JP6160065B2 - アルカリ金属セル、原子発振器及びアルカリ金属セルの製造方法 - Google Patents

アルカリ金属セル、原子発振器及びアルカリ金属セルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルカリ金属セル、原子発振器及びアルカリ金属セルの製造方法に関する。
極めて正確な時間を計る時計として原子時計(原子発振器)があり、この原子時計を小型化する技術等の検討がなされている。原子時計とは、アルカリ金属等の原子を構成している電子の遷移エネルギー量を基準とする発振器であり、特に、アルカリ金属の原子における電子の遷移エネルギーは外乱がない状態では、非常に精密な値が得られるため、水晶発振器に比べて、数桁高い周波数安定性を得ることができる。
このような原子時計には、幾つかの方式があるが、中でも、CPT(Coherent Population Trapping)方式の原子時計は、従来の水晶発振器に比べて周波数安定性が3桁程度高く、また、超小型、超低消費電力を望むことができる(非特許文献1、2)。
CPT方式の原子時計では、図1に示すように、レーザ素子等の光源910と、アルカリ金属を封入したアルカリ金属セル940と、アルカリ金属セル940を透過したレーザ光を受光する光検出器950とを有しており、レーザ光は変調され、特定波長である搬送波の両側に出現するサイドバンド波長により、アルカリ金属原子における電子の2つの遷移を同時に行ない、励起する。この遷移における遷移エネルギーは不変であり、レーザ光のサイドバンド波長と遷移エネルギーに対応する波長とが一致したときに、アルカリ金属における光の吸収率が低下する透明化現象が生じる。このように、アルカリ金属による光の吸収率が低下するように、搬送波の波長を調整するとともに、光検出器950において検出された信号を変調器960にフィードバックし、変調器960によりレーザ素子等の光源910からのレーザ光の変調周波数を調整することを特徴とした原子時計である。尚、レーザ光は、光源910より発せられ、コリメートレンズ920及びλ/4板930を介し、アルカリ金属セル940に照射される。
このような超小型の原子時計におけるアルカリ金属セルとして、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて生産する方法が開示されている(特許文献1〜4)。これらに開示されている方法では、最初に、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術によりSi基板に開口部を形成した後、陽極接合によりガラスとSi基板とを接合する。陽極接合は、200℃〜450℃の温度で、ガラスとSi基板との界面に250V〜1000V程度の電圧を印加することにより行なわれる。この後、アルカリ金属とバッファガスを入れて、上面となる開口部分にガラスを陽極接合により接合することにより封止する。このようにして形成されたものをセルごとに切り出すことにより、アルカリ金属セルが形成される。
アルカリ金属をセル内に封入する方法としては、Cs(セシウム)メタルを真空中で直接投下し封入する方法(非特許文献3)、BaN水溶液にCsClを混合した溶液をセル内に投入し、セルを封止した後、200℃で反応させてCsメタルを生成する方法(非特許文献3)、ヒータ付きアンプル中でBaN+CsClを反応させてCsメタルを発生させてセル中に蒸発させて移す方法(非特許文献4)、通常の蒸着法でセル中にCsNを成膜しセルを封止した後、UV光を照射しCsとNを発生させる方法(非特許文献5)、大気中で安定なCsディスペンサーをセル内に投入しセルを封止した後、Csディスペンサーのみにレーザ光を照射して加熱し、Csを発生させる方法(非特許文献6)等がある。
ところで、陽極接合によりセルを封止する場合、陽極接合において発生する酸素、OH、HO等が、セル内のアルカリ金属と反応し、例えば、Csの場合では、Cs等が生成されるため、レーザ光の透過度が変動し、周波数シフトが生じてしまい、周波数の短期安定度を劣化させるという問題点がある。
また、非特許文献6に記載されている方法では、セル内部に残されたCsを発生させた後のCsディスペンサーがセル内のガスを吸着するため、セル内部の圧力が変動し、これにより周波数シフトが生じてしまい、周波数発振器としての長期信頼性を損なうという問題点がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、アルカリ金属セル内において、酸素等の不純物が少なく、Csの供給源となった材料が含まれないようにすることにより、信頼性が高く、安定度の高いアルカリ金属セル及び原子発振器を提供することを目的とするものである。
本実施の形態の一観点によれば、一方の面から他方の面に貫通する開口部が形成された基板と、前記基板の他方の面に接合された第1の透明基板と、前記基板の一方の面に接合された第2の透明基板と、を有し、前記基板の開口部において、前記第1の透明基板と前記第2の透明基板とにより囲まれた空間にはアルカリ金属が封入されており、前記基板と前記第2の透明基板とは、第1の接合金属により形成された第1の接合金属層と、第2の接合金属により形成された第2の接合金属層とによる接合により、前記空間が密閉されており、前記第2の接合金属は、前記第1の接合金属よりも溶融温度が高く、前記基板の一方の面には、前記開口部につながる溝部が形成されており、前記基板は、前記溝部において前記第2の接合金属層により前記第2の透明基板と接合されており、前記第1の接合金属は、AuSnを含む材料により形成されていることを特徴とする。
また、本実施の形態の他の一観点によれば、一方の面から他方の面に貫通する開口部が形成された基板と、前記基板の他方の面に接合された第1の透明基板と、前記基板の一方の面に接合された第2の透明基板と、を有し、前記基板の開口部において、前記第1の透明基板と前記第2の透明基板とにより囲まれた空間にはアルカリ金属が封入されており、前記基板と前記第2の透明基板とは、第1の接合金属により形成された第1の接合金属層と、第2の接合金属により形成された第2の接合金属層とによる接合により、前記空間が密閉されており、前記第2の接合金属は、前記第1の接合金属よりも溶融温度が高く、前記基板の一方の面には、前記開口部につながる溝部が形成されており、前記基板は、前記溝部において前記第2の接合金属層により前記第2の透明基板と接合されており、前記第1の接合金属及び前記第2の接合金属は、ともにAuSnを含む材料により形成されており、前記第1の接合金属は、前記第2の接合金属よりもSnが多く含まれていることを特徴とする。
また、本実施の形態の他の一観点によれば、基板に前記基板を貫通する2以上の開口部と、前記基板の一方の面に前記2つの開口部を空間的に接続する溝部を形成する工程と、前記基板の他方の面に第1の透明基板を接合する工程と、前記開口部のうちの一の開口部にアルカリ金属を含む化合物を設置する工程と、前記基板の一方の面の前記2以上の開口部の周囲、または、第2の透明基板の一方の面において前記2以上の開口部の周囲に対応する部分に、第1の接合金属により形成された第1の接合金属層を形成する工程と、前記基板の溝部、または、前記第2の透明基板の一方の面において前記溝部に対応する部分に、第2の接合金属により形成された第2の接合金属層を形成する工程と、前記基板の一方の面と前記第2の透明基板の一方の面とを第1の接合金属層により接合する工程と、前記アルカリ金属を含む化合物よりアルカリ金属を発生させて、前記一の開口部より前記溝部を介し、他の開口部に前記アルカリ金属を供給する工程と、前記他の開口部に前記アルカリ金属を供給した後、前記溝部において前記第2の接合金属層により、前記基板と前記第2の透明基板とを接合する工程と、を有し、前記第1の接合金属及び前記第2の接合金属は、AuSn、AuGe、AuSiのうちのいずれかを含む材料であることを特徴とする。
また、本実施の形態の他の一観点によれば、基板の一方の面に前記基板を貫通しない一の開口部と、前記基板を貫通する他の開口部と、前記基板の一方の面に前記一の開口部と前記他の開口部とを空間的に接続する溝部を形成する工程と、前記基板の他方の面に第1の透明基板を接合する工程と、前記一の開口部にアルカリ金属を含む化合物を設置する工程と、前記基板の一方の面の前記一の開口部及び前記他の開口部の周囲、または、第2の透明基板の一方の面において前記一の開口部及び前記他の開口部の周囲に対応する部分に、第1の接合金属により形成された第1の接合金属層を形成する工程と、前記基板の溝部、または、前記第2の透明基板の一方の面において前記溝部に対応する部分に、第2の接合金属により形成された第2の接合金属層を形成する工程と、前記基板の一方の面と前記第2の透明基板の一方の面とを第1の接合金属層により接合する工程と、前記アルカリ金属を含む化合物よりアルカリ金属を発生させて、前記一の開口部より前記溝部を介し、前記他の開口部に前記アルカリ金属を供給する工程と、前記他の開口部に前記アルカリ金属を供給した後、前記溝部において前記第2の接合金属層により、前記基板と前記第2の透明基板とを接合する工程と、を有し、前記第1の接合金属及び前記第2の接合金属は、AuSn、AuGe、AuSiのうちのいずれかを含む材料であることを特徴とする。
