JP2015042835A - 斜面用避難階段、及び斜面避難路設置方法 - Google Patents

斜面用避難階段、及び斜面避難路設置方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、ネット式斜面保護工が施された斜面を容易に登って避難できる技術を提供することであり、より具体的には、ネット式斜面保護工を利用することで比較的手間とコストをかけずに設置できる斜面用避難階段と、これを用いた避難路を設置する方法を提供することである。【解決手段】本願発明の斜面用避難階段は、支持材と斜材と踏板を備え、ネット式斜面保護工が施された斜面に設置するものである。斜面用避難階段を構成する支持材は、水平(又は略水平)に配置され、その一端には係止部を具備し、他端では斜材と連結される。支持材の係止部は、ネット式斜面保護工を構成するロープ材に係止することができる。【選択図】図3

Description

本願発明は、自然斜面やのり面(以下、まとめて「斜面」という。)に避難路を設置する技術に関するものであり、より具体的には、斜面に施された斜面保護工を利用して容易に取り付けられる斜面用避難階段と、これを用いた避難路の設置方法に関するものである。
我が国は地震が頻発する国として知られ、近年では、東北地方太平洋沖地震をはじめ、兵庫県南部地震、新潟県中越地震など大きな地震が発生し、そのたびに甚大な被害を被ってきた。特に東日本大震災では、津波によって計り知れない被害を受け、改めて津波の脅威を認識させられたところである。近い将来、東海地震や、東南海・南海地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震といったいわゆる海溝型地震が、しかもマグニチュード8規模で発生すると予想されている。このことは、東日本大震災と同じ規模の津波を想定しなければならないことを意味しており、その震災による被害を考えれば、津波対策はいわば我が国の防災上の喫緊の課題といえる。平成25年5月20日には、大規模災害の未然防止や発生時の被害拡大の防止などを目的とした、国土強靱化基本法案が提出された。
津波対策としては、海岸堤防や防潮堤などのハード対策と、迅速に避難するための防災計画といったソフト対策が挙げられる。このうちハード対策は、到達するであろう津波高さを正確に予測することが難しいことから、海岸堤防等のみで津波から守ることには限界がある。一方のソフト対策は、円滑に避難することで生命を守ることを主な目的としており、堅実かつ有効な対策である。
津波対策として避難計画を策定する場合、速やかに高台へ移動することが基本となる。先の東日本大震災では、例えば岩手県宮古市で最大波8mを越える津波が観測され、40.5mの遡上高を記録した。また、明治三陸地震で発生した津波では、38.2mの遡上高が記録されている。そして、宮古市の最大波は、地震発生からおよそ35分で到達している。すなわち、大規模地震による津波から身を守るためには、数十分という短い時間で相当な高さまで移動しなければならないことになる。
ところが、近隣に避難できる高台があるところはそれほど多くない。特に、今後発生が想定される東海地震や東南海・南海地震の被害を受ける太平洋沿岸では、背後に急峻な山が迫っている場所が多く、その場合、現状では適当な避難場所を見付けるのは難しい。斜面を登って高い場所に避難することも考えられるが、老人や子供にとっては極めて厳しい行動であり、そもそも、切土によって整形された人工斜面(のり面)であれば登っていくことも可能であるが、崖のような自然斜面では到底登っていくことはできない。
さりとて現実には背後に山が迫っており、短時間で高い場所に移動するためには斜面を登ることが極めて有効な手段となる。そこで、急な斜面でも容易に登ることができる設備を設置することが考えられる。これまでも、のり面を昇降するための階段設備などが種々提案されてきた。特許文献1では、のり面の勾配や起伏の程度にかかわらず容易に設置できる仮設用の階段を提案している。
特開第2004−060246号公報
特許文献1の「法面用階段」は、一連に続く階段が長くならないよう途中に踊り場を設けたものである。そのため、外寸も重量も相当な大きさとなり、製造にコストがかかるうえ、設置に要するコストも嵩むこととなる。さらに、ある程度の勾配や起伏には対応できるとしても、あくまで人工的に整形されたのり面が対象であり、起伏が激しく草本類などの植生がある自然斜面には適用できない。
特許文献1の「法面用階段」をはじめ従来の提案では、そのほとんどがのり面に設置することを前提としていた。これは、建築基準法に規定される基準が大きく影響していると考えられる。建築基準法施行令(第23条)では、安全に昇降するために蹴上げや踏み面の寸法を規定しており、例えば屋外に設けられる階段の場合、蹴上げは22cm以下、踏み面は21cm以上にしなければならない。このような基準を順守すると、著しく起伏の激しい自然斜面で階段を設置することは考えにくい。
もちろん、平常時であれば安全な階段を設置すべきであるが、津波から避難する緊急時においては、やや昇降し難くても昇降設備が存在することが極めて重要となる。従来では、常設の昇降階段として、あるいは工事のための仮設用として、斜面用の階段が提案されてきただけであり、避難路用という着想がなかったため建築基準法に準拠しない階段、つまり自然斜面に設置する階段に関して提案されることがなかったわけである。
