JP2015046535A - アルカリ金属セルの製造方法及び原子発振器の製造方法 - Google Patents

アルカリ金属セルの製造方法及び原子発振器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】信頼性が高く、原子発振器に用いた場合に精度の高いアルカリ金属セルを提供する。【解決手段】本体基板10に前記本体基板を貫通する第1の開口部11と、第2の開口部12を形成する工程と、前記第1の開口部と前記第2の開口部を接続する接続通路13を前記本体基板、または、第2の透明基板30に形成する工程と、前記本体基板の一方の面に第1の透明基板20を接合する第1の接合工程と、前記第2の開口部にアルカリ金属発生材料40を設置する工程と、前記接続通路に封止材50を設置する工程と、第2の透明基板を接合する第2の接合工程の後、前記アルカリ金属発生材料を加熱して、アルカリ金属ガスを発生させ、前記接続通路を介し、前記第1の開口部内に拡散させる工程と、前記第1の開口部内にアルカリ金属ガスを拡散させた後、前記封止材を溶融させて、前記接続通路を塞ぎ、前記第1の開口部と前記第2の開口部との空間を分離する。【選択図】図10

Description

本発明は、アルカリ金属セルの製造方法及び原子発振器の製造方法に関する。
アルカリ金属の超微細準位間の遷移を利用し正確に時間を測る原子時計(原子発振器)の分野で、近年、小型化・低コスト化を目指し、セシウム(Cs)、ルビジウム(Rb)等のアルカリ金属を、Ne、Ar、N等のバファガスと共に、微小なセルに閉じ込め、光学的な現象を利用するチップスケール原子時計(CSAC:Chip Scale Atomic Clock)の開発が進められている。この形式の代表的なものは、CPT(Coherent Population Trapping)方式を用いたもので、図1に基本的な構成図を示す。
CPT方式の原子時計では、図1に示すように、単一波長のコヒーレント光を出力するレーザ素子910、コリメートレンズ920、λ/4波長板930、アルカリ金属セル940、受光素子950、変調器960を有している。アルカリ金属セル940には、アルカリ金属が封入されており、レーザ素子910から出射されたレーザ光は、コリメートレンズ920、λ/4波長板930を介し、アルカリ金属セル940に照射される。アルカリ金属セル940に照射され、アルカリ金属セル940を透過したレーザ光は受光素子950に入射し検出される。
レーザ素子910より出射されるレーザ光は変調され、特定波長である搬送波の両側に出現するサイドバンド波長により、アルカリ金属原子における電子の2つの遷移を同時に行ない、励起する。この遷移における遷移エネルギーは不変であり、レーザ光のサイドバンド波長と遷移エネルギーに対応する波長とが一致したときに、アルカリ金属における光の吸収率が低下する透明化現象が生じる。このように、アルカリ金属による光の吸収率が低下するように、搬送波の波長を調整するとともに、受光素子950において検出された信号を変調器960にフィードバックし、変調器960によりレーザ素子910からのレーザ光の変調周波数を調整することを特徴とした原子時計である。
CPT共鳴における原子の超微細構造エネルギー準位は、図2に示されるように、Λ型3準位系であり、Cs原子のD1ライン遷移(6S1/2→6P1/2)の場合は、|1>準位は6S1/2F4であり、|2>準位は6S1/2F3であり、|3>準位は6P1/2 である。Cs原子をセルに封入しD1ライン遷移を利用する場合について説明する。レーザ素子910となる光源としては、多くの場合はコヒーレントで単一波長が得やすく高速変調が容易なVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER)が選択される。このVCSELの発振波長をCsにおけるD1ライン遷移の波長894.6nmとほぼ同一にする。このVCSELの駆動電流に|1>準位と|2>準位の差の半分の周波数(νclock/2)の周辺の信号を重畳させ周波数を掃引する。CsにおけるD1ライン遷移の場合は、νclockは9.192GHzであり、νclock/2は4.596GHzである。重畳信号の周波数がνclockかνclock/2に一致すると、|1>→|3>と|2>→|3>の遷移がなくなり暗共鳴(Dark resonance)状態になる。この際、図1に示される受光素子950における透過光強度はピークを示す。この共鳴のピークに一致するように重畳信号の周波数を安定化することにより、周波数標準が実現される。
CSACをより小型、低コストで量産が可能な構造にするため、その物理パッケージ、特に中心部品であるガスセルを製造する際にはMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いた様々な方法の開発が進められてきている。尚、アルカリ金属セル940に封入されるアルカリ金属は、酸素、及び、水分との反応性が非常に高く、アルカリ金属セル940を作製する際に、最も重要な課題は、量産性が高く、アルカリ金属セル940中の内包物が経時変化しない、セル構造と封入方法を確立することである。
非特許文献3に開示されている方法は、Siウェハにエッチング法により貫通穴をあけ、貫通穴の開けられているSiウェハの一方の面にガラスウェハを陽極接合し、凹状の穴をもつ半積層体を作製する。その後、嫌気性グローブボックス(Anaerobic Glove box)中でこの半積層体の凹状の穴にアンプルからマイクロピペットを用い取り出した液体Csを滴下し、そのまま真空室に搬送し、高真空引きし、バファガスを導入した後に、Siウェハの他方の面に第2のガラスウェハを陽極接合し、アルカリ金属セルを作製する方法である。
非特許文献4に開示されている方法では、非特許文献3に開示されている方法と同様に作製した半積層体に、嫌気性グローブボックス中で、BaN3+RbCl入の微小なガラスアンプルを加熱し反応させRbを凹状の穴に蒸着させた後、非特許文献3に開示されている方法と同様な工程により、第2のガラスウェハを陽極接合しアルカリ金属セルを作製する方法である。
非特許文献5に開示されている方法では、非特許文献3に開示されている方法と同様に作製した半積層体を蒸着装置中にセットし、CsN3膜を蒸着する。次に、これを陽極接合装置にセットし、高真空引きし、第2のガラスウェハを陽極接合し、取り出した後、UV光を照射しCsNをCs金属とNガスに分解し、Cs原子とNバッファガスを内包したガスセルを作製する方法である。
非特許文献6に開示されている方法では、Siウェハ中にエッチング法により溝で連通した2種の貫通穴をあけ、これの1面にガラスウェハを陽極接合し、2種の凹状の穴をもつ半積層体を作製する。大気中でアルカリ金属発生剤を1種目の凹状の穴に配置し、高真空引きし、バファガスを導入した後に、Siウェハの他方の面と第2のガラスウェハとを陽極接合した積層体を作製する。この積層体中のアルカリ金属発生剤に外部からレーザ光を照射し加熱しアルカリ金属蒸気を発生させ、ガスセルを作製する方法である。
上述した、アルカリ金属発生剤は、室温では大気中での取り扱いが可能で、所定の温度に加熱されることによりアルカリ金属蒸気を発生する。これらのアルカリ金属発生剤の形式の1つは、従来から光電子増倍管や光電管などで使用されており、酸化剤と還元剤との組み合わせを構成成分として含むペレット状あるいは粉末状の薬剤である。この還元剤はZr、Si、Ti、Al等を含み、酸化剤はアルカリ金属イオンをカウンターカチオンとするクロム酸塩やバナジウム酸塩やタングステン酸塩やモリブデン酸塩を含む。Zr、Alを還元剤としてCsクロム酸塩からCs蒸気を発生させる反応式を化1に示す。尚、このようなアルカリ金属発生剤については、特許文献3〜6に開示されている。
他のアルカリ金属発生剤の形式の1つは、特許文献7に開示されているように、金属、半導体、セラミックスなどの支持体上にアルカリ金属単体を蒸着し、このアルカリ金属堆積物をチタン、ジルコニウムなどのゲッター材堆積物により被覆し形成するものが挙げられる。
CsやRbなどのアルカリ金属は、通常の陽極接合温度範囲で高い蒸気圧をもつ。例えば400℃でCsの蒸気圧は約2.1kPa、Rbの蒸気圧は約1.6kPaである。このため、非特許文献3、4に開示されている2回目の接合時に、すでに半積層体の凹状の穴に単体のアルカリ原子が投入されている方法をとる場合は、通常の接合条件より穏やかな条件で行われる。即ち、通常は300℃〜450℃の温度で1kV程度の電圧が印加されるが、非特許文献3、4に開示されている方法では、200℃〜250℃の温度で、1kVである。一方、Siウェハとホウケイ酸ガラスウェハの陽極接合時に、O、H、HOなどが脱ガスすることがよく知られている。低温で接合するほど長期にわたり接合面からこれらのガス種をセル内に放出し続ける。CsやRbなどのアルカリ金属は、酸素、水との反応性が非常に高い。このため、これらのガス種が、アルカリ金属と反応し固体の酸化物を生成させ、これがセルの窓に付着し、ガスセルの信頼性を低下させてしまう。
非特許文献5に開示されている方法では、CsN膜をUV光で分解してCsとNガスを発生させるものであるため、バッファガス種がNガスに限定される。また、UV光の分解反応時間が数時間から十時間以上の時間を要するため量産性が低い。更に、非特許文献5に開示されている方法では、2回目の接合時に、半積層体の凹状の穴にCsN膜が蒸着されているが、この物質は300℃以上では制御しにくい分解反応がおこるので、200℃程度で接合されている。このため、上述した非特許文献3、4に開示されている方法と同様の脱ガスの問題が生じる。
非特許文献6に開示されている方法では、2回目の陽極接合の前に、半積層体の凹状の穴に投入されるアルカリ金属発生剤は、大気中でも安定であり500℃程度でも反応が開始しない。よって、2回目の陽極接合は260℃〜450℃と従来よりも高い条件で行うことが可能になる。これにより、低温での接合せざるをえない非特許文献3、4、5の場合より、O、H、HOなどのガス放出が少なくなり、周波数安定度の劣化を抑制することができる。
しかしながら、この作製方法では、アルカリ金属発生後の残渣がバッファガスを吸収することがあり、特に、Nガスがバファガスの場合は吸収による影響は無視できない。また、残渣から発生する微粉末が計測光を遮り周波数計測精度を低下させることが懸念される。また、原子時計のガスセルは40〜100℃内の特定の温度にヒーターで加温して使用されるが、十分な周波数計測精度を得るには非常に高い精度で一定温度に保つ必要がある。また、ガスセルにCPT共鳴を検出するセルにアルカリ金属発生剤を投入した部分を残す構成にするとセルの熱容量が大きくなりセルの温度制御特性が低下する。更には、セルの熱容量が大きくなると消費する電力も大きくなる等の課題がある。
よって、本発明は、上記に鑑みなされたものであり、信頼性が高く、原子発振器に用いた場合に精度の高いアルカリ金属セルの製造方法を提供することを目的とするものである。
