JP2015035847A - 突入電流防止回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】突入電流防止用抵抗部を短絡するためのMOSFETの破損を防止する。
【解決手段】突入電流防止回路50は、直流電圧源(例えば、DCリンク電圧Vo)と平滑用コンデンサ34との間に設けられ、DCリンク電圧Voの投入時に、コンデンサ34へ流れる突入電流を抑制する突入電流防止用の抵抗部51と、この抵抗部51に対して並列に接続され、突入電流の抑制動作が完了した後に、抵抗部51を短絡するMOSFET52と、を備えている。抵抗部51は、直列に接続された第1抵抗51−1a〜51−1d及び第2抵抗51−2を有している。更に、抵抗部51に対して並列に接続された第1コンデンサ54と、第1抵抗51−1a〜51−1dに対して並列に接続され、第2抵抗51−2と共にRCスナバ回路を構成する第2コンデンサ55と、が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、パワーコンディショナ等に設けられる突入電流防止回路に関するものである。
従来、太陽電池、燃料電池等の直流(以下「DC」という。)電源を商用の交流(以下「AC」という。)電源等の電力系統に連系するための電力変換装置であるパワーコンディショナが知られている。
図3は、下記の特許文献1〜3等に記載された従来の突入電流防止回路を備えたパワーコンディショナの一部を示す概略の構成図である。
DC電源である例えば太陽電池1には、DC/DCコンバータ2が接続されている。DC/DCコンバータ2は、太陽電池1から出力されたDC電力をスイッチング、変圧及び整流平滑して所定電圧のDC電力に変換する回路であり、内部にキャパシタンスが大きい平滑用コンデンサ2aを有している。DC/DCコンバータ2の出力側には、高周波信号成分除去用の入力フィルタ3が接続されている。入力フィルタ3は、インダクタ等を有し、この出力側に、過電流防止用の一対の速断ヒューズ4−1,4−2を介して、開閉部5が接続されている。
開閉部5は、遮断器又は活線挿抜部により構成され、一対の接点5a,5bを有している。活線挿抜部は、DC/DCコンバータ2、入力フィルタ3及び速断ヒューズ4−1,4−2等を含むユニットを挿入又は引き抜く箇所である。この開閉部5の出力側には、一対のDCリンク部6−1,6−2が接続されている。一対のDCリンク部6−1,6−2間には、DC電圧源であるDCリンク電圧Vo(例えば、DC350V〜370V)が生じている。
一対のDCリンク部6−1,6−2には、図示しないが、DC電力をAC電力に変換するDC/ACインバータが接続され、更に、このDC/ACインバータの出力側に、負荷及び電力系統等が接続されている。
このように構成されるパワーコンディショナでは、太陽電池1から発生したDC電力が、DC/DCコンバータ2にて所定電圧のDC電力に変換された後、入力フィルタ3にて高周波信号成分が除去される。高周波信号成分が除去されたDC電力は、速断ヒューズ4−1,4−2、及び開閉部5を介して、DCリンク部6−1,6−2へ送られる。送られてきたDC電力は、図示しないDC/ACコンバータにてAC電力に変換された後、負荷へ供給され、或いは、その余剰電力が電力系統へ逆潮流される。
このようなパワーコンディショナにおいて、DCリンク部6−1,6−2にDCリンク電圧Voが印加されている状態にて、開閉部5をオン状態にして電源を投入すると、図3中の矢印で示すように、DCリンク部6−1→開閉部5の接点5a→速断ヒューズ4−1→入力フィルタ3→DC/DCコンバータ2内のコンデンサ2a→入力フィルタ3→速断ヒューズ4−2→開閉部5の接点5b→DCリンク部6−2という経路で、そのコンデンサ2aに充電電流である突入電流が流れ、速断ヒューズ4−1,4−2が溶断するおそれがある。
そのため、入力フィルタ3と速断ヒューズ4−1,4−2との間に、突入電流防止回路10を設けている。突入電流防止回路10は、入力フィルタ3と速断ヒューズ4−2との間に接続された1つ又は複数の突入電流防止用の抵抗11と、この抵抗11に対して並列に接続された1つ又は複数のNチャネル型パワーMOSFET(MOS型電界効果トランジスタ)12と、このパワーMOSFET12のゲートGに接続された駆動回路13と、を有している。パワーMOSFET12は、高耐圧で、且つ、オン抵抗値(即ち、ドレインD及びソースS間がオン状態の時の抵抗値)が小さいという電気的特性を有している。
