JP2015040553A - 内燃機関の潤滑構造 - Google Patents
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Abstract
Description
図1(a)及び(b)に示すように、エンジンEは、例えば、車体に横置きされたDOHC形式の直列型エンジンである。エンジンEは、エンジン本体10と、タイミングトレーン機構20と、チェーンケース30と、を主に備える。
エンジン本体10は、図2に示すように、シリンダブロック11と、ロアブロック12と、シリンダヘッド13と、ヘッドカバー14と、オイルパン15と、を有する。
シリンダブロック11は、図示は省略するが、主にシリンダボアとクランクケースとを構成する部材である。シリンダブロック11の内部には、ピストン、コンロッド、クランクシャフト16等が収容される。
ロアブロック12は、シリンダブロック11と共にクランクケースを構成する部材であり、シリンダブロック11の下方に配置される。クランクシャフト16の端部は、シリンダブロック11の側壁11aとロアブロック12の側壁12aとの間に回転可能に挟持される。
シリンダヘッド13は、シリンダブロック11と共に燃焼室を構成する部材であり、シリンダブロック11の上方に配置される。シリンダヘッド13の内部には、図示は省略するが、燃焼室に連通する吸気ポート及び排気ポートが形成されると共に、吸気ポート及び排気ポートを開閉するための吸気バルブ及び排気バルブやロッカアーム等が配置される。また、シリンダヘッド13の上方には、2本のカムシャフト17が配置される。カムシャフト17は、吸気側カムシャフト18及び排気側カムシャフト19を構成する。吸気側カムシャフト18及び排気側カムシャフト19は、互いに軸方向が平行となるように並設される。
内燃機関本体側ボス部たる第2締結用ボス部13dは、後記するチェーンケース30の第2締結用ボス部39bに締結部材たるボルト(図示省略)で固定される有底円筒状の部分である。
第3締結用ボス部13eは、後記するチェーンケース30の第3締結用ボス部39cに締結部材たるボルト(図示省略)で固定される有底円筒状の部分である。
各締結用ボス部13c−13eは、シリンダヘッド13の側壁13aの内面(チェーンケース30側面)からチェーンケース30側へ所定長だけ突出して形成され、その突出端面がチェーンケース30の各締結用ボス部39a−39cの突出端面に当接する。
また、リブ部13fは、エンジンEの車載状態において、他端から一端に向けて下方に傾斜している。
ヘッドカバー14は、シリンダヘッド13の上部を閉塞して動弁室を構成する蓋状の部材であり、シリンダヘッド13の上方に配置される。吸気側カムシャフト18及び排気側カムシャフト19の端部は、ヘッドカバー14の側壁14aに回転可能に固定される。
オイルパン15は、エンジンE内の各部を潤滑して落下してくるオイルを受け止めるための部材であり、ロアブロック12の下方に配置される。オイルパン15の内部には、エンジンE内の各部にオイルを圧送するためのオイルポンプ15aが配置される。オイルポンプ15aのポンプ駆動軸15bの一端側は、オイルパン15の側壁15cから突出している。
タイミングトレーン機構20は、クランクシャフト16の回転力をポンプ駆動軸15bとカムシャフト17とに伝達する機構である。
タイミングトレーン機構20は、クランクスプロケット21と、カムスプロケット22A,22Bと、オイルポンプ用スプロケット23と、カム用タイミングチェーン24と、オイルポンプ用タイミングチェーン25と、可動シュー26Aと、第1固定シュー26Bと、第2固定シュー26Cと、第1油圧式テンショナ装置27と、シュー28と、第2油圧式テンショナ装置29と、を主に備える。
