JP2015038632A - 分光センサー及び角度制限フィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】分光センサー及び角度制限フィルターを小型化する。
【解決手段】角度制限フィルターは、同一材料を含む複数の遮光体によって積層され、当該遮光体の積層方向の光路を形成する光路壁部と、光路壁部に囲まれた領域に形成された光透過部と、を具備し、光路内を通過する光の入射角度を制限する。分光センサーは、上述の角度制限フィルターと、角度制限フィルターを通過できる光の波長を制限する波長制限フィルターと、角度制限フィルター及び波長制限フィルターを通過した光を検出する受光素子と、を具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、分光センサー及び角度制限フィルターに関する。
医療や農業、環境等の分野では、対象物の診断や検査をするために分光センサーが用いられている。例えば、医療の分野では、ヘモグロビンの光吸収を利用して血中酸素飽和度を測定するパルスオキシメータが用いられる。また、農業の分野では、糖分の光吸収を利用して果実の糖度を測定する糖度計が用いられる。
下記の特許文献1には、干渉フィルターと光電変換素子との間を光学的に接続する光ファイバーによって入射角度を制限することにより、光電変換素子への透過波長帯域を制限する分光イメージングセンサーが開示されている。
特開平6−129908号公報
しかしながら、従来の分光センサーでは、小型化が困難であるという課題がある。そのため、センサーを所望箇所に多数設置したり、常時設置しておいたりすること等が困難となってしまう。
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明の幾つかの態様は、分光センサー及び角度制限フィルターを小型化することに関連している。
本発明の幾つかの態様において、角度制限フィルターは、同一材料を含む複数の遮光体によって積層され、当該遮光体の積層方向の光路を形成する光路壁部と、光路壁部に囲まれた領域に形成された光透過部と、を具備し、光路内を通過する光の入射角度を制限する。
この態様によれば、基板上に遮光体を積層することによって光路を形成する構成により、微細なパターンの形成が可能であり、小型の角度制限フィルターの製造が可能となる。
上述の態様において、上記同一材料は、アルミニウムより反射率の低い物質、例えばタングステン、銅、窒化チタン、チタンタングステン、チタン、タンタル、窒化タンタル、クロム、モリブデンであることが望ましい。
これによれば、光の反射率が低い物質によって遮光体を構成することにより、光路の壁面に当たって光路内を通過する光を低減できるので、小型の角度制限フィルターであっても、制限角度範囲を超える入射角の光が光路内を通過しにくいようにすることができる。
上述の態様において、光路壁部及び光透過部が、半導体基板上に形成されており、半導体基板上における光路及び光路壁部より外側の領域に、複数の金属層がそれぞれ絶縁層を介して積層されていることが望ましい。
これによれば、半導体回路上の配線層を構成する複数の金属層を、光路及び光路壁部の外側の領域に形成することにより、光路内に金属層からの反射光が入射することを抑制できるので、制限角度範囲を超える入射角の光が光路内を通過しにくいようにすることができる。
上述の態様において、遮光体が、導電体によって形成され、前記複数の金属層と電気的に接続されていることが望ましい。
これによれば、遮光体と複数の金属層とが電気的に接続されることにより、遮光体を電気回路の一部として用いることができる。
上述の態様において、光路の壁面が、基板に垂直な方向に対して傾斜した傾斜部を有することが望ましい。
これによれば、光路の壁面が傾斜部を有することにより、光路の壁面に当たって光路内を通過する光を低減できるので、制限角度範囲を超える入射角の光が光路内を通過しにくいようにすることができる。