本発明によれば、信頼性が高く、安定度の高いアルカリ金属セル及び原子発振器を提供することができる。
原子発振器の説明図 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(1) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(2) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(3) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(4) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(5) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(6) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(7) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(8) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(9) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(10) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(11) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(12) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の工程図(13) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの構造図 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の説明図 第2の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の説明図(1) 第2の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の説明図(2) 第2の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の説明図(3) 第2の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の説明図(4) 第2の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の説明図(5) 第2の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の説明図(6) 第3の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の説明図 第4の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の説明図(1) 第4の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の説明図(2) 第4の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の説明図(3) 第4の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の説明図(4) 第4の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の説明図(5) 第5の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の説明図(1) 第5の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法の説明図(2) 第6の実施の形態における原子発振器の説明図 第6の実施の形態における原子発振器の構造図 CPT方式を説明する原子エネルギー準位の説明図 面発光レーザ変調時における出力波長の説明図 変調周波数と透過光量との相関図
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態におけるアルカリ金属セル及びアルカリ金属セルの製造方法について、図2から図14に基づき説明する。
最初に、図2に示されるように、Si(シリコン)基板110を準備する。このSi基板110は、厚さが1.5mmであり、両面が鏡面加工されている。尚、図2(a)は、この工程における上面図であり、図2(b)は、図2(a)における一点鎖線2A−2Bにおいて切断した断面図である。
次に、図3に示されるように、Si基板110に、2つの開口部、即ち、第1の開口部111、第2の開口部112と、第1の開口部111と第2の開口部112との間に溝部113を形成する。Si基板110に形成される第1の開口部111、第2の開口部112はSi基板110を貫通しており、溝部113はSi基板110の一方の面にのみ形成され、Si基板110を貫通してはいない。本実施の形態においては、第1の開口部111を一の開口部と、第2の開口部112を他の開口部と記載する場合がある。尚、図3(a)は、この工程における上面図であり、図3(b)は、図3(a)における一点鎖線3A−3Bにおいて切断した断面図である。
具体的には、Si基板110の一方の面にフォトレジストを塗布し露光装置による露光、現像を行うことにより、第1の開口部111、第2の開口部112及び溝部113が形成される領域に開口を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、ICP(Inductively Coupled Plasma)エッチング等のドライエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域におけるSiをSi基板110の厚さの半分の深さまで除去し、窪みを形成する。これにより、Si基板110の一方の面には、第1の開口部111、第2の開口部112の一部が形成されるとともに、溝部113が形成される。
この後、Si基板110の他方の面にフォトレジストを塗布し露光装置による露光、現像を行うことにより、第1の開口部111、第2の開口部112が形成される領域に開口を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、ICPエッチング等のドライエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域のSiを除去し、Si基板110を貫通させることにより、第1の開口部111、第2の開口部112を形成する。尚、溝部113はSi基板110の一方の面にのみ形成されているため、Si基板110を貫通してはいない。Si基板110におけるドライエッチングは、SFとCとを交互に供給することによりエッチングを行うボッシュプロセスにより行う。ボッシュプロセスでは、Si基板110において、異方性の高いエッチングを高速で行うことができる。このICPエッチングにおいて印加されるパワーは2kWである。
また、第1の開口部111、第2の開口部112及び溝部113は、上述したドライエッチング以外にも、ウェットエッチングにより形成することも可能である。具体的には、Si基板110の両面に減圧CVD(Chemical Vapor Deposition)により、不図示のSiN膜を成膜する。この後、成膜されたSiN膜の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行う。これにより、Si基板110一方の面には、第1の開口部111、第2の開口部112及び溝部113が形成される領域に開口を有する不図示のレジストパターンを形成される。また、他方の面には、第1の開口部111、第2の開口部112が形成される領域に開口を有する不図示のレジストパターンを形成する。
