JP2015040168A - 感光性ガラス基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱処理に起因する感光性ガラスの寸法変化量を考慮して、エネルギービームの照射位置を直接補正することにより、貫通孔の形成位置等の微細加工の精度を容易に向上させることができる方法を提供すること。
【解決手段】感光性ガラスから構成される板状基材に直接的にエネルギービームを照射して潜像を形成する照射工程と、第1熱処理により潜像を結晶化して結晶化部分を得る結晶化工程と、結晶化部分を溶解除去して微細加工を行い、感光性ガラス基板を得る微細加工工程と、を有し、照射工程において、少なくとも第1熱処理を含む熱処理に起因する感光性ガラスの寸法変化量に基づいて、エネルギービームの照射位置を補正することを特徴とする感光性ガラス基板の製造方法である。
【選択図】図1
【解決手段】感光性ガラスから構成される板状基材に直接的にエネルギービームを照射して潜像を形成する照射工程と、第1熱処理により潜像を結晶化して結晶化部分を得る結晶化工程と、結晶化部分を溶解除去して微細加工を行い、感光性ガラス基板を得る微細加工工程と、を有し、照射工程において、少なくとも第1熱処理を含む熱処理に起因する感光性ガラスの寸法変化量に基づいて、エネルギービームの照射位置を補正することを特徴とする感光性ガラス基板の製造方法である。
【選択図】図1
Description
本発明は、感光性ガラス基板の製造方法に関する。
感光性ガラスは、感光性成分および増感成分を含むガラスを露光、熱処理することにより露光した部分のみが結晶化するガラスである。結晶化した部分は、結晶化していない部分に比べて、酸に対する溶解速度が大きく異なる。したがって、この性質を利用することで、選択的エッチングを感光性ガラスに対して行うことができる。その結果、機械加工を用いることなく、感光性ガラスに微細な加工を行うことができる。また、感光性ガラスを、露光時の熱処理よりも高い温度で熱処理することにより、感光性ガラス中に微細な結晶を析出させた結晶化感光性ガラスを得ることができる。この結晶化感光性ガラスは機械的特性および化学的耐久性に優れる。
感光性ガラスの露光は、半導体素子製造プロセスと同様にフォトマスクを用いて行われる。具体的には、フォトマスクに露出光としての紫外線が進入し、遮光膜が形成されていない開口部、すなわち、微細加工される部分に対応するように設けられた部分からのみ紫外線が感光性ガラス内部に侵入する。そして、この紫外線が有するエネルギーにより、増感成分(CeO2等)から電子が放出され、感光性成分(Au,Ag,Cu等)のイオンが該電子を捕らえることで酸化還元反応が生じる。その結果、感光性成分の金属が感光性ガラスの内部に生じて潜像が形成される(たとえば、特許文献1を参照)。換言すれば、フォトマスクを介して、紫外線が間接的に感光性ガラスに照射され潜像が形成される。
感光性ガラス(結晶化感光性ガラスも含む)は、ガラスとしての良好な機械的特性を有し、しかも安価に微細加工が可能である。そのため、従来は高価なSiウエハーが用いられてきたインターポーザ、従来は機械的特性の低いポリイミド等の樹脂が用いられてきたガス電子増幅器用基板等に適用され始めている。
近年、上述した用途において、基板サイズの大型化、かつ貫通孔の径の微細化が求められており、これに伴い、必然的に貫通孔の形成位置等の微細加工の精度に対する要求もますます大きくなっている。
ところが、感光性ガラスは高温での熱処理によりその寸法が変化する。特に、貫通孔の形成等の微細加工を行った後に、熱処理を行い感光性ガラス中に微細な結晶を析出させた結晶化感光性ガラスを得る場合には、感光性ガラスの結晶化を伴うため、寸法変化量が比較的大きくなってしまう。具体的には、微細加工前の感光性ガラスに比べて、結晶化感光性ガラスは、1.1%程度収縮する。
このような感光性ガラスに、フォトマスクを用いて、たとえば数十μm程度の大きさの貫通孔を形成する場合、フォトマスクによるパターンの形成後に感光性ガラスに熱処理が行われる。したがって、フォトマスクによるパターン形成時に寸法変化量を考慮してパターニングしなければ、その後の熱処理に起因する寸法変化量が貫通孔の径よりも極めて大きいため、貫通孔の形成位置が所定の形成位置から大きくずれてしまう。特に、基板サイズが大きくなるにつれ基板の寸法変化量も大きくなるため、このような問題が顕著になる。
フォトマスクを用いる場合、パターニングの精度を向上させるために、ステップアンドリピートと呼ばれる手法において、フォトマスクに所定の補正を行っている。ステップアンドリピートでは、形成されるパターンの全部を一度に形成するのではなく、形成されるパターンの一部である繰り返し単位のフォトマスクを用いて、一部のパターンの形成を繰り返し、全体のパターンを形成する。したがって、フォトマスクに所定の補正を行うだけでパターン全体の精度を向上させることができる。
