JP2015159255A - アルカリ金属セルの製造方法及び原子発振器の製造方法 - Google Patents

アルカリ金属セルの製造方法及び原子発振器の製造方法 Download PDF

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一彦 安達
和宏 原坂
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和宏 原坂
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Hiroyoshi Shoji
浩義 庄子
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Abstract

【課題】長期間において高い信頼性と高い精度で動作し消費電力の低い原子発振器に用いることのできるアルカリ金属セルを提供する。
【解決手段】基板110を貫通する第1の開口部と、第2の開口部とを形成する工程と、前記基板の一方の面に第1の透明基板121を接合する工程と、前記第2の開口部にアルカリ金属を含む化合物を設置する工程と、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間に対応する部分に、第1の金属により第1の接合金属層を形成する工程を有する。前記基板の他方の面と前記第2の透明基板122の一方の面とを第2の接合金属層により接合することにより連結部が形成される。前記アルカリ金属を含む化合物よりアルカリ金属を発生させて、前記第2の開口部より連結部を介し、前記第1の開口部に前記アルカリ金属を供給し、前記第1の開口部に前記アルカリ金属を供給した後、前記連結部を塞ぎ、前記基板と第2の透明基板とを接合する。
【選択図】図15

Description

本発明は、アルカリ金属セルの製造方法及び原子発振器の製造方法に関する。
原子時計(原子発振器)は、アルカリ金属の超微細準位間の遷移を利用し正確に時間を測ることができる。近年、このような原子発振器において、小型化・低コスト化を目指し、セシウム(Cs)、ルビジウム(Rb)等のアルカリ金属を、Ne、Ar、N等のバッファガスと共に、微小なセルに閉じ込め、光学的な現象を利用する原子時計の開発が進められている。このような原子時計は、チップスケール原子時計(CSAC:Chip Scale Atomic Clock)と呼ばれており、代表的なものは、CPT(Coherent Population Trapping)方式を用いたものである(非特許文献1、2)。
CPT方式の原子時計は、図1に示すように、レーザ素子等の光源910と、アルカリ金属を封入したアルカリ金属セル940と、アルカリ金属セル940を透過したレーザ光を受光する光検出器950とを有しており、レーザ光は変調され、特定波長である搬送波の両側に出現するサイドバンド波長により、アルカリ金属原子における電子の2つの遷移を同時に行ない励起する。この遷移における遷移エネルギーは不変であり、レーザ光のサイドバンド波長と遷移エネルギーに対応する波長とが一致したときに、アルカリ金属における光の吸収率が低下する透明化現象が生じる。このように、アルカリ金属による光の吸収率が低下するように、搬送波の波長を調整するとともに、光検出器950において検出された信号を変調器960にフィードバックし、変調器960によりレーザ素子等の光源910からのレーザ光の変調周波数を調整することを特徴とした原子時計である。尚、レーザ光は、光源910より発せられ、コリメートレンズ920及びλ/4板930を介し、アルカリ金属セル940に照射される。
CPT共鳴における原子の超微細構造エネルギー準位は、図2に示されるように、Λ型3準位系であり、Cs原子のD1ライン遷移(6S1/2→6P1/2)の場合は、|1>準位は6S1/2F4であり、|2>準位は6S1/2F3であり、|3>準位は6P1/2 である。Cs原子をセルに封入しD1ライン遷移を利用する場合について説明する。レーザ素子となる光源910としては、多くの場合はコヒーレントで単一波長が得やすく高速変調が容易なVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER)が用いられている。このVCSELの発振波長をCsにおけるD1ライン遷移の波長894.6nmとほぼ同一にする。
このVCSELの駆動電流に|1>準位と|2>準位の差の半分の周波数(νclock/2)の周辺の信号を重畳させ周波数を掃引する。CsにおけるD1ライン遷移の場合は、νclockは9.192GHzであり、νclock/2は4.596GHzである。重畳信号の周波数がνclockかνclock/2に一致すると、|1>→|3>と|2>→|3>の遷移がなくなり暗共鳴(Dark resonance)状態になる。このとき図1に示す受光素子における透過光強度はピークを示す。この共鳴のピークに一致するように重畳信号の周波数を安定化することにより、周波数標準が実現される。
CSACをより小型、低コストで量産が可能な構造にするため、その物理パッケージ、特に中心部品であるアルカリ金属セル940を製造する際には、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いた様々な方法の開発が進められてきている。このアルカリ金属セル940の作製における最終的な目標は、量産性が高く、アルカリ金属セル940中の内包物が経時変化しないセル構造と封入方法を確立することである。
非特許文献3に開示されている方法は、Siウェハにエッチングにより貫通穴をあけ、貫通穴のあけられたSiウェハの一方の面にガラスウェハを陽極接合し、凹状の穴をもつ半積層体を作製する。その後、嫌気性グローブボックス(Anaerobic Glove box)中で、この半積層体の凹状の穴にアンプルからマイクロピペットを用い取り出した液体Csを滴下し、そのまま真空室に搬送し、高真空引きし、バッファガスを導入した後に、Siウェハの他方の面と第2のガラスウェハとを陽極接合し、アルカリ金属セルを作製する方法である。
非特許文献4に開示されている方法では、非特許文献3に開示されている方法と同様に作製した半積層体に、嫌気性グローブボックス中で、BaN3+RbCl入の微小なガラスアンプルを加熱し反応させRbを凹状の穴に蒸着させた後、非特許文献3に開示されている方法と同様な工程で第2のガラスウェハを陽極接合しアルカリ金属セルを作製する方法である。
非特許文献5に開示されている方法では、Siウェハ中にエッチング法により溝で連通した2種の貫通穴をあけ、貫通穴のあけられたSiウェハの一方の面にガラスウェハを陽極接合し、2種の凹状の穴をもつ半積層体を作製する。大気中でアルカリ金属発生剤を1種目の凹状の穴に配置し、高真空引きし、バッファガスを導入した後に、Siウェハの他方の面と第2のガラスウェハとを陽極接合した積層体を作製する。この積層体中のアルカリ金属発生剤に外部からレーザ光を照射し加熱しアルカリ金属蒸気を発生させ、アルカリ金属セルを作製する方法である。
ところで、アルカリ金属発生剤は、室温では大気中での取り扱いが可能で、所定の温度に加熱することによりアルカリ金属蒸気を発生する。これらのアルカリ金属発生剤の形式の1つは、従来から光電子増倍管や光電管などで使用されており、酸化剤と還元剤との組み合わせを構成成分として含むペレット状あるいは粉末状の薬剤である。この還元剤はZr、Si、Ti、Al等を含み、酸化剤はアルカリ金属イオンをカウンターカチオンとするクロム酸塩やバナジウム酸塩やタングステン酸塩やモリブデン酸塩を含む。Zr、Alを還元剤としてCsクロム酸塩からCs蒸気を発生させる反応式を化1に示す。尚、このようなアルカリ金属発生剤については、特許文献3〜6に開示されている。
Figure 2015159255
他のアルカリ金属発生剤としては、特許文献7に開示されているように、金属、半導体、セラミックスなどの支持体上にアルカリ金属単体を蒸着し、このアルカリ金属堆積物をチタン、ジルコニウムなどのゲッター材堆積物により被覆し形成するものが挙げられる。
ところで、非特許文献3及び非特許文献4に開示されている方法では、次のような問題点を有している。具体的には、CsやRbなどのアルカリ金属は、通常の陽極接合温度範囲で高い蒸気圧をもつ。例えば、400℃でCsの蒸気圧は約2.1kPa、Rbの蒸気圧は約1.6kPaである。さらに、これらのアルカリ金属は、HOと爆発的に反応し、Oガスに触れると発火しやすい。また、ある程度の温度以上ではガラス中への拡散反応が起こる。このため、非特許文献3、4に開示されている方法では、半積層体の凹状の穴にアルカリ金属を投入する場合はグローブボックス中や真空室中で取り扱う必要があり、量産性が低いという問題点を有している。
更に、非特許文献3及び非特許文献4に開示されている方法では、2回目の封止接合時に、すでに半積層体の凹状の穴にアルカリ金属が投入されているので、通常の接合条件より穏やかな条件で行われる。即ち、通常は300℃〜450℃の温度で1kV程度の電圧が印加されるが、非特許文献3、4に開示されている方法では、200℃〜250℃の温度で、1kVである。一方、Siウェハとホウケイ酸ガラスウェハの陽極接合時に、O、H、HOなどが発生することがよく知られている。低温で接合するほど長期にわたり接合面からこれらのガス種をアルカリ金属セル内に放出し続ける。CsやRbなどのアルカリ金属は、酸素、水との反応性が非常に高い。このため、これらのガス種が、アルカリ金属と反応し固体の酸化物を生成させ、これがアルカリ金属セルの窓に付着し、アルカリ金属セルの信頼性を低下させてしまう。
また、非特許文献5に開示されている方法では、2回目の封止陽極接合の前に、半積層体の凹状の穴にアルカリ金属発生剤を投入し、封止接合後にアルカリ金属発生剤をレーザ加熱しアルカリ金属を発生させる。このアルカリ金属発生剤は大気中で安定であり、不活性ガス中では500℃程度でも反応が開始しない。このように、アルカリ金属のアルカリ金属セル内への投入は安定なプロセスで行えるので量産性が高い方法である。さらには、2回目の陽極接合は260℃〜450℃と従来より高い温度条件で行うことが可能になる。これにより、低温での接合せざるをえない非特許文献3、4の場合より、O、H、HOなどのガス放出が少なくなり、周波数安定度の劣化を抑制することができる。
