JP6191196B2 - 分光センサー及びその製造方法 - Google Patents
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Description
この態様によれば、リフトオフ法を用いることにより、半導体プロセス技術を用いて、正確な膜厚で分光フィルターに含まれる透光膜を製造することができ、分光特性を向上できる。また、第3の透光膜を形成する工程(c1)の後に、第3の透光膜と重なる位置に、第1の透光膜をリフトオフ法によって形成し(c2)、第3の透光膜と重なり且つ第1の透光膜とずれた位置に、第2の透光膜をリフトオフ法によって形成する(c3)ので、第3の透光膜をリフトオフしなくてもよい。従って、リフトオフされる透光膜の膜厚が薄くてよいので、レジストの厚みも薄くすることができる。
これによれば、第1の透光膜から離れた位置に第2の透光膜を形成するので、リフトオフ法を用いて第2の透光膜を形成するためのレジストと、第1の透光膜との位置合わせ精度に対する要求を緩和できる。
これによれば、第1の透光膜と一部重なる位置に第2の透光膜を形成するので、リフトオフ法を用いて第2の透光膜を形成するためのレジストと、第1の透光膜との位置合わせ精度に対する要求を緩和できる。
これによれば、第4の透光膜の形成を、第1の透光膜を形成するための工程と同一工程で行うことができ、及び第5の透光膜の形成を、第2の透光膜を形成するための工程と同一工程で行うことができる。従って、第1及び第2の透光膜を形成した後で、第4及び第5の透光膜を形成するために再度成膜装置にセットしなくてもよい。
この態様によれば、第1の透光膜から離れた位置に第2の透光膜が位置するので、第2の透光膜と第1の透光膜との位置合わせ精度に対する要求を緩和できる。
これによれば、分光フィルターが、角度制限フィルターを通過できる制限角度の範囲内の多くの光を分光することができる。
この態様によれば、第1の透光膜と一部重なる位置に第2の透光膜が位置するので、第2の透光膜と、第1の透光膜との位置合わせ精度に対する要求を緩和できる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る分光センサーの一部を示す平面図である。図2は、図1のII−II線断面図である。
分光センサー1は、角度制限フィルター10と、分光フィルター20と、受光素子30とを具備している(図2参照)。図2においては、透明部分の断面を示すハッチングを省略している。
受光素子30は、分光フィルター20及び角度制限フィルター10を通過した光を受光して光起電力に変換する素子である。受光素子30は、第1のフォトダイオード30iと、第2のフォトダイオード30jとを含んでいる。
角度制限フィルター10は、半導体基板3の上に形成されている。本実施形態において、「上」とは、半導体基板3の厚み方向に沿って、半導体基板3から分光フィルター20へ向かう方向をいう。半導体基板3の上には、アルミニウム(Al)合金層17b〜17eが、それぞれ透光性を有する酸化シリコン膜11a〜11eを介して積層されている。なお、アルミニウム合金層17b〜17eの代わりに、銅(Cu)合金層が形成されても良い。
分光フィルター20は、第1の開口15iの上に位置する第1のフィルター部20iと、第2の開口15jの上に位置する第2のフィルター部20jとを含んでいる。第1のフィルター部20iと第2のフィルター部20jとは、酸化チタン膜23c、酸化シリコン膜23b及び酸化チタン膜23aを、共通に含んでいる。
L1≧T1・tanθ ・・・(式1)
ここで、T1は、第1のフィルター部20iの厚さであり、θは、角度制限フィルター10の制限角度である。
L2≧T2・tanθ ・・・(式2)
ここで、T2は、第2のフィルター部20jの厚さである。
さらに、上述の距離L1及びL2が、第1の開口15i及び第2の開口15jの位置と分光フィルター20の位置との製造上の位置合わせ余裕を加味した大きさであることが望ましい。
次に、本実施形態に係る分光センサー1の製造方法を説明する。
分光センサー1は、半導体基板3に受光素子30を形成し、次に、受光素子30の上に角度制限フィルター10を形成し、次に、角度制限フィルター10の上に分光フィルター20を形成することによって製造される。
