JP2015043548A - スピーカー用振動板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、軽量かつ形成が容易なスピーカー用振動板を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明のスピーカー用振動板は、織布と、前記織布の少なくとも一方の面に、前記織布の織目を封止するよう積層される複数の短繊維とを備える。前記複数の短繊維が湿式抄造法により積層されているとよい。前記短繊維を覆うように前記織布の少なくとも一方の面を被覆するコーティング層を備えるとよい。前記短繊維の平均長さとしては、前記織布の平均目開きの1倍以上10倍以下がよい。前記短繊維の平均径としては、1μm以上100μm以下がよい。本発明のスピーカー用振動板は、短繊維を含むスラリーを用い、湿式抄造法により織布の一方の面に前記短繊維を積層する工程と、前記短繊維を積層した織布の一方の面に樹脂組成物を積層する工程とを備える製造方法により製造できる。
【選択図】図2
【解決手段】本発明のスピーカー用振動板は、織布と、前記織布の少なくとも一方の面に、前記織布の織目を封止するよう積層される複数の短繊維とを備える。前記複数の短繊維が湿式抄造法により積層されているとよい。前記短繊維を覆うように前記織布の少なくとも一方の面を被覆するコーティング層を備えるとよい。前記短繊維の平均長さとしては、前記織布の平均目開きの1倍以上10倍以下がよい。前記短繊維の平均径としては、1μm以上100μm以下がよい。本発明のスピーカー用振動板は、短繊維を含むスラリーを用い、湿式抄造法により織布の一方の面に前記短繊維を積層する工程と、前記短繊維を積層した織布の一方の面に樹脂組成物を積層する工程とを備える製造方法により製造できる。
【選択図】図2
Description
本発明は、スピーカー用振動板及びその製造方法に関する。
スピーカー用振動板は、正確な音を再現するために剛性を有し、かつ効率よく空気を振動させるために空気を通しにくいように構成されることが求められる。そこで、所定のコーン形状(円錐形状)に成形した織布又は不織布に樹脂を含浸することにより織目を封止(目止め)して製造されたスピーカー用振動板が存在する。スピーカー用振動板の基材として使用される織布としては、コーン形状に成形しやすく、かつ剛性が高いものが好ましいが、そのような織布は、一般に織目の目開きが大きい。織布の目開きが大きいと織目を封止するのが容易ではなく、封止できたとしても多量の樹脂を含浸しなければならない。樹脂の含浸量を多くすると振動板が重くなり、高温域の音圧が得られなくなるという問題が生じる。
例えば、パラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維からなる織布に熱硬化性樹脂を含浸したシートの片面にアクリル系エマルジョン樹脂をコーティングして補強したスピーカー用振動板が提案されている(特開平11−205893号公報)。しかしながら、このような構成では、織布の厚み全体に樹脂を含浸する必要があり、振動板を十分に軽量化できない。
また、織布、不織布等の基材と熱硬化性樹脂とを加熱可能なコーン形状の金型の間に挟み込んで加熱することで、基材に熱硬化性樹脂を含浸した振動板を製造する方法が提案されている(特開平1−270490号公報)。この方法でも、基材の厚み方向全体に樹脂が含浸するので十分な軽量化はできない上、金型で圧縮する際に繊維の目がずれて振動板が不均質になるおそれがある。
また、2枚の織布を織糸方向で互いに45°傾けて重ねることにより、実質的な目開きを小さくして樹脂の含浸量を低減する提案もなされている(特開2006−217519号公報)。しかしながら、2枚の織布を用いても、少なくとも1枚の織布の厚み全体に樹脂を含浸する必要があり、振動板を十分に軽量化できない。
また、コーン形状の織布や不織布からなる基材の上にミクロフィブリル化したセルロース(ナノレベルに微細化したセルロース)を抄造して、目止めの必要がない抄造物の層を形成する方法も提案されている(特開平4−23597号公報)。しかしながら、微細な繊維は、基材の目を通過しやすいため抄造が容易ではない。このため、基材として使用できる織布は目開きの小さいものに限られ、コーン形状に形成することが困難となるおそれがある。