この後、エッチングガスとしてCFを用いたドライエッチングを行うことにより、レジストパターンが形成されていない領域におけるSiN膜を除去し、更に、不図示のレジストパターンを除去する。この後、85℃の温度で、KOH(30wt%)溶液を用いてウェットエッチングを行うことにより、Si基板110において、SiN膜の形成されていない領域のSiを除去し、第1の開口部111及び第2の開口部112、溝部113を形成する。この際、第1の開口部111、第2の開口部112は、Si基板110の一方の面と他方の面の両面より除去されるため、Si基板110を貫通させることができる。尚、溝部113は、Si基板110の一方の面より除去されるためSi基板110を貫通してはいない。この後、SiN膜はSiNを除去するための溶液を用いたウェットエッチング、または、ドライエッチングにより除去する。この際行われるSi基板110のウェットエッチングは、異方性エッチングであり、形成された第1の開口部111、第2の開口部112及び溝部113の側面には、傾斜角54.7°の逆傾斜が形成される場合がある。
次に、図4に示されるように、Si基板110の他方の面に第1の透明基板である第1のガラス基板121を陽極接合により接合する。具体的には、減圧チャンバー内において、Si基板110の他方の面に第1のガラス基板121を接触させて、380℃の温度で、第1のガラス基板121に−800Vを印加することにより陽極接合する。これにより、Si基板110に形成された第1の開口部111、第2の開口部112の他方の面の側は、第1のガラス基板121により塞がれる。この工程においては、未だアルカリ金属材料等は設置されていないため、陽極接合により生じた酸素等によりアルカリ金属が酸化させることはない。上記においては、陽極接合の場合について説明したが、陽極接合に代えて、直接接合によりSi基板110の他方の面と第1のガラス基板121とを接合してもよい。尚、図4(a)は、この工程における上面図であり、図4(b)は、図4(a)における一点鎖線4A−4Bにおいて切断した断面図である。
次に、図5に示されるように、Si基板110の一方の面に、後述する接合部金属膜が形成される領域に開口部161aを有するレジストパターン161を形成する。具体的には、Si基板110の一方の面にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、開口部161aを有するレジストパターン161を形成する。レジストパターンを形成する際には、Si基板110に形成された第1の開口部111及び第2の開口部112の内側の壁面に沿って漏れなくフォトレジストを塗布するため、フォトレジストとガスとを混合した液体を吹き付けるスプレーコートを用いてもよい。尚、図5(a)は、この工程における上面図であり、図5(b)は、図5(a)における一点鎖線5A−5Bにおいて切断した断面図である。
次に、図6に示されるように、Si基板110の一方の面に、接合部金属膜131を形成する。具体的には、レジストパターン161が形成されている面に、スパッタリングまたは真空蒸着等によりAu:700nm/Cr:10nmからなる金属積層膜を成膜する。この後、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターン161の上に形成された金属積層膜をレジストパターン161とともにリフトオフにより除去し、残存する金属積層膜により接合部金属膜131を形成する。尚、図6(a)は、この工程における上面図であり、図6(b)は、図6(a)における一点鎖線6A−6Bにおいて切断した断面図であり、図6(c)は、図6(a)における一点鎖線6C−6Dにおいて切断した断面図である。
次に、図7に示されるように、Si基板110に形成された第1の開口部111における第1のガラス基板121の上に、CsまたはRb等のアルカリ金属を含む化合物140であるCsディスペンサーを設置する。本実施の形態においては、このようにアルカリ金属を含む化合物材料140が設置される第1の開口部111により形成される領域を原料室と記載する場合がある。尚、図7(a)は、この工程における上面図であり、図7(b)は、図7(a)における一点鎖線7A−7Bにおいて切断した断面図である。
次に、図8に示されるように、第2の透明基板である第2のガラス基板122を準備し、第2のガラス基板122の一方の面に、接合部金属膜132を形成する。具体的には、第2のガラス基板122の一方の面にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、接合部金属膜132が形成される領域に開口を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンが形成されている面に、スパッタリングまたは真空蒸着等によりAu:700nm/Cr:10nmからなる金属積層膜を成膜する。この後、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に形成された金属積層膜をレジストパターンとともにリフトオフにより除去し、第2のガラス基板122の一方の面に残存する金属積層膜により接合部金属膜132を形成する。このように形成された接合部金属膜132は、Si基板110の一方の面に形成された接合部金属膜131と対応する位置となるように形成されている。尚、図8(a)は、この工程における上面図であり、図8(b)は、図8(a)における一点鎖線8A−8Bにおいて切断した断面図であり、図8(c)は、図8(a)における一点鎖線8C−8Dにおいて切断した断面図である。
次に、図9に示されるように、第2のガラス基板122の接合部金属膜132の上に、第1の接合金属により形成された第1の接合金属層151を形成する。本実施の形態においては、第1の接合金属層151は、溶融温度が217℃であるAuSn(重量比がAu:Sn=10:90)合金により形成されている。
具体的には、接合部金属膜132が形成されている第2のガラス基板122の一方の面にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、第1の接合金属層151が形成される領域に開口を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、真空蒸着またはスパッタリングにより、AuSn(重量比がAu:Sn=10:90)からなる金属膜を成膜した後、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に形成された金属膜をレジストパターンとともにリフトオフにより除去する。これにより、第2のガラス基板122の一方の面において、接合部金属膜132の上に、第1の接合金属層151を形成する。このように形成された第1の接合金属層151は、幅が約20μmであって、厚さが約20μmである。尚、図9(a)は、この工程における上面図であり、図9(b)は、図9(a)における一点鎖線9A−9Bにおいて切断した断面図であり、図9(c)は、図9(a)における一点鎖線9C−9Dにおいて切断した断面図である。
次に、図10に示されるように、第2のガラス基板122において、Si基板110における溝部113に対応する部分に、第2の接合金属により形成された第2の接合金属層152を形成する。本実施の形態においては、第2の接合金属層152は、溶融温度が約280℃であるAuSn(重量比がAu:Sn=80:20)合金により形成されている。
具体的には、接合部金属膜132が形成されている第2のガラス基板122の一方の面にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、第2の接合金属層152が形成される領域に開口を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、真空蒸着またはスパッタリングにより、AuSn(重量比がAu:Sn=80:20)からなる金属膜を成膜した後、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に形成された金属膜をレジストパターンとともにリフトオフにより除去する。これにより、第2のガラス基板122の一方の面において、Si基板110の溝部113に対応する部分に、第2の接合金属層152を形成する。このように形成された第2の接合金属層152は、幅が約20μmであって、厚さが約20μmである。尚、図10(a)は、この工程における上面図であり、図10(b)は、図10(a)における一点鎖線10A−10Bにおいて切断した断面図であり、図10(c)は、図10(a)における一点鎖線10C−10Dにおいて切断した断面図である。