本発明の他の態様において、角度制限フィルターは、基板上に積層された複数の金属層と、複数の金属層の間に形成されておりこれらの金属層より光の反射率が小さい遮光体とによって、金属層の積層方向の光路を形成する光路壁部と、光路壁部に囲まれた領域に形成された光透過部と、を具備し、光路内を通過する光の入射角度を制限する角度制限フィルターであって、光路の壁面のうち遮光体によって形成された部分が、光路の方向に対してそれぞれ傾斜している。
この態様によれば、光路の壁面のうち少なくとも一部が傾斜していることにより、光路の壁面に当たって光路内を通過する光を低減できるので、制限角度範囲を超える入射角の光が光路内を通過しにくいようにすることができる。
上述の態様において、遮光体の表面に、アルミニウムより反射率の低い物質、例えば窒化チタン、タングステン、銅、チタンタングステン、チタン、タンタル、窒化タンタル、クロム、モリブデンより構成される膜が形成されていることが望ましい。
これによれば、遮光体の表面に反射率が低い膜を形成することにより、光路の壁面に当たって光路内を通過する光を低減できるので、制限角度範囲を超える入射角の光が光路内を通過しにくいようにすることができる。
上述の態様において、遮光体の形成パターンを層ごとに変えることにより、前記光路の壁面に凹凸が形成されていることが望ましい。
これによれば、光路の壁面が凹凸を有することにより、光路の壁面に当たって光路内を通過する光を低減できるので、制限角度範囲を超える入射角の光が光路内を通過しにくいようにすることができる。
本発明の他の態様において、分光センサーは、上述の角度制限フィルターと、角度制限フィルターを通過できる光の波長を制限する波長制限フィルターと、角度制限フィルター及び波長制限フィルターを通過した光を検出する受光素子と、を具備する。
この態様によれば、上述の角度制限フィルターを用いるので、小型の分光センサーの製造が可能となる。
第1の実施形態に係る角度制限フィルター及び分光センサーを示す模式図。 角度制限フィルターの形成工程を示す図。 第2の実施形態に係る角度制限フィルターを示す模式図。 第3の実施形態に係る角度制限フィルターを示す模式図。 第4の実施形態に係る角度制限フィルターを示す模式図。 第5の実施形態に係る角度制限フィルターを示す模式図。 第6の実施形態に係る角度制限フィルターを示す模式図。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。また同一の構成要素には同一の参照符号を付して説明を省略する。
<1.第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る角度制限フィルター及び分光センサーを示す模式図である。図1(A)は分光センサーの平面図、図1(B)は図1(A)のB−B線断面図である。
分光センサー1は、角度制限フィルター10と、波長制限フィルター20と、受光素子30とを具備している(図1(B)参照)。図1(A)においては、波長制限フィルター20を省略している。
分光センサー1が形成される半導体基板としてのP型シリコン基板3には、受光素子30に所定の逆バイアス電圧を印加したり、受光素子30において発生した光起電力に基づく電流を検知し、当該電流の大きさに応じたアナログ信号を増幅してデジタル信号に変換したりする電子回路40が形成されている(図1(A)参照)。この電子回路40を構成する半導体素子に、図示しない配線用の複数のアルミニウム(Al)合金層が接続されることにより、電子回路40の半導体素子間の電気的接続や電子回路40の外部との電気的接続が行われている。
複数のアルミニウム合金層の間には、図示しない導電プラグが接続されている。この導電プラグは、導電プラグを配置した箇所において、上下のアルミニウム合金層間を電気的に接続するものである。
<1−1.角度制限フィルター>
図1(B)に示すように、角度制限フィルター10は、受光素子30が形成されたP型シリコン基板3上に形成されている。本実施形態の角度制限フィルター10においては、電子回路40上の導電プラグと同じプロセスにより形成した導電プラグからなる遮光体13によって、光路壁部が形成されている。遮光体13は、タングステン(W)によって構成されているが、タングステンに限らず、受光素子30によって受光しようとする波長の光の反射率がアルミニウムの反射率より低い物質、例えば銅、窒化チタン、チタンタングステン、チタン、タンタル、窒化タンタル、クロム、モリブデンによって構成されていても良い。
