JP2015034754A - 駆動ユニット - Google Patents

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山際 正憲
Masanori Yamagiwa
正憲 山際
周平 橋本
Shuhei Hashimoto
周平 橋本
壮一 舞原
Soichi Maibara
壮一 舞原
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Abstract

【課題】軸方向寸法の短縮化が可能なトルク検出部を備えた駆動ユニットを提供すること。
【解決手段】モータジェネレータMGの駆動時に、出力に応じた駆動反力を受ける駆動部としてのステータ11と、ステータ11をモータケース101に対して回り止めする回り止め部材としてのインナフレーム13と、インナフレーム13とモータケース101との一方であるインナフレーム13に設けられたキー突起31、およびインナフレーム13とモータケース101とのもう一方であるモータケース101に設けられてキー突起31と周方向に係合可能な凹状に形成されたキー溝32を備えたキー係合部30と、このキー係合部30に生じる前記駆動反力に応じた物理量としての歪を検出可能なトルク検出部としての歪センサ33と、を備えていることを特徴とする駆動ユニットとした。
【選択図】図5

Description

本発明は、トルク検出装置を備えた駆動ユニットに関する。
従来、モータを用いて車輪を回転させる駆動ユニットにおける回転体の回転トルクを検出するトルク検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような従来技術では、モータを構成するロータの回転軸と同軸であって、ステータおよびロータの軸方向の側部に、制御用のエンコーダなどを設け、さらに、このエンコーダの軸方向の側部に、トルク検出装置が設けられている。
そして、トルク検出装置は、モータの外側に、トルク検出装置を支持するベース部が設けられ、このベース部に、回転軸と同軸に筒状の起歪体を取り付け、この起歪体に生じる歪を歪センサにより検出する構造となっている。
特開2012−47460号公報
しかしながら、上記の従来技術では、車輪を駆動させるための出力軸に対して、軸方向にトルク検出用のベースや起歪体を追加設定しているため、その分、軸方向寸法が長くなるという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、軸方向寸法の短縮化が可能なトルク検出部を備えた駆動ユニットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、駆動反力を受ける駆動部をケースに対して回り止めする回り止め部材と、前記ケースとの間に、周方向に係合するキー突起とキー溝とを備えたキー係合部を設けるとともに、このキー係合部に生じる前記駆動反力に応じた物理量を検出可能なトルク検出部を設けたことを特徴とする駆動ユニットとした。
本発明の駆動ユニットでは、駆動部を回り止めする回り止め部材とケースとの間に、周方向に係合するキー係合部を設け、キー係合部の物理量を検出するようにしたため、軸方向にトルク検出用の部材の追加が不要であり、軸方向寸法の短縮化が可能である。
実施の形態1の駆動ユニットの主要部を示す断面図である。 前記モータジェネレータのステータとインナフレームとのアッセンブリを、軸心Oを通る平面で切断した状態を示す断面図である。 前記ステータとインナフレームとのアッセンブリを、x軸負方向側から見た状態を示す斜視図である。 前記ステータとインナフレームとのアッセンブリを、x軸負正向側から見た状態を示す斜視図である。 前記モータジェネレータにおいてトルク検出装置の構成の概略を示す断面図である。 前記トルク検出装置の主要部を示す断面図である。 実施の形態2の駆動ユニットの要部の構成の概略を示す断面図である。 実施の形態2の駆動ユニットにおいてトルク検出装置が設けられている箇所の概略を示す図7の軸方向から見た概略図である。 実施の形態2の駆動ユニットの変形例の構成の概略を示す断面図である。 実施の形態2の駆動ユニットの変形例の構成の概略を示す断面図である。 実施の形態3の駆動ユニットにおいてトルク検出装置が設けられている箇所を示す断面図である。 実施の形態4の駆動ユニットの要部の構成の概略を示す断面図である。 実施の形態5の駆動ユニットの要部の構成の概略を示す断面図である。 実施の形態5の駆動ユニットにおいてトルク検出装置が設けられている箇所の概略を示す概略図である。 実施の形態5の駆動ユニットの第1の変形例を示す要部の断面図である。 実施の形態5の駆動ユニットの第2の変形例を示す要部の断面図である。 実施の形態5の駆動ユニットの第3の変形例を示す要部の断面図である。 実施の形態1の駆動ユニットのインナフレームの変形例を示す正面図であって(a)はインナフレームに溝を設けた例を示し、(b)はインナフレームにリブを設けた例を示している。
以下、本発明の駆動ユニットを実施するための形態を、図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
以下に、実施の形態1の駆動ユニットWDを図面に示して説明する。
(駆動ユニットWD)
まず、駆動ユニットWDの構成について説明する。
駆動ユニットWDは、電気自動車の左右輪に適用されて車輪Wを駆動させるためのもので、図1に示すように、駆動ユニット本体Aと、変位吸収機構Bと、ホイール構造Cと、を備えている。
以下に、駆動ユニット本体A、変位吸収機構B、ホイール構造Cについて簡単に説明する。
駆動ユニット本体Aは、車輪Wの駆動源としての機能を持ち、ユニットケース部材100に、三相交流の埋込磁石同期モータ構造によるモータジェネレータ(駆動源)MGと、減速機構としてのギヤトレインGTと、を内蔵することで構成されている。
なお、ユニットケース部材100は、モータケース101と、ユニット側部カバー102と、モータ軸側カバー103と、出力軸側カバー104と、を有している。
モータケース101は、略円筒状に形成され、モータジェネレータMGおよびギヤトレインGTの外径方向を覆っている。