ところで、太平洋沿岸は背後に急峻な山が迫っているところが多いことは、先にも述べた。このような場所では、海岸と山の間に道路が設けられているところが良くみられる。急峻な山の一部を切り取って、あるいは自然地形を利用して道路を形成しているわけである。山沿いの道路は、急な斜面に面していることが多く、そのため落石や斜面崩壊から道路を守るべく斜面保護工が施されている。そのほか、集落の付近にある急斜面で斜面保護工が施されているケースも多い。
斜面保護工としては、プレキャスト枠工や、現場吹付のり枠工、現場打コンクリート枠工といった、コンクリート製ののり枠によって斜面を抑える手法が数多く採用されている。土砂崩壊が懸念されるところでは、のり枠とともにアンカー(グラウンドアンカーやロックボルト)を設置することもある。しかしながらコンクリート製ののり枠を設置すると、現状の植生を除去しなければならい。また、工事も相当な規模となり、施工費も嵩む。そこで、昨今ではワイヤーロープをネット状に組んだネット式斜面保護工が多用されるようになってきた。
図8は、ネット式斜面保護工を設置した状態を示す説明図で、(a)は側面図、(b)は正面図である。この図に示すようにネット式斜面保護工Neは、ロープを縦横に編んだものであり、略水平に配置される水平ロープRhと、略鉛直に配置される鉛直ロープRvを主な部材とする。また、水平ロープRhと鉛直ロープRvが交差する点には支圧板Ptが設けられることがあり、さらにその交点に鉄筋挿入工が施されることもある。
ネット式斜面保護工は比較的容易に設置できるため、これまで主流であったコンクリート製ののり枠に比べ、材料費・施工費ともにコストを抑えることができる。また、ワイヤーロープ等が主部材であることから、あらゆる斜面勾配に柔軟に対応でき、急峻な自然斜面でも難なく採用することができる。加えて、現状の植生を除去する必要がほとんどないため、自然保護や環境維持といった面からも好んで採用される。ネット式斜面保護工としては、ESネット(登録商標)やロープネット、ユニットネットが知られており、近年多用された結果、多くの斜面でネット式斜面保護工が設置されることとなった。
このように、ネット式斜面保護工が施された斜面が多いことに鑑みると、ネット式斜面保護工を利用した斜面用の避難設備の設置は、極めて有効かつ実用的である。本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、ネット式斜面保護工が施された斜面を容易に登って避難できる技術を提供することであり、より具体的には、ネット式斜面保護工を利用することで比較的手間とコストをかけずに設置できる斜面用避難階段と、これを用いた避難路を設置する方法を提供することである。
本願発明は、斜面を避難路に利用するという点に着眼し、しかもネット式斜面保護工を利用することで設置が極めて容易になることに着眼したものであり、これまでになかった発想に基づいて行われた発明である。
本願発明の斜面用避難階段は、支持材と斜材と踏板を備え、ネット式斜面保護工が施された斜面に設置するものである。斜面用避難階段を構成する支持材は、水平(又は略水平)に配置され、その一端には係止部を具備し、他端では斜材と連結される。支持材の係止部は、ネット式斜面保護工を構成するロープ材に係止することができる。斜材は、その一端にアンカー部を具備しており、このアンカー部を斜面に挿入することで地盤からの支持を得ることができる。踏板は、水平(又は略水平)に配置された支持材の上に載置されることで踏み面を形成する。本願発明の斜面用避難階段を多段に設置することで、斜面上に避難路を構築することができる。
本願発明の斜面用避難階段は、支持材と斜材と充填材を備えたものとすることもできる。斜面用避難階段を構成する支持材は、斜面に沿って配置され、その一端には係止部を具備し、他端では斜材と連結される。支持材の係止部は、ネット式斜面保護工を構成するロープ材に係止することができる。斜材は板状であり、この斜材と斜面との間には充填空間が形成される。そして、この充填空間には充填材が充填され、充填材によって踏み面が形成される。
本願発明の斜面用避難階段は、支持材と脚材と踏板を備え、ネット式斜面保護工が施された斜面に設置するものである。斜面用避難階段を構成する支持材は、斜面に沿って配置され、その一端には係止部を具備し、他端では脚材と回転可能に連結される。支持材の係止部は、ネット式斜面保護工を構成するロープ材に係止することができる。略水平に配置された踏板は、支持材及び脚材に取り付けられて踏み面を形成する。斜面上方に立設される脚材は、上下方向に軸長の調整が可能であり、これにより踏み面の水平姿勢も調整することができる。本願発明の斜面用避難階段を多段に設置することで、斜面上に避難路を構築することができる。
本願発明の斜面用避難階段は、脚材と踏板と係止手段を備え、ネット式斜面保護工が施された斜面に設置するものである。斜面用避難階段を構成する脚材は、斜面上方に立設され、略水平に配置された踏板は、脚材に取り付けられて踏み面を形成する。係止手段は、脚材の下端と踏板の斜面側端部それぞれに取り付けられ、ネット式斜面保護工を構成するロープ材に係止可能である。脚材は、上下方向に軸長の調整が可能であり、これにより踏み面の水平姿勢も調整することができる。本願発明の斜面用避難階段を多段に設置することで、斜面上に避難路を構築することができる
