JP2015041654A - パッケージ及び光検出センサ - Google Patents

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宣之 西居
Noriyuki Nishii
宣之 西居
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Atsushi Fujii
淳 藤井
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英二 入佐
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勝 島田
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Abstract

【課題】キャップとステムとを気密封止する封止材の接合部分からのはみ出しが抑制されたパッケージ及び光検出センサを提供する。
【解決手段】底部から頂部に向かって内部に凹部が設けられたキャップと、中央領域及び中央領域の外周に隣接する外縁領域が定義された主面を有し、外縁領域でキャップの底部と対向するステムと、底部の外縁に沿って環状に配置され、ステムの外縁領域とキャップの底面の一方から他方に達する突起と、突起により構成される溝の内部に充填され、キャップの底部の底面とステムの外縁領域とを接合して凹部を気密封止する封止材とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、内部が気密封止されたパッケージ及び光検出センサに関する。
内部が気密封止されるように、キャップとステムを接合してパッケージが形成される場合がある。例えば、赤外線、X線を検出する光検出装置などにおいて、光検出素子の周囲を真空状態にするために、光検出素子を格納するパッケージが気密封止される。
キャップ内を真空にして気密封止するために、真空環境中でキャップとステムとを固定する方法がある。この固定方法としては、抵抗溶接法や、接着剤、半田材若しくはロウ材を封止材に用いる方法などがある。抵抗溶接法を採用すると、キャップとステムとの接合部分に多少変形が生じる。また、接着剤、半田材、ロウ材を用いる方法では、これらの封止材が接合部分からはみ出すことがある。封止材が接合部分からはみ出すために、キャップとステムの接合時に封止材がキャップ内に飛び散ってキャップ内部の素子を汚染したり、キャップ内部に流れ込んだ封止材によって内部の電気回路がショートするなどの不良が発生したりすることがある。
このため、キャップとステムの溶接時の溶接飛びや封止材のキャップ内部への流れ込みを防止するために、キャップとの接続箇所でステムの表面に位置合わせを兼ねた溝を設ける方法(例えば、特許文献1参照。)や、キャップに設けたプロジェクションの内側に溝を形成する方法(例えば、特許文献2参照。)などがある。
特開平01−236675号公報 特開2010−34287号公報
キャップやステムの表面に形成した溝から封止材が溢れ出したときに、どの方向にどれだけの量の封止材がはみ出すか予測が困難であり、特定の方向に多量の封止材がキャップ内部にはみ出したり、ステムの裏側にはみ出したりする可能性がある。
本発明は、キャップとステムとを気密封止する封止材の接合部分からのはみ出しが抑制されたパッケージ及び光検出センサを提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、(イ)底部から頂部に向かって内部に凹部が設けられたキャップと、(ロ)中央領域及び中央領域の外周に隣接する外縁領域が定義された主面を有し、外縁領域でキャップの底部と対向するステムと、(ハ)底部の外縁に沿って環状に配置され、ステムの外縁領域とキャップの底面の一方から他方に達する突起と、(ニ)突起により構成される溝の内部に充填され、キャップの底部の底面とステムの外縁領域とを接合して凹部を気密封止する封止材とを備えるパッケージが提供される。
本発明の他の態様によれば、(イ)底部から頂部に向かって内部に凹部が設けられたキャップ、中央領域及び中央領域の外周に隣接する外縁領域が定義された主面を有し、外縁領域でキャップの底部と対向するステム、底部の外縁に沿って環状に配置され、ステムの外縁領域とキャップの底面の一方から他方に達する突起、及び、突起により構成される溝の内部に充填され、キャップの底部の底面とステムの外縁領域とを接合して凹部を気密封止する封止材を備えるパッケージと、(ロ)キャップ内に配置され、キャップに設けられた入射窓を透過して照射された光のエネルギーを電気信号に変換する光検出素子とを備える光検出センサが提供される。