しかしながら、感光性ガラス基板の中心部と外周部とでは、寸法変化量は異なる。そのため、ステップアンドリピートにおいて貫通孔の形成位置を補正する場合、リピート位置が異なると補正量も異なるため、補正量が異なるフォトマスクが多数必要となり、現実的ではない。
本発明は、上記の状況を鑑みてなされ、熱処理に起因する感光性ガラスの寸法変化量を考慮して、エネルギービームの照射位置を直接補正することにより、貫通孔の形成位置等の微細加工の精度を容易に向上させることができる方法を提供することを目的とする。
本発明者は、熱処理による感光性ガラスの寸法変化量は大きく、しかも感光性ガラスの場所により異なるものの、感光性ガラスごとの寸法変化量のバラツキは小さく、さらにそのバラツキ量は、貫通孔の形成位置の誤差に対して影響を与えない程度の量であることを見出した。その結果、補正量の設定を簡略化できることを見出した。
そして、本発明者は、感光性ガラス基板について、微細加工の位置精度を補正する場合には、フォトマスクによる補正ではなく、感光性ガラス基板上の微細加工が予定されている位置を直接補正することにより、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の態様は、
感光性ガラスから構成される板状基材に直接的にエネルギービームを照射して潜像を形成する照射工程と、
第1熱処理により潜像を結晶化して結晶化部分を得る結晶化工程と、
結晶化部分を溶解除去して微細加工を行い、感光性ガラス基板を得る微細加工工程と、を有し、
照射工程において、少なくとも第1熱処理を含む熱処理に起因する感光性ガラスの寸法変化量に基づいて、エネルギービームの照射位置を補正する感光性ガラス基板の製造方法である。
感光性ガラスから構成される板状基材に直接的にエネルギービームを照射して潜像を形成する照射工程と、
第1熱処理により潜像を結晶化して結晶化部分を得る結晶化工程と、
結晶化部分を溶解除去して微細加工を行い、感光性ガラス基板を得る微細加工工程と、を有し、
照射工程において、少なくとも第1熱処理を含む熱処理に起因する感光性ガラスの寸法変化量に基づいて、エネルギービームの照射位置を補正する感光性ガラス基板の製造方法である。
上記の態様において、熱処理が、微細加工工程後に、感光性ガラス基板に行われる第2熱処理を含むことが好ましい。
上記の態様において、感光性ガラス基板上の所定の点において、寸法変化量に基づいて算出される補正量が、感光性ガラス基板の中心点と、熱処理前の所定の点と、の距離に対して0〜0.3%の範囲内であることが好ましい。あるいは、該補正量が、感光性ガラス基板の中心点と、熱処理前の所定の点と、の距離に対して0〜−2%の範囲内であることが好ましい。なお、感光性ガラス基板の中心点は、感光性ガラス基板の重心である。
上記の態様において、微細加工工程が、結晶化部分を溶解除去して貫通孔を形成する貫通孔形成工程であり、感光性ガラス基板の径が100mm以上であり、かつ貫通孔の径が100μm以下であることが好ましい。
本発明によれば、熱処理に起因する感光性ガラスの寸法変化量を考慮して、エネルギービームの照射位置を直接補正することにより、貫通孔の形成位置等の微細加工の精度を容易に向上させることができる方法を提供することができる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき、以下の順序で詳細に説明する。
1.感光性ガラス基板
2.感光性ガラス基板の製造方法
3.本実施形態の効果
4.変形例等
1.感光性ガラス基板
2.感光性ガラス基板の製造方法
3.本実施形態の効果
4.変形例等
(1.感光性ガラス基板)
感光性ガラス基板としては、感光性ガラスから構成されていれば特に制限されない。本実施形態では、感光性ガラス基板は板状であり、用途に応じて、円形板状であってもよいし、長方形あるいは正方形等の矩形板状であってもよい。
感光性ガラス基板としては、感光性ガラスから構成されていれば特に制限されない。本実施形態では、感光性ガラス基板は板状であり、用途に応じて、円形板状であってもよいし、長方形あるいは正方形等の矩形板状であってもよい。
感光性ガラス基板の径は特に制限されないが、感光性ガラス基板の径が100mm以上である場合に本発明の効果がより顕著となる。なお、本発明において、感光性ガラス基板の径とは、感光性ガラス基板が円形板状である場合には直径を示し、感光性ガラス基板が矩形板状である場合には辺の長さを示す。感光性ガラス基板の厚みは用途に応じて決定すればよいが、たとえば0.1〜1mm程度である。
