させる操作
手順(つまり、中リール停止ボタン211bを第1番目に押下操作する手順)のことをい
い、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 中リール→左リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 中リール→右リール→左リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。
これら2つをまとめて「中押し」と呼ぶ。
ステップS202では、左リール301aが停止状態となったことを示すフラグ(左リ
ール停止フラグLF)がOFF(LF=0)であり、なおかつ、左リール停止ボタン21
1aの押下操作が受け付けられたかを判定する。ステップS201で、リール停止ボタン
211a,211b,211cの押下操作の待ち受け状態から「順押し」の停止操作手順
に沿って最初(第1番目)に左リール停止ボタン211aが押下されたとすると、ステッ
プS202の判定が満たされ、ステップS203に移る。
ステップS203では、第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。
ここでいう「第1リール」とは第1番目に停止操作が受け付けられる、あるいは第1番目
に停止するリールのことをいう。この例(「順押し」)では、左リール301aの停止操
作が第1番目に受け付けられるので、第1リール停止フラグがOFFの状態(F=0)と
なっている。従って、ステップS203の判定は満たされ、次のステップS204に移る
次のステップS204では、左リール301aについて第1リール停止処理が行われる
。この第1リール停止処理では、作動している条件装置に対応するリール停止制御テーブ
ルに基づいて内部抽選フラグに対応する当選役図柄の停止位置の制御を実行する。
ステップS206では、残りの中リール301b、右リール301cのリール停止制御
テーブルを決定する。前述のとおり、スロットマシン1の有効ラインは右上がりラインと
右下がりラインとの2ラインのみであるため、この時点で残りのリール(中リール301
b、右リール301c)の停止制御テーブルは1つに決定することができる。つまり、第
1停止リール(この場合は左リール301a)の図柄表示窓401内の図柄(これを停止
目と呼ぶ、以下同様)のうち特に上段位置または下段位置の図柄が当選役図柄となる可能
性のある図柄であった場合、その該当図柄を基準とした有効ライン上に残りのリール(中
リール301b、右リール301c)の該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止
制御テーブルを選択することになる。
ステップS207では、第1リール停止フラグをON(F=1)として、次のステップ
S208に移る。
次いでステップS208では、左リール停止フラグLFをON(LF=1)として、ス
テップS209に移る。
そして、ステップS209では、全てのリール301a,301b,301cが停止状
態となったかを判定する。この例では、まだ左リール停止フラグLFがONとなっただけ
であり、中リール301b及び右リール301cはまだ回転中であることから、この判定
が満たされず、ステップS202に戻り以降の処理を繰り返し実行する。
そして、再びステップS202以降の処理が実行される場合、すでに左リール301a
は停止状態となっているのでステップS202の判定は満たされず、ステップS210に
移る。
ステップS210では、中リール301bが停止状態となったことを示すフラグ(中リ
ール停止フラグMF)がOFF(MF=0)であり、なおかつ、中リール停止ボタン21
1bの押下操作が受け付けられたかを判定する。ここでは「順押し」の停止操作手順に沿
うため、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられることとなる。従って、
ステップS210の判定が満たされ、次のステップS211に移る。
ステップS211では、上記のステップS203と同様に第1リール停止フラグがOF
F(F=0)であるか判定する。そして、この時点ではすでに第1リール停止フラグはO
N(F=1)となっているため、この判定が満たされず、ステップS213に移る。
ステップS213では、中リール停止処理として、作動している条件装置に対応するリ
ール制御テーブル(この場合は上記のステップS206で決定したリール停止制御テーブ
ル)に基づいて該当当選役図柄の停止位置の制御を実行する。そして、このとき中リール
301bは第2番目に停止するリール(第2リール)となり、ステップS212,S21
4,S215は全て迂回され、ステップS216に移り、中リール停止フラグMFをON
(MF=1)としてステップS209に移る。
そして、再度ステップS209では、左リール301a及び中リール301bが停止状
態となっただけであり、まだ右リール301cは回転中で停止状態(右リール停止フラグ
RFがOFFとなっている)となっていないので、この判定が満たされず、ステップS2
02に戻り、再度以降の処理を繰り返し実行する。
さらに、3度目のステップS202以降の処理では、先ずステップS217で右リール
停止フラグMFがOFF(MF=0)であり、なおかつ、右リール停止ボタン211cの
押下操作が受け付けられたかを判定していくことになるが、以降のステップS218,S
220等の処理は、上記のステップS210以降の処理(ステップS211,S213)
と同様であるため詳細な説明は省略する。
そして、ステップS223にて、右リール停止フラグRFをON(MF=1)として、
ステップS209に移る。
最後にステップS209では、この時点において、全てのリール301a,301b,
301cが停止状態となっていることから、この判定が満たされ、リール停止処理が終了
する。
なお、「中押し」の停止操作手順の場合も上記と同様の説明ができるため詳細は省略す
る。ただし、「逆押し」の停止操作手順の場合は上記の説明と一部異なる点があるため、
以下に説明する。
「逆押し」の停止操作手順で、上記の「順押し」あるいは「中押し」の停止操作手順と
異なる点は、ステップS221(第1リール停止処理の後に残りのリール停止制御テーブ
ルの決定)についてである。すなわち、「逆押し」の停止操作手順では、右リール301
cのみが停止状態となり、なおかつ、右リール301cの停止目のうち、下段位置にいず
れかの当選役図柄があった場合、まだ2つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃
えることが可能である。従って、ステップS221の段階では、いずれの有効ラインにも
該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、いず
れかを選び出すものとすればよい。
[リール停止制御]
上記のリール停止処理では、成立フラグに対応した当選役図柄(該当当選役図柄)を極
力図柄表示窓401内に引き込むリール停止制御を行う(いわゆる、引き込み制御といわ
れる)。具体的には、遊技者によるリールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示
窓401内に停止させることが可能な範囲(該当当選役図柄を引き込むことが可能な範囲
、例えば、図柄4個分)を予め決めておき、その範囲内に該当当選役図柄がある場合、こ
れを図柄表示窓401内に引き込んでリールを停止させる制御を実行する。なお、ここで
いう「引き込むことが可能な範囲」とは、リールの停止操作が受け付けられてから当該リ
ールが停止するまでに、リールの回転方向にみて移動が可能な図柄の最大数のことをいう
。例えば、引き込み可能な範囲を最大で図柄4個分とすれば、当該リールの停止操作が受
け付けられた場合、その位置を基点にしてさらに図柄4個分までリールの回転移動が可能
となる。
従って、このようなリール停止制御によれば、リールの停止操作が受け付けられた時点
で、図柄表示窓401内に該当当選役図柄がなかったとしても、該当当選役図柄が引き込
み可能な範囲内にあれば、その該当当選役図柄を図柄表示窓401内にまで移動させたう
えで停止させることが可能となる。また、この引き込み制御を行うことにより、遊技者は
該当当選役図柄の目押しのタイミングが多少早かったとしても、引き込み可能範囲内に当
該当選役図柄があれば、その当該当選役図柄を図柄表示窓401内に引き込んで停止させ
ることができる。従って、取りこぼし(当該当選役図柄を揃えることができずに当該当選
役に対応する遊技特典を獲得できずにその遊技特典が消滅してしまうこと)が生じること
を極力抑えることができる。
スロットマシン1では、リプレイ役、ベル1、ベル2、ALL役等に対応する条件装置
が作動している場合には、遊技者の目押しを必要とせずに必ず該当当選役図柄を揃えるこ
とができる(前述の図46参照)。これは、リプレイ役、ベル1、ベル2、ALL役等の
それぞれに対応する図柄組み合わせを構成する図柄については、対応するそれぞれの当選
役図柄が最大で4個分の図柄おきに配置されているからである。
なお、リプレイ図柄についてさらに着目すると、左リール301a上では、リプレイ図
柄からリプレイ図柄までのあいだに他の図柄が最大で4個分配置されている(図46参照
)。これにより、左リール301aでは、リールのどの位置で停止操作が受け付けられて
も、リプレイ役に対応する条件装置が作動している限り、必ずリプレイ図柄を有効ライン
上のいずれかに引き込んで停止させることができる。
また、内部抽選の結果がボーナス役と小役との重複役である場合は、ボーナス図柄より
も小役を優先的に引き込むものとしている。ボーナス役と小役との重複役に当選した場合
、この当選したゲームにおいては小役に対応する図柄組み合わせが表示されたとしても、
次ゲーム以降においてボーナス役に対応する図柄組み合わせが表示されるからである。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方
式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、こ
こでは具体的な説明を省略する。また、本実施形態においてコントロール方式またはテー
ブル方式のいずれのリール停止処理を実行してもよく、どの方式を採用するかは制御プロ
グラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
[判定処理]
リール停止処理が終了すると、図柄表示窓401内にていずれかの有効ライン上に当選
役図柄が揃っているか(いずれかの当選役に該当する図柄の組み合わせ態様が表示されて
いるか)否かについて判定を行う。図59では、この判定処理の内容を具体的に説明する
リール停止処理により全てのリール301a,301b,301cが停止した状態とな
ると、図柄表示窓401内の停止目の態様から、いずれかの有効ライン上に当選役図柄が
揃っているか(当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かを判定
する。なお、特に全てのリールが停止状態となった場合の停止目のことは出目と呼ばれる
こともある。
ステップS301及びS302では、それぞれ、RBゲーム中(RB中)であるか、B
Bゲーム中(BB中)であるかを判定する。これはRBゲーム中フラグ、BBゲーム中フ
ラグというゲーム状態フラグのON状態(=1)、OFF状態(=0)を判定することで
ある。
RBゲーム中フラグがON(=1)となっていると、ステップS301の判定が満たさ
れ、ステップS380に移る。また、BBゲーム中フラグがON(=1)となっていると
ステップS302の判定が満たされ、ステップS370に移る。RBゲーム中フラグ及び
BBゲーム中フラグのいずれもOFF(=0)となっている場合、ステップS301及び
S302の判定がいずれも満たされず、ステップS303に移る。
ステップS303で、RTゲーム終了判定処理(RTEP、詳細は後述する)を実行し
た後、いずれかの有効ライン上に揃っている当選役図柄に応じて、さらに以下のステップ
S310,S320,S340,S350のいずれかに移る。
ステップS310では、BB図柄が揃っているか(BBPD)を判定する。いずれかの
有効ライン上にBB図柄(「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」または「青7図柄−青7図
柄−青7図柄」)が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS312に移る
次のステップS312では、BBゲーム開始処理を実行する(BBSP)。ここでは、
BBゲームとして、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるため
の処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS320では、RB図柄が揃っているか(RBPD)を判定する。いずれかの
有効ライン上にRB図柄(「赤7図柄−赤7図柄−青7図柄」または「青7図柄−青7図
柄−赤7図柄」)が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS322に移る
次のステップS322では、RBゲーム開始処理を実行する(RBSP)。ここでは、
RBゲームとして、BBゲームに準じたメダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集
中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS340では、リプレイ図柄が揃っているか(RPPD)を判定する。いずれ
かの有効ライン上にリプレイ図柄が揃っている場合(「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リ
プレイ図柄」)、この判定が満たされ、次のステップS342に移る。
次のステップS342では、リプレイゲーム処理を実行する(RPGP)。このリプレ
イゲーム処理では、当該ゲームでのベット数と同じベット数(この例ではMAXベット)
にて次回のゲームを開始させるために、MAXベットコマンドをRAM1114に一旦記
憶させる。このコマンドに基づき、次回のゲームを再遊技として開始させることができる
そして、ステップS344では、リプレイ当選フラグをOFF(=0)にして(RPH
F←0)処理を終了する。
ステップS350では、小役図柄が揃っているか(SFPD)を判定する。いずれかの
小役に当選した場合、この判定が満たされ、次のステップS351に移る。
次のステップS351では、RTゲーム開始処理を行う(RTSP)。RTゲーム開始
処理では、当選した小役が当選した小役に基づいて実行されるART付与抽選の結果を参
照し、ART付与抽選に当選している場合にはRTゲームを開始し、ART付与抽選に当
選していない場合にはRTゲームを開始しない処理を行う。
次のステップS352では、いずれかの有効ライン上に小役図柄が揃っている場合に、
揃っている小役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(MOP、メダル放
出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する
(払出枚数表示LED612に表示する)。これにより、遊技者には当該小役に対応した
規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
そして、ステップS354では、該当する小役当選フラグをOFF(=0)にして(S
FHF←0)処理を終了する。
有効ライン上にいずれの当選役図柄も揃っていない場合、上記のステップS310,S
320,S340,S350のいずれの判定も満たされず、ステップS360に移る。な
お、このときの出目は「ハズレ目(バラバラな図柄の組み合わせ態様)」とも呼ばれる。
ステップS360では、ハズレ処理を実行する(MIP)。このハズレ処理では、この
時点でON(=1)状態となっている当選フラグがBB及びRBを除く他の当選フラグの
場合、当該当選フラグをOFF(=0)にする。また、いずれの当選フラグもON(=1
)となっていない場合(このときはハズレフラグがON(=1)となっている)には、ハ
ズレフラグをOFF(=0)にする。
上記のステップS303からステップS360までの処理は、一般状態、準備RT、準
RT、及びチャンスRTの場合に実行する処理となる。次にステップS370以降の処理
について説明する。ここでの処理は、BBゲーム(BB1ゲーム、BB2ゲーム)及びR
Bゲーム(RB1ゲーム、RB2ゲーム)の場合に実行する処理である。
まず、ステップS370では、BBゲーム時払出役図柄が揃っているか(BB中OP)
を判定する。ここでいう「BBゲーム時払出役」とは、ALL役及びボーナスゲーム専用
役の総称である。そして、いずれかの有効ライン上にBBゲーム時払出役図柄が揃ってい
る場合、この判定が満たされ、次のステップS372に移る。
次のステップS372では、揃っているBBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメ
ダルの払い出しを実行する(MOP、メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い
出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)
これにより、遊技者には当該BBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出さ
れたことが報知(告知、表示)される。
ステップS372に次いで、ステップS374では、BBゲーム終了判定処理(BBE
P)を実行する(詳細は後述する)。
また、上記のステップS370の判定が満たされない場合、ステップ378に移り、当
該成立フラグをOFF(=0)にする(CIEF←0)。特にこの例では、取りこぼしが
生じないため、当該成立フラグにはハズレフラグが該当する。すなわち、ステップS37
8では、当該ハズレフラグをOFF(=0)にする。
次にステップS380以降の説明をする。ステップS380では、RBゲーム時払出役
図柄が揃っているか(RB中OP)を判定する。なお、この「RBゲーム時払出役」も、
前述のBBゲーム時払出役と同様にRBゲーム中に払い出しがある当選役の総称であり、
本実施形態では、「BBゲーム時払出役」と同じである。そして、いずれかの有効ライン
上にRBゲーム時払出役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS3
82に移る。
次のステップS382では、揃っているRBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメ
ダルの払い出しを実行する(MOP、メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い
出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)
これにより、遊技者には当該RBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出さ
れたことが報知(告知、表示)される。
ステップS382に次いで、ステップS384では、RBゲーム終了判定処理(RBE
P)を実行する(詳細は後述する)。
また、上記のステップS380の判定が満たされない場合、前述のステップ378に移
り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。これは先に説明したため、説明は省略する
[BBゲーム開始処理]
前述の図59のステップS310の判定が満たされた場合、BBゲーム開始処理を実行
する。このBBゲーム開始処理について図60を用いて説明する。
まず、ステップS401では、BB1フラグ、BB2フラグといったBBフラグ(BB
F)がON(=1)となっているかを判定する。ステップS401の判定が満たされると
、ステップS404に移る。ステップS404では、BBゲーム中フラグ(BBGF)を
ON(=1)にする。また図示はしないが、このときBBフラグをOFF(=0)にする
。次いでステップS406にて、BBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする(B
