JP2015039910A - 車輪駆動装置 - Google Patents

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Masayuki Ishizuka
正幸 石塚
晶 恵
Akira Megumi
晶 恵
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Abstract

【課題】左車輪用と右車輪用の車輪駆動装置でブレーキカバーを共通化した場合に、メンテナンス性の低下を抑える。【解決手段】車輪駆動装置10L、10Rは、車両の左右の車輪それぞれに対して設けられる。車輪駆動装置10L、10Rの車体側の面にはブレーキカバーが設けられる。ブレーキカバーは、空気抜き穴16が設けられるとともに、左右の車輪駆動装置10L、10Rにおいて共通とされる。空気抜き穴16は、ブレーキカバーが左右の車輪駆動装置10L、10Rのいずれに取り付けられたときにも、車両本体側の部材により空気抜き穴16へのアクセスが阻害されない位置に設けられる。【選択図】図1

Description

本発明は、車輪駆動装置に関する。
車両の車輪を駆動する車輪駆動装置において、個々の車輪に対して減速機、モータ、ブレーキ等を設けたものが知られている。例えば、特許文献1には、減速機と湿式ブレーキとが収められたドライブケースを車体に固着し、ドライブケースの上部において、車体内方側に走行用モータを固着したドライブユニットが開示されている。さらに、パーキングレバーに接続するワイヤに連結されたパーキングブレーキ機構が、ドライブケースの車体内方側に設けられている。
特開2006−298361号公報
上記のような車輪駆動装置は、車輪の左右の駆動輪にそれぞれ取り付けられる。左車輪用と右車輪用の車輪駆動装置で共通のブレーキカバーを使用した場合、パーキングブレーキワイヤや、湿式ブレーキに圧油を供給するブレーキホースなどが延び出す方向を左右の駆動輪で揃えると、ブレーキカバーに形成されている空気抜き穴へのアクセスが困難になり、メンテナンス性が損なわれるおそれがある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、左車輪用と右車輪用の車輪駆動装置でブレーキカバーを共通化した場合でもメンテナンス性の低下を抑える技術を提供することにある。
本発明のある態様は、車両の左右の車輪それぞれに対して設けられ、車輪を駆動する車輪駆動装置である。車輪駆動装置の車体側の面にブレーキカバーが設けられ、ブレーキカバーは、空気抜き穴が設けられるとともに、左右の車輪駆動装置において共通とされ、空気抜き穴は、ブレーキカバーが左右の車輪駆動装置のいずれに取り付けられたときにも、車両本体側の部材により空気抜き穴へのアクセスが阻害されない位置に設けられる。
この態様によると、左右の車輪にそれぞれ設けられる車輪駆動装置のブレーキカバーを共通化した場合でも、車輪駆動装置を車輪に取り付けた状態で空気抜き穴へのアクセスが確保されるので、メンテナンス性の低下を抑えることができる。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、左車輪用と右車輪用の車輪駆動装置でブレーキカバーを共通化した場合でもメンテナンス性の低下を抑えることができる。