本発明によれば、キャップとステムとを気密封止する封止材の接合部分からのはみ出しが抑制されたパッケージ及び光検出センサを提供できる。
本発明の実施形態に係るパッケージの模式的な断面図である。 本発明の実施形態に係るパッケージの模式的な平面図である。 比較例のパッケージの構造を示す模式図であり、図3(a)は接合前の状態を示し、図3(b)は接合後の状態を示す。 他の比較例のパッケージの構造を示す模式図であり、図4(a)は接合前の状態を示し、図4(b)は接合後の状態を示す。 本発明の実施形態に係るパッケージの構造を示す模式図であり、図5(a)は封止材を搭載前の状態を示し、図5(b)は接合前の状態を示し、図5(c)は接合後の状態を示す。 本発明の実施形態に係るパッケージの他の構造を示す模式図であり、図6(a)は封止材を搭載前の状態を示し、図6(b)は接合前の状態を示し、図6(c)は接合後の状態を示す。 封止材の量を設定するシミュレーションを説明するための模式図であり、図7(a)は側面図を示し、図7(b)は平面図を示す。 本発明の実施形態に係るパッケージの溝の容積の例を示す表である。 本発明の実施形態に係るパッケージの封止材が溝の外側にはみ出す領域の容積の例を示す表である。 本発明の実施形態に係るパッケージの封止材に使用可能な材料の例を示す表である。 本発明の実施形態に係るパッケージを光検出センサに適用した例を示す模式的な側面図である。 本発明の実施形態に係るパッケージを光検出センサに適用した例を示す模式的な平面図である。 本発明の実施形態の変形例に係るパッケージの構造を示す模式図である。 本発明の実施形態の他の変形例に係るパッケージの構造を示す模式図である。 本発明のその他の実施形態に係るパッケージの構造を示す模式図である。
図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。
又、以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置などを下記のものに特定するものでない。この発明の実施形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
本発明の実施形態に係るパッケージ1は、図1に示すように、頂部11、底部12、及び頂部11と底部12を連結する外周部14を有し、底部12から頂部11に向かって内部に凹部15が設けられたキャップ10と、中央領域22及び中央領域22の外周に隣接する外縁領域23が定義された主面21を有するステム20とを備える。
ステム20の主面21には、中央領域22よりも外縁領域23が低い位置にあるように段差24が形成され、外縁領域23でキャップ10の底部12とステム20とが接している。キャップ10の底部12の底面13とステムの外縁領域23とは封止材30によって接合されて、キャップ10の凹部15の内部が気密封止されている。
更に、ステム20の外縁領域23とキャップ10の底面13の一方から他方に達する突起40が底部12の外縁に沿って連続的に環形状に形成されている。封止材30は、突起40よりもステム20の主面21の段差24側において、キャップ10とステム20間に形成された隙間に充填されている。なお、段差24の高さは突起40の高さよりも高く、ステム20の中央領域22はキャップ10の内部に位置する。
図1に示した例では、突起40がステム20の外縁領域23に形成され、突起40と段差24との間に封止材30が充填されている。突起40の頂部がキャップ10の底面13に接しており、これにより、キャップ10の底部12とステム20の主面21との間に隙間が形成される。この隙間に封止材30を充填することによって、キャップ10の凹部15内を気密封止できる。封止材30には、例えば、半田材などを使用可能である。
頂部11が半球形状、底部12が円盤形状、外周部14が円柱形状のキャップ10を使用する場合、図2に示すような主面21が円形状である円盤形状のステム20とキャップ10を接合して、パッケージ1が構成される。突起40は、ステム20の底部12の外縁に沿って連続的に円形に配置される。
なお、図1では突起40の垂直方向の断面が三角形状である例を示したが、封止材30を塞き止めることができれば、突起40はどのような形状であってもよい。例えば、突起40の断面形状が矩形であってもよい。
