JP2014075879A - アウターロータ式インホイールモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動性能及び制動性能に優れ、且つ耐久性にも優れたアウターロータ式インホイールモータを構成する。
【解決手段】モータ回転子7のモータ軸10の外周に沿って複列アンギュラ玉軸受8と回転角センサ9を直列に配置して固定し、モータ1の外部に突出したモータ軸10の端部にブレーキ機構を構成するディスクブレーキのロータ11を取り付けてモータ1を構成する。モータ1の車体側端面は第1のモータカバー12と第2のモータカバーを同軸上に配置して閉鎖し、第1のモータカバー12に設けたオイルシール14の複数のリップ部14a,14bで両モータカバー間の隙間を閉鎖する。
【選択図】図1
【解決手段】モータ回転子7のモータ軸10の外周に沿って複列アンギュラ玉軸受8と回転角センサ9を直列に配置して固定し、モータ1の外部に突出したモータ軸10の端部にブレーキ機構を構成するディスクブレーキのロータ11を取り付けてモータ1を構成する。モータ1の車体側端面は第1のモータカバー12と第2のモータカバーを同軸上に配置して閉鎖し、第1のモータカバー12に設けたオイルシール14の複数のリップ部14a,14bで両モータカバー間の隙間を閉鎖する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電気自動車に装備されるアウターロータ式インホイールモータ(以下、「インホイールモータ」或いは単に「モータ」ともいう)の構造に関する。
電気自動車用のインホイールモータとして、例えば予め筒状に巻線されたコイルをティース外周に装着してステータを形成し、このステータとアウターロータ(モータ回転子)が対向する部分を含む空間をオイルシールにより密閉するとともに、モータの制動手段である小型のブレーキをホイール内に装備した構成のものが知られている(例えば特許文献1参照)。
また、他の例として、図10に示されるように、ホイール取り付け面とは反対側にアウターロータのモータ軸101を突出させてインホイールモータ100を形成し、インホイールモータ100を支持する車輪支持体102に前記モータ軸101を挿通するとともに、このモータ軸101にディスクブレーキ103を取り付けて車輪支持体102よりも車体側に制動手段であるブレーキ機構を設けた構成のものが知られている(例えば特許文献2参照)。
インホイールモータを装備した電気自動車の走行性能及び実用性を高めるには、ホイールを駆動するインホイールモータ自体の性能、つまり駆動性能と制動性能の向上を図ることが不可欠であり、また、走行中にモータに加わる外的負荷、例えば路面から飛散した砂利などの異物の衝突や水滴の付着などによっても故障することのないように十分な耐久性の確保が不可欠である。
前記従来のインホイールモータの内、前者ではステータコア及びロータコアが小さく、大きなモータ出力が得られず、また、ホイール内に装備されたブレーキが小さいため十分な制動力を得ることができない。また、後者ではホイールの外側に設けたブレーキ機構により十分な制動力が得られるものの、モータへの異物などの侵入防止などの耐候性を確保するための構造については明らかではない。
インホイールモータは、そのステータ及びアウターロータを大型化すれば大きなトルクを出力できて駆動性能は向上するが、一般的な自動車のタイヤやホイールの大きさはその上限が17インチ程度であり、かかる寸法上の制約の範囲内でモータをできる限り大型に設けて、その性能と耐久性の向上を図る必要がある。
本発明は従来技術の有するこのような問題点に鑑み、駆動性能及び制動性能に優れ、且つ耐久性にも優れたインホイールモータを構成し、これを装備した電気自動車の走行性能及び実用性を高めることを課題とする。
前記課題を解決するため本発明は、車輪支持体2にモータ固定部品である固定スタッド3を介して固定された軸受箱4の外周部に回転磁界を生成するステータコア5が固定され、軸受箱4の内周部にはモータ回転子7のモータ軸10が貫通設置され、軸受箱4とモータ軸10との間には複列アンギュラ玉軸受8とモータ回転子7の回転角を検出する回転角センサ9が軸方向に直列に配置して固定され、ステータコア5と対向配置されたモータ回転子7の外側内周部には多数の永久磁石が列設されたロータコア6が設置されているとともに、モータ軸10の端部にブレーキ機構を構成するブレーキの回転部材であるディスクブレーキのロータ11が取り付けられた構成を有するアウターロータ式インホイールモータ1において、
モータ回転子7の外周部に車輪支持体2側でモータ回転子7の外側縁部から軸受箱4に向けて延びた第1のモータカバー12と、軸受箱4を含むモータ軸10の周辺部を覆う第2のモータカバー13を備えるとともに、
第1のモータカバー12はモータ固定部品3よりも外周側で、第1のシール部14を介して第2のモータカバー13に隙間なく接触して当該第2のモータカバー13の表面に摺動可能に設けられ、
第2のモータカバー13は第2のシール部15を介してモータ軸10に隙間なく接触して当該モータ軸10の表面に摺動可能に設けられた構成を有することを特徴とする。
モータ回転子7の外周部に車輪支持体2側でモータ回転子7の外側縁部から軸受箱4に向けて延びた第1のモータカバー12と、軸受箱4を含むモータ軸10の周辺部を覆う第2のモータカバー13を備えるとともに、
第1のモータカバー12はモータ固定部品3よりも外周側で、第1のシール部14を介して第2のモータカバー13に隙間なく接触して当該第2のモータカバー13の表面に摺動可能に設けられ、