また、P型シリコン基板3上には、電子回路40上のアルミニウム合金層と同じ多層配線プロセスにより形成した複数の金属層としてのアルミニウム合金層11が、それぞれ透光性(受光素子30によって受光しようとする波長の光に対する透光性を言う。以下同じ)を有する絶縁層としての酸化シリコン(SiO2)層12を介して積層されている。複数のアルミニウム合金層11は、アルミニウム合金層に限られず、銅(Cu)合金層で構成されても良い。
遮光体13は、受光素子30によって受光しようとする波長の光を実質的に透過しない材料によって構成され、P型シリコン基板3上に、例えば格子状の所定パターンで複数層にわたって連続的に形成されることにより、遮光体13の積層方向の光路を形成する。
この遮光体13によって形成された光路壁部によって、光路内を通過する光の入射角度が制限される。すなわち、光路内に入射した光が、光路の向きに対して所定の制限角度θ(図1(B)参照)以上に傾いている場合には、光が遮光体13に当たり、一部が遮光体13に吸収され、残りが反射される。光路を通過するまでの間に反射が繰り返されることによって反射光が弱くなるので、角度制限フィルター10を通過できる光は、実質的に、光路に対する傾きが所定の制限角度θ未満の光に制限される。
遮光体13に囲まれた領域は、透光性を有する上述の酸化シリコン層12によって構成されているので、入射光を透過する光透過部として機能する。
上述の態様においては、P型シリコン基板3上に、格子状の所定パターンで複数層にわたって遮光体13を形成することによって光路壁部が形成されるので、微細なパターンの形成が可能であり、小型の角度制限フィルター10の製造が可能となる。また、部材を貼り合わせて分光センサーを構成する場合と比べて、製造プロセスを簡素化し、接着材による透過光の減少も抑制できる。
好ましい態様においては、遮光体13は、上述の導電プラグと同じ材料(タングステン等)によって構成される。これにより、角度制限フィルター10は、同一のP型シリコン基板3上に形成される電子回路40のための配線用のアルミニウム合金層や導電プラグを形成するのと同時に、半導体プロセスによって形成することができる。
また、好ましい態様においては、アルミニウム合金層11は、遮光体13に囲まれた光路及び遮光体によって形成された光路壁部より外側の領域に形成される。特に好ましい態様においては、光路壁面が、光の反射率の高いアルミニウム合金層11ではなく、遮光体13のみによって形成される。これにより、光の反射率の高いアルミニウム合金層11からの反射光が光路内に入射することを抑制できるので、制限角度範囲を超える入射角の光が光路内を通過しにくいようにすることができる。
また、好ましい態様においては、遮光体13に囲まれた光路の壁面が、P型シリコン基板3に垂直な方向に対して傾斜している。具体的には、遮光体13の各層が、上方(波長制限フィルター20側)ほど幅の広い断面形状を有しているため、遮光体13の壁面が若干下向きとなっている。このように、光路の壁面が傾斜しているため、角度制限フィルター10の光路内に入射した光が光路の壁面に当たった場合の反射方向が複雑化する。従って、入射光が光路を通過するまでの間に多数回の反射を繰り返すことにより、反射光が弱くなる。従って、制限角度範囲を超える入射角の光が光路内を通過しにくいようにすることができる。
また、好ましい態様においては、遮光体13の表面には、タングステンと酸化シリコンとの密着層である窒化チタン(TiN)膜14が形成されているが、これに限らず、受光素子30によって受光しようとする波長の光の反射率がアルミニウムより低い物質、例えば窒化チタン、タングステン、銅、チタンタングステン、チタン、タンタル、窒化タンタル、クロム、モリブデンにより構成される低反射膜が形成されていても良い。
また、好ましい態様においては、遮光体13は、アルミニウム合金層11の側面を介してアルミニウム合金層11と電気的に接続される。そして、P型シリコン基板3に形成される後述の第4の半導体領域34と遮光体13の下端とが電気的に接続されることにより、受光素子30とアルミニウム合金層11との電気的接続を可能としている。
