JP2015035732A - 水晶発振器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 水晶振動子Xの一端にトランジスタTrが接続された水晶発振器であって、水晶振動子Xの他端に、経時変化によって静電容量が低下するエージング特性調整用コンデンサC10を備え、エージング特性調整用コンデンサC10が、経時変化によって発振周波数が変動する水晶振動子Xのエージング特性を相殺するよう調整されている水晶発振器であり、また、調整用コンデンサC10がバリキャップダイオードである水晶発振器としている。
【選択図】 図1
Description
従来、水晶発振器の経時変化による出力周波数の変化(エージング特性)を小さく抑えようとすると、水晶振動子のブランクや電極、サポートや封止、パッケージに至るまで経時変化の小さい高安定仕様の材料を用いて、経時変化の小さい製造方法で製造することが必要となっている。
尚、水晶発振器のエージング特性を良好にする技術としては、特開2001−308641号公報「圧電発振器」(東洋通信機株式会社、特許文献1)、特開2008−178040号公報「発振器」(日本電波工業株式会社、特許文献2)がある。
特許文献2には、発振器の帰還ループに、インダクタンスとバリキャップダイオードから成る周波数選択回路を設け、バリキャップダイオードの容量を制御することにより、発振器の経時変化に応じて負性抵抗を調整することが記載されている。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る水晶発振器は、水晶振動子と接地端子との間に、経時変化によって容量が低下するコンデンサを設け、当該コンデンサによる水晶振動子の周波数変化が、水晶振動子のマイナス傾向のエージング特性を相殺するプラス傾向の特性となるように調整されているものであり、エージング特性の良好な水晶発振器を低コストで実現できるものである。
図1は、本発明の実施の形態に係る水晶発振器の構成を示す回路図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る水晶発振器(本水晶発振器)は、コルピッツ発振器であり、水晶振動子Xと、水晶振動子Xの発振周波数を増幅するトランジスタTrとを備え、トランジスタTrの一端に水晶振動子の一端が接続されている。
また、トランジスタTrのエミッタは、抵抗R2を介して接地され、ベースは、直列接続のコンデンサC1,C2を介して接地され、コンデンサC1,C2の間の点がトランジスタTrのエミッタに接続されて、出力端子が設けられている。
尚、ここでは、説明を簡単にするために調整用コンデンサ10を1つのコンデンサで構成した例について説明するが、後述するように調整用コンデンサ10を複数のコンデンサの組み合わせとして構成することも可能である。
次に、水晶発振器に用いられる水晶振動子のエージング特性の例について図2を用いて説明する。図2は、水晶振動子のエージング特性の例を示す特性図である。
図2に示すように、水晶振動子の出力周波数は、長期間に亘る動作によって機械的なストレスが発散されることや、パッケージ内部の材料からの微量なアウトガスの発生により、設定周波数の値からのずれを生じる。
水晶振動子全体のエージング特性(C)は、(A)と(B)の特性の和として表され、長期(例えば数年間)における経時変化は、一般的に、設定周波数より低下するマイナス変動となる。
次に、一般的なコンデンサの経年変化特性について図3を用いて説明する。図3は、一般的なコンデンサの経年変化特性の例を示した特性図である。
図3に示すように、コンデンサは、時間と共に静電容量が低下する「容量抜け」が発生する。
本水晶発振器では、このコンデンサの容量抜けの特性を利用して、水晶振動子のエージング特性を補償して、水晶発振器のエージング特性の向上を図るものである。
ここで、本水晶発振器のエージング特性調整用コンデンサC10の特性について説明する。
調整用コンデンサC10は、容量抜けを生じるコンデンサであり、図1に示したように水晶振動子Xと接地端子との間に設けられている。
経時変化によって調整用コンデンサC10の静電容量が低下すると、水晶振動子の負荷容量が小さくなる。これは、水晶振動子Xの発振周波数をプラス側に変動させる要因となる。