しかしながら、この作製方法には、以下のような問題点がある。具体的には、アルカリ金属発生後の残渣がバッファガスを吸収することがあり、特に、Nガスがバッファガスの場合は吸収による影響は無視できない。また、残渣から発生する微粉末が計測光を遮り周波数計測精度を低下させることが懸念される。原子時計のアルカリ金属セルは40〜180℃内の特定の温度にヒータで加温して使用されるが、十分な周波数計測精度を得るには非常に高い精度で一定温度に保つ必要がある。アルカリ金属セルにCPT共鳴を検出するアルカリ金属セルにアルカリ金属発生剤を投入した部分を残す構成にすると、アルカリ金属セルの熱容量が大きくなりアルカリ金属セルの温度制御特性が低下する。また、アルカリ金属セルの熱容量が大きくなると消費する電力も大きくなる。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、長期間において高い信頼性と高い精度で動作し消費電力の低い原子発振器に用いることのできるアルカリ金属セルを提供することを目的とするものである。
本実施の形態の一観点によれば、基板に前記基板を貫通する第1の開口部と、第2の開口部とを形成する工程と、前記基板の一方の面に第1の透明基板を接合する工程と、前記第2の開口部にアルカリ金属を含む化合物を設置する工程と、前記基板の他方の面、または前記基板の他方の面に接合される第2の透明基板の一方の面において、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間に対応する部分に、第1の金属により第1の接合金属層を形成する工程と、前記基板の他方の面、または前記第2の透明基板の一方の面において、前記第1の開口部及び前記第2の開口部の周囲に対応する部分に、第2の金属により第2の接合金属層を形成する工程と、前記基板の他方の面と前記第2の透明基板の一方の面とを第2の接合金属層により接合することにより、前記第1の接合金属層または前記第2の接合金属層が形成されていない部分により形成される連結部により前記第1の開口部と前記第2の開口部とが空間的に接続されている状態で、前記第1の開口部及び前記第2の開口部の周囲を接合して密閉する第1の接合工程と、前記アルカリ金属を含む化合物よりアルカリ金属を発生させて、前記第2の開口部より前記連結部を介し、前記第1の開口部に前記アルカリ金属を供給する工程と、前記第1の開口部に前記アルカリ金属を供給した後、前記第1の接合金属層における前記第1の金属により前記連結部を塞ぎ、前記基板と前記第2の透明基板とを接合する第2の接合工程と、を有し、前記第2の金属は前記第1の金属よりも融点の低い材料により形成されることを特徴とする。
本発明によれば、長期間において高い信頼性と高い精度で動作し消費電力の低い原子発振器に用いることのできるアルカリ金属セルを提供することができる。
原子発振器の説明図 CPT方式を説明する原子エネルギー準位の説明図 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(1) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(2) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(3) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(4) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(5) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(6) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(7) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(8) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(9) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの変形例1の説明図 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの変形例1の製造方法の説明図(1) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの変形例1の製造方法の説明図(2) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの変形例1の製造方法の説明図(3) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの変形例2の説明図 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの変形例2の製造方法の説明図(1) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの変形例2の製造方法の説明図(2) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの変形例2の製造方法の説明図(3) 第2の実施の形態におけるアルカリ金属セルの説明図(1) 第2の実施の形態におけるアルカリ金属セルの説明図(2) 第3の実施の形態におけるアルカリ金属セルの説明図(1) 第3の実施の形態におけるアルカリ金属セルの説明図(2) 第4の実施の形態におけるアルカリ金属セルの説明図(1) 第4の実施の形態におけるアルカリ金属セルの説明図(2) 第4の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の説明図(1) 第4の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の説明図(2) 第4の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の説明図(3) 第5の実施の形態における原子発振器の説明図 第5の実施の形態における原子発振器の構造図 CPT方式を説明する原子エネルギー準位の説明図 面発光レーザ変調時における出力波長の説明図 変調周波数と透過光量との相関図
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法について、図3〜図12に基づき説明する。本実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法は、原子発振器に用いられるアルカリ金属セルの製造方法である。具体的には、ガラス基板により形成される第1の透明基板と、Si基板により形成される本体基板と、ガラス基板により形成される第2の透明基板とを用いたアルカリ金属セルの製造方法である。尚、第1の透明基板及び第2の透明基板は透明であり、厚さが0.05mm〜3mmであって、ホウケイ酸ガラス等のガラスウェハにより形成されている。
本実施の形態においては、本体基板と第2の透明基板との接合には、第1の接合金属層及び第2の接合金属層が用いられる。よって、本実施の形態における説明では、第1の接合金属層としてAu−29at%Sn層、第2の接合金属層としてIn層を用い、第2の接合金属層は、第1の接合金属層における一部領域の上に積層して形成されていている場合について説明する。尚、Au−29at%Snの融点は280℃であり、Inの融点は156.6℃である。本実施の形態においては、第1の接合金属層を形成している第1の金属の融点は、第2の接合金属層を形成している第2の金属の融点よりも高い。
最初に、図3に示すように、本体基板110となる両面が鏡面研磨されている厚さ0.2〜5.0mmのSi(シリコン)基板に、Si基板を貫通する第1の開口部111と第2の開口部112を形成する。尚、本実施の形態においては、本体基板110は、厚さL1が2mmのSi基板が用いられており、第1の開口部111と第2の開口部112の大きさは、一辺の長さS1が3.2mmの略正方形、即ち、3.2mm×3.2mmの矩形で形成されている。第1の開口部111と第2の開口部112との間隔S2は1.0mmとなるように形成されておいるため、第1の開口部111の中心と第2の開口部112の中心との距離S3は4.2mmである。
本体基板110の形成方法は、最初に、本体基板110となるSi基板の一方の面に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行う。これにより、第1の開口部111及び第2の開口部112が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、ボッシュプロセスによるドライエッチングにより、レジストパターンが形成されていない領域のシリコンを除去し、Si基板を貫通することにより、第1の開口部111及び第2の開口部112を形成する。これにより第1の開口部111及び第2の開口部112を有する本体基板110が形成される。尚、ボッシュプロセスとは、ICP(Inductively Coupled Plasma)プラズマ中でSF、Cガスを交互に供給してエッチングを行う方法であり、高速でシリコンの深堀エッチングをすることができる。
上記においては、本体基板110における第1の開口部111及び第2の開口部112を形成する際に、ドライエッチングを用いたが、ウェットエッチングやサンドブラスト、イオンミリング等による方法によっても形成することが可能である。また、上記においては、第2の開口部112はSi基板を貫通する場合について説明したが、第2の開口部112は必ずしもSi基板を貫通している必要はなく、Si基板の一部が残るようなエッチングを行なうことにより凹状の穴を形成したものであってもよい。尚、図3(a)は、この工程における上面図であり、図3(b)は、図3(a)における一点鎖線3A−3Bにおいて切断した断面図であり、図3(c)は、図3(a)における一点鎖線3C−3Dにおいて切断した断面図である。