ユニット側部カバー102は、モータケース101の軸心Oに沿う方向である軸方向の一端側の開口を覆ってボルト固定されている。
モータ軸側カバー103は、モータ軸6の一端側を覆うようにユニット側部カバー102にボルト固定されている。
出力軸側カバー104は、駆動出力軸10の一部を駆動ユニット本体Aから突出させるようにモータケース101の軸方向の他端側の開口を覆ってボルト固定されている。
モータジェネレータMGは、力行時には、三相交流の電流をステータ11に巻き付けたステータコイル11bに印加することで、ロータ12を一体に有するモータ軸6を回転させ、モータ軸6の回転をギヤトレインGTにより減速して駆動出力軸10から出力する。モータジェネレータMGは、回生時には、駆動出力軸10からの入力回転により、ギヤトレインGTにより増速してモータ軸6及びロータ12を回転することで、ステータ11のステータコイル11bに三相交流の電流が発生する。
ギヤトレインGTは、リングギヤ21を固定、サンギヤ22に入力、ピニオンキャリア23にて出力する遊星歯車機構20により構成されている。なお、ピニオンキャリア23は、サンギヤ22と噛み合う大ピニオン23aと、リングギヤ21と噛み合う小ピニオン23bと、を備えている。また、大ピニオン23aと小ピニオン23bとは、隣接して一体構成され、ピニオンキャリア23に対して回転可能に支持される。
駆動出力軸10は、ピニオンキャリア23と一体に形成されている。この駆動出力軸10は、一端側が小ピニオン23bの内側まで軸方向に延び、他端側が出力軸側カバー104から突出するまで軸方向に延びた円筒スリーブ状に形成されている。この駆動出力軸10の回転支持構造は、ピニオンキャリア23と共になされるもので、モータ軸6に対しベアリング14aを介して相対回転可能に支持され、出力軸側カバー104に対しベアリング14bを介して回転可能に支持される。
変位吸収機構Bは、ハブベアリング71の変位/傾きを駆動ユニット本体AのモータジェネレータMGやギヤトレインGTへ伝達することを防止/抑制する機能を持ち、ギヤカップリング軸50を有する。このギヤカップリング軸50は、駆動ユニット本体Aからの駆動出力軸10と、アクスルケース72に対しハブベアリング71により支持されたホイールハブ軸70と、を変位吸収可能に連結している。したがって、駆動出力軸10の回転は、ギヤカップリング軸50を介してホイールハブ軸70に伝達される。
ホイール構造Cは、車輪Wのタイヤやブレーキ機構を取り付ける機能を持ち、ホイールハブ軸70を有する。このホイールハブ軸70は、アクスルケース72に対し、複列アンギュラベアリング構造によるハブベアリング71により回転可能に支持され、ホイールハブ軸70のフランジ部70aには、ブレーキディスク73及びタイヤホイール110が固定される。また、ホイールハブ軸70は、駆動ユニット本体Aの駆動出力軸10に対し、変位吸収機構Bを介して連結される。
(モータジェネレータの構成)
次に、モータジェネレータMGの構成を説明する。
モータジェネレータMGは、前述したようにステータ11とロータ12とを備えている。
ステータ11は、図3の斜視図に示すように、円環状に形成されている。
また、ステータ11は、図2の断面図に示すように、インナフレーム13を介して、モータケース101に支持されている。
インナフレーム13は、図4の斜視図に示すように、円環状に形成され、図2に示すように、ステータ11の軸方向の一端をモータケース101に対して固定支持している。
なお、図2は、モータジェネレータMGを、その軸心Oを通る平面で切った断面を示している。説明の便宜上、締結ボルト15,16の軸心を夫々通る断面を示す。また、軸心Oが延びる方向にx軸を設定し、ステータ11に対してインナフレーム13が配置される側(ないしモータケース101において縦壁部101bが設けられる側)を正方向とする。図3は、ステータ11とインナフレーム13とを結合したアセンブリをx軸負方向側から見た斜視図であり、図4は、このアセンブリをx軸正方向側から見た斜視図である。
ステータ11は、図3に示すように、ステータコア11aと、ステータコア11aに巻回されるステータコイル11bとを有している。
ステータコア11aは、円環状(円筒形状)に形成され、かつ、内周面において、周方向に一定間隔で配置されて、内径方向に延びる複数(本実施例では18)のティース11cを備えている。なお、各ティース11cは、隣接するティース11cとの間にスロット11dが形成されている。
また、ステータコイル11bは、スロット11dに嵌り合うようにティース11cに巻き付けられている。
さらに、ステータコア11aは、例えば、磁性体の電磁鋼板を軸方向に積層することで構成されている。また、ステータコア11aは、複数(本実施例では3)のボルト締結部11eを外周面に有している。
このボルト締結部11eは、ステータ11の外周面から半径方向外側にフランジ状に突出して設けられ、周方向に互いに略等間隔(例えば、120°の回転角でずれて)形成されている。また、ボルト締結部11eには、図2に示すように、締結ボルト15が挿入される孔11fが軸方向に貫通形成されている。
図1に示すロータ12は、ステータ11に対しラジアルギャップ(径方向隙間)を介して配置され、このギャップを通して磁路が形成される。そして、ロータ12は、一般的に、複数の電磁鋼板を積層することで構成されたロータコア(図示省略)と、ロータコアに複数配置(埋設)された永久磁石と(図示省略)を有する。また、このロータ12には、モータジェネレータMGのモータ軸6が固定されている。このモータ軸6は、ロータ12の軸線方向両側に配置した軸受6a,6bにより、ユニットケース部材100に対して回転自在に支持される。
以上の構成に基づいて、モータジェネレータMGでは、ステータ11に通電すると、ステータ11が発生する電磁力によりロータ12が回転駆動される。このモータジェネレータMGから出力される回転駆動力は、モータ軸6、ギヤトレインGT、変位吸収機構Bを介してタイヤホイール110に回転力として伝達され、電気自動車の走行が可能となる。また、車両の回生制動時には、車輪は車体の慣性力により回転させられ、車輪からの回転力により出力軸を介してモータジェネレータMGが駆動される。このときモータジェネレータMGは発電機として作動し、発電された電力はインバータ(図示省略)を介してバッテリ(図示省略)に蓄えられるようになっている。