(a)、(b)は、本発明の一実施形態に係る車輪駆動装置が車両の左右の車輪にそれぞれ取り付けられた状態を示す、車体側から見た斜視図である。 車輪駆動装置が取り付けられた車両の前方斜視図である。 車輪駆動装置を構成するブレーキ機構およびパーキングブレーキ装置を、車輪駆動装置の中心軸を含む鉛直面で切断したときの断面図である。 (a)、(b)は、キャップを取り外した状態の車輪駆動装置を車体側から見たときの平面図であり、(c)、(d)はケーシングの平面図である。 (a)、(b)は、キャップを取り外した状態の別の例の車輪駆動装置を車体側から見たときの平面図であり、(c)はケーシングの平面図である。 (a)、(b)は、キャップを取り外した状態のさらに別の例の車輪駆動装置を車体側から見たときの平面図であり、(c)、(d)はケーシングの平面図である。 (a)〜(d)は、軸方向に空気抜き穴が設けられるとともに、パーキングブレーキ装置の後側にモータが配置される車輪駆動装置の一部を示す図である。 (a)〜(d)は、軸方向に空気抜き穴が設けられるとともに、パーキングブレーキ装置の後側にモータが配置される別の例の車輪駆動装置の一部を示す図である。
図1(a)、(b)は、本発明の一実施形態に係る車輪駆動装置10L、10Rが、車両の左右の車輪12L、12Rにそれぞれ取り付けられた状態を示す、車体側から見た斜視図である。また、図2は、車輪駆動装置10L、10Rが取り付けられた車両100の前方斜視図である。
車輪駆動装置10L、10Rは、減速機、モータ、湿式多板ブレーキ機構およびパーキングブレーキ装置が一体化された装置であり、車両の車輪を駆動するために用いられる。減速機およびモータは周知の構成であるため、本明細書では説明を省略する。ブレーキ機構およびパーキングブレーキ装置については、図3を参照して後述する。
図1および2を参照して、車輪駆動装置10L、10Rは、車輪12L、12Rのホイールの車体側に取り付けられ、車輪12L、12Rをそれぞれ個別に駆動する。車輪駆動装置10L、10Rのケーシングは、フランジ8を介して車体側構造6に固定されている。車輪駆動装置10L、10Rの上方および後方を覆うように、ホイールカバー2、4が車体に取り付けられている。車輪駆動装置10L、10Rの車体側端には、パーキングブレーキ装置が取り付けられている。パーキングブレーキ装置はキャップ14にて覆われているので、図1および2には現れていない。
図3は、車輪駆動装置10L、10Rを構成するブレーキ機構84およびパーキングブレーキ装置80を、車輪駆動装置の中心軸を含む鉛直面で切断したときの断面図である。
ブレーキ機構84は、図示しないモータの出力軸70の回転を制動するように構成される。モータの出力軸70は、図示しない減速機の入力軸と連結される。
ブレーキ機構84は、複数の摩擦板を有する多板式制動部78を備える。多板式制動部78の摩擦板は、複数(図示の例では3枚)の固定摩擦板78Aと、複数(図示の例では2枚)の回転摩擦板78Bとで構成されている。摩擦板78A、78Bは、モータの出力軸70と同軸に配置される。
固定摩擦板78Aは、モータのケーシング62の後端を塞ぐように配置される第2ブレーキピストン50と、ケーシング62の内周に形成される第1肩部62Aとの間で、図示しない貫通ピンによって円周方向に固定されるとともに、貫通ピンに沿って軸方向に移動可能とされている。
一方、回転摩擦板78Bは、モータの図示しないロータと一体的に回転する出力軸70側に組み込まれ、出力軸70と一体的に回転可能である。出力軸70の外周には、軸方向に沿ってスプライン70Bが形成されており、回転摩擦板78Bの内周端がスプライン70Bと係合している。これにより、回転摩擦板78Bは、出力軸70とスプライン70Bを介して円周方向に一体化されると共に、出力軸70の軸方向に沿って移動可能となっている。回転摩擦板78Bの表面には、摩擦シート78Cが接着されている。
第1ブレーキピストン40は、ケーシング62の後端に取り付けられるブレーキカバー60内に形成されたシリンダ48内を摺動するように配置されている。シリンダ48は、図示しない油路を介して油圧機構と連通しており、制動操作に応じて油圧機構から油路を介してシリンダ48内に圧油が供給されるようになっている。第1ブレーキピストン40とシリンダ48の間は、三つのシール42、44、46によって、モータ内部の空間65およびパーキングブレーキ装置80側に対して封止されている。