パッケージの内部を気密封止するために、例えば真空中でキャップとステムを接合する方法がある。この場合、ステムとキャップのいずれかに封止材を予め搭載し、真空チャンバー内にキャップとステムを格納する。そして、真空ベーキング状態で封止材を溶かしながら、キャップとステムとを接合する。
このような真空内の接合では、接合前に各部品の脱ガスをするために、真空チャンバー内にステムとキャップを入れてから数日間のベーキングを行うのが一般的である。脱ガスのためのベーキングは、封止材30の融点より低く、また、真空チャンバー内の部材の耐熱温度よりも低い温度で行われる。
このように長時間の脱ガス用ベーキングを行うため、一回の処理において複数のパッケージを形成するバッチ処理が行われて作業効率の向上が図られる。このため、キャップ及びステムをそれぞれ複数搭載する接合装置が真空チャンバー内に格納され、この接合装置によってキャップとステムとが接合される。即ち、接合装置の備える上下2つの冶具の一方に複数のステムを載せ、他方に複数のキャップを載せる。そして、キャップ又はステムのいずれかの接合面に封止材を搭載しておき、封止材が溶ける温度に加熱した後、冶具ごとキャップとステムの位置合わせを行う。その後、冶具に圧力をかけてキャップとステム間の隙間を調節して接合が行われる。
このとき、キャップ、ステム、封止材にはそれぞれ形状ばらつきがある。更に、接合装置においても、複数の接合を同時に行う際の接合誤差にばらつきがある。
しかし、上記のように真空チャンバー内で複数のパッケージを同時に形成するので、個々のパッケージについてキャップとステム間の隙間の詳細な位置調整を個別に行うことは困難である。つまり、ステム又はキャップに搭載した封止材が加熱によって溶けた後に、封止材の形状を確認して一つずつキャップとステムの位置精度を確認し、キャップとステムの間隔の最適化を図りつつ、溶けた封止材のはみ出し量を最小にする、などの細かい調整ができない。
例えば図3(a)に示すように、突起40のないステム20aに封止材30を搭載した場合を検討する。このとき、キャップ10aとステム20aとを接合すると、図3(b)に示すように、ステム20aとキャップ10aとの接合箇所からの封止材30の大量のはみ出し31が発生する可能性がある。その場合、外観不良となるだけでなく、ステム20aの裏側に封止材30がはみ出して、ステム20aの裏側に配置されたリード線の絶縁部を短絡したり、ステム20aの裏側が平坦な状態にならなかったりする。このため、例えばステム20aの裏側に接続する放熱装置とステム20aとの接触面積が少なくなり、放熱が不十分になってパッケージに格納された部品の冷却不足が起こる可能性がある。
なお、封止材30の量を減らすことで、ステム20aとキャップ10aとの接合箇所からの封止材30のはみ出し量を少なくすることができる。しかし、封止材30が不足して、図3(b)に示すように、ステム20aとキャップ10aとの接合後に封止材30で埋め込まれていない空隙32が発生する可能性がある。その結果、キャップ10aとステム20a間の真空封止が不十分になる。
図4(a)に示すように突起40のないキャップ10aに封止材30を搭載した場合にも、図4(b)に示すように、ステム20aとキャップ10aとの接合箇所から大量の封止材30のはみ出し31が発生したり、空隙32が発生したりする可能性がある。
ステム20a上に搭載された封止材30が真空中で封止材30の融点以上に加熱された場合、溶けた封止材30の形状を制御することは困難である。例えばキャップ10が円筒形状である場合には、封止材30はステム20a上でドーナツ型に形成されるが、溶けた状態の封止材30をドーナツ型に維持することは難しい。同様に、キャップ10a上に封止材30を搭載し、真空中で封止材30の融点以上に加熱して封止材30を溶かしてキャップ10aとステム20aを接合する場合にも、溶けた封止材30の形状を制御することは困難である。
これに対し、図1に示したキャップ10とステム20によってパッケージ1を形成する場合には、図5(a)に示すように、ステム20の主面21の外縁領域23に形成された突起40と段差24との間に環状に溝50が形成され、この溝50内に溶けた封止材30が留まる。
例えばステム20の主面21が円形状である場合には、ステム20の直径よりもやや小さい直径の円を形成するように、突起40が外縁領域23に配置される。
突起40を利用して形成された溝50に、図5(b)に示すように封止材30を搭載する。そして、封止材30を溶かした状態で図5(c)に示すようにキャップ10の底部12とステム20の外縁領域23とを接近させて、溝50の内部に留まった封止材30によって、キャップ10とステム20とを接合する。