本願発明の斜面用避難階段は、係止板とU字形係止具からなる係止部を備えたものとすることもできる。この場合、係止部のU字形係止具内にロープ材を挿通し、このU字形係止具を係止板に締め付けて固定することで、係止部はロープ材に係止される。
本願発明の斜面用避難階段は、手すりを設けたものとすることもできる。この場合、脱着用の支柱を取り付け、この支柱に設けられた支持環(手すり支持部)にロープ材(手すり材)を通して手すりを形成する。
本願発明の斜面避難路設置方法は、ネット式斜面保護工が施された斜面に避難路を設置する方法であって、支持材設置工程、地盤支持工程、踏み面形成工程を備えた方法である。このうち支持材設置工程では、斜材が連結された支持材を水平(又は略水平)となるように配置するとともに、支持材の一端に具備される係止部を、ネット式斜面保護工を構成するロープ材に係止する。地盤支持工程では、斜材の一端に具備されるアンカー部を、斜面に挿入することで地盤からの支持を得る。また、踏み面形成工程では、配置された支持材の上に踏板を載置して踏み面を形成する。この工程を繰り返し、避難階段を多段に設置することで斜面上に避難路を構築する。
本願発明の斜面避難路設置方法は、地盤支持工程を除く、支持材設置工程と踏み面形成工程を備えた方法とすることもできる。この場合の支持材設置工程では、斜材が連結された支持材を斜面に沿うように配置するとともに、支持材の一端に具備される係止部を、ネット式斜面保護工を構成するロープ材に係止する。また、踏み面形成工程では、板状の斜材と斜面との間に形成される充填空間に、充填材を充填して踏み面を形成する。
本願発明の斜面避難路設置方法は、ネット式斜面保護工が施された斜面に避難路を設置する方法であって、支持材設置工程、踏み面形成工程、高さ調整工程を備えた方法である。このうち支持材設置工程では、斜面に沿って支持材を配置し、この支持材に脚材を回転可能に固定するとともにこの脚材を斜面上方に立ち上げ、さらに支持材の一端に具備される係止部をロープ材に係止する。踏み面形成工程では、略水平に配置された踏板を支持材と脚材に取り付けて踏み面を形成する。また、高さ調整工程では、脚材を伸縮させることによって上下方向の長さを調整し、且つ踏板の水平姿勢を調整する。この工程を繰り返し、避難階段を多段に設置することで斜面上に避難路を構築する。
本願発明の斜面避難路設置方法は、ネット式斜面保護工が施された斜面に避難路を設置する方法であって、脚材設置工程、踏み面形成工程、高さ調整工程を備えた方法である。このうち脚材設置工程では、斜面上方に立ち上げた脚材の下端に取り付けられた係止手段をロープ材に係止する。踏み面形成工程では、略水平に配置された踏板を脚材に取り付けるとともに、この踏板の斜面側端部に取り付けられた係止手段をロープ材に係止することで踏み面を形成する。また、高さ調整工程では、脚材を伸縮させることによって上下方向の長さを調整し、且つ踏板の水平姿勢を調整する。この工程を繰り返し、避難階段を多段に設置することで斜面上に避難路を構築する。
本願発明の斜面避難路設置方法は、手すり設置工程を備えた方法とすることもできる。この手すり設置工程では、脱着式の支柱を取り付けるとともに、この支柱に設けられた支持環(手すり支持部)にロープ材(手すり材)を設置して手すりを形成する。
本願発明の斜面用避難階段、及び斜面避難路設置方法には、次のような効果がある。
(1)ネット式斜面保護工が施された斜面を容易に登っていくことができるので、老人や子供をはじめ多くの人を避難させることができる。
(2)構造も簡易であり、容易に設置できることから、製造、施工ともに費用を軽減することができる。
(3)軽量で運搬も容易であり、設置にも手間がかからないため、短い工期での施工が可能であり、通行規制を伴う場合であっても一般交通に与える影響は極めて小さい。
(4)既述のとおりネット式斜面保護工が施された斜面は既に多数あり、その点では広く採用できる汎用的な技術といえる。
(5)地震直後は、落石や崩壊が生ずる恐れのある不安定な斜面もある。本願発明の場合、ネット式斜面保護工が施されている斜面を対象としていることから、落石や崩壊から保護された斜面を登っていくわけであり、その点でも安心して避難することができる。
(6)繊細な位置精度をもって設置する必要がないので、立木があるような斜面でも立木を避けながら設置することが可能であり、伐採の手間を省くことができるうえ、自然保護や環境維持を図ることができる。
(7)斜面上方に立設される脚材を上下方向に伸縮可能とすれば、踏み面の水平姿勢の調整が容易となり、勾配変化や起伏の大きな斜面でも好適に避難路を設置することができる。
(8)支持材の係止部としてU字形係止具を利用すれば、挟み込んで締め付けるだけでロープ材に係止できるため、水平ロープでも鉛直ロープでも容易かつ確実に支持材を係止することができる。
