JP2015035797A - 信号処理システム、信号処理装置及び制御方法 - Google Patents

信号処理システム、信号処理装置及び制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015035797A
JP2015035797A JP2014043688A JP2014043688A JP2015035797A JP 2015035797 A JP2015035797 A JP 2015035797A JP 2014043688 A JP2014043688 A JP 2014043688A JP 2014043688 A JP2014043688 A JP 2014043688A JP 2015035797 A JP2015035797 A JP 2015035797A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal processing
engine
transmission
signal
data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014043688A
Other languages
English (en)
Inventor
明宏 三輪
Akihiro Miwa
明宏 三輪
山本 孝郎
Takao Yamamoto
孝郎 山本
卓朗 曽根
Takuro Sone
卓朗 曽根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP2014043688A priority Critical patent/JP2015035797A/ja
Publication of JP2015035797A publication Critical patent/JP2015035797A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F11/00Error detection; Error correction; Monitoring
    • G06F11/07Responding to the occurrence of a fault, e.g. fault tolerance
    • G06F11/0703Error or fault processing not based on redundancy, i.e. by taking additional measures to deal with the error or fault not making use of redundancy in operation, in hardware, or in data representation
    • G06F11/0706Error or fault processing not based on redundancy, i.e. by taking additional measures to deal with the error or fault not making use of redundancy in operation, in hardware, or in data representation the processing taking place on a specific hardware platform or in a specific software environment
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F11/00Error detection; Error correction; Monitoring
    • G06F11/07Responding to the occurrence of a fault, e.g. fault tolerance
    • G06F11/0703Error or fault processing not based on redundancy, i.e. by taking additional measures to deal with the error or fault not making use of redundancy in operation, in hardware, or in data representation
    • G06F11/0751Error or fault detection not based on redundancy

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Quality & Reliability (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)
  • Safety Devices In Control Systems (AREA)

Abstract

【課題】制御データや入力信号に起因した異常が発生した場合でも信号処理が継続できる信号処理システムを提供すること。
【解決手段】伝送制御装置4で動作する制御モジュール45は、フレーム周期毎に受信する確認信号S2に基づいてモニター用のエンジン53の動作に異常があるか否かを判定する。制御モジュール45は、エンジン53の動作に異常を検出した場合に、運用系の伝送バッファ42に保存された伝送フレーム20のデータの少なくとも一部を削除等して運用系のエンジン52に出力する。エンジン52は、モニター用のエンジン53の動作に異常を生じさせた伝送フレーム20がそのまま入力されることがなく引き続き正常な音響信号の出力を継続する。
【選択図】図4

Description

本願に開示の技術は、複数の装置の間で信号を伝送する機能を有する信号処理システム、信号処理装置及び制御方法に関するものである。
従来、音響信号に対する処理内容が同一の複数の信号処理エンジン(ミキシングエンジン)を並列に動作させておき、通常時はそのうちの一つの信号処理エンジンによるミキシングの結果を出力として使用する一方、使用中の信号処理エンジンに異常が生じた場合に他の信号処理エンジンによるミキシングの結果を出力として使用する信号処理システムがある(例えば、特許文献1,2など)。この信号処理システムでは、動作中の信号処理エンジンの1つが故障したとしても、すぐに他の信号処理エンジンに切り替えることによって、所謂フォールトトレラントなシステムが実現できる。
また、フォールトトレラントなシステムの構築は、音響信号を処理するシステムに限らず、映像信号などの他の信号を伝送する信号処理システムにおいても必要とされている。これは、例えば、コンサートのライブ中継やテレビ放送等で使用される信号処理システムでは、使用中の機器の動作に不具合が生じた場合に、視聴者の視覚や聴覚では感じられない程度の時間でバックアップの装置に動作を引き継がせることが要求されるためである。
特開2003−101442号公報 特開2007−306459号公報
上記した信号処理エンジンに生じる異常は、装置の故障やソフトウェアのバグなどに起因する場合だけでなく、オペレータの操作指示に応じた制御データや処理対象の音響信号などの信号処理エンジンに入力される制御データや入力信号に起因して障害が発生する場合がある。しかしながら、上記特許文献に開示される信号処理システムでは、複数の信号処理エンジンが同じ制御データ及び入力信号で動作する。このため、並列に動作する複数の信号処理エンジンは、例えば、過大な入力信号やゲインを過大に設定指示する制御データなどが入力された場合に、ハングアップなどの障害が全ての信号処理エンジンにおいて同様に発生することとなる。つまり、上記したフォールトトレラントな信号処理システムでは、たとえ使用中の信号処理エンジンの異常に応じて使用するエンジンを切り替えたとしても複数のエンジンで同様に障害が発生しうるという問題があった。結果として、このような従来の信号処理システムでは、障害により全ての信号処理エンジンがハングアップするなどし、その間、数秒から数十秒に亘って信号伝送が途切れてしまうことが想定され、システム可用性の面で十分な性能とは言えない。