B中ACCC)。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして
、次ゲームからは、通常ゲームと同様の賭け数3ベット(3枚賭け)にてBBゲームが開
始される。
また、ステップS401の判定が満たされない場合、ステップS402に移り、エラー
処理(ER処理)を実行する。このような場合となるのは、BBフラグがOFF(=0)
であるにも関わらず、BB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らか
の不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生
じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーラン
プ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[BBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図59のステップS374のBBゲーム終了判定処理について図61を
用いて説明する。
まず、ステップS451では、前述の図59のステップS372にてメダルの払い出し
があったことを受けて、BBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する
(BB中ACCUP)。
次にステップS452では、累計払出枚数が300枚(BB2の場合は200枚)を超
えたかを判定する(AAC>TH)。このステップS452の判定が満たされない場合、
ステップS454に移り、BBゲーム中の累計払出枚数を表示する(BB中APCS)。
このステップでは、払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示
用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい。また、ステップS452の
判定が満たされると、ステップS460に移る。
ステップS460では、BBゲーム中フラグ(BBGF)をOFF(=0)にして処理
を終了する。
[RBゲーム開始処理]
前述の図59のステップS320の判定が満たされた場合、RBゲーム開始処理を実行
する。このRBゲーム開始処理について図62を用いて説明する。
まず、ステップS501では、RB1フラグ、RB2フラグといったRBフラグ(RB
F)がON(=1)となっているかを判定する。ステップS501の判定が満たされると
、ステップS504に移る。ステップS504では、RBゲーム中フラグ(RBGF)を
ON(=1)にする。また図示はしないが、このときRBフラグをOFF(=0)にする
。次いでステップS506にて、RBゲーム中の累計払出枚数カウント(RB中ACCC
)をクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして
、次ゲームからは、通常ゲームと同様の賭け数3ベット(3枚賭け)にてRBゲームが開
始される。このことにより、遊技者は通常ゲームと比べて特別な違和感を覚えることなく
ゲームを行うことができる。
また、ステップS501の判定が満たされない場合、ステップS502に移り、エラー
処理(ER処理)を実行する。このような場合となるのは、RBフラグがOFF(=0)
であるにも関わらず、RB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らか
の不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生
じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーラン
プ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[RBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図59のステップS384のRBゲーム終了判定処理について図63を
用いて説明する。
まず、ステップS551では、前述の図59のステップS382にてメダルの払い出し
があったことを受けて、RBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算(R
B中ACCUP)する。
次にステップS552では、累計払出枚数(AAC)が20枚を超えたかを判定する。
このステップS552の判定が満たされない場合、ステップS554に移り、RBゲーム
中の累計払出枚数を表示する(RB中APCS)。このステップでは、払出枚数表示LE
D612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示
するものとしてもよい。
また、ステップS552の判定が満たされると、ステップS556に移る。
ステップS556では、RBゲーム中フラグ(RBGF)をOFF(=0)にして処理
を終了する。
[RTゲーム開始処理]
次に、前述の図59のステップS351のRTゲーム開始処理について説明する。RT
ゲームは、準備RT、準RT、またはチャンスRTにおいて実行されるゲームであり、一
般状態においてART付与抽選に当選した場合に実行される。一般状態においてART付
与抽選に当選すると、準備RTに移行する。また、準備RT中または準RT中に昇格リプ
レイに入賞するとチャンスRTに移行する。さらに、チャンスRT中に、押し順ナビが実
行された状態で転落リプレイに入賞すると準RTに移行し、押し順ナビが実行されない状
態で転落リプレイに入賞すると一般状態に移行する。
一般状態においてART付与抽選に1回当選すると、1セットのチャンスRTゲームが
実行される。また、チャンスRTゲーム中にゲーム数上乗せ抽選が行われると、このゲー
ム数上乗せ抽選に当選する毎に、別途決定される継続ゲーム数が上乗せされていく。さら
に、チャンスRTゲーム中にセット数上乗せ抽選が行われると、このセット数上乗せ抽選
に当選する毎に、別途決定されるセット数が上乗せされていく。そして、この上乗せされ
た継続ゲーム数のチャンスRTゲームが全て消化されるまで、チャンスRTゲームが継続
することとなる。以下、RTゲーム開始処理について、図64を用いて詳細に説明する。
まず、ステップS801において、遊技状態が一般状態(GGC)か否かを判定する。
遊技状態が一般状態であると判定されると、ステップS802では、ART付与抽選(A
RTGL)に当選したかを判定する。ここで、ART付与抽選に当選していないと判定さ
れると、そのまま処理が終了となる。一方、ART付与抽選に当選したと判定されると、
ステップS804において準備RTフラグ(SRTF)をON(=1)にする。
また、ステップS801において、一般状態でないと判定されると(ステップS801
におけるNO)、遊技状態が準備RTまたは準RTであるか否かが判定される(ステップ
S810)。遊技状態が準備RTまたは準RTであるかと判定されると(ステップS81
0におけるYES)、昇格リプ(PRP)に入賞したか否かを判定する(ステップS81
1)。
ここで、昇格リプに入賞していないと判定されると(ステップS811におけるNO)
、そのまま処理が終了となる。また、昇格リプに入賞したと判定されると(ステップS8
11におけるYES)、チャンスRTフラグ(CRTF)をON(=1)にし(ステップ
S813)、準備RTフラグ(PRTF)及び準RTフラグ(SRTF)をOFF(=0
)にする。その後、チャンスRTの継続ゲーム数(CRTN)を「50回」にセットして
(ステップS817)、処理が終了となる。
さらに、ステップS810において、準備RTまたは準RTでないと判定されると(ス
テップS810におけるNO)、チャンスRTであることとなる(ステップS820)。
この場合、ゲーム数上乗せ抽選(GNU)に当選したか否かが判定される(ステップS8
21)。ゲーム数上乗せ抽選に当選したと判定されると、上乗せするゲーム数(α)を決
定して、そのゲーム数をチャンスRTの継続ゲーム回数に加算する(ステップS823)
。また、ゲーム数上乗せ抽選の代わりにセット数上乗せ抽選が行われる場合もある。この
セット数上乗せ抽選に当選した場合には、チャンスRTゲームのセット数が上乗せされる
。その後、処理が終了となる。一方、ステップS821において、ゲーム数上乗せ抽選に
当選していないと判定されると(ステップS821におけるNO)、そのまま処理が終了
となる。
[RTゲーム終了判定処理]
次にRTゲーム終了判定処理について、図65を用いて詳細に説明する。前述の図59
の判定処理において、準備RT、準RT、及びチャンスRT中に、RTゲーム終了判定処
理が実行される。
まず、ステップS901では、チャンスRTフラグ(CRTF)がON(=1)となっ
ているかを判定する。この判定が満たされると、次のステップS902では、チャンスR
Tの継続ゲーム数(ARTN)を「1」だけ減算して、ステップS904に移る。
ステップS904では、転落リプレイに入賞したか否かを判定する。転落リプレイに入
賞していない場合、処理は終了となる。一方、転落リプレイに入賞したと判定されると、
転落リプレイに入賞したゲームにおいて、適正な押し順が教示(NAVI)されていたか
否かが判定される(ステップS906)。適正な押し順が教示されていたと判定されると
(ステップS906におけるYES)、いわゆる押し準ミスが発生していることとなるた
め、準RTフラグ(SRTF)をON(=1)にする。その後、チャンスRTフラグをO
FF(=0)にして、処理を終了する(ステップS910)。
また、ステップS906において、適正な押し順が教示されていないと判定されると(
ステップS906におけるNO)、チャンスRTの継続ゲーム数が消化しており、押し順
ナビが発生していないこととなる。この場合には、一般状態に移行させるため、そのまま
チャンスRTフラグをOFF(=0)にして、処理を終了す(ステップS910)。
さらに、ステップS901において、チャンスRTフラグがONとなっていないと判定
されると、準備RTフラグ(PRTF)または準RTフラグ(SRTF)がON(=1)
となっているか否かを判定する(ステップS912)。準備RTフラグまたは準RTフラ
グがON(=1)となっていと判断されたら、処理を終了する。
準備RTフラグまたは準RTフラグがON(=1)となっていると判定されると、転落
リプレイに入賞したか否かを判定する(S914)。ここで、転落リプレイに入賞してい
ると判定されたら、準備RTフラグおよび準RTフラグをOFF(=0)にする。こうし
て、遊技状態を一般状態に移行させて処理を終了する。さらに、準備RTフラグまたは準
RTフラグがON(=1)となっていると判定されると、処理は終了となり、RT状態が
維持される。
[演出動作の制御]
以上は、メイン基板409による制御の例であるが、スロットマシン1では、ゲームの
進行にあわせて演出制御基板510により各種演出動作の制御を実行する。これはメイン
基板409から出力される各種コマンド(情報コマンド、出力信号)に基づいて、演出制
御基板510(主にCPU1118等)にて実行するものである。前述の通りメイン基板
449から出力された各種コマンドは、一旦、RAM1122に記憶される。そして、当
該コマンドに基づき、予め用意された演出態様を選択し、実行するものである。このよう
な演出態様は、演出態様データテーブル(図示しない)としてROM1120内に格納さ
れており、当該コマンドに対応する演出態様が複数用意されている。
例えば、演出態様としては、当該ゲームのみで完結するもの(以下、単発演出態様とい
う)や、複数のゲームにわたって行われるもの(以下、連続演出態様という)などが含ま
れる。このうち、単発演出態様には、当該当選フラグを示唆する演出(示唆演出、告知演
出、詳細は後述)、メダルの払い出しを知らせる演出(払出演出、なお、払い出し枚数ま
でを知らせる態様でもよい)などがある。さらに、単発演出態様には、適正な押し順を教
示する押し順ナビがある。押し順ナビでは、適正なタイミングを教示する場合もある。
[示唆演出]
示唆演出は、遊技者に当該当選フラグを直接的に知らせる演出(告知演出)とは異なり
、当該当選フラグを間接的に知らせる演出のことをいう、例えば、当該当選フラグに該当
する当選役の形、色などを表現した表示等を行うといったことである。また、示唆演出は
、当該当選フラグがない場合(つまり、ハズレの場合)にも行われる。この場合には、ハ
ズレであることを気付きにくい内容の演出とする(例えば、いずれの当選役とも取れるよ
うな曖昧な内容)。これにより、当該ゲームがハズレであることを遊技者に気付きにくく
することができる。
[告知演出]
告知演出は、例えば、当該当選フラグがBBであった場合、「ボーナス確定!」等、遊
技者が当該ゲームでいずれの当選役となったかを明確に知ることのできるものである。こ
の演出は、特にBBやRBなど遊技者にとって喜ばしい当選役(メダルを大量に獲得でき
るため)について実行させるとより効果的である。すなわち、遊技者がBB等に当選した
際に、そのことを祝福する意味合いを持たせることができるからである。
[押し順ナビ]
チャンスRT(ART)中、「AT1」〜「AT10」のいずれかの当選役に当選した
場合、押し順ナビの演出を実行する。また、「昇格リプ5+転落リプ5」〜「昇格リプ1
+転落リプ1」のいずれかの当選役に重複当選した場合にも、押し順ナビの演出を実行す
る。「AT1」〜「AT10」のいずれかの当選役に当選した場合に、押し順ナビの演出
にしたがってリール停止ボタン211a〜211cを適正な押し順で操作すると、9枚の
メダルが払い出される。
「AT1」〜「AT10」のいずれかの当選役に当選した場合の流れについて、例えば
、「AT1」の当選役に当選した場合の演出について説明する。「AT1」の当選役に当
選した場合、図66(a)に模式的に示すように、画像表示体500に適正な押し順に対
応する順番を表示する。具体的に、適正な押し順は「左→中→右」であるので、画像表示
体500には、左側には、「1」の数字を表す左装飾文字LLが表示され、中央には、「
2」の数字を表す中装飾文字LC、右側には、「3」の文字を表す右装飾文字LRが表示
される。
続いて、押し順ナビにしたがって左リール停止ボタン211aが操作されると、図66
(b)に示すように、左リール301aが停止し、左装飾文字LLが消去される。さらに
、押し順ナビにしたがって中リール停止ボタン211bが操作されると、図67(a)に
示すように、中リール301bが停止し、中装飾文字LCが消去される。それから、押し
順ナビにしたがって右リール停止ボタン211cが操作されると、図67(b)に示すよ
うに、右リール301cが停止し、右下がりライン632a(図47参照)にベル図柄が
揃う。このとき、画像表示体500では、右装飾文字LRが消去されるとともに「9枚G
ET!」の装飾文字が表示される。こうして、ベルの入賞による9枚の払い出しがあるこ
とを遊技者に報知する。
一方、押し順ナビの演出では、リール停止ボタン211a〜211cについての適正な
押し順を教示しても、遊技者の不注意等によって教示通りにリール停止ボタン211a〜
211cが操作されないことがある。例えば、図68(a)に示すよう、画像表示体50
0に適正な押し順である装飾文字LL,LC,LRを表示した後、図68(b)に示すよ
うに、教示された押し順と異なり、中リール停止ボタン211bを操作してしまったとす
る。この場合には、画像表示体500に「MISS!」の装飾文字に表示する警告を発す
ることで、押し順ミスをしたことを遊技者に報知する。
その後、左右リール停止ボタン211a,211cを操作することによって、図69(
a)に示すように、左右リール301a,301cが停止する。このとき、左右リール停
止ボタン211a,211cが適正なタイミングで操作された場合には、2枚払出図柄組
み合わせ及び4枚払出図柄組み合わせが2本の有効ラインにそれぞれ表示され、画像表示
体500に「6枚GET!」の装飾文字が表示される。その一方、左右リール停止ボタン
211a,211cが不適正なタイミングで操作された場合には、図69(b)に示すよ
うに、「ベルこぼ目」が表示される。
他方、ART中に昇格リプレイと転落リプレイとに重複当選した場合には、押し順ナビ
の演出にしたがってリール停止ボタン211a,211b,211cを適正な押し順で操
作された場合、あるいは一部の押し順が不適正な押し順で操作された場合には、ARTが
維持される。その一方、全部の押し順が不適正な押し順で操作されると、ARTから準R
Tに遊技状態が移行する。
「昇格リプ5+転落リプ5」〜「昇格リプ1+転落リプ1」のいずれかの当選役に当選
した場合の流れについて、例えば、「昇格リプ5+転落リプ5」の当選役に重複当選した
場合の演出について説明する。「昇格リプ5+転落リプ5」の当選役に当選した場合、図
70(a)に模式的に示すように、画像表示体500に適正な押し順に対応する順番を表
示する。具体的に、適正な押し順は「左→中→右」であるので、画像表示体500には、
左側には、「1」の数字を表す左装飾文字LLが表示され、中央には、「2」の数字を表
す中装飾文字LC、右側には、「3」の文字を表す右装飾文字LRが表示される。
続いて、押し順ナビにしたがって左リール停止ボタン211aが操作されると、図70
(b)に示すように、左リール301aが停止し、左装飾文字LLが消去される。さらに
、押し順ナビにしたがって中リール停止ボタン211bが操作されると、図71(a)に
示すように、中リール301bが停止し、中装飾文字LCが消去される。それから、押し
順ナビにしたがって右リール停止ボタン211cが操作されると、図71(b)に示すよ
うに、右リール301cが停止し、右上がりライン632b(図47参照)にリプレイ図
柄が揃う。このとき、画像表示体500では、右装飾文字LRが消去され、ARTがその
まま継続する。
一方、押し順ナビの演出では、リール停止ボタン211a〜211cについての適正な
押し順を教示しても、遊技者の不注意等によって教示通りにリール停止ボタン211a〜
211cが操作されないことがある。例えば、図72(a)に示すよう、画像表示体50
0に適正な押し順である装飾文字LL,LC,LRを表示した後、図72(b)に示すよ
うに、教示された押し順と異なり、中リール停止ボタン211bを操作してしまったとす
る。この場合には、画像表示体500に「MISS!」の装飾文字に表示する警告を発す
ることで、押し順ミスをしたことを遊技者に報知する。この時点で、リール停止ボタン2
11a〜211cが適正な押し順で操作されることはなくなり、一部の押し順が不適正な
押し順または全部の押し順が不適正な押し順で操作されることとなる。
その後、一部の押し順が不適正な押し順で左右リール停止ボタン211a,211cが
操作されると、図73(a)に示すように、左右リール301a,301cが停止し、昇
格リプレイが表示されて、遊技状態はARTのまま維持される。このとき、画像表示体5
00に「KEEP!」の装飾文字が表示される。一方、全部の押し順が不適正な押し順で
左右リール停止ボタン211a,211cが操作されると、図73(b)に示すように、
左右リール301a,301cが停止し、転落リプレイが表示されて、遊技状態は準RT
に移行(転落)する。このとき、画像表示体500に「FALL!」の装飾文字が表示さ
れる。
[連続演出]
他方、連続演出態様としては、一般状態、準備RT、準RT、チャンスRT中、ボーナ
ス中等の遊技状態に対応したものがある。これらは、遊技状態がどのようになっているか
を明確にするものであり、遊技者はこれらの演出(連続演出)が行われることにより、現
在の遊技状態が、例えば準備RT中であるのかチャンスRT中であるのか、といった区別
を付けることが容易となる。
そして、ART中は、開始から終了まで、その旨を遊技者が認識できるよう連続演出を
実行させる。例えば、ARTゲームの回数をカウントする表示や、規定回数に近づくにつ
れて危機感迫る効果音を発生させることなどである。このようにすると、遊技者はART
ゲームの残り回数がどれほどあるのか確認しながらゲームを進めていくことができる。
以上の演出態様は、画像表示体500による画像の表示や、スピーカ512等による効
果音の発生、LED装飾等による発光や点灯等、として実行させることができる。このよ
うな演出態様は、遊技者が長い時間ゲームを続けている場合など、退屈な印象を与えづら
くすることができるものである。なお、演出態様は、画像表示体500、スピーカ512
、LED装飾等で実行されることに限られるものではない。例えば、画像表示体500に