ネット式斜面保護工がある自然斜面に、避難路が形成された状況を示す断面図。 (a)は、第1の実施形態のうち1段式の斜面用避難階段の詳細を示す断面図、(b)は、第1の実施形態のうち2段式の斜面用避難階段の詳細を示す断面図。 略水平に配置された支持材の上に踏板を載せた状況を示す斜視図。 第2の実施形態の斜面用避難階段の詳細を示す断面図。 (a)第3の実施形態の斜面用避難階段の詳細を示す断面図、(b)は第3の実施形態の斜面用避難階段の詳細を示す正面図。 第4の実施形態の斜面用避難階段の詳細を示す断面図。 本願発明の斜面避難路設置方法を示すフロー図。 (a)ネット式斜面保護工を設置した状態を示す側面図、(b)はネット式斜面保護工を設置した状態を示す正面図。
本願発明の斜面用避難階段、及び斜面避難路設置方法の実施形態の例を、図に基づいて説明する。
1.全体概要
図1は、ネット式斜面保護工Neがある自然斜面に、避難路Erが形成された状況を示す断面図である。この図に示すように、本願発明の斜面用避難階段100を多段(図では10段)に設置することによって、斜面上に避難路Erを形成することができる。
斜面用避難階段100は、斜面に施されたネット式斜面保護工Neを利用して設置される。つまり、斜面用避難階段100を設置するためにはネット式斜面保護工Neが必要となるが、必ずしも本願発明のためにネット式斜面保護工Neを設置する必要はなく、既設のネット式斜面保護工Neを利用することもできる。なおネット式斜面保護工Neは、既述のとおり所定の間隔(例えば、50cm×50cm程度)でワイヤーロープ等を縦横に編んだものであり、略水平に配置される水平ロープRhと、略鉛直に配置される鉛直ロープRvを主な部材とする。
また、図1では自然斜面に斜面用避難階段100を設置しているが、もちろん人工のり面に設置することもできるし、多少の起伏がある斜面や、植生が存在する斜面、あるいは急な勾配の斜面であっても設置することがきる。ただし、老人や子供が避難することを考えれば、勾配が55度(1:0.7)よりも緩い斜面を対象とすることが望ましい。
斜面用避難階段100は、略水平(水平も含む)に配置される支持材10と、斜方向に配置される斜材20を含んだ部材で構成される。このうち、支持材10の端部にはフック状に加工された係止部11が設けられており、この係止部11を水平ロープRhに係止することで斜面用避難階段100を斜面上に設置することができる。また、支持材10又は斜材20の一部に鉛直ロープ用の係止具を設けることで、水平ロープRhへの係止に加えて鉛直ロープRvに係止することもできる。
斜面用避難階段100には、手すり30を設けることもできる。この手すり30は、主に支柱31と手すり材32で構成され、避難者の安全な昇降を可能にする。
斜面上に斜面用避難階段100を設置する作業は、斜面勾配によるものの比較的困難であることが多く、したがって現地に搬入する部材等は軽量であることが望ましい。そのため、斜面用避難階段100を構成する部材は、軽量な材料からなるものとするほうが良い。さらに、手すり30を構成する支柱31は、支持材10や斜材20からなる部品とは別に現地に搬入できるように、脱着式とすることが望ましい。
以下、本願発明の斜面用避難階段、及び斜面避難路設置方法を、4つの実施例に分けて詳細に説明する。
2.第1の実施形態
図2は、斜面用避難階段100の詳細を示す図で、(a)は1段の斜面用避難階段100の断面図、(b)は2段からなる斜面用避難階段100の断面図である。この図に示すように、斜面用避難階段100は、支持材10、斜材20、及び踏板40で構成される。なお便宜上図(b)では、上段を構成する部材にそれぞれ添字aを付し、下段の部材にはそれぞれ添字bを付した。
(支持材)
支持材10は鋼棒といった棒状、又は構造用炭素鋼鋼管など管状の部材であり、その端部(図2では右側)にはフック状に加工された係止部11が形成されている。この係止部11がフック状となっていることで、ネット式斜面保護工Neを構成する水平ロープRhに係止することができる。なお、水平ロープRhへの係止に加えて鉛直ロープRvに係止することもできるのは既述のとおりである。支持材10のうち係止部11が設けられていない方の端部(図では左側)には、斜材20が連結されている。支持材10と斜材20の連結は、ボルト等を利用した回転させない固定手段とすることもできるし、ピン等を利用することで回転が自由となるいわゆるヒンジ固定とすることもできる。設置する斜面が、凹凸の存在や勾配の変化など不連続な傾斜であることも予想され、このような場合、ヒンジ固定とすると柔軟に角度調整できるので好適である。
(斜材)
支持材10と同様、斜材20も棒状又は管状の部材である。その端部(図2では上側)に支持材10が連結されているのは既述のとおりで、他方の端部にはアンカー部21が設けられている。このアンカー部21は、斜面の地盤(地山)内に挿入することが可能であり、このようにアンカー部21を斜面に挿入することによって斜面用避難階段100は斜面に固定され、すなわち斜面地盤からの支持を得ることができる。なお、図2に示すように、アンカー部21の挿入長を適度に保つべく、傘状のストッパを設けることもできる。
図2(b)に示すように、2段以上からなる斜面用避難階段100とすることもできる。もちろん、図2(a)に示す1段の斜面用避難階段100を独立して2段以上設置してもよいが、水平ロープRhの設置間隔が離れている場合などは2段以上からなる斜面用避難階段100が有効となる。2段からなる斜面用避難階段100では、上段の斜材20aと下段の支持材10bが連結される。下段の支持材10bには係止部11が設けられず、代わりに連続部12が設けられ、この連続部12で上段の斜材20aと連結されるわけである。この連続部12での連結も、支持材10と斜材20の連結と同様、ボルト等を利用した回転しない固定とすることもできるし、ピン等を利用したヒンジ固定とすることもできる。