本願に開示される技術は、上記の課題に鑑み提案されたものである。制御データや入力信号に起因した異常が発生した場合でも信号処理が継続できる信号処理システム、信号処理装置及び制御方法を提供することを目的とする。
本願に開示される技術に係る信号処理システムは、入力信号及び制御データに基づいて信号処理を実施する第1及び第2信号処理エンジンと、入力信号及び制御データを一時的に保持し、第2信号処理エンジンに比べて第1信号処理エンジンに入力信号及び制御データを供給するタイミングを遅延させる遅延手段と、第2信号処理エンジンの動作の異常を検出する検出手段と、第2信号処理エンジンの動作の異常を検出手段が検出した場合に、遅延手段から第1信号処理エンジンへ供給する入力信号及び制御データに含まれるデータのうち、少なくとも一部のデータを変更して第1信号処理エンジンに供給する変更手段と、を備える。
また、本願に開示される技術に係る信号処理システムでは、変更手段は、第2信号処理エンジンの動作の異常を検出した場合に、第2信号処理エンジンに対して入力された制御データに相当するデータを変更し第1信号処理エンジンへ供給をする。
また、本願に開示される技術に係る信号処理システムでは、変更手段は、第2信号処理エンジンの動作の異常を検出した場合に、第2信号処理エンジンに対して入力された入力信号に相当するデータを変更し第1信号処理エンジンへ供給する。
また、本願に開示される技術に係る信号処理装置は、入力信号及び制御データに基づいて信号処理を実施する第1及び第2信号処理エンジンと、入力信号及び制御データを一時的に保持し、第2信号処理エンジンに比べて第1信号処理エンジンに入力信号及び制御データを供給するタイミングを遅延させる遅延手段と、第2信号処理エンジンの動作の異常を検出する検出手段と、第2信号処理エンジンの動作の異常を検出手段が検出した場合に、遅延手段から第1信号処理エンジンへ供給する入力信号及び制御データに含まれるデータのうち、少なくとも一部のデータを変更して第1信号処理エンジンに供給する変更手段と、を備える。
また、本願に開示される技術に係る制御方法は、入力信号及び制御データに基づいて信号処理を実施する信号処理システムの制御方法であって、入力信号に対し制御データに基づいた信号処理を試行する段階と、試行した結果に異常があるか否かを検出する段階と、異常が検出されない場合に、入力信号に対し制御データに基づいた信号処理を実施する段階と、異常が検出された場合に、入力信号及び制御データに含まれるデータのうち、少なくとも一部のデータを変更して信号処理を実施する段階と、からなる。
本願に開示される技術によれば、制御データや入力信号に起因した異常が発生した場合でも信号処理が継続できる信号処理システム、信号処理装置及び制御方法を提供することができる。
本実施形態の信号処理システムの概略図である。 図1に示す信号処理システムで伝送される伝送フレームの構成を示す図である。 伝送制御装置のブロック図である。 図1の信号処理システムにおける信号処理の流れを説明するためのブロック図である。 制御モジュールの処理内容を示すフローチャートである。 信号処理エンジンに異常が生じた場合の伝送バッファに保存される伝送フレームと信号処理エンジンで処理される伝送フレームとの関係を示す図である。 別の信号処理システムにおける信号処理の流れを説明するためのブロック図である。 別の信号処理システムにおける信号処理の流れを説明するためのブロック図である。
(信号処理システムの構成)
図1に示す信号処理システム(以下、「システム」という)10は、入力装置2、ミキシングコンソール(以下、「コンソール」という)3、伝送制御装置4、信号処理エンジン(以下、「エンジン」という)5及び出力装置6,7が接続されたシステムである。システム10は、入力装置2に供給される信号(音響信号や映像信号など)に対して各種の信号処理を施して出力装置6から供給先となる外部装置等へ信号を送出するシステムである。以下の説明では、システム10の処理対象の信号を音響信号とした場合について説明する。システム10を構成する各装置間は、例えばEthernet(登録商標)等で接続されている。また、例えば、Dante、CobraNetやEtherSound(登録商標)などの伝送方式の伝送フレームが、複数の装置2〜6の間の物理的あるいは論理的な伝送路を伝送するものとする。伝送フレームは音響信号や制御データなどの各種データを有する。以降、各装置をEthernet(登録商標)にて接続するものとして説明するが各装置を接続する伝送路の伝送規格はこれに限らない。
入力装置2は、図示しない音響信号の供給元となる外部機器(スタジオやコンサート会場のマイクロフォン等)から入力した音響信号を含む伝送フレームを、コンソール3及び伝送制御装置4を介してエンジン5へ伝送する。伝送フレームに含まれる音響信号はデジタル音響信号とする。コンソール3は、システム10を構成する他の装置の動作をリモートで制御する。コンソール3は、エンジン5における信号処理チャンネルに対応するチャンネルストリップなどの操作子(図示略)を有し、オペレータによる操作指示を受け付ける。コンソール3は、物理的な操作子を有するハードウェアであってもよいし、あるいはパーソナルコンピュータやタブレット端末等においてソフトウェア乃至GUIにて操作子を実現したものであってもよい。オペレータは、コンソール3の操作子を操作して、エンジン5における信号処理チャンネルの音響信号のレベル調整、エフェクト付与やミキシング等の操作指示を行う。コンソール3は、オペレータが行った操作指示に応じた制御データをリモート制御の対象となる他の装置2〜6に送信する。他の装置2〜6は、コンソール3からの制御データに基づいて動作する。あるいは、コンソール3は予め時系列的に記録された制御データを順次他の装置に伝送するものであってもよい。この場合、コンソール3は操作子を省略した構成にしてもよい。本実施形態においては、コンソール3にて、入力装置2が伝送した伝送フレームに制御データを付加し、これを伝送制御装置4に伝送するよう構成しているものとするが、入力装置2とコンソール3が音響信号あるいは制御データを含む伝送フレームを各々伝送制御装置4に伝送するようにしてもよい。
伝送制御装置4は、入力装置2からエンジン5へ伝送する伝送フレームを一時的に保存する伝送バッファを有する。エンジン5は、伝送制御装置4を介して受信した伝送フレームに格納されている音響信号に対して信号処理を行うDSP(デジタルシグナルプロセッサ)を中心として構成されている。エンジン5は、コンソール3から供給される制御データの内容に基づいて入力装置2から供給された音響信号に対し信号処理を施し、処理結果の音響信号を含む伝送フレームを出力装置6あるいは出力装置7へ伝送する。ここでいう制御データは、チャンネルストリップなどの操作子を操作した操作量(例えば、スライド型操作子の移動量やこれに対応するレベル設定値等)を示す操作コマンドや信号処理の内容に応じた処理ルーチンの起動指示などである。
出力装置6,7は、供給先となる外部機器に音響信号を出力する装置であり、エンジン5から供給された伝送フレームに格納された音響信号を図示しない外部機器(放送用の送信機やオペレータルームのモニター用スピーカ等)へ出力する。なお、図1に示すシステム10の構成例は一例であり、各装置の数及び当該システムを構成する装置の種類等はこの構成に限定されない。例えば、システム10は、出力装置6から入力装置2に向かって音響信号を送信する双方向の伝送システムでもよい。また、音響信号の伝送方式や各装置の接続形態(物理的あるいは論理的なトポロジー)は図1に示した形態に限定されない。