最初に、半導体基板3に受光素子30を形成する。例えば、まず、P型の半導体基板3にイオン注入等を行うことによってN型の第1の半導体領域31を形成する。そして、第1の半導体領域31にさらにイオン注入等を行うことによって、P型の第2の半導体領域32i及び32jを形成する。この工程は、同一の半導体基板3に形成される半導体素子を含む電子回路(図示せず)の形成と同時に行うことができる。
次に、受光素子30の上に角度制限フィルター10を形成する。
(1)まず、受光素子30が形成された半導体基板3の上に酸化シリコン膜11aを形成する。
(3)次に、酸化シリコン膜11a及びアルミニウム合金層17bの上に、酸化シリコン膜11bを形成する。酸化シリコン膜11bは、電子回路のための配線用のアルミニウム合金層の上の絶縁膜(図示せず)の形成と同時に形成される。
(6)次に、酸化シリコン膜11bの上、タングステン層14bの上及びアルミニウム合金層17cの上に、酸化シリコン膜11cを形成する。酸化シリコン膜11cは、電子回路のための配線用のアルミニウム合金層の上の絶縁膜(図示せず)の形成と同時に形成される。
次に、角度制限フィルター10の上に分光フィルター20を形成する。
図3〜図8は、第1の実施形態に係る分光センサーの製造方法を示す断面図である。図3〜図8は、いずれも、図2で示された部分に相当する部分を示している。
まず、図3に示されるように、半導体基板3を成膜装置内にセットし、角度制限フィルター10の上に、酸化チタン膜23c、酸化シリコン膜23b、酸化チタン膜23aを、それぞれ所定の膜厚で成膜し、半導体基板3を成膜装置から取り出す。これらの膜厚は、成膜装置内における蒸着処理時間によって、高い正確さで制御することができる。次に、フォトレジストPR1を成膜し、露光及び現像することにより、フォトレジストPR1のうち第1の開口15iの上を開口させる。
以上の工程によって分光センサー1が製造される。
この製造方法によれば、リフトオフ法を用いることにより、半導体プロセス技術を用いて、正確な膜厚で第1のフィルター部20i及び第2のフィルター部20jのそれぞれに含まれる透光膜を製造することができる。また、リフトオフ法を用いているので、多層膜のエッチングをしなくても、第1の膜厚を有する酸化シリコン膜21を含む第1のフィルター部20iと、第2の膜厚を有する酸化シリコン膜22を含む第2のフィルター部20jとを作り分けることができる。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る分光センサーの一部を示す断面図である。図9は、図2で示された部分に相当する部分を示している。第2の実施形態に係る分光センサー1aは、第1のフィルター部20iに含まれる酸化シリコン膜21、酸化チタン膜24a、酸化シリコン膜24b、酸化チタン膜24cと、隣接する第2のフィルター部20jに含まれる酸化シリコン膜22、酸化チタン膜25a、酸化シリコン膜25b、酸化チタン膜25cとが、それぞれの一部において重なっている点で、第1の実施形態と異なる。
他の点については、第1の実施形態と同様である。
以上においては、第1のフィルター部20i及び第2のフィルター部20jを用いて2種類の波長を有する光を検出可能に構成された分光センサーについて説明したが、本発明はこれに限られず、例えばさらに第3のフィルター部が用いられて、3種類の波長を有する光を検出可能に構成されてもよい。
また、第1のフィルター部20i及び第2のフィルター部20jが平面視で市松模様となるように配置された場合について説明したが、他の配置がされてもよい。
Claims (3)
- 半導体基板に第1の受光素子及び第2の受光素子を形成する工程(a)と、
前記工程(a)の後に、前記半導体基板の上に角度制限フィルターを形成する工程(b)と、
前記工程(b)の後に、前記角度制限フィルターの上に、第1の膜厚を有する第1の透光膜と、前記第1の膜厚より大きい第2の膜厚を有する第2の透光膜と、第3の膜厚を有する第3の透光膜と、を有する分光フィルターを形成する工程(c)と、
を含み、
前記工程(b)の前記角度制限フィルターは、前記半導体基板の上に位置し、第1の遮光部と、前記半導体基板に対する平面視で前記第1の遮光部を介して互いに隣接する第1の開口及び第2の開口と、前記第1の開口に位置する第2の遮光部と、前記半導体基板に対する平面視で前記第2の遮光部を介して互いに隣接し、且つ前記第1の開口内に位置する第3の開口及び第4の開口と、前記第2の開口に位置する第3の遮光部と、前記半導体基板に対する平面視で前記第3の遮光部を介して互いに隣接し、且つ前記第2の開口内に位置する第5の開口及び第6の開口と、を有し、