このとき、ステム20に形成された突起40の頂部がキャップ10の底面13に接触するまでキャップ10とステム20の位置を調整すればよいため、キャップ10とステム20の間隔について詳細な位置合わせは必要ない。また、溝50内部の容量に合わせて封止材30の形状・体積を調整しておくことによって、溝50に空隙が生じたり、溝50から封止材30が大量にはみ出したりすることを防止できる。したがって、封止材30がステム20の裏側にはみ出すことがなく、封止材30によってステム20の裏側に配置されたリード線の絶縁部が短絡されることがない。また、ステム20の裏側を平坦な状態に保つことができる。
上記のように突起40によってキャップ10とステム20間の距離が一定に維持される。つまり、キャップ10とステム20間を隙間なく、且つ接合部分からのはみ出しがないように予め搭載量が調整された封止材30によって、接合時のキャップ10とステム20間の距離が最適に設定される。その結果、突起40により構成される溝50から封止材30がキャップ10の凹部15内やステム20の裏側にはみ出すことや、キャップ10とステム20間の接合部分に封止材30の隙間が発生することが抑制される。
図5(a)〜図5(c)では、ステム20の主面21に突起40を形成する例を説明した。しかし、キャップ10の底面13に突起40を形成してもよい。例えば図6(a)に示すように、キャップ10の底面13に、底部12の外縁に沿って突起40を2重に配列する。キャップ10の底面13が円形状である場合には、キャップ10の底部12の直径よりもやや小さい直径で、2重に突起40が底面13に配置される。これにより、内側の突起40Aと外側の突起40Bとの間に溝50が形成される。この溝50に、封止材30を搭載する。
図6(b)に示すように、加熱により封止材30を溝50内で溶解させる。そして、図6(c)に示すようにキャップ10の底部12とステム20の外縁領域23とを接近させて、封止材30が溝50の内部に留まった状態で、キャップ10とステム20とを接合する。このとき、突起40の頂部が外縁領域23に接触するまでキャップ10とステム20の位置を調整すればよいため、キャップ10とステム20の間隔について詳細な位置合わせは必要ない。また、溝50内部の容量に合わせて封止材30の形状・体積を調整しておくことによって、溝50に空隙が生じたり、溝50から封止材30が大量にはみ出したりすることを防止できる。
以下に、溝50に充填される封止材30の量を設定するシミュレーションの例を、図7(a)、図7(b)を参照して説明する。以下では、ステム20の主面21の外縁領域23に突起40を配置する場合を例示的に説明する。ここで、ステム20が円板形状であり、外縁領域23の半径S1が7.65mm、中央領域22の半径S2が6.65mm、キャップ10の底面13の幅は1mmとする。なお、図7(b)の点Xは、ステム20の中心を示す。
主面21と垂直な方向に沿った突起40の断面形状は、幅C、高さHの矩形とする。段差24と突起40までの距離、即ち溝50の幅をAとする。なお、段差24の高さは突起40の高さHよりも高い。
ステム20上に搭載された封止材30は、ステム20の段差24に沿って配置された直径Dが0.5mmのリング状であるとする。このリングの中心の直径は、2×6.65+0.5=13.8mmである。したがって、封止材30の体積は、13.8×3.14×0.25×0.25×3.14=8.50mm3である。
図6(a)と図6(b)にハッチングを付して示した溝50の容積V1、及び封止材30が溝50の外側にはみ出す領域の容積V2は、溝50の幅A、突起40の幅Cを用いると、ステム20の外縁領域の直径は2S1=2×7.65=15.3mmとなるので、以下の式(1)、式(2)のように表される:

V1={(A+13.3/2)2×3.14−(13.3/2)2×3.14}×H ・・・(1)
V2={(15.3/2)2×3.14−(13.3/2+A+C)2×3.14}×H ・・・(2)

C=0.1mmとしたときの容積V1の計算値を図8に示し、容積V2の計算値を図9に示す。なお、A=0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、H=0.2mm、0.25mm、0.3mmの場合について、容積V1と容積V2を算出した。