負荷容量の変化と発振周波数のオフセットとの関係を図5に示す。図5は、負荷容量に対する共振周波数オフセット量の一例を示す特性図である。
図5に示すように、負荷容量(CL)が小さくなると、周波数オフセット量(Δf/f)は増加する。つまり、負荷容量の減少は、発振周波数をプラス側に変動させるものとなっている。
これにより、水晶振動子Xと調整用コンデンサC10とのエージング特性が打ち消し合って、経年変化による水晶振動子Xの発振周波数の変動を抑え、水晶発振器のエージング特性を良好にすることができるものである。
これにより、大きなパッケージも不要となり、エージング特性が良好で、且つ小型化を図ることができる水晶発振器を低コストで実現することが可能となるものである。
本水晶発振器の応用例について図4を用いて説明する。図4は、調整用コンデンサの別の接続例を示す回路図である。尚、図4では、水晶振動子Xから接地端子までの構成を示しており、他の構成は図1と同様である。
図4(a)は、調整用コンデンサC10としてバリキャップダイオードD1を備えた構成である。
バリキャップダイオードD1をコンデンサとして用いることにより、実装後であっても初期の容量を調整することができるものである。また、バリキャップダイオードD1は、経時変化によって容量抜けを起こすものであり、適切な容量抜け特性のバリキャップダイオードを用いることにより、水晶振動子Xのエージング特性を相殺できるものである。
図4(b)(c)は、エージング特性調整用コンデンサとして複数のコンデンサを備えた例であり、(b)はコンデンサC11とC12を直列に接続した構成、(c)はコンデンサC13とC14を並列に接続した構成を示している。
更に、3個以上のコンデンサを用いて、直列接続と並列接続を組み合わせた構成としてもよい。
いずれの場合も、用いられる水晶振動子Xのエージング特性を効果的に補償するような容量抜け特性となるよう調整された調整用コンデンサを設けることにより、水晶発振器のエージング特性を良好にすることができるものである。
本発明の実施の形態に係る水晶発振器によれば、水晶振動子XとトランジスタTrとを備えたコルピッツ発振器であって、水晶振動子Xと接地端子との間に、経時変化によって静電容量が低下する(容量抜けを生じる)エージング特性調整用コンデンサC10を備え、エージング特性調整用コンデンサC10の容量抜け特性を最適化することにより、水晶振動子Xのマイナス方向のエージング特性を、エージング特性調整用コンデンサC10の負荷容量の減少によるプラス方向のエージング特性で効率的に相殺して、水晶発振器の出力周波数のエージング特性を良好にすることができ、また、小型化を妨げず低コストで実現できる効果がある。
Claims (5)
- 水晶振動子と、前記水晶振動子の一端に接続し、前記水晶振動子の出力信号を増幅するトランジスタとを備えた水晶発振器であって、
経時変化によって容量が低下する特性を備え、前記水晶振動子の他端に接続するエージング特性調整用コンデンサを設け、
前記エージング特性調整用コンデンサが、経時変化によって発振周波数が変動する前記水晶振動子のエージング特性を相殺するよう調整されていることを特徴とする水晶発振器。 - エージング特性調整用コンデンサは、バリキャップダイオードであることを特徴とする請求項1記載の水晶発振器。
- エージング特性調整用コンデンサは、複数の直列接続のコンデンサ又は複数の並列接続のコンデンサ若しくはそれらの組み合わせで構成されていることを特徴とする請求項1記載の水晶発振器。
- 複数のコンデンサの内のいずれかをバリキャップダイオードとしたことを特徴とする請求項3記載の水晶発振器。
- エージング特性調整用コンデンサは、セラミックコンデンサ、電解コンデンサ、タンタルコンデンサ、マイラコンデンサ、フィルムコンデンサのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の水晶発振器。
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2013
- 2013-08-09 JP JP2013165936A patent/JP6180846B2/ja active Active
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