JP2015035465A - 発光素子及びその製造方法、並びに、表示装置 - Google Patents

発光素子及びその製造方法、並びに、表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡素な構造であるにも拘わらず、スペックルノイズを確実に低減し得る発光素子を提供する。
【解決手段】発光素子は、第1化合物半導体層21、活性層23及び第2化合物半導体層22から構成された積層構造体20から成る発光領域11、並びに、該積層構造体20から成り、発光領域11から延在し、光出射端面を有する光伝搬領域17を備えており、発光領域11は、リッジストライプ構造部12、及び、リッジストライプ構造部12の両側に位置するリッジストライプ隣接部13から構成されており、リッジストライプ隣接部13における第2化合物半導体層の厚さをd1、光伝搬領域17における第2化合物半導体層の厚さをd2、リッジストライプ構造部12における第2化合物半導体層の厚さをd3としたとき、d3>d2>d1を満足する。
【選択図】 図1

Description

本開示は、発光素子及びその製造方法、並びに、係る発光素子を備えた表示装置に関する。
例えば、半導体レーザ素子から成る発光素子を光源として備えたプロジェクター装置といった表示装置、所謂レーザ表示装置が、例えば、特開2009−025462から周知である。レーザ表示装置は、高輝度・高精細に加え、小型・軽量であり、しかも、低消費電力といった特徴を有しており、大きな注目を浴びている。しかしながら、レーザ表示装置においては、スペックルノイズが画像や映像の画質を劣化させる要因となっている。このスペックルノイズは、レーザ光の可干渉性が高いために、スクリーンや壁面等の画像や映像を表示するレーザ照射面において散乱光が干渉し合う結果生じる現象であり、レーザ照射面の微細な凹凸の存在に起因している。
半導体レーザ素子と類似した構造を有し、レーザ発振を抑制することでスペクトル幅を広げ、可干渉性を低減するスーパールミネッセントダイオード(SLD)が注目されている。スーパールミネッセントダイオードは、レーザ光と同程度の高い指向性を有し、しかも、発光ダイオード(LED)並みの幅広い光スペクトルを有し得る発光素子である。
例えば、特開平2−310975には、従来技術として、第3図に、導波路の延びる方向を光出射端面に対して垂直とし、光出射端面近傍に端面埋め込み領域及び非励起領域が形成されたスーパールミネッセントダイオードが開示されており、第4図に、導波路を斜め導波路としたスーパールミネッセントダイオードが開示されており、更には、これらの構造を有するスーパールミネッセントダイオードの問題点が指摘されている。そして、これらの問題点を解決するために、導波路を曲がり導波路とすることで、導波路への光の結合係数を低く抑え、誘導放出を抑制し、スペクトル幅の拡大を図っている。
特開2009−025462 特開平2−310975参照
しかしながら、特開平2−310975に開示された技術にあっては、光出射端面に対して導波路が傾いているので、光出射端面での光の屈折に起因して、光の出射方向が変化するといった問題がある。また、光出射端面から出射された光の放射形状が湾曲するといった問題もある(図21B参照)。更には、ディスプレイ用途においてレンズで集光するためには、レンズ及び光学系に工夫が必要とされる。これらの問題を解決するためには、従来の技術のように、導波路の延びる方向を光出射端面に対して、例えば垂直とすればよいが、このような構造を採用すると、導波路への光の結合係数が高くなり、誘導放出が抑制できなくなる結果、スペクトル幅が狭くなり、スペックルノイズの低減を図れなくなる。また、電流注入領域と電流非注入領域とを備え、電流注入領域と電流非注入領域との間に電流注入量が徐々に減少する電流注入端部を備えたスーパールミネッセントダイオードが、特開2000−068553から周知であるが、スーパールミネッセントダイオードの構造が複雑であるといった問題を有する。
従って、本開示の目的は、簡素な構造であるにも拘わらず、スペックルノイズを確実に低減し得る発光素子及びその製造方法、並びに、係る発光素子を備えた表示装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る発光素子は、
第1化合物半導体層、活性層及び第2化合物半導体層から構成された積層構造体から成る発光領域、並びに、
該積層構造体から成り、発光領域から延在し、光出射端面を有する光伝搬領域、
を備えており、
発光領域は、リッジストライプ構造部、及び、リッジストライプ構造部の両側に位置するリッジストライプ隣接部から構成されている。
そして、本開示の第1の態様に係る発光素子にあっては、リッジストライプ隣接部における第2化合物半導体層の厚さをd1、光伝搬領域における第2化合物半導体層の厚さをd2、リッジストライプ構造部における第2化合物半導体層の厚さをd3としたとき、
3>d2>d1
を満足する。尚、第2化合物半導体層の厚さとは、活性層と第2化合物半導体層との界面から、第2化合物半導体層の所定の領域の頂面までの厚さの平均値を意味する。
また、本開示の第2の態様に係る発光素子にあっては、発光領域における実効屈折率をneff-1、光伝搬領域における実効屈折率をneff-2としたとき、
|neff-1−neff-2|≦8×10-4
好ましくは、
|neff-1−neff-2|≦2×10-5
を満足する。
上記の目的を達成するための本開示の第1の態様あるいは第3の態様に係る発光素子の製造方法は、上記の本開示の第1の態様に係る発光素子を製造する方法である。また、上記の目的を達成するための本開示の第2の態様あるいは第4の態様に係る発光素子の製造方法は、上記の本開示の第2の態様に係る発光素子を製造する方法である。
そして、本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る発光素子の製造方法にあっては、
(a)第1化合物半導体層、活性層、第2化合物半導体層の第1層、第2化合物半導体層の第2層、及び、第2化合物半導体層の第3層を、順次、形成した後、
(b)光伝搬領域を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層を除去し、且つ、リッジストライプ隣接部を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層及び第2化合物半導体層の第2層を除去する、
各工程を備えている。
また、本開示の第3の態様あるいは第4の態様に係る発光素子の製造方法にあっては、
(a)第1化合物半導体層、活性層、第2化合物半導体層の第1層、及び、第2化合物半導体層の第2層を、順次、形成した後、
(b)光伝搬領域を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第2層の上にマスク層を形成し、次いで、
(c)発光領域を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第2層の上に第2化合物半導体層の第3層を形成した後、
(d)リッジストライプ隣接部を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層及び第2化合物半導体層の第2層を除去する、
各工程を備えている。
上記の目的を達成するための本開示の表示装置は、本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る発光素子を備えている。
本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る発光素子は、発光領域、及び、発光領域から延在し、光出射端面を有する光伝搬領域を備えている。従って、発光領域の活性層からの光は、光伝搬領域を通過し、大部分の光は光出射端面から系外に出射される。また、光出射端面に至った光の残部は光伝搬領域に戻るが、発光領域の活性層に戻る光の量は極めて少ない。即ち、発光領域の活性層への光の結合係数は低い。ところで、発光領域の活性層からの光は、発光領域と光伝搬領域との境界面においても反射される。そして、発光領域における実効屈折率neff-1と、光伝搬領域における実効屈折率neff-2との差Δneffが大きい程、発光領域と光伝搬領域との境界面において多くの光が反射される。本開示の第1の態様に係る発光素子にあっては、リッジストライプ隣接部における第2化合物半導体層の厚さd1と、光伝搬領域における第2化合物半導体層の厚さd2と、リッジストライプ構造部における第2化合物半導体層の厚さd3との関係が規定されている。また、本開示の第2の態様に係る発光素子にあっては、発光領域における実効屈折率neff-1と、光伝搬領域における実効屈折率neff-2との関係が規定されている。それ故、発光領域と光伝搬領域との境界面における光の反射を抑制することができる。それ故、簡素な構造であるにも拘わらず、発光領域の活性層への光の結合係数を一層低くすることができ、誘導放出の抑制を確実に図ることができる結果、スペクトル幅を拡大することができ、スペックルノイズの低減を図ることができる。尚、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また、付加的な効果があってもよい。