第2のモータカバー13は第2のシール部15を介してモータ軸10に隙間なく接触して当該モータ軸10の表面に摺動可能に設けられた構成を有することを特徴とする。
また、本発明は前記構成において、第1のシール部14はゴムなどの弾性体により形成された第1のリップ部14aを備え、第2のモータカバー13には第1のリップ部14aとシール係合可能なシール当接面13bが設けられており、
前記第1のリップ部14aは、
モータ回転子7の回転停止時は自身の弾性復元力によってそのリップ先端がシール当接面13bに弾性圧接して第2のモータカバー13との間の隙間を閉鎖せしめ、モータ回転子7の回転中には当該回転に伴って受ける遠心力により弾性変形して、そのリップ先端とシール当接面13bとの接触圧を低下させ或いはリップ先端がシール当接面13bから離間するように設けられた構成を有することを特徴とする。
前記第1のリップ部14aは、
モータ回転子7の回転停止時は自身の弾性復元力によってそのリップ先端がシール当接面13bに弾性圧接して第2のモータカバー13との間の隙間を閉鎖せしめ、モータ回転子7の回転中には当該回転に伴って受ける遠心力により弾性変形して、そのリップ先端とシール当接面13bとの接触圧を低下させ或いはリップ先端がシール当接面13bから離間するように設けられた構成を有することを特徴とする。
また、本発明は前記構成において、第1のシール部14はゴムなどの弾性体により形成された第2のリップ部14bを備え、車輪支持体2には第2のリップ部14bとシール係合可能なシール当接面2aが設けられており、
前記第2のリップ部14bは、
モータ回転子7の回転停止時は自身の弾性復元力によってそのリップ先端がシール当接面2aに弾性圧接して車輪支持体2との間の隙間を閉鎖せしめ、モータ回転子7の回転中には当該回転に伴って受ける遠心力により弾性変形して、そのリップ先端とシール当接面2aとの接触圧を低下させ或いはリップ先端がシール当接面2aから離間するように設けられた構成を有することを特徴とする。
前記第2のリップ部14bは、
モータ回転子7の回転停止時は自身の弾性復元力によってそのリップ先端がシール当接面2aに弾性圧接して車輪支持体2との間の隙間を閉鎖せしめ、モータ回転子7の回転中には当該回転に伴って受ける遠心力により弾性変形して、そのリップ先端とシール当接面2aとの接触圧を低下させ或いはリップ先端がシール当接面2aから離間するように設けられた構成を有することを特徴とする。
また、本発明は前記構成において、第2のモータカバー13は、軸受箱4とともに車輪支持体2に固定されるとともに、その外周にステータコア5に係合して位置決めをするステータコア固定部13cを備えた構成を有することを特徴とする。
さらに本発明は前記構成において、複列アンギュラ玉軸受8はその玉軸受外輪部8fが軸受箱4の内周部に嵌め込まれて固定されるとともに、玉軸受内輪部8eの両端部と軸受箱4の固定部位4a,4bとの間に狭隘な隙間4c,4cを設けた構成を有することを特徴とする。
またさらに本発明は前記構成において、モータ軸10の外周面に段差部10aを設け、この段差部10aに回転角センサ9の回転角検出用ロータ9aが嵌合されるとともに、回転軸10の外周に装着されたゴムなどの弾性体により形成された輪状部品9eを介して回転角検出用ロータ9aを段差部10aに押圧固定した構成を有することを特徴とする。
本発明によれば、駆動性能及び制動性能に優れ、且つ耐久性にも優れたインホイールモータが構成され、これを装備した電気自動車の走行性能及び実用性を高めることが可能となる。
すなわち、本発明のインホイールモータによれば、複列アンギュラ玉軸受と回転角センサが、大型のモータステータにより設置スペース上の制限を受ける、軸受箱とモータ軸の間の小さな隙間に設置され、その結果、大きさの上限が17インチ程度の汎用の自動車のホイールに大きなトルクを出力する小型のモータを組み込むことが可能となる。
また、軸受箱とモータ回転子の間にシール部を備えた第1のモータカバーを設けてあるため、ステータコアとモータ回転子の対向設置領域を含む空間部の密閉性が保たれ、さらに軸受箱を含むモータ軸の周辺を閉鎖するようにシール部を備えた第2のモータカバーを設けてあるため、複列アンギュラ玉軸受と回転角センサの設置領域を含む空間部の密閉性が保たれ、これら両モータカバーによってモータの端面を確実に閉鎖し、モータ軸がモータの外部に露出していても、異物がモータ内部に侵入することを確実に防止してモータの耐久性を高めることができる。
すなわち、本発明のインホイールモータによれば、複列アンギュラ玉軸受と回転角センサが、大型のモータステータにより設置スペース上の制限を受ける、軸受箱とモータ軸の間の小さな隙間に設置され、その結果、大きさの上限が17インチ程度の汎用の自動車のホイールに大きなトルクを出力する小型のモータを組み込むことが可能となる。
また、軸受箱とモータ回転子の間にシール部を備えた第1のモータカバーを設けてあるため、ステータコアとモータ回転子の対向設置領域を含む空間部の密閉性が保たれ、さらに軸受箱を含むモータ軸の周辺を閉鎖するようにシール部を備えた第2のモータカバーを設けてあるため、複列アンギュラ玉軸受と回転角センサの設置領域を含む空間部の密閉性が保たれ、これら両モータカバーによってモータの端面を確実に閉鎖し、モータ軸がモータの外部に露出していても、異物がモータ内部に侵入することを確実に防止してモータの耐久性を高めることができる。