また、感光性ガラス基板には複数の貫通孔が基板の主面上に規則的に配置されて形成されている。貫通孔の形状は、特に制限されないが、通常、平面視で円形である。また、貫通孔の径は10〜100μm程度であり、貫通孔の配列ピッチは20〜300μm程度である。本実施形態では、感光性ガラス基板は、極めて多数(数千〜数百万個)の微細な貫通孔が形成されている基板である。貫通孔を形成する方法は後述する。
本実施形態では、感光性ガラスは、SiO2−Li2O−Al2O3系ガラスに、感光性成分としてのAu,Ag,Cuが含まれ、さらに増感成分としてのCeO2が含まれるガラスである。具体的な組成として、SiO2:55〜85質量%、Al2O3:2〜20質量%、Li2O:5〜15質量%であって、SiO2、Al2O3およびLi2Oの合計が感光性ガラス全体に対して85質量%以上含有されており、Au:0.001〜0.05質量%、Ag:0.001〜0.5質量%、Cu2O:0.001〜1質量%を感光性成分とし、さらにCeO2:0.001〜0.2質量%を増感成分として含有する組成が例示される。感光性成分および増感成分の含有量は、後述する照射工程で用いるエネルギービームに対する感度等に応じて決定すればよい。
このような感光性ガラスとしては、たとえば、HOYA株式会社製PEG3と、PEG3を結晶化して得られるHOYA株式会社製PEG3Cと、が例示される。
(2.感光性ガラス基板の製造方法)
本実施形態では、感光性ガラスから構成される基材に、潜像を形成し該潜像が結晶化された後に溶解除去されて貫通孔が形成されることにより、上記の感光性ガラス基板が製造される。具体的な方法は図1を用いて説明する。
本実施形態では、感光性ガラスから構成される基材に、潜像を形成し該潜像が結晶化された後に溶解除去されて貫通孔が形成されることにより、上記の感光性ガラス基板が製造される。具体的な方法は図1を用いて説明する。
まず、図1(a)に示すように、感光性ガラスから構成される基材11を準備する。感光性ガラスとしては、上述したガラスを用いればよい。
(照射工程)
次に、図1(b)に示すように、照射工程では、基材11において、貫通孔となるべき部分(以下、貫通孔形成予定部分16ともいう)に潜像17を形成する。この潜像17は、フォトマスクを介することなく、照射源51からエネルギービーム50を基材11に直接的に照射することにより形成される。すなわち、図1(b)に示すように、エネルギービーム50の照射時には、エネルギービームの照射源51を、図示しない公知の移動機構により制御しながら、貫通孔形成予定部分16にエネルギービーム50を順次照射し潜像17を形成していく。
次に、図1(b)に示すように、照射工程では、基材11において、貫通孔となるべき部分(以下、貫通孔形成予定部分16ともいう)に潜像17を形成する。この潜像17は、フォトマスクを介することなく、照射源51からエネルギービーム50を基材11に直接的に照射することにより形成される。すなわち、図1(b)に示すように、エネルギービーム50の照射時には、エネルギービームの照射源51を、図示しない公知の移動機構により制御しながら、貫通孔形成予定部分16にエネルギービーム50を順次照射し潜像17を形成していく。
なお、照射時におけるエネルギービーム50のビーム径、ショット数、アパーチャ径等の照射条件は形成する貫通孔に応じて適宜決定すればよい。また、照射源51を移動させる代わりに、基材11が載置されたステージ(図示省略)を位置制御(たとえば、XY方向制御)しながら、エネルギービーム50を照射してもよい。
このとき、後述する熱処理に起因する感光性ガラスの寸法変化量に基づいてエネルギービーム50の照射位置を補正する。具体的な補正方法は後述する。
エネルギービーム50としては、特に制限されないが、以下のようなエネルギービーム50が好ましい。すなわち、感光性ガラス内部で、感光性成分と増感成分との間で酸化還元反応を生じさせ、感光性成分の金属を十分に生じさせる程度のエネルギーを有するビームであればよい。また、形成されることとなる貫通孔の径に対応する潜像17を形成できる程度にビーム径を絞ることができるビームであればよい。
本実施形態では、エネルギービームとしてレーザー光を用いる。レーザー光は、高い指向性を有しており、さらにビーム径を絞ることで高いエネルギー密度を実現できるからである。具体的なレーザー光としては、UVレーザー光、エキシマレーザー光等が例示される。
(結晶化工程)