(踏板)
踏板40は板状の部材であり、鋼製又は合板製の足場板を利用することができる。図3は、略水平に配置された支持材10の上に踏板40を載せた状況を示す斜視図である。この図に示すように、踏板40は2以上の支持材10の上に架け渡されて載置され、その上面が踏み面として形成される。踏板40の上面が踏み面となることから、安全な昇降を実現するため支持材10はできるだけ水平となるように配置される。なお、踏板40を支持する支持材10の間隔、つまりスパン長は、踏板40の材質や板厚等に応じて適宜設計することができる。また、踏板40の長さ(長手方向の寸法)に関しても、予測される避難人数等に応じて(例えば、1m程度〜数十m程度といった範囲で)適宜設計することができる。
踏板40は、クランプなどの治具を用いて固定したり、踏板40に設けた小孔に通した鈍し鉄線(番線)で固定したり、種々の手法で支持材10に固定することができる。あるいは、固定することなく単に支持材10上に載せただけとすることもできる。この場合、踏板40が長手方向や短手方向に滑動しないよう、支持材10に滑り止め(ストッパ)を設けることが望ましい。
(手すり)
避難者がより安全に昇降できるよう、手すり30を備えた斜面用避難階段100とすることもできる。既述のとおり手すり30は、主に支柱31と手すり材32で構成される。支柱31は、支持材10と同様、棒状又は管状の部材であり、支持材10や踏板40に対して脱着可能となっている。また、支柱31には、手すり材32を通すための手すり支持部が設けられている。この支持部は、例えばリング状の支持環であり、紐やロープ、棒材からなる手すり材32を把持することができるものである。なお、手すり30の一部や踏板40の一部に蛍光塗料や夜光塗料などを塗布しておくと、夜間でも難なく避難できるのでより好適となる。
3.第2の実施形態
次に、第2の実施形態の斜面用避難階段100について説明する。なお、第1の実施形態と重複する内容の説明は避け、第2の実施形態に特有の内容のみ説明することとする。すなわち、ここに記載されていない内容は、第1の実施形態で記載したものと同様である。
図4は、第2の実施形態の斜面用避難階段100の詳細を示す断面図である。この図に示すように、斜面用避難階段100は、支持材10、斜材20、及び充填材50で構成される。なお、ここでは図4に示す2段式の斜面用避難階段100の例で説明するが、1段式あるいは3段式以上の斜面用避難階段100も同様の構造となる。
(支持材)
支持材10は、第1の実施形態と同様、棒状又は管状の部材であり、その端部には係止部11が形成されている。ただし本実施形態の支持材10は、図4に示すように、斜面に沿って配置される。また、一つの支持材10に対して1又は2以上の斜材20と連結することができる。このとき、支持材10と斜材20の連結を、回転しない固定とすることもできるし、ヒンジ固定とすることもできるのは、第1の実施形態と同様である。
(斜材)
斜材20は、第1の実施形態とは異なり、板状の部材である。これは、後に説明する充填材を保持する必要があるからである。そのため本実施形態の斜材20は、図4に示す支持材10と紙面奥行方向に配置された支持材10という具合に、2以上の支持材10に連結される。また、本実施形態の斜材20には、斜面に挿入するためのアンカー部21は設けられない。なお、斜材20は板状の部材であると説明したが、面板である必要はなく、充填材が流出しない程度の小孔を備えたメッシュ材(例えば、金網など)でも良い。
(充填材)
充填材50は、第1の実施形態の踏板40に代わって、踏み面を形成するものである。図4に示すように、斜材20と斜面との間には断面視で略三角形状の空間(以下、「充填空間」という。)が形成される。この充填空間に投入されるのが充填材50であり、投入された充填材50の上面を平坦に均すことで踏み面を形成することができる。この充填材50としては、充填空間に充填することができるものであれば種々の材料を利用することができ、例えば、現地発生材である土砂やレキ材、あるいは購入した砂材、その他発泡スチロールのような軽量材などを例示することができる。
充填材50を充填すると、斜材20に側圧が作用する。この側圧に対して、斜材20と支持材10との連結が脆弱であれば、斜材20は想定以上に回転することとなり、その結果、充填材50が流出してしまう。これを防止するため、図4に示す水平拘束材60を設置することができる。水平拘束材60は、ワイヤーロープや鈍し鉄線などを利用したものであり、その一端を支柱10や水平ロープRhに固定し、他端を斜材20上部に固定する。このように水平拘束材60を設置することで、充填材50の側圧による斜材20の回転を防止することができるわけである。
4.第3の実施形態