<1−2.波長制限フィルター>
波長制限フィルター20は、角度制限フィルター10上に、酸化シリコン(SiO2)等の低屈折率の薄膜21と、酸化チタン(TiO2)等の高屈折率の薄膜22とを、P型シリコン基板3に対して僅かに傾斜させて多数積層したものである。
低屈折率の薄膜21及び高屈折率の薄膜22は、それぞれ例えばサブミクロンオーダーの所定膜厚とし、これを例えば計60層程度にわたって積層することにより、全体で例えば6μm程度の厚さとする。
低屈折率の薄膜21及び高屈折率の薄膜22のP型シリコン基板3に対する傾斜角度θ1及びθ2は、受光素子30によって受光しようとする光の設定波長に応じて、例えば0[deg]以上30[deg]以下に設定する。
低屈折率の薄膜21及び高屈折率の薄膜22をP型シリコン基板3に対して傾斜させるために、例えば、角度制限フィルター10上に透光性を有する傾斜構造体23を形成し、傾斜構造体23の上に低屈折率の薄膜21及び高屈折率の薄膜22を成膜する。傾斜構造体23は、例えば、角度制限フィルター10上に形成した酸化シリコンをCMP(chemical mechanical polishing)法によって加工することにより形成する。
このように、受光素子30によって受光しようとする光の設定波長に応じて異なる傾斜角度θ1及びθ2を有する傾斜構造体23を予め形成しておくことにより、低屈折率の薄膜21及び高屈折率の薄膜22は、受光素子30によって受光しようとする光の設定波長によらず、同一の膜厚で、共通の工程により成膜することができる。
以上の構成により、波長制限フィルター20は、角度制限フィルター10に所定の制限角度範囲内で入射する光(角度制限フィルター10を通過できる光)の波長を制限する。
すなわち、波長制限フィルター20に入射した入射光は、低屈折率の薄膜21と高屈折率の薄膜22との境界面において、一部は反射光となり、一部は透過光となる。そして、反射光の一部は、他の低屈折率の薄膜21と高屈折率の薄膜22との境界面において再度反射して、上述の透過光と合波する。このとき、反射光の光路長と一致する波長の光は、反射光と透過光の位相が一致して強めあい、反射光の光路長と一致しない波長の光は、反射光と透過光の位相が一致せずに弱めあう(干渉する)。
ここで、反射光の光路長は、入射光の向きに対する低屈折率の薄膜21及び高屈折率の薄膜22の傾斜角度によって決まる。従って、上述の干渉作用が、例えば計60層に及ぶ低屈折率の薄膜21及び高屈折率の薄膜22において繰り返されると、入射光の入射角度に応じて、特定の波長の光のみが波長制限フィルター20を透過し、所定の出射角度(例えば、波長制限フィルター20への入射角度と同じ角度)で波長制限フィルター20から出射する。
角度制限フィルター10は、所定の制限角度範囲内で角度制限フィルター10に入射した光のみを通過させる。従って、波長制限フィルター20と角度制限フィルター10とを通過する光の波長は、低屈折率の薄膜21及び高屈折率の薄膜22のP型シリコン基板3に対する傾斜角度θ1及びθ2と、角度制限フィルター10が通過させる入射光の制限角度範囲とによって決まる所定範囲の波長に制限される。
<1−3.受光素子>
受光素子30は、波長制限フィルター20及び角度制限フィルター10を通過した光を受光して光起電力に変換する素子である。
受光素子30は、P型シリコン基板3にイオン注入等によって形成した各種の半導体領域を含んでいる。P型シリコン基板3に形成された半導体領域としては、例えば、第1導電型の第1の半導体領域31と、第1の半導体領域31上に形成された第2導電型の第2の半導体領域32と、第2の半導体領域32上に形成された第1導電型の第3の半導体領域33と、第2の半導体領域32上に、第3の半導体領域33に囲まれて形成され、第2の半導体領域32より高濃度の不純物を含む第2導電型の第4の半導体領域34と、が含まれる。第1導電型は例えばN型、第2導電型は例えばP型である。