代えて、ELディスプレイ(Electroluminescence Display
)や、ドットLEDを用いてもよい。さらに、キャラクタを模した人形や、可動可能な模
型等や、サイドリール(例えば、各リールとは別の位置に配され、演出の一環として遊技
者の操作に因らずにその始動と停止を実行するもの)や、あるいは、ランプなどの照明(
例えば、回転灯に代表される回転可能なライト等)を設けて各種演出を実行させるものと
してもよい。このような方法をとれば、液晶表示等を用いずとも遊技者を十分に楽しませ
ることが可能である。
[ART付与抽選]
さらに、メイン基板409においては、遊技状態を一般状態から準備RTを経てチャン
スRTに移行させるためのART付与抽選を実行している。以下、ART付与抽選につい
て説明する。ART付与抽選は、遊技状態が一般状態にあるときに実行され、一般状態中
における高低状態及び当選役(当選小役)、あるいは高低状態及び後に説明する変換後出
目等に基づいて実行される。高低状態としては、高確率状態と低確率状態とが設けられて
おり、高確率状態の方が低確率状態よりも総じてチャンスRTに移行する確率が高くされ
ている。
[高低状態]
遊技状態が一般状態であるときには、高低状態として高確率状態と低確率状態との間で
移行している。また、高確率状態にあるときには、低確率状態への移行抽選を実行してお
り、低確率状態にあるときには、高確率状態への移行抽選を実行している。これらの高確
率状態への移行及び低確率状態への移行抽選は、当選役に基づいて実行される。
図74は、高低状態の移行確率を示す図であり、高低状態移行テーブルとして予めメイ
ン基板409におけるROM1112等に格納されているものである。高低状態移行テー
ブルとしては、図74(a)に示す低確率滞在時状態移行抽選テーブルと、図74(b)
に示す高確率滞在時状態移行抽選テーブルとが設けられている。
図74(a)に示す低確率滞在時状態移行テーブルが、遊技状態が一般状態の低確率状
態に滞在しているときに参照されるテーブルであり、設定1〜設定6に対してそれぞれ高
確率状態への移行確率が決められている。具体的に、設定1の場合、当選役が「はずれ」
「リプレイ」のときには1/1024の確率で高確率状態に移行し、当選役が「ベル(ベ
ル1、ベル2)」のときには5/1024の確率で高確率状態に移行する。また、当選役
が「弱チェリー(チェリー1)」のときには200/1024の確率で高確率状態に移行
し、当選役が「スイカ」のときには10/1024の確率で高確率状態に移行し、当選役
が「強チェリー(チェリー2)」のときには20/1024の確率で高確率状態に移行す
る。また、設定2〜設定6の場合には、それぞれ図74(a)に示す確率で高確率状態に
移行する。
一方、図74(b)に示す高確率滞在時状態移行テーブルが、遊技状態が一般状態の高
確率状態に滞在しているときに参照されるテーブルであり、設定1〜設定6で共通の高確
率状態への移行確率が決められている。具体的に、当選役が「はずれ」のときには50/
1024の確率で低確率状態に移行し、当選役が「リプレイ」のときには10/1024
の確率で高確率状態に移行する。また、当選役がその他の役であるときには、高確率状態
が維持される。
[チャンスRTへの移行抽選]
さらに、メイン基板409では、現在の滞在している高低状態及び当選役に基づいて、
チャンスRTへの移行抽選を実行する。図75は、チャンスRTへの移行確率を示す図で
あり、チャンスRT移行テーブルとして予めメイン基板409におけるROM1112等
に格納されているものである。チャンスRT移行テーブルとしては、図75(a)に示す
低確率滞在時チャンスRT移行抽選テーブルと、図75(b)に示す高確率滞在時チャン
スRT移行抽選テーブルとが設けられている。
図75(a)に示す低確率滞在時チャンスRT移行テーブルが、遊技状態が一般状態の
低確率状態に滞在しているときに参照されるテーブルであり、設定1〜設定6に対してそ
れぞれチャンスRT(準備RT)への移行確率が決められている。具体的に、設定1の場
合、当選役が「はずれ」「リプレイ」「ベル(ベル1、ベル2)」のときには1/102
4の確率でチャンスRTに移行し、当選役が「弱チェリー(チェリー1)」のときには1
5/1024の確率でチャンスRTに移行する。また、当選役が「スイカ」のときには5
0/1024の確率でチャンスRTに移行し、当選役が「強チェリー(チェリー2)」の
ときには100/1024の確率でチャンスRTに移行する。また、設定2〜設定6の場
合には、それぞれ図75(a)に示す確率でチャンスRTに移行する。
一方、図75(b)に示す高確率滞在時チャンスRT移行テーブルが、遊技状態が一般
状態の高確率状態に滞在しているときに参照されるテーブルであり、設定1〜設定6に対
してそれぞれチャンスRT(準備RT)への移行確率が決められている。具体的に、設定
1の場合、当選役が「はずれ」「リプレイ」のときには1/1024の確率でチャンスR
Tに移行し、当選役が「ベル(ベル1、ベル2)」のときには2/1024の確率でチャ
ンスRTに移行する。また、当選役が「弱チェリー(チェリー1)」のときには30/1
024の確率でチャンスRTに移行し、当選役が「スイカ」のときには100/1024
の確率でチャンスRTに移行する。さらに、当選役が「強チェリー(チェリー2)」のと
きには200/1024の確率でチャンスRTに移行する。
このように、チャンスRTに移行しやすい図柄組み合わせを移行しにくい側から順に並
べると、「ハズレ」「リプレイ」「ベル」「弱チェリー」「スイカ」「強チェリー」の順
となる。したがって、「ハズレ」からみて「リプレイ」「ベル」「弱チェリー」「スイカ
」「強チェリー」はいずれもチャンスRTに移行しやすい図柄組み合わせであり、遊技者
にとって有利な図柄組み合わせとなる。これらの遊技者にとって有利な図柄な図柄組み合
わせは、メイン基板409において決定される。
また、これらの小役を内部抽選による当選確率の順に並べると「ハズレ」「リプレイ」
「ベル」「弱チェリー」「スイカ」「強チェリー」の順となる。したがって、内部抽選の
当選確率が低いほど、チャンスRTに移行しやすい小役となっている。
[出目変換制御処理]
次に、出目変換制御処理について説明する。出目変換制御処理は、メイン基板409に
よって実行され、後に説明する出目変換周期の天井ゲーム数に到達したときに実行される
。出目変換制御では、図柄表示手段に表示された図柄組み合わせを所定の図柄組み合わせ
に変換する制御を実行可能とされている。フリーズ制御が実行されると、スロットマシン
1における1枚投入ボタン205、MAX投入ボタン206、スタートレバー210、リ
ール停止ボタン211a,211b,211cなどのすべての操作子の受付が無効化され
る。
フリーズ制御が実行されている間、メイン基板409は、リール301a〜301cを
適宜回転させて、現在表示されている出目を所定の出目に変換する制御を実行する。出目
変換制御では、リール301a〜301cを回転させて、出目変換制御実行するゲームの
前ゲームにおける出目(以下「前ゲーム出目」という)から、出目変換制御によって変換
された後に表示される出目(所定の図柄組み合わせ、以下「変換後出目」という)に変換
して表示する。変換後出目は、設定値、チャンスRTまたはボーナスゲームが終了してか
ら計測した状態の消化ゲーム数、高低状態、所定のゲーム(前ゲームを含む)で実行され
た抽選結果等に基づいて決定される。変換後出目の決定手順については、後に説明する。
このような出目変換制御を実行することにより、出目の表示回数を、各ゲームで実行され
る抽選回数よりも多くすることができる。その結果、各ゲームで実行される抽選確率より
も高い割合で出目を表示させることができる。
出目変換制御はフリーズ制御が実行されている間に完了し、フリーズタイマが0となっ
てフリーズ制御が終了した後には、リール301a〜301cが回転を開始する。その後
は、フリーズ制御が実行されない場合と同様、リール301a〜301cの回転速度が等
速となった後にリール停止ボタン211a,211b,211cが有効となる。
出目変換制御が実行される場合のリール301a,301b,301cの具体的な動き
について図を参照して簡単に説明する。例えば、前ゲーム出目が「ベル」であり、変換後
出目が「スイカ」であるとする。この場合、図76(a)に示すように、例えば前ゲーム
出目として右下がり有効ライン623aに「ベル1図柄−ベル1図柄−ベル1図柄」が表
示されて前ゲームが終了する。
続いて、次ゲームを開始させるため、遊技者が始動レバー210を操作し、メイン基板
409が始動レバー210の操作を検知すると、フリーズ制御が実行されて、スロットマ
シン1における1枚投入ボタン205、MAX投入ボタン206、スタートレバー210
、リール停止ボタン211a,211b,211cなどのすべての操作子の受付が無効化
される。これらの操作子の受付が無効化されたまま、図76(b)に示すように、リール
301a,301b,301cが回転を開始する。このときの回転速度は、ゲームが実行
されているときにおけるリールの回転速度よりも低い速度とされている。また、リール3
01a,301b,301cが回転を開始すると、画像表示体500には「CHANGE
!」の装飾文字が表示され、出目変換が実行されていることを遊技者に教示している。
続いて、図77(a)に示すように、左リール301aが停止し、左リール301aの
上から順に「スイカ図柄・ベル1図柄・リプレイ図柄」の図柄が停止表示される。このと
き、中リール301b及び右リール301cは回転を継続している。このとき、画像表示
体500に「COMP?」の装飾文字が表示され、出目変換制御により、レア小役などが
表示される期待感を遊技者に抱かせている。
続いて、図77(b)に示すように、中リール301b及び右リール301cが順次停
止し、中リール301bの上から順に「リプレイ図柄・スイカ図柄・青7図柄」の図柄が
停止表示され、右リール301cの上から順に「リプレイ図柄・ベル1図柄・スイカ図柄
」の図柄が停止表示される。こうして、右下がりライン623a上に当選役がスイカであ
る場合に対応する図柄組み合わせである「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」の図柄
組み合わせが表示される。また、画像表示体500に「スイカGET!」の装飾文字が表
示される。こうして、スイカに出目変換したことを遊技者に報知している。
右下がりライン623a上に「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」の図柄組み合わ
せが表示されたまま、フリーズ制御が継続し、フリーズタイマがタイムアップしたら、リ
ール301a,301b,301cが回転を開始する。このときのリール301a,30
1b,301cの回転速度は、ゲームが実行されているときにおけるリールの回転速度と
される。このように出目変換制御が実行される。
上記の基本的な構成を有するスロットマシン1のほか、以下の技術思想であらわす遊技
機を例示することができる。
[技術思想例示1]
それぞれに複数の図柄が付されている複数の可動体と、
当選役の抽選を実行する抽選手段と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記複数の可動体の停止制御を実行する停止
制御手段と、
前記複数の図柄の一部を視認可能に表示する領域を有する図柄表示手段と、
前記図柄表示手段に表示された図柄を組み合わせた図柄組み合わせに応じた特典を付与
する特典付与手段と、
を備える遊技機であって、
前記領域に表示される図柄そのものの態様に変化はないものの、前記視認可能とされる
図柄を追加し得る表示図柄追加手段と、
前記表示図柄追加手段によって追加表示された追加表示図柄を含む図柄を組み合わせた
追加図柄組み合わせを表示する追加図柄組み合わせ表示手段と、
前記追加図柄組み合わせ表示手段に表示された追加図柄組み合わせに応じた追加特典を
付与することによって、特典付与機会を増加させ得る特典付与機会増加手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
上記技術思想例示1に記載の遊技機は、複数の図柄の一部を視認可能に表示する領域を
有する図柄表示手段(図柄表示窓401)と、図柄表示手段に表示された図柄を組み合わ
せた図柄組み合わせに応じた特典を付与する特典付与手段(メイン基板409、演出制御
基板510)とを備えている。また、上記の領域に表示される図柄そのものの態様に変化
はないものの、上記視認可能とされる図柄を追加し得る表示図柄追加手段(演出制御基板
510)を備えており、表示図柄追加手段によって追加表示された追加表示図柄を含む図
柄を組み合わせた追加図柄組み合わせを表示する追加図柄組み合わせ表示手段(図柄表示
窓401、移動構造体800,810)と、を備えている。さらに、追加図柄組み合わせ
表示手段に表示された追加図柄組み合わせに応じた追加特典を付与することによって、特
典付与機会を増加させ得る特典付与機会増加手段(メイン基板409、演出制御基板51
0)を備えている。
上記の遊技機においては、追加図柄組み合わせ表示手段に追加図柄組み合わせが表示さ
れた場合、追加図柄組み合わせに応じた追加特典が付与される。このため、例えば、図柄
表示手段に所定の図柄組み合わせが表示されたとしても、その図柄組み合わせの表示に留
まらず、さらなる追加図柄組み合わせの表示及び追加図柄組み合わせの表示に応じた追加
特典が付与されることある。したがって、図柄の組み合わせが表示された後においても、
付与される特典に対する期待感を持続させることができ、興趣の低下を抑制することがで
きる。また、以下の技術思想としてあらわすスロットマシンを例示することができる。
[技術思想例示2]
それぞれに複数の図柄が付されている複数の可動体と、
当選役の抽選を実行する抽選手段と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記複数の可動体の停止制御を実行する停止
制御手段と、
前記複数の図柄の一部を視認可能に表示する領域を有する図柄表示手段と、
前記図柄表示手段に表示された図柄を組み合わせた図柄組み合わせに応じた特典を付与
する特典付与手段と、
を備える遊技機であって、
前記複数の可動体とは異なる特定可動体と、
前記特定可動体を前記図柄表示手段の内側に配置させて前記図柄表示手段における図柄
を隠蔽して非表示としておきながらも、前記特定可動体を当該図柄表示手段の外側に可動
させることで、前記領域に表示される図柄そのものの態様に変化はないものの、前記視認
可能とされる図柄を追加し得る表示図柄追加手段と、
前記表示図柄追加手段によって追加表示された追加表示図柄を含む図柄を組み合わせた
追加図柄組み合わせを表示する追加図柄組み合わせ表示手段と、
前記追加図柄組み合わせ表示手段に表示された追加図柄組み合わせに応じた追加特典を
付与することによる特典付与機会を増加させ得る特典付与機会増加手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
この技術思想例示2に係る遊技機は、複数の可動体(リール301a,301b,30
1c)とは異なる特定可動体(移動構造体800,810)を備える。また、特定可動体
を図柄表示手段(図柄表示窓401)の内側に配置させて図柄表示手段(図柄表示窓40
1)における図柄を隠蔽して非表示としておきながらも、特定可動体(移動構造体800
,810)を図柄表示手段の外側に可動させることで、領域(図柄表示窓401の一部)
に表示される図柄そのものの態様に変化はないものの、視認可能とされる図柄を追加し得
る表示図柄追加手段(演出制御基板510)を備える。さらに、表示図柄追加手段(演出
制御基板510)によって追加表示された追加表示図柄を含む図柄を組み合わせた追加図
柄組み合わせを表示する追加図柄組み合わせ表示手段(図柄表示窓401,移動構造体8
00,810)を備えている。
追加図柄組み合わせを表示するにあたり、図柄表示窓401における一部の領域を特定
可動体で隠蔽して非表示としておき、特定可動体(移動構造体800,810)を移動さ
せることで追加図柄組み合わせを表示している。このため、図柄表示窓401以外に図柄
表示手段などを不要とすることができる。よって、追加図柄組み合わせを容易に表示する
ことができる。以下、この遊技機に係るスロットマシンについて、さらに説明する。
[移動構造体]
図78は、上記の技術思想に係るスロットマシンを簡素化して示す正面図である。図7
8に示すように、本実施形態に係るスロットマシン2は、上記の基本的なスロットマシン
1に対して、可動体(リール301a,301b,301c)とは異なる特定可動体であ
る移動構造体800,810を備える点において主に異なっている。移動構造体800,
810は、いずれも横長の長方形状をなしている。また、上記の基本的なスロットマシン
1では、図47に示すように、右上がりライン623bと右下がりライン623aの2つ
のラインを有効ラインとしている。これに対して、本実施形態に係るスロットマシン2で
は、中段ライン623xの1つのラインを有効ラインとしている。このとき、リール30
1a,301b,301cにおける有効ライン623xには、3つの図柄(図78に示す
例では「スイカ」「リプレイ」「スイカ」)が表示されている。
さらに、説明の便宜上、スロットマシン2における上段ラインを上段擬似有効ライン6
23αといい、下段ラインを下段擬似有効ライン623βという。上段擬似有効ライン6
23α及び下段擬似有効ライン623βは、いずれも有効ラインではない無効ラインであ
るが、スロットマシン2では、所定の小役、ここではチェリーに当選した場合には、チェ
リーの図柄が有効ライン623xではなく上段擬似有効ライン623α及び下段擬似有効
ライン623βに表示される制御が実行される。この意味で、上段擬似有効ライン623
α及び下段擬似有効ライン623βは、無効ラインであるものの、擬似的な有効ラインと
して機能している。チェリーに当選した際の図柄の表示態様については、後にさらに説明
する。
移動構造体800,810は、常時は、図78に実線で示す位置(以下「移動前位置」
という)に配置されている。また、常時以外の所定の移動タイミングでは、上移動構造体
800は下降させられ、下移動構造体810は上昇させられて、図78に破線で示すよう
に、図柄表示領域を構成する図柄表示窓401に表示されるリール301a,301b,
301cにおけるそれぞれの上段に表示される図柄の前面の位置(以下「移動位置」とい
う)に配置される。
このとき、リール301a,301b,301cにおける上段擬似有効ライン623α
にそれぞれ表示される3つの図柄(図78に示す例では「チェリー」「チェリー」「チェ
リー」)は、上移動構造体800によって遊技者から視認不能または視認しにくい状態と
なる。同様に、リール301a,301b,301cにおける下段擬似有効ライン623
βにそれぞれ表示される3つの図柄(図78に示す例では「ベル」「ベル」「リプ」)は
、下移動構造体810によって遊技者から視認不能または視認しにくい状態となる。また
、リール301a,301b,301cにおける上段擬似有効ライン623αにそれぞれ
表示される3つの図柄及び下段擬似有効ライン623βに表示される3つの図柄は、いず
れも有効ラインである中段ライン623xから外れた位置に配置されている。
図柄表示窓401において視認可能または視認し易い図柄は、移動構造体800,81
0が配置される位置によって変動する。具体的に、移動構造体800,810が移動前位
置に配置されているときには、図柄表示窓401は全体的に図柄が視認可能または視認し
易い状態となっている。以下、移動構造体800,810が移動前位置に配置されている
時の図柄表示窓401の図柄表示領域を通常図柄表示領域という。また、移動構造体80
0,810が移動位置に配置されているときには、図柄表示窓401はその一部において
図柄が視認可能または視認し易い状態となっている。以下、移動構造体800,810が
移動位置に配置されている時の図柄表示窓401の図柄表示領域を狭小図柄表示領域とい
う。
移動構造体800,810は、いずれも図示しない移動機構によって移動可能とされて
いる。移動構造体800,810を移動させる移動機構としては、適宜の手段を用いるこ
とができる。たとえば、スライド機構を用いることもできるし、リンク機構やカム機構な
どを用いることもできる。さらに、移動構造体800,810の移動位置は一定とされて
いるので、これらの移動位置の間にレールなどの案内部材を設けて、移動構造体800,
