JP2015039343A - 幹細胞分化判定装置および方法並びにプログラム - Google Patents

幹細胞分化判定装置および方法並びにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】幹細胞を含む観察領域を撮影した観察画像に基づいて幹細胞の分化を判定する幹細胞分化判定装置および方法並びにプログラムにおいて、いち早く幹細胞コロニー内の初期分化領域を判定し、未分化幹細胞の生産性を向上させる。
【解決手段】幹細胞を含む観察領域を撮影した観察画像を取得する観察画像取得部30と、観察画像に基づいて、幹細胞間を通過する回折光に起因して発生するハロを検出するハロ検出部31と、ハロ検出部によって検出されたハロに基づいて、幹細胞の分化を判定する判定部33とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、幹細胞を含む観察領域を撮影した観察画像に基づいて、幹細胞の分化を判定する幹細胞分化判定装置および方法並びにプログラムに関するものである。
ES細胞やiPS細胞などの幹細胞は、種々の組織の細胞に分化する能力を備えたものであり、再生医療、薬の開発、病気の解明などにおいて応用が可能なものとして注目されている。
幹細胞は、細胞培養装置内に設定された培養容器内の足場材(培養床)に播種され、足場材上において培地(培養液)を養分として増殖し、増殖した幹細胞同士が密集結合を繰り返しながら幹細胞コロニーとして成長する。
この幹細胞の成長過程においては、一旦ある組織に分化を開始した幹細胞は、途中で別の組織に変化・成長させることができないので、未分化状態を保持させたまま十分な数まで幹細胞を増殖させ、その後の過程で目的の組織の細胞に分化させることは、生産性の観点で重要である。
また、幹細胞コロニーの未分化性の高い領域のみを切り出して別の培養容器に移植し、継代を行うことがあるが、この継代の際には、未分化の幹細胞のみを抽出する必要がある。すなわち、幹細胞の培養に際しては、幹細胞の分化・未分化を適切に判定する必要がある。
そこで、特許文献1では、幹細胞コロニーを撮影した観察画像に基づいて、幹細胞コロニーの外形情報から幹細胞の未分化度を判断する方法が提案されている。また、特許文献2では、観察画像に含まれる細胞核の境界を円形度と光路長とに基づいて検出し、その検出した細胞核境界に基づいて単位面積当たりの細胞数をカウントし、その細胞数が閾値以上である場合に、品質の良い幹細胞コロニーであると判定する方法が提案されている。
国際公開2011/161962号 国際公開2012/147403号
しかしながら、特許文献1では、幹細胞コロニーの外形情報のようなマクロ特性のみで未分化度を判別しているため、精度が低い。すなわち、培地・足場材・培養方法などによっては幹細胞コロニーの外形の円形度が高くても、高倍率で顕微鏡撮影すると分化が進んでいる場合がある。また、上述した継代による移植直後は、幹細胞コロニーの未分化性は高いが円形度は低い状態であり,誤判定する可能性が高い。
また、特許文献2の判定方法は、細胞核情報のようなミクロ特性を用いた細胞良否判定方法であるが、幹細胞コロニー内に幹細胞が密に充填されている場合には、細胞核内外で光路差がつかなくなって低コントラストとなるため、位相差顕微鏡等では細胞核境界の検出が困難である。未分化の幹細胞は,一般的な細胞と比べて核/細胞質比が高い特徴があり、より密に充填されることで細胞核同士の距離が位相差顕微鏡の解像度よりも小さくなり、位相差画像において細胞核の消失が起こりうる問題がある。
また、幹細胞の分化は、幹細胞コロニー内の一部分から始まり、その周囲に同心円状に伝播するように凝集的に拡大していく特徴があるため、初期の分化領域をできるだけ早期に検出して除去することが未分化幹細胞の生産性向上につながる。細胞核同士の距離は、幹細胞コロニー内の統計的評価指標であり、大部分で分化が進まないと良い判別材料とならない。
本発明は、上記の問題に鑑み、いち早く幹細胞コロニー内の初期分化領域を特定し、除去することができ、未分化幹細胞の生産性を向上させることができる幹細胞分化判定装置および方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
本発明の幹細胞分化判定装置は、幹細胞を含む観察領域を撮影した観察画像を取得する観察画像取得部と、観察画像に基づいて、幹細胞間を通過する回折光に起因して発生するハロを検出するハロ検出部と、ハロ検出部によって検出されたハロに基づいて、幹細胞の分化を判定する判定部とを備えたことを特徴とする。