また、第1のモータカバーに設けたシール部の第1のリップ部を、第2のモータカバーに設けたシール当接面に当接するように配置することで、モータ内部への水や塵埃などの侵入を確実に防止することができる。この場合、モータの回転速度の上昇に伴ってシール当接面に対する第1のリップ部のリップ先端の接触圧は弱くなるが、高速回転領域においても、摩擦低減を図りつつリップ先端がシール当接面に接触してシール性が保持されるように、第1のリップ部の弾性値を適宜に選定することで、モータ内部への水などの侵入を確実に防止することが可能である。
さらに、第1のモータカバーに設けたシール部の第2のリップ部を、車輪支持体に設けたシール当接面に当接するように配置することで、走行中に飛散する小石や砂などの比較的大きな異物がモータ内に侵入を確実に防止することができる。この場合、モータが高速で回転しているときは異物は遠心力でモータの外側に飛散してモータ内部に侵入する危険性が極めて小さくなるので、モータ停止時時にはシール当接面に確実に接触し、高速回転時にはシール当接面に非接触となるように、第2のリップ部の弾性値を適宜に選定することができる。
さらに、第1のモータカバーに設けたシール部の第2のリップ部を、車輪支持体に設けたシール当接面に当接するように配置することで、走行中に飛散する小石や砂などの比較的大きな異物がモータ内に侵入を確実に防止することができる。この場合、モータが高速で回転しているときは異物は遠心力でモータの外側に飛散してモータ内部に侵入する危険性が極めて小さくなるので、モータ停止時時にはシール当接面に確実に接触し、高速回転時にはシール当接面に非接触となるように、第2のリップ部の弾性値を適宜に選定することができる。
また、単一の部材である第2のモータカバーに、モータ軸の周辺を含むモータ端面の密閉機能、ステータコアの位置決め機能などの複数の機能を装備させることで部品コストの低減化及び組み立て作業の容易化が実現され、モータの生産性を向上させることが可能となる。
さらに、複列アンギュラ玉軸受と軸受箱との固定部位に狭隘な隙間を設けることで、特別な部材を用いることなく、グリースの飛散を抑えることができ、モータの性能維持の機能実現に対してコストダウン及び生産性の向上に貢献することができる。
またさらに、モータ軸の外周面に設けた段差部に回転角センサの回転角検出用ロータを嵌合し、輪状部品を介して回転角検出用ロータを段差部に押圧固定することで、所定の取り付け位置に容易且つ高精度に取り付けることが可能となる。
さらに、複列アンギュラ玉軸受と軸受箱との固定部位に狭隘な隙間を設けることで、特別な部材を用いることなく、グリースの飛散を抑えることができ、モータの性能維持の機能実現に対してコストダウン及び生産性の向上に貢献することができる。
またさらに、モータ軸の外周面に設けた段差部に回転角センサの回転角検出用ロータを嵌合し、輪状部品を介して回転角検出用ロータを段差部に押圧固定することで、所定の取り付け位置に容易且つ高精度に取り付けることが可能となる。
本発明の好適な一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態のアウターロータ式インホイールモータの概略断面を示しており、このモータ1は、そのインナー部が、車体(図示せず)の車輪支持体2にモータ固定部品である固定スタッド3で固定される軸受箱4の外周部に回転磁界を生成するステータコア5を固定して構成し、アウターロータ部を、内周部に多数の永久磁石が列設したロータコア6を設けてなるモータ回転子7により構成してある。
前記ステータコア5の外周にはモータ回転子7のロータコア6を対向配置して当該ステータコア5の外側にモータ回転子7を配置してあるとともに、軸受箱4の内周部には複列アンギュラ玉軸受8とモータ回転子7の回転角を検出する回転角センサ9を軸方向に直列に配置して固定し、軸受箱4の内周部に貫通設置したモータ回転子7のモータ軸10を、複列アンギュラ玉軸受8を介して回転自在に支持させてある。
そして、車輪支持体2を貫通して車体側へ突出したモータ軸10の端部にブレーキ機構(図示せず)を構成するディスクブレーキのロータ11を固定して構成してある。
図1は本発明の一実施形態のアウターロータ式インホイールモータの概略断面を示しており、このモータ1は、そのインナー部が、車体(図示せず)の車輪支持体2にモータ固定部品である固定スタッド3で固定される軸受箱4の外周部に回転磁界を生成するステータコア5を固定して構成し、アウターロータ部を、内周部に多数の永久磁石が列設したロータコア6を設けてなるモータ回転子7により構成してある。
前記ステータコア5の外周にはモータ回転子7のロータコア6を対向配置して当該ステータコア5の外側にモータ回転子7を配置してあるとともに、軸受箱4の内周部には複列アンギュラ玉軸受8とモータ回転子7の回転角を検出する回転角センサ9を軸方向に直列に配置して固定し、軸受箱4の内周部に貫通設置したモータ回転子7のモータ軸10を、複列アンギュラ玉軸受8を介して回転自在に支持させてある。
そして、車輪支持体2を貫通して車体側へ突出したモータ軸10の端部にブレーキ機構(図示せず)を構成するディスクブレーキのロータ11を固定して構成してある。
より詳しくは、軸受箱4は概略円筒形をなし、その外周部に、同様に円筒形の孔部を備えたステータコア5を嵌合固定してある。ステータコア5の外周部には、その周方向に沿って多数のティース(図示せず)が列設され、各ティースには励磁コイル(図示せず)を巻き付けてある。
ロータコア6は、モータ回転子7の概略円筒形の外枠内周面に固定されており、その周方向に沿って多数の永久磁石を列設して形成してある。