図8及び図9に示したように、直径Dが0.5mmの封止材30を使用した場合、例えばステム20の段差24から0.6mmの距離に高さ0.25mmの突起40を配置した場合(A=0.6mm、H=0.25mm)、ステム20とキャップ10との間に容積V1が6.70mm3の溝50が形成される。そして、封止材30の全体8.50mm3のうち、1.80mm3が溝50の外側の3.53mm3の領域(容積V2)に移動する。しかし、図5(c)に示したように、キャップ10の内壁とステム20の段差24との隙間に封止材30の一部が移動するため、突起40よりも外側に移動する封止材30の量は1.80mm3よりも少ない。したがって、封止材30がキャップ10とステム20の接合部分よりも外側にはみ出すことはほとんどなくなる。
図10に、封止材30に使用可能な材料の例を示す。なお、封止材30の融点が低いと、融点以下の温度で行う脱ガス用ベーキングに要する時間が長くなる。一方、封止材30の融点が高いと、キャップ10とステム20の接合に使用する接合装置にダメージが加わる可能性が高くなる。このため、融点が150℃〜200℃程度の、例えばInなどが封止材30に好適に採用される。
以上に説明したように、本発明の実施形態に係るパッケージ1では、ステム20の外縁領域23とキャップ10の底面13の一方から他方に達する突起40が配置され、これにより溝50がステム20とキャップ10に形成される。この溝50に封止材30を搭載することによって、キャップ10とステム20とを接合した場合に、加熱により溶けた封止材30によって溝50が充填される。溝50内部を充填した融解状態の封止材30は冷却されて固体化し、キャップ10内部を気密封止した状態でキャップ10とステム20を接合する。
突起40を利用して形成される溝50の容量に合わせて封止材30の体積を計算しておくことによって、溝50からはみ出す封止材30の量を少量にできる。その結果、接合箇所から封止材30がはみ出したり、接合箇所に空隙が生じたりすることを抑制できる。
更に、接合時には、ステム20又はキャップ10の一方に形成された突起40の頂部が他方に接触するまでキャップ10とステム20の位置を調整すればよい。このため、キャップ10とステム20の間隔について詳細な位置合わせは必要がなく、作業効率や精度が向上する。
例えば真空チャンバー内で搭載装置によって複数のキャップ10とステム20をそれぞれ同時に接合して複数のパッケージ1を同一処理で形成する場合にも、搭載装置による詳細な位置調整を行わなくても、封止材30のはみ出しや空隙の発生がなく、接合の出来栄えにばらつきが生じない。
パッケージ1は、例えば図11に示すような、光検出センサ100に採用可能である。光検出センサ100に使用される光検出素子110は、後述するように一般的には真空環境下に置くことが望ましい。
図11に示すように、底面13に対向するキャップ10の頂部11は半球状になっており、天頂部には開口部が設けられている。この開口部は入射窓111によって覆われている。入射窓111を透過して検出対象の光線Lがキャップ10の内部に入射し、凹部15に収納された光検出素子110に照射される。
例えば光線LがX線である場合には、入射窓111には膜厚20μm〜30μm程度のベリリウム(Be)などを採用可能である。この場合、入射窓111はAg−Cuなどのロウ材を用いてキャップ10に固定されるのが一般的である。
光検出素子110は、照射された光のエネルギーを電気信号に変換する。光検出素子110は、シリコン(Si)基板を用いたP−I−N接合を有する半導体素子や、SDD(Silicon Drift Detector)素子などである。
例えばP−I−N接合を有する光検出素子110では、光が光検出素子110に入射すると、I層に入射した光線Lにより光検出素子110内に電子と正孔が生じ、外部に電流パルスとして検出される。光検出素子110を構成する半導体基板は、X線、γ線、紫外線、赤外線、可視光線などの検出対象の光の種類に合わせて選択される。つまり、検出する光線Lが吸収されてキャリアを発生する材料の基板が選択される。例えばX線を検出する場合には、Si基板が選択される。また、γ線を検出する場合には、ゲルマニウム(Ge)基板などを採用可能である。
光検出素子110から出力される電気的な出力信号は、初段FET回路に受信される。例えば、光線Lの入射によって光検出素子110に生成された検出電流が、初段FET回路を構成する電界効果トランジスタ(FET)のゲート電極に入力される。そして、初段FET回路によって、光検出素子110の検出電流は光線Lのエネルギーに比例した電圧に変換・増幅され、検出信号として出力される。初段FET回路から出力された検出信号を解析することにより、測定対象物に含まれる元素を特定可能である。