また、上記本発明の幹細胞分化判定装置においては、ハロ検出部によって検出されたハロに基づく特徴量を算出する特徴量算出部を設け、判定部を、特徴量に基づいて、幹細胞の分化を判定するものとできる。
また、特徴量算出部が、特徴量としてハロの密度を算出するものである請求項2記載の幹細胞分化判定装置。
また、ハロの密度を、単位面積当たりのハロの面積とすることができる。
また、上記単位面積を、予め設定された幹細胞の面積の2倍以上とすることができる。
また、判定部を、ハロの密度が予め設定された閾値以上である場合に、幹細胞が分化していると判定するものとできる。
また、特徴量算出部を、観察領域を複数の領域に分割した分割領域毎に特徴量を算出するものとし、判定部を、分割領域毎の特徴量に基づいて、分割領域毎の幹細胞の分化を判定するものとできる。
また、分割領域毎の判定の結果に応じて分割領域毎に異なる表示を行う表示制御部を設けることができる。
また、特徴量算出部を、観察領域に含まれるコロニー毎に特徴量を算出するものとし、判定部を、コロニー毎の特徴量に基づいて、コロニー毎の幹細胞の分化を判定するものとできる。
また、コロニー毎の判定の結果に応じてコロニー毎に異なる表示を行う表示制御部を設けることができる。
本発明の幹細胞分化判定方法は、幹細胞を含む観察領域を撮影した観察画像を取得し、その観察画像に基づいて、幹細胞間を通過する回折光に起因して発生するハロを検出し、その検出したハロに基づいて、幹細胞の分化を判定することを特徴とする。
本発明の幹細胞分化判定プログラムは、コンピュータを、幹細胞を含む観察領域を撮影した観察画像を取得する観察画像取得部と、観察画像に基づいて、幹細胞間を通過する回折光に起因して発生するハロを検出するハロ検出部と、ハロ検出部によって検出されたハロに基づいて、幹細胞の分化を判定する判定部として機能させることを特徴とする。
本発明の幹細胞分化判定装置および方法並びにプログラムによれば、幹細胞を含む観察領域を撮影した観察画像を取得し、その観察画像に基づいて、幹細胞間を通過する回折光に起因して発生するハロを検出し、その検出されたハロに基づいて、幹細胞の分化を判定するようにしたので、いち早く幹細胞コロニー内の初期分化領域を特定し、除去することができ、未分化幹細胞の生産性を向上させることができる。なお、ハロについては、後で詳述する。
本発明の幹細胞分化判定装置の一実施形態を用いた幹細胞培養観察システムの概略構成を示すブロック図 ハロの一例を示す図 観察画像を複数の領域に分割した分割領域の一例を示す図 図1に示す幹細胞培養観察システムの作用を説明するためのフローチャート 幹細胞の観察画像の一例を示す図
以下、本発明の幹細胞分化判定装置および方法並びにプログラムの一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は、幹細胞を撮影した観察画像に基づく幹細胞の分化の判定方法などに特徴を有するものであるが、まず、その幹細胞分化判定装置を備えた幹細胞培養観察システムの全体構成について説明する。図1は、幹細胞培養観察システムの概略構成を示すブロック図である。
幹細胞培養観察システムは、図1に示すように、幹細胞培養装置1、撮影装置2と、幹細胞分化判定装置3と、ディスプレイ4と、入力装置5とを備えている。
幹細胞培養装置1は、幹細胞の培養を行うための装置である。幹細胞培養装置1内には、培養対象の幹細胞を培地に播種した培養容器が複数収容されている。そして、幹細胞培養装置1は、ステージ10と搬送部11と制御部12とを備えている。
ステージ10は、撮影装置2による撮影対象の培養容器が設置されるものである。また、搬送部11は、幹細胞培養装置1内の所定位置に収容されている複数の培養容器の中から撮影対象の培養容器を選択し、その選択した培養容器をステージ10まで搬送するものでる。また、制御部12は、幹細胞培養装置1全体を制御するものであり、上述したステージ10や搬送部11の動作以外に、幹細胞培養装置1内の温度、湿度およびCO濃度などの環境条件を制御するものである。なお、温度、湿度およびCO濃度を調整するための構成については、公知な構成を用いることができる。
撮影装置2は、ステージ10に設置された培養容器内における幹細胞を含む観察領域の観察画像を撮影するものである。撮影装置2は、観察画像を結像して取得するための位相差顕微鏡20と、位相差顕微鏡20によって結像された観察画像を光電変換して画像信号として出力する撮像素子21と、位相差顕微鏡20および撮像素子21とを制御する制御部22とを備えている。
位相差顕微鏡20は、光線の位相差をコントラストに変換して観察することができる顕微鏡である。本実施形態の位相差顕微鏡20は、公知な位相差顕微鏡と同様に位相差観察用コンデンサや位相差観察用対物レンズや光源を備えたものである。特に、本実施形態の位相差顕微鏡20は、幹細胞間を通過した回折光に起因して発生するハロを検出するものであるが、以下、このハロについて説明する。