そして、ステータコア5の外周面とロータコア6の内周面とは、僅かな隙間を挟んで対向するように配置してある。
なお、図示されない車輪のホイールは、モータ回転子7の外側に面したモータ軸10の側面に締結される。
ロータコア6は、モータ回転子7の概略円筒形の外枠内周面に固定されており、その周方向に沿って多数の永久磁石を列設して形成してある。
そして、ステータコア5の外周面とロータコア6の内周面とは、僅かな隙間を挟んで対向するように配置してある。
なお、図示されない車輪のホイールは、モータ回転子7の外側に面したモータ軸10の側面に締結される。
また、軸受箱4の内周部は概略円筒状の孔部となっており、この孔部の周面部に複列アンギュラ玉軸受8と回転角センサ9を収納してある。
ここで複列アンギュラ玉軸受8は、例えば図2に示されるように、外輪8aと内輪8bの間に複数個の転動体である玉8cを所定の間隔を開けて2列に並置し、それぞれの列の玉8cが接触しないように、保持器8dによって一定の間隔に保持した構成のものを用いることができる。
前記玉軸受の玉8cの材質をセラミックにしてもよく、それにより、電気腐食の発生を抑え、高温環境下での軸受性能の向上を図ることができる。
ここで複列アンギュラ玉軸受8は、例えば図2に示されるように、外輪8aと内輪8bの間に複数個の転動体である玉8cを所定の間隔を開けて2列に並置し、それぞれの列の玉8cが接触しないように、保持器8dによって一定の間隔に保持した構成のものを用いることができる。
前記玉軸受の玉8cの材質をセラミックにしてもよく、それにより、電気腐食の発生を抑え、高温環境下での軸受性能の向上を図ることができる。
このように、軸受箱4の外周部にステータコア5、内周部に複列アンギュラ玉軸受8をそれぞれ設けた構造とすることにより、磁気力で発生した力と機械的に伝えられる力を一つの部材で受け止めることができ、さらにタイヤの回転軸方向中心面と複列アンギュラ玉軸受8の回転軸方向中心面を近接させた構造とすることにより、モータ1の機械的歪みを低減させることが可能となる。
すなわち、モータ1の駆動時及び回生制動時にはモータ回転子7のロータコア6に、磁気力によって回転力以外に吸引力や反発力などが加わり、ステータコア5との位置関係を変化させようとするが、本形態のモータ1は前記の構造を採用しているため、ロータコア6とステータコア5の位置関係の変化は最小限に抑えられる。また、タイヤにロール方向(進行方向を軸とした軸廻りの回転方向)の力がかかったときに、モータ軸10及び軸受箱4を介してロータコア6とステータコア5の両方に略同じ動きが伝わり、これによっても、ロータコア6とステータコア5の位置関係の変化を最小限に抑えることができる。
すなわち、モータ1の駆動時及び回生制動時にはモータ回転子7のロータコア6に、磁気力によって回転力以外に吸引力や反発力などが加わり、ステータコア5との位置関係を変化させようとするが、本形態のモータ1は前記の構造を採用しているため、ロータコア6とステータコア5の位置関係の変化は最小限に抑えられる。また、タイヤにロール方向(進行方向を軸とした軸廻りの回転方向)の力がかかったときに、モータ軸10及び軸受箱4を介してロータコア6とステータコア5の両方に略同じ動きが伝わり、これによっても、ロータコア6とステータコア5の位置関係の変化を最小限に抑えることができる。
また、回転角センサ9は、前記軸受箱4の孔部の周面部に、その軸方向に沿って複列アンギュラ玉軸受8に直列に配置して固定されており、モータ回転子10の回転角を検出して、図示されないモータコントローラへと信号出力するように設けてある。
回転角センサ9は、例えば後述する図9に示されるように、モータ軸10の外周面に面して取り付けられる回転角検出用ロータ9aと、取り付けネジ9cによって軸受箱4に固定される回転角検出用ステータ9bを備えて構成される。
図1に示されるように、回転検出用ステータ9bを複列アンギュラ玉軸受8と同じ部材に固定することで、高い同軸度が得られやすく、良好な回転角の検出精度を得ることができる。
さらに、本形態では、図1に示されるように、複列アンギュラ玉軸受8と回転角センサ9を、ステータコア5の励磁コイルを含む当該ステータコア5の厚み方向の両端を通り、モータ軸10と直交する線分で仕切られる平面内(同図中の破線X−X間の幅Wの中)に、ほぼ納まるように配置してある。これにより、ステータコア5と軸受箱4の側面に面した部分に空き空間が形成され、ここに必要な部品を配置するように設けてある。図1には、モータ端子16に接続した電気回路部品を配置してある。
回転角センサ9は、例えば後述する図9に示されるように、モータ軸10の外周面に面して取り付けられる回転角検出用ロータ9aと、取り付けネジ9cによって軸受箱4に固定される回転角検出用ステータ9bを備えて構成される。
図1に示されるように、回転検出用ステータ9bを複列アンギュラ玉軸受8と同じ部材に固定することで、高い同軸度が得られやすく、良好な回転角の検出精度を得ることができる。
さらに、本形態では、図1に示されるように、複列アンギュラ玉軸受8と回転角センサ9を、ステータコア5の励磁コイルを含む当該ステータコア5の厚み方向の両端を通り、モータ軸10と直交する線分で仕切られる平面内(同図中の破線X−X間の幅Wの中)に、ほぼ納まるように配置してある。これにより、ステータコア5と軸受箱4の側面に面した部分に空き空間が形成され、ここに必要な部品を配置するように設けてある。図1には、モータ端子16に接続した電気回路部品を配置してある。