次に、図11に示されるように、Si基板110の一方の面と第2のガラス基板122の一方の面とを第1の接合金属層151により接合する。尚、図11(a)は、この工程における上面図であり、図11(b)は、図11(a)における一点鎖線11A−11Bにおいて切断した断面図であり、図11(c)は、図11(a)における一点鎖線11C−11Dにおいて切断した断面図である。
具体的には、バッファガスとなる窒素ガスを導入して窒素雰囲気となっている真空チャンバー内において、Si基板110の一方の面に形成された接合部金属膜131と、第2のガラス基板122の一方の面に形成された第2の接合金属膜152とを接触させる。この後、217℃以上の温度、例えば、230℃の温度で30分間加圧する。これにより、Si基板110の一方の面と第2のガラス基板122の一方の面とは、第1の接合金属層151により接合される。このようにして、Si基板110における第1の開口部111及び第2の開口部112の一方の面の側は、第2のガラス基板122が第1の接合金属層151により接合され、第2のガラス基板122により塞がれる。これにより、第1の開口部111と第2の開口部112と溝部113からなる密閉された空間が形成される。
このようなAuSn(重量比がAu:Sn=10:90)を用いた接合では、接合の際に、酸素等のガスが発生することはないため、アルカリ金属を含む化合物140が入れられている第1の開口部111内に酸素等の不純物が入り込むことはない。
尚、第1の接合金属層151における接合温度(約230℃)では、第2の接合金属層152を形成している第2の接合金属の溶融温度が280℃であるため、第2の接合金属層152が溶けることはない。よって、第2のガラス基板122には第2の接合金属層152が形成されているが、第1の開口部111による空間と第2の開口部112による空間とが溝部113を介し空間的につながっている状態が維持される。
次に、図12に示されるように、第1の開口部111に設置されているアルカリ金属を含む化合物140よりアルカリ金属の気体を発生させる。尚、図12(a)は、この工程における上面図であり、図12(b)は、図12(a)における一点鎖線12A−12Bにおいて切断した断面図である。
具体的には、アルカリ金属を含む化合物140として、大気中で安定なCsディスペンサーを用いる場合には、第1の開口部111に設置されているCsディスペンサーにレーザ光を照射することにより加熱し、アルカリ金属ガスであるCsの気体を発生させる。尚、照射されるレーザ光は、アルカリ金属を含む化合物140に集光して加熱するため、溶融温度が280℃である第2の接合金属が溶けることはない。アルカリ金属を含む化合物140に含まれるCsの融点は約28℃であり、レーザ光を照射し、アルカリ金属を含む化合物140を融点以上に加熱することにより、Csは液体及び気体となる。気体等となったCsは、溝部113を通り、第2の開口部112に入り込む。尚、上記では、アルカリ金属を含む化合物140にレーザ光を照射してアルカリ金属を発生させる場合について説明したが、アルカリ金属を含む化合物140を加熱することにより、または、紫外光(UV光)照射することにより、アルカリ金属を発生させてもよい。
次に、図13に示されるように、第2のガラス基板122に形成されている第2の接合金属層152を280℃以上の接合温度に加熱し溶融させた後、冷却することにより第2の接合金属層152により溝部113を塞ぐ。これにより、第1の開口部111における空間と第2の開口部112における空間との間は塞がれ、空間的に分離される。第2の接合金属層152を形成している第2の接合金属であるAuSn(重量比がAu:Sn=80:20)合金は、ろう材の一種でぬれ性がよい。従って、第2の接合金属であるAuSn(重量比がAu:Sn=80:20)合金が加熱されて液体になると、金属材料により形成されている接合部金属膜131及び132に濡れ広がりやすくなる。従って、第2の接合金属層152を280℃以上に加熱した後、冷却することにより容易に、溝部113を塞ぐことができる。この際、第1の接合金属層151が溶融されることを防ぐため、第2の接合金属層152が形成されている部分にレーザ光を照射、または、この部分のみを部分加熱することができる方法により加熱することが好ましい。尚、図13(a)は、この工程における上面図であり、図13(b)は、図13(a)における一点鎖線13A−13Bにおいて切断した断面図であり、図13(c)は、図13(a)における一点鎖線13C−13Dにおいて切断した断面図である。
次に、図14に示すように、第1の開口部111が形成された領域と第2の開口部112が形成された領域とをダイシング等により切断し分離する。尚、図14(a)は、この工程における上面図であり、図14(b)は、図14(a)における一点鎖線14A−14Bにおいて切断した断面図である。
このように分離された第2の開口部112が形成された領域により、本実施の形態におけるアルカリ金属セルが形成される。このような工程により作製されたアルカリ金属セルは、第2の開口部112であるセルの内部に含まれる酸素等の不純物の量が少ないため、原子発振器に用いた場合、信頼性が高く、安定度の高い原子発振器となる。
また、例えば、アルカリ金属セルの内部に、アルカリ金属を放出した後のアルカリ金属を含む化合物140が残っていると、アルカリ金属セルの内部における気体を吸着しアルカリ金属セルの内部の圧力を変化させる場合があり、この場合、信頼性が低下してしまう。しかしながら、本実施の形態におけるアルカリ金属セルの内部には、アルカリ金属を放出した後のアルカリ金属を含む化合物140が含まれていないため、第2の開口部112により形成されるセルの内部の圧力を長期的に一定に保つことができる。
図15に、本実施の形態におけるアルカリ金属セルを示す。本実施の形態におけるアルカリ金属セルは、セルの内部が第2の開口部112により形成されており、Si基板110の他方の面には、第1のガラス基板121が陽極接合により接合されている。また、Si基板110の一方の面には、第2のガラス基板122が第1の接合金属により形成された第1の接合金属層151と第2の接合金属により形成された第2の接合金属層152により接合されている。ここで、第1の接合金属層151を形成している第1の接合金属の溶融温度は217℃であり、第2の接合金属層152を形成している第2の接合金属の溶融温度は280℃である。よって、第1の接合金属層151を形成している第1の接合金属の接合温度よりも、第2の接合金属層152を形成している第2の接合金属の接合温度の方が高い。
第1の接合金属には、AuSn(重量比がAu:Sn=10:90)、AuSn(重量比がAu:Sn=80:20)等を用いることができる。また、第2の接合金属には、AuSn(重量比がAu:Sn=80:20)、AuGe(重量比がAu:Ge=87.5:12.5)、AuSi(重量比がAu:Ge=96.8:3.2)等を用いることができる。尚、AuGe(重量比がAu:Ge=87.5:12.5)の溶融温度は361℃、AuSi(重量比がAu:Ge=96.8:3.2)の溶融温度は363℃である。本実施の形態においては、第1の接合金属層151を形成している第1の接合金属の接合温度よりも、第2の接合金属層152を形成している第2の接合金属の接合温度が高くなるような材料の組み合わせであればよい。
例えば、第1の接合金属に、AuSn(重量比がAu:Sn=10:90)を用いた場合には、第2の接合金属には、AuSn(重量比がAu:Sn=80:20)、AuGe(重量比がAu:Ge=87.5:12.5)、AuSi(重量比がAu:Ge=96.8:3.2)等を用いることができる。また、第1の接合金属に、AuSn(重量比がAu:Sn=80:20)を用いた場合には、第2の接合金属には、AuGe(重量比がAu:Ge=87.5:12.5)、AuSi(重量比がAu:Ge=96.8:3.2)等を用いることができる。また、第1の接合金属及び第2の接合金属に、ともにAuSnを用いた場合、第1の接合金属にはAuSn(重量比がAu:Sn=10:90)が用いられ、第2の接合金属にはAuSn(重量比がAu:Sn=80:20)が用いられる。この場合においては、第1の接合金属は、第2の接合金属よりも、Snが多く含まれている。
また、上述したように、アルカリ金属セルを含む化合物140を第1の開口部111により形成されるセル内部に封入する際には、真空中で封入するのではなく、窒素等のバッファガスとともに封入することが好ましい。セルの内部におけるアルカリ金属原子は、セルの壁に衝突するとアルカリ金属原子の内部状態が変化してしまい、原子発振器に用いた場合に周波数安定度が低下してしまう。このため、セルの内部に窒素等のバッファガスを封入することにより、アルカリ金属原子がセルの内部の壁に衝突する確率を低くすることができるため、周波数安定度の低下を抑制することができる。バッファガスとしては、不活性ガスが好ましく、例えば、窒素、ネオン、アルゴン、ネオンとアルゴンの混合ガス等が挙げられる。