幹細胞を培養する過程において、幹細胞の分化が進むと幹細胞は遊走し、幹細胞間の結合度が下がる。このとき、位相差顕微鏡の光源から射出された照明光が幹細胞間を通過することになるが、その際に回折が起こる。つまり、幹細胞間の距離(スリットギャップ)が照明光の波長の整数倍となった場合、回折光(±1次回折光)と直接光(0次回折光)の位相が同調し、高輝度のアーチファクトが発生する。この高輝度のアーチファクトがハロである。回折光(±1次回折光)と直接光(0次回折光)の位相同調が最大となる幹細胞間の距離は、照明光の波長の10倍程度であり、数μm程度である。
したがって、位相差顕微鏡20の光源としては波長が数100nmの光を射出するものが用いられ、具体的には、たとえば波長が532nm程度のキセノン光源が用いられる。ただし、光源としては、これに限らず、同程度の波長の光を射出するものであればその他の光源を用いるようにしてもよい。
そして、幹細胞の分化がさらに進むことによって幹細胞の遊走が活発になると、幹細胞間の距離はさらに大きくなって回折は起こらなくなるため、ハロは消失することになる。なお、幹細胞間の距離が非常に狭い場合には、照明光は散乱光となるのでハロは発生しない。
本実施形態の幹細胞培養観察システムは、上述した幹細胞の分化の初期兆候であるハロを検出することによって、いち早くコロニー内の初期分化を確認することができるものである。
撮影装置2における撮像素子21としては、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)センサやCCD(charge-coupled device)センサなどを用いることができる。
制御部22は、撮影装置2全体を制御するものであるが、具体的には、たとえば撮像素子21のフレームレートや位相差顕微鏡20の倍率を制御するものである。
幹細胞分化判定装置3は、コンピュータに対して本発明の幹細胞分化判定プログラムの一実施形態がインストールされたものである。
幹細胞分化判定装置3は、中央処理装置、半導体メモリおよびハードディスクなどを備えており、ハードディスクに幹細胞分化判定プログラムの一実施形態がインストールされている。そして、このプログラムが中央処理装置を有する制御部35によって実行されることによって、図1に示すような観察画像取得部30、ハロ検出部31、特徴量算出部32、判定部33および表示制御部34が動作する。
観察画像取得部30は、撮影装置2から出力された観察画像を取得して記憶するものである。また、観察画像取得部30は、取得した観察画像をハロ検出部31と表示制御部34に出力するものである。
ハロ検出部31は、入力された観察画像に基づいて、観察画像内に現れている上述したハロを検出するものである。具体的には、ハロは、上述したように幹細胞間を通過した回折光に起因して発生するものであるため、図2に示すように、観察画像内においては白スジとして現れる。したがって、本実施形態のハロ検出部31は、この白スジを検出することによって観察画像内におけるハロを検出する。ハロ検出部31における白スジの検出方法としては、公知の方法を用いることができ、たとえば予め設定された閾値以上の輝度値を有する画素を検出するようにしてもよいし、フィルタ処理などによって白い線を検出するようにしてもよい。また、その他にもエッジ検出処理やパターンマッチング処理などを用いて白スジを検出するようにしてもよい。
特徴量算出部32は、ハロ検出部31において検出されたハロに基づいて、特徴量を算出するものである。本実施形態の特徴量算出部32は、特徴量として単位面積当たりのハロの密度を算出するものである。
具体的には、たとえば、図3に示すように、観察画像Iを複数の分割領域Rに分割し、この分割領域Rをハロ密度の算出の単位面積として、分割領域R毎のハロの密度を算出する。このハロ密度の算出の単位面積、すなわち分割領域の面積としては、1つの幹細胞の面積の2倍以上であることが望ましい。なお、1つの幹細胞の面積は、幹細胞の形を円形として近似して予め設定されるものである。
また、本実施形態において特徴量として単位面積当たりのハロの密度を算出するようにしているのは、単位面積当たりのハロの密度が高い領域が多く含まれるほど幹細胞のコロニーの分化性が高いという発明者らの知見に基づいている。また、未分化性の高い幹細胞のコロニーであっても、位相差顕微鏡の原理的にわずかに光の回折(ハロ)が発生するが、本実施形態のように単位面積当たりのハロの密度を算出することによって、上述したようなわずかな回折を発生している未分化性の高いコロニーを誤判定することを防止することができる。