図1A、図1B及び図1Cは、それぞれ、実施例1の発光素子を構成する積層構造体の模式的な平面図、図1Aの矢印B−Bに沿った積層構造体等の模式的な断面図、及び、図1Aの矢印C−Cに沿った積層構造体等の模式的な断面図である。 図2A及び図2Bは、それぞれ、実施例1の発光素子の積層構造体等の斜視図、及び、図1Aの矢印D−Dに沿った模式的な断面図である。 図3は、実施例1の発光素子の発光領域の模式的な一部断面図である。 図4は、実施例1の発光素子の光伝搬領域の模式的な一部断面図である。 図5は、実施例1の発光素子の製造方法を説明するために積層構造体等の模式的な一部断面図である。 図6A、図6B及び図6Cは、図5に引き続き、実施例1の発光素子の製造方法を説明するために積層構造体等の模式的な一部断面図である。 図7A、図7B及び図7Cは、図6A、図6B及び図6Cに引き続き、実施例1の発光素子の製造方法を説明するために積層構造体等の模式的な一部断面図である。 図8A、図8B及び図8Cは、実施例2の発光素子の製造方法を説明するために積層構造体等の模式的な一部断面図である。 図9は、実施例3の発光素子の光伝搬領域の模式的な一部断面図である。 図10は、実施例5の表示装置の概念図である。 図11は、実施例5における別の表示装置の概念図である。 図12は、実施例1の発光素子の変形例の積層構造体等の、図1Aの矢印D−Dに沿ったと同様の模式的な断面図である。 図13A、図13B、図13C及び図13Dは、フレア構造を有するリッジストライプ構造部の外形線を示す図である。 図14は、実施例1の変形例の発光素子の発光領域の模式的な一部断面図である。 図15は、本開示の発光素子において結合係数の低下を図ることができることを説明するための、発光素子の積層構造体の模式的な平面図である。 図16は、光伝搬領域における第2化合物半導体層の厚さd2と、発光領域と光伝搬領域との実効屈折率差、及び、発光領域と光伝搬領域との境界面における反射率を求めた結果を示すグラフである。 図17は、発光領域と光伝搬領域との実効屈折率差と、結合係数の関係を示すグラフである。 図18A及び図18Bは、それぞれ、実施例1の発光素子の駆動電流と、光出力及び印加される電圧との関係を示すグラフ、及び、実施例1の発光素子から出射される光のスペクトルを示すグラフである。 図19は、比較例1の発光素子の、図1Aの矢印D−Dに沿ったと同様の模式的な断面図である。 図20A及び図20Bは、それぞれ、比較例1の発光素子の駆動電流と、光出力及び印加される電圧との関係を示すグラフ、及び、比較例1の発光素子から出射される光のスペクトルを示すグラフである。 図21A及び図21Bは、それぞれ、実施例1の発光素子から出射された光の放射形状を撮影した写真、及び、従来の光出射端面に対して導波路が傾いた発光素子から出射された光の放射形状を撮影した写真である。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本開示を説明するが、本開示は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示の第1の態様及び第2の態様に係る発光素子、本開示の第1の態様〜第4の態様に係る発光素子の製造方法、本開示の表示装置、全般に関する説明
2.実施例1(本開示の第1の態様及び第2の態様に係る発光素子、本開示の第1の態様及び第3の態様に係る発光素子の製造方法)
3.実施例2(本開示の第2の態様及び第4の態様に係る発光素子の製造方法)、その他
[本開示の第1の態様及び第2の態様に係る発光素子、本開示の第1の態様〜第4の態様に係る発光素子の製造方法、本開示の表示装置、全般に関する説明]
本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る発光素子の製造方法にあっては、
前記工程(a)において、第1化合物半導体層、活性層、第2化合物半導体層の第1層、第2化合物半導体層の第2A層、第1エッチングストップ層、第2化合物半導体層の第2B層、第2エッチングストップ層、第2化合物半導体層の第2C層、及び、第2化合物半導体層の第3層を、順次、形成し、
前記工程(b)において、光伝搬領域を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層及び第2化合物半導体層の第2C層を除去し、且つ、リッジストライプ隣接部を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層、第2化合物半導体層の第2C層、第2エッチングストップ層及び第2化合物半導体層の第2B層を除去する形態とすることが好ましい。
また、本開示の第3の態様あるいは第4の態様に係る発光素子の製造方法にあっては、
前記工程(a)において、第1化合物半導体層、活性層、第2化合物半導体層の第1層、エッチングストップ層、及び、第2化合物半導体層の第2層を形成する形態とすることが好ましい。
本開示の第1の態様に係る発光素子、あるいは又、上記の好ましい形態を含む本開示の第1の態様あるいは第3の態様に係る発光素子の製造方法によって得られた発光素子を、以下、総称して、『本開示の第1の態様に係る発光素子等』と呼ぶ場合がある。また、本開示の第2の態様に係る発光素子、あるいは又、上記の好ましい形態を含む本開示の第2の態様あるいは第4の態様に係る発光素子の製造方法によって得られた発光素子を、以下、総称して、『本開示の第2の態様に係る発光素子等』と呼ぶ場合がある。更には、本開示の第1の態様に係る発光素子等及び本開示の第2の態様に係る発光素子等を、総称して、『本開示の発光素子等』と呼ぶ場合がある。また、リッジストライプ構造部の延びる方向をX方向、活性層の幅方向をY方向、活性層の厚さ向をZ方向とする。
本開示の第1の態様に係る発光素子等にあっては、発光領域における実効屈折率をneff-1、光伝搬領域における実効屈折率をneff-2としたとき、
|neff-1−neff-2|≦8×10-4
好ましくは、
|neff-1−neff-2|≦2×10-5
を満足する形態とすることができる。
リッジストライプ構造部をXY平面で切断したときの断面形状として、矩形、等脚台形を挙げることができるし、あるいは又、多段形状(階段形状)とすることもできる。断面形状を多段形状とする場合、具体的には、例えば、第2化合物半導体層の厚さがd2である部分の幅が、第2化合物半導体層の頂面の幅よりも広く、第2化合物半導体層の厚さがd2である部分は、この部分より上に位置する第2化合物半導体層の部分からY方向に突出した形状とすることができる。
上記の好ましい形態を含む本開示の発光素子等において、光伝搬領域の長さL2は、40μm以上、好ましくは、40μm以上、200μm以下である形態とすることが望ましい。光伝搬領域の長さL2を40μm以上とすることで、光伝搬領域でのガウスビーム伝搬計算、及び、発光領域と光伝搬領域との境界面における反射率から求めた結合係数が、導波路を光出射端面から5度傾けた場合の結合係数(=1×10-7程度)と同程度となり、レーザ発振のより一層の抑制が可能となる。ここで、『結合係数』とは、活性層から光出射端面に向けて出射された光が、発光領域と光伝搬領域との境界面(界面)及び光出射端面で反射され、活性層に戻ってくるときの、(活性層に戻って光)/(活性層から出射された光)の割合を意味する。
上記の各種の好ましい形態を含む本開示の発光素子等において、発光領域と光伝搬領域との境界面(界面)における活性層の幅をW1、光伝搬領域の長さをL2としたとき、
20≦L2/W1/≦60
を満足する形態とすることが、結合係数のより一層の低下といった観点から好ましい。活性層の幅W1として、限定するものではないが、1μm以上、2μm以下を例示することができる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の発光素子等において、発光領域は光反射端面を備えており、光反射端面における光反射率は99%以上であり、光出射端面における光反射率は1%以下である形態とすることが好ましい。後述するように発光素子をスーパールミネッセントダイオードから構成する場合、発光素子にあっては、共振器が構成されることなく、活性層で生成した光が光反射端面において反射され、光出射端面から出射される。光出射端面には、無反射コート層(AR)あるいは低反射コート層が形成されている。また、光反射端面には、高反射コート層(HR)が形成されている。無反射コート層(低反射コート層)や高反射コート層として、酸化チタン層、酸化タンタル層、酸化ジルコニウム層、酸化シリコン層、酸化アルミニウム層、窒化アルミニウム層、及び、窒化ケイ素層から成る群から選択された少なくとも2種類の層の積層構造を挙げることができ、スパッタリング法や真空蒸着法等のPVD法に基づき形成することができる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の発光素子等において、リッジストライプ構造部には電流が注入され、光伝搬領域には電流が注入されない形態とすることが好ましい。そして、この場合、第1化合物半導体層は第1電極に電気的に接続されており、少なくともリッジストライプ構造部を構成する積層構造体の頂面には第2電極が形成されている形態とすることができる。尚、光伝搬領域を構成する積層構造体の頂面にも第2電極が形成されている形態とすることができるが、この場合、光伝搬領域に電流が注入されないように、光伝搬領域を構成する積層構造体の頂面と第2電極との間に絶縁材料層を形成すればよい。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の発光素子等において、化合物半導体は、AlGaInN系化合物半導体から成る構成とすることができ、この場合、発光素子は青色あるいは緑色を発光する構成とすることができる。あるいは又、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の発光素子等において、
リッジストライプ構造部を構成する積層構造体内には、第1エッチングストップ層及び第2エッチングストップ層が形成されており、
光伝搬領域を構成する積層構造体内には、第1エッチングストップ層が形成されており、光伝搬領域を構成する積層構造体の頂面は、第2エッチングストップ層から構成されており、
リッジストライプ隣接部を構成する積層構造体の頂面は、第1エッチングストップ層から構成されている構成とすることができ、この場合、化合物半導体は、AlGaInP系化合物半導体から成る構成とすることができ、この場合、発光素子は赤色を発光する構成とすることができる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む本開示の発光素子等において、少なくともリッジストライプ構造部の側面、及び、リッジストライプ隣接部の頂面には、第1誘電体膜が形成されており、光伝搬領域の頂面には、第1誘電体膜を構成する材料とは異なる材料から成る第2誘電体膜が形成されている形態とすることができる。このように、第1誘電体膜を構成する材料と第2誘電体膜を構成する材料とを異ならせることで、実効屈折率neff-1,neff-2の値の設定自由度、d1,d2,d3の値の設定自由度を高くすることができる。第1誘電体膜、第2誘電体膜は、単層から構成することもできるし、積層膜から構成することもできる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む本開示の発光素子等において、リッジストライプ構造部は直線状に延びている形態とすることができる。そして、この場合、前述したとおり、リッジストライプ構造部の延びる方向をX方向、活性層の幅方向をY方向、活性層の厚さ向をZ方向としたとき、活性層を含む仮想XY平面で光伝搬領域を切断したときの光出射端面の切断面は、Y方向に延びる直線である形態とすることができる。即ち、光出射端面は、リッジストライプ構造部の延びるX方向と直交しており(YZ面と平行であり)、あるいは又、光出射端面は、Y方向と平行な軸線を中心として回転した状態で形成されている形態とすることができる。発光素子の形態に依存するが、光出射端面や光反射端面は、劈開によって形成する必要は無い。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む本開示の発光素子等において、光出射端面から出射される光の発光スペクトルの半値幅は1nm以上、好ましくは、4nm以上であることが望ましい。発光領域の長さを長くすることで、発光スペクトルの半値幅を拡げることも可能であるし、発光領域の長さを適切に設計することで、特定の発光スペクトルの半値幅を得ることも可能である。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む本開示の発光素子等において、発光素子はスーパールミネッセントダイオード(SLD)から成る形態とすることができる。