駆動輪であるクランクスプロケット21は、エンジン本体10の側面から突出したクランクシャフト16の一端側に固定され、クランクシャフト16と一体的に回転可能に構成された歯車部材である。クランクスプロケット21は、径の大きい第1ギア部21aと、径の小さい第2ギア部21bと、を備える。第1ギア部21aは、第2ギア部21bよりもエンジン本体10側に配設される。なお、本実施形態では、クランクスプロケット21(クランクシャフト16)は、図2における時計回り方向に回転する。
従動輪であるカムスプロケット22A,22Bは、エンジン本体10の側面から突出した2本のカムシャフト17の一端側に夫々固定され、カムシャフト17と一体的に回転可能に構成された歯車部材である。カムスプロケット22Aは、吸気側カムシャフト18に連結され、カムスプロケット22Bは、排気側カムシャフト19に連結される。カムスプロケット22A,22Bの回転に伴って、吸気側カムシャフト18及び排気側カムシャフト19が回転することにより、吸気バルブ及び排気バルブが所定のタイミングで開閉する。
タイミングチェーンたるカム用タイミングチェーン24は、クランクシャフト16の回転力をカムシャフト17に伝達する無端状のチェーンであり、クランクスプロケット21の第2ギア部21bとカムスプロケット22A,22Bとの間に掛け渡される。
摺接部材たる可動シュー26Aは、カム用タイミングチェーン24の緩み側(図2の左側)に摺接し、カム用タイミングチェーン24をガイドする弓状の長尺部材である。可動シュー26Aは、上端側がシリンダヘッド13の側壁13aに揺動自在に固定される。可動シュー26Aの下端側は、第1油圧式テンショナ装置27によってカム用タイミングチェーン24に向かって付勢される。
第1固定シュー26Bは、カム用タイミングチェーン24の張り側の部位(図1の右側の部位)に摺接し、カム用タイミングチェーン24をガイドする直線状の長尺部材である。第1固定シュー26Bは、シリンダブロック11の側壁11a及びシリンダヘッド13の側壁13aに跨って複数のボルトB,Bで固定される。
第2固定シュー26Cは、カムスプロケット22A,22Bの上方に配置され、カム用タイミングチェーン24に摺接し、カム用タイミングチェーン24をガイドする直線状の部材である。第2固定シュー26Cは、ヘッドカバー14に固定される。
第1油圧式テンショナ装置27は、可動シュー26Aをカム用タイミングチェーン24に向かって付勢することにより、カム用タイミングチェーン24の張力を略一定に調節する装置である。第1油圧式テンショナ装置27は、可動シュー26Aに当接する当接部27aと、ロアブロック12の側壁12aに固定されたハウジング27bと、ハウジング27bから突出して当接部27aを押圧するプランジャ27cと、を有する。
オイルポンプ用スプロケット23は、オイルパン15の側壁15cから突出したポンプ駆動軸15bに固定された歯車部材である。この場合、オイルポンプ用スプロケット23の回転に伴ってポンプ駆動軸15bが回転することにより、オイルポンプ15aが駆動し、高圧のオイルがオイル供給通路(図示省略)を通ってエンジン本体10内の各所に供給される。
オイルポンプ用タイミングチェーン25は、クランクシャフト16の回転力をポンプ駆動軸15bに伝達する無端状のチェーンであり、クランクスプロケット21の第1ギア部21aとオイルポンプ用スプロケット23との間に掛け渡される。
シュー28は、オイルポンプ用タイミングチェーン25の緩み側(図2の右側)に当接する部材である。シュー28の下端部は、第2油圧式テンショナ装置29に揺動自在に固定される。
第2油圧式テンショナ装置29は、シュー28をオイルポンプ用タイミングチェーン25に向かって付勢することにより、オイルポンプ用タイミングチェーン25の張力を略一定に調節する装置である。第2油圧式テンショナ装置29は、ロアブロック12の側壁12aに固定されたハウジング29aと、ハウジング29aから突出してシュー28を押圧するプランジャ29bと、ハウジング29aに形成される中空部(図示省略)に収容されるリリーフバルブ29cと、を備える。
図1に戻り、カバー部材たるチェーンケース30は、エンジン本体10の一側面に固定されており、カム用タイミングチェーン24を外側から覆う部材である。すなわち、チェーンケース30は、エンジン本体10との間でタイミングトレーン室S(図1(b)参照)を形成し、カム用タイミングチェーン24を覆っている。