810の移動軌跡を一定とすることもできる。さらには、レールなどを用いることで、移
動構造体800,810をスムーズに移動させることができる。
移動構造体800,810における図示しない移動機構は、演出制御基板510によっ
て制御される。演出制御基板510では、メイン基板409から出力される各種コマンド
等に基づいて、移動構造体800を移動制御する。また、移動構造体800,810は、
移動前位置から移動位置に可動することにより、図柄表示領域である図柄表示窓401の
一部を侵食して、図柄表示領域を狭くする。ただし、メイン基板409によって移動機構
の移動制御を実行するようにもできる。
また、リール301a,301b,301cが回転を開始して、その後、全リールが停
止したときには、移動構造体800,810は、移動位置から移動前位置に可動する。移
動構造体800,810が移動位置から移動前位置に可動することにより、図柄表示窓4
01の一部に表示される図柄そのものの態様に変化はないものの、視認可能とされる図柄
を追加し得る。移動機構を制御して移動構造体800,810を可動させる演出制御基板
510は、解決手段に記載の表示図柄追加手段に相当する。また、移動構造体800,8
10は、追加図柄組み合わせを表示する追加図柄組み合わせ表示手段に相当する。
演出制御基板510は、移動構造体800,810を移動前位置から移動位置まで可動
させることにより、図柄表示窓401のうち、有効ライン623xを除いた図柄表示窓4
01における一部の領域を移動構造体800,810によって隠蔽可能としている。ただ
し、移動構造体800,810を移動位置まで移動させた場合でも、図柄表示窓401に
おける視認領域を確保している。したがって、有効ライン623xにおいて、図柄の視認
性が妨げられないものとされている。
[当選役の図柄組み合わせ]
また、スロットマシン2における当選役に対応する図柄組み合わせは、上記のスロット
マシン1とはその一部が異なる。スロットマシン2では、小役として「リプレイ」に当選
した場合には、有効ライン623xに「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」の各図
柄が表示される。小役として「ベル」に当選した場合には、有効ライン623xに「ベル
」−「ベル」−「ベル」の各図柄が表示され、小役として「スイカ」に当選した場合には
、有効ライン623xに「スイカ」−「スイカ」−「スイカ」の各図柄が表示される。こ
れらの表示は、上記のスロットマシン1と同様である。
これに対して、小役として「チェリー」に当選した場合には、停止ボタン211a,2
11b,211cが所定の適切なタイミングで操作されることにより、上段擬似有効ライ
ン623αに「チェリー」−「ANY」−「ANY」の各図柄の図柄組み合わせが表示可
能とされる。ここで「ANY」は、いずれの図柄が表示されていてもよいことを意味して
いる。この点、スロットマシン1では、有効ライン623a,623bのいずれかに「チ
ェリー」−「ANY」−「ANY」の描く図柄の図柄組み合わせが表示可能とされている
点と異なっている。
スロットマシン2において小役として「チェリー」に当選した場合、有効ライン623
xには、上段擬似有効ライン623αに「チェリー」−「ANY」−「ANY」の各図柄
の図柄組み合わせが表示可能とされる図柄の組み合わせ、例えば「チェリー」−「ANY
」−「ANY」の各図柄の図柄組み合わせが表示可能とされている。ただし、有効ライン
623xに同一種類の図柄組み合わせは表示されないように制御される。
例えば「チェリー」に当選し、例えば図78に示すように上段擬似有効ライン623α
に「チェリー」−「チェリー」−「チェリー」の図柄組み合わせが表示された場合、有効
ライン623xには「スイカ」−「リプレイ」−「スイカ」の図柄組み合わせが表示され
る。この図柄組み合わせは、一見ハズレ目のように見えるが、「チェリー」に当選した場
合に対応する図柄組み合わせとして設定されたものである。このように、有効ライン62
3xには一見ハズレ目のように見える図柄組み合わせが表示されるが、有効ライン623
x以外の非有効ライン(上段擬似有効ライン623α)に「チェリー」−「チェリー」−
「チェリー」(「チェリー」−「ANY」−「ANY」)の図柄組み合わせが表示される
ので、遊技者は、チェリーに入賞したことを容易に認識することができる。
なお、小役として「スイカ」、「チェリー」は、リール停止ボタン211a,211b
,211cの操作タイミングによっては取りこぼしを生じる小役である。遊技者は、「ス
イカ」、「チェリー」の取りこぼしをなくして、より多くのメダルを獲得するために、目
押しを実行することが多くなる。
[移動構造体の移動タイミング]
続いて、スロットマシン2における移動構造体800,810の移動タイミングについ
て説明する。移動構造体800,810の移動タイミングの説明にあたり、スロットマシ
ン2の遊技の流れについて、図79を用いて簡単に説明すると、まず、レバーONによっ
てリール301a,301b,301cが回転を開始し、リール301a,301b,3
01cの回転速度が一定となったときにリール停止装置が有効となる。リール停止装置が
有効となる前は、リール停止ボタン211a,211b,211cの操作が無効となり、
リール停止ボタン211a,211b,211cを操作してもリール301a,301b
,301cが停止することなく回転を継続する。その後、リール停止装置が有効となると
、リール停止ボタン211a,211b,211cを操作することにより、リール301
a,301b,301cが停止する。
リール停止装置が有効となった後、第一リール停止ボタンを操作すると、第一リールが
停止する。ここでの第一リール停止ボタンは、リール停止装置が有効となった後にリール
停止ボタン211a,211b,211cのうちの最初に操作されたリール停止ボタンを
意味し、第一リールは、第一リール停止ボタンに対応するリールである。
続いて、第二リール停止ボタンを操作すると、第二リールが停止する。第二リール停止
ボタンは、リール停止ボタン211a,211b,211cのうちの第一リール停止ボタ
ンに続いて操作されたリール停止ボタンを意味し、第二リールは、第二リール停止ボタン
に対応するリールである。
さらに、第三リール停止ボタンを操作すると、第三リールが停止する。第三リール停止
ボタンは、リール停止ボタン211a,211b,211cのうちの第二リール停止ボタ
ンに続いて操作されたリール停止ボタンを意味し、第三リールは、第三リール停止ボタン
に対応するリールである。第三リールが停止することにより、全リール301a,301
b,301cが停止する。
全リール301a,301b,301cが停止すると、メダル投入の受付が可能となる
。メダル投入の受付が可能となる前は、メダル投入口203にメダルを投入してもメダル
が受け付けられずにメダル用受皿に排出される。また、メダルの投入の受付が可能となる
と、メダル投入口203にメダルが投入されることにより、ウェイトタイマがタイムアッ
プすることを条件として、スタートレバーの操作が有効となる。なお、メダル投入口20
3にメダルが投入されず、またはウェイトタイマがタイムアップする前までは、スタート
レバーの操作は無効とされる。
こうしたスロットマシン2の遊技の流れの中で、移動構造体800,810は、メダル
受付可能となった後からレバーONされるまでの間は、移動前位置に配置された状態とな
っている。続いて、遊技者によって始動レバー210が操作されてレバーONとなると、
移動構造体800,810が、移動前位置から移動位置まで可動し、リール停止装置が有
効となる時点で移動位置に到達する。なお、リール停止装置が有効となる以前または以後
に移動位置に到達するようにしてもよい。また、この移動構造体800,810の移動は
、毎ゲーム実行される。
移動構造体800,810が移動位置に配置されたら、第3リールが停止するまで移動
構造体800,810は移動位置に停止している。その後、第3リールが停止して全リー
ルが停止したときに、移動構造体800,810は、移動位置から移動前位置に移動を開
始し、メダル投入受付可能となるときに移動前位置に到達する。このときの移動構造体8
00,810の移動開始タイミングは、第3リールが停止して全リールが停止したときで
なく、その前後のタイミングとすることもできる。
また、移動構造体800,810が移動するタイミングは、上記のタイミングに限定さ
れず、移動構造体800,810が移動可能とされたタイミングの間の適宜のタイミング
とされる。例えば、全リールが停止してからメダル受付可能となるまでの間やレバーON
までの間とすることができる。また、メダル投入受付可能となってからメダル投入される
までの間やレバーONまでの間とすることもできる。
[移動構造体の移動態様]
続いて、移動構造体800,810の移動態様について、図80を用いて説明する。リ
ール301a,301b,301cの回転前は、移動構造体800,810は、移動前位
置に位置している。続いて、図80(a)に示すように、始動レバー210が操作された
リール301a,301b,301cが回転を開始すると、上移動構造体800が下降し
始めるとともに、下移動構造体810が上昇し始める。
そのまま上移動構造体800が下降し、下移動構造体810が上昇してリール停止装置
が有効となる時点で、移動構造体800,810が移動位置に停止する。このとき、リー
ル301a,301b,301cの各上段に相当する位置が上移動構造体800によって
隠蔽され、リール301a,301b,301cの各下段に相当する位置が下移動構造体
810によって隠蔽される。リール301a,301b,301cの各上下段に相当する
位置が移動構造体800,810によって隠蔽されて、図柄表示窓401の図柄表示領域
が狭小図柄表示領域とされる。狭小図柄表示領域は、有効ライン623xにおける図柄が
表示可能となる領域であり、3つの図柄が表示可能とされている。
図柄表示窓401の図柄表示領域が狭小図柄表示領域とされた後、遊技者が例えばリー
ル停止ボタン211a,211bを操作すると、その操作に応じて、リール301a,3
01bが停止する。続いて、遊技者がリール停止ボタン211cを操作すると、図80(
b)に示すように、その操作に応じて、右リール301cが停止する。
このとき、図柄表示窓401における有効ライン623xを除いた領域は移動構造体8
00,810によって隠蔽されており、狭小図柄表示領域には、有効ライン623x上に
おけるに「スイカ」−「リプレイ」−「スイカ」の各図柄の図柄組み合わせが表示されて
いる。仮に、有効ライン623xに例えば「ベル」−「ベル」−「ベル」等の小役(この
例では「ベル」)に相当する図柄の組み合わせが表示されていれば、表示された図柄の組
み組み合わせに応じた特典としてメダルの払い出しが実行される。ところが、有効ライン
623xには、「スイカ」−「リプレイ」−「スイカ」といういずれの小役にも相当しな
い図柄の組み合わせが表示されている。このため、この狭小図柄表示領域に表示された図
柄の組み合わせに対する特典の付与としてのメダルの払い出しは実行されない。
続いて、リール301a,301b、301cの全てのリールが停止したら、図81(
a)に示すように、上移動構造体800が上昇し、下移動構造体810が下降してそれぞ
れ移動前位置に復帰する。移動構造体800,810の移動前位置への復帰により、移動
構造体800,810によって隠蔽されていた図柄表示窓401の図柄表示領域が視認可
能とされ、図柄表示窓401の図柄表示領域が通常図柄表示領域となる。図柄表示窓40
1の図柄表示領域が狭小図柄表示領域から通常図柄表示領域に拡張されることにより、図
柄表示窓401に表示される図柄が追加される。具体的には、上移動構造体800が上昇
することで上段擬似有効ライン623αに表示される図柄が追加され、下移動構造体81
0が下降することで下段擬似有効ライン623βに表示される図柄が追加される。
表示される図柄が追加されて追加図柄組み合わせが表示されると、追加図柄組み合わせ
の表示に応じて追加特典が付与されることがある。図81(a)に示す例では、上段擬似
有効ライン623αに「チェリー」−「チェリー」−「チェリー」の図柄組み合わせが追
加図柄組み合わせとして表示される。このため、追加図柄組み合わせの表示に応じて、追
加特典として、「チェリー」の入賞及び表示に基づく2枚のメダルの払い出しが実行され
る。追加図柄組み合わせを表示する図柄表示窓401は、解決手段に記載の追加図柄組み
合わせ表示手段に相当する。また、追加図柄組み合わせが表示されることで、追加特典を
付与するメイン基板409は、解決手段に記載の特典付与機会増加手段に相当する。ただ
し、特典の内容等によっては、演出制御基板510を特典付与機会増加手段とすることも
できる。
なお、図81(a)に示すように、入賞した小役が「チェリー」である場合には、取り
こぼしによって「チェリー」−「ANY」−「ANY」の図柄組み合わせが追加図柄組み
合わせとして表示されない場合がある。これに対して、入賞した小役が「ベル」であり、
図81(b)に示すように、上段擬似有効ライン623αに「ベル」−「ベル」−「ベル
」を表示すると決定した場合には、チェリーに当選した場合のようなとりこぼしは生じな
いように制御することができる。入賞した小役が「チェリー」である場合には、取りこぼ
しにより上段擬似有効ライン623αによって「チェリー」−「ANY」−「ANY」が
表示されることなく、遊技者がチェリーの入賞を認識できない場合があるが、入賞した小
役が「ベル」である場合には、取りこぼしが生じないので、「ベル」の入賞を遊技者が高
い割合で認識することができる。
その後は、上移動構造体800及び下移動構造体810がいずれも移動前位置に配置さ
れた状態が維持される。そして、次のゲームのレバーON時などの上移動構造体800及
び下移動構造体810が移動を開始することとなる所定の時期まで、上移動構造体800
及び下移動構造体810が移動前位置で待機することとなる。
このように、上記のスロットマシン2においては、有効ライン623xに所定の図柄組
み合わせが表示されることにより、表示された図柄の組み合わせに応じた特典が付与され
る。さらには、上段擬似有効ライン623αに所定の図柄組み合わせが表示されることに
よっても、表示された図柄の組み合わせに応じた特典が付与される制御が実行される。
上段擬似有効ライン623αは、上移動構造体800が移動位置に移動して図柄表示窓
401の図柄表示領域が狭小図柄表示領域となっているときには、遊技者が視認不能また
は視認困難な状態となっている。このため、上移動構造体800が上昇して移動前位置に
復帰することにより、図柄表示窓401の図柄表示領域が拡張して通常図柄表示領域とさ
れる。
図柄表示窓401の図柄表示領域が拡張すると、図柄表示窓401に表示される図柄が
増加する。具体的には、上移動構造体800に隠蔽されていた上擬似有効ライン623a
及び下移動構造体810に隠蔽された下擬似有効ライン623βにおける図柄及びこれら
の図柄からなる図柄の組み合わせが表示される図柄の組み合わせとして増加する。
そして、増加して表示された図柄による図柄組み合わせが所定の小役に対応する小役、
図81に示す例ではチェリーやベルなどに対応する図柄の組み合わせが追加表示されるこ
とにより、追加表示に対する追加特典として、所定枚数のメダルの払い出しが実行される
。こうして、追加表示に基づく追加特典の付与が実行される。
上記のスロットマシン2においては、図柄表示窓401の図柄表示領域が狭小図柄表示
領域となっているときにリール301a,301b,301cが停止した状態では、有効
ライン623xにおける図柄が表示されるのみである。このため、このときには所定の図
柄組み合わせが表示されず、メダルの払い出しなどの特典の付与が実行されないことがあ
る。
しかし、その後、移動構造体800,810が移動位置から移動前位置に移動すること
で、図柄表示窓401における図柄表示領域が拡張して狭小図柄表示領域から通常図柄表
示領域となる。図柄表示領域が狭小図柄表示領域から通常図柄表示領域となると、図柄表
示領域が拡張され、表示される図柄が追加される。ここで追加表示される図柄の図柄組み
合わせである追加図柄組み合わせがチェリーやベルなどに対応する図柄の組み合わせであ
る場合に、追加特典の付与としてのメダルの払い出しが行われる。
このように、上記のスロットマシン2では、図柄表示窓401の図柄表示領域が狭小図
柄表示領域から通常図柄表示領域に拡張されて追加図柄組み合わせが表示された場合、追
加図柄組み合わせに応じた追加特典が付与される。このため、例えば、図柄表示領域40
1の図柄表示領域が狭小図柄表示領域である場合、有効ライン623aに小役に対応する
図柄組み合わせやいわゆる小役に対応しないハズレ目が表示されたとしても、その図柄組
み合わせの表示に応じた特典に留まらず、さらなる追加図柄組み合わせの表示に応じた追
加特典が付与されることある。したがって、図柄の組み合わせが表示された後においても
、付与される特典に対する期待感を持続させることができ、興趣の低下を抑制することが
できる。
なお、上記の例では、移動構造体800,810を毎ゲームごとに移動させるようにし
ているが、毎ゲームごとには移動させず、適宜のタイミングで移動させることができる。
具体的に、所定ゲーム数ごと、例えば3ゲームや5ゲームごとに移動構造体800,81
0を移動させることもできるし、ランダムな回数のゲーム数ごとに移動構造体800,8
10を移動させることもできる。
あるいは、小役の当選状況等に応じて移動構造体800,810を移動させるようにす
ることができる。例えば、小役に当選した場合にのみ移動構造体800,810を移動さ
せて小役に当選しない場合(落選した場合)には移動構造体800,810を移動させな
いようにすることができる。あるいは、特定の小役、例えば取りこぼしが生じうる小役(
「スイカ」「チェリー」)に当選した場合などに移動構造体800,810を移動させる
ようにすることもできる。このように、移動構造体800,810の移動タイミングを任
意に調整可能とすることにより、例えば移動構造体800,810が移動した場合に「チ
ェリー」「スイカ」といったいわゆるレア小役が成立している可能性が高いことを遊技者
に示唆できるようにすることができる。あるいは、レア小役に当選している場合には高確
率で移動構造体800,810が移動前位置から移動位置に可動し、稀にレア小役に当選
していても移動構造体800,810移動前位置から移動位置に可動しないようにするこ
ともできる。この場合、移動構造体800,810の移動がないとレア小役に当選しない
と思い込まされた遊技者に対して、唐突にレア小役の当選が発生したと思わせることによ
る意外感を付与することができ、その分興趣の向上を図ることができる。
また、上記のスロットマシン2では、移動構造体800,810の可動は同時としてい
るが、他の態様とすることもできる。例えば、移動構造体800,810の一方のみを可
動させたり、移動開始タイミングをずらして移動構造体800,810を可動させたりす
ることもできる。これらの場合でも、当選した小役の種類等に応じて、移動構造体800
,810の可動させかたを適宜変動させることができる。
また、移動構造体800,810が移動位置に可動するタイミングとしては、第1リー
ル停止ボタンが操作されて第3リールを含めた全リールに図柄が表示されているときのい
ずれかに移動構造体800,810が移動位置に可動させることができる。具体的に、移
動構造体800,810が移動位置に可動するタイミングは、全リールに図柄が表示され
ているときのいずれかに移動構造体800,810が移動位置に配置されうるすべてのタ
イミングとすることができる。したがって、全リール301a,301b,301cが回
転している最中に移動構造体800,810を移動させることもできるし、全リール30
1a,301b,301cが停止した後に、移動構造体800,810を移動位置に可動
させることもできる。
[他の態様1]
上記のスロットマシン2の他の態様となる変形例として、移動構造体に表示装置が設け
られた例について説明する。図82は、上記のスロットマシンの変形例を簡素化して示す
正面図である。図82に示すように、この態様に係るスロットマシン2は、上記のスロッ
トマシン2に対して、移動構造体の構成が主に異なっている。
図82に示すように、スロットマシン2には、上移動構造体900及び下移動構造体9
10が設けられている。上移動構造体900は、横長の長方形状のスライドプレート90