このような突入電流防止回路10において、開閉部5をオン状態にする前には、駆動回路13により、パワーMOSFET12のドレインD及びソースS間がオフ状態になっている。開閉部5をオン状態にして電源(即ち、DCリンク電圧Vo)を投入すると、コンデンサ2aを経由して突入電流が流れるが、この突入電流が抵抗11により抑制される。この抑制動作が完了して通常運転状態になると、駆動回路13により、パワーMOSFET12のドレインD及びソースS間がオン状態になって、抵抗11の両端が短絡され、通常運転時の電力損失が低減される。
特開2003−189464号公報 特開2006−301804号公報 特開2009−189206号公報
しかしながら、従来の図3のような突入電流防止回路10では、開閉部5による電源投入時(即ち、DCリンク電圧Voの投入時)に、パワーMOSFET12のドレインD・ソースS間に過大な電圧が発生し、そのパワーMOSFET12の耐圧を超え、破損に至る現象が発生するという課題があった。以下、この課題について詳細に説明する。
図4(a)、(b)は、パワーMOSFET12の寄生容量特性であるキャパシタンス特性を示す図であり、同図(a)はパワーMOSFET12の寄生容量を示す図、及び、同図(b)はパワーMOSFET12の寄生容量の1つである出力容量Cossに対するドレインD・ソースS間電圧Vdsの特性を示す図である。
パワーMOSFET12は、ゲートGがシリコン酸化膜で完全に絶縁されている構造であるため、ドレインD、ゲートG、及びソースSの各電極間には、図4(a)に示すような寄生容量Cds,Cgd,Cossが存在する。ここで、CdsはドレインD・ソースS間の寄生容量、CgdはゲートG・ドレインD間の寄生容量Cgd、Cossは出力容量(=Cds+Cgd)である。
出力容量Cossに対するドレインD・ソースS間電圧Vdsの特性は、図4(b)に示すような曲線になる。この図4(b)では、横軸にドレインD・ソースS間電圧Vds(V)、及び、縦軸に出力容量Coss(pF)が取られている。測定条件は、ドレインD・ソースS間電圧Vdsが100V、ゲートG・ソースS間電圧Vgsが0V、測定周波数fが1MHz、及び、測定温度Tcが室温(25°C)である。
図5は、図3中の突入電流発生のメカニズムを示す模式的な回路図である。
図5において、Lは入力フィルタ3や配線によるインダクタンス成分、実線の矢印は電源投入時の突入電流の流れ、破線の矢印は出力容量Cossを流れる電流の流れ、及び、二点鎖線の矢印は突入電流防止用抵抗11を流れるドレインD・ソースS間電流の流れを示している。
図5の回路において、開閉部5により、DCリンク電圧Voを投入すると、パワーMOSFET12の出力容量Cossを通して、破線の矢印方向に、充電(突入)電流が流れる。この電流により、パワーMOSFET12の出力容量Cossが充電され、ドレインD・ソースS間電圧Vdsが上昇する。図4(b)に示すパワーMOSFET12のキャパシタンス特性により、ドレインD・ソースS間電圧Vdsの上昇に伴って、出力容量Cossが減少していき、電流が流れなくなる。この時、入力フィルタ3や配線のインダクタンス成分Lの続流によって、実線の矢印方向に電流が流れようとするが、出力容量Cossの経路には流れないので、突入電流防止用抵抗11の両端(即ち、パワーMOSFET12のドレインD・ソースS間)に電圧が発生し、DCリンク電圧Voに重畳される。そのため、パワーMOSFET12の耐圧を超えて破損に至る。
本発明の突入電流防止回路は、DC電圧源とコンデンサとの間に設けられ、前記DC電圧源の投入時に、前記DC電圧源から前記コンデンサへ流れる突入電流を抑制する突入電流防止用の抵抗部と、前記抵抗部に対して並列に接続され、前記突入電流の抑制動作が完了した後に、前記抵抗部を短絡するMOSFET(例えば、パワーMOSFET)と、を備えた突入電流防止回路において、前記抵抗部は、直列に接続された第1抵抗及び第2抵抗を有し、前記第1抵抗及び前記第2抵抗に対して並列に接続された第1コンデンサと、前記第1抵抗に対して並列に接続され、前記第2抵抗と共にスナバ回路を構成する第2コンデンサと、を設けたことを特徴とする。
前記発明の突入電流防止回路において、例えば、前記MOSFETのソース及びドレイン間には、前記MOSFETと並列に、前記第1抵抗及び前記第2抵抗が接続され、前記MOSFETのゲートには、前記ソース及びドレイン間をオン/オフ動作させるための駆動回路が接続されている。
又、前記発明の突入電流防止回路において、例えば、前記第1抵抗は、1つ又は複数の抵抗により構成され、前記第2抵抗は、1つ又は複数の抵抗により構成されている。
本発明の突入電流防止回路によれば、DC電圧源の投入時に発生するMOSFETのドレイン・ソース間の過電圧を抑制し、破損を防止できる。