また、本実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法において、図5に示される開口部161aを有するレジストパターン161に代えて、図16に示される開口部162aを有するレジストパターン162を用いてもよい。このようなレジストパターン162は、ドライフィルムレジストを用いることにより形成することができる。具体的には、Si基板110の一方の面にドライフィルムレジストを貼り付け、露光装置による露光、現像を行うことにより、接合部金属膜131が形成される領域に開口部162aを有するレジストパターン162を形成することができる。この後の工程については、図6に示されるように、レジストパターン162が形成されている面に、スパッタリングまたは真空蒸着等によりAu:700nm/Cr:10nmからなる金属積層膜を成膜する。この後、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターン162の上に形成された金属積層膜をレジストパターン162とともにリフトオフにより除去し、残存する金属積層膜により接合部金属膜131を形成することができる。
また、第1の接合金属層151は、Si基板110の一方の面に形成されたものであってもよく、上述したように、第2のガラス基板122の一方の面に形成されたものであってもよい。また、第2の接合金属層152は、Si基板110の溝部113に形成されたものであってもよく、上述したように、第2のガラス基板122の一方の面において、溝部113に対応する部分に形成されたものであってもよい。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法及びアルカリ金属セルは、ダイシングにより切断する場合を考慮して、Si基板110の溝部113に対応する部分の2ヶ所に、第2の接合金属層152を形成するものである。
最初に、図17に示されるように、Si基板110の他方の面に第1のガラス基板121が接合されたものを作製する。Si基板110の一方の面に、第1の開口部111と第2の開口部112との間において接合部金属膜131を2本形成する。また、第1の開口部111にはアルカリ金属を含む化合物140が設置されている。この工程は、第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法における図7に示される工程に対応するものであり、第1の実施の形態と同様の製造方法により作製することができる。尚、図17(a)は、この工程における上面図であり、図17(b)は、図17(a)における一点鎖線17A−17Bにおいて切断した断面図である。
次に、図18に示されるように、第2のガラス基板122の一方の面に、接合部金属膜132を形成し、接合部金属膜132の上に第1の接合金属層151を形成する。接合部金属膜132及び第1の接合金属層151は、図17に示されるSi基板110に形成された接合部金属膜131に対応して、第1の開口部111と第2の開口部112との間において、2本形成されている。この工程は、第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法における図10に示される工程に対応するものであり、第1の実施の形態と同様の製造方法により作製することができる。尚、図18(a)は、この工程における上面図であり、図18(b)は、図18(a)における一点鎖線18A−18Bにおいて切断した断面図である。
次に、図19に示されるように、Si基板110の一方の面と第2のガラス基板122の一方の面とを第1の接合金属層151により接合する。この工程は、第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法における図11に示される工程に対応するものであり、第1の実施の形態と同様の製造方法により作製することができる。尚、図19(a)は、この工程における上面図であり、図19(b)は、図19(a)における一点鎖線19A−19Bにおいて切断した断面図である。
次に、図20に示されるように、アルカリ金属を含む化合物140よりアルカリ金属の気体等を発生させた後、第2のガラス基板122に形成されている第2の接合金属層152により溝部113を塞ぐ。具体的には、第2のガラス基板122に形成されている第2の接合金属層152を280℃以上に加熱し溶融させた後、冷却することにより第2の接合金属層152により溝部113を塞ぐ。これにより、第1の開口部111における空間と第2の開口部112における空間との間は塞がれ、空間的に分離される。この際、第1の開口部111と第2の開口部112との間の溝部113において、2ヶ所に形成された第2の接合金属層152により塞がれる。この工程は、第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法における図13に示される工程に対応するものであり、第1の実施の形態と同様の製造方法により作製することができる。尚、図20(a)は、この工程における上面図であり、図20(b)は、図20(a)における一点鎖線20A−20Bにおいて切断した断面図である。
次に、図21に示されるように、第1の開口部111が形成された領域と第2の開口部112が形成された領域とをダイシング等により切断し分離する。この際、2ヶ所の第2の接合金属層152の間をダイシングにより切断することにより、ダイシングブレードは、第2の接合金属層152と接触しないため、ダイシングの際に、第2の接合金属層152において穴等が空くことなく分離することができる。この工程は、第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法における図14に示される工程に対応するものであり、第1の実施の形態と同様の製造方法により作製することができる。尚、図21(a)は、この工程における上面図であり、図21(b)は、図21(a)における一点鎖線21A−21Bにおいて切断した断面図である。
このようにして作製された本実施の形態におけるアルカリ金属セルを図22に示す。本実施の形態におけるアルカリ金属セルは、ダイシングによる切断の際に、ダイシングブレードが第2の接合金属層152と接触しないため、アルカリ金属セルを製造する際の歩留りを向上させることができる。また、リークを抑制することができるため信頼性の高いアルカリ金属セルを作製することができる。
尚、上記以外の内容は、第1の実施の形態と同様である。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法は、Si基板110を貫通していない開口部にアルカリ金属を含む化合物140を設置するものである。
具体的には、図23に示されるように、Si基板110を貫通する第2の開口部112と、Si基板110を貫通しない第1の開口部111a及び溝部113が形成されているものである。第1の開口部111aは、第1の実施の形態における製造方法において、溝部113を形成する工程と同様の工程により形成することができる。図23に示される工程は、第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法における図13に示される工程に対応するものであり、第1の実施の形態と同様の製造方法により作製することができる。尚、図23(a)は、この工程における上面図であり、図23(b)は、図23(a)における一点鎖線23A−23Bにおいて切断した断面図である。
このように、Si基板110を貫通していない第1の開口部111aを形成し、第1の開口部111aにアルカリ金属を含む化合物140を設置することにより、アルカリ金属を含む化合物140をより高温に加熱することが可能となる。これにより、効率的にCs等のアルカリ金属ガスを発生させることができる。
尚、上記以外の内容は、第1の実施の形態と同様である。
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法は、溝部の形状が第1の実施の形態における溝部113の形状と異なるものである。
最初に、図24に示されるように、Si基板110を準備する。このSi基板110は、厚さが1.5mmであり、両面が鏡面加工されている。この工程は、第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法における図2に示される工程に対応するものである。尚、図24(a)は、この工程における上面図であり、図24(b)は、図24(a)における一点鎖線24A−24Bにおいて切断した断面図である。