また、本開示の表示装置として、発光素子を光源として備えたプロジェクター装置や画像表示装置、モニター装置、発光素子を光源として備えた反射型液晶表示装置、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、各種照明を挙げることができる。また、本開示の発光素子を顕微鏡の光源として用いることができる。
以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む本開示の発光素子等において、前述したとおり、第1化合物半導体層、活性層及び第2化合物半導体層から構成された積層構造体はAlGaInP系化合物半導体から成る形態とすることができ、この場合、活性層は、GaInP層若しくはAlGaInP層から成る井戸層と、AlGaInP層から成る障壁層とが積層された量子井戸構造を有する形態とすることができる。あるいは又、第1化合物半導体層、活性層及び第2化合物半導体層から構成された積層構造体は、GaN、AlGaNを含むAlGaInN系化合物半導体から成る形態とすることができ、この場合、活性層は、AlGaInN層から成る井戸層と、In組成の異なるAlGaInN層から成る障壁層とが積層された量子井戸構造を有する形態とすることができる。積層構造体の構成、それ自体は、周知の構成とすることができる。積層構造体は基板上に形成されており、基板側から、第1化合物半導体層、活性層及び第2化合物半導体層が積層された構造を有する。第1化合物半導体層あるいは基板には第1電極が接続され、第2化合物半導体層には第2電極が接続される。
以下の説明において、発光領域と光伝搬領域との境界面近傍のリッジストライプ構造部の領域を、便宜上、『第1領域』と呼び、リッジストライプ構造部の光反射端面近傍の領域を、便宜上、『第3領域』と呼び、第1領域と第3領域によって挟まれたリッジストライプ構造部の領域を、便宜上、『第2領域』と呼ぶ。
リッジストライプ構造部は、一定幅で延びていてもよいし、所謂フレア構造を有していてもよい。具体的には、リッジストライプ構造部の幅WRは、発光領域と光伝搬領域との境界面において最も広い形態とすることができるし、あるいは又、発光領域と光伝搬領域との境界面において最も狭い形態とすることもでき、発光素子に要求される仕様に依存する。これらの場合、第1領域にあっては、
(a−1)幅WRが、光反射端面に向かって徐々に狭くなる。
(a−2)幅WRが、一定である。
(a−3)幅WRが、光反射端面に向かって徐々に広がる。
といった形態を採用することができるし、第3領域にあっては、
(b−1)幅WRが、光反射端面に向かって徐々に狭くなる。
(b−2)幅WRが、一定である。
(b−3)幅WRが、光反射端面に向かって徐々に広がる。
といった形態を採用することができるし、第2領域にあっては、
(c−1)幅WRが、光反射端面に向かって徐々に狭くなる。
(c−2)幅WRが、一定である。
(c−3)幅WRが、光反射端面に向かって徐々に広がる。
(c−4)幅WRが、光反射端面に向かって徐々に狭くなり、次いで、一定幅となる。
(c−5)幅WRが、光反射端面に向かって徐々に狭くなり、次いで、光反射端面に向かって徐々に広がる。
(c−6)幅WRが、光反射端面に向かって徐々に狭くなり、次いで、一定幅となり、次いで、光反射端面に向かって徐々に広がる。
(c−7)幅WRが、光反射端面に向かって徐々に広くなり、次いで、一定幅となる。
(c−8)幅WRが、光反射端面に向かって徐々に広くなり、次いで、光反射端面に向かって徐々に狭くなる。
(c−9)幅WRが、光反射端面に向かって徐々に広くなり、次いで、一定幅となり、次いで、光反射端面に向かって徐々に狭くなる。
といった形態を採用することができ、これらの第1領域の形態、第2領域の形態、第3領域の形態を、適宜、組み合わせればよい。
基板として、GaN基板、GaAs基板、GaP基板、AlN基板、AlP基板、InN基板、InP基板、AlGaInN基板、AlGaN基板、AlInN基板、AlGaInP基板、AlGaP基板、AlInP基板、GaInP基板、ZnS基板、サファイア基板、SiC基板、アルミナ基板、ZnO基板、LiMgO基板、LiGaO2基板、MgAl24基板、Si基板、Ge基板を挙げることができる。更には、これらの基板の表面(主面)に、バッファ層や中間層が形成されたものを基板として用いることもできる。また、これらの基板の主面に関して、結晶構造(例えば、立方晶型や六方晶型等)によっては、所謂A面、B面、C面、R面、M面、N面、S面等の名称で呼ばれる結晶方位面、あるいは、これらを特定方向にオフさせた面等を用いることもできる。また、前述したY方向と平行な軸線を回転軸として回転させた仮想平面で少なくとも光反射端面あるいは光出射端面のどちらか一方の端面を劈開をすることができるような結晶面を主面として有する基板を用いることもできる。
積層構造体を構成する化合物半導体層に添加されるn型不純物として、例えば、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、セレン(Se)、錫(Sn)、炭素(C)、テルル(Te)、硫黄(S)、O(酸素)、Pd(パラジウム)を挙げることができるし、p型不純物として、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、ベリリウム(Be)、カドミウム(Cd)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)を挙げることができる。活性層は、単一量子井戸構造[QW構造]を有していてもよいし、多重量子井戸構造[MQW構造]を有していてもよい。積層構造体の形成方法(成膜方法)として、有機金属化学的気相成長法(MOCVD法、MOVPE法)や有機金属分子線エピタキシー法(MOMBE法)、ハロゲンが輸送あるいは反応に寄与するハイドライド気相成長法(HVPE法)、プラズマアシステッド物理的気相成長法(PPD法)を挙げることができる。リッジストライプ構造部を形成するために積層構造体をエッチングする方法として、リソグラフィ技術とウェットエッチング技術の組合せ、リソグラフィ技術とドライエッチング技術の組合せを挙げることができる。
(第1誘電体膜を構成する材料,第2誘電体膜を構成する材料)の組合せとして、(TiO2,SiO2)、(TiO2,Al23)、(AlN,SiO2)、(AlN,Al23)、(Ta25,SiO2)、(Ta25,Al23)を例示することができる。
第1エッチングストップ層及び第2エッチングストップ層は、例えば、アンモニア過水等によるウェットエッチングに耐性のある材料から構成すればよく、例えば、GawIn1-wPを例示することができる。第1エッチングストップ層と第2エッチングストップ層とは、同じ材料から構成することもできるし、異なる材料から構成してもよい。第1エッチングストップ層、第2エッチングストップ層の厚さとして5nmを例示することができる。第1エッチングストップ層、第2エッチングストップ層は、単層から構成することもできるし、積層膜から構成することもできる。
マスク層(選択成長用マスク層)の具体的な構成として、酸化シリコン層(SiOX層)、窒化シリコン層(SiNY層)、SiON層、Ta25層、ZrO2層、AlN層、Al23層、これらの層の積層構造(例えば、下から、酸化シリコン層、窒化シリコン層の積層構造)といった半導体酸化物層あるいは半導体窒化物層;ニッケル層やタングステン層、チタン層、金層、白金層といった高融点金属層;これらの金属を適切な組成で調整した合金(例えば、TiW、TiWCr、TiWNi、NiCr、TiNiCr、又は、これら合金とAu、あるいは、これら合金とPtとの合金等)から成る層;各種高融点金属(合金)酸化物層;各種高融点金属(合金)窒化物層;これらの異なる金属や合金、合金酸化物、合金窒化物を組み合わせた多層膜;レジスト材料層を挙げることができ、化学的気相成長法(CVD法)、あるいは、例えば真空蒸着法や、スパッタリング法といった物理的気相成長法(PVD法)、塗布法と、リソグラフィ技術及びエッチング技術によるパターニングとの組合せに基づき形成することができる。マスク層を構成する材料に依存して、マスク層を残したままとしてもよいし、除去してもよい。マスク層の除去は、マスク層を構成する材料に依存して、ウェットエッチング法を採用してもよいし、ドライエッチング法を採用してもよいし、アッシング技術を用いてもよい。
積層構造体は、第1電極及び第2電極に接続される。第1電極あるいは第2電極をp型の導電型を有する化合物半導体層あるいは基板上に形成する場合、係る電極(p側電極)として、Au/AuZn、Au/Pt/Ti(/Au)/AuZn、Au/AuPd、Au/Pt/Ti(/Au)/AuPd、Au/Pt/TiW(/Ti)(/Au)/AuPd、Au/Pt/Ti、Au/Tiを挙げることができる。また、第1電極あるいは第2電極をn型の導電型を有する化合物半導体層あるいは基板上に形成する場合、係る電極(n側電極)として、Au/Ni/AuGe、Au/Pt/Ti(/Au)/Ni/AuGe、Au/Pt/TiW(/Ti)/Ni/AuGeを挙げることができる。尚、「/」の前の層ほど、活性層から電気的に離れたところに位置する。第1電極は第1化合物半導体層に電気的に接続されているが、第1電極が第1化合物半導体層上に形成された形態、第1電極が導電材料層や導電性の基板を介して第1化合物半導体層に接続された形態が包含される。第1電極や第2電極は、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法等の各種PVD法にて成膜することができる。第1電極や第2電極上に、外部の電極あるいは回路と電気的に接続するために、パッド電極を設けてもよい。パッド電極は、Ti(チタン)、アルミニウム(Al)、Pt(白金)、Au(金)、Ni(ニッケル)から成る群から選択された少なくとも1種類の金属を含む、単層構成又は多層構成を有することが望ましい。あるいは又、パッド電極を、Ti/Pt/Auの多層構成、Ti/Auの多層構成に例示される多層構成とすることもできる。
また、電極をp型の導電型を有する化合物半導体層上に形成する場合、電極とp型の導電型を有する化合物半導体層との間に透明導電性材料層を形成してもよい。透明導電性材料層を構成する透明導電性材料として、インジウム−錫酸化物(ITO,Indium Tin Oxide,SnドープのIn23、結晶性ITO及びアモルファスITOを含む)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO,Indium Zinc Oxide)、IFO(FドープのIn23)、酸化錫(SnO2)、ATO(SbドープのSnO2)、FTO(FドープのSnO2)、酸化亜鉛(ZnO、AlドープのZnOやBドープのZnOを含む)を例示することができる。
