JP2015038632A - 分光センサー及び角度制限フィルター - Google Patents
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Abstract
【解決手段】角度制限フィルターは、同一材料を含む複数の遮光体によって積層され、当該遮光体の積層方向の光路を形成する光路壁部と、光路壁部に囲まれた領域に形成された光透過部と、を具備し、光路内を通過する光の入射角度を制限する。分光センサーは、上述の角度制限フィルターと、角度制限フィルターを通過できる光の波長を制限する波長制限フィルターと、角度制限フィルター及び波長制限フィルターを通過した光を検出する受光素子と、を具備する。
【選択図】図1
Description
この態様によれば、基板上に遮光体を積層することによって光路を形成する構成により、微細なパターンの形成が可能であり、小型の角度制限フィルターの製造が可能となる。
これによれば、光の反射率が低い物質によって遮光体を構成することにより、光路の壁面に当たって光路内を通過する光を低減できるので、小型の角度制限フィルターであっても、制限角度範囲を超える入射角の光が光路内を通過しにくいようにすることができる。
これによれば、半導体回路上の配線層を構成する複数の金属層を、光路及び光路壁部の外側の領域に形成することにより、光路内に金属層からの反射光が入射することを抑制できるので、制限角度範囲を超える入射角の光が光路内を通過しにくいようにすることができる。
これによれば、遮光体と複数の金属層とが電気的に接続されることにより、遮光体を電気回路の一部として用いることができる。
これによれば、光路の壁面が傾斜部を有することにより、光路の壁面に当たって光路内を通過する光を低減できるので、制限角度範囲を超える入射角の光が光路内を通過しにくいようにすることができる。
この態様によれば、光路の壁面のうち少なくとも一部が傾斜していることにより、光路の壁面に当たって光路内を通過する光を低減できるので、制限角度範囲を超える入射角の光が光路内を通過しにくいようにすることができる。
これによれば、遮光体の表面に反射率が低い膜を形成することにより、光路の壁面に当たって光路内を通過する光を低減できるので、制限角度範囲を超える入射角の光が光路内を通過しにくいようにすることができる。
これによれば、光路の壁面が凹凸を有することにより、光路の壁面に当たって光路内を通過する光を低減できるので、制限角度範囲を超える入射角の光が光路内を通過しにくいようにすることができる。
この態様によれば、上述の角度制限フィルターを用いるので、小型の分光センサーの製造が可能となる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る角度制限フィルター及び分光センサーを示す模式図である。図1(A)は分光センサーの平面図、図1(B)は図1(A)のB−B線断面図である。
分光センサー1は、角度制限フィルター10と、波長制限フィルター20と、受光素子30とを具備している(図1(B)参照)。図1(A)においては、波長制限フィルター20を省略している。
図1(B)に示すように、角度制限フィルター10は、受光素子30が形成されたP型シリコン基板3上に形成されている。本実施形態の角度制限フィルター10においては、電子回路40上の導電プラグと同じプロセスにより形成した導電プラグからなる遮光体13によって、光路壁部が形成されている。遮光体13は、タングステン(W)によって構成されているが、タングステンに限らず、受光素子30によって受光しようとする波長の光の反射率がアルミニウムの反射率より低い物質、例えば銅、窒化チタン、チタンタングステン、チタン、タンタル、窒化タンタル、クロム、モリブデンによって構成されていても良い。
波長制限フィルター20は、角度制限フィルター10上に、酸化シリコン(SiO2)等の低屈折率の薄膜21と、酸化チタン(TiO2)等の高屈折率の薄膜22とを、P型シリコン基板3に対して僅かに傾斜させて多数積層したものである。
低屈折率の薄膜21及び高屈折率の薄膜22は、それぞれ例えばサブミクロンオーダーの所定膜厚とし、これを例えば計60層程度にわたって積層することにより、全体で例えば6μm程度の厚さとする。
すなわち、波長制限フィルター20に入射した入射光は、低屈折率の薄膜21と高屈折率の薄膜22との境界面において、一部は反射光となり、一部は透過光となる。そして、反射光の一部は、他の低屈折率の薄膜21と高屈折率の薄膜22との境界面において再度反射して、上述の透過光と合波する。このとき、反射光の光路長と一致する波長の光は、反射光と透過光の位相が一致して強めあい、反射光の光路長と一致しない波長の光は、反射光と透過光の位相が一致せずに弱めあう(干渉する)。
受光素子30は、波長制限フィルター20及び角度制限フィルター10を通過した光を受光して光起電力に変換する素子である。
ここで、第1の実施形態に係る分光センサー1の製造方法について簡単に説明する。分光センサー1は、最初にP型シリコン基板3に受光素子30を形成し、次に、受光素子30の上に角度制限フィルター10を形成し、次に、角度制限フィルター10の上に波長制限フィルター20を形成することによって製造する。
図2は、角度制限フィルターの形成工程を示す図である。
(1)まず、受光素子30が形成されたP型シリコン基板3の上に酸化シリコン等によって酸化シリコン層12の第1層目を形成する(図2(A))。
(2)次に、酸化シリコン層12の一部(第4の半導体領域34の上方の領域)をエッチングすることにより、酸化シリコン層12に溝を形成する(図2(B))。
(3)次に、酸化シリコン層12に形成された溝の下面にチタン(Ti)膜16を形成し、さらに、この溝の下面及び内側面に窒化チタン膜14を形成し、さらに、この溝の中にタングステンの遮光体13の第1層目を埋め込む。この遮光体13は、電子回路40のための配線用のアルミニウム合金層を接続する導電プラグの形成と同時に形成する(図2(C))。