次に、図4に示すように、本体基板110における一方の面110aに、第1の透明基板121を陽極接合法により接合する工程を行う。具体的には、不図示の陽極接合装置のチャンバー内に、本体基板110及び第1の透明基板121を設置し、450℃の温度に加熱して、本体基板110における一方の面110aと第1の透明基板121とを接触させる。この後、第1の透明基板121側に、−1000Vの電圧を印加することにより、本体基板110における一方の面110aに第1の透明基板121を接合する。本実施の形態においては、このように、本体基板110における一方の面110aに第1の透明基板121が接合された積層基板をプレフォーム基板と記載する場合がある。尚、図4(a)は、この工程における上面図であり、図4(b)は、図4(a)における一点鎖線4A−4Bにおいて切断した断面図であり、図4(c)は、図4(a)における一点鎖線4C−4Dにおいて切断した断面図である。
次に、図5に示すように、本体基板110の他方の面110bに、Ti膜、Pt膜、Au膜を順次積層して成膜することにより形成されるAu/Pt/Tiからなる金属多層膜により、第1の下地層131を形成する。この第1の下地層131は、本体基板110の他方の面110bの上に平面形状に形成されている。第1の下地層131は、第1の開口部111及び第2の開口部112の周囲を切れ目なく取り囲む下地層周囲部131aと、第1の開口部111と第2の開口部112の間に切れ目なく形成されている下地層中央部131bとを有している。尚、下地層中央部131bは、下地層周囲部131aに接続されている。即ち、第1の開口部111の周囲には、下地層周囲部131aと下地層中央部131bにより、切れ目なく第1の下地層131が形成されている。同様に、第2の開口部112の周囲には、下地層周囲部131aと下地層中央部131bにより、切れ目なく第1の下地層131が形成されている。尚、図5(a)は、この工程における上面図であり、図5(b)は、図5(a)における一点鎖線5A−5Bにおいて切断した断面図であり、図5(c)は、図5(a)における一点鎖線5C−5Dにおいて切断した断面図である。
第1の下地層131の形成方法は、最初に、本体基板110の他方の面110bにフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像により第1の下地層131が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンが形成されている本体基板110の他方の面110bに、Au/Pt/Tiからなる金属多層膜を真空蒸着、スパッタリング、メッキ等の方法により成膜した後、有機溶剤等に浸漬させる。これにより、レジストパターンの上に形成された金属多層膜はレジストパターンとともに除去され、残存しているAu/Pt/Tiからなる金属多層膜により第1の下地層131が形成される。
本実施の形態においては、金属多層膜は、Ti膜の膜厚が9nm、Pt膜の膜厚が20nm、Au膜の膜厚が200nmとなるように積層して形成されている。また、形成される第1の下地層131は、下地層周囲部131aにおける幅W1が400μm、下地層中央部131bにおける幅W2が500μmとなるように形成されている。
次に、図6に示すように、第2の透明基板122の一方の面上に、第2の下地層132、第1の接合金属層151、第2の接合金属層152を形成する。尚、図6(a)は、この工程における上面図であり、図6(b)は、図6(a)における一点鎖線6A−6Bにおいて切断した断面図であり、図6(c)は、図6(a)における一点鎖線6C−6Dにおいて切断した断面図である。
最初に、第2の透明基板122の一方の面において、本体基板110の第1の開口部111及び第2の開口部112の周囲に形成されている第1の下地層131に対応する第2の下地層132を形成する。これにより、第2の透明基板122の一方の面に形成される第2の下地層132は、本体基板110の他方の面110bに第2の透明基板122を接合した際に、第1の開口部111及び第2の開口部112の周囲となる部分に形成される。尚、本実施の形態においては、第2の下地層132は、第1の下地層131と略同じ形状で形成されており、第2の下地層132の構造、膜厚、形成方法は、第1の下地層131と同様である。また、第2の下地層132は、第1の下地層131における下地層周囲部131aに対応する下地層周囲部132aと、下地層中央部131bに対応する下地層中央部132bとを有している。
この後、第2の透明基板122の一方の面に形成された第2の下地層132の上に、Au−29at%Snからなる第1の接合金属層151を形成する。第1の接合金属層151は、第2の下地層132の上に平面形状となるように形成される。第1の接合金属層151は、第1の接合金属層周囲部151aと、第1の接合金属層周囲部151aと接続される第1の接合金属層中央部151bとを有している。第1の接合金属層周囲部151aは、本体基板110の第1の開口部111及び第2の開口部112に対応する部分の周囲を取り囲むように切れ目なく形成される。第1の接合金属層中央部151bは、第1の開口部111と第2の開口部112との間に対応する部分に形成される。第1の接合金属層151は、第1の接合金属層中央部151bの中程において、第1の接合金属層151が途切れており、このように第1の接合金属層151が形成されていない領域が、第1の接合金属層開口部151cとなる。形成される第1の接合金属層周囲部151aの幅W3は300μmであり、第1の接合金属層中央部151bの幅W4は450μmであり、第1の接合金属層開口部151cの幅W5は200μmである。
次に、第1の接合金属層151をAu−29at%Snにより形成する方法について、詳細に説明する。最初に、第2の下地層132が形成されている第2の透明基板122の一方の面に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、第1の接合金属層151が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、Au−29at%Sn膜を真空蒸着、スパッタリング、メッキ等の方法により成膜し、有機溶剤に浸漬させることにより、レジストパターンの上に形成されたAu−29at%Sn膜をレジストパターンとともにリフトオフにより除去する。これにより、残存するAu−29at%Sn膜により第1の接合金属層151が形成される。尚、第1の接合金属層151は、予めパタニングされた第1の接合金属層151となる金属シートを第2の透明基板122の一方の面の第2の下地層132の上の所定の位置に、熱圧着等により圧着することにより形成してもよい。本実施の形態において形成される第1の接合金属層151の膜厚は、5μmである。
この後、第2の透明基板122の一方の面に形成された第1の接合金属層151の上に、Inからなる第2の接合金属層152を形成する。第2の接合金属層152は、第1の接合金属層151の上に平面形状となるように形成される。第2の接合金属層152は、第2の接合金属層周囲部152aと、第2の接合金属層周囲部152aと接続される第2の接合金属層中央部152bとを有している。第2の接合金属層周囲部152aは、本体基板110の第1の開口部111及び第2の開口部112に対応する部分の周囲を取り囲むように切れ目なく形成される。第2の接合金属層中央部152bは、第1の開口部111と第2の開口部112との間に対応する部分に形成される。第2の接合金属層152は、第2の接合金属層中央部152bの中程において、第2の接合金属層152が途切れており、このように第2の接合金属層152が形成されていない領域が、第2の接合金属層開口部152cとなる。形成される第2の接合金属層周囲部152aの幅W6は150μmであり、第1の接合金属層中央部151bの幅W7は150μmであり、第2の接合金属層開口部152cの幅W8は500μmである。
次に、第2の接合金属層152をInにより形成する方法について、詳細に説明する。最初に、第1の接合金属層151が形成されている第2の透明基板122の一方の面に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、第2の接合金属層152が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、In膜を真空蒸着、スパッタリング、メッキ等の方法により成膜し、有機溶剤に浸漬させることにより、レジストパターンの上に形成されたIn膜をレジストパターンとともにリフトオフにより除去する。これにより、残存するIn膜により第2の接合金属層152が形成される。尚、第2の接合金属層152は、予めパタニングされた第2の接合金属層152となる金属シートを第2の透明基板122の一方の面の第1の接合金属層151の上の所定の位置に、熱圧着等により圧着することにより形成してもよい。本実施の形態において形成される第2の接合金属層152の膜厚は2μmである。
次に、図7に示すように、本体基板110における一方の面110aに第1の透明基板121が接合されているプレフォーム基板において、本体基板110の第2の開口部112にアルカリ金属発生剤(アルカリ金属を含む化合物)140を設置する。本実施の形態においては、アルカリ金属発生剤140をアルカリ金属を含む化合物と記載する場合がある。尚、図7(a)は、この工程における上面図であり、図7(b)は、図7(a)における一点鎖線7A−7Bにおいて切断した断面図であり、図7(c)は、図7(a)における一点鎖線7C−7Dにおいて切断した断面図である。
この後、本体基板110の第2の開口部112にアルカリ金属発生剤140と第2の透明基板122とを接合装置の減圧チャンバー内に配置し、高真空に真空引きした後、減圧チャンバー内にバッファガスを導入する。バッファガスは、Ne、Ar、Xe、Kr、Nのうち1又は2以上からなるガスであり、これにより、減圧チャンバー内部の圧力を0.01kPa〜1000kPaとする。尚、減圧チャンバー内においては、本体基板110の他方の面110bと第2の透明基板122の一方の面とが対抗している状態で、位置あわせがなされる。即ち、本体基板110の他方の面110bに形成された第1の下地層131、第1の接合金属層151及び第2の接合金属層152と、第2の透明基板122の一方の面に形成された第2の下地層132とが向かい合う状態で位置あわせがなされる。