図1は本発明の実施例1における突入電流防止回路を備えたパワーコンディショナの一部を示す概略の構成図である。 図2は図1のDCリンク電圧の投入時における動作を示す概略の構成図である。 図3は従来の突入電流防止回路を備えたパワーコンディショナの一部を示す概略の構成図である。 図4はパワーMOSFET12のキャパシタンス特性を示す図である。 図5は図3中の突入電流発生のメカニズムを示す模式的な回路図である。
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1の構成)
図1は、本発明の実施例1における突入電流防止回路を備えたパワーコンディショナの一部を示す概略の構成図である。
太陽電池、燃料電池等のDC電源20には、電力変換回路(例えば、DC/DCコンバータ)30が接続されている。DC/DCコンバータ30は、DC電源20から出力されたDC電力を所定電圧のDC電力に変換する回路であり、例えば、DC電源20に接続されたスイッチング回路31と、このスイッチング回路31の出力側に接続された絶縁用のトランス32と、このトランス32の2次側に接続された整流回路33と、この整流回路33の出力側に接続されたキャパシタンスの大きな平滑用コンデンサ34等と、により構成されている。
スイッチング回路31は、DC電源20から出力されたDC電力をスイッチングしてAC電力に変換し、このAC電力をトランス32の1次側へ出力する回路であり、例えば、複数のスイッチング素子がブリッジ接続されて構成されている。その複数のスイッチング素子は、図示しない制御部から与えられるパルス幅変調(以下「PWM」という。)信号によりオン/オフ動作するようになっている。スイッチング回路31の出力側に接続されたトランス32は、そのスイッチング回路31から出力されたAC電力を変圧して整流回路33へ出力するものである。整流回路33は、トランス32にて変圧されたAC電力を整流する回路であり、例えば、4つの整流ダイオード33a〜33dがブリッジ接続されて構成されている。整流回路33の出力側には、この整流回路33から出力されたDC電力を平滑する平滑用コンデンサ34が接続されている。
DC/DCコンバータ30の出力側には、入力フィルタ40が接続されている。入力フィルタ40は、DC/DCコンバータ30から出力されたDC電力に対し、高周波信号成分を除去する回路であり、インダクタ41等により構成されている。入力フィルタ40の出力側には、過電流防止用の一対の速断ヒューズ42−1,42−2を介して、開閉部43が接続されている。開閉部43は、遮断器又は活線挿抜部により構成され、一対の接点43a,43bを有している。活線挿抜部は、DC/DCコンバータ30、入力フィルタ40及び速断ヒューズ42−1,42−2等を含むユニットを挿入又は引き抜く箇所である。この開閉部43の出力側には、一対のDCリンク部44−1,44−2が接続されている。一対のDCリンク部44−1,44−2間には、DC電圧源であるDCリンク電圧Vo(例えば、DC350V〜370V)が生じている。
一対のDCリンク部44−1,44−2には、DC電力をAC電力に変換するDC/ACインバータ45が接続され、更に、このDC/ACインバータ45の出力側に、図示しない開閉器等を介して、負荷46と、商用電力等の電力系統47と、が接続されている。DC/ACインバータ45は、例えば、DCリンク電圧Voを含むDC電力をスイッチングしてAC電力に変換するスイッチング回路と、このスイッチング回路の出力側に接続された絶縁用のトランス等と、により構成されている。そのスイッチング回路は、図示しない制御部から与えられるPWM信号によりオン/オフ動作するようになっている。
入力フィルタ40と速断ヒューズ42−1,42−2との間には、従来と同様に、突入電流防止回路50が接続されている。突入電流防止回路50は、入力フィルタ40と速断ヒューズ42−2との間に接続された突入電流防止用の抵抗部51と、この抵抗部51に対して並列に接続されたMOSFET(例えば、Nチャネル型パワーMOSFET)52と、このパワーMOSFET52のゲートGに接続された駆動回路53と、を有している。
抵抗部51は、複数の第1抵抗51−1a〜51−1dと、1つの第2抵抗51−2と、を有し、これらが直列に接続されている。なお、第1抵抗51−1a〜51−1dは、1つの抵抗だけで構成しても良い。又、第2抵抗51−2は、直列に接続された複数の抵抗により構成しても良い。これらの抵抗部51を構成する抵抗の数は、突入電流に対する抑制値に応じて適宜決定される。