また、モータ回転子7の外周部であって車輪支持体2に面した端面には、中央に開口部を有する円盤形の第1のモータカバー12を取り付けてあり、この第1のモータカバー12の開口部内側には、モータ軸10が貫通する孔部を備えたドーナツ形の第2のモータカバー13を、第1のモータカバー12と同軸上に配置して取り付けてあり、両モータカバーでモータ1の車体側の端面を閉鎖してある。
第1のモータカバー12は、図3に示されるように、中央が円形に開口した円盤状を呈し、その中央開口部12aの内周部に、ゴムのなどの弾性材料を用いてリング状に形成されていて第1と第2の二つのリップ部14a、14bを有する第1のシール部であるオイルシール14を一体に固定して形成されており、外周部を前記モータ回転子7の端面に固定して取り付けてある。
また、第2のモータカバー13は、図4に示されるように、中央にモータ軸10が貫通する円形の孔部13aを備えたドーナツ形の枠状を呈し、その内周部にゴムのなどの弾性材料を用いてリング状に形成された第2のシール部であるオイルシール15を一体に装着し、その外周面に前記オイルシール14が当接するシール当接面13bと後述するステータコア固定部13cを設けるとともに、固定スタッド3が貫通する孔部13dを複数設けて形成されており、前記中央の孔部にモータ軸10を通してモータ軸10の周辺を第2のモータカバー13で覆い、軸受箱4から突出した固定スタッド3の一端を前記各孔部13dに挿通し、他端を車輪支持体2の図示されない孔部に通してナットで締結することにより、軸受箱4と一体に取り付けて固定してある。
前記第1のモータカバー12と第2のモータカバー13を取り付けてモータ1の端面を閉鎖した状態で、第1のモータカバー12は固定スタッド3よりも外周側でオイルシール14を介して第2のモータカバー13に隙間なく接触し、且つ第2のモータカバー13の表面に摺動可能に取り付けてある。
より詳しくは、図5に示されるように、第1のモータカバー12に装着されたオイルシール14の第1のリップ部14aは、第2のモータカバー13のシール当接面13bに隙間なく接触する配置に設けられ、また、第2のリップ部14bは、車輪支持体2の側面に設けられたシール当接面2aに隙間なく接触する配置に設けてある。
すなわち、第1のリップ部14aはいわゆるラジアルリップ、第2のリップ部14bはいわゆるアキシャルリップであり、第1のリップ部14aはモータ内部への水や塵埃など異物の侵入を防止する機能、第2のリップ部14bはモータ外部から第1のリップ14a周囲に飛散する砂粒程度以上の比較的大きな異物のモータ内部への侵入を防止する機能をそれぞれ奏し、両リップ部14a,14bにより第1,第2のモータカバー12,13の重なり部の密閉性が維持されるように設けてある。
すなわち、第1のリップ部14aはいわゆるラジアルリップ、第2のリップ部14bはいわゆるアキシャルリップであり、第1のリップ部14aはモータ内部への水や塵埃など異物の侵入を防止する機能、第2のリップ部14bはモータ外部から第1のリップ14a周囲に飛散する砂粒程度以上の比較的大きな異物のモータ内部への侵入を防止する機能をそれぞれ奏し、両リップ部14a,14bにより第1,第2のモータカバー12,13の重なり部の密閉性が維持されるように設けてある。
両リップ部14a,14bは、モータ1の停止時は、それぞれ自身の弾性復元力によって、それぞれのリップ先端がシール当接面13b,2aに弾性圧接して、第1のモータカバー12と、第2のモータカバー13との間及び車輪支持体2との間の隙間を閉鎖せしめる。
一方、モータ1を駆動して回転数が上がると、両リップ部14a,14bには、図4中の矢符Aで示す方向に遠心力が働き、それにより、第1のリップ部14aは第2のモータカバー13のシール当接面13bから離れる向き(矢符a方向)に力がかかり、第2のリップ部14bは車輪支持体2のシール当接面2aから離れる向き(矢符b方向)に力がかかる。
ここで、遠心力の作用により加わる力によって、第1のリップ部14aのリップ先端のシール当接面13bへの接触圧はモータ1の回転速度の上昇に伴い弱くなることから、モータ1の最高回転速度まで、リップ先端がシール当接面13bに非接触とならず、摩擦低減を図りつつもシール性が保持されるように、第1のリップ部14aの変形度合い考慮しつつその形状を選定することが好ましい。
一方、同様にモータ1の回転速度の上昇に伴い、第2のリップ部14bのリップ先端のシール当接面2aへの接触圧も弱くなり、一定の回転速度以上でリップ先端はシール当接面2aから離間して非接触となるようにしてもよい。すなわち、高速回転中はモータ周辺の異物が遠心力でモータ周方向に飛ばされてモータ内部への異物の侵入が極端に少なくなることから、回転中のリップ先端の摩擦が略0(ゼロ)となるように第2のリップ部14bの変形度合いを選定してもよい。
なお、両リップ部14a,14bのモータ1の回転速度に対する変形度合いは、オイルシール14の成形材料や全体の厚さ、各リップ部14a,14bの厚さなど成形寸法を適宜に設定して変化させることができる。
一方、モータ1を駆動して回転数が上がると、両リップ部14a,14bには、図4中の矢符Aで示す方向に遠心力が働き、それにより、第1のリップ部14aは第2のモータカバー13のシール当接面13bから離れる向き(矢符a方向)に力がかかり、第2のリップ部14bは車輪支持体2のシール当接面2aから離れる向き(矢符b方向)に力がかかる。