チェーンケース30は、図3及び図4に示すように、断面視コ字状を呈する部材であって、幅方向(前後方向)に互いに離間する一対の側縁部31,32と、側縁部31,32を繋ぐ壁部33と、を主に備える。
側縁部31,32は、壁部33の幅方向両端部からエンジン本体10に向けて突出して形成され、エンジン本体10に当接固定される部分である。側縁部31,32には、その延在方向に沿って、複数のボルト挿通孔31a,32aが間隔を空けて貫通して形成される。側方締結部たるボルト挿通孔31a,32aは、エンジン本体10のボルト挿通孔10a(図2参照)に対応する位置に設けられる。
壁部33は、図3に示すように、可変バルブ用ボス部36と、オイル通路用溝部38と、第1締結用ボス部39a−第3締結用ボス部39cと、複数のリブ40,40と、を主に有する。
可変バルブ用ボス部36は、吸気側カムシャフト18に対応する可変バルブタイミング機構(カムスプロケット)22Aを制御する油圧制御弁(図示省略)が挿入される略卵状の孔部36dを有する部分である。可変バルブ用ボス部36は、壁部33の上部側であって、幅方向中央部に設けられる。なお、油圧制御弁は、可変バルブ用ボス部36の孔部を介して、シリンダヘッド13(図2参照)に取り付けられる。
オイル通路用溝部38は、可変バルブ用ボス部36に対し後斜め下側に設けられており、シリンダヘッド13の側壁13aに接合されることによって、当該オイル通路用溝部38と側壁13aとの間に油路を構成する。
中央締結部たる第1締結用ボス部39a、第2締結用ボス部39b及び第3締結用ボス部39cは、図3に示すように、エンジン本体10の一側面に締結部材たるボルト(図示省略)で固定される円筒状の部分である。各締結用ボス部39a−39cは、壁部33の内面33bからエンジン本体10へ所定長だけ突出して形成され、その突出端面がエンジン本体10の一側面に当接する。各締結用ボス部39a−39cは、可変バルブ用ボス部36及び第2オイル通路用ボス部38の周囲に互いに間隔を空けて設けられる。詳しくは、第1締結用ボス部39aは、可変バルブ用ボス部36の前方に配置される。第2締結用ボス部39bは、第1締結用ボス部39aに対し後斜め下方に所定間隔離間して設けられ、オイル通路用溝部38の後斜め上方に配置される。第3締結用ボス部39cは、第1締結用ボス部39a及び第2締結用ボス部39bの間で、かつこれらに対し前斜め下方又は後斜め下方に所定間隔離間して設けられ、オイル通路用溝部38の下方に配置される。
リブ40は、図3及び図4に示すように、壁部33の内面33bからエンジン本体10へ突出しており、シリンダ軸線方向、直交方向、上下方向、及び前後方向等に沿って複数形成される。
リブ40は、第1リブ41と、第2リブ42と、を主に有する。
第1リブ41は、図4に示すように、上リブ部41aと、後側下リブ部41bと、前側下リブ部41cと、を有する。
ここで、下端部41a3の他端は、後側下リブ部41bの上端部41b1よりもカム用タイミングチェーン24に向けて突出しているので、下端部41a3の他端まで移動したオイルは、下端部41a3の下面を介して上端部41bに伝達されずに、下端部41a3の他端の近傍においてカム用タイミングチェーン24の内周面に向かって流下する。
また、オイルが流れるリブ部13f及び上リブ部41aの下端部41a3がそれぞれボス部13e,39cにつながっているので、リブ部13f及び下端部41a3の相対位置のずれを抑制してオイルをタイミングトレーン機構20のカム用タイミングチェーン24に向かって確実に送ることができる。
続いて、変形例に係るエンジンEについて、前記実施形態との相違点を中心に説明する。
図8は、潤滑油の流れを模式的に示した部分拡大平面図であり、図9は、潤滑油の流れを模式的に示した部分拡大斜視図である。