パワーMOSFET52は、高耐圧で、且つ、オン抵抗値が小さいという電気的特性を有し、このドレインD及びソースS間に、寄生ダイオード52aが存在している。パワーMOSFET52のドレインDとソースSは、抵抗部51の両端に接続されている。このパワーMOSFET52は、図1では1つであるが、必要となる耐圧値に応じて、複数のパワーMOSFETを並列に接続しても良い。
駆動回路53は、抵抗部51により突入電流の抑制動作が完了して通常運転状態になると、パワーMOSFET52のドレインD及びソースS間をオン状態にし、抵抗部51の両端を短絡させる機能を有している。この駆動回路53は、例えば、突入電流の抑制動作の完了を検出する回路と、この回路の検出結果に基づき、パワーMOSFET52のゲートGに“H”レベルの電圧を印加してパワーMOSFET52をオン状態にする回路と、により構成されている。
本実施例1の突入電流防止回路50では、従来の突入電流防止回路10に対して、第1コンデンサ54及び第2コンデンサ55が追加されている。
第1コンデンサ54は、第1抵抗51−1a〜51−1d及び第2抵抗51−2の直列回路からなる抵抗部51に対して、並列に接続され、パワーMOSFET52のキャパシタンス特性による出力容量Cossの変動の影響を少なくして、このパワーMOSFET52のドレインD・ソースS間電圧Vdsの急激な上昇を抑制する機能を有している。この第1コンデンサ54は、例えば、セラミックコンデンサ等により構成されている。
第2コンデンサ55は、直列接続された複数の第1抵抗51−1a〜51−1dに対して、並列に接続され、第2抵抗51−2と共にRCスナバ回路を構成している。第2コンデンサ55は、充電(突入)電流により第1コンデンサ54の電圧が上昇し、パワーMOSFET52のドレインD・ソースS間電圧が耐圧を超える前に、第2抵抗51−2とのRCスナバ回路を形成することで、パワーMOSFET52のドレインD・ソースS間電圧の上昇を吸収する機能を有している。この第2コンデンサ55は、例えば、フイルムコンデンサ等により構成されている。
(実施例1の動作)
本実施例1のパワーコンディショナにおける通常運転時の動作(1)と、電源投入時(即ち、DCリンク電圧Voの投入時)の動作(2)と、を説明する。
(1) パワーコンディショナにおける通常運転時の動作
図1のパワーコンディショナにおいて、開閉部43がオン状態の時には、駆動回路53により、パワーMOSFET52がオン状態になっている。DC電源20から発生したDC電力は、DC/DCコンバータ30にて所定電圧のDC電力に変換された後、入力フィルタ40にて高周波信号成分が除去される。高周波信号成分が除去されたDC電力は、速断ヒューズ42−1,42−2、及び開閉部43を介して、DCリンク部44−1,44−2へ送られる。送られてきたDC電力は、DC/ACコンバータ45にてAC電力に変換された後、負荷46へ供給され、或いは、その余剰電力が電力系統47へ逆潮流される。
(2) 電源投入時(即ち、DCリンク電圧Voの投入時)の動作
図2は、図1のDCリンク電圧Voの投入時における動作を示す概略の構成図である。
DCリンク部44−1,44−2にDCリンク電圧Voが印加されている状態であって、駆動回路53によってパワーMOSFET53のドレインD・ソースS間がオフ状態の時、開閉部43をオン状態にすると、DCリンク電圧Voが、突入電流防止回路50を介してDC/DCコンバータ30側へ投入される。
すると、図2中の実線の矢印で示すように、DCリンク部44−1→開閉部43の接点43a→速断ヒューズ42−1→入力フィルタ40→DC/DCコンバータ30内の平滑用コンデンサ34→入力フィルタ40→突入電流防止回路50内の第1コンデンサ54→速断ヒューズ42−2→開閉部43の接点43b→DCリンク部44−2という経路で、充電(突入)電流が流れる。
実線の矢印方向に突入電流が流れると、第1コンデンサ54の電圧(即ち、突入電流防止用抵抗部51の両端の電圧)が上昇し、一点鎖線の矢印方向に電流が流れる。この電流は、二点鎖線の矢印で示すように、第2コンデンサ55→第2抵抗51−2→第1コンデンサ54という経路で流れる。そのため、第2コンデンサ55を通して、第1コンデンサ54の電圧上昇が吸収される。
このように、本実施例1の突入電流防止回路50では、第1コンデンサ54が追加されているので、パワーMOSFET52のキャパシタンス特性による出力容量Cossの変動の影響が減少し、パワーMOSFET52のドレインD・ソースS間電圧の急激な上昇が抑制される。更に、第2コンデンサ55が追加されているので、突入電流により第1コンデンサ54の電圧が上昇し、パワーMOSFET52のドレインD・ソースS間電圧が耐圧を超える前に、第2コンデンサ55が第2抵抗51−2とRCスナバ回路を形成するので、パワーMOSFET52のドレインD・ソースS間電圧の上昇が吸収される。そのため、パワーMOSFET52の破損を防止できる。