1及びスライドプレート901に取り付けられたサブ画像表示体902を備えている。サ
ブ画像表示体902は、スライドプレート901に取り付けられて固定されているので、
上移動構造体900自体を表示装置と捉えることもできる。下移動構造体910も、上移
動構造体900と同様に、スライドプレート911及びサブ画像表示体912を備えて構
成されている。
スライドプレート901は、3本のリール301a,301b,301cの幅方向の幅
よりも広い幅を有している。上移動構造体900は、常時は、図82に実線で示す移動前
位置に配置されている。また、常時以外の所定の移動タイミングでは、図82に破線で示
すように、図柄表示領域である図柄表示窓401に表示されるリール301a,301b
,301cにおけるそれぞれの上段に表示される図柄の前面の移動位置に配置されるよう
に、上移動構造体900が移動させられる。このとき、リール301a,301b,30
1cにおける上段にそれぞれ表示される3つの図柄は、上移動構造体900によって遊技
者から視認不能または視認しにくい状態となる。下移動構造体910は、上記の下移動構
造体810と同様の構成を有している。
スライドプレート901に取り付けられているサブ画像表示体902及びスライドプレ
ート911に取り付けられているサブ画像表示体912は、いずれも画像表示体500よ
りも小面積の液晶表示装置によって構成されている。移動構造体900,910が移動前
位置に位置した状態では、サブ画像表示体902,912が画像表示体500の手前位置
に配置されており、画像表示体500に表示される画像の一部がサブ画像表示体902,
912に表示されるような表示が実行される。画像表示体500及びサブ画像表示体90
2,912では、ゲームの進行に応じた液晶演出が実行される。
また、移動構造体900,910が移動位置に位置した状態では、サブ画像表示体90
2,912が画像表示体500の手前から離れた位置に配置されており、サブ画像表示体
902,912では、画像表示体500に表示される画像と関連する画像が表示されるが
、サブ画像表示体902,912の画像は、画像表示体500に表示される画像から独立
した個別の画像として表示される。このため、移動構造体900,920が移動位置に位
置することにより、演出表示領域が拡張することとなる。
このように、移動構造体900,910にサブ画像表示体902,912が設けられて
いることにより、移動構造体900,910が移動前位置から移動位置に可動した場合に
、移動構造体900,910におけるサブ液晶表示体902,912に適宜の画像などを
表示することができる。この結果、演出表示の態様の多様化を図ることができる。
あるいは、移動構造体自体を表示装置とする場合には、上記の画像表示体500を設け
ることなく、いわば表示装置(画像表示体)自体が移動構造体となる態様とすることもで
きる。この場合表示装置自体が移動するので、演出等を実行する表示装置の表示位置を移
動させることができ、演出の多様化を図ることができる。さらには、図柄表示窓401の
手前位置に表示装置が移動してくるような態様となるので、表示装置に図柄表示窓401
を隠す表示装置によって、演出を盛り上げるなどとすることもできる。
このように、表示装置自体を移動構造体としたり、上記のように移動構造体に表示装置
(サブ画像表示体)を設けたりして、画像演出を実行することにより、演出の多様化を図
ることができる。このときの画像演出では、例えば移動構造体900,910によって隠
蔽している図柄と同一の図柄を模した画像を、図柄を隠蔽している位置に相当する位置に
表示することができる。この画像演出の表示により、隠蔽している図柄を遊技者に認識さ
せることができる。また、隠蔽している図柄と異なる図柄を表示することもできる。この
場合、隠蔽している図柄と異なる図柄が表示されることから、遊技者に対して意外感を与
えることができる。
さらには、所定の割合で隠蔽している図柄と同一の画像又は異なる画像を表示したりす
ることもできるし、隠蔽している図柄と同一ではないものの、概念的に共通し、類似する
画像を表示することなどもできる。このとき、例えば隠蔽している図柄と同一の画像が表
示されていた場合と異なる画像が表示されている場合とで、付与される特典に差を設ける
ことなどもできる。あるいは、これらの画像を成立している小役に応じて適宜表示割合を
変動させて表示することなどもできる。または、図柄を隠蔽している位置に相当する位置
に「?」などを表示し、隠蔽している図柄を想像させることもできる。
また、取りこぼしが生じうる小役(「スイカ」「チェリー」)に当選した場合などに移
動構造体を移動させる際に、表示装置自体が移動構造体などである場合と、移動構造体が
移動する際に派手な小役出現演出を実行して、有効ラインに小役に対する図柄を目押しさ
せやすくすることができる。小役出現演出は、主には、取りこぼしが生じうる小役に当選
したときに実行することができるが、取りこぼしが生じうる小役に当選していない場合に
小役出現演出を実行するいわゆるフェイク演出とすることもできる。ただし、取りこぼし
が生じうる小役の当選割合は、小役出現演出が実行された場合の方が、小役出現演出が実
行されない場合よりも高くしておくことが好適である。小役出現演出が実行された場合の
方が、小役出現演出が実行されない場合よりも小役の当選割合が高いことで、小役出現演
出が発生したときに、取りこぼしが生じうる小役の当選に対する期待感を高めることがで
きる。
さらに、上記のスロットマシン2では、付与される特典として、払い出されるメダルを
例示しているが、その他の特典とすることもできる。例えば、ARTなどの有利な遊技状
態への移行確率を高くするという特典やボーナスの当選割合が高くなっているといった特
典とすることができる。あるいは、いわゆる高確率遊技状態への移行割合が高くなるとい
う特典とすることもできる。
また、表示装置自体が移動構造体などである場合には、押し順ナビを実行する際に移動
構造体を移動させる態様とすることもできる。この場合、リールの近傍で押し順ナビが実
行されるので、ナビゲートされるリールを容易に認識させることができる。さらには、押
し順ナビを実行する際にも、移動構造体の移動の有無によって特典に差を付けることなど
もできる。例えば、移動構造体が移動しないときの押し順ナビはリプレイのナビである割
合が高く、逆に移動構造体が移動したときの押し順ナビはベルのナビである割合が高くす
るなどとすることができる。さらには、押し順ナビにミスした際の不利益が大きい小役の
ナビをする場合に、移動構造体を移動させて押し順ナビを実行することができる。この場
合、リールに近い位置で押し順ナビが実行されるので、押し順ミスの発生を抑制できる。
[技術思想例示3]
複数の図柄がそれぞれに付された複数の可動体と、
当選役に関する抽選を実行する抽選手段と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記複数の可動体の停止制御を行う停止制御
手段と、
前記抽選手段による抽選の結果に基づく図柄の組み合わせを表示する図柄表示領域を有
する図柄表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記図柄表示手段に表示された図柄の組み合わせに応じた特典を付与する特典付与手段
と、
前記図柄表示手段における前記図柄表示領域の一部に、前記図柄の視認が困難となる視
認困難領域を形成することで、前記図柄表示領域の形態を変形させた変形図柄表示領域を
形成する図柄表示領域変形手段と、
前記抽選手段の結果が所定の抽選結果となった際に、前記図柄表示領域に所定の図柄の
組み合わせを表示するものの、前記図柄表示領域変形手段によって前記変形図柄表示領域
を形成して前記図柄表示領域を変形させることで、前記図柄表示手段に表示される図柄の
組み合わせを前記所定の図柄の組み合わせと異ならせ得ることにより、付与する特典を可
変とし得る付与特典可変手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
上記技術思想例示3に記載の遊技機は、図柄表示手段(リール301a,301b,3
01c)に表示された図柄の組み合わせに応じた特典を付与する特典付与手段(メイン基
板409、演出制御基板510)を備える。また、図柄表示手段における図柄表示領域(
図柄表示窓401)の一部に、図柄の視認が困難となる視認困難領域(図柄表示窓401
、移動構造体800,810)を形成することで、図柄表示領域の形態を変形させた変形
図柄表示領域(図柄表示窓401、移動構造体800,810)を形成する図柄表示領域
変形手段(演出制御基板510)を備える。さらに、抽選手段(メイン基板409)の結
果が所定の抽選結果となった際に、図柄表示領域に所定の図柄の組み合わせを表示するも
のの、図柄表示領域変形手段によって変形図柄表示領域を形成して図柄表示領域を変形さ
せることで、図柄表示手段に表示される図柄の組み合わせを前記所定の図柄の組み合わせ
と異ならせ得ることにより、付与する特典を可変とし得る付与特典可変手段(メイン基板
409、演出制御基板510)を備えている。
抽選手段の結果が所定の抽選結果となった場合、図柄表示領域には、抽選結果に応じた
所定の図柄の組み合わせが表示される。所定の図柄の組み合わせが表示されると、通常、
表示された図柄の組み合わせに応じた特典が付与されるのみであるので、特典の内容に変
化がなく、図柄の組み合わせが表示された時点でどのような特典が付与されるのかわかっ
てしまうことから、付与される特典に対する興味が薄れてしまうことがある。
この点、技術思想例示3に係る遊技機においては、図柄の視認が困難となる視認困難領
域を形成して、図柄表示領域の形態を変形させた変形図柄表示領域を形成し、この図柄表
示領域を変形図柄表示領域とすることで、付与する特典を可変とし得る制御を実行してい
る。このため、例えば図柄の組み合わせの一部が視認困難領域に配置されて遊技者から視
認困難となるので、図柄表示領域に表示される図柄の組み合わせと付与される特典との対
応関係わかりにくくすることができる。その結果、図柄が表示された後においても付与さ
れる特典に対する興味を維持することができ、興趣の低下を抑制することができる。なお
、上記の遊技機における「図柄の視認が困難となる視認困難領域」とは、遊技者からみて
図柄を視認することが難しい領域のほか、図柄を視認することができない領域も含むもの
である。本発明に係るスロットマシンは、さらには、以下の技術思想例示4としてあらわ
すことができる。
[技術思想例示4]
複数の図柄がそれぞれに付された複数の可動体と、
当選役に関する抽選を実行する抽選手段と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記複数の可動体の停止制御を行う停止制御
手段と、
前記抽選手段による抽選の結果に基づく図柄の組み合わせを表示する図柄表示領域を有
する図柄表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記図柄表示手段に表示された図柄の組み合わせに応じた特典を付与する特典付与手段
と、
前記複数の可動体とは異なる特定可動体と、
前記特定可動体を前記図柄表示領域の内側に配置させて、当該特定可動体で前記図柄表
示領域に表示された図柄の一部を隠蔽することにより、前記図柄表示手段における前記図
柄表示領域の一部に、前記図柄の視認が困難となる視認困難領域を形成して、前記図柄表
示領域の形態を変形させた変形図柄表示領域を形成する図柄表示領域変形手段と、
前記抽選手段の結果が所定の抽選結果となった際に、前記図柄表示領域に所定の図柄の
組み合わせを表示するものの、前記図柄表示領域変形手段によって前記変形図柄表示領域
を形成して前記図柄表示領域を変形させることで、前記図柄表示手段に表示される図柄の
組み合わせを前記所定の図柄の組み合わせと異ならせ得ることにより、付与する特典を可
変とし得る付与特典可変手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
技術思想例示4に係る遊技機は、複数の可動体(リール301a,301b,301c
)とは異なる特定可動体(移動構造体800,810)を備えており、特定可動体を図柄
表示領域(演出表示窓401)の内側に配置させて、特定可動体で図柄表示領域に表示さ
れた図柄の一部を隠蔽することにより、図柄表示手段における図柄表示領域の一部に、図
柄の視認が困難となる視認困難領域を形成して、図柄表示領域の形態を変形させた変形図
柄表示領域を形成する図柄表示領域変形手段(メイン基板409、演出制御基板510)
を備えている。
図柄表示領域に表示された図柄の一部を隠蔽するにあたり、特定可動体を前記図柄表示
領域の内側に配置させて、当該特定可動体で前記図柄表示領域に表示された図柄の一部を
隠蔽する。この場合、特定可動体を図柄表示領域の外側に移動させることで図柄表示領域
を変形させることができるので、図柄表示領域を容易に変形させることができる。さらに
、特定可動体として種々の材料のものを用いたり、表示装置などを設けたりすることもで
きる。したがって、特定可動体を用いた演出の多様化を容易に図ることができる。本発明
に係るスロットマシンは、さらには、以下の技術思想例示5としてあらわすことができる
[技術思想例示5]
複数の図柄がそれぞれに付された複数の可動体と、
当選役に関する抽選を実行する抽選手段と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記複数の可動体の停止制御を行う停止制御
手段と、
有効ライン及び前記有効ラインと異なる非有効ラインを備え、前記抽選手段による抽選
の結果に基づく図柄の組み合わせを表示する図柄表示領域を有する図柄表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記図柄表示手段における前記有効ラインに表示された図柄の組み合わせに応じた特典
を付与する特典付与手段と、
所定の当選役に当選した場合に、前記図柄表示手段における前記有効ラインに表示させ
る図柄の組み合わせとして前記当選役を想起させる当選役図柄組み合わせ以外の図柄組み
合わせを決定するとともに、前記非有効ラインに表示させる図柄の組み合わせとして前記
当選役図柄組み合わせを決定する表示図柄決定手段と、
前記図柄表示手段における前記非有効ラインの一部に、前記図柄の視認が困難となる視
認困難領域を形成して、前記図柄表示領域の形態を変形させた変形図柄表示領域を形成す
る図柄表示領域変形手段と、
前記図柄表示領域変形手段によって前記変形図柄表示領域を形成して前記図柄表示領域
を変形させて、前記抽選手段の抽選結果が共通でありながらも前記非有効ラインに表示さ
れる図柄の組み合わせを異ならせ得ることにより、付与する特典を可変とし得る付与特典
可変手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
技術思想例示5に係る遊技機は、有効ライン(有効ライン623x)及び有効ラインと
異なる非有効ライン(擬似有効ライン623α,623β)を備える。また、所定の当選
役(「チェリー」など)に当選した場合に、図柄表示手段(リール301a,301b,
301c)における有効ラインに表示させる図柄の組み合わせとして当選役を想起させる
当選役図柄組み合わせ(「チェリー」−「ANY」−「ANY」など)以外の図柄組み合
わせ(「ハズレ目」など)を決定するとともに、非有効ラインに表示させる図柄の組み合
わせとして当選役図柄組み合わせを決定する。
技術思想例示5に係る遊技機では、当選役に応じた図柄の組み合わせを表示するにあた
り、当該当選役を想起させる当選役図柄組み合わせを表示するラインを有効ラインではな
く非有効ラインとしている。このため、有効ラインを隠蔽することなく、当選役図柄組み
合わせを隠蔽することができるので、当選役図柄組み合わせを隠蔽しながら、当選役に応
じた特典を付与することができる。したがって、特典の内容に対する興味をさらに大きく
することができる。以下、これらの技術思想例示3〜5に係るスロットマシンについて、
上記の技術思想例示1,2に係るスロットマシンと異なる点について主に説明する。
移動構造体800,801や移動構造体800,810の移動タイミング、移動構造体
800,810の移動態様については、上記の例と同様である。ただし、この例に係るス
ロットマシン2では、移動開始条件が成立することにより、図柄表示領域の形態が変形さ
れる。言い換えると、図柄表示領域を変形させるための条件が移動開始条件の成立という
こととなる。
ここでの所定の移動開始条件は適宜決定することができ、例えば、チェリーやスイカな
どの所定の小役に当選した場合やそれ以外の小役に当選した場合とすることができる。あ
るいは、所定のゲーム数に到達したときや前回移動構造体を移動させてから所定のゲーム
数が実行された場合とすることができる。さらには、これらの条件を適宜組み合わせて所
定の移動開始条件を形成することもできる。他方、リール停止装置が有効となる以前また
は以後に移動位置に到達するようにしてもよい。また、移動構造体800,810が移動
を開始するタイミングとしては、始動レバー21が操作されてレバーONとなったタイミ
ング以外のタイミングとすることもできる。例えば、第一リールや第二リールが停止した
タイミングとすることもできる。
[移動構造体の移動態様]
続いて、移動構造体800,810の移動態様について、図83を用いて説明する。リ
ール301a,301b,301cの回転前は、移動構造体800,810は、移動前位
置に位置している。このため、図柄表示窓401における図柄表示領域は、通常図柄表示
領域とされている。通常図柄表示領域が形成されている場合には、図柄表示領域には9つ
の図柄が表示可能とされている。
続いて、図83(a)に示すように、始動レバー210が操作されたリール301a,
301b,301cが回転を開始すると、所定の移動開始条件が満たされている場合には
、上移動構造体800が下降し始めるとともに、下移動構造体810が上昇し始める。そ
のまま上移動構造体800が下降し、下移動構造体810が上昇してリール停止装置が有
効となる時点で、移動構造体800,810が移動位置に停止する。
このとき、リール301a,301b,301cの各上段に相当する位置が上移動構造
体800によって隠蔽され、リール301a,301b,301cの各下段に相当する位
置が下移動構造体810によって隠蔽される。リール301a,301b,301cの各
上下段に相当する位置が移動構造体800,810によって隠蔽されて、図柄表示窓40
1の図柄表示領域の形態が変形されて狭小図柄表示領域とされる。狭小図柄表示領域は、
有効ライン623xにおける図柄が表示可能となる領域であり、3つの図柄が表示可能と
されている。
図柄表示窓401の図柄表示領域が狭小図柄表示領域とされた後、遊技者が例えばリー
ル停止ボタン211a,211bを操作すると、その操作に応じて、リール301a,3
01bが停止する。続いて、遊技者がリール停止ボタン211cを操作すると、図83(
b)に示すように、その操作に応じて、右リール301cが停止する。
続いて、上移動構造体800が上昇し、下移動構造体810が下降してそれぞれ移動前
位置に復帰する。移動構造体800,810の移動前位置への復帰により、移動構造体8
00,810によって隠蔽されていた図柄表示窓401の図柄表示領域の形態が視認可能
となるように変形され、図柄表示窓401の図柄表示領域が通常図柄表示領域となる。
[図柄表示領域の形態と表示される図柄の組み合わせとの関係]
上記のように、1回のゲームでは、移動構造体800,810が移動前位置から移動位
置に移動する場合と移動しない場合とがある。このため、リール301a,301b.3
01cの全てのリールが停止する時点で、移動構造体800,810が移動位置に配置さ
れている場合と移動前位置に配置されている場合とがある。
図柄表示窓401に表示される図柄は、内部抽選の結果及びリール停止ボタン211a
,211b,211cの操作タイミングに基づいて決定される。このため、内部抽選の結
果及びリール停止ボタン211a,211b,211cの操作タイミングが一定である場
合には、図柄表示窓401に停止表示される図柄及び図柄の組み合わせは同一となる。
ただし、スロットマシン2では、移動構造体800,810の配置位置によって図柄表
示窓401における図柄表示領域の形態が変形する。具体的に、移動構造体800,81
0が移動位置に配置されているときには、図84(a)に実線で示すように、図柄表示領
域が狭小図柄表示領域NAとして形成され、移動前位置に配置されているときには、図8