次に、図25に示されるように、Si基板110の両面に減圧CVDにより、不図示のSiN膜を成膜する。この後、Si基板110の一方の面に成膜されたSiN膜の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行う。これにより、Si基板110一方の面のSiN膜の上に、溝部213が形成される領域に開口を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、エッチングガスとしてCFを用いたドライエッチングを行うことにより、レジストパターンが形成されていない領域におけるSiN膜を除去し、更に、不図示のレジストパターンを除去する。
この後、85℃の温度で、KOH(30wt%)溶液を用いてウェットエッチングを行うことにより、Si基板110において、SiN膜の形成されていない領域のSiを除去し、溝部213を形成する。形成された溝部213は、Si基板110を貫通してはいない。この後、SiN膜はSiNを除去するための溶液を用いたウェットエッチング、または、ドライエッチングにより除去する。Si基板110のウェットエッチングは、異方性エッチングであり、形成された溝部213の側面には、傾斜角θが54.7°となる逆傾斜、即ち、テーパー形状の逆傾斜が形成されている。具体的には、溝部213の側面における傾斜角θが54.7°となる逆傾斜が形成され、Si基板110の一方の面の表面側の幅がaとし、底面側の幅がbとした場合、a>bの関係となる溝部213が形成される。尚、図25(a)は、この工程における上面図であり、図25(b)は、図25(a)における一点鎖線25A−25Bにおいて切断した断面図であり、図25(c)は、図25(a)における一点鎖線25C−25Dにおいて切断した断面図である。
次に、図26に示されるように、Si基板110に、2つの開口部、即ち、第1の開口部111、第2の開口部112を形成する。Si基板110に形成される第1の開口部111、第2の開口部112は、Si基板110を貫通しており、この第1の開口部111と第2の開口部112とは、溝部213によりつながるように形成する。
具体的には、Si基板110の一方の面にフォトレジストを塗布し露光装置による露光、現像を行うことにより、第1の開口部111、第2の開口部112が形成される領域に開口を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、ICPエッチング等のドライエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域におけるSiをSi基板110の厚さの半分の深さまで除去し、窪みを形成する。これにより、Si基板110の一方の面には、第1の開口部111、第2の開口部112の一部が形成される。
この後、Si基板110の他方の面にフォトレジストを塗布し露光装置による露光、現像を行うことにより、第1の開口部111、第2の開口部112が形成される領域に開口を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、ICPエッチング等のドライエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域のSiを除去し、Si基板110を貫通させることにより、第1の開口部111、第2の開口部112を形成する。Si基板110におけるドライエッチングは、SFとCとを交互に供給することによりエッチングを行うボッシュプロセスにより行う。ボッシュプロセスでは、Si基板110において、異方性の高いエッチングを高速で行うことができる。このICPエッチングにおいて印加されるパワーは2kWである。この工程は、第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法における図3に示される工程に対応するものである。尚、図26(a)は、この工程における上面図であり、図26(b)は、図26(a)における一点鎖線26A−26Bにおいて切断した断面図である。
次に、図27に示されるように、Si基板110の他方の面に第1のガラス基板121を接合し、第2のガラス基板122の一方の面に第1の接合金属層151を形成し、更に、Si基板110の溝部213に対応する位置に第2の接合金属層152を形成する。この後、約230℃に加熱することにより、第1の接合金属層151によりSi基板110と第2のガラス基板122を接合する。この後、アルカリ金属を含む化合物140を加熱等することによりアルカリ金属を発生させた後、更に、280℃に加熱し冷却することにより、第2の接合金属層152により溝部213を塞ぐ。この工程は、第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法における図13に示される工程に対応するものであり、第1の実施の形態と同様の製造方法により作製することができる。尚、図27(a)は、この工程における上面図であり、図27(b)は、図27(a)における一点鎖線27A−27Bにおいて切断した断面図であり、図27(c)は、図27(a)における一点鎖線27C−27Dにおいて切断した断面図である。
次に、図28に示すように、第1の開口部111が形成された領域と第2の開口部112が形成された領域とをダイシング等により切断し分離する。この工程は、第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法における図14に示される工程に対応するものであり、第1の実施の形態と同様の製造方法により作製することができる。尚、図28(a)は、この工程における上面図であり、図28(b)は、図28(a)における一点鎖線28A−28Bにおいて切断した断面図である。
以上の工程により、本実施の形態におけるアルカリ金属セルを作製することができる。このように作製された本実施の形態におけるアルカリ金属セルは、第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルと同様のものである。
本実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法においては、溝部213の側面がテーパー状に形成されているため、接合部金属膜131を隙間なく形成することができるため、第2の接合金属層152による接合をより確実なものとすることができる。例えば、溝部の側面がテーパー状ではなく略垂直に形成されていた場合、スパッタリングや真空蒸着により接合部金属膜131を成膜しても、溝部の側面には接合部金属膜131が形成されない場合がある。この場合、溶けた第2の接合金属は、溝部の側面に十分に濡れ広がらず、溝部を完全に塞ぐことができず、隙間ができてしまう。しかしながら、本実施の形態においては、溝部213の側面はテーパー状に形成されているため、接合部金属膜131をスパッタリングや真空蒸着により形成した場合であっても、溝部213の側面に接合部金属膜131を形成することができる。これにより、溝部213を溶けた第2の接合金属を隙間なく濡れ広がらせることができ、第2の接合金属層152により、より一層完全に塞ぐことができる。
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
〔第5の実施の形態〕
次に、第5の実施の形態について説明する。本実施の形態におけるアルカリ金属セルの製造方法は、1つの原料室に対し、2以上のセルを同時に作製することのできるものである。
具体的には、図29に示すように、Si基板300には、Si基板300を貫通する原料室となる開口部310と、セルとなる開口部321、322、323、324が形成されている。また、開口部310と開口部321との間には溝部331が、開口部310と開口部322との間には溝部332が、開口部310と開口部323との間には溝部333が、開口部310と開口部324との間には溝部334が設けられている。これら溝部により各々の開口部同士が空間的につながっている。
Si基板300の他方の面には陽極接合により不図示の第1のガラス基板が接合されている。また、Si基板300の一方の面には、開口部310及び開口部321、322、323、324の周囲において、約230℃に加熱された後に冷却された第1の接合金属層151により、不図示の第2のガラス基板が接合されている。
また、第2のガラス基板の一方の面には、Si基板300に形成された溝部331、332、333、334に対応する部分に、第2の接合金属層152が形成されている。よって、アルカリ金属を含む化合物材料140よりCs等のアルカリ金属を発生させた後、280℃以上に加熱して第2のガラス基板に形成された第2の接合金属層152を溶融させた後に冷却することにより第2の接合金属層152により溝部を塞ぐことができる。