次に、第3の実施形態の斜面用避難階段100について説明する。なお、第1の実施形態や第2の実施形態と重複する内容の説明は避け、第3の実施形態に特有の内容のみ説明することとする。すなわち、ここに記載されていない内容は、第1の実施形態や第2の実施形態で記載したものと同様である。図5は、第3の実施形態の斜面用避難階段100を示す詳細図であり、(a)はその断面図、(b)は正面図である。この図に示すように、斜面用避難階段100は、支持材10、踏板40、及び脚材70で主に構成される。
(支持材)
支持材10は、第2の実施形態と同様、斜面に沿って配置される。この支持材10の一端にはフック状に加工された係止部11が取り付けられ、水平ロープRhに係止することができる。なお図5では支持材10を山形鋼としているが、鋼棒といった棒状、又は構造用炭素鋼鋼管など管状の部材を用いることもできる。
(踏板)
ここで用いる踏板40も、第1の実施形態と同様、板状の部材であり、鋼製又は合板製の足場板とすることができる。図5に示すように踏板40は、支持材10と脚材70に固定された受け板41の上に取り付けることができる。断面視でL字形となる受け板41のうち、略鉛直姿勢の面を支持材10や脚材70にボルト等で固定し、略水平姿勢の面上に踏板40を載せて固定する。そのため踏板40は、2箇所の受け板41で支持されて略水平面を保持する。なお受け板41は、山形鋼を利用すると良いが、平鋼を組み合わせるなど他の鋼材等を利用することもできる。
(脚材)
脚材70は、支持材10とともに踏板40を支えるもので、断面寸法に比して軸方向に長い軸部材であり、その軸方向が若干傾斜して上下方向に伸びるよう配置される。また、脚材70は、軸方向に伸縮が可能となっている。例えば図5に示すように、脚材70を上部脚材70aと下部脚材70bで構成することとし、それぞれに複数のボルト孔71を設け、上部脚材70aのボルト孔71と下部脚材70bのボルト孔71の組み合わせを変えることで、脚材70の全長を変化させる。この場合、脚材70を所望の長さに調整した後、上部脚材70aと下部脚材70bはボルト等で固定される。
支持材10と脚材70、受け板41(踏板40)は、それぞれボルト等で固定され、側面視すると概ね三角形をなしている。これらの固定は、それぞれ回転可能なヒンジ固定であり、しかも脚材70は伸縮可能であることから、支持材10と脚材70、踏板40で構成される三角形状は任意に変更することができる。斜面の凸凹や、植生等による障害物があっても、脚材70の軸方向長さ(軸長)を調整することで、容易に踏板40の水平姿勢を確保することができるわけである。
5.第4の実施形態
次に、第4の実施形態の斜面用避難階段100について説明する。なお、第1〜第3の実施形態と重複する内容の説明は避け、第4の実施形態に特有の内容のみ説明することとする。すなわち、ここに記載されていない内容は、第1〜第3の実施形態で記載したものと同様である。図6は、第4の実施形態の斜面用避難階段100の詳細を示す断面図であり、この図に示すように、斜面用避難階段100は、踏板40、脚材70、及び係止手段80で主に構成される。
本実施形態の脚材70は、第3の実施形態と同様、伸縮可能であってその軸長を調整することができる構造となっている。図6では、脚材70が部脚材70aと下部脚材70bで構成され、それぞれ複数設けられたボルト孔71を利用して軸長を調整することとしている。踏板40の一端は曲げ加工されており、その曲げ加工された部分が側面視でL字形に加工された上部脚材70aに固定され、踏板40の他端には係止手段80が固定されており、第3の実施形態で説明した受け板41に支持されることなく、上部脚材70aと係止手段80によって直接支持されている。もちろん、図6の構成に代えて、第3の実施形態と同様、踏板40を受け板41に支持させることもできる。
(支持手段)
支持手段80は、L字形(又は逆T字形)の固定板81とU字形の固定具82によって構成される。この固定具82は、U字形の形状を利用してその内側にロープ材を挿入させるもので、例えば、Uボルト等を用いることができる。なお、固定板81としては山形鋼を利用すると良いが、平鋼を組み合わせるなど他の鋼材等を利用することもできる。支持手段80は、固定板81のうち略鉛直姿勢の面をボルト固定することによって、踏板40の一端や脚材70の下端に取り付けられる。また、固定板81のうち略水平姿勢の面には、固定具82を挿通するため2箇所にボルト孔が設けられている。
図6に示すように係止手段80は、斜面用避難階段100を鉛直ロープRvに係止するものである。もちろん、鉛直ロープRvに代えて水平ロープRhに係止することもできる。具体的には、U字形の固定具82の内側に鉛直ロープRvや水平ロープRhを挿通し、その状態で固定具82を固定板81に設けられたボルト孔に挿通して固定する。つまり、鉛直ロープRvや水平ロープRhは、その周囲を固定板81(水平姿勢面)と固定具82によって締め付けられるわけである。このように鉛直ロープRvや水平ロープRhを把持した係止手段80に、踏板40や脚材70が固定され、その結果、斜面用避難階段100は鉛直ロープRvや水平ロープRhに係止される。
係止手段80と踏板40、係止手段80と脚材70は、それぞれボルトによって固定されるが、その際、回転可能なヒンジ固定とすると、踏板40の水平姿勢の調整が容易となって好適である。なお図6では、下段の斜面用避難階段100の一部を示している。この図に示すように、下段の踏板40に固定する係止手段80は、上段の脚材70に固定する係止手段80と兼用することができる。つまりこの場合、上段の係止手段80(固定板81)と、上段の脚材70、下段の踏板40が、ひとつのボルトによって挿通され締め付け固定される。