モータケース101は、図1に示すように、モータジェネレータMGの外枠(アウタフレーム)であり、モータ外部からステータ11などを保護する機能を有しており、車輪支持部材としてのアクスルケース72に対して固定設置されている。
また、モータケース101は、図2に示すように、有底円筒状であり、軸方向に延びる円筒部101aと半径方向に広がる円板状の縦壁部101bとを有する。円筒部101aには、モータケース101をアクスルケース72に対して固定するためのブラケット部101cが設けられている。縦壁部101bには、略円環状に、ボルト締結部101eが設けられている。ボルト締結部101eには、締結ボルト16が挿入される雌ねじを有した袋状の孔101fが周方向に略等間隔に並んで複数(本実施例では8)形成されている。ボルト締結部101eは、孔101fの周囲の強度を十分確保可能な程度に、縦壁部101bの他の部位よりもx軸方向で厚肉に設けられており、剛性が比較的高く形成されている。モータケース101の円筒部101aの内周側には、円筒部101aと略同軸にステータ11が配置されている。ステータ11は、モータケース101の円筒部101aに対し径方向の隙間(ラジアルギャップ)CL1を介して配置される。
インナフレーム13は、モータジェネレータMGの内枠であり、ステータ11をモータケース101に対して保持するための支持部材であって、例えばアルミ系又は鉄系の金属材料によりドーナツ型円板状に形成されている。
インナフレーム13は、軸方向に延びる円筒部13aと、円筒部13aの軸方向一端部(x軸正方向側端部)の内周から半径方向内側に広がるドーナツ型円板状のプレート部13bとを有する。
円筒部13aは、図3、図4に示すように、外周縁から外径方向に突出した複数(本実施例では3)のステータ支持部13cを有している。ステータ支持部13cは、周方向に互いに略等間隔(120°間隔)で形成されている。また、ステータ支持部13cには、図2に示すように、前述した締結ボルト15を締結させる孔13eが軸方向に貫通形成されており、この孔13eの内周には雌ねじが形成されている。
このステータ支持部13cの孔13eは、図2に示すように、ステータ11のボルト締結部11eの孔11fと同軸に配置された状態で、両孔13e,11fに締結ボルト15がx軸負方向側から挿入されて締結されている。
これにより、ステータ11(ステータコア11a)がインナフレーム13(円筒部13a)の外周部に対して固定されている。また、インナフレーム13(円筒部13a)は、ステータ11と結合された状態で、モータケース101(円筒部101a)に対し径方向の隙間(ラジアルギャップ)CL2を介して配置される。
インナフレーム13のプレート部13bには、その略中央に貫通孔13gが設けられ、かつ、図3、図4に示すように、貫通孔13gを取り囲んで略円環状にケース固定部13hが設けられている。ケース固定部13hには、締結ボルト16が挿通される孔13jが軸方向に貫通して形成され、また、この孔13jは、周方向に略等間隔に並んで複数(本実施例では8)形成されている。
さらに、各孔13jの周囲には、ケース固定部13hの他の部位よりも薄肉に形成された凹部13kが設けられている。図2に示すように、凹部13kには締結ボルト16の頭部が収容される。
プレート部13bのケース固定部13hの孔13jは、モータケース101のボルト締結部101eの孔101fと、同軸に配置された状態で、両孔13j,101fに締結ボルト16をx軸負方向側から挿入して締結される。
これにより、インナフレーム13は、ステータ11を支持するステータ支持部13cよりも内径方向の位置にて、モータケース101に対して締結ボルト16により固定されている。
インナフレーム13のプレート部13bには、ケース固定部13hよりも外径方向であって円筒部13a(ステータ支持部13c)よりも内径方向に、接続部13mが設けられている。接続部13mは、円筒部13aとケース固定部13hとを接続する部分であり、ケース固定部13hを取り囲んで略円環状に、ケース固定部13hよりもx軸方向寸法が小さく、すなわち板厚が薄く形成されている。
また、接続部13mは、ステータコイル11bに対し軸方向の隙間(アキシャルギャップ)CL3を介して、モータケース101の縦壁部101bに対して隙間(アキシャルギャップ)CL4を介して配置されている。
さらに、接続部13mには、周方向に略等間隔に並んで複数(本実施例では18)、肉抜き部としての貫通穴13nが軸方向に貫通形成されている。貫通穴13nは、ステータコア11a(ティース11cないしステータコイル11b)に対し半径方向で重なる位置に配置されている。
以上のように、ステータ11の軸方向の一端(x軸正方向端)が、インナフレーム13を介してモータケース101に対して片持ち支持されている。そして、ステータ11およびインナフレーム13は、モータケース101に対し、径方向の隙間CL1,CL2、軸方向の隙間CL4が介在されたフローティング状態で支持されている。
上述したインナフレーム13の剛性は、モータケース101の剛性よりも低く設定されている。具体的には、インナフレーム13のプレート部13bの接続部13mにおける径方向の剛性は、モータケース101の縦壁部101bにおける径方向の剛性よりも低く設定されている。さらに、プレート部13bの接続部13mでは、周方向に複数の貫通穴13nを設けたことで、これら貫通穴13nを設けない場合よりも、インナフレーム13の半径方向の剛性を低下させている。加えて、貫通穴13nを、一定間隔で周方向に全周に亘って設けているため、インナフレーム13は、径方向(ラジアル方向)に比べ、ロータ回転方向である周方向の断面二次モーメントが低く形成されている。すなわち、インナフレーム13は、径方向よりも周方向に変形し易く形成されている。
(トルク検出装置)
次に、トルク検出装置TSについて説明する。