続いて、潜像が形成された基材に対して第1熱処理を行う。第1熱処理は、潜像を結晶化部分とするために行われる処理である。照射工程において、レーザー光が照射されて形成された潜像では、感光性成分(Au等)と増感成分(Ce等)との間の酸化還元反応により生じた感光性成分の金属が存在している。
続いて、潜像が形成された基材に対して第1熱処理を行う。第1熱処理は、潜像を結晶化部分とするために行われる処理である。照射工程において、レーザー光が照射されて形成された潜像では、感光性成分(Au等)と増感成分(Ce等)との間の酸化還元反応により生じた感光性成分の金属が存在している。
第1熱処理を行うことにより、図1(c)に示すように、潜像17において該金属が凝集してコロイドを形成し、さらにこのコロイドを結晶核として、Li2O−SiO2(リチウムモノシリケート)の結晶が析出し、結晶化部分18が形成される。したがって、結晶化部分18は、潜像17と同様に貫通孔形成予定部分16に対応する位置に形成されている。
第1熱処理では、まず400℃に加熱すると、上記のコロイドが形成され始め、結晶化が進行する最終的な到達温度の範囲は500〜600℃の範囲である。また、その保持時間としては特に制限されず、リチウムモノシリケートの結晶が十分に析出し、その結晶のサイズが大きくなりすぎない程度の時間とすればよい。結晶のサイズが大きくなりすぎると、後述するエッチングによる微細加工の精度が悪化するからである。なお、第1熱処理において、515℃近傍で感光性ガラスが軟化する。
(貫通孔形成工程)
貫通孔形成工程では、図1(d)に示すように、形成された結晶化部分18を、HF(フッ化水素)を用いてエッチングにより溶解除去し、貫通孔15を形成する。結晶化部分18、すなわち、リチウムモノシリケートは、結晶化していないガラス部分に比べて、フッ化水素に溶解しやすい。具体的には、結晶化部分18と結晶化部分以外のガラス部分との溶解速度の差は約50倍である。したがって、この溶解速度の差を利用して、フッ化水素をエッチング液として用い、たとえば、図示しないスプレーエッチングにより、フッ化水素を基材11の両面に吹き付けることにより、結晶化部分18が溶解して除去され貫通孔15が形成される。すなわち、基材11に対して選択的エッチングを行うことにより貫通孔15を形成できる。
貫通孔形成工程では、図1(d)に示すように、形成された結晶化部分18を、HF(フッ化水素)を用いてエッチングにより溶解除去し、貫通孔15を形成する。結晶化部分18、すなわち、リチウムモノシリケートは、結晶化していないガラス部分に比べて、フッ化水素に溶解しやすい。具体的には、結晶化部分18と結晶化部分以外のガラス部分との溶解速度の差は約50倍である。したがって、この溶解速度の差を利用して、フッ化水素をエッチング液として用い、たとえば、図示しないスプレーエッチングにより、フッ化水素を基材11の両面に吹き付けることにより、結晶化部分18が溶解して除去され貫通孔15が形成される。すなわち、基材11に対して選択的エッチングを行うことにより貫通孔15を形成できる。
(感光性ガラス改質工程)
本実施形態では、貫通孔15を形成した感光性ガラス基板10に対して、第2熱処理を行い、感光性ガラスの改質を行う。具体的には、第2熱処理は、第1熱処理よりも高い温度、たとえば、800〜1200℃の範囲で行われる。この第2熱処理により、図1(e)に示すように、感光性ガラス全体にリチウムダイシリケートの結晶が析出し、感光性ガラスが改質され、結晶化感光性ガラス基板10aとなる。結晶化感光性ガラスは、改質を行っていない感光性ガラスよりも、機械的特性、化学的耐久性等に優れている。以降、結晶化感光性ガラスを、単に感光性ガラスともいう。
本実施形態では、貫通孔15を形成した感光性ガラス基板10に対して、第2熱処理を行い、感光性ガラスの改質を行う。具体的には、第2熱処理は、第1熱処理よりも高い温度、たとえば、800〜1200℃の範囲で行われる。この第2熱処理により、図1(e)に示すように、感光性ガラス全体にリチウムダイシリケートの結晶が析出し、感光性ガラスが改質され、結晶化感光性ガラス基板10aとなる。結晶化感光性ガラスは、改質を行っていない感光性ガラスよりも、機械的特性、化学的耐久性等に優れている。以降、結晶化感光性ガラスを、単に感光性ガラスともいう。
得られた感光性ガラス基板は上述した用途に用いられる。このとき、必要に応じて、貫通孔に導電性金属が充填される。
(照射工程における照射位置の補正)
上述したように、感光性ガラス基板に対する露光は、露光すべきパターン(たとえば、貫通孔形成予定部分)に対応するマスクパターンを有するフォトマスクを介して行うことが多い。しかしながら、フォトマスクを介した露光では、特に、基板サイズが大きくなり、パターニング(たとえば、貫通孔の形成)が微細化すると、パターニングの精度(たとえば、貫通孔の形成位置のずれ)が悪化するという新たな問題が顕在化してしまう。この問題は、感光性ガラス特有の性質に起因する問題である。
