JP2012112392A - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カム軸21と、機関弁の弁開閉時期を変更可能な油圧式可変バルブタイミング機構Tとを備える内燃機関の動弁装置であって、カム軸21の軸方向と直交して、シリンダヘッドの動弁室15とチェーン室Caとを仕切る仕切壁38に可変バルブタイミング機構Tを制御する油圧制御弁70が設けられ、可変バルブタイミング機構Tは、チェーン室Caに配置され、仕切壁38には、動弁室15とチェーン室Caとを連通する窓部39が軸方向視で可変バルブタイミング機構Tに重なる位置に設けられ、油圧制御弁70は、先端側にドレンポート83を有し、ドレンポート83は、動弁室15内に露出し、窓部39を通じてチェーン室Caに作動油を放出する。
【選択図】図3
Description
また、可変バルブタイミング機構では、運転されていた内燃機関が停止して、作動油の供給が停止すると、カムホルダやシリンダヘッドなど作動油が流通する油路が形成された部材の合わせ面または摺接面の微小な隙間から作動油が徐々に漏出することに起因して、進角油室および遅角油室内の作動油が油路を通じて流出して減少するため、各油室の油圧が低下する。このとき、動弁カムを介して作用する機関弁の反力によりカム軸は逆回転方向に付勢されて、停止時間の増加につれて、進角油室の容積が次第に小さくなる一方、遅角油室の容積が次第に大きくなって、最終的には、進角油室の容積が最小となり、遅角油室の容積が最大となる状態で、したがって弁開閉時期が最遅角時期の状態で、可変バルブタイミング機構が停止する。
このような可変バルブタイミング機構では、機関停止時に弁開閉時期が最遅角時期に設定されるため、機関始動開始後に弁開閉時期を早期に進角させることが困難である。このため、例えば、吸気弁の弁開閉時期を進角させてバルブオーバラップ期間を早期に増加させることが困難になり、バルブオーバラップ期間の増加による排気ガス浄化装置の暖機の促進(すなわち、バルブオーララップ期間の増加により燃焼室内に残留する排気ガス量(すなわち、「内部EGR量」)が増加して燃焼室内での燃焼が緩慢になり、排気通路での排気ガスの温度が上昇することに基づく。)や体積効率の増加が制限される。
さらに、本発明は、可変バルブタイミング機構に対する作動油の給排を行う油圧制御弁および油路の配置により、油圧制御弁が取り付けられる機関本体の、カム軸の軸方向での小型化を図ることを目的とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の動弁装置において、前記ドレンポートは、前記軸方向視で前記可変バルブタイミング機構と重なる位置に設けられているものである。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の動弁装置において、前記可変バルブタイミング機構には、被動スプロケットが設けられ、前記被動スプロケットと駆動スプロケットとの間には、無端のチェーンが掛け渡されており、前記ドレンポートは、前記チェーンが前記被動スプロケットに噛み込む部分の近傍に配置されているものである。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記内燃機関は、シリンダ軸線が鉛直方向に対して傾斜して車両に搭載されることで、吸気側及び排気側のいずれか一方が他方に対して上方寄りに位置し、前記カム軸、前記可変バルブタイミング機構、前記油圧制御弁、及び、前記窓部は、一方側及び他方側にそれぞれ設けられ、前記チェーンの被動スプロケットと駆動スプロケットの間の部分のうち、湾曲状の緩み側部分が一方側に配置されるとともに、直線状の張り側部分が他方側に配置され、一方側の前記油圧制御弁の前記ドレンポートは、前記チェーンの湾曲状の緩み側部分が前記被動スプロケットに噛み込む部分の近傍に配置され、他方側の前記油圧制御弁の前記ドレンポートは、前記軸方向視で前記チェーンの直線状の張り側部分の上方に配置されているものである。