トルク検出装置TSは、図2において円S1にて示す箇所の、インナフレーム13とモータケース101との間に設けられている。なお、本実施の形態1では、トルク検出装置TSは、円S1で示す箇所のほかに、周方向に複数個所に、軸心Oを中心として対称となる位置、すなわち、周方向に等間隔に設けられており、例えば、周方向の8箇所に設けられているものとする。
図5は、トルク検出装置TSを、図2において円S1に示す領域に設けた例の概略図である。
この図5に示す例では、キー係合部30は、キー突起31とキー溝32とを備えている。
キー突起31は、インナフレーム13のステータ支持部13cの外周面から外径方向に突出されている。
一方、キー溝32は、モータケース101の円筒部101aに設けられ、外径方向に凹んでキー突起31と周方向に係合可能に、軸方向に沿う長溝状に形成されている。
これらのキー突起31とキー溝32とにより、周方向に係合可能なキー係合部30が構成されている。
上述した各キー突起31は、図6に示すように、錐形状を成してインナフレーム13側のベース部31aが形成され、このベース部31aから柱部31bが立ち上げられている。
この柱部31bは、少なくとも、周方向を向いて径方向に延びる一対の係合面としてのラジアル方向面31c,31cを備えており、本実施の形態1では、キー突起31は、四角柱状に形成されているものとする。
一方、キー溝32には、キー突起31の一対のラジアル方向面31cと周方向に隙間CL5を開けて対向して径方向に延びる一対の係合面としてのラジアル方向面32c,32cが設けられている。
したがって、モータケース101に対してインナフレーム13が、軸心Oを中心として隙間CL5を超えて周方向に相対的に変位した場合に、変位方向が周方向の正逆いずれの方向でもラジアル方向面31cとラジアル方向面32cとが当接した係合状態となる。
また、キー突起31のベース部31aには、一対の歪センサ33,33が設けられている。これら一対の歪センサ33,33は、一対のラジアル方向面31c,31cにおいてベース部31aの位置で、軸心Oからの径方向寸法が同一となる対称位置に配置されている。
なお、歪センサ33は、外部から引張力(圧縮力)が加えられて伸縮するのに応じて抵抗値が変化することにより、外力(トルク)を検出する周知のものである。
さらに、モータケース101の円筒部101aの内周には、キー突起31を周方向で間に挟むように、一対の保護突起101h,101hが内径方向に突出されている。この保護突起101hの径方向の突出代は、歪センサ33に対して径方向に重なる寸法に設定されている。また、保護突起101hと、キー突起31との周方向の間隔は、隙間CL5よりも大きな寸法に設定されている。
(作用)
次に、実施の形態1の作用を説明する。
まず、インナフレーム13によるモータジェネレータMGの振動および騒音軽減作用について簡単に説明する。
インナフレーム13を、ステータ支持部13cにてステータ11の外周部と結合するとともに、その内径方向のケース固定部13hにてモータケース101に結合し、これにより、ステータ11をモータケース101に片持ち支持している。
したがって、ステータ11の電磁加振力によりモータケース101の共振モードが励起されて振動が増幅されることを抑制することができる。また、ステータ11からモータケース101へ伝達される電磁加振力自体を低減することができる。すなわち、ステータ11の電磁加振力によりインナフレーム13を介して伝わってくる振動の主な方向は半径方向(放射状)である。このため、本実施の形態1では、この半径方向(放射状)の振動を、半径が小さく剛性が高い部分であるケース固定部13hからボルト締結部101eに集中して伝えることにより、この部分において径方向で対称の振動同士が相殺されて、振動低減可能である。
また、本実施の形態1のように導電性の金属材料からインナフレーム13を形成した場合、ステータ11に巻回されたステータコイル11bと軸方向で対向するインナフレーム13の表面部位に、渦電流が発生するおそれがある。渦電流が発生すると、インナフレーム13が発熱する。また、上記発熱によりモータジェネレータMGのエネルギ損失も発生する。
そこで、インナフレーム13とステータコイル11bとの間の軸方向距離(隙間CL3)を大きくすれば、渦電流を抑制することが可能である。しかしながら、上記軸方向距離(隙間CL3)を大きしすぎると、モータジェネレータMG全体の軸方向寸法が増大してモータジェネレータMGが大型化するおそれがある。
これに対し、本実施の形態1では、インナフレーム13のプレート部13bのステータ支持部13cとケース固定部13hとの間に、複数の貫通穴13nを、ステータコイル11bと径方向で重なる部分に設けた。すなわち、インナフレーム13(接続部13m)の半径方向の剛性を低下させる貫通穴13nを、ステータコイル11bと径方向で重なる部位に設けることで、インナフレーム13における渦電流の発生も抑制することができる。このように渦電流の発生を抑制することによって、インナフレーム13が過度な高温になることを抑制し、かつ、エネルギ損失を低減することができる。また、これにより、渦電流の発生を抑制しつつインナフレーム13を軸方向でステータコイル11bに近接させる(隙間CL3を小さくする)ことができるため、コンパクトにステータ11を支持することができる。
次に、本実施の形態1におけるトルク検出について説明する。
モータジェネレータMGを駆動あるいは回生する場合、ステータ11は、ロータ12の回転方向とは逆方向に駆動反力を受ける。
そして、このステータ11に入力された駆動反力は、ステータ11を片持ち支持するインナフレーム13に入力され、さらに、モータケース101に伝達される。
このとき駆動反力は、インナフレーム13では、ステータ11に固定された外周部のステータ支持部13cから周方向に入力され、モータケース101に固定された内周部のケース固定部13hでモータケース101に伝達される。
したがって、インナフレーム13では、駆動反力が、モータケース101に固定のケース固定部13hに対し、自由端となったステータ支持部13cが周方向に相対移動するように作用する。