また、図11に示すように、光検出素子110上にコリメータ120を配置してもよい。コリメータ120は、例えば多層の金属膜の積層体であり、光検出素子110の所定の照射領域にのみ光線Lが照射されるように光検出素子110の他の領域を覆って配置される。光線Lを遮蔽するコリメータ120には、光線Lを吸収し、且つ、検出結果に影響を及ぼす不純線を放射しない材料が選ばれる。コリメータ120は、光検出素子110上に接着剤によって固定される。
光検出素子110は、基板130上に搭載されてキャップ10内に配置されている。なお、光検出素子110がX線検出素子である場合には、不純線対策として炭化水素系の接着剤によって基板130に固定されるのが一般的である。
凹部15に収納される基板130上には、図12に示すように、初段FET回路140、キャップ10内の温度をモニタする温度センサ150も搭載されている。初段FET回路140を基板130上に固定するには高融点の半田材、温度センサ150を基板130上に固定するには接着剤が使用可能である。
光検出素子110を真空環境下に置くために、図12に示すように、キャップ10内でステム20上にゲッター材160が配置されている。ゲッター材160は、キャップ10内の水素を吸着するものである。
光検出素子110は、一般的に、例えば−70℃〜−20℃程度の低温で動作させる。このため、サーモモジュール170がステム20上に搭載され、キャップ10の凹部15内に収納される。サーモモジュール170には、例えば図11に示すように、ペルチェステージ171間にペルチェ素子172を配置した構成の多段サーモモジュールを採用可能である。ペルチェステージ171にはアルミナ基板などが使用され、ペルチェステージ171とペルチェ素子172とが半田材で固定される。図11に例示したように、ペルチェステージ171間に複数のペルチェ素子172が配置される。サーモモジュール170は、例えばコバール製のステム20に半田材で固定される。
図11では3枚のペルチェステージ171を用いて2段構成の多段サーモモジュールを使用する例を示した。しかし、単層のサーモモジュールや3段以上の多段サーモモジュールを使用しても構わない。
光検出素子110、初段FET回路140、温度センサ150などが搭載された基板130が、サーモモジュール170の最上段のペルチェステージ171上に接着剤によって固定される。
なお、光検出素子110、初段FET回路140、温度センサ150などについては、図示を省略した金ワイヤなどの配線によってステム20のリード線180に接続される。
光検出素子110を用いた光検出センサ100では、光検出素子110を低温で動作させる必要がある。このため、サーモモジュール170をキャップ10の凹部15内に収納し、光検出素子110を冷却する。しかし、多段サーモモジュールは冷却能力が低いため、多段サーモモジュールの性能を発揮させるためには断熱することが有効である。したがって、サーモモジュール170と光検出素子110が配置されている空間、即ちキャップ10の凹部15内を真空状態に保つことが必要である。
パッケージ1によれば、接合箇所から封止材30がはみ出したり接合箇所に空隙が生じたりすることを抑制しつつ、サーモモジュール170と光検出素子110が配置されている凹部15内を真空状態に保って気密封止できる。また、封止材30がキャップ10内に飛び散って光検出素子110や初段FET回路140などの内部構造物を汚染することを防止できる。
なお、初段FET回路140から出力された検出信号は、ステム20の裏側に配置されたリード線180を伝播して、光検出センサ100の外部に出力される。このため、キャップ10とステム20を接合する封止材30がステム20の裏側にはみ出すと、リード線の絶縁部を短絡する可能性がある。また、ステム20の裏側にはステム20の熱を放出するための放熱用スタッド190が配置される。このため、封止材30がステム20の裏側にはみ出すと、ステム20の裏側と放熱用スタッド190とが密着せず、ステム20からの放熱が阻害される。したがって、ステム20の裏側に封止材30がはみ出さないパッケージ1は、光検出センサ100に好適に使用される。
<変形例>
上記では、キャップ10の底部12にフランジが形成されている例を示したが、図13に示すように、底部12にフランジのない場合も本発明の実施形態に含まれる。なお、図13ではステム20側に突起40を配置する例を示したが、キャップ10の底部12の底面13に突起40を配置してもよいことはもちろんである。