次に、図8に示すように、本体基板110の他方の面110bと第2の透明基板122の一方の面とをバッファガス雰囲気中で接合する第1の接合工程を行う。具体的には、減圧チャンバー内に設置された本体基板110の他方の面110bと第2の透明基板122の一方の面とを接触させ加圧し、本体基板110と第2の透明基板122を160℃の温度まで加熱し、第2の接合金属層152を形成しているInを溶融させる。この後、冷却することによりInは凝固し、第2の接合金属層152により、本体基板110の他方の面110bと第2の透明基板122の一方の面とが接合される。尚、図8(a)は、この工程における上面図であり、図8(b)は、図8(a)における一点鎖線8A−8Bにおいて切断した断面図であり、図8(c)は、図8(a)における一点鎖線8C−8Dにおいて切断した断面図である。
これにより、第1の透明基板121、本体基板110、第2の透明基板122が積層された積層体が形成され、第1の開口部111と第2の開口部112とを含む第2の接合金属層152で囲まれた空間は外部から隔絶される。この状態においては、第1の開口部111と第2の開口部112とは、第1の開口部111と第2の開口部112との間において、第1の接合金属層151が形成されていない第1の接合金属層開口部151cにより、空間的に連結、即ち、空間的に接続されている。本実施の形態においては、第1の接合金属層開口部151c等により空間的に連結されている空間を連結部161と記載する場合がある。
次に、図9に示すように、第2の開口部112に投入されているアルカリ金属発生剤140に、第2の透明基板122を介してレーザ光を照射し、アルカリ金属発生剤140を加熱してアルカリ金属ガス141を発生させるアルカリ金属発生工程を行う。このように発生したアルカリ金属ガス141は、第2の開口部112より連結部161を介し第1の開口部111に入り、第1の開口部111内をアルカリ金属ガスにより充填する。尚、図9(a)は、この工程における上面図であり、図9(b)は、図9(a)における一点鎖線9A−9Bにおいて切断した断面図であり、図9(c)は、図9(a)における一点鎖線9C−9Dにおいて切断した断面図である。
具体的には、最初に、第1の透明基板121、本体基板110、第2の透明基板122が積層された積層体をレーザ加熱装置に設置する。レーザ加熱装置は、808nm帯のレーザ光162を出射するレーザ光源と、レーザ光源より出射されたレーザ光162を集光する機能をもつ光学系163とを有している。この後、レーザ光源より出射され光学系163により集光されたレーザ光162を第2の透明基板122を介して、アルカリ金属発生剤140に照射する。これにより、アルカリ金属発生剤140を加熱し、アルカリ金属発生剤140よりアルカリ金属ガスを発生させる。
これにより、アルカリ金属発生剤140が設置されている第2の開口部112内より、連結部161を介して、アルカリ金属ガス141を拡散させて、第1の開口部111内にアルカリ金属ガス141を充填させる。尚、本実施の形態においては、レーザ光の光源としては、1〜200W程度の出力を有する630nm帯、808nm帯、940nm帯、980nm帯、1550nm帯の半導体レーザを用いることができる。また、1064nmのNd:YAGレーザ、1455nm帯ラマンファイバーレーザ、10μm帯COレーザ等を用いてもよい。更に、レーザ光源のほかにハロゲンランプ、LED光源等も用いることが可能である。アルカリ金属ガスが発生する温度は、アルカリ金属発生剤140となるものにおいて、還元剤がTi、Alであり酸化剤がクロム酸塩の場合は700℃程度であり、還元剤がZr、Alであり酸化剤がモリブデン酸塩の場合は900℃程度である。
この後、第1の透明基板121、本体基板110、第2の透明基板122が積層された積層体に、凹凸のある加熱冷却板を接触させ、第2の開口部112内における温度が第1の開口部111内における温度よりも高くなるようにする。これにより、第2の開口部112内において、気体と液体の混在状態にあるアルカリ金属の大部分を、連結部161を介して、第1の開口部111内に移動させる。
次に、図10に示すように、第1の透明基板121、本体基板110、第2の透明基板122が積層された積層体を接合装置に設置し、加圧しながら290℃の温度に加熱し、連結部161を遮断する第2の接合工程を行う。この第2の接合工程においては、第1の接合金属層151を形成している第1の金属が溶融するため、第1の接合金属層中央部151bを形成している第1の金属も溶融し、第2の下地層132等に沿って、第1の金属が流動する。この結果、第1の接合金属層開口部151cが消失し、第1の金属により連結部161が遮断され、第1の開口部111と第2の開口部112とが空間的に分離される。即ち、第1の接合金属層151を形成している第1の金属により連結部161が塞がれ、第1の開口部111が密閉される。尚、図10(a)は、この工程における上面図であり、図10(b)は、図10(a)における一点鎖線10A−10Bにおいて切断した断面図であり、図10(c)は、図10(a)における一点鎖線10C−10Dにおいて切断した断面図である。
次に、図11に示すように、二点鎖線に沿って、ダイシングにより分離することにより、第1の開口部111が密閉されている領域を他の領域から分離する。これにより、第1の開口部111にアルカリ金属とバッファガスが封入されている光路長L1が2mmとなるアルカリ金属セルを作製することができる。尚、図11(a)は、この工程における上面図であり、図11(b)は、図11(a)における一点鎖線11A−11Bにおいて切断した断面図であり、図11(c)は、図11(a)における一点鎖線11C−11Dにおいて切断した断面図である。
第2の接合条件は第1の接合条件と比較し、より高い圧力とより高い温度のうちのいずれか、又は両方の条件をとる。また、第1の接合工程終了時における本体基体110と第2の透明基板122との距離(図8に示されるD1)よりも、第2の接合工程終了時における本体基体110と第2の透明基板122との距離(図10に示されるD2)が狭くなるようにする。このような距離の関係にすることにより、連結部161の遮断を安定して行うことが可能となる。
第1の金属及び第2の金属は上記の組み合わせに限定されるものではなく、以下の金属材料を用いることができる。尚、本実施の形態においては、第1の金属は、第2の金属よりも融点の高い材料が用いられる。第1の金属及び第2の金属としては、例えば、
In(mp.約156.6℃)、
In―Sn(48atm%Snでmp.約120℃)、
In―Ga(0〜14atm%Gaでmp.156℃〜15.3℃と変化する)、
Ag―In(96atm%Inでmp.約144℃)、
Au―In(Inのmp.約156℃)、
Ag―Sn(96atm%Snでmp.約221℃)、
Au―Sn(29atm%Snでmp.約280℃)、
Cu―Sn(99atm%Snでmp.約227℃)、
Au―Si(19atm%Siでmp.約363℃)
等を用いることができる。
また、本実施の形態における説明では、本体基板110がSiにより形成されている場合について説明したが、本体基板110を形成している材料は、Siに限定されるものではない。例えば、本体基板110は、ガラス、セラミックス、金属等により形成されていてもよく、また、複数の層を積層したものにより形成されていてもよい。
また、本実施の形態における説明では、第1の透明基板121及び第2の透明基板122がホウケイ酸ガラスである場合について説明したが、第1の透明基板121及び第2の透明基板122を形成している材料は、ホウケイ酸ガラスに限定されるものではない。例えば、第1の透明基板121及び第2の透明基板122は、光を透過する透明な材料であれば、他のガラス、セラミックス等であってもよい。
また、本実施の形態における説明では、本体基板110の一方の面と第1の透明基板121とは、陽極接合により接合される場合について説明したが、本体基板110の一方の面と第1の透明基板121との接合方法は、陽極接合に限定されるものではない。例えば、本体基板110の一方の面と第1の透明基板121との接合は、インサート金属を用いた液相拡散接合や固相拡散接合の他、直接接合、ガラスフリット接合、はんだ接合、ガラス基板同士の溶融接合等であってもよい。
また、第1の下地層131及び第2の下地層132は、3層(下層/中間層/上層)の積層膜により形成する場合には、Ti/Pt/Au膜、Cr/Pt/Au膜、Ti/Ni/Au膜等であってもよい。また、第1の下地層131及び第2の下地層132は、2層(下層/上層)の積層膜により形成する場合には、Ti/Au膜、Cr/Au膜等であってもよい。
尚、本実施の形態は、第1の接合金属層151及び第2の接合金属層152を形成している第1の金属及び第2の金属が、第1の下地層131及び第2の下地層132と溶着するだけでない。本実施の形態は、第1の金属及び第2の金属と、第1の下地層131及び第2の下地層132を形成している材料と、本体基板110を形成している材料との間で共晶反応がおこり、封止をより強固にすることができる場合もある。
また、本実施の形態における説明では、アルカリ金属発生剤140を加熱する方法として、光加熱を用いているが、これに限定されるものではなく、マイクロ波加熱や単なる熱処理等であってもよい。更に、本実施の形態においては、アルカリ金属セル内に、バッファガスを封入する場合について説明した。しかしながら、アルカリ金属セルの内壁をコーティングする等の方法により、アルカリ金属ガスがセル内壁に衝突し量子共鳴状態の寿命が短くなるのを防ぐ対策をすれば、必ずしもバッファガスを封入する必要はない。よって、本実施の形態におけるアルカリ金属セルは、バッファガスが封入されていないものであってもよい。
本実施の形態は、最初に、溶融温度の異なる2種類の金属材料を用いて、第1の接合金属層151及び第2の接合金属層152を各々形成する。この後、アルカリ金属発生拡散工程の前後において、異なる加熱加圧条件により2段階の接合工程、即ち、第1の接合工程と第2の接合工程とを実施する。第1の接合工程では、第1の接合金属層151の少なくとも一部が直接、又は第2の接合金属層152を介して接触するように接合するため、連結部161における空隙寸法をさらに狭くすることができる。よって、連結部161における第2の金属の流動が容易になり、連結部161における遮断を確実に行うことができる。