5.斜面避難路設置方法
図7は、本願発明の斜面避難路設置方法を示すフロー図である。ここでは、この図に基づいて斜面避難路設置方法を説明する。まず、必要機材や斜面用避難階段100の構成部材を仮置きするためのヤードを設けたり、必要に応じて道路の通行規制を行ったり、種々の準備を行う(Step10)。続いて、設置する斜面の勾配や平場の有無にもよるが、斜面上に足場を設けるなど、仮設備の設置を行う(Step20)。
ここで、斜面避難路を設置しようとする斜面にネット式保護工が施されていない場合、あるいは設置範囲が不足している場合は、ネット式保護工の設置を行う(Step30)。もちろん、対象斜面に既設のネット式保護工がある場合は、ネット式斜面保護工程(Step30)を実施する必要はない。予め工場等で連結された支持材10と斜材20の組み合わせ、又は支持材10や脚材70や受け板41などの組み合わせ(以下、「主部材」という。)がヤードに搬入されると、揚重機等を利用して斜面上の所定位置まで主部材を移動する。そして、主部材の係止部11を、ネット式斜面保護工Neを構成する水平ロープRhに係止する(Step40)。あるいは第4の実施形態の斜面用避難階段100の場合は、係止手段80を鉛直ロープRvに係止する。なお、第1の実施形態の斜面用避難階段100の場合は、アンカー部21を斜面の地盤内に挿入して主部材を固定する(Step50)。
主部材が固定されると、踏み面を形成する(Step60)。第1の実施形態の斜面用避難階段100の場合は、略水平に配置された2以上の支持材10上部に踏板40を載置して踏み面を形成する。一方、第2の実施形態の斜面用避難階段100の場合は、斜材20と斜面で形成された充填空間内に充填材50を充填し、充填材50の上面を敷きならすことで踏み面を形成する。第3の実施形態の斜面用避難階段100の場合は、支持材10と脚材70に固定された受け板41の上に踏板40を取り付けることで踏み面を形成する。さらに、第4の実施形態の斜面用避難階段100の場合は、脚材70と係止手段80に踏板40を固定することで踏み面を形成する。このとき、第3と第4の実施形態では、脚材70を伸縮させることで上下方向の長さを調整し、これによって踏板40の水平姿勢を調整する(高さ調整工程)こともできる。
ここまでの工程(Step40〜Step60)を繰り返し行い(ループA)、多段の斜面用避難階段100を設置して、斜面上に避難路を構築する。なお、手すり30を設ける場合は、所定段数の斜面用避難階段100が設置された後、各段に支柱31を取り付け、さらに支柱31に設けられた手すり支持部に手すり材32を設置して手すり30を形成する(Step70)。なお、支柱31のみ各段の主部材とともに取り付け、全段の主部材設置完了後に手すり材32のみを設置することもできる。最後に跡片付けを行って工事完成となる(Step80)。
本願発明の斜面用避難階段、及び斜面避難路設置方法は、道路沿いや線路沿いの斜面や、集落の背後斜面、あるいは役所や学校といった公共施設の背後斜面など、あらゆる斜面を避難路に変えることができる。その結果、多くの人を津波から救うことができることを考えれば、本願発明は産業上利用できるばかりでなく、社会的にも大きな貢献を期待し得る発明といえる。
100 斜面用避難階段
10 支持材
11 係止部
12 連続部
20 斜材
21 (斜材の)アンカー部
30 手すり
31 (手すりの)支柱
32 (手すりの)手すり材
40 踏板
41 受け板
50 充填材
60 水平拘束材
70 脚材
70a (脚材の)上部脚材
70b (脚材の)下部脚材
71 (脚材の)ボルト孔
80 係止手段
81 (係止手段の)固定板
82 (係止手段の)固定具
Er 本願発明の避難路
Ne ネット式斜面保護工
Rh (ネット式斜面保護工の)水平ロープ
Rv (ネット式斜面保護工の)鉛直ロープ

Claims (11)

  1. ネット式斜面保護工が施された斜面に設置する避難階段であって、
    支持材と、斜材と、踏板と、を備え、
    水平又は略水平に配置される前記支持材は、一端に係止部を具備するとともに、他端では前記斜材と連結され、
    前記斜材は、一端にアンカー部を具備し、
    前記踏板は、水平又は略水平に配置された前記支持材の上に載置されて踏み面を形成し、
    前記支持材の前記係止部は、前記ネット式斜面保護工を構成するロープ材に係止可能であり、
    前記斜材のアンカー部は、斜面に挿入することで地盤からの支持を得るものであり、
    多段に設置することで、斜面上に避難路を構築し得ることを特徴とする斜面用避難階段。
  2. ネット式斜面保護工が施された斜面に設置する避難階段であって、
    支持材と、斜材と、充填材と、を備え、
    斜面に沿って配置される前記支持材は、一端に係止部を具備するとともに、他端では前記斜材と連結され、
    前記斜材は板状であり、該斜材と斜面との間には充填空間が形成され、
    前記充填材は、前記充填空間に充填されて踏み面を形成し、
    前記支持材の前記係止部は、前記ネット式斜面保護工を構成するロープ材に係止可能であり、