また、上記ではステム20の主面21に段差24が形成されている例を示したが、主面21の中央領域22と外縁領域23との境界に段差のない場合にも本発明は適用可能である。例えば図14に示すように、ステム20の主面21の外縁領域23上に突起40を2重に配列する。これにより、内側の突起40Aと外側の突起40Bとの間に溝50が形成される。この溝50に、封止材30を搭載する。そして、溶けた封止材30が溝50の内部に留まった状態でキャップ10とステム20とを接合することによって、キャップ10の凹部15を気密封止できる。このとき、溝50内部の容量に合わせて封止材30の形状・体積を調整しておくことによって、溝50に空隙が生じたり、溝50から封止材30が大量にはみ出したりすることを防止できる。
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
上記ではキャップ10の凹部15内を真空状態にして気密封止する場合を説明したが、凹部15内に減圧されたガスを充填した状態で気密封止してもよい。例えば、乾燥窒素や不活性ガスなどを充填した凹部15内を減圧した状態で気密封止する場合にも、突起40が配置されたパッケージ1は有効である。
また、上記では突起40がキャップ10又はステム20のいずれかに配置される例を示したが、図15に示すように、キャップ10とステム20のそれぞれに突起40を配置してもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1…パッケージ
10…キャップ
11…頂部
12…底部
13…底面
14…外周部
15…凹部
20…ステム
21…主面
22…中央領域
23…外縁領域
24…段差
30…封止材
40…突起
50…溝
100…光検出センサ
110…光検出素子
170…サーモモジュール
180…リード線

Claims (8)

  1. 底部から頂部に向かって内部に凹部が設けられたキャップと、
    中央領域及び前記中央領域の外周に隣接する外縁領域が定義された主面を有し、前記外縁領域で前記キャップの前記底部と対向するステムと、
    前記底部の外縁に沿って環状に配置され、前記ステムの前記外縁領域と前記キャップの前記底面の一方から他方に達する突起と、
    前記突起により構成される溝の内部に充填され、前記キャップの前記底部の底面と前記ステムの前記外縁領域とを接合して前記凹部を気密封止する封止材と
    を備えることを特徴とするパッケージ。
  2. 前記中央領域よりも前記外縁領域が低い位置にあるように前記ステムの前記主面に段差が形成され、前記突起と前記段差により構成される溝に前記封止材が充填されていることを特徴とする請求項1に記載のパッケージ。
  3. 前記ステムの前記外縁領域に前記突起が形成され、前記突起と前記段差との間に前記封止材が充填されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパッケージ。
  4. 前記キャップの前記底面に、前記底部の外縁に沿って前記突起が2重に配列され、内側の前記突起と外側の前記突起との間に前記封止材が充填されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパッケージ。
  5. 前記キャップが円柱形状であり、前記ステムが円盤形状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のパッケージ。
  6. 前記凹部に光検出素子が収納され、前記頂部に設けられた照射窓を介して光が前記光検出素子に照射されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のパッケージ。
  7. 前記光検出素子を冷却するサーモモジュールが前記凹部に収納されていることを特徴とする請求項6に記載のパッケージ。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のパッケージと、
    前記キャップ内に配置され、前記キャップに設けられた入射窓を透過して照射された光のエネルギーを電気信号に変換する光検出素子と、
    を備えることを特徴とする光検出センサ。
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