(伝送フレームの構成)
図2は、伝送フレームの構成の一例を示している。図2に示す伝送フレーム20は、図中の左側がフレームの伝送方向の前方(先頭)である。伝送フレーム20は、先頭からプリアンブル21、管理データ領域22、音響信号記憶領域23、制御データ領域24及びフレームチェックシークエンス(FCS)領域25で構成される。プリアンブル21は、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.3で規定されるプリアンブル、送信元及び送信先のアドレス、フレーム長等を含む。また、管理データ領域22は、各装置2〜6が伝送フレームに含まれるデータを管理する情報(フレームの通し番号、各サンプリング周期内のフレームの番号)などを含む。音響信号記憶領域23は、複数の伝送チャンネル(例えば256チャンネル)分の音響信号を含めてよく、各伝送チャンネルには所定のサンプリング周波数でサンプリングされた音響信号が記憶されている。制御データ領域24は、コンソール3から送信されるリモート制御用の制御データ等を含む。なお、制御データ領域24を、図2に破線で示すように、音響信号記憶領域23と同様に複数のトランザクション(図中のコントロールデータ(CD))で構成してもよい。この場合、各トランザクションのデータは、コンソール3からエンジン5等の各装置に送信する制御データに対応する。FCS領域25は、IEEE802.3で規定されるフレームのエラーを検出するチェックコードを含む。
(各装置の構成)
図3は、伝送制御装置4のハードウェアの構成を示す。なお、他の装置(入力装置2、コンソール3、エンジン5及び出力装置6,7)のハードウェア構成は、上記特許文献1(特開2003−101442号公報)や他の特許文献(特開2010−226539号公報)などに開示された技術により実現でき、ここでの説明を省略する。図3に示すように、伝送制御装置4は、CPU31、メモリ32及び通信用I/F34を有し、各装置がバス36を介して接続されている。CPU31は、メモリ32に記憶される制御プログラムを実行し伝送制御装置4の動作を統括的に制御する。また、メモリ32は、CPU31のワークエリアとしても使用される。メモリ32はフラッシュメモリやRAM等であり単一種類のメモリであってもよいし、複数種類のメモリを組み合わせて用いてもよい。通信用I/F34は、伝送制御装置4を他の装置に接続するインターフェースであり、伝送フレーム20の送受信を制御する。
図4は、図1に示すシステム10における信号処理の流れを説明するためのブロック図である。伝送制御装置4は、受付部41、後段に接続される信号処理エンジン(本実施形態では2個)に対応する伝送バッファ42,43及び制御モジュール45を有する。伝送制御装置4は、CPU31(図3参照)にて制御プログラムを実行することにより受付部41、伝送バッファ42,43及び制御モジュール45が処理モジュールとして機能する。伝送バッファ42,43は、例えば、FIFO(First In First Out;先入れ先出し)方式のリングバッファとして構成され、伝送制御装置4のCPU31が、メモリ32に伝送バッファ42,43に対応する記憶領域を確保し、当該記憶領域への書き込み及び読み出しの位置を示すアドレスを管理することにより構成される。
エンジン5は、2個のエンジン52,53を有する。エンジン52,53は、並列に音響信号に対する信号処理を行うが、信号処理の内容は同一であり、コンソール3から同一の制御データを入力した場合には同じ動作をするよう構成している。なお、本実施形態では、説明を理解し易くするために、2つのエンジン52,53が並列に動作する構成について説明するが、3つ以上のエンジンが動作する構成については後述する。
受付部41は、コンソール3から入力した伝送フレーム20を伝送バッファ42,43のそれぞれに供給する。伝送バッファ42,43は、供給された伝送フレーム20を一時的に保存する。制御モジュール45は、伝送バッファ42,43の各々に保存された伝送フレーム20をエンジン52,53に出力する。エンジン52は、伝送バッファ42から入力された伝送フレーム20の音響信号に信号処理を施し、出力装置6を介して処理結果の音響信号を供給先の外部機器(放送用の送信機等)から出力する。これにより、入力装置2(図1参照)から入力された音響信号は、オペレータの操作に応じた信号処理が施され出力装置6から出力される。また、エンジン53は、伝送バッファ43から入力された伝送フレーム20に信号処理を施し、出力装置7を介して処理結果の音響信号を外部機器(オペレータルームのモニター用スピーカ等)から出力する。このように本実施形態のシステム10は、エンジン52を運用系のエンジンとして用い、エンジン53をモニター用のエンジンとして用いる。なお、エンジン53からの音響信号を出力装置7から外部へ出力しない構成であっても構わない。エンジン53はエンジン52に先立ち、エンジン52にて実行すべき信号処理を試行するものである。
ここで、本実施形態の伝送制御装置4においては、制御モジュール45が、伝送バッファ42,43に一時保存された同一の伝送フレーム20を出力するタイミングを、伝送バッファ43に比べて伝送バッファ42が遅延するように制御する。また、制御モジュール45は、モニター用のエンジン53の動作に異常がないかを監視する。例えば、エンジン53は、伝送フレーム20を受信する1フレーム周期(例えば、1サンプリング周期)毎に、エンジン53から出力する伝送フレーム20の内容やエンジン53の動作状況等が正常であるか否かを示す確認信号S2を制御モジュール45に送信する。確認信号S2は、伝送フレーム20を伝送する伝送路とは異なる伝送路を用いてエンジン53から制御モジュール45へ直接送信することが好ましいが、確認信号S2と伝送フレーム20とを共通の伝送路を用いて送信するようにしてもよい。制御モジュール45は、エンジン53から受信した確認信号S2が異常を示す内容である場合、あるいは予め定めたフレーム周期の間(例えば1フレーム周期の間)にエンジン53から確認信号S2が受信できない場合に、エンジン53に異常が生じたと判定する。これにより、制御モジュール45は、所定フレーム周期毎にエンジン53の動作に異常がないかを検出する。そして、制御モジュール45は、エンジン53の異常を検出した場合に、伝送バッファ42に保存された伝送フレーム20のデータの少なくとも一部を削除、あるいは加工してエンジン52に出力する制御を実行する。これにより、システム10は、モニター用のエンジン53が出力した伝送フレーム20の内容やエンジン53の動作に異常を生じさせた原因が、受付部41が受け付けた伝送フレーム20(入力装置2からの音響信号又はコンソール3からの制御データ)にあったとしても当該伝送フレーム20がエンジン52にそのまま入力されることがない。その結果、システム10は、モニター用のエンジン53で異常が生じても、運用系のエンジン52において引き続き正常な音響信号を出力しシステム全体として音響信号の入力・処理・出力を継続できるため、所謂フォールトトレラントなシステムが実現される。
(伝送バッファ42,43のバッファサイズと遅延時間)