前記問題点に鑑みて、本発明は、軽量かつ形成が容易なスピーカー用振動板を提供することを課題とする。
前記課題を解決するためになされた発明は、織布と、前記織布の少なくとも一方の面に、前記織布の織目を封止するよう積層される複数の短繊維とを備えるスピーカー用振動板である。
当該スピーカー用振動板は、短繊維を使用して織布の織目を選択的に封止するので、重量を大きく増加することなく目止めできる。このため、当該スピーカー用振動板は、樹脂を用いなくても空気を通しにくいものにできる。また、当該スピーカー用振動板は、短繊維を使用して織目を封止するため、剛性の高い繊維を用いた目開きの大きい織布の使用が可能である。従って、当該スピーカー用振動板は、形成が容易であると共に、軽量で剛性が高いことにより音の再現性に優れる。
当該スピーカー用振動板において、前記複数の短繊維が湿式抄造法により積層されているとよい。湿式抄造することにより、容易かつ確実に繊維を織目に集められるので、効率よく織布の織目を選択的に封止できる。
当該スピーカー用振動板は、前記短繊維を覆うように前記織布の一方の面を被覆するコーティング層を備えるとよい。これにより、当該スピーカー用振動板の剛性が高くなると共に、目止めが完全なものとなる。また、当該スピーカー用振動板は、短繊維により織目を封止しているため、樹脂が織布の奥まで浸透しない。これにより、目ずれを起こすような外力を加えることなく、樹脂の使用量を少なくして重量の増加を抑制できる。また、樹脂の織布に対する含浸量が少ないため、樹脂の粘弾性によって当該スピーカー用振動板の内部損失を不必要に増加させることもない。
当該スピーカー用振動板において、前記短繊維の平均長さとしては、前記織布の平均目開きの1倍以上10倍以下がよい。短繊維の平均長さがこの範囲であれば、織布の織目を効率よく封止できると共に、織布の糸(織目以外の部分)の上に積層される短繊維の量を少なくして軽量化をより促進できる。
当該スピーカー用振動板において、前記短繊維の平均径としては、1μm以上100μm以下がよい。短繊維の平均径がこの範囲であれば、繊維が適度な剛性及び可撓性を有するので、織布の織目を通り抜けず、かつ互いに絡み合って織目を封止できる。
また、前記課題を解決するためになされた別の発明は、短繊維を含むスラリーを用い、湿式抄造法により織布の一方の面に前記短繊維を積層する工程と、前記短繊維を積層した織布の一方の面に樹脂組成物を積層する工程とを備えるスピーカー用振動板の製造方法である。
当該スピーカー用振動板の製造方法は、短繊維を湿式抄造することによって織布の織目を選択的に封止できるので、樹脂組成物の織布への浸透量が少ない。このため、当該スピーカー用振動板の製造方法によれば、樹脂組成物の使用量を少なくして、スピーカー用振動板を軽量化できる。
なお、「平均目開き」とは、織布を顕微鏡観察して複数の織目の開口面積(平面視における面積)を測定し、測定した複数の織目の開口面積の平方根の平均として算出される値である。
本発明のスピーカー用振動板は、短繊維を使用して重量を増加することなく織布の織目を封止するので、剛性の高い織布を使用して形成することが容易であり、高剛性かつ軽量であり、音の再現性に優れる。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
[第一実施形態]
図1のスピーカー用振動板1は、略円錐形状に形成した織布2と、織布2の裏面(図では上側)に織布2の織目を封止するよう積層された複数の短繊維3と、これらの短繊維3を覆うように織布2の裏面を被覆するコーティング層4とを備える。
図1のスピーカー用振動板1は、略円錐形状に形成した織布2と、織布2の裏面(図では上側)に織布2の織目を封止するよう積層された複数の短繊維3と、これらの短繊維3を覆うように織布2の裏面を被覆するコーティング層4とを備える。
<織布>