第1の半導体領域31と第3の半導体領域33とは、第1導電型の第5の半導体領域35を介して電気的に接続されている。第1の半導体領域31は、第5の半導体領域35を介して図示しない第1の外部電極に接続されている。第4の半導体領域34は、角度制限フィルター10の下端に接続され、角度制限フィルター10はさらに図示しない第2の外部電極に接続されている。第1の外部電極と第2の外部電極とを介して、第1の半導体領域31と第2の半導体領域32との間で形成されたPN接合に逆バイアスの電圧を印加できるようになっている。
上述の態様においては、第4の半導体領域34が角度制限フィルター10を介して第2の外部電極に接続されているので、受光素子30上に角度制限フィルター10以外の配線用の導電体を設ける必要がなく、配線による受光光量の低下を避けることができる。
角度制限フィルター10を通過してきた光が受光素子30で受光されると、第1の半導体領域31と第2の半導体領域32との間で形成されたPN接合において光起電力が発生することにより、電流が発生する。この電流を、第1の外部電極又は第2の外部電極に接続された電子回路40によって検知することにより、受光素子30で受光した光を検知することができる。
なお、図1には、波長制限フィルター20の傾斜角度θ1によって決まる波長の光を受光するための第1の受光素子30と、傾斜角度θ2によって決まる波長の光を受光するための第2の受光素子30とが示されている。図1(B)においては、第1の受光素子30の第4の半導体領域34に接続された角度制限フィルター10と、第2の受光素子30の第4の半導体領域34に接続された角度制限フィルター10とが、アルミニウム合金層11によって互いに接続されている例が示されているが、これに限らず、別々の受光素子30に接続された角度制限フィルター10を互いに接続させずに、別々の受光素子30から別々の受光信号を検出できるようにしても良い。
<1−4.第1の実施形態の製造方法>
ここで、第1の実施形態に係る分光センサー1の製造方法について簡単に説明する。分光センサー1は、最初にP型シリコン基板3に受光素子30を形成し、次に、受光素子30の上に角度制限フィルター10を形成し、次に、角度制限フィルター10の上に波長制限フィルター20を形成することによって製造する。
最初に、P型シリコン基板3に受光素子30を形成する。例えば、まず、P型シリコン基板3にイオン注入等を行うことによってN型の第1の半導体領域31を形成する。次に、第1の半導体領域31にさらにイオン注入等を行うことによって、N型の第5の半導体領域35と、P型の第2の半導体領域32とを形成する。そして、第2の半導体領域32にさらにイオン注入等を行うことによって、P型の第4の半導体領域34と、N型の第3の半導体領域33とを形成する。この工程は、同一のP型シリコン基板3上に形成される電子回路40の形成と同時に行うことができる。
次に、受光素子30の上に角度制限フィルター10を形成する。
図2は、角度制限フィルターの形成工程を示す図である。
(1)まず、受光素子30が形成されたP型シリコン基板3の上に酸化シリコン等によって酸化シリコン層12の第1層目を形成する(図2(A))。
(2)次に、酸化シリコン層12の一部(第4の半導体領域34の上方の領域)をエッチングすることにより、酸化シリコン層12に溝を形成する(図2(B))。
(3)次に、酸化シリコン層12に形成された溝の下面にチタン(Ti)膜16を形成し、さらに、この溝の下面及び内側面に窒化チタン膜14を形成し、さらに、この溝の中にタングステンの遮光体13の第1層目を埋め込む。この遮光体13は、電子回路40のための配線用のアルミニウム合金層を接続する導電プラグの形成と同時に形成する(図2(C))。
(4)次に、アルミニウム合金層11の第1層目を、電子回路40のための配線用のアルミニウム合金層の形成と同時に形成する(図2(D))。アルミニウム合金層11の下面及び上面には、それぞれ、チタン膜及び窒化チタン膜が形成されることが望ましい。
(5)次に、酸化シリコン層12の第1層目と、遮光体13の第1層目と、アルミニウム合金層11の第1層目との上に、酸化シリコン層12の第2層目を形成する(図2(E))。