また、本実施の形態においては、アルカリ金属発生剤140における反応残渣をアルカリ金属セルから切り離すことができるため、アルカリ金属発生剤140の残渣とバッファガスとの反応、アルカリ金属セルの内部における残渣粉体の拡散がなくなる。よって、経時変化しにくい高品質のアルカリ金属セルを得ることができる。
また、本実施の形態においては、長期的に好ましくないガスを放出する低い接合温度の陽極接合を用いることなく、アルカリ金属セルを作製することができるため、アルカリ金属セルの品質を低下させる接合界面から脱ガスがなくなる。これにより、経時劣化しにくい高品質のアルカリ金属セルを得ることができる。
また、本実施の形態においては、第1の接合工程と第2の接合工程は、ともに低温で行うことができる。この結果、アルカリ金属セル内において品質の経時劣化を引き起こすアルカリ金属とアルカリ金属セルの内壁との反応を抑制できる。また、本実施の形態においては、アルカリ金属セルの内壁にアルカリ金属のコヒーレント状態を長く維持できる有機珪素化合物の自己組織化単一層(SAM:Self-Assembled Monolayer)やワックス等のコーティング膜を形成することができる。従って、より信頼性が高く高性能なアルカリ金属セル及び原子発振器を得ることができる。
また、本実施の形態においては、第1の開口部111における封止状態を保ったまま、第2の開口部112を切断して分離することができるため、小さいサイズのアルカリ金属セルを得ることができる。よって、アルカリ金属セルの熱容量が小さくなり、温度制御の精度を向上させることができ、また、原子発振器等におけるモジュール全体の消費電力を低くすることができる。
また、本実施の形態においては、第1の下地層131及び第2の下地層132を形成しているため、第1の接合金属層151、又は場合によっては第2の接合金属層152により、本体基板110と第2の透明基板122とを強固に接合することができる。また、第2の接合工程において、連結部161を遮断する際に、第1の接合金属層151の溶融・流動による封止が容易になる。
以上より、量産性が高く、長期にわたり高い信頼性と高い精度で動作し消費電力が小さい原子発振器を提供することができる。
(変形例1)
次に、本実施の形態における変形例1について説明する。本変形例においては、図12に示すように、第2の透明基板122の一方の面に、第2の下地層132が形成されており、第2の下地層132の上に、第1の接合金属層151及び第2の接合金属層152が形成されている。第2の下地層132は、図6に示す場合と同様に、第1の下地層131における下地層周囲部131aに対応する下地層周囲部132aと、下地層中央部131bに対応する下地層中央部132bとを有している。尚、図12(a)は、本変形例における第2の透明基板122の上面図である。図12(b)は、図12(a)における一点鎖線12A−12Bにおいて切断した断面図であり、図12(c)は、図12(a)における一点鎖線12C−10Dにおいて切断した断面図である。
本変形例においては、第1の接合金属層151及び第2の接合金属層152は、第2の下地層132の上に形成されている。即ち、第1の接合金属層151は、第2の下地層132における下地層中央部132bの上において、第1の接合金属層中央部151bとなる部分のみが形成されている。第1の接合金属層151は、第1の接合金属層中央部151bの中程において第1の接合金属層151が途切れており、このように第1の接合金属層151が形成されていない領域が、第1の接合金属層開口部151cとなる。尚、第1の接合金属層開口部151cにおいては、第1の接合金属層151は形成されてはいない。また、第2の接合金属層152は、第2の下地層132における下地層周囲部132aの上において、第2の接合金属層周囲部152aとなる部分にのみ形成されている。尚、第1の接合金属層151は第1の金属により形成されており、第2の接合金属層152は第2の金属により形成されている。本変形例においては、第1の接合金属層151は、膜厚が7μmのAu−29atm%Sn層により形成されており、第2の接合金属層152は、膜厚が15μmのIn層により形成されている。また、第1の接合金属層開口部151cにおける幅W5は、200μmである。
本変形例においては、上述した第1の透明基板121が接合されたプレフォーム基板に、図12に示される本変形例における第2の透明基板122の一方の面を接合する。具体的には、図13に示すように、プレフォーム基板における本体基板110の他方の面110bと第2の透明基板122の一方の面とを対抗させて位置あわせを行う。
次に、図14に示すように、本体基板110の他方の面110bと第2の透明基板122の一方の面とを第2の接合金属層152により接合する第1の接合工程を行う。具体的には、減圧チャンバー内に設置された本体基板110の他方の面110bと第2の透明基板122の一方の面とを接触させ加圧し、本体基板110と第2の透明基板122を160℃の温度まで加熱し、第2の接合金属層152を形成しているInを溶融させる。この後、冷却することによりInは凝固し、第2の接合金属層152により、本体基板110の他方の面110bと第2の透明基板122の一方の面とが接合される。この工程により、第1の開口部111と第2の開口部112との間は、第1の接合金属層開口部151cにより形成される連結部161により空間的に接続されている状態で、第1の開口部111及び第2の開口部112の周囲が密閉される。
次に、上述した場合と同様に、アルカリ金属発生剤140を加熱することによりアルカリ金属ガスを発生させ、第2の開口部112より、アルカリ金属ガスを連結部161を介し、第1の開口部111に拡散させた後、図15に示すように第2の接合工程を行う。具体的には、第1の透明基板121、本体基板110、第2の透明基板122が積層された積層体を接合装置に設置し、加圧しながら290℃の温度に加熱し、連結部161を遮断する。この工程においては、第1の接合金属層151を形成している第1の金属が溶融するため、第2の下地層132等に沿って、第1の金属が流動する。この結果、第1の接合金属層開口部151cが消失し、第1の接合金属層151を形成している第1の金属により連結部161が遮断され、第1の開口部111と第2の開口部112とが空間的に分離される。
この後、ダイシングにより第1の開口部111が形成されている領域を分離することにより、本実施の形態におけるアルカリ金属セルを形成することができる。
(変形例2)
次に、本実施の形態における変形例2について説明する。本変形例においては、図16に示すように、第2の透明基板122の一方の面に、第2の下地層132が形成されており、第2の下地層132の上に第1の接合金属層151が形成されており、第1の接合金属層151の上に第2の接合金属層152が形成されている。第2の下地層132は、図6に示す場合と同様に、第1の下地層131における下地層周囲部131aに対応する下地層周囲部132aと、下地層中央部131bに対応する下地層中央部132bとを有している。尚、図16(a)は、本変形例における第2の透明基板122の上面図である。図16(b)は、図16(a)における一点鎖線16A−16Bにおいて切断した断面図であり、図16(c)は、図16(a)における一点鎖線16C−16Dにおいて切断した断面図である。
本変形例においては、第1の接合金属層151は、第2の下地層132の上に形成されている。第1の接合金属層151は、第2の下地層132における下地層周囲部132aの上に形成される第1の接合金属層周囲部151aと、下地層中央部132bの上に形成される第1の接合金属層中央部151bとを有している。本変形例においては、第1の接合金属層中央部151bには、第1の接合金属層開口部151cは形成されておらず、第1の接合金属層中央部151bは繋がって形成されている。また、第2の接合金属層152は、第1の接合金属層151における第1の接合金属層周囲部151aの上に形成される第2の接合金属層周囲部152aと、第1の接合金属層中央部151bの上に形成される第2の接合金属層中央部152bとを有している。尚、第2の接合金属層152は、第2の接合金属層中央部152bの中程において、第2の接合金属層152が途切れており、このように第2の接合金属層152が形成されていない領域が、第2の接合金属層開口部152cとなる。また、第1の接合金属層151は第1の金属により形成されており、第2の接合金属層152は第2の金属により形成されている。本変形例においては、第1の接合金属層151は、膜厚が7μmのAu−29atm%Sn層により形成されており、第2の接合金属層152は、膜厚が15μmのIn層により形成されている。また、第2の接合金属層開口部152cにおける幅W8は500μmである。
本変形例においては、上述した第1の透明基板121が接合されたプレフォーム基板に、図16に示される本変形例における第2の透明基板122の一方の面を接合する。具体的には、図17に示すように、プレフォーム基板における本体基板110の他方の面110bと第2の透明基板122の一方の面とを対抗させて位置あわせを行う。
次に、図18に示すように、本体基板110の他方の面110bと第2の透明基板122の一方の面とを第2の接合金属層152により接合する第1の接合工程を行う。具体的には、減圧チャンバー内に設置された本体基板110の他方の面110bと第2の透明基板122の一方の面とを接触させ加圧し、本体基板110と第2の透明基板122を160℃の温度まで加熱し、第2の接合金属層152を形成しているInを溶融させる。この後、冷却することによりInは凝固し、第2の接合金属層152により、本体基板110の他方の面110bと第2の透明基板122の一方の面とが接合される。この工程により、第1の開口部111と第2の開口部112との間は、第2の接合金属層開口部152cにより形成される連結部161により空間的に接続されている状態で、第1の開口部111及び第2の開口部112の周囲が密閉される。