4(a)に破線で示すように、図柄表示領域が通常図柄表示領域WAとして形成される。
そして、図柄表示窓401に停止表示される図柄及び図柄の組み合わせに変化がなくと
も、図柄表示領域の形態を変形することにより、付与される特典、例えば賞としてのメダ
ルの払い出し枚数が変動する。図柄表示領域の形態によって付与される特典を可変とする
メイン基板409は、付与特典可変手段に相当する。ただし、特典の内容等によっては、
演出制御基板510等を付与特典可変手段とすることもできる。例えば、図78に示すよ
うに、各図柄が表示され得るようにリール301a,301b,301cが停止したとす
る。
この場合、図柄表示領域が通常図柄表示領域であれば、図84(b)に示すように、有
効ライン623xに「スイカ」−「リプレイ」−「スイカ」の図柄の組み合わせが表示さ
れて2枚のメダルが払い出される。また、上段擬似有効ライン623αには、「チェリー
」−「ANY」−「ANY」(「チェリー」−「チェリー」−「チェリー」)の図柄の組
み合わせが表示されて、遊技者にメダルの払い出しがあることを知らされる。このように
、遊技者に対して、入賞した図柄(ここでは「チェリー」)の組み合わせに応じた特典の
付与としてメダルの払い出しが行われる。
一方、図柄表示領域が狭小図柄表示領域である場合も、図84(c)に示すように、有
効ライン623xに「スイカ」−「リプレイ」−「スイカ」の図柄の組み合わせが表示さ
れて2枚のメダルが払い出される。ところが、図柄表示領域が狭小図柄表示領域に変形さ
れていることから、上段擬似有効ライン623αは上移動構造体800によって隠蔽され
ている。その結果、狭小図柄表示領域で表示される図柄の組み合わせを通常図柄表示領域
で表示される図柄の組み合わせと異ならせ得ることができる。その結果として「チェリー
」−「ANY」−「ANY」(「チェリー」−「チェリー」−「チェリー」)の図柄の組
み合わせは表示させないようにすることができる。
このため、遊技者から見れば、「チェリー」−「ANY」−「ANY」の図柄の組み合
わせが表示されていないことから、「チェリー」に入賞したか否かがわかりにくくなるの
で、チェリーの入賞によるメダルの払い出しは実行されないと思わせることができる。と
ころが実際には、「チェリー」の入賞によるメダルの払い出しが実行される。このように
、図柄の組み合わせが表示された時点でどのような特典が付与されるのかわかってしまう
ことを抑制でき、付与される特典に対する興味を維持することができ、興趣の低下を抑制
することができる。
移動構造体800,810を移動させる所定の移動開始条件としては、上記の例のほか
、所定ゲーム数の経過、例えば3ゲームや5ゲームが経過する毎に移動構造体800,8
10を移動させることもできるし、ランダムな回数のゲーム数が経過する毎に移動構造体
800,810を移動させることもできる。
あるいは、小役の当選状況等に応じて移動構造体800,810を移動させるようにす
ることができる。例えば、小役に当選した場合にのみ移動構造体800,810を移動さ
せて小役に当選しない場合(落選した場合)には移動構造体800,810を移動させな
いようにすることができる。あるいは、特定の小役、例えば取りこぼしが生じうる小役(
「スイカ」「チェリー」)に当選した場合などに移動構造体800,810を移動させる
ようにすることもできる。このように、移動構造体800,810の移動タイミングを任
意に調整可能とすることにより、例えば移動構造体800,810が移動した場合に「チ
ェリー」「スイカ」といったいわゆるレア小役が成立している可能性が高いことを遊技者
に示唆できるようにすることができる。あるいは、レア小役に当選している場合には高確
率で移動構造体800,810が移動前位置から移動位置に可動し、稀にレア小役に当選
していても移動構造体800,810移動前位置から移動位置に可動しないようにするこ
ともできる。この場合、移動構造体800,810の移動がないとレア小役に当選しない
と思い込まされた遊技者に対して、唐突にレア小役の当選が発生したと思わせることによ
る意外感を付与することができ、その分興趣の向上を図ることができる。
また、上記のスロットマシン2では、移動構造体800,810の可動は同時としてい
るが、他の態様とすることもできる。例えば、移動構造体800,810の一方のみを可
動させたり、移動開始タイミングをずらして移動構造体800,810を可動させたりす
ることもできる。これらの場合でも、当選した小役の種類等に応じて、移動構造体800
,810の可動させ方を適宜変動させることができる。
また、移動構造体800,810が移動位置に可動するタイミングとしては、第1リー
ル停止ボタンが操作されて第3リールを含めた全リールに図柄が表示されているときのい
ずれかに移動構造体800,810が移動位置に可動させることができる。具体的に、移
動構造体800,810が移動位置に可動するタイミングは、全リールに図柄が表示され
ているときのいずれかに移動構造体800,810が移動位置に配置されうるすべてのタ
イミングとすることができる。したがって、全リール301a,301b,301cが回
転している最中に移動構造体800,810を移動させることもできるし、全リール30
1a,301b,301cが停止した後に、移動構造体800,810を移動位置に可動
させることもできる。
また、図柄表示領域の形態を決定する決定方法や決定時期などについては適宜設定する
ことができる。例えば、図柄表示領域の形態は、メイン基板409による内部抽選が実行
される際に別途抽選を実行して決定することができるし、所定のゲーム数毎に変化するよ
うにしたり、内部抽選によって決定された小役等に応じた抽選によって決定したりするな
どとすることができる。また、可変とする特典の決定方法や決定時期などについての適宜
設定することができる。このように、図柄表示領域や可変となる特典の内容の決定方法や
決定時期を適宜設定することにより、遊技の多様化を図ることができる。さらには、遊技
の多様化に応じて遊技者の興趣の向上を図ることができる。
[他の態様2−1]
上記のスロットマシン2の他の態様2−1となる変形例2−1として、移動構造体に表
示装置が設けられた例について説明する。図85は、上記のスロットマシンの変形例を簡
素化して示す正面図である。図85に示すように、この態様に係るスロットマシン2は、
上記のスロットマシン2に対して、移動構造体の構成が主に異なっている。
図85に示すように、スロットマシン2には、上移動構造体900及び下移動構造体9
10が設けられている。上移動構造体900は、横長の長方形状のスライドプレート90
1及びスライドプレート901に取り付けられたサブ画像表示体902を備えている。サ
ブ画像表示体902は、スライドプレート901に取り付けられて固定されているので、
上移動構造体900自体を表示装置と捉えることもできる。
スライドプレート901は、3本のリール301a,301b,301cの幅方向の幅
よりも広い幅を有している。上移動構造体900は、常時は、図85に実線で示す移動前
位置に配置されている。また、常時以外の所定の移動タイミングでは、図85に破線で示
すように、図柄表示領域である図柄表示窓401に表示されるリール301a,301b
,301cにおけるそれぞれの上段に表示される図柄の前面の移動位置に配置されるよう
に、上移動構造体900が移動させられる。このとき、リール301a,301b,30
1cにおける上段にそれぞれ表示される3つの図柄は、上移動構造体900によって遊技
者から視認不能または視認しにくい状態となる。下移動構造体910は、上記の下移動構
造体810と同様の構成を有している。
スライドプレート901に取り付けられているサブ画像表示体902は、画像表示体5
00よりも小面積の液晶表示装置によって構成されている。上移動構造体900が移動前
位置に位置した状態では、サブ画像表示体902が画像表示体500の手前位置に配置さ
れており、画像表示体500に表示される画像の一部がサブ画像表示体902に表示され
るような表示が実行される。画像表示体500及びサブ画像表示体902には、ゲームの
進行に応じた液晶演出が実行され、画像表示体500及びサブ画像表示体902は、演出
表示領域を構成する。
また、上移動構造体900が移動位置に位置した状態では、サブ画像表示体902が画
像表示体500の手前から離れた位置に配置されており、サブ画像表示体902では、画
像表示体500に表示される画像と関連する画像が表示されるが、サブ画像表示体902
の画像は、画像表示体500に表示される画像から独立した個別の画像として表示される
。このため、上移動構造体900が移動位置に位置することにより、演出表示領域が拡張
することとなる。
このように、上移動構造体900にサブ画像表示体902が設けられていることにより
、上移動構造体900が移動前位置から移動位置に可動した場合に、上移動構造体900
におけるサブ液晶表示体902に適宜の画像などを表示することができる。この結果、演
出表示の態様の多様化を図ることができる。
あるいは、移動構造体自体を表示装置とする場合には、上記の画像表示体500を設け
ることなく、いわば表示装置(画像表示体)自体が移動構造体となる態様とすることもで
きる。この場合表示装置自体が移動するので、演出等を実行する表示装置の表示位置を移
動させることができ、演出の多様化を図ることができる。さらには、図柄表示窓401の
手前位置に表示装置が移動してくるような態様となるので、表示装置に図柄表示窓401
を隠す表示装置によって、演出を盛り上げるなどとすることもできる。
このように、表示装置自体を移動構造体としたり、上記のように移動構造体に表示装置
(サブ画像表示体)を設けたりして、画像演出を実行することにより、演出の多様化を図
ることができる。このときの画像演出では、例えば隠蔽している図柄と異なる図柄を表示
することができる。この場合、隠蔽している図柄と異なる図柄が表示されることから、遊
技者に対して意外感を与えることができる。
さらには、所定の割合で隠蔽している図柄と同一の画像又は異なる画像を表示したりす
ることもできるし、隠蔽している図柄と同一ではないものの、概念的に共通し、類似する
画像を表示することなどもできる。このとき、例えば隠蔽している図柄と同一の画像が表
示されていた場合と異なる画像が表示されている場合とで、付与される特典に差を設ける
ことなどもできる。あるいは、これらの画像を成立している小役に応じて適宜表示割合を
変動させて表示することなどもできる。または、図柄を隠蔽している位置に相当する位置
に「?」などを表示し、隠蔽している図柄を想像させることもできる。
また、取りこぼしが生じうる小役(「スイカ」「チェリー」)に当選した場合などに移
動構造体を移動させる際に、表示装置自体が移動構造体などである場合と、移動構造体が
移動する際に派手な小役出現演出を実行して、有効ラインに小役に対する図柄を目押しさ
せやすくすることができる。小役出現演出は、主には、取りこぼしが生じうる小役に当選
したときに実行することができるが、取りこぼしが生じうる小役に当選していない場合に
小役出現演出を実行するいわゆるフェイク演出とすることもできる。ただし、取りこぼし
が生じうる小役の当選割合は、小役出現演出が実行された場合の方が、小役出現演出が実
行されない場合よりも高くしておくことが好適である。小役出現演出が実行された場合の
方が、小役出現演出が実行されない場合よりも小役の当選割合が高いことで、小役出現演
出が発生したときに、取りこぼしが生じうる小役の当選に対する期待感を高めることがで
きる。
さらに、上記のスロットマシン2では、付与される特典として、払い出されるメダルを
例示しているが、その他の特典とすることもできる。例えば、ARTなどの有利な遊技状
態への移行確率を高くするという特典やボーナスの当選割合が高くなっているといった特
典とすることができる。あるいは、いわゆる高確率遊技状態への移行割合が高くなるとい
う特典とすることもできる。このとき、例えば一の図柄の組み合わせが表示された場合で
も、図柄表示領域の形態に応じて、付与される特典に差が設けられるようにすることもで
きる。例えば、チェリーに当選した場合でも、図柄表示領域が長方形の場合には、図柄表
示領域が十字形の場合よりも高確率遊技状態への移行割合が低くなるようにすることなど
ができる。
また、表示装置自体が移動構造体などである場合には、押し順ナビを実行する際に移動
構造体を移動させる態様とすることもできる。この場合、リールの近傍で押し順ナビが実
行されるので、ナビゲートされるリールを容易に認識させることができる。さらには、押
し順ナビを実行する際にも、移動構造体の移動の有無によって特典に差を付けることなど
もできる。例えば、移動構造体が移動しないときの押し順ナビはリプレイのナビである割
合が高く、逆に移動構造体が移動したときの押し順ナビはベルのナビである割合が高くす
るなどとすることができる。さらには、押し順ナビにミスした際の不利益が大きい小役の
ナビをする場合に、移動構造体を移動させて押し順ナビを実行することができる。この場
合、リールに近い位置で押し順ナビが実行されるので、押し順ミスの発生を抑制できる。
[他の態様2−2]
上記のスロットマシン2の他の態様2−2となる変形例2−2として、上移動構造体及
び下移動構造体がそれぞれ複数設けられた例について説明する。図86は、上記のスロッ
トマシンの変形例を簡素化して示す正面図である。図86に示すように、この態様に係る
スロットマシン2は、上記のスロットマシン2に対して、移動構造体の構成が主に異なっ
ている。
図86に示すように、スロットマシン2は、上移動構造体として、左上移動構造体92
1及び右上移動構造体922を備えている。また、下移動構造体として、左下移動構造体
931及び右下移動構造体932を備えている。これらの移動構造体921,922,9
31,932は、いずれも互いに独立して可動する。
移動構造体921,922,931,932は、互いに同一形状をなしており、いずれ
も3本のリール301a,301b,301cの幅方向の幅よりも広い幅を有している。
左右上移動構造体921,922は、常時は、図86に実線で示す移動前位置に配置され
ている。また、常時以外の所定の移動タイミングでは、図86に破線で示すように、図柄
表示領域である図柄表示窓401に表示されるリール301a,301cにおけるそれぞ
れの上段に表示される図柄の前面の移動位置に配置されるように、左右上移動構造体92
1,922がそれぞれ移動させられる。このとき、リール301a,301cにおける上
段にそれぞれ表示される2つの図柄は、左右上移動構造体921,922によって遊技者
から視認不能または視認しにくい状態となる。
左右下移動構造体931,932は、常時は、図86に実線で示す移動前位置に配置さ
れている。また、常時以外の所定の移動タイミングでは、図86に破線で示すように、図
柄表示窓401に表示されるリール301a,301cにおけるそれぞれの下段に表示さ
れる図柄の前面の移動位置に配置されるように、左右下移動構造体921,922がそれ
ぞれ移動させられる。このとき、リール301a,301cにおける下段にそれぞれ表示
される2つの図柄は、左右下移動構造体931,932によって遊技者から視認不能また
は視認しにくい状態となる。
この変形例に係るスロットマシン2では、左右上下移動構造体921,922,931
,932が、それぞれリール301a,301cにおける上下の図柄を隠蔽して、当該図
柄を視認不能または視認しにくくなる位置に可動する。このため、擬似有効ライン623
α,623βの一部を隠蔽することができるので、例えば「チェリー」−「ANY」−「
ANY」といった一の図柄などで図柄の組み合わせを表現できる図柄の組み合わせについ
て、当該擬似有効ラインにおいて、この一の図柄などのみを隠蔽することなどもできる。
表示態様の多様化を図ることができる。
さらに、左右上下移動構造体921,922,931,932が、それぞれ独立して可
動する。このため、これらの可動態様によっては、図柄表示領域の形状をさまざまに表す
ことができる。例えば、左右上下移動構造体921,922,931,932を全て移動
位置に可動させると、図87(a)に示すように、狭小図柄表示領域NAを略十字形状に
することができる。また、左上移動構造体921のみを移動位置に可動させると、図87
(b)に示すように、狭小図柄表示領域NAを長方形の左上部分が欠けた形状にすること
ができる。さらに、右上移動構造体922及び左下移動構造体931を移動位置に可動さ
せると、図87(c)に示すように、狭小図柄表示領域NAを長方形の右上部分及び左下
部分が欠けた形状とすることができる。
このように、図柄表示領域の形状をさまざまな形状に変形させることができるので、図
柄表示領域の形状に応じて、付与する特典を種々の態様に可変することができる。例えば
、長方形の欠ける部分が多くなるほど、遊技者に有利な特典となるようにすることができ
る。あるいは、右側部分が欠けるよりも左側部分が欠けた形状の方が、また、下側部分が
欠けるよりも上側部分が欠けた形状の方が、遊技者に有利な特典が付与されるようにする
こともできる。
上記の基本的な構成を有するスロットマシン1に対して、上述したスロットマシン2を
さらに改良した本実施形態のスロットマシン2について、その特徴的な構成や動作等を中
心として説明する。本発明に係るスロットマシンは、以下の技術思想としてあらわすこと
ができる。
[技術思想1]
複数の図柄がそれぞれに付されている複数の可動体と、
当選役に関する抽選を行う抽選手段と、
所定の始動契機に基づいて、前記複数の可動体を回転稼働させる可動体駆動手段と、
回転中の前記複数の可動体を表示する可動体表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記複数の可動体とは異なる特定可動体と、
前記複数の可動体が回転稼働しているときに、前記特定可動体を駆動させ得る特定可動
体駆動手段と、を備え、
前記特定可動体駆動手段は、前記特定可動体を回転稼働中の前記複数の可動体と重畳連
動させることにより、前記可動体駆動手段によって前記複数の可動体を一の稼働態様で稼
働させているにも拘わらず、前記可動体表示手段に表示される前記複数の可動体の表示態
様を複数種類の表示態様とし得る表示態様可変手段を有する、
ことを特徴とする遊技機。
上記技術思想1に記載の遊技機は、複数の可動体(リール301a,301b,301
c)とは異なる特定可動体(移動構造体800,810)を備えている。また、複数の可
動体が回転稼働しているときに、特定可動体を駆動させ得る特定可動体駆動手段(メイン
基板409、演出制御基板510)を備えている。さらに、特定可動体駆動手段は、特定
可動体を回転稼働中の複数の可動体と重畳連動させることにより、可動体駆動手段によっ
て複数の可動体を一の稼働態様で稼働させているにも拘わらず、可動体表示手段に表示さ
れる複数の可動体の表示態様を複数種類の表示態様とし得る表示態様可変手段(メイン基
板409、演出制御基板510)を有している。
複数の可動体を回転稼働させるにあたり、一の稼働態様で稼働させるとすると、複数の
可動体の稼働態様は単調なものとなり、複数の可動体の回転稼働に対する楽しみが少ない
ものとなる。この点、上記の遊技機においては、可動体駆動手段によって複数の可動体を
一の稼働態様で稼働させる際、特定可動体を回転稼働中の前記複数の可動体と重畳連動さ
せている。この重畳連動により、複数の可動体を一の稼働態様で稼働させているにも拘わ
らず、複数の可動体の表示態様を複数種類の表示態様とし得る。したがって、複数の可動
体の表示態様について多様化を図ることができるので、複数の可動体が回転する際の単調
さを解消することができ、興趣の低下を抑制することができる。また、本発明に係るスロ
ットマシンは、さらには、以下の技術思想2としてあらわすことができる。
[技術思想2]
複数の図柄がそれぞれに付されている複数の可動体と、
遊技者の操作可能位置に設けられた始動手段の開始操作を検出する開始操作検出手段と

前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて、遊技を開始する遊技開始手段
と、
前記遊技開始手段による遊技の開始に伴い、当選役に関する抽選を行う抽選手段と、
前記遊技開始手段による遊技の開始以外の所定の始動契機に基づいて前記複数の可動体
を回転稼働させることにより、前記複数の可動体を用いた演出を実行し得る可動体演出実
行手段と、
回転中の前記複数の可動体を表示する可動体表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記複数の可動体とは異なる特定可動体と、