以上の(2)〜(5)の工程を所定回数繰り返すことにより、角度制限フィルター10を形成する。なお、第2層目の遮光体13は、アルミニウム合金層11の上ではなく下層の遮光体13又は下層の酸化シリコン層12の上に形成される(図2(E)参照)。第3層目以降の遮光体13は、アルミニウム合金層11の上ではなく下層の遮光体13の上に形成される。
次に、角度制限フィルター10の上に波長制限フィルター20を形成する(図1参照)。例えば、まず、角度制限フィルター10の上に酸化シリコン層を形成し、この酸化シリコン層をCMP法等によって所定角度の傾斜構造体23に加工する。次に、低屈折率の薄膜21と高屈折率の薄膜22とを交互に多数積層する。
以上の工程によって分光センサー1が製造される。
<2.第2の実施形態>
図3は、本発明の第2の実施形態に係る角度制限フィルターを示す模式図である。図3は、受光素子の断面も併せて示している。
第2の実施形態においては、遮光体13に囲まれた光路の壁面の傾斜角度(P型シリコン基板3に垂直な方向に対する傾斜角度)が、第1の実施形態における傾斜角度より大きくなっている。これにより、制限角度範囲を超える入射角の光が光路内を通過しにくいようにすることができる。
このような角度制限フィルター10を製造するためには、上述の製造工程において、酸化シリコン層12をエッチングして溝を形成する際に、溝の傾斜角度が大きくなるように、例えば、より等方性の強いエッチングを行う。
他の点については第1の実施形態と同様である。
<3.第3の実施形態>
図4は、本発明の第3の実施形態に係る角度制限フィルターを示す模式図である。図4は、受光素子の断面も併せて示している。
第3の実施形態においては、遮光体13の形成パターンを層ごとに変えること(例えば、遮光体13を埋め込むために酸化シリコン層12に形成する溝の幅を、層ごとに変えること)により、光路の壁面に凹凸を形成した点で第1の実施形態と異なる。光路の壁面に凹凸を形成したことにより、光路の壁面に当たった光を入射方向と反対の方向に反射させることができる。これにより、制限角度範囲を超える入射角の光を乱反射させて、その反射光が受光素子30に到達しにくいようにすることができる。
他の点については第1の実施形態と同様である。
<4.第4の実施形態>
図5は、本発明の第4の実施形態に係る角度制限フィルターを示す模式図である。図5は、受光素子の断面も併せて示している。
第4の実施形態においては、遮光体13の周りに形成されている窒化チタン膜14の厚さが、第1の実施形態における窒化チタン膜14の厚さより厚くなっている。これにより、光路の壁面における光の反射率をさらに低減できるので、制限角度範囲を超える入射角の光が光路内を通過しにくいようにすることができる。
他の点については第1の実施形態と同様である。
<5.第5の実施形態>
図6は、本発明の第5の実施形態に係る角度制限フィルターを示す模式図である。図6は、受光素子の断面も併せて示している。
第5の実施形態においては、遮光体13の周りに形成されている窒化チタン膜14の組成が、第1の実施形態における窒化チタン膜14の組成と異なっている。例えば、窒化チタン膜14をCVD(chemical vapor deposition)法によって成膜する場合に、炭素(C)又はその化合物などを含む不純物を除去するプラズマ処理の処理時間を、通常より短くし、或いはプラズマ処理を省略することにより、意図的に不純物を含む窒化チタン膜を成膜する。或いは、窒化チタン膜14の組成を変えたり、窒化チタン膜14における窒素(N)の含有率を下げたりしても良い。これにより、光路の壁面における光の反射率をさらに低減させることができる。
これにより、制限角度範囲を超える入射角の光が光路内を通過しにくいようにすることができる。
他の点については第1の実施形態と同様である。
<6.第6の実施形態>
図7は、本発明の第6の実施形態に係る角度制限フィルターを示す模式図である。図7は、受光素子の断面も併せて示している。
第6の実施形態においては、アルミニウム合金層11が角度制限フィルター10の光路の壁面の一部を構成している点で、第1の実施形態と異なる。具体的には、角度制限フィルター10の光路壁部は、複数のアルミニウム合金層11と、複数のアルミニウム合金層11の間に形成された遮光体13とによって、光路を形成している。