実施例1は、本開示の第1の態様及び第2の態様に係る発光素子、本開示の第1の態様及び第3の態様に係る発光素子の製造方法に関する。実施例1の発光素子を構成する積層構造体の模式的な平面図を図1Aに示し、図1Aの矢印B−Bに沿った積層構造体等の模式的な断面図を図1Bに示し、図1Aの矢印C−Cに沿った積層構造体等の模式的な断面図を図1Cに示す。更には、実施例1の発光素子の積層構造体等の斜視図を図2Aに示し、図1Aの矢印D−Dに沿った積層構造体等の模式的な断面図を図2Bに示し、発光領域の模式的な一部断面図を図3に示し、光伝搬領域の模式的な一部断面図を図4に示す。
具体的には、スーパールミネッセントダイオード(SLD)から成り、赤色を出射する実施例1の発光素子(半導体発光素子)は、
第1化合物半導体層21、活性層23及び第2化合物半導体層22から構成された積層構造体20から成る発光領域11、並びに、
該積層構造体20から成り、発光領域11から延在し、光出射端面18を有する光伝搬領域17、
を備えており、
発光領域11は、リッジストライプ構造部12、及び、リッジストライプ構造部12の両側に位置するリッジストライプ隣接部13から構成されている。積層構造体20は、具体的には、AlGaInP系化合物半導体から成る。尚、参照番号14は、リッジストライプ隣接部13の外側に位置する積層構造体の部分を指す。
そして、リッジストライプ隣接部13における第2化合物半導体層22の厚さをd1、光伝搬領域17における第2化合物半導体層22の厚さをd2、リッジストライプ構造部12における第2化合物半導体層22の厚さをd3としたとき、
3>d2>d1
を満足する。また、発光領域11における実効屈折率をneff-1、光伝搬領域17における実効屈折率をneff-2としたとき、
|neff-1−neff-2|≦8×10-4
好ましくは、
|neff-1−neff-2|≦2×10-5
を満足する。
そして、リッジストライプ構造部12を構成する積層構造体20内には、第1エッチングストップ層31及び第2エッチングストップ層32が形成されている。また、光伝搬領域17を構成する積層構造体20内には、第1エッチングストップ層31が形成されている。更には、光伝搬領域17を構成する積層構造体20の頂面は、第2エッチングストップ層32から構成されている。リッジストライプ隣接部13を構成する積層構造体20の頂面は、第1エッチングストップ層31から構成されている。第2化合物半導体層22は、具体的には、第1層22A、第2A層22B1、第2B層22B2、及び、第2C層22B3から構成されている。
そして、リッジストライプ構造部12を構成する積層構造体20は、第1化合物半導体層21、活性層23、並びに、第2化合物半導体層22の第1層22A、第2A層22B1、第2B層22B2、第2C層22B3及び第3層22C,22Dから構成されている。第1エッチングストップ層31は、第2化合物半導体層の第2A層22B1と第2B層22B2との間に形成されており、第2エッチングストップ層32は、第2化合物半導体層の第2B層22B2と第2C層22B3との間に形成されている。ここで、リッジストライプ構造部12における第2化合物半導体層22の厚さd3は、第2化合物半導体層22の第1層22A、第2A層22B1、第1エッチングストップ層31、第2B層22B2、第2エッチングストップ層32及び第2C層22B3、第3層22C,22Dの厚さの合計である。
また、光伝搬領域17を構成する積層構造体20は、第1化合物半導体層21、活性層23、並びに、第2化合物半導体層22の第1層22A、第2A層22B1及び第2B層22B2から構成されている。第1エッチングストップ層31は、第2化合物半導体層の第2A層22B1と第2B層22B2との間に形成されており、第2エッチングストップ層32は、第2化合物半導体層の第2B層22B2の頂面に位置する。ここで、光伝搬領域17における第2化合物半導体層の厚さd2は、第2化合物半導体層22の第1層22A、第2A層22B1、第1エッチングストップ層31、第2B層22B2及び第2エッチングストップ層32の厚さの合計である。
更には、リッジストライプ隣接部13を構成する積層構造体20は、第1化合物半導体層21、活性層23、並びに、第2化合物半導体層22の第1層22Aから構成されている。第1エッチングストップ層31は、第2化合物半導体層の第2A層22B1の頂面に位置する。ここで、リッジストライプ隣接部13における第2化合物半導体層の厚さd1は、第2化合物半導体層22の第1層22A、第2A層22B1及び第1エッチングストップ層31の厚さの合計である。
第1エッチングストップ層31及び第2エッチングストップ層32は、アンモニア過水等によるウェットエッチングに耐性のある材料から構成されており、具体的には、GawIn1-wPから成る。
具体的には、第1化合物半導体層21は、基板側から、第1クラッド層、第1光ガイド層から構成されており、基板10と第1化合物半導体層21との間にはバッファ層が形成されている。尚、バッファ層は図示していない。また、第1化合物半導体層21を1層で図示している。活性層23は多重量子井戸構造を有しており、GasIn1-sP層若しくは(AlsGa1-s0.5In0.5P層から成る井戸層と、(AltGa1-t0.5In0.5P層から成る障壁層とが積層された量子井戸構造を有する。具体的には、障壁層を4層、井戸層を3層としたが、これに限定するものではない。第2化合物半導体層の第1層22Aは第2光ガイド層を構成し、第2化合物半導体層の第2層22は第2クラッド層を構成し、第2化合物半導体層の第3層22Cは電流スプレッド層を構成し、第2化合物半導体層の第3層22Dはコンタクト層を構成する。
リッジストライプ構造部12は、一定幅(WR=1.7μm)で、直線状にX方向に延びている。活性層23を含む仮想XY平面で光伝搬領域17を切断したときの光出射端面18の切断面は、Y方向に延びる直線である。即ち、光出射端面18は、リッジストライプ構造部12の延びるX方向と直交している。云い換えれば、光出射端面18は、リッジストライプ構造部12の延びるX方向に対して垂直(YZ面と平行)である。リッジストライプ構造部12をXY平面で切断したときの断面形状は、例えば、等脚台形である。
発光領域11は光反射端面15を備えており、光反射端面15における光反射率は99%以上、具体的には、99.9%以上である。一方、光出射端面18における光反射率は1%以下、具体的には、0.3%以下である。光出射端面18には、無反射コート層(AR)あるいは低反射コート層が形成されており、光反射端面15には、高反射コート層(HR)が形成されているが、これらの図示は省略した。
リッジストライプ構造部12には電流が注入され、光伝搬領域17には電流が注入されない。具体的には、第1化合物半導体層21は第1電極25に電気的に接続されており(より具体的には、第1電極25は、導電性を有するn−GaAs基板から成る基板10の裏面に形成されている)、リッジストライプ構造部12を構成する積層構造体20の頂面、及び、光伝搬領域17を構成する積層構造体20の頂面には、第2電極26が形成されている。第2電極26は、具体的には、第2化合物半導体層側から、厚さ0.05μmのTi層、厚さ0.1μmのPt層、厚さ0.3μmのAu層の多層膜から成る。尚、光伝搬領域17に電流が注入されないように、光伝搬領域17を構成する積層構造体20の頂面と第2電極との間には、膜厚0.17μmのSiO2から成る絶縁材料層(誘電体膜24)が形成されている。また、発光領域11を構成する積層構造体20の上にも絶縁材料層(誘電体膜24)が形成されている。第2化合物半導体層22の頂面に位置する誘電体膜24には開口部が形成されており、第2電極26はこの開口部を介して第2化合物半導体層22の頂面(具体的には、コンタクト層に相当する第2化合物半導体層の第3層22D)と接している。また、第2電極26は、誘電体膜24上を延在している。尚、図1B、図1C、図2A、図2Bにおいては第2電極の図示を省略しており、図2A、図2Bにおいては第1電極の図示を省略している。
赤色を出射する発光素子(半導体発光素子)におけるAlGaInP系化合物半導体から成る積層構造体20の構成を以下の表1に示すが、最下段に記載された化合物半導体層が基板10上に形成されている。
[表1]
実施例1の発光素子における各種パラメータを以下の表2のとおりとした。また、実効屈折率neff-1,neff-2の値も表2に示す。ここで実効屈折率は、國分 泰雄 著、「光波工学 (先端光エレクトロニクスシリーズ6) 」、共立出版株式会社、第5章、第160頁〜第162頁や、R. Ulrich and R. J. Martin: Appl. Opt., vol. 10, No. 9, pp2077-2085, 1971 に記載された等価屈折率法に基づき求めることができる。即ち、発光素子における積層構造体20の構成や構造、厚さ、誘電体膜24の材料や構成、厚さ、第2電極25の材料や構成、厚さ、リッジストライプ構造部12の幅等が決定されれば、それぞれの層、構成要素を形成する物質の屈折率(文献値を使用する)から光の分布を計算することで、第2化合物半導体層の厚さd3を有するリッジストライプ構造部12、第2化合物半導体層の厚さd1を有するリッジストライプ隣接部13、第2化合物半導体層の厚さd2を有する光伝搬領域17における屈折率を算出することができる。そして、リッジストライプ構造部12及びリッジストライプ隣接部13の幅方向の大きさ(距離)と、リッジストライプ構造部12及びリッジストライプ隣接部13における屈折率に基づき、発光領域11における実効屈折率neff-1を求めることができる。光伝搬領域17に関しては、幅方向の構成、構造が一様なので、光伝搬領域17における屈折率が光伝搬領域17における実効屈折率neff-2となる。図16に、光伝搬領域17における第2化合物半導体層の厚さd1を495nm、一定とし、リッジストライプ構造部12における第2化合物半導体層の厚さd2を変化させたときの実効屈折率差(図16の「A」の菱形のグラフ参照)及び発光領域11と光伝搬領域17との境界面(界面)16での反射率(図16の「B」の四角のグラフ参照)を示す。
[表2]
1 =0.225μm
2 =0.280μm
3 =1.52μm
1 =1.7μm
2 =40μm
eff-1=3.2272614
eff-2=3.2272690
eff-2−neff-1=7.6×10-6
図15に実施例1の発光素子の積層構造体の模式的な平面図を示すように、発光領域11から出射され、光出射端面18から大部分の光は出射され、僅かではあるが、残部が光出射端面18で反射される。そして、光伝搬領域17が存在するので、図15に示すように、光出射端面18で反射された光の一部のみが、発光領域11に戻される。こうして、結合係数の低下を図ることができる。