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の内燃機関の動弁装置において、前記可変バルブタイミング機構は、前記内燃機関の停止時に、進角油室及び遅角油室のいずれか一方である第1油室の容積が第1所定値になると共に、前記進角油室及び前記遅角油室のいずれか他方である第2油室の容積が前記第1所定値よりも大きい第2所定値になることで、前記弁開閉時期を初期開閉時期に設定し、前記内燃機関の停止時に、前記第1油室が前記ドレンポートに連通するものである。
請求項6記載の発明は、請求項5に記載の内燃機関の動弁装置において、前記油圧制御弁は、シリンダヘッドに形成される給油路に連通する供給ポートを有し、前記内燃機関の停止時に、前記第1油室が前記ドレンポートに連通すると共に、前記第2油室が前記供給ポートに連通するものである。
請求項7記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載の内燃機関の動弁装置において、前記油圧制御弁は、前記仕切壁内に形成されたドレン油路に連通し、前記第2油室が連通可能な他のドレンポートをさらに有し、前記内燃機関の停止時に、前記第1油室が前記ドレンポートに連通するとともに、前記第2油室が前記他のドレンポートに対して遮断されるものである。
図1,図2を参照すると、本発明が適用された動弁装置20を備える内燃機関Eは、複数としての4つのシリンダ1a(図1には、それらシリンダ1aの一部が示されている。)と、各シリンダ1aに往復運動可能に嵌合するピストン4と、各ピストン4にコンロッド5を介して連結されるクランク軸6とを備える多気筒内燃機関であり、搭載対象としての車両に、クランク軸6の回転中心線が左右方向に指向する横置き配置で搭載される。
シリンダ1a毎に、該シリンダ1aのシリンダ軸線Lcに平行な方向であるシリンダ軸線方向でピストン4とシリンダヘッド2との間には、シリンダ1aとピストン4とシリンダヘッド2とにより燃焼室7が形成される。
また、実施形態において、直交方向は、軸方向から見たとき(以下、「軸方向視」という。)、シリンダ軸線Lcに直交する方向であるとし、前後方向は、車両の前後方向に一致するとする。そして、シリンダ軸線Lcに直交する平面であるシリンダ直交平面に対して、上方となる側を上側、下方となる側を下側という。
そして、ピストン4は、燃焼室7内の混合気が点火栓12により点火されて燃焼して発生する燃焼ガスの圧力により駆動されて往復運動し、コンロッド5を介してクランク軸6を回転駆動する。
また、この実施形態では、内燃機関Eは、シリンダ軸線Lcが鉛直方向に対して所定の傾斜角で前傾するように、車体に傾斜して搭載される。そして、前記機関本体においては、後側となる吸気側が前側となる排気側に対して上方寄りに位置する。
各ロッカアーム25i,25eは、シリンダヘッド2に設けられる支持部材としてのラッシュアジャスタ27に揺動可能に支持される。そして、吸気カム22iおよび排気カム22eは、吸気ロッカアーム25iおよび排気ロッカアーム25eを介して、吸気弁10および排気弁11をそれぞれ開閉駆動する。
回転駆動部材Mは、軸方向での一方向側におけるシリンダヘッド2およびシリンダブロック1のそれぞれの側壁2a,1aと、それら側壁2a,1aに結合されるカバーCとにより形成される伝動室としてのチェーン室Ca内に配置される。
そして、この二分割構造は、軸受部材30以外の軸受部材Bについても同様である。
なお、図4,図7では、排気可変バルブタイミング機構Teに関連する符号が括弧内に記載されている。
回転駆動部材M(図3参照)により回転駆動されて該回転駆動部材Mと一体に回転する駆動側回転体40i(40e)には、被動スプロケット28i(28e)が一体に設けられる。カム側回転体41i(41e)は、軸端部21i1(21e1)に結合手段としてのボルト42により一体に結合されて、カム軸21i(21e)と一体に回転する。両回転体40i(40e),41i(41e)の径方向での突出部の間には、両回転体40i(40e),41i(41e)により、1以上の、ここでは4つずつの進角油室43i(43e)および遅角油室44i(44e)が、シール部材45により油密にされた状態で、カム軸21i(21e)の周方向に間隔を置いて形成される。