このような角度制限フィルター10を製造するためには、上述の製造工程において、第2層目以降の遮光体13を、アルミニウム合金層11の上に形成するようにする。
他の点については第1の実施形態と同様である。
第6の実施形態においても、光路の壁面のうち遮光体13によって構成されている部分は、P型シリコン基板3に垂直な方向に対して傾斜している。従って、角度制限フィルター10の光路内に入射した光が遮光体13において反射する場合の反射方向が複雑化し、入射光が光路を通過するまでの間に多数回の反射を繰り返すことになるので、反射光が弱くなる。従って、制限角度範囲を超える入射角の光が光路内を通過しにくいようにすることができる。
第6の実施形態に係る角度制限フィルターは、第2〜第5の実施形態と組み合わせることにより、制限角度を超える入射光が受光素子30に一層到達しにくいようにすることもできる。
以上説明した第2〜第6の実施形態に係る角度制限フィルターは、第1の実施形態に係る分光センサーに適用することもできる。
1…分光センサー、3…P型シリコン基板(半導体基板)、10…角度制限フィルター、11…アルミニウム合金層(金属層)、12…酸化シリコン層(絶縁層)、13…遮光体、14…窒化チタン膜、16…チタン膜、20…波長制限フィルター、21…低屈折率の薄膜、22…高屈折率の薄膜、23…傾斜構造体、30…受光素子、31…第1の半導体領域、32…第2の半導体領域、33…第3の半導体領域、34…第4の半導体領域、35…第5の半導体領域、40…電子回路。

Claims (9)

  1. 同一材料を含む複数の遮光体によって積層され、当該遮光体の積層方向の光路を形成する光路壁部と、
    前記光路壁部に囲まれた領域に形成された光透過部と、を具備し、前記光路内を通過する光の入射角度を制限する角度制限フィルター。
  2. 請求項1において、
    前記同一材料は、アルミニウムより反射率の低い物質である角度制限フィルター。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記光路壁部及び前記光透過部が、半導体基板上に形成されており、
    前記半導体基板上における前記光路及び光路壁部より外側の領域に、複数の金属層がそれぞれ絶縁層を介して積層されている角度制限フィルター。
  4. 請求項3において、
    前記遮光体が、導電体によって形成され、前記複数の金属層と電気的に接続されている角度制限フィルター。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか一項において、
    前記光路の壁面が、前記基板に垂直な方向に対して傾斜した傾斜部を有する角度制限フィルター。
  6. 基板上に積層された複数の金属層と、前記複数の金属層の間に形成されており前記金属層より光の反射率が小さい遮光体とによって、前記金属層の積層方向の光路を形成する光路壁部と、
    前記光路壁部に囲まれた領域に形成された光透過部と、を具備し、前記光路内を通過する光の入射角度を制限する角度制限フィルターであって、
    前記光路の壁面のうち前記遮光体によって形成された部分が、前記光路の方向に対してそれぞれ傾斜している角度制限フィルター。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか一項において、
    前記遮光体の表面に、アルミニウムより反射率の低い物質より構成される膜が形成されている角度制限フィルター。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか一項において、
    前記遮光体の形成パターンを層ごとに変えることにより、前記光路の壁面に凹凸が形成されている角度制限フィルター。
  9. 請求項1乃至請求項8の何れか一項記載の角度制限フィルターと、
    前記角度制限フィルターを通過できる光の波長を制限する波長制限フィルターと、
    前記角度制限フィルター及び前記波長制限フィルターを通過した光を検出する受光素子と、
    を具備する分光センサー。
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