上述したように、感光性ガラス基板に対する露光は、露光すべきパターン(たとえば、貫通孔形成予定部分)に対応するマスクパターンを有するフォトマスクを介して行うことが多い。しかしながら、フォトマスクを介した露光では、特に、基板サイズが大きくなり、パターニング(たとえば、貫通孔の形成)が微細化すると、パターニングの精度(たとえば、貫通孔の形成位置のずれ)が悪化するという新たな問題が顕在化してしまう。この問題は、感光性ガラス特有の性質に起因する問題である。
上記の感光性ガラス特有の性質とは、感光性ガラス基板の熱処理に伴って生じる寸法変化である。感光性ガラス基板を製造する際に、上記のような熱処理を経ることにより、新たな結晶の析出、非結晶状態から結晶状態への構造変化等に伴って感光性ガラス基板に体積変化が生じるため、感光性ガラス基板の寸法変化が生じる。
具体的な寸法変化量を例示すると、上述した第1熱処理および第2熱処理により、熱処理前の基板サイズに対して最大1.1%程度収縮する。したがって、たとえば、基板の平面方向の一辺のサイズ、すなわち、基板の径が300mm程度である場合、第1熱処理および第2熱処理後には、基板の外周部では平面方向に3.3mm程度収縮する。このような収縮(寸法変化量)は、基板の場所によって異なり、基板の中心部では生じず外周部に近づくほど大きくなる傾向にある。
一方、感光性ガラス基板に形成される貫通孔の径は数十μm程度であり、その配列ピッチも数十〜数百μm程度であるが、該基板が所定の性能を発揮するには、熱処理(第1熱処理および第2熱処理)後の感光性ガラス基板において、貫通孔が所定の位置に正しく形成されている必要がある。したがって、貫通孔の径に対して上記の寸法変化量が極めて大きいにもかかわらず、貫通孔の形成位置の精度が高いことが求められる。具体的には、貫通孔の形成位置の誤差範囲(精度)は、貫通孔の径に依存するが、10〜25μm程度である。
このような形成位置のずれは、感光性ガラス基板のサイズが大きく(すなわち、寸法変化量が大きく)、貫通孔15の径あるいは配置を微細化する(すなわち、配置の位置精度が厳しくなる)ほど顕著になることが容易に理解できる。
以上より、熱処理後の感光性ガラス基板の寸法変化量を考慮しつつ、貫通孔の形成位置のずれ(誤差)が上記の範囲内となるように、熱処理前の感光性ガラス基板上における貫通孔形成予定部分の位置を補正する必要がある。
ところで、フォトマスクを用いて露光する場合、パターンを形成した後に、フォトマスクを取り除いてから熱処理が行われる。そのため、フォトマスクを用いて形成された貫通孔形成予定部分に形成された貫通孔は、熱処理に起因する感光性ガラス基板の寸法変化により、形成予定位置からずれてしまう。
したがって、フォトマスクのマスクパターンを、感光性ガラス基板の寸法変化量を反映させたマスクパターンとする必要がある。この場合、ステップアンドリピートにおいて、補正を行いながらパターン露光を行うことが考えられる。
ステップアンドリピートにおける補正は、基板上に形成されるパターンの一部(繰り返し単位)に対して、所定の補正が反映されたマスクパターンを有するフォトマスクを用いて、パターンの形成を繰り返して全体のパターンを形成することにより行われる。すなわち、フォトマスクのマスクパターンに微調整を加えることで間接的に露光位置を補正する。
ところが、本実施形態では、パターニング対象物、すなわち、感光性ガラス基板自体の寸法が変化し、しかも、外周部と中心部とでは寸法変化量が異なっている。このことは、ステップアンドリピートにおいて、リピート位置が変化すると寸法変化量も変化してしまうことを意味している。そのため、貫通孔の形成位置を補正するには、寸法変化量の大きさに対応したフォトマスクを多数作製する必要があり、コスト等の面から現実的ではない。
このような状況において、本発明者は、感光性ガラス基板の寸法変化に関して極めて重要な事実を見出した。その事実とは、熱処理に起因する感光性ガラスの寸法変化量そのものは微細な貫通孔の形成位置の精度に影響を与えるほど大きいが、同一組成の感光性ガラス基板に対し同一条件で熱処理を行うと、感光性ガラス基板ごとに生じる寸法変化量の差が小さい、すなわち、寸法変化量のバラツキが小さいことである。換言すれば、熱処理によりどの基板にも同じような寸法変化が生じるということである。
具体的には、基板の径が300mmであり、同一組成を有する基板に対し同一条件で熱処理を行った場合に現れる寸法変化量のバラツキは、たとえば、第1熱処理および第2熱処理を行った後には、±10μm程度であり、寸法変化量そのものに比べて極めて小さいことを本発明者は初めて見出している。