そこで、インナフレーム13の外周部がモータケース101に対して周方向に相対移動すると、キー突起31のラジアル方向面31cがキー溝32のラジアル方向面32cに当接して隙間CL5を超える相対移動が生じるのを規制する。よって、キー突起31では、インナフレーム13に入力された駆動反力に応じた剪断歪が生じ、これを歪センサ33により検出することができる。
なお、この検出値は、モータジェネレータMGの出力制御に用いることができるほか、トルク制御値と比較することにより、モータジェネレータMGの異常判定に用いることもできる。
また、キー溝32は、軸方向に沿って設けられた長溝状に形成されているため、キー突起31とキー溝32との係合は、周方向にのみなされる。よって、モータケース101とインナフレーム13との周方向以外の相対移動により、キー突起31とキー溝32とが係合状態となってキー突起31に入力され、これを歪センサ33が検出するのを防止できる。
したがって、歪センサ33の検出値に、車輪W側からの入力などによる軸方向成分が含まれるのを抑制することができる。
(実施の形態1の効果)
実施の形態1のトルク検出装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
1)実施の形態1の駆動ユニットは、
ケースとしてのモータケース101と、
駆動源としてのモータジェネレータMGの駆動時に、出力に応じた駆動反力を受ける駆動部としてのステータ11と、
このステータ11をモータケース101に対して回り止めする回り止め部材としてのインナフレーム13と、
このインナフレーム13とモータケース101との一方であるインナフレーム13に設けられたキー突起31、およびインナフレーム13とモータケース101とのもう一方であるモータケース101に設けられてキー突起31と周方向に係合可能な凹状に形成されたキー溝32を備えたキー係合部30と、
このキー係合部30に生じる前記駆動反力に応じた物理量としての歪を検出可能なトルク検出部としての歪センサ33と、
を備えていることを特徴とする。
実施の形態1の駆動ユニットでは、ロータ12に駆動力を与えた際には、ステータ11に周方向に駆動反力が発生し、この駆動反力は、インナフレーム13を介してモータケース101により受け止められる。その際、インナフレーム13は、駆動反力により、モータケース101に固定されるケース固定部13hに対し、ステータ11からの駆動反力が入力されるステータ支持部13cが周方向に相対変位する。
よって、インナフレーム13の外周部とモータケース101の円筒部101aとの間に設けたキー係合部30では、キー突起31とキー溝32とが周方向に係合し、キー突起31は、駆動反力に応じた歪(剪断方向の歪)が生じる。よって、歪センサ33は、この歪(駆動反力であってロータ12の駆動力)に応じて変形し、この変形に応じた信号を出力する。このようにして、歪センサ33により、モータジェネレータMGにおいてロータ12に作用するトルク(出力トルク)を検出することができる。
このように、本実施の形態1では、ステータ11の振動を抑えるために設けたインナフレーム13の外周部とモータケース101の円筒部101aの内周部との間に設けたトルク検出装置TSによりモータジェネレータMGのトルクを検出することができる。これにより、軸方向に部品を追加する従来技術と比較して、モータジェネレータMG全体の軸方向寸法を小さく抑えながら、トルク検出が可能となる。
加えて、本実施の形態1では、キー係合部30は、インナフレーム13とモータケース101の円筒部101aとの間に径方向にラップして設けており、振動吸収用の隙間CL2を拡げたり、インナフレーム13、モータケース101を拡径したりしていない。よって、モータジェネレータMGの外径寸法も小さく抑えることができる。
しかも、本実施の形態1では、キー係合部30は、周方向に係合するが、軸方向に沿う方向には係合しない。このため、路面入力(振動)などによりインナフレーム13が、周方向以外に曲げや撓みが生じても、トルク検出に影響を受けないようにでき、高いトルク検出精度が得られる。
2)実施の形態1の駆動ユニットは、
駆動部は、駆動源としてのモータジェネレータMGのステータ11であり、
前記回り止め部材は、ステータ11を支持するステータ支持部13cと、このステータ支持部13cと径方向に離れた位置で、モータケース101に固定されたケース固定部13hと、を備えて、ステータ11をモータケース101に対して片持ち支持する支持部材としてのインナフレーム13であることを特徴とする。
インナフレーム13は、ステータ11を片持ち支持するため、ステータ11に生じる振動がモータケース101に直接伝達されず、音・振動に有利である。
そして、このようにステータ11を片持ち支持する部材を利用して、ステータ11とモータケース101との間にキー係合部30を設けることになるため、トルク検出用の部品を追加する場合と比較して、軸方向寸法の短縮化を確実に図ることができる。
加えて、モータケース101にフローティングされている部分にキー係合部30を設けるため、路面入力などモータケース101側からの入力の影響も受けにくく、高いトルク検出精度を得ることができる。
3)実施の形態1の駆動ユニットは、
支持部材としてのインナフレーム13は、径方向(ラジアル方向)に比べ周方向の断面二次モーメントが低い断面形状に形成されていることを特徴とする。
したがって、インナフレーム13は、上記1)にて述べた駆動反力がステータ11に入力されたときの周方向への変形がより生じやすくなる。このため、キー突起31においても、剪断歪が生じやすくなり、トルク検出精度を向上させることが可能となる。
また、インナフレーム13の径方向(ラジアル方向)の断面二次モーメントを確保することにより、ステータ11に対する支持剛性を確保することができる。
4)実施の形態1の駆動ユニットは、
トルク検出部としての歪センサ33が、キー突起31に設けられ、
キー突起31の周方向には、モータケース101と回り止め部材としてのインナフレーム13とのいずれか一方に、歪センサ33と径方向で重なるまで径方向に突出された保護突起101h,101hが設置されていることを特徴とする。