前記複数の可動体が回転稼働しているときに、前記特定可動体を駆動させ得る特定可動
体駆動手段と、
前記特定可動体を回転稼働中の前記複数の可動体と重畳連動させることにより、前記可
動体駆動手段によって前記複数の可動体を一の稼働態様で稼働させているにも拘わらず、
前記可動体表示手段に表示される前記複数の可動体の表示態様を複数種類の表示態様とし
得る表示態様可変手段と、
前記表示態様可変手段によって前記複数の可動体の表示態様を可変させることにより、
前記可動体演出実行手段による演出の臨場感を向上させ得る臨場感向上手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
技術思想2に係る遊技機は、遊技開始手段(始動レバー210、メイン基板409)に
よる遊技の開始以外の所定の始動契機に基づいて複数の可動体を回転稼働させることによ
り、複数の可動体を用いた演出を実行し得る可動体演出実行手段(メイン基板409、演
出制御基板510)を備えている。この可動体演出実行手段による演出を実行するにあた
り、表示態様可変手段によって複数の可動体の表示態様を可変させて演出の臨場感を向上
させている。このため、複数の可動体を用いた演出の実行にあたって、複数の可動体の表
示態様について多様化を図ることができるので、複数の可動体が回転する際の単調さを解
消することができ、興趣の低下を抑制することができる。以下、この遊技機に係るスロッ
トマシンについて、さらに説明する。
[移動構造体]
図88は、上記の技術思想に係るスロットマシンを簡素化して示す正面図である。図8
8に示すように、スロットマシン2は、上記の基本的なスロットマシン1に対して、可動
体(リール301a,301b,301c)とは異なる特定可動体である移動構造体80
0を備える点において主に異なっている。移動構造体800は、横長の長方形状をなして
いる。また、上記の基本的なスロットマシン1では、図47に示すように、右上がりライ
ン623bと右下がりライン623aの2つのラインを有効ラインとしている。これに対
して、本実施形態に係るスロットマシン2では、中段ライン623xの1つのラインを有
効ラインとしている。
移動構造体800は、常時は、図88に実線で示す移動前位置に配置されている。また
、常時以外の所定の移動タイミングでは、上移動構造体800は上下動させられて、図7
8に破線で示すように、図柄表示領域である図柄表示窓401における種々の高さ位置で
ある移動位置に移動して配置される。移動構造体800は、図示しない移動機構によって
移動可能とされているのは、上記の例と同様である。
図示しない移動機構は、演出制御基板510によって制御される。演出制御基板510
では、メイン基板409から出力される各種コマンド等に基づいて、移動構造体800を
移動制御する。移動構造体800を可動させる演出制御基板510及び図示しない移動機
構は、特定可動体駆動手段に相当する。ただし、メイン基板409を用いて移動構造体を
可動させることもできる。
[移動構造体の移動タイミング]
続いて、スロットマシン2における移動構造体800の移動タイミングについて説明す
る。スロットマシン2の遊技の流れは、上述の通りであるが、始動レバー210を操作す
るレバーONが実行されると、メイン基板409が始動レバー210の操作を検出し、フ
リーズ制御を実行するか否かを判定している。このメイン基板409は、開始操作検出手
段に相当する。
こうしたスロットマシン2の遊技の流れの中で、移動構造体800は、図89に示すよ
うに、メダル受付可能となった後からレバーONされるまでの間は、移動前位置に配置さ
れて移動不能とされた状態となっている。続いて、遊技者によって始動レバー210が操
作されてレバーONとなると、移動構造体800が移動前位置から移動位置まで移動可能
となる。この間、所定の移動開始条件が成立することによって移動構造体800が可動と
なり、駆動させられる。所定の移動開始条件は、所定の始動契機となる。
ここでの所定の移動開始条件としては、例えばフリーズ制御の実行が挙げられる。フリ
ーズ制御が実行されている際に、リール301a,301b,301cを回転稼働させて
、このリール301a,301b,301cの回転稼働に重畳連動させて、移動構造体8
00を駆動させる。こうして、リール301a,301b,301cを用いた演出が実行
される。メイン基板409は、可動体演出実行手段に相当する。ただし、リール301a
,301b,301cを用いた演出は、演出制御基板510で実行することもできる。移
動構造体800の移動態様については後にさらに説明する。
さらに、回転稼働するリール301a,301b,301cが、異動する移動構造体8
00とともに図柄表示窓401に表示される。図柄表示窓401は、可動体表示手段に相
当する。移動構造体800が移動可能な状態は、リール停止装置が有効となるまで維持さ
れる。リール停止装置が有効となった後は、次のレバーONが実行されるまで移動構造体
800は移動不能とされている。
リール301a,301b,301cの回転稼働に伴い、演出制御基板510は、移動
構造体800を回転稼働中のリール301a,301b,301cと重畳連動させて移動
させる。また、演出制御基板510は、メイン基板409がリール301a,301b,
301cを一の稼働態様で稼働させているにも拘わらず、図柄表示窓401に表示される
リール301a,301b,301cの表示態様を複数種類の表示態様とし得る。演出制
御基板510は、表示態様可変手段に相当する。さらには、メイン基板409及び演出制
御基板510は、リール301a,301b,301cの表示態様を可変させることによ
り、リール301a,301b,301c及び移動構造体800を用いた演出の臨場感を
向上させている。メイン基板409及び演出制御基板510は、臨場感向上手段に相当す
る。
また、移動構造体800が駆動されるタイミングは、上記のタイミングに限定されず、
移動構造体800が移動可能とされたタイミングの間の適宜のタイミングとされる。例え
ば、全リールが停止してからメダル受付可能となるまでの間やレバーONまでの間とする
ことができる。また、メダル投入受付可能となってからメダル投入されるまでの間やレバ
ーONまでの間とすることもできる。さらには、リール301a,301b,301cが
回転を開始してリール停止装置が有効となった後、リール301a,301b,301c
の一部又は全部が停止されるまでの間とすることなどもできる。
[移動構造体の移動態様]
続いて、移動構造体800の移動態様について、図90を用いて説明する。移動構造体
800は、フリーズ制御が実行されるときに移動可能とされる。そこで、移動構造体80
0の移動態様の説明の前にフリーズ制御の流れについて簡単に説明する。メイン基板40
9では、レバーONが行われた際には、フリーズ制御を実行するか否かが決定される。
フリーズ制御が実行される際には、上記の出目変換制御が実行される前に、リール30
1a,301b,301cが通常の回転(以下「正回転」ともいう)方向とは逆方向に回
転(以下「逆回転」ともいう)する。移動構造体800は、リール301a,301b,
301cが正回転又は逆回転するときに、移動構造体800が移動する。
フリーズ制御が実行されるとき、レバーONがなされると、図90(a)に示すように
、移動構造体800は、移動前位置からもっとも低い位置(以下「最底位置」という)ま
で移動する。移動構造体800が最底位置まで移動するまでの間、リール301a,30
1b,301cは停止した状態とされている。
移動構造体800が最底位置に配置されたら、リール301a,301b,301cが
逆回転を開始する。逆回転を開始したリール301a,301b,301cは、互いに同
一の回転速度で逆回転しており、リール301a,301b,301cの逆回転の開始に
伴い、図90(b)に示すように、移動構造体800が上方に移動する。
このときの移動構造体800の移動速度は、リール301a,301b,301cに付
された図柄が図柄表示窓401を通過する速度と同様の速度とされている。この移動速度
で移動構造体800を駆動することにより、移動構造体800がリール301a,301
b,301cに重畳表示される。
その後、移動構造体800は移動前位置に到達し、その後は停止した状態となる。一方
、リール301a,301b,301cは、逆回転が終了した後、出目変換制御を実行さ
れる。その後、フリーズ制御が終了し、リール301a,301b,301cが正回転す
る制御が実行される。なお、この例では出目変換制御を行っているが、出目変換制御を行
うことなく、フリーズ制御中に逆回転のみを行うこともできるし、その他の態様でリール
301a,301b,301cを回転稼働させることもできる。
内部抽選が実行されると、リール301a,301b,301cが回転制御され、内部
抽選の結果と停止ボタン211a,211b,211cの操作タイミングに応じてリール
301a,301b,301cが停止制御されることで所定の図柄の組み合わせが表示さ
れて当選役等が遊技者に報知される。このときのリール301a,301b,301cの
回転の開始が遊技の開始となる。内部抽選による当選役を報知するための回転制御に対し
て、フリーズ制御中に実行されるリール301a,301b,301cの回転制御は、当
選役等の報知に利用されるものではなく、いわゆる演出の一環として実行される制御であ
る。
フリーズ制御中に実行されるリール301a,301b,301cの回転制御が演出の
一環であることから、リール301a,301b,301cの回転表示に多様化を図るこ
とで、演出を盛り上げることができる。しかしながら、リール301a,301b,30
1cの回転だけでは一の稼働態様にしかなりえず、演出としては単調となってしまう。
これに対して、フリーズ制御中に、リール301a,301b,301cを回転させる
とともに、移動構造体800をリール301a,301b,301cに重畳表示させて移
動させている。このため、リール301a,301b,301cを単独で回転させる場合
と異なる態様でリール301a,301b,301cを表示することができ、リール30
1a,301b,301cの表示態様を複数種類のものにできる。したがって、リール3
01a,301b,301cを一の稼働態様で稼働させているにも拘わらず、その分リー
ル301a,301b,301cの表示態様を複数の種類の表示態様として多様化するこ
とができ、リール301a,301b,301cが回転する際の単調さを解消することが
できる。その結果、リール301a,301b,301cが回転する際の臨場感を向上さ
せることができ、興趣の低下を抑制することができる。
なお、上記の例では、移動構造体800の移動態様として、リール301a,301b
,301cに付された図柄の速度と移動構造体800の移動速度とが略同一となる速度で
移動させるようにしているが、他の態様で移動させることもできる。例えば、リール30
1a,301b,301cが1回転する間に、移動構造体800が1コマ分の幅(リール
301a,301b,301cのいずれかに付されている図柄のうちの上下に隣接する図
柄が離間している幅)分移動する速度で可動させることもできるし、または、その他の適
宜の速度で可動させることもできる。あるいは、リール301a,301b,301cの
回転方向と反対方向に移動させるようにすることもできる。
[技術思想3]
複数の図柄がそれぞれに付されている複数の可動体と、
遊技者の操作可能位置に設けられた始動手段の開始操作を検出する開始操作検出手段と

前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて、遊技を開始する遊技開始手段
と、
前記遊技開始手段による遊技の開始に伴い、当選役に関する抽選を行う抽選手段と、
前記遊技開始手段による遊技の開始以外の所定の始動契機に基づいて前記複数の可動体
を回転稼働させることにより、前記複数の可動体を用いた演出を実行し得る可動体演出実
行手段と、
回転中の前記複数の可動体を表示する可動体表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記複数の可動体とは異なる特定可動体と、
前記複数の可動体が回転稼働しているときに、前記可動体の表面の移動速度と前記特定
可動体の移動速度とが略同一となる速度で前記特定可動体を駆動させ得る特定可動体駆動
手段と、
前記特定可動体を回転稼働中の前記複数の可動体と重畳連動させることにより、前記可
動体駆動手段によって前記複数の可動体を一の稼働態様で稼働させているにも拘わらず、
前記可動体表示手段に表示される前記複数の可動体の表示態様を複数種類の表示態様とし
得る表示態様可変手段と、
前記表示態様可変手段によって前記複数の可動体の表示態様を可変させることにより、
前記特定可動体によって視認困難とされた図柄を予想させ得る視認困難図柄予想喚起手段
と、
を備えることを特徴とする遊技機。
技術思想3に係る遊技機は、複数の可動体(リール301a,301b,301c)が
回転稼働しているときに、可動体の表面の移動速度と特定可動体(移動構造体800)の
移動速度とが略同一となる速度で特定可動体を駆動させ得る特定可動体駆動手段(メイン
基板409、演出制御基板510)を備えている。また、表示態様可変手段(メイン基板
409、演出制御基板510)によって複数の可動体(リール301a,301b,30
1c)の表示態様を可変させることにより、特定可動体(移動構造体800)によって視
認困難とされた図柄を予想させ得る視認困難図柄予想喚起手段(移動構造体800、メイ
ン基板409、演出制御基板510)を備えている。
複数の可動体が回転稼働している際、その回転速度によっては可動体に付された図柄を
視認することができることがある。このとき、技術思想3に係る遊技機では、可動体の表
面の移動速度と特定可動体の移動速度とが略同一となる速度で特定可動体を駆動させて、
回転中の可動体に付された少なくとも一部の図柄を特定可動体によって隠蔽して視認困難
な状態としているため、隠蔽されている図柄を遊技者に予想させることができる。このと
き、例えば隠蔽された図柄に応じた特典を付与する仕様としておくことにより、隠蔽され
た図柄の予想を喚起させて、付与される特典を予想させることができ、その分興趣の低下
を抑制することができる。以下、この遊技機に係るスロットマシンについて、さらに説明
する。
この遊技機に係るスロットマシンは、図88に示すスロットマシン2と同様の構造を有
しており、移動構造体800の移動態様が異なる。以下、移動構造体の移動態様について
主に説明する。
[移動構造体の移動態様]
移動構造体800の移動態様について、図91を用いて説明する。移動構造体800は
、フリーズ制御が実行されるときに移動可能とされる。フリーズ制御の流れは、上述の通
りである。
フリーズ制御が実行されるとき、レバーONがなされると、上記のスロットマシンでは
、リール301a,301b,301cが逆回転したが、このスロットマシン2では、図
91(a)に示すように、フリーズ制御に伴い、リール301a,301b,301cが
正回転を開始する。
リール301a,301b,301cの回転中、所定の図柄組み合わせ、例えば「スイ
カ」−「スイカ」−「スイカ」の図柄組み合わせが横一列に揃った状態となるように、リ
ール301a,301b,301cの回転速度回転位置が調整される。続いて、「スイカ
」−「スイカ」−「スイカ」の図柄組み合わせが横一列に揃ったら、リール301a,3
01b,301cの回転速度が略同一となり、横一列となった「スイカ」−「スイカ」−
「スイカ」の組み合わせがリール301a,301b,301cが1回転する間に1回図
柄表示窓401に回転した状態で表示される。
リール301a,301b,301cの回転速度が略同一となった後、図91(b)に
示すように、横一列に揃った「スイカ」−「スイカ」−「スイカ」の図柄組み合わせが図
柄表示窓401を通過する際の移動に合わせて、移動構造体800が駆動される。このた
め、図柄表示窓401を通過する「スイカ」−「スイカ」−「スイカ」の図柄組み合わせ
は、移動構造体800によって隠蔽され、視認困難な状態となる。
このように、所定の図柄組み合わせ、ここでは「スイカ」−「スイカ」−「スイカ」の
図柄組み合わせが視認困難な状態でリール301a,301b,301cが回転している
。このため、回転中に移動構造体800が隠蔽して視認困難となっている図柄の組み合わ
せの予想を喚起することができるので、興趣の低下を抑制することができる。
さらに、視認困難となっている図柄の組み合わせが何らかの特典の示唆を行っている場
合には、さらに隠蔽されている図柄の予想を喚起することができる。例えば、隠蔽されて
いる図柄の組み合わせとして、当選することにより付与される特典が大きな図柄の組み合
わせが表示されているような場合には、図柄の予想のさらなる喚起を図ることができる。
図柄を予想させるにあたっては、隠蔽された図柄の前後(上下)の図柄を視認し、リー
ル301a,301b,301cに付されている図柄の配列に参照することで図柄の予想
を行うことができる。
[技術思想4]
複数の図柄がそれぞれに付されている複数の可動体と、
遊技者の操作可能位置に設けられた始動手段の開始操作を検出する開始操作検出手段と

前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて、遊技を開始する遊技開始手段
と、
前記遊技開始手段による遊技の開始に伴い、当選役に関する抽選を行う抽選手段と、
前記遊技開始手段による遊技の開始以外の所定の始動契機に基づいて前記複数の可動体
を回転稼働させることにより、前記複数の可動体を用いた演出を実行し得る可動体演出実
行手段と、
前記複数の可動体の停止制御し、抽選手段による抽選の結果に基づく図柄の組み合わせ
を表示する図柄表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記複数の可動体とは異なる特定可動体と、
前記複数の可動体が回転稼働しているときに、前記特定可動体を駆動させ得る特定可動
体駆動手段と、
前記特定可動体を回転可動中の前記複数の可動体と重畳連動させることにより、前記可
動体駆動手段によって前記複数の可動体を一の稼働態様で稼働させているにも拘わらず、
前記可動体表示手段に表示される前記複数の可動体の表示態様を複数種類の表示態様とし
得る表示態様可変手段と、
前記表示態様可変手段による前記複数の可動体の表示態様を前記抽選手段の抽選結果に
応じた表示態様とし得ることにより、前記可動表示態様によって前記抽選手段の抽選結果
を示唆し得る抽選結果示唆手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
技術思想4に係る遊技機では、複数の可動体(リール301a,301b,301c)
の停止制御し、抽選手段(メイン基板409)による抽選の結果に基づく図柄の組み合わ
せを表示する。ここで、遊技開始手段(始動レバー210)による遊技の開始以外の所定
の始動契機(フリーズ制御の実行)に基づいて前記複数の可動体を回転稼働(フリーズ制
御時の回転稼働)させることにより、複数の可動体を用いた演出を実行し得る。この複数
の可動体を用いた演出を実行するにあたり、複数の可動体(リール301a,301b,
301c)の表示態様を抽選手段(メイン基板409)の抽選結果に応じた表示態様とし
て、可動表示態様によって抽選手段の抽選結果(当選役)を示唆し得る。
このため、遊技開始手段(始動レバー210)による遊技の開始以外の所定の始動契機
(フリーズ制御の実行)に基づいて(リール301a,301b,301c)回転稼働し
た複数の可動体の表示態様によって、抽選手段(メイン基板409)による抽選の結果に
基づく図柄の組み合わせが示唆される。このため、可動体演出実行手段による複数の可動
体を用いた演出(フリーズ演出)によって、内部抽選の抽選結果を示唆することができる
。したがって、図柄表示手段に内部抽選の抽選結果に応じた図柄の組み合わせが表示され
る前に内部抽選の結果を予測させたり、内部抽選の抽選結果を知らせたりすることができ
る。したがって、その分興趣の低下を抑制することができる。
内部抽選の抽選結果と抽選結果示唆手段による複数の可動体の表示態様との関係は適宜
の関係とすることができる。例えば、チェリーやスイカなどのレア小役が当選した場合に
、ベルやリプレイなど当選割合が比較的高い通常小役が当選した場合よりも特定可動体の
移動速度を速くしたり遅くしたりした複数の可動体の表示態様とすることでレア小役の当
選を示唆することができる。