発光領域11と光伝搬領域17との実効屈折率差が極めて小さいので、上記のパラメータに基づき結合係数を求めると、2×10-6となった。また、境界面(界面)16における反射率は6×10-4%程度であった。尚、発光領域11と光伝搬領域17との実効屈折率差と、結合係数の関係を図17のグラフに示す。更には、図18Aに、得られた実施例1の発光素子を200ミリアンペアまで連続発振駆動したときの光出力(図18Aの「A」参照)及び電圧(図18Aの「B」参照)を示す。また、得られた実施例1の発光素子を光出力が15ミリワットとなる電流値で定電流駆動したときのスペクトルを図18Bに示すが、スペクトル幅として2nmが得られた。更には、図21Aに示すように、光出射端面から出射された光の放射形状は、図21Bに示した従来例とは異なり、湾曲していない。
尚、光伝搬領域17における積層構造体の構造を、発光領域11における積層構造体の構造と同じとした発光素子を、比較例1の発光素子として試作した。比較例1の発光素子の、図1Aの矢印D−Dに沿ったと同様の模式的な断面図を、図19に示す。この比較例1の発光素子の光伝搬領域17における実効屈折率n’eff-2は、
n’eff-2=3.2285759
であった。ここで、比較例1の発光素子の発光領域11の実効屈折率neff-1は、実施例1の発光素子の発光領域11の実効屈折率neff-1と同じ値である。従って、
n’eff-2−neff-1=1.3145×10-3
となり、境界面(界面)における反射率は4×10-2%程度となり、実施例1と比較して102のオーダーで大きくなり、レーザ発振が抑制できない。図20Aに、得られた比較例1の発光素子を連続発振駆動したときの光出力(図20Aの「A」参照)及び電圧(図20Aの「B」参照)を示す。また、得られた比較例1の発光素子を光出力が15ミリワットとなる電流値で定電流駆動したときのスペクトルを図20Bに示すが、スペクトル幅は0.1nm程度である。
以下、積層構造体等の模式的な一部断面図である図5、図6A、図6B、図6C、図7A、図7B及び図7Cを参照して、実施例1の発光素子の製造方法を説明する。
[工程−100]
先ず、n−GaAs基板から成る基板10に上に、周知のMOCVD法に基づき、バッファ層、第1化合物半導体層21、活性層23、第2化合物半導体層22(第2化合物半導体層の第1層22A、第2化合物半導体層の第2層22B、及び、第2化合物半導体層の第3層22C,22D)を、順次、形成する。より具体的には、第1化合物半導体層21、活性層23、第2化合物半導体層の第1層22A、第2化合物半導体層の第2A層22B1、第1エッチングストップ層31、第2化合物半導体層の第2B層22B2、第2エッチングストップ層32、第2化合物半導体層の第2C層22B3、及び、第2化合物半導体層の第3層22C,22Dを、順次、形成する(図5参照)。そして、周知の方法で加熱処理等を行う。組成等に関しては表1及び表2を参照のこと。
次いで、光伝搬領域17を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層22C,22Dを除去し、且つ、リッジストライプ隣接部13を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層22C,22D及び第2化合物半導体層の第2層22Bを除去する。具体的には、光伝搬領域17を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層22C,22D及び第2化合物半導体層の第2C層22B3を除去し、且つ、リッジストライプ隣接部13を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層22C,22D、第2化合物半導体層の第2C層22B3、第2エッチングストップ層32及び第2化合物半導体層の第2B層22B2を除去する。
[工程−110]
より具体的には、全面にエッチング用レジスト層33を形成し、フォトリソグラフィ技術に基づき、リッジストライプ隣接部13を形成すべき領域のエッチング用レジスト層33の部分に開口を形成する。こうして、図6A、図6B、図6Cに示す構造を得ることができる。尚、図6Aあるいは後述する図7Aは、図1Aの矢印D−Dに沿ったと同様の模式的な断面図であり、図6Bあるいは後述する図7Bは、図1Aの矢印B−Bに沿ったと同様の模式的な断面図であり、図6Cあるいは後述する図7Cは、図1Aの矢印C−Cに沿ったと同様の模式的な断面図である。そして、積層構造体20をウェットエッチングすることで、リッジストライプ隣接部13における積層構造体20を除去する。具体的には、積層構造体20を構成する第2化合物半導体層の第3層22D,22C、第2化合物半導体層の第2C層22B3、第2エッチングストップ層32、第2化合物半導体層の第2B層22B2までをウェットエッチングし、第1エッチングストップ層31においてエッチングを停止させる。その後、エッチング用レジスト層33を除去する。
[工程−120]
次に、発光領域11を覆い、光伝搬領域17を形成すべき領域の部分に開口を有するエッチング用レジスト層を形成する。そして、そして、積層構造体20をウェットエッチングすることで、光伝搬領域17における積層構造体20を除去する。具体的には、積層構造体20を構成する第2化合物半導体層の第3層22D,22C、第2化合物半導体層の第2C層22B3までをウェットエッチングし、第2エッチングストップ層32においてエッチングを停止させる。その後、エッチング用レジスト層を除去する。こうして、図7A、図7B、図7Cに示す構造を得ることができる。
[工程−130]
その後、全面に絶縁材料層(誘電体膜)24を、例えば、CVD法に基づき形成し、第2化合物半導体層22の頂面に位置する絶縁材料層24の部分を除去する。そして、全面に第2電極26を形成する。次いで、基板10を所定の厚さまで薄くし、基板10の裏面に、例えば、Au/Ni/AuGe(AuGeが基板10と接する)から成る第1電極25を形成する。そして、素子分離を行うことで、実施例1の発光素子を得ることができる。
以上のとおり、実施例1の発光素子は、発光領域、及び、発光領域から延在し、光出射端面を有する光伝搬領域を備えている。従って、光出射端面に至った光の一部は光伝搬領域に戻るが、発光領域の活性層に戻る光の量は極めて少なく、結合係数の低下を図ることができる。しかも、リッジストライプ隣接部における第2化合物半導体層の厚さd1と、光伝搬領域における第2化合物半導体層の厚さd2と、リッジストライプ構造部における第2化合物半導体層の厚さd3との関係が規定されており、また、発光領域における実効屈折率neff-1と、光伝搬領域における実効屈折率neff-2との関係が規定されているので、発光領域と光伝搬領域との境界面における光の反射を抑制することができ、結合係数の一層の低下を図ることができる。以上の結果として、簡素な構造であるにも拘わらず、誘導放出の抑制を図ることができる結果、スペクトル幅を拡大することができ、スペックルノイズの低減を図ることができる。しかも、光出射端面は、リッジストライプ構造部の延びるX方向と直交している。云い換えれば、光出射端面は、リッジストライプ構造部の延びるX方向に対して垂直(YZ面と平行)である。従って、放射強度分布が、発光素子の水平方向及び垂直方向においてガウス分布となり、レンズによる集光が容易であるし、光学系の設計も容易となる。しかも、光出射端面から出射された光の放射形状が湾曲するといった問題が生じることも無い。以上の結果として、実施例1の発光素子は、例えば、表示装置への応用が極めて容易となる。
実施例2は、実施例1の変形であり、また、本開示の第2の態様及び第4の態様に係る発光素子の製造方法に関する。実施例2の発光素子の製造方法によって得られる発光素子は、実質的に実施例1において説明した発光素子と同じ構成、構造を有している。以下、図1Aの矢印D−Dに沿ったと同様の積層構造体等の模式的な一部断面図である図8A、図8B及び図8Cを参照して、実施例2の発光素子の製造方法を説明する。
[工程−200]
先ず、n−GaAs基板から成る基板10に上に、周知のMOCVD法に基づき、バッファ層、第1化合物半導体層21、活性層23、第2化合物半導体層の第1層22A、及び、第2化合物半導体層の第2層22Bを、順次、形成する。より具体的には、第1化合物半導体層21、活性層23、第2化合物半導体層の第1層22A、第2化合物半導体層の第2A層22B1、エッチングストップ層31、及び、第2化合物半導体層の第2B層22B2を、順次、形成する(図8A参照)。
[工程−210]
次に、光伝搬領域17を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第2層22Bの上にマスク層(選択成長用マスク層)34を形成する(図8B参照)。具体的には、全面にSiO2から成るマスク層をCVD法に基づき形成した後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術に基づきマスク層をパターニングすることで、マスク層(選択成長用マスク層)34を形成することができる。
[工程−220]
その後、発光領域11を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第2層22Bの上に第2化合物半導体層の第3層22C,22Dを形成する。より具体的には、マスク層34で覆われていない発光領域11を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第2B層22B2の上に、MOCVD法に基づき第2化合物半導体層の第3層22C,22Dを形成する(図8C参照)。
[工程−230]
次いで、リッジストライプ隣接部13を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層22C,22D及び第2化合物半導体層の第2層22Bを除去する。より具体的には、全面にエッチング用レジスト層を形成し、フォトリソグラフィ技術に基づき、リッジストライプ隣接部13を形成すべき領域のエッチング用レジスト層の部分に開口を形成する。そして、積層構造体20をウェットエッチングすることで、リッジストライプ隣接部13における積層構造体20を除去する。具体的には、積層構造体20を構成する第2化合物半導体層の第3層22D,22C、第2化合物半導体層の第2B層22B2までをウェットエッチングし、エッチングストップ層31においてエッチングを停止させる。その後、エッチング用レジスト層を除去し、更には、マスク層34を除去する。
[工程−240]
次に、実施例1の[工程−120]、[工程−130]と同様の工程を実行することで、実施例2の発光素子を得ることができる。