制御モジュール45は、エンジン53から送信される確認信号S2に応じて伝送バッファ42に保存された伝送フレーム20に対する処理を実行する。本実施形態において、伝送バッファ43からエンジン53に伝送フレーム20を送信し処理するために1フレーム周期を要し、さらにエンジン53の処理後の状態を検出するために1フレーム周期を要するものとする。そのため、制御モジュール45は、伝送バッファ43がエンジン53に伝送フレーム20を送信した時点から当該伝送フレーム20を信号処理した後のエンジン53の動作状態が検出できるまでの間(すなわち制御信号S2を受信するまでの間)に、少なくとも2フレーム周期(本実施形態では2サンプリング周期)が必要となる。従って、伝送バッファ42の伝送バッファ43に対する遅延時間は、少なくとも2フレーム周期が設定される。また、伝送バッファ42のバッファサイズは、伝送バッファ43に比べて少なくとも2フレーム分の伝送フレーム20が格納できるだけ大きくすることが好ましい。なお、伝送バッファ42,43は、所定の遅延時間が確保できれば同一のバッファサイズでもよい。
(制御モジュール45の伝送フレーム20に対する処理内容)
制御モジュール45は、例えば、エンジン53の動作に異常を生じさせた1又は複数の伝送フレーム20の制御データ領域24(図2参照)の少なくとも一部のデータの送信を停止する。エンジン52,53は、例えばコンソール3から送信される制御データに従った処理によりハングアップなどの異常が生じる場合がある。また、エンジン52,53は、コンソール3のスライド操作子等に対する操作により信号レベルが過大に増幅されると、出力される音響信号の瞬時値が制限される(クリップが生じる)場合がある。このようなエンジン52,53の異常は、何れもコンソール3からの制御データの内容が原因となって発生するものと言える。このような場合、制御モジュール45は、モニター用のエンジン53の動作に異常が生じた場合に、その信号処理に用いた制御データを破棄等した伝送フレーム20を運用系のエンジン52へ送信することでエンジン52に正常な処理を継続させる。この場合、エンジン52は、直前までの信号処理の設定(信号レベルなど)を変更せずにミキシング等の信号処理を実行することとなる。
また、制御モジュール45は、例えば、異常を生じさせた伝送フレーム20の音響信号記憶領域23の少なくとも一部、あるいは該当する伝送フレーム20自体の送信を停止する。エンジン52,53は、例えば、処理対象の伝送チャンネルから読み出した音響信号が過大入力であった場合にも動作に異常が生じる場合がある。このようなエンジン52,53の異常は、信号処理のために入力された音響信号の内容が原因となって発生するものと言える。このような場合、制御モジュール45は、異常の原因となった伝送チャンネルの音響信号を破棄等した伝送フレーム20をエンジン52へ送信することでエンジン52に正常な処理を継続させる。これにより、制御モジュール45は、過大入力などの異常な音響信号のエンジン52への送信を停止することでエンジン52に正常な処理を継続させる。
また、制御モジュール45は、エンジン53の動作に異常が生じた場合に、処理に用いた伝送フレーム20そのものをエンジン52へ送信しないようにしてもよい。この処理は、エンジン53の動作に異常が生じた原因が不明な場合に有効である。また、制御モジュール45は、伝送バッファ42に保存された伝送フレーム20の内容を調整する設定でもよい。例えば、制御モジュール45は、異常を生じさせた伝送フレーム20の制御データがコンソール3のスライド操作子等を操作した操作量を示す値(例えばレベル設定値の増加量を示す値)であった場合に、その操作量を所定量まで低減して(例えば元の変化量から50%だけ下げた値に調整して)エンジン52へ送信することでエンジン52に正常な処理を継続させる。あるいは、制御モジュール45は、制御データに含まれるレベル設定値を低減する調整に限らず、元の変化量から所定量まで増大した値に調整してエンジン52へ送信してもよい。あるいは、制御モジュール45は、異常を生じさせた伝送フレーム20の音響信号の信号レベルを低減してエンジン52へ送信することでエンジン52に正常な処理を継続させる。
また、本実施形態の制御モジュール45は、上記した制御データ領域24(制御データ)と音響信号記憶領域23(音響信号)に対する処理を併用するようにしてもよい。例えば、制御モジュール45は、異常を生じさせた伝送フレーム20の制御データ領域24に有効な制御データが存在していればこれを破棄等し、存在していなかった場合(制御データそのものが格納されていない場合等)には当該伝送フレーム20の音響信号を破棄等するようにしてもよい。なお、上記した制御モジュール45による処理内容は一例であり、適宜変更される。
次に、制御モジュール45の処理動作の詳細について図5及び図6を用いて説明する。図5は制御モジュール45の処理内容を示すフローチャートである。以下の説明では、説明を理解し易くするためにモニター用のエンジン53の状態に基づく処理動作を中心に説明する。
まず、図5のステップ61において、制御モジュール45は、監視対象としているエンジン53の動作の状態を取得する。上述のとおり、エンジン53は、1フレーム周期毎に確認信号S2を制御モジュール45に送信するように構成されており、ステップ61ではこの確認信号S2を取得する。
次に、ステップ62において、制御モジュール45は、確認信号S2に基づいてエンジン53に異常が生じているか否かを判定する。制御モジュール45は、エンジン53の異常が検出されなかった場合には、伝送バッファ42,43に対する伝送フレーム20の入出力処理を実行する(ステップ64)。エンジン52,53は、次のフレーム周期において各伝送バッファ42,43から送信される伝送フレーム20を信号処理する。
また、ステップ62において、制御モジュール45は、エンジン53の動作に異常を検出した場合には、エンジン53の動作に異常を生じさせた伝送フレーム20以降に対し、伝送フレーム20に含まれるデータの少なくとも一部のエンジン52への送信を停止等する(ステップ63)。制御モジュール45は、例えば、運用系の伝送バッファ42に保存された伝送フレーム20のうち、2フレーム周期前の伝送フレーム20以降に対し制御データの送信を制限する。制御モジュール45は、例えば伝送バッファ42の該当する伝送フレーム20が有する制御データを削除してエンジン52に送信する(ステップ64)。制御モジュール45は、フレーム周期毎に上記処理を繰り返し実行する。ただし、一旦エンジン53の動作に異常を検出した場合には、ステップ61及びステップ62をスキップして常にステップ63の処理を行うものとする。
次に、図6を用いて各フレーム周期の伝送バッファ42,43に保存される伝送フレーム20と、エンジン52,53で処理される伝送フレーム20との関係について説明する。図6は、上段がモニター用の伝送バッファ43及びエンジン53の状態を示し、下段が運用系の伝送バッファ42及びエンジン52の状態を示している。なお、以下の説明では、伝送バッファ42,43の1つの伝送フレーム20が保存される記憶領域を1ブロックと称し説明する。また、伝送バッファ42,43は、1フレーム周期毎に書き込み及び読み出しアドレス(図中の「W」及び「R」)が示すアドレス値を1ブロック分だけ移動する。制御モジュール45は、伝送バッファ42,43が更新した書き込みアドレスW及び読み出しアドレスRに基づいて伝送バッファ42,43に対する伝送フレーム20の入出力を制御する。図6に示す例は、伝送バッファ42のバッファサイズが5ブロックであり、伝送バッファ43のバッファサイズが2ブロックである。この場合、伝送バッファ42の伝送バッファ43に対する遅延時間は、3フレーム周期(3ブロック)分となる。また、図6において、各伝送バッファ42,43は、図中の複数のブロックの上から下に向かって昇順にアドレスが付与されているものとする。従って、各伝送バッファ42,43は、図中の最も上側のブロックが先頭アドレスの示すブロックとなる。また、伝送フレーム20を、フレーム周期毎に処理される順にデータF−5〜F0〜F6と称し説明する。