ロック部材46は、この実施形態では、弁開閉時期が最遅角時期(最進角時期)となる最遅角位置(最進角位置)に両回転体40i(40e),41i(41e)を留めてそれら回転体40i(40e),41i(41e)の相対回転を防止する。
また、排気可変バルブタイミング機構Teには、機関停止時に弁バネ26(図2参照)の付勢力に打ち勝って進角油室43eの容積が最大値(したがって、遅角油室44eの容積が最小値)となるように両回転体40e,41eを周方向に付勢する付勢手段としての戻しバネ49が、進角油室43e内に設けられる。
このようにして、可変バルブタイミング機構Ti(Te)は、カム側回転体41i(41e)が駆動回転体40i(40e)に対して前記最進角位置を占めて、進角油室43i(43e)の容積が最大値になると共に遅角油室44i(44e)の容積が最小値になるときに弁開閉時期を最進角時期に設定し、カム側回転体40i(40e)が駆動回転体40i(40e)に対して前記遅角位置を占めて、進角油室43i(43e)の容積が最小値になると共に遅角油室44i(44e)の容積が最大値になるときに弁開閉時期を最遅角時期に設定する。
内燃機関Eが備える潤滑系統を構成すると共にクランク軸6の動力で駆動されるオイルポンプ18(図3参照)は、内燃機関Eのクランク軸6やピストン4(図2参照)などの潤滑箇所にオイルを供給する一方で、吐出したオイルの一部を可変バルブタイミング機構Ti(Te)の作動油として供給する作動油供給源である。
そして、前記油路構造は、内燃機関Eの運転時に作動油を供給すると共に機関停止時に作動油の供給を停止するオイルポンプ18と、可変バルブタイミング機構Ti(Te)に対してオイルポンプ18からの作動油の供給を制御する油圧制御弁70i(70e)と、オイルポンプ18と油圧制御弁70i(70e)との間で作動油を流通させる給油路Sと、油圧制御弁70i(70e)と可変バルブタイミング機構Ti(Te)の進角油室43i(43e)および遅角油室44i(44e)との間で作動油を流通させる制御油路と、油圧制御弁70i(70e)からの作動油が排出されるドレン空間とから構成される。前記ドレン空間は、この実施形態では動弁室15(図2も参照)である。
ここで、弁ボディ72およびスプール73は、前記制御油路の後述する第1,第2接続油路51i(61e),61i(51e)が接続される弁部71を構成する。
制御装置90は、内燃機関Eの機関状態(例えば、機関回転速度)を検出する機関状態検出手段と、該機関状態検出手段からの検出信号が入力される電子制御ユニットとを備え、前記機関状態検出手段により検出された機関状態に基づいて判定される機関運転状態に応じて、油圧制御弁70i(70e)を制御する。
弁ボディ72は、軸方向で、軸受部材30の前記一方向側の(または可変バルブタイミング機構Ti(Te)に軸方向で対向する)端面30i(30e)に対して、軸方向で内側に位置する。また、下軸受部31i(31e)は、シリンダ軸線方向で上軸受部32i(32e)に対して弁ボディ72寄りに位置する。
第1ジャーナル油路53i(63e)は、両軸受面33i(33e),34i(34e)にそれぞれ設けられた半円環状の環状溝とジャーナル部24i,24eの外周面とにより形成される下ジャーナル油路54i(64e)および上ジャーナル油路55i(65e)から構成される。
第1本体側油路51i(61e)は、進角ポート81i(遅角ポート82e)から弁軸線Lvに直交する方向に直線状に延びている第1接続油路51i(61e)のみにより構成される。第1接続油路51i(61e)は、下ジャーナル油路54i(64e)に開口する第1ジャーナル側開口51i1(61e1)を有し、第1ジャーナル油路53i(63e)に直接接続されている。別の例として、第1ジャーナル側開口51i1(61e1)は下ジャーナル油路54i(64e)の最下部に開口していてもよい。