(4)次に、アルミニウム合金層11の第1層目を、電子回路40のための配線用のアルミニウム合金層の形成と同時に形成する(図2(D))。アルミニウム合金層11の下面及び上面には、それぞれ、チタン膜及び窒化チタン膜が形成されることが望ましい。
(5)次に、酸化シリコン層12の第1層目と、遮光体13の第1層目と、アルミニウム合金層11の第1層目との上に、酸化シリコン層12の第2層目を形成する(図2(E))。
以上の工程によって分光センサー1が製造される。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る角度制限フィルターを示す模式図である。図3は、受光素子の断面も併せて示している。
第2の実施形態においては、遮光体13に囲まれた光路の壁面の傾斜角度(P型シリコン基板3に垂直な方向に対する傾斜角度)が、第1の実施形態における傾斜角度より大きくなっている。これにより、制限角度範囲を超える入射角の光が光路内を通過しにくいようにすることができる。
他の点については第1の実施形態と同様である。
図4は、本発明の第3の実施形態に係る角度制限フィルターを示す模式図である。図4は、受光素子の断面も併せて示している。
第3の実施形態においては、遮光体13の形成パターンを層ごとに変えること(例えば、遮光体13を埋め込むために酸化シリコン層12に形成する溝の幅を、層ごとに変えること)により、光路の壁面に凹凸を形成した点で第1の実施形態と異なる。光路の壁面に凹凸を形成したことにより、光路の壁面に当たった光を入射方向と反対の方向に反射させることができる。これにより、制限角度範囲を超える入射角の光を乱反射させて、その反射光が受光素子30に到達しにくいようにすることができる。
他の点については第1の実施形態と同様である。
図5は、本発明の第4の実施形態に係る角度制限フィルターを示す模式図である。図5は、受光素子の断面も併せて示している。
第4の実施形態においては、遮光体13の周りに形成されている窒化チタン膜14の厚さが、第1の実施形態における窒化チタン膜14の厚さより厚くなっている。これにより、光路の壁面における光の反射率をさらに低減できるので、制限角度範囲を超える入射角の光が光路内を通過しにくいようにすることができる。
他の点については第1の実施形態と同様である。
図6は、本発明の第5の実施形態に係る角度制限フィルターを示す模式図である。図6は、受光素子の断面も併せて示している。
第5の実施形態においては、遮光体13の周りに形成されている窒化チタン膜14の組成が、第1の実施形態における窒化チタン膜14の組成と異なっている。例えば、窒化チタン膜14をCVD(chemical vapor deposition)法によって成膜する場合に、炭素(C)又はその化合物などを含む不純物を除去するプラズマ処理の処理時間を、通常より短くし、或いはプラズマ処理を省略することにより、意図的に不純物を含む窒化チタン膜を成膜する。或いは、窒化チタン膜14の組成を変えたり、窒化チタン膜14における窒素(N)の含有率を下げたりしても良い。これにより、光路の壁面における光の反射率をさらに低減させることができる。
他の点については第1の実施形態と同様である。
図7は、本発明の第6の実施形態に係る角度制限フィルターを示す模式図である。図7は、受光素子の断面も併せて示している。
第6の実施形態においては、アルミニウム合金層11が角度制限フィルター10の光路の壁面の一部を構成している点で、第1の実施形態と異なる。具体的には、角度制限フィルター10の光路壁部は、複数のアルミニウム合金層11と、複数のアルミニウム合金層11の間に形成された遮光体13とによって、光路を形成している。
他の点については第1の実施形態と同様である。
以上説明した第2〜第6の実施形態に係る角度制限フィルターは、第1の実施形態に係る分光センサーに適用することもできる。
Claims (9)
- 同一材料を含む複数の遮光体によって積層され、当該遮光体の積層方向の光路を形成する光路壁部と、
前記光路壁部に囲まれた領域に形成された光透過部と、を具備し、前記光路内を通過する光の入射角度を制限する角度制限フィルター。 - 請求項1において、
前記同一材料は、アルミニウムより反射率の低い物質である角度制限フィルター。 - 請求項1又は請求項2において、
前記光路壁部及び前記光透過部が、半導体基板上に形成されており、
前記半導体基板上における前記光路及び光路壁部より外側の領域に、複数の金属層がそれぞれ絶縁層を介して積層されている角度制限フィルター。 - 請求項3において、
前記遮光体が、導電体によって形成され、前記複数の金属層と電気的に接続されている角度制限フィルター。 - 請求項1乃至請求項4の何れか一項において、
前記光路の壁面が、前記基板に垂直な方向に対して傾斜した傾斜部を有する角度制限フィルター。 - 基板上に積層された複数の金属層と、前記複数の金属層の間に形成されており前記金属層より光の反射率が小さい遮光体とによって、前記金属層の積層方向の光路を形成する光路壁部と、
前記光路壁部に囲まれた領域に形成された光透過部と、を具備し、前記光路内を通過する光の入射角度を制限する角度制限フィルターであって、
前記光路の壁面のうち前記遮光体によって形成された部分が、前記光路の方向に対してそれぞれ傾斜している角度制限フィルター。 - 請求項1乃至請求項6の何れか一項において、
前記遮光体の表面に、アルミニウムより反射率の低い物質より構成される膜が形成されている角度制限フィルター。 - 請求項1乃至請求項7の何れか一項において、
前記遮光体の形成パターンを層ごとに変えることにより、前記光路の壁面に凹凸が形成されている角度制限フィルター。 - 請求項1乃至請求項8の何れか一項記載の角度制限フィルターと、
前記角度制限フィルターを通過できる光の波長を制限する波長制限フィルターと、
前記角度制限フィルター及び前記波長制限フィルターを通過した光を検出する受光素子と、
を具備する分光センサー。
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