したがって、モータケース101の内部にゴミその他の異物が侵入した場合に、歪センサ33を、保護突起101h,101hにより異物から保護することが可能であり、信頼性向上を図ることができる。
5)実施の形態1の駆動ユニットは、
トルク検出部としての歪センサ33は、1つのキー突起31に対して、周方向の一対の係合面としてのラジアル方向面31c,31cにそれぞれ1つ以上設けられていることを特徴とする。
したがって、万一、キー突起31に亀裂が入るような不具合が生じて、一方の歪センサ33のトルク検出ができなくなった場合でも、もう一方の歪センサ33によるトルク検出を確保できる。よって、このような場合には、両歪センサ33,33からの出力信号を比較することにより、異常を検出することが可能であり、信頼性の向上を図ることが可能である。
6)実施の形態1の駆動ユニットは、
キー係合部30およびトルク検出部としての歪センサ33が、回転要素の回転中心軸(軸心O)に対して対称となる複数個所に設けられていることを特徴とする。
したがって、トルク検出部を、1箇所のみに設けたものと比較して、インナフレーム13の周方向の変位が、周方向の場所によって差が生じたとしても、トルク検出遅れが生じにくくなり、検出応答性を高めることが可能である。
(他の実施の形態)
次に、他の実施の形態のトルク検出装置について説明する。
なお、他の実施の形態は、実施の形態1の変形例であるため、実施の形態1と共通する構成には実施の形態1と同じ符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点のみ説明する。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2の駆動ユニットについて説明する。
図7は実施の形態2の駆動ユニットの要部を示す概略断面図であって、インナフレーム213は、その外周部に、ステータ11の外周に配置された円筒状の外筒部213aを備えている。そして、この外筒部213aをステータ支持部として、その内周でステータ11を支持している。なお、この支持構造としては、外筒部213aの内周と、ステータ11の外周とをセレーション結合し、ピンなどのストッパにより軸方向の移動を規制する構造を用いることができる。
そして、トルク検出装置TSにおいて、キー係合部230のキー突起231は、図7、図8に示すように、インナフレーム213の外筒部213aから外径方向に突出されている。なお、本実施の形態2では、キー突起231は、外筒部213aに沿って、軸方向に延在されている。
また、キー溝232は、モータケース101の円筒部101aの内周に、キー突起231と周方向に係合可能に形成されている。すなわち、キー突起231のラジアル方向面231cと、キー溝232のラジアル方向面232cとが、隙間CL5を開けて対向している。
そして、キー突起231には、実施の形態1と同様に、歪センサ233が設けられている。
以上説明した実施の形態2の駆動ユニットにあっても、実施の形態1と同様に、上記1)〜6)に記載した構成に基づいて、同様の効果を得ることができる。
なお、キー突起231は、図9に示すキー突起231fのように、軸方向で外筒部213aの一部の部分のみに設けた形状としてもよい。また、図10に示すキー突起231g,231gのように、インナフレーム213の周方向の複数個所に設けるようにしてもよい。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3の駆動ユニットについて説明する。
実施の形態3の駆動ユニットは、キー突起とキー溝との関係を、実施の形態1とは逆に配置した例である。
すなわち、図11に示すように、キー係合部330のキー突起331は、モータケース101の円筒部101aの内周から、内径方向(軸心Oの方向)に突出されている。
一方、インナフレーム13には、キー突起331に周方向に係合するキー溝332が形成されている。
また、キー突起331とキー溝332とには、それぞれ、周方向で隙間を挟んで対向するラジアル方向面331c,332cが形成されている。
そして、キー突起331のベース部331aの周方向の両面に歪センサ333,333が設けられている。
さらに、実施の形態3には、インナフレーム13の外周面に、キー突起331に対して周方向に、隙間CL5よりも大きな隙間CL6を介在させた位置に、保護突起13p,13pが設けられている。
この実施の形態2にあっても、ロータ12を駆動させた際の反力がインナフレーム13に伝達され、インナフレーム13とモータケース101とが周方向に相対変位する。したがって、実施の形態1と同様に、キー突起331とキー溝332のラジアル方向面331c,332cが当接することによりキー突起331に生じる剪断歪を歪センサ333が検出することで、モータジェネレータMGの出力トルクを検出することができる。
よって、この実施の形態2の駆動ユニットにあっても、実施の形態1と同様に、上記1)〜6)の効果を得ることができる。
(実施の形態4)
実施の形態4は、トルク検出装置TSを、図2において円S2にて示した位置に設けた例である。
すなわち、図12に示すように、インナフレーム13のステータ支持部13cから、外径方向にモータケース101の円筒部101aの内周に向けてキー係合部430のキー突起431が突出されている。
そして、この図12に示す例では、モータケース101の縦壁部101bに、キー突起431と周方向に係合するキー溝432が、軸方向に凹んで形成されている。
また、図示は省略するが、キー突起431には、実施の形態1と同様に、ベース部に歪センサが設けられている。
したがって、この実施の形態4にあっても、モータジェネレータMGの駆動時には、その出力トルクに応じて、インナフレーム13がモータケース101に対して、軸心Oを中心として周方向に変位する。これにより、実施の形態1と同様の作用により、モータジェネレータMGの出力トルクを検出することができる。
(実施の形態5)
実施の形態5は、図13に示すように、一対のトルク検出装置TSを、ギヤトレインGTの遊星歯車機構20のリングギヤ(インターナルギヤ)21とモータケース101との間に設けた例である。