図6に示すフレーム周期T0において、伝送バッファ43は、先頭ブロックから順に伝送フレーム20のデータF0,F−1が保存されている状態となっている。フレーム周期T0においては、制御モジュール45は、書き込みアドレスWが示す先頭ブロックにデータF0を書き込む。また、制御モジュール45は、読み出しアドレスRが示す2番目のブロックに保存されるデータF−1をエンジン53に送信する。伝送バッファ43への書き込みアドレスW及び読み出しアドレスRは、これら書き込みあるいは送信(読み出し)が完了した段階で1ブロック分だけ更新した状態となる。
次のフレーム周期T1において、制御モジュール45は、更新された書き込みアドレスWが示す2番目のブロックにデータF1を書き込む。制御モジュール45は更新した読み出しアドレスRが示す先頭ブロックからデータF0を読み出してエンジン53に送信する。また、エンジン53は、前のフレーム周期T0にて伝送バッファ43から受信したデータF−1に対する信号処理を実行する。次のフレーム周期T2においても同様に、エンジン53は、前のフレーム周期T1にて伝送バッファ43から受信したデータF0に対する信号処理を実行する。このように、エンジン53では、2フレーム周期前に伝送バッファ43に書き込まれたデータ(伝送フレーム20)を処理する。また、伝送バッファ42は、伝送バッファ43と同様に、伝送フレーム20の入出力に応じて5ブロックのバッファの書き込みアドレスW及び読み出しアドレスRを更新する。また、運用系のエンジン52は、5フレーム周期前に伝送バッファ42に書き込まれたデータを処理する。
ここで、エンジン53は、1フレーム周期毎に確認信号S2をモジュール45に送信するのであるが、あるフレーム周期で異常が生じたか否かを示す確認信号S2は次のフレーム周期の冒頭までに制御モジュール45に送信する。例えば、エンジン53は、フレーム周期T2においてデータF0を処理した結果に対する異常が生じた否かを示す確認信号S2を、次のフレーム周期T3の冒頭までに制御モジュール45に送信する。フレーム周期T2において、エンジン53に異常が生じた場合(例えば動作停止等)、制御モジュール45は、フレーム周期T3で異常を示す確認信号S2を受信あるいは確認信号S2が未受信となり、エンジン53に異常が生じたことを検出する(図中の把握状況「NG」)。
フレーム周期T3において、制御モジュール45は、例えば現フレーム周期でエンジン53が処理対象としている伝送フレーム20に基づいて、エンジン53に異常を生じさせた伝送フレーム20を判定する。上述したとおり、本実施形態のエンジン53は、2フレーム周期前に伝送バッファ43に書き込まれた伝送フレーム20を処理する。現フレーム周期T3においては、エンジン53が処理対象としている伝送フレーム20は、直前のフレーム周期T2にて伝送バッファ43が送信したデータF1である。また、確認信号S2は、直前のフレーム周期T2にてエンジン53が処理対象としていたデータF0に対するものである。従って、制御モジュール45は、フレーム周期T3にてエンジン53に異常が生じたことを検出した場合、フレーム周期T2においてエンジン53が処理対象としていたデータF0が、当該異常を生じされた伝送フレーム20であると判定する。制御モジュール45は、フレーム周期T3において、運用系のエンジン52に対応する伝送バッファ42に保存されているデータF0のデータの一部を破棄等する。なお、制御モジュール45は、2フレーム周期より前の伝送フレーム20を処理対象とする設定でもよい。即ち、制御モジュール45は、エンジン53に異常を生じさせたものと判定した伝送フレーム20よりも前のフレーム周期の伝送フレーム20(例えばデータF−1,F−2)もデータの一部破棄等を行う対象としてもよい。このように処理対象を拡張する場合、制御モジュール45がエンジン53の異常を検出し伝送バッファ42に保存されたデータを破棄等するまでのタイミングを、破棄等の処理対象となるデータ、例えばデータF0,F−1がエンジン52にて信号処理される前にすることが条件となる。
次のフレーム周期T4において、制御モジュール45は、伝送バッファ42からデータF0を読み出してエンジン52に送信する。ただし、このデータF0はフレーム周期T1にて伝送バッファ43からエンジン53に送信したデータF0からデータの一部が破棄等されたものである。
次のフレーム周期T5において、エンジン52は、直前のフレーム周期T4にて伝送バッファ42から受信したデータF0に対して信号処理を行う。このデータF0は、データの一部が破棄等されたものであるから、エンジン52は、データF0の処理に際しエンジン53と同様な異常を生じることなく、引き続き正常な状態となる。フレーム周期T6以降も同様であり、伝送バッファ42はエンジン52に対し、データの一部破棄等を継続し、エンジン52は正常な状態が維持され、システム全体として音響信号の入力・処理・出力を継続できる。
以上、上記した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
<効果1>伝送制御装置4で動作する制御モジュール45は、モニター用のエンジン53の異常を検出した場合に、運用系の伝送バッファ42に保存された対応する伝送フレーム20のデータの少なくとも一部を削除、あるいは加工して運用系のエンジン52に出力する。これにより、システム10は、モニター用のエンジン53の動作に異常を生じさせた伝送フレーム20の内容が運用系のエンジン52にそのまま入力されることがない。その結果、システム10は、モニター用のエンジン53で異常が生じても、運用系のエンジン52において引き続き正常な音響信号を出力しシステム全体として音響信号の入力・処理・出力を継続できる。
<効果2>制御モジュール45は、モニター用のエンジン53の動作に異常が生じた場合に、その信号処理に用いた制御データを破棄等した伝送フレーム20を運用系のエンジン52へ送信することでエンジン52に正常な処理を継続させる。その結果、システム10は異常なく音響信号の入力・処理・出力を継続する。
<効果3>制御モジュール45は、制御データ領域24(制御データ)と音響信号記憶領域23(音響信号)に対する処理を併用する。制御モジュール45は、異常を生じさせた伝送フレーム20の制御データ領域24に有効な制御データが存在しなかった場合(制御データ自体が含まれない等)に、当該伝送フレーム20の音響信号を破棄等する。これにより、制御モジュール45は、伝送フレーム20に対して異常を生じさせた原因に応じた処理が可能となる。
(別のシステムの構成1)
次に、上記システム10とは別の構成のシステム10Aについて図7を用いて説明する。
図7に示すシステム10Aは、伝送バッファ42及びエンジン52との間にゲートモジュール4Aを設けた点が上記システム10とは異なる。システム10Aにおいては、制御モジュール45を、伝送バッファ42内のデータの一部を破棄等する代わりに、ゲートモジュール4Aにて伝送バッファ42からエンジン52に送信するデータの一部をブロックする(フィルタリングする)よう構成している。ゲートモジュール4Aは、エンジン53において異常を生じさせた伝送フレーム20以降について、上述のとおり、制御データ及び音響信号の一方又は両方の破棄、あるいはこれらデータの加工あるいは調整を行う。その結果、エンジン52には、エンジン53において異常を生じさせた伝送フレーム20の内容がそのまま伝送されることがなく、エンジン52の動作状態(あるいは出力状態)を正常に維持することができる。
(別のシステムの構成2)
上記したシステム10あるいはシステム10Aでは、運用系とモニター用と2つのエンジン52,53を備える構成であったが、3つ以上のエンジンを有する構成でもよい。