本実施の形態の一観点によれば、本体基板に前記本体基板を貫通する第1の開口部と、第2の開口部を形成する工程と、前記第1の開口部と前記第2の開口部を接続する接続通路を前記本体基板、または、第2の透明基板に形成する工程と、前記本体基板の一方の面に第1の透明基板を接合する第1の接合工程と、前記第2の開口部にアルカリ金属発生材料を設置する工程と、前記接続通路に封止材を設置する工程と、前記第1の接合工程の後、前記アルカリ金属発生材料及び前記封止材が設置されている本体基板の他方の面に第2の透明基板を接合する第2の接合工程と、前記第2の接合工程の後、前記アルカリ金属発生材料を加熱して、アルカリ金属ガスを発生させ、前記接続通路を介し、前記第1の開口部内に拡散させる工程と、前記第1の開口部内にアルカリ金属ガスを拡散させた後、前記封止材を溶融させて、前記接続通路を塞ぎ、前記第1の開口部と前記第2の開口部との空間を分離する空間分離工程と、を有し、前記接続通路は、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間の中央溝と、前記中央溝から前記第1の開口部に向かって徐々に幅の狭くなる傾斜領域及び前記中央溝から前記第2の開口部に向かって徐々に幅の狭くなる傾斜領域を有しており、前記封止材は前記中央溝に設置されることを特徴とする。
本発明によれば、信頼性が高く、原子発振器に用いた場合に精度の高いアルカリ金属セルを提供することができる。
原子発振器の説明図 CPTに関連する原子エネルギー準位の説明図 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(1) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(2) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(3) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(4) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(5) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(6) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(7) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(8) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(9) 第2の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(1) 第2の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(2) 第2の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(3) 第2の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(4) 第2の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(5) 第2の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(6) 第2の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(7) 第2の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(8) 第2の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(9) 第2の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(10) 第2の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(11) 第3の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(1) 第3の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(2) 第3の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(3) 第4の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(1) 第4の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(2) 第5の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(1) 第5の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(2) 第5の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(3) 第5の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(4) 第6の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(1) 第6の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(2) 第6の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(3) 第6の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(4) 第7の実施の形態における原子発振器の説明図 CPT方式を説明する原子エネルギー準位の説明図 面発光レーザ変調時における出力波長の説明図 変調周波数と透過光量との相関図 第7の実施の形態における他の原子発振器の説明図
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法について、図3〜図11に基づき説明する。本実施の形態における説明では、封止材としてビスマス系低融点ガラスボールを用いた場合について説明する。本実施の形態は、ガラス基板により形成される第1の透明基板と、Si基板により形成される本体基板と、ガラス基板により形成される第2の透明基板とを用いた製造方法であり、各基板間は、陽極接合により接合する製造方法である。尚、第1の透明基板と第2の透明基板は、透明な基板であり、厚さが0.05mm〜3mmであって、可動イオンを含有するホウケイ酸ガラス等のガラスウェハにより形成されている。
最初に、図3に示すように、本体基板10の一方の面に、接続通路13が形成される領域に開口部61aを有するレジストパターン61を形成する。本体基板10には、両面が鏡面研磨されている厚さ0.2〜5.0mmのSi基板が用いられており、本実施の形態においては、厚さL1が2mmのSi基板が用いられている。接続通路13は、後述する第1の開口部11となる貫通穴と、第2の開口部12となる貫通穴とを接続するためのものである。尚、図3(a)は、この工程における上面図であり、図3(b)は、図3(a)における一点鎖線3A−3Bにおいて切断した断面図である。
次に、図4に示すようにCFガスを用いたドライエッチングにより、レジストパターン61の開口部61aにおける本体基板10のSiを一部除去する。これにより、第1の開口部11が形成される領域と第2の開口部12が形成される領域との間に接続通路13を形成する。接続通路13は、第1の開口部11と第2の開口部12との間の中央部分に形成される幅の広い中央溝13aを有している。更に、中央溝13aよりも幅が狭く中央溝13aと第1の開口部11を接続する枝溝13bと、中央溝13aよりも幅が狭く中央溝13aと第2の開口部12を接続する枝溝13cとを有している。即ち、接続通路13は、中央部における幅W1が1.2mm、深さD1が0.5mmの中央溝13aと、中央溝13aの両側に形成される幅W2が0.5mm、深さD1が0.5mmの2本の枝溝13b、13cからなる。尚、後述する中央溝13aと枝溝13bとの間には、テーパー状の傾斜領域13dが形成されており、中央溝13aと枝溝13cとの間には、テーパー状の傾斜領域13eが形成されている。このように形成された接続通路13となる中央溝13aと2本の枝溝13b、13cにより、後述する第1の開口部11と第2の開口部12とが空間的に接続される。この後、レジストパターン61は有機溶剤等により除去する。尚、図4(a)は、この工程における上面図であり、図4(b)は、図4(a)における一点鎖線4A−4Bにおいて切断した断面図である。
次に、図5に示すように、本体基板10の一方の面に、第1の開口部11が形成される領域及び第2の開口部12が形成される領域に開口部62a及び62bを有するレジストパターン62を形成する。尚、図5(a)は、この工程における上面図であり、図5(b)は、図5(a)における一点鎖線5A−5Bにおいて切断した断面図である。
次に、図6に示すように、レジストパターン62の開口部62a及び62bにおける本体基板10のSiを除去し、貫通穴を形成することにより第1の開口部11及び第2の開口部12を形成する。具体的には、第1の開口部11及び第2の開口部12は、ボッシュプロセスによるドライエッチングにより、本体基板10に貫通穴を形成することにより形成する。ボッシュプロセスは、ICPプラズマ中でSF、Cガスを交互に供給しエッチングする方法であり、高速でSiの深堀エッチングができる。この後、レジストパターン62は有機溶剤等により除去する。尚、図6(a)は、この工程における上面図であり、図6(b)は、図6(a)における一点鎖線6A−6Bにおいて切断した断面図である。
尚、本実施の形態においては、第1の開口部11の中心と第2の開口部12の中心を結ぶ方向をX方向とした場合、中央溝13aと枝溝13bとの間の傾斜領域13dの側壁及び中央溝13aと枝溝13cとの間の傾斜領域13eの側壁がテーパー状に形成されている。即ち、接続通路13は、中央溝13aから枝溝13bに向かう方向においては、傾斜領域13dにおける幅が徐々に狭くなり、テーパー構造となっている。また、中央溝13aから枝溝13cに向かう方向においては、傾斜領域13eにおける幅が徐々に狭くなり、テーパー構造となっている。
また、本実施の形態においては、本体基板10に形成される第1の開口部11及び第2の開口部12の大きさは、ともに3.2×3.2mmの略矩形の形状である。また、第1の開口部11と第2の開口部12との間隔、即ち、接続通路13の長さL2は、0.05mm〜30mmである。
上記における説明では、本体基板10に、第1の開口部11、第2の開口部12、接続通路13を形成する際、ドライエッチングを用いたが、ウェットエッチング、サンドブラスト、ミリング加工等の方法によっても形成することが可能である。また、上記においては、第2の開口部12は本体基板10を貫通しているが、必ずしも貫通させる必要はなく、本体基板10の一部が残るようエッチングを行なうことにより凹状の穴を形成したものであってもよい。
次に、図7に示すように、本体基板10の他方の面に、第1の透明基板20を陽極接合法により接合する。この工程を第1の接合工程と記載する場合がある。具体的には、不図示の陽極接合装置のチャンバー内に、本体基板10及び第1の透明基板20を設置し。400℃に加熱して、本体基板10の他方の面と第1の透明基板20とを接触させて、本体基板10側に−800Vの電圧を印加することにより接合する。本願においては、この工程において接合されたものをプレフォーム基板と記載する場合がある。尚、図7(a)は、この工程における上面図であり、図7(b)は、図7(a)における一点鎖線7A−7Bにおいて切断した断面図である。