ブレーキカバー60は、ケーシング62の後端面に複数形成されるボルト穴64にボルト67を用いて締結される。
第2ブレーキピストン50は、第1ブレーキピストン40の移動時に第1ブレーキピストンの右端面40Bと当接して連動して移動するように、ブレーキカバー60の右端面60Aと多板式制動部78との間に配置される。第2ブレーキピストン50の右端には、制動操作に応じて最左端に位置する固定摩擦板78Aと当接する当接面50Aが形成されている。
第2ブレーキピストン50と、ケーシング62の内周に形成される第2肩部62Bとの間には、第2ブレーキピストン50を左方に向けて付勢する戻しばね52が介装されている。
ブレーキ機構84は、湿式ブレーキである。減速機、モータ、およびブレーキ機構84の内部空間65は密閉された一続きの空間となっており、この空間内に潤滑油が封入され、潤滑油が空間内を流通可能となっている。
ブレーキカバー60の後端には、パーキングブレーキ装置80が組み付けられている。パーキングブレーキ装置80は、ブレーキ機構84の多板式制動部78を利用して、車両の駐車時に制動力を発揮するように構成される。
第1部材28は、断面図内で互いに対して略直角に延びる二本のアーム28Aおよび28Bを持つ、略L字形の断面を有する部材である。第1部材28は、ブレーキワイヤ18の引張力を、後述する第2部材32に伝達する役割を有している。
第1部材28の一方のアーム28Aの先端には、ブレーキワイヤ18と連結するための鉤状部28Cが形成されている。ブレーキワイヤ18は、図示しないパーキングブレーキレバーの操作時の引張力を第1部材28に伝達するための部材であり、ある程度の柔軟性を有している。ブレーキワイヤの代わりに、ほとんど変形しない金属棒や金属片を伝達部材として使用してもよい。
ブレーキワイヤ18は、キャップ14に形成された貫通穴14Aを通してカバー内に進入し、ブレーキカバー60に固定された挿通部23によりワイヤの軸方向に案内される。ブレーキワイヤ18の先端にはフック22Aが取り付けられており、このフック22Aを第1部材28の鉤状部28Cに引っかけることによって両者が連結される。キャップ14内のブレーキワイヤ18は、ブレーキワイヤ18に張力を与えるコイルばね24で覆われている。
第1部材28には、ブレーキワイヤ18の延びる方向と同一の方向に延びる案内溝28Dが形成されている。案内溝28D内には、図示しない支持部材によってブレーキカバー60に回転可能に支持されているローラ部材30A、30Bが配置されている。ローラ部材30A、30Bは、ベアリングを使用して低摩擦で回転するように構成されていると好ましい。また、ローラ部材30A、30Bの直径は、案内溝28Dと略同一である。この案内溝28Dおよびローラ部材30A、30Bにより、第1部材28は、案内溝28Dの延びる方向、すなわちブレーキワイヤ18の延びる方向に案内されている。
第1部材28には、第2部材32に面する側に、滑らかな傾斜面28Eが形成されている。
第2部材32は、第1部材28に伝達された引張力を、第1ブレーキピストン40に方向を変えて伝達するための部材である。第2部材32は、第1ブレーキピストン40の後端部40Aを押圧する押圧部32Bを備えている。また、第2部材32は、その一端で支点32Aにより回動可能に支持されるとともに、他端には、第1部材28に形成された傾斜面28Eと当接する当接部32Cを備えている。当接部32Cは、傾斜面28E上を転動するローラ部材で構成されることが好ましいが、表面が滑らかな摺動部材で構成されてもよい。
第2部材32の押圧部32Bは、第1ブレーキピストン40の後端部40Aに形成された凹曲面内に受け入れられる凸曲面を形成していると好ましい。こうすることで、ブレーキピストンの押圧時に、押圧部32Bと後端部40Aの間の面圧を軽減することができる。なお、押圧部32Bが凹曲面を形成し、後端部40Aが凸曲面を形成していてもよい。また、後端部40Aを凹曲面とせず、平坦面としてもよい。