また、小役が当選した場合に小役が当選しない場合より特定可動体の移動速度を速くし
たり遅くしたりした複数の可動体の表示態様とすることで小役の当選を示唆することがで
きる。また、フリーズ制御の実行中に特定可動体を段階的に移動させ、当選した小役を示
唆することもできる。例えば、通常小役が当選した場合には移動前位置から1段階(例え
ば1コマ分)下降させ、スイカが当選した場合には2段階下降させ、チェリーが当選し、
3段階下降させることができる。
あるいは、内部抽選による当選役と特定可動体の移動態様とが対応関係にはなく、所定
の割合で内部抽選による当選役と特定可動体の移動態様が対応付けられているようにする
こともできる。例えば、内部抽選によってスイカに当選した場合に、30%で特定可動体
が第1段階まで下降し、60%で第2段階まで下降し、10%で第3段階まで下降するよ
うにすることができる。その他の小役等についても適宜所定の割合で内部抽選による当選
役と特定可動体の移動態様が対応付けられているようにすることにより、特定可動体の下
降段階によって内部抽選による当選役を予測させることができる。
上記の例では、移動構造体800を毎ゲームごとに移動させるようにしているが、毎ゲ
ームごとには移動させず、適宜のタイミングで移動させることができる。具体的に、所定
ゲーム数ごと、例えば3ゲームや5ゲームごとに移動構造体800を移動させることもで
きるし、ランダムな回数のゲーム数ごとに移動構造体800を移動させることもできる。
また、移動構造体800が移動位置に移動するタイミングを決定するに当たり、第1リ
ール停止ボタンが操作されて第3リールを含めた全リールに図柄が表示されているときの
いずれかに移動構造体800が移動位置に移動していればよい。このため、移動構造体8
00,810が移動位置に移動するタイミングは、全リールに図柄が表示されているとき
のいずれかに移動構造体800が移動位置に配置されうるすべてのタイミングとすること
ができる。したがって、全リール301a,301b,301cが回転している最中に移
動構造体800を移動させることもできるし、全リール301a,301b,301cが
停止した後に、移動構造体800を移動位置に移動させることもできる。これらの場合に
おいても、移動構造体800を移動させる際には、フリーズ制御を実行することが好適で
ある。
[他の態様3−1]
上記のスロットマシン2の他の態様3−1となる変形例3−1として、移動構造体に表
示装置が設けられた例について説明する。図92は、上記のスロットマシンの変形例3−
1を簡素化して示す正面図である。図92に示すように、この態様に係るスロットマシン
2は、上記のスロットマシン2に対して、移動構造体の構成が主に異なっている。
図92に示すように、スロットマシン2には、移動構造体900が設けられている。移
動構造体900は、横長の長方形状のスライドプレート901及びスライドプレート90
1に取り付けられたサブ画像表示体902を備えている。サブ画像表示体902は、スラ
イドプレート901に取り付けられて固定されているので、移動構造体900自体を表示
装置と捉えることもできる。
スライドプレート901は、3本のリール301a,301b,301cの幅方向の幅
よりも広い幅を有している。移動構造体900は、常時は、図92に実線で示す移動前位
置に配置されている。また、常時以外の所定の移動タイミングでは、図92に破線で示す
ように、図柄表示領域である図柄表示窓401に表示されるリール301a,301b,
301cにおけるそれぞれの上段に表示される図柄の前面の移動位置に配置されるように
、移動構造体900が移動させられる。
スライドプレート901に取り付けられているサブ画像表示体902は、画像表示体5
00よりも小面積の液晶表示装置によって構成されている。移動構造体900が移動前位
置に位置した状態では、サブ画像表示体902が画像表示体500の手前位置に配置され
ており、画像表示体500に表示される画像の一部がサブ画像表示体902に表示される
ような表示が実行される。画像表示体500及びサブ画像表示体902には、ゲームの進
行に応じた液晶演出が実行される。
また、移動構造体900が移動位置に位置した状態では、サブ画像表示体902が画像
表示体500の手前から離れた位置に配置されており、サブ画像表示体902では、画像
表示体500に表示される画像と関連する画像が表示されるが、サブ画像表示体902の
画像は、画像表示体500に表示される画像から独立した個別の画像として表示される。
このため、移動構造体900が移動位置に位置することにより、演出表示領域が拡張する
こととなる。
このように、移動構造体900にサブ画像表示体902が設けられていることにより、
移動構造体900が移動前位置から移動位置に可動した場合に、上移動構造体900にお
けるサブ液晶表示体902に適宜の画像などを表示することができる。この結果、演出表
示の態様の多様化を図ることができる。
あるいは、移動構造体自体を表示装置とする場合には、上記の画像表示体500を設け
ることなく、いわば表示装置(画像表示体)自体が移動構造体となる態様とすることもで
きる。この場合表示装置自体が移動するので、演出等を実行する表示装置の表示位置を移
動させることができ、演出の多様化を図ることができる。さらには、図柄表示窓401の
手前位置に表示装置が移動してくるような態様となるので、表示装置に図柄表示窓401
を隠す表示装置によって、演出を盛り上げるなどとすることもできる。
このように、表示装置自体を移動構造体としたり、上記のように移動構造体に表示装置
(サブ画像表示体)を設けたりして、有効ラインに関連する演出を実行することにより、
さらなる演出の多様化を図ることができる。例えば、移動構造体900が移動する場合は
、移動構造体900が移動しない場合よりも小役の当選割合を高くしておき、サブ液晶表
示体902に「CHANCE!」の装飾文字を表示することなどができる。
また、取りこぼしが生じうる小役(「スイカ」「チェリー」)に当選した場合などに移
動構造体を移動させる際に、表示装置自体が移動構造体などである場合と、移動構造体が
移動する際に派手な小役出現演出を実行して、有効ラインに小役に対する図柄を目押しさ
せやすくすることができる。小役出現演出は、主には、取りこぼしが生じうる小役に当選
したときに実行することができるが、取りこぼしが生じうる小役に当選していない場合に
小役出現演出を実行するいわゆるフェイク演出とすることもできる。ただし、取りこぼし
が生じうる小役の当選割合は、小役出現演出が実行された場合の方が、小役出現演出が実
行されない場合よりも高くしておくことが好適である。小役出現演出が実行された場合の
方が、小役出現演出が実行されない場合よりも小役の当選割合が高いことで、小役出現演
出が発生したときに、取りこぼしが生じうる小役の当選に対する期待感を高めることがで
きる。
[他の態様3−2]
上記のスロットマシン2の他の態様3−2となる変形例3−2として、移動構造体が複
数設けられた例について説明する。図93は、上記のスロットマシンの変形例2を簡素化
して示す正面図である。図93に示すように、この態様に係るスロットマシン2は、上記
のスロットマシン2に対して、移動構造体の構成が主に異なっている。
図93に示すように、スロットマシン2には、右移動構造体921,中移動構造体92
2,左移動構造体923が設けられている。移動構造体921,922,923は、いず
れも互いに同一の形状をなし、横長の長方形状をなしており、リール301a,リール3
01b,301cの幅よりもそれぞれわずかに広くされている。
移動構造体921,922,923は、常時は、図93に実線で示す移動前位置に配置
されている。また、常時以外の所定の移動タイミングでは、図93に破線で示すように、
図柄表示領域である図柄表示窓401の内外における所定に位置に配置されるように、移
動構造体921,922,923が移動させられる。さらに、移動構造体921,922
,923は、それぞれ互いに独立して移動可能とされている。
このスロットマシン2においては、右移動構造体921,中移動構造体922,左移動
構造体923がそれぞれ独立して移動可能とされている。このため、種々の態様で移動さ
せることができ、例えばリール301a,301b,301cの一部が回転している場合
に、回転するリールに対応する移動構造体のみを移動させることができる。また、右移動
構造体921,中移動構造体922,左移動構造体923ごとに移動速度を変えて移動さ
せることもできるし、移動方向を変えて移動させることもできる。さらに、リール301
a,301b,301cのうちの回転しているリールと移動構造体921,922,92
3のうちの移動している移動構造体との対応関係により、所定の示唆や教示、例えば当選
した小役等の示唆や教示を行うことができる。
以上は、本発明のスロットマシン2の一形態であるが、これに限定されることはない。
上記のスロットマシン2では、図78に示すように、有効ライン623xが中段の1ライ
ンとされているが、上段、下段、右下がり、左下がりといった他のライン、いわゆる小山
型、小V型、大山型、大V型とすることもできるし、これらのラインを2以上選択した複
数の有効ラインとすることもできる。これらの場合、有効ラインに応じて移動構造体の形
状や移動態様を調整することができる。例えば、有効ラインが上段ラインである場合に、
移動構造体の移動前位置を図柄表示窓401の下側に配置しておき、移動前位置から移動
位置まで移動構造体を上昇させるようにすることができる。
また、移動構造体の移動方向は上下方向以外の方向とすることもできる。具体的には、
左右方向とすることもできるし、斜め方向とすることもできる。あるいは、上下方向、左
右方向に複数回曲がるようにして移動するようにすることもできる。さらには、画像表示
体の裏面側を移動構造体としておき、前後方向を含めた方向に移動構造体を移動させるよ
うにすることもできる。
また、スロットマシン2では、移動構造体800,810が別体として形成されている
が、移動構造体が一体的に形成されているようにすることもできる。ここで、例えば図柄
表示窓401における隠蔽を図る領域が一体的な形状である場合には、移動構造体の形状
を図柄表示窓401における隠蔽を図る領域の形状に合わせることができる。また、上記
のスロットマシン2のように中段が有効ラインと設定されている場合には、移動位置にあ
るときに図柄表示窓401から外れた位置に配置される接続部で図柄表示窓401の上側
と下側をそれぞれ隠蔽する移動構造体部分を接続して一体化することができる。
さらに、移動構造体を移動させるにあたり、移動構造体の移動経路に案内レールを形成
しておくこともできる。案内レールを形成しておくことにより、移動構造体をスムーズに
移動させることができる。ここで、前後方向を含めたいわば三次元方向に移動構造体を移
動させる場合、移動構造体をシート状の可とう性を有する素材を用いることができる。シ
ート状の素材を用いることで、移動構造体をよりスムーズに移動させることができる。
また、移動構造体の形状は横長の長方形状とされているが、その他の形状とすることも
できる。例えば、三角形や六角形といった多角形状とすることもできるし、円や楕円、長
円などの曲線部を有する形状とすることもできる。さらには、これらの形状を複合した形
状とすることもできる。あるいは、いわゆる三次元形状とすることもできるし、いわゆる
フィギアなどをイメージする構造体とすることもできるし、移動前位置にあるときにはフ
ィギアが分割して配置されており、図柄表示窓の手前の移動位置において分割されていた
フィギアが合体して所定のキャラクタを構成するようにしてもよい。また、移動構造体と
しては、不透明材料を用いることが好適であるが、透明材料や半透明材料を用いることも
できる。
さらに、移動構造体としてスライドするものを挙げているが、その他の移動態様、例え
ば折り畳まれた状態から展開して移動させたり、閉鎖状態から開放状態となるように移動
させたりすることもできる。また、サブ画像表示体としては、液晶表示装置以外の表示装
置、例えばセグメント表示やドット表示、その他の画像表示装置などを用いることもでき
る。
また、上記のスロットマシン2において移動構造体を移動させるタイミングは、図79
に示すように、第3リール停止後(全リール停止後)からリール停止装置有効となるまで
の任意の時期としているが、その他のタイミングで移動構造体を移動させることもできる
。ここで、移動構造体が複数に分割されている場合には、その一部を移動させる態様とす
ることもできるし、1ゲームが実行されている間の移動構造体の移動回数を複数回とする
こともできる。
さらに、図柄表示窓401の一部を隠蔽して狭小図柄表示領域を形成する際に、上記の
例では移動構造体を用いているが、他の隠蔽手段を用いることができる。例えば、図柄表
示窓における図柄表示窓401の隠蔽を図る領域に透過性の液晶表示装置を備えておき、
通常時は、当該透過性液晶表示装置をOFFまたは、非常に少ない光量で表示としておき
、図柄表示窓401の隠蔽を図る領域を隠蔽する際に、当該透過性液晶表示装置に暗色を
表示して図柄表示窓401の一部を隠蔽することができる。
また、上記の各態様において、移動構造体は、リール301a,301b,301cに
付された図柄をすべて隠蔽する大きさとされているが、停止表示された図柄の一部を隠蔽
する大きさとすることもできる。停止表示された図柄の一部が隠蔽されることで、有効ラ
インにおける図柄の認識の容易度を向上させることができる。さらには、複数の図柄にお
いて図柄の大きさ(占有面積)に大小がある場合に、移動構造体は、大きさ(占有面積)
が最大あるいは所定の大きさより大きい図柄は全体的には隠蔽せず、その他の図柄を全体
的に隠蔽する大きさとすることができる。例えば「青7」「赤7」「バー」といった図柄
は、「リプレイ」「ベル」「チェリー」「スイカ」といった図柄よりも大きさ(占有面積
)が大きくされている。移動構造体としては、これらの「リプレイ」「ベル」「チェリー
」「スイカ」を隠蔽し得るが、「青7」「赤7」「バー」は一部のみ隠蔽する(隠蔽した
図柄の一部がはみ出す)大きさとすることができる。もちろん、その他の大きさとするこ
ともできる。
他方、スロットマシン以外の遊技機、例えば、パチンコ機や、パチンコ機とスロットマ
シンとを融合させてなる遊技機(いわゆるパロット)等であっても本発明を適用すること
ができる。
1 スロットマシン
10 隙間
21 透明板
50 機種ユニット
90 前面開閉部材
100 外本体
100a 回転軸
101 底板
102 側板
102a 凸面部
102b ガード部
103 天板
104a 放熱口
104b コード引出口
105 仕切板
106 突段部
107 取付片
108 取付片
109 開口
110 メダル放出装置
110a 装置本体
110b ホッパ
110c 放出口
110d オーバーフロー樋
110e 払出センサ
111 遊技メダル用補助収納箱
111a メダル満タンセンサ
112 電源装置
112a 装置ケース
112b 上面板
112c 後面板
112d 正面板
112e 側面板
112f 斜面板
112g 通気孔
112h 脚部
112i 通気空間
112j 段部
112k 取付片
112m 突部
112m−1 突片
112p 透孔
112r 底面板
112s 基板
112t 設定キースイッチ
112u リセットスイッチ
112v 電源スイッチ
113 配線中継部材
114 ボス孔
115 レール部材
116 レール部材
117 ストッパー
118 取付具
119 本体側配線類
120 取付板
121 カバー体
122 コネクタ基板
123 コネクタ基板
124 コネクタ
125 コネクタ
126 開口
127 該開口
128 支持筒
129 配線ダクト
131 外部中継端子板
132 貫通孔
133 通気口
200 扉形前面部材
200a 通孔
201 メダル用受皿
202 操作部
203 メダル投入口
205 1枚投入ボタン
206 MAX投入ボタン
207 メダルセレクタ
207a ソレノイド
207b 投入センサ
208 メダル返却ボタン
209 貯留解除スイッチ
210 始動レバー
211a 左リール停止ボタン
211b 中リール停止ボタン
211c 右リール停止ボタン
212 メダル樋
213 返却樋
214 透視窓
214a 透明板
214b 縁部材
214c 透孔
214d 通孔
215 錠装置
215a ベース部材
215b 支持片
216 額フレーム
217 発光ユニット
217a 発光体
217a−1 光源
217a−2 導光板
217b 反射部材
218 固定部材
219 凹溝
300 図柄変動表示装置
301a 左リール
301b 中リール
301c 右リール
302 装置ケース
303 駆動手段
304 底部板
305 天板部
305 天板部
306 右側板
307 左側板
308 後部板
309 上斜板
310 下斜板
311 把手
312 リール基板
313 ケーブル
315 抜け止め部
316 把手
321a〜321c リール帯
331a 左リール位置センサ
331b 中リール位置センサ
331c 右リール位置センサ
341a 左リール駆動モータ
341b 中リール駆動モータ
341c 右リール駆動モータ
400 ケース部材
401 図柄表示窓
402 補強桟
402a 案内部
403 底板
404 側板
405 後面板
406 天板
407 補強部材
408 配線作業空間
409 メイン基板
410 ボス
411 配線窓
412 凹段部
413 テーパ部
414 車輪
415 鍔
416 引掛部
417 三角スペース
418 仮止め部材棚
420 ヒンジ金具
420a 固定部材
420b 回動部材
420c 短リンク
420d 長リンク
420e 固定片
420f 軸承片
420g 重合領域
420h 重合領域
420h 重合領域
420j ピン孔
420k ピン
421 ロック片
422 把手口
423 ケース側配線類
424 ハーネス
425 コネクタ
426 ハーネス
427 コネクタ
427a 遊孔
427b 耳片
427c ビス
428 コネクタホルダー
429 ホルダー主体
429a 受筒
430 透孔
431 取着片
432 ボタン形パネルファスナー
433 ベンチ部
434 ベンチ側板
435 爪片
436 指掛部
437 ケーブル溝
438 配線口
440 案内レール
442 係止孔
443 天窓部
444 補強帯
449 メイン基板
500 画像表示体
500s 破線領域
501 枠部材(表示パネル)
502 照明装置
503 基板
505 透光性蓋板
506 チューブ枠
507 透光性カバー
508 受部
509 係合部
510 演出制御基板
512 スピーカ
600 上桟
601 固定部材
602 工具
603 ビス
604 エラーランプ
606 リプレイランプ
608 スタートランプ
610 ランプ
614 ランプ
623a 右下がりライン
623b 右上がりライン
623x 有効ライン
700 連結具
701 固定鞘部材
701a 防止片
702 ロッド
702a 軸孔部
702b 引掛壁
703 止め軸
703a スプリング
704 ストッパ
705 溝
706 摘み片
800 上移動構造体
810 下移動構造体
900 上移動構造体
910 移動構造体
901 スライドプレート
902 サブ画像表示体
910 下移動構造体
1110 CPU
1112 ROM
1114 RAM
1116 入出力インタフェース
1130 入出力インタフェース
1200 ホールコンピュータ

Claims (1)

  1. 複数の図柄がそれぞれに付されている複数の可動体と、
    当選役に関する抽選を行う抽選手段と、
    所定の始動契機に基づいて、前記複数の可動体を回転稼働させる可動体駆動手段と、
    回転中の前記複数の可動体を表示する可動体表示手段と、
    を備える遊技機であって、
    前記複数の可動体とは異なる特定可動体と、
    前記複数の可動体が回転稼働しているときに、前記特定可動体を駆動させ得る特定可動
    体駆動手段と、を備え、
    前記特定可動体駆動手段は、前記特定可動体を回転稼働中の前記複数の可動体と重畳連
    動させることにより、前記可動体駆動手段によって前記複数の可動体を一の稼働態様で稼
    働させているにも拘わらず、前記可動体表示手段に表示される前記複数の可動体の表示態
    様を複数種類の表示態様とし得る表示態様可変手段を有する、
    ことを特徴とする遊技機。
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