この後、開口部321、322、323、324が形成されている領域の周囲をダイシング等により切断することにより、本実施の形態におけるアルカリ金属セルを作製することができる。これにより、例えば、図29に示す場合では、1つの原料室となる開口部310に対し、開口部321、322、323、324により、4つのアルカリ金属セルを同時に作製することができる。よって、アルカリ金属セルを低コストで製造することができる。尚、本実施の形態における開口部310は、第1の実施の形態における第1の開口部111に相当するものであり、開口部321、322、323、324は、第1の実施の形態における第2の開口部112に相当するものである。また、溝部331、332、333、334は、第1の実施の形態における溝部113に相当するものである。
また、本実施の形態は、図30に示されるように、原料室となる1つの開口部310とセルとなる8つの開口部341、342、343、344、345、346、347、348が形成されているものであってもよい。隣接する開口部310、341、342、343、344、345、346、347、348の相互間には、溝部351、352、353、354、355、356、357、358、359、359、360、361、362が設けられている。これら溝部により各々の開口部同士が空間的につながっている。具体的には、開口部310と開口部348との間には溝部351が、開口部310と開口部342との間には溝部352が、開口部310と開口部344との間には溝部353が、開口部310と開口部346との間には溝部354が設けられている。また、開口部348と開口部341との間には溝部355が、開口部341と開口部342との間には溝部356が、開口部342と開口部343との間には溝部357が、開口部343と開口部344との間には溝部358が設けられている。また、開口部344と開口部345との間には溝部359が、開口部345と開口部346との間には溝部360が、開口部346と開口部347との間には溝部361が、開口部357と開口部348との間には溝部362が設けられている。
Si基板300の他方の面には、陽極接合により不図示の第1のガラス基板が接合されている。Si基板300の一方の面には、開口部310及び開口部341、342、343、344、345、346、347、348の周囲において、約230℃に加熱された後に冷却された第1の接合金属層151により不図示の第2のガラス基板が接合されている。
また、第2のガラス基板の一方の面には、Si基板300に形成された溝部351、352、353、354、355、356、357、358、359、359、360、361、362に対応する部分に、第2の接合金属層152が形成されている。よって、アルカリ金属を含む化合物材料140よりCs等のアルカリ金属を発生させた後、280℃以上に加熱して第2のガラス基板に形成された第2の接合金属層152を溶融させた後に冷却することにより第2の接合金属層152により溝部を塞ぐことができる。
この後、開口部341、342、343、344、345、346、347、348が形成されている領域の周囲をダイシング等により切断することにより、本実施の形態におけるアルカリ金属セルを作製することができる。これにより、例えば、図30に示す場合では、1つの原料室となる開口部310に対し、開口部341、342、343、344、345、346、347、348により、8つのアルカリ金属セルを同時に作製することができる。よって、アルカリ金属セルを低コストで製造することができる。
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。また、本実施の形態は、第2から第4の実施の形態に適用可能である。
〔第6の実施の形態〕
次に、第6の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1から第5の実施の形態におけるアルカリ金属セルを用いた原子発振器である。図31に基づき本実施の形態における原子発振器について説明する。本実施の形態における原子発振器は、CPT方式の小型原子発振器であり、光源410、コリメートレンズ420、λ/4板430、アルカリ金属セル440、光検出器450、変調器460を有している。この原子発振器は、光源410より出射されたサイドバンドを含む光のうち、2つの異なる波長の光をアルカリ金属セル440に入射させることにより、2種類の共鳴光による量子干渉効果による光吸収特性により発振周波数を制御するものである。
光源410は、面発光レーザ素子が用いられている。アルカリ金属セル440には、アルカリ金属としてCs(セシウム)原子ガスが封入されており、D1ラインの遷移を用いるものである。光検出器450は、フォトダイオードが用いられている。
本実施の形態における原子発振器では、光源410より出射された光をセシウム原子ガスが封入されたアルカリ金属セル440に照射し、セシウム原子における電子を励起する。アルカリ金属セル440を透過した光は光検出器450において検出され、光検出器450において検出された信号は変調器460にフィードバックされ、変調器460により光源410における面発光レーザ素子を変調する。
図32に基づき、本実施の形態における原子発振器について説明する。本実施の形態における原子発振器は、回路基板471上に縦方向に形成されている。回路基板471上には、アルミナ基板472が設けられており、アルミナ基板472上には光源410となる面発光レーザ素子が設置されている。尚、アルミナ基板472は、光源410の温度等を制御するための面発光レーザ用ヒータ473が設けられている。光源410の上方には、ND(Neutral Density)フィルタ474が設けられている。NDフィルタ474は、ガラス等により形成された断熱スペーサ475により所定の位置に設置されている。NDフィルタ474の上部にはコリメートレンズ420が設けられており、コリメータレンズの上方には、λ/4板430が設けられている。λ/4板430はシリコン等により形成されたスペーサ476により所定の位置に設置されている。λ/4板430の上には、アルカリ金属セル440が設けられている。アルカリ金属セル440は、2枚のガラス基板441を有しており、2枚のガラス基板441が対向している状態で、縁の部分がシリコン基板442により接続されており、ガラス基板441とシリコン基板442に囲まれた部分には、アルカリ金属が封入されている。尚、アルカリ金属セル440において、レーザ光が透過する面がガラス基板441により形成されている。アルカリ金属セル440の両側には、セル用ヒータ477が設けられており、アルカリ金属セル440を所定の温度に設定することができる。アルカリ金属セル440の上方には、光検出器450が設けられており、光検出器450はシリコンからなるスペーサ478により所定の位置に設置されている。
次に、図33に、CPTに関連する原子エネルギー準位の構造を示す。二つの基底準位から励起準位に電子が同時に励起されると光の吸収率が低下することを利用する。面発光レーザは搬送波波長が894.6nmに近い素子を用いている。搬送波の波長は面発光レーザの温度、もしくは出力を変化させてチューニングすることができる。図34に示すように、変調をかけることで搬送波の両側にサイドバンドが発生し、その周波数差がCs原子の固有振動数である9.2GHzに一致するように4.6GHzで変調させている。図35に示すように、励起されたCsガスを通過するレーザ光はサイドバンド周波数差がCs原子の固有周波数差に一致した時に最大となる。よって、光検出器450の出力が最大値を保持するように変調器460においてフィードバックして光源410における面発光レーザ素子の変調周波数を調整する。原子の固有振動数が極めて安定なので変調周波数は安定した値となり、この情報がアウトプットとして取り出される。尚、波長が894.6nmの場合では、±1nmの範囲の波長が必要となる。
尚、本実施の形態における原子発振器においては、アルカリ金属セル440には、第1から第5の実施の形態におけるアルカリ金属セルのいずれかが用いられている。また、本実施の形態における原子発振器のアルカリ金属セル440において、シリコン基板442は、第1の実施の形態等におけるSi基板110に相当するものである。また、ガラス基板441は、第1の実施の形態等における第1のガラス基板121及び第2のガラス基板122に相当するものである。
また、本実施の形態においては、アルカリ金属としてCsを用い、そのD1ラインの遷移を用いるために波長が894.6nmの面発光レーザを用いたが、CsのD2ラインを利用する場合852.3nmを用いることもできる。また、アルカリ金属としてRb(ルビジウム)を用いることもでき、D1ラインを利用する場合は795.0nm、D2ラインを利用する場合は780.2nmを用いることができる。また、Rbを用いる場合の変調周波数は、87Rbでは3.4GHz、85Rbでは1.5GHzで変調させる。尚、これらの波長においても、±1nmの範囲の波長が必要となる。