例えば、システム10においては、モニター用の伝送バッファ43とエンジン53の組を複数(例えばN組)設け、制御モジュール45はN個の各エンジン53から送信される確認信号S2に基づいて、伝送バッファ42からのデータ読み出し・送信に関して、データの一部破棄等の処理を行うようにする。このような構成のシステム10にあっては、例えば、N個の伝送バッファ43における遅延時間が互いに異なる構成とし、伝送バッファ42の遅延時間をN個の伝送バッファ43における最大の遅延時間からさらに2フレーム周期分遅延させた構成とする。例えば、N個の伝送バッファ43の遅延時間を1フレーム周期、2フレーム周期、・・・、N+1フレーム周期とし、伝送バッファ42の遅延時間をN+3フレーム周期とする。また、N個の伝送バッファ43は、例えば遅延時間が大となるほど一部の制御データ(例えばレベル値)に関する減衰率が大となるよう伝送バッファ43へのデータ書き込み時あるいは読み出し時等に調整を加える構成とする。例えば、遅延時間が最短の伝送バッファ43は受付部41が受け付けた制御データに対して100%の値とし、遅延時間が最大の伝送バッファ43は10%となるようにする。
制御モジュール45は、N個のエンジン53のうち、先着優先で、異常を検出しなかったエンジン53に対応する伝送バッファ43の内容を伝送バッファ42に反映するよう制御する。また、制御モジュール45は、何れのエンジン53においても異常を検出した場合、上述の実施形態と同様、伝送バッファ42のデータを一部破棄する等の処理を行う。なお、上記したシステム10Aにおいては、N個の伝送バッファ43に対応するN個の伝送バッファ42及びその後段にゲートモジュール4Aを設け、出力装置6に伝送フレーム20を出力する伝送バッファ42及びゲートモジュール4Aを切り替えることにより、同様の設定・制御を行うようにすればよい。このような構成では、制御モジュール45は、N個のエンジン53を使用して伝送フレーム20に対する制御データ等の変更がエンジン53に異常を生じさせるものであったか否かを段階的に判定することが可能となる。なお、制御モジュール45は、N個のエンジン53のうち正常な処理結果が得られたエンジン53の設定(現時点での操作量など)を、他のエンジン53にフィードバックし最新の設定をN個の全てのエンジン53に反映してもよい。
(別のシステムの構成3)
また、別の構成のシステム10Bについて図8を用いて説明する。
上記システム10又はシステム10Aでは、複数の伝送バッファ42,43とエンジン52,53とが並列に動作する構成であったが、伝送バッファ42,43とエンジン52,53とが交互に接続されて動作する構成でもよい。図8に示すシステム10Bに備えられる信号処理エンジン8は、N個のエンジン81(1)〜81(N)とN−1個の伝送制御モジュール82(1)〜82(N−1)とを、図示した順番で交互に接続している。伝送制御モジュール82(1)〜82(N−1)は、上記した伝送制御装置4に対応する機能を有する処理モジュールである。この場合、システム10Bは伝送制御装置4を省略した構成となる。なお、信号処理エンジン8のエンジン81及びそれに後続する伝送制御モジュール82を一つの処理モジュールとした構成でもよい。
エンジン81(1)〜81(N−1)の各々は、正常な処理結果を得た場合に、処理結果の伝送フレーム20Aを出力バッファ84に出力する。また、エンジン81(1)〜81(N−1)の各々は、入力装置2乃至コンソール3あるいは前段の伝送制御モジュール82(1)〜82(N−1)から入力した伝送フレーム20のそのままのデータと、信号処理時の動作に異常があるか否かを示す確認信号Sを後続する伝送制御モジュール82(1)〜82(N−1)に出力する。エンジン81(1)〜81(N)は、確認信号Sを伝送フレーム20に含めて出力してもよい。
伝送制御モジュール82(1)〜82(N−1)は、前段のエンジン81(1)〜81(N−1)から動作の異常を示す確認信号Sを受信した場合に、伝送フレーム20に対する処理を実行し、処理後の伝送フレーム20を後段のエンジン81(2)〜81(N)へ出力する。伝送制御モジュール82(1)〜82(N−1)は、例えば後段に向かうに従って、スライド操作子を操作した操作量を示すレベル設定値を徐々に下げるよう伝送フレーム20の制御データの内容を調整する処理を行う。最終段の伝送制御モジュール82(N−1)は、前段のエンジン81(N−1)の処理結果が異常であった場合に、最終段のエンジン81(N)にレベル設定値を加工する制御データを破棄した伝送フレーム20を送信する。出力バッファ84は、エンジン81(1)〜81(N)のいずれかから入力された伝送フレーム20Aのうち最先に出力されたものを出力装置6に出力する。なお、伝送制御モジュール82(1)〜82(N−1)は、前段のエンジン81(1)〜81(N−1)から動作に異常がない旨の確認信号Sを受信した場合は、後段のエンジン81(2)〜82(N)への伝送フレーム20の出力を停止するようにしてもよい。この場合、あるフレーム周期に信号処理エンジン8に入力した伝送フレーム20について、エンジン81(1)〜81(N)から出力バッファ84に出力する伝送フレーム20Aは、何れか1のエンジンが出力した伝送フレーム20Aのみである。
また、エンジン81(1)〜81(N)は、伝送制御モジュール82(1)〜82(N−1)を介して直列的に接続されるため、同じ伝送フレーム20を処理するタイミングが、例えば後段のエンジンに向かうに従って1フレーム周期ずつ遅延する。このため、出力バッファ84は、例えば入力装置2乃至コンソール3から信号処理エンジン8に伝送フレーム20が入力されたフレーム周期からNフレーム周期後に同期して伝送フレーム20Aを出力装置6に出力する。
(別のシステムの構成4)
あるいは、別の構成のシステムとして、N組の伝送バッファ43とエンジン53に対して各々異なる処理を実行し、異常を検出しなかったエンジン53に対応する処理状態を伝送バッファ42とエンジン52の組に反映するようにしてもよい。例えば、伝送バッファ43とエンジン53の組が3組ある場合、1番目の組は受付部41が受け付けたデータをそのままエンジン53に伝送し、2番目の組は受け付けたデータのうち音声信号のみをエンジン53に伝送し、3番目の組みは受け付けたデータのうち制御データのみをエンジン53に伝送する。制御モジュール45は各エンジン53からの確認信号S2に基づいて異常が発生しているか否かを検出してその結果に応じて伝送バッファ42のデータの一部破棄等の処理を行う。例えば、1番目の組のエンジン53に異常を検出し他のエンジン53に異常を検出しなければ伝送バッファ42のデータのうち制御データを破棄し、1番目及び2番目の組のエンジン53に異常を検出し3番目のエンジン53に異常を検出しなければ伝送バッファ42のデータのうち音声信号を破棄する。このような構成では、制御モジュール45の処理負荷を低減することできる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、本願の信号処理システムを、複数の装置2〜6がネットワークで接続される信号処理システム10に具体化したが、装置2〜6の機能を有する単独で動作するスタンドアローン型の装置、例えばミキシング装置に具体化してもよい。あるいは、本願の信号処理システムを、信号処理システムの制御を実行するプログラムとして構成してもよい。例えば、当該プログラムを、オーディオネットワークに接続可能なルータ等のネットワーク機器に実装し、ネットワーク機器に入出力する伝送フレーム20に対する変更処理を実行するプログラム等として構成してもよい。また、エンジンは信号処理をDSPで実行するものに限らず、CPUやFPGA等他の演算装置にて実行するものであってもよいし、これらの組み合わせにてエンジンを実現したものであってもよい。
また、各モジュール(制御モジュール45など)を、演算回路等で構成したハードウェアで実装してもよい。