織布2は、図2に示すように、糸5を織り上げて構成される。織布2を構成する糸5の材質としては、強度に優れる炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、シリカ繊維、金属繊維、チタン酸カリウム繊維、ジルコニア繊維、ポリアクリレート繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維等が使用できる。
織布2は、図2に示すように、糸5を織り上げて構成される。織布2を構成する糸5の材質としては、強度に優れる炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、シリカ繊維、金属繊維、チタン酸カリウム繊維、ジルコニア繊維、ポリアクリレート繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維等が使用できる。
織布2は目開きが小さく均質であることが望ましいため、織布2を構成する糸5には、多数の細い繊維を束ねた糸、好ましく撚糸又は撚り戻し糸が用いられる。1本の糸5が有する繊維の数の下限としては、500本が好ましく、1000本がより好ましい。一方、1本の糸5が有する繊維の数の上限としては、12000本が好ましく、3000本がより好ましい。糸5が有する繊維の数が前記下限未満であると、前記繊維1本あたりの太さが増すことによって糸5の可撓性が不足し、織布2が厚くなったり、目開きが過度に大きくなるおそれがある。糸5が有する繊維の数が前記上限を超えると、糸5の太さが過大となり、やはり織布2が厚くなるおそれがある。
織布2を構成する糸5の太さの下限としては、500dtexが好ましく、1000dtexがより好ましい。一方、糸5の太さの上限としては、10000dtexが好ましく、5000dtexがより好ましい。糸5の太さが前記下限未満であると、織布2の剛性が不足するおそれがある。また、糸5の太さが前記上限を超えると、織布2の厚みが過大となるおそれがある。
織布2の目付(単位長さあたりの糸5の本数)の下限としては、1本/cmが好ましく、2本/cmがより好ましい。一方、織布2の目付の上限としては、15本/cmが好ましく、10本/cmがより好ましい。織布2の目付が前記下限未満であると、織布2の形態の安定性が不足したり、目開きが過大となるおそれがある。また、織布2の目付が前記上限を超えると、織布2の厚みが過大となるおそれがある。
また、織布2の織り方としては、平織り、綾織り、朱子織り等の任意の織り方が採用できるが、縦糸と横糸とを交互に表出させるよう織り上げた平織りが好ましい。また、縦糸及び横糸がそれぞれ平行に配置される一般的な織り方だけでなく、縦糸を放射状に配置し、この縦糸に交差するように横糸を周方向に配置した放射織りであってもよい。
織布2は、中央の円筒部1aと、この円筒部1aの一端から拡径して円錐面を形成する傘状部1bと、この傘状部1bの外周から外側に延出する円環状のフランジ部1cとを有する。織布2をこのような形状にする方法としては、平坦に織り上げた織布2を円錐形の型に押し当てて変形させる方法、放射織りにおいて初めから略円錐形状になるように織り上げる方法等が適用できる。
<短繊維>
短繊維3は、図2に示すように、織布2の織目部分Pに集中して織目を封止するよう積層される。より詳しくは、複数の短繊維3が絡み合うようにして、織布2の織目に詰まっている。換言すると、織布2は、複数の短繊維3によって目止めされている。
短繊維3は、図2に示すように、織布2の織目部分Pに集中して織目を封止するよう積層される。より詳しくは、複数の短繊維3が絡み合うようにして、織布2の織目に詰まっている。換言すると、織布2は、複数の短繊維3によって目止めされている。
短繊維3の材質としては、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等が使用できる。短繊維3の材質は、織布2を構成する糸と同じとであってもよい。
短繊維3の平均長さの下限としては、織布2の平均目開きの1倍が好ましく、2倍がより好ましい。一方、短繊維3の平均長さの上限としては、織布2の平均目開きの10倍が好ましく、5倍がより好ましい。短繊維3の平均長さが前記下限未満であると、短繊維3が織布2の目を容易に通り抜けるため、短繊維3を織目部分Pに積層することが困難になるおそれがある。また、短繊維3の平均長さが前記上限を超えると、短繊維3が織布2の織目から大きくはみ出して織布2全体を覆うように積層しやすく、織目を選択的に覆うことが困難になるおそれがある。