一方、貫通孔の形成位置に要求される誤差範囲(パターニング精度)が10〜25μm程度であることを考慮すると、バラツキが上記の範囲内であれば、バラツキが、貫通孔の形成位置に要求される位置精度にそれほど影響を与えないと考えられる。そのため、基板ごとに、寸法変化量に基づく補正量を設定することは必ずしも必要ではなく、一方の基板について設定した補正量を他の基板に適用することができる。すなわち、補正量の設定を簡略化できる。
そこで、本実施形態では、上記の照射工程における照射位置の補正は、結晶化工程における第1熱処理と感光性ガラス改質工程における第2熱処理とに起因する感光性ガラスの寸法変化量に応じて行われる。
また、上述したように、フォトマスクを用いて補正を行うことは困難であるため、本実施形態では、上述の照射工程で説明したように、感光性ガラス基板に潜像を形成する操作を、予め寸法変化量が反映されて補正された位置にレーザー光等のエネルギービームを直接的に照射することによって行う。補正された位置(当初の形成位置とは異なる位置)にエネルギービームを直接的に照射することにより、その後の熱処理に起因して感光性ガラス基板に寸法変化を生じても、その寸法変化量を予め考慮してビーム照射位置の補正が行われているため、熱処理後において微細形状のパターニング(たとえば、貫通孔の形成位置)にずれが生じない。
具体的な補正量の設定は、公知の方法を用いればよいが、本実施形態では、基板の中心を原点として、原点からの距離と寸法変化量との関係から、補正量を算出する。そして、算出された補正量を、寸法変化を考慮せずに設定される貫通孔形成予定部分の座標の初期値に加算して、エネルギービームの照射位置を補正する。以下、具体的に説明する。
本実施形態では、寸法変化量測定用の感光性ガラス基板に熱処理を行い、該基板の寸法変化量を測定し、得られた寸法変化量に基づき補正量を設定する。熱処理としては、第1熱処理だけであってもよいし、第1熱処理および第2熱処理の両方であってもよい。設定された補正量は、貫通孔が形成される感光性ガラス基板における貫通孔形成予定部分の座標(位置)に加算される。なお、寸法変化量測定用基板として、所定の貫通孔形成予定部分を露光した基板、あるいは、所定の貫通孔が形成された基板を用いることにより、貫通孔の形成位置精度をより高めることができる。また、寸法変化量測定用基板を複数用いると、補正量をより適切に設定することができ、貫通孔の形成位置精度をより高めることができる。
まず、図2に示すように、熱処理前の寸法変化量測定用の感光性ガラス基板10b上に検出可能な基準マーク31〜38を付しておく。基準マーク31〜38は、感光性ガラス基板10bの寸法変化量を検出するために付されるものである。さらに、図2に示すように、感光性ガラス基板10bの中心点Oを通る二本の仮想基準線40,41を設定し、仮想基準線40をX方向とし、仮想基準線41をY方向とする。X方向には基準マーク31〜34が配置され、Y方向には基準マーク35〜38が配置される。これらの基準マーク31〜38は、中心点Oからの距離が所定の距離(X1、X2・・・、Y1、Y2・・・)となるように配置されている。
なお、本実施形態では、感光性ガラス基板10bの中心点Oは、感光性ガラス基板10bの重心である。すなわち、図2に示すように、感光性ガラス基板10bの形状が正方形である場合には、感光性ガラス基板10bの中心点Oは対角線の交点となる。また、感光性ガラス基板の形状が円形である場合には、感光性ガラス基板10bの中心点Oは円の中心となる。
基準マーク31〜38は寸法変化量を検出できるように配置されていれば、特に制限されず、たとえば、他の用途に用いるアライメントマークを流用してもよい。
続いて、基準マーク31〜38が形成された感光性ガラス基板10b(寸法変化量測定用感光性ガラス基板)に対して熱処理を行った後、基準マーク31〜38の位置を検出して寸法変化量を算出する。
以降の説明では、X方向に配置された基準マーク31〜34に着目して、X方向における補正量を設定する場合について述べるが、Y方向についても同様である。
図3に示すように、基準マーク31〜34については、中心点Oからの距離、すなわち、座標は既知なので、熱処理後の感光性ガラス基板10b上におけるこれらの基準マーク31a〜34aの位置を公知の手段により検出して、中心点Oと各基準マークとの距離(座標)を算出する。
なお、基準マーク31〜38を検出する手法は、形成されたマークを確実に検出できる手法であれば、特に制限されず、公知の検出手法を適宜用いればよい。また、各基準マークの座標の算出は、公知の画像処理技術を用いて算出すればよい。