    多段に設置することで、斜面上に避難路を構築し得ることを特徴とする斜面用避難階段。
  3. ネット式斜面保護工が施された斜面に設置する避難階段であって、
    支持材と、脚材と、踏板と、を備え、
    斜面に沿って配置される前記支持材は、一端に係止部を具備するとともに、他端では前記脚材と連結され、
    斜面上方に立設される前記脚材は、上下方向に軸長の調整が可能であり、
    略水平に配置された前記踏板は、前記支持材及び前記脚材に取り付けられて踏み面を形成し、
    前記支持材の前記係止部は、前記ネット式斜面保護工を構成するロープ材に係止可能であり、
    多段に設置することで、斜面上に避難路を構築し得ることを特徴とする斜面用避難階段。
  4. ネット式斜面保護工が施された斜面に設置する避難階段であって、
    脚材と、踏板と、係止手段と、を備え、
    斜面上方に立設される前記脚材は、上下方向に軸長の調整が可能であり、
    略水平に配置された前記踏板は、前記脚材に取り付けられて踏み面を形成し、
    前記係止手段は、前記脚材の下端と前記踏板の斜面側端部それぞれに取り付けられるとともに、前記ネット式斜面保護工を構成するロープ材に係止可能であり、
    多段に設置することで、斜面上に避難路を構築し得ることを特徴とする斜面用避難階段。
  5. 前記係止部は、係止板とU字形係止具を含み、
    前記U字形係止具内にロープ材を挿通し、該U字形係止具を前記係止板に締め付け固定することで、前記係止部はロープ材に係止可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の斜面用避難階段。
  6. さらに脱着式の支柱を備え、
    前記支柱に設けられた手すり支持部に手すり材を設置することによって、避難階段用の手すりを構築し得ることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の斜面用避難階段。
  7. ネット式斜面保護工が施された斜面に避難路を設置する方法であって、
    斜材が連結された支持材を水平又は略水平となるように配置するとともに、該支持材の一端に具備される係止部を、前記ネット式斜面保護工を構成するロープ材に係止する支持材設置工程と、
    前記斜材の一端に具備されるアンカー部を、斜面に挿入することで地盤からの支持を得る地盤支持工程と、
    配置された前記支持材の上に、前記踏板を載置して踏み面を形成する踏み面形成工程と、を備え、
    前記支持材、前記斜材、及び前記踏板を含んで構成される避難階段を、多段に設置することで斜面上に避難路を構築することを特徴とする斜面避難路設置方法。
  8. ネット式斜面保護工が施された斜面に避難路を設置する方法であって、
    斜材が連結された支持材を斜面に沿うように配置するとともに、該支持材の一端に具備される係止部を、前記ネット式斜面保護工を構成するロープ材に係止する支持材設置工程と、
    板状の前記斜材と斜面との間に形成される充填空間に、充填材を充填して踏み面を形成する踏み面形成工程と、を備え、
    前記支持材、前記斜材、及び前記充填材を含んで構成される避難階段を、多段に設置することで斜面上に避難路を構築することを特徴とする斜面避難路設置方法。
  9. ネット式斜面保護工が施された斜面に避難路を設置する方法であって、
    斜面に沿って支持材を配置し、該支持材に脚材を回転可能に固定するとともに、該脚材を斜面上方に立ち上げ、さらに前記支持材の一端に具備される係止部を、前記ネット式斜面保護工を構成するロープ材に係止する支持材設置工程と、
    略水平に配置された踏板を、前記支持材及び前記脚材に取り付けて踏み面を形成する踏み面形成工程と、
    前記脚材を伸縮させることによって上下方向の長さを調整し、且つ前記踏板の水平姿勢を調整する高さ調整工程と、を備え、
    前記支持材、前記脚材、及び前記踏板を含んで構成される避難階段を、多段に設置することで斜面上に避難路を構築することを特徴とする斜面避難路設置方法。
  10. ネット式斜面保護工が施された斜面に避難路を設置する方法であって、
    斜面上方に立ち上げた脚材の下端に取り付けられた係止手段を、前記ネット式斜面保護工を構成するロープ材に係止する脚材設置工程と、
    略水平に配置された踏板を前記脚材に取り付けるとともに、該踏板の斜面側端部に取り付けられた係止手段をロープ材に係止することで踏み面を形成する踏み面形成工程と、
    前記脚材を伸縮させることによって上下方向の長さを調整し、且つ前記踏板の水平姿勢を調整する高さ調整工程と、を備え、
    前記脚材、及び前記踏板を含んで構成される避難階段を、多段に設置することで斜面上に避難路を構築することを特徴とする斜面避難路設置方法。
  11. 脱着式の支柱を取り付けるとともに、該支柱に設けられた手すり支持部に手すり材を設置する手すり設置工程を、さらに備えたことを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれかに記載の斜面避難路設置方法。
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