次に、上述した場合と同様に、アルカリ金属発生剤140を加熱することによりアルカリ金属ガスを発生させ、第2の開口部112より、アルカリ金属ガスを連結部161を介し、第1の開口部111に拡散させた後、図19に示すように第2の接合工程を行う。具体的には、第1の透明基板121、本体基板110、第2の透明基板122が積層された積層体を接合装置に設置し、加圧しながら290℃の温度に加熱し、連結部161を遮断する。この工程においては、第1の接合金属層151を形成している第1の金属が溶融するため、第2の下地層132等に沿って、第1の金属が流動する。この結果、第2の接合金属層開口部152cが消失し、第1の接合金属層151を形成している第1の金属により連結部161が遮断され、第1の開口部111と第2の開口部112とが空間的に分離される。
この後、ダイシングにより第1の開口部111が形成されている領域を分離することにより、本変形例において、本実施の形態におけるアルカリ金属セルを形成することができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法について、図20及び図21に基づき説明する。本実施の形態は、本体基板110の他方の面110bに形成される第1の下地層231と第2の透明基板122の一方の面に形成される第2の下地層232の形状が、第1の実施の形態とは異なること以外、第1の実施の形態と同様である。よって、本実施の形態は、第1の実施の形態と同様の方法により製造することができる。
図20に、本実施の形態に用いられる本体基板110を示し、図21に第2の透明基板122を示す。尚、図20(a)は、この工程における上面図であり、図20(b)は、図20(a)における一点鎖線20A−20Bにおいて切断した断面図であり、図20(c)は、図20(a)における一点鎖線20C−20Dにおいて切断した断面図である。また、図21(a)は、この工程における上面図であり、図21(b)は、図21(a)における一点鎖線21A−21Bにおいて切断した断面図であり、図21(c)は、図21(a)における一点鎖線21C−21Dにおいて切断した断面図である。
本実施の形態における本体基板110は、他方の面110bに第1の下地層231が形成されている。第1の下地層231は、下地層周囲部231a、下地層中央部231bとを有しており、下地層中央部231bにおける中間部分となる下地層中間部231cにおいて、幅W9が狭くなっている。本実施の形態においては、下地層周囲部231aの幅W1は400μmである。下地層中央部231bは、下地層周囲部231aの近傍における幅W2は500μmであり、下地層中間部231cは幅W9が200μmと狭くなっている領域が、長さW10が100μmとなるように形成されている。
同様に、本実施の形態における第2の透明基板122は、一方の面に第2の下地層232が形成されている。第2の下地層232は、下地層周囲部232a、下地層中央部232bとを有しており、下地層中央部232bにおける中間部分となる下地層中間部232cにおいて、幅が狭くなっている。本実施の形態においては、第2の下地層232は第1の下地層231と対称となる形状で形成されている。
本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様の方法でアルカリ金属セルを作製することにより、本実施の形態におけるアルカリ金属セルを製造することができる。これにより、第1の開口部111にアルカリ金属とバッファガスが封入されている光路長L1が2mmの本実施の形態におけるアルカリ金属セルを得ることができる。
本実施の形態においては、下地層中央部231b及び232bの中間の下地層中間部231c及び232cにおいて、第1の下地層231及び第2の下地層232の幅が狭くなっている。よって、第2の接合工程において、連結部161を遮断する際、第1の接合金属層151が溶融した場合に、溶融した第1の接合金属層151を形成している第1の金属が周辺から流動し狭くなっている下地層中間部231c及び232cに溜まり易くなる。これにより、連結部161における遮断を容易に行うことができ、アルカリ金属セルの信頼性を向上させることができ、製造の際の歩留まりも向上させることができる。
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法について、図22及び図23に基づき説明する。本実施の形態は、本体基板110の他方の面110bに形成されている第1の下地層131の上に第2の接合金属層152を形成し、第2の透明基板122の一方の面に形成されている第2の下地層132の上に第1の接合金属層151を形成したものである。尚、上記以外については、本実施の形態は、第1の実施の形態と同様であり、本実施の形態におけるアルカリ金属セルは、第1の実施の形態と同様の方法により製造することができる。
図22には本実施の形態において用いられる本体基板110を示し、図23には第2の透明基板122を示す。尚、図22(a)は、この工程における上面図であり、図22(b)は、図22(a)における一点鎖線22A−22Bにおいて切断した断面図であり、図22(c)は、図22(a)における一点鎖線22C−22Dにおいて切断した断面図である。また、図23(a)は、この工程における上面図であり、図23(b)は、図23(a)における一点鎖線23A−23Bにおいて切断した断面図であり、図23(c)は、図23(a)における一点鎖線23C−23Dにおいて切断した断面図である。
本実施の形態においては、第1の接合金属層151は、第2の透明基板122の一方の面に形成されている第2の下地層132の上に形成されている。また、第2の接合金属層152は、本体基板110の他方の面110bに形成されている第1の下地層131の上に形成されている。
本実施の形態においては、第1の接合金属層151は膜厚が5μmのAg−90atm%In層により形成されており、第2の接合金属層152は膜厚が2μmのIn層により形成されている。尚、Ag−90atm%In合金の融点は、約220℃である。
本実施の形態においては、第1の接合工程における接合温度は160℃であり、連結部161を遮断する第2の接合工程における接合温度は230℃である。これにより、第1の開口部111にアルカリ金属とバッファガスが封入されている光路長L1が2mmの本実施の形態におけるアルカリ金属セルを得ることができる。
本実施の形態においては、第1の接合金属層151としてAg−90atm%In層を用い、第2の接合金属層152としてIn層を用いるため、第1及び第2の実施の形態よりも低い温度で、連結部161を遮断する第2の接合工程を行うことができる。従って、アルカリ金属セル内において、アルカリ金属とアルカリ金属セルの内壁のと反応を抑制することができ、より信頼性の高いアルカリ金属セルを得ることができる。
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法について、図24及び図25に基づき説明する。本実施の形態においては、本体基板110の他方の面110bには、第1の内側下地層311と第1の外側下地層312とが形成されており、第2の透明基板122の一方の面には、第2の内側下地層321と第2の外側下地層322とが形成されている。第1の内側下地層311は、第1の実施の形態における第1の下地層131と略同じ形状のものであり、第1の外側下地層312は、第1の内側下地層311の外側に形成されている。第2の内側下地層321は、第1の実施の形態における第2の下地層132と略同じ形状のものであり、第2の外側下地層322は、第2の内側下地層321の外側に形成されている。よって、第1の内側下地層311と第2の内側下地層321とは同じ形状で形成されており、第1の外側下地層312と第2の外側下地層322とは同じ形状で形成されている。
図24には本実施の形態において用いられる本体基板110を示し、図25には第2の透明基板122を示す。尚、図24(a)は、この工程における上面図であり、図24(b)は、図24(a)における一点鎖線24A−24Bにおいて切断した断面図であり、図24(c)は、図24(a)における一点鎖線24C−24Dにおいて切断した断面図である。また、図25(a)は、この工程における上面図であり、図25(b)は、図25(a)における一点鎖線25A−25Bにおいて切断した断面図であり、図25(c)は、図25(a)における一点鎖線25C−25Dにおいて切断した断面図である。
本実施の形態においては、第2の透明基板122の一方の面に形成された第2の内側下地層321の上に、第1の接合金属層151が形成されており、第2の外側下地層322の上に、第2の接合金属層152が形成されている。第1の接合金属層151は、第1の接合金属層周囲部151aと、第1の接合金属層周囲部151aと接続される第1の接合金属層中央部151bとを有している。また、第1の接合金属層151は、第1の接合金属層中央部151bの中程において、第1の接合金属層151が途切れており、このように第1の接合金属層151が形成されていない領域が、第1の接合金属層開口部151cとなる。
第2の接合金属層152は、第2の接合金属層周囲部152aを有しており、第1の接合金属層中央部等は形成されていない。尚、上記以外については、本実施の形態は、第1の実施の形態と同様であり、本実施の形態におけるアルカリ金属セルは、第1の実施の形態と同様の方法により製造される。図25に示されるように、第2の接合金属層152は、第1の接合金属層151の周囲を取り囲むように形成されている。
本実施の形態においては、第2の接合金属層152の膜厚は、第1の接合金属層151の膜厚よりも厚く形成されている。例えば、第1の接合金属層151の膜厚は5μmとなり、第2の接合金属層152の膜厚は15μmとなるように形成されている。
本実施の形態においては、第1の接合金属層151としてIn層が用いられ、第2の接合金属層152としてIn−10atm%Ga層が用いられる。尚、In−10atm%Ga合金の融点は約125℃である。従って、第1の接合工程における接合温度は130℃であり、連結部161を遮断する第2の接合工程における接合温度は160℃である。
本実施の形態においては、本体基板110の他方の面110bに、Au/Pt/Ti膜からなる金属積層膜により第1の内側下地層311及び第1の外側下地層312を形成する。第1の内側下地層311は、第1の実施の形態における第1の下地層131と同様に下地層周囲部311aと下地層周囲部311aに連結している下地層中央部311bとを有しており、切れ目なく形成されている。また、第1の外側下地層312は、第1の内側下地層311の周囲を取り囲むように、切れ目なく形成されている。第1の内側下地層311における下地層周囲部311aにおける幅W1は400μmであり、下地層中央部311bにおける幅W2は500μmである。また、第1の内側下地層311における下地層周囲部となる部分の幅W11は400μmである。