その後、平滑用コンデンサ34を経由して流れる突入電流は、第1抵抗51−1a〜51−1d及び第2抵抗51−2により抑制される。
このような突入電流に対する抑制動作が完了して通常運転状態になると、駆動回路53により、パワーMOSFET52のドレインD及びソースS間がオン状態になって、第1抵抗51−1a〜51−1d及び第2抵抗51−2の両端が短絡される。これにより、通常運転時の電力損失が低減される。
(実施例1の効果)
本実施例1の突入電流防止回路50によれば、開閉部43によるDCリンク電圧Voの投入時に発生するパワーMOSFET52のドレインD・ソースS間の過電圧を抑制し、パワーMOSFET52の破損を的確に防止できる。
(変形例)
本発明は、上記実施例1に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)、(b)のようなものがある。
(a) 突入電流防止回路50は、図1の回路構成に限定されず、他の回路構成に変更しても良い。例えば、Nチャネル型パワーMOSFET52に代えて、Pチャネル型パワーMOSFETや、或いは、Nチャネル型パワーMOSFETと類似するキャパシタンス特性を有する他のパワートランジスタを使用しても良く、実施例1と同様に、そのトランジスタの破損の防止効果が期待できる。
(b) 実施例1の突入電流防止回路50は、パワーコンディショナ以外の他の電力変換装置等に適用できる。この場合、投入するDC電圧源は、DCリンク電圧Vo以外の電圧でも良い。更に、充電(突入)電流が流れるコンデンサは、平滑用コンデンサ34に限定されず、キャパシタンスが大きな他のコンデンサでも良い。
20 DC電源
30 DC/DCコンバータ
34 平滑用コンデンサ
40 入力フィルタ
43 開閉部
44−1,44−2 DCリンク部
45 DC/ACインバータ
46 負荷
47 電力系統
50 突入電流防止回路
51 抵抗部
51−1a〜51−1d 第1抵抗
51−2 第2抵抗
52 パワーMOSFET
53 駆動回路
54 第1コンデンサ
55 第2コンデンサ

Claims (7)

  1. 直流電圧源とコンデンサとの間に設けられ、前記直流電圧源の投入時に、前記直流電圧源から前記コンデンサへ流れる突入電流を抑制する突入電流防止用の抵抗部と、
    前記抵抗部に対して並列に接続され、前記突入電流の抑制動作が完了した後に、前記抵抗部を短絡するMOSFETと、
    を備えた突入電流防止回路において、
    前記抵抗部は、直列に接続された第1抵抗及び第2抵抗を有し、
    前記第1抵抗及び前記第2抵抗に対して並列に接続された第1コンデンサと、
    前記第1抵抗に対して並列に接続され、前記第2抵抗と共にスナバ回路を構成する第2コンデンサと、
    を設けたことを特徴とする突入電流防止回路。
  2. 前記MOSFETのソース及びドレイン間には、前記MOSFETと並列に、前記第1抵抗及び前記第2抵抗が接続され、
    前記MOSFETのゲートには、前記ソース及びドレイン間をオン/オフ動作させるための駆動回路が接続されていることを特徴とする請求項1記載の突入電流防止回路。
  3. 前記第1抵抗は、1つ又は複数の抵抗により構成され、
    前記第2抵抗は、1つ又は複数の抵抗により構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の突入電流防止回路。
  4. 前記MOSFETには、他の1つ又は複数のMOSFETが並列に接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の突入電流防止回路。
  5. 前記直流電圧源は、直流リンク電圧が生じる直流リンク部であり、
    前記コンデンサは、電力変換回路の平滑用コンデンサであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の突入電流防止回路。
  6. 前記MOSFETは、Nチャネル型パワーMOSFETであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の突入電流防止回路。
  7. 前記直流電圧源の投入は、遮断器のオン、又は活線挿抜部の挿入により行われることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の突入電流防止回路。
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