尚、実施例2において、リッジストライプ構造部12における第2化合物半導体層22の厚さd3は、第2化合物半導体層22の第1層22A、第2A層22B1、エッチングストップ層31、第2B層22B2及び第3層22C,22Dの厚さの合計である。また、光伝搬領域17における第2化合物半導体層の厚さd2は、第2化合物半導体層22の第1層22A、第2A層22B1、エッチングストップ層31及び第2B層22B2の厚さの合計である。更には、リッジストライプ隣接部13における第2化合物半導体層の厚さd1は、第2化合物半導体層22の第1層22A、第2A層22B1及びエッチングストップ層31の厚さの合計である。
実施例3は、実施例1〜実施例2の変形である。実施例3の発光素子の光伝搬領域17の模式的な一部断面図を図9に示すように、実施例3にあっては、少なくともリッジストライプ構造部12の側面、及び、リッジストライプ隣接部13の頂面には、第1誘電体膜24が形成されており(図3参照)、光伝搬領域17の頂面には、第1誘電体膜24を構成する材料とは異なる材料から成る第2誘電体膜24Aが形成されている。具体的には、第1誘電体膜24はTa25から成り、第2誘電体膜24AはSiO2から成る。
以上の点を除き、実施例3の発光素子の構成、構造は、実施例1〜実施例2の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。このように、第1誘電体膜24を構成する材料と第2誘電体膜24Aを構成する材料とを異ならせることで、実効屈折率neff-1,neff-2の値の設定自由度、d1,d2,d3の値の設定自由度を高くすることができる。
実施例4は、実施例1〜実施例3の変形である。実施例1〜実施例3にあっては、発光素子を、赤色を出射する発光素子とし、積層構造体をAlGaInP系化合物半導体から構成した。一方、実施例4の発光素子にあっては、発光素子を、青色あるいは緑色を出射する発光素子とし、積層構造体をAlGaInN系化合物半導体から構成する。また、AlGaInN系化合物半導体層のエッチングは、ドライエッチングにて行うことができるので、通常、エッチングストップ層の形成は不要である。エッチング量(エッチング深さ)は、エッチング時間で制御することができる。あるいは又、積層構造体にレーザ光を照射して、エッチングによって積層構造体の厚さが変化してレーザ光の反射率が周期的に変化する現象を利用してエッチングのストップ位置を検出することもできる。
青色あるいは緑色を出射する発光素子(半導体発光素子)におけるAlGaInN系化合物半導体から成る積層構造体20の構成を以下の表3に示すが、最下段に記載された化合物半導体層がn−GaN基板から成る基板10上に形成されている。
[表3]
以上の点を除き、実施例4の発光素子あるいはその製造方法は、実施例1〜実施例3において説明した発光素子あるいはその製造方法と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
尚、実施例4において、リッジストライプ構造部12における第2化合物半導体層22の厚さd3は、第2化合物半導体層22の第1層22A、第2A層22B1、第2B層22B2、第2C層22B3及び第3層22C,22Dの厚さの合計である。また、光伝搬領域17における第2化合物半導体層の厚さd2は、第2化合物半導体層22の第1層22A、第2A層22B1及び第2B層22B2の厚さの合計である。更には、リッジストライプ隣接部13における第2化合物半導体層の厚さd1は、第2化合物半導体層22の第1層22A及び第2A層22B1の厚さの合計である。
実施例5は、本開示の表示装置に関する。実施例5にあっては、概念図を図10に示すように、表示装置を、発光素子(半導体発光素子)を光源として備えたラスタースキャン方式のプロジェクター装置とした。このプロジェクター装置は、SLDから成る発光素子を光源として光をラスタースキャンし、表示すべき画像に合わせて光の輝度を制御することで画像を表示する。具体的には、赤色発光の発光素子101R、緑色発光の発光素子101G及び青色発光の発光素子101Bからの光のそれぞれは、ダイクロイックプリズム102R,102G,102Bによって1本のビームに纏められ、このビームが、水平スキャナ103及び垂直スキャナ104によってスキャンされ、スクリーンや壁面等の画像や映像を表示する照射面105に投影されることで、画像を得ることができる。水平スキャナ103及び垂直スキャナ104は、例えば、ポリゴンミラーとガルバノスキャナとの組合せとすることができる。あるいは又、水平スキャナ及び垂直スキャナは、例えば、MEMS技術を用いて作製された複数のDMD(Digital Micro-mirror Device)と、ポリゴンミラーやガルバノスキャナとの組合せを挙げることができるし、水平スキャナと垂直スキャナとが一体となった構造、即ち、DMDが2次元マトリクス状に配列されて成る2次元空間変調素子から構成することもできるし、1つのDMDで2次元スキャンを行う2次元MEMSスキャナから構成することもできる。更には、音響光学効果スキャナや電気光学効果スキャナといった屈折率変調型スキャナを用いることもできる。
あるいは又、1次元空間変調素子であるGLV(Grating Light Valve )素子の複数と、ポリゴンミラーやガルバノスキャナとの組合せを挙げることもできる。即ち、図11に概念図を示すように、表示装置は、GLV素子203R及び光源(赤色発光素子)202Rから成る画像生成装置201Rと、GLV素子203G及び光源(緑色発光素子)202Gから成る画像生成装置201Gと、GLV素子203B及び光源(青色発光素子)202Bから成る画像生成装置201Bを備えている。尚、光源(赤色発光素子)202Rから射出された赤色の光を点線で示し、光源(緑色発光素子)202Gから射出された緑色の光を実線で示し、光源(青色発光素子)202Bから射出された青色の光を一点鎖線で示す。表示装置は、更に、これらの光源202R,202G,202Bから射出された光を集光し、GLV素子203R,203G,203Bへと入射させる集光レンズ(図示せず)、GLV素子203R,203G,203Bから射出された光が入射され、1本の光束に纏めるL型プリズム204、纏められた3原色の光が通過するレンズ205及び空間フィルター206、空間フィルター206を通過した1本の光束を結像させる結像レンズ(図示せず)、結像レンズを通過した1本の光束を走査するスキャンミラー(ガルバノスキャナ)207、及び、スキャンミラー207で走査された光を投影するスクリーン(照射面)208から構成されている。
以上、本開示を好ましい実施例に基づき説明したが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例において説明した発光素子や表示装置の構成、構造、発光素子の製造方法は例示であり、適宜、変更することができる。第2電極と第2化合物半導体層との間に、透明導電性材料層を形成してもよい。光出射端面は、使用する材料に依存して、Y方向と平行な軸線を中心として回転した状態で形成されている場合もある。
場合によっては、マスク層を、光伝搬領域を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第2層の上に形成する代わりに、第1化合物半導体層の形成途中で形成してもよい。こうして得られた発光素子の、図1Aの矢印D−Dに沿ったと同様の一部断面図を図12に示す。図12に示す発光素子は、マスク層を形成する順序、積層構造体を形成する手順が異なる点を除き、実質的には、実施例2において説明した発光素子の製造方法と同様の製造方法に基づき製造することができる。
リッジストライプ構造部は、フレア構造を有していてもよい。具体的には、例えば、図13Aにリッジストライプ構造部の外形線を示すように、リッジストライプ構造部12の幅WRは、発光領域11と光伝搬領域17との境界面16において最も広く、第1領域、第2領域、第3領域において、光反射端面15に向かって徐々に狭くなっている。あるいは又、図13Bにリッジストライプ構造部の外形線を示すように、リッジストライプ構造部12の幅WRは、発光領域11と光伝搬領域17との境界面16において最も広く、第1領域において一定であり、第2領域、第3領域において、光反射端面15に向かって徐々に狭くなっている。あるいは又、図13Cにリッジストライプ構造部の外形線を示すように、リッジストライプ構造部12の幅WRは、発光領域11と光伝搬領域17との境界面16において最も広く、第1領域において一定であり、第2領域では、光反射端面に向かって徐々に狭くなり、次いで、一定幅となり、第3領域において、幅は一定である。あるいは又、図13Dにリッジストライプ構造部の外形線を示すように、リッジストライプ構造部12の幅WRは、発光領域11と光伝搬領域17との境界面16において最も広く、第1領域において一定であり、第2領域では、光反射端面に向かって徐々に狭くなり、次いで、一定幅となり、次いで、光反射端面に向かって徐々に広くなり、第3領域において、幅は一定である。
実施例においては、リッジストライプ構造部12をXY平面で切断したときの断面形状を等脚台形としたが、これに限定するものではなく、矩形とすることができるし、あるいは又、図14に模式的な一部断面図を示すように、多段形状(階段形状)とすることもできる。具体的には、例えば、第2化合物半導体層の厚さがd2である部分の幅が、第2化合物半導体層の頂面の幅よりも広く、第2化合物半導体層の厚さがd2である部分は、この部分より上に位置する第2化合物半導体層の部分からY方向に突出した形状を有する。即ち、第2化合物半導体層22の第2B層22B2の幅は、第2化合物半導体層22の第3層22C,22Dの幅よりも広く、第2化合物半導体層22の第2B層22B2は、第2化合物半導体層の第2C層22B3からY方向に突出している。そして、第2化合物半導体層22の第2B層22B2の突出部分22B2’の上には、第2エッチングストップ層32が残されている。但し、多段形状(階段形状)は、このような形状に限定するものではなく、更に多段の形状とすることもできる。
尚、本開示は、以下のような構成を取ることもできる。
[A01]《発光素子・・・第1の態様》
第1化合物半導体層、活性層及び第2化合物半導体層から構成された積層構造体から成る発光領域、並びに、
該積層構造体から成り、発光領域から延在し、光出射端面を有する光伝搬領域、
を備えており、
発光領域は、リッジストライプ構造部、及び、リッジストライプ構造部の両側に位置するリッジストライプ隣接部から構成されており、
リッジストライプ隣接部における第2化合物半導体層の厚さをd1、光伝搬領域における第2化合物半導体層の厚さをd2、リッジストライプ構造部における第2化合物半導体層の厚さをd3としたとき、
3>d2>d1
を満足する発光素子。
[A02]発光領域における実効屈折率をneff-1、光伝搬領域における実効屈折率をneff-2としたとき、
|neff-1−neff-2|≦8×10-4
を満足する[A01]に記載の発光素子。