同様に、図25に示すように、第2の透明基板122の一方の面に、本体基板110の他方の面110bに形成される第1の内側下地層311及び第1の外側下地層312と面対称となる第2の内側下地層321及び第2の外側下地層322を形成されている。第2の内側下地層321は、第1の内側下地層311と同様に、下地層周囲部321aと下地層周囲部321aに連結している下地層中央部321bとを有しており、切れ目なく形成されている。尚、第2の内側下地層321及び第2の外側下地層322の形成方法は、第1の内側下地層311及び第1の外側下地層312と同様である。
次に、第2の透明基板122の一方の面に形成されている第2の内側下地層321の上に第1の接合金属層151を形成し、第2の外側下地層322の上に第2の接合金属層152を形成する。
第2の内側下地層321の上に形成される第1の接合金属層151は、膜厚が5μmのIn層により形成されており、第1の接合金属層周囲部151aと、第1の接合金属層周囲部151aと接続される第1の接合金属層中央部151bとを有している。また、第1の接合金属層151は、第1の接合金属層中央部151bの中程において、第1の接合金属層151が途切れており、このように第1の接合金属層151が形成されていない領域が、第1の接合金属層開口部151cとなる。
第2の外側下地層322の上に形成される第2の接合金属層152は、膜厚が15μmのIn−10atm%Ga層により形成されており、第2の接合金属層152における幅W12は200μmである。
次に、第2の開口部112にアルカリ金属発生剤140を設置し、本体基板110の他方の面110bと第2の透明基板122の一方の面とを接合する。
具体的には、図26に示すように、バッファガス雰囲気中において、プレフォーム基板における本体基板110の他方の面110bと第2の透明基板122の一方の面とを対抗させて位置あわせを行う。
次に、図27に示すように、本体基板110の他方の面110bと第2の透明基板122の一方の面とを第2の接合金属層152により接合する第1の接合工程を行う。具体的には、減圧チャンバー内に設置された本体基板110の他方の面110bと第2の透明基板122の一方の面とを接触させ加圧し、本体基板110と第2の透明基板122を130℃の温度まで加熱し、第2の接合金属層152を形成しているInを溶融させる。この後、冷却することによりInは凝固し、第2の接合金属層152により、本体基板110の他方の面110bと第2の透明基板122の一方の面とが接合される。この工程により、第1の開口部111と第2の開口部112との間は、第1の接合金属層開口部151cにより形成される連結部161により空間的に接続されている状態で、第1の開口部111及び第2の開口部112の周囲が密閉される。
次に、上述した場合と同様に、アルカリ金属発生剤140を加熱することによりアルカリ金属ガスを発生させ、第2の開口部112より、アルカリ金属ガスを連結部161を介し、第1の開口部111に拡散させた後、図28に示すように第2の接合工程を行う。具体的には、第1の透明基板121、本体基板110、第2の透明基板122が積層された積層体を接合装置に設置し、加圧しながら160℃の温度に加熱し、連結部161を遮断する。この工程においては、第1の接合金属層151を形成している第1の金属が溶融するため、第1の内側下地層311及び第2の内側下地層321に沿って、第1の金属が流動する。この結果、第1の接合金属層開口部151cが消失し、第1の接合金属層151を形成している第1の金属により連結部161が遮断され、第1の開口部111と第2の開口部112とが空間的に分離される。
この後、ダイシングにより第1の開口部111が形成されている領域を分離する。これにより、第1の開口部111にアルカリ金属とバッファガスが封入されている光路長L1が2mmの本実施の形態におけるアルカリ金属セルを得ることができる。
本実施の形態においては、第1の接合金属層151はIn層により、第2の接合金属層152はIn−10atm%Ga層により形成されている。よって、第1から第3の実施の形態よりも、低い温度で第2の接合工程を行うことができ、連結部161を遮断することができるため、アルカリ金属とアルカリ金属セルの内壁との反応を抑制することができ、より高い信頼性のアルカリ金属セルを得ることができる。
〔第5実施の形態〕
次に、第5の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1から第4の実施の形態において製造されたアルカリ金属セルを用いた原子発振器である。図29に基づき本実施の形態における原子発振器について説明する。本実施の形態における原子発振器は、CPT方式の小型原子発振器であり、光源610、コリメートレンズ620、λ/4波長板630、アルカリ金属セル640、光検出器650、変調器660を有している。
光源610は、面発光レーザ素子が用いられている。アルカリ金属セル640には、第1から第4の実施の形態のいずれかにおいて製造されたアルカリ金属セルであり、アルカリ金属としてCs(セシウム)原子ガスが封入されており、D1ラインの遷移を用いるものである。光検出器650には、フォトダイオードが用いられている。
本実施の形態のおける原子発振器では、光源610より出射された光をセシウム原子ガスが封入されたアルカリ金属セル640に照射し、セシウム原子を励起する。アルカリ金属セル640を透過した光は光検出器650において検出され、光検出器650において検出された信号は変調器660にフィードバックされ、変調器660により光源610における面発光レーザ素子を変調する。
図30に、CPTに関連する原子エネルギー準位の構造を示す。二つの基底準位から励起準位に同時にコヒーレント光を照射するとCPT共鳴状態になりアルカリ金属セルを透過する光の吸収率が低下することを利用する。面発光レーザは搬送波波長が894.6nmに近い素子を用いている。搬送波の波長は面発光レーザの温度、もしくは出力を変化させてチューニングすることができる。温度や出力を上げると長波長にシフトするため、アルカリ金属セルの光密度の変動は好ましくないので温度変化を利用するのが好ましい。具体的に、波長の温度依存性は0.05nm/℃程度で調整できる。図31に示すように、変調をかけることで搬送波の両側にサイドバンドが発生し、その周波数差がCs原子の固有振動数である9.2GHzに一致するように4.6GHzで変調させている。図32に示すように、励起されたCsガスを通過するレーザ光はサイドバンド周波数差がCs原子の固有周波数差に一致した時に最大となる。よって、光検出器650の出力が最大値を保持するように変調器660においてフィードバックして光源610における面発光レーザ素子の変調周波数を調整する。原子の固有振動数が極めて安定なので変調周波数は安定した値となり、この情報がアウトプットとして取り出される。尚、波長が894.6nmの場合では、±1nmの範囲の波長の光源が必要となる。即ち、893.6nm〜895.6nmの範囲の波長の光源が必要となる。
本実施の形態における原子発振器は第1から第4の実施の形態において製造されたアルカリ金属セルを用いているため、精度の高い原子発振器を低コストで作製し提供することができる。
また、本実施例ではアルカリ金属としてCsを用い、そのD1ラインの遷移を用いるために波長が894.6nmの面発光レーザを用いたが、CsのD2ラインを利用する場合は852.3nmを用いることもできる。また、アルカリ金属としてRb(ルビジウム)を用いることもでき、D1ラインを利用する場合は795.0nm、D2ラインを利用する場合は780.2nmを用いることができる。活性層の材料組成などは波長に応じて設計することができる。また、Rbを用いる場合の変調周波数は、87Rbでは3.4GHz、85Rbでは1.5GHzで変調させる。尚、これらの波長においても、±1nmの範囲の波長の光源が必要となる。即ち、CsのD2ラインを利用する場合は851.3nm〜853.3nmの範囲の波長の光源が必要となる。また、RbのD1ラインを利用する場合は794.0nm〜796.0nmの範囲の波長の光源が必要となる。また、RbのD2ラインを利用する場合は779.2nm〜781.2nmの範囲の波長の光源が必要となる。
また、図33は、本実施の形態における原子発振器の他の構造を示すものであり、光源610には、CsにおけるD1ライン遷移の波長894.35nmと同じ波長の単一モードで偏光が一定なレーザ光が出射されるVCSELが用いられている。アルカリ金属セル640は駆動電流により発生する磁界をキャンセルするように電流経路パターンを調整した2枚のITOヒータ641により挟まれている。また、地磁気などの磁気雑音をキャンセルする磁気シールドと、鋭いCPT共鳴信号のピークを得るためにセシウムの超微細準位にゼーマン分裂させる磁場を発生するためのコイルの図示は省略している。尚、λ/4波長板630とアルカリ金属セル640との間には、NDフィルター670が設けられている。
アルカリ金属セル640を透過した光は光検出器650によって検出され、光検出器650により検出された信号に基づき第1のロックインアンプ671において直流電流を数十kHzで変調される。この後、VCSEL駆動用電源672及びバイアスティー673を介し、光源610であるVCSELの出力波長を最大吸収波長にロックさせることができる。また、光検出器650により検出された信号に基づき第2のロックインアンプ674において数kHzの変調波を発生させる。この後、電圧制御水晶発振記(VCO)675、マイクロ波電源676を介し、CPT信号が時計遷移周波数の半分の周波数(νclock/2:4.596GHz)にロックさせることができる。
本実施の形態においては、量産性が高く、長期にわたり高い信頼性と高い精度で動作し消費電力が小さい原子発振器を得ることができる。
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
また、上記においては、作製したアルカリ金属セルをCPT方式をとる原子発振器に搭載する例について説明した。しかしながら、同じ原理を利用する量子干渉効果による光吸収特性により外部磁場による超微細構造エネルギー準位間のエネルギーを検出し外部磁場の強度を計測する磁気センサに搭載してもよい。