第1カム側油路56i(66e)は、ジャーナル部24i(24e)および軸端部21i1(21e1)の内部に設けられた軸内油路57i(67e)と、カム側回転体40i(40e),41i(41e)に設けられて径方向に延びている径方向の油路58i(68e)(図5,図6参照)とから構成される。
第2ジャーナル油路63i(53e)は、両軸受面33i(33e),34i(34e)にそれぞれ設けられた半円環状の環状溝とジャーナル部24i,24eの外周面とにより形成される下ジャーナル油路64i(54e)および上ジャーナル油路65i(55e)から構成される。
第1,第2ジャーナル油路53i(63e),63i(53e)は、軸方向に並んでカム直交平面にほぼ平行に配置され、第2ジャーナル油路63i(53e)は、軸方向で第1ジャーナル油路53i(63e)に対して前記一方向側にあり、動弁室15の外側、または軸端部21i1(21e1)寄りにある。
なお、「ほぼ」との表現は、「ほぼ」との修飾語がない場合を含むと共に、「ほぼ」との修飾語がない場合とは厳密には一致しないものの、「ほぼ」との修飾語がない場合と比べて作用効果に関して有意の差異がない範囲を意味する。
第2カム側油路66i(56e)は、ジャーナル部24i(24e)および軸端部21i1(21e1)の内部に設けられた軸内油路67i(57e)と、カム側回転体40i(40e),41i(41e)に設けられて径方向に延びている径方向の油路68i(58e)(図5,図6参照)とから構成される。
そして、第1接続油路51i(61e)の通路長は、第2接続油路61i(51e)の通路長と分割面油路62i(52e)の通路長との合計である第2本体側油路61i,62i(51e,52e)の通路長よりも短く、さらに第2接続油路61i(51e)の通路長よりも短い。
また、油圧制御弁70i(70e)により、機関運転状態に応じて、各油室43i(43e),44ie(44e)に対する作動油の給排が行われることなく、作動油が各油室43i(43e),44ie(44e)に閉じこめられることにより、両回転体40i(40e),41i(41e)が相対回転することなく一体に回転して、クランク軸6に対するカム軸21i,21eの位相、したがって吸気弁10(排気弁11)の弁開閉時期が保持される。
そして、第2本体側油路61i,62i(51e,52e)の通路長が第1本体側油路51i(61e)の通路長よりも長く、かつ第2本体側油路61i,62i(51e,52e)が分割面油路62i(52e)を有すること、および第1本体側油路51i(61e)がドレン空間としての動弁室15に開放することにより、第1油路50i(60e)では、第2油路60i(50e)での排出流速よりも大きい排出速度で作動油が排出する。
このため、内燃機関の運転停止後に、内燃機関が冷機状態になるまでの長い時間停止状態にあった後の始動である冷機始動時の場合にはもちろん、内燃機関が停止したときから比較的短い時間しか経過していないときの始動であって、内燃機関Eが暖機完了状態にあるときの始動である再始動時の場合にも、吸気弁10(排気弁11)の弁開閉時期を、その初期開閉時期である最遅角時期(最進角時期)に迅速に戻すことができるので、可変バルブタイミング機構Ti(Te)による再始動開始後の弁開閉時期の制御精度を高めることができる。そのうえ、再始動時に回転駆動部材Mのチェーン29により駆動側回転体40i(40e)が回転を開始するときに、可変バルブタイミング機構Ti(Te)では、両回転体40i(40e),41i(41e)は、弁開閉時期が最遅角時期(最進角時期)となる前記最遅角位置(前記最進角位置)を確実に占めるので、両回転体40i(40e),41i(41e)の相対回転が防止されて、被動スプロケット28i(28e)とカム軸21i(21e)とが一体に回転するため、この点でも、再始動開始後の弁開閉時期の制御精度を高めることができる。