ここで、遠心力の作用により加わる力によって、第1のリップ部14aのリップ先端のシール当接面13bへの接触圧はモータ1の回転速度の上昇に伴い弱くなることから、モータ1の最高回転速度まで、リップ先端がシール当接面13bに非接触とならず、摩擦低減を図りつつもシール性が保持されるように、第1のリップ部14aの変形度合い考慮しつつその形状を選定することが好ましい。
一方、同様にモータ1の回転速度の上昇に伴い、第2のリップ部14bのリップ先端のシール当接面2aへの接触圧も弱くなり、一定の回転速度以上でリップ先端はシール当接面2aから離間して非接触となるようにしてもよい。すなわち、高速回転中はモータ周辺の異物が遠心力でモータ周方向に飛ばされてモータ内部への異物の侵入が極端に少なくなることから、回転中のリップ先端の摩擦が略0(ゼロ)となるように第2のリップ部14bの変形度合いを選定してもよい。
なお、両リップ部14a,14bのモータ1の回転速度に対する変形度合いは、オイルシール14の成形材料や全体の厚さ、各リップ部14a,14bの厚さなど成形寸法を適宜に設定して変化させることができる。
図6は第1のリップ部14a及び第2のリップ部14bのリップ先端におけるシール当接面13b,2aに対する接触圧と車速との関係を概略的に示した図である。
両リップ部14a,14bの接触圧は、いずれも車両停止時に最大であり、自動車の走行速度の上昇に伴って低下する。これにより、走行時のオイルシール14の摺動摩擦が低下し、走行におけるエネルギー効率が向上する。
第1のリップ部14aは、自動車が性能的な最高速度に達したとときに、その接触圧が略0になる弾性復元力を有するように設けることが好ましく、この最高速度は例えば自動車をテストコースで走行させたときの速度(例えば180km/h)に設定することができる。これにより実用上、第1のリップ部14aが第2のモータカバー13のシール当接面13bから離間することなく、車両走行中のモータ1内への異物の侵入を確実に防ぐことが可能となる。
両リップ部14a,14bの接触圧は、いずれも車両停止時に最大であり、自動車の走行速度の上昇に伴って低下する。これにより、走行時のオイルシール14の摺動摩擦が低下し、走行におけるエネルギー効率が向上する。
第1のリップ部14aは、自動車が性能的な最高速度に達したとときに、その接触圧が略0になる弾性復元力を有するように設けることが好ましく、この最高速度は例えば自動車をテストコースで走行させたときの速度(例えば180km/h)に設定することができる。これにより実用上、第1のリップ部14aが第2のモータカバー13のシール当接面13bから離間することなく、車両走行中のモータ1内への異物の侵入を確実に防ぐことが可能となる。
また、第2のリップ部14bのリップ先端は、車両支持枠2のシール当接面2a上であってモータ軸10を中心とする円周上に沿って接触しており、モータ軸10から所定の距離離れた位置でシール当接面2aに接触していることから、この付近で異物はモータ軸10の回転による遠心力でそれよりも外側に遠ざけられる。また、通常、走行によって石や砂などの異物が撥ね上がるような未舗装路などでは低速走行が行われ、舗装された一般道路では例えば50km/hから60km/hの巡航速度で走行が行われ、未舗装路などで第2のリップ部14bの近辺に異物が付着したとしても、未舗装路などを抜けてある程度走行速度が上がれば、異物は遠心力により第2のリップに14bの外側に飛散させることができる。
従って、第2のリップ部14bは、低速走行時にはそのリップ先端がシール当接面2aに確実に当接し、巡航速度よりも走行速度が上がったならば、シール当接面2aに対する接触圧が略0となって、車輪支持体2の表面に対して非接触となる程度の弾性復元力を有するように設けることが好ましい。
なお、前記最高速度と巡航速度は、本形態のモータ1を適用する自動車の種類によって異なる設定にしてもよい。例えば電動スクータなどの車両にモータ1を適用したときは、最高速度を60km/h、巡航速度を30km/hとに設定することができ、かかる設定の範囲内で第1,第2のリップ部14a,14bを備えたオイルシール14を設計することができる。
従って、第2のリップ部14bは、低速走行時にはそのリップ先端がシール当接面2aに確実に当接し、巡航速度よりも走行速度が上がったならば、シール当接面2aに対する接触圧が略0となって、車輪支持体2の表面に対して非接触となる程度の弾性復元力を有するように設けることが好ましい。
なお、前記最高速度と巡航速度は、本形態のモータ1を適用する自動車の種類によって異なる設定にしてもよい。例えば電動スクータなどの車両にモータ1を適用したときは、最高速度を60km/h、巡航速度を30km/hとに設定することができ、かかる設定の範囲内で第1,第2のリップ部14a,14bを備えたオイルシール14を設計することができる。
以上の説明では、第1のリップ部14aと第2のリップ部14bは、単一のオイルシール14の一部として形成したが、これらを分離し、別々の部材のオイルシールとしてもよい。第1のリップ部14aと第2のリップ部14bの何れか一方を省略してオイルシール14を形成してもよい。
また、前記第2のモータカバー13は、その中央に設けた孔部13aにモータ軸10を挿通し、モータ軸10の周面と孔部13aの内周部をオイルシール15で密閉して取り付けることにより、モータ軸10がモータ1の外部に露出していてもモータ外部の異物の侵入を防止する機能を奏し、これにより異物侵入によるモータ1の故障発生を抑え、モータ内部の清掃などのメンテナンスを長期間不要とすることができる。