なお、リングギヤ21は、モータケース101とは別体に形成され、モータケース101の内周部に対して、セレーション結合により軸心Oを中心とする回転を規制される一方で、図示を省略した爪状の突起により軸方向で搖動可能に取り付けられている。
トルク検出装置TSについて説明すると、図14に示すように、リングギヤ21の外周から外径方向にキー係合部530のキー突起531が突出して形成されている。なお、キー突起531は、実施の形態1と同様のベース部531a、柱部531b、ラジアル方向面531c,531cを備えている。
そして、ベース部531aにおいて各ラジアル方向面531c,531cに、歪センサ533が設置されている。
一方、モータケース101には、キー突起531と周方向に係合するキー溝532が、軸方向に延在されている。なお、図13に示すように、キー突起531は、軸方向にはリングギヤ21の略全長に亘って設けられており、かつ、キー溝532も、モータケース101の開口部分の軸方向の全長に亘って設けられている。
さらに、図14に示すように、トルク検出装置TSを、リングギヤ21の周方向の対称となる2箇所に設けているが、さらに、周方向で、トルク検出装置TS,TSの間に、回止め係合部500を備えている。
この回り止め係合部500は、リングギヤ21から径方向に突出された係合突起501と、この係合突起501と周方向に係合可能にモータケース101に設けられた係合溝502と、を備えている。
そして、この係合突起501と係合溝502との間で周方向に設定された隙間CL7は、前述のキー突起531とキー溝532との周方向の隙間CL5よりも大きな寸法に設定されている。
(作用)
モータジェネレータMGの駆動時には、ロータ12の回転が、モータ軸6から遊星歯車機構20のピニオンキャリア23に入力され、サンギヤ22から駆動出力軸10に出力される。
このとき、遊星歯車機構20では、リングギヤ21は、回転されないことから、モータケース101との間にトルク反力が作用し、モータケース101に対して、軸心Oを中心として周方向に変位する。
したがって、実施の形態1と同様に、キー突起531において生じた剪断方向の歪に基づいて、歪センサ533,533により、遊星歯車機構20により伝達されるトルク、すなわち、駆動ユニットWDの出力トルクを検出することができる。
また、仮に、キー突起531あるいはキー溝532に変形が生じた場合、リングギヤ21が隙間CL7の分だけ周方向に変位した後は、回り止め係合部500における係合突起501と係合溝502とが係合し、その周方向の変位が規制される。
(実施の形態5の効果)
5−1)実施の形態5の駆動ユニットは、
駆動部の回転要素は、駆動源としてのモータジェネレータMGの回転伝達経路に設けられた遊星歯車機構20であり、
前記回り止め部材は、遊星歯車機構20のインターナルギヤとしてのリングギヤ21であって、このリングギヤ21がモータケース101に対して回り止めされていることを特徴とする。
実施の形態5では、遊星歯車機構20の出力側のトルクを計測する。このため、検出値には、遊星歯車機構20のギヤのフリクションなどの影響も加味でき、モータジェネレータMGの出力軸近傍のトルクを検出するよりも、駆動ユニットWDの出力トルクとしてより正確に計測できる。
5−2)実施の形態5の駆動ユニットは、
リングギヤ21とモータケース101との間に、キー係合部530と並列に、リングギヤ21から径方向に突出された係合突起501と、この係合突起501と周方向に係合可能にモータケース101に設けられた係合溝502と、を備えた回止め係合部500を備え、
係合突起501と係合溝502との周方向の係合面の間に確保された周方向の隙間CL7は、キー係合部530においてキー突起531とキー溝532との間で周方向に確保された隙間CL5よりも大きな寸法に設定されていることを特徴とする。
したがって、通常はトルク検出装置TSのキー係合部530によりトルク計測とリングギヤ21の回転止めとの2つの機能を確保する。
また、万一、キー係合部530に変形などの異常が生じた場合には、回り止め係合部500による係合突起501と係合溝502との係合により、リングギヤ21の回り止めを行うことができ、駆動ユニットWDの確実な駆動を確保することができる。
なお、実施の形態5にあっても、上記1)5)6)と同様の構成に基づいて、同様の効果を得ることができる。
(実施の形態5の変形例)
次に、図15、図16、図17により実施の形態5の変形例を説明する。
なお、以下の説明において、実施の形態5と共通する構成については説明を省略し、実施の形態5との相違点のみを説明する。
図15に示す実施の形態5の変形例では、歪センサ633は、モータケース101に形成されたキー溝532に設置されている。
また、この例では、歪センサ633は、キー溝532のラジアル方向面532cと底面532dとが交わるコーナ部分に設置されている。
この変形例でも、モータジェネレータMGの駆動時には、キー突起531とキー溝532とが周方向に係合し、キー溝532のラジアル方向面532cおよび底面532dに歪が生じるのに応じ、駆動ユニットWDの出力トルクを検出することができる。
このように、歪センサ633を、キー係合部530において、モータケース101側のキー溝532に設けても、駆動ユニットWDの出力トルクを検出することが可能である。
図16に示す実施の形態5の変形例では、歪センサ633bを、キー溝532の底面532dに設置した例である。
この変形例でも、モータジェネレータMGの駆動時には、キー突起531とキー溝532とが周方向に係合し、キー溝532の底面532dに剪断歪が生じるのに応じ、駆動ユニットWDの出力トルクを検出することができる。
図17に示す実施の形態5の変形例では、キー係合部730は、モータケース101から内径方向にキー突起731と、リングギヤ21の外周面から内径方向に凹まされて形成されたキー溝732と、を備えている。なお、キー突起731およびキー溝732は、実施の形態5と同様に、軸方向に延在されている。
そして、キー突起731のベース部731aにおいて両ラジアル方向面731c,731cに歪センサ733,733が設置されている。