内燃機関Eの動弁装置20において、カムホルダの軸受部材30は、分割面37i(37e)により分割されると共にカム軸21i(21e)のジャーナル部24i(24e)を挟んで回転可能に支持する下軸受部31i(31e)および上軸受部32i(32e)から構成され、油圧式可変バルブタイミング機構Ti(Te)には、内燃機関Eの停止時に作動油の供給を停止するオイルポンプ18からの作動油の供給を制御する油圧制御弁70i(70e)により、軸受部材30に設けられた前記制御油路を通じて作動油の給排が行われる進角油室43i(43e)および遅角油室44ie(44e)が設けられ、可変バルブタイミング機構Ti(Te)は、機関停止時に、進角油室43i(遅角油室44e)の容積が最小値になると共に遅角油室44i(進角油室43e)の容積が最大値になることで、吸気弁10(排気弁11)の弁開閉時期を初期開閉時期としての最遅角時期(最進角時期)に設定し、前記制御油路は、進角油室43i(遅角油室44e)と油圧制御弁70i(70e)との間で作動油が流通する第1油路50i(60e)と、遅角油室44i(進角油室43e)と油圧制御弁70i(70e)との間で作動油が流通する第2油路60i(50e)とから構成され、第1油路50i(60e)は、軸受部材30とジャーナル部24i(24e)との協働により形成される第1ジャーナル油路53i(63e)と、第1ジャーナル油路53i(63e)と油圧制御弁70i(70e)との間で作動油を流通させる第1本体側油路51i(61e)とを有し、第2油路60i(50e)は、軸受部材30とジャーナル部24i(24e)との協働により形成される第2ジャーナル油路63i(53e)と、第2ジャーナル油路63i(53e)と油圧制御弁70i(70e)との間で作動油を流通させる第2本体側油路62i(51e)とを有し、第1本体側油路51i(61e)の通路長は、第2本体側油路61i,62i(51e,52e)の通路長よりも短く、第1本体側油路51i(61e)は、分割面37i(37e)を通ることなく第1ジャーナル油路53i(63e)に直接接続された第1接続油路51i(61e)のみを有し、第2本体側油路61i,62i(51e,52e)は、分割面37i,37eに設けられて第2ジャーナル油路63i(53e)に直接接続された分割面油路62i(52e)と、分割面油路62i(52e)と油圧制御弁70i(70e)との間で作動油を流通させる第2接続油路61i(51e)とを有する。
この構造により、第2本体側油路61i,62i(51e,52e)に比べて第1本体側油路51i(61e)が短い分、油圧制御弁70i(70e)と進角油室43i(遅角油室44e)との間の第1油路50i(60e)の通路長が短くなる。また、第1本体油路51i(61e)の全体である第1接続油路51i(61e)は、軸受部材30の分割面37i(37e)を通ることなく第1ジャーナル油路53i(63e)に直接接続されるので、第1本体側油路51i(61e)は分割面37i(37e)に設けられる分割面油路を有しておらず、軸受部材30の分割面37i,37eには、第2本体側油路61i,62i(51e,52e)の分割面油路62i(52e)のみが設けられる。
この結果、進角油室43i(遅角油室44e)の容積が遅角油室44i(進角油室43e)の容積よりも小さくなることで、機関停止時に最遅角時期(最進角時期)を設定する可変バルブタイミング機構Ti(Te)において、進角油室43i(遅角油室44e)に対して給排される作動油が流通する第1油路50i(60e)の通路長が、遅角油室44i(進角油室43e)に対して給排される作動油が流通する第2油路60i(50e)よりも、第2本体側油路61i,62i(51e,52e)に比べて第1本体側油路51i(61e)が短い分だけ短くなるので、機関始動開始後に、吸気弁10(排気弁11)の弁開閉時期を、最遅角時期(最進角時期)から、より早期に進角または遅角させることができる。さらに、内燃機関Eの再始動時の場合にも、吸気弁10(排気弁11)の弁開閉時期を初期開閉時期である最遅角時期(最進角時期)に迅速に戻すことができるので、可変バルブタイミング機構Ti(Te)による再始動時開始後の該弁開閉時期の制御精度を高めることができる。