第2部材32の支点32A、押圧部32B、当接部32Cは、図中の略上下方向にこの順序で配置されている。言い換えると、支点32Aと当接部32Cの間に押圧部32Bが配置されている。
そして、第2部材32の支点32Aから押圧部32Bの中心までの距離よりも、支点32Aから当接部32Cの傾斜面28Eとの接点までの距離の方が大きくされている。すなわち、力点から支点までの距離の方が、支点から作用点までの距離よりも大きくなっている。このため、てこの原理に従って、より小さい力で第1ブレーキピストン40を軸方向に摺動させることができるので、運転者のパーキングブレーキレバー操作力が小さくて済む。
第1部材28の第2アーム28Bの先端は、ブレーキカバー60の周縁部に形成された凹部60Bの中に延出している。ブレーキカバーの凹部60Bの壁面と第2アーム28Bとの間には、パーキングブレーキの解除時に第1部材28を初期位置に復帰させる付勢部材としての戻しばね36が圧縮された状態で介装されている。このため、径方向から観察したとき、第1ブレーキピストン40と戻しばね36とは重なる位置に配置されている。なお、戻しばね36は介装しなくてもよい。
次に、パーキングブレーキ装置80の作用について説明する。
図示しないパーキングブレーキレバーを運転者が操作すると、ブレーキワイヤ18が図中の上方向、すなわち矢印Fの「ON」方向に引っ張られる。これに応じて、第1部材28がローラ部材30A、30Bによって案内されてブレーキワイヤ18と同じく上方向に移動する。このとき、第1部材28の傾斜面28Eによって、第2部材32の当接部32Cが図中の右向き(第1ブレーキピストン40が存在する方向)に押されて、支点32Aを中心として反時計回りに回転する。この回転により、第2部材32の押圧部32Bが第1ブレーキピストン40の後端部40Aを、図中の矢印Gの「ON」方向に移動させる。この結果、上述したブレーキ機構84の制動操作時と同様に、複数の固定摩擦板78Aと回転摩擦板78Bが次々に強い力で接触して、出力軸70の制動作用が発生する。
パーキングブレーキレバーを運転者が解除すると、ケーシング62の第2肩部62Bと第2ブレーキピストン50との間に介装された戻しばね52の復元力により、第2ブレーキピストン50および第1ブレーキピストン40が図中の左側、すなわち矢印Gの「OFF」側に戻るとともに、各固定摩擦板78Aが元の軸方向位置に復帰する。これに伴って回転摩擦板78Bも元の軸方向位置に復帰し、固定摩擦板78Aと回転摩擦板78Bの接触が解かれて制動作用が消滅する。第1ブレーキピストン40の移動により第2部材32の当接部32Cから受ける力と、戻しばね36の復元力とにより、第1部材28がパーキングブレーキをかける前の初期位置に復帰する。第1部材28の案内溝28Dの底部とローラ部材30Aとの接触により、第1部材28は初期位置を越えて移動することはない。第1部材28の初期位置への移動によりブレーキワイヤ18の拘束が解かれ、図示しない付勢部材によりブレーキワイヤ18も初期位置に復帰する。
図2に戻り、ブレーキカバー60には、図示しない油圧機構から圧油を湿式ブレーキ機構84に供給するためのブレーキホース20が接続されるとともに、ブレーキカバー60の径方向に延びる空気抜き穴16が設けられている。本実施形態においては、空気抜き穴16は、ブレーキカバー60に形成された貫通穴と、当該貫通穴に装置されたエアブリーザとにより構成される。キャップ14からは、図示しないパーキングブレーキレバーと連結されるブレーキワイヤ18が延び出している。