図8及び図9に示すように、変形例に係るエンジン本体10のシリンダヘッド13は、上リブ13hを備える。上リブ13hは、第2締結用ボス部13dの頂上において、上方へ立設されているとともに、第2締結用ボス部13dの基端部から先端部まで延設されている。
S タイミングトレーン室
10 エンジン本体(内燃機関本体)
13A 凹部
13b 油圧制御弁取付部
13d 第2締結用ボス部(エンジン本体側ボス部)
13f リブ部(エンジン本体側リブ)
13h 上リブ
20 タイミングトレーン機構
24 カム用タイミングチェーン
30 チェーンケース(カバー部材)
31,32 側縁部
39b 第2締結用ボス部(カバー部材側ボス部)
41a3 下端部(カバー部材側リブ)
41b1 上端部(下リブ)
51 油圧制御弁
51b ドレン開口
Claims (7)
- 内燃機関本体と、
前記内燃機関本体の一側壁に設けられたタイミングトレーン機構と、
前記内燃機関本体との間でタイミングトレーン室を形成して前記タイミングトレーン機構を覆うカバー部材と、
前記内燃機関本体に取り付けられ、可変バルブタイミング機構を制御する油圧制御弁と、
を備え、
前記油圧制御弁のドレン開口は、前記タイミングトレーン室内に配置されており、
前記カバー部材は、当該カバー部材の両側縁間に設けられたカバー部材側ボス部と、一端が前記カバー部材側ボス部につながるカバー部材側リブと、を備え、
前記内燃機関本体は、締結部材によって前記カバー部材側ボス部に接合される内燃機関本体側ボス部と、一端が前記内燃機関本体側ボス部につながる内燃機関本体側リブと、を備え、
前記内燃機関本体側リブは、前記内燃機関本体の車載状態において、他端から前記内燃機関本体側ボス部につながる一端に向けて下方に傾斜しているとともに、前記他端が前記ドレン開口の下方に位置しており、
前記カバー部材側リブは、前記内燃機関本体の車載状態において、前記カバー部材側ボス部につながる一端から他端に向けて下方に傾斜しているとともに、前記他端が前記タイミングトレーン機構近傍に延設されている
ことを特徴とする内燃機関の潤滑構造。 - 前記カバー部材は、前記カバー部材側ボス部とつながり下方へ延設される下リブを備え、
前記カバー部材側リブの前記他端は、前記下リブよりも前記タイミングトレーン機構に向けて突出している
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の潤滑構造。 - 前記内燃機関本体側ボスは、前記内燃機関本体側リブの前記一端よりも上方に膨出している
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の潤滑構造。 - 前記タイミングトレーン機構は、タイミングチェーンを備え、
前記内燃機関本体側ボス部、前記内燃機関本体側リブ、前記カバー部材側ボス部及び前記カバー部材側リブは、クランク軸線視で、前記タイミングチェーンの軌跡よりも内側に設けられている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の内燃機関の潤滑構造。 - 前記タイミングトレーン機構は、タイミングチェーンを備え、
前記油圧制御弁のドレン開口は、クランク軸線視で、前記タイミングチェーンの軌跡よりも内側に設けられている
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関の潤滑構造。 - 前記内燃機関本体は、
前記カバー部材から離間する方向に形成された凹部と、
前記凹部に設けられて前記油圧制御弁が取り付けられる油圧制御弁取付部と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の内燃機関の潤滑構造。 - 前記内燃機関本体は、前記内燃機関本体側ボス部から上方へ延設される上リブを備える
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の内燃機関の潤滑構造。
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