[A03]《発光素子・・・第2の態様》
第1化合物半導体層、活性層及び第2化合物半導体層から構成された積層構造体から成る発光領域、並びに、
該積層構造体から成り、発光領域から延在し、光出射端面を有する光伝搬領域、
を備えており、
発光領域は、リッジストライプ構造部、及び、リッジストライプ構造部の両側に位置するリッジストライプ隣接部から構成されており、
発光領域における実効屈折率をneff-1、光伝搬領域における実効屈折率をneff-2としたとき、
|neff-1−neff-2|≦8×10-4
を満足する発光素子。
[A04]光伝搬領域の長さは40μm以上である[A01]乃至[A03]のいずれか1項に記載の発光素子。
[A05]発光領域と光伝搬領域との境界面における活性層の幅をW1、光伝搬領域の長さをL2としたとき、
20≦L2/W1/≦60
を満足する[A01]乃至[A04]のいずれか1項に記載の発光素子。
[A06]発光領域は光反射端面を備えており、光反射端面における光反射率は99%以上であり、光出射端面における光反射率は1%以下である[A01]乃至[A05]のいずれか1項に記載の発光素子。
[A07]リッジストライプ構造部には電流が注入され、
光伝搬領域には電流が注入されない[A01]乃至[A06]のいずれか1項に記載の発光素子。
[A08]第1化合物半導体層は第1電極に電気的に接続されており、
少なくともリッジストライプ構造部を構成する積層構造体の頂面には第2電極が形成されている[A07]に記載の発光素子。
[A09]化合物半導体は、AlGaInN系化合物半導体から成る[A01]乃至[A07]のいずれか1項に記載の発光素子。
[A10]リッジストライプ構造部を構成する積層構造体内には、第1エッチングストップ層及び第2エッチングストップ層が形成されており、
光伝搬領域を構成する積層構造体内には、第1エッチングストップ層が形成されており、光伝搬領域を構成する積層構造体の頂面は、第2エッチングストップ層から構成されており、
リッジストライプ隣接部を構成する積層構造体の頂面は、第1エッチングストップ層から構成されている[A01]乃至[A08]のいずれか1項に記載の発光素子。
[A11]化合物半導体は、AlGaInP系化合物半導体から成る[A01]乃至[A08]のいずれか1項に記載の発光素子。
[A12]少なくともリッジストライプ構造部の側面、及び、リッジストライプ隣接部の頂面には、第1誘電体膜が形成されており、
光伝搬領域の頂面には、第1誘電体膜を構成する材料とは異なる材料から成る第2誘電体膜が形成されている[A01]乃至[A11]のいずれか1項に記載の発光素子。
[A13]リッジストライプ構造部は直線状に延びている[A01]乃至[A12]のいずれか1項に記載の発光素子。
[A14]リッジストライプ構造部の延びる方向をX方向、活性層の幅方向をY方向、活性層の厚さ向をZ方向としたとき、活性層を含む仮想XY平面で光伝搬領域を切断したときの光出射端面の切断面は、Y方向に延びる直線である[A01]乃至[A13]のいずれか1項に記載の発光素子。
[A15]光出射端面から出射される光の発光スペクトルの半値幅は1nm以上である[A01]乃至[A14]のいずれか1項に記載の発光素子。
[A16]スーパールミネッセントダイオードから成る[A01]乃至[A15]のいずれか1項に記載の発光素子。
[B01]《発光素子の製造方法・・・第1の態様》
第1化合物半導体層、活性層及び第2化合物半導体層から構成された積層構造体から成る発光領域、並びに、
該積層構造体から成り、発光領域から延在し、光出射端面を有する光伝搬領域、
を備えており、
発光領域は、リッジストライプ構造部、及び、リッジストライプ構造部の両側に位置するリッジストライプ隣接部から構成されており、
リッジストライプ隣接部における第2化合物半導体層の厚さをd1、光伝搬領域における第2化合物半導体層の厚さをd2、リッジストライプ構造部における第2化合物半導体層の厚さをd3としたとき、
3>d2>d1
を満足する発光素子の製造方法であって、
(a)第1化合物半導体層、活性層、第2化合物半導体層の第1層、第2化合物半導体層の第2層、及び、第2化合物半導体層の第3層を、順次、形成した後、
(b)光伝搬領域を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層を除去し、且つ、リッジストライプ隣接部を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層及び第2化合物半導体層の第2層を除去する、
各工程を備えた発光素子の製造方法。
[B02]《発光素子の製造方法・・・第2の態様》
第1化合物半導体層、活性層及び第2化合物半導体層から構成された積層構造体から成る発光領域、並びに、
該積層構造体から成り、発光領域から延在し、光出射端面を有する光伝搬領域、
を備えており、
発光領域は、リッジストライプ構造部、及び、リッジストライプ構造部の両側に位置するリッジストライプ隣接部から構成されており、
発光領域における実効屈折率をneff-1、光伝搬領域における実効屈折率をneff-2としたとき、
|neff-1−neff-2|≦8×10-4
を満足する発光素子の製造方法であって、
(a)第1化合物半導体層、活性層、第2化合物半導体層の第1層、第2化合物半導体層の第2層、及び、第2化合物半導体層の第3層を、順次、形成した後、
(b)光伝搬領域を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層を除去し、且つ、リッジストライプ隣接部を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層及び第2化合物半導体層の第2層を除去する、
各工程を備えた発光素子の製造方法。
[B03]前記工程(a)において、第1化合物半導体層、活性層、第2化合物半導体層の第1層、第2化合物半導体層の第2A層、第1エッチングストップ層、第2化合物半導体層の第2B層、第2エッチングストップ層、第2化合物半導体層の第2C層、及び、第2化合物半導体層の第3層を、順次、形成し、
前記工程(b)において、光伝搬領域を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層及び第2化合物半導体層の第2C層を除去し、且つ、リッジストライプ隣接部を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層、第2化合物半導体層の第2C層、第2エッチングストップ層及び第2化合物半導体層の第2B層を除去する[B01]又は[B02]に記載の発光素子の製造方法。
[B04]《発光素子の製造方法・・・第3の態様》
第1化合物半導体層、活性層及び第2化合物半導体層から構成された積層構造体から成る発光領域、並びに、
該積層構造体から成り、発光領域から延在し、光出射端面を有する光伝搬領域、
を備えており、
発光領域は、リッジストライプ構造部、及び、リッジストライプ構造部の両側に位置するリッジストライプ隣接部から構成されており、
リッジストライプ隣接部における第2化合物半導体層の厚さをd1、光伝搬領域における第2化合物半導体層の厚さをd2、リッジストライプ構造部における第2化合物半導体層の厚さをd3としたとき、
3>d2>d1
を満足する発光素子の製造方法であって、
(a)第1化合物半導体層、活性層、第2化合物半導体層の第1層、及び、第2化合物半導体層の第2層を、順次、形成した後、
(b)光伝搬領域を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第2層の上にマスク層を形成し、次いで、
(c)発光領域を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第2層の上に第2化合物半導体層の第3層を形成した後、
(d)リッジストライプ隣接部を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層及び第2化合物半導体層の第2層を除去する、
各工程を備えた発光素子の製造方法。
[B05]《発光素子の製造方法・・・第4の態様》
第1化合物半導体層、活性層及び第2化合物半導体層から構成された積層構造体から成る発光領域、並びに、
該積層構造体から成り、発光領域から延在し、光出射端面を有する光伝搬領域、
を備えており、
発光領域は、リッジストライプ構造部、及び、リッジストライプ構造部の両側に位置するリッジストライプ隣接部から構成されており、
発光領域における実効屈折率をneff-1、光伝搬領域における実効屈折率をneff-2としたとき、
|neff-1−neff-2|≦8×10-4
を満足する発光素子の製造方法であって、
(a)第1化合物半導体層、活性層、第2化合物半導体層の第1層、及び、第2化合物半導体層の第2層を、順次、形成した後、
(b)光伝搬領域を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第2層の上にマスク層を形成し、次いで、
(c)発光領域を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第2層の上に第2化合物半導体層の第3層を形成した後、
(d)リッジストライプ隣接部を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層及び第2化合物半導体層の第2層を除去する、
各工程を備えた発光素子の製造方法。
[B06]前記工程(a)において、第1化合物半導体層、活性層、第2化合物半導体層の第1層、第2化合物半導体層の第2A層、エッチングストップ層、及び、第2化合物半導体層の第2B層を形成する[B04]又は[B05]に記載の発光素子の製造方法。
[C01]《表示装置》
[A01]乃至[A13]のいずれか1項に記載の発光素子を備えている表示装置。
10・・・基板、11・・・発光領域、12・・・リッジストライプ構造部、13・・・リッジストライプ隣接部、14・・・リッジストライプ隣接部の外側に位置する積層構造体の部分、15・・・光反射端面、16・・・発光領域と光伝搬領域との境界面(界面)、17・・・光伝搬領域、18・・・光出射端面、20・・・積層構造体、21・・・第1化合物半導体層、22・・・第2化合物半導体層、22A・・・第2化合物半導体層の第1層、22B・・・第2化合物半導体層の第2層、22B1・・・第2化合物半導体層の第2A層、22B2・・・第2化合物半導体層の第2B層、22B3・・・第2化合物半導体層の第2C層、22C,22D・・・第2化合物半導体層の第3層、23・・・活性層、24,24A・・・絶縁材料層(誘電体膜)、25・・・第1電極、26・・・第2電極、31・・・第1エッチングストップ層、32・・・第2エッチングストップ層、101R,101G,101B・・・発光素子、102R,102G,102B・・・ダイクロイックプリズム、103・・・水平スキャナ、104・・・垂直スキャナ、105・・・照射面、201R,201G,201B・・・画像生成装置、202R,202G,202B・・・発光素子、203R,203G,203B・・・GLV素子、204・・・L型プリズム、205・・・レンズ、206・・・空間フィルター、207・・・スキャンミラー(ガルバノスキャナ)、208・・・スクリーン