更に、第1から第4の実施の形態におけるアルカリ金属セルは、アルカリ金属原子の超微細構造エネルギー準位間の遷移を利用する他の原理を利用した原子時計や磁気センサに搭載してもよい。
110 本体基板
110a 一方の面
110b 他方の面
111 第1の開口部
112 第2の開口部
121 第1の透明基板
122 第2の透明基板
131 第1の下地層
131a 下地層周囲部
131b 下地層中央部
132 第2の下地層
132a 下地層周囲部
132b 下地層中央部
140 アルカリ金属発生剤
151 第1の接合金属層
151a 第1の接合金属層周囲部
151b 第1の接合金属層中央部
151c 第1の接合金属層開口部
152 第2の接合金属層
152a 第2の接合金属層周囲部
152b 第2の接合金属層中央部
152c 第2の接合金属層開口部
610 光源
620 コリメートレンズ
630 λ/4波長板
640 アルカリ金属セル
650 光検出器
660 変調器
米国特許出願公開第2005/0007118号明細書 米国特許第7400207号明細書
J. Kitching et al., IEEE Transactions on Instrumentation and Measurment, Vol.49(2000)pp.1313-1317 S. Knappe et al., Journal of the Optical Society of America B,Vol.18(2001)pp.1545-1553 L. Liew et al., Applied Physics Letters,Vol.84(2004)pp.2694-2696 S. Knappe et al., Optics Letters,Vol.30(2005)pp.2351-2353 L. Nieradko et al., Journal of Micro/Nanolith. MEMS MOEMS 7(3), (2008)033013

Claims (10)

  1. 基板に前記基板を貫通する第1の開口部と、第2の開口部とを形成する工程と、
    前記基板の一方の面に第1の透明基板を接合する工程と、
    前記第2の開口部にアルカリ金属を含む化合物を設置する工程と、
    前記基板の他方の面、または前記基板の他方の面に接合される第2の透明基板の一方の面において、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間に対応する部分に、第1の金属により第1の接合金属層を形成する工程と、
    前記基板の他方の面、または前記第2の透明基板の一方の面において、前記第1の開口部及び前記第2の開口部の周囲に対応する部分に、第2の金属により第2の接合金属層を形成する工程と、
    前記基板の他方の面と前記第2の透明基板の一方の面とを第2の接合金属層により接合することにより、前記第1の接合金属層または前記第2の接合金属層が形成されていない部分により形成される連結部により前記第1の開口部と前記第2の開口部とが空間的に接続されている状態で、前記第1の開口部及び前記第2の開口部の周囲を接合して密閉する第1の接合工程と、
    前記アルカリ金属を含む化合物よりアルカリ金属を発生させて、前記第2の開口部より前記連結部を介し、前記第1の開口部に前記アルカリ金属を供給する工程と、
    前記第1の開口部に前記アルカリ金属を供給した後、前記第1の接合金属層における前記第1の金属により前記連結部を塞ぎ、前記基板と前記第2の透明基板とを接合する第2の接合工程と、
    を有し、
    前記第2の金属は前記第1の金属よりも融点の低い材料により形成されることを特徴とするアルカリ金属セルの製造方法。
  2. 前記第1の接合金属層は、前記第1の開口部及び前記第2の開口部の周囲に対応する部分に形成される第1の接合金属層周囲部と、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間に対応する部分に形成される第1の接合金属層中央部とを有しており、
    前記第1の接合金属層中央部において、前記第1の接合金属層が形成されていない第1の接合金属層開口部が形成されており、
    前記第2の接合金属層は、前記第1の開口部及び前記第2の開口部の周囲に対応する部分に形成される第2の接合金属層周囲部と、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間に対応する部分に形成される第2の接合金属層中央部とを有しており、
    前記第2の接合金属層中央部において、前記第2の接合金属層が形成されていない第2の接合金属層開口部が形成されており、
    前記第1の接合工程において形成される前記連結部は、前記第1の接合金属層開口部及び前記第2の接合金属層開口部により形成されるものであることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ金属セルの製造方法。
  3. 前記第1の接合金属層は、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間に対応する部分に形成される第1の接合金属層中央部を有しており、
    前記第1の接合金属層中央部において、前記第1の接合金属層が形成されていない第1の接合金属層開口部が形成されており、
    前記第2の接合金属層は、前記第1の開口部及び前記第2の開口部の周囲に対応する部分に形成される第2の接合金属層周囲部を有しており、
    前記第1の接合工程において形成される前記連結部は、前記第1の接合金属層開口部により形成されるものであることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ金属セルの製造方法。
  4. 前記第1の接合金属層は、前記第1の開口部及び前記第2の開口部の周囲に対応する部分に形成される第1の接合金属層周囲部と、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間に対応する部分に形成される第1の接合金属層中央部とを有しており、
    前記第2の接合金属層は、前記第1の開口部及び前記第2の開口部の周囲に対応する部分に形成される第2の接合金属層周囲部と、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間に対応する部分に形成される第2の接合金属層中央部とを有しており、
    前記第2の接合金属層中央部において、前記第2の接合金属層が形成されていない第2の接合金属層開口部が形成されており、
    前記第1の接合工程において形成される前記連結部は、前記第2の接合金属層開口部により形成されるものであることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ金属セルの製造方法。
  5. 前記第1の接合金属層は、前記第1の開口部及び前記第2の開口部の周囲に対応する部分に形成される第1の接合金属層周囲部と、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間に対応する部分に形成される第1の接合金属層中央部とを有しており、
    前記第1の接合金属層中央部において、前記第1の接合金属層が形成されていない第1の接合金属層開口部が形成されており、
    前記第2の接合金属層は、前記第1の接合金属層の周囲に対応する部分に形成される第2の接合金属層周囲部を有しており、
    前記第1の接合工程において形成される前記連結部は、前記第1の接合金属層開口部により形成されるものであることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ金属セルの製造方法。
  6. 前記第1の接合金属層及び前記第2の接合金属層は、前記基板または前記第2の透明基板の一方の面に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のアルカリ金属セルの製造方法。
  7. 前記第1の接合金属層及び前記第2の接合金属層のうちのいずれか一方は前記第2の透明基板の一方の面に形成されており、他方は基板の他方の面に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のアルカリ金属セルの製造方法。
  8. 前記基板において、前記第1の接合金属層または前記第2の接合金属層により接合される部分には、金属材料により第1の下地層が形成されており、
    前記第2の透明基板において、前記第1の接合金属層または前記第2の接合金属層により接合される部分には、金属材料により第2の下地層が形成されており、
    前記第1の接合金属層及び前記第2の接合金属層は、前記第1の下地層または前記第2の下地層の上に形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のアルカリ金属セルの製造方法。
  9. 前記基板において、前記第1の接合金属層または前記第2の接合金属層により接合される部分には、金属材料により第1の下地層が形成されており、
    前記第2の透明基板において、前記第1の接合金属層または前記第2の接合金属層により接合される部分には、金属材料により第2の下地層が形成されており、
    前記第1の接合金属層及び前記第2の接合金属層のうちのいずれか一方は前記第2の下地層の上に形成されており、他方は前記第1の下地層の上に形成されていることを特徴とする請求項7に記載のアルカリ金属セルの製造方法。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載のアルカリ金属セルの製造方法によりアルカリ金属セルを作製する工程と、
    前記アルカリ金属セルにレーザ光を照射する光源、及び前記光源より前記アルカリ金属セルに照射されたレーザ光のうち前記アルカリ金属セルを透過した光を検出する光検出器を設置する工程と、
    を有することを特徴とする原子発振器の製造方法。
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