したがって、モータジェネレータMGの駆動時には、キー突起731とキー溝732とが周方向に係合し、キー突起731に生じた剪断歪に基づいて、歪センサ733により駆動ユニットWDの出力トルクを検出することができる。
以上、本発明のトルク検出装置を実施の形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施の形態では、本発明の駆動ユニットとして、電動車両のインホイールモータを備えた駆動ユニットに適用した例を示した。しかしながら、この駆動ユニットとしては、モータジェネレータにより車輪を駆動させるものに限定されず、モータジェネレータ以外の駆動源を用いるものにも適用することができる。また、駆動部の一例として、遊星歯車機構を示したが、これに限定されず、種々のトルク伝達機構に適用することができる。
また、回転止部材としてのステータ支持部材において、径方向(ラジアル方向)に比べ、周方向の断面二次モーメントを小さくする形状として、貫通穴を設けたものを示したが、その形状としては、これに限定されない。例えば、図18(a)に示すように、ステータ支持部材としてのインナフレーム13の軸方向を向いた側面に、径方向に溝801を形成して周方向の断面二次モーメントを小さくしてもよい。あるいは、図18(b)に示すように、ステータ支持部材としてのインナフレーム13の軸方向を向いた側面に、径方向にリブ802を形成することで、径方向(ラジアル方向)の強度を相対的に上げて、径方向(ラジアル方向)に比べ、周方向の断面二次モーメントを小さくする形状としてもよい。
11 ステータ(駆動部)
13 インナフレーム(回り止め部材:支持部材)
13c ステータ支持部
13h ケース固定部
13p 保護突起
20 遊星歯車機構
21 リングギヤ(回り止め部材:インターナルギヤ)
30 キー係合部
31 キー突起
31c ラジアル方向面(係合面)
32 キー溝
32c ラジアル方向面(係合面)
33 歪センサ(トルク検出部)
101 モータケース
101h 保護突起
213 インナフレーム(回り止め部材:支持部材)
230 キー係合部
231 キー突起
232 キー溝
233 歪センサ(トルク検出部)
330 キー係合部
331 キー突起
332 キー溝
333 歪センサ(トルク検出部)
430 キー係合部
431 キー突起
432 キー溝
500 回り止め係合部
501 係合突起
502 係合溝
530 キー係合部
531 キー突起
532 キー溝
533 歪センサ(トルク検出部)
633 歪センサ(トルク検出部)
730 キー係合部
731 キー突起
732 キー溝
733 歪センサ
GT ギヤトレイン
MG モータジェネレータ
TS トルク検出装置
W 車輪
WD 駆動ユニット

Claims (8)

  1. ケースと、
    駆動源の駆動時に、出力に応じた駆動反力を受ける駆動部と、
    この駆動部を前記ケースに対して回り止めする回り止め部材と、
    この回り止め部材と前記ケースとの一方に設けられたキー突起、および前記回り止め部材と前記ケースとのもう一方に設けられて前記キー突起と周方向に係合可能な凹状に形成されたキー溝を備えたキー係合部と、
    このキー係合部に生じる前記駆動反力に応じた物理量を検出可能なトルク検出部と、
    を備えていることを特徴とする駆動ユニット。
  2. 請求項1に記載の駆動ユニットにおいて、
    前記駆動部は、駆動源としてのモータのステータであり、
    前記回り止め部材は、前記ステータを支持するステータ支持部と、このステータ支持部と径方向に離れた位置で、前記ケースに固定されたケース固定部と、を備えて、前記ステータを前記ケースに対して片持ち支持する支持部材であることを特徴とする駆動ユニット。
  3. 請求項2に記載の駆動ユニットにおいて、
    前記支持部材は、径方向に比べ周方向の断面二次モーメントが低い断面形状に形成されていることを特徴とする駆動ユニット。
  4. 請求項1に記載の駆動ユニットにおいて、
    前記駆動部は、前記駆動源の回転伝達経路に設けられた遊星歯車機構であり、
    前記回り止め部材は、前記遊星歯車機構のインターナルギヤであって、このインターナルギヤが前記ケースに対して回り止めされていることを特徴とする駆動ユニット。
  5. 請求項4に記載の駆動ユニットにおいて、
    前記インターナルギヤと前記ケースとの間に、前記キー係合部と並列に、前記インターナルギヤと前記ケースとの一方から径方向に突出された係合突起と、この係合突起と周方向に係合可能に前記インターナルギヤと前記ケースとのもう一方に設けられた係合溝と、を備えた回止め係合部を備え、
    前記係合突起と係合溝との周方向の係合面の間に確保された周方向の隙間は、前記キー係合部において前記キー突起と前記キー溝との間で周方向に確保された隙間よりも大きな寸法に設定されていることを特徴とする駆動ユニット。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の駆動ユニットにおいて、
    前記トルク検出部が、前記キー突起に設けられ、
    前記キー突起の周方向には、前記ケースと前記回り止め部材とのいずれか一方に、前記トルク検出部と径方向に重なるよう径方向に突出された保護突起が設置されていることを特徴とする駆動ユニット。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の駆動ユニットにおいて、
    前記トルク検出部は、1つの前記キー突起または1つの前記キー溝に対して、前記周方向の一対の係合面にそれぞれ1つ以上設けられていることを特徴とする駆動ユニット。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の駆動ユニットにおいて、
    前記キー係合部およびトルク検出部が、前記回転要素の回転中心軸に対して対称となる位置に複数設けられていることを特徴とする駆動ユニット。
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