前記第1の開口は前記第1の受光素子の上に位置し、前記第2の開口は前記第2の受光素子の上に位置し、前記第3の開口及び前記第4の開口は前記第1の受光素子の上に位置し、前記第5の開口及び前記第6の開口は前記第2の受光素子の上に位置し、
前記工程(c)は、
前記第2の遮光部及び前記第3の遮光部の上に位置する前記第3の透光膜を形成する工程(c1)と、
前記工程(c1)の後に、前記半導体基板に対する平面視で前記第3の透光膜と重なる位置に、前記第2の遮光部の上に位置する前記第1の透光膜をリフトオフ法によって形成する工程(c2)と、
前記工程(c2)の後に、前記半導体基板に対する平面視で前記第3の透光膜と重なり且つ前記第1の透光膜とずれた位置に、前記第3の遮光部の上に位置する前記第2の透光膜をリフトオフ法によって形成する工程(c3)と、
を含み、
前記第3の透光膜は、前記第1の開口、前記第2の開口、前記第3の開口、前記第4の開口、前記第5の開口及び前記第6の開口の上に位置し、
前記第1の透光膜は、前記第1の開口、前記第3の開口及び前記第4の開口の上に位置し、
前記第2の透光膜は、前記第2の開口、前記第5の開口及び前記第6の開口の上に位置し、
前記工程(c3)は、
前記半導体基板に対する平面視で前記第3の透光膜と重なり且つ前記第1の透光膜と一部重なる位置に、前記第2の透光膜をリフトオフ法によって形成する工程であり、
前記第2の透光膜は、前記第1の透光膜の一部と重なり、且つ前記第1の透光膜の上に位置し、
前記第2の透光膜の端部が湾曲していることを特徴とする、分光センサーの製造方法。 - 前記工程(c2)は、第4の膜厚を有し、前記半導体基板に対する平面視で前記第1の透光膜と重なって位置する第4の透光膜を形成することを含み、
前記工程(c3)は、前記第4の膜厚を有し、前記半導体基板に対する平面視で前記第2の透光膜と重なって位置する第5の透光膜を形成することを含むことを特徴とする、請求項1記載の分光センサーの製造方法。 - 半導体基板に位置する第1の受光素子及び第2の受光素子と、
前記半導体基板の上に位置し、第1の遮光部と、前記半導体基板に対する平面視で前記第1の遮光部を介して互いに隣接する第1の開口及び第2の開口と、前記第1の開口に位置する第2の遮光部と、前記半導体基板に対する平面視で前記第2の遮光部を介して互いに隣接し、且つ前記第1の開口内に位置する第3の開口及び第4の開口と、前記第2の開口に位置する第3の遮光部と、前記半導体基板に対する平面視で前記第3の遮光部を介して互いに隣接し、且つ前記第2の開口内に位置する第5の開口及び第6の開口と、を有する角度制限フィルターと、
前記角度制限フィルターの上に位置する分光フィルターであって、第1の膜厚を有し、前記半導体基板に対する平面視で前記第1の開口と重なって位置する第1の透光膜と、前記第1の膜厚より大きい第2の膜厚を有し、前記半導体基板に対する平面視で前記第2の開口と重なって位置する第2の透光膜と、前記第1の透光膜と前記第1の開口との間の位置から前記第2の透光膜と前記第2の開口との間の位置にまでわたって位置し、第3の膜厚を有する第3の透光膜と、を有する分光フィルターと、
を含み、
前記第1の開口は前記第1の受光素子の上に位置し、前記第2の開口は前記第2の受光素子の上に位置し、前記第3の開口及び前記第4の開口は前記第1の受光素子の上に位置し、前記第5の開口及び前記第6の開口は前記第2の受光素子の上に位置し、
前記第3の透光膜は、前記第2の遮光部及び前記第3の遮光部の上に位置し、
前記第1の透光膜は、前記第2の遮光部の上に位置し、
前記第2の透光膜は、前記第3の遮光部の上に位置し、
前記第1の透光膜は、前記半導体基板に対する平面視で前記第1の遮光部と重なる周縁部を有し、
前記第2の透光膜は、前記半導体基板に対する平面視で前記第1の透光膜と一部重なって位置し、前記半導体基板に対する平面視で前記第1の遮光部と重なる周縁部を有し、
前記第2の透光膜は、前記第1の透光膜の一部と重なる前記周縁部において、前記第1の透光膜の上に位置し、
前記第2の透光膜の端部が湾曲していることを特徴とする、分光センサー。
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