次に、図8に示すように、本体基板10の他方の面に第1の透明基板20が接合されたものの本体基板10の第2の開口部12の内部にアルカリ金属発生材料40を設置し、接続通路13の中央溝13aに封止材50を設置する。封止材50は、低融点ガラスからなる円筒状の封止片であって、ビスマス系低融点ガラス(Bi−ZnO−B)に加熱光吸収材としてCuOが添加されているものにより形成されている。本実施の形態においては、封止材50の大きさは、外径φが1.0mm、厚さが0.45mmである。
この後、本体基板10の一方の面と第2の透明基板30とをバッファガス雰囲気中で陽極接合する。この工程を第2の接合工程と記載する場合がある。具体的には、接合装置の減圧チャンバー内に、本体基板10の他方の面に第1の透明基板20が接合されたものと、第2の透明基板30とを設置し、高真空に真空排気する。本体基板10の他方の面に第1の透明基板20が接合されたものには、第2の開口部12の内部にアルカリ金属発生材料40が設置されており、接続通路13の中央溝13aに封止材50が設置されている。この後、減圧チャンバー内にNe、Ar、Xe、Kr、Nのうち1又は2以上からなるバッファガスを導入し、減圧チャンバー内部の圧力を0.01kPa〜1000kPaとする。この後、本体基板10及び第2の透明基板30を400℃に加熱し、本体基板10の一方の面と第2の透明基板30とを接触させ、本体基板10に対し第2の透明基板30の電位が、−800Vとなるように電圧を印加し接合する。この工程においては、バッファガス圧力が低圧(0.01kPa〜100kPa)の場合は、第2の透明基板30の電位を−800Vに昇圧する途中で接合装置の減圧チャンバー内で放電することがある。この場合は、放電を開始する電圧よりやや絶対値が小さい負電圧を印加することにより仮接合し、この後、減圧チャンバー内圧力を大気圧に戻して、本接合する2段階接合プロセスを行う。以上の工程により、本体基板10の他方の面に第1の透明基板20が接合され、一方の面に第2の透明基板30が接合されたものが形成される。尚、図8(a)は、この工程における上面図であり、図8(b)は、図8(a)における一点鎖線8A−8Bにおいて切断した断面図である。
次に、図9に示すように、アルカリ金属発生材料40にレーザ光を照射し、アルカリ金属発生材料40よりアルカリ金属ガス41を発生させる。具体的には、本体基板10の他方の面に第1の透明基板20が接合され、一方の面に第2の透明基板30が接合されたものをレーザ加熱装置に設置する。このレーザ加熱装置は、波長が808nm帯のレーザ光源と、レーザ光源から出射されたレーザ光を集光するための光学系を有している。この後、レーザ加熱装置より、本体基板10における第2の開口部12に設置されているアルカリ金属発生材料40に第2の透明基板30等を介してレーザ光を照射し、アルカリ金属発生材料40よりアルカリ金属ガス41が発生するまで加熱する。これにより、アルカリ金属発生材料40より発生したアルカリ金属ガス41は、第2の開口部12より接続通路13を通り第1の開口部11に進入する。この工程をアルカリ金属発生工程と記載する場合がある。
このようにして、第2の開口部12の内部より接続通路13を介して第1の開口部11の内部にアルカリ金属ガス41を充填させる。尚、この際用いられるレーザ光の光源としては、1〜200W程度の出力を有する波長が630nm帯、808nm帯、940nm帯、980nm帯、1550nm帯の半導体レーザであってもよい。また、波長が1064nmのNd:YAGレーザ、1455nm帯ラマンファイバーレーザ、10μm帯COレーザ等であってもよい。また、レーザ光源のほかにハロゲンランプ、LED光源も使用することが可能である。アルカリ金属ガス41が発生する温度は、アルカリ金属発生材料40となるものが、還元剤がTi、Alであり酸化剤がクロム酸塩の場合は700℃程度であり、還元剤がSiであり酸化剤がモリブデン酸塩の場合は900℃程度である。この後、凹凸のある加熱冷却板を接触させ、第2の開口部12の領域の温度を第1の開口部11の領域の温度より高くすることにより、第2の開口部12における気体と液体の混在状態にあるアルカリ金属の大部分を第1の開口部11に移動させる。尚、図9(a)は、この工程における上面図であり、図9(b)は、図9(a)における一点鎖線9A−9Bにおいて切断した断面図である。
次に、図10に示すように、第1の開口部11が第2の開口部12よりも下側となるように設置し、封止材50にレーザ光を照射して溶融させて、接続通路13を塞ぐ。具体的には、第1の開口部11が第2の開口部12よりも下側となるように設置することにより、封止材50となるビスマス系低融点ガラスボールは、接続通路13における中央溝13aと枝溝13bとの間の傾斜領域13dに接触する。この後、第2の透明基板30を介して、波長が808nm帯レーザ光を封止材50に照射し、封止材50を加熱して溶融させ、接続通路13の傾斜領域13dまたは枝溝13bの近傍において、封止材50と第2の透明基板30と本体基板10を溶着させる。これにより、封止材50により第1の開口部11と第2の開口部12とを空間的に遮断して、第1の開口部11と第2の開口部12との空間を分離する。この工程を空間分離工程と記載する場合がある。尚、図10(a)は、この工程における上面図であり、図10(b)は、図10(a)における一点鎖線10A−10Bにおいて切断した断面図である。
次に、図11に示すように、封止材50により封止されている第1の開口部11が形成されている部分を矢印で示す方向に二点鎖線に沿ってダイシング等により切断することによりチップ分離する。これにより、第1の開口部11内にアルカリ金属ガスが封入されている厚さL1が2mm(光路長)のアルカリ金属セルを作製することができる。尚、図11(a)は、この工程における上面図であり、図11(b)は、図11(a)における一点鎖線11A−11Bにおいて切断した断面図である。
ところで、2室構成セルの1つのセルにアルカリ金属発生材料を入れ、これを封止してからアルカリ金属を発生させる方法は、他の方法と比較して十分な接合温度で接合することができる。よって、内部に含まれるアルカリ金属ガスの純度が高く、不純物が少ないアルカリ金属セルを得ることができるため、高い精度の原子時計を得ることができる。しかしながら、この方法はアルカリ金属セル内に反応後のアルカリ金属発生材料の残渣が残るため、残渣によりアルカリ金属セルの計測光の強度が変動する場合や、バッファガス圧を変動する場合がある。このため、原子発振器における計測周波数の精度を高めるのに限界があった。更に、他の方法と比べ、2室構成セルでありアルカリ金属セルの大きさが大きく、熱容量が大きくなるため、温度を一定に維持することが困難となり、これにより計測周波数の精度を高めるのには限界があり、原子時計全体の消費電力の低減にも限界があった。
本実施の形態においては、第1の開口部11と第2の開口部12との2室を連結する接続通路13に移動可能な封止材50を配置し、テーパー状に形成された傾斜領域13d等において、封止材50により接続通路13を塞ぐことができる。また、接続通路13の第1の開口部11に近い傾斜領域13dにおいて封止材50により封止することができる。この結果、アルカリ金属発生材料40の残渣は、第2の開口部12内に残り切り離されるため、アルカリ金属の純度が高く、小型のアルカリ金属セルを得ることができる。これにより、計測光の強度変動やバッファガスの圧力変動が少なくなり、原子時計における計測周波数の精度と信頼性をさらに高めることができる。また、熱容量が小さくなるため、高い精度で温度を制御できるようになり、より一層計測周波数の精度と信頼性を高めることができる。よって、アルカリ金属セル及びこのアルカリ金属セルを用いた原子時計の消費電力も低減させることができる。従って、本実施の形態では、周波数安定度が高く消費電力が小さく、長期信頼性の高いアルカリ金属セル及び原子発振器を提供することができる。
また、本実施の形態においては、本体基板10に複数の第1の開口部11、第2の開口部12及び接続通路13を形成することにより、複数のアルカリ金属セルを同時に製造することも可能である。即ち、ウェハ等を用いることにより、低コストで複数のアルカリ金属セルを製造することができる。
本実施の形態においては、本体基板10はSi、第1の透明基板20と第2の透明基板30はホウケイ酸ガラスにより形成されている場合について説明しているが、これらの材料に限定されるものではなく、セラミック、金属等により形成される基板であってもよい。例えば、本体基板10はステンレス、第1の透明基板20と第2の透明基板30はソーダライムガラスにより形成されるものであってもよい。
また、これらのアルカリ金属発生材料40は、アルカリ金属イオンを含む酸化剤と還元剤との組み合わせからなる薬剤に限定されるものではない。アルカリ金属発生材料40は、室温において取り扱いが可能で、所定の温度に加熱されることによりアルカリ金属蒸気を発生するものであればよい。
同様に、本体基板10と第1の透明基板20との接合、及び、本体基板10と第2の透明基板30との接合を陽極接合法により行なう場合について説明した。しかしながら、これらの接合は、Au-Si、Au−Sn、Al−Ge、Al−Siによる共晶接合、Au−Au、Cu−Cuによる拡散接合、AuやAgによる微粒子接合、直接接合、ガラスフリット接合等であってもよい。また、上述した陽極接合法の場合においては、接合温度や手順は上記内容に限定されるものではない。
また、本実施の形態では、アルカリ金属発生材料40と封止材50を加熱する方法として光加熱を用いているが、これに限定されることはなく、マイクロ波加熱や単なる加熱等であってもよい。
また、ガラス及び金属材料を所望の形状する方法としては、モールドプレス成形、研削、研磨方法によって成形する方法、不活性ガス雰囲気中において、加熱溶融して滴下させて、球状に急冷凝固させる方法、これらを組み合わせた方法等が挙げられる。
尚、本実施の形態においては、アルカリ金属セルにバッファガスを封入する場合について説明した。しかしながら、アルカリ金属セルの内壁をワックスで被覆する方法等により、アルカリ金属ガスがアルカリ金属セルの内壁に衝突し、CPT共鳴状態の寿命が短くなることを防ぐことができれば、必ずしもバッファガスを封入する必要がない。
また、上記においては、本体基板10に中央溝13aと枝溝13b、13cとを有する接続通路13を形成する場合について説明した。しかしながら、本実施の形態においては、第1の透明基板20または第2の透明基板30に中央溝13aと枝溝13b、13cとを有する接続通路13に相当するものを形成したものであってもよい。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法について、図12から図22に基づき説明する。本実施の形態における説明では、封止材としてビスマス系低融点ガラスボールを用い、封止材により封止される領域に下地膜として無アルカリガラスが成膜されている場合について説明する。本実施の形態は、ガラス基板により形成される第1の透明基板と、Si基板により形成される本体基板と、ガラス基板により形成される第2の透明基板とを用いた製造方法であり、各基板間は、陽極接合により接合する製造方法である。尚、第1の透明基板と第2の透明基板は透明な基板であり、厚さが0.05mm〜3mmであって、可動イオンを含有するホウケイ酸ガラス等のガラスウェハにより形成されている。