短繊維3の平均径の下限としては、1μmが好ましく、5μmがより好ましい。一方、短繊維3の平均径の上限としては、100μmが好ましく、20μmがより好ましい。短繊維3の平均径が前記下限未満であると、短繊維3の剛性が不足して織布2の織目を通過しやすくなるおそれがある。また、短繊維3の平均径が前記上限を超えると、短繊維3同士の間の隙間が大きくなり、十分な目止めができないおそれがある。
短繊維3のヤング率の下限としては、1GPaが好ましく、10GPaがより好ましい。一方、短繊維3のヤング率の上限としては、特に限定されないが、例えば1000GPaとすることができる。短繊維3のヤング率が前記下限未満であると、短繊維3の剛性が不足して不織布2の織目を通過しやすくなるおそれがある。また、短繊維3のヤング率が前記上限を超えると、短繊維3の剛性が過大となり、短繊維3同士が絡み合わないことにより織目の封止が十分でなくなるおそれがある。
織布2の単位面積あたりの短繊維3の積層量の下限としては、5g/m2が好ましく、10g/m2がより好ましい。一方、織布2の単位面積あたりの短繊維3の積層量の上限としては、50g/m2が好ましく、25g/m2がより好ましい。短繊維3の積層量が前記下限未満であると、織布2の織目を十分に目止めできないおそれがある。また、短繊維3の積層量が前記上限を超えると、短繊維3の層が無用に厚くなり、当該スピーカー用振動板が重くなるおそれがある。なお、織布2の単位面積あたりの短繊維3の積層量は、織布2全体に積層されている短繊維3の質量を、織布2全体の面積で除した値である。
<コーティング層>
コーティング層4は、織布2の裏面を覆う樹脂組成物の層である。このコーティング層4は、織目に詰まった短繊維3の層の裏面側(図2における上側)の大きな隙間の中には浸透しているが、短繊維3の表面側(図2における下側)までは浸透していない。つまり、織布2は、織目が短繊維3によって目止めされているので、コーティング層4は、織布2の裏面にのみ積層されている。
コーティング層4は、織布2の裏面を覆う樹脂組成物の層である。このコーティング層4は、織目に詰まった短繊維3の層の裏面側(図2における上側)の大きな隙間の中には浸透しているが、短繊維3の表面側(図2における下側)までは浸透していない。つまり、織布2は、織目が短繊維3によって目止めされているので、コーティング層4は、織布2の裏面にのみ積層されている。
コーティング層4を形成する樹脂組成物の主成分となる樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、変性ゴム樹脂、フェノール樹脂等の1種又は2種以上の組み合わせが使用でき、熱硬化性樹脂が好ましい。
<製造方法>
当該スピーカー用振動板1は、短繊維3を含むスラリーSを用い、織布2の裏面に短繊維3を積層する工程と、短繊維3を積層した織布2の裏面に樹脂組成物を積層してコーティング層4を形成する工程とを備える方法により製造できる。
当該スピーカー用振動板1は、短繊維3を含むスラリーSを用い、織布2の裏面に短繊維3を積層する工程と、短繊維3を積層した織布2の裏面に樹脂組成物を積層してコーティング層4を形成する工程とを備える方法により製造できる。
(短繊維積層工程)
短繊維積層工程は、いわゆる湿式抄造法により短繊維3を積層する。例えば図3に示すように、先ず、略円錐状の金網6に沿って織布2を裏面が上になるよう配置する。なお、金網6は、当該スピーカー用振動板1の円筒部1aを構成する織布2の中央の開口を封止する円盤7と、当該スピーカー用振動板1のフランジ部1cを構成する部分の外径と略等しい内径を有し、フランジ部1cに外接する筒体8とを有している。そして、この筒体8の中に短繊維3を含むスラリーSを注ぎ込む。これにより、スラリーSの水が織布2の織目及び金網の目を通過して下方(織布2の表面側)に流出し、スラリーS中の短繊維3が織布2によって漉き取られる。このとき、スラリーS中の水は、織布2の織目を通って流出するため、この水の流れにより短繊維3は、織布2の織目上に集められる。