また、第2のモータカバー13は、その外周部から外方へ突出したステータコア固定部13cを備えており、このステータコア固定部13cが軸受箱4の外周部に嵌合固定されたステータコア5の外面に係合して取り付け位置を固定するとともに、その孔部13dに軸受箱4から突出した固定スタッド3を貫通させて軸受箱4に面接触させて固定されることで、軸受箱4と車輪支持体2との間隔を規定して一定間隔に保持するように設けてある。また、第2のモータカバー13は、ステータコア5に巻き付けた励磁コイルから引き出されるモータ端子16の電気配線や回転角センサ9から引き出される電気配線の引き出し経路を備えて形成してある。
このように、単一の部品である第2のモータカバー13に多くの機能を装備させることで、部品コストの削減と組み立て作業の容易化を実現している。
また、第2のモータカバー13は、その外周部から外方へ突出したステータコア固定部13cを備えており、このステータコア固定部13cが軸受箱4の外周部に嵌合固定されたステータコア5の外面に係合して取り付け位置を固定するとともに、その孔部13dに軸受箱4から突出した固定スタッド3を貫通させて軸受箱4に面接触させて固定されることで、軸受箱4と車輪支持体2との間隔を規定して一定間隔に保持するように設けてある。また、第2のモータカバー13は、ステータコア5に巻き付けた励磁コイルから引き出されるモータ端子16の電気配線や回転角センサ9から引き出される電気配線の引き出し経路を備えて形成してある。
このように、単一の部品である第2のモータカバー13に多くの機能を装備させることで、部品コストの削減と組み立て作業の容易化を実現している。
図7は複列アンギュラ玉軸受8が取り付けられた部分の断面構造を示している。
同図に示されるように、モータ軸10の外周に面する複列アンギュラ玉軸受8の玉軸受内輪部8eに向けて、軸受箱4から玉軸受設置突起4aを突出させて設け、複列アンギュラ玉軸受8は、モータ1のホイール取り付け側から軸受箱4の内周部の突き当たり位置まで挿入されて、玉軸受外輪部8fが軸受箱4の内周部に嵌め込まれ、突き当たり位置で玉軸受固定体4bにより固定してある。複列アンギュラ玉軸受8が軸受箱4に固定された後、複列アンギュラ玉軸受8の孔部にモータ軸10が挿入され、ナット17で固定される。
そして、玉軸受内輪部8eの両端部と、玉軸受設置突起4aの先端及び玉軸受固定体4bの先端との間には狭隘な隙間4c,4cを設けてあり、この狭隘な隙間4c,4cにより複列アンギュラ玉軸受8の内部に充填されるグリースの軸受外部への飛散を抑制するようになっている。
狭隘な隙間4c,4cは、図8に示されるように、玉軸受設置突起4aの先端及び玉軸受固定体4bの先端と向き合う玉軸受内輪部8eの両端部に切り欠きを形成して、隙間4c,4cの空間を長く設けたラビリンス構造とすれば、グリース飛散の抑制効果がより高くなる。
同図に示されるように、モータ軸10の外周に面する複列アンギュラ玉軸受8の玉軸受内輪部8eに向けて、軸受箱4から玉軸受設置突起4aを突出させて設け、複列アンギュラ玉軸受8は、モータ1のホイール取り付け側から軸受箱4の内周部の突き当たり位置まで挿入されて、玉軸受外輪部8fが軸受箱4の内周部に嵌め込まれ、突き当たり位置で玉軸受固定体4bにより固定してある。複列アンギュラ玉軸受8が軸受箱4に固定された後、複列アンギュラ玉軸受8の孔部にモータ軸10が挿入され、ナット17で固定される。
そして、玉軸受内輪部8eの両端部と、玉軸受設置突起4aの先端及び玉軸受固定体4bの先端との間には狭隘な隙間4c,4cを設けてあり、この狭隘な隙間4c,4cにより複列アンギュラ玉軸受8の内部に充填されるグリースの軸受外部への飛散を抑制するようになっている。
狭隘な隙間4c,4cは、図8に示されるように、玉軸受設置突起4aの先端及び玉軸受固定体4bの先端と向き合う玉軸受内輪部8eの両端部に切り欠きを形成して、隙間4c,4cの空間を長く設けたラビリンス構造とすれば、グリース飛散の抑制効果がより高くなる。
図9は回転角センサ9が取り付けられた部分の断面構造を示している。
同図に示されるように、モータ軸10はその外径が変化する段差部10aを備え、回転角検出用ロータ9aの内周面が前記段差部10aの外周に嵌合させて取り付けてある。段差部10aの周面の段差付近には溝10bが設けてあり、この溝10bに止め輪9dを装着してある。そして、回転検出用ロータ9aと止め輪9dの間にはOリング9eを配置し、回転検出用ロータ9aをワッシャ9fを介して前記段差10aに押圧固定してある。このような構成により、回転角センサ9の回転角検出用ロータ9aを高精度且つ容易にモータ軸10に取り付けることができ、組み立て作業の容易化が実現される。
同図に示されるように、モータ軸10はその外径が変化する段差部10aを備え、回転角検出用ロータ9aの内周面が前記段差部10aの外周に嵌合させて取り付けてある。段差部10aの周面の段差付近には溝10bが設けてあり、この溝10bに止め輪9dを装着してある。そして、回転検出用ロータ9aと止め輪9dの間にはOリング9eを配置し、回転検出用ロータ9aをワッシャ9fを介して前記段差10aに押圧固定してある。このような構成により、回転角センサ9の回転角検出用ロータ9aを高精度且つ容易にモータ軸10に取り付けることができ、組み立て作業の容易化が実現される。
このように、複列アンギュラ玉軸受8と回転角センサ9は、ともにモータ軸10の外周に直接取り付けされ、しかも軸方向に接近させて直列に配置して取り付けてある。これにより、モータ1を構成する軸受部分と回転角センサ9が、モータ軸10に沿って半径方向及び軸方向の長さを最小限の空間に納めて配置され、大型のステータコア5を具備するモータ1であっても、その外形寸法が小さくなり、同じ外形寸法のモータ1の駆動出力をより大きくすることが可能となる。