最初に、図12に示すように、本体基板110の他方の面に、後述する接続通路130の一部となる第1の接続溝113を形成する。具体的には、本体基板110の他方の面の第1の接続溝113が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成した後、CFガスを用いたドライエッチングにより、レジストパターンの開口部における本体基板110のSiを一部除去する。これにより、本体基板110の他方の面に第1の接続溝113を形成する。この後、不図示のレジストパターンは、有機溶剤等により除去する。本体基板110には、両面が鏡面研磨されている厚さ0.2〜5.0mmのSi基板が用いられており、本実施の形態においては、厚さL1が2mmのSi基板が用いられている。尚、図12(a)は、この工程における上面図であり、図12(b)は、図12(a)における一点鎖線12A−12Bにおいて切断した断面図である。
次に、図13に示すように、本体基板110の一方の面より、後述する接続通路130の一部となる接続貫通穴114を形成する。具体的には、本体基板110の一方の面に接続貫通穴114が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成し、ボッシュプロセスによるドライエッチングにより、本体基板110に貫通穴を形成することにより形成する。ボッシュプロセスは、前述のように高速でSiの深堀エッチングができる特長のほかに、2種のガスのスイッチング時間を制御することにより穴側壁を垂直にもテーパー状にも形成することが可能である。これにより、本体基板110の一方の面から他方の面に向かって、広穴部114a、テーパー穴部114b、細穴部114cを連続的に形成することができ、接続貫通穴114を形成することができる。本実施の形態においては、広穴部114aと細穴部114cとを接続するテーパー穴部114bは、広穴部114aから細穴部114cに向かって、徐々に狭くなるように、即ち、開口径が徐々に狭くなるようにテーパー状に形成されている。この後、不図示のレジストパターンは、有機溶剤等により除去する。この際、細穴部114cは、本体基板110の他方の面に形成されている第1の接続溝113に接続するように形成される。形成される接続貫通穴114は、本体基板110の基板面に対し略垂直に形成されている。尚、図13(a)は、この工程における上面図であり、図13(b)は、図13(a)における一点鎖線13A−13Bにおいて切断した断面図である。
次に、図14に示すように、本体基板110の一方の面に、後述する接続通路130の一部となる第2の接続溝115を形成する。具体的には、本体基板110の一方の面の第2の接続溝115が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成した後、CFガスを用いたドライエッチングにより、レジストパターンの開口部における本体基板110のSiを一部除去する。これにより、本体基板110の一方の面に第2の接続溝115が形成される。第2の接続溝115は、接続貫通穴114の広穴部114aと接続するように形成される。このようにして、本体基板110の一方の面から他方の面に向かって形成される第2の接続溝115、接続貫通穴114、第1の接続溝113により接続通路130が形成される。この後、不図示のレジストパターンは、有機溶剤等により除去する。尚、図14(a)は、この工程における上面図であり、図14(b)は、図14(a)における一点鎖線14A−14Bにおいて切断した断面図であり、図14(c)は、図14(b)の要部拡大図である。
以上の工程により形成された接続通路130における第1の接続溝113は、幅が0.6mm、深さD2が0.5mmとなるように形成される。また、接続貫通穴114における広穴部114a、テーパー穴部114b、細穴部114cは略円形に形成されており、広穴部114aは直径φ1が1.2mmであり、細穴部114cは直径φ2が0.6mmであり、長さD3が1mmとなるように形成される。接続貫通穴114において広穴部114aと細穴部114cとを接続するテーパー穴部114bは側面におけるテーパー角θの角度が約65°となるように形成される。第2の接続溝115は、幅が0.6mm、深さD4が0.25mmとなるように形成される。
次に、図15に示すように、第1の開口部11が形成される領域及び第2の開口部12が形成される領域に開口部62a及び62bを有するレジストパターン62を形成する。尚、図15(a)は、この工程における上面図であり、図15(b)は、図15(a)における一点鎖線15A−15Bにおいて切断した断面図である。
次に、図16に示すように、レジストパターン62の開口部62a及び62bにおける本体基板110のSiを除去し、貫通穴を形成することにより第1の開口部11及び第2の開口部12を形成する。具体的には、第1の開口部11及び第2の開口部12は、ボッシュプロセスによるドライエッチングにより、本体基板110に貫通穴を形成することにより形成する。ボッシュプロセスは、ICPプラズマ中でSF、Cガスを交互に供給しエッチングする方法であり、高速でSiの深堀エッチングができる。この後、レジストパターン62は有機溶剤等により除去する。尚、図16(a)は、この工程における上面図であり、図16(b)は、図16(a)における一点鎖線16A−16Bにおいて切断した断面図である。
尚、本実施の形態においては、第1の開口部11と接続通路130における第1の接続溝113とが接続され、第2の開口部12と接続通路130における第2の接続溝115とが接続されるように形成する。また、本実施の形態においては、本体基板110に形成される第1の開口部11及び第2の開口部12の大きさは、ともに3.2×3.2mmの略矩形の形状である。また、第1の開口部11と第2の開口部12との間隔は、0.05mm〜30mmである。
上記における説明では、本体基板110に、第1の開口部11、第2の開口部12、接続通路130を形成する際、ドライエッチングを用いたが、ウェットエッチング、サンドブラスト、ミリング加工等の方法によっても形成することが可能である。また、上記においては、第2の開口部12は本体基板110を貫通しているが、必ずしも貫通させる必要はなく、本体基板110の一部が残るようエッチングを行なうことにより凹状の穴を形成したものであってもよい。
次に、図17に示すように、本体基板110の他方の面に、第1の透明基板20を陽極接合法により接合する。この工程を第1の接合工程と記載する場合がある。具体的には、不図示の陽極接合装置のチャンバー内に、本体基板110及び第1の透明基板20を設置し、400℃に加熱して、本体基板110の他方の面と第1の透明基板20とを接触させて、本体基板110側に−800Vの電圧を印加することにより接合する。本願においては、この工程において接合されたものをプレフォーム基板と記載する場合がある。尚、図17(a)は、この工程における上面図であり、図17(b)は、図17(a)における一点鎖線17A−17Bにおいて切断した断面図である。
次に、図18に示すように、接続通路130におけるテーパー穴部114bの表面に無アルカリガラス(SiO−Al−B−CaO−BaO)からなる下地膜131を形成する。下地膜131は後述する封止材50を加熱し溶融した際に、本体基板110における溶着封止を良好に行うために形成する。具体的には、レジストマスク又はメタルマスクを用い、無アルカリガラス(SiO−Al−B−CaO−BaO)のターゲットを用いて、スパッタリングを行なう。これにより、接続通路130のテーパー穴部114bの表面に、下地膜131を成膜することにより形成する。尚、図18(a)は、この工程における上面図であり、図18(b)は、図18(a)における一点鎖線18A−18Bにおいて切断した断面図であり、図18(c)は、図18(b)の要部拡大図である。
次に、図19に示すように、本体基板110の他方の面に第1の透明基板20が接合されたものの本体基板110の第2の開口部12の内部にアルカリ金属発生材料40を設置し、接続通路130のテーパー穴部114bに封止材50を設置する。封止材50は、低融点ガラスからなる球状の封止片であって、ビスマス系低融点ガラス(Bi−ZnO−B)に加熱光吸収材としてCuOが添加されているものにより形成されている。本実施の形態においては、封止材50の大きさは、外径φが0.8mmである。
この後、本体基板110の一方の面と第2の透明基板30とをバッファガス雰囲気中で陽極接合する。この工程を第2の接合工程と記載する場合がある。具体的には、接合装置の減圧チャンバー内に、本体基板110の他方の面に第1の透明基板20が接合されたものと、第2の透明基板30とを設置し、高真空に真空排気する。本体基板110の他方の面に第1の透明基板20が接合されたものには、第2の開口部12の内部にアルカリ金属発生材料40が設置されており、接続通路130のテーパー穴部114bに封止材50が設置されている。この後、減圧チャンバー内にNe、Ar、Xe、Kr、Nのうち1又は2以上からなるバッファガスを導入し、減圧チャンバー内部の圧力を0.01kPa〜1000kPaとする。この後、本体基板110及び第2の透明基板30を400℃に加熱し、本体基板110の一方の面と第2の透明基板30とを接触させ、本体基板110に対し第2の透明基板30の電位が、−800Vとなるように電圧を印加し接合する。この工程においては、バッファガス圧力が低圧(0.01kPa〜100kPa)の場合は、第2の透明基板30の電位を−800Vに昇圧する途中で接合装置の減圧チャンバー内で放電することがある。この場合は、放電を開始する電圧よりやや絶対値が小さい負電圧を印加することにより仮接合し、この後、減圧チャンバー内圧力を大気圧に戻して、本接合する2段階接合プロセスを行う。以上の工程により、本体基板110の他方の面に第1の透明基板20が接合され、一方の面に第2の透明基板30が接合されたものが形成される。尚、図19(a)は、この工程における上面図であり、図19(b)は、図19(a)における一点鎖線19A−19Bにおいて切断した断面図である。
次に、図20に示すように、アルカリ金属発生材料40にレーザ光を照射し、アルカリ金属発生材料40よりアルカリ金属ガス41を発生させる。具体的には、本体基板110の他方の面に第1の透明基板20が接合され、一方の面に第2の透明基板30が接合されたものをレーザ加熱装置に設置する。このレーザ加熱装置は、波長が808nm帯のレーザ光源と、レーザ光源から出射されたレーザ光を集光するための光学系を有している。この際、第1の透明基板20が上、第2の透明基板30が下となるように設置する。これにより、封止材50は接続通路130におけるテーパー穴部114bより離れ、隙間が形成される。この後、レーザ加熱装置より、本体基板110における第2の開口部12に設置されているアルカリ金属発生材料40に第1の透明基板20等を介してレーザ光を照射し、アルカリ金属発生材料40よりアルカリ金属ガス41が発生するまで加熱する。これにより、アルカリ金属発生材料40より発生したアルカリ金属ガス41は、第2の開口部12より接続通路130を通り第1の開口部11に進入する。この工程をアルカリ金属発生工程と記載する場合がある。
このようにして、第2の開口部12の内部より接続通路130を介して第1の開口部11の内部にアルカリ金属ガス41を充填させる。この後、凹凸のある加熱冷却板を接触させ、第2の開口部12の領域の温度を第1の開口部11の領域の温度より高くすることにより、第2の開口部12における気体と液体の混在状態にあるアルカリ金属の大部分を第1の開口部11に移動させる。尚、図20(a)は、この工程における上面図であり、図20(b)は、図20(a)における一点鎖線20A−20Bにおいて切断した断面図である。