短繊維積層工程は、いわゆる湿式抄造法により短繊維3を積層する。例えば図3に示すように、先ず、略円錐状の金網6に沿って織布2を裏面が上になるよう配置する。なお、金網6は、当該スピーカー用振動板1の円筒部1aを構成する織布2の中央の開口を封止する円盤7と、当該スピーカー用振動板1のフランジ部1cを構成する部分の外径と略等しい内径を有し、フランジ部1cに外接する筒体8とを有している。そして、この筒体8の中に短繊維3を含むスラリーSを注ぎ込む。これにより、スラリーSの水が織布2の織目及び金網の目を通過して下方(織布2の表面側)に流出し、スラリーS中の短繊維3が織布2によって漉き取られる。このとき、スラリーS中の水は、織布2の織目を通って流出するため、この水の流れにより短繊維3は、織布2の織目上に集められる。
この湿式抄造に用いるスラリーS中の短繊維3の濃度としては、水1Lに対して0.6g以上1g以下が好ましい。短繊維3の濃度を前記範囲とすることで、短繊維3を効率よく織布2の織目に集めることができる。
(コーティング層形成工程)
コーティング層形成工程では、織布2の裏面に、短繊維3を覆うように樹脂組成物をコーティングする。樹脂組成物が熱可塑性樹脂を主成分とする場合、加熱して溶融した樹脂組成物を塗布し、冷却して硬化させることによりコーティング層4を形成する。
コーティング層形成工程では、織布2の裏面に、短繊維3を覆うように樹脂組成物をコーティングする。樹脂組成物が熱可塑性樹脂を主成分とする場合、加熱して溶融した樹脂組成物を塗布し、冷却して硬化させることによりコーティング層4を形成する。
<利点>
当該スピーカー用振動板1は、織布2の織目を短繊維3で封止してからコーティング層4を形成するため、剛性が高く目開きが大きい織布2を使用してもコーティングの際に樹脂組成物が織布2の奥まで含浸しない。これにより、樹脂組成物の塗布量を少なくして当該スピーカー用振動板1を軽量化できる。従って、スピーカー用振動板1は、形成が容易でありながら、音の再現性に優れる。
当該スピーカー用振動板1は、織布2の織目を短繊維3で封止してからコーティング層4を形成するため、剛性が高く目開きが大きい織布2を使用してもコーティングの際に樹脂組成物が織布2の奥まで含浸しない。これにより、樹脂組成物の塗布量を少なくして当該スピーカー用振動板1を軽量化できる。従って、スピーカー用振動板1は、形成が容易でありながら、音の再現性に優れる。
[スピーカー]
図4のスピーカーは、ハウジング11と、図1のスピーカー用振動板1と、スピーカー用振動板1の円筒部1aに嵌合して固定されたボビン12と、ボビン12に巻回されたボイスコイル13と、ボイスコイル13の外側に配置されたマグネット14と、マグネット14の磁束をボイスコイル13に導くヨークコア15及びヨークプレート16とを備えている。当該スピーカーにおいて、スピーカー用振動板1は、外周縁がハウジング11に固定されている。また、マグネット14、ヨークコア15及びヨークプレート16は、一体化されてハウジング11の内部に固定されている。
図4のスピーカーは、ハウジング11と、図1のスピーカー用振動板1と、スピーカー用振動板1の円筒部1aに嵌合して固定されたボビン12と、ボビン12に巻回されたボイスコイル13と、ボイスコイル13の外側に配置されたマグネット14と、マグネット14の磁束をボイスコイル13に導くヨークコア15及びヨークプレート16とを備えている。当該スピーカーにおいて、スピーカー用振動板1は、外周縁がハウジング11に固定されている。また、マグネット14、ヨークコア15及びヨークプレート16は、一体化されてハウジング11の内部に固定されている。
当該スピーカーは、ボイスコイル13に電流を流すことにより発生する磁束とマグネット14の磁束との間に生じる吸引力又は排斥力により、スピーカー用振動板1を前後(図4において横方向)に移動させて空気を振動させることで音を発生する。