そして、冷機状態からの機関始動開始後、吸気弁10の弁開閉時期を早期に進角させ、排気弁11の弁開閉時期を早期に遅角させることができることにより、機関始動開始後の早期に、吸気弁10および排気弁11のバルブオーバラップ期間を増加させることができるので、体積効率を向上させることができ、また触媒装置17aの暖機を促進できる。
さらに、軸受部材30の分割面37i(37e)には、第1,第2本体側油路51i(61e),61i,62i(51e,52e)において、第2本体側油路61i,62i(51e,52e)の分割面油路62i(52e)のみが設けられ、第1本体側油路51i(61e)は分割面油路を有していないので、第1,第2本体側油路51i(61e),61i,62i(51e,52e)のそれぞれの分割面油路が軸受部材30に設けられる場合に比べて、軸受部材30を小型化できる。
この構造により、弁軸線Lvがカム軸21i(21e)の回転中心線Li(Le)に直交する特定カム直交平面上にほぼ位置するように配置された油圧制御弁70i(70e)において、第1接続油路51i(61e)の全体および第2接続油路61i(51e)の全体が、1つのカム直交平面と交わる位置に配置されるので、第1接続油路51i(61e)および第2接続油路61i(51e)が軸方向でコンパクトに配置される。
この結果、第1油路50i(60e)および第2油路60i(50e)を通じて可変バルブタイミング機構Ti(Te)の進角油室43i(43e)および遅角油室44ie(44e)に対する作動油の給排を行う油圧制御弁70i(70e)を軸方向でコンパクトに配置でき、しかも、油圧制御弁70i(70e)に接続される第1接続油路51i(61e)および第2接続油路61i(51e)を軸方向でコンパクトに配置できるので、機関本体を構成するシリンダヘッド2を、軸受部材30付近および油圧制御弁70i(70e)付近において、軸方向で小型化できる。
この結果、油圧制御弁70i(70e)の簡単な配置により、第1接続油路51i(61e)のみで構成される第1本体側油路51i(61e)の通路長を、第2接続油路61i(51e)を有する第2本体側油路61i,62i(51e,52e)の通路長よりも短くできる。
この構造により、油圧制御弁70i(70e)に接続される第1,第2接続油路51i(61e),61i(51e)が、軸方向で第2ジャーナル油路63i(53e)に対して軸端部21i1(21e1)とは反対側に配置されるので、その分、油圧制御弁70i(70e)を、軸方向で軸端部21i1(21e1)とは反対寄りに配置することができる。
この結果、軸方向でカム軸21i(21e)の軸端部21i1(21e1)とは反対寄りの油圧制御弁70i(70e)の配置により、油圧制御弁70i(70e)が軸方向で端部軸受部材30から軸端部21i1(21e1)側に張り出すことが防止または抑制されるので、シリンダヘッド2を、油圧制御弁70i(70e)付近において軸方向で小型化できる。
カムホルダの下軸受部は、シリンダヘッドとは別個の部材により構成され、シリンダヘッドに結合手段(例えば、ボルト)により固定されて一体に設けられてもよい。
第1可変バルブタイミング機構および第2可変バルブタイミング機構と、吸気カム軸および排気カム軸とは、前述の実施形態での組み合わせのほかに、あらゆる組み合わせが可能である。また、第1または第2可変バルブタイミング機構は、吸気カムおよび排気カムを有する単一のカム軸に設けられてもよい。さらに、第1または第2可変バルブタイミング機構は、吸気カム軸または排気カム軸のみに設けられてもよい。
分割面である合わせ面は、曲面または段差を有する複数の平面であってもよい。
カムホルダは、シリンダブロックに設けられてもよい。
可変バルブタイミング機構は、機関停止時に、ロック部材により設定される初期開閉時期が最遅角時期(最進角時期)以外の弁開閉時期であってもよく、その場合、前記第1所定値は最小値よりも大きい値であり、第2所定値は最大値よりも小さい値である。
内燃機関は、圧縮点火式機関であってもよく、さらに、V型機関、または1つのシリンダを備える単気筒機関であってもよい。
内燃機関が搭載される対象は、車両以外の機械、例えば、鉛直方向を指向するクランク軸を備える船外機等の船舶推進装置、または発電装置であってもよい。