次に、図21に示すように、第1の透明基板20が下、第2の透明基板30が上となるように設置し、封止材50にレーザ光を照射して溶融させて、接続通路130を塞ぐ。具体的には、第1の透明基板20が下、第2の透明基板30が上となるように設置することにより、封止材50となるビスマス系低融点ガラスボールは、接続通路130におけるテーパー穴部114bの表面に形成された下地膜131と接触する。この後、第2の透明基板30を介して、波長が808nm帯レーザ光を封止材50に照射し、封止材50を加熱して溶融させ、接続貫通穴114のテーパー穴部114bに溶着させることにより、接続通路130を塞ぐ。これにより、第1の開口部11と第2の開口部12とは空間的に遮断される。この工程において用いられる光加熱装置とアルカリ金属充填工程において用いられる光加熱装置とは、同一の装置であってもよく、また、異なる装置であってもよい。尚、図21(a)は、この工程における上面図であり、図21(b)は、図21(a)における一点鎖線21A−21Bにおいて切断した断面図である。
次に、図22に示すように、封止材50により封止されている第1の開口部11が形成されている部分を矢印で示す方向に二点鎖線に沿ってダイシング等により切断することによりチップ分離する。これにより、第1の開口部11内にアルカリ金属ガスが封入されている厚さL1が2mm(光路長)のアルカリ金属セルを作製する。尚、図22(a)は、この工程における上面図であり、図22(b)は、図22(a)における一点鎖線22A−22Bにおいて切断した断面図である。
本実施の形態においては、接続通路130における接続貫通穴114の一部には、テーパー穴部114bが形成されているため、封止材50を加熱し溶融させた場合によりテーパー穴部114bにおいて融着しやすい。よって、容易に2室間の遮断が可能になり遮断の信頼性を高くすることができる。これにより、より一層低コストで、信頼性の高い原子発振器を提供することができる。
また、本実施の形態においては、接続通路130のテーパー穴部114bの内壁の封止材50が溶着する領域において、ガラス材料からなる下地膜131が形成されているため、ガラスからなる封止材50がより融着しやすい。よって、さらに低コストで、信頼性の高い原子発振器を提供することができるようになる。
更に、接続通路130のテーパー穴部114bが本体基板110面に垂直である場合は、下地膜131を容易に形成することができるため、さらに低コストで、さらに信頼性の高い原子発振器を提供することができる。
尚、本実施の形態において、封止材50と下地膜131との組み合わせは、以下の場合が挙げられる。
封止材50がガラス材料からなる薄膜被覆のないボールである場合では、封止材50としては、低融点ガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、ソーダライムガラス、鉛ガラスからなるボールが挙げられる。更には、これらのボールにCu、Au、Ag、Se、Mn、Co、Fe、Cr、Niなどの金属又はこれらの金属を含む化合物からなる光加熱の光を吸収する材料を0.1〜10体積%の範囲で含有させることが好ましい。但し、作製したアルカリ金属セルを原子時計や磁気センサに使用する場合は磁性を有するCo、Fe、Cr、Ni等を含むものを用いることは好ましくない。また、下地膜131としては、酸化ケイ素、低融点ガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、ソーダライムガラス、鉛ガラスホウケイ酸ガラス、低融点ガラスからなる薄膜が挙げられる。
次に、封止材50が光吸収膜の被覆されているガラスボールである場合には、封止材50は、ホウケイ酸ガラスボールや低融点ガラスボールの表面の少なくとも一部の領域に、光加熱の光を吸収する材料からなる薄膜を形成したものが挙げられる。この際形成される薄膜の例としては、Si膜、Ge膜、TiOx、金属膜(Ti、Ta等)等が挙げられる。また、下地膜131としては、酸化ケイ素、低融点ガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、ソーダライムガラス、鉛ガラスホウケイ酸ガラス、低融点ガラスからなる薄膜等が挙げられる。
また、封止材50が金属材料により形成されているボールである場合では、封止材50は、Au−Ge(Ge:28at%、mp.361℃)、Au−Sn(Sn29at%、mp.278℃)、Au−Si(Si:18.6at%、mp.363℃)、Al−Ge (Ge:28.6at%、mp.420℃)、Al−Si(Si:12.2at%、mp.577℃)等の材料により形成されているボールが挙げられる。また、下地膜131は、Ti/Pt/Au積層膜、Cr/Pt/Au積層膜、Ti/Ni/Au積層膜(下層/中間層/上層)等が挙げられる。但し、作製したアルカリ金属セルを原子時計や磁気センサに用いる場合には、磁性をもつCr膜、Ni膜等は用いない方が好ましい。
また、封止材50と下地膜131が金属材料からなる場合は、封止材50が下地膜131と溶着するだけでなく、封止材50と下地膜131と本体基板110との間で共晶反応がおこり封止をより強固に行なうことができる場合もある。
また、低融点ガラスボール及び低融点ガラス膜の材質は、バナジウム系ガラス、スズ−リン酸系ガラス、ビスマス系ガラス、酸化鉛系ガラス等が挙げられる。これらの低融点ガラス及び光加熱の光を吸収する材料を含有させる方法については特許文献8、9等において開示されている。また、封止材50の形状はボール形状のほかに、円錐形状、円柱形状、直方体形状等であってもよい。
尚、上記外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態における原子発振器の製造方法について、図23〜図25に基づき説明する。本実施の形態における説明では、封止材50としてAu−Geボールを用い、下地膜131としてTi/Pt/Au膜を用いた場合について説明する。本実施の形態は、ホウケイ酸ガラス基板により形成される厚さ0.4mmの第1の透明基板と、Si基板により形成される厚さ2mmの本体基板と、ホウケイ酸ガラス基板により形成される厚さ0.4mm第2の透明基板とを用いた製造方法である。尚、各基板間は、陽極接合により接合される。
図23に示すように、本体基板210には、第1の開口部11となる貫通穴と、第2の開口部12となる貫通穴を有しており、第1の開口部11と第2の開口部12とは、接続通路230により接続されている。接続通路230は、第1の接続溝231、第1の接続貫通穴232、第2の接続溝233、第2の接続貫通穴234、第3の接続溝235を有している。第1の接続貫通穴232及び第2の接続貫通穴234は、略円形であって、本体基板210の一方の面から他方の面に向かって略垂直に形成されている。第1の接続貫通穴232は、一方の面から深くなるに伴い徐々に直径が狭くなるテーパー穴部232aとテーパー穴部232aよりも深く、本体基板210の他方の面側に形成された細穴部232bとを有している。同様に、第2の接続貫通穴234は、一方の面から深くなるに伴い徐々に直径が狭くなるテーパー穴部234aとテーパー穴部234aよりも深く、本体基板210の他方の面側に形成された細穴部234bとを有している。
第1の接続溝231と第3の接続溝235は、本体基板210の他方の面に形成されており、第2の接続溝233は、本体基板210の一方の面に形成されている。第1の接続溝231と第2の接続溝233とは、第1の接続貫通穴232により接続されており、第2の接続溝233と第3の接続溝235とは第2の接続貫通穴234により接続されている。
本実施の形態においては、本体基板210の厚さL1は約2mmである。本体基板210の一方の面における第1の接続貫通穴232のテーパー穴部232a及び第2の接続貫通穴234のテーパー穴部234aにおける直径φ3は1.2mmである。また、本体基板210に形成された第1の接続貫通穴232の細穴部232b及び第2の接続貫通穴234の細穴部234bにおける直径φ4は0.4mmである。第1の接続貫通穴232のテーパー穴部232a及び第2の接続貫通穴234のテーパー穴部234aにおけるテーパー角γは約70°である。
また、第1の接続溝231及び第3の接続溝235は、幅が約0.4mmであり、深さD5が約0.5mmである。本体基板210に形成された第1の接続貫通穴232の細穴部232b及び第2の接続貫通穴234の細穴部234bの長さD6は約0.9mmである。第2の接続溝233は、幅が約0.6mmであり、深さD7は、約0.25mmである。
本実施の形態において、第1の接続溝231及び第3の接続溝235は、第2の実施の形態における第1の接続溝113と同様の方法により形成することができる。また、第1の接続貫通穴232及び第2の接続貫通穴234は、第2の実施の形態における接続貫通穴114と同様の方法により形成することができる。また、第2の接続溝233は、第2の実施の形態における第2の接続溝115と同様の方法により形成することができる。尚、第1の開口部11及び第2の開口部12は第2の実施の形態において形成されるものと同様のものである。
上述したように、第2の実施の形態における製造方法における工程と同様の工程を行なうことにより、本実施の形態における本体基板210を作製する。尚、図23(a)は、このように作製された本体基板210の上面図であり、図23(b)は、図23(a)における一点鎖線23A−23Bにおいて切断した断面図であり、図23(c)は、図23(b)の要部拡大図である。
次に、図24に示すように、本体基板210の他方の面に、第1の透明基板20を接合し、テーパー部232b等に下地膜236を形成し、テーパー部232b等に封止材50を設置する。
最初に、本体基板210の他方の面に、第1の透明基板20を陽極接合法により接合する。この工程を第1の接合工程と記載する場合がある。具体的には、不図示の陽極接合装置のチャンバー内に、本体基板210及び第1の透明基板20を設置し。400℃に加熱して、本体基板210の他方の面と第1の透明基板20とを接触させて、本体基板210側に−800Vの電圧を印加することにより接合する。本願においては、この工程において接合されたものをプレフォーム基板と記載する場合がある。
次に、第1の接続貫通穴232のテーパー穴部232b及び第2の接続貫通穴234のテーパー穴部234bの表面にTi/Pt/Au膜(下層/中間層/上層)からなる下地膜236を形成する。下地膜236は後述する封止材50を加熱し溶融した際に、本体基板210における溶着封止を良好に行うために形成する。具体的には、レジストマスク又はメタルマスクを用い、Ti膜、Pt膜、Au膜を順次スパッタリングにより成膜する。これにより、第1の接続貫通穴232のテーパー穴部232b及び第2の接続貫通穴234のテーパー穴部234bの表面に下地膜236を形成する。
次に、本体基板210の他方の面に第1の透明基板20が接合されたものの本体基板210の第2の開口部12の内部にアルカリ金属発生材料40を設置し、テーパー穴部232b及びテーパー穴部234に封止材50を設置する。封止材50は、Au−Ge(Ge:28at%)により形成されているボールであり、封止材50の大きさは、外径φが0.6mmである。尚、図24は、この段階における状態を示すものである。