図3においては、中心点Oと基準マーク31aとの距離がX1’、中心点Oと基準マーク32aとの距離がX2’、中心点Oと基準マーク33aとの距離X3’、中心点Oと基準マーク34aとの距離X4’である。
続いて、得られた距離X1’、X2’、X3’、X4’と、熱処理前の感光性ガラス基板10b上における中心点Oと各基準マークとの距離、すなわち、X1、X2、X3、X4と、をそれぞれ比較することで、感光性ガラス基板上の各基準マークにおけるX方向の寸法変化量を算出する。
すなわち、図3に示すように、中心点Oを仮想基準線から構成される直交座標の原点とした場合に、X方向では、X1における寸法変化量が(X1’−X1)(=a1)、X2における寸法変化量が(X2’−X2)(=a2)、X3における寸法変化量が(X3’−X3)(=a3)、X4における寸法変化量が(X4’−X4)(=a4)である。
そして、算出された寸法変化量に基づき、図4に示すように、原点からの距離(X1〜X4)と、寸法変化量(a1〜a4)と、の関係を示す関数70を算出する。関数の算出方法としては、公知の手法を用いればよく、たとえば、最小二乗法等を用いてもよい。Y方向についても同様にして、原点からの距離と寸法変化量との関係を示す関数を算出する。
次に、得られた関数に、各貫通孔形成予定部分の座標(位置)を代入して、補正量を算出する。そして、算出された補正量を、寸法変化量を考慮していない貫通孔形成予定部分の座標に加算する。たとえば、熱処理前の感光性ガラス基板における形成予定位置の貫通孔の中心点の座標が(X1,Y1)であり、算出されたX方向の補正量がa1、Y方向の補正量がb1である場合には、補正後の貫通孔の中心点の座標は、(X1+a1,Y1+b1)となり、この座標を中心位置としてエネルギービームが照射される。また、貫通孔の径についても、寸法変化量を反映した径を有する潜像が形成されるように、照射時におけるビーム径を制御する。
すなわち、照射工程におけるエネルギービームの照射位置が補正されて、座標(X1+a,Y1+b)となり、照射時のビーム径も、形成予定の貫通孔の径に対し、寸法変化量に基づく補正量が反映された径となるように設定される。
そして、補正された照射位置に対してエネルギービームを直接的に照射する。その結果、感光性ガラスに熱処理に起因する寸法変化が生じていても、その寸法変化量は補正量にキャンセルされることになる。したがって、熱処理後に得られる最終の感光性ガラス基板における貫通孔は、所定の形成予定位置、すなわち、座標(X1,Y1)に形成されており、貫通孔の形成位置のずれを効果的に抑制することができる。
本実施形態では、感光性ガラス基板上の所定の貫通孔形成予定位置における上記の補正量は、感光性ガラス基板の中心点と、熱処理前の所定の貫通孔形成予定位置と、の距離に対して0〜−2%の範囲内にある。
なお、補正量の設定手法は、上記の手法に制限されず、他の手法を用いて補正量を決定してもよい。
(3.本実施形態の効果)
熱処理に起因する感光性ガラス基板の寸法変化量は大きく、該基板に微細な加工(たとえば、微細な貫通孔の形成)を行う場合には、加工精度が問題となっていた。具体的には、基板に貫通孔を形成する場合、貫通孔の実際の形成位置と所定の形成予定位置とにずれが生じ易くなってしまう。
熱処理に起因する感光性ガラス基板の寸法変化量は大きく、該基板に微細な加工(たとえば、微細な貫通孔の形成)を行う場合には、加工精度が問題となっていた。具体的には、基板に貫通孔を形成する場合、貫通孔の実際の形成位置と所定の形成予定位置とにずれが生じ易くなってしまう。
そこで、本実施形態では、マスクを用いることなく、感光性ガラス基板の寸法変化量に基づく補正量をエネルギービームの照射位置に反映させている。このようにすることにより、貫通孔の形成位置のずれを効果的に抑制することができる。したがって、本実施形態に係る方法であれば、微細なパターニングを行う場合であっても、そのパターニングを高精度に行うことができる。
しかも、マスクパターンによる補正ではなく、エネルギービームの照射位置自体を直接補正している。そのため、補正量さえ決定できれば、その補正量を反映させた補正を容易に行うことができる。また、その補正量も、感光性ガラス基板の寸法変化量のバラツキが小さいため、基板ごとに設定する必要がなく、容易かつ正確に設定することができる。
このような効果は、特に、基板の径が100mm以上であり、かつ貫通孔の径が100μm以下である場合に顕著となる。貫通孔の形成位置精度に対する感光性ガラス基板の寸法変化量が極めて大きいからである。
また、基板の中心点と当初の貫通孔の形成位置との距離に対して、補正量を上述した範囲とすることにより、貫通孔の形成位置の精度を容易に高めることができる。