当該スピーカーは、高剛性かつ軽量な当該スピーカー用振動板1を備えるので、ボイスコイル13に印可された電流に従って当該スピーカー用振動板1をひずませることなく前後移動させられる。このため、当該スピーカーは、音の再現性に優れる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、短繊維を湿式抄造する際、スラリーに熱可塑性樹脂繊維を配合してもよい。これにより、抄造後に短繊維の層を加熱して熱可塑性樹脂繊維を溶融し、短繊維同士を接続できる。この加熱時に織布を挟み込んで加圧すれば、短繊維同士の隙間を小さくして目止めの効果を高めることもできる。
このような熱可塑性樹脂繊維としては、ポロプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、エチレン酢酸ビニルコポリマー繊維等が利用できる。
また、前記熱可塑性樹脂繊維の配合量は、短繊維100質量部に対して40質量部以上60質量部以下が好ましい。熱可塑性樹脂繊維の配合量が前記下限未満であると、短繊維同士を十分に接続できないおそれがある。また、熱可塑性樹脂繊維の配合量が前記上限を超えると、短繊維の比率が不十分となり織目を十分に封止できないおそれがある。
なお、当該スピーカー用振動板は図1に示すような略円錐形に限らず、任意の形状に形成してもよい。
また、短繊維の層を織布の表面又は両面に積層してもよく、コーティング層を織布の表面又は両面に積層してもよい。また、コーティング層は省略してもよい。
短繊維の織目への積層は、乾式抄造法によって行うこともでき、機械的に織目に短繊維を押し込むような方法を用いてもよい。
本願発明は、剛性を大きくしつつ軽量化して音の再現性を高められるので、多様なスピーカーに広く適用できる。
1 スピーカー用振動板
1a 円筒部
1b 傘状部
1c フランジ部
2 織布
3 短繊維
4 コーティング層
5 糸
6 金網
7 円盤
8 筒体
11 ハウジング
12 ボビン
13 ボイスコイル
14 マグネット
15 ヨークコア
16 ヨークプレート
P 織目部分
S スラリー
1a 円筒部
1b 傘状部
1c フランジ部
2 織布
3 短繊維
4 コーティング層
5 糸
6 金網
7 円盤
8 筒体
11 ハウジング
12 ボビン
13 ボイスコイル
14 マグネット
15 ヨークコア
16 ヨークプレート
P 織目部分
S スラリー
Claims (6)
- 織布と、
前記織布の少なくとも一方の面に、前記織布の織目を封止するよう積層される複数の短繊維と
を備えるスピーカー用振動板。 - 前記複数の短繊維が湿式抄造法により積層されている請求項1に記載のスピーカー用振動板。
- 前記短繊維を覆うように前記織布の少なくとも一方の面を被覆するコーティング層を備える請求項1又は請求項2に記載のスピーカー用振動板。
- 前記短繊維の平均長さが前記織布の平均目開きの1倍以上10倍以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のスピーカー用振動板。
- 前記短繊維の平均径が1μm以上100μm以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスピーカー用振動板。
- 短繊維を含むスラリーを用い、湿式抄造法により織布の一方の面に前記短繊維を積層する工程と、
前記短繊維を積層した織布の一方の面に樹脂組成物を積層する工程と
を備えるスピーカー用振動板の製造方法。
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WO2018051797A1 (ja) * | 2016-09-13 | 2018-03-22 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | スピーカ用振動板とその製造方法およびこれを用いたスピーカ |
JP2018516519A (ja) * | 2015-05-29 | 2018-06-21 | ビーアンドダブリュ グループ リミテッド | スピーカ振動板 |
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2013
- 2013-08-26 JP JP2013175021A patent/JP2015043548A/ja active Pending
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