次に、本体基板210の一方の面と第2の透明基板30とをバッファガス雰囲気中で陽極接合する。この工程を第2の接合工程と記載する場合がある。具体的には、接合装置の減圧チャンバー内に、本体基板210の他方の面に第1の透明基板20が接合されたものと、第2の透明基板30とを設置し、高真空に真空排気する。尚、本体基板210に第1の透明基板20が接合されたものには、第2の開口部12の内部にアルカリ金属発生材料40が設置され、第1の接続貫通穴232のテーパー穴部232b及び第2の接続貫通穴234のテーパー穴部234bに封止材50が設置されている。この後、減圧チャンバー内にNeをバッファガスとして導入し、減圧チャンバー内部の圧力を約25kPaとする。この後、本体基板210及び第2の透明基板30を約350℃に加熱し、本体基板210の一方の面と第2の透明基板30とを接触させ、本体基板210に対し第2の透明基板30の電位が、−100から−300Vとなるように印加し仮接合する。この電位は減圧チャンバー内でバッファガスが放電を開始しない値であることが好ましい。この後、減圧チャンバー内に窒素を導入することにより圧力を大気圧に戻し、本体基板210に対し第2の透明基板30の電位が、−800Vとなるように印加し本接合する。
次に、アルカリ金属発生材料40にレーザ光を照射し、アルカリ金属発生材料40よりアルカリ金属ガス41を発生させる。具体的には、本体基板210の他方の面に第1の透明基板20が接合され、一方の面に第2の透明基板30が接合されたものをレーザ加熱装置に設置する。このレーザ加熱装置は、波長が808nm帯のレーザ光源と、レーザ光源から出射されたレーザ光を集光するための光学系を有している。この際、第1の透明基板20が上、第2の透明基板30が下となるように設置する。これにより、封止材50は、第1の接続貫通穴232のテーパー穴部232b及び第2の接続貫通穴234のテーパー穴部234bより離れ、隙間が形成される。この後、レーザ加熱装置より、本体基板210における第2の開口部12に設置されているアルカリ金属発生材料40に第1の透明基板20等を介してレーザ光を照射し、アルカリ金属発生材料40よりアルカリ金属ガス41が発生するまで加熱する。これにより、アルカリ金属発生材料40より発生したアルカリ金属ガス41は、第2の開口部12より接続通路230を通り第1の開口部11に進入する。即ち、第2の開口部12に設置されているアルカリ金属発生材料40より発生したアルカリ金属ガス41は、第1の接続溝231、第1の接続貫通穴232、第2の接続溝233、第2の接続貫通穴234、第3の接続溝235を通り第1の開口部11に進入する。この工程をアルカリ金属発生工程と記載する場合がある。
このようにして、第2の開口部12の内部より接続通路230を介して第1の開口部11の内部にアルカリ金属ガス41を充填させる。この後、凹凸のある加熱冷却板を接触させ、第2の開口部12の領域の温度を第1の開口部11の領域の温度より高くすることにより、第2の開口部12における気体と液体の混在状態にあるアルカリ金属の大部分を第1の開口部11に移動させる。
次に、第1の透明基板20が下、第2の透明基板30が上となるように設置し、封止材50にレーザ光を照射して溶融させて、接続通路230を塞ぐ。具体的には、第1の透明基板20が下、第2の透明基板30が上となるように設置することにより、封止材50となるAu−Geボールは、接続通路230におけるテーパー穴部232b及び234bの表面に形成された下地膜236と接触する。この後、第2の透明基板30を介して、波長が808nm帯レーザ光を封止材50に照射し、封止材50を加熱し溶融させることにより、第1の接続貫通穴232のテーパー穴部232b及び第2の接続貫通穴234のテーパー穴部234bに溶着させる。これにより、接続通路230は封止材50により塞がれるため、第1の開口部11と第2の開口部12とは空間的に遮断され、第1の開口部11と第2の開口部12とは空間が分離される。
次に、図25に示すように、封止材50により封止されている第1の開口部11が形成されている部分を矢印で示す方向に二点鎖線に沿ってダイシング等により切断することによりチップ分離する。これにより、第1の開口部11内にアルカリ金属ガスが封入されている厚さL1が2mm(光路長)のアルカリ金属セルを作製する。尚、図25(a)は、この工程における上面図であり、図25(b)は、図25(a)における一点鎖線25A−25Bにおいて切断した断面図である。
封止材50により遮断される部分が1ヶ所である場合には、ダイシング等による切断により、チップ分離する際に、アルカリ金属発生材料40の残渣とアルカリ金属が存在している第2の開口部12が空気や水に晒される。このため、ダイシング等による切断の際には、徐々にリークしアルカリ金属と緩やかに反応させる等の手間がかかり、また、ダイシング排出液の管理が必要となるため、高コストになりやすい。
本実施の形態においては、チップ分離時にアルカリ金属発生材料40の残渣が残っている第2の開口部12まで封止しているため、製造プロセスにおける負荷を軽減することができ、製造コストを低減することができる。尚、上記外の内容については、第2の実施の形態と同様である。
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態における原子発振器の製造方法について、図26、図27に基づき説明する。本実施の形態における説明では、封止材としてAu−Geボール、下地膜としてTi/Pt/Au膜を用いた場合について説明する。本実施の形態は、ホウケイ酸ガラス基板により形成される厚さ約0.4mmの第1の透明基板と、Si基板により形成される厚さ約2mmの本体基板と、ホウケイ酸ガラス基板により形成される厚さ約0.4mm第2の透明基板とを用いた製造方法である。尚、各基板間は、陽極接合により接合する製造方法である。本実施の形態は、例えば、第2の実施の形態における製造方法において、複数の第1の開口部と、1つの第2の開口部を形成することにより製造する製造方法である。
具体的には、図26に示すように、本体基板310には、3つの第1の開口部11となる貫通穴と、1つの第2の開口部312となる貫通穴とが形成されている。また、3つの第1の開口部11の各々に対応して1つずつ設けられた接続通路130を介し1つの第2の開口部312に接続されている。尚、本体基板310は、第2の実施の形態における製造方法における本体基板110と同様にSi基板により形成されており、第2の開口部312は、第2の実施の形態における製造方法における第2の開口部12と同様の工程により形成されている。尚、図26(a)は、この工程における上面図であり、図26(b)は、図26(a)における一点鎖線26A−26Bにおいて切断した断面図である。
本実施の形態における製造方法は、第2の実施の形態における製造方法における工程と同様の工程により製造することができ、封止材50を溶融させ封止する箇所が3箇所になる以外は第2の実施の形態と同様である。尚、図26及び図27においては、接続通路130における接続貫通穴114の広穴部は一部省略されている。
次に、図27に示すように、封止材50により封止されている第1の開口部11が形成されている部分を矢印で示す方向に二点鎖線に沿ってダイシング等により切断することによりチップ分離する。これにより、第1の開口部11内にアルカリ金属ガスが封入されている厚さL1が2mm(光路長)のアルカリ金属セルを作製する。尚、図27(a)は、この工程における上面図であり、図27(b)は、図27(a)における一点鎖線27A−27Bにおいて切断した断面図である。
本実施の形態においては、1つの第2の開口部312に複数の第1の開口部11が、各々に対応する接続通路130により接続されているため、1回のレーザ加熱工程により同時に複数の第1の開口部11にアルカリ金属ガスを供給し充填することができる。よって、より一層低コストで、アルカリ金属セルを製造することができる。
〔第5の実施の形態〕
次に、第5の実施の形態における原子発振器の製造方法について、図28から図30に基づき説明する。本実施の形態は、原子発振器におけるガスセルの製造方法であり、光路長の長いアルカリ金属セルの製造方法である。本実施の形態における説明では、封止材としてビスマス系低融点ガラスボール、下地膜として無アルカリガラスをスパッタリングした膜を用いた場合について説明する。
本実施の形態は、厚さ0.4mmのホウケイ酸ガラスからなる第1の透明基板と、厚さ1.2mmのSiからなる第1の本体基板と、厚さ1.2mmのSiからなる第2の本体基板と、厚さ0.4mmのホウケイ酸ガラスからなる第2の透明基板とが用いられる。本実施の形態においては、第1の本体基板と第2の本体基板を直接接合し、第1の本体基板と第1の透明基板、及び、第2の本体基板と第2の透明基板は、陽極接合により接合することにより製造する製造方法である。
最初に、図28に示すように、第1の本体基板410に、第1の本体基板410を貫通する第1の開口部411及び第2の開口部412をボッシュプロセスによるドライエッチングにより形成する。このように形成された第1の開口部411と第2の開口部412は、ともに3.2×3.2mmの大きさの矩形であり、第1の開口部411と第2の開口部412との間の間隔は、3.5mmである。尚、図28(a)は、この工程における上面図であり、図28(b)は、図28(a)における一点鎖線28A−28Bにおいて切断した断面図である。
次に、図29に示すように、第2の本体基板420に、第2の本体基板420を貫通する第1の開口部421と、第2の開口部422を形成する。また、第1の開口部421と第2の開口部422との間には、第1の開口部421と第2の開口部422とを接続する接続通路430を形成する。接続通路430は、第2の実施の形態における接続通路130と同様の構造のものであり、第1の接続溝431、接続貫通穴432、第2の接続溝433を有している。また、接続貫通穴432は、第2の実施の形態における接続貫通穴114に形成されているものと同様の広穴部432a及びテーパー穴部432bが形成されている。テーパー穴部432bは、略円形であって、深くなるほど直径が狭くなるように形成されている。尚、接続貫通穴432は、第1の接続溝431を介して第1の開口部421に接続されており、第2の接続溝433を介して第2の開口部422に接続されている。第1の接続溝431は第2の本体基板420の他方の面に形成されており、第2の接続溝433は第2の本体基板420の一方の面に形成されている。
尚、第2の本体基板420の厚さL3は約1.2mmである。接続貫通穴432における広穴部432aは、直径φ5が1.2mmであり、第2の本体基板420における一方の面より深さD8が0.3mmとなるように形成されている。また、テーパー穴部432bは、第2の本体基板420における他方の面に向かって直径が狭くなるように形成されており、第1の接続溝431との境界部分において直径φ6が0.6mmとなるように形成されている。本実施の形態におけるテーパー穴部432bにおけるテーパー角ωは約65°である。第1の接続溝431は、第2の本体基板420の他方の面において、幅が0.6mmであり、深さD9が0.2mmとなるように形成されており、接続貫通穴432におけるテーパー穴部432bと接続されている。また、第2の接続溝433は、第2の本体基板420の一方の面において、幅が0.6mm、深さD10が0.2mmとなるように形成されている。尚、第2の本体基板420は、第2の実施の形態における本体基板110と同様の工程により作製することができる。このように形成された第1の開口部421と第2の開口部422は、ともに3.2×3.2mmの大きさの矩形であり、第1の開口部421と第2の開口部422との間の間隔は、3.5mmである。尚、図29(a)は、この工程における上面図であり、図29(b)は、図29(a)における一点鎖線29A−29Bにおいて切断した断面図であり、図29(c)は、図29(b)の要部拡大図である。