このように構成された本形態のモータ1は、車輪支持体2で軸受箱4を支持し、モータ軸10にホイールを締結して車体に取付けるとともに、車体に設置されるバッテリ、モータコントローラ、インバータなどの回路装置と電気的に接続される。そして、前記回路装置によりモータ1を作動させ、軸受箱4の内周部に設置された回転角センサ9でモータ回転子7の回転角を検出し、この回転角センサ9からモータコントローラへと回転情報を出力し、受信した回転情報に応じてインバータからステータコア5の各励磁コイルに必要電力を供給して、駆動輪が目標回転数及び駆動トルクとなるようにモータ1が制御される。
なお、図示したモータ1は本発明を適用した形態の一例を示すものであり、本発明のモータ1及びこれを構成する各部の構造は図示した形態に限定されない。また、前述の通り、電気自動車には電動スクータなどの二輪車が含まれる。
1 モータ、2 車輪支持体、3 固定スタッド、4 軸受箱、5 ステータコア、6 ロータコア、7 モータ回転子、8 複列アンギュラ玉軸受、9 回転角センサ、10 モータ軸、11 ディスクブレーキのロータ、12 第1のモータカバー、13 第2のモータカバー、14 オイルシール、14a 第1のリップ部、14b 第2のリップ部、15 オイルシール、16 モータ端子
Claims (6)
- 車輪支持体にモータ固定部品を介して固定された軸受箱の外周部に回転磁界を生成するステータコアが固定され、軸受箱の内周部にはモータ回転子のモータ軸が貫通設置され、軸受箱とモータ軸との間には複列アンギュラ玉軸受とモータ回転子の回転角を検出する回転角センサが軸方向に直列に配置して固定され、ステータコアと対向配置されたモータ回転子の外側内周部には多数の永久磁石が列設されたロータコアが設置されているとともに、モータ軸の端部にブレーキ機構を構成するブレーキの回転部材が取り付けられた構成を有するアウターロータ式インホイールモータにおいて、
モータ回転子の外周部に車輪支持体側でモータ回転子の外側縁部から軸受箱に向けて延びた第1のモータカバーと、軸受箱を含むモータ軸の周辺部を覆う第2のモータカバーを備えるとともに、
第1のモータカバーはモータ固定部品よりも外周側で、第1のシール部を介して第2のモータカバーに隙間なく接触して当該第2のモータカバーの表面に摺動可能に設けられ、
第2のモータカバーは第2のシール部を介してモータ軸に隙間なく接触して当該モータ軸の表面に摺動可能に設けられた構成を有することを特徴とするアウターロータ式インホイールモータ。 - 第1のシール部はゴムなどの弾性体により形成された第1のリップ部を備え、第2のモータカバーには第1のリップ部とシール係合可能なシール当接面が設けられており、
前記第1のリップ部は、
モータ回転子の回転停止時は自身の弾性復元力によってそのリップ先端がシール当接面に弾性圧接して第2のモータカバーとの間の隙間を閉鎖せしめ、モータ回転子の回転中には当該回転に伴って受ける遠心力により弾性変形して、そのリップ先端とシール当接面との接触圧を低下させ或いはリップ先端がシール当接面から離間するように設けられた構成を有することを特徴とする請求項1に記載のアウターロータ式インホイールモータ。 - 第1のシール部はゴムなどの弾性体により形成された第2のリップ部を備え、車輪支持体には第2のリップ部とシール係合可能なシール当接面が設けられており、
前記第2のリップ部は、
モータ回転子の回転停止時は自身の弾性復元力によってそのリップ先端がシール当接面に弾性圧接して車輪支持体との間の隙間を閉鎖せしめ、モータ回転子の回転中には当該回転に伴って受ける遠心力により弾性変形して、そのリップ先端とシール当接面との接触圧を低下させ或いはリップ先端がシール当接面から離間するように設けられた構成を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のアウターロータ式インホイールモータ。 - 第2のモータカバーは、軸受箱とともに車輪支持体に固定されるとともに、その外周にステータコアに係合して位置決めをするステータコア固定部を備えた構成を有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のアウターロータ式インホイールモータ。
- 複列アンギュラ玉軸受はその玉軸受外輪部が軸受箱の内周部に嵌め込まれて固定されるとともに、玉軸受内輪部の両端部と軸受箱の固定部位との間に狭隘な隙間を設けた構成を有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のアウターロータ式インホイールモータ。
- モータ軸の外周面に段差部を設け、この段差部に回転角センサの回転角検出用ロータが嵌合されるとともに、回転軸の外周に装着されたゴムなどの弾性体により形成された輪状部品を介して回転角検出用ロータを段差部に押圧固定した構成を有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のアウターロータ式インホイールモータ。
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- 2012-10-03 JP JP2012221206A patent/JP2014075879A/ja active Pending
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