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
110 Si基板
111 第1の開口部(一の開口部)
112 第2の開口部(他の開口部)
113 溝部
121 第1のガラス基板
122 第2のガラス基板
131 接合部金属膜
132 接合部金属膜
140 アルカリ金属を含む化合物
151 第1の接合金属層
152 第2の接合金属層
410 光源
420 コリメートレンズ
430 λ/4板
440 アルカリ金属セル
450 光検出器
460 変調器
米国特許第6806784号明細書 米国特許出願公開第2005/0007118号明細書 特開2009−212416号公報 特開2009−283526号公報
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Claims (15)

  1. 一方の面から他方の面に貫通する開口部が形成された基板と、
    前記基板の他方の面に接合された第1の透明基板と、
    前記基板の一方の面に接合された第2の透明基板と、
    を有し、
    前記基板の開口部において、前記第1の透明基板と前記第2の透明基板とにより囲まれた空間にはアルカリ金属が封入されており、
    前記基板と前記第2の透明基板とは、第1の接合金属により形成された第1の接合金属層と、第2の接合金属により形成された第2の接合金属層とによる接合により、前記空間が密閉されており、
    前記第2の接合金属は、前記第1の接合金属よりも溶融温度が高く、
    前記基板の一方の面には、前記開口部につながる溝部が形成されており、
    前記基板は、前記溝部において前記第2の接合金属層により前記第2の透明基板と接合されており、
    前記第1の接合金属は、AuSnを含む材料により形成されていることを特徴とするアルカリ金属セル。
  2. 前記第2の接合金属は、AuSn、AuGe、AuSiのうちのいずれかを含む材料により形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ金属セル。
  3. 一方の面から他方の面に貫通する開口部が形成された基板と、
    前記基板の他方の面に接合された第1の透明基板と、
    前記基板の一方の面に接合された第2の透明基板と、
    を有し、
    前記基板の開口部において、前記第1の透明基板と前記第2の透明基板とにより囲まれた空間にはアルカリ金属が封入されており、
    前記基板と前記第2の透明基板とは、第1の接合金属により形成された第1の接合金属層と、第2の接合金属により形成された第2の接合金属層とによる接合により、前記空間が密閉されており、
    前記第2の接合金属は、前記第1の接合金属よりも溶融温度が高く、
    前記基板の一方の面には、前記開口部につながる溝部が形成されており、
    前記基板は、前記溝部において前記第2の接合金属層により前記第2の透明基板と接合されており、
    前記第1の接合金属及び前記第2の接合金属は、ともにAuSnを含む材料により形成されており、前記第1の接合金属は、前記第2の接合金属よりもSnが多く含まれていることを特徴とするアルカリ金属セル。
  4. 前記溝部は、前記基板の一方の面の表面側が広く、底面側が狭く形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のアルカリ金属セル。
  5. 前記基板は、シリコン基板であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のアルカリ金属セル。
  6. 前記第1の透明基板及び前記第2の透明基板のうちのいずれか一方、または、双方がガラス基板であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のアルカリ金属セル。
  7. 前記基板の他方の面と前記第1の透明基板とは、陽極接合、または、直接接合により接合されていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のアルカリ金属セル。
  8. 前記アルカリ金属は、セシウムまたはルビジウムであることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のアルカリ金属セル。
  9. 請求項1からのいずれかに記載のアルカリ金属セルと、
    前記アルカリ金属セルにレーザ光を照射する光源と、
    前記光源より前記アルカリ金属セルに照射されたレーザ光のうち、前記アルカリ金属セルを透過した光を検出する光検出器と、
    を有することを特徴とする原子発振器。
  10. 前記光源より出射されたサイドバンドを含む光のうち、2つの異なる波長の光を前記アルカリ金属セルに入射させることにより、2種類の共鳴光による量子干渉効果による光吸収特性により発振周波数を制御することを特徴とする請求項に記載の原子発振器。
  11. 基板に前記基板を貫通する2以上の開口部と、前記基板の一方の面に前記2つの開口部を空間的に接続する溝部を形成する工程と、
    前記基板の他方の面に第1の透明基板を接合する工程と、
    前記開口部のうちの一の開口部にアルカリ金属を含む化合物を設置する工程と、
    前記基板の一方の面の前記2以上の開口部の周囲、または、第2の透明基板の一方の面において前記2以上の開口部の周囲に対応する部分に、第1の接合金属により形成された第1の接合金属層を形成する工程と、
    前記基板の溝部、または、前記第2の透明基板の一方の面において前記溝部に対応する部分に、第2の接合金属により形成された第2の接合金属層を形成する工程と、
    前記基板の一方の面と前記第2の透明基板の一方の面とを第1の接合金属層により接合する工程と、
    前記アルカリ金属を含む化合物よりアルカリ金属を発生させて、前記一の開口部より前記溝部を介し、他の開口部に前記アルカリ金属を供給する工程と、
    前記他の開口部に前記アルカリ金属を供給した後、前記溝部において前記第2の接合金属層により、前記基板と前記第2の透明基板とを接合する工程と、
    を有し、
    前記第1の接合金属及び前記第2の接合金属は、AuSn、AuGe、AuSiのうちのいずれかを含む材料であることを特徴とするアルカリ金属セルの製造方法。
  12. 基板の一方の面に前記基板を貫通しない一の開口部と、前記基板を貫通する他の開口部と、前記基板の一方の面に前記一の開口部と前記他の開口部とを空間的に接続する溝部を形成する工程と、
    前記基板の他方の面に第1の透明基板を接合する工程と、
    前記一の開口部にアルカリ金属を含む化合物を設置する工程と、
    前記基板の一方の面の前記一の開口部及び前記他の開口部の周囲、または、第2の透明基板の一方の面において前記一の開口部及び前記他の開口部の周囲に対応する部分に、第1の接合金属により形成された第1の接合金属層を形成する工程と、
    前記基板の溝部、または、前記第2の透明基板の一方の面において前記溝部に対応する部分に、第2の接合金属により形成された第2の接合金属層を形成する工程と、
    前記基板の一方の面と前記第2の透明基板の一方の面とを第1の接合金属層により接合する工程と、
    前記アルカリ金属を含む化合物よりアルカリ金属を発生させて、前記一の開口部より前記溝部を介し、前記他の開口部に前記アルカリ金属を供給する工程と、
    前記他の開口部に前記アルカリ金属を供給した後、前記溝部において前記第2の接合金属層により、前記基板と前記第2の透明基板とを接合する工程と、
    を有し、
    前記第1の接合金属及び前記第2の接合金属は、AuSn、AuGe、AuSiのうちのいずれかを含む材料であることを特徴とするアルカリ金属セルの製造方法。
  13. 前記一の開口部と前記他の開口部の間を切断することにより、前記他の開口部を分離し、前記分離された他の開口部によりアルカリ金属セルの内部が形成されることを特徴とする請求項11または12に記載のアルカリ金属セルの製造方法。
  14. 前記第2の接合金属は、前記第1の接合金属よりも溶融温度が高いことを特徴とする請求項11から13のいずれかに記載のアルカリ金属セルの製造方法。
  15. 前記アルカリ金属を含む化合物に、レーザ光を照射、紫外光を照射、加熱のいずれかを行うことにより、前記アルカリ金属を発生させることを特徴とする請求項11から14のいずれかに記載のアルカリ金属セルの製造方法。
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