判定部33は、特徴量算出部32において算出された特徴量に基づいて、観察画像内の幹細胞が分化しているか否かを判定するものである。具体的には、本実施形態における判定部33は、上述した分割領域毎のハロの密度と予め設定された閾値との比較を行い、分割領域毎について幹細胞の分化を判定するものである。そして、分化と判定された分割領域の数が予め設定された閾値以上の場合に、観察画像全体として分化していると判定する。このように分割領域毎に判定を行うことによって、観察画像全体の中で幹細胞の分化が進んでいる範囲を特定することができる。これにより、たとえば、その幹細胞の分化が進んでいる範囲のみを除去する処理を行うことができる。
表示制御部34は、観察画像取得部30から出力された観察画像を取得し、これをディスプレイ4に表示させるものである。また、表示制御部34は、判定部33から出力された判定結果を取得し、その判定結果をディスプレイ4に表示させるものである。また、表示制御部34が、ディスプレイ4に判定結果を表示する際、その判定に用いた特徴量も表示させるようにしてもよい。
また、判定部33において、分割領域毎に判定を行った場合には、表示制御部34が、分割領域毎の判定結果を表示させ、さらに幹細胞が分化していると判定された分割領域が即座に判別できるようにマークなどを付して強調表示したり、その分割領域の位置情報を表示するようにしてもよい。また、判定結果に応じて各分割領域に対して異なる色を割り当てたカラーマップを表示させるようにしてもよい。
入力装置5は、マウスやキーボードなどを備えたものであり、ユーザによる操作入力を受け付けるものである。たとえば、入力装置5は、観察画像を撮影する際の撮像素子21のフレームレートや位相差顕微鏡の倍率の設定入力を受け付け可能なものである。また、観察画像を複数の分割領域に分割して特徴量を算出する場合には、その分割領域の範囲の設定入力を受け付け可能なものである。
次に、上述した幹細胞培養観察システムの作用について、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、幹細胞培養装置1において、搬送部11によって、収容されている複数の培養容器の中から撮影対象の培養容器が選択され、その選択された培養容器がステージ10に設置される(S10)。
そして、撮影装置2によって、培養容器内の幹細胞を含む観察領域の観察画像の撮影が行われる(S12)。
撮影装置2によって撮影された観察画像は幹細胞分化判定装置3に出力され、幹細胞分化判定装置3の観察画像取得部30によって取得される(S14)。
観察画像取得部30によって取得された観察画像は表示制御部34に出力され、表示制御部34によってディスプレイ4に観察画像が表示される(S16)。図5は、観察画像の一例を示すものである。
また、観察画像取得部30によって取得された観察画像は、ハロ検出部31にも出力される。そして、ハロ検出部31は、上述したように観察画像内に現れているハロの範囲の検出を行う(S18)。
次いで、ハロ検出部31において検出されたハロの範囲の情報が特徴量算出部32に出力され、特徴量算出部32は、入力されたハロの範囲の情報に基づいて、特徴量としてハロの密度を算出する(S20)。
特徴量算出部32によって算出されたハロの密度は判定部33に出力され、判定部33は、入力されたハロの密度に基づいて、幹細胞の分化を判定する(S22)。
そして、判定部33による判定結果が表示制御部34に出力され、表示制御部34は、入力された判定結果をディスプレイ4に表示させる(S24)。
なお、上記実施形態においては、単位面積当たりに含まれるハロの面積をハロの密度として算出するようにしたが、これに限らず、単位面積当たりに含まれるハロの数をハロの密度として算出するようにしてよい。
また、特徴量としてはハロの密度に限らず、観察画像内に現れているハロの箇所の総数や分布を特徴量として算出するようにしてもよい。ハロの分布を特徴量として算出する場合には、たとえば観察画像内に現れている縞々や水玉などのテクスチャパターンを認識し、そのテクスチャパターンの特徴量を算出するようにしてもよい。テクスチャパターンの特徴量としては、たとえば、任意方向への繰り返し周波数や幅、またはパワースペクトルなどがある。
また、上記実施形態においては、観察画像全体または分割領域の単位で幹細胞の分化の判定を行うようにしたが、これに限らず、たとえば幹細胞のコロニー毎に特徴量を算出して判定を行うようにしてもよい。なお、観察画像におけるコロニーの範囲は、公知の手法を用いて特定することができるが、たとえば予め設定された大きさ以上の円形状や楕円形状などを検出することによって特定するようにすればよい。