尚、第1の本体基板410における第1の開口部411及び第2の開口部412と、第2の本体基板420における第1の開口部421及び第2の開口部422は、第1の本体基板410と第2の本体基板420とを接合した際に、開口部が整合するように形成する。
次に、第1の本体基板410の一方の面と、第2の本体基板420の他方の面を減圧下窒素ガスでプラズマ処理した後、接触させ、200℃まで加熱して荷重をかけ接合し、更に、窒素雰囲気中で1000℃の温度で熱処理することにより直接接合する。
これにより、図30に示されるように、第1の本体基板410の一方の面と第2の本体基板420の他方の面とが強固に接合される。このようにして、第1の本体基板410における第1の開口部411と第2の本体基板420における第1の開口部421とにより、第1の開口部11aが形成される。また、第1の本体基板410における第2の開口部412と第2の本体基板420における第2の開口部422とにより、第2の開口部12aが形成される。
次に、第1の本体基板410の他方の面に第1の透明基板20を接合し、第2の開口部12aにアルカリ金属発生材料40を設置し、接続貫通穴432におけるテーパー穴部432bに封止材50を設置する。この後、第2の本体基板420の一方の面に第2の透明基板30を接合し、アルカリ金属発生材料40にレーザ光を照射することにより加熱しアルカリ金属ガスを発生させ、接続通路430を介して発生したアルカリ金属ガスを第1の開口部11aに充填させる。この後、封止材50にレーザ光を照射することにより加熱し溶融させて、テーパー穴部432b等において接続通路430を塞ぐことにより、第1の開口部11aと第2の開口部12aとを空間的に分離する。尚、上記における製造工程は、第2の実施の形態における製造方法の工程と同様の工程である。
次に、図31に示すように、封止材50により封止されている第1の開口部11aが形成されている部分を矢印で示す方向に二点鎖線に沿ってダイシング等により切断することによりチップ分離する。これにより、第1の開口部11a内にアルカリ金属ガスが封入されている厚さL4が2.4mm(光路長)のアルカリ金属セルを作製する。尚、図31(a)は、この工程における上面図であり、図31(b)は、図31(a)における一点鎖線31A−31Bにおいて切断した断面図である。
尚、本実施の形態においては、第1の本体基板410と第2の本体基板420との接合には、直接接合を用いた。しかしながら、Au−Si、Au−Sn、Al−Ge、Al−Si等の共晶接合、Au−Au、Cu−Cuの拡散接合、AuやAgの微粒子接合、直接接合、ガラスフリット接合などを用いてもよい。
本実施の形態においては、CPT共鳴方式原子時計におけるCPT観測レーザ光の光路長を2.4mmのように長くする場合、本体基板が1枚では、本体基板に深い第1の開口部、第2の開口部及び接続貫通穴を形成する必要がある。このため、第1の開口部等をドライエッチング法、ウェットエッチング法、又は他の方法で形成する場合には、エッチング速度が大きい深堀エッチング用の高価な装置が必要になり、高いプロセス制御が必要になり歩留まりが低下する。このため、製造コストが高くなる。本実施の形態においては、本体基板を複数の基板を積層することにより形成しているため、製造コストの上昇を抑制することができ、低コストでアルカリ金属セルを製造することができる。
尚、上記以外の内容については、第2の実施の形態と同様である。
〔第6の実施の形態〕
次に、第6の実施の形態における原子発振器の製造方法について、図32から図34に基づき説明する。本実施の形態は、第5の実施の形態の原子発振器におけるアルカリ金属セルと同様に、長い光路長をもつアルカリ金属セルの製造方法である。本実施の形態における説明では、封止材50としてビスマス系低融点ガラスボールを用い、下地膜として無アルカリガラスをスパッタリングした膜を用いた場合について説明する。
本実施の形態は、厚さ0.4mmのホウケイ酸ガラスからなる第1の透明基板と、厚さ1.4mmのSiからなる第1の本体基板と、厚さ1.2mmのSiからなる第2の本体基板と、厚さ0.4mmのホウケイ酸ガラスからなる第2の透明基板とが用いられる。本実施の形態は、第1の本体基板と第2の本体基板とが直接接合し、第1の本体基板と第1の透明基板、及び、第2の本体基板と第2の透明基板は、陽極接合により接合することにより製造する製造方法である。
最初に、図32に示すように、第1の本体基板510に、接続溝513をドライエッチングにより形成し、第1の本体基板510を貫通する第1の開口部511及び第2の開口部512をボッシュプロセスによるドライエッチングにより形成する。第1の本体基板510の一方の面に形成される接続溝513は、第1の開口部511となる貫通穴と、第2の開口部512となる貫通穴とが連結されるように形成されている。また、第1の本体基板510の一方の面に形成される接続溝513は、第1の本体基板510と第2の本体基板520と接合した際に、第2の本体基板520に形成されている接続貫通穴523と接続する位置に形成されている。第1の本体基板510は、厚さL5は1.4mmであり、第1の本体基板510の一方の面に形成される接続溝513は、幅が0.4mm、深さD11は0.2mmである。このように形成された第1の開口部511と第2の開口部512は、ともに3.2×3.2mmの大きさの矩形であり、第1の開口部511と第2の開口部512との間の間隔は、3.5mmである。尚、図32(a)は、この工程における上面図であり、図32(b)は、図32(a)における一点鎖線32A−32Bにおいて切断した断面図であり、図32(c)は、図32(b)の要部拡大図である。
次に、図33に示すように、第2の本体基板520に、第2の本体基板520を貫通する第1の開口部521と、第2の開口部522を形成する。また、第1の開口部521と第2の開口部522との間の領域に、第2の本体基板520を貫通する接続貫通穴523を形成する。接続貫通穴523は、第2の本体基板520の一方の面に形成された広穴部523aと一方の面から他方の面に向かって直径が狭くなるテーパー穴部523bとを有しており、広穴部523aとテーパー穴部523bは略円形となるように形成されている。
第2の本体基板520の厚さL6は、約1.0mmである。また、接続貫通穴523は、円柱状の広穴部523aと、広穴部523aに接続されたテーパー穴部523bとにより形成されている。広穴部523aは、第2の本体基板520の一方の面から直径φ7が1.2mmで、深さD12が約0.3mmの円柱状に形成されており、広穴部523aに接続されたテーパー穴部523bは、テーパー角τが65°となるように形成されている。尚、テーパー穴部523bにおける第2の本体基板520の他方の面における開口の直径φ8は約0.6mmである。
第2の本体基板520において、第1の開口部521、第2の開口部522、接続貫通穴523は、ボッシュプロセスによるドライエッチングにより形成されている。このように形成された第1の開口部521と第2の開口部522は、ともに3.2×3.2mmの大きさの矩形であり、第1の開口部521と第2の開口部522との間の間隔は、3.5mmである。尚、図33(a)は、この工程における上面図であり、図33(b)は、図33(a)における一点鎖線33A−33Bにおいて切断した断面図であり、図33(c)は、図33(b)の要部拡大図である。
尚、第1の本体基板510における第1の開口部511及び第2の開口部512と、第2の本体基板520における第1の開口部521及び第2の開口部522は、第1の本体基板510と第2の本体基板520とを接合した際に、開口部が整合するように形成する。
次に、第1の本体基板510の一方の面と、第2の本体基板520の他方の面を減圧下窒素ガスでプラズマ処理した後、接触させ、200℃まで加熱して荷重をかけ接合し、更に、窒素雰囲気中で1000℃の温度で熱処理することにより直接接合する。
これにより、図34に示されるように、第1の本体基板510の一方の面と第2の本体基板520の他方の面とが強固に接合される。このようにして、第1の本体基板510における第1の開口部511と第2の本体基板520における第1の開口部521とにより、第1の開口部11bが形成される。また、第1の本体基板510における第2の開口部512と第2の本体基板520における第2の開口部522とにより、第2の開口部12bが形成される。
次に、第1の本体基板510の他方の面に第1の透明基板20を接合し、第2の開口部12bに不図示のアルカリ金属発生材料を設置し、図35に示すように、接続貫通穴523におけるテーパー穴部523bに封止材50を設置する。
この後、第2の本体基板520の一方の面に第2の透明基板30を接合し、第2の開口部12bに設置されている不図示のアルカリ金属発生材料にレーザ光を照射することにより加熱しアルカリ金属ガスを発生させる。これにより、第2の開口部12bにおいて発生したアルカリ金属ガスは、接続溝513及び接続貫通穴523を通り、第1の開口部11b内に進入し、アルカリ金属ガスを第1の開口部11bに充填させる。この後、封止材50にレーザ光を照射することにより加熱し溶融させて、接続貫通穴523におけるテーパー穴部523bを塞ぐことにより、第1の開口部11bと第2の開口部12bとを空間的に分離する。
尚、上記における製造工程は、第2の実施の形態における製造方法の工程と同様の工程である。
次に、封止材50により封止されている第1の開口部11bが形成されている部分をダイシング等により切断することによりチップ分離する。これにより、第1の開口部11b内にアルカリ金属ガスが封入されている厚さが2.4mm(光路長)のアルカリ金属セルを作製する。
本実施の形態においては、第1の本体基板510と第2の本体基板520とが積層されているため、接続溝513と接続貫通穴523とを異なる基板に形成することができる。これにより、精密なエッチング加工精度を有する接続貫通穴523の深さを第1の本体基板510と第2の本体基板520との厚さの和よりも浅くすることができるため、製造コストを低減できる。よって、より一層低コストでアルカリ金属セルを製造することができる。
〔第7の実施の形態〕
次に、第7の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1から第6の実施の形態において製造されたガスセルを用いた原子発振器である。図36に基づき本実施の形態における原子発振器について説明する。本実施の形態における原子発振器は、CPT方式の小型原子発振器であり、光源610、コリメートレンズ620、λ/4波長板630、アルカリ金属セル640、光検出器650、変調器660を有している。この原子発振器は、光源610より出射されたサイドバンドを含む光のうち、2つの異なる波長の光をアルカリ金属セル640に入射させることにより、2種類の共鳴光による量子干渉効果による光吸収特性により発振周波数を制御するものである。
光源610は、面発光レーザ素子が用いられている。アルカリ金属セル640は、第1から第6の実施の形態のいずれかにおいて製造されたアルカリ金属セルであり、アルカリ金属としてCs(セシウム)原子ガスが封入されており、D1ラインの遷移を用いるものである。光検出器650には、フォトダイオードが用いられている。
本実施の形態のおける原子発振器では、光源610より出射された光をセシウム原子ガスが封入されたアルカリ金属セル640に照射し、セシウム原子を励起する。アルカリ金属セル640を透過した光は光検出器650において検出され、光検出器650において検出された信号は変調器660にフィードバックされ、変調器660により光源610における面発光レーザ素子を変調する。