E…内燃機関、Ca…チェーン室、Ti,Te…可変バルブタイミング機構。
Claims (7)
- 内燃機関の機関本体に設けられたカムホルダに回転可能に支持されるカム軸と、機関弁を開閉駆動する動弁カムを有する前記カム軸を駆動して前記機関弁の弁開閉時期を最遅角時期および最進角時期との間で変更可能な油圧式可変バルブタイミング機構とを備える内燃機関の動弁装置であって、
前記カム軸の軸方向と直交して、シリンダヘッドの動弁室とチェーン室とを仕切る仕切壁に前記可変バルブタイミング機構を制御する油圧制御弁が設けられ、
前記可変バルブタイミング機構は、前記チェーン室に配置され、
前記仕切壁には、前記動弁室と前記チェーン室とを連通する窓部が前記軸方向視で前記可変バルブタイミング機構に重なる位置に設けられ、
前記油圧制御弁は、先端側にドレンポートを有し、
前記ドレンポートは、前記動弁室内に露出し、前記窓部を通じて前記チェーン室に作動油を放出することを特徴とする内燃機関の動弁装置。 - 前記ドレンポートは、前記軸方向視で前記可変バルブタイミング機構と重なる位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の動弁装置。
- 前記可変バルブタイミング機構には、被動スプロケットが設けられ、
前記被動スプロケットと駆動スプロケットとの間には、無端のチェーンが掛け渡されており、
前記ドレンポートは、前記チェーンが前記被動スプロケットに噛み込む部分の近傍に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の動弁装置。 - 前記内燃機関は、シリンダ軸線が鉛直方向に対して傾斜して車両に搭載されることで、吸気側及び排気側のいずれか一方が他方に対して上方寄りに位置し、
前記カム軸、前記可変バルブタイミング機構、前記油圧制御弁、及び、前記窓部は、一方側及び他方側にそれぞれ設けられ、
前記チェーンの被動スプロケットと駆動スプロケットの間の部分のうち、湾曲状の緩み側部分が一方側に配置されるとともに、直線状の張り側部分が他方側に配置され、
一方側の前記油圧制御弁の前記ドレンポートは、前記チェーンの湾曲状の緩み側部分が前記被動スプロケットに噛み込む部分の近傍に配置され、
他方側の前記油圧制御弁の前記ドレンポートは、前記軸方向視で前記チェーンの直線状の張り側部分の上方に配置されている
ことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の動弁装置。 - 前記可変バルブタイミング機構は、前記内燃機関の停止時に、進角油室及び遅角油室のいずれか一方である第1油室の容積が第1所定値になると共に、前記進角油室及び前記遅角油室のいずれか他方である第2油室の容積が前記第1所定値よりも大きい第2所定値になることで、前記弁開閉時期を初期開閉時期に設定し、
前記内燃機関の停止時に、前記第1油室が前記ドレンポートに連通することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の内燃機関の動弁装置。 - 前記油圧制御弁は、前記シリンダヘッドに形成される給油路に連通する供給ポートを有し、
前記内燃機関の停止時に、前記第1油室が前記ドレンポートに連通すると共に、前記第2油室が前記供給ポートに連通することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の動弁装置。 - 前記油圧制御弁は、前記仕切壁内に形成されたドレン油路に連通し、前記第2油室が連通可能な他のドレンポートをさらに有し、
前記内燃機関の停止時に、前記第1油室が前記ドレンポートに連通するとともに、前記第2油室が前記他のドレンポートに対して遮断されることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の内燃機関の動弁装置。
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