Claims (20)

  1. 第1化合物半導体層、活性層及び第2化合物半導体層から構成された積層構造体から成る発光領域、並びに、
    該積層構造体から成り、発光領域から延在し、光出射端面を有する光伝搬領域、
    を備えており、
    発光領域は、リッジストライプ構造部、及び、リッジストライプ構造部の両側に位置するリッジストライプ隣接部から構成されており、
    リッジストライプ隣接部における第2化合物半導体層の厚さをd1、光伝搬領域における第2化合物半導体層の厚さをd2、リッジストライプ構造部における第2化合物半導体層の厚さをd3としたとき、
    3>d2>d1
    を満足する発光素子。
  2. 発光領域における実効屈折率をneff-1、光伝搬領域における実効屈折率をneff-2としたとき、
    |neff-1−neff-2|≦8×10-4
    を満足する請求項1に記載の発光素子。
  3. 第1化合物半導体層、活性層及び第2化合物半導体層から構成された積層構造体から成る発光領域、並びに、
    該積層構造体から成り、発光領域から延在し、光出射端面を有する光伝搬領域、
    を備えており、
    発光領域は、リッジストライプ構造部、及び、リッジストライプ構造部の両側に位置するリッジストライプ隣接部から構成されており、
    発光領域における実効屈折率をneff-1、光伝搬領域における実効屈折率をneff-2としたとき、
    |neff-1−neff-2|≦8×10-4
    を満足する発光素子。
  4. 光伝搬領域の長さは40μm以上である請求項1又は請求項3に記載の発光素子。
  5. 発光領域と光伝搬領域との境界面における活性層の幅をW1、光伝搬領域の長さをL2としたとき、
    20≦L2/W1/≦60
    を満足する請求項1又は請求項3に記載の発光素子。
  6. リッジストライプ構造部には電流が注入され、
    光伝搬領域には電流が注入されない請求項1又は請求項3に記載の発光素子。
  7. 第1化合物半導体層は第1電極に電気的に接続されており、
    少なくともリッジストライプ構造部を構成する積層構造体の頂面には第2電極が形成されている請求項6に記載の発光素子。
  8. リッジストライプ構造部を構成する積層構造体内には、第1エッチングストップ層及び第2エッチングストップ層が形成されており、
    光伝搬領域を構成する積層構造体内には、第1エッチングストップ層が形成されており、光伝搬領域を構成する積層構造体の頂面は、第2エッチングストップ層から構成されており、
    リッジストライプ隣接部を構成する積層構造体の頂面は、第1エッチングストップ層から構成されている請求項1又は請求項3に記載の発光素子。
  9. 少なくともリッジストライプ構造部の側面、及び、リッジストライプ隣接部の頂面には、第1誘電体膜が形成されており、
    光伝搬領域の頂面には、第1誘電体膜を構成する材料とは異なる材料から成る第2誘電体膜が形成されている請求項1又は請求項3に記載の発光素子。
  10. リッジストライプ構造部は直線状に延びている請求項1又は請求項3に記載の発光素子。
  11. リッジストライプ構造部の延びる方向をX方向、活性層の幅方向をY方向、活性層の厚さ向をZ方向としたとき、活性層を含む仮想XY平面で光伝搬領域を切断したときの光出射端面の切断面は、Y方向に延びる直線である請求項10に記載の発光素子。
  12. 光出射端面から出射される光の発光スペクトルの半値幅は1nm以上である請求項1又は請求項3に記載の発光素子。
  13. スーパールミネッセントダイオードから成る請求項1又は請求項3に記載の発光素子。
  14. 第1化合物半導体層、活性層及び第2化合物半導体層から構成された積層構造体から成る発光領域、並びに、
    該積層構造体から成り、発光領域から延在し、光出射端面を有する光伝搬領域、
    を備えており、
    発光領域は、リッジストライプ構造部、及び、リッジストライプ構造部の両側に位置するリッジストライプ隣接部から構成されており、
    リッジストライプ隣接部における第2化合物半導体層の厚さをd1、光伝搬領域における第2化合物半導体層の厚さをd2、リッジストライプ構造部における第2化合物半導体層の厚さをd3としたとき、
    3>d2>d1
    を満足する発光素子の製造方法であって、
    (a)第1化合物半導体層、活性層、第2化合物半導体層の第1層、第2化合物半導体層の第2層、及び、第2化合物半導体層の第3層を、順次、形成した後、
    (b)光伝搬領域を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層を除去し、且つ、リッジストライプ隣接部を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層及び第2化合物半導体層の第2層を除去する、
    各工程を備えた発光素子の製造方法。
  15. 第1化合物半導体層、活性層及び第2化合物半導体層から構成された積層構造体から成る発光領域、並びに、
    該積層構造体から成り、発光領域から延在し、光出射端面を有する光伝搬領域、
    を備えており、
    発光領域は、リッジストライプ構造部、及び、リッジストライプ構造部の両側に位置するリッジストライプ隣接部から構成されており、
    発光領域における実効屈折率をneff-1、光伝搬領域における実効屈折率をneff-2としたとき、
    |neff-1−neff-2|≦8×10-4
    を満足する発光素子の製造方法であって、
    (a)第1化合物半導体層、活性層、第2化合物半導体層の第1層、第2化合物半導体層の第2層、及び、第2化合物半導体層の第3層を、順次、形成した後、
    (b)光伝搬領域を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層を除去し、且つ、リッジストライプ隣接部を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層及び第2化合物半導体層の第2層を除去する、
    各工程を備えた発光素子の製造方法。
  16. 前記工程(a)において、第1化合物半導体層、活性層、第2化合物半導体層の第1層、第2化合物半導体層の第2A層、第1エッチングストップ層、第2化合物半導体層の第2B層、第2エッチングストップ層、第2化合物半導体層の第2C層、及び、第2化合物半導体層の第3層を、順次、形成し、
    前記工程(b)において、光伝搬領域を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層及び第2化合物半導体層の第2C層を除去し、且つ、リッジストライプ隣接部を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層、第2化合物半導体層の第2C層、第2エッチングストップ層及び第2化合物半導体層の第2B層を除去する請求項14又は請求項15に記載の発光素子の製造方法。
  17. 第1化合物半導体層、活性層及び第2化合物半導体層から構成された積層構造体から成る発光領域、並びに、
    該積層構造体から成り、発光領域から延在し、光出射端面を有する光伝搬領域、
    を備えており、
    発光領域は、リッジストライプ構造部、及び、リッジストライプ構造部の両側に位置するリッジストライプ隣接部から構成されており、
    リッジストライプ隣接部における第2化合物半導体層の厚さをd1、光伝搬領域における第2化合物半導体層の厚さをd2、リッジストライプ構造部における第2化合物半導体層の厚さをd3としたとき、
    3>d2>d1
    を満足する発光素子の製造方法であって、
    (a)第1化合物半導体層、活性層、第2化合物半導体層の第1層、及び、第2化合物半導体層の第2層を、順次、形成した後、
    (b)光伝搬領域を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第2層の上にマスク層を形成し、次いで、
    (c)発光領域を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第2層の上に第2化合物半導体層の第3層を形成した後、
    (d)リッジストライプ隣接部を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層及び第2化合物半導体層の第2層を除去する、
    各工程を備えた発光素子の製造方法。
  18. 第1化合物半導体層、活性層及び第2化合物半導体層から構成された積層構造体から成る発光領域、並びに、
    該積層構造体から成り、発光領域から延在し、光出射端面を有する光伝搬領域、
    を備えており、
    発光領域は、リッジストライプ構造部、及び、リッジストライプ構造部の両側に位置するリッジストライプ隣接部から構成されており、
    発光領域における実効屈折率をneff-1、光伝搬領域における実効屈折率をneff-2としたとき、
    |neff-1−neff-2|≦8×10-4
    を満足する発光素子の製造方法であって、
    (a)第1化合物半導体層、活性層、第2化合物半導体層の第1層、及び、第2化合物半導体層の第2層を、順次、形成した後、
    (b)光伝搬領域を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第2層の上にマスク層を形成し、次いで、
    (c)発光領域を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第2層の上に第2化合物半導体層の第3層を形成した後、
    (d)リッジストライプ隣接部を形成すべき領域における第2化合物半導体層の第3層及び第2化合物半導体層の第2層を除去する、
    各工程を備えた発光素子の製造方法。
  19. 前記工程(a)において、第1化合物半導体層、活性層、第2化合物半導体層の第1層、第2化合物半導体層の第2A層、エッチングストップ層、及び、第2化合物半導体層の第2B層を形成する請求項17又は請求項18に記載の発光素子の製造方法。
  20. 請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の発光素子を備えている表示装置。
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