図37に、CPTに関連する原子エネルギー準位の構造を示す。二つの基底準位から励起準位に同時にコヒーレント光を照射するとCPT共鳴状態になりガスセルを透過する光の吸収率が低下することを利用する。面発光レーザは搬送波波長が894.6nmに近い素子を用いている。搬送波の波長は面発光レーザの温度、もしくは出力を変化させてチューニングすることができる。温度や出力を上げると長波長にシフトするため、アルカリ金属セルの光密度の変動は好ましくないので温度変化を利用するのが好ましい。具体的に、波長の温度依存性は0.05nm/℃程度で調整できる。図38に示すように、変調をかけることで搬送波の両側にサイドバンドが発生し、その周波数差がCs原子の固有振動数である9.2GHzに一致するように4.6GHzで変調させている。図39に示すように、励起されたCsガスを通過するレーザ光はサイドバンド周波数差がCs原子の固有周波数差に一致した時に最大となる。よって、光検出器650の出力が最大値を保持するように変調器660においてフィードバックして光源610における面発光レーザ素子の変調周波数を調整する。原子の固有振動数が極めて安定なので変調周波数は安定した値となり、この情報がアウトプットとして取り出される。尚、波長が894.6nmの場合では、±1nmの範囲の波長の光源が必要となる。即ち、893.6nm〜895.6nmの範囲の波長の光源が必要となる。
本実施の形態における原子発振器は第1から第6の実施の形態において製造されたガスセルを用いているため、精度の高い原子発振器を低コストで作製し提供することができる。
また、本実施例ではアルカリ金属としてCsを用い、そのD1ラインの遷移を用いるために波長が894.6nmの面発光レーザを用いたが、CsのD2ラインを利用する場合は852.3nmを用いることもできる。また、アルカリ金属としてRb(ルビジウム)を用いることもでき、D1ラインを利用する場合は795.0nm、D2ラインを利用する場合は780.2nmを用いることができる。活性層の材料組成などは波長に応じて設計することができる。また、Rbを用いる場合の変調周波数は、87Rbでは3.4GHz、85Rbでは1.5GHzで変調させる。尚、これらの波長においても、±1nmの範囲の波長の光源が必要となる。即ち、CsのD2ラインを利用する場合は851.3nm〜853.3nmの範囲の波長の光源が必要となる。また、RbのD1ラインを利用する場合は794.0nm〜796.0nmの範囲の波長の光源が必要となる。また、RbのD2ラインを利用する場合は779.2nm〜781.2nmの範囲の波長の光源が必要となる。
また、図40は、本実施の形態における原子発振器の他の構造を示すものであり、光源には、CsにおけるD1ライン遷移の波長894.6nmと同じ波長の単一モードで偏光が一定なレーザ光が出射されるVCSELからなる光源610が用いられている。アルカリ金属セルは駆動電流により発生する磁界をキャンセルするように電流経路パターンを調整した2枚のITOヒーター671、672により挟まれている。また、地磁気などの磁気雑音を遮蔽する磁気シールドと、鋭いCPT共鳴信号のピークを得るためにセシウムの超微細準位にゼーマン分裂させる磁場を発生するための不図示のコイルが設けられている。尚、λ/4波長板630とアルカリ金属セル640との間には、NDフィルター673が設けられている。
アルカリ金属セル640を透過した光は、光検出器650によって検出され、光検出器650により検出された信号に基づき第1のロックインアンプ674において直流電流を数十kHzで変調する。これにより、VCSEL駆動用電源675及びバイアスティー676を介し、光源610であるVCSELの出力波長を最大吸収波長にロックさせることができる。また、光検出器650により検出された信号に基づき第2のロックインアンプ677において数kHzの変調波を発生させる。これにより、電圧制御水晶発振記(VCO)678、マイクロ波電源679を介し、CPT信号が時計遷移周波数の半分の周波数(νclock/2:4.596GHz)にロックさせることができる。
また、本実施の形態においては、第1から第6の実施の形態において作製したアルカリ金属セルをCPT方式の原子発振器に搭載した場合について説明した。しかしながら、これらのアルカリ金属セルは、同じ原理を利用する2種類の共鳴光による量子干渉効果による光吸収特性により外部磁場による超微細構造エネルギー準位間のエネルギーを検出し外部磁場の強度を計測する磁気センサに搭載してもよい。
更に、第1から第6の実施の形態において作製したアルカリ金属セルは、アルカリ金属原子の超微細構造エネルギー準位間及び微細構造エネルギー準位間の遷移を利用する他の原理を利用した原子時計や磁気センサに搭載してもよい。
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
10 本体基板
11 第1の開口部(一の開口部)
12 第2の開口部(他の開口部)
13 接続通路
13a 中央溝
13b 枝溝
13c 枝溝
13d 傾斜領域
13e 傾斜領域
20 第1の透明基板
30 第2の透明基板
40 アルカリ金属発生材料
41 アルカリ金属ガス
50 封止材
61 レジストパターン
61a 開口部
62 レジストパターン
62a 開口部
62b 開口部
610 光源
620 コリメートレンズ
630 λ/4板
640 アルカリ金属セル
650 光検出器
660 変調器
米国特許出願公開第2005/0007118号明細書 米国特許第7400207号明細書 特開平02―106845号公報 特許第4440887号公報 国際公開第2004/066337号パンフレット 国際公開第2004/066338号パンフレット 特表第2010−519017号公報 特開2012−41196号公報 特許第4540669号公報
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Claims (10)

  1. 本体基板に前記本体基板を貫通する第1の開口部と、第2の開口部を形成する工程と、
    前記第1の開口部と前記第2の開口部を接続する接続通路を前記本体基板、または、第2の透明基板に形成する工程と、
    前記本体基板の一方の面に第1の透明基板を接合する第1の接合工程と、
    前記第2の開口部にアルカリ金属発生材料を設置する工程と、
    前記接続通路に封止材を設置する工程と、
    前記第1の接合工程の後、前記アルカリ金属発生材料及び前記封止材が設置されている本体基板の他方の面に第2の透明基板を接合する第2の接合工程と、
    前記第2の接合工程の後、前記アルカリ金属発生材料を加熱して、アルカリ金属ガスを発生させ、前記接続通路を介し、前記第1の開口部内に拡散させる工程と、
    前記第1の開口部内にアルカリ金属ガスを拡散させた後、前記封止材を溶融させて、前記接続通路を塞ぎ、前記第1の開口部と前記第2の開口部との空間を分離する空間分離工程と、
    を有し、
    前記接続通路は、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間の中央溝と、
    前記中央溝から前記第1の開口部に向かって徐々に幅の狭くなる傾斜領域及び前記中央溝から前記第2の開口部に向かって徐々に幅の狭くなる傾斜領域を有しており、
    前記封止材は前記中央溝に設置されることを特徴とするアルカリ金属セルの製造方法。
  2. 本体基板に前記本体基板を貫通する第1の開口部と、第2の開口部を形成する工程と、
    前記第1の開口部と前記第2の開口部を接続する接続通路を前記本体基板に形成する工程と、
    前記本体基板の一方の面に第1の透明基板を接合する第1の接合工程と、
    前記第2の開口部にアルカリ金属発生材料を設置する工程と、
    前記接続通路に封止材を設置する工程と、
    前記第1の接合工程の後、前記アルカリ金属発生材料及び前記封止材が設置されている本体基板の他方の面に第2の透明基板を接合する第2の接合工程と、
    前記第2の接合工程の後、前記アルカリ金属発生材料を加熱して、アルカリ金属ガスを発生させ、前記接続通路を介し、前記第1の開口部内に拡散させる工程と、
    前記第1の開口部内にアルカリ金属ガスを拡散させた後、前記封止材を溶融させて、前記接続通路を塞ぎ、前記第1の開口部と前記第2の開口部との空間を分離する空間分離工程と、
    を有し、
    前記接続通路には、前記本体基板を貫通する接続貫通穴が設けられており、
    前記接続貫通穴は、開口径が徐々に狭くなるテーパー穴部を有しており、
    前記封止材は前記テーパー穴部に設置されることを特徴とするアルカリ金属セルの製造方法。
  3. 前記接続貫通穴は略円形であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ金属セルの製造方法。
  4. 前記封止材は、ガラス材料を含む材料により形成されており、
    前記第1の接合工程の前に、前記テーパー穴部に、ガラス材料を含む材料により下地膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項2または3に記載のアルカリ金属セルの製造方法。
  5. 前記封止材は、金属を含む材料により形成されており、
    前記第1の接合工程の前に、前記テーパー穴部には、金属を含む材料により下地膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項2または3に記載のアルカリ金属セルの製造方法。
  6. 前記封止材は、ガラス材料を含む材料、または、金属を含む材料により形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のアルカリ金属セルの製造方法。
  7. 前記空間分離工程は、
    前記第1の透明基板または前記第2の透明基板を介し、前記封止材に光を照射して溶融させることにより、前記第1の開口部と前記第2の開口部との空間を分離することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のアルカリ金属セルの製造方法。
  8. 前記本体基板は第1の本体基板と第2の本体基板を積層することにより形成されており、
    前記接続貫通穴は、前記第1の本体基板または前記第2の本体基板のいずれか一方、または、双方に形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のアルカリ金属セルの製造方法。
  9. 前記空間分離工程の後、
    前記第1の開口部及び前記封止材が設けられている領域と、前記第2の開口部との間を切断する工程を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のアルカリ金属セルの製造方法。
  10. 請求項1から9のうちのいずれかに記載のアルカリ金属セルの製造方法と、
    前記アルカリ金属セルに光を照射する光源を設置する工程と、
    前記光源より照射された光のうち、前記アルカリ金属セルを透過した光を検出する光検出器を設置する工程と、
    を有し、2種類の共鳴光による量子干渉効果による光吸収特性により発振周波数が制御される原子発振器の製造方法。
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