また、上記実施形態では、システム10の処理対象の信号として音響信号を主として説明したが、他のリアルタイムな伝送が想定される信号(映像信号など)の処理にも本願の信号処理システムを適用してもよい。具体的には、映像信号を処理する信号処理システムとは、例えばシステムに入力された映像信号に対し映像の切り替えやテロップなどの字幕を付加する映像処理を、運用系とモニター用のエンジンで実施しつつリアルタイムに外部機器に出力する信号処理システムである。
また、運用系のエンジン52は、モニター用のエンジン53と同様に、1フレーム周期(例えば、1サンプリング周期)毎に異常がない旨の確認信号S1(図4参照)を制御モジュール45に送信するようにしてもよい。制御モジュール45は、確認信号S1に基づいて運用系のエンジン52の状態についても異常の判定と伝送バッファ42に対する処理を適宜実行する。例えば、制御モジュール45はエンジン53における異常の検出に応じて第1段階目のデータの破棄等(制御データの削除等)を伝送バッファ42に保存されたデータに施し、さらに、エンジン52における異常の検出に応じて第2段階目のデータの破棄等(音響信号データの削除等)を伝送バッファ42に保存されたデータに施す。
また、信号処理システム10又は信号処理システム10Aにて、制御モジュール45は、伝送バッファ43に保存された伝送フレーム20に対するデータの一部破棄等の処理も実行してもよい。例えば、制御モジュール45は、図6に示す例ではフレーム周期T3でエンジン53の異常を検出した場合に、このフレーム周期T3以降、即ち伝送バッファ43に保存されたデータF2以降のデータの一部破棄等を実行するようにしてもよい。図7に示す信号処理システム10Aにおいては伝送バッファ43に対応するゲートモジュール(不図示)を設け、当該ゲートモジュールにおいてゲートモジュール4Aと同様の処理を行うようにすればよい。
また、上記した実施形態におけるエンジン53の動作を監視する方法は一例であり、他の方法を用いてもよい。例えば、制御モジュール45がエンジン53に対して応答確認を実施してもよい。また、エンジン53は、異常が発生した旨だけでなく、発生した異常の詳細な情報(例えば入力した信号の信号レベルや、制御データに基づくゲイン設定値等)を送信し、制御モジュール45はこれに基づいて伝送バッファ42に対する処理を制御してもよい。また、制御モジュール45は、エンジン53の動作に拘わらず、オペレータの操作に基づいて伝送バッファ42に保存された伝送フレーム20に対する処理を実行する設定でもよい。例えば、オペレータは、モニター用の出力装置7を介して出力される音声からクリップやハウリング等の音響信号の異常が判断できる。制御モジュール45は、オペレータが音響信号の異常に気付いてコンソール3の所定のスイッチを操作した場合に、その操作情報CT1(図4参照)に基づいて伝送バッファ42に保存された伝送フレーム20を処理する。この場合、伝送バッファ42の伝送バッファ43に対する遅延時間をオペレータが異常を判断できる程度に設定しておくことが好ましい。
また、制御モジュール45は、オペレータの操作ミスによってエンジン53の出力信号が途切れた場合を異常として検出し、伝送バッファ42に保存された伝送フレーム20に対する処理をしてもよい。例えば、制御モジュール45は、エンジン53の出力信号の連続性を監視する。制御モジュール45は、オペレータが誤って入力ソースを切り替える操作やミュートする操作をしてしまったことでエンジン53の出力信号が途切れた場合に出力信号の断絶を検出し、運用系の伝送バッファ42内の伝送フレーム20のうち、直前の誤った操作指示の制御データを破棄してエンジン52に伝送してもよい。このような構成は、放送設備のような原則として放送中の出力信号の断絶がないことが前提条件となるシステムに適用する場合に有効である。
また、制御モジュール45は、クリップやハウリングなどの発生を異常として検出し、音響信号(入力信号)のゲインを下げる、あるいはイコライザーの操作量を調整するなどといった内容の操作コマンドを、運用系のエンジン52に対する制御データとして生成する設定でもよい。このような構成は、システムに入力された信号が過大となった場合などに有効である。なお、制御モジュール45によるクリップやハウリングの検出方法は、種々の公知な手法を用いることができる。
また、伝送制御装置4及びエンジン5は、伝送バッファ42,43やエンジン52,53を同期させる処理を行う機能を具備してもよい。例えば制御モジュール45は、モニター用のエンジン53にハングアップ等の処理の継続が不可能な異常が生じた場合に、伝送バッファ43の出力を停止させエンジン53の再起動などを実施し、新たに起動したエンジン53を運用系のエンジン52に同期させる設定でもよい。
また、図5を用いて説明したフローチャートにて、一旦エンジン53の動作に異常を検出した場合には、ステップ61及びステップ62をスキップして常にステップ63の処理を行うものとしたが、ステップ61及びステップ62をスキップしないようにしてもよい。この場合、制御モジュール45は、エンジン53が異常状態から復旧した場合には、伝送バッファ42に対するデータの一部破棄等の処理を停止するよう動作する。例えば、図6に示す例では、フレーム周期T4において、エンジン53は、データF2を処理した結果が正常となり、次のフレーム周期T5の冒頭までにその旨の確認信号S2を制御モジュール45に送信する。制御モジュール45は、フレーム周期T5においてステップ62の判定がNO(異常が無い)となり、伝送バッファ42に保存される伝送フレーム20(データF2)がそのままエンジン52に供給されるようになる。この場合、エンジン52に適用されている制御データの状態(例えばゲインの設定値等)がエンジン53のものと異なる場合があるため、両者の状態を一致させる同期処理を行うことが好ましい。
また、本願における信号処理システムは、ローカルエリアのネットワークで実現されるシステムに限らず、例えば、インターネットを介して複数の装置(仮想マシンなど)が連係して音響信号をリアルタイムに処理する装置群(クラウドコンピューティングなど)を含む。また、本願における信号処理装置は、1つのスタンドアローン型の装置上で複数の仮想マシーンが動作するもの、例えば1つのOS上で複数の仮想マシーン(ホスト)が実行され相互に音響信号を送受信して処理する装置も含む。
因みに、信号処理システム10,10A,10Bは、信号処理システムの一例として、音響信号記憶領域23の音響信号は、入力信号の一例として、制御データ領域24の制御データは、制御データの一例として、エンジン52は、第1信号処理エンジンの一例として、エンジン53は、第2信号処理エンジンの一例として、エンジン81(1)〜81(N)は、第1及び第2信号処理エンジンの一例として、伝送バッファ42,43は、遅延手段の一例として、制御モジュール45は、検出手段、遅延手段及び変更手段の一例として、確認信号S1,S2は、検出手段の一例として挙げられる。
10,10A,10B 信号処理システム、23 音響信号記憶領域、24 制御データ領域、52,53,81(1)〜81(N) エンジン、42,43 伝送バッファ、45 制御モジュール、S1,S2 確認信号

Claims (5)

  1. 入力信号及び制御データに基づいて信号処理を実施する第1及び第2信号処理エンジンと、
    前記入力信号及び前記制御データを一時的に保持し、前記第2信号処理エンジンに比べて前記第1信号処理エンジンに前記入力信号及び前記制御データを供給するタイミングを遅延させる遅延手段と、
    前記第2信号処理エンジンの動作の異常を検出する検出手段と、
    前記第2信号処理エンジンの動作の異常を前記検出手段が検出した場合に、前記遅延手段から前記第1信号処理エンジンへ供給する前記入力信号及び前記制御データに含まれるデータのうち、少なくとも一部のデータを変更して前記第1信号処理エンジンに供給する変更手段と、