したがって、本実施形態によれば、このような微細なパターニングの高精度化(形成位置のずれの抑制)を容易に実現できる。すなわち、感光性ガラス基板の寸法変化量のバラツキが小さいため、補正量を容易かつ正確に算出できることに加え、エネルギービームを感光性ガラス基板に直接的に照射するため、その補正量を実際の照射位置に反映させることができるからである。
(4.変形例等)
上述した実施形態では、貫通孔が形成された感光性ガラス基板を第2熱処理により改質して得られる結晶化感光性ガラス基板について説明したが、第2熱処理を行わない感光性ガラス基板についても、同様に照射位置の補正を行うことができる。
上述した実施形態では、貫通孔が形成された感光性ガラス基板を第2熱処理により改質して得られる結晶化感光性ガラス基板について説明したが、第2熱処理を行わない感光性ガラス基板についても、同様に照射位置の補正を行うことができる。
感光性ガラス基板に第1熱処理、すなわち、結晶化工程における熱処理のみを行う場合、熱処理前の基板サイズに対して0.1%程度膨張する。すなわち、基板の径が300mm程度である場合、第1熱処理後には、平面方向に0.3mm程度膨張する。また、寸法変化量のバラツキは±5μm程度である。
なお、感光性ガラス基板上の所定の貫通孔形成予定位置における補正量は、感光性ガラス基板の中心点と、熱処理前の所定の貫通孔形成予定位置と、の距離に対して0〜0.3%の範囲内にある。
したがって、上記の寸法変化量に基づき補正量を設定して、照射位置を補正することにより、上述した実施形態と同様に貫通孔の形成位置の精度を向上させることができる。
また、上述した実施形態では、感光性ガラス基板の中心点Oからの距離と寸法変化量との関係から補正量を設定しているが、他の手法により補正量を設定してもよい。たとえば、複数の寸法変化量測定用基板を熱処理して、各基板上の所定の座標におけるずれ(寸法変化量)を算出し、その平均値を補正量として設定してもよい。
また、上述した実施形態では、感光性ガラスから構成される基材に対する微細加工として、貫通孔の形成を行っているが、その他の微細加工を行ってもよい。たとえば、潜像の形成を基材の途中までとし、有底孔を形成してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
10、10a、10b…感光性ガラス基板
11…基材
15…貫通孔
16…貫通孔形成予定部分
17…潜像
18…結晶化部分
31〜38…基準マーク
50…エネルギービーム
11…基材
15…貫通孔
16…貫通孔形成予定部分
17…潜像
18…結晶化部分
31〜38…基準マーク
50…エネルギービーム
Claims (5)
- 感光性ガラスから構成される板状基材に直接的にエネルギービームを照射して潜像を形成する照射工程と、
第1熱処理により前記潜像を結晶化して結晶化部分を得る結晶化工程と、
前記結晶化部分を溶解除去して微細加工を行い、感光性ガラス基板を得る微細加工工程と、を有し、
前記照射工程において、少なくとも前記第1熱処理を含む熱処理に起因する前記感光性ガラスの寸法変化量に基づいて、前記エネルギービームの照射位置を補正することを特徴とする感光性ガラス基板の製造方法。 - 前記熱処理が、前記微細加工工程後に、前記感光性ガラス基板に行われる第2熱処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の感光性ガラス基板の製造方法。
- 前記感光性ガラス基板上の所定の点において、前記寸法変化量に基づいて算出される補正量が、前記感光性ガラス基板の中心点と、前記熱処理前の前記所定の点と、の距離に対して0〜0.3%の範囲内であり、
前記感光性ガラス基板の前記中心点は、前記感光性ガラス基板の重心であることを特徴とする請求項1に記載の感光性ガラス基板の製造方法。 - 前記感光性ガラス基板上の所定の点において、前記寸法変化量に基づいて算出される補正量が、前記感光性ガラス基板の中心点と、前記熱処理前の前記所定の点と、の距離に対して0〜−2%の範囲内であり、
前記感光性ガラス基板の前記中心点は、前記感光性ガラス基板の重心であることを特徴とする請求項2に記載の感光性ガラス基板の製造方法。 - 前記微細加工工程が、前記結晶化部分を溶解除去して貫通孔を形成する貫通孔形成工程であり、
前記感光性ガラス基板の径が100mm以上であり、かつ前記貫通孔の径が100μm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の感光性ガラス基板の製造方法。
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