また、コロニー毎に判定を行う場合にも、分割領域毎に判定を行う場合と同様に、表示制御部34が、コロニー毎の判定結果を表示させ、さらに幹細胞が分化していると判定されたコロニーが即座に判別できるようにマークなどを付して強調表示したり、そのコロニーの位置情報を表示するようにしてもよい。また、判定結果に応じて各コロニーに対して異なる色を割り当てたカラーマップを表示させるようにしてもよい。
また、判定部33において幹細胞が分化していると判定された場合には、幹細胞分化判定装置3の制御部35から撮影装置2の制御部22に制御信号を出力し、制御部22が位相差顕微鏡の倍率を大きくし、拡大撮影を行うように制御するようにしてもよい。これによりハロの分化を詳細に観察することができる。
また、上述したように分割領域毎またはコロニー毎に幹細胞の分化を判定する場合には、幹細胞が分化している分割領域やコロニーの範囲が拡大されるように位相差顕微鏡の倍率や撮影範囲を変更するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、特徴量算出部32によって特徴量を算出し、その特徴量に基づいて幹細胞の分化を判定するようにしたが、必ずしも特徴量を算出しなくてもよく、たとえばハロ検出部31においてハロが検出されたか否かに基づいて、幹細胞の分化を判定するようにしてもよい。すなわち、観察画像内におけるハロの有無によって幹細胞の分化を判定するようにしてもよい。
1 幹細胞培養装置
2 撮影装置
3 幹細胞分化判定装置
4 ディスプレイ
5 入力装置
10 ステージ
11 搬送部
12 制御部
20 位相差顕微鏡
21 撮像素子
22 制御部
30 観察画像取得部
31 ハロ検出部
32 特徴量算出部
33 判定部
34 表示制御部
35 制御部

Claims (12)

  1. 幹細胞を含む観察領域を撮影した観察画像を取得する観察画像取得部と、
    前記観察画像に基づいて、前記幹細胞間を通過する回折光に起因して発生するハロを検出するハロ検出部と、
    該ハロ検出部によって検出されたハロに基づいて、前記幹細胞の分化を判定する判定部とを備えたことを特徴とする幹細胞分化判定装置。
  2. 前記ハロ検出部によって検出されたハロに基づく特徴量を算出する特徴量算出部を備え、
    前記判定部が、前記特徴量に基づいて、前記幹細胞の分化を判定するものである請求項1記載の幹細胞分化判定装置。
  3. 前記特徴量算出部が、前記特徴量として前記ハロの密度を算出するものである請求項2記載の幹細胞分化判定装置。
  4. 前記ハロの密度が、単位面積当たりの前記ハロの面積である請求項3記載の幹細胞分化判定装置。
  5. 前記単位面積が、予め設定された前記幹細胞の面積の2倍以上である請求項4記載の幹細胞分化判定装置。
  6. 前記判定部が、前記ハロの密度が予め設定された閾値以上である場合に、前記幹細胞が分化していると判定するものである請求項3から5いずれか1項記載の幹細胞分化判定装置。
  7. 前記特徴量算出部が、前記観察領域を複数の領域に分割した分割領域毎に前記特徴量を算出するものであり、
    前記判定部が、前記分割領域毎の特徴量に基づいて、前記分割領域毎の前記幹細胞の分化を判定するものである請求項2から6いずれか1項記載の幹細胞分化判定装置。
  8. 前記分割領域毎の判定の結果に応じて前記分割領域毎に異なる表示を行う表示制御部を備えた請求項7記載の幹細胞分化判定装置。
  9. 前記特徴量算出部が、前記観察領域に含まれるコロニー毎に前記特徴量を算出するものであり、
    前記判定部が、前記コロニー毎の特徴量に基づいて、前記コロニー毎の前記幹細胞の分化を判定するものである請求項2から6いずれか1項記載の幹細胞分化判定装置。
  10. 前記コロニー毎の判定の結果に応じて前記コロニー毎に異なる表示を行う表示制御部を備えた請求項9記載の幹細胞分化判定装置。
  11. 幹細胞を含む観察領域を撮影した観察画像を取得し、
    前記観察画像に基づいて、前記幹細胞間を通過する回折光に起因して発生するハロを検出し、
    該検出したハロに基づいて、前記幹細胞の分化を判定することを特徴とする幹細胞分化判定方法。
  12. コンピュータを、幹細胞を含む観察領域を撮影した観察画像を取得する観察画像取得部と、
    前記観察画像に基づいて、前記幹細胞間を通過する回折光に起因して発生するハロを検出するハロ検出部と、
    該ハロ検出部によって検出されたハロに基づいて、前記幹細胞の分化を判定する判定部として機能させることを特徴とする幹細胞分化判定プログラム。
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