ブレーキホース20とブレーキワイヤ18は、共にブレーキカバー60の径方向に延び出すように取り付けられている。本実施形態では、空気抜き穴16とブレーキホース20の接続位置とは、中心軸周りに45度の角度をなしている。また、ブレーキワイヤ18は、車体側から中心軸方向に車輪駆動装置10L、10Rを観察したとき、空気抜き穴16とブレーキホース20の接続位置の中間に取り付けられる。すなわち、ブレーキワイヤ18は、空気抜き穴16とブレーキホース20のそれぞれに対して中心軸周りに22.5度の角度をなすように、ブレーキカバー60に取り付けられている。
図4(a)、(b)はそれぞれ、キャップ14を取り外した状態の車輪駆動装置10L、10Rを車体側から見たときの平面図である。この図では、左右の車輪駆動装置それぞれからブレーキワイヤ18が延び出す方向が、鉛直線に対して前方に22.5度傾くように、車輪駆動装置の車体側の面にブレーキカバー60が取り付けられている。一般にパーキングブレーキレバーは一つであるので、パーキングブレーキレバーに連結されるブレーキワイヤは、左右の車輪駆動装置から同じ方向(鉛直線となす角度が同じ)に延び出す方が、車両の設計上都合がよい。また、左右のブレーキワイヤ18は、合流した上で一つのブレーキレバーに連結されるので、この点からも同じ方向に延び出すのが好ましい。
ブレーキカバー60には、ケーシング62と締結するためのボルト67を通す貫通穴61が8個設けられている。ブレーキカバー60の表面には様々な部品を取り付ける必要があり、スペースの関係上、8個の貫通穴61はブレーキカバー60の周縁に沿って等間隔には配置されていない。
ブレーキカバー60に形成されている空気抜き穴16は、ブレーキカバー60が左右の車輪駆動装置のいずれに取り付けられたときにもメンテナンス性を確保するために、車両本体側の部材によって空気抜き穴16へのアクセスが阻害されない位置に配置する必要がある。
このため、左右の車輪駆動装置でブレーキカバー60を共通化しようとすると、左車輪の車輪駆動装置10Lにブレーキカバー60を取り付けた場合(図4(a))と、右車輪の車輪駆動装置10Rにブレーキカバー60を取り付けた場合(図4(b))とでは、ブレーキカバー60上の貫通穴61の位置が左右で異なってしまう。これに対応するために、ケーシング62は、左右の車輪駆動装置でそれぞれ異なるものを製造する必要がある。
このような事態を回避するために、本実施形態では、ケーシング62のブレーキカバー60を取り付ける端面に、ブレーキカバー60に設けられている貫通穴61よりも多数のボルト穴64が予め形成されている。但し、隣接するボルト穴64同士の中心軸周りの角度は、ブレーキカバー60に設けられている貫通穴61同士の中心軸周りの角度に合わせて適宜設定する必要がある。例えば、図4(c)に示すように、ケーシング62の端面には14個のボルト穴64が形成されており、図4(a)に示すブレーキカバー60の全ての貫通穴61と、図4(b)に示すブレーキカバー60の全ての貫通穴61に対応する位置にボルト穴64が存在する。言い換えると、ケーシング62の端面のボルト穴64の位置は、図4(a)、(b)にそれぞれ示すブレーキカバー60の貫通穴61の位置の和集合である。
こうすることで、左右の車輪駆動装置10L、10Rでブレーキカバー60およびケーシング62を共通化することができる。具体的には、図4(a)のように左車輪に車輪駆動装置10Lを取り付ける場合には、図4(c)に示すように、14個のボルト穴64のうち黒丸で示す8個を用いてブレーキカバー60をボルトで締結すればよい。また、図4(b)のように右車輪に車輪駆動装置10Rを取り付ける場合には、図4(d)に示すように、14個のボルト穴64のうち黒丸で示す8個を用いてブレーキカバー60をボルトで締結すればよい。
空気抜き穴16は、ブレーキオイルの交換時に使用するため、車輪駆動装置を取り付けた状態で作業者が空気抜き穴にアクセスできるような配置にする必要がある。図4(b)のように右車輪に車輪駆動装置10Rを取り付けた場合、空気抜き穴の延長線上にはホイールカバーが存在しないので、空気抜き穴に容易にアクセスすることができる。図4(a)のように左車輪に車輪駆動装置10Lを取り付けた場合でも、空気抜き穴16とホイールカバー2との間には十分な空間があるので、空気抜き穴へのアクセスには支障がない。
ここで、空気抜き穴にアクセス可能とは、空気抜き穴に対して必要な作業を行うことができることを意味している。そして、アクセスが可能な空気抜き穴の位置は、車両本体側部材との関係で決まるため、車両によって異なるが、通常は、ブレーキカバーの中心を通る鉛直線よりも車両前側の領域か、当該鉛直線とブレーキカバー上部の交点よりも車両後方側に45°、より好ましくは30°の範囲であれば、空気抜き穴にアクセス可能である。
図5は、キャップ14を取り外した状態の別の例の車輪駆動装置10L、10Rを車体側から見たときの平面図である。この例では、左右の車輪駆動装置それぞれからブレーキワイヤ18が延び出す方向が鉛直上方になるように、車輪駆動装置の車体側の面にブレーキカバー60が取り付けられている。
図5の例では、左右の車輪駆動装置10L、10Rのブレーキカバー60の取り付け角度が同じであるため、左右で同一のケーシング62を使用することができる。具体的には、図5(c)に示すように、14個のボルト穴64のうち黒丸で示す8個を用いてブレーキカバー60をボルトで締結すればよい。この場合は、ボルト穴64を14個設ける必要はなく、黒丸で示す8個のみでもよい。
また、図5(b)のように右車輪に車輪駆動装置10Rを取り付けた場合、空気抜き穴の延長線上にはホイールカバーが存在しないので、空気抜き穴に容易にアクセスすることができる。図5(a)のように左車輪に車輪駆動装置10Lを取り付けた場合でも、空気抜き穴16とホイールカバー2、4との間には十分な空間があるので、空気抜き穴へのアクセスには支障がない。
図6は、キャップ14を取り外した状態のさらに別の例の車輪駆動装置10L、10Rを車体側から見たときの平面図である。この例では、左右の車輪駆動装置それぞれからブレーキワイヤ18が延び出す方向が、鉛直線に対して後方に22.5度傾くように、車輪駆動装置の車体側の面にブレーキカバー60が取り付けられている。
この例でも、左右の車輪駆動装置10L、10Rで、同一のケーシング62を使用することができる。具体的には、図6(a)のように左車輪に車輪駆動装置10Lを取り付ける場合には、図6(c)に示すように、14個のボルト穴64のうち黒丸で示す8個を用いてブレーキカバー60をボルトで締結すればよい。また、図6(b)のように右車輪に車輪駆動装置10Rを取り付ける場合には、図6(d)に示すように、14個のボルト穴64のうち黒丸で示す8個を用いてブレーキカバー60をボルトで締結すればよい。
また、図6(a)のように左車輪に車輪駆動装置10Lを取り付けた場合でも、空気抜き穴16とホイールカバー2、4との間には十分な空間があるので、空気抜き穴へのアクセスには支障がない。図6(b)のように右車輪に車輪駆動装置10Rを取り付けた場合も、空気抜き穴16とホイールカバー2との間には十分な空間があるので、空気抜き穴へのアクセスには支障がない。
図4ないし6で説明したように、ブレーキカバー60に径方向の空気抜き穴16が形成される場合には、空気抜き穴から最も近い車体側部材、例えばホイールカバー(上記実施形態においてはホイールカバーであるが、これに限定されず、車両本体側の部材であればよい)が、車輪中心軸(ブレーキカバーの中心)と空気抜き穴とを結ぶ延長線上に存在しないか、または空気抜き穴と車体側部材とが作業者の手が入れられる距離だけ離れていればよい。すなわち、空気抜き穴は、左右の車輪駆動装置に共通のブレーキカバーを取り付けるとき、いずれの場合も空気抜き穴へのアクセスが確保されるような角度範囲でブレーキカバーに形成される。例えば、図4および6では、ブレーキワイヤ18を鉛直線に対して前後に22.5度傾ける場合について説明したが、ブレーキワイヤ18に対して22.5度の角度をなすように空気抜き穴を設けたことによって、この角度範囲における空気抜き穴へのアクセスが確保されている。
また、ブレーキホース20もブレーキワイヤ18に対して22.5度の角度をなすように接続されているので、図4ないし6のいずれの例でも、油圧機構に接続するためにブレーキホース20を極端に湾曲させる必要がない。
以上説明したように、本実施形態によると、左車輪用と右車輪用の車輪駆動装置でブレーキカバーを共通化した場合にも、車輪駆動装置を車輪に取り付けた状態で空気抜き穴へのアクセスが確保されるので、メンテナンス性が維持される。
また、車輪駆動装置のケーシングにブレーキカバーよりも多くのボルト穴を設けておき、左右の車輪駆動装置によってボルトが締結されるボルト穴を異ならせることで、左右の車輪駆動装置でケーシングおよびブレーキカバー、ひいては他の部品を共通化することができる。また、左右の車輪駆動装置においてブレーキワイヤが同じ方向に同じ角度で引き出されるように、ブレーキカバーを固定することができる。
上記実施形態においては、ブレーキワイヤ18が、ブレーキカバー60を貫通することなく、ブレーキカバー60の後端面に沿って径方向に引き出されていたが、ブレーキカバー60を貫通して径方向に引き出されてもよい。
上記では、径方向に空気抜き穴が設けられたブレーキカバーについて説明した。しかし、ブレーキカバーの軸方向に空気抜き穴を設ける場合もある。この場合も、本発明を適用することができる。以下、そのような実施形態について説明する。
図7(a)〜(d)は、ブレーキカバーの軸方向に空気抜き穴が設けられるとともに、特開2006−298361号公報に示される車輪駆動装置と同様に、パーキングブレーキ装置の車両前後方向の後側に駆動用のモータ180が配置される車輪駆動装置の一部を示す。つまり、本実施形態においては、モータとブレーキが同軸ではなく、車両の前後方向にオフセットして配置される。このうち、図7(a)は、左車輪に取り付けられる車輪駆動装置200Lの垂直平面による断面図、図7(b)はその車体側から見た平面図であり、図7(c)は、右車輪に取り付けられる車輪駆動装置200Rの垂直平面による断面図、図7(d)はその車体側から見た平面図である。
各図において、車輪駆動装置のケーシング162内に形成されたシリンダ内に、ブレーキを作動させるピストン140と、ピストン140を付勢する戻しばね136とが配置されている。ケーシング162の端面に、ブレーキカバー160が複数のボルト163で締結される。ブレーキカバー160には、軸方向に延びる空気抜き穴(貫通穴およびエアブリーザ)116が形成されるとともに、パーキングブレーキを作動させるための、軸方向に延びるブレーキワイヤ118が接続されている。
図7(b)、(d)から分かるように、パーキングブレーキ装置の車両前後方向後側にモータ180を配置するために、左右の車輪駆動装置210L、210Rのそれぞれで、ケーシング162の後側が切り欠かれた形状になっている。左右の車輪駆動装置で共通のブレーキカバーを使用するために、ブレーキカバー160にも対応する切り欠き165を形成するとともに、切り欠き165を除いた部分に、中心軸周りに60度の間隔で5つの貫通穴161が形成されている。さらに、ケーシング162のブレーキカバーが取り付けられる端面にも、同様に切り欠きを除いた部分に中心軸周りに60度の間隔で5つのボルト穴を形成しておく。
これにより、ブレーキカバー160をその中心軸周りに180度回転させるだけで、左右の車輪駆動装置210L、210Rで共通のブレーキカバー160を使用することが可能になる。但し、左右の車輪駆動装置210L、210Rで、空気抜き穴116とブレーキワイヤ118の位置関係は上下逆になる。
図8(a)〜(d)は、ブレーキカバーの軸方向に空気抜き穴が設けられるとともに、パーキングブレーキ装置の鉛直方向下側に駆動用のモータ180が配置される車輪駆動装置の一部を示す。つまり、本実施形態においては、モータとブレーキが同軸ではなく、鉛直方向にオフセットして配置される。このうち、図8(a)は、左車輪に取り付けられる車輪駆動装置210Lの垂直平面による断面図、図8(b)はその車体側から見た平面図であり、図8(c)は、右車輪に取り付けられる車輪駆動装置210Rの垂直平面による断面図、図8(d)はその車体側から見た平面図である。
図8の例では、ブレーキカバー160は、切り欠き165が下側になるように、左右の車輪駆動装置210L、210Rに取り付けられ、切り欠き165に近接してモータ180が配置される。この構成では、左右の車輪駆動装置にて空気抜き穴116の位置がともにブレーキワイヤ118の鉛直方向上側になるので、左右いずれの側でも空気抜き穴へのアクセスが容易になる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施の形態では、モータの反負荷側すなわち車体側にブレーキ機構が配置された構成を例に説明したが、モータの負荷側すなわち車輪側にブレーキ機構が配置されている構成であっても本発明を適用することができる。
実施の形態では、モータおよびブレーキ機構が一続きの空間で油浴されていることを述べた。しかしながら、モータのみが油浴されている構成、モータとブレーキ機構のみが油浴されている構成に対しても、本発明を適用することができる。さらに、モータやブレーキは、油浴されていない乾式のものであってもよい。
10L,10R 車輪駆動装置、 12L 車輪、 14 キャップ、 16 空気抜き穴、 18 ブレーキワイヤ、 20 ブレーキホース、 60 ブレーキカバー、 61 貫通穴、 62 ケーシング、 64 ボルト穴、 67 ボルト、 80 パーキングブレーキ装置、 100 車両、 116 空気抜き穴、 118 ブレーキワイヤ、 160 ブレーキカバー、 161 貫通穴、 162 ケーシング、 163 ボルト、 200L,200R 車輪駆動装置。

Claims (4)

  1. 車両の左右の車輪それぞれに対して設けられ、車輪を駆動する車輪駆動装置であって、
    車輪駆動装置の車体側の面にブレーキカバーが設けられ、
    前記ブレーキカバーは、空気抜き穴が設けられるとともに、左右の車輪駆動装置において共通とされ、
    前記空気抜き穴は、前記ブレーキカバーが左右の車輪駆動装置のいずれに取り付けられたときにも、車両本体側の部材により当該空気抜き穴へのアクセスが阻害されない位置に設けられる
    ことを特徴とする車輪駆動装置。
  2. 前記ブレーキカバーは、ボルトにより車輪駆動装置本体に固定され、該車輪駆動装置本体にはブレーキカバーよりも多くのボルト穴が設けられ、左右の車輪駆動装置によって、ボルトの締結されるボルト穴が異なることを特徴とする請求項1に記載の車輪駆動装置。
  3. ブレーキワイヤが前記ブレーキカバーから径方向に引き出されるように配置され、左右の車輪駆動装置において前記ブレーキワイヤが同じ方向に引き出されるように、前記ブレーキカバーが固定されることを特徴とする請求項1または2に記載の車輪駆動装置。
  4. 前記空気抜き穴が前記ブレーキカバーの軸方向に形成されるとともに、ブレーキワイヤが前記ブレーキカバーから軸方向に引き出されるように配置され、左右の車輪駆動装置の両方において前記空気抜き穴が前記ブレーキワイヤよりも鉛直方向上側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の車輪駆動装置。
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