    を備えることを特徴とする信号処理システム。
  2. 前記変更手段は、前記第2信号処理エンジンの動作の異常を検出した場合に、前記第2信号処理エンジンに対して入力された前記制御データに相当するデータを変更し前記第1信号処理エンジンへ供給することを特徴とする請求項1に記載の信号処理システム。
  3. 前記変更手段は、前記第2信号処理エンジンの動作の異常を検出した場合に、前記第2信号処理エンジンに対して入力された前記入力信号に相当するデータを変更し前記第1信号処理エンジンへ供給することを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の信号処理システム。
  4. 入力信号及び制御データに基づいて信号処理を実施する第1及び第2信号処理エンジンと、
    前記入力信号及び前記制御データを一時的に保持し、前記第2信号処理エンジンに比べて前記第1信号処理エンジンに前記入力信号及び前記制御データを供給するタイミングを遅延させる遅延手段と、
    前記第2信号処理エンジンの動作の異常を検出する検出手段と、
    前記第2信号処理エンジンの動作の異常を前記検出手段が検出した場合に、前記遅延手段から前記第1信号処理エンジンへ供給する前記入力信号及び前記制御データに含まれるデータのうち、少なくとも一部のデータを変更して前記第1信号処理エンジンに供給する変更手段と、
    を備えることを特徴とする信号処理装置。
  5. 入力信号及び制御データに基づいて信号処理を実施する信号処理システムの制御方法であって、
    前記入力信号に対し前記制御データに基づいた信号処理を試行する段階と、
    前記試行した結果に異常があるか否かを検出する段階と、
    前記異常が検出されない場合に、前記入力信号に対し前記制御データに基づいた前記信号処理を実施する段階と、
    前記異常が検出された場合に、前記入力信号及び前記制御データに含まれるデータのうち、少なくとも一部のデータを変更して前記信号処理を実施する段階と、
    からなる信号処理システムの制御方法。
JP2014043688A 2013-07-08 2014-03-06 信号処理システム、信号処理装置及び制御方法 Pending JP2015035797A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014043688A JP2015035797A (ja) 2013-07-08 2014-03-06 信号処理システム、信号処理装置及び制御方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013142893 2013-07-08
JP2013142893 2013-07-08
JP2014043688A JP2015035797A (ja) 2013-07-08 2014-03-06 信号処理システム、信号処理装置及び制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015035797A true JP2015035797A (ja) 2015-02-19

Family

ID=52279908

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014043688A Pending JP2015035797A (ja) 2013-07-08 2014-03-06 信号処理システム、信号処理装置及び制御方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2015035797A (ja)
WO (1) WO2015005223A1 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4939736A (en) * 1988-09-22 1990-07-03 At&T Bell Laboratories Protection against loss or corruption of data upon switchover of a replicated system
JP5057280B2 (ja) * 2006-12-28 2012-10-24 ヤマハ株式会社 ディジタル信号処理用集積回路
JP4656542B2 (ja) * 2008-08-26 2011-03-23 Kddi株式会社 音声障害検出装置および音声自動切替装置
JP5267060B2 (ja) * 2008-11-10 2013-08-21 ヤマハ株式会社 音響信号処理システム
JP5458716B2 (ja) * 2009-07-22 2014-04-02 ヤマハ株式会社 音響信号処理システム
JP2012204864A (ja) * 2011-03-23 2012-10-22 Yamaha Corp オーディオミキシングシステム

Also Published As

Publication number Publication date
WO2015005223A1 (ja) 2015-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6178370B2 (ja) 映像伝送システム及び映像受信装置
JP2014197831A (ja) カメラシステムおよび切替装置
JP2010015403A (ja) Cec通信装置、それを用いた映像音響装置およびcec通信方法
JP2014183401A (ja) 情報処理システム、情報処理装置、データ転送装置及び情報処理システムの制御方法
JP4359786B2 (ja) データ伝送装置及びクロック切替回路
WO2015005223A1 (ja) 信号処理システム、信号処理装置及び制御方法
CN114422589A (zh) 数据传输方法、装置、设备及存储介质
US9185321B1 (en) Apparatus, system and method for processing video data, audio data and ancillary data
JP4808187B2 (ja) 経路切替方法及び装置
JP2017034440A (ja) カメラ接続型録音装置
JP2010050903A (ja) 伝送装置
WO2017038481A1 (ja) 受信装置、データ処理方法、及び、プログラム
JP7489180B2 (ja) 送信装置、受信装置、通信システム、送信方法、受信方法、及びプログラム
US20130024750A1 (en) Transmission system
JP2012124736A (ja) 通信インタフェース装置、送信制御方法および切断処理制御方法
JP5466084B2 (ja) ループ検知システム、中継装置、エッジ装置、ネットワーク管理装置及び通信ネットワークの管理方法
JP4685852B2 (ja) 系統切替装置及び切替方法
JP2015080197A (ja) 通信制御装置および通信制御方法
JP2012104869A (ja) ネットワークシステム
JP2015095792A (ja) 通信システム、通信装置および通信方法
JP6043593B2 (ja) パケット転送装置、監視方法、及びプログラム
WO2015005224A1 (ja) 信号処理システム及びプログラム
WO2022269723A1 (ja) 同期制御を行う通信システム、その同期制御方法、受信サーバ及び同期制御プログラム
US20240121198A1 (en) Dual internet protocol (ip) network input reference validation
JPWO2018078747A1 